説明

ブラシレスモータ

【課題】ブラシレスモータと被取付対象物との固定剛性を高めることができ、かつ収納部をカバー部材で確実に覆うことができるブラシレスモータの提供。
【解決手段】モータケース41の開口部分を覆うブラケット部材51に、各モータ側導電板MPおよび各コントローラ側導電板CPの他端側が配置され、減速機ケースに取り付けることで当該減速機ケースにより覆われる取付部52と、モータケース41の径方向外側に位置し、内部に制御装置が収納され、カバー部材54により減速機ケース側に開口した開口部分が覆われる収納部53とを一体に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータコアと、ステータコア内で回転するロータとを備え、特に車載用の駆動源として用いて好適なブラシレスモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両には、電動パワーステアリング装置(EPS)が搭載され、この電動パワーステアリング装置は、運転者によるステアリングホイールの操舵をアシストするようになっている。電動パワーステアリング装置は、駆動源として制御性能に優れたブラシレスモータを採用しており、これにより、ブラシレスモータをステアリングホイールの操舵角に応じて正逆方向に精度良く制御することで、運転者に対して適度な操作フィーリングを与えられるようにしている。このような電動パワーステアリング装置の駆動源として採用されるブラシレスモータとしては、例えば、特許文献1に記載された技術が知られている。
【0003】
特許文献1に記載されたモータユニット(ブラシレスモータ)は、アルミダイカスト製で有底状に形成されたハウジングを備え、当該ハウジングには、モータを収容するモータ収容部と、モータを回転制御する複数のサブアセンブリ(電子部品が実装された複数の基板)を収容する部品収容部とが一体に形成されている。部品収容部はモータ収容部の径方向外側に配置されており、これによりモータユニットの軸方向への寸法の増大を抑制している。そして、ハウジングの開口側は複数のねじを介して蓋体により閉塞されるようになっており、当該蓋体にはモータのシャフト(出力軸)が貫通するようになっている。つまり、モータユニットによって駆動される被駆動対象物は、蓋体側に配置されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−232512号公報(図8,図13)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に記載された技術によれば、ハウジングを形成するモータ収容部および部品収容部(収納部)の双方の開口側を1つの蓋体(カバー部材)で覆っており、当該蓋体を介して被駆動対象物、つまりブラシレスモータが取り付けられる被取付対象物が接続されるようになっている。したがって、蓋体を高剛性の素材で精度良く成形しないと、ブラシレスモータと被取付対象物とを充分な接続強度(固定剛性)で接続することができず、ひいては両者間にガタが生じる場合がある。特に、コラムアシスト式の電動パワーステアリング装置の駆動源として用いる場合には、ブラシレスモータは車室内に配置されるため、上記ガタを無くして振動や異音等の発生を確実に防止し、静粛性を向上させる必要がある。また、充分な接続強度が得られないと、製品毎によってブラシレスモータへの負荷やステアリングの操舵特性等にバラツキが発生する原因にもなる。
【0006】
本発明の目的は、ブラシレスモータと被取付対象物との固定剛性を高めることができ、かつ収納部をカバー部材で確実に覆うことができるブラシレスモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のブラシレスモータは、ステータコアと、前記ステータコア内で回転するロータとを備えたブラシレスモータであって、内部に前記ステータコアが固定されるモータケースと、前記ステータコアに巻回されるコイルと、前記モータケース内に設けられ、一端側に前記コイルが接続される駆動用導電部材を有する集電装置と、前記モータケースの開口部分を覆うブラケット部材と、前記駆動用導電部材の他端側に接続され、前記ロータを回転制御する制御装置とを備え、前記ブラケット部材には、前記駆動用導電部材の少なくとも前記他端側が配置され、被取付対象物に取り付けることで当該被取付対象物により覆われる取付部と、前記モータケースの径方向外側に位置し、内部に前記制御装置が収納され、カバー部材により前記被取付対象物側に開口した開口部分が覆われる収納部とを一体に設けたことを特徴とする。
【0008】
本発明のブラシレスモータは、前記取付部は、前記駆動用導電部材の少なくとも前記他端側を前記モータケース内から引き出すための第1連通孔と、前記モータケースの径方向外側から前記第1連通孔を囲うよう設けられ、前記被取付対象物の取付端部が固定される固定部とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明のブラシレスモータは、前記モータケース内に前記ロータの回転を検出する回転センサを設け、一端側が前記回転センサに接続される信号用導電部材を設け、前記取付部は前記信号用導電部材の少なくとも他端側を前記モータケース内から引き出すための第2連通孔を備え、前記第2連通孔を前記固定部の前記モータケースの径方向内側に設けることを特徴とする。
【0010】
本発明のブラシレスモータは、前記収納部の前記開口部分に前記カバー部材を装着した状態のもとで、前記収納部を前記モータケースの軸方向に沿わせて前記固定部から前記被取付対象物側とは反対側にオフセットし、前記モータケースの軸方向に沿う前記固定部の位置と前記カバー部材の前記被取付対象物側の位置とが離間するよう、前記収納部の前記開口部分の軸方向高さ寸法を設定したことを特徴とする。
【0011】
本発明のブラシレスモータは、固定ネジによって前記カバー部材を前記収納部に固定した状態のもとで、前記収納部を前記モータケースの軸方向に沿わせて前記固定部から前記被取付対象物側とは反対側にオフセットし、前記モータケースの軸方向に沿う前記固定部の位置と前記固定ネジの前記被取付対象物側の位置とが離間するよう、前記収納部の前記開口部分の軸方向高さ寸法を設定したことを特徴とする。
【0012】
本発明のブラシレスモータは、前記ブラシレスモータは、電動パワーステアリング装置の駆動源であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のブラシレスモータによれば、モータケースの開口部分を覆うブラケット部材に、駆動用導電部材の少なくとも他端側が配置され、被取付対象物に取り付けることで当該被取付対象物により覆われる取付部と、モータケースの径方向外側に位置し、内部に制御装置が収納され、カバー部材により被取付対象物側に開口した開口部分が覆われる収納部とを一体に設ける。これにより、被取付対象物はブラケット部材の取付部を覆うようカバー部材を介さずに直接固定され、ブラシレスモータと被取付対象物との固定剛性を高めることができる。よって、ブラシレスモータと被取付対象物との間でのガタツキ(振動や異音等)の発生を抑制することができる。また、カバー部材は収納部の開口部分のみを覆うため、ブラシレスモータと被取付対象物との固定剛性に影響を与えることが無い。よって、カバー部材を低剛性のプラスチック等で成形したとしても、収納部を確実に覆うことができ、ひいては製造コストの低下や被水信頼性の向上等を図ることができる。
【0014】
本発明のブラシレスモータによれば、取付部は、駆動用導電部材の少なくとも他端側をモータケース内から引き出すための第1連通孔と、モータケースの径方向外側から第1連通孔を囲うよう設けられ、被取付対象物の取付端部が固定される固定部とを備える。これにより、駆動用導電部材の少なくとも他端側の電気的接続作業性を低下させること無く、取付部に被取付対象物を取り付けることで駆動用導電部材をカバーできる。
【0015】
本発明のブラシレスモータによれば、モータケース内にロータの回転を検出する回転センサを設け、一端側が回転センサに接続される信号用導電部材を設け、取付部は信号用導電部材の少なくとも他端側をモータケース内から引き出すための第2連通孔を備え、第2連通孔を固定部のモータケースの径方向内側に設ける。これにより、回転センサを備えたブラシレスモータにも対応できる。この場合、信号用導電部材の少なくとも他端側の電気的接続作業性を低下させること無く、取付部に被取付対象物を取り付けることで信号用導電部材をカバーできる。
【0016】
本発明のブラシレスモータによれば、収納部の開口部分にカバー部材を装着した状態のもとで、収納部をモータケースの軸方向に沿わせて固定部から被取付対象物側とは反対側にオフセットし、モータケースの軸方向に沿う固定部の位置とカバー部材の被取付対象物側の位置とが離間するよう、収納部の開口部分の軸方向高さ寸法を設定した。これにより、被取付対象物とカバー部材とが干渉するのを防止することができ、種々の形状や大きさの被取付対象物にブラシレスモータを取り付けることができる。
【0017】
本発明のブラシレスモータによれば、固定ネジによってカバー部材を収納部に固定した状態のもとで、収納部をモータケースの軸方向に沿わせて固定部から被取付対象物側とは反対側にオフセットし、モータケースの軸方向に沿う固定部の位置と固定ネジの被取付対象物側の位置とが離間するよう、収納部の開口部分の軸方向高さ寸法を設定した。これにより、被取付対象物と固定ネジとが干渉するのを防止することができ、種々の形状や大きさの被取付対象物にブラシレスモータを取り付けることができる。
【0018】
本発明のブラシレスモータによれば、ブラシレスモータを電動パワーステアリング装置の駆動源として用いるので、低騒音,低振動,低コスト化や軽量化が求められる電動パワーステアリング装置にも対応可能となる。これにより、低価格かつ低燃費が必須の軽自動車等にも容易に搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るブラシレスモータを備えた電動パワーステアリング装置の概要を説明する説明図である。
【図2】図1のブラシレスモータの内部構造を説明する断面図である。
【図3】図1のブラシレスモータの出力側(減速機ケース側)を示す斜視図である。
【図4】図1のブラシレスモータのコネクタ側(車載バッテリ側)を示す斜視図である。
【図5】モータ部の単体を示す斜視図である。
【図6】コントローラ部の単体を示す斜視図である。
【図7】収納部に対する各基板の組付手順を説明する分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明に係るブラシレスモータを備えた電動パワーステアリング装置の概要を説明する説明図を、図2は図1のブラシレスモータの内部構造を説明する断面図を、図3は図1のブラシレスモータの出力側(減速機ケース側)を示す斜視図を、図4は図1のブラシレスモータのコネクタ側(車載バッテリ側)を示す斜視図を、図5はモータ部の単体を示す斜視図を、図6はコントローラ部の単体を示す斜視図を、図7は収納部に対する各基板の組付手順を説明する分解斜視図をそれぞれ表している。
【0022】
図1に示すように、自動車等の車両の車体(図示せず)には、電動パワーステアリング装置10が搭載され、当該電動パワーステアリング装置10は、運転者により操作されるステアリングホイール11が連結されたステアリングシャフト12による前輪13の操舵をアシストするようになっている。電動パワーステアリング装置10は、ステアリングシャフト12の途中に設けられ、図示しない車室内の所定箇所に搭載される、所謂コラムアシスト式となっている。
【0023】
ステアリングシャフト12の前輪13側(図中下方側)には、ユニバーサルジョイント14を介してピニオン15が設けられ、当該ピニオン15は、タイロッド16に一体的に形成されたラック17に噛み合わされている。なお、これらの機構は図示しないハウジング内に設置されている。これにより、ステアリングホイール11の操舵(回転運動)が、ステアリングシャフト12,ユニバーサルジョイント14,ピニオン15およびラック17を介して、タイロッド16の左右方向への移動(直線運動)に変換され、その結果、前輪13が左方向または右方向に操舵されるようになっている。
【0024】
電動パワーステアリング装置10は、駆動源であるブラシレスモータ20と、当該ブラシレスモータ20の回転を減速して高トルク化する減速機構30とを備えている。ブラシレスモータ20は、モータ部40とコントローラ部50とを備え、これらのモータ部40およびコントローラ部50は、コントローラ部50を形成するブラケット部材51を介して、互いに機械的に連結されて一体化されている。
【0025】
ブラケット部材51には接続コネクタCNが設けられ、当該接続コネクタCNには、車載バッテリ18からの配線が電気的に接続されている。これにより、イグニッションスイッチ(図示せず)をオン操作することで、コントローラ部50に駆動電流が供給される。また、接続コネクタCNには、ステアリングシャフト12に設けたトルクセンサからの配線等(図示せず)も電気的に接続されている。これにより、コントローラ部50は、トルクセンサからの検出信号に基づいてブラシレスモータ20のアシスト量(回転数等)を演算し、この演算結果が反映された駆動電流をブラシレスモータ20に供給するようになっている。
【0026】
減速機構30は、ブラシレスモータ20の回転軸44と後述する連結部材45により一体回転可能に設けられたウォーム31と、当該ウォーム31と噛み合ってステアリングシャフト12と一体回転するウォームホイール32とを備えている。これらのウォーム31およびウォームホイール32は、減速機ケース33内に収容され、当該減速機ケース33は、ブラシレスモータ20を形成するブラケット部材51に連結されている。これにより、ブラシレスモータ20の回転軸44の回転が減速されて高トルク化され、ウォームホイール32を介してステアリングシャフト12に伝達される。ここで、減速機ケース33は、本発明における被取付対象物を構成している。
【0027】
図2に示すように、ブラシレスモータ20を形成するモータ部40は、磁性材料である鋼板をプレス成形(深絞り成形)することで、有底筒状に形成されたモータケース41を備えている。モータケース41は、本体筒部41a,第1底壁41bおよび第2底壁41cを備えており、本体筒部41aの軸方向一側(図中左側)は開口され、本体筒部41aの軸方向他側(図中右側)は各底壁41b,41cによって閉塞されている。
【0028】
第1底壁41bは、モータケース41内に環状空間ASを形成しており、当該環状空間AS内には、ステータコア42にインシュレータ42aを介して巻回されたコイル42bが配置されている。また、第2底壁41cは、モータケース41内に円柱状空間CSを形成しており、当該円柱状空間CS内には、回転軸44の基端側(図中右側)を回転自在に支持する第1軸受B1が固定されている。ここで、第1軸受B1としてはボールベアリング(詳細図示せず)を用いている。
【0029】
図4,5に示すように、モータケース41の開口側には、本体筒部41aの中心軸を挟んで対向するよう一対のフランジ部41dが設けられている。各フランジ部41dは、本体筒部41aの径方向外側に突出するよう本体筒部41aに一体成形されている。各フランジ部41dには、固定ネジS1(図4参照)が挿通される一対のネジ挿通孔41eがそれぞれ設けられている。これによりモータケース41は、合計4つの固定ネジS1によって、ブラケット部材51に対してガタつくこと無く強固に固定されている。
【0030】
図2に示すように、本体筒部41aの内部には、円環状に形成されたステータコア42が固定されており、当該ステータコア42には、プラスチック等の非磁性体よりなるインシュレータ42aを介して、U,VおよびW相のコイル42bが所定の巻き方および巻数でそれぞれ巻回されている。
【0031】
ステータコア42の内側には、微小隙間(エアギャップ)を介してロータ43が設けられ、当該ロータ43は、U,VおよびW相のコイル42bへの駆動電流の供給により、正逆方向に回転するようになっている。ロータ43は、環状に形成された複数の永久磁石43aを軸方向に積層して形成され、各永久磁石43aは、鋼板を円筒状に形成してなるロータケース43bによって覆われている。
【0032】
ロータ43の回転中心、つまり各永久磁石43aの回転中心には、回転軸44が貫通して固定され、当該回転軸44はロータ43と一体回転するようになっている。回転軸44の先端側(図中左側)は、モータケース41の開口側を閉塞するブラケット部材51に設けた第2軸受B2により、回転自在に支持されている。ここで、第2軸受B2としてはボールベアリング(詳細図示せず)を用いている。
【0033】
回転軸44の先端側は、ブラケット部材51を介してモータケース41の外部に延出されており、回転軸44のモータケース41の外部に延出した先端部分には、筒状に形成された連結部材45が嵌合固定されている。連結部材45の径方向内側には、複数の凹凸よりなるセレーション部45aが形成され、当該セレーション部45aには、ウォーム31のウォーム軸31aの基端側(図1中右側)の外周面に設けられた図示しないセレーション部が嵌合固定され、これにより回転軸44とウォーム31とが一体回転可能となっている。
【0034】
モータケース41内で、かつステータコア42とブラケット部材51との間には、ステータコア42と同様に円環状に形成されたバスバーユニット(集電装置)46が設けられ、当該バスバーユニット46の内部には、複数のモータ側導電板(駆動用導電部材)MPがインサート成形により埋設されている。各モータ側導電板MPのうちの3つのモータ側導電板MPの一端側には、U,VおよびW相のコイル42bの端部がそれぞれ対応して電気的に接続されている。また、U,VおよびW相のコイル42bに対応した3つのモータ側導電板MPの他端側は、図5に示すようにモータケース41の開口側(フランジ部41d側)から外部に延出されている。
【0035】
モータケース41内で、かつロータ43とブラケット部材51との間には、ロータ43の回転を検出するレゾルバ(回転センサ)47が設けられ、当該レゾルバ47は、回転子(励磁コイル)ROと複数の固定子(検出コイル)SAとを備えている。回転子ROは回転軸44に固定され、各固定子SAはセンサケース48に収容されている。センサケース48は、モータケース41の開口側に嵌合固定された環状固定部材49に固定されている。これにより、回転子ROの回転に応じて各固定子SAが正弦波状のアナログ信号(検出信号)を発生し、当該検出信号を制御装置55に伝送することで、ロータ43の回転(回転速度や回転角度等)を制御装置55により検出させることができる。
【0036】
センサケース48には、図5に示すように、複数のモータ側センサ線(信号用導電部材)ML(図示では6本)が埋設されており、各モータ側センサ線MLの一端側は、レゾルバ47を構成する各固定子SAにそれぞれ電気的に接続されている。また、各モータ側センサ線MLの他端側は、センサケース48のモータケース41の開口側に露出した部分に配置されている。センサケース48の各モータ側センサ線MLの他端側の近傍には、各モータ側センサ線MLにそれぞれ対応した複数のガイド溝GGが設けられている。これらのガイド溝GGには、各コントローラ側センサ線CL(図6,7参照)の一端側が入り込むようになっており、これにより、各モータ側センサ線MLの他端側と、各コントローラ側センサ線CLの一端側とが電気的に接続されるようになっている。
【0037】
図2に示すように、ブラシレスモータ20を形成するコントローラ部50は、鋳造成形により所定形状に形成されたアルミニウム製のブラケット部材51を備えている。ブラケット部材51は、モータケース41の開口側を閉塞するようになっており、かつ減速機構30を形成する減速機ケース33の基端側が固定されるようになっている。
【0038】
ブラケット部材51は、取付部52と収納部53とを備えており、これらは一体成形されている。取付部52は板状に形成され、モータケース41の開口側に嵌合固定された環状固定部材49を覆っている。取付部52の略中心部分には、回転軸44の先端側が貫通する貫通穴52aが形成され、貫通穴52aのモータケース41側には、回転軸44を回転自在に支持する第2軸受B2が固定されている。これにより回転軸44はブラケット部材51に対してガタつくこと無く回転自在に支持されている。
【0039】
取付部52の収納部53寄りには、図3,6,7に示すように、貫通穴52aと同じ方向に連通する第1連通孔52bおよび第2連通孔52cが設けられている。各連通孔52b,52cは、貫通穴52aの周囲に所定間隔(約90°間隔)で設けられ、いずれも貫通穴52aの周方向に沿うよう略円弧形状に形成されている。
【0040】
第1連通孔52bには、3つのモータ側導電板MPの他端側がモータケース41から引き出されて配置されている。第1連通孔52bでは、各モータ側導電板MPに対応する各コントローラ側導電板(駆動用導電部材)CPの一端側が電気的に接続されるようになっている。つまり、ブラシレスモータ20を組み立てる際、第1連通孔52bの部分において、各モータ側導電板MPの他端側と各コントローラ側導電板CPの一端側とが、例えばスポット溶接等によって接続されるようになっている。
【0041】
また、第2連通孔52cには、各モータ側センサ線ML(図5参照)の他端側がモータケース41から引き出されて配置されている。第2連通孔52cでは、各モータ側センサ線MLに対応する各コントローラ側センサ線(信号用導電部材)CL(図6,7参照)の一端側が、各ガイド溝GG(図5参照)を介して電気的に接続されるようになっている。つまり、ブラシレスモータ20を組み立てる際、第2連通孔52cの部分において、各モータ側センサ線MLの他端側と各コントローラ側センサ線CLの一端側とが、例えばスポット溶接等によって各ガイド溝GG上で接続されるようになっている。
【0042】
このようにして、取付部52には、各モータ側導電板MPおよび各コントローラ側導電板CPよりなる駆動用導電部材と、各モータ側センサ線MLおよび各コントローラ側センサ線CLよりなる信号用導電部材とが配置されることになる。
【0043】
取付部52の減速機構30側(図3中左側)には、減速機ケース33の取付端部33a(図2参照)が接触して固定される固定部52d(図中網掛部分)が設けられている。これにより取付部52は、減速機ケース33が取り付けられることで当該減速機ケース33により覆われるようになっている。固定部52dは略環状に形成され、各連通孔52b,52cに対応する部分が切り欠かれている。このように各連通孔52b,52cに対応する部分を切り欠くことで、各コントローラ側導電板CPおよび各コントローラ側センサ線CLを、各連通孔52b,52cに配置できるようにしている。
【0044】
各連通孔52b,52cは、固定部52dにおけるモータケース41の径方向内側にそれぞれ配置されている。つまり、固定部52dはモータケース41の径方向外側から各連通孔52b,52cを囲うよう設けられている。また、固定部52dには、回転軸44を挟むようにして一対のネジ穴52eが対向して設けられ、各ネジ穴52eには、ブラケット部材51を減速機ケース33に取り付けるための取付ネジ(図示せず)がネジ結合されるようになっている。
【0045】
取付部52の裏側、つまり取付部52のモータケース41側には、図6に示すように、モータケース41の各フランジ部41d(図5参照)が突き当てられる突当面52fが設けられている。この突当面52fには、各フランジ部41dの各ネジ挿通孔41eに対応する4つのネジ孔52gが設けられ、各ネジ孔52gにはそれぞれ固定ネジS1(図4参照)がネジ結合されるようになっている。ここで、図6においては、モータケース41の開口側に嵌合固定される環状固定部材49についても図示している。
【0046】
図2に示すように、収納部53は略直方体の箱形状に形成され、側壁53aおよび底壁53bを備えている。収納部53はモータケース41の径方向外側に位置し、収納部53の開口側、つまり減速機ケース33側に開口した開口部分には、収納部53内への雨水や塵埃等の浸入を防止するカバー部材54が設けられている。カバー部材54は、プラスチック等の樹脂材料により板状に形成され、4つの固定ネジS2(図3参照)によって収納部53に固定されている。これにより、カバー部材54は低コスト化および軽量化を実現している。ここで、各固定ネジS2は、本発明における固定ネジを構成している。
【0047】
収納部53は、カバー部材54を装着した状態のもとで、図2に示すようにモータケース41の軸方向に沿わせて、取付部52の固定部52dから減速機ケース33側とは反対側に所定量オフセットして設けられている。これにより、モータケース41の軸方向に沿う固定部52dの位置と、カバー部材54の減速機ケース33側の位置とを、離間距離L1の分だけ離間するように収納部53の開口部分の軸方向高さ寸法が設定されている。
【0048】
また、モータケース41の軸方向に沿う固定部52dの位置と、各固定ネジS2の減速機ケース33側の位置とを、離間距離L2の分だけ離間するように収納部53の開口部分の軸方向高さ寸法が設定されている(L2<L1)。つまり、収納部53は、各固定ネジS2によってカバー部材54を装着した状態のもとで、モータケース41の軸方向に沿わせて、取付部52の固定部52dから減速機ケース33側とは反対側に所定量オフセットして設けられている。ここで、収納部53およびカバー部材54を各固定ネジS2によって固定せずに、例えば、接着剤等による接着固定や一方が他方に嵌り込む嵌合固定によって固定するようにしても良い。
【0049】
このように、離間距離L1(対カバー部材54)および離間距離L2(対固定ネジS2)を有するよう、収納部53を固定部52dから減速機ケース33側とは反対側に所定量オフセットすることで、減速機ケース33とカバー部材54や固定ネジS2との干渉を防止している。これにより取付部52には、収納部53側にはみ出す種々の大きさの減速機ケースを取り付けることができ、ひいては種々の仕様の減速機構に対応可能となっている。また、カバー部材54は、減速機ケース33を固定するための固定剛性が不要なので、本実施の形態においてはプラスチック等の樹脂材料によって形成している。ただし、例えばブラシレスモータ20を高温雰囲気等で使用する場合においては、カバー部材54を鋼板等で形成することもできる。
【0050】
収納部53の底壁53bには、図4,6に示すように複数の冷却フィン53cが一体に設けられている。これにより、収納部53に収納された制御装置55(図2参照)が発生した熱を、底壁53bおよび各冷却フィン53cを介して外部に放散できるようにしている。つまり、収納部53はヒートシンクとしての機能を有しており、収納部53をアルミニウム製とすることで、制御装置55を構成するパワー系電子部品が発生した熱を外部に放散し易くしている。
【0051】
収納部53の底壁53bには、さらに、接続コネクタCNが取り付けられており、当該接続コネクタCNの内側には、基端側がパワー系基板56(図2参照)に電気的に接続された一対の電源用ターミナルPT、および基端側が制御系基板57(図2参照)に電気的に接続された複数の信号用ターミナルST(図示では8本)の先端側が露出されている。
【0052】
図2に示すように、収納部53の内部には、モータ部40のロータ43を回転制御するための制御装置55が収納され、当該制御装置55は、パワー系基板56と制御系基板57とから構成されている。パワー系基板56は収納部53の底壁53b側に配置され、制御系基板57は収納部53の開口側(カバー部材54側)に配置されている。
【0053】
パワー系基板56には、パワー系電子部品(発熱量大)である半導体スイッチング素子,コンデンサやシャント抵抗等の電子部品(いずれも図示せず)が実装されている。そして、パワー系基板56は底壁53bに接触するよう配置されており、ブラシレスモータ20の駆動時に発生した熱を、底壁53bおよび各冷却フィン53cを介して外部に効果的に放散できるようにしている。
【0054】
パワー系基板56には、図7に示すように、各モータ側導電板MP(図5参照)に対応した3つのコントローラ側導電板CPの他端側が電気的に接続されている。各コントローラ側導電板CPは、プラスチック等の樹脂材料よりなる第1係合ブロック56aにインサート成形により埋設されており、当該第1係合ブロック56aは、取付部52の第1連通孔52bの一部に係合するようになっている。これにより、各モータ側導電板MPの他端側および各コントローラ側導電板CPの一端側を、第1連通孔52bにおいて精度良く位置決めして、両者を容易に接続できるようにしている。
【0055】
制御系基板57には、制御系電子部品(発熱量小)であるCPU等の電子部品(図示せず)が実装され、さらに各モータ側センサ線MLに対応した3つのコントローラ側センサ線CLの他端側が電気的に接続されている。各コントローラ側センサ線CLは、プラスチック等の樹脂材料よりなる第2係合ブロック57aにインサート成形により埋設されており、当該第2係合ブロック57aは、取付部52の第2連通孔52cの一部に係合するようになっている。これにより、各モータ側センサ線MLの他端側および各コントローラ側センサ線CLの一端側を、第2連通孔52cにおいて精度良く位置決めして、両者を容易に接続できるようにしている。
【0056】
次に、以上のように形成したブラシレスモータ20の組み立て手順、特に、収納部53への各基板56,57の収納手順、およびモータ部40とコントローラ部50との接続手順について、図面を用いて詳細に説明する。
【0057】
図7に示すように、別の製造工程で鋳造成形したブラケット部材51を準備するとともに、別の製造工程で組み立てたパワー系基板56および制御系基板57を準備し、さらにはカバー部材54と4つの固定ネジS2を準備する。そして、収納部53の開口側(図中上側)から、まずパワー系基板56を収納部53に収納する。このとき、パワー系基板56の第1係合ブロック56aを、取付部52の第1連通孔52bの一部に係合させるようにする。これにより、収納部53の底壁53b側の所定箇所にパワー系基板56が精度良く配置される。このとき、パワー系基板56の各電源用ターミナルPTは、収納部53へのパワー系基板56の収納によって、接続コネクタCNの内部に露出される。
【0058】
次いで、制御系基板57を収納部53に収納する。このとき、制御系基板57の第2係合ブロック57aを、取付部52の第2連通孔52cの一部に係合するようにする。これにより、収納部53の開口側の所定箇所にパワー系基板56と重なるようにして制御系基板57が精度良く配置される。このとき、制御系基板57の各信号用ターミナルSTは、収納部53への制御系基板57の収納によって、接続コネクタCNの内部に露出される。
【0059】
その後、収納部53の開口側に向けてカバー部材54を臨ませて、図示しない締結工具により各固定ネジS2を収納部53にネジ結合(詳細図示せず)させる。これにより、収納部53への各基板56,57の収納が完了し、コントローラ部50が完成する。
【0060】
モータ部40とコントローラ部50とを接続するには、予め別の製造工程で組み立てたモータ部40(図5参照)およびコントローラ部50(図6参照)を準備する。ただし、モータ部40とコントローラ部50とを接続する際には、図5に示した連結部材45は外した状態となっており、かつ図6に示した環状固定部材49はモータ部40に装着された状態となっている。
【0061】
まず、モータ部40の回転軸44の先端側を、コントローラ部50の裏側、つまり取付部52の突当面52fに臨ませて、回転軸44を第2軸受B2に挿通する。このとき、各モータ側導電板MPを第1連通孔52bに臨ませ、各モータ側センサ線MLを第2連通孔52cに臨ませるようにする。次いで、モータケース41の各フランジ部41dに形成した各ネジ挿通孔41eと、取付部52の突当面52fに形成した各ネジ孔52gとを対向させる。これにより、各モータ側導電板MPおよび各コントローラ側導電板CPは、第1連通孔52bの部分で電気的に接触される。一方、各コントローラ側センサ線CLは各ガイド溝GGに入り込み、各コントローラ側センサ線CLおよび各モータ側センサ線MLは、第2連通孔52cの部分で電気的に接触される。
【0062】
その後、各固定ネジS1(図4参照)を各フランジ部41dの各ネジ挿通孔41eに挿通し、図示しない締結工具により各固定ネジS1を各ネジ孔52gにネジ結合させる。さらに、図示しない溶接工具を取付部52の減速機ケース33側(図3中左側)から臨ませて、第1連通孔52bの部分で各モータ側導電板MPと各コントローラ側導電板CPとをスポット溶接し、両者を完全に固定する。次いで、第2連通孔52cの部分で各ガイド溝GGに入り込んだ各コントローラ側センサ線CLをスポット溶接し、各コントローラ側センサ線CLと各モータ側センサ線MLとを完全に固定する。
【0063】
このようにしてモータ部40およびコントローラ部50は、互いに電気的かつ機械的に接続され、ブラシレスモータ20が完成する。ここで、図3に示すように、各導電板MP,CPの接続部分および各センサ線ML,CLの接続部分は外部に露出しており、溶接工具による接続作業を容易に行えるようになっている。
【0064】
ブラシレスモータ20を減速機構30に取り付けるには、まず、図2に示すように、回転軸44の先端部分に連結部材45を嵌合固定させる。次いで、ブラシレスモータ20における取付部52の固定部52dを、減速機構30における減速機ケース33の取付端部33aに突き合わせる。すると、連結部材45とウォーム軸31aとがセレーション嵌合される。その後、固定部52dを取付端部33aに突き合わせた状態のもとで、各ネジ穴52eに取付ネジ(図示せず)をネジ結合する。これにより、減速機ケース33によって取付部52が覆われて、各導電板MP,CPの接続部分および各センサ線ML,CLの接続部分がカバーされ、ブラシレスモータ20の減速機構30への取り付けが完了する。
【0065】
以上詳述したように、本実施の形態に係るブラシレスモータ20によれば、モータケース41の開口部分を覆うブラケット部材51に、各モータ側導電板MPおよび各コントローラ側導電板CPの他端側が配置され、減速機ケース33に取り付けることで当該減速機ケース33により覆われる取付部52と、モータケース41の径方向外側に位置し、内部に制御装置55が収納され、カバー部材54により減速機ケース33側に開口した開口部分が覆われる収納部53とを一体に設けた。
【0066】
これにより、減速機ケース33はブラケット部材51の取付部52を覆うようカバー部材54を介さずに直接固定され、ブラシレスモータ20と減速機ケース33との固定剛性を高めることができる。よって、ブラシレスモータ20と減速機ケース33との間でのガタツキ(振動や異音等)の発生を抑制することができる。また、カバー部材54は収納部53の開口部分のみを覆うため、ブラシレスモータ20と減速機ケース33との固定剛性に影響を与えることが無い。よって、カバー部材54を低剛性のプラスチック等で成形したとしても、収納部53を確実に覆うことができ、ひいては製造コストの低下や被水信頼性の向上等を図ることができる。
【0067】
また、本実施の形態に係るブラシレスモータ20によれば、取付部52は、各モータ側導電板MPの他端側をモータケース41内から引き出すための第1連通孔52bと、モータケース41の径方向外側から第1連通孔52bを囲うよう設けられ、減速機ケース33の取付端部33aが固定される固定部52dとを備える。これにより、各モータ側導電板MPおよび各コントローラ側導電板CPの接続作業性を低下させること無く、取付部52に減速機ケース33を取り付けることで各モータ側導電板MPおよび各コントローラ側導電板CPをカバーできる。
【0068】
さらに、本実施の形態に係るブラシレスモータ20によれば、モータケース41内にロータ43の回転を検出するレゾルバ47を設け、一端側がレゾルバ47に接続される各モータ側センサ線MLを設け、取付部52は各モータ側センサ線MLの他端側をモータケース41内から引き出すための第2連通孔52cを備え、第2連通孔52cを固定部52dのモータケース41の径方向内側に設けた。これにより、レゾルバ47を備えたブラシレスモータ20にも対応できる。この場合、各モータ側センサ線MLおよび各コントローラ側センサ線CLの接続作業性を低下させること無く、取付部52に減速機ケース33を取り付けることで各モータ側センサ線MLおよび各コントローラ側センサ線CLをカバーできる。
【0069】
また、本実施の形態に係るブラシレスモータ20によれば、収納部53の開口部分にカバー部材54を装着した状態のもとで、収納部53をモータケース41の軸方向に沿わせて固定部52dから減速機ケース33側とは反対側にオフセットし、モータケース41の軸方向に沿う固定部52dの位置とカバー部材54の減速機ケース33側の位置とが離間(離間距離L1)するよう、収納部53の開口部分の軸方向高さ寸法を設定した。これにより、減速機ケース33とカバー部材54とが干渉するのを防止することができ、種々の形状や大きさの減速機ケース33にブラシレスモータ20を取り付けることができる。
【0070】
さらに、本実施の形態に係るブラシレスモータ20によれば、固定ネジS2によってカバー部材54を収納部53に固定した状態のもとで、収納部53をモータケース41の軸方向に沿わせて固定部52dから減速機ケース33側とは反対側にオフセットし、モータケース41の軸方向に沿う固定部52dの位置と固定ネジS2の減速機ケース33側の位置とが離間(離間距離L2)するよう、収納部53の開口部分の軸方向高さ寸法を設定した。これにより、減速機ケース33と固定ネジS2とが干渉するのを防止することができ、種々の形状や大きさの減速機ケース33にブラシレスモータ20を取り付けることができる。
【0071】
また、本実施の形態に係るブラシレスモータ20によれば、ブラシレスモータ20を電動パワーステアリング装置10の駆動源として用いるので、低騒音,低振動,低コスト化や軽量化が求められる電動パワーステアリング装置にも対応可能となる。これにより、低価格かつ低燃費が必須の軽自動車等にも容易に搭載することができる。
【0072】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態においては、第1連通孔52bからは3つのモータ側導電板MPの他端側が引き出されて配置されているが、本発明はこれに限らず、第1連通孔52bに3つのモータ側導電板MPの他端側を含むバスバーユニット46の一部を配置させるようにしても良い。同様に、第2連通孔52cからは各モータ側センサ線MLの他端側が引き出されて配置されているが、本発明はこれに限らず、第2連通孔52cに各モータ側センサ線MLの他端側を含むセンサケース48の一部を配置させるようにしても良い。
【0073】
また、上記実施の形態では、ブラシレスモータ20をステアリングシャフト12の途中に設けたコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置10に適用したものを示したが、本発明はこれに限らず、ピニオン15(図1参照)をアシストする形式や、タイロッド16(図1参照)をアシストする形式の電動パワーステアリング装置に適用することもできる。
【0074】
さらに、上記実施の形態では、ブラシレスモータ20を電動パワーステアリング装置10の駆動源として用いた場合を示したが、本発明はこれに限らず、例えば、オイルポンプモータ等のエンジン補機類の駆動源等にも用いることができる。
【0075】
また、上記実施の形態では、本発明における回転センサとして、レゾルバ47を採用したものを示したが、本発明はこれに限らず、ロータ43の回転を検出できるのであれば他の形式の回転センサ、例えばエンコーダ等を採用することもできる。
【符号の説明】
【0076】
10 電動パワーステアリング装置
11 ステアリングホイール
12 ステアリングシャフト
13 前輪
14 ユニバーサルジョイント
15 ピニオン
16 タイロッド
17 ラック
18 車載バッテリ
20 ブラシレスモータ
30 減速機構
31 ウォーム
31a ウォーム軸
32 ウォームホイール
33 減速機ケース(被取付対象物)
33a 取付端部
40 モータ部
41 モータケース
41a 本体筒部
41b 第1底壁
41c 第2底壁
41d フランジ部
41e ネジ挿通孔
42 ステータコア
42a インシュレータ
42b コイル
43 ロータ
43a 永久磁石
43b ロータケース
44 回転軸
45 連結部材
45a セレーション部
46 バスバーユニット(集電装置)
47 レゾルバ(回転センサ)
SA 固定子
RO 回転子
48 センサケース
49 環状固定部材
50 コントローラ部
51 ブラケット部材
52 取付部
52a 貫通穴
52b 第1連通孔
52c 第2連通孔
52d 固定部
52e ネジ穴
52f 突当面
52g ネジ孔
53 収納部
53a 側壁
53b 底壁
53c 冷却フィン
54 カバー部材
55 制御装置
56 パワー系基板
56a 第1係合ブロック
57 制御系基板
57a 第2係合ブロック
B1 第1軸受
B2 第2軸受
AS 環状空間
CS 円柱状空間
S1,S2 固定ネジ
CN 接続コネクタ
PT 電源用ターミナル
ST 信号用ターミナル
MP モータ側導電板(駆動用導電部材)
CP コントローラ側導電板(駆動用導電部材)
ML モータ側センサ線(信号用導電部材)
CL コントローラ側センサ線(信号用導電部材)
GG ガイド溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータコアと、前記ステータコア内で回転するロータとを備えたブラシレスモータであって、
内部に前記ステータコアが固定されるモータケースと、
前記ステータコアに巻回されるコイルと、
前記モータケース内に設けられ、一端側に前記コイルが接続される駆動用導電部材を有する集電装置と、
前記モータケースの開口部分を覆うブラケット部材と、
前記駆動用導電部材の他端側に接続され、前記ロータを回転制御する制御装置とを備え、
前記ブラケット部材には、
前記駆動用導電部材の少なくとも前記他端側が配置され、被取付対象物に取り付けることで当該被取付対象物により覆われる取付部と、
前記モータケースの径方向外側に位置し、内部に前記制御装置が収納され、カバー部材により前記被取付対象物側に開口した開口部分が覆われる収納部とを一体に設けたことを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項2】
請求項1記載のブラシレスモータにおいて、前記取付部は、前記駆動用導電部材の少なくとも前記他端側を前記モータケース内から引き出すための第1連通孔と、前記モータケースの径方向外側から前記第1連通孔を囲うよう設けられ、前記被取付対象物の取付端部が固定される固定部とを備えることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項3】
請求項2記載のブラシレスモータにおいて、前記モータケース内に前記ロータの回転を検出する回転センサを設け、一端側が前記回転センサに接続される信号用導電部材を設け、前記取付部は前記信号用導電部材の少なくとも他端側を前記モータケース内から引き出すための第2連通孔を備え、前記第2連通孔を前記固定部の前記モータケースの径方向内側に設けることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、前記収納部の前記開口部分に前記カバー部材を装着した状態のもとで、前記収納部を前記モータケースの軸方向に沿わせて前記固定部から前記被取付対象物側とは反対側にオフセットし、前記モータケースの軸方向に沿う前記固定部の位置と前記カバー部材の前記被取付対象物側の位置とが離間するよう、前記収納部の前記開口部分の軸方向高さ寸法を設定したことを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、固定ネジによって前記カバー部材を前記収納部に固定した状態のもとで、前記収納部を前記モータケースの軸方向に沿わせて前記固定部から前記被取付対象物側とは反対側にオフセットし、前記モータケースの軸方向に沿う前記固定部の位置と前記固定ネジの前記被取付対象物側の位置とが離間するよう、前記収納部の前記開口部分の軸方向高さ寸法を設定したことを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、前記ブラシレスモータは、電動パワーステアリング装置の駆動源であることを特徴とするブラシレスモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−94025(P2013−94025A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236052(P2011−236052)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000144027)株式会社ミツバ (2,083)
【Fターム(参考)】