説明

プログラム

【課題】車載用ハンズフリー装置に登録された携帯通信端末のデバイスアドレスを使用してユーザを特定する際、携帯通信端末を変更した場合でも同一ユーザと認識し、設定及びユーザデータを引き継ぐ。
【解決手段】プログラムは、車載用ハンズフリー装置に、ユーザが保有する携帯通信端末であって、予め車載用ハンズフリー装置に登録されている携帯通信端末のリストをユーザに提示する第1の手順(S01)と、ユーザにより選択された引継ぎ元の携帯通信端末のデバイスアドレスをユーザ毎の設定及びユーザデータに対応させて記憶する第2の手順(S09)と、その後、引継ぎ先の携帯通信端末と通信を行って、引継ぎ先の携帯通信端末からデバイスアドレスを取得する第3の手順(S17でYES)と、引継ぎ元の携帯通信端末のデバイスアドレスに対して引継ぎ先の携帯通信端末からデバイスアドレスを上書きして記憶する第4の手順(S23)とを実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが保有する携帯通信端末と通信を行うことによりユーザ毎に設定及びユーザデータを切り替える機能を備える車載用ハンズフリー装置の動作を規定するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数人が利用する車載ナビゲーション装置において、ユーザ毎に表示を切り替えたり、ユーザ保有の携帯電話の電話帳データを車載機装置に保存して使用したりするような要望があった。このような要望に対応する車載ナビゲーション装置としては、ユーザ毎の設定を記憶し、パスワード等の番号を入力させることによってユーザを特定し、特定したユーザに対応する設定を適宜読み出して実現するようなナビゲーション装置がある。
【0003】
特許文献1においては、番号の入力の変わりに、Bluetooth(登録商標)登録された電
話機が接続された場合、音声対話によってユーザを特定している。また、特許文献2においては、有線接続した際は携帯電話の電話番号でユーザデータを紐付けし、Bluetooth接
続した際は電話番号を入力することによりユーザを特定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-184103号公報
【特許文献2】特開2004-200924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
Bluetooth接続する車載用ハンズフリー装置において、Bluetooth機器固有の識別情報(ID)としてデバイスアドレスを用いて設定やユーザデータを紐付けしているが、新しい機器ではデバイスアドレスが変わるため、ユーザデータを引き継ぐことができない。
【0006】
特許文献1では、ユーザの特定はできるが、電話機を変更した場合、同一ユーザという認識を行うことはできず、ユーザデータを引き継ぐことはできない。
【0007】
特許文献2では、無線接続から無線接続へのユーザデータ引継ぎができず、また電話番号入力ではそもそもの番号の入力ミスや、誰でも成りすましてユーザデータを引き継ぐことが可能である。
【0008】
また、パスワードの入力や音声対話等、ユーザを特定するために必要な作業は煩雑である。
【0009】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザ毎に設定及びユーザデータを切り替える車載用ハンズフリー装置において、車載用ハンズフリー装置に登録された携帯通信端末のデバイスアドレスを使用してユーザを特定する際、携帯通信端末を変更した場合でも同一ユーザと認識し、設定及びユーザデータを引き継ぐことを可能とした車載用ハンズフリー装置用プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の特徴は、ユーザが保有する携帯通信端末と通信を行うことによりユーザ毎に設定及びユーザデータを切り替える機能を備える車載用ハンズフリー装置の動作を規
定するプログラムであって、車載用ハンズフリー装置に、ユーザが保有する携帯通信端末であって、予め車載用ハンズフリー装置に登録されている携帯通信端末のリストをユーザに提示する第1の手順と、ユーザにより選択された引継ぎ元の携帯通信端末のデバイスアドレスをユーザ毎の設定及びユーザデータに対応させて記憶する第2の手順と、その後、引継ぎ先の携帯通信端末と通信を行って、引継ぎ先の携帯通信端末からデバイスアドレスを取得する第3の手順と、引継ぎ元の携帯通信端末のデバイスアドレスに対して引継ぎ先の携帯通信端末からデバイスアドレスを上書きして記憶する第4の手順とを実行させるためのプログラムであることを要旨とする。
【0011】
本発明の第1の特徴によれば、新しい携帯通信端末を登録する際、引継ぎ元の携帯通信端末のデバイスアドレスをユーザ毎の設定及びユーザデータに対応させて記憶する。その後、新しい携帯通信端末、すなわち引継ぎ先の携帯通信端末のデバイスアドレスを取得して、引継ぎ元の携帯通信端末のデバイスアドレスに対して上書き保存する。これにより、車載用ハンズフリー装置は引継ぎ元の携帯通信端末と引継ぎ先の携帯通信端末が共に同じユーザのものであると認識することでき、且つ予め車載用ハンズフリー装置に登録されている設定及びユーザデータを引継ぎ先の携帯通信端末へ引き継ぐことが可能となる。すなわち、携帯通信端末を変更した場合でも、デバイスアドレスという、唯一固有の識別情報(ID)を用いて同一のユーザを特定し、デバイスアドレスに紐付けされている設定及びユーザデータをデバイスアドレスの異なる新しい携帯通信端末へ引き継ぐことが可能となる。
【0012】
ここで、「通信」には、ケーブル等の有線により接続して行う有線通信と、Bluetooth
等の無線通信とが含まれる。また、「携帯通信端末」には通信機能を備える携帯電話機や携帯オーディオ機器などが含まれる。
【0013】
本発明の第2の特徴は、ユーザが保有する携帯通信端末と通信を行うことによりユーザ毎に設定及びユーザデータを切り替える機能を備える車載用ハンズフリー装置の動作を規定するプログラムであって、車載用ハンズフリー装置に、ユーザが保有する引継ぎ元の携帯通信端末と通信を行って、引継ぎ元の携帯通信端末からデバイスアドレスを取得する第1の手順と、ユーザに対してパスワードの入力を促す第2の手順と、ユーザが入力したパスワードを用いてユーザ本人を認証する第3の手順と、認証に成功した後、ユーザが車載用ハンズフリー装置に対して行った設定及びユーザデータを引継ぎ元の携帯通信端末のデバイスアドレスに対応させて登録する第4の手順と、その後、引継ぎ先の携帯通信端末と通信を行って、引継ぎ先の携帯通信端末からデバイスアドレスを取得する第5の手順と、引継ぎ元の携帯通信端末のデバイスアドレスに対して引継ぎ先の携帯通信端末からデバイスアドレスを上書きして記憶する第6の手順とを実行させるためのプログラムであることを要旨とする。
【0014】
本発明の第2の特徴によれば、新しい携帯通信端末(引継ぎ先の携帯通信端末)を登録する際、元の携帯通信端末(引継ぎ元の携帯通信端末)を一旦再登録させ、新しい携帯通信端末を登録することで、両携帯通信端末が同じユーザのものであることを認識し、かつ登録作業のなかでパスワードの交換を行うことで、より高いセキュリティを確保しつつデータを引き継ぐことが可能となる。これにより、元の携帯通信端末が同一ユーザのものでなく、たまたま車室内にあるというようなシチュエーションにおいて、元の携帯通信端末からのパスワード入力を必要としたことで、勝手にデータを別の携帯通信端末へ引き継がれることを防止できる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明のプログラムによれば、ユーザ毎に設定及びユーザデータを切り替える車載用ハンズフリー装置において、車載用ハンズフリー装置に登録された携
帯通信端末のデバイスアドレスを使用してユーザを特定する際、携帯通信端末を変更した場合でも同一ユーザと認識し、設定及びユーザデータを引き継ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる車載用ハンズフリー装置の一例としてのハンズフリー電話装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】電話機の引継ぎを行う際のハンズフリー電話装置1の動作例を示すフローチャートである。
【図3】第2の実施の形態に係わるハンズフリー電話装置1の動作例を示すフローチャートである。
【図4】図4(a)及び図4(b)は第1の電話機2及び第2の電話機3の各デバイスアドレスDA2、DA3に紐付けされたユーザデータの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付している。
(第1の実施の形態)
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係わる車載用ハンズフリー装置の一例としてのハンズフリー電話装置1の構成を説明する。ハンズフリー電話装置1は、無線方式で携帯式の電話機2、3と接続する機能を備える。無線方式としてはBluetoothの無線通
信方式が利用される。その無線通信を行うために、ハンズフリー電話装置1は、電波の送受信を行うBTアンテナ4と、Bluetoothの処理を行うBluetooth処理部5とを備える。Bluetooth処理部5には、下位レイヤの処理を行う部分と、通信を行うためのプロトコルを
規定する部分と、Bluetoothの上位レイヤの処理を行う部分とが含まれている。
【0018】
ハンズフリー電話装置1は、情報処理機能及び演算機能を備えるメインCPU11と、電話機2、3から転送されたデータや、ユーザ操作、ユーザデータの記憶を行う記憶部6と、電話番号や携帯電話リスト、操作情報ボタンなどを表示する表示部7と、ユーザの操作入力を受け付ける操作入力部8と、音声出力用のスピーカ9と、音声入力用のマイク10とを更に備える。
【0019】
Bluetooth処理部5、記憶部6、表示部7、操作入力部8、スピーカ9及びマイク10
はメインCPU11に接続されている。メインCPU11は、アンテナ4から受信した電話機2、3の情報を読み込み、アンテナ4を介して所定の指令信号を電話機2、3に対して送信する。
【0020】
ユーザは、操作入力部8を操作して電話機2、3をハンズフリー電話装置1に登録することができる。その際、記憶部6に電話機2、3のデバイスアドレスDA2、DA3をそれぞれ記憶する。ハンズフリー電話装置1と電話機2、3が接続されている状態でユーザが行った設定やユーザデータは、各デバイスアドレスDA2、DA3と対応した状態で記憶部6へ記憶される。
【0021】
例えば、ハンズフリー電話装置1がアンテナ4を介して電話機2、3と接続している状態で、電話機2、3に登録されている電話帳データや電話機2、3の発信履歴データ等のユーザデータをハンズフリー電話装置1へ無線通信により転送することができる。そして、ハンズフリー電話装置1は、その電話帳データを使用して相手にダイヤルして発信することで、ユーザはハンズフリー通話を行うことができる。電話機2、3の発信履歴のデータも接続している電話機2、3のデバイスアドレスに対応して記憶する。
【0022】
ユーザは、発信履歴のデータにおける相手先の電話番号情報に対して、マイク10を介
してボイスタグと呼ばれる音声データを登録してもよい。これにより、操作入力部8を介したダイヤルだけでなく、音声認識による簡単なダイヤルを行うことが可能である。
【0023】
また、ハンズフリー電話装置1は、データ通信により電話機2、3から取得したユーザデータ及び設定を、デバイスアドレスDA2、DA3という唯一固有の識別情報(ID)に基づいてユーザ毎に記憶する。そして、ハンズフリー電話装置1は、ユーザ毎にハンズフリー電話装置1の設定及びユーザデータを切り替える。図1において、第1の電話機2と第2の電話機3を示したが、それぞれ異なるデバイスアドレスDA2、DA3を有する。
【0024】
図4(a)及び図4(b)に第1の電話機2及び第2の電話機3のデバイスアドレスに紐付けされたユーザデータの例を示す。本例において、第1の電話機2のデバイスアドレスDA2は、「11:11:11:11」であり、第2の電話機3のデバイスアドレスDA3は、「22:22:22:22」である。そして、ユーザデータには、電話帳データ、発着信履歴データ、データ通信データ、及びボイスタグ(Voice Tag)データが含まれ
る。
【0025】
ここで、ハンズフリー電話装置1においてユーザデータはデバイスアドレスDA2、DA3を識別情報として管理されるため、ユーザが電話機を買い換えるなどした際、保有する電話機2、3のデバイスアドレスDA2、DA3が変更してしまう。ハンズフリー電話装置1は、保有する電話機2、3のデバイスアドレスDA2、DA3が変更しても、ハンズフリー電話装置1に登録されている設定及びユーザデータを古い電話機から新しい電話機へ引き継ぐことができる。すなわち、ユーザが使用する電話機が変更されても、ハンズフリー電話装置1に対して行った設定やユーザデータを新しい携帯電話でも利用することができる。ここで、「古い電話機」は引継ぎ元の電話機に相当し、「新しい電話機」は引継ぎ先の電話機に相当する。
【0026】
次に、図2のフローチャートを参照して、電話機の引継ぎを行う際のハンズフリー電話装置1の動作例を説明する。ここでは、第1の電話機2が古い電話機、つまり引継ぎ元の電話機であり、第2の電話機3が新しい電話機、つまり引継ぎ先の電話機である場合について説明する。
【0027】
(イ)ユーザによる操作入力部8の所定の操作を受けて、ハンズフリー電話装置1の記憶部6に登録されているデバイスアドレスに対応する機器(電話機を含む)のリストを表示部7に表示させる。そして、ユーザに電話機の選択を促す。S01段階において、ユーザにより選択された第1の電話機2に対して行うことができる操作群のリストを表示部7に表示させ、ユーザに操作の選択を促す。
【0028】
(ロ)S03段階に進み、ユーザによりデータ引継ぎボタンが押下げ操作されると、S05段階に進み、ハンズフリー電話装置1はBluetooth処理部5、BTアンテナ4を介し
て、選択された第1の電話機2に対してページ(Page)及びページスキャン(Page Scan
)を行い、Bluetoothの接続処理を開始する。
【0029】
(ハ)S07段階に進み、Bluetoothの接続に成功したか否かを判断する。接続に成功
した場合(S07でYES)S09段階に進む。一方、接続に失敗した場合(S07でNO)S11段階に進み、接続に失敗した旨を表示部7に表示させてS01段階に戻る。
【0030】
(ニ)S09段階において、第1の電話機2と無線による通信を行って、第1の電話機2のデバイスアドレスDA2を記憶部6から検索して記憶する。その後、S13段階に進み、第2の電話機3に対してインクワイアリースキャン(Inquary Scan)を行う。そして
、第2の電話機3からインクワイアリー(Inquary)をBTアンテナ4及びBluetooth処理部5を介して受け取ると、そこから第2の電話機3のデバイスアドレスDA3を取得する。
【0031】
(ホ)S15段階において、取得したデバイスアドレスDA3が記憶部6に既に登録済みか否か、つまり新規登録か否かを判断する。登録済みであれば(S15でNO)、S19段階に進み、登録が不可能である旨を表示部7に表示させ、S01段階に戻る。
【0032】
(へ)一方、登録済みで無ければ(S15でYES)、S17段階に進み、第2の電話機3が新規に登録される電話機であると判断して記憶部6にそのデバイスアドレスDA3を登録する。登録に失敗した場合(S17でNO)、登録に失敗した旨を表示部7に表示して、S13段階に戻る。
【0033】
(ト)一方、登録に成功した場合(S17でYES)、S23段階に進み、S09段階で記憶した第1の電話機2のデバイスアドレスDA2を、S17段階で登録された第2の電話機3のデバイスアドレスDA3に上書きして記憶する。これにより、デバイスアドレスDA2に対応して記憶しているユーザデータ及びハンズフリー電話装置1の設定は、デバイスアドレスDA3に対応するユーザデータ及び設定となる。以上の手順にて引継ぎ登録が完了する。
【0034】
以上説明したように、第2の電話機3をハンズフリー電話装置1に登録する際、引継ぎ元の電話機、すなわち第1の電話機2のデバイスアドレスDA2をユーザ毎の設定及びユーザデータに対応させて記憶する。その後、引継ぎ元の電話機、すなわち第2の電話機3のデバイスアドレスDA3を取得して、第2の電話機3のデバイスアドレスに対して上書き保存する。これにより、ハンズフリー電話装置1は第1の電話機2と第2の電話機3が共に同じユーザのものであると認識することでき、且つ予めハンズフリー電話装置1に登録されている設定及びユーザデータを第2の電話機3へ引き継ぐことが可能となる。すなわち、携帯式の電話機を変更した場合でも、デバイスアドレスDAという、唯一固有の識別情報(ID)を用いて同一のユーザを特定し、デバイスアドレスDAに紐付けされている設定及びユーザデータをデバイスアドレスDAの異なる新しい電話機へ引き継ぐことが可能となる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、図3のフローチャートを参照して、図2のフローチャートに示した動作例とは異なるハンズフリー電話装置1の他の動作例を説明する。なお、ハンズフリー電話装置1の構成は、図1に示した通りであり説明を省略する。
【0035】
(イ)S51段階において、ユーザによる操作入力部8の所定の操作を受けて、Bluetooth処理部5、BTアンテナ4を介して、第1の電話機2に対してページ(Page)及びペ
ージスキャン(Page Scan)を行い、Bluetoothの接続処理を開始する。
【0036】
(ロ)S53段階において、第1の電話機2との接続に成功したか否かを判断する。接続に成功した場合(S53でYES)S55段階に進み、接続に失敗した場合(S53でNO)S57段階に進み、接続に失敗した旨を表示部7に表示させてS51段階に戻る。
【0037】
(ハ)S55段階において、第1の電話機2と無線による通信を行って、第1の電話機2のデバイスアドレスDA2を取得して記憶部6に記憶する。S59段階に進み、ユーザによるパスワードの入力を受け付け、S61段階において、パスワードによるユーザ認証に成功したか否かを判断する。
【0038】
(ニ)ユーザ認証に成功した場合(S61でYES)S63段階に進む。一方、本人認
証に失敗した場合(S61でNO)S65段階に進み、本人認証に失敗した旨を表示部7に表示させてS55段階に戻る。S63段階において、第1の電話機2と無線による通信を行って、ユーザがハンズフリー電話装置1に対して行った設定及びユーザデータを第1の電話機2のデバイスアドレスDA2に対応させて登録する。
【0039】
(ホ)S67段階に進み、第2の電話機3に対してインクワイアリースキャン(Inquary Scan)を行う。そして、第2の電話機3からインクワイアリー(Inquary)をBTアン
テナ4及びBluetooth処理部5を介して受け取ると、インクワイアリーから第2の電話機
3のデバイスアドレスDA3を取得する。
【0040】
(へ)S69段階において、取得したデバイスアドレスDA3が記憶部6に既に登録済みか否か、つまり第2の電話機3が新規登録か否かを判断する。登録済みであれば(S69でNO)、S71段階に進み、登録が不可能である旨を表示部7に表示させ、S51段階に戻る。
【0041】
(ト)一方、第2の電話機3が登録済みで無ければ(S69でYES)、S73段階に進み、第2の電話機3が新規に登録される電話機であると判断して記憶部6にそのデバイスアドレスDA3を登録する。登録に失敗した場合(S73でNO)、登録に失敗した旨を表示部7に表示して(S75)、S67段階に戻る。
【0042】
(チ)一方、登録に成功した場合(S73でYES)、S77段階に進み、S55段階で記憶した第1の電話機2のデバイスアドレスDA2を、S73段階で登録された第2の電話機3のデバイスアドレスDA3に上書きして記憶する。これにより、デバイスアドレスDA2に対応して記憶しているユーザデータ及びハンズフリー電話装置1の設定は、デバイスアドレスDA3に対応するユーザデータ及び設定となる。以上の手順にて引継ぎ登録が完了する。
【0043】
以上説明したように、第2の電話機3を登録する際、第1の電話機2を一旦再登録させ、第2の電話機3を登録することで、両電話機2、3が同じユーザのものであることを認識し、かつ登録作業のなかでパスワードの交換を行うことで、より高いセキュリティを確保しつつユーザデータ及び設定を引き継ぐことが可能となる。これにより、第1の電話機2が同一ユーザのものでなく、たまたま車室内にあるというようなシチュエーションにおいて、第1の電話機2からのパスワード入力を必要としたことで、勝手にユーザデータを別の電話機へ引き継がれることを防止できる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は、2つの実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0044】
例えば、本発明に関わる車載用ハンズフリー装置は、ハンズフリー電話装置1に限らず、Bluetooth等の無線により接続可能な通信機器と接続される装置或いはシステムに対し
て適用可能である。例えばBluetoothオーディオ機器等のBluetooth機器と接続した際、その外部のBluetooth機器のデバイスアドレスに対応して車載用ハンズフリー装置が保持し
ている設定やユーザデータを、新しいBluetooth機器に対応付けしても構わない。これに
より、例えばBluetoothオーディオ機器を車載用ハンズフリー装置に登録し、そのBluetoothオーディオ機器に対応する例えば音楽データ、リスト表示等のユーザデータを、新しい機器へ引き継ぐことが可能となる。
【0045】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲に係る
発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0046】
1 ハンズフリー電話装置
2 第1の電話機(引継ぎ元の携帯通信端末)
3 第2の電話機(引継ぎ先の携帯通信端末)
4 BTアンテナ
5 処理部
6 記憶部
7 表示部
8 操作入力部
9 スピーカ
10 マイク
11 メインCPU
DA2、DA3 デバイスアドレス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが保有する携帯通信端末と通信を行うことによりユーザ毎に設定及びユーザデータを切り替える機能を備える車載用ハンズフリー装置の動作を規定するプログラムであって、車載用ハンズフリー装置に、
ユーザが保有する携帯通信端末であって、予め車載用ハンズフリー装置に登録されている携帯通信端末のリストをユーザに提示する第1の手順と、
ユーザにより選択された引継ぎ元の携帯通信端末のデバイスアドレスをユーザ毎の設定及びユーザデータに対応させて記憶する第2の手順と、
その後、引継ぎ先の携帯通信端末と通信を行って、引継ぎ先の携帯通信端末からデバイスアドレスを取得する第3の手順と、
引継ぎ元の携帯通信端末のデバイスアドレスに対して引継ぎ先の携帯通信端末からデバイスアドレスを上書きして記憶する第4の手順と
を実行させるためのプログラム。
【請求項2】
ユーザが保有する携帯通信端末と通信を行うことによりユーザ毎に設定及びユーザデータを切り替える機能を備える車載用ハンズフリー装置の動作を規定するプログラムであって、車載用ハンズフリー装置に、
ユーザが保有する引継ぎ元の携帯通信端末と通信を行って、引継ぎ元の携帯通信端末からデバイスアドレスを取得する第1の手順と、
ユーザに対してパスワードの入力を促す第2の手順と、
ユーザにより入力されたパスワードを用いてユーザ本人を認証する第3の手順と、
認証に成功した後、ユーザが車載用ハンズフリー装置に対して行った設定及びユーザデータを引継ぎ元の携帯通信端末のデバイスアドレスに対応させて登録する第4の手順と、
その後、引継ぎ先の携帯通信端末と通信を行って、引継ぎ先の携帯通信端末からデバイスアドレスを取得する第5の手順と、
引継ぎ元の携帯通信端末のデバイスアドレスに対して引継ぎ先の携帯通信端末からデバイスアドレスを上書きして記憶する第6の手順と
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−178115(P2010−178115A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−19193(P2009−19193)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】