説明

プリセットを有するデュアル・パルス幅医療用レーザ

パルス持続時間、パルス繰り返し数、パワー、及びパルス当たりのエネルギーについてのプリセットを用いて制御可能なレーザ・ビームを生成する、医療用レーザ装置が説明される。装置はまた、水及び空気出力に関するプリセットを与える。パワー、パルス持続時間、パルス繰り返し数、及びパルス当たりのエネルギーについてのパラメータ値、並びに、水及び空気設定についてのパラメータ値が、プリセットとしてエンドユーザによってプログラムされ、格納される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電磁エネルギー放出装置に関し、より詳細には、パルス医療処置レーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術への相互参照)
本出願は、引用によりその内容全体をここに組み入れる、「DUAL PULSE−WIDTH MEDICAL LASER WITH PRESETS」と題する、2004年8月12日に出願された、米国特許仮出願第60/601,415号(代理人整理番号BI9808PR)に基づく優先権を主張するものである。本出願は、引用によりその内容全体をここに組み入れる、「ELECTROMAGNETIC ENERGY DISTRIBUTIONS FOR ELECTROMAGNETICALLY INDUCED MECHANICAL CUTTING」と題する、2005年1月10日に出願された、米国特許出願第11/033,032号(代理人整理番号BI9842P)の部分継続出願である。本出願は、引用によりその内容全体をここに組み入れる、「DUAL PULSE−WIDTH MEDICAL LASER」と題する、2005年7月27日に出願された、米国特許出願第11/191,594号(代理人整理番号BI9801P)の部分継続出願である。
【0003】
従来技術においては、種々の電磁エネルギー生成アーキテクチャが存在している。例えば、ソリッドステートのレーザ・システムは、一般に、コヒーレント光を放出するためのレーザ・ロッドと、レーザ・ロッドを刺激してコヒーレント光を放出するためのソースとを備える。フラッシュランプは、典型的に、Er、Cr:YSGG及びEr:YAGレーザ・システムのような2.5ミクロン(μm)から3.5μmの間の中赤外線レーザのための刺激源として用いられる。フラッシュランプは、所定のパルス形状及び所定の周波数を有するフラッシュランプ電流によって駆動される。
フラッシュランプ電流は、フラッシュランプを所定の周波数で駆動して、フラッシュランプ電流と実質的に同じ周波数を有する出力フラッシュランプ光分布をもたらす。このフラッシュランプからの出力フラッシュランプ光分布が、レーザ・ロッドを駆動して、フラッシュランプ電流と実質的に同じ所定の周波数でコヒーレント光を生成する。
【0004】
柔らかいヒト組織の切除を要求するといったような医療用途は、或る場合には、組織への2つの反対の作用を要求し又はその恩恵を受ける。第1の作用は、制御された止血、最小限の出血、或いは出血なし、及び、切断面の焦げが減少され又は無くされた状態での、組織のレーザ切断に関係する。第2の作用は、例えば、組織が引き合わされたときの手術後癒合を刺激するための、出血を伴うレーザ切断に関係する。第2の作用は、例えば移植用途においては特に重要であり又は関連性がある。
これらの第1及び第2の作用をもたらす従来技術の方法は、各種の組織切断において明白に異なる装置を使用することを含む。第1及び第2の作用の処置を実行する幾つかの従来技術の方法は、異なる波長の電磁エネルギーを生成することができるシステムを使用することを含む。例えば、CO2及びエルビウム型レーザをそれぞれ用いて、約1μmから約3μmの波長を生成することができる。2つの医療装置間の切り替えにおいて要求されるオーバーヘッド時間及び努力は、この手法の欠点となる。こうした処置を受ける患者の観点からの余分な時間及び付随する不快感は、さらなる欠点を表す。
【0005】
従来技術においては、例えば、止血型及び出血型組織切断作用の両方を容易にするためなどの、異なる所望の切断作用又は処置を容易にするために、種々の特性又は作動モード間を迅速かつ効果的に移行することができるレーザ装置が必要とされている。
【発明の開示】
【0006】
本発明の方法の例示的な実行は、単一の電力供給装置から第1及び第2高電圧出力を提供することによって、これらの必要性に対処するものである。組織を切断するのに用いられるレーザを励起することができるレーザ・ポンピング源(例えばフラッシュランプ)も提供される。第1及び第2高電圧出力は、第1及び第2パルス生成ネットワークをそれぞれ駆動して、例示的な方法の実行に係るレーザ・ポンピング源をポンピングする第1及び第2パルス出力をそれぞれ生成することができる。第1パルス生成ネットワークによって生成されたパルスは比較的短く、第2パルス生成ネットワークによって生成されたパルスは比較的長い。
本発明の別の実施形態は、医療用レーザ装置を含む例示的な実施形態に係る電磁エネルギー放出装置を含み、電磁エネルギー放出装置は、第1持続時間及び第2持続時間を有する一連の電磁パルスを放出することができ、電磁エネルギー放出装置は、第1持続時間及び第2持続時間を有する電磁パルスの組み合わせを指定するプリセットを格納するようになっており、装置は組織を切断することができる。医療用電磁エネルギー装置の一実施形態は、プリセットを格納することができるコントローラを備えることができ、該コントローラは、医療用電磁エネルギー装置の作動を制御するパラメータを含む。プリセットとして格納されるパラメータの例には、パワー、パルス持続時間、パルス繰返し数、パルス当たりのエネルギー、水設定、及び空気設定がある。医療用電磁エネルギー装置の別の実施形態は、ユーザがプリセットを修正し保存することを可能にするユーザ入力パネルを含むことができる。
【0007】
この装置及び方法は、機能の解説と共に文法上の流動性のために説明され、又は説明されることになるが、35U.S.C.112の下で明確に記述されない限り、請求項は、「手段」又は「ステップ」の制限の構成によって多少なりとも必ずしも制限されるように構成されるものではなく、均等物の司法的原則の下で請求項によって与えられる定義の意味及び均等物の全ての範囲に一致するものであり、請求項が35U.S.C.112の下で明確に記述される場合には、35U.S.C.112の下で全ての法的均等物に一致するものであると明確に理解される。
ここで説明されるいずれかの特徴又は特徴の組み合わせは、こうしたいずれかの組み合わせに含まれる特徴が、文脈、本明細書、及び当業者の知識から明らかとなるものと互いに矛盾していなければ、本発明の範囲内に含まれる。本発明を要約するために、本発明の特定の態様、利点及び新規な特徴がここで説明される。もちろん、必ずしも全てのこうした態様、利点又は特徴が本発明のいずれかの特定の実施形態において具体化されるわけではないと理解されたい。本発明のさらなる利点及び態様は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲の請求項において明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ここで、それらの例が添付の図面に示されている、本発明の現在好ましい実施形態について詳細に言及する。可能な限りどんな場合でも、同じ又は同様の部品について言及するために図面及び説明において同じ又は類似した参照番号が用いられる。図面は、簡単化された形態であり、正確な尺度ではない。ここでの開示を参照すると、添付の図面に関して、頂部、底部、左、右、上、下、上方、〜より上、〜より下、〜の下、後及び前といった方向用語は、便宜のため及び明瞭にするためにのみ用いられる。こうした方向用語は、いかなる方法によっても本発明の範囲を制限するように構成されるものではない。
【0009】
ここでの開示は、特定の図示された実施形態について言及するが、これらの実施形態は、単なる例として与えられたものであって、制限する目的で与えられたものではないことを理解されたい。しかし、例示的な実施形態を論じる以下の詳細な説明の意図は、実施形態の全ての修正、変形及び均等物を、添付の請求項によって定義される本発明の精神及び範囲内に入るものとして包含するように構成されることである。ここで説明される方法ステップ及び構造は、電磁エネルギー(例えばレーザ)装置の作動のための完全なアーキテクチャ及び方法フローを包含するものではない。本発明は、従来技術において慣習的に用いられる種々の構造及び技術と組み合わせて実施することができ、限られた量の一般的に実施される項目が、本発明の理解を与えるのに必要なものとしてここに含められる。本発明は、一般に、電磁処置装置の分野での適用可能性を有する。しかしながら、説明の目的のために、以下の記述は、医療用レーザ装置と、組織処置及び外科機能を実施するための医療用レーザ装置の作動方法に関する。
【0010】
図面をより詳細に参照すると、図1は、本発明の方法の実施を説明する流れ図である。この方法の実施は、ステップ10において高電圧電力供給装置(HVPS)から第1高電圧出力を与える。第1高電圧出力は、第1パルス生成ネットワーク(PFN)を駆動することができる。ステップ15においてHVPSから第2高電圧出力が与えられる。第2高電圧出力は、第2パルス生成ネットワークを駆動することができる。ここで説明される高電圧出力の例示的な実施形態は、第1高電圧出力から約1500ボルトを与え、第2高電圧出力から約500ボルトを与える。実施に係るステップ20においてレーザ・ポンピング源のようなポンピング源がさらに与えられる。代表的な実施形態においては、レーザ・ポンピング源は、例えば、Er:YSGG又はEr,Cr:YSGGソリッドステート・レーザのようなレーザ装置によってコヒーレント光の放出を刺激することができるフラッシュランプを備えることができる。実施のステップ25において、第1パルス生成ネットワーク出力を用いてレーザ・ポンピング源をポンピングすることによって、第1持続時間(すなわち幅)を有する電磁エネルギー(例えばレーザ)パルスが生成される。同様に、ステップ30において、第2パルス生成ネットワーク出力を用いてレーザ・ポンピング源をポンピングすることによって、第2持続時間を有するレーザ・パルスが生成される。
【0011】
第1及び第2高電圧出力からフラッシュランプを駆動することができる回路の例が、図2を参照しながら以下に説明される。図2の回路の比較的詳細な実装が、本発明のいずれかの態様又は修正された態様と適合するように当業者によって適合され又は修正可能な程度まで引用することによりここにその内容全体を組み入れる、「DUAL PULSE−WIDTH MEDICAL LASER」と題する2004年7月27日に出願された米国特許仮出願第60/591,933号の図2p及び3pに開示されている。約2.70ミクロン(μm)から2.80μmの範囲内、典型的には2.78μmの波長を有する電磁エネルギーを生成することができるEr:YSGG又はEr,Cr:YSGGソリッドステート・レーザを、この回路のアーキテクチャを用いて駆動することができる。第1及び第2パルス生成ネットワークのパラメータは、それぞれ比較的短い及び長い持続時間を有するパルスを生成するように調節することができる。典型的な実施形態においては、第1パルス生成ネットワークによって、例えば約140マイクロ秒(μs)の持続時間を有する比較的短いパルスが生成され、第2パルス生成ネットワークによって、例えば約400μsの持続時間を有する比較的長いパルスが生成される。パルスの繰返し数は、例えば、約1から50パルス/秒の範囲とすることができる。
【0012】
当業者には公知の方法を用いて、デュアル、すなわちそれぞれ第1及び第2の、高電圧出力110及び130を生成することができる高電圧電力供給装置105を含む、本発明に係るデュアル・パルス幅アナログ・フラッシュランプ駆動回路100の実施形態の部分概略図が図2に示されている。デュアル・パルス幅アナログ・フラッシュランプ駆動回路100の図示された実施形態はさらに、第1パルス生成ネットワーク101と、それぞれ第1及び第2高電圧出力110及び130に接続された第2パルス生成ネットワーク102とを含む。第1及び第2パルス生成ネットワーク101及び102はさらに、レーザ(図示せず)のためのポンピング源として機能することができるフラッシュランプ150に接続される。
【0013】
図示された実施形態における第1パルス生成ネットワーク101は、第1キャパシタ115、第1スイッチング・トランジスタ120(例えば、絶縁されたゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT))及び第1インダクタ125を含む。第1キャパシタ115は、第1高電圧出力110と接地との間に接続される。第1高電圧出力110はさらに、第1スイッチング・トランジスタ120を通じて第1インダクタ125に接続され、フラッシュランプ150は、第1インダクタ125と接地との間に電気的に接続される。第1パルス生成ネットワーク101と第2パルス生成ネットワーク102は、前述の「ELECTROMAGNETIC ENERGY DISTRIBUTIONS FOR ELECTROMAGNETICALLY INDUCED MECHANICAL CUTTING」と題する米国特許出願第11/033,032号の図3に示されたような回路に類似した形態であってもよい。第1パルス生成ネットワーク101に類似した形態の第2パルス生成ネットワーク102は、第2キャパシタ135、第2スイッチング・トランジスタ140及び第2インダクタ145を含む。第2高電圧出力130は、第2キャパシタ135の端子に適用され、第2キャパシタは接地に接続された別の端子を有する。第2高電圧出力130はまた、第2スイッチング・トランジスタ140を通じて第2インダクタ145に接続され、第2インダクタはフラッシュランプ150に接続される。
【0014】
デュアル・パルス幅アナログ・フラッシュランプ駆動回路100の典型的な実施形態においては、第1及び第2キャパシタ115及び135は、それぞれ、例示的な値が約50μFである約30マイクロファラッド(μF)から約70μFの値と、例示的な値が約400μFである約300μFから約600μFの値とを前提とする。第1及び第2キャパシタは、それぞれ、第1及び第2高電圧出力110及び130を受け取ることができる。例示的な実施形態における第1高電圧出力110は、約1500ジュール毎秒(J/s)の速度で第1キャパシタ115を充電することができるインピーダンス・レベルにおいて約1200ボルトから約1500ボルトの範囲の値を有する。実施形態における第2高電圧出力130は、約1ジュール毎秒(J/s)の速度で第2キャパシタ135を充電することができるインピーダンス・レベルにおいて約200ボルトから約500ボルトの範囲とすることができる。第1インダクタ125は、例示的な実施形態において約50μHの定格インダクタンスを有する固体コア・インダクタのような、約30マイクロヘンリー(μH)から約70μHのインダクタンスを含むことができる。第2インダクタ145は、約1ミリヘンリー(mH)のインダクタンスを有する固体コア・インダクタのような、約800μHから約1200μHのインダクタンスを含むことができる。フラッシュランプ150は、700トール・ソースのような450から900トールのソースを含むことができる。第1パルス生成ネットワーク101又は第2パルス生成ネットワーク102の作動をイネーブルにするために、制御装置165からの制御信号155及び160をトランジスタ120及び140の端子に適用することができる。図示された実施形態の典型的な作動モードに従って、第1パルス生成ネットワーク101をイネーブルにすることにより、比較的短い電磁エネルギー・パルスを生成することができ、第2パルス生成ネットワーク102をイネーブルにすることにより、比較的長い電磁エネルギー・パルスを生成することができる。例えば、電磁エネルギー・ハウジング又はハンドセット(図示せず)上のスイッチを含むユーザ入力170は、パルス持続時間及び/又はパルス繰返し数のようなパラメータ(例えば、ユーザ調節可能パラメータ)を指定することができる。特定の実施形態においては、図2に想像的に示された付加的なスイッチング・トランジスタ121及び141は、第1及び第2パルス生成ネットワーク101及び102の電流容量を増加させるために与えられる。
【0015】
図2に図示されたデュアル・パルス幅アナログ・フラッシュランプ駆動回路100の実施形態においては、第1パルス生成ネットワーク101によって比較的短い電流パルス175が生成される。第2パルス生成ネットワーク102は、実質的にここで説明されるように選択されたパラメータを用いて比較的長い電流パルス180を生成することができる。
【0016】
図3は、図2に示されたデュアル・パルス幅アナログ・フラッシュランプ駆動回路100のような、本発明に係るデュアル・パルス幅回路により駆動される電磁エネルギー(例えばレーザ)装置によって生成することができる電磁エネルギー・パルスの3つの例示的なチェーン(a,b,c)を図示するチャートである。チェーン(a)は、比較的長いパルスに従って発生させられた、レーザ・エネルギーのような電磁エネルギーを示す。チェーン(b)は、レーザ・エネルギーのような電磁エネルギーの比較的短いパルスを示し、チェーン(c)は、比較的長いパルスと比較的短いパルスとの混合を示す。製造業者又は技術者とは区別される歯科医又は医師のようなエンドユーザは、例えば、ユーザ入力170(図2)を用いて、発生させられるパルス・チェーンのタイプを選択することができる。
【0017】
図2に示された実施形態によって発生させられた長いパルスを用いて、良好な止血、出血なし、及び切断面の焦げなしの状態で組織を切断するという目的を達成することができる。逆に、同じ実施形態によって発生させられた短いパルスは、手術後の治癒を促すために、出血を伴う切断を与えることができる。別の適用においては、短パルスは硬い組織(例えば、歯のエナメル質、象牙質、骨)の切断に用いることができ、一方、長パルスは軟らかい組織(例えば、歯周、粘膜、肝臓、腎臓)の切断に、及び熱変異を起こさせるのに用いることができる。長パルス及び短パルスの適用例は、例えば、上述の「DUAL PULSE−WIDTH MEDICAL LASER WITH PRESETS」と題する米国特許仮出願第60/601,415号、及び、「ELECTROMAGNETIC ENERGY DISTRIBUTIONS FOR ELECTROMAGNETICALLY INDUCED MECHANICAL CUTTING」と題する米国特許出願第11/033,032号に記載されている。本発明の特定の実装によれば、ここで説明される方法及び装置の使用は、医療(又は歯科)用途のみに制限されるものではなく、本発明によって検討される類似の方法及び装置は、半導体材料を除去し整形するといった産業用途に適用可能である。
【0018】
図4は、処置部位に電磁(例えばレーザ)エネルギーを伝達することができる供給システムの絵画図である。図示された実施形態は、リンク要素225を用いて電磁エネルギー(例えばレーザ)ベース・ユニット230に接続された電磁エネルギー(例えばレーザ)ハンドピース220を含む。リンク要素225は、1つ又はそれ以上の電磁エネルギー(例えばレーザ)導管又はファイバー、空気管、水管などを含む導管235を有することができる。リンク要素225はさらに、導管235を電磁エネルギー・ベース・ユニット230に結合するコネクタ240を含むことができる。コネクタ240は、本発明のいずれかの態様又は修正された態様と適合するように当業者によって適合され又は修正可能な程度まで引用することによりここにその内容全体を組み入れる、「IDENTIFICATION CONNECTOR FOR A MEDICAL LASER HANDPIECE」と題する、2005年7月27日に出願された、米国特許出願第11/192,334号において一層十分に説明されるような識別コネクタとすることができる。電磁エネルギー・ハンドピース20は、細長い部分222とハンドピース先端部245を備えることができ、細長い部分222の中に複数の光ファイバーが配置され、それらは、導管235の中に収容された光ファイバーに接続されるか又はそれらと同じものである。近位(すなわち、電磁エネルギー・ベース・ユニット230に比較的近い)部分221及び遠位(すなわち、電磁エネルギー・ベース・ユニット230から比較的遠い)部分250は、電磁エネルギー・ハンドピース220のそれぞれの近位端及び遠位端に配置することができる。遠位部分250は、そこから突出する出力ファイバー先端部255を有し、これは図5を参照しながら一層詳細に後述される。図示のように、リンク要素225は、第1端226と第2端227を有する。第1端226は、電磁エネルギー・ベース・ユニット230のレセプタクル232に結合される。第2端227は、電磁エネルギー・ハンドピース220の近位部分221に結合される。コネクタ240は、レセプタクル232へのネジ接続を用いて、電磁エネルギー・ベース・ユニット230に機械的に接続することができる。
【0019】
図5は、リンク要素225を通じて電磁エネルギー・ベース・ユニット230及び電磁エネルギー・ハンドピース220の細長い部分222に接続されるハンドピース先端部245(図4参照)の部分切取図である。外面246によって取り囲まれる図示された実施形態は、電磁エネルギー・ベース・ユニット230から電力又は処置電磁(例えばレーザ)エネルギーを受け取ることができる。典型的には、処置電磁エネルギーは、図6を参照しながら後述するように、細長い部分222及びハンドピース先端部245に配置された処置ファイバー300のような導波管を通じて伝送される。一実施形態によれば、処置電磁エネルギー305は、処置ファイバー300のような内部導波管によって受け取られ、電磁エネルギー・ハンドピース220の遠位部分250に配置された第1ミラー315の方に向けられ、そこから反射された電磁エネルギーが出力ファイバー先端部255の方に向けられる。出力ファイバー先端部255によって受け取られた電磁エネルギーは、標的(例えば処置)表面の方に向けられる。本発明のいずれかの態様又は修正された態様と適合するように当業者によって適合され又は修正可能な程度まで引用することによりここにその内容全体を組み入れる、「OUTPUT ATTACHMENTS CODED FOR USE WITH ELECTROMAGNETIC−ENERGY PROCEDURAL DEVICE」と題する、2004年9月17日に出願された、米国特許仮出願第60/610,757号において一層十分に説明されるように、出力ファイバー先端部255は、出力ファイバー先端部255と共に、取り外し可能、交換可能ユニットを形成する先端部フェルール又はスリーブ345の中に入れることができる。
【0020】
図6は、ハンドピース先端部245の実施形態の一部の断面図であり、その断面は、図5の線6−6’に沿って取られている。電磁エネルギー・ファイバー300は、すでに説明したように第1ミラー315の方に向けられた電磁エネルギーを運ぶことができる。別の実施形態によれば、照明ファイバー400のような付加的なファイバーは、可視光、青色光などのような別の形態の電磁エネルギーを運ぶことができ、この電磁エネルギーは、第2ミラー320(図5)の方に向けることができ、そこから、図7を参照しながら一層詳細に後述するように、ハウジング335内に配置された複数の先端部導波管325(図5)の方に向けられる。本発明の別の実装は、標的表面からの反射光、出力ファイバー先端部255から受け取られた反射光の第1部分330、及び複数の先端部導波管325から受け取られた反射光の第2部分(図示せず)を受け取る。第1部分330を含む反射光は、第2ミラー320によって受け取られ、第2ミラーは、反射光を、ハンドピース先端部245の内部に配置されたフィードバック・ファイバー405(図6)に向ける。フィードバック・ファイバー405は、反射光を電磁エネルギー・ベース・ユニット230に伝送し、そこで反射光が、例えば、本発明のいずれかの態様又は修正された態様と適合するように当業者によって適合され又は修正可能な程度まで引用することによりここにその内容全体を組み入れる、「LASER HANDPIECE ARCHITECTURE AND METHODS」と題する2005年8月12日に出願された米国特許出願、及び、「CARIES DETECTION USING TIMING DIFFERENTAILS BETWEEN EXCITATION AND RETURN PULSES」と題する2005年8月12日に出願された米国特許出願に記載されるように解析される。
【0021】
図7は、図5の電磁エネルギー・ハンドピース先端部245のハウジング部分335を通る断面図である。図示された実施形態は、先端部フェルール又はスリーブ345によって囲まれた出力ファイバー先端部255、及び随意的に、出力ファイバー先端部255の周囲のキャビティ350を埋めて出力ファイバー先端部255を所定位置に保持するグルーを示す。ハウジング部分335は、第2ミラー320(図5)から照明光を受け取って照明光を前述のように標的に向けることができる出力ファイバー先端部255の周囲に環状に配置された先端部導波管325を含むことができる。特定の実施形態においては、複数の流体出力380を、ハンドピース先端部245のハウジング部分335内に配置することができ、流体出力380は、例えば、空気と水の混合物を標的に向けるように構成されている。
【0022】
ハンドピース先端部245内でスプレー空気とスプレー水を混合するためのチャンバの実施形態の詳細な説明が図5aに示されている。図示のように、混合チャンバは、例えば、チューブ(図示せず)に接続された空気取り入れ口370を備え、該チューブは、コネクタ240(図2)のスプレー空気接続部に接続され、そこから空気を受け取る。同様に、水取り入れ口375が、チューブ(同じく図示せず)に接続され、該チューブは、コネクタ240(図4)のスプレー水接続部に接続され、そこから水を受け取る。直径約250μmの円形断面を有する空気取り入れ口370及び水取り入れ口375は、典型的な実施形態ではおよそ110°の角度365で接合される。空気取り入れ口370と水取り入れ口375が接合される場所の付近で混合が起こり又は起こり始め、水と空気のスプレー(例えば霧化された)混合物385が流体出力380を通じて放出される。図7に図示された実施形態には、3つの流体出力380が描かれている。これらの流体出力は、例えば、本発明のいずれかの態様又は修正された態様と適合するように当業者によって適合され又は修正可能な程度まで引用することによりここにその内容全体を組み入れる、「ELECTROMAGNETICALLY INDUCED CUTTER AND METHOD」と題する2005年1月24日に出願された米国特許出願第11/042,824号に記載された流体出力のいずれかに対応する、その一部を含む、又はその実質的に全てを含むことができる。図4及び図7に図示されるように、流体出力380は、直径約350μmの大きさの円形断面を有することができる。
【0023】
引用によりここにその内容全体を組み入れる、Waterlase(登録商標)歯科用全組織レーザのユーザ・マニュアル(ここでは「組み入れられたWaterlase(登録商標)ユーザ・マニュアルと呼ぶ」において概説される本発明の1つの態様は、ここではプリセットと呼ぶプログラムされたパラメータ値を含み、プリセットは、種々の外科処置に適用可能である。プリセットは、装置の製造時にプログラムすることができ、その場合、プリセットは、予めプログラムされたプリセットと呼ばれる。或いは又はそれに加えて、プリセットは、エンドユーザによって生成され又は修正され格納されてもよい。一般的な硬い組織及び軟らかい組織の処置のための予めプログラムされたプリセットの例を含む、組み入れられたWaterlase(登録商標)ユーザ・マニュアルの表2を、ここに表1として再現する。










【0024】

【0025】
例示的な実施形態によれば、複数のプリセット(例えば、表1に示されるように、パワー、繰り返し数、パルス持続時間、パルス・エネルギーの1つ又はそれ以上についてのプログラムされた設定、並びに、空気及び水についての設定)を定めることができる。表には示されていないが、本発明の態様は、プリセットの1つとしてパルス持続時間の包含を含む。複数のプリセットを製造時に生成し、電磁エネルギー・ベース・ユニット230(図4)に格納することができる。表1に記載された一般的な硬い組織及び軟らかい組織の処置のための予めプログラムされたプリセット値に加えて、カスタマイズされたパラメータ値の組み合わせを、新しいプリセットとして電磁エネルギー・ベース・ユニット230に格納することができる。本発明の1つの実施によれば、各プリセットは、現在アクティブなパルス持続時間のようなパルス持続時間(例えば、約650から約1000μsまで選択可能又は変動可能なパルス持続時間を有する長パルスモード、又は、約140μsのパルス持続時間を有する短パルスモード)をパラメータとして格納することができ、そしてさらに、ワット(W)単位のパワー、ヘルツ(Hz)単位のパルス繰り返し数、ミリジュール(mJ)単位のパルス当たりのエネルギー、水設定(%)及び空気設定(%)を含む群から1つ又はそれ以上の付加的なパラメータを格納することができる。
【0026】
図8は、所定の又は好ましい値をプリセットとして修正し保存する方法の実施をまとめた流れ図である。図示された実施は、ステップ500で開始され、ステップ505でプリセット番号を選択することによって続行することができ、その後ステップ510でパワー設定を入力することができる。1つの実施形態によれば、電磁エネルギー・ベース・ユニット上のユーザ・インターフェースは、プリセット・ボタンを含む複数のボタンとディスプレイとを含み、それにより、製造業者又は技術者とは区別されるエンドユーザが、選択されたプリセットに関連するボタンを押すことによってプリセットを選択することができる。例えば、当業者には公知の方法でキーパッド上のボタン(例えば、パワーアップ/ダウン・ボタン)を押すことによって、電磁エネルギー(例えばレーザ)ビームの放出パワー・レベルに関連するパワー設定を入力することができる。同様に、例えば、パルス持続時間、繰り返し数、パルス・エネルギー、水設定、及び空気設定についてのそれぞれの値に対応するアップ/ダウン・ボタンを押すことによって、パルス持続時間、繰り返し数、パルス・エネルギー、水設定、及び空気設定の1つ又はそれ以上についての値を、それぞれステップ513、515、520、525及び530において入力することができる。
【0027】
値(例えば、1つ又はそれ以上の値)が入力された後で、レーザ・ハウジング230(図4)のような電磁エネルギー・ハウジングの実施形態は、ステップ535において、エンドユーザが選択されたプリセット・ボタンを押したまま保つことに応答して、入力されたプリセット値を格納し、そして、ステップ540において、入力されたプリセット値が格納されたという可聴通知(例えばブザー音)を待つ。ステップ545において、ブザー音が聞こえるまで(例えば、一実施形態においては約2ないし3秒)エンドユーザは選択されたプリセット・ボタンを保持し続け、可聴通知を待ち続ける。可聴通知が聞こえた後で、ステップ550において、さらにプリセットが格納されるべきかどうかについてのエンドユーザによって下された判断により実施が続く。さらにプリセットが格納されるべきである場合には、この方法の実施は、ステップ505で開始を繰り返すことができる。例えば、全てのプリセットが格納されているときには、方法の実施はステップ555で終わる。プリセットは、格納されると、例えば、例示的実施形態に係るユーザ・インターフェース上のプリセット番号ボタンを押すことによって、実行されるべき医療処置に従って呼び戻すことができる。表1に戻ると、そこに記載されている%空気設定及び%水設定は、約5ポンド毎平方インチ(psi)から約60psiの範囲の圧力及び約0.5リットル/分から約20リットル/分の範囲の圧力で1つ又はそれ以上の流体出力(図5、図5a及び図7の380を参照)に向けられる。液体(例えば水)は、約5psiから約60psiの範囲の圧力及び約2ミリリットル(ml)/分から約100ml/分の範囲の流速で1つ又はそれ以上の流体出力380に向けられる。他の実施形態においては、空気の流速を約0.001リットル/分ほどの低さとすることができ、及び/又は、液体の流速を約0.001リットル/分ほどの低さとすることができる。特定の実装においては、電磁エネルギー・ハンドピース内に配置された水管を通る水の流速は、約84ml/分(例えば100%)であってもよく、電磁エネルギー・ハンドピース220(図4)の空気管を通る空気の流速は、約13リットル/分(例えば100%)であってもよい。これらの値は、組み入れられたWaterlase(登録商標)ユーザ・マニュアルにおいて提案された、或いは、同じ状況で当業者に公知の、流速又は他の流速に関連して理解される。
【0028】
本発明の態様によれば、値の1つ又はそれ以上の組み合わせを、全て又は部分的に、プリセットとして格納することにより、エンドユーザが、例えば作業中にプリセット間で切り替えることができるようになり、それにより、エンドユーザが所定作業の多数の処置を迅速かつ確実に達成することができる。短パルスモード処置及び長パルスモード処置の組み合わせを実施する比較的複雑な作業との関連におけるような効率は、正確さと一緒に増加させることができる。
【0029】
図9は、本発明の態様に係るプリセットを修正し保存することができる医療用電磁エネルギー(例えばレーザ)コントローラ600の例示的実施形態のブロック図である。例えば、電磁エネルギー・ベース・ユニット230(図4)に配置することができる図示された実施形態は、プロセッサ605(例えばマイクロプロセッサ)、ワーキングメモリ610、不揮発性メモリ615、永続的メモリ625、及びユーザ・インターフェース685を備える。実施形態はさらに、電磁エネルギー(例えばレーザ)制御インターフェース670、水制御インターフェース675、及び空気制御インターフェース680を備える。実施形態の上述の要素は、要素間の通信を容易にするシステム・バス665によって相互接続される。図示された実施形態はさらに、ユーザ入力パネル700を備える。幾つかの実施形態においては、プロセッサ605、ワーキングメモリ610(例えばランダム・アクセス・メモリ(RAM))、不揮発性メモリ615、永続的メモリ625、及びクロック(図示せず)のような他のシステム要素を、特定用途向け集積回路(ASIC)として単一のマイクロコントローラ・チップ上に実装することができる。他の実施形態においては、電磁エネルギー制御インターフェース670、水制御インターフェース675、空気制御インターフェース680及びユーザ・インターフェース685をさらに同じチップ上に実装することができる。さらに別の実施形態においては、後者の4つの要素をマイクロコントローラ・チップへの随伴チップ上に実装することができる。本発明によって、これらの及び他の均等な実装が検討される。
【0030】
不揮発性メモリ615は、そこにプリセット620を格納するように構成することができる。図示された実施形態は、#1、#2、#3及び#4と識別される4つのプリセットを有する。プリセット620についてのデフォルト又は予めプログラムされた値は、医療用電磁エネルギー・コントローラ600の製造時に不揮発性メモリ615に格納することができる。しかしながら、それらは変更可能な不揮発性メモリ615に格納されるため、プリセット値は、エンドユーザの制御の下で変化させることができる。変化されると、格納されたプリセット値は、医療用電磁エネルギー・コントローラ600に供給される電気エネルギーが存在しなくても格納されたデータの完全性を維持することができる不揮発性メモリ615に保持される。
【0031】
例えば、ASICの製造時にプログラムすることができる永続的メモリ625は、プロセッサ605によって実行されたときに医療用電磁エネルギー・コントローラ600に本発明に係る機能を実行させることが可能な命令シーケンスを格納することができる。図示された実施形態におけるこれらの命令シーケンスは、実行命令シーケンス630、電磁エネルギー(例えばレーザ)制御命令シーケンス635、水制御命令シーケンス655、空気制御命令シーケンス660、及びユーザ・インターフェース制御命令シーケンス730を含むことができる。電磁エネルギー制御命令シーケンス635は、例として、パワー制御命令シーケンス640、パルス持続時間制御命令シーケンス638、繰り返し数制御命令シーケンス645、及びパルス・エネルギー制御命令シーケンス650を含むことができる。この及び他の実施形態における永続的メモリ625は、例えば、本発明の直接作用範囲から逸脱した又は範囲外の電磁エネルギー・ハンドピース機能に関連する付加的な命令シーケンスを格納することができる。例えば、永続的メモリ625は、エンドユーザ入力に従う電磁エネルギー・パルスの形状を制御する命令シーケンス、並びに、医療用電磁エネルギー(例えばレーザ)システムの作動に関連する同様のタイプの命令シーケンスを含むことができる。実行命令シーケンス630は、プロセッサ605に、上述の命令シーケンス、並びに、ここで説明されない付加的な命令シーケンスを最小限にスケジューリングさせ調整させることができる。
【0032】
例示的な作動モードによれば、図9の実施形態は、ユーザ通信ライン690上でエンドユーザからの入力、すなわちエンドユーザ入力を受け取る。ユーザ通信ライン690は、複数のプリセット・ボタン695、選択ボタン720、増加ボタン715、減少ボタン725、及びスピーカ735が配置されたユーザ入力パネル700に接続することができる。液晶ディスプレイ(LCD)のような機能表示ストリップ705は、選択ボタン720に従って選択された機能を表示することができ、値表示ストリップ710に数値パラメータ値が表示される。ユーザ通信ライン690上でエンドユーザ入力が受け取られたときに、ユーザ・インターフェース685は、ユーザ入力パネル700とプロセッサ605との間で情報を通信することができる。例えば、プロセッサ605は、エンドユーザ入力に従って機能表示ストリップ705に示されたメッセージ及び/又は値表示ストリップ710に示された値のような表示をプロセッサ605に最小限に更新させる、ユーザ・インターフェース制御命令シーケンス730を実行することができる。特に、ユーザ・インターフェース制御命令シーケンス730はさらに、プロセッサ605にユーザ・インターフェース685と対話させて、例えば、エンドユーザによって与えられた入力に従ってプリセット値620を修正し格納させることができる。ユーザ・インターフェース制御命令シーケンス730はさらに、プロセッサ605にスピーカ735をアクティブ化させることができる。
【0033】
再び図8を参照し、引き続き図9を参照すると、エンドユーザは、例えば、一組のプリセット値を修正し格納することができる。エンドユーザは、ステップ505においてプリセット番号を選択することができ、ユーザ入力パネル700上の複数のプリセット・ボタン695の1つを押すことができる。ユーザ・インターフェース685は、ユーザ通信ライン690上で、選択されたプリセット番号に従って入力を受け取ることができる。ユーザ・インターフェース685はさらに、エンドユーザ入力に従ってプロセッサ605と通信することができる。プロセッサ605は、ユーザ・インターフェース685から受け取った情報に従って、プロセッサ605に機能表示ストリップ705及び値表示ストリップ710のコンテンツを最小限に更新させることができる、ユーザ・インターフェース制御命令シーケンス730を実行することができる。当業者によって理解されるユーザ・インターフェース制御命令シーケンス730に従って、プロセッサ605とユーザ入力パネル700との間の同様の対話を行うことができる。ステップ505においてプリセット番号を選択した後で、エンドユーザは、例えば、図8のステップ510に従って、機能表示ストリップ705においてパワー表示が観察されるまで、ユーザ入力パネル700上の選択ボタン720を押すことができる。エンドユーザは、例えば、値表示ストリップ710において現在アクティブなパワー設定に対応する数値を観察し、増加ボタン715を押してパワー設定を増加させることによって、パワー設定を入力することができる。エンドユーザはまた、減少ボタン725を押すことによってパワー設定を減少させることができる。いずれの場合にも、エンドユーザは、パワーについての所望の値が値表示ストリップ710に表示されるまで、増加ボタン715及び/又は減少ボタン725を押し続けることができる。エンドユーザは、再び選択ボタン720を押して、機能表示ストリップ705のコンテンツを、例えば、図8のステップ513に従ってPUL DUR(例えば、電磁エネルギー・パルス持続時間の表示)変化させることができる。また、ユーザ・インターフェース命令シーケンス730は、プロセッサ605に、選択されたプリセットに従って電磁エネルギー・パルス持続時間についての現在格納された値を値表示ストリップ710に表示させることができる。次いで、エンドユーザは、既に説明されたのと同様の方法で増加ボタン715及び減少ボタン725を押すことによって、表示ストリップ710に表示された値を調節することができる。
【0034】
エンドユーザは、例えば、図8のステップ515、520、525及び530に従って選択されたプリセット番号についてのパラメータ値の更新を開始し続けることができる。ユーザ・インターフェース制御命令シーケンス730は、プロセッサ605に、例えば更新されたパラメータ値を、ワーキングメモリ610に格納させることができる。エンドユーザが所望のパラメータ値の更新を完了したときには、エンドユーザは、プリセット・ボタン695のうちの選択された1つを押し続けることができる。ユーザ・インターフェース制御命令シーケンス730は、プロセッサ605にタイミング命令シーケンス(図示せず)を実行させて、約2ないし3秒間待ち、この時間間隔の後で、ユーザ命令制御シーケンス730は、プロセッサに更新されたパラメータ値を不揮発性メモリ615に移動させ、格納されたプリセット620のうちの選択された1つのコンテンツを更新させることができる。ユーザ・インターフェース制御命令シーケンス730は、プロセッサ605に可聴信号(例えばブザー音)をスピーカ735に伝送させることができる。
【0035】
ここで、短パルスモード処置及び長パルスモード処置の組み合わせに関係する幾つかの作動を説明する。多くの場合、所与の作動について、幾つかの又は全てのパラメータ(例えばパワー、パルス繰り返し数など)についての値は、長パルスモード処置についての値に比べて短パルスモード処置について異なっている。以下に概説される作動は、異なる時点で別個の短パルス(図3(b)参照)及び長パルス(図3(a)参照)で作動するWaterlase(登録商標)装置のようなカッターに関連して説明されるが、修正された、しかし必ずしも交換可能でない実装は、短パルスモード・パルスシーケンスに点在する長パルスを含むことができ、及び/又は、長パルスモード・パルスシーケンスに点在する短パルスを含むことができる。例えば、1つ又はそれ以上の所与の作動の長パルスモード以下の処置は、長パルスのみの長パルスモード・パルスシーケンスの代わりとして、複数の交互の長パルス及び短パルス(例えば図3(c))を含む長パルスモード・パルスシーケンスを実施することができる。以下の例においては、Waterlase(登録商標)装置のようなカッターを用いて実施される作動が、所与の作動の幾つかの処置のために短パルスモードが用いられ、作動の他の処置のために長パルスモードが用いられる、種々の作動について解説される。これらの例は、根管表面の修正、用意されたキャビティ表面の修正、歯肉線における又は歯肉線の下の根の表面の修正(結合を強化するための用意されたキャビティ表面の修正を含み、さらに外側の根の表面を知覚鈍麻させ又はその他の形で治療することを含む)、及び根尖切除処置を含む。
【0036】
根管表面の修正
組み入れられたWaterlase(登録商標)ユーザ・マニュアルの付録Cは、根管臨床プロトコルを記載しており、それを図10に抜粋する。組み入れられたWaterlase(登録商標)ユーザ・マニュアルに示されたような処置のための作動パラメータ(例えば、パワー、パルス繰り返し数、パルス当たりのエネルギー、水の百分率及び/又は空気の百分率、並びに、別の選択肢としてパルス持続時間)は、手動で入力することができ、又は、上記の表1に示されたプリセットのようなプリセットを用いて呼び出すことができる。
【0037】
本発明の態様によれば、電磁エネルギー・ベース・ユニット230(図4)の一部をなすモニタは、出力ファイバー先端部のような種々の出力付属品の使用を教示する。例示的実装によれば、種々の出力付属品は、G6、Z2、Z3などと識別される出力ファイバー先端部の形態で具体化される。モニタは、所与の作動又は処置の様々な時点で種々の出力付属品の使用を教示することができる。本発明の実施形態は、色パターンを有する出力先端部を示す及びそれに対応する色コード又は位置コードの可視指示を含むことができ、「OUTPUT ATTACHMENTS CODED FOR USE WITH ELECTROMAGNETIC−ENERGY PROCEDURAL DEVICE」と題する、2004年9月17日に出願され、上記に引用された米国特許仮出願第60/610,757号において一層十分に説明されるように、種々の時点で種々の付属品が用いられる。
【0038】
組み入れられたWaterlase(登録商標)ユーザ・マニュアルの付録Cに記載された根管臨床プロトコルの、図10のステップ810−880に対応するステップ1−8の一部又は全てを実装することに関連して、例えば電磁エネルギー・ベース・ユニット230(図4)上の第1ディスプレイは、ステップ810においてエンドユーザがエナメル質及び象牙質を切断するのに適した作動パラメータの設定(手動又はプリセット)でG6出力ファイバー先端部を用いて髄腔へのアクセスを準備することを教示することができる。例えば、上記の表1に与えられるようなプリセット#1及び#2は、髄腔へのアクセスを準備するために用いることができる。第1ディスプレイ又はその後のディスプレイは、次にステップ820においてエンドユーザが同じ出力ファイバー先端部を使用して適切な作動パラメータの設定で感染/壊死歯髄の歯冠部分を除去することを教示することができる。一実施形態によれば、作動パラメータは、プリセットであってもよい。同じ又はその後のディスプレイは、ステップ830において、エンドユーザが、作動パラメータの適切な設定(手動又はプリセット)を用いてZ2出力ファイバー先端部を用いる初期器械使用を行うことを教示することができる。同じ又はその後のディスプレイは、ステップ840において、エンドユーザに、例えば、Z2出力ファイバー先端部を用いてレーザ根管拡大を行うことを教示することができる。同様のディスプレイは、ステップ850において、エンドユーザに、Z2出力ファイバー先端部を用いて作動長さを測定し、ステップ860においてZ2出力ファイバー先端部を用いて根管を拡大することを教示することができる。ステップ870において、エンドユーザは、同じ又はその後のディスプレイによって、Z3出力ファイバー先端部を用いて根管を拡大することを教示される。次いで、同じ又はその後のディスプレイは、ステップ880においてエンドユーザにZ4出力ファイバー先端部を用いて根管を拡大することを教示することができる。全ての先行するディスプレイはさらに、エンドユーザに、適切な作動パラメータ設定(例えば、電磁エネルギー(例えばレーザ)パワー、パルス持続時間、パルス繰り返し数、パルス・エネルギー、並びに、水及び空気の設定についての手動又はプリセット値)を用いることを教示することができる。
【0039】
図10に記載された根管臨床プロトコルのステップ810−880は、例えば、短パルスモード(プリセットを用いる作動のためにステップ840−880のパラメータが呼び戻される)を用いて全て又は部分的に実行することができる。前及び/又は後洗浄ステップ(組み入れられたWaterlase(登録商標)ユーザ・マニュアルの付録Cのステップ9参照)は、例えば、露出した細管構造体又は開口部を修正する(例えば閉じる)ために、長パルスモードのWaterlase(登録商標)を用いて根管の表面(例えば側壁表面)を修正することを含む、又はそれに先導されてもよい。例えば、Waterlase(登録商標)装置を含むカッターは、約1.5−2Wのパワー、約30Hzのパルス繰り返し数、約50mJのパルス当たりのエネルギー、約20%の水設定及び約40%の空気設定に設定することができる(例えば、エンドユーザがプリセットをアクティブ化するか又は手動によって)。次いで、根管の表面を、ステップ840−880と同様のプロトコルを用いて修正することができる。例えば、Z2、Z3及び/又はZ4出力ファイバー先端部は、各々、5−10の上方へのストロークに連続的に用いることができ、例えば、各々の上方へのストロークは、約5秒のレーザ放出に関係し、下方へのストロークは、レーザ放出を伴わない。別の実施形態においては、長パルス処置は、Z2及びZ3出力ファイバー先端部ではなく、Z4出力ファイバー先端部のみを用いることができる。
【0040】
準備されたキャビティ表面の修正
キャビティは、例えば、短パルスモード(例えば、当業者には公知のもの、又は組み入れられたWaterlase(登録商標)ユーザ・マニュアルにおいて提案されたもののいずれかとすることができる)を、組み入れられたWaterlase(登録商標)ユーザ・マニュアルにおいて提案された、又はそうでなければ当業者に公知の技術(組み入れられたWaterlase(登録商標)ユーザ・マニュアルの表2−6及び関連するテキスト)と組み合わせて用いて、最初に用意される。キャビティの作成後に、しかしそれを埋める前に、用意されたキャビティ表面を、例えば結合特性を強化するように修正することができる。カッター(例えばWaterlase(登録商標))は、約2.5−3Wのパワー、約30Hzのパルス繰り返し数、約80−100mJのパルス当たりのエネルギー、約10−15%の水設定及び約25−30%の空気設定に設定することができる(例えば、エンドユーザがプリセットをアクティブ化するか又は手動により)。次いで、用意されたキャビティの表面を、例えば5−15秒の時間にわたって全ての結合面をカバーする円形運動を用いて修正することができる。
【0041】
歯肉線における又は歯肉線の下の根の外表面の修正
根の外表面は、(1)結合を強化するために用意されたキャビティ表面を修正すること、及び(2)根の外表面を知覚鈍磨し又はその他の形で治療すること、の少なくとも1つを実行するために長パルスモードを用いて修正することができる。これらの作動のいずれも、カッターを、例えば、約3Wのパワー、約30−40Hzのパルス繰り返し数、約80−100mJのパルス当たりのエネルギー、約15−20%の水設定及び約40%の空気設定に設定することによって実行することができる。
【0042】
1.結合を強化するために用意されたキャビティ表面を修正する
結合を強化するために用意されたキャビティ表面を修正することに関係する、根の外表面上の作動に関して、例えば、根の外表面の歯肉線上に又はそのすぐ下にう食が存在する場合には、短パルスモードでう食組織を除去するために、カッター(例えばWaterlase(登録商標))を実装することができる。一般に当業者には公知の又は組み入れられたWaterlase(登録商標)ユーザ・マニュアルによって提案された短パルスモード・パラメータを用いることができる。例示的な実施形態によれば、パラメータは、例えば、組み入れられたWaterlase(登録商標)ユーザ・マニュアルの表2−6及び関連する文書において提案された技術を用いて処置のために呼び戻される(プリセットを介して又は手動で)。根の外表面上にキャビティを用意した後に、しかしそれを埋める前に、用意されたキャビティ表面を、例えば、結合特性を強化するために修正することができる。カッター(例えばWaterlase(登録商標))は、長パルスモードに、及び、「Modification of Prepared Cavity Surfaces」と題する前節において開示された設定に設定することができ、次いで、用意されたキャビティの表面を、例えば5−15秒の例示的な時間にわたって関連する結合面をカバーする円形運動を用いて修正することができる。修正された実施形態においては、短パルスモード及び長パルスモード処置は、時には交換し又は組み合わせることができる。
【0043】
2.根の外表面を知覚鈍磨し又はその他の形で治療する
根の外表面を知覚鈍磨し又は露出される程度までその他の方法で治療するために、出力ファイバー先端部は、(過敏さに応じて)表面から約2−5ミリメートル(mm)に位置決めし、作動させることができる。レーザ放出は、円形運動を用いて適用し、確実に患者が痛みを感じないようにすることができる。特定の例においては、レーザ放出は、円形運動を伴ってレーザ放出しながら、表面から約5mmのところで出力ファイバー先端部を用いて開始することができ、出力ファイバー先端部は、確実に患者が痛みを感じないようにしながら、表面から約2−3mmの距離まで近づけていくことができる。カリフォルニア州サンクレメンテ所在のBioLase Technology,Inc.によって製造されたs75出力ファイバー先端部を用いることができ、露出した根の表面を治療するためのレーザ放出適用時間は約30−60秒とすることができる。
【0044】
カッター(例えばWaterlase(登録商標))を、例えば、約1−2Wのパワー、約40−50Hzのパルス繰り返し数、約20−40mJのパルス当たりのエネルギー、約0%の水設定及び約10−20%の空気設定に設定することによって(例えばエンドユーザがプリセットをアクティブ化することを介して又は手動で)、妨害する歯肉組織を、治療されるべき根の外表面が露出されない程度まで長パルスモードで除去することができる。別の実施形態においては、カッターは、この開示又は組み入れられたWaterlase(登録商標)ユーザ・マニュアル(例えば表2−6及び関連する文書参照)によって提案されたものに照らして当業者には公知の技術を用いて、短パルスモードで実行することができる(長パルスモードの実行と同様に、この開示又は組み入れられたWaterlase(登録商標)ユーザ・マニュアル(例えば表2−6及び関連する文書参照)によって提案されたものに照らして当業者に公知又は明らかなパラメータを、プリセットを介して又は手動で処置のために呼び戻すことができる)。修正された実行においては、この処置に関連して、例えば長パルスモードでの切断後に短パルスモードで切断すること、この逆、及び/又は、短パルスモード・パルスシーケンスに点在する長パルス及び/又は長パルスモード・パルスシーケンスに点在する短パルスを用いる処置を含むように、あらゆる順序又は割合でいずれか2つのモードを組み合わせることができる。
【0045】
根尖切除処置
組み入れられたWaterlase(登録商標)ユーザ・マニュアルの付録Cに記載されるような根尖切除処置における歯肉組織の切断中に、(例えばエンドユーザがプリセットをアクティブ化することによって、又は手動で)長パルスモードに切り替えることによって歯肉組織の出血が減弱され又は治療され、これは、例えば、カッターを約1−2Wのパワー、約40−50Hzのパルス繰り返し数、約20−40mJのパルス当たりのエネルギー、約0%の水設定及び約10−20%の空気設定に、及び/又は、組み入れられたWaterlase(登録商標)ユーザ・マニュアルの表4において開示されるような値の組み合わせに設定する。プリセットを用いて、根尖処置を取り上げる付録Cのセクションに記載されるような短パルスモード処置をイネーブルにすることができる。組み入れられたWaterlase(登録商標)ユーザ・マニュアルの付録Cに記載された根尖切除処置を参照すると、ここでの開示によって修正されるように、他の実行は、例えば長パルスモードでの切断後に短パルスモードで切断すること、この逆、及び/又は、短パルスモード・パルスシーケンスに点在する長パルス及び/又は長パルスモード・パルスシーケンスに点在する短パルスを用いる処置を含むように、あらゆる順序又は割合で使用され又は組み合わされたいずれか2つの(すなわち長パルスと短パルス)柔軟組織切断モードを含むことができる。この開示は、小帯切除術のような他の柔軟組織処置に延長することができる。根尖切除処置の例として、第1プリセットが、短パルスモード切開/切断を容易にするためにエンドユーザによってアクティブ化され、その後、エンドユーザは、例えば、出血が減少された切断又は凝固を含む長パルスモード処置を容易にするために(組織に約5−10秒間レーザ放出することにより)第2プリセットをアクティブ化し、それにより、作動は、2つの(すなわち長パルスと短パルス)切断モードの1つ又はそれ以上に又はそれらの間で、さらに切り替え続けることができる。
【0046】
BioLase Technology,Inc.に譲渡された、米国特許第5,741,247号、米国特許第5,785,521号、米国特許第5,968,037号、米国特許第6,086,367号、米国特許第6,231,567号、米国特許第6,254,597号、米国特許第6,288,499号、米国特許第6,350,123号、米国特許第6,389,193号、米国特許第6,544,256号、米国特許第6,561,803号、米国特許第6,567,582号、米国特許第6,610,053号、米国特許第6,616,447号、米国特許第6,616,451号、米国特許第6,669,685号、米国特許第6,744,790号、及び米国特許第6,821,272号に記載された対応する又は関連する構造体及び方法は、引用によりその全てがここに組み入れられ、こうした組み込みは、この開示に係る本発明、こうした特許、並びに、当業者の知識及び判断(i)と共に作動可能、(ii)と共に作動可能になるように当業者によって修正され、及び/又は、(iii)のいずれかの部分と共に実施され/使用され又は組み合わされることが可能な上記の特許における対応する又は関連する構造体(及びその修正)を含む。例えば、本発明の図示された実施形態のフラッシュランプ150からの出力光エネルギー分布は、フラッシュランプ150によって駆動されるレーザのような電磁エネルギー源の切断作用を最適化し又は最大化するのに有用である。電磁エネルギー出力は、例えば、標的面の上の流体(例えば、流体粒子の霧化された分布)の中に向けることができる。電磁エネルギーを標的面の上の流体粒子の霧化された分布の中に向けるための装置は、上記に引用された米国特許第5,574,247号において開示されている。長及び/又は短パルスは、好ましくは水を含む流体(例えば霧化された流体粒子)に大量のエネルギーを与え、それにより流体(例えば流体粒子)を膨張させ、分裂(例えば機械的)切断力を標的面に適用することができる。
【0047】
上記に照らして、本発明の方法は、電磁エネルギー装置、特定の例においては複数のパルス持続時間を有するレーザパルスの生成能力を呈する医療用レーザ装置の作動を容易にすることができる。上述の実施形態は、単なる例として与えられたものであり、本発明はこれらの例に限定されない。上記の説明を考慮した当業者によって、相互に排他的とならない程度まで、開示された実施形態への多数の変化及び修正が加えられるであろう。
例えば、複数(例えば2つ以上)の高電圧出力及び対応するパルス生成ネットワーク(例えば、種々のパルス幅の3つ又はそれ以上の出力を生成するための)が、本発明によって考慮される。本発明は、例えば止血型及び出血型組織切断作用のような多数の処置又は切断作用を容易にするための例えばエルビウム型のレーザに関連して、異なる電磁エネルギー・パルス持続時間及び種々の量の流体(例えば、水ストリーム、スプレー又はミスト)と共に用いられ、又はそれらを実装するように構成される。例えば、約3μmの波長、並びに、50μs及び1000μsのパルス持続時間を実装して、必要に応じて第1及び第2切断作用を与えることができる。
【0048】
本発明はまた、種々の持続時間を有するパルスの生成におけるキャパシタ充電電力供給装置と共に用いるか、又はそれと共に構成することができ、こうした修正は、幾つかの場合、限定されたパルス繰り返し数、比較的高価な駆動回路、ベル形状ではなく若干矩形のパルス形状、及び比較的多数の、容積の大きい、及び/又は重いキャパシタといった問題を与える。
本発明は、第1及び第2パルス生成ネットワークに関連して説明されたが、それぞれ第1及び第2パルス生成ネットワークに類似しているが異なる長さのパルスを生成するために構成されている、より多い数のパルス生成ネットワークも考慮されていることを理解されたい。さらに、本発明は、電磁エネルギー出力装置のための2つのパルス出力を生成するために単一の電力供給装置を使用することに関連して説明されているが、3つ又はそれ以上のパルス生成ネットワークを用いる本発明の実装は、単一の電力供給装置を含むことができ、又は、パルス生成ネットワークの数より少ない数の電力供給装置を含むことができる。
さらに、他の組み合わせ、省略、置換及び修正が、ここでの開示に照らせば当業者には明らかであろう。従って、本発明は、開示された実施形態によって限定されるのではなく、特許請求の範囲の請求項を参照することによって定義されることを意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の方法の実行を説明する流れ図である。
【図2】本発明に係るデュアル・パルス幅フラッシュランプ駆動回路の実施形態を図示する概略図である。
【図3】本発明の種々の態様に係る図2に示されたデュアル・パルス幅フラッシュランプ駆動回路によって生成された短、長、及び混合電磁エネルギー・パルスを示すプロットである。
【図4】本発明の例示的な実施形態に係る、電磁エネルギーを処置部位に送出することができる給送システムの絵画図である。
【図5】本発明の例示的な実施形態に係るハンドピース先端部の部分切取図である。
【図5a】図5のハンドピース先端部内でスプレー空気とスプレー水を混合するためのチャンバの実施形態の詳細図である。
【図6】本発明の態様に係る線6−6’に沿って取られた、図4のハンドピース先端部の断面図である。
【図7】本発明の別の態様に係る図4の線7−7’に沿って取られた、ハンドピース先端部の断面図である。
【図8】本発明に係るプリセットとして指定された値を修正し保存する方法の実行をまとめた流れ図である。
【図9】本発明に係るプリセットを修正し保存することができる医療用電磁エネルギー・コントローラの実施形態のブロック図である。
【図10】プリセットが本発明の例示的な実施形態に従って用いられる、根管臨床プロトコルを概説する流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁エネルギー出力装置のデュアル・パルス出力を生成するために電力供給装置を用いる方法であって、
第1パルス出力を生成するように構成された第1パルス生成ネットワークを駆動することができる第1高電圧出力を電力供給装置から提供し、
第2パルス出力を生成するように構成された第2パルス生成ネットワークを駆動することができる第2高電圧出力を電力供給装置から提供する、
ことを含む方法。
【請求項2】
前記第1パルス生成ネットワークからの出力及び前記第2パルス生成ネットワークからの出力の少なくとも1つによってポンピングすることができるポンピング源を提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1パルス出力を用いて前記ポンピング源をポンピングすることによって第1持続時間を有するパルスを生成し、
前記第2パルス出力を用いて前記ポンピング源をポンピングすることによって第2持続時間を有するパルスを生成する、
ことをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1パルス出力を用いて前記ポンピング源を繰り返しポンピングすることによって複数のパルスを生成することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2パルス出力を用いて前記レーザ・ポンピング源を繰り返しポンピングすることによって複数のパルスを生成することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
各々が、前記第1パルス出力を用いて前記レーザ・ポンピング源をポンピングすることによってもたらされた第1持続時間と、前記第2パルス出力を用いて前記レーザ・ポンピング源をポンピングすることによってもたらされた第2持続時間との1つを有する、複数のパルスを生成することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
エンドユーザから制御入力を受け取り、
前記制御入力に従って前記パルスの生成を制御する、
ことをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1持続時間を有するパルスを生成することが、約50マイクロ秒の持続時間を有するパルスを生成することを含み、
前記第2持続時間を有するパルスを生成することが、約1000マイクロ秒の持続時間を有するパルスを生成することを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記第1高電圧出力を提供することが、約1500ボルトの電圧を提供することを含み、
前記第2高電圧出力を提供することが、約500ボルトの電圧を提供することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が組織を切断することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記電磁エネルギー出力装置が、前記電力供給装置によってポンピングされるレーザである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
電磁エネルギー出力装置のデュアル・パルス出力を生成するために電力供給装置を用いる方法であって、
電力供給装置から複数の高電圧出力を提供し、
前記複数の高電圧出力が駆動する、複数のパルス生成ネットワークを提供する、
ことを含む方法。
【請求項13】
前記複数の高電圧出力を提供することが、2つの高電圧出力を提供することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のパルス生成ネットワークを提供することが、2つのパルス生成ネットワークを提供することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のパルス生成ネットワークによってポンピングされることが可能なレーザ・ポンピング源を提供することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記方法が組織を切断することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記電磁エネルギー出力装置が、前記電力供給装置によってポンピングされるレーザである、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
第1電圧レベルで第1高電圧出力を、及び第2電圧レベルで第2高電圧出力を供給することができる単一の電力供給装置を有する装置と、
ポンピング源と、
前記第1高電圧出力を受け取ることができ、そしてさらに前記ポンピング源を駆動することができる、第1パルス生成ネットワークと、
前記第2高電圧出力を受け取ることができ、そしてさらに前記ポンピング源を駆動することができる、第2パルス生成ネットワークと、
を備えた装置。
【請求項19】
前記装置がレーザ装置であり、前記ポンピング源がレーザ・ポンピング源であることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記装置が組織の切断を容易にするように構成されたことを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記レーザ装置は、前記第1パルス生成ネットワークが前記レーザ・ポンピング源を駆動するときに、第1持続時間を有するレーザパルスを生成することができ、
前記レーザ装置は、前記第2パルス生成ネットワークが前記レーザ・ポンピング源を駆動するときに、第2持続時間を有するレーザパルスを生成することができる、
請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記第1持続時間は前記第2持続時間とは異なっていることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記第1パルス生成ネットワークに前記レーザ・ポンピング源を選択的に駆動させ、
前記第2パルス生成ネットワークに前記レーザ・ポンピング源を選択的に駆動させる、
ことができる制御入力をさらに備えたことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記第1パルス生成ネットワーク及び前記第2パルス生成ネットワークは、エンドユーザの制御の下で選択可能であることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記第1電圧レベルが約1500ボルトであり、
前記第2電圧レベルが約500ボルトである、
ことを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項26】
前記第1パルス生成ネットワークが、
前記第1高電圧出力を受け取る第1キャパシタと、
前記レーザ・ポンピング源に結合された第1インダクタと、
前記第1キャパシタを前記第1インダクタに結合するスイッチング・トランジスタと、
を含み、前記第2パルス生成ネットワークが、
前記第2高電圧出力を受け取る第2キャパシタと、
前記レーザ・ポンピング源に結合された第2インダクタと、
前記第2キャパシタを前記第2インダクタに結合するスイッチング・トランジスタと、
を含むことを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項27】
前記第1キャパシタが約50マイクロファラッドのキャパシタンスを有し、
前記第1インダクタが約50マイクロヘンリーの定格インダクタンスを有する固体コア・インダクタであり、
前記第2キャパシタが約400マイクロファラッドのキャパシタンスを有し、
前記第2インダクタが約1ミリヘンリーの定格インダクタンスを有する、
ことを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記レーザ・ポンピング源がフラッシュランプを含むことを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項29】
第1持続時間及び第2持続時間を有する一連の電磁エネルギー・パルスを放出することができる電磁エネルギー放出装置と、
エンドユーザが所定の一連の電磁エネルギー・パルスから選択し、ユーザ定義された一連の電磁エネルギー・パルスをプリセットとして生成して格納することができるように構成されたユーザ・インターフェースと、
を含み、前記所定の一連の電磁エネルギー・パルス及び前記ユーザ定義された一連の電磁エネルギー・パルスが、装置によって組織上に向けられたときに組織を切断するようになっている、装置。
【請求項30】
前記所定の一連の電磁エネルギー・パルス及び前記ユーザ定義された一連の電磁エネルギー・パルスが、パワー、パルス持続時間、パルス繰り返し数、及びパルス当たりのエネルギーを指定することを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記ユーザ・インターフェースは、前記エンドユーザがパルス持続時間パラメータから選択できるようにすることによって、前記エンドユーザがユーザ定義された一連の電磁エネルギー・パルスをプリセットとして生成し格納できるようにすることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項32】
前記ユーザ・インターフェースは、前記エンドユーザが水設定及び空気設定からさらに選択できるようにすることによって、前記エンドユーザがユーザ定義された一連の電磁エネルギー・パルスをプリセットとして生成し格納できるようにすることを特徴とする請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記ユーザ・インターフェースは、前記エンドユーザがパワー、パルス持続時間、パルス繰り返し数、及びパルス当たりのエネルギー・パラメータから選択できるようにすることによって、前記エンドユーザがユーザ定義された一連の電磁エネルギー・パルスをプリセットとして生成し格納できるようにすることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項34】
前記ユーザ・インターフェースは、前記エンドユーザが水設定及び空気設定からさらに選択できるようにすることによって、前記エンドユーザがユーザ定義された一連の電磁エネルギー・パルスをプリセットとして生成し格納できるようにすることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記パルス持続時間に係るパラメータが、ユーザ定義された一連のものとして前記装置によって格納されたことを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項36】
パワー、パルス繰り返し数、パルス当たりのエネルギー、水設定及び空気設定の少なくとも1つに係るさらなるパラメータが、ユーザ定義された一連のものとして前記装置によって格納されたことを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項37】
プロセッサと、
不揮発性メモリと、
ユーザ・インターフェースと、
前記プロセッサ、前記不揮発性メモリ、及び前記ユーザ・インターフェース間の通信を与えるシステム・バスと、
を含むコントローラをさらに備え、前記プロセッサが、前記ユーザ・インターフェースからユーザ入力を受け取り、前記ユーザ入力に係るプリセットを格納するようにプログラムされたことを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項38】
前記電磁エネルギー放出装置が医療用レーザ装置を含み、
前記電磁エネルギー・パルスがレーザパルスを含む、
ことを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項39】
前記所定の一連の電磁エネルギー・パルス及び前記ユーザ定義された一連の電磁エネルギー・パルスが、パワー、パルス持続時間、パルス繰り返し数、及びパルス当たりのエネルギーを指定することを特徴とする請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記ユーザ・インターフェースは、前記エンドユーザがパルス持続時間パラメータからさらに選択できるようにすることによって、前記エンドユーザがユーザ定義された一連の電磁エネルギー・パルスをプリセットとして生成し格納できるようにすることを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記ユーザ・インターフェースは、前記エンドユーザが水設定及び空気設定からさらに選択できるようにすることによって、前記エンドユーザがユーザ定義された一連の電磁エネルギー・パルスをプリセットとして生成し格納できるようにすることを特徴とする請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記ユーザ・インターフェースは、前記エンドユーザがパワー、パルス持続時間、パルス繰り返し数、及びパルス当たりのエネルギー・パラメータから選択できるようにすることによって、前記エンドユーザがユーザ定義された一連の電磁エネルギー・パルスをプリセットとして生成し格納できるようにすることを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項43】
前記ユーザ・インターフェースは、前記エンドユーザが水設定及び空気設定からさらに選択できるようにすることによって、前記エンドユーザがユーザ定義された一連の電磁エネルギー・パルスをプリセットとして生成し格納できるようにすることを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記パルス持続時間に係るパラメータが、ユーザ定義された一連のものとして前記装置によって格納されたことを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項45】
パワー、パルス繰り返し数、パルス当たりのエネルギー、水設定及び空気設定の少なくとも1つに係るさらなるパラメータが、ユーザ定義された一連のものとして前記装置によって格納されたことを特徴とする請求項44に記載の装置。
【請求項46】
プロセッサと、
不揮発性メモリと、
ユーザ・インターフェースと、
前記プロセッサ、前記不揮発性メモリ、及び前記ユーザ・インターフェース間の通信を与えるシステム・バスと、
を含むコントローラをさらに備え、前記プロセッサが、前記ユーザ・インターフェースからユーザ入力を受け取り、前記ユーザ入力に係るプリセットを格納するようにプログラムされたことを特徴とする請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記プリセットが不揮発性メモリに格納されたことを特徴とする請求項46に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5a】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−509755(P2008−509755A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525858(P2007−525858)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/028891
【国際公開番号】WO2006/020946
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(506236462)バイオレーズ テクノロジー インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】