説明

ブローフィルムでのポリプロピレン組成物

メタロセン−ベースの触媒系の存在で製造したプロピレン・ポリマーから成る第1成分と、チーグラー−ナッタ重合触媒の存在で製造したプロピレンと一種以上のコモノマーとのランダム共重合体から成る第2成分とを含むポリプロピレン組成物。本発明のポリプロピレン組成物はブローフィルムに特に適し、優れた光学特性で特徴付けられる。本発明はこのブロー・フィルム
含む多層フィルムまたはラミネートと、このブロー・フィルム、多層フィルムまたはラミネートの製造方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタロセン-ベースの触媒系の存在で製造されたプロピレン・ポリマーの第1成分と、チーグラー−ナッタ重合触媒の存在で製造されたプロピレンと一種以上のコモノマーとのランダム共重合体の第2成分とを含むポリプロピレン組成物に関するものである。
【0002】
本発明のポリプロピレン組成物はブロー・フィルム(blown film)に特に適し、優れた光学特性によって特徴付けられる。
本発明はさらに、上記ブロー・フィルムを含む多層フィルムまたはラミネートに関するものである。
本発明はさらに、上記のブロー・フィルムの製造方法、多層フィルムまたはラミネートにも関するものである。
【背景技術】
【0003】
ポリプロピレンフィルムは種々の異なるプロセス、例えばキャストフィルム・プロセス、ブロー・フィルム・プロセスまたはBOPP(2軸配向ポリプロピレン)プロセスで製造できる。これらはほんの少しの例にすぎない。
【0004】
ブロー・フィルムプロセスでは・ポリプロピレンが環状ダイから溶融押出しされる。溶融したバブル(泡)は冷却リングを通り、バブルは膨張され、溶融したポリプロピレンが冷却される。バブルはバブルの外側および/または内側表面上に水を使用してさらに冷却される(水冷ブロー・フィルム)か、バブルの外側および/または内側表面上に空気を使用して冷却される(空冷ブロー・フィルム)。冷却されたバブルは最後に潰され、巻き取られる。オプションとして、スリットして2つの分離したロールに巻かれる。
【0005】
ブロー・フィルム・プロセスで使用される従来のポリプロピレンは一般に、水冷ブロー・フィルムの場合には6dg/分〜12dg/分のメルトフローインデックスを有し、空冷ブロー・フィルムの場合には0.8dg/分〜4dg/分のメルトフローインデックスを有する。
【0006】
キャストフィルムプロセスやBOPPプロセスの多くのプロセスはポリプロピレンに良く適しており、加工で特に問題となるような主たる欠点はなく、良好な品質のフィルムが生産できる。しかし、ブロー・フィルム・プロセスではポリプロピレンの加工性が悪くなったり、光学特性が不十分になったり、その両方が問題になることが多い。
【0007】
そのため、上記欠点のない工業的なポリプロピレンまたはポリプロピレン組成物に対するニーズがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際特許第WO 03 102069号公報
【特許文献2】欧州特許第EP-A1-0152701号公報
【特許文献3】欧州特許第EP-A2-0368577号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Blomenhofer et al. in Macromolecules 2005, 38, 3688-3695
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、ブロー・フィルムにする際に優れた加工性を有するポリプロピレン組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、ブロー・フィルムを作った時に優れた光学特性を有するポリプロピレン組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ブロー・フィルムにする際の優れた加工性と、ブロー・フィルムを作った時の優れた光学特性の両方を有するポリプロピレン組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、優れた光学特性を有するブロー・フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は上記目的のいずれか一つは、単独または一つ以上の目的の組合せとして本発明のポリプロピレン組成物によって達成できるということを発見した。
【0012】
本発明は下記(a)と(b)から成るメルトフローインデックスが0.1dg/分〜15.0dg/分のポリプロピレン組成物を提供する:
(a)メタロセン−ベースの触媒系の存在で製造したプロピレン・ポリマーから成る、ポリプロピレン組成物に対して5重量%〜50重量%の第1成分、
(b)チーグラー−ナッタ重合触媒の存在で製造したプロピレンと一種以上のコモノマーとのランダム共重合体から成る、ポリプロピレン組成物に対して50重量%〜95重量%の第2成分、
(ただし、第1成分は5.0dg/分〜100dg/分のメルトフローインデックスを有し、第2成分はランダム共重合体の総重量に対して0.5重量%〜6.0重量%のプロピレンとは異なる一種以上のコモノマーを有し、第2成分は成分が0.5dg/分〜5.0dg/分のメルトフローインデックスを有し、上記のメルトフローインデックスは全てISO規格1133に従って条件Lで、230℃、2.16kgで測定する)
【0013】
本発明はさらに、上記ポリプロピレン組成物から成るブロー・フィルムを提供する。
本発明はさらに、下記(a)〜(c)の段階から成るブロー・フィルムの製造方法を提供する:
(a)上記ポリプロピレン・ポリマー組成物を第1押出機に送り、
(b)段階(a)のプロピレン・ポリマー組成物を環状ダイを介して溶融押出して第一の押出物を作り、
(c)上記段階で得られた押出物を押出物の外部表面および/または内部表面から空気および/または水で冷却してブロー・フィルムを形成する。
本発明はさらに、上記ポリプロピレン組成物から成る多層フィルムと、この多層フィルムの製造方法とにも関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明で「ポリプロピレン」および「プロピレン・ポリマー」という用語は同じ意味で使われ、「プロピレン・ポリマー」とはプロピレンのホモポリマーとプロピレンのコポリマーを意味する。
【0015】
本発明フィルムの好ましい厚さは5μmから300μmである。特に好ましい厚さは少なくとも10μmまたは20μmであり、より好ましくは少なくとも50μm、より好ましくは少なくとも75μm、さらに好ましくは少なくとも100μmである。厚さは最大で250μm、より好ましくは最大で200μmである。
本発明の上記多層フィルムは単一の押出加工、すなわち異なるフィルム層を共押出して製造できる。
本発明でラミネートとは互いに独立して製造された少なくとも2枚のフィルムを結合して製造された物を意味する
【0016】
ポリプロピレン組成物
本発明のポリプロピレン組成物は、ポリプロピレン組成物に対して5重量%〜50重量%の第1成分と、ポリプロピレン組成物に対して95重量%〜50重量%の第2成分とから成る。
【0017】
本発明のポリプロピレン組成物は0.10dg/分〜15.0dg/分のメルトフローインデックス(MFI)を有する。空冷ブロー・フィルム・プロセスを使用する場合のポリプロピレン組成物のメルトフローインデックス(MFI)は少なくとも0.25dg/分、好ましくは少なくとも0.50dg/分、より好ましくは少なくとも0.75dg/分であるのが好ましく、最大で8.0dg/分、より好ましくは最大で7.0dg/分または最大で6.0dg/分、より好ましくは最大で5.0dg/分、さらに好ましくは最大で4.0dg/分であるのが好ましい。水冷ブロー・フィルムプロセスを使用する場合、ポリプロピレン組成物のメルトフローインデックス(MFI)は少なくとも4.0dg/分、より好ましくは少なくとも5.0dg/分、さらに好ましくは少なくとも6.0dg/分であるのが好ましく、最大で14.0dg/分、より好ましくは最大で13.0dg/分、最も好ましくは最大で12.0dg/分であるのが好ましい。メルトフローインデックス(MFI)はISO規格1133(条件L)に従って230℃、2.16kgで測定される。ポリプロピレン組成物のメルトフローインデックスの上記範囲は、各成分の溶融指数に関する条件が満たされるとともに、ポリプロピレン組成物自体が上記定義の溶融流動指数の範囲内に入らなければならない、ということを意味する。
【0018】
本発明のポリプロピレン組成物はα-核剤(nucleating agent)をさらに含むのが好ましい、すなわち、核化(nucleated)されているのが好ましい。本発明で核剤とはプロピレン・ポリマーの結晶化温度を上げる化合物と定義される。
【0019】
α-核剤はポリプロピレン組成物の総重量に対して10ppm〜5000ppmの量のポリプロピレン組成物を含むのが好ましい。α-核剤の量はポリプロピレン組成物の全重量に対して少なくとも20ppm、30ppm、40ppm、50ppm、60ppm、70ppm、80ppm、90ppm、120ppm、140ppm、160ppm、180ppmまたは200ppmであるのが好ましい。α-核剤の量はポリプロピレン組成物の総重量に対して最大でも4000ppm、3000ppm、2000ppm、1800ppm、1600ppm、1400ppm、1200ppmまたは1000ppmであるのが好ましい。
【0020】
本発明で使われる核剤は当業者に公知の任意のα-核剤にすることができるが、タルク、カルボキシレート塩、ソルビトールアセタール、燐灰石エステル塩、置換ベンゼンカルボキシアミド、ポリマー核剤およびこれらの混合物から成る群の中から選択するのが好ましい。ホスフェートエステル塩およびカルボキシレート塩が好ましく、ホスフェートエステル塩が最も好ましい。
【0021】
本発明で核剤として使用可能なカルボキシレート塩の例は有機カルボン酸塩で、その例は安息香酸ナトリウムおよびリチウムベンゾエートである。有機カルボン酸塩は脂環式有機カルボン酸塩でもよく、好ましくは二環式の有機カルボン酸塩、より好ましくはビシクロ[2.2.1]ヘプタンジカルボン酸塩である。このタイプの核剤はMilliken Chemical社からハイパーフーム(HYPERFORM、登録商標)HPN-68として販売される。
【0022】
ソルビトール・アセタールの例はジベンジリデン・ソルビトール(DBS)、ビス(p- メチル−ジベンジリデン・ソルビトール)(MDBS)、ビス(p- エチル−ジベンジリデン・ソルビトール)、ビス(3,4- ジメチル−ジベンジリデン・ソルビトール)(DMDBS)であり、ビス(3,4- ジメチル−ジベンジリデン・ソルビトール)(DMDBS)が好ましい。これらは例えばMilliken Chemical社からMillad 3905、Millad 3940およびMillad 3988の商品名で入手できる。
【0023】
ホスフェートエステル塩の例は2,2'-メチレン−ビス-(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファート塩である。このタイプのホスフェートエステル塩は旭電化からNA-11、NA-21またはNA-71として入手できる。
【0024】
置換トリカルボキシアミドの例は下記一般式のものである。
【化1】

【0025】
(ここで、R1、R2およびR3は互いに独立してC1−C20アルキル、C5−C12シクロアルキルまたはフェニルの中から選択され、その各々はC1−C20アルキル、C5−C12シクロアルキル、フェニル、ヒドロキシ、C1−C20アルキルアミノまたはC1−C20アルキルオキシ等で置換されていてもよい。
1−C20アルキルの例はメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2- ジメチルプロピル、3- メチルブチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルまたは1,1,3,3- テトラメチルブチルである。C5−C12シクロアルキルの例はシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、アダマンチル、2- メチルシクロヘキシル、3-メチルシクロヘキシルまたは2,3- ジメチルシクロヘキシルである。この種の核剤は特許文献1(国際特許第WO 03 102069号公報)、非特許文献1(Blomenhofer et al. in Macromolecules 2005, 38, 3688-3695)に記載されている。
【0026】
ポリマー核剤の例はビニル化合物を含むポリマー核剤で、それは特許文献2(欧州特許第EP-A1-0152701号公報)および特許文献3(欧州特許第EP-A2-0368577号公報)に記載されている。このビニル化合物を含むポリマー核剤はメタロセン・ポリプロピレンと物理的または化学的に混合できる。物理的ブレンディングではビニル化合物を含むポリマー核剤を押出機またはブレンダ中でメタロセン-触媒を用いて製造したプロピレン・ポリマーと混合する。化学的ブレンディングでは、ビニル化合物を含むポリマー核剤を含んだメタロセン-触媒で作ったプロピレン・ポリマーが少なくとも2つの段階を有する重合プロセスで製造され、その少なくとも一つの段階でビニル化合物を含むポリマー核剤が製造される。好ましいビニル化合物は少なくとも6つの炭素原子を有するビニル・シクロアルカン誘導体またはビニル・シクロアルケン誘導体、例えばビニルシクロペンタン、ビニル-3- メチルシクロペンタン、ビニル・シクロヘキサン、ビニル-2- メチル・シクロヘキサン、ビニル-3- メチル・シクロヘキサン、ビニルノルボルナン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン、ビニル-2- メチル・シクロヘキセンである。最も好ましいビニル化合物はビニル・シクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロペンテンおよびビニルシクロヘキセンである。
【0027】
ポリマー核剤の他の例はポリ-3- メチル-1- ブテン、ポリジメチルスチレン、ポリシラン誘導体およびポリアルキルキシレンである。ビニル化合物を含むポリマー核剤で説明したように、これらのポリマー核剤は化学的または物理的なブレンディングによってメタロセン-触媒で作ったプロピレン・ポリマー中に入れることができる。
【0028】
INEOS Polyolefins社から入手可能な高密度ポリエチレン、例えばRigidex HD6070EAや、フラクショナルメルトフローを有するポリプロピレンまたはフラクショナルメルトフローのフラクションを含むポリプロピレンを使用することもできる。
【0029】
さらに、核剤の混合物、例えばタルクとホスファート塩の混合物またはタルクとビニル化合物を含むポリマー核剤との混合物を使用することもできる。
【0030】
α-核剤はポリプロピレン組成物中にそのままの形またはマスターバッチの形でα-核剤とブレンディング、例えば乾式混合または溶融混合して導入できる。核を有する熱可塑性ポリマー、例えばマスターバッチのブレンディングで、α-核剤をポリプロピレン組成物中に導入することも本発明の範囲内である。この熱可塑性ポリマーはポリプロピレン組成物の成分と同じでも異なっていてもよい。
【0031】
本発明のポリプロピレン組成物は添加剤をさらに含むことができる。添加剤の例は抗酸化剤、光安定剤、酸スカベンジャ、滑剤、静電防止剤、充填剤、着色剤である。利用可能な添加剤の概要は下記文献に記載されている。
【非特許文献2】Plastics Additives Handbook、ed. H. Zweifel、第5版、Hanser Publishers
【0032】
第1成分
本発明のポリプロピレン組成物の第1成分はメタロセン-触媒で作ったプロピレン・ポリマーすなわちメタロセン-ベースの重合触媒の存在で製造されたものであることが必要である。メタロセン-ベースの重合触媒を使用するとプロピレン・ポリマーに特別な特性が与えられる。例えば、メタロセン-触媒で作ったプロピレン・ポリマーはチーグラー‐ナッタ触媒を用いて製造したプロピレンと比較すると、ポリマーが非常に狭い分子量分布を有することで特徴づけられる。チーグラー‐ナッタ触媒を使用したプロピレン重合では成長するポリマー鎖にプロピレンが常に1,2-挿入(insertion)され、メタロセン-ベースの重合触媒は常に一定百分比の2,1-挿入が得られる。
【0033】
本発明で使用されるメタロセン-触媒で作ったプロピレン・ポリマーは任意タイプのプロピレン・ポリマーにすることができるが、プロピレンのホモポリマーまたはプロピレンと一種以上のコモノマーとのランダム共重合体にすることができる。メタロセン-触媒で作ったプロピレン・ポリマーはプロピレンのホモポリマーであるのが好ましい。
【0034】
第1成分がメタロセン-触媒ランダム共重合体である場合、一種以上のコモノマーはエチレン、C4〜C13アルファオレフィン、例えば1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンまたは4- メチル-1- ペンテンから成る群の中から選択するのが好ましい。エチレンおよび1-ブテンが好ましいコモノマーであり、エチレンが最も好ましいコモノマーである。
【0035】
第1成分がメタロセン-触媒ランダム共重合体である場合、一種以上のコモノマーは最大で4.0重量%であるのが好ましく、好ましくは最大で3.5重量%、好ましくは最大で3.0重量%であるのが好ましい。また、一種以上のコモノマーは少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも1.0重量%であるのが好ましい。本発明メタロセン-触媒ランダム共重合体の上記コモノマーの含有量はメタロセン-触媒ランダム共重合体の総重量に対するものである。
【0036】
メタロセン-触媒で作ったプロピレン・ポリマーのメルトフローインデックスは5.0dg/分〜100dg/分の範囲である。本発明で使われるメタロセン-触媒で作ったプロピレン・ポリマーのメルトフローインデックスは少なくとも10.0dg/分、好ましくは少なくとも12.0dg/分であるのが好ましい。また、メルトフローインデックスは最大で80dg/分または60dg/分、より好ましくは最大で40dg/分、より好ましくは最大で30dg/分、さらに好ましくは最大で20dg/分、より好ましくは18dg/分であるのが好ましい。メルトフローインデックスはISO規格1133に従って230℃および2.16kgで条件Lで測定する。
【0037】
分子量分布(MWD)は数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比として定義される。メタロセン-触媒で作ったプロピレン・ポリマーの分子量分布は一般に1.0〜8.0の範囲にあり、好ましくは最大で6.0または5.0であり、より好ましくは最大で4.0、より好ましくは最大で3.5、より好ましくは最大で3.0、さらに好ましくは最大で2.5である。分子量はサイズ排除クロマトグラフィ(SEC)で決定できる。
【0038】
本発明で使われるメタロセン-触媒で作ったプロピレン・ホモポリマーは、融点が135℃〜165℃、好ましくは140℃〜160℃、より好ましくは145℃〜155℃の範囲であることで特徴付けられる。本発明で使うことができるメタロセン-触媒で作ったランダム共重合体は、コモノマーに依存して、100℃〜160℃の融点を有する。融点はISO規格3146に従って示差走査熱分析(DSC)で決定できる。一般に、熱履歴を消すためにサンプルを最初に溶融温度以上の温度、例えば200℃に加熱し、それを一定時間、例えば3分間維持する。冷却後、サンプルを再加熱して融点を測定する。融点決定のための加熱冷却速度は20℃/分である。
【0039】
本発明で使われるメタロセン-触媒で作ったプロピレン・ポリマーはキシレン-可溶分の含有量によって特徴付けられるのが好ましく、このキシレン-可溶分の含有量は4.0重量%以下、好ましくは3.5重量%以下、より好ましくは3.0重量%以下、さらに好ましくは2.5重量%以下、より好ましくは2.0重量%以下であるのが好ましい。キシレン可溶分の含有量(XS)は還流キシレン中にプロピレン・ポリマーを溶かし、溶液を25℃に冷却し、溶液を濾過し、溶剤を蒸発させて決定される。プロピレン・ポリマーのキシレン可溶部であるケークを乾燥し、秤量する。
【0040】
本発明で好ましく使われるメタロセン-触媒で作ったプロピレン・ポリマーはアイソタクティシティー(isotacticity)が高いことで特徴付けられる。そのためにはmmmmペンコタッドの含有量を測定する。このmmmmペンコタッドの含有量は少なくとも95重量%、最も好ましくは少なくとも97重量%であるのが好ましい。アイソタクティシティーは13C-NMR分析で決定できる。
【0041】
プロピレンと任意成分の一種以上のコモノマーとの重合は、一つ以上のメタロセン成分と、担体と、イオン作用を有する活性化剤とから成る一種以上のメタロセン-ベースの重合触媒の存在下で実行される。この種のメタロセン-ベース重合触媒は当業者に公知であり、ここでその詳細を説明する必要はないであろう。
【0042】
メタロセン-触媒を用いてプロピレン・ポリマーを製造するのに用いるメタロセン成分は当業者に公知のブリッジしたメタロセンにすることができる。好ましくは下記一般式で表されるメタロセンにする。
【0043】
μ−R1(C52345)(C56789)MX12 (I)
【0044】
(ここで、
ブリッジR1は−(CR1011Pまたは−SiR1011Pで、p=1または2であり、好ましくは(SiR1011)であり、
MはTi、ZrおよびHfの中から選択される金属で、好ましくはZrであり、
1およびX2は互いに独立してハロゲン、水素、C1−C10アルキル、C6−C15アリール、C1−C10アルキルおよびC6−C15アリールのアルキルアリールから成る群の中から選択され、
2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11は水素、C1−C10アルキル、C5−C7シクロアルキル、C6−C15アリール、C1−C10アルキルおよびC6−C15アリールのアルキルアリールから成る群の中から各々が独立して選択され、また、互いに近隣する2つのRが環状の飽和または不飽和のC4−C10環を形成していてもよく、各R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11は同様に置換されていてもよい)
【0045】
好ましいメタロセン成分は下記一般式(I)で表される:
ブリッジしたR1がSiR1011で、
MがZrで、
1およびX2がハロゲン、水素およびC1−C10アルキルの中から独立して選択され、
(C52345)および(C56789)が一般式:C91213141516171819のインデニルであり、ここで、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18およびR19は各々互いに独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C7シクロアルキル、C6−C15アリールおよびC1−C10アルキルとC6−C15アリールのアルキルアリールから成る群の中基から選択され、また、互いに隣接する2つのRが環上の飽和または不飽和のC4−C10環を形成することもでき、
10およびR11は各々互いに独立してC1−C10アルキル、C5−C7シクロアルキル、C6−C15アリールから成る群の中から選択され、また、R10およびR11は環上の飽和または不飽和のC4−C10環を形成することができ、
各R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18およびR19は同様に置換されていてもよい)
【0046】
1−C10アルキルの例はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルおよびtert-ブチルである。C5−C7シクロアルキルの例はシクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルである。C6−C15アリールの例はフェニルおよびナフチルである。C1−C10アルキルとC6−C15アリールのアルキルアリールの例はベンジル(−CH2−C65)またはイソプロピルフェニル(−C(CH32−C65)である。任意の互いに隣接した2つのRが形成する環状の飽和または不飽和C4−C10環の例はベンゾインデニル(benz[e]indenyl)である。
【0047】
特に適したメタロセンはC2−対称性を有するものである。
【0048】
特に適したメタロセンの例は以下の通りである:
ジメチルシランジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(2- メチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス (3- メチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(3-tert-ブチル- シクロペンタジエニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(3-tert- ブチル-5- メチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(2,4- ジメチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(インデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(2- メチル・インデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(3- メチル−インデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(3-tert- ブチル−インデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(4,7- ジメチル−インデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(ベンズ インデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(3,3'-2- メチル−ベンズ インデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(4- フェニル−インデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(2- メチル-4- フェニル−インデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
エチレン−ビス(インデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
エチレン−ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
イソプロピリデン-(3-tert-ブチル-5-メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム・ジクロライド。
【0049】
メタロセン-ベースの重合触媒の存在でのプロピレンと一種以上のオプションのコモノマーとの重合は、一つ以上の重合反応装置中で公知の方法で実行できる。本発明のメタロセン-触媒を用いて製造したプロピレン・ポリマーは液体のプロピレンを20℃〜100℃の温度で重合して製造できる。好ましい温度は60℃〜80℃である。圧力は大気圧か、それより高くすることができ、25〜50バールの間であるのが好ましい。ポリマー鎖の分子量、従ってメタロセン・ポリプロピレンのメルトフローは重合媒体中に水素を添加することで調整できる。
【0050】
第2成分
本発明ではプロピレン組成物の第2成分がプロピレンのランダム共重合体と、ランダム共重合体の総重量に対して0.5重量%〜6.0重量%のプロピレン以外の一つ以上のコモノマーとから成ることが必要である。第2成分は最大で5.5重量%、好ましくは最大で5重量%、より好ましくは最大で4.5重量%のプロピレン以外のコモノマーを含むのが好ましい。このダム共重合体は少なくとも0.5重量%、好ましくは1.0重量%、より好ましくは1.5重量%、より好ましくは少なくとも2.0重量%、さらに好ましくは少なくとも2.5重量%のプロピレンとは異なる一種以上のコモノマーを含むのが好ましい。本発明のランダム共重合体のコモノマーの上記含有量はランダム共重合体の総重量に対する値である。
【0051】
上記の一種以上のコモノマーはエチレンおよびC4−C10アルファオレフィン、好ましくはる、(例えば1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンまたは4- メチル-1- ペンテンから成る群の中から選択するのが好ましい。エチレンおよび1-ブテンが好ましいコモノマであり、エチレンが最も好ましコモノマーである。
【0052】
第2成分のメルトフローインデックス(MFI)は0.5dg/分〜5.0dg/分の範囲内にある。第2成分のメルトフローインデックス(MFI)は少なくとも1.0dg/分で、最大で1.5dg/分であるのが好ましい。第2成分のメルトフローインデックス(MFI)は最大で4.0dg/分、好ましくは最大で3.0dg/分、より好ましくは最大で2.5dg/分、さらに好ましくは最大で2.0dg/分であるのが好ましい。メルトフローインデックス(MFI)はISO規格1133(条件L)に従って230℃および2.16kgで測定される。
【0053】
本発明の第2成分がプロピレンとプロピレンとは異なる一種以上のコモノマーとのランダム共重合体であることが必要であり、このランダム共重合体がチーグラー−ナッタ触媒の存在で製造される。
【0054】
チーグラー‐ナッタ触媒は、少なくとも一つのチタン-ハロゲン結合を有するチタン化合物と、内部ドナーとを有し、これら両方は活性タイプのハロゲン化マグネシウム上に担持されている。内部ドナーはフタレート、ジエーテル、スクシネート、ジケトン、エナミルキ-イミンおよびこれらの任意の混合物から成る群の中から選択される化合物である。好ましい内部ドナーはフタレート、ジエーテル、スクシナートおよびこれらの任意混合物から成る群の中から選択される化合物である。最も好ましい内部ドナーはフタレート、ジエーテルまたはこれらの混合物から成る群の中から選択される化合物である。
【0055】
適したフタレートはアルキル、シクロアルキルおよびアリール・フタレート、例えばフタル酸ジエチル、ジイソブチルフタレート、ジ-nブチルフタレート、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジフェニルおよびベンジルブチル・フタレートの中から選択される。この種の触媒は例えばBasellからAvantの商品名で市販されている。
【0056】
適したジエーテルは式:R12C(CH2OR3)(CH2OR4)の1,3-ジエーテルである(ここで、R1およびR2はC1−C18アルキル、C3−C18シクロアルキルまたはC7−C18芳香属炭化水素基で、互いに同じでも異なっていてもよく、R3およびR4はC1−C4アルキル基で、互いに同じでも異なっていてもよく、また、2位の炭素原子が5、6または7つの炭素原子からなる2つのまたは3つの不飽和を含むシクロまたは多環構造に属する1,3-ジエーテルである)。このタイプのエーテルは下記特許文献4、5に記載されている。
【特許文献4】欧州特許第EP-A-0 361 493号公報
【特許文献5】欧州特許第EP-A-0 728 769号公報
【0057】
上記ジエーテルの代表例は2-メチル-2- イソプロピル-13- ジメトキシプロパン、2,2- ジイソブチル-13- ジメトキシプロパン、2- イソプロピル-2- シクロ−ペンチル-13- ジメトキシプロパン、2- イソプロピル-2- イソアミル-13- ジメトキシプロパン、9、9- ビス(メトキシメチル)フルオレンである。適したスクシナート化合物は下記式を有する:

【0058】
ここで、R1〜R4は水素または直鎖または分岐したC1−C20アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリールで、互いに同じでも異なっていてもよく、必要に応じてヘテロ原う含むことができ、また、R1とR4は同じ炭素原子に接合して環を形成することができ、R5とR6は直鎖または分岐したアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリール基で、互いに同じでも異なっていてもよく、必要に応じてヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0059】
有機アルミニウム化合物はAl- トリアルキル類、例えばAl-トリエチル、Al- トリイソブチル、Al-トリ-n- ブチルのAl-アルキル化合物および0またはN原子またはSO4またはSO3基介して互いに結合した少なくとも2つのAl原子を含む直鎖または環式のAl-アルキル化合物であるのが好ましい。Al- トリエチルが好ましい。アル-トリアルキルはAlH3で表される水素化物の含有量がアル-トリアルキルに対して1.0重量%以下であるのが好ましい。水素化物の含有量はアル-トリアルキルに対して0.5重量%以下、より好ましくは0.1重量以下であるのが好ましい。
【0060】
有機アルミニウム化合物の使用量はAl /Tiのモル比が1〜1000の範囲となるようにする。好ましくはその上限は200にする。
【0061】
適した外部電子供与体(ED)にはシラン誘導体、エーテル、エステル、アミン、ケトン、ヘテロ環式化合物およびこれらの混合物が含まれ、1,3-ジエーテルまたはシランを使用するのが好ましい。下記一般式のシランを使用するのが好ましい:
apbqSi(ORC(4-p-q)
(ここで、Ra、RbおよびRcは炭化水素基、特にアルキルまたはシクロアルキル基を表し、pおよびqは0〜3で、p+qの合計は3以下である)
【0062】
a、RbおよびRcは、独立してお互いから選択されていることができて、同じものでありえる、または、異なる。この種のシラン誘導体の特性例が、ある(tert- ブチル)2Si(OCH3)2、(シクロヘキシル)(メチル)Si(OCH3)2(「Cドナー」称する)、(フェニル)2Si(OCH3)2 そして、(cyclopenty1 )2 Si(OCH3)2(「Dドナー」称する)。
【0063】
外部ドナー(ED)が存在する場合の外部ドナーに対する有機アルミニウム化合物のモル比(Al/ED)は1〜1000の間であるのが好ましい。Al/ED比の上限は最大で800、好ましくは最大で600、より好ましくは最大で400であるのが好ましい。Al/EDモル比の下限は少なくとも5、より好ましくは少なくとも10であるのが好ましい。
【0064】
水素はプロピレン・ポリマーの鎖長を制御するのに使用される。MFIが高い、すなわち平均分子量が低く、短いポリマー鎖が少ないプロピレンポリマーを製造する場合には、重合媒体中の水素の濃度を増加させる必要がある。反対に、MFIが低く、すなわち平均分子量が高く、長いポリマー鎖の多いプロピレン・ポリマーを製造する場合には、重合媒体中の水素濃度を減らす必要がある。
【0065】
プロピレンの重合は公知の方法に従って実行される。この重合は例えば反応媒体としての液体プロピレン中で実行でき、また、希釈剤、例えば不活性な炭化水素(スラリー重合)中または気相で実行できる。
【0066】
本発明の第1実施例では、第2成分はプロピレンとエチレンとのランダム共重合体であり、エチレンの比率はランダム共重合体の総重量に対して4.0重量%〜4.5重量%である。このランダム共重合体はISO規格1133(条件L)に従って230℃、2.16kgで測定したメルトフローインデックスが1.5dg/分〜1.9dg/分である。ランダム共重合体はランダム共重合体の総重量に対して1200 ppm〜1600ppmのリン酸エステル核剤を含む。
【0067】
本発明の第2実施例では、第2成分はプロピレンとエチレンのランダム共重合体で、エチレンの比率はランダム共重合体の総重量に対して2.5重量%〜3.0重量%である。ランダム共重合体はISO規格1133(条件L)に従って230℃、2.16kgで測定した1.5dg/分〜2.0dg/分の範囲のメルトフローインデックスを有する。
【0068】
ブローフィルム
本発明のブロー・フィルムはポリプロピレン層を有する必要がある。このポリプロピレン層はポリプロピレン層の総重量に対して少なくとも50重量%の本発明のポリプロピレン組成物を含む。ポリプロピレン層に含まれるポリプロピレン組成物は少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、さらに好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも97重量%、より好ましくは少なくとも99重量%であるのが好ましい。
【0069】
本発明のブロー・フィルムは多層フィルムまたはラミネート等の多層構造(すなわち少なくとも2つの層を有する構造)の一部であってもよい。従って、本発明は上記定義のポリプロピレン層と、一つ以上のポリマー組成物の他のポリマー層とから成り、この他のポリマー層の比率はポリマー組成物の総重量に対して少なくとも50重量%である多層フィルムまたはラミネートを提供する。一つ以上の他のポリマー組成物は上記の他のポリマ層が少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、さらに好ましくは少なくとも97重量%、より好ましくは少なくとも99重量%であるのが好ましい。
【0070】
上記の他のポリマー組成物はポリエチレン(PE)、エチレン酢酸ビニール(EVA)、エチレン・ビニールアルコール(EVOH)、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル、フルオロポリマ、例えばビニリデンフルオライド(H2C=CF2)ポリマーおよび/またはビニリデンフルオライドおよびヘキサフルオロプロピレン(F2C=CF-CF3)のコポリマー、ポリアミド、ポリ塩化ビニール、ポリ(乳酸)、ポリスチレンおよびこれらの混合物から成る群の中から選択されるのが好ましい。
【0071】
上記の他のポリマーはメタロセン-ベースの触媒系の存在で製造されたポリエチレンすなわちメタロセン-触媒エチレン・ポリマーであるのが好ましい。メタロセン-ベースの触媒系のメタロセン成分はエチレンを重合または共重合させすることができる任意のメタロセンにすることができる。このメタロセンは第1成分の製造で使用したものと同じものでも別のものでもよいが、下記一般式で表されるメタロセン成分であるのが好ましい。
(μ−R1q(C52345)(C56789)MX12 (II)
【0072】
(ここで、ブリッジR1は−(CR1011P−または−(SiR1011P−で、p=1または2で、好ましくは(CR1011)−であり、
qは0または1で、好ましくはqは1であり、
MはTi、ZrおよびHfから選択される金属で、好ましくはZrであり、
1およびX2はハロゲン、水素およびC1−C10アルキルから独立して選択される基であり、
(C52345)および(C56789)は一般式:C91213141516171819のインデニルあり、ここで、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18およびR19は各々互いに独立して水素、C1−C10アルキル、C5−C7シクロアルキル、C6−C15アリールおよびC1−C10アルキルとC6−C15アリールのアルキルアリールから成る群の中から選択され、また、互いに隣接する2つのRが環式の飽和または不飽和のC4−C10環を形成することも、
10およびR11はC1−C10アルキル、C5−C7シクロアルキルおよびC6−C15アリールから成る群の中から各々独立して選択され、また、R10およびR11は環状の飽和または不飽和のC4−C10環を形成することもでき、
10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18およびR19の各々も同様に置換されていてもよい)
【0073】
特に適したメタロセンの例は下記である:
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ビス(n- ブチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(インデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(2-メチル−インデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル-ビス(3-メチル−インデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル-ビス(3-tert-ブチル−インデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(4,7-ジメチル−インデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
ジメチルシランジイル−ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
エチレン−ビス(インデニル)ジルコニウム・ジクロライド、
エチレン−ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウム・ジクロライド。
【0074】
本発明で使われるメタロセン-触媒で作ったエチレン・ポリマーはエチレン・ホモポリマーか、エチレンと一種以上のコモノマーとのコポリマーであり、上記の一種以上のコモノマーはアルファオレフィン、好ましくは1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテンおよび1-オクテンから成る群の中から選択され、より好ましくは1-ブテン、1-ヘキセンおよび1-オクテンの中から選択され、特に好ましくは1-ブテンまたは1-ヘキセンにする。
【0075】
本発明で使われるメタロセン-触媒で作ったエチレン・ポリマーの好ましい密度は0.910g/cm3〜0.965g/cm3、好ましくは0.920 g/cm3〜0.960g/cm3である。密度はISO規格1183に従って決定される。
本発明で使われるメタロセン-触媒で作ったエチレン・ポリマーの好ましいメルトインデックスは0.1dg/分〜5.0dg/分、好ましくは0.3dg/分〜4.5dg/分、より好ましくは0.5d g/分〜4.0dg/分である。メルトインデックス(M12)はISO1133に従って190℃の温度で2.16kgの荷重下で決定する。
【0076】
ポリプロピレン層とその他の層との間の接着に関してベストの結果は上記定義のその他の層がメタロセン-触媒を用いて作ったエチレン・ポリマーから成る場合である。この選択は多層フィルムの光学特性が優れたものになることも分かっている。
【0077】
本発明はさらに、上記定義のポリプロピレン層と金属層とから成るラミネートの多層フィルムも提供する。金属層の例はアルミニウム層である。
【0078】
本発明の多層フィルムおよびラミネートは層間接着を確実にするための結合層を有することができる。
【0079】
本発明のブロー・フィルム、多層フィルムおよびラミネートは食品包装、バリヤ包装および医療用具の包装で使われる。食品包装ではレトルト包装および再加熱包装、例えば電子レンジで再加熱する包装が特に好ましい。
【0080】
本発明のブロー・フィルムの製造では、最初に本発明のポリプロピレン組成物を押出機に送り、このポリプロピレン組成物を環形ダイを介して溶融押出しして第一押出物を作り、それをバブルの形に膨らませる。溶融押出し段階の温度は180℃〜300℃、好ましくは190℃〜290℃、より好ましくは200℃〜280℃の範囲にするのが好ましい。次いで、第1押出物を冷却リングに通し、溶融したポリプロピレンを冷却しながらバブルに膨張させる。さらに、第一押出物の外側および/または内側の表面を空気および/または水で冷却する。第一押出物はその外側および/または内側の表面を空気で冷却するのが好ましい。このブローフィルムの製造方法は例えば下記文献に記載されている
【非特許文献3】Polypropylene Handbook, ed. Nello Pasquini, 2nd edition, Carl Hanser Verlag, Munich 2005, pages 412-414
【0081】
本発明のブロー・フィルムの上記製造段階に加えて、本発明の上記多層フィルムの製造プロセスでは、対応する数の押出機へ少なくとも一種の他のポリマー組成物を供給する段階をさらに含む。この少なくとも一種の他のポリマー組成物を環形ダイから押出して少なくとも一つの他のポリマー組成物の押出物を作る。この少なくとも一つの他のポリマー組成物の押出物と上記第1押出物すなわちポリプロピレン組成物とを合体させて、複合押出物にし、それを上記のように冷却する。
【0082】
驚くことに、本発明のポリプロピレン組成物を使用することでブローフィルムに大きな利点が与えられるということが分かった。特に、非常に優れた光学的特性を有するブロー・フィルムが製造できるということが分かった。すなわち、本発明は、光学特性および/または商業的な製造速度が上げられないという課題のあった厚いブロー・フィルムの生産に特に有利である。標準的な厚さのブロー・フィルムの生産では低生産速度で得られる良好な光学特性を維持したまま、生産速度の増加を可能にする。本発明はさらに、ブロー・フィルムの冷却能力が制限される場合、例えば低温の冷却空気、例えば5℃の冷却空気を作る設備がない場合でも、本発明はブロー・フィルムを製造できる。
【0083】
本発明はさらに、本発明のブロー・フィルムから成っているラミネートの生産のためのプロセスを提供する。それゆえに、単一層としての多層フィルムとしての、本発明のブロー・フィルムは、少なくとも一つのそれ以上のフィルムについては圧力によって、結合である、熱、接着剤またはこれらのいかなるコンビナートも。前記少なくとも一つのそれ以上のフィルムが定義される上記としてそれ以上のポリマーの少なくとも一つの層から成ることは、むしろ好まれる。
【実施例】
【0084】
テスト方法
プロピレン・ポリマーのメルトフローインデックス(MFI)はISO規格1133(条件L)に従って230℃、2.16kgで測定する。
エチレン・ポリマーのメルトインデックス(Ml2)はISO規格1133に従って190℃、2.16kgで測定する。
エチレン・ポリマーの密度はISO規格1183に従って測定する。
光学特性:グロス(艶)はASTM規格-D 2457に従って45°の角度で測定し、ヘイズはISO規格14782で決定した。
引張強度および降伏伸びおよび破断点伸びはISO規格527-3に従って決定した。
分子量はサイズ除外クロマトグラフ(SEC)で高温(145℃)で決定する。10mg のPPサンプルを160℃で10mlのトリクロロベンゼン(テクニカルグレード)中に1時間掛けて溶かす。WATERS社のAlliance GPCV 2000での分析条件は以下の通り:
容積:+/-400μl
注射温度:140℃
カラムおよび検出器:145℃
カラムセット:2本のShodex AT-806MSと一本のStyragel HT6E
流速:1m1/分
検出器:屈折率
較正:ポリスチレンナロー標準
計算:Mark-Houwink関係式ベース(log(Mpp)=log(MPs)−0.25323)
【0085】
キシレン可溶分(XS)すなわちキシレン可溶画分は下記で決定し:4.5〜5.5gのプロピレンポリマーを秤量してフラスコに入れ、300mlのキシレンを加える。キシレンを撹拌下に45分間還流加熱する。撹拌は加熱なしで正確に15分間続ける。それからフラスコを25℃+/-1℃のサーモスタット浴中に1時間入れる。溶液をワットマン4番濾紙で濾過し、100mlの溶剤を正確に集め、溶剤を蒸発させ、ケークを乾燥し、秤量する。
【0086】
キシレン可溶分(XS)の百分比すなわちキシレン可溶画分の量は下記の式で計算する:
XS(重量%)=(ケーク重量/PPの初期総重量)*300
(全ての重量はグラムのような同じ単位にする)
【0087】
13C-NMR分析は、スペクトル強度信号はサンプル中の関与炭素原子の全数に正比例するという条件下で400MHz Bruker核磁気共鳴分光計を使用して実行した。上記条件は当業者に周知で、例えば充分な緩和時間等を含む。実際にはシグナル強度は積分値すなわち対応面積から得られる。データはプロトン・デカップリング、スペクトル当たり4000スキャン、パルス反復遅延20秒、26000Hzのスペクトル幅で得た。サンプルは1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB、99%、分光用グレード)中に130℃で充分な量のポリマーを溶かして調製し、時折攪拌してサンプルを均質にし、ヘキサ重水素ベンゼン(C66、分光用グレード)および少量のヘキサメチルジシロキサン(99.5+%、HMDS)とを加える。HMDSは内標準の役目をする。例えば、約200mgのポリマーに対して2.0mlのTCBを溶かし、0.5mlのC66と2〜3滴のHMDSを添加する。
【0088】
以下のデータは、内標準HMDSの信号(2.03ppm.の値を割り当てる)を参照してケミカルシフトを得た。
【0089】
アイソタクティシティー(isotacticity)は全ポリマーでの13C−NMR解析で決定する。メチル基のスペクトル領域でペンタッドmmmm、mmmr、mmrr、mrrmに対応する信号を発表データ(例えばA. Razavi(Macromol)。Symp.、第89巻、ページ345-367)を使用して割り当てた。ペンタッドmmmm、mmmr、mmrrおよびmrrmのみを考慮に入れた(残りのペンタッドに対応する信号は強度が弱いため)。ペンタッドmmrrに対する信号では2,1-挿入に関連するメチル信号とのオーバーラップで修正を実行した。Mmmmペンタッドの百分比は下記の式に従って計算した:
% mmmm = AREAmmmm I(AREAmmmm+AREAmmmr+AREAmmrr+AREAmrrm)×100
【0090】
メタロセン・プロピレンのホモポリマーの2,1-挿入(2,1-insertions)の百分比の決定
2,1-挿入(2,1-insertions)に対応する信号は発表されているデータ(例えばH.N. Cheng, J. Ewen, Makromol. Chem., vol. 190 (1989), pages 1931-1940)を用いて同定した。第1面積(AREA1)は2,1- 挿入に対応する信号の面積の平均値として定義される。第2の面積(AREA2)は1,2-挿入に対応する信号の面積の平均値として定義される。1,2- 挿入に対応する信号に関しては当業者に周知であり、説明は不必要であろう。2,1-挿入の百分比は下記で計算される:
2,1-挿入(%)=AREA1/(AREA 1+AREA 2)×100
(ここで、2,1- 挿入の百分比は全プロピレンに対する2,1- 挿入されたプロピレンの分子の百分率である)
【0091】
プロピレンとエチレンのメタロセン・ランダム共重合体の場合の2,1-挿入の百分比を決定するために、下記の2つの貢献度を決定する:
(i) プロピレンのホモポリマーに対して上記定義の2,1- 挿入の百分比、
(ii) エチレンに隣接する2,1- 挿入プロピレンの2,1- 挿入の百分比
2,1- 挿入の全百分比はこれらの2つの貢献度の合計である。ケース(ii)の場合の信号の帰属は参照スペクトルを使用するか、文献発表のデータを参照して行うことができる。
【0092】
ランダム共重合体のメタロセンのエチレン含有量は13C−NMRで下記の合計として決定できる:
(i) G.J. Ray et al. in Macromolecules, vol. 10, n.4, 1977, p.773-778に記載の手順で求めたエチレンの百分比、
(ii) エチレンが2,1-挿入プロピレンに隣接するエチレンの百分比(上記参照)。
【0093】
融点はTA Instruments社のDSC 2690機器を用いて測定した。熱履歴を消すために、サンプルは先ず最初に200℃に加熱し、200℃に3分間維持する。報告した融点は20℃/分の加熱、冷却速度で決定した。
【0094】
材料
PPR:チーグラー−ナッタ重合触媒の存在手製造したプロピレンのランダム共重合体。エチレン含有量がランダム共重合体の総重量に対して4.3重量%、1.7dg/分のメルトフローインデックス、核剤としてのホスフェートエステル塩を1400ppm含む。
【0095】
MPP:メタロセン-ベースの触媒系の存在で製造したプロピレンのホモポリマー。14dg/分のメルトフローインデックス、核剤としてのホスフェートエステル塩を250ppm 含む。MW/MNで定義される分子量分布は2.1。
【0096】
MPE:メタロセン-ベースの触媒系の存在で製造したポリエチレン。メタロセンはブリッジしたビス-インデニル・ジルコノセンで、このポリエチレンは0.923g/cm3の密度と、0.9dg/分のメルトインデックス(MI2)を有する。
【0097】
単層ブローフィルム
約40pmの厚さを有する単一層ブロー・フィルムを押出機を備えたMacchi MAR 450で製造した。押出機のスクリューの直径は45mmで、長さ/直径比(L/D)は30で、二重リップ冷却リングを有し、120mmの直径を有する環状ダイを使用し、ダイギャップは1.56mmである。バブルはその外側のみを約15℃の温度の空気で冷却した。ダイでの溶融温度は約220℃であった。吹込み比は2.5にした。
【0098】
実施例1
80重量%の第1成分としてのPPRと、20重量%の第2成分としてのMPPとを乾式混合して単層フィルムを製造した。機械特性および光学特性は[表1]に示した。
【0099】
比較例1
PPRのみを使用してブロー・フィルムを製造した。機械特性および光学特性は[表1]に示した。
【0100】
【表1】

【0101】
実施例1と比較例1のブロー・フィルムを比較すると、驚くことに、チーグラー−ナッタ重合触媒を使用して製造したプロピレンとエチレンのランダム共重合体と、メタロセン-触媒で作ったプロピレンのホモポリマーとのブレンドは、チーグラー−ナッタ重合触媒を使用して製造したプロピレンとエチレンのランダム共重合体のみから得たブロー・フィルムよりも光学特性が改善する。これは比較例1のフィルムでは核剤の量が実施例1のフィルム中に存在する量より少ないことから考えると、予想とは逆であるので、驚くべきことである。
【0102】
多層ブローフィルム
多層ブロー・フィルムをDr Collin社の共押出ブロー・フィルムラインで製造した。フィルムは25μmの厚さを有し、A/B/A-構造を有する。各外側層Aはフィルムの全厚さ25%の厚さを有し、内側層Bはフィルムの全厚さの50%の厚さを有する。ダイでの溶融温度は約210℃で、吹込み比は2.65であった。バブルは10℃の温度の空気で冷却した。
【0103】
実施例2
80重量%の第1成分としてのPPRと、20重量%の第2成分としてのMPPとを乾式混合し、上記多層フィルムの外側層Aを製造するのに用い、内部層BはMPEで作った。ダイのギャップは2mmにセットした。機械特性および光学特性は[表2]に示す。
【0104】
実施例3
実施例2と同じ方法で多層フィルムを製造したが、50重量%の第1成分としてPPRと、50重量%の第2成分としてのMPPとを乾式混合し、多層フィルムの外側層Aを作るのに用いた。機械特性および光学特性は[表2]に示す。
【0105】
比較例2
上記方法で多層フィルムを製造した。外側層Aおよび内部層Bを純粋なPPRで作り、ダイのギャップは1.2mmにセットした。実施例2、3とは対照的に、各外側層Aは全膜厚の25%の厚さを有し、内部層Bは全膜厚の50%の厚さを有する。機械特性および光学特性は[表2]に示す。
【0106】
【表2】

【0107】
この多層フィルムでの結果も、本発明のポリプロピレン組成物は比較例のポリプロピレン組成物と比較して、第1成分をなしにし、第2成分のみを使って、フィルムの光学特性が改善することを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)と(b)から成るメルトフローインデックスが0.1dg/分〜15.0dg/分のポリプロピレン組成物:
(a)メタロセン−ベースの触媒系の存在で製造したプロピレン・ポリマーから成る、ポリプロピレン組成物に対して5重量%〜50重量%の第1成分、
(b)チーグラー−ナッタ重合触媒の存在で製造したプロピレンと一種以上のコモノマーとのランダム共重合体から成る、ポリプロピレン組成物に対して50重量%〜95重量%の第2成分、
(ただし、第1成分は5.0dg/分〜100dg/分のメルトフローインデックスを有し、第2成分はランダム共重合体の総重量に対して0.5重量%〜6.0重量%のプロピレンとは異なる一種以上のコモノマーを有し、第2成分は成分が0.5dg/分〜5.0dg/分のメルトフローインデックスを有し、上記のメルトフローインデックスは全てISO規格1133に従って条件Lで、230℃、2.16kgで測定する)
【請求項2】
α-核剤をさらに含む請求項1に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項3】
ポリプロピレン組成物の総重量に対して10ppm〜5000ppmのα-核剤を含む請求項1または請求項2に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項4】
α-核剤がホスフェートエステル塩である請求項1〜3のいずれか一項に記載のリプロピレン組成物。
【請求項5】
ポリプロピレン組成物のISO規格1133に従って230℃、2.16kg、条件Lで測定したメルトフローインデックスが0.25dg/分〜8.0dg/分である請求項1〜4のいずれか一項に記載のリプロピレン組成物。
【請求項6】
ポリプロピレン層の総重量に対して少なくとも50重量%の請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物を含むポリプロピレン層から成るブロー・フィルム。
【請求項7】
一つ以上の他の層を有し、この他の層の各々が他の層の重量に対して少なくとも50重量%の他のポリマー組成物から成る請求項6に記載のブロー・フィルム。
【請求項8】
上記の他のポリマー組成物がメタロセン−ベースの触媒系の存在で製造されたポリエチレンでしる請求項7に記載のブロー・フィルム。
【請求項9】
下記(a)〜(c)の段階から成るブロー・フィルムの製造方法:
(a)請求項1〜5に記載のポリプロピレン・ポリマー組成物を第1押出機に送り、
(b)段階(a)のプロピレン・ポリマー組成物を環状ダイを介して溶融押出して第一の押出物を作り、
(c)上記段階で得られた押出物を押出物の外部表面および/または内部表面から空気および/または水で冷却してブロー・フィルムを形成する。
【請求項10】
下記(a')〜(b'')の段階を有する請求項9に記載のブロー・フィルムの製造方法:
(a')少なくとも一つ以上のポリマー組成物を対応する数の押出機のへ送り、
(b')段階(a')の少なくとも一つ以上のポリマー組成物を環状ダイを介して溶融押出して少なくとも1つの他の押出物を作り、
(b'')段階(a)と段階(a')の押出物を合体させて一つの押出物にする。

【公表番号】特表2012−518069(P2012−518069A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550608(P2011−550608)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052838
【国際公開番号】WO2010/102959
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(504469606)トータル・ペトロケミカルズ・リサーチ・フエリユイ (180)
【Fターム(参考)】