説明

ブレーキ制御装置

【課題】複数系統のブレーキ液路を介して各ホイールシリンダに供給されるブレーキ液のブレーキ液圧をブレーキ液路毎に検出できると共に、それらの検出結果に基づき所望どおりにブレーキ液圧を的確に制御することができるブレーキ制御装置を提供する。
【解決手段】マスタシリンダ17から第1ブレーキ液路18及び第2ブレーキ液路19を介して供給されるブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を対応する車輪に付与するホイールシリンダ20a〜20dと、各ホイールシリンダ20a〜20dに供給されるブレーキ液のブレーキ液圧を検出するホイールシリンダ圧センサ71と、そのセンサ71の検出対象を各ブレーキ液路18,19間で相互に切り替え可能な切り替え弁69とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両において車輪に制動力を付与するための制動装置の駆動を制御するためのブレーキ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の制動時にマスタシリンダ側から各車輪と個別対応する各ホイールシリンダに供給されるブレーキ液のブレーキ液圧を制御するブレーキ制御装置が種々提案されている。例えば、特許文献1に記載のブレーキ制御装置では、車両の運転手がブレーキペダルの踏み込み操作を行った場合や、レーザレーダが車両前方の障害物を検出した場合に、動力ポンプ側から供給されるブレーキ液がブレーキ液路を介して所定のブレーキ液圧を伴って各ホイールシリンダに供給される結果、各車輪に制動力が付与される構成となっている。
【0003】
この特許文献1に記載のブレーキ制御装置では、マスタシリンダや動力ポンプから各ホイールシリンダにブレーキ液を供給するためのブレーキ液路が2系統に分かれており、各系統のブレーキ液路毎にホイールシリンダ圧センサ(ブレーキ液圧検出手段)が一つずつ設けられている。そして、各系統のブレーキ液路毎に、当該ブレーキ液路に設けられたホイールシリンダ圧センサにより当該ブレーキ液路を介してホイールシリンダに供給されるブレーキ液のブレーキ圧が各々検出され、両センサによる各検出結果に基づき各ホイールシリンダに供給されるブレーキ液のブレーキ液圧がフィードバック制御されるようになっている。
【特許文献1】特開2006−56292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ホイールシリンダ圧センサは、それぞれの測定精度に関して製造誤差に起因した固有のバラつき(すなわち、検出値に対する検出誤差)を有していることがある。そして、特許文献1のブレーキ制御装置では、こうしたホイールシリンダ圧センサが各系統のブレーキ液路毎に別々に設けられている。そのため、このような別々のホイールシリンダ圧センサの各検出結果に基づき両ブレーキ液路を介して各ホイールシリンダに供給されるブレーキ液のブレーキ液圧を所望の値(例えば、両系統のブレーキ液圧を均等)とするべくフィードバック制御する場合には、各センサが各々固有に有する測定精度のバラつき(検出誤差)の分だけ、両系統のブレーキ液圧が所望の値からずれてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数系統のブレーキ液路を介して各ホイールシリンダに供給されるブレーキ液のブレーキ液圧をブレーキ液路毎に検出できると共に、それらの検出結果に基づき所望どおりにブレーキ液圧を的確に制御することができるブレーキ制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のブレーキ制御装置は、車両において車輪(FR,FL,RR,RL)に制動力を付与するための制動装置(14)の駆動を制御するブレーキ制御装置(11)であって、ブレーキ液供給源(17,64,65)から第1ブレーキ液路(18)及び第2ブレーキ液路(19)を介して供給されるブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を対応する車輪(FR,FL,RR,RL)に付与する複数のホイールシリンダ(20a,20b,20c,20d)と、該各ホイールシリンダ(20a,20b,20c,20d)に前記各ブレーキ液路(18,19)を介して各々供給されるブレーキ液のブレーキ液圧を検出するブレーキ液圧検出手段(71)と、前記ブレーキ液圧検出手段(71)の検出対象を前記第1ブレーキ液路(18)と前記第2ブレーキ液路(19)との間で相互に切り替え可能な切り替え手段(69,77,78)と、該切り替え手段(69,77,78)による前記ブレーキ液圧検出手段(71)の検出対象の切り替えを制御する制御手段(15)とを備えた。
【0007】
上記構成によれば、第1ブレーキ液路及び第2ブレーキ液路の各ブレーキ液圧が共通のブレーキ液圧検出手段により検出され、その共通のブレーキ液圧検出手段の検出結果に基づき各ホイールシリンダに供給されるブレーキ液圧が制御される。そして、そのブレーキ液圧検出手段が有する固有の測定精度のバラつきは、両ブレーキ液路のブレーキ液圧の検出結果に共通に反映される。したがって、複数系統のブレーキ液路を介して各ホイールシリンダに供給されるブレーキ液のブレーキ液圧をブレーキ液路毎に検出できると共に、それらの検出結果に基づき所望どおりにブレーキ液圧を的確に制御することができる。
【0008】
また、本発明のブレーキ制御装置において、前記制御手段(15)は、前記ブレーキ液圧検出手段(71)の検出結果に基づき前記ホイールシリンダ(20a,20b,20c,20d)に供給されるブレーキ液のブレーキ液圧をフィードバック制御する。
【0009】
上記構成によれば、ブレーキ液圧検出手段によるブレーキ液路毎のブレーキ液圧が的確に検出されるため、その検出結果に基づき各ブレーキ液路のブレーキ液圧を所望どおりにフィードバック制御することができ、車両の偏向防止を図ることができる。
【0010】
また、本発明のブレーキ制御装置において、前記ブレーキ液圧検出手段(71)は、前記切り替え手段(69,77,78)において前記第1ブレーキ液路(18)及び前記第2ブレーキ液路(19)が接続された側とは反対側に接続されている。
【0011】
上記構成によれば、ブレーキ液圧検出手段は、切り替え手段を介して各ブレーキ液路と選択的に接続されるようになっており、切り替え手段を操作することでブレーキ液圧検出手段と各ブレーキ液路との接続状態を任意に切り替え可能な構成となっている。そのため、各ブレーキ液路のブレーキ液圧を共通のブレーキ液圧検出手段により検出する構成を簡便に実現することができる。
【0012】
また、本発明のブレーキ制御装置において、前記第1ブレーキ液路(18)及び前記第2ブレーキ液路(19)は、前記ブレーキ液供給源(17,64,65)側と前記ホイールシリンダ(20a,20b,20c,20d)側とを連通又は非連通とすべく前記制御手段(15)により開閉制御される開閉弁(33,34,35,36)をそれぞれ備え、前記切り替え手段(69,77,78)は、前記第1ブレーキ液路(18)及び前記第2ブレーキ液路(19)において前記開閉弁(33,34,35,36)よりも前記ホイールシリンダ(20a,20b,20c,20d)側に配置されている。
【0013】
上記構成によれば、切り替え手段は、開閉弁を介在することなくホイールシリンダ側と連通する構成となっている。そのため、開閉弁の開閉状態に影響されることなく、切り替え手段を操作することにより必要に応じてブレーキ液圧検出手段と各ブレーキ液路のホイールシリンダ側との接続状態を迅速且つ容易に切り替えることができる。
【0014】
また、本発明のブレーキ制御装置において、前記切り替え手段(69,77,78)は、一方の切り替え位置(72,81,83)で前記ブレーキ液圧検出手段(71)を前記第1のブレーキ液路(18)に接続すると共に他方の切り替え位置(73,80,82)で前記ブレーキ液圧検出手段(71)を前記第2のブレーキ液路(19)に接続する3ポート2位置弁(69)又は2ポート2位置弁(77,78)により構成されている。
【0015】
上記構成によれば、切り替え手段を3ポート2位置弁により構成する場合には、この弁に形成された3つのポートを2系統のブレーキ液路及びブレーキ液圧検出手段にそれぞれ配分することで、ブレーキ液圧検出手段の検出対象を各ブレーキ液路の間で相互に切り替え可能な構成を単一の弁構造で実現することができる。そのため、1つの制御系統で弁の開閉状態を制御することができ、より簡便な制御構成を適用することが可能となる。また、切り替え手段を2ポート2位置弁により構成する場合には、この弁を二つ併設し、一方の弁に形成された二つのポートを第1ブレーキ液路及びブレーキ液圧検出手段に接続すると共に、他方の弁に形成された二つのポートを第2ブレーキ液路及びブレーキ液圧検出手段に接続する。その結果、ブレーキ液圧検出手段の検出対象を各ブレーキ液路の間で相互に切り替え可能な構成を特別な構造を有する弁を用いることなく汎用的な弁により実現することができる。すなわち、液圧回路内の他の部分で使用されている開閉弁を転用することができ、装置全体の製造コストを低減することができる。
【0016】
また、本発明のブレーキ制御装置において、前記2ポート2位置弁(77,78)は、一方の切り替え位置(81)で前記ブレーキ液圧検出手段(71)を前記第1ブレーキ液路(18)に接続すると共に他方の切り替え位置(80)で前記ブレーキ液圧検出手段(71)と前記第1ブレーキ液路との間を遮断する第1の2ポート2位置弁(77)と、一方の切り替え位置(83)で前記ブレーキ液圧検出手段(71)と前記第2ブレーキ液路との間を遮断すると共に他方の切り替え位置(82)で前記ブレーキ液圧検出手段(71)を前記第2ブレーキ液路(19)に接続する第2の2ポート2位置弁(78)とにより構成され、前記制御手段(15)は、前記第1の2ポート2位置弁(77)及び前記第2の2ポート2位置弁(78)をそれぞれ前記一方の切り替え位置(81,83)とする状態と、前記第1の2ポート2位置弁(77)及び前記第2の2ポート2位置弁(78)をそれぞれ前記他方の切り替え位置(80,82)とする状態とを相互に切り替え可能に構成されている。
【0017】
また、本発明のブレーキ制御装置は、前記車両とその前方の物体との距離を検出可能な距離検出手段(84)を備えるとともに前記ブレーキ液供給源は動力ポンプ(64,65)からなり、前記制御手段(15)は、前記距離検出手段(84)の検出結果に基づき、運転手によるブレーキ操作手段(12)の操作とは独立して前記車輪(FR,FL,RR,RL)に制動力を付与すべく前記動力ポンプ(64,65)の駆動状態を制御する。
【0018】
上記構成によれば、運転手によるブレーキ操作手段の操作に基づくブレーキ制御時とは独立したブレーキ制御時(すなわち、車両の自動ブレーキ制御時)において、動力ポンプの加圧力に応じたブレーキ液圧を各ホイールシリンダに供給することができる。
【0019】
また、本発明のブレーキ制御装置において、前記第1ブレーキ液路(18)及び前記第2ブレーキ液路(19)には、前記動力ポンプ(64,65)の駆動により得られた液圧をリリースすることで前記制動力を調整可能な制御弁(27,28)がそれぞれ設けられており、これらの制御弁(27,28)は、前記制御手段(15)による開度の制御を通じて、前記各ブレーキ液路(18,19)における前記動力ポンプ(64,65)側と当該制御弁(27,28)を挟んだその反対側との差圧を調整するものである。
【0020】
上記構成によれば、制御手段が動力ポンプの吐出駆動に伴って制御弁の開度を制御することで、動力ポンプから吐出されるブレーキ液のうちホイールシリンダ側に流動するブレーキ液量の比率を調整する。そのため、動力ポンプの加圧力に依存することなく、動力ポンプから各ホイールシリンダに供給されるブレーキ液圧を調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1の実施形態)
以下、本発明のブレーキ制御装置を具体化した第1の実施形態を図1に従って説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施形態におけるブレーキ制御装置11は、複数(本実施形態では4つ)の車輪(右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RL)を有する車両に搭載されている。ブレーキ制御装置11は、車両の運転手によるブレーキペダル12の踏み込み操作に基づいたブレーキ液圧を発生させる液圧発生装置13と、該液圧発生装置13に接続され、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力を付与するための制動装置14(図1では二点鎖線で示す。)とが設けられている。そして、この制動装置14は、その駆動が制御手段としての電子制御装置(以下、「ECU」と言う。)15によって制御される。
【0023】
まず、液圧発生装置13について、図1に基づき説明する。
図1に示すように、液圧発生装置13には、運転手によるブレーキペダル12の踏力を倍力するためのブースタ16と、該ブースタ16によって倍力された運転手によるブレーキペダル12の踏力に応じたブレーキ液圧を発生させるブレーキ液供給源としてのマスタシリンダ17とが設けられている。そして、マスタシリンダ17内で発生したブレーキ液圧は、制動装置14側に供給される。すなわち、マスタシリンダ17からは、運転手によるブレーキペダル12の踏み込み量に対応した量のブレーキ液が制動装置14側に供給される。
【0024】
次に、制動装置14について、図1に基づき説明する。
図1に示すように、制動装置14は、マスタシリンダ17に接続される第1ブレーキ液路18及び第2ブレーキ液路19を備えている。第1ブレーキ液路18には、右前輪FRに制動力を付与するためのホイールシリンダ20aと、左後輪RLに制動力を付与するためのホイールシリンダ20bとが接続されている。また、第2ブレーキ液路19には、左前輪FLに制動力を付与するためのホイールシリンダ20cと、右後輪RRに制動力を付与するためのホイールシリンダ20dとが接続されている。そして、各ブレーキ液路18,19は、マスタシリンダ17内のブレーキ液をホイールシリンダ20a,20b,20c,20dに向けて流動させるためのマスタシリンダ側ブレーキ液路21,22と、途中で各々2つのホイールシリンダ20a,20b,20c,20dへと分岐したホイールシリンダ側ブレーキ液路23,24とをそれぞれ備えた構成とされている。
【0025】
各ブレーキ液路18,19におけるマスタシリンダ側ブレーキ液路21,22には、比例差圧弁25,26がそれぞれ設けられている。これら各比例差圧弁25,26は、常開型の制御弁としての比例電磁弁(「圧力調整弁」とも言う。)27,28と、該比例電磁弁27,28と並列関係をなす逆止弁29,30とからそれぞれ構成されている。
【0026】
第1ブレーキ液路18におけるホイールシリンダ側ブレーキ液路23には、ホイールシリンダ20aに接続される右前輪用経路31aと、ホイールシリンダ20bに接続される左後輪用経路31bとが形成されている。同様に、第2ブレーキ液路19におけるホイールシリンダ側ブレーキ液路24には、ホイールシリンダ20cに接続される左前輪用経路32aと、ホイールシリンダ20dに接続される右後輪用経路32bとが形成されている。そして、これら各経路31a,31b,32a,32b上には、ホイールシリンダ20a〜20d内のブレーキ液圧の増圧を規制する際に駆動する常開型の開閉弁としての第1電磁弁(「保持弁」とも言う。)33,34,35,36が設けられている。なお、第1電磁弁33〜36は、常開型の電磁弁33a〜36aと、該電磁弁33a〜36aと並列関係をなす逆止弁33b〜36bとからそれぞれ構成されている。
【0027】
また、各経路31a,31b,32a,32bには、第1電磁弁33〜36よりもホイールシリンダ20a〜20d側で分岐した分岐流路37,38,39,40が形成されている。そして、各分岐流路37〜40には、ホイールシリンダ20a〜20d内のブレーキ液圧を減圧させる際に駆動する常閉型の第2電磁弁41,42,43,44が介装されており、分岐流路37,38が合流した排出液圧路45、及び分岐流路39,40が合流した排出液圧路46は、各ホイールシリンダ20a〜20d内から第2電磁弁41〜44を介して流出したブレーキ液を一時貯留するための補助リザーバ47,48にそれぞれ接続されている。なお、マスタシリンダ側ブレーキ液路21,22には、比例差圧弁25,26よりもマスタシリンダ17側で分岐した分岐流路49,50が形成されており、各分岐流路49,50の途中位置には、常閉型の電磁弁51,52が介設されている。また、分岐流路50の途中位置には、マスタシリンダ17側のブレーキ液圧を検出するためのマスタシリンダ圧センサ53が設けられている。
【0028】
また、各ブレーキ液路18,19におけるホイールシリンダ側ブレーキ液路23,24には、補助リザーバ47,48をホイールシリンダ側ブレーキ液路23,24における第1電磁弁33,35よりもマスタシリンダ17側の接続部位A1,A2に接続する連通流路62,63が形成されており、該連通流路62,63には図示しないモータの駆動に基づき駆動する動力ポンプ64,65が介設されている。そして、動力ポンプ64,65は、モータが回転した場合に、補助リザーバ47,48及びマスタシリンダ17側からブレーキ液を吸引し、該ブレーキ液を第1電磁弁33〜36を介して各ホイールシリンダ20a〜20dに吐出する。なお、連通流路62,63における分岐流路49,50との接続部位A3,A4よりも補助リザーバ47,48側には、補助リザーバ47,48側から動力ポンプ64,65側へのブレーキ液の流動のみ許容する逆止弁60,61が介設されており、分岐流路49,50内のブレーキ液が補助リザーバ47,48に流れ込むことを規制している。また、連通流路62,63の途中位置にはダンパ室66,67が接続されており、動力ポンプ64,65から吐出された高圧のブレーキ液をダンパ室66,67に導入することで膨張作用により液圧の脈動の低減を図っている。
【0029】
第1ブレーキ液路18の左後輪用経路31bには、第1電磁弁34よりもホイールシリンダ20b側から分岐した分岐流路68が形成され、該分岐流路68は切り替え手段としての切り替え弁69に接続されている。また、第2ブレーキ液路19の右後輪用経路32bには、第1電磁弁36よりもホイールシリンダ20d側から分岐した分岐流路70が形成され、該分岐流路70も同様に切り替え弁69に接続されている。
【0030】
すなわち、切り替え弁69には、第1ブレーキ液路18側の分岐流路68を接続するための第1の接続部69aと第2ブレーキ液路19側の分岐流路70を接続するための第2の接続部69bが設けられている。また、切り替え弁69には第3の接続部69cが設けられ、この第3の接続部69cには、ブレーキ液圧検出手段としてのホイールシリンダ圧センサ71が接続されている。
【0031】
この切り替え弁69は、第1の切り替え位置72と第2の切り替え位置73とを有する3ポート2位置弁により構成されている。そして、第1の切り替え位置72では、第1の接続部69aと第3の接続部69cが互いに接続される一方、第2の接続部69bは第3の接続部69cに対して非接続状態となるように構成されている。また、第2の切り替え位置73においては、第2の接続部69bと第3の接続部69cが互いに接続される一方、第1の接続部69aは第3の接続部69cに対して非接続状態となるように構成されている。
【0032】
そのため、切り替え弁69は、これらの切り替え位置72,73を変更することにより、ホイールシリンダ20b,20d側から延びる各分岐流路68,70のホイールシリンダ圧センサ71に対する連通状態を交互に切り替えることができるようになっている。すなわち、ホイールシリンダ圧センサ71は、切り替え弁69が切り替え操作されることにより、各ブレーキ液路18,19におけるホイールシリンダ20a〜20d内のブレーキ液圧を交互に検出することが可能である。
【0033】
ECU15は、図1に示すように、CPU74、ROM75及びRAM76などを備えたデジタルコンピュータと、各装置を駆動させるための駆動回路(図示略)とを主体として構成されている。ROM75には、制動装置14を制御するための各種の制御プログラム等が記憶されている。また、RAM76には、車両の駆動中に適宜書き換えられる各種の情報がそれぞれ記憶されるようになっている。
【0034】
また、ECU15の入力側インターフェース(図示略)には、前方車両もしくは障害物との相対的な距離を検出可能な距離検出手段としてのレーザレーダ84、マスタシリンダ圧センサ53、及びホイールシリンダ圧センサ71が接続されている。一方、ECU15の出力側インターフェース(図示略)には、各動力ポンプ64,65を駆動させるためのモータ、比例差圧弁25,26、第1電磁弁33〜36、第2電磁弁41〜44、及び切り替え弁69が接続されている。そして、ECU15は、上記各センサ53,71からの入力信号に基づき、モータ、比例差圧弁25,26、第1電磁弁33〜36、第2電磁弁41〜44、及び切り替え弁69の動作を個別に制御するようになっている。
【0035】
そこで次に、以上のように構成されたブレーキ制御装置11の作用につき、特にホイールシリンダ圧センサ71の検出対象を各ブレーキ液路18,19の間で交互に切り替える切り替え弁69の作用に着目して以下説明する。
【0036】
さて、車両の自動ブレーキ制御を実行する場合、まず、ECU15は、車両前方の物体との相対距離が予め設定した設定値未満に達した旨の検出結果をレーザレーダ84から受信した時点で、電磁弁51,52を開弁状態に切り替える旨の制御信号を送信すると共に、運転手によるブレーキペダル12の操作とは独立して各ホイールシリンダ20a〜20dに制動力を付与すべく動力ポンプ64,65の駆動を開始させる。そして、動力ポンプ64,65は、マスタシリンダ側ブレーキ液路21,22及び分岐流路49,50を介してマスタシリンダ17内からブレーキ液を吸引した後、該ブレーキ液を連通流路62,63及びホイールシリンダ側ブレーキ液路23,24を介して各ホイールシリンダ20a〜20dに吐出する。このとき、ECU15は、各ブレーキ液路18,19における連通流路62,63とホイールシリンダ側ブレーキ液路23,24との接続部位A1,A2よりもマスタシリンダ17側に配置された比例電磁弁27,28に対して該比例電磁弁27,28の弁開度を変更する旨の制御信号を送信する。これにより、動力ポンプ64,65の駆動により得られたブレーキ液圧のうちマスタシリンダ17側にリリーフされる比率が調整される。その結果、各ブレーキ液路18,19における動力ポンプ64,65側と比例電磁弁27,28を挟んだその反対側との差圧が調整され、各ホイールシリンダ20a〜20dに対して所望の制動力が付与される。
【0037】
ところで、各ブレーキ液路18,19に設けられた比例差圧弁25,26は性能バラつきを有する。そのため、これらの弁に対して同じ圧力となるように同じ値の信号を送信したとしても、各ホイールシリンダ20a〜20dに供給されるブレーキ液圧にはバラつきを生じる虞があった。特に、ブレーキ液路の配管構造としてX型配管構造を採用した場合には、2系統間の圧力差が車両偏向等に大きな影響を及ぼすため、より精密な圧力制御を行う必要があった。
【0038】
この点、本実施形態のブレーキ制御装置11では、ホイールシリンダ圧センサ71が切り替え弁69を介して第2ブレーキ液路19に接続している状態(図1に示す状態)から、ECU15からの制御信号に基づき切り替え弁69の切り替え位置を第1の切り替え位置72に変更することによりホイールシリンダ圧センサ71の検出する対象を第1ブレーキ液路18に切り替えることができる。そして、各ブレーキ液路18,19におけるホイールシリンダ圧を共通のホイールシリンダ圧センサ71により検出する構成とすることで、ホイールシリンダ圧センサ71が測定精度に関して固有の検出誤差を生じる場合であっても、その検出誤差は各ブレーキ液路18,19におけるブレーキ液圧の各検出結果に共通に反映される。したがって、そうした共通のホイールシリンダ圧センサ71の検出結果に基づくため、ブレーキ液圧のフィードバック制御の精度バラつきが低減される。
【0039】
また、ECU15は、ホイールシリンダ圧センサ71の検出結果に基づいて各ブレーキ液路18,19のブレーキ液圧を所望の値(例えば、各ブレーキ液路18,19のブレーキ液圧を均等)にするべくフィードバック制御を実行する。具体的には、第2ブレーキ液路19のホイールシリンダ圧が予め設定された所定の値となるように、動力ポンプ65の駆動に基づくホイールシリンダ圧の増圧量を比例電磁弁27,28の弁開度を制御することで調整する。そして、ECU15は、第2ブレーキ液路19におけるホイールシリンダ圧の調整が完了した旨の検出結果をホイールシリンダ圧センサ71から受信した時点で、ホイールシリンダ圧センサ71の検出対象を切り替えるべく切り替え弁69に対して制御信号を送信する。
【0040】
すると、切り替え弁69の切り替え位置が第2の切り替え位置73から第1の切り替え位置72に移行することに伴いホイールシリンダ圧センサ71の検出対象が第1ブレーキ液路18に変更され、その後、同様にして第1ブレーキ液路18におけるホイールシリンダ圧の調整が実行される。そして、上記のようなサイクルを繰り返すことにより、ECU15は、各ブレーキ液路18,19に接続されるホイールシリンダ20a〜20dに対して所望どおりの液圧制御を実行することが可能となる。
【0041】
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、各ブレーキ液路18,19のブレーキ液圧を共通のホイールシリンダ圧センサ71により検出するため、ホイールシリンダ圧センサ71が有する固有の測定精度のバラつきは各系統のブレーキ液路18,19におけるブレーキ液圧の検出結果に共通に反映される。したがって、各系統のブレーキ液路18,19毎におけるブレーキ液圧の検出結果に基づき、それら各ブレーキ液路18,19を介して各ホイールシリンダ20a,20b,20c,20dに供給されるブレーキ液の液圧を所望どおりに的確に制御することができる。
【0042】
(2)上記実施形態では、ECU15は、各ブレーキ液路18,19間での検出バラつきが低減されたブレーキ液圧の検出結果に基づいて各ブレーキ液路18,19のブレーキ液圧を所望の値(例えば、各ブレーキ液路18,19のブレーキ液圧を均等)にするべくフィードバック制御を実行する。そのため、各ブレーキ液路18,19に接続されるホイールシリンダ20a〜20dに対して所望どおりの液圧制御を確実に行うことができる。
【0043】
(3)上記実施形態では、ホイールシリンダ圧センサ71は、切り替え弁69を介して各ブレーキ液路18,19と選択的に接続されるようになっており、切り替え弁69を操作することでホイールシリンダ圧センサ71と各ブレーキ液路18,19との接続状態を任意に切り替え可能な構成となっている。そのため、各ブレーキ液路18,19のブレーキ液圧を1つの共通のホイールシリンダ圧センサ71により検出する構成を簡便に実現することができる。
【0044】
(4)上記実施形態では、切り替え弁69は、第1電磁弁34,36を介在することなくホイールシリンダ20b,20d側と連通する構成となっている。そのため、第1電磁弁34,36の開閉状態に影響されることなく、切り替え弁69を切り替え操作することにより必要に応じてホイールシリンダ圧センサ71と各ブレーキ液路18,19のホイールシリンダ20b,20d側との接続状態を迅速且つ容易に切り替えることができる。
【0045】
(5)上記実施形態では、切り替え弁69を3ポート2位置弁により構成している。そのため、この切り替え弁69に形成された3つのポートを2系統のブレーキ液路18,19及びホイールシリンダ圧センサ71にそれぞれ接続することで、ホイールシリンダ圧センサ71の検出対象を各ブレーキ液路18,19の間で相互に切り替え可能な構成を単一の弁構造で実現することができる。そのため、1つの制御系統(即ち、1つの制御信号)で弁の開閉状態を制御することができ、より簡便な制御構成を適用することが可能となる。
【0046】
(第2実施形態)
次に、本発明のブレーキ制御装置の第2の実施形態を図2に従って説明する。なお、第2の実施形態は、切り替え弁69の配置構成が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0047】
図2に示すように、本実施形態におけるブレーキ制御装置11では、切り替え弁として各電磁弁33〜36,41〜44と同様の2ポート2位置弁を採用しており、こうした汎用タイプの2つの切り替え弁77,78がホイールシリンダ圧センサ71を挟むように配置されている。第1の切り替え弁77は、第1ブレーキ液路18側から分岐した分岐流路68を接続するための第1の接続部77aを一方の側面に有すると共に、ホイールシリンダ圧センサ71に連結された連結流路79を接続するための第2の接続部77bを他方の側面に有している。そして、この第1の切り替え弁77は、第1の切り替え位置80では、両接続部77a,77bを非接続状態にする一方、第2の切り替え位置81では、両接続部77a,77bを互いに接続するように構成されている。
【0048】
同様に、第2の切り替え弁78は、第2ブレーキ液路19側から分岐した分岐流路70を接続するための第1の接続部78aを一方の側面に有すると共に、ホイールシリンダ圧センサ71に連結された連結流路79を接続するための第2の接続部78bを他方の側面に有している。そして、この第2の切り替え弁78は、第1の切り替え位置82では、両接続部78a,78bを互いに接続する一方、第2の切り替え位置83では、両接続部78a,78bを非接続状態にするように構成されている。
【0049】
そして、ECU15は、ホイールシリンダ圧センサ71により第1ブレーキ液路18側のホイールシリンダ圧を検出する場合には、第1の切り替え弁77に対して第2の切り替え位置81に移行する旨の制御信号を送信すると共に、第2の切り替え弁78に対して第2の切り替え位置83に移行する旨の制御信号を送信する。一方、ECU15は、ホイールシリンダ圧センサ71により第2ブレーキ液路19側のホイールシリンダ圧を検出する場合には、第1の切り替え弁77に対して第1の切り替え位置80に移行する旨の制御信号を送信すると共に、第2の切り替え弁78に対して第1の切り替え位置82に移行する旨の制御信号を送信する。すなわち、ECU15は、必要に応じて各切り替え弁77,78の切り替え位置を適宜変更することにより、ホイールシリンダ圧センサ71の検出対象を各ブレーキ液路18,19の間で相互に切り替え可能となっている。
【0050】
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態における前記(1)〜(4)の効果に加え、更に以下のような効果を得ることができる。
(6)上記実施形態によれば、ホイールシリンダ圧センサ71の検出対象を各ブレーキ液路18,19の間で相互に切り替え可能な構成を特別な構造を有する弁を用いることなく汎用的な弁により実現することができる。すなわち、ブレーキ液路18,19内の他の部分で使用されている電磁弁33〜36,41〜44ど同様のものを転用することができ、装置全体の製造コストを低減することができる。
【0051】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態において、切り替え弁69がホイールシリンダ圧センサ71の検出対象を切り替えるタイミングは、各ブレーキ液路18,19におけるホイールシリンダ圧の調整途中の任意の時点であってもよい。
【0052】
・上記各実施形態において、切り替え弁69に接続される分岐流路68,70は、ブレーキ液路18における右前輪用経路31a、及びブレーキ液路19における左前輪用経路32aからそれぞれ分岐するように構成してもよい。
【0053】
・上記各実施形態において、切り替え弁69に接続される分岐流路68,70は、各ブレーキ液路18,19における第1電磁弁33〜36よりもマスタシリンダ17側となる位置で分岐するように構成してもよい。
【0054】
・上記各実施形態において、第1ブレーキ液路18には右前輪FR用のホイールシリンダ20aと左前輪FL用のホイールシリンダ20cとが接続されると共に、第2ブレーキ液路19には左後輪RL用のホイールシリンダ20bと右後輪RR用のホイールシリンダ20dとが接続されるような回路構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】第1の実施形態におけるブレーキ制御装置を概略的に示すシステム図。
【図2】第2の実施形態におけるブレーキ制御装置を概略的に示すシステム図。
【符号の説明】
【0056】
11…ブレーキ制御装置、12…ブレーキ操作手段としてのブレーキペダル、15…制御手段としてのECU、17…ブレーキ液供給源としてのマスタシリンダ、18…第1ブレーキ液路、19…第2ブレーキ液路、20a〜20d…ホイールシリンダ、27,28…制御弁としての比例電磁弁、34,36…開閉弁としての第1電磁弁、64,65…動力ポンプ、69…切り替え手段としての切り替え弁、71…ブレーキ液圧検出手段としてのホイールシリンダ圧センサ、77…切り替え手段としての第1の切り替え弁、78…切り替え手段としての第2の切り替え弁、84…距離検出手段としてのレーザレーダ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両において車輪(FR,FL,RR,RL)に制動力を付与するための制動装置(14)の駆動を制御するブレーキ制御装置(11)であって、
ブレーキ液供給源(17,64,65)から第1ブレーキ液路(18)及び第2ブレーキ液路(19)を介して供給されるブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を対応する車輪(FR,FL,RR,RL)に付与する複数のホイールシリンダ(20a,20b,20c,20d)と、
該各ホイールシリンダ(20a,20b,20c,20d)に前記各ブレーキ液路(18,19)を介して各々供給されるブレーキ液のブレーキ液圧を検出するブレーキ液圧検出手段(71)と、
前記ブレーキ液圧検出手段(71)の検出対象を前記第1ブレーキ液路(18)と前記第2ブレーキ液路(19)との間で相互に切り替え可能な切り替え手段(69,77,78)と、
該切り替え手段(69,77,78)による前記ブレーキ液圧検出手段(71)の検出対象の切り替えを制御する制御手段(15)と
を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
前記制御手段(15)は、前記ブレーキ液圧検出手段(71)の検出結果に基づき前記ホイールシリンダ(20a,20b,20c,20d)に供給されるブレーキ液のブレーキ液圧をフィードバック制御することを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のブレーキ制御装置において、
前記ブレーキ液圧検出手段(71)は、前記切り替え手段(69,77,78)において前記第1ブレーキ液路(18)及び前記第2ブレーキ液路(19)が接続された側とは反対側に接続されていることを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載のブレーキ制御装置において、
前記第1ブレーキ液路(18)及び前記第2ブレーキ液路(19)は、前記ブレーキ液供給源(17,64,65)側と前記ホイールシリンダ(20a,20b,20c,20d)側とを連通又は非連通とすべく前記制御手段(15)により開閉制御される開閉弁(33,34,35,36)をそれぞれ備え、
前記切り替え手段(69,77,78)は、前記第1ブレーキ液路(18)及び前記第2ブレーキ液路(19)において前記開閉弁(33,34,35,36)よりも前記ホイールシリンダ(20a,20b,20c,20d)側に配置されていることを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のブレーキ制御装置において、
前記切り替え手段(69,77,78)は、一方の切り替え位置(72,81,83)で前記ブレーキ液圧検出手段(71)を前記第1のブレーキ液路(18)に接続すると共に他方の切り替え位置(73,80,82)で前記ブレーキ液圧検出手段(71)を前記第2のブレーキ液路(19)に接続する3ポート2位置弁(69)又は2ポート2位置弁(77,78)により構成されていることを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載のブレーキ制御装置において、
前記2ポート2位置弁(77,78)は、一方の切り替え位置(81)で前記ブレーキ液圧検出手段(71)を前記第1ブレーキ液路(18)に接続すると共に他方の切り替え位置(80)で前記ブレーキ液圧検出手段(71)と前記第1ブレーキ液路との間を遮断する第1の2ポート2位置弁(77)と、一方の切り替え位置(83)で前記ブレーキ液圧検出手段(71)と前記第2ブレーキ液路との間を遮断すると共に他方の切り替え位置(82)で前記ブレーキ液圧検出手段(71)を前記第2ブレーキ液路(19)に接続する第2の2ポート2位置弁(78)とにより構成され、
前記制御手段(15)は、前記第1の2ポート2位置弁(77)及び前記第2の2ポート2位置弁(78)をそれぞれ前記一方の切り替え位置(81,83)とする状態と、前記第1の2ポート2位置弁(77)及び前記第2の2ポート2位置弁(78)をそれぞれ前記他方の切り替え位置(80,82)とする状態とを相互に切り替え可能に構成されていることを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載のブレーキ制御装置において、
前記車両とその前方の物体との距離を検出可能な距離検出手段(84)を備えるとともに前記ブレーキ液供給源は動力ポンプ(64,65)からなり、
前記制御手段(15)は、前記距離検出手段(84)の検出結果に基づき、運転手によるブレーキ操作手段(12)の操作とは独立して前記車輪(FR,FL,RR,RL)に制動力を付与すべく前記動力ポンプ(64,65)の駆動状態を制御することを特徴とするブレーキ制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載のブレーキ制御装置において、
前記第1ブレーキ液路(18)及び前記第2ブレーキ液路(19)には、前記動力ポンプ(64,65)の駆動により得られた液圧をリリースすることで前記制動力を調整可能な制御弁(27,28)がそれぞれ設けられており、これらの制御弁(27,28)は、前記制御手段(15)による開度の制御を通じて、前記各ブレーキ液路(18,19)における前記動力ポンプ(64,65)側と当該制御弁(27,28)を挟んだその反対側との差圧を調整するものであることを特徴とするブレーキ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−298379(P2009−298379A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158183(P2008−158183)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(301065892)株式会社アドヴィックス (1,291)
【Fターム(参考)】