説明

フランジ付き仕切りトレー容器およびその製造方法

【課題】密封性の高いシールが可能なフランジー部と少なくても仕切り部がトレー容器に容易に、且つ、安価に形成されるフランジー付きトレー容器およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
上部開口部を有するトレー容器上に仕切部材でフランジー部と仕切り部が形成されているフランジー付き仕切りトレー容器であって、
前記トレー容器の開口部上にフランジー部が形成されている仕切り部材の少なくても仕切部がトレー容器に形成され、さらに、仕切り部材表面とトレー容器の内側面が熱可塑性プラスチックフイルムまたはシートで被覆接着されていることを特徴とするフランジー付き仕切り容器およびその製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体や粘体あるいは顆粒状等の収納物を収納し、密封流通することもできるフランジ付き仕切りトレー容器およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、フランジ部を平滑な面に形成し、容器内が仕切りられ、且つ、シール蓋を熱シール等で密封することもできるフランジ付き仕切りトレー容器およびその製造方法に関する。収納物としては、冷蔵・冷凍食品;調理加工食品;果実あるいは顆粒飲料粉末等の飲料品;真空乾燥物等の食品調理部固形ワックス等の日用雑貨品材等が例示できる。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体や粘体あるいは顆粒状等の収納物を収納し、密封流通することもできるトレー容器として、プラスチック製成形トレー容器あるいは紙製トレー容器が広く使用されている。また、プラスチック製成形トレー容器あるいは紙製トレー容器を使用して収納物を流通する際に、トレー容器の開口部を密封するために上部開口部周縁にフランジ部が形成されているトレー容器およびその製造方法が多く提案されている。
【0003】
さらに、流通する際に、収納物が損傷したり、混じりあったりしないように、トレー容器の内側に仕切を設けたプラスチック製成形トレー容器あるいは紙製トレー容器も使用され、また、提案されている。
【0004】
(1)先行技術1
トレー容器の上部開口部の全周にフランジ板が張り出し、各フランジ板の端部同士を互いに重ね合わせることにより、外力に対する上部開口部の耐変形性と容器強度を向上させた密封性紙製トレー容器(例えば、特許文献1参照。)が知られている。
【0005】
この、密封性紙製トレー容器100は図15に示すように矩形状の底面板101の四辺が上方に向かって外側に傾斜して対向する一対の側面板102と一対の側面板103が形成されている。また、各々側面板102、103で挟まれる角隅部にコーナー板104によって、面取り状のコーナー部が形成されている。
【0006】
さらに、紙製トレー容器の上部開口部に沿って水平に張り出すフランジ板105、106および該フランジ板105に延設したコーナーフランジ板107が設けられている。そして、フランジ板106とコーナーフランジ板107の端辺より延設した接続フランジ板108とを重ね合わせて、接着形成されている。
【0007】
(2)先行技術2
また、密封性の高いシールが可能なフランジ部を有する密封性紙製トレー容器およびその製造方法(例えば、特許文献2参照。)も知られている。
【0008】
この密封性紙製トレー容器は、表面に熱可塑性樹脂層を積層した板紙を主材料としてブランク板が形成されている。また、該ブランク板200は図16に示すように四隅が円形に施されている。
【0009】
また、ブランク板200の中心に向かって放射線状に複数の罫線109が施されている。さらに、底面112と側面113とフランジ部114が形成される各境界周縁にも、罫線110、111が設けられている。
【0010】
そして、前記ブランク板200は、密封性紙製トレー容器を製造する成形機で図17に
示すような矩形状の底面112と側面113とフランジ部114が形成されている密封性紙製トレー容器300が作製される。
【0011】
(3)先行技術3
また、仕切り付きトレー容器として、生鮮食品などに価格の安い保冷剤を直接接触させて変質させることなく長時間鮮度を保持しうる保冷剤用仕切り付きトレー(例えば、特許文献3参照。)も知られている。
【0012】
この、トレー容器400は図18に示すようにトレー容器400本体の内に、生鮮食品115を詰める生鮮食品配置部分116と保冷剤118を詰める保冷剤配置部分119とを隔てる仕切117が設けられている。そして、その仕切117の高さがトレー容器400本体の上面よりも低く形成されている。
【0013】
(4)先行技術4
また、トレー容器と仕切りを一枚の板紙で構成させて、仕切りを組み立てたり、トレーに嵌め込んだりする煩わしさをなくし、且つ、仕切りにある程度の深さを有する紙トレーの仕切り構造(例えば、特許文献4参照。)も知られている。
【0014】
この紙トレーは図19に示すようにブランク500の底面に切り込み線120に囲まれた複数個のフラップ121、122が設けられている。また、ブランク500を組み立てた紙トレーの、前記複数個のフラップ121、122を立ち上げるように折り曲げられている。そして、ブランク500を組み立てた紙トレーの内面に熱可塑性プラスチックシートを真空成形法等の成形法により密着成形し、紙トレーと熱可塑性プラスチックシートが一体化されている。
【0015】
(4)先行技術5
また、フランジやフランジの先端に設けた嵌合部の形状が安定した成形精度の高い紙トレーと該紙トレーの製造方法(例えば、特許文献5参照。)も知られている。
【0016】
この紙トレーおよび紙トレーの製造方法は、図20に示すようにフランジ付き紙トレーが紙トレー124の外形と略同じ形状の凹部125を有する成形用型126内に設けられる。さらに、紙トレー124の上面より一回り大きい周縁に嵌合部を有する熱可塑性プラスチックシート127を紙トレー124上面に設ける。
【0017】
そして、紙トレー124のフランジ部と熱可塑性プラスチックシート127の嵌合部の内側を重ねて熱接着させると共に熱可塑性プラスチックシート127を上から加熱し、真空形成法ないし圧空成形法により紙トレー124の内面に密着される。
【0018】
(4)先行技術6
また、図21に示すような熱可塑性プラスチックシート130を外箱129の内面と仕切り板128とに密着させる仕切り付き容器の製造方法(例えば、特許文献6参照。)も知られている。
【0019】
この仕切り付き容器の製造方法は仕切り板128と接触する位置付近に貫通する孔もしくは切り込みが外箱129に設けられている。また、外箱の外形と略同じ形状の凹部を有する成形用型131に外箱129が設けられる。そして、その上から熱可塑性プラスチックシート130を履せ、真空形成法又は真空形成法と圧空成形法を併用して、外箱129の内面と仕切り板128とを密着させる。
【0020】
(4)先行技術7
また、紙を主体とする複合トレー容器に仕切り部を備え、且つその仕切り部により形成される互いの収納部の間に液漏れ防止機能が付与されている紙製の仕切付き複合トレー容器およびその製造方法(例えば、特許文献7参照。)も知られている。
【0021】
この紙製トレーは図22に示すようにトレーの上部開口部から底部に向かって互いに対向する四側壁部132、135が狭幅となる矩形テーパー状に形成されている。また、紙製トレー136を区画するように前記四側壁部132、135のうち一対の互いに対向する二側壁部に水平方向に架設された仕切り部材138が設けられている。そして、該紙製トレー136の内側と仕切り部材138の外側とに亘って、合成樹脂フイルム137が真空若しくは圧空成形により被覆され密着成形されている。
【0022】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開平10−101055号公報
【特許文献2】特開2001−328616号公報
【特許文献3】特開平10−129735号公報
【特許文献4】特開平9−267825号公報
【特許文献5】特開平9−254280号公報
【特許文献6】特開昭50−112174号公報
【特許文献7】特開2001−114252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
(1)先行技術1について
先行技術1では、紙製トレー容器の上部開口部全周に張りだしているフランジ板の端部同士が互いに重ね合わされているために外力に対する上部開口部の耐変形性と容器強度は向上する。しかし、紙製トレー容器に収納物を収納して、蓋材で封緘した際に、蓋材の材質、構成、厚さ等によって、フランジ板の端部同士が互いに重ね合わされている箇所に段差があるために、密封性が悪いという問題がある。
【0024】
また、この紙製トレー容器を使用して収納物を仕切る場合には、通常、該トレー容器の内側に別のプラスチックトレー容器等が使用される。このために、この紙製トレー容器を仕切りトレー容器とて使用する場合には、コストが高くなるという問題がある。さらに、収納物を収納する際、手間がかかるという問題もある。
【0025】
(2)先行技術2について
ブランク板の四隅に成形し易いように放射線状に複数の罫線が設けられている。そして、該ブランク板を成形し、密封る際に、トレー容器の四隅のフランジ部表面が凹凸状に形成されているために密封性が悪くなるという問題がある。
【0026】
さらに、この紙製トレー容器を使用して収納物を仕切る場合には、通常、該トレー容器の内側に別のプラスチックトレー容器等が使用される。このために、この紙製トレー容器を仕切りトレー容器とて使用する場合には、コストが高くなるという問題がある。さらに、収納物を収納する際、手間がかかるという問題もある。
【0027】
(3)先行技術3について
先行技術3では、トレー容器に仕切りが設けられている。このために、トレー容器内に別のトレー容器を設ける必要はない。しかし、該トレー容器を製造するためには金型を作製しなければならないという問題がある。また、金型を作製する費用が高く、さらに、時間がかかるという問題がある。
【0028】
(4)先行技術4について
先行技術4では、組み立てられた紙トレーの底部は、複数個のフラップを折り曲げられて、立ち上げられている。そして、紙トレーの内面に熱可塑性プラスチックシートを真空成形法等の成形法により密着成形して仕切りが形成されている。
【0029】
しかし、熱可塑性プラスチックシートを密着する際に、プラグアシストを作製しなければならない問題がある。このプラグアシストは立ち上げられているフラップの形状を保持するために、立ち上げられているフラップ形状と略同じ形状の凹部が形成されている。そして、このプラグアシストを作製するための費用と時間がかかるという問題がある。
【0030】
さらに、作製したプラグアシストを真空成形機あるいは圧空成形機等上で、時間をかけて位置調整等を行わなければならないという問題がある。
【0031】
(5)先行技術5について
先行技術5では、紙トレー容器の内面に積層される熱可塑性プラスチックシートは、紙トレーのフランジの外側に嵌合部が形成されている。このために紙トレー容器に熱可塑性プラスチックシートを真空成形あるいは圧空成形する際に、熱可塑性プラスチックシートの位置を合わせなければならないという問題がある。
【0032】
さらに、熱可塑性プラスチックシートは真空成形あるいは圧空成形する前に嵌合部を形成するための成形加工が設けられる。さらに、真空成形あるいは圧空成形する際に、位置合わせが必要となる等作業が煩雑で、且つ、作業効率が悪くなるという問題がある。
【0033】
(6)先行技術6について
先行技術6では、外箱内に形成される仕切り板は熱可塑性フイルムで履せられた後、外箱内で安定すると考えられる。しかし、熱可塑性フイルムを履せる以前は外箱内で非常に不安定な状態で設けられている。このために履せる作業がしづらく、さらに、作業効率が悪いという問題がある。
【0034】
また、仕切り板を外箱内の所定の位置に常に的確にセッティングすることは非常に難しいという問題がある。さらに、機械の振動や作動中に仕切り板の位置がずれたり、倒れたりする問題がある。
【0035】
(7)先行技術7について
先行技術7では、先行技術6と同様に、トレー容器内に形成される仕切り部材は熱可塑性フイルムで履せられた後、トレー容器内で安定すると考えられる。しかし、熱可塑性フイルムを履せる以前はトレー容器内で非常に不安定な状態で設けられている。このために履せる作業がしづらく、さらに、作業効率が悪いという問題がある。
【0036】
また、仕切り部材をトレー容器内の所定の位置に常に的確にセッティングすることは非常に難しいという問題がある。さらに機械の振動や作動中に仕切り部材の位置がずれたり、倒れたりする問題がある。
【0037】
本発明は上記した従来の問題点を鑑みてなされるものであり、次のようなフランジ付き仕切りトレー容器およびその製造方法を提供することを目的とする。すなわち、本発明の第1の目的は、フランジ部面に段差や凹凸等が全くない平滑な表面が形成されているフランジ付き仕切りトレー容器およびその製造方法を提供することである。
【0038】
また、本発明の第2の目的は、蓋材の材質や構成あるいは厚さ等に左右されず、優れた密封性をる有するフランジ付き仕切りトレー容器およびその製造方法を提供することである。
【0039】
また、本発明の第3の目的は、トレー容器内で仕切り部分となる箇所が作業中に転倒したり、ずれたりすることなく、常に所定の位置に的確に設けられるフランジ付き仕切りトレー容器およびその製造方法を提供することである。
【0040】
また、本発明の第4の目的は、一枚の紙等で平滑なフランジ部と仕切り部が形成され、さらに、トレー容器の側面等の強度が補強できるフランジ付き仕切りトレー容器およびその製造方法を提供することである。
【0041】
また、本発明の第5の目的は、通常の真空成形や圧空成形でプラグアシスト等を新たに作ることなく、容易にトレー容器の内面と仕切り部材の表面に熱可塑性樹脂フイルムまたはシートを密着されることができるフランジ付き仕切りトレー容器およびその製造方法を提供することである。
【0042】
また、本発明の第6の目的は、安定した作業で、効率く良く、安価に生産することができるフランジ付き仕切りトレー容器およびその製造方法を提供することである。
【0043】
また、本発明の第7の目的は、トレー容器の材質や形状に関係なく、平滑なフランジ部と仕切り部を煩雑な作業工程によらず容易に作製することのできるフランジ付き仕切りトレー容器およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0044】
上記の課題を解決するために、まず本発明の請求項1に係る発明は、
上部開口部を有するトレー容器の開口部に仕切リ部材を載置して、この仕切り部材でフランジ部を設けると共に、仕切り部材に設けられた切れ目線と折り目線で仕切り部を形成して成るフランジ付き仕切りトレー容器であって、
仕切り部材表面とトレー容器内側面が熱可塑性プラスチックフイルムまたはシートで被覆接着され、このフイルムまたはシートにより仕切り部材とトレー容器が一体化されていることを特徴とするフランジ付き仕切りトレー容器である。
【0045】
次に、本発明の請求項2に係る発明は、
上部開口部を有するトレー容器の開口部に仕切リ部材を載置して、この仕切り部材でフランジ部を設けると共に、仕切り部材に設けられた切れ目線と折り目線で仕切り部を形成して成るフランジ付き仕切りトレー容器の製造方法であって、
前記仕切り部材が、トレー容器の開口部上に載置し、少なくても仕切り部がトレー容器内に形成された後、仕切り部材の上側面から熱可塑性プラスチックフイルムまたはシートを真空若しくは圧空成形により被覆させ、トレー容器と仕切板部材が一体化させることを特徴とするフランジ付き仕切りトレー容器の製造方法である。
【発明の効果】
【0046】
本発明のフランジ付き仕切りトレー容器はトレー容器の上部開口部に平滑なフランジ部が設けられているために、開口部を密封した際の密封性に優れている。さらに、蓋材の材
質や構成あるいは厚さに左右されことがない。
【0047】
また、既成の紙トレーやプラスチックトレーにも容易に仕切り部と平滑なフランジ部を設けることができる。
【0048】
また、公知の印刷機や打ち抜き加工機、あるいは真空成形機また圧空成型機等で容易に且つ、安価に作製することができる。
【0049】
さらに、作業工程が煩雑でなく、且つ、作業中に仕切り部材等が倒れたり、位置がずれたりすることがない。そして、安定した作業で作製することができる。
【0050】
また、トレー容器の所定の位置に的確に、且つ、素早く仕切り部を形成することができる等、作業性にも優れている。
【0051】
また、真空成形や圧空成形を使用する際に、特別なプラグアシスト等を作製することがない。そして、通常のプラグ等で安価にトレー容器と仕切り部材を一体化することができる。
【0052】
さらに、仕切り部材によってトレー容器の上部開口部の強度や側面部分の耐圧強度を向上させることができる。また、収納物を収納あるいは充填し、密封する作業等が効率良く、且つ、円滑に行うことができる。さらに、保存や流通時でのトレー容器の損傷が少なくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
本発明のフランジ付き仕切りトレー容器およびその製造方法を実施の形態に沿って以下に図面を参照にしながら詳細に説明する。図1〜図14は本発明の一実施例を示す。
【0054】
本発明のフランジ付き仕切りトレー容器は上部開口部を設けたトレー容器とトレー容器の外周縁と同等形状か、あるいは大きい形状の仕切り部材から形成されている。そして、トレー容器に、少なくてもフランジ部と仕切り部が形成された仕切り部材が適宜の状態に組み立てられる。
【0055】
さらに、熱可塑性樹脂フイルムまたはシートを加熱して、真空成形あるいは圧空成形により、仕切り部材表面とトレー容器の内面側に熱可塑性樹脂フイルムまたはシートが密着状態で積層接着される。そして、仕切り部材表面とトレー容器が一体化されている。
【0056】
また、前記トレー容器に使用する材料は紙に限定されるものではない、例えば、熱可塑性樹脂フイルムまたはシート、パルプモールド用部材、合成紙、バリアフイルムまたはシート等が例示できる。
【0057】
前記トレー容器の材料として、紙を使用する場合には、紙の材質も特に限定されるものではない、例えばアイボリー紙、ポストカード、両面カード紙、マニラボール紙、白ボールである白板紙等、通常の板紙を使用することができる。
【0058】
また収納する収納物あるいは流通・使用条件または使用用途によって紙の中間層に古紙を使用した板紙、あるいは黄ボール、チップボール、色ボール(両面クラフトボール、片面クラフトボール他)等の下級紙を用いることもできる。
【0059】
また、トレー容器に収納する収納物、あるいは保存条件、流通条件、使用条件等によって前記板紙に耐水性、耐油性等を附与したものも使用できる。前記板紙に耐水性あるいは
耐熱性あるいは耐薬品性を附与する方法としては板紙を抄造加工する時に行う方法と抄造加工された板紙に含浸あるいは塗工する方法がある。
【0060】
例えば、抄造加工する時に耐水性を付与するために添加される耐水剤は、通常、抄紙前のパルプ縣濁液に内添する内添耐水剤であり、湿潤紙力増強剤として、尿素―ホルムアルデヒド樹脂、メラミンーホルムアルデヒド樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ジアルデヒドでんぷん、グリオキザール化ポリアクリルアミド樹脂等がある。また、この耐水剤の添加量は、使用するパルプの種類、薬剤の種類や目的とする耐水性により異なる。
【0061】
また、抄造加工された板紙に耐水性を附与す二次加工用薬剤としては、価格あるいは性能等のバランスが優れているカルナバワックス、バラフィン系ワックス、ポリエチレンワックス等のワックスが多く使用されている。その他に、水に不溶なポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレンー酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデンー酢酸ビニル共重合体などの高分子溶液あるいはエマルジョンが用いられる。
【0062】
また、板紙に耐油性を付与するためには、通常、加工処理面の臨海表面張力を油性物質の表面張力より小さくすることが必要である。このような機能を有する薬品を耐油剤と称し、主に過フッ素化水素のアクリルレートまたはリン酸エステル等のフッ素化合物を用いたものが耐油紙として知られている。そして、一般的にフッ素系耐油剤で処理されている。
【0063】
また、前記抄造加工された板紙に耐水剤あるいは耐油剤等の加工に際しては、ロールコーター、エアナイフコーター、メタリングバーコーター、ファウンテンブレードコーター、ベベルブレードコーター、ショート・ドゥエルコーターあるいはカーテンコーター等、いずれかの適宜の塗工機を用いて板紙の表側面あるいは裏側面または両側面に施される。、また、前記耐水剤等を塗工あるいは含浸加工を施す以外に板紙の表側面または裏側面あるいは表裏両側面に樹脂層を施すこともできる。
【0064】
また、耐水性あるいは耐油性が付与されている板紙の表側面あるいは裏側面または両側面に樹脂層を施すことにより、耐水性あるいは耐油性の機能性が一層向上される。また、前記板紙に施される樹脂層は収納される収納物あるいは保存条件、流通条件等によって適宜選定されるが、例えば、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化エチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン6(NY)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル(AN)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリアクリロニトリル(PAN)などのような樹脂等を用いることができる。
【0065】
さらに、前記板紙の表側面あるいは両側面に施される樹脂層は熱可塑性樹脂等を熱溶融して塗布する押し出しコーティング加工か、あるいはフイルムになったものを貼り合わせるラミネート加工のいずれかによって施される。またラミネート加工はウエットラミネートあるいはドライラミネートまたはノンソルベントラミネートあるいはニーラムラミネートあるいは押し出しラミネート等の加工方法が適宜選択される。
【0066】
また、使用する板紙の坪量は、特に限定されるものではないが、例えば200g/m2〜500g/m2の板紙が好ましい。
【0067】
また、紙を使用したトレー容器の内面側には、必要に応じて、熱融着性の合成樹脂(ポ
リエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなど)をコーティングすることにより積層接着される熱可塑性樹脂フイルムまたはシートとの接着層を形成してもよい。
【0068】
前記コーティングに際しては、ロールコーター、エアナイフコーター、メータリングバーコーター、ファウンテンブレードコーター、ベベルブレードコーター、ショート・ドゥエルコーターあるいはカーテンコーター等の塗工機が適宜使用される。
【0069】
また、前記真空成形あるいは圧空成形に使用される熱可塑性樹脂として、例えば、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー樹脂、ポリブテンポリマー樹脂、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂のフイルムに他の材料を積層したり、塗工などにより加工したものが使用できる。
【0070】
前記熱可塑性樹脂フイルムまたはシートは30μm〜100μm、あるいは100μm〜300μm程度の厚さのものが使用できる。また、熱可塑性樹脂フイルムまたはシートは、透明、半透明、不透明のいずれでも良い。さらに、着色フイルム、あるいは適宜の絵柄、模様、色彩、文字などの印刷表示を施したものでも良い。
【0071】
次に、図1は本発明のフランジ付き仕切りトレー容器を説明する一実施例の概略を示す概略図である。また、図2は図1のフランジ付き仕切りトレー容器に用いられているトレー容器を説明するための概略を示す概略図である。さらに、図3は図2のトレー容器に仕切り部を形成する仕切り部材の一実施例の概略を示す概略図である。
【0072】
図1に示すように本発明のフランジ付き仕切りトレー容器10は少なくても仕切り部4と補強側面板6とフランジ部3が設けられている仕切り部材とトレー容器2から形成されている。
【0073】
また、図1に示すフランジ付き仕切りトレー容器10の仕切り部材は仕切り部4とフランジ部3の他に補強側面板6が設けられている。また、トレー容器2に仕切部材で仕切り部4が形成され、補強側面板6がトレー容器の側面に重合される。
【0074】
そして、仕切り部材の表面とトレー容器2の内面側に熱可塑性樹脂フイルムまたはシートが被覆接着され、一体化されている。前記被覆接着は真空成形あるいは圧空成形または真空成形法と圧空成形法を併用して成される。
【0075】
また、仕切り部4は仕切り天面7と仕切り側面8と仕切り底面5から形成されている。前記仕切り天面7は長辺フランジ部20の中央に長辺フランジ部20に直角に接続され一体化している。
【0076】
さらに、仕切り天面7はフランジ部3平面と接続されていない両側に折り曲げ線を介して仕切り側面8が設けられている。そして、仕切り側面8の先端に折り曲げ線を介して設けられている仕切り底面6がトレー容器の底面に設けられている切れ目線に囲まれたフラップ9の裏側面に一部が差し込まれている。
【0077】
また、仕切り側面8と対面するトレー容器の側面12の一部に仕切り部材のフランジ部3と折り曲げ線を介して連設されている補強側面5が重合されている。そして、補強側面5の表面と補強側面5が重合していないトレー容器2の側面12にも熱可塑性樹脂フイルムまたはシートが被覆接着される。
【0078】
次ぎに、本発明のフランジ付き仕切りトレー容器は図2に示すようなフランジ付きの紙製トレー容器2も使用できる。また、使用されるトレー容器2の材料や形状等も特に限定されるものではない。
【0079】
前記形状は矩形形でない丸形、角形でフランジ部が付いていてもいなくてもよい。さらにまた、本発明のフランジ付き仕切りトレー容器は紙やプラスチックの既成のトレー容器を用いる事もできる。このために安価にフランジ付き仕切りトレー容器10を作製することができる。
【0080】
また、図2に示すように矩形状のフランジ付トレーの底面11に設けられている切れ目線に囲まれたフラップ9は特に設けなくても良いが、仕切り部の位置や仕切り側面の傾きを安定させるためには、切れ目線に囲まれたフラップ9を設ける方が好ましい。さらに、仕切り部材1の表面とトレー容器の内面側に熱可塑性樹脂フイルムまたはシートを真空成形等で被覆接着する際の、作業時間を短縮されることができる。
【0081】
次ぎに、図3は図2のトレー容器に仕切り部を形成する仕切り部材の一実施例の概略を示す概略図である。
【0082】
図3に示すように矩形状の仕切り部材1の外形は図2に示すトレー容器のフランジ13の外周縁と同じ形状に形成されている。そして、フランジ部3の幅もトレー容器のフランジ13と同じ幅に形成されている。
【0083】
また、長辺フランジ部20の略中央に両端の長辺フランジ部20と接続する仕切り天面7が直角に設けられている。そして、仕切り天面7の上方端方向と下方端方向に天面折り曲げ線14を介して仕切り側面8が設けられている。
【0084】
さらに、仕切り側面8の先端方向に側面折り曲げ線15を介して仕切り底面5が設けられている。また、両方の長辺フランジ部20内側には、仕切り天面7の両端から短辺フランジ部19方向まで切れ目線16が設けられている。
【0085】
また、両方の仕切り底面5の先端に長辺フランジ部20の内側縁をつなぐ切れ目線17を介して補強側面板6が設けられている。そして、補強側面板6はフランジ折り曲げ線18を介して短辺フランジ部19と連設されている。また、補強側面板6の幅方向の両端に形成されている、短辺フランジ部19内側と長辺フランジ部20内側が交叉するコーナー部21は取り除かれている。
【0086】
次ぎに、仕切り部材1はトレー容器のフランジ部上面に載置される。さらに、仕切り部材1の両方の仕切り側面8と補強側面板6をトレー容器の内側に折り曲げ、補強側面板6の裏側面とトレー容器の側面とが重合される。
【0087】
さらに、仕切り底面5を上側に折り曲げながらトレー容器の底面に施されている切れ目線に囲まれたフラップの裏側に一部が差し込まれる。そして、真空成形機あるいは圧空成形機等で仕切り部材の表面とトレー容器の内面側に熱可塑性樹脂フイルムまたはシートが被覆接着される。
【0088】
次ぎに、図4は仕切り部材の補強側面板の他の一実施例の概略を示す概略図である。また、図5は図4の仕切り部材の補強側面板が設けられたフランジ付き仕切りトレー容器の概略を示す概略図である。
【0089】
図4に示すように仕切り部材1は補強側面板6に丸い穴22が設けられている以外、図3に示す仕切り部材1と全く同じ形状で、同じような加工が施されている。また、仕切り部材1がトレー容器2と一体化されるまでの方法等も、図1〜図3と同様の方法で形成されている。
【0090】
前記補強側面板6に設けられている丸い穴22の形状や数は特に限定されるものではない、例えば、フランジ付き仕切りトレー容器の使用目的、収納される収納物の種類、あるいは流通方法・条件、または、保存期間・方法等によって適宜選定される。
【0091】
また、前記補強側面板6に設けられている丸い穴22は仕切り部材1が所定の形状に打ち抜かれる際に、折り曲げ線や切れ目線等の加工と同時に設けられる。
【0092】
次ぎに、図5はトレー容器2のフランジ部上に仕切り部材1のフランジが載置し、適宜組み立てられ、さらに、真空成形機あるいは圧空成形機等で仕切り部材1の表面とトレー容器2の内面側に熱可塑性樹脂フイルムまたはシートが被覆接着され一体化されている。
【0093】
そして、補強側面板6に設けらた丸い穴22とトレー容器2の側面が熱可塑性樹脂フイルムまたはシートと被覆接着されている。このために、補強側面板6とトレー容器2の側面を熱可塑性樹脂フイルムまたはシートで被覆接着される部分が多くなる。このために、フランジ付き仕切りトレー容器の耐圧強度等を向上させることができる。
【0094】
次ぎに、図6〜図9はフランジなしトレー容器を用いて本発明のフランジ付き仕切りトレー容器を作製する他の一実施例を説明するための概略を示す概略図である。
【0095】
フランジ部が形成されていないトレー容器のブランク板30は図6に示すように、四隅が円形に面取り加工さている。そして、底面29の左方に左折り曲げ線27を介して左側面23、右方に右折り曲げ線28を介して右側面24が形成されている。
【0096】
また、底面29の上方に上折り曲げ線31を介して上側面25、下方に下折り曲げ線32を介して下側面26が形成されている。そして、底面29に仕切り部材の仕切り底面が差し込まれる、切れ目線に囲まれたフラップ9が設けられている。
【0097】
また、左側面23と右側面24は底面29の上方端と下方端より長く形成されている。そして、左側面23と右側面24の底面29方向の長さが短く設けられている。
【0098】
また、上側面25と下側面26は底面29方向の幅が広く形成されている。そして、このブランク板30が製缶機等で製缶され図7に示すようなトレー容器2が作製される。
【0099】
前記製缶機等で作製されたトレー容器2は図7に示すように四隅が円形状に設けられている。また、底面29から上部開口部方向に向かって外側に傾斜して対向する一対の上下側面25、26と左右側面23、24が形成されている。そして、上側面25と下側面26の裏側面に左側面端23と右側面端28の表側面が接合接着されている。
【0100】
次ぎに図8は図7のトレー容器2に仕切り部を形成する仕切り部材33の他の一実施例の概略を示す概略図である。
【0101】
図8に示すように仕切り部材33の外形は矩形状に形成され、四隅が円形に面取り加工されている。また、長辺フランジ部20の中央に長辺フランジ部20を結ぶ仕切り天面7が直角に設けられている。さらに、仕切り天面7の上方端方向と下方端方向に天面折り曲げ線14を介して仕切り側面8が設けられている。
【0102】
また、仕切り側面8の上方端方向と下方端方向に側面折り曲げ線15を介して仕切り底面5が設けられている。さらに、仕切り底面5の上方端方向と下方端方向に底端切れ目線34を介して補強側面板35が設けられている。そして、この補強側面板35は短辺フランジ部19の中央の内側にフランジ折り曲げ線18を介して短辺フランジ部19と連設されている。
【0103】
また、仕切り部材33のフランジ部3の内側縁周は長辺フランジ部20の中央の仕切り天面7と短辺フランジ部19の補強側面板35が設けられている部分以外はトレー容器の内側縁周と同じ形状に切れ目線36が設けられている。そして、補強側面板35の幅方向の両端に形成されている、コーナー部21は打ち抜かれている(取り除かれている。)。
【0104】
また、前記コーナー部21の取り除きは仕切り部材33が所定の形状に打ち抜かれる際に、折り曲げ線14、15、18や切れ目線34、36等の加工と同時に設けられる。
【0105】
次ぎに、仕切り部材33はトレー容器の上部開口部上面に載置する。さらに、仕切り部材33の両方の仕切り側面8と補強側面板35がトレー容器の内側に折り曲げられる。そして、補強側面板35の裏側面はトレー容器の内側側面と重合される。
【0106】
さらに、仕切り底面5を上側に折り曲げながらトレー容器の底面29に設けられているフラップ9の裏側に一部を差し込み、図9に示すように仕切り部4が形成される。そして、真空成形機あるいは圧空成形機または真空成形法と圧空成形法を併用して仕切り部材33の表面とトレー容器の内面側に熱可塑性樹脂フイルムまたはシートが被覆接着される。
【0107】
次ぎに、図10〜図13はフランジ付き深絞りトレー容器を用いて本発明のフランジ付き仕切りトレー容器を製造する他の一実施例を説明するための概略を示す概略図である。
【0108】
図10は円形のフランジ部付き深絞りトレー容器38の概略を示す概略図である。該トレー容器38は図11に示すようにブランク板40が円形に形成されている。
【0109】
また、絞り加工する際に、加工し易いように、フランジ部30と側面39となる部分には、放射状に折り曲げ線37が設けられている。そして、図には示していないが雄型と雌型を用いて絞り加工することにより図10に示すような深絞りトレー容器38が作製される。
【0110】
前記深絞りトレー容器38は図10に示すようにブランク板に放射状の折り曲げ線が設けられているためにフランジ部30表面が凹凸状に形成される。このために、開口部を蓋材等で密封する際に、密封性が非常に悪いという問題がある。
【0111】
次ぎに、図12は本発明のフランジ付き深絞りトレー容器に用いられる仕切り部材の他の一実施例の概略を示す概略図である。
【0112】
図12に示すように仕切り部材33の形状は円形に形成され、深絞りトレー容器38のフランジ部30の外形と同様に形成されている。そして、仕切り天面7と補強側面35が設けられている以外の仕切り部材33のフランジ部50の内側縁周は深絞りトレー容器3
8のフランジ部30内側と同じ形状に切れ目線36が設けられている。
【0113】
また、仕切り天面7の上方端方向と下方端方向に天面折り曲げ線14を介して仕切り側面8が設けられている。さらに、仕切り側面8の上方端方向と下方端方向に側面折り曲げ線15を介して仕切り底面5が設けられている。そして、仕切り底面5の上方端方向と下方端方向に底端切れ目線34を介して補強側面板35が設けられている。
【0114】
前記補強側面板35は仕切り部材のフランジ部50の内側にフランジ折り曲げ線18を介して連設されている。
【0115】
そして、仕切り部材33の裏側面は深絞りトレー容器38のフランジ部30上面に載置される。さらに、仕切り部材33の上方端方向と下方端方向の仕切り側面8と補強側面板35が、該トレー容器38の内側に折り曲げられ、補強側面板35の裏側面と該トレー容器38の内側側面と重合される。
【0116】
また、仕切り底面5を上側に折り曲げながら該トレー容器38の底面29に設けられているフラップ9の裏側に差し込まれ、図13に示すように形成される。そして、真空成形あるいは圧空成形または真空成形法と圧空成形法を併用して仕切り部材33の表面と該トレー容器38の内面側に熱可塑性樹脂フイルムまたはシートが密着状態が被覆接着される。
【0117】
そして、深絞りトレー容器に仕切り部が形成され、さらにフランジ部表面に凹凸のない平滑なフランジ部が形成される。そして、開口部を蓋材等で密封した際に、密封性に優れたフランジ付き仕切りトレー容器が作製される。
【0118】
次ぎに、図14は本発明のフランジ付き仕切りトレー容器の製造方法の一実施例を説明するための概略を示す概略図である。
【0119】
フランジ付き仕切りトレー容器の製造方法は図14に示すようにブランク板成形部42と仕切り部材挿入組立部44と熱可塑性樹脂フイルム加熱・被覆部45と切断部46から形成されている。
【0120】
前記ブランク板成形部42は成形するブランク板を供給するホッパー部41と成形加工部47が設けられている。そして、ホッパ41に積載されているブランク板48を吸引等で一枚ずつ取り出し成型加工型49に供給し成形加工される。
【0121】
また、成形加工されたトレー容器は積載部51の自動取り出し部材52等で取り出され、さらに、成形用凹型53に置かれる。そして、仕切り部材が自動取り出しセッティング装置54等で成形されたトレーに挿入されると同時に組み立てられる。
【0122】
さらに、トレー容器に仕切り部材が組立てられた後、熱可塑性樹脂フイルム加熱・被覆部45で仕切り部材表面とトレー容器内側面に熱可塑性樹脂フイルムまたはシートが被覆接着される。
【0123】
前記被覆接着は真空成形あるいは圧空成形または真空成形と圧空成形を併用して行われる。
【0124】
また、熱可塑性樹脂フイルムあるいはシートが被覆接着された後、トレー容器のフランジ部の外側に形成されている熱可塑性樹脂フイルムあるいはシートが切断部46で切断された後、コンベアー55等で集積収納される。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明のフランジ付き仕切りトレー容器およびその製造方法は食品等の密封性包装用容器として使用できる。また、医療部材や、部品等の運搬用収納容器等、包装分野や医療分野または自動車分野にも利用できるなど、広い分野に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明のフランジ付き仕切りトレー容器を説明する一実施例の概略を示す概略図である。
【図2】図1のフランジ付き仕切りトレー容器に用いられているトレー容器を説明するための概略を示す概略図である。
【図3】図2のトレー容器に仕切り部を形成する仕切り部材の一実施例の概略を示す概略図である。
【図4】仕切り部材の補強側面板の他の一実施例の概略を示す概略図である。
【図5】図4の仕切り部材の補強側面板が設けられたフランジ付き仕切りトレー容器の概略を示す概略図である。
【図6】フランジなしトレー容器を作製するブランク板の一実施例を説明するための概略を示す概略図である。
【図7】フランジなしトレー容器の一実施例を説明するための概略を示す概略図である。
【図8】図7のトレー容器に仕切り部を形成する仕切り部材33の他の一実施例の概略を示す概略図である。
【図9】本発明のフランジ付き仕切りトレー容器を説明する他の一実施例の概略を示す概略図である。
【図10】フランジ付き深絞りトレー容器の一実施例を説明するための概略を示す概略図である。
【図11】フランジ付き深絞りトレー容器を作製するブランク板の一実施例を説明するための概略を示す概略図である。
【図12】本発明のフランジ付き深絞りトレー容器に用いられる仕切り部材の他の一実施例の概略を示す概略図である。
【図13】本発明のフランジ付き仕切りトレー容器を説明する他の一実施例の概略を示す概略図である。
【図14】本発明のフランジ付き仕切りトレー容器を製造する際の一実施例の概略を説明するための概略図である。
【図15】従来使用されているフランジ付き紙トレー容器の概略を示す概略図である。
【図16】従来使用されているフランジ付き紙トレー容器のブランク板の概略を示す概略図である。
【図17】従来使用されているフランジ付き紙トレー容器の概略を示す概略図である。
【図18】従来使用されている仕切り付きトレー容器の概略を示す概略図である。緊急避難用の仕切板枠の概略を示す概略図である。
【図19】従来使用されている仕切り付きトレー容器のブランクの概略を示す概略図である。
【図20】従来の紙トレー容器の製造方法の概略を示す概略図である。
【図21】従来の仕切りトレー容器の製造方法の概略を示す概略図である。
【図22】従来の仕切りトレー容器の製造方法の概略を示す概略図である。
【符号の説明】
【0127】
1……仕切り部材
2……トレー容器
3……フランジ部
4……仕切り部
5……仕切り底面
6……補強側面板
7……仕切り天面
8……仕切り側面
9……フラップ
10……フランジ付き仕切りトレー容器
11……トレー容器の底面
12……トレー容器の側面
13……トレー容器のフランジ部
14……天面折り曲げ線
15……側面折り曲げ線
16……切れ目線
17……切れ目線
18……フランジ折り曲げ線
19……短辺フランジ部
20……長辺フランジ部
21……コーナー部
22……丸い穴
23……左側面
24……右側面
25……上側面
26……下側面
27……左折り曲げ線
28……右折り曲げ線
29……トレー容器の底面
30……トレー容器のフランジ部
31……上折り曲げ線
32……下折り曲げ線
33……仕切り部材
34……底端切れ目線
35……補強側面板
36……切れ目線
37……折り曲げ線
38……絞りトレー容器
39……側面
40……ブランク板
41……ホッパー
42……ブランク板成形
44……仕切り部材挿入組立部
45……熱可塑性樹脂フイルム加熱・被覆部
46……切断部
47……成形加工部
48……ブランク板
49……成形加工型
50……仕切り部材のフランジ部
51……移載部
52……自動取り出し挿入部材
53……成形用凹型
54……自動取り出しセッティング装置
55……コンベアー
56……移載部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口部を有するトレー容器の開口部に仕切リ部材を載置して、この仕切り部材でフランジ部を設けると共に、仕切り部材に設けられた切れ目線と折り目線で仕切り部を形成して成るフランジ付き仕切りトレー容器であって、
仕切り部材表面とトレー容器内側面が熱可塑性プラスチックフイルムまたはシートで被覆接着され、このフイルムまたはシートにより仕切り部材とトレー容器が一体化されていることを特徴とするフランジ付き仕切りトレー容器。
【請求項2】
上部開口部を有するトレー容器の開口部に仕切リ部材を載置して、この仕切り部材でフランジ部を設けると共に、仕切り部材に設けられた切れ目線と折り目線で仕切り部を形成して成るフランジ付き仕切りトレー容器の製造方法であって、
前記仕切り部材が、トレー容器の開口部上に載置し、少なくても仕切り部がトレー容器内に形成された後、仕切り部材の上側面から熱可塑性プラスチックフイルムまたはシートを真空若しくは圧空成形により被覆させ、トレー容器と仕切板部材が一体化させることを特徴とするフランジ付き仕切りトレー容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−298395(P2006−298395A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−119366(P2005−119366)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】