説明

フューエルポンプ制御装置

【課題】ロック電流が流れた際に、該ロック電流に伴って発生する熱を抑制し、且つ回路規模を小型化することが可能なフューエルポンプ制御装置を提供する。
【解決手段】通常時には、第1の周波数、第1のデューティ比となるPWM信号により、トランジスタQ1をオン、オフ動作してモータM1を駆動させ、電流検出部11にて検出される電流が閾値電流Ithを超えた場合には、PWM信号の周波数を、第1の周波数よりも低い第2の周波数とし、且つ、PWM信号のデューティ比を、第1のデューティ比よりも低い第2のデューティ比に変更して、トランジスタQ1を駆動する。これにより、モータM1に流れる電流を低減することができ、配線、トランジスタQ1等の回路部品の発熱を抑制することができる。その結果、回路規模を小型化することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるフューエルポンプの駆動を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されるフューエルポンプの駆動用モータは、電子スイッチを介してバッテリに接続され、該電子スイッチを所定の周波数、及びデューティ比のPWM信号により駆動することにより電力が供給されて回転駆動する。
【0003】
また、燃料にゴミ等の異物が混入した場合には、この異物がフューエルポンプの羽根に噛み込むことや、異物により配管が詰まることがあり、このような場合には、フューエルポンプの駆動用モータがロックし、モータにロック電流が流れ続けるので、ロック電流が流れ続けることを想定して、モータ、配線、スイッチ等の各種電子部品を設計する必要がある。即ち、ロック電流が流れ続けても損傷しないように、配線径、スイッチの耐熱温度等を決めなければならず、更には、ロック電流が流れることにより生じる熱を放出するための放熱構造が必要となり、回路の大規模化、及びコストアップにつながるという欠点がある。
【特許文献1】特開2000−240522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来におけるフューエルポンプ制御装置では、フューエルポンプを駆動するためのモータがロックした際に、ロック電流が流れ続けることになり、該ロック電流に耐えられるように電子部品を設計する必要があり、また放熱構造が必要になるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ロック電流が流れた際に、該ロック電流に伴って発生する熱を抑制し、ひいては回路規模を小型化することが可能なフューエルポンプ制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、車両に搭載されるフューエルポンプを制御する制御装置において、電源と前記フューエルポンプの駆動用モータとを接続する回路に設けられる電子スイッチと、前記駆動用モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、第1の周波数、及び第1のデューティ比で前記電子スイッチをPWM制御すると共に、前記駆動用モータに流れる電流が所定の閾値を超えた場合には、周波数を、前記第1の周波数よりも低い第2の周波数に変更し、且つ、デューティ比を、前記第1のデューティ比よりも低い第2のデューティ比に変更して、前記電子スイッチをPWM制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明では、フューエルポンプがロックし、フューエルポンプの駆動用モータが強制的に停止した場合には、PWM信号の周波数が、第1の周波数よりも低い第2の周波数に変更され、且つ、PWMのデューティ比が、第1のデューティ比よりも低い第2のデューティ比に変更されるので、ロック時にモータに流れる電流を低減することができる。このため、配線、トランジスタ等の回路構成要素を小型化、小規模化することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記第2の周波数、及び前記第2のデューティ比に変更した後、所定時間が経過した場合には、再度、前記第1の周波数、及び第1のデューティ比に戻すと共に、電流が前記所定の閾値を超えたか否かの判定を再度行い、所定の閾値を超えた場合には、再度前記第2の周波数、及び前記第2のデューティ比に変更する制御を繰り返すことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明では、フューエルポンプがロックして、PWM信号の周波数を第2の周波数に変更し、且つ、PWM信号のデューティ比を第2の周波数に変更した場合には、所定時間が経過した後に、再度第1の周波数、第1のデューティ比に戻す。そして、未だロックが回避されていない場合には、再度第2の周波数、第2のデューティ比に変更する操作を繰り返して実行する。このため、フューエルポンプのロックが回避された場合には、PWM信号が通常時の周波数である第1の周波数となり、通常時のデューティ比である第1のデューティ比となるので、ロックが発生した場合であっても、駆動モータを停止させることなく、ロックが回避された場合にフューエルポンプを継続して駆動させることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記第2の周波数、及び前記第2のデューティ比は、前記電子スイッチのオフ時に、電流がゼロクロスするように設定されることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明では、フューエルポンプがロックして、PWM信号が第2の周波数、及び第2のデューティ比とされた場合において、電子スイッチがオフとなった際に、該電子スイッチに流れる電流がゼロクロスするので、駆動モータに大きなトルク変化が発生する。これにより、フューエルポンプに振動を発生させることができ、フューエルポンプに異物が噛み込まれた場合には、該異物が外れ易くなり、ひいては、ロック状態を回避し易くなる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記第1の周波数は1[KHz]以上であり、前記第2の周波数は10〜100[Hz]であり、且つ、前記第1のデューティ比は50〜100%であり、前記第2のデューティ比は10%以下であることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明では、第1の周波数を1[KHz]、第1のデューティ比を50〜100%とすることにより、駆動モータに供給する電流を安定させることができ、他方、第2の周波数を10〜100[Hz]、第2のデューティ比を10%以下とすることにより、駆動モータに大きなトルク変化を発生させて、フューエルポンプを振動させ、フューエルポンプに異物が噛み込まれている際には、該異物を外れ易くすることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記第2の周波数は、フューエルポンプの固有周波数の整数倍、または整数分の1とすることを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明では、フューエルポンプの固有振動数の整数倍、または整数分の1となるように第2の周波数が設定されるので、この第2の周波数で電子スイッチを駆動する場合には、フューエルポンプ振動が強め合い、羽根に噛み込まれた異物を、より外れ易くすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るフューエルポンプ制御装置では、フューエルポンプの駆動用モータがロックし、該駆動用モータが強制的に停止した場合に、PWM信号の周波数、及びデューティ比が低くなるように制御されるので、駆動用モータのロック時に流れる電流を低減することができ、フューエルポンプの駆動用モータのロック時における発熱を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るフューエルポンプ制御装置10を含む、フューエルポンプの駆動回路を示す説明図である。
【0018】
図1に示すように、車両に搭載されるバッテリVBと、フューエルポンプを駆動するためのモータM1との間には、IGNリレーX1、フューズF1、フューエルポンプリレーX2、シャント抵抗R1(電流検出手段)、及びP型MOSFET等のトランジスタQ1(電子スイッチ)が設けられている。更に、モータM1に対して並列に、N型MOSFET等のトランジスタQ2が設けられている。
【0019】
IGNリレーX1は、車両に搭載されるイグニッションスイッチS1がオンとされたときに励磁して、オフ状態からオン状態に切り換えられる。
【0020】
フューエルポンプリレーX2は、エンジン制御用ECU21より、F/P駆動信号が供給されたときに励磁して、オフ状態からオン状態に切り換えられる。該F/P駆動信号は、例えば、エアバッグ起動信号が発生した場合等にオフとなって、回路を遮断し、モータM1を停止させる。
【0021】
モータM1の駆動を制御するためのフューエルポンプ制御装置10は、シャント抵抗R1と、トランジスタQ1、及びトランジスタQ2を備え、更に、例えば、マイコン等で構成される電流検出部(電流検出手段)11、ゲート駆動部12、ロック検知部13、PWM制御部(制御手段)14、ダイアグ出力部15、ノイズ除去及びレベル調整を行う入力I/F16、及び出力I/F17を備えている。
【0022】
電流検出部11は、シャント抵抗R1の両端に発生する電圧を検出し、この電圧値とシャント抵抗R1の抵抗値に基づいて、トランジスタQ1に流れる電流I-Pを検出する。
【0023】
ロック検知部13は、電流検出部11で検出された電流値と、予め設定されているロック電流の閾値(所定の閾値;例えば、5.9[A])とを比較し、電流検出部11で検出された電流値が該閾値を超えた場合にロック信号を出力する。このロック信号は、PWM制御部14、及びダイアグ出力部15に出力される。
【0024】
PWM制御部14は、入力I/F16を介してエンジン制御用ECU21より入力されるフューエルポンプの制御信号に基づいてPWM信号を生成する。即ち、エンジン制御用ECU21よりモータM1の回転数を設定する設定信号が入力された際に、この回転数に応じたデューティ比となるPWM信号を生成し、このPWM信号をゲート駆動部12に出力する。また、ロック検知部13よりロック信号が入力された場合には、後述する処理手順により、PWM信号の周波数、及びデューティ比を変更する処理を行う。
【0025】
ゲート駆動部12は、PWM制御部14より出力されるPWM信号に基づいて、各トランジスタQ1,Q2のゲートに駆動信号を出力し、各トランジスタQ1,Q2を所望の周波数、及びデューティ比でオン、オフ動作させる。この際、2個のトランジスタQ1,Q2が同時にオンとならないように、デッドタイムを設ける。
【0026】
ダイアグ出力部15は、ロック検知部13よりロック信号が出力された際に、ダイアグ信号を生成し、このダイアグ信号は、出力I/F17を介して、エンジン制御用ECU21に出力される。これにより、エンジン制御用ECU21は、警報ランプ或いは警報音等を作動させて、フューエルポンプがロックしたことを車両の乗員に知らせる。
【0027】
次に、上述のように構成されたフューエルポンプ制御装置10の動作を、図2に示すフローチャート、及び図3,図4に示すタイミングチャートを参照して説明する。図1に示すエンジン制御用ECU21より、F/Pリレー駆動信号が出力されると、図3(a)に示すように、リレーX2がオンとなってバッテリVBとフューエルポンプ制御装置10が電気的に接続される。更に、図3(b)に示すように、エンジン制御用ECU21より制御信号が入力されると、フューエルポンプ制御装置10は、フューエルポンプの駆動を開始する。即ち、PWM制御部14は、通常時の駆動条件として、周波数6[KHz](1[KHz]以上の周波数;第1の周波数)、デューティ比50%(50〜100%のデューティ比;第1のデューティ比)のPWM信号を生成し、該PWM信号をゲート駆動部12に出力する。
【0028】
すると、ゲート駆動部12は、このPWM信号により、トランジスタQ1をオン、オフ動作させ、且つ、トランジスタQ2をトランジスタQ1と反対のタイミングでオン、オフ動作さる。その結果、図3(c)に示すように、モータM1の端子に周期的に変化する電圧Voutが発生する。
【0029】
このとき、トランジスタQ1からモータM1に向けて、図3(e)に示す如くの電圧Voutに連動して変化する電流I-Pが流れ、且つ、トランジスタQ2からモータM1に向けて、図3(f)に示す如くの電流I-Nが流れるので、モータM1には、図3(d)に示すように、プラスの電流値で鋸歯状に変化する波形となる電流I-Mが流れることとなる。これにより、モータM1は所望の回転数で回転し、フューエルポンプが回転して燃料の供給が行われる。
【0030】
いま、図3に示す時刻t0にて、フューエルポンプがロックし、モータM1の回転が強制的に阻止された場合には、図3(e)に示すように、トランジスタQ1に流れる電流I-Pが上昇し、且つ、図3(d)に示すように、モータM1に流れる電流I-Mが上昇する。その結果、図1に示すシャント抵抗R1の両端電圧が上昇し、ロック検知部13では、電流I-Pが閾値電流Ith(例えば、5.9[A])を超えたものと判断し(図2のステップS1でYES)、図3(g)に示すように、PWM制御部14にロック信号を出力する。
【0031】
PWM制御部14は、ロック信号が入力されると、PWM信号の周波数を、例えば、10[Hz]程度の低い周波数(10〜100[Hz];第2の周波数)に変更し、且つ、PWM信号のデューティ比を、例えば、10%程度の低い値(10%以下のデューティ比;第2のデューティ比)に変更する(図2のステップS2)。
【0032】
その結果、図3の時刻t1〜t2の(c)に示すように、モータM1の端子に発生する電圧Voutは、通常時に比べて低い周波数、且つ低いデューティ比の波形となり、これに伴って、電流I-P、I-Nは、図3(e)、(f)に示すように変化するので、モータM1に流れる電流I-Mは、図3(d)に示すように、断続的な波形(トランジスタQ1のオフ時に電流値がゼロクロスする波形)となる。従って、モータM1に流れる電流を低減することができ、モータM1のロック時に流れる電流を低減することができる。
【0033】
また、ロック検知部13よりロック信号が出力された場合には、このロック信号はダイアグ出力部15に出力され、且つ、PWM制御部14より、PWM信号の周波数及びデューティ比を変更したことを示す信号がダイアグ出力部15に出力される。ダイアグ出力部15は、これらの信号が入力された場合には、出力I/F17を介して、エンジン制御用ECU21にダイアグ信号を出力する。エンジン制御用ECU21は、このダイアグ信号が入力された場合には、図示省略のランプ、ブザー等により、フューエルポンプがロックしたことを車両の乗員に報知する。
【0034】
更に、PWM制御部14は、ロック検知部13よりロック信号が入力された場合には、ロック信号が入力した時点からの経過時間を計時する。そして、経過時間が所定時間(例えば、2秒)となった場合には(図2のステップS3でYES)、PWM信号の周波数、及びデューティ比を元の状態に戻す制御を行う(図2のステップS4)。即ち、PWM信号の周波数を6[KHz](第1の周波数)、デューティ比を50%(第1のデューティ比)に変更する。
【0035】
その結果、図3に示す時刻t2の時点で、電圧Voutが通常時の波形に変更される。そして、この時点で未だフューエルポンプのロック状態が回避されず、ロック電流が流れ続けている場合には、時刻t3にて再度、PWM信号の周波数を10[Hz]とし、且つ、デューティ比を10%とする処理が行われて、モータM1に流れる電流が低減される。この動作は、フューエルポンプのロック状態が回避されるまでの間、繰り返して実行されることとなる。
【0036】
また、図4に示すように、時刻t3でPWM制御部14にロック信号が入力され、その後、時刻t4にてフューエルポンプのロック状態が解除された場合には、時刻t5でPWM信号の周波数、及びデューティ比が通常状態に戻された後、電流I-Pは閾値電流Ith(例えば、5.9[A])以下となるので、その後PWM信号の周波数、及びデューティ比は変更されず、通常状態が維持される。つまり、フューエルポンプが一旦ロック状態となり、その後、ロック状態が回避された場合には、通常の駆動状態に戻ることとなる。
【0037】
このようにして、本実施形態に係るフューエルポンプ制御装置10では、フューエルポンプに異物が噛み込む等の理由により、フューエルポンプ駆動用のモータM1がロック状態となり、トランジスタQ1にロック電流が流れた場合には、電流検出部11にて検出される電流I-Pに基づいて、ロック状態が検出される。そして、ロック状態となったことが検出された場合には、PWM信号の周波数を低下させ、且つPWM信号のデューティ比を低下させて、トランジスタQ1,Q2を駆動する。従って、モータM1に流れる電流を低減することができ、モータM1及び配線、各トランジスタQ1,Q2に生じる発熱量を低減することができる。
【0038】
その結果、フューエルポンプの駆動回路を構成するトランジスタ、配線等の各種の構成要素を、大電流に耐え得るスペックとする必要がなく、電線径を細径化することができ、且つ、MOSFET等のトランジスタの耐熱特性を、低い耐熱特性のものとすることができるので、全体として回路規模を簡素化し、省スペース化、低コスト化を図ることができる。
【0039】
また、ロック状態が検出されて、PWM信号の周波数及びデューティ比を低減した場合には、所定時間(例えば、2秒)が経過した後に、再度、PWM信号の周波数及びデューティ比を元に戻す操作を繰り返して実行し、ロック状態が回避された場合には、モータM1は通常動作するので、たとえ、モータM1がロックされた場合であっても、モータM1を遮断することなく、継続して駆動させることができる。
【0040】
更に、図3の時刻t1〜t2の(d)に示す電流I-Mの波形から理解されるように、ロック状態が検出されている際には、電流I-Mは、断続的に変化する波形、即ち、トランジスタQ1のオフ時において電流がゼロクロスする波形となる。このため、モータM1のトルクが周期的に大きく変動し、フューエルポンプの羽根に断続的な振動が発生することとなる。そして、この断続的な振動により、例えば、フューエルポンプの羽根に異物が噛み込まれている場合等においては、この異物が外れ易くなり、ロック状態が回避され易くなる。
【0041】
また、フューエルポンプに生じる振動は、該フューエルポンプの固有周波数の整数倍、或いは整数分の1の周波数で強め合うので、フューエルポンプの固有周波数を予め測定しておき、ロック検出時におけるPWM信号の周波数を、フューエルポンプの固有周波数の整数倍、或いは整数分の1に設定することにより、ロック発生時により強い振動を発生させて、フューエルポンプの羽根に噛み込まれた異物を、より外れ易くすることも可能である。ここで、フューエルポンプの固有周波数は、該フューエルポンプの構造から計算により求める方法や、フューエルポンプに実際に周波数を変化させながら振動を与え、振動の強弱を測定することにより求めることができる。
【0042】
また、上記した実施形態では、第1の周波数の一例として6[KHz]を例に挙げて説明したが、1[KHz]以上の周波数とすることが好ましい。更に、第1のデューティ比の一例として、50%を例に挙げて説明したが、50〜100%とすることが好ましい。
【0043】
更に、上記した実施形態では、第2の周波数の一例として10[Hz]を例に挙げて説明したが、1〜100[Hz]とすることが好ましい。更に、第2のデューティ比の一例として、10%を例に挙げて説明したが、1〜10%とすることが好ましい。
【0044】
以上、本発明のフューエルポンプ制御装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
フューエルポンプがロックした場合であっても電流値を抑制し、フューエルポンプの駆動を継続させる上で極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係るフューエルポンプ制御装置を含む、フューエルポンプの駆動回路を示す回路図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るフューエルポンプ制御装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係るフューエルポンプ制御装置で生じる各信号の波形を示すタイミングチャートであり、ロック状態が継続している場合を示す。
【図4】本発明の一実施形態に係るフューエルポンプ制御装置で生じる各信号の波形を示すタイミングチャートであり、ロック状態となった後、ロック状態が回避した場合を示す。
【符号の説明】
【0047】
10 フューエルポンプ制御装置
11 電流検出部(電流検出手段)
12 ゲート駆動部
13 ロック検知部
14 PWM制御部(制御手段)
15 ダイアグ出力部
16 入力I/F
17 出力I/F
21 エンジン制御用ECU
VB バッテリ(電源)
S1 イグニッションスイッチ
X1 IGN(イグニッション)リレー
X2 フューエルポンプリレー
F1 フューズ
Q1 トランジスタ(P型MOSFET;電子スイッチ)
Q2 トランジスタ(N型MOSFET)
M1 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるフューエルポンプを制御する制御装置において、
電源と前記フューエルポンプの駆動用モータとを接続する回路に設けられる電子スイッチと、
前記駆動用モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、
第1の周波数、及び第1のデューティ比で前記電子スイッチをPWM制御すると共に、前記駆動用モータに流れる電流が所定の閾値を超えた場合には、周波数を、前記第1の周波数よりも低い第2の周波数に変更し、且つ、デューティ比を、前記第1のデューティ比よりも低い第2のデューティ比に変更して、前記電子スイッチをPWM制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするフューエルポンプ制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第2の周波数、及び前記第2のデューティ比に変更した後、所定時間が経過した場合には、再度、前記第1の周波数、及び第1のデューティ比に戻すと共に、電流が前記所定の閾値を超えたか否かの判定を再度行い、所定の閾値を超えた場合には、再度前記第2の周波数、及び前記第2のデューティ比に変更する制御を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載のフューエルポンプ制御装置。
【請求項3】
前記第2の周波数、及び前記第2のデューティ比は、前記電子スイッチのオフ時に、電流がゼロクロスするように設定されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のフューエルポンプ制御装置。
【請求項4】
前記第1の周波数は1[KHz]以上であり、前記第2の周波数は10〜100[Hz]であり、且つ、前記第1のデューティ比は50〜100%であり、前記第2のデューティ比は10%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のフューエルポンプ制御装置。
【請求項5】
前記第2の周波数は、フューエルポンプの固有周波数の整数倍、または整数分の1とすることを特徴とする請求項1,2,4のいずれか1項に記載のフューエルポンプ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−213325(P2009−213325A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56166(P2008−56166)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】