説明

プラスチックス材料を処理する方法及び装置

本発明は、処理すべきプラスチックス材料を投入される収容容器又はカッター付きコンパクター(1)であって、下方領域には、取出し開口(10)が、設けられ、取出し開口を通じて、処理済のプラスチックス材料が、収容容器(1)から、例えば、押出機(11)に取り出すことができる収容容器又はカッター付きコンパクタを用いて、プラスチックス材料を処理する装置及び方法に関する。本発明によれば、収容容器(1)は、中間底部(2′、2″)により互いに隔てられた少なくとも2個の室(6a、6b、6c)に区分され、各室には、少なくとも1個の混合又は砕き部材(7a、7b、7c)が、設けられて、各室(6a、6b、6c)内にあるプラスチックス材料に作用し、混合又は砕き部材により、プラスチックス材料は、軟化されるが、塊の多いまま又は粒状態にされるものの、溶融されず、直近で隣り合う室(6a、6b、6c)間において、軟化され、塊の多い、溶融されていないプラスチックス材料のやり取り又は転送を生じさせる又は行う手段(5′、5″)が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提要件事項部に記載する装置及び請求項7に記載する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックス材料の処理と予備処理とを行う装置は、例えば、欧州特許第390873号明細書により知られている。この種の装置の動作は、一般に満足いくものであるが、スクリュにより運び出すプラスチックス材料は、特に、分解防止のため可塑化前に充分に乾燥している必要があるポリエステル等のプラスチックス材料の所望の乾燥度の点で、充分に均質でないことがあることが分かっている。厚みがある箔の場合には、こうした物品では、乾燥空気を用いた処理等の乾燥処理を、別途、特殊な乾燥装置で行う必要があるため、乾燥費用も、厚みが増すにつれて増加する。こうした乾燥装置の温度範囲では、結晶化物品のみが、許容され、アモルファス物品は、べたついて凝集する。つまり、結晶化プロセスを、乾燥プロセスに先立って行う必要がある。しかし、処理すべき物品を、収容容器内で処理部材による処理に長時間さらしたまま、連続的に処理すると、個々の可塑性粒子が、取出しスクリュにより極めて早い段階で取り出されるものもあれば、極めて遅い段階で取り出されるものもあるという虞が生じる。早い段階で取り出された可塑性粒子は、まだ比較的低温であり、まだ充分に予備処理を受けておらず、乾燥化されておらず、結晶化も軟化もされていないため、処理容器に取り付けた押出機等へ、取出しスクリュを通じて供給される材料中に、不均質性をもたらす虞がある。
【0003】
この問題を解決するため、オーストリア特許第396900号B明細書により知られているような解決手段が、提案されている。こうした装置によれば、プラスチックス材料中の均質性は、向上する。2個以上の収容容器が、連続して設けられ、処理すべきプラスチックス材料は、これらの収容容器を次から次へと通り抜けて行く。第1収容容器では、既に予備的に砕かれ、予備加熱され、予備乾燥され、予備圧縮されることにより、予備均質化されたプラスチックス材料が、生成されて、次段の収容容器に供給される。この解決手段によれば、未処理まま、すなわち、低温な、圧縮されていない、砕かれていない、又は不均質な可塑税材料が、取出しスクリュ又は押出機に直接に到達することのないようにされる。しかしながら、こうした装置は、複数個の収容容器を備えるため、嵩張り、スペースを多く取る。また、設計費用、特に、収容容器相互の連結に関する設計費用が、かなりものとなる。
【0004】
処理プロセスの点では、プラスチックス材料は、未処理であるか又は不十分に処理されていると、取出しスクリュ内で不均質なプラスチックス材料群を形成して、最終製品の品質に不都合をもたらすことに留意する必要がある。したがって、最終製品を、顆粒品としてであれ、押し出し成型品としてであれ、所望の品質を維持したまま得ることを望む場合には、収容容器から出る不十分な処理を受けたプラスチックス材料を運び出すことになる取出しスクリュは、収容容器により供給されたプラスチックス材料の全体を、取出しスクリュの出口端で、所望の品質及び温度にして、プラスチックス材料を所望の均質性を持つ状態で排出できるようにする必要がある。この場合、初期温度は、比較的高く保って、全てのプラスチックス材料粒子が、充分に可塑化されるようにする必要がある。しかしながら、このようにすると、エネルギー費用が高くなり、分子鎖長の切断など、プラスチックス材料に対する温度損傷の発生が、初期温度が比較的高温であるため、危ぶまれる。
【0005】
さらに、オーストリア特許第407970号B明細書から、処理すべきプラスチックス材料を、同じ収容容器内で、2個の連続する段階で上下に重なる2組の処理部材により連続的に処理するという解決手段が、知られている。第1の段階では、上方にある組の処理部材により行われる処理により、プラスチックス材料は、予備的に砕かれ及び/又は予備加熱され及び/又は予備乾燥され及び/又は予備混合される。下方にある組の処理部材により行われる第2段階では、プラスチックス材料は、同様な処理を受けるが、処理強度としては強くはない。プラスチックス材料は、収容容器の側壁と支持円板との間に形成される絶えず開状態にある環状間隙を通じて第1段階と第2段階の間でやり取りされる。しかしながら、収容容器の側壁と支持円板との間では、プラスチックス材料の摩擦が起きるので、環状間隙は、好ましくなく、思うように砕くことができない。さらに、環状間隙の大きさを変更することができない。この場合、収容容器が大きいと、両段階間での開口部分全体が、必要以上に大きくなり、プラスチックス材料の滞留時間範囲が、拡大してします。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、冒頭に述べたタイプの装置を改良し、大きなスペースを取ることなく、良好で均質な状態でプラスチックス材料を処理する、エネルギー効率の高い装置を提供することにある。さらに、本発明の課題は、塊が多いプラスチックス材料を、省スペースで効率の処理できる、優れた方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これからの課題は、請求項1及び17の特徴要件事項部に記載した構成により解消される。
【0008】
好ましい形態において、請求項1に記載した方法によれば、新たに投入された、充分には処理されていない又は予備処理されたプラスチックス材料は、装置及びその運転が、かなり簡素化された状態で、充分に処理されることなく取出しスクリュに入ることが防止される。これは、収容容器に中間底部を挿入して、収容容器を複数個の室に区分し、塊が多く、軟化された、非溶融プラスチックス材料を、直近で隣り合う段階、レベル又は室間で、やり取りを行なう又は許す手段を設けることにより確保される。こうして、プラスチックス材料が、主に砕かれ、乾燥され又は予備加熱される領域は、プラスチックス材料が、取出しスクリュのハウジング内に押し込まれる領域とは分離される。このため、短時間で、領域間で、均衡がもたらされる。こうして、収容容器内で、特に、中間底部の上方の領域内でプラスチックス材料に充分な滞留時間が確保される。こうして、収容容器の取出し開口に入れられたプラスチックス材料の温度は、収容容器内にあるプラスチックス材料の実質的に全ての部分が、充分に予備処理されるので均一化される。実質的に一定の温度を持つプラスチックス材料が、取出しスクリュのハウジング内に供給されることにより、取出しスクリュ内では、プラスチックス材料の非均質的な群れの発生が大幅に取り除かれ、取出しスクリュは、プラスチックス材料を同じ可塑化温度に確実にするのにより少ない仕事量で済むので、取出しスクリュの長さは、従来のものに比べて短くて済む。取出しスクリュのハウジング内へ入るプラスチックス材料の投入温度が一定化することにより、取出しスクリュのハウジング内でのプラスチックス材料の予備圧縮化が均一になり、押出機の出口での状態に好結果をもたらし、特に、押出機のスループットと押出機の押出し端でのプラスチックス材料の品質の均一化がもたらされる。取出しスクリュの長さが短縮されることにより、省エネルギーがもたらされ、公知のものに比べて、押出機での処理温度が低くて済む。これは、取出しスクリュの入口端での平均温度が、公知のものよりも均一化しているためである。このため、本発明による解決手段によれば、処理されたプラスチックス材料は、処理プロセス全体で見て、他の解決手段に比べて、低い温度で処理できるので、充分な可塑化を確保できる。ピーク温度の低下により、既述したように、省エネルギーとなり、さらに、処理できるプラスチックス材料に熱損傷が加わるのを防止する。
【0009】
さらに、こうした装置によれば、プラスチックス材料の処理を制御して、プラスチックス材料の種類に応じて適応できる。このことは、PET材料にとって、粘性の増加を達成できる点で有利である。その他のプラスチックス材料でも、例えばHDPE又はポリカーボネートでは、プラスチックス材料を無毒化して、揮発性成分を取り出し、プラスチックス材料の流れからこれらを除去するのに好都合である。こうしたことは、本発明に係る装置によって具合よく確保される。個々の段階又はレベルは、実質的に、互いに仕切られているので、あるレベルからより清浄なレベルへの揮発性成分の移動は最小化される。各段階での揮発性成分が、吸引により取り去られる又は除去されると、プラスチックス材料は、純度を上げることができる。
【0010】
さらに、中間底部を用いているため、プラスチックス材料は、可動部材、すなわち混合装置の上での高さが減少される。これにより、可動部材の機械的負荷が減少し、耐用年数期間中の混合部材に対するメンテナンス間隔を、延ばすことができる。さらに、これにより、エネルギーをプラスチックス材料に投入する際の制御が向上し、処理すべきプラスチックス材料の許容最高温度に容易に達することができる。この点に関し、許容最高温度とは、プラスチックス材料が、軟化され柔らかい状態になっているがまだ溶けてはいない温度を意味する。温度が高すぎると、溶融状態となり互いに焼き付いてしまうので温度の調節は、極めて重要である。温度は、混合・撹拌部材により加えられ、特に、混合・撹拌部材によって制御される。さらに、混合・撹拌部材は、混合を行なって、互いにくっ付き合うのを防止する。このため、温度をできるだけ迅速かつ正確に制御するのに好都合であり、これは、収容器全体を、操作性の点で容易な複数個の小型の混合空間に区分することにより確保される。許容最高温度を設定し、この温度を確実に維持し、迅速に最適化することにより、除去すべき揮発性成分の拡散率が向上し、純度がさらに高まる。
【0011】
要約すると、中間底部を用いることにより、あるレベルから次のレベルへの流れ方向におけるプラスチックス材料のやり取りが、減少し、これにより、塊の多いプラスチックス材料の通過が減速され、滞留時間範囲が狭くなる。
【0012】
従属項には、本発明のより好ましい形態が定義されている。
【0013】
複数個の室を上下に並べてプラスチックス材料が、上から下へ重力により流れるようにすることが好ましい。こうすると、やり取りする手段が構造的に簡単となり、開口部を設けるだけで、供給装置を追加することなく、充分な効果が得られる。
【0014】
さらに、複数個の室は、直径及び/又は高さを異にすることが好ましい。好ましい形態では、塊の多いプラスチックス材料の流れ方向において、プラスチックス材料が投入される上方室は、流れ方向において下にある他の室に比べて、直径が最大であり、必要に応じて、高さが最小とする。こうすると、完全には溶融化していないプラスチックス材料の処理が、効率的に行われる。さらに、最上位にある収容容器の収容容量が、増加する。最上位にある室の直径を大きくすることにより、プラスチックス材料が、効率的に処理でき、特定の条件、特に、粉砕及び予備均質化に適合できるという効果がある。
【0015】
この他の特徴的な構成は、混合及び砕き部材の構成にある。この点、混合及び砕き部材は、プラスチックス材料を、移動させ、回転状態におき、混合し、加熱し、砕き及び/又はプラスチックス材料を溶融させることなく軟化状態におくように構成されることが好ましい。こうすると、混合及び砕き部材は、プラスチックス材料を塊の多い又は粒状態で処理でき、必要に応じてプラスチックス材料を乾燥及び/又は予備結晶化できる。
【0016】
混合及び砕き部材は、個々の室毎に形状を変え、及び/又は一個以上の駆動部により互いに独立して、特に回転数を変えて駆動するようにしてもよい。こうすると、的確な回転数と的確な混合及び砕き部材を選択することにより、例えば、多量のエネルギーを、新たに投入されるプラスチックス材料に迅速に投入することができる。こうすることにより、プラスチックス材料は、迅速に加熱され、含有されていた水分は、真空引きにより、又は乾燥不活性ガスにより除去できる。こうして、下方にある室では、プラスチックス材料に投入する必要のあるエネルギーが相当に少なくて済み、これらの室では、混合及び砕き部材の構成を異ならすことができ、必要に応じて、回転数を変えて駆動できる。この結果、多様性が大きくなると共に、処理すべきプラスチックス材料に応じて最適な処理を行なえ、プラスチックス材料を、軟化した塊の多い、非溶融状態に保つことができる。
【0017】
この点に関し、一方において、複数個の混合及び砕き部材を、共通の回転シャフトに設けることは、効率的であり、充分な処理を確保できるので好ましい。他方において、特に、上述した処理の多様性の点で、複数個の混合及び砕き部材を、別々の駆動部により回転することが好ましいこともある。
【0018】
室間でプラスチックス材料をやり取りする手段は、本発明の好ましい一形態において、対応する中間底部を貫通する。こうして、プラスチックス材料は、流れ方向において上流に位置する室から導き出されて、下流に位置する次位の室に運び込まれる。設計上の理由から、最上位の室から出るプラスチックス材料は、中間底部を直接貫通して移動することが特に好ましい。こうすることによって、必要な設置スペースが少なくて済む一方、中間底部に形成される開口は収容容器によって完全に囲まれるので、温度が安定化する。例えば、ある室から別の室へ、プラスチックス材料を外部配管を通じて転送する場合、配管又は供給手段を加熱して、プラスチックス材料の処理温度に悪影響を及ぼさないようにする必要がある場合がある。
【0019】
この点、例えば、複数個の室が、互いに同じ直径であると、プラスチックス材料は、上位室から中間底部を通って、直接下位の室に運び込まれ、こうして、言わば、上から下位の室に落下するのが好ましい。この形態では、中間底部は、やり取りする手段により貫通されている2個の室間で、水平な隔壁を構成する。室間のこうした連結は、構造的に極めて、簡便であり、省スペースでしかも効率的である。
【0020】
特に、上位の室が、下流方向にある室よりも直径が大きい場合のように、複数個の室が直径を異にしていると、最上位の室から出るプラスチックス材料は、上からではなく、横から運び出されて、下位にある室の側壁を通って運ばれることが好ましい。こうして、プラスチックス材料のやり取りを、プラスチックス材料の高さよりも上又は下で行うかどうか、効果的に変更できる。
【0021】
好ましい形態において、やり取りする手段は、中央にある回転シャフトを中心として、及び/又は収容容器の側壁に近接した領域で、又は、混合及び砕き部材の半径方向端部の領域に設けることができる。やり取りする手段の位置は、回転数と処理の強さに関連し、好適に変更することが可能である。通過する長さと滞留時間とを最大化するには、それぞれの中間底部に形成したやり取りする手段が、互いに上下方向に整合することなく、両側にできるだけ離れていることが好ましい。
【0022】
好ましい一形態では、やり取りする手段は、全幅に亘って自由な通過を許す開口として構成し、設計上、極めて単純なものにして、メンテナンスを容易にする。また、やり取りする手段は、ラビリンス構造として構成し、プラスチックス材料の滞留時間をさらに増大できるようにしてもよい。滞留時間全体に亘って制御を可能にするため、やり取りする手段にカバー又はスライド弁を設けることが好ましい。こうすることにより、プラスチックス材料を、ある室から次の室へ移動する時期及び程度について、制御が可能となる。また、やり取りする手段を、供給及び計量手段として構成し、例えば、計量に適している供給スクリュとして構成してもよい。こうして、原材料の変更に迅速かつ容易に対応できる。例えば、薄い箔を処理した後で、厚みのあるフレーク状物を、最上位の室に投入する場合、中間底部に設けた出口開口の面積を減少させて、最上位の室内にある荒い状態にあるプラスチックス材料の滞留時間を増加させて、充分な処理ができるようにすることができる。このように、本発明による解決手段は、方法の実施に多様性をもたらすものである。
【0023】
変形態様として、やり取りする手段を、中間底部を貫通しないようにし、中間底部を貫通しない代わりに、室の側壁を貫通して、下位にある室にプラスチックス材料を流入させることもできる。こうすると、処理されるプラスチックス材料は、上位の室から側壁を貫通して流れ出し、下流にある室に、横方向から又は上から導き込まれる。やり取りする手段は、後述するような形状にしてもよい。
【0024】
さらに、好ましくは、各室に、吸引装置を設けて揮発性成分を除去するようにし、及び/又は、不活性ガス又は反応性ガスにより、洗浄を行なう装置を設けることが、好ましい。装置全体を、全体的に減圧できるようにすることが好ましい。例えば、処理中、最上位の室内において、最高温度をできるだけ低くしたまま圧力を調節して、重縮合により、最適な粘性の増加が得られるようにすることが好ましい。一般に、最上位の室には、湿気の多いプラスチックス材料を投入して、多量の水分により大きな圧力降下を起こし、付随的に、温度上昇を起こさせる。収容容器全体に、単一の真空ポンプを使用すると、最下位にある室内の圧力も低下して、重縮合が全く起こらないかあるいは限定的に生ずることになる。この点、全ての領域又は全ての室が、専用の真空ポンプにより減圧できるようにすることが好ましい。原則として、吸引しないで、不活性ガスによる洗浄を、窒素又は二酸化炭素で行ない、水分だけでなく、他の揮発性成分、例えば、臭い物質も除去することができるようにすることも可能である。
【0025】
さらに、好ましくは、室のそれぞれに、充填レベル測定装置を設けて、プラスチックス材料の通過量を、チェックし制御できるようにするとよい。特定の室内における充填レベルに応じて、やり取りする手段の回転数又はカバーの調節を行なうようにすることもできる。
【0026】
上位の室が、直径が大きい、請求項15に記載した好ましい形態によれば、完全には溶融されていないプラスチックス材料の処理が確実に行なわれる利点がある。さらに、こうすると、簡単な構成で、最上位の室内における収容容量を、増大できる。最上位の室が、大きな直径を有するようにすると、プラスチックス材料は、より効率的に処理され、砕き及び予備均質化といった特定の状況に対応できる。
【0027】
請求項16に記載した解決手段は、こうした効果を増大できる。
【発明の効果】
【0028】
要するに、本発明にかかる方法は、上述した利点、特に、プラスチックス材料を効率的に処理又は調整できるものである。
本発明のこの他の利点及び実施の形態は、明細書及び添付図面から明らかとなる。
本発明は、添付図面に示した実施形態を用いて概略的に図示されており、添付図面を参照しながら、例示的に下記のように説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】直径を同じくし、互いに重なり合う、3個の室を備えた、本発明の解決手段の第1実施形態を示すものである。
【図2】直径を異にし、互いに重なり合う、2個の室を備えた、本発明の解決手段の別の実施形態を示すものである。
【図3】図1に示した実施形態の変形形態を示すものである。
【図4】図2に示した実施形態に対応する、要部の変形態様を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1は、収容容器又はカッター付きコンパクタ1を備えた、プラスチックス材料、特に再利用用物品、廃棄包装材料等の処理を目的とする本発明の解決手段の実施形態の一つを示すものである。こうしたプラスチックス材料は、収容容器1に、投入開口12を通じて上から投入可能で、最上位室6aに入る。この室6aは、円筒形をしていて、混合及び砕き部材7aを備える。混合及び砕き部材7aは、回転シャフトを介して駆動部に結合され、回転運動を行う。混合及び砕き部材7aは、最上位室6aの下方域に位置付けられ、プラスチックス材料に、混合、加熱、及び必要に応じて砕き作用を与えるように、制御又は構成される。プラスチックス材料は、回転されて、混合流を構成する。こうするために、装置全体の長さ方向軸線14又は回転シャフト9に対して直角に位置付けられた2本のアームが、プラスチックス材料に作用を及ぼす複数個の作用端13を備えるように構成されるとよい。これら作用端13は、一方において、収容容器1の端領域にあるプラスチックス材料の引きちぎりを行い、他方において、砕かれたプラスチックス材料を排出開口5′にできるだけ多く送り込むように作用する。
【0031】
最上位室6aには、液体状又は固体状の他の添加材料又はフィラーを加えてもよい。こうした添加材料又はフィラーは、投入開口12を通じて、又は最上位室6a内のプラスチックス材料のレベルよりも下の領域で加えてよい。
【0032】
最上位室6aの直下には、中央室6bを設ける。中央室6bは、最上位室6aと直径を同じくする。これら2個の室6a及び6bは、中間底部2′により互いに空間的に隔てられ、中間底部2′は、最上位室6aの下部を構成するとともに、中央室6bの上部カバーを構成する。これら室6a及び6bの間には、軟化され、塊の多い、未溶融状態にあるプラスチックス材料を、最上位室6aからその下にある中央室6bへ転送又は移送できる手段5′が、設けられる。こうして、最上位室6a内で予備処理されたプラスチックス材料は、最上位室6aから別の中央室6bに重力の作用で落下することができる。
【0033】
最上位室6aには、さらに、吸引装置15が設けられ、これを通じて、プラスチックス材料から出てくる水蒸気、臭気発生源複合物等の揮発性成分を、排出できる。さらに、吸引装置15を通じて又はこれを利用して、最上位室6aを通じて不活性ガス流を導入することも可能である。
【0034】
下方にある、又は下流に位置する中央室6bにも、複数個の混合部材7bが設けられる。この実施形態では、これら混合部材は、一方が他方の上にある2個の混合装置であり、共通の回転シャフト8に支持され、室6b内のプラスチックス材料を最上位室6a内におけるのと同様な運動及び処理状態にする。回転シャフト8は、最上位室6aの回転シャフト9と同じ駆動部に結合されてはおらず、代わりに、この駆動部と反対側に設けた別の駆動部に結合される。このため、混合部材7bの回転数を、混合部材7aの回転数とは、独立して設定できる。
【0035】
中央室6bの下方又は下流には、別の室6cを設ける。この最下位室6cは、2個の上方又は上流にある室6a及び6bと同じ大きさ同じ直径を有する。下位室6c内にも、混合部材7cを設けて、上述したのと同様に作用させる。中央室6bは、中間底部2″により下位室6cから互いに空間的に隔てられる。プラスチックス材料の流れを確保するため、中央室6bから出て行く、軟化され、塊の多いプラスチックス材料の下位室6cへの転送を確保する手段5″を設ける。
【0036】
こうして、3個の室6a、6b及び6cは、同じ大きさで、直接上下になって、円筒形の収容容器1を構成する。これら室6a、6b及び6cの側壁4′、4″及び4´´´は、上下になって、収容容器1の側壁4を構成する。2個の中間底部2′及び2″により、収容容器1は、3個の室6a、6b及び6cに分割されるものの、スペースを取らない、単一で一体的な収容容器1が、もたらされおり、複数個の収容容器が互いに個々に結合された状態になっていない。
【0037】
中間底部2′及び2″を設けることにより、原材料が、何等の処理も受けずそのまま押出機に流れて行くことがない。2個の手段5′及び5″は、互いに整合しておらず、半径方向において中間底部2′及び2″の反対側に位置付けられる。こうして、滞留時間範囲が、増加し、プラスチックス材料の通路が長くなる。2個の手段5′及び5″は、混合及び撹拌部材7a及び7bによりカバーされる半径又は範囲の端部領域に設けられる。
【0038】
室6b及び6cにも、吸引装置15が設けられて、最上位室6a内で排出されなかった揮発性成分を除去する。こうして、プラスチックス材料は、効率的に精製される。
【0039】
最下位室6cには、取出し開口10が、側壁4´´´に設けられる。混合部材7cの働きで、プラスチックス材料は、混合部材7cと同じレベルに実質的に位置する取出し開口10に鏝で押し付けるように導入される。この取出し開口10に、次工程として、押出機11を取り付けてプラスチックス材料を稠密化し溶融する。
【0040】
プラスチックス材料は、次のように移動する。まず、プラスチックス材料は、投入開口12を通じて最上位室6aに入れられ、そこで混合部材7aにより処理を受ける。特に、プラスチックス材料は、混合部材7aを通じて伝達されるエネルギーにより砕かれ加熱も受ける。また、プラスチックス材料は、最上位室12a内で乾燥されてもよい。この処理は、PETに特に重要となる。プラスチックス材料は、予備結晶化してもよい。この点、最上位室6a内のプラスチックス材料は、いずれの時点においても溶融されておらず、処理すべき高分子材料のビカー軟化点近傍で軟化状態であることが肝要である。所要の温度は、複数個の混合部材7aにより、特に、複数個の混合部材の回転速度及び/又は複数個の作用端13の形状に応じて、具合よく設定され制御されることができる。複数個の室が、比較的小さいので、温度の制御及び変更は、迅速にできる。さらに、混合部材7aは、可塑性粒子が、互いにくっ付き合うのを防止して、プラスチックス材料を流動させながら撹拌する。
【0041】
さらに、プラスチックス材料は、中間底部2′を貫通する手段5′を通じて室6aから室6bに運ばれる。この点、手段5′は、この実施形態では、閉塞可能な開口又はカバーの形状をしている。こうすることにより、プラスチックス材料の流れを、制御して、最上位室6a内でのプラスチックス材料の滞留時間を調節できる。こうする代わりに、供給スクリュ又は供給量調節スクリュを設けてもよい。室6bでも、プラスチックス材料は、複数個の混合部材7bによる処理を受けるが、ここでも、プラスチックス材料の溶融は生じさせない。
【0042】
プラスチックス材料は、次いで、中間底部2″を貫通する手段5″により、さらに下流の最下位室6cに転送され、混合部材7cによる処理を受ける。
【0043】
プラスチックス材料は、3段階の処理及び予備均質化処理を経て、取出し開口10を通じて収容容器1から取り出される。こうした処理は、押出機において行われる溶融化処理に最適となるようにプラスチックス材料を具合よく調製する。
【0044】
変形形態を、図2に示してある。変形形態に係る装置は、収容容器又はカッター付コンパクタ1を備え、投入開口12を通じて上からプラスチックス材料が投入される。この収容容器又はカッター付コンパクタも、取出し開口10を備え、処理後、取出し開口を通じて、プラスチックス材料を、押出機11の方向に取り出すことができる。図1に示した装置とは対照的に、図2に示す装置は、互いに上下になった2個だけの室6a及び6bを有する。双方の室6a及び6bには、混合及び砕き部材7a及び7bが設けられる。ただし、上位室6aの直径は、下流となる下位にある室6bの直径よりも大である。このため、上位室6aの側壁4′と下位室6bの側壁4″とは、円筒形の収容容器1を構成せず、適切に形状を異にする収容容器1を構成する。しかしながら、結果的に、単一の一体的な収容容器1となり、2個の収容容器が、互いに空間的に分離されているのではない。このことは、室6a及び6bが、直径を異にしても、損なわれない。
【0045】
上位室6aは、下位室6bから中間底部2′により隔てられ、円形のリング状領域が、この中間底部2′の外径部分に形成され、円形のリング状領域は、下位室6bの外径の円周面を越えて突出する。この円形のリング状領域にある中間底部2′には、中間底部2′を貫通する手段5′又は穴が設けられ、これにより、図1に示すのと同様に、室6a及び6b間に非直接的な縦方向接続がもたらされ、プラスチックス材料が、下位室6b内に上から落下する。図1に示した装置と異なり、図2に示す手段5′は、プラスチックス材料が、上方から縦方向に一旦落下し又は導入され、次いで、下位室6bの側壁4″を貫通する管状をした転送部又は送出しスクリュを通じて、下位室6b内に運び込まれる。このように、プラスチックス材料を、上から入れる、又は室6b内のプラスチックス材料レベルよりも下から入れるかは、手段5′を通じて室6bに取り出すプラスチックス材料レベルに応じて変更してよい。スループットも、調節可能である。
【0046】
図2において、手段5′は、上位にある混合及び砕き部材7aの外径のすぐ外側に位置し、これにより、軟化され、塊の多い、未溶融状態にあるプラスチックス材料が、手段5′に簡単にかつ効率的に落下し、又は入れられる。
【0047】
当然のことながら、半径方向において離れて、別の手段5′を追加して設けてもよい。この追加する手段は、図1に示した装置のように、中間底部2′を貫通し、この箇所を通って、プラスチックス材料は、図1に示すのと同様に、上位室6aから下位にある室6bに上から直接縦方向に運び込まれる。
【0048】
プラスチックス材料は、溶融されることなく予備加熱されてもよい室6aから、図1に示すのと同様に、室6bに手段5′を通って流れ、プラスチックス材料は、室6bでさらに処理を受ける。こうして、処理されていない原材料が、押出機のスクリュ部11に直接入らないようにできる。
【0049】
図2に示す実施形態においても、それぞれの室6a及び6bの2個の混合部材7a及び7bは、それぞれの駆動部又は管状シャフト8及び9を介して互いに独立して制御されてもよい。この実施形態の駆動部も、装置に対して互いに反対側に設けられる。
【0050】
図3は、本発明のさらに別の実施形態を示すものである。図1と同様に、収容容器又はカッター付コンパクタ1は、互いに上下に置かれた3個の室6a、6b及び6cに分割又は区分され、それぞれの室の直径は等しく、側壁4′、4″及び4´´´は、一体的な円筒形収容容器1を構成する。図1のものとは異なり、各室6a、6b及び6cに設ける混合部材部材7a、7b及び7cは、共通回転シャフト8に設けられるので、共通の回転数、すなわち同じ回転数でしか回転しない。
【0051】
この実施形態でも、室6a、6b及び6cは、中間底部2′及び2″により隔てられ、手段5′及び5″により材料流の観点で互いに接続される。ただし、手段5′及び5″は、図1のものと比べて異なる構成になっている。最上位室6aと中央室6bとの間には、手段5′が、回転シャフト8を中心として半径方向に位置するように設けられる。さらに、別個の手段5′が、前者の手段とは対照的に中間底部を貫通することなく、互いに上下になった2個の室6a及び6bの側壁4′及び4″のみを貫通するように設けられる。このため、プラスチックス材料は、最上位室6aから最上位室6aの側壁4′を通って運ばれることもでき、この別個の手段5′(この実施形態では、供給量調節スクリュ)を通じて最上位室の下にある室6bの側壁4″を通って後者の室に送り込まれる。このように、この別個の手段5′は、室6a及び6bの外側、すなわち側壁4′及び4″の外側に設けられる。この場合、この別個の手段5′内の温度に注意を払う必要があり、この別個の手段5′用の断熱及び/又は加熱装置を設けることが好ましい。
【0052】
中央室6bと最下位室6cとの間の中間底部2″にも、回転軸線8を中心とする中央部に手段5″が設けられる。さらに、開閉自在なスラダー21として構成した、さらに別個の手段5″が、中間底部2″を貫通するように設けられる。この別個の手段5″は、混合部材5bの外径近傍に設けられる。
【0053】
この他の点では、装置は、図1に示したものと同様に構成される。
【0054】
プラスチックス材料は、調節又は制御装置20、例えば、バケット・ホィール型ロック、スライダーシステム、又はスクリュ式供給システムを通って、投入装置12を通じて供給される。
【0055】
さらに、好ましくは、室6a、6b及び6cの各々に、充填レベル測定装置16を設けて、各室内におけるプラスチックス材料の高さを制御するようにする。こうした制御は、混合部材7の回転数をいつでも調整できるようにするか、手段5の開口幅又は穴を調節することにより行う。
【0056】
収容容器1のカバーを、例えば、複数本の加熱若しくは冷却ホースにより又は二重カバーを用いることにより、加熱又は冷却できるようにしてもよい。こうすると、室6a、6b及び6cの各々の区画又は側壁4′、4″及び4´´´を、互いに独立して冷却又は加熱できる。混合部材7a、7b及び7cも、加熱又は冷却されるように構成してもよい。
【0057】
また、室6a、6b及び6cの各々に、専用の取出し開口10を設け、プラスチックス材料を押出機11に送り込むようにしてもよい。
【0058】
図4は、図2に示した形態に対応する要部の変形態様を示すものである。混合及び破砕部材7a及び7bは、共通の回転シャフト8に設けられ、単一の駆動モータにより駆動され、動きを同じくするように結合又は同期される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックス材料、特に、ポリエルテル又はポリエチレン等の熱可塑性プラスチックスを処理する装置であって、処理すべきプラスチックス材料を運び込むことができ、下方領域には、取出し開口(10)を備える収容容器又はカッター付きコンパクタ(1)を備え、取出し開口を通じて、処理されたプラスチックス材料は、前記収容容器(1)から例えば押出機(11)内に取り出される装置において、前記収容容器(1)は、中間底部(2′、2″)により互いに隔てられた、少なくとも2個の室(6a、6b、6c)、特に円筒形室に区分され、各室(6a、6b、6c)には、少なくとも1個の混合又は砕き部材(7a、7b、7c)が、設けられ、前記混合又は砕き部材は、特に、縦方向軸線(8、14)を中心として回転し、前記プラスチックス材料に作用を及ぼすものであり、前記混合又は砕き部材により、前記プラスチックス材料は、軟化されるが、塊の多いまま又は粒状態にされるものの、溶融されてはおらず、直近で隣り合う室(6a、6b、6c)間において、軟化され、塊の多い、溶融されていないプラスチックス材料のやり取り又は転送を生じさせる又は行う手段(5′、5″)が設けられることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記室(6a、6b、6c)は、上下に配置され、前記プラスチックス材料の流れは、特に、重力により、投入される最上位室(6a)から、前記処理すべきプラスチックス材料が、次位の室(6b、6c)内に下降して導かれることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記室(6a、6b、6c)は、直径及び/又は高さを互いに異にし、好ましくは、前記最上位室(6a)又は比較的上位にある室が、材料流の方向において下位にある室(6b、6c)よりも、直径が大きく、かつ好ましくは高さが低いことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記混合又は砕き部材(7a、7b、7c)は、前記プラスチックス材料が、移動し、回転状態に置かれ又は混合流を形成し、混合され、加熱され、必要に応じて砕かれることによって、溶融されることなく塊が多く又は粒状になったまま軟化状態にされるように、構成、制御可能又は前記プラスチックス材料に作用し、及び/又は、前記プラスチックス材料は、少なくとも前記上位室(6a)内で、乾燥化及び/又は結晶化されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の装置。
【請求項5】
前記混合又は砕き部材(7a、7b、7c)は、前記室(6a、6b、6c)において、異なる形状に構成され、及び/又は、必要に応じて、異なる回転シャフト(8,9)に載り、及び/又は、1個以上の駆動部により、互いに独立して制御可能で、特に、異なる回転数で回転することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の装置。
【請求項6】
前記混合又は砕き部材(7a、7b、7c)の全ては、貫通する共通回転シャフト(8)に設けられ、又は、前記混合又は砕き部材(7a、7b、7c)は、それぞれ異なる駆動部を備える2個以上の回転シャフト(8、9)に割り当てられ、これら回転シャフトは、必要に応じて、前記収容容器(1)内に互いに反対側から突入することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の装置。
【請求項7】
隣り合う室(6a、6b、6c)間での前記プラスチックス材料のやり取り又は転送を生じさせる又は行う手段(5′、5″)は、前記最上位室(6a)の、比較的上位にある室の各々の、又は直径が比較的大きい室の底部又は中間底部(2′、2″)に設けられ、又は、当該室から延びて材料流接続を構成しつつ、当該室の中間底部(2′、2″)を、材料流の流れ方向において、直近に隣り合う又は次位にある室(6b、6c)内に貫通することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の装置。
【請求項8】
前記室(6a、6b、6c)が、特に、直径が実質的に同じである場合には、前記手段(5′、5″)は、2個の室(6a、6b、6c)間の中間底部(2′、2″)に設けられ、これらの中間底部(2′、2″)を貫通することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載の装置。
【請求項9】
前記室(6a、6b、6c)が、特に、直径を異にする場合には、前記最上位室(6a)、比較的上位にある室、又は比較的直径が大である室から延びながら、材料流の方向において後続する又は下方にある室、又は直径が最小である室の側壁(4′、4″)を貫通する前記手段(5′、5″)は、隣接する又は後続する下位の室(6b、6c)に開口することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1に記載の装置。
【請求項10】
前記手段(5′、5″)は、前記回転シャフト(8、9)を中心として前記回転シャフトを囲む形状にされ、及び/又は、前記収容容器(1)の側壁(4′、4″)に近接した領域に、又は、前記混合又は砕き部材(7a、7b、7c)の半径方向の端部領域に設けられ、及び/又は、前記手段(5′、5″)は、各中間底部(2′、2″)に、互いに整合することなく互いにできるだけ離れるように設けられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1に記載の装置。
【請求項11】
前記手段(5′、5″)は、全幅に亘って妨げのない開口又はカバーとして構成され、必要に応じて、ラビリンス構造にされ、必要に応じて、材料のスループットを少なくとも部分的に減少又は制御できるようにされ、又は、供給若しくは供給量調節手段、特に、供給スクリュ等として構成されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1に記載の装置。
【請求項12】
隣り合う室(6a、6b、6c)間での前記プラスチックス材料のやり取り又は転送を生じさせる又は行う手段(5′、5″)は、前記最上位室(6a)から、比較的上位に位置する室から、又は、比較的直径が大きい室から延びながら、当該室の側壁(4′)を、特に、下方の領域又は前記中間底部に近接した領域で、当該室の中間底部(2′、2″)の近傍で貫通しており、当該中間底部(2′、2″)を貫通することなく又は迂回しながら、材料流の方向においてより下位にある直近の隣り合う室(6b、6c)内への材料流としての接続を構成し、前記手段(5′、5″)は、特に、全幅に亘って自由な通過を許し、必要に応じて、少なくとも部分的に閉塞可能である管状に形成され、又は、転送部として構成され、又は、供給若しくは供給量調節手段、特に、供給スクリュ等として構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1個の室(6a、6b、6c)において、好ましくは、各室において、揮発性成分を除去する吸引装置(15)が設けられ、及び/又は、不活性ガス又は反応性ガス等で洗浄する装置が設けられ、前記吸引装置(15)は、必要に応じて、前記混合又は砕き部材(7a、7b、7c)内に設けられることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも1個の室(6a、6b、6c)において、好ましくは、各室において、充填レベル測定装置(16)を設けることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1に記載の装置。
【請求項15】
プラスチックス材料、特に、ポリエルテル又はポリエチレン等の熱可塑性プラスチックを処理する装置であって、プラスチックス材料を処理用に運び込むことができ、下方部分には、取出し開口(10)を備える収容容器又はカッター付きコンパクタ(1)を備え、取出し開口を通じて、処理されたプラスチックス材料は、前記収容容器(1)から例えば押出機(11)内に取り出され、前記収容容器(1)は、中間底部(2′、2″)により互いに隔てられた、少なくとも2個の室(6a、6b、6c)、特に円筒形室に区分され、各室(6a、6b、6c)には、少なくとも1個の混合又は砕き部材(7a、7b、7c)が、設けられ、前記混合又は砕き部材は、特に、縦方向軸線(8、14)を中心として回転でき、前記混合又は砕き部材により、前記プラスチックス材料は、軟化されるものの、恒久的に塊の多い又は粒状態にされるが、溶融されず、直近で隣り合う室(6a、6b、6c)間において、軟化され、塊の多い、溶融されていないプラスチックス材料のやり取り又は転送を生じさせる又は許す手段(5′、5″)が設けられる、請求項1乃至14のいずれか1に記載の装置において、前記最上位室(6a)又は比較的上位にある室が、材料流の方向において下方にある室(6b、6c)よりも、直径が大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項16】
前記室(6a、6b、6c)は、直径及び/又は高さを互いに異にし、前記最上位室(6a)又は比較的上位にある室が、材料流の方向において下位にある室(6b、6c)よりも、高さが低いことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1に記載の装置において、
【請求項17】
特に、請求項1乃至16のいずれか1に記載の装置を用いて、処理すべきプラスチックス材料を、共通の収容容器(1)内で、材料の流方向において順次続く室(6a、6b、6c)中を連続して導き、前記プラスチックス材料を、必要に応じて互いに独立して制御可能な混合又は砕き部材(7a、7b、7c)により処理し、移動し、混合し、加熱し及び/又は砕き、さらに、必要に応じて、乾燥し及び/又は結晶させ、前記プラスチックス材料が、塊が多いまま又は粒状の形態をした軟化された非溶融状態にし、この状態を維持したまま、前記プラスチックス材料が、最終室の後で、稠密化されて、押出機(11)に送られる、プラスチックス材料、特に、ポリエルテル又はポリエチレン等の熱可塑性プラスチックを処理する方法。
【請求項18】
前記プラスチックス材料は、前記収容容器(1)内で、各室を区分する中間底部を通って、室(6a、6b、6c)から他の室へ転送され又は流れることを特徴とする、請求項17に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2010−535655(P2010−535655A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520380(P2010−520380)
【出願日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際出願番号】PCT/AT2008/000289
【国際公開番号】WO2009/021260
【国際公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(503433958)エレマ エンジニアリング リサイクリング マシネン ウント アンラーゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトフング (27)
【Fターム(参考)】