説明

プロセスカートリッジ及びこれを用いる画像形成装置

【課題】帯電装置による潤滑剤塗布により像担持体のトナーとの付着力の低減を実現し、かつ像担持体における耐汚染性を実現することができる画像形成装置を提供することを課題とする。
【解決手段】少なくとも像担持体1と、帯電装置と、現像装置2及び/又はクリーニング手段とを一体に備え、画像形成装置50本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、前記帯電装置に含まれる帯電部材21は、潤滑剤14を供給する手段を有し、該帯電部材21は、像担持体1に対して接離可能な機構を有し、帯電時は退避し、非帯電時における一定期間は像担持体1に接触して、潤滑剤14の塗布を行うことを特徴とするプロセスカートリッジ及びこれを備える画像形成装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の静電複写プロセスによる画像形成に用いられるプロセスカートリッジに用いるものであり、また、このプロセスカートリッジに用いられる画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、像担持体上に形成された潜像をトナーで現像することにより、像担持体(以下感光体と示す)上にトナー像を形成し、このトナー像を、転写材に対し、静電気力により転写させる。トナーは熱可塑性を有する樹脂を主成分とするものであり、熱や圧力により感光体表面に付着しやすい、という性質を有している。このため、その付着力が強いと、クリーニング装置で除去できずに像担持体上に残ってしまい、それ以降の画像を劣化させるという事態を引き起こす事がある。また、トナーを転写材に転写する際に、その付着力が強いと、転写材に移行するトナーの比率が低下し、画像の濃度が低下したり、クリーニング装置に回収されるトナー量が増加したりするという不具合が生じてくる。
このような問題を解決するため、感光体表面にトナーが付着し難い状態にするために、これまで、感光体の表面に潤滑剤を塗布する方法が提案されてきた。
【0003】
一方、像担持体の帯電に関しても、これまで多くの検討がなされている。特に、コロナ放電現象を用いて感光体を帯電する際に、これに伴って発生するオゾンをいかに少なくするかという点に関しては、これまで種々検討されてきており、その結果、帯電電極を感光体に接触或いは近接させる事により、発生オゾン量を大幅に削減する事ができることが分かった。特に、微小なギャップを空ける近接帯電方式は、像担持体上のトナー等による汚染が少ないという長所がある。
【0004】
ところで近年、画像形成装置はそのカラー化や小型化に伴い、1色当たりの作像装置のより一層の小型化が要求されており、これに加えて潤滑材の塗布装置や帯電装置に関しても、同様に小型化が求められている。
このような要求に応えるために、近年、接触帯電装置を用いて潤滑材を塗布するという方法が提案されている。
このような、潤滑材の塗布手段を備えた接触帯電装置として、例えば特許文献1に記載の発明では、帯電装置は、像担持体に接触すると共に帯電電圧が印加されて該像担持体を均一に帯電する接触帯電部材と、該帯電部材を支持する弾性部材と、帯電部材に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材と、帯電部材をクリーニングするクリーニング部材と、これらの部材が収納されるケースを備え、弾性部材の作用により帯電部材への潤滑剤供給とクリーニングとが行われるように構成されており、具体的には、帯電部材を支持している弾性部材の伸縮により潤滑剤供給部材と帯電部材とが接触して、帯電部材への潤滑剤の塗布が行われると同時に、弾性部材の伸縮により帯電部材とクリーニング部材とが接触して帯電部材のクリーニングが行われる構成となっている。
【0005】
また、特許文献2に記載の発明においては、回転駆動される感光体ドラムに、帯電ローラを当接させて、該帯電ローラは前記感光体ドラムと反対方向に従動回転させ、帯電ローラの母線に沿ってクリーニング部材を当接させる。クリーニング部材は、支持部材、モルトプレーン等のオイル含有層、微細繊維層等のオイル塗布層によって3層に構成されており、このクリーニング部材により、帯電ローラ2表面、さらに感光ドラム1表面に潤滑剤を塗布することで、これらの表面に離型層を形成する構成となっている。この離型層により、帯電ローラ、感光ドラム、転写ローラ、クリーニングブレード等の各部材間に作用する摩擦を小さくして摩耗を低減することができる構成となっている。
【0006】
また、特許文献3に記載の発明では、潤滑剤塗布機構は、潤滑剤と、該潤滑剤を押圧する弾性部材と、該潤滑剤が弾性的に押し当てられ回転とともに周面に一定量の潤滑剤が担持される回転ローラと、回転ローラおよび帯電ローラにそれぞれ接触して回転し、前記回転ローラ上の潤滑剤を帯電ローラ上に転移させる回転ブラシローラとからなっており、帯電ローラは、感光体に対して連れまわりで回転しながら、感光体を均一に帯電するとともに、回転ブラシによって塗布された潤滑剤を感光体上に転移させる機能を有している。クリーニング部でトナーが回収され、クリーニングされた感光体に対して潤滑剤を転移させることになるので、これにより、トナーに邪魔されることなく一定量の潤滑剤を感光体上に転移させることができる構成となっており、このため、潤滑剤の現像部への混入を抑制することができる。
上記のように、接触帯電装置で潤滑材を塗布する構成とすることにより、省スペース化を実現することができる。
【0007】
【特許文献1】特開2000-066487号公報
【特許文献2】特開平7−199600号公報
【特許文献3】特開平10-142897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1ないし3に記載の発明においては、帯電装置が接触式であるため、帯電と潤滑剤塗布の動作を別々に行う事ができず、帯電装置は作像時において、常時像担持体に接触している状態となる。このような状態では、塗布面(帯電部材表面)が汚染され、潤滑剤とトナー等の残留物の混合物が像担持体表面に塗布されることになり、これが現像装置に混入して、現像剤を劣化させることとなる。なお、ここでいう劣化とは、潤滑剤が現像剤を構成するトナー、キャリアの表面に付着して、本来の摩擦帯電特性を損なう状態をいい、多くの場合は帯電能力が低下して、トナーの帯電量が低下するという不具合が起こる事を指す。
またさらに、像担持体のクリーニング装置を備えず、転写残トナーを現像装置で回収する構成とした場合は、上記の現象はより極端に発生することとなる。
そこで本発明では、上記事情に鑑み、帯電装置による潤滑剤塗布により、オゾン発生の低減と、省スペース化と、像担持体のトナーとの付着力の低減を実現し、かつ像担持体における耐汚染性(物質に汚染されにくい性質)を実現することができる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。
1.本発明のプロセスカートリッジは、少なくとも像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像装置及び/又は前記像担持体上の転写残トナーを除去するクリーニング手段とを一体に備え、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記帯電装置に含まれる帯電部材は、潤滑剤を供給する手段を有し、該帯電部材は、像担持体に対して接離可能な機構を有し、帯電時は退避し、非帯電時における一定期間は像担持体に接触して、潤滑剤の塗布を行なうことを特徴とする。
2.また、本発明のプロセスカートリッジは、1.に記載の発明において、前記潤滑剤の塗布動作は、帯電装置を通過した像担持体表面が作像に使われないときに行われることを特徴とする。
3.また、本発明のプロセスカートリッジは、1.又は2.に記載の発明において、像担持体上の潤滑剤量を検知または予測し、その量が少ないときに、潤滑剤塗布動作開始する ことを特徴とする。
4.また、本発明のプロセスカートリッジは、3.に記載の発明において、像担持体上の潤滑剤量の予測は、像担持体上に形成された画像面積の累積値により行うことを特徴とする。
5.また、本発明のプロセスカートリッジは、1.ないし4.に記載の発明において、前記潤滑剤量の予測動作または潤滑剤の塗布動作は、作像動作時における、像担持体の動作開始時から、最初に画像形成された領域が潤滑剤塗布装置の位置に到達するまでの時間帯を時間帯T1、作像終了時に最後に画像形成された領域が潤滑剤塗布装置の位置を通過してから、像担持体が停止するまでの時間帯をT2、とした時、T1またはT2の時間帯に行われる ことを特徴とする。
6.また、本発明のプロセスカートリッジは、1.ないし5.に記載の発明において、転写装置通過後に像担持体上に残ったトナーを、現像装置で回収することを特徴とする。
7.また、本発明のプロセスカートリッジは、1.ないし6.に記載の発明において、前記潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛であることを特徴とする。
8.また、本発明のプロセスカートリッジは、1.ないし7.に記載の発明において、帯電部材の長手方向端部と、像担持体の端部に、スペーサ部材を対向するように設け、帯電時には、帯電部材と像担持体の隙間を前記スペーサ部材により形成し、潤滑材塗布時には、帯電部材の長手方向に像担持体または帯電部材をずらし、スペーサ部材から外して、両者を接触させる機構を有することを特徴とする。
【0010】
9.また、本発明の画像形成装置は、像担持体上に形成された静電潜像をトナーで可視化する画像形成装置であって、少なくとも潜像担持体と、帯電手段と、現像装置及び/又はクリーニング手段とを一体化させたプロセスカートリッジを着脱可能に備える画像形成装置において、前記プロセスカートリッジは、前記帯電装置に含まれる帯電部材が、潤滑剤を供給する手段を有し、該帯電部材は、像担持体に対して接離可能な機構を有し、帯電時は退避し、非帯電時における一定期間は像担持体に接触して、潤滑剤の塗布を行うことを特徴とする。
10.また、本発明の画像形成装置は、9.に記載の発明において、2.ないし8.のいずれかに記載のプロセスカートリッジを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、上記解決するための手段により、本発明では、省スペース化を実現でき、かつ像担持体とトナーとの付着力が低減され、さらに像担持体が耐汚染性(物質に汚染されにくい性質)を有するプロセスカートリッジ、及び画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の、特徴部周辺の構造を示す概略図である。
像担持体1の周辺には、帯電装置21、書き込み装置22、現像装置2、転写装置18が配置されている。なお、本発明の画像形成装置では、帯電装置2は非接触の帯電ローラ21を適用している。これにより、ローラが汚染されづらく、オゾンの発生が抑制されるという効果を奏する構成となっている。なお、この印加電圧は、DCのみでも良く、あるいはこれにACが重畳されていても良い。また現像に関しては、本実施例においては2成分現像装置を適用しているが、本発明は1成分現像装置にも適用可能であり、また接触、非接触に関しても選択可能である。また転写装置18に関しては、本実施例においては転写ベルト10を適用しているが、これをローラ転写、コロナ転写としてもよく、また転写材に対する直接転写、あるいは、中間転写体に対する転写であっても良い。
【0013】
本発明に係る帯電ローラ21に、潤滑材14を供給する機構を、図1を参照して説明する。
帯電ローラ21は導電性の材質からなり、金属、導電性プラスティック、導電性ゴム、それらの複合体からなり、像担持体1に対して接離可能かつ回転可能に取りつけられている。
またさらに、帯電ローラ21には潤滑剤塗布ローラ15が接触しているが、この潤滑剤塗布ローラ15は、潤滑剤14をこすりとり、帯電ローラ21に塗りつける機能を有するため、適度な表面粗さと当接圧力の均一性を維持するための柔軟性が必要である。このため、ローラ本体はシリコーンゴム、ウレタンゴム、その他合成ゴムで構成し、その表面に比較的硬質の樹脂コート、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、PET、フッ素を含有する樹脂等を用いると、耐久性の高いものが得られる。また、ローラとして用いる物は、発泡ゴム、ローラ状ブラシでも良い。しかし、これらは表面の平滑性が低いので、潤滑剤の消費が多くなりがちである。潤滑剤塗布ローラ15は、図示しない回転駆動装置により回転駆動されている。潤滑剤塗布ローラ15の回転軸は本体に回転可能に固定されており、帯電ローラ21の解除と同期して、停止させることが好ましい。回転時の回転方向は、本実施例では、当接箇所において帯電ローラ21と同方向である。
【0014】
また、本発明では、潤滑剤14に、ステアリン酸亜鉛のブロックを用いている。このステアリン酸亜鉛は、潤滑効果が高いとともに、その整形が容易であり、加えて入手が容易であるため、潤滑剤として用いるのに好ましい。これ以外に、金属石鹸類、ワックス類、フッ素含有樹脂類も同様の効果を示す。
潤滑剤14はブロック状にして、前記塗布ローラに押し付ける。押し付ける方法は、錘をつけて、重力を利用する、ばねをつけて加圧する、さらには、ソレノイド等で加圧力、加圧タイミングを制御する等の方法がある。
潤滑剤均しブレード16は、余分な潤滑剤14をせき止めるとともに、帯電ローラ21に塗布された潤滑剤14を、帯電ローラ21上に均一に均すとともに、しっかりと付着させて余計な所に移行しないようにするための部材である。当接の均一性、耐磨耗性等から、ウレタンゴム、その他合成ゴムのブレードが好ましいが、PET、ポリアミド、等の樹脂ブレードも有効である。
上記のような機構により、帯電ローラ21に、潤滑材14が供給される構造となっている。
【0015】
図2は、本発明に係る帯電ローラ21の接離の概念図である。帯電ローラ21は図示しない加圧装置により、常時像担持体1に向かって力が加えられている。なお、この力は、帯電ローラ21自身の重力のみの場合も含む。帯電時は、図2(a)で示すように、帯電ローラ21の長手方向端部に薄い樹脂のテープを巻いて形成した帯電部材スペーサ31と、像担持体1の端部(帯電部材スペーサ31とは逆側の端部)に同様に形成した像担持体スペーサ32の効果により、帯電ローラ21と像担持体1に適切な隙間を維持できる。なお、帯電の為に適切な隙間は5〜100μmである。
一方、帯電ローラ21と像担持体1の当接時は、図2(b)で示すように、帯電ローラ21、または像担持体1を図示しない機構により長手方向にずらす事で、帯電ローラ21を上述のスペーサから外れさせ、両部材を当接させることができる。この方法により、複雑な機構を用いることなく、精度良く、微小なギャップの形成と当接の動作を行う事が可能となっている。
なお、再び隙間を空けるときは帯電ローラ21を逆方向にずらす事になるが、このときは帯電ローラ21が像担持体スペーサ32に乗り上げることになるので、像担持体スペーサ32の角部、帯電ローラ21端部、像担持体1端部は、乗り上げやすいように、面取りしておく事が好ましい。
【0016】
本発明では、上述したように、帯電ローラ21が像担持体1と接離可能な機構を有しているため、潤滑剤14を供給された帯電ローラ21が、帯電時においては像担持体1から退避し、また非帯電時においては、該帯電ローラ21が像担持体1に接触して、像担持体1上に潤滑剤14を供給することが可能な構成となっている。これにより、像担持体1表面に潤滑剤14が供給されるため、トナーのクリーニング性及び転写性が向上し、像担持体1表面のトナーの低付着力化が実現されるという効果を奏する。
なお、この潤滑剤塗布動作は、帯電装置を通過した像担持体1表面が、作像に使われないタイミングに行われることがより好ましい。
このような構成とすることにより、帯電ローラ21が、本来の帯電の機能と、潤滑剤の塗布機能という二つの機能を持っても、その両機能を時分割で行うことにより、供給される潤滑剤14が像担持体1上の残留物と混合されるのを回避することができ、帯電ローラ汚染という不具合を起こすこと無く、一連の作像動作を果たす事ができる。
【0017】
なお、本発明の画像形成装置は、クリーニング装置を備えず、転写装置18通過後に像担持体1上に残ったトナーを、現像装置2に回収する構成としている。
これにより、省スペース化を実現できる構成となっているが、これは上述したような構成とした事により、帯電ローラ21の汚染が防止され、像担持体1上の残留物が潤滑剤14と混合される事態が回避されたために実現できるものである。
【0018】
なお、本発明においては、像担持体1上に形成された画像の面積の累積値から、像担持体1上の潤滑剤量の検知または予測動作を行い、その検知または予測による潤滑剤量が少ない時に、潤滑剤塗布動作を開始することとする。これにより、潤滑剤14の使用量を節約することができ、またさらに、潤滑剤塗布量過多による不具合、例えば、表面の摩擦係数が小さくなることによりトナーが付着しづらくなり、現像量が低下する、といった現象を回避する事ができる。
なお、ここで、像担持体1に形成された画像の面積の累積値から行われる潤滑剤量の検知または予測動作に関して述べると、像担持体1上にトナーが存在している場合、その表面積が大きいため、多くの潤滑剤は像担持体表面からトナーに接触して付着し、像担持体1からは潤滑剤が消費される。
即ち、像担持体1上に作られるトナー像の面積と、像担持体1から消費される潤滑剤量には相関性がみられる事から、この事実を利用して、トナー像の面積を検知することで潤滑剤の残量の予測することとした。
なお、潤滑剤量の検知または予測動作に関しては、この方法に限定するものでなく、他の方法により行うこととしてもよい。
【0019】
なお、作像動作時において、像担持体1が動き始めてから、最初に画像が形成された領域が潤滑剤塗布装置の位置に到達するまでの時間帯を時間帯T1、作像終了時に最後の画像が形成された領域が潤滑剤塗布装置の位置を通過してから像担持体が停止するまでの時間帯を時間帯T2、とした時、上記潤滑剤量の予測動作または潤滑剤の塗布動作は、このT1またはT2の時間帯に優先的に行うことが好ましい。
このT1またはT2の時間帯は、画像形成装置において、像担持体1の初期化や除電処理等を行うのに必要な時間帯である。そこで、これらの時間帯域に潤滑剤量の予測動作または潤滑剤の塗布動作を行うことにより、これら潤滑剤量予測動作または潤滑剤塗布動作のために、専用に像担持体1の回転を設ける必要が無くなり、より効率的にその目的を達することができる。
【0020】
また、図1において、像担持体1と現像装置2、帯電ローラ21、潤滑剤14、潤滑剤塗布ローラ15、潤滑剤均しブレード16を一体に構成し、装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジとして、画像形成装置本体に備えることも可能である。
図3は、本発明の一実施形態である画像形成装置の構成を示す概略図である。画像形成装置本体50に、前記プロセスカートリッジを着脱可能に備える構成とすることにより、該プロセスカートリッジに含まれる部品あるいは装置に起因する故障が起こった場合、このプロセスカートリッジを交換することで、故障部を修理することが可能となるため、早期に装置を復旧させることができる。この点で、メンテナンスに有利であり、サービス時間を短縮することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の画像形成装置の、特徴部周辺の構造を示す概略図である。
【図2】本発明に係る帯電ローラ21の接離の概念図である。
【図3】本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0022】
1 像担持体
2 現像装置
3 現像ローラ
4 現像スリーブ
5 マグネット
6 ドクターブレード
7 現像剤搬送スクリューA
8 現像剤搬送スクリューB
9 現像剤しきり板
10 転写ベルト
11 転写ベルト張架ローラ
12 転写ベルト駆動ローラ
14 潤滑剤
15 潤滑剤塗布ローラ
16 潤滑剤均しブレード
18 転写装置
21 帯電ローラ
22 書き込み装置
31 帯電部材スペーサ
32 像担持体スペーサ
50 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも像担持体と、
像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、
像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像装置及び/又は前記像担持体上の転写残トナーを除去するクリーニング手段とを一体に備え、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
前記帯電装置に含まれる帯電部材は、潤滑剤を供給する手段を有し、
該帯電部材は、像担持体に対して接離可能な機構を有し、帯電時は退避し、非帯電時における一定期間は像担持体に接触して、潤滑剤の塗布を行なう
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスカートリッジにおいて、
前記潤滑剤の塗布動作は、
帯電装置を通過した像担持体表面が作像に使われないときに行われる
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプロセスカートリッジにおいて、
前記プロセスカートリッジは、
像担持体上の潤滑剤量を検知または予測し、その量が少ないときに、潤滑剤塗布動作開始する
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項4】
請求項3に記載のプロセスカートリッジにおいて、
像担持体上の潤滑剤量の予測は、像担持体上に形成された画像面積の累積値により行う
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項5】
請求項1ないし4に記載のプロセスカートリッジにおいて、
前記潤滑剤量の予測動作または潤滑剤の塗布動作は、
作像動作時における、像担持体の動作開始時から、最初に画像形成された領域が潤滑剤塗布装置の位置に到達するまでの時間帯を時間帯T1、作像終了時に最後に画像形成された領域が潤滑剤塗布装置の位置を通過してから、像担持体が停止するまでの時間帯をT2、とした時、
T1またはT2の時間帯に行われる
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項6】
請求項1ないし5に記載のプロセスカートリッジにおいて、
前記プロセスカートリッジは、
転写装置通過後に像担持体上に残ったトナーを、現像装置で回収する
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項7】
請求項1ないし6に記載のプロセスカートリッジにおいて、
前記潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛である
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項8】
請求項1ないし7に記載のプロセスカートリッジにおいて、
前記プロセスカートリッジは、
帯電部材の長手方向端部と、像担持体の端部に、スペーサ部材を対向するように設け、
帯電時には、帯電部材と像担持体の隙間を前記スペーサ部材により形成し、
潤滑材塗布時には、帯電部材の長手方向に像担持体または帯電部材をずらし、スペーサ部材から外して、両者を接触させる機構を有する
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項9】
像担持体上に形成された静電潜像をトナーで可視化する画像形成装置であって、少なくとも潜像担持体と、帯電手段と、現像装置及び/又はクリーニング手段とを一体化させたプロセスカートリッジを着脱可能に備える画像形成装置において、
前記プロセスカートリッジは、
前記帯電装置に含まれる帯電部材が、潤滑剤を供給する手段を有し、
該帯電部材は、像担持体に対して接離可能な機構を有し、帯電時は退避し、非帯電時における一定期間は像担持体に接触して、潤滑剤の塗布を行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、請求項2ないし8のいずれかに記載のプロセスカートリッジを備えた
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−47792(P2006−47792A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−230060(P2004−230060)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】