説明

プラズマディスプレイパネルの製造方法およびインクジェット装置

【課題】インクジェット装置を用いて蛍光体インクを塗布する際に、圧力室内での蛍光体微粒子の凝縮および沈殿を抑制できるようにする。
【解決手段】インクジェット装置を用いて蛍光体インク7を塗布する。このインクジェット装置は、水平方向に延びる圧力室4を有し、圧力室4の一端側に供給孔5から蛍光体インク7を供給し、圧力室4の他端側からノズル孔6を通じて蛍光体インク7を液滴として吐出するインクジェットヘッド1を備えている。供給孔5は、複数設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下「PDP」という。)の製造方法およびPDPの蛍光体層の形成に適したインクジェット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PDPは、視認性に優れた薄型表示デバイスとして知られている。図4に、AC型のPDPの概略構成を示す。図4に示すように、PDPは、前面パネル100と背面パネル200とを対向配置し、周辺部を封着することにより構成されている。
【0003】
前面パネル100は、前面ガラス基板101上に走査電極と維持電極とからなる表示電極対102を互いに平行に複数対形成し、そして、それら表示電極対102を覆うように誘電体層103およびMgOからなる保護層104を形成することにより構成されている。なお、走査電極および維持電極は、それぞれITO、SnO2、ZnO等の導電性金属酸化物からなる透明電極上にAgからなるバス電極を形成することにより構成されている。
【0004】
背面パネル200は、背面ガラス基板201上に、複数の互いに平行なAgを主成分とする導電性材料からなるアドレス電極202を形成し、そのアドレス電極202を覆うように誘電体層203を形成するとともに、さらにその上に井桁状の隔壁204を形成し、そして隔壁204間の誘電体層203表面と隔壁204の側面とに、赤色、緑色、青色に発光する蛍光体層205を形成することにより構成されている。
【0005】
そして、このような構成の前面パネル100と背面パネル200とを、表示電極対102とアドレス電極202とが立体交差するように対向配置し、周辺部を密封した後、内部の放電空間に放電ガスを封入することによりパネルが構成されている。また、このパネルにおいて、表示電極対102とアドレス電極202とが立体交差し、隔壁204により囲まれた空間に複数の放電セル300が形成されている。
【0006】
ところで、背面パネル200は、アドレス電極202、誘電体層203、隔壁204および蛍光体層205を順次形成することにより作製されるが、蛍光体層205を形成する方法としては、まず蛍光体微粒子を溶媒に分散させた蛍光体インクを隔壁204間の領域に塗布し、その後に乾燥および焼成を行う方法が一般的である。蛍光体インクを隔壁204間の領域に塗布する方法としては、例えば特許文献1に開示されているように、ディスペンサーにより蛍光体インクを連続流として隔壁内に充填する方法などが知られている。
【0007】
近年では、PDPのさらなる高画質化が求められており、これを実現するために隔壁204のピッチがより狭くなる傾向がある。しかしながら、ディスペンサーを用いた方法では、このような微少領域に蛍光体インクを精度よく塗布することは困難である。そこで、特許文献2に開示されているように、インクジェット装置を用いたインクジェット法により蛍光体インクの塗布を行うことが検討され始めている。インクジェット装置では、インクジェットヘッドに微少間隔で形成されたノズル孔から蛍光体インクが液滴として吐出されるため、インクジェット法は微少領域への蛍光体インクの塗布に適している。
【0008】
このようなノズル孔が微少間隔で形成されたインクジェットヘッドとしては、特許文献3に開示されているように、積層構造のものが知られている。図5に、積層構造の一般的なインクジェットヘッドを示す。
【0009】
このインクジェットヘッドは、ノズル孔16が形成されたノズル板11a上に複数枚の板状の部材11b〜11eおよび振動板11fを積層し、さらに最上の振動板11f上に圧電素子12aおよび電極12bを形成することにより構成されている。なお、最上の振動板11fは、圧電素子12aおよび電極12bと共に、インクをノズル孔16から吐出するためのアクチュエータを構成する。
【0010】
このような構成のインクジェットヘッドは、ノズル孔16に並設されるようにインク供給路13が設けられ、そのインク供給路13の上方の位置からノズル孔16の上方の位置まで延びる圧力室14が設けられた構成をしている。そして、圧力室14の一端側には、インク供給路13に連通する供給孔15が設けられており、インク供給路13に供給される蛍光体インクはその供給孔15を通じて圧力室14内に供給され、圧力室14に供給された蛍光体インクは、前記アクチュエータの圧電素子12aが駆動されて圧力室14の容積が減少することにより、圧力室の14の他端側に設けられたノズル孔16を通じて液滴として吐出される。
【特許文献1】特開2002−75216号公報
【特許文献2】特開2005−71954号公報
【特許文献3】特許第3317308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、インクジェット装置で使用される通常のインクは、粘度は10mPa・s程度と小さいが、その中に含まれる微粒子の粒径は1μm以下と格段に小さい。これに対し、PDPにおける蛍光体層形成用の蛍光体インクは、粘度は10mPa・s程度と同等であるが、蛍光体微粒子の粒径が1〜10μmと非常に大きい。このため、図5に示すような通常の構造のインクジェットヘッドで蛍光体インクを使用する場合は、圧力室14内で蛍光体微粒子の凝縮および沈殿が起こりやすい。
【0012】
このような蛍光体微粒子の凝縮および沈殿が発生すると、ノズル孔16から吐出される液滴中の蛍光体微粒子の濃度(含有率)が一定に保たれずにばらついてしまう。その結果、蛍光体層205の膜厚のばらつきが生じ、PDPの画像品質を低下させることになる。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑み、インクジェット装置を用いて蛍光体インクを塗布する際に圧力室内での蛍光体微粒子の凝縮および沈殿を抑制することのできるプラズマディスプレイパネルの製造方法およびインクジェット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するために、本発明は、背面ガラス基板上に形成された隔壁間の領域に、蛍光体微粒子を含む蛍光体インクを、インクジェット装置を用いて塗布する塗布工程を有するプラズマディスプレイパネルの製造方法において、前記インクジェット装置は、水平方向に延びる圧力室の一端側に設けた供給孔から前記蛍光体インクを供給し、前記圧力室の他端側に設けたノズル孔を通じて前記蛍光体インクを液滴として吐出するインクジェットヘッドを備え、かつ前記インクジェットヘッドは、前記供給孔を複数設けて構成したものである。
【0015】
また、本発明は、水平方向に延びる圧力室の一端側に設けた供給孔から前記蛍光体インクを供給し、前記圧力室の他端側に設けたノズル孔を通じて前記蛍光体インクを液滴として吐出するインクジェットヘッドを備え、かつ前記インクジェットヘッドは、前記供給孔を複数設けて構成したインクジェット装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0016】
上記の構成によれば、供給孔が複数設けられているので、圧力室の容積が変動して供給孔から圧力室内に蛍光体インクが供給される際には圧力室内への蛍光体インクの流入が複数箇所で生じるようになり、これにより圧力室内の蛍光体インクが攪拌される。
【0017】
従って、本発明によれば、供給孔を複数設けるだけの簡単な構成で、圧力室内での蛍光体微粒子の凝縮および沈殿を抑制することができ、ノズル孔から吐出される液滴中の蛍光体微粒子の濃度を均一に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
本発明の一実施形態に係るPDPの製造方法は、図4に示す構造のPDPを製造するものであり、前面パネル作製工程と、背面パネル作製工程と、前面パネルと背面パネルとを貼り合わせるパネル組立工程とからなる。図4に示すPDPの構造に関しては、背景技術の欄で説明しているので、ここでは省略する。なお、製造されたPDPは、例えばアルミニウム製のシャーシに接合されるとともにこれに駆動回路基板やデータドライバ等が取り付けられてPDPユニットとされる。
【0020】
前面パネル作製工程では、前面ガラス基板101上に、表示電極対102、誘電体層103および保護膜104を順次形成することにより、前面パネル100を作製する。表示電極対102の各電極(走査電極および維持電極)の形成は、前面ガラス基板101上に例えばITOからなる透明電極を形成し、さらにその上に例えば銀からなるバス電極を形成することにより行う。バス電極は、例えば、紫外線感光性樹脂を含む電極用インクを露光および現像によりパターニングした後に焼成することにより形成できる。誘電体層103は、例えば、低融点ガラス粉末を含むペーストをスクリーン印刷した後に焼成することにより形成できる。保護膜104は、例えば酸化マグネシウムからなり、スパッタリングまたは真空蒸着により形成する。
【0021】
背面パネル作製工程では、背面ガラス基板201上に、アドレス電極202、誘電体層203、隔壁204および蛍光体層205を順次形成することにより、背面パネル200を作製する。アドレス電極202は、銀、銅またはアルミニウム等からなり、例えば、紫外線感光性樹脂を含む電極用インクを露光および現像によりパターニングした後に焼成することにより形成できる。誘電体層203は、例えば、低融点ガラス粉末および反射物質粉末を含むペーストをスクリーン印刷した後に焼成することにより形成できる。隔壁204は、スクリーン印刷法、サンドブラスト法またはフォトリソグラフィー法等によって形成できる。蛍光体層205は、隔壁204間の領域に蛍光体インクを塗布し、塗布された蛍光体インクを乾燥させ、その後に焼成を行うことにより形成する。
【0022】
本実施形態では、隔壁204間の領域への蛍光体インクの塗布を、図1ならびに図2(a)および(b)に示すインクジェットヘッドを備えるインクジェット装置を用いて行う。このインクジェットヘッドについては後述にて詳細に説明する。
【0023】
蛍光体インクは、赤色、緑色または青色の蛍光体微粒子を溶媒に分散させたものである。蛍光体インクには、分散剤が添加されていてもよい。各色の蛍光体微粒子としては、以下に示す化学式で表される組成を有するものを用いることができる。
赤色蛍光体微粒子;(YXGd1-X)BO3:Eu3+あるいはYBO3:Eu3+
緑色蛍光体微粒子;BaAl1219:MnあるいはZn2SiO4:MnあるいはYBO3:Tb
青色蛍光体微粒子;BaMgAl1017:Eu2+
【0024】
パネル組立工程では、前面パネル100と背面パネル200を貼り合わせた後に、放電セル300にNe−Xe系の放電ガスを封入することにより、PDPのパネルの組立が行われる。放電ガスの封入は、放電セル300内を例えば8×10-7Torr程度の高真空にした後に、封入圧力が500〜800Torrになるように行う。
【0025】
次に、図1ならびに図2(a)および(b)を参照して、本実施形態で使用するインクジェット装置のインクジェットヘッド1について詳しく説明する。
【0026】
このインクジェットヘッド1は、蛍光体インク7を鉛直方向下向きに吐出するものであり、上下方向に積層された複数枚(図例では6枚)の板状の部材21〜23,31,32および振動板33と、その振動板33上に配置された圧電素子34および電極35とを備えている。なお、上側の3枚の部材31〜33ならびに圧電素子34および電極35は、内部に圧力室4を有する圧力室ユニット3を構成し、下側の3枚の部材21〜23は、圧力室4に蛍光体インク7を供給するためのインク供給路20を内部に有する供給路ユニット2を構成する。そして、供給路ユニット2および圧力室ユニット3は、別々に製造された後に互いに接合される。
【0027】
供給路ユニット2は、ノズル孔6が形成されたノズル板21と、ノズル孔6に並設されるようにインク供給路20を形成する供給路形成部材22と、第1薄板23とを有している。これらの部材21〜23は下から上に向かってこの順に隙間なく積み重ねられており、第1薄板23およびノズル板21はインク供給路20を上下から閉塞している。また、第1薄板23には、図略のインクタンクから送られる蛍光体インク7をインク供給路20に導入するための導入口23aが設けられている。なお、ノズル孔6の直径は、例えば20μmである。
【0028】
圧力室ユニット3は、第2薄板31と、圧力室4を形成する圧力室形成部材32と、振動板33とを有している。これらの部材31〜33は下から上に向かってこの順に隙間なく積み重ねられており、振動板33および第2薄板31は圧力室4を上下から閉塞している。なお、振動板33は、圧電素子34および電極45と共にアクチュエータを構成し、圧電素子34は振動板33を上下に変位させる。
【0029】
圧力室4は、インク供給路20の上方の位置からノズル孔6の上方の位置まで水平方向(図1および図2(a)では左右方向)に延びており、当該圧力室4の長手方向に延びる矩形筒状の内周面40を有している。すなわち、圧力室4は、振動板33で構成された天井面41、第2薄板31で構成された床面42、および左右の両側壁面43の4つの面を有しており、これらの面41〜43によって内周面40が構成されている。
【0030】
供給路ユニット2の第1薄板23と圧力室ユニット3の第2薄板31は、圧力室4とインク供給路20を上下に隔てる壁材50を構成している。換言すれば、インク供給路20は、壁材50を挟んで圧力室4の下方に位置している。この壁材50には、インク供給路20と圧力室4の一端側とを連通する供給孔5が複数(図例では2つ)設けられている。なお、壁材50の厚さは数十ミクロンである。
【0031】
また、インク供給路20の側方には、圧力室4の他端側とノズル孔6とを連通する連通路60が、第2薄板31、第1薄板23および供給路形成部材22に跨って設けられている。
【0032】
壁材50に設けられた2つの供給孔5は、軸方向が振動板33の変位方向と同じ上下方向となっているとともに、圧力室4の長手方向に並んでいる。本実施形態では、2つの供給孔5とノズル孔6とは、平面視で圧力室4の長手方向に延びる同一直線上に位置している。
【0033】
各供給孔5は、第1薄板23と第2薄板31のそれぞれには設けられた円柱状の貫通孔5a,5bで構成されている。本実施形態では、貫通孔5aの直径が貫通孔5bの直径よりも大きく設定されていて、供給孔5における圧力室4側の開口がインク供給路20側の開口よりも大きくなっている。ただし、貫通孔5aの直径は貫通孔5bの直径よりも小さく設定されていてもよいし、それらの直径が等しくなっていてもよい。貫通孔5a,5bの直径は例えば20〜40μmである。
【0034】
本実施形態のように2つの供給孔5を設ける場合、直径φ1の供給孔5を1つだけ設ける場合と開口面積を同じにするには、2つの供給孔5の直径φ2を次の式で求めればよい。
φ2=[√{(φ1/2)2/2}]・2
例えば、φ1が40μmであったときは、φ2は28.3μmとなる。供給孔5の直径を28.3μmとしても、粒径が7μm程度までの蛍光体微粒子を含む蛍光体インクを使用する場合は、供給孔5で蛍光体微粒子が詰まるおそれは殆どない。すなわち、供給孔5の数を1つから2つにしても、蛍光体微粒子の詰まりが生じない程度に供給孔5の直径を大きく保つことができる。
【0035】
このような構成のインクジェットヘッド1では、蛍光体インク吐出時には、図3(a)に示すように、圧電素子34の駆動により圧力室4の容積が減少するように振動板33が下方に変位する。これにより、圧力室4内の蛍光体インク7は、圧力室4の他端側から連通路60およびノズル孔6を通じて液滴として吐出される。一方、蛍光体インク補給時には、図3(b)に示すように、圧電素子34の駆動により圧力室4の容積が増加するように振動板33が上方に変位する。これにより蛍光体インク7がインク供給路20から供給孔5を通じて圧力室4の一端側に供給される。これらの蛍光体インクの吐出と蛍光体インクの補給は、一連の動作として繰り返される。
【0036】
図5に示す従来のインクジェットヘッドでは、供給孔15が1つだけ設けられている。このため、蛍光体インク補給時には圧力室14内への蛍光体インクの流入が1箇所でしか生じない。
【0037】
これに対し、本実施形態のインクジェットヘッド1では、供給孔5が複数設けられているので、蛍光体インク補給時には圧力室4内への蛍光体インク7の流入が複数箇所で生じるようになり、これにより圧力室4内の蛍光体インク7が攪拌される。
【0038】
このように、本実施形態のインクジェットヘッド1によれば、供給孔5を複数設けるだけの簡単な構成で、圧力室4内での蛍光体微粒子の凝縮および沈殿を抑制することができ、ノズル孔6から吐出される液滴中の蛍光体微粒子の濃度を均一に保つことができる。
【0039】
また、本実施形態では、供給孔5が圧力室4の長手方向に並んでいるので、圧力室4内での攪拌位置を圧力室4の長手方向に分布させることができる。
【0040】
さらに、本実施形態では、供給孔5の軸方向が振動板33の変位方向と同じ上下方向となっているので、供給孔5を通じた蛍光体インク7の流れ方向と振動板33の変位方向とが一致するようになる。このため、振動板33の変位を蛍光体インク7の押し出しまたは引き込みに合理的に利用することができる。
【0041】
以上では、本発明の特定の形態について説明したが、本発明は、上述した形態には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良または変形を行ってもよいのはもちろんである。
【0042】
例えば、供給孔5は、3つ以上設けられていてもよい。この場合、供給孔5の配置は、圧力室4の長手方向に並んでいてもよいが、例えばその方向に千鳥状に配置されていてもよい。
【0043】
さらには、圧力室ユニット3の第2薄板31を省略して、圧力室4の底面42を供給路ユニット2の第1薄板23で構成してもよい。この場合、第1薄板23が壁材50となる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように本発明は、高精細のPDPを実現する上で有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係るPDPの製造方法で使用するインクジェット装置におけるインクジェットヘッドを示す平面図である。
【図2】(a)は図1のII−II線断面図、(b)は(a)のIIB−IIB線断面図である。
【図3】(a)は振動板が下方に変位したときの状態を示す図、(b)は振動板が上方に変位したときの状態を示す図である。
【図4】PDPの構造を示す断面図である。
【図5】従来のインクジェット装置のインクジェットヘッドの断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 インクジェットヘッド
20 供給路
33 振動板
34 圧電素子
4 圧力室
41 天井面
42 床面
5 供給孔
51 内周面
50 壁材
6 ノズル孔
60 連通路
7 蛍光体インク
101 背面ガラス
104 隔壁
105 蛍光体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面ガラス基板上に形成された隔壁間の領域に、蛍光体微粒子を含む蛍光体インクを、インクジェット装置を用いて塗布する塗布工程を有するプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
前記インクジェット装置は、水平方向に延びる圧力室の一端側に設けた供給孔から前記蛍光体インクを供給し、前記圧力室の他端側に設けたノズル孔を通じて前記蛍光体インクを液滴として吐出するインクジェットヘッドを備え、かつ前記インクジェットヘッドは、前記供給孔を複数設けて構成したプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項2】
前記インクジェットヘッドの供給孔は、前記圧力室の長手方向に並べて配設した請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項3】
前記インクジェットヘッドは、前記圧力室の天井面を構成する振動板と、前記振動板上に配置され、当該振動板を上下に変位させる圧電素子と、前記圧力室の床面を構成する壁材とを有し、
前記供給孔は、前記壁材に、軸方向が上下方向となるように設けた請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項4】
前記インクジェットヘッドは、前記壁材を挟んで前記圧力室の下方に位置し、前記供給孔を通じて前記圧力室と連通するインク供給路と、前記インク供給路の側方で前記圧力室と前記ノズル孔とを連通する連通路とを備えた請求項3に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項5】
水平方向に延びる圧力室の一端側に設けた供給孔から前記蛍光体インクを供給し、前記圧力室の他端側に設けたノズル孔を通じて前記蛍光体インクを液滴として吐出するインクジェットヘッドを備え、かつ前記インクジェットヘッドは、前記供給孔を複数設けて構成したインクジェット装置。
【請求項6】
前記インクジェットヘッドの供給孔は、前記圧力室の長手方向に並べて配設した請求項5に記載のインクジェットヘッド。
【請求項7】
前記インクジェットヘッドは、前記圧力室の天井面を構成する振動板と、前記振動板上に配置され、当該振動板を上下に変位させる圧電素子と、前記圧力室の床面を構成する壁材とを有し、
前記供給孔は、前記壁材に、軸方向が上下方向となるように設けた請求項5に記載のインクジェットヘッド。
【請求項8】
前記インクジェットヘッドは、前記壁材を挟んで前記圧力室の下方に位置し、前記供給孔を通じて前記圧力室と連通するインク供給路と、前記インク供給路の側方で前記圧力室と前記ノズル孔とを連通する連通路とを備えた請求項7に記載のインクジェットヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−108618(P2010−108618A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276611(P2008−276611)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】