説明

ブラシレス直流励磁機を備えた同期モータの起動方法

界磁電流を最大許容励磁機固定子電流(すなわち、移行速度で主磁界に定格無負荷電流を生じさせることになる電流)に設定して、磁化電流を加え、固定子に磁束を生じさせることによって、モータを誘導モータとして起動することが可能になる、モータのための起動方法及びシステム。モータの固定子電流は、モータがいかなる静摩擦であろうと克服するのに十分な解放トルクを発生可能にする値に維持される。特定の移行速度でまたはある時間期間の経過後、駆動部が初期磁化電流を除去することによって誘導モータ制御から同期モータ制御への移行が開始され、その後、DC励磁機によってモータに界磁電流が加えられる。この移行が完了すると、駆動部は、所望の速度要求値まで一定比率で上昇させることが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年4月20日に提出された米国仮特許出願第60/913,128号の優先権の恩典を主張するものである。
【0002】
サイリスタソフトスタータで起動するように設計されたモータのような多くの同期機は、ブラシレス直流(DC)励磁機を備えている。励磁機は、回転子を休止位置から全速力まで加速するのに関連した慣性の克服を助けるために用いられる。
【0003】
さまざまな状況において、先行技術文献に記載があるような中圧の可変周波数駆動(VFD)モータコントローラ(例えば特許文献1参照)でブラシレスDC励磁機を備えた同期モータを操作するのが望ましい。中圧VFDモータコントローラによれば、ブラシレスDC励磁機を備えた同期モータの起動に必要な初期電圧が供給され、同時に電力会社の供給電圧における電圧降下が回避される。しかしながら、速度センサを必要としない動作のためには、大きい負荷がかかる前に、ブラシレスDC励磁機を備えた同期モータの同期をとるべきである。さもなければ、機械が磁極でスリップして、磁束が急速に低下し、場合によっては速度制御ができなくなる。従って、速度センサなしでVFDを利用して、ブラシレスDC励磁機を備えた同期モータを起動するのは困難である可能性がある。
【0004】
この困難を克服するオプションの1つは、DC励磁機を交流(AC)励磁機に置換して、休止状態で励磁を施すことができるようにすることであった。しかしながら、多くの状況では、接近しにくいことが多い場所における部品交換が必要になるので、この手順は機械的に困難になる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,625,545号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上述の問題の1つ以上を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、ブラシレスDC励磁機を備えた同期機を誘導モータとして起動することが可能であり、特定の回転速度で同期モータ動作にスイッチすることが可能な、速度センサを必要としない起動方法が提供される。
【0008】
速度センサを必要としない運転下において、AC励磁機を備える同期モータとは異なり、ブラシレスDC励磁機を備える同期モータは、モータを同期させるのに異なる起動方法を必要とする。本書に記載の方法の場合、VFDは、モータの回転子を非同期に回転させることによってその動作を開始する。回転子がいったん回転すると、駆動部によってモータは同期状態になり、通常の同期モータ制御に移行する。
【0009】
実施形態の1つでは、モータは、界磁電流を最大許容励磁機固定子電流(すなわち、回転速度で主磁界に定格無負荷電流を生じさせることになる電流)に設定して、磁化電流を加え、固定子に磁束を生じさせることによって誘導モータとして起動することが可能である。モータの固定子電流は、モータがいかなる静摩擦であろうと克服するのに十分な解放トルクを発生可能にする値に維持される。駆動部によれば、特定の回転速度でまたはある時間期間の経過後、初期磁化電流の除去によって誘導モータ制御から同期モータ制御への移行が開始され、その後、DC励磁機によってモータに界磁電流が加えられる。駆動部では、この移行が完了すると、所望の速度要求値まで一定比率で上昇させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】非同期モータを制御するVFDのブロック図である。
【図2】モータ制御方法のブロック図である。
【図3】ブラシレスDC励磁機を備えた同期モータを制御するためのVFDの働きに関するタイミング図である。
【図4】磁化電流(Ids)基準値と界磁電流(Ifield)基準値を決定することが可能な方法について説明するブロック図である。
【図5】時間の関数として初期磁化電流と同期モータフィードフォワード(FF)電流の一例を例示した図である。
【図6】典型的な可変周波数駆動部の構成要素を例示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明について説明する前に理解しておくべきは、本発明は記載の特定のシステム、方法論、及び、プロトコルに制限されることはないという点である。というのもこれらは変化する可能性があるからである。やはり理解しておくべきは、本書で用いられる用語は、特定の実施形態の説明だけを目的としたものであって、本開示の範囲を制限するように意図したものではない。
【0012】
本明細書及び付属の請求項において用いられる限りにおいて、単数形の「ある」、「1つの」、及び、「その」には、文脈において特に別の明確な指示がない限り、複数の指示内容が含まれる。別段の規定がない限り、本書で用いられる全ての技術及び科学用語は、通常の当該技術者によって一般に理解されているのと同じ意味を有している。本書で用いられる限りにおいて、「〜を含む」は、「〜を包含するが、〜に制限されることはない」という意味である。
【0013】
図1には、可変周波数駆動部(VFD)100、ブラシレス直流(DC)励磁機120、及び、同期モータ110が例示されている。図1に例示のように、VFD100は、モータ110の固定子に電力を供給するために接続することが可能である。すなわち、VFD100は、モータ110に、初期磁化電流(Ids)、初期界磁電流(Ifield)、及び、初期トルク電流(Iqs)を供給する。これら3つの電流については、下記で図2及び図3に関連してさらに詳細に論考される。モータ110には、モータの界磁巻線114を保護するため、サイリスタ、ツェナーダイオード、抵抗器、及び/または他のデバイスを含む保護回路112を含むことが可能である。モータ110には、DCブラシレス励磁機120の出力側に電気的に接続された整流器116を含むことも可能である。サイリスタベースの電力調整器140によって、電源150から励磁機120の入力側にDC電力を供給することが可能である。調整器140は、VFD100コントローラから制御コマンドを受信することが可能である。
【0014】
図2には、ブロック図の様式でブラシレスDC励磁機を備えた同期モータの制御起動を利用する方法が例示されている。図3には、タイミング図の形式でこの方法が例示されており、以下の論考は図2及び図3に関連するものである。この方法を利用して、ブラシレスDC励磁機を備えた同期モータを起動することが可能である。以下では、起動方法の実施形態の1つに関するVFD駆動操作のタイミング図について述べることにする。
【0015】
図3を参照すると、VFDを利用してモータを起動するコマンドが出される時、同期モータは休止しているかまたはアイドル状態310にある可能性がある。後続ステップの一部または全ては、速度要求に関係なく実施することが可能である。初期磁化状態320の間、VFDによって指定の初期磁化電流(Ids)351が加えられ、固定子に磁束350が生じるが、出力周波数はゼロに保持される。この時間期間中、界磁電流(Ifield)352がVFDによってDC励磁機に加えられ、磁化状態320にある間、Ifield352は、最大許容励磁機固定子電流と同じ値でしかないかまたはそれに等しい定値に保持される。
【0016】
磁化状態の後(例えば、磁束基準値が増大を停止する時点において)、運転状態330が開始される。運転状態330は、高起動トルク状態331、及び、同期モータ制御332に状態変化するための移行時間を含むいくつかの時間期間に分割することが可能である。高起動トルク状態331において、駆動部は、出力周波数を一定比率で上昇させて、モータ速度353が定格スリップ速度になるようにし、同時に、いかなる静摩擦であろうと克服するのに十分な解放トルクをモータが発生可能にする高起動トルクモードメニュの設定値まで電流のトルク成分(Iqs)353を上昇させる。これとモータ固定子に対する初期磁化電流(Ids)の印加が相俟って、モータを誘導モータであるかのように扱うことになる。
【0017】
高起動トルク状態331において、駆動部は、磁束ドウェル時間321に等しい持続時間にわたってこのトルク電流353及び周波数353を維持する。この期間中に、モータは、回転子を強制的に動かす(または負荷状態で振動させる)のに十分なトルク発生すべきである。磁束ドウェル時間321の後、この制御によって、モータ速度354は定格スリップ速度から最低速度まで上昇するが、固定子電流は維持される。
【0018】
駆動部は、位相ロックループ(PLL)を動作可能にし、PLL Acq Time323パラメータによって設定可能な時間期間の間待機することによって高起動トルク状態331を終了する。この時間期間中に、PLLはモータ磁束及び周波数を獲得する。
【0019】
PLL Acq Time323が経過すると、駆動部の制御は、同期モータ制御に状態変化するための移行時間333に移行する。この期間中、駆動部によって、トルク353電流がわずかに減少し(例えばメニュー設定の90%まで)、速度ループが閉じる。速度ループは、次にモータ速度354フィードバックを受信し、モータ電流のトルク成分(Iqs)の調整を試みることが可能になる。
【0020】
ある時間期間(例えば1秒間といった)の後、磁束ループを動作可能にすることができるようになる。磁束ループは、次に磁束350でフィードバックを受信し、磁化電流(Ids)351及び界磁電流(Ifield)352を調整しようとする。
【0021】
磁化電流(Ids)が減少してゼロになるまで、無負荷主界磁電流(Ifield)352が流れ、制御は同期させられることになる。この時点から、駆動部は、通常の同期モータ制御モード334で動作することが可能になる。駆動部は、顧客仕様または加えられる負荷によって決まる所望の速度要求値まで一定の比率で上昇させることができる状態にある。
【0022】
上記に記載の時間期間(例えば、磁化状態320、磁束ランプ時間321、PLL Acq. time 323、及び、上述の他の時間期間)のうちの任意の時間期間と次の時間期間の間における移動は、1つの状態からもう1つの状態に移行するように設定されたタイマによって制御することが可能である。その時間には、各状態毎にあらかじめ決められた時間期間が含まれる可能性、すなわち、時間期間は状態間で異なる可能性がある。代わりに、実際のモータ状態のリアルタイム測定に基づいて、1つの期間から次の期間へのシフトを制御することも可能である。
【0023】
図2は、制御システムの典型的な要素のブロック図である。図2に示すように、磁化状態の間、制御システム210の構成要素を開ループ動作で動作させ、磁化状態中(図3の320)、磁化電流調整器240及びトルク電流調整器245だけが動作可能になるようにすることが可能である。高起動トルク状態(図3の331)において、PLL250が動作可能になる。PLL取得時間(図3の323)中に、PLL250は、モータからモータ磁束角を計算するための電流及び電圧情報を取得する。モータモデル255は、モータ磁束角情報を処理して、モータ速度及びモータ磁束に関する更新値を得る。状態変化に関する移行時間中(図3の353)、制御システム210は、速度調整器220及び磁束調整器225を動作可能にして、閉ループ動作にスイッチする。速度調整器220は、起動中に動作不能になると、マスタコントローラからの所望の速度も実際のモータ速度をも考慮することなく、代わりにトルク電流を得るための所定の値(図3の353)にすることが可能である。いったん動作可能になると、速度調整器は、所望の速度と実際のモータ速度を比較し、トルク電流(Iqs)基準値を然るべく調整することが可能である。
【0024】
同様に、起動中、磁束調整器225は、マスタコントローラからの所望の磁束または実際のモータ磁束を考慮することなく、代わりに初期磁化電流(図3の351)及び初期界磁電流(図3の352)を生じさせるための所定の値にすることが可能である。いったん動作可能になれば、磁束調整器225は、所望の磁束要求値と実際のモータ磁束を比較し、モータ固定子磁化電流(Ids)基準値及び励磁機固定子電流(Ifield)基準値を然るべく調整することが可能である。
【0025】
更新電流基準値はモータフィードバック電流と共に処理されて、d、q基準電圧に関する更新値が生成され、D−Q変換モジュール260に送られる。D−Q変換モジュール260は、モータ磁束角(PLL250によって得られる)を用いて、電圧d、q基準値をモータの固定子側に送ることが可能なAC信号に変換する。これらのAC信号は、パルス幅変調器(PWM)270を用いてインバータスイッチコマンドに変換することが可能である。
【0026】
磁束ループが動作可能になる前後に、磁化電流(Ids)基準値及び界磁電流(Ifield)基準値にさまざまな値を割り当てることが可能である。基準値の円滑な移行は下記の方法を用いて実現可能であり、図4の助けを借りて説明される。高起動トルク状態の間(図3の331)及び磁束ループが動作可能になるまで(図3の360)、磁化電流(Ids)451及び界磁電流(Ifield)452の基準値は、それぞれ、初期磁化電流351及び最大許容励磁機固定子電流401によって決定される。
【0027】
いったん駆動部が高起動トルク状態(図3の331)ではなくなり、磁束ループが動作可能になると(図3の360)、磁化電流(Ids)451及び界磁電流(Ifield)452の基準値は、下記に示すように求めることが可能になる。
Ids*=InitialMagnetizingCurrent(t)+IdsReg.P
Isynch=SynchmotorFF(t)+Ids*+I
【0028】
図5には、時間の関数としての初期磁化電流及び同期モータフィードフォワード(FF)電流の典型的な傾向が示されている。
【0029】
図6には、本書に記載の実施形態で用いることが可能な可変周波数駆動部の典型的な実施形態が例示されている。図6において、変圧器または他の多巻線装置610が、単相インバータアレイ(電力セルとも呼ばれる)を介して三相中圧電力を三相誘導モータのような負荷630に供給する。このアレイでは三相インバータは不要である。多巻線装置610には、いくつかの二次巻線614−625を励磁する一次巻線612が含まれている。一次巻線612は星形構成を有するように例示されているが、網状構成も可能である。さらに、二次巻線614−625は、辺延び三角構成を有するように例示されているが、網状構成も可能である。さらに、図6に例示の二次巻線の数は単なる典型的な例であって、他の二次巻線数も可能である。この回路は、中圧用途(約690ボルト〜約69キロボルト)に用いることもできるし、実施形態によっては、他の用途に用いることも可能である。こうした回路のさらなる詳細については、その開示が参考までに本書でそっくりそのまま援用されているHammondの米国特許第5,625,545号に開示されている。
【0030】
変圧器610と同期モータ負荷630の間には任意の数の電力セルランクが接続される。「ランク」は、三相セット、すなわち、電力供給系の三相のそれぞれに設けられた電力セルグループとみなされる。図6を参照すると、ランク650には電力セル651−653が含まれており、ランク660には661−663が含まれており、ランク670には電力セル671−673が含まれており、ランク680には電力セル681−683が含まれている。4未満または4を超えるランクも可能である。中央制御システム695は、光ファイバあるいは別の有線または無線通信媒体690によって各セルの局所制御装置にコマンド信号を送る。留意すべきは、図6に描かれた1相当たりのセル数は典型的な例であって、さまざまな実施形態において、4を超えるかまたは4未満のランクの可能性もあり得るという点である。例えば、2ランク、4ランク、8ランク、または、他の数のランクが可能である。
【0031】
実施形態によっては、これらのセルの一部が一方向においてのみ(例えば入力から出力)電力を処理するといった場合もある。これらは、2象限(2Q)または非再生電力セルと呼ばれる場合もある。他の実施形態には、この電力を吸収することが可能なエネルギ源が利用可能である限りにおいて、いずれの方向でも(例えば、出力から入力及び入力から出力)電力を処理することが可能なものもある。これらは、4象限(4Q)または再生電力セルと呼ばれる場合もある。
【0032】
上記で開示の及び他の特徴及び機能またはそれらの代替物は、他のさまざまなシステムまたは応用例に望ましい形で組み合わせることが可能である。現在のところ予測できないあるいは予期しないさまざまな代替実施形態、修正実施形態、変更実施形態、及び、改良実施形態が、当該技術者によって今後生み出される可能性がある。こうした代替実施形態も、開示の実施形態に包含されるように意図されている。
【符号の説明】
【0033】
100 可変周波数駆動部
110 同期モータ
112 保護回路
114 界磁巻線
116 整流器
120 ブラシレス直流励磁機
140 電力調整器
150 電源
210 制御システム
220 速度調整器
225 磁束調整器
240 磁化電流調整器
250 PLL
260 D−Q変換モジュール
270 パルス幅変調器
610 変圧器
630 同期モータ負荷

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシレス直流励磁機を備えた同期モータの起動を制御する方法であって、
可変周波数駆動コントローラを用いて、モータ固定子に磁化電流を加え、励磁機に所定の界磁電流を加えて、第1の時間期間中、モータが誘導モータとして運転されるようにするステップと、
前記可変周波数駆動コントローラを用いて、前記モータ固定子にトルク電流を加え、回転子を回転させるステップと、
ある特定の回転速度に達した後、前記モータ固定子に加えられる前記磁化電流を減少させ、前記励磁機に加えられる前記界磁電流を調整して、第2の時間期間中、前記モータが同期モータとして運転されるようにするステップが含まれている方法。
【請求項2】
前記周波数駆動コントローラが、前記磁化電流及び前記界磁電流を同時に加えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トルク電流が、所定のレベルまで増大させられ、所定の時間期間にわたって保持されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記所定のレベル及び前記所定の時間期間が、前記モータに加えられている負荷に基づいて決定されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ブラシレス直流励磁機を備えた同期モータの起動を制御するためのシステムであって、
所定の時間期間にわたってモータ固定子に磁化電流を加えるように構成された可変周波数駆動コントローラと、
前記モータの動作を閉ループにスイッチして、前記可変周波数駆動コントローラからの磁化電流が減少し、第2の時間期間中、モータが同期モータとして運転されるようにする構成を施されたモータ制御構成要素が含まれているシステム。
【請求項6】
前記モータ制御構成要素に、位相ロックループコントローラとモータモデルコントローラが含まれることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記位相ロックループコントローラが、前記モータからの電流フィードバック及び電圧フィードバックを監視して、前記モータモデルコントローラに前記フィードバック成分を供給することを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記モータモデルコントローラが、前記同期モータ運転中、前記モータ制御構成要素にモータ速度値とモータ磁束値を供給することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記周波数駆動コントローラが、前記励磁機に界磁電流を加えるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記周波数駆動コントローラが、前記磁化電流と前記界磁電流を同時に加えるように構成されていることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
ブラシレス直流励磁機を備えた同期モータの起動を制御する方法であって、
可変周波数駆動コントローラを用いて、前記モータの固定子に初期磁化電流を供給し、前記励磁機に界磁電流を供給するステップと、
ある時間期間にわたって前記界磁電流を最大許容励磁機固定子電流レベルに保持するステップと、
ある磁化状態期間の後、トルク電流を加えて、前記モータの回転子が回転を始めるようにするステップと、
前記トルク電流及びモータ速度を所定のレベルまで増すステップと、
前記トルク電流が前記所定のレベルに達すると、磁束ドウェル時間期間の間前記トルク電流及びモータ速度をそのレベルに保持するステップと、
位相ロックループによって設定された時間期間の経過後、速度ループを閉じて、前記トルク電流を調整し、それによって前記モータの同期運転への移行を開始するステップと、
磁束ループを閉じて、前記磁化電流をゼロまで減少させ、前記界磁電流を調整するステップと、
前記モータを同期モータとして運転するステップが、
含まれている方法。
【請求項12】
前記可変周波数駆動コントローラが、前記トルク電流を供給することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記最大許容励磁機固定子電流レベルが、前記モータに加えられている負荷に基づいて調整されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記トルク電流の前記所定のレベルが、前記モータに加えられている負荷に基づいて調整されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記磁束ドウェル時間の経過後に前記モータの速度が増すことと、前記速度が同期運転に必要な最低速度まで増すことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記最低速度が、前記モータに対する負荷に基づいて決まることを特徴とする請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−525775(P2010−525775A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504123(P2010−504123)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/005130
【国際公開番号】WO2008/130700
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(500524637)シーメンス エナジー アンド オートメーション インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】