説明

プロセス流体回収方法およびプロセス流体回収装置

【課題】半導体プロセス機器から排出される使用済みの半導体プロセス流体を効率よく回収して有効に再生することができるプロセス流体回収方法およびプロセス流体回収装置を提供する。
【解決手段】 半導体プロセス機器の排出口から再生ラインに使用済みプロセス流体を通流させ、前記半導体プロセス機器の排出口から前記使用済みプロセス流体を再生し、 前記再生ラインに接続された流体センサで前記使用済みプロセス流体の状態を測定し、前記流体センサから制御器へ前記プロセス流体の状態を表わす信号を送るとともに、該信号が所定範囲内にあることを設定し、前記信号が前記所定範囲内に入る場合は前記半導体プロセス機器に前記使用済みプロセス流体を回収し、また前記信号が前記所定範囲から外れる場合は前記使用済みプロセス流体の少なくとも一部をシステムドレインに流す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2006年4月4日に米国に仮出願された仮出願番号60/789,404からの優先権を主張する。
【0002】
本発明は半導体プロセス機器からプロセス流体を回収するプロセス流体回収方法およびプロセス流体回収装置に関する。特に、本発明は、使用済みプロセス流体の状態に基づいて半導体プロセス機器から使用済みプロセス流体を回収するか又は排出するための方法と装置に向けられたものである。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイスの製造は200以上の工程を含む複雑なプロセスである。それらの各工程において半導体デバイスの高い歩留まり結果を理想とする最適条件が要求される。多くのプロセス工程、その中でも特に製造中におけるデバイス表面層のエッチング、洗浄、露光、コーティングおよび研磨において流体の使用が必要不可欠である。高純度流体の適用において、流体(例えばフッ酸、硫酸、水酸化アンモニウム、過酸化水素など)は最終仕上製品デバイスの欠陥を防止するために微粒子や金属の混入汚染が実質的に無いものでなければならない。ケミカル-メカニカル研磨用スラリーの適用において、スラリー(例えば、登録商標セミ-スパース-12(Semi-Sperse-12),登録商標アイキュー5001(iCue 5001),登録商標クレボゾール1501(Klebosol 1501),登録商標キャブ-オー-スパースSC-112(Cab-O-Sperse SC-112)など)にはデバイスの表面を傷つけるおそれがある大きな微粒子があってはならない。また、製造において、プロセスの変動と製造の中断時間を最小にするために種々の工程を実施するプロセス機器に対して流体を安定かつ十分に供給しなければならない。
【0004】
同様に半導体製造者がより小型に、より迅速に、より信頼性のある新規のデバイスを製作するときや新規の製造に挑戦するために半導体国際技術指針(ITRS)に沿ってなされる。これらの挑戦のための解決策は、製造プロセスにおける新規な流体または非伝統的な流体がしばしば必要とされる。そのような挑戦の例として銅配線内のエレクトロマイグレーションがある。エレクトロマイグレーションは、電子が電流密度により決まる量で電流の向きに金属原子を押して移動させるときに起こる。エレクトロマイグレーションは配線の薄肉化、高抵抗または断線を誘起する(P.シンガー、「コバルトを銅に被せる利点」半導体インターナショナル、2005年10月を参照のこと)。
【0005】
銅配線のエレクトロマイグレーションを取り除くための方法として2つが知られている。1つの方法は、銅の表面を覆うパラジウム活性層からなる第1の堆積層により配線の上にキャップを形成し、次いでパラジウムと反応する無電解コバルト溶液を導入し、パラジウムの上に無電解コバルトタングステン(CoWP)層を形成するものである。もう1つの方法は、配線上にパラジウムを堆積することを要しない自己活性化処理(self-activating process)を用いるものである。この方法では、複雑かつ不安定な堆積流体、なかでも特にコバルトと酸を含む流体は、銅の上にコバルトキャップ層を形成するために銅と直接反応する(P.シンガー、「コバルトを銅に被せる利点」半導体インターナショナル、2005年10月を参照のこと)。これらのプロセスは銅配線内でのエレクトロマイグレーションの問題を解決することを約束するものであり、コバルト溶液はその用途に消費されるとき様々に利用された後にその使用済み溶液は廃棄される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
半導体製造業者は、微細粒子、金属及び/又は流体の変質からの結果として回収された流体中のコンタミネーションに関係する主要な半導体プロセス流体を、好むと好まざるとに拘わらずやむをえず回収して再生してきたという歴史をもっている。また、いくつかのある流体は、半導体機器により再使用に供試される前に実施されるべき操作(例えば蒸留、吸着、炭素ろ過など)の複雑な連続処理を必要とする。回収・再生装置のコストおよび回収流体が仕様から外れる結果としての潜在的な製造中断時間のこと、プロセス流体を回収し再生することの利得が重大であることであるかもしれない。しかしながら、コストの掛かる非伝統的溶液(例えば上述のコバルト溶液)の使用が浮かび上がってくるので、半導体プロセス流体を回収し再生するための方法および装置が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの面では、本発明に係るプロセス流体回収方法は、半導体プロセス機器の排出口から再生ラインに使用済みプロセス流体を通流させ、前記半導体プロセス機器の排出口から前記使用済みプロセス流体を再生し、前記再生ラインに接続された流体センサで前記使用済みプロセス流体の状態を測定し、前記流体センサから制御器へ前記プロセス流体の状態を表わす信号を送るとともに、該信号が所定範囲内にあることを設定し、前記信号が前記所定範囲内に入る場合は前記半導体プロセス機器に前記使用済みプロセス流体を回収し、また前記信号が前記所定範囲から外れる場合は前記使用済みプロセス流体の少なくとも一部をシステムドレインに流す。
【0008】
本発明の他の面では、本発明に係るプロセス流体回収装置は、半導体プロセス機器からのプロセス流体を回収するための装置であって、使用済みのプロセス流体を再生するために半導体プロセス機器の排出口に接続された再生ラインと、使用済みプロセス流体の状態を測定するために前記再生ラインに接続された流体センサと、前記再生ラインから前記半導体プロセス機器の流入口までの使用済みプロセス流体を回収する回収ラインと、前記回収ラインに配置され、前記再生ラインからの使用済みプロセス流体を受ける入口を有するタンクと、前記流体センサから前記使用済みプロセス流体の状態を示す信号を受信し、該信号が所定範囲内にあるか否かを判定し、該信号が前記設定点の範囲内にあるときは前記タンクに使用済みプロセス流体を向けるバルブに信号を送り、該信号が前記設定した所定範囲外にあるときは前記システムドレインに使用済みプロセス流体を向けるバルブに信号を送る制御器と、前記タンクと前記半導体プロセス機器の流入口とに接続された流体分散手段と、を有する。
【0009】
本発明の他の面では、本発明に向けた酸性コバルト溶液回収装置は、銅配線のための酸性コバルト溶液を用いることにより銅配線のエレクトロマイグレーションを防止するのに用いられる半導体プロセス機器および回収装置を有する酸性コバルト溶液回収装置であって、使用済み酸性コバルト溶液を再生するために前記半導体プロセス機器の排出口に接続された再生ラインと、前記使用済み酸性コバルト溶液の導電率を測定するために前記再生ラインに接続された伝導プローブと、前記再生ラインから前記半導体プロセス機器の流入口に前記使用済み酸性コバルト溶液を回収する回収ラインと、前記回収ラインに配置され、前記再生ラインから使用済みコバルト溶液を受け入れる入口を有するタンクと、前記伝導プローブから使用済み酸性コバルト溶液の導電率を示す信号を受信し、該信号が所定範囲内にあるか否かを判定し、該信号が前記設定点の範囲内にあるときは前記タンクに使用済み酸性コバルト溶液を向けるバルブに信号を送り、該信号が前記設定した所定範囲外にあるときは前記システムドレインに使用済み酸性コバルト溶液を向けるバルブに信号を送る制御器と、前記タンクと前記半導体プロセス機器の流入口とに接続された流体分散手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、半導体プロセス機器から排出される使用済みの半導体プロセス流体を効率よく回収して有効に再生することができる。特に使用済みの酸性コバルト溶液を回収・再生することに本発明は有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1と図2を参照して本発明の実施の形態を説明する。本発明は半導体プロセス機器の排出口から再生利用された使用済みのプロセス流体を回収するシステムに向けられている。再生したプロセス流体は、使用済みプロセス流体の状態が所定の範囲内にあるときはそのプロセス機器の入口に返戻回収するか、またはシステムから排出する。本発明の一実施形態において、本発明は使用ポイント(例えば半導体プロセス機器)に使用済みプロセス流体を供給するシステムを提供するものであり、当該システムはプロセス流体を混合し、分配し、回収し、再生するものである。また特に、本発明は、半導体プロセス流体を形成するために少なくとも2つの流体を混合し、半導体プロセスのために十分な圧力でプロセス流体の混合物を半導体プロセス機器に分配し、該混合物を再生し、あるパラメータに基づいて該混合物を回収するか又は排出する装置および方法を提供するものである。
【0012】
図1に本発明の実施形態に係るプロセス流体回収装置100を示す。使用済みプロセス流体は1つまたはそれ以上の排出ライン117aと117bを通ってプロセス機器115を出ていく。使用済みプロセス流体は重力によりプロセス機器115から出ていくか、またはプロセス機器115が液だめポンプを有し、1つ又はそれ以上の排出ライン117a,117bに使用済みプロセス流体をポンプ輸送される。図1に示すように、各排出ラインは弁129aと129bにおいて2つの分離流路119と121に分かれる。あるいは、排出ライン117aと117bはともにT字管の形状とし、ここに単一の弁(129a又は129b)を用い、これら2つの弁形状はシステムを操作する上で実質的に同じとしてもよい。使用済みプロセス流体は、流路119(再生ライン)を通って流れることにより再生され、タンク103に戻る。しかし、ある状態が存在する場合に(以下においてさらに論じる)、使用済みプロセス流体は酸−塩基中和システム(acid-base neutralization system)のような排出システム123のなかに流すための排出ライン121に放出される。三方弁129aと129bは、再生ライン119か又は排出ライン12のいずれかを通流する使用済みプロセス流体の流れを選択的に放出するために用いられる。
【0013】
図1を参照して、再生ライン119は、再生ライン119内の使用済みプロセス流体の状態を監視するためのセンサ125を含んでいる。あるいは、センサは弁129aと129bの上流の各排出ライン117a,117bに配置するようにしてもよい。このセンサ125は使用済みプロセス流体の導電性を監視する伝導プローブであることが好ましい。しかし、pHプローブ、ORPプローブ、自記濃度記録計、自動滴定装置または屈折率センサのような他のセンサを用いるようにしてもよい。とくに、使用済みプロセス流体を監視するために、複数のセンサの組合せとして例えば伝導プローブと自記濃度記録計との組合せを再生ライン119(または排出ライン117aと117b)内に取り付けるようにしてもよい。センサ125は、センサ125から出力される信号を監視する制御器127(例えばプログラマブル論理コントローラ)に電気的接続またはワイヤレス接続するようにしてもよい。制御器127は、流量制御器109,111、ポンプ113および弁129a,129b,131を含むシステムの他の部品に電気的、ワイヤレス的または空気圧的のいずれかで接続するようにしてもよい。
【0014】
ポンプ113(例えば、往復ポンプ、位置変位ポンプ、ベローズポンプ、遠心ポンプなど)は、タンク103からプロセス流体を引き出すための回収ライン112内に配置してもよく、半導体プロセス機器115に仕様圧力でプロセス流体を送る。とくに、タンク内のプロセス流体は、排出ライン117から使用済みプロセス流体の混合物であってもよく、ライン110からの新鮮なプロセス流体であってもよい。半導体プロセス機器115は、1つ又はそれ以上の噴霧ヘッドを含むものであってもよいし、1つ又はそれ以上の機器にプロセス流体を供給することができるシステム100の回収ライン112を含むものであってもよい。プロセス流体の圧力は約5psiから約60psiまでの間にいくように要求される。
【0015】
タンク103内の流体の液位が低い場合は、第1の流量制御器109に第1の流体を供給するとともに、第2の流量制御器101にタンク103まで第2の流体を供給する。第2の流量制御器111が第2の流量供給ライン105に接続されている間において、第1の流量制御器109は第1の供給ライン101に接続されている。第1の流体は、例えばオンサイト水純化プラントにより供給される加圧された脱イオン水であってもよい。また、第1の流体は、水酸化アンモニウム、過酸化水素あるいは加圧源により供給される添加剤または希釈剤であってもよい。第2の流体は、半導体噴霧ヘッド機器内のプロセス工程に用いられる何らかの流体であってもよい。第2の流体は、例えば、BOCエドワーズ社のケミカル・マネージメント部(チャンハッセン、MN)(登録商標)により製造されるようなバルク流体混合及び/又は分配システム107により供給される酸性コバルト溶液であってもよい。第2の流体は、フッ化水素酸、硫化水素酸、水酸化アンモニウム、過酸化水素またはこれらの類似物であってもよいし、あるいは登録商標セミ-スパース-12(Semi-Sperse-12)、登録商標アイキュー5001(iCue 5001)、登録商標クレボゾール1501(Klebosol 1501)、登録商標キャブ-オー-スパースSC-112(Cab-O-Sperse SC-112)またはこれらの類似物であってもよい。
【0016】
第1及び第2の流体は、重量ベース混合、体積ベース混合および流量コントローラ混合を含む種々の混合技術のうちの1つを用いて一緒に混合してもよい。重量ベース混合の例は米国特許番号 6,098,843 ; 6,269,975 ; 6,340,098 および 6,675,987 に記載されている。体積ベース混合の例は米国特許番号 5,632,960 ; 5,370,269 ; 5,490,611 および 5,803,599 に記載されている。図1に流量コントローラ混合を用いる本発明の実施の形態を示しているが、ここに記述した流量コントローラ混合技術に代えて上述の重量ベース混合または体積ベース混合技術を用いてもよい。図1に示すように第1および第2の流体の流量を流量制御器109と111によりそれぞれ制御する。適合しうる流量制御器の例としてBOCエドワーズ社により製造されるリクイ・スイス(LiquiSys;登録商標)を用いてもよいし、または、他の流量制御器としてNTインターナショナル社により製造されるPLCまたはエンテグリス(Entegris;登録商標)を用いるようにしてもよい。各流体の流量は、蠕動ポンプ、計量弁、累計流量計またはこれらの類似品により制御することができる。タンク103は、例えばパーフルオロアルコキシ(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリビニリデン・ジフルオライド(PVDF)またはポリエチレン(PE)のような不活性湿性材料で製作されることが好ましく、容量、光学またはデジタルのセンサか又はロードセルのような1つまたはそれ以上のレベルセンサ104を含むことができる。
【0017】
オペレーションシステム100の操作中に、流量制御器109と111で各流体の流量を制御することにより第1および第2の流体の混合物を形成する。例えば、第2の流体は、機器115内で半導体プロセスを行う前に脱イオン水(本実施例では第1の流体)で10%濃度に希釈する必要がある濃縮酸性コバルト溶液とすることができる。したがって、流量制御器111は、所望の濃度または混合比を達成するために流量制御器109が100ml/分に脱イオン水の流量を制御する間に、10ml/分にコバルト溶液の流量を制御することができる。とくに、この混合量は、流体混合物が機器115に対して常時適合するように、ポンプ送りの流量を超えるようにすべきである。このため、第1および第2の流体の流量は、機器115の流量指令に従って増加または減少させてよい。
【0018】
好ましい実施の形態では、図1に示すように、個別の部品としてのタンクに流入するときよりもむしろタンク103に流入するときにすでに第1の流体と第2の流体とが合流して一緒になっているようにするために、流体ライン101と105をタンクの上流に接続している。システム100は、タンク103に入る前に2つの流体の十分な混合がなされるようにT字管の下流にインライン・スタティックミキサーのような混合装置を含むものであってもよい。他の実施の形態では、流体ライン101と105は、タンク103に別々に接続してもよく、混合装置、撹拌器または乱流器(タービュランス)を通ってタンク内で両流体の混合が生じるようにする。
【0019】
また、タンク103内での流体の混合特性を監視し、その信号を制御器127に送信するために他のセンサ(例えば、伝導プローブ、pHプローブ、ORPプローブ、自動滴定装置または屈折率センサ)を設けてもよい。例えば、自動滴定装置を使用する場合は、タンク103(あるいはタンク103またはポンプ113の直ぐ下流のポイント)から自動滴定装置内に流体のサンプルを定期的に採取しうるようにポンプを設ける。自動滴定装置は、流体混合物の成分(例えば過酸化水素)濃度を決定するサンプルを滴定定量するものである。成分濃度が予め設定した範囲から外れると、制御器127は流体混合物に対してその成分の添加量を添加するためにその成分を供給ライン(101又は105)の流量コントローラ(109又は111)を活動させる。システム100は、制御器127が供給ライン101又は105よりも他の加圧ラインからタンク103にその成分を注入するための他の装置に信号を送るようになっている。この形態において、混合及び/又は分配システムによるか、又は少量の注入によるか、又はドラムから流体を採取する計量ポンプにより、加圧ラインに流体を供給するようにしてもよい。
【0020】
システム100は、タンク103内の流体混合物が十分な量を維持するとともに、タンク103への過剰な充填または過剰な昇圧を防いでタンク103を確実にするためにレベルセンサ104を含むようにしてもよい。例えばタンク103は、タンクの低−低レベル、低レベル、高レベル、高−高レベルをモニタするための4つの容量センサを含むようにしてもよい。操作中において、ポンプ113によりタンク103から流体混合物を引き出しながら、2つの供給源のうちの1つから流体を供給してタンク103を再充填する。タンク103は、ライン110から新鮮な流体混合物を受け入れるか又はライン120から使用済みプロセス流体を受け入れるようになっている。さらに後述するように、使用済みプロセス流体は定常的に再生ライン119を通ってタンク103に戻されるようになっている。しかし、排出ライン121を通ってシステム100から定期的に使用済みプロセス流体を放出するようにしてもよい。このため規定時間外にタンク103内の流体の液位が減少しうる。タンク103内の液位が低設定点(例えば、低センサにより設定されるか、または予め設定された重量)に達する場合は、制御器127は、流量コントローラ109と111を作動させ、液位が高設定点(例えば、高センサにより設定されるか、または予め設定された重量)になるまで新鮮な流体混合物をタンク103に再充填する。
【0021】
本実施形態では、ポンプ113はタンク103から流体混合物を引き出し、予め設定した設定圧力(例えば、約5〜60psi)で半導体プロセス機器のような1つ又はそれ以上の使用ポイントに流体混合物を分配する。処理後、使用済みプロセス流体を機器の排出ライン117a又は117bに流す。システム100が再生モードで操作されると、使用済みプロセス流体は弁129a又は129bのノーマルオープン口を通って流れた後にセンサ125を通過する。センサ125は、使用済みプロセス流体の状態(例えば、導電率やpHなど)をモニタし、制御器127に信号を送る。その信号が設定範囲内にあれば、制御器127は使用済みプロセス流体がタンク103内に流れるように弁131のノーマルオープン口を開ける。一方、信号が設定範囲外にあれば、使用済みプロセス流体を排出ライン121に排出し、製造プラントの排出システムに放出する。使用済みプロセス流体を再生し、その再生流体をタンク103内に流すと、これに新鮮な流体及び/又は前使用流体(pre-used fluid)の混合物を混合する。この混合物はポンプ113を通って回収され、さらなる処理のために機器115に戻される。
【0022】
システム100が排出モードで操作されると、使用済みプロセス流体は排出ライン117a又は117bを通って流れ、弁129a又は129bのノーマルオープン口を通って排出システム123に排出される。この排出モードは、機器を操作するオペレーターが使用済みプロセス流体をシステム100に排出することを望む場合や再生流体をすべて除去する場合に用いられる。これにさらに加えて、システム100は、タンク103内の流体混合物の液位が高設定点に達したときに、タンク103がそれ以上の流体を受け入れないようにするために、排出モードに入るようにしてもよい。
【0023】
システム100は流出および流入モードにも操作できる。この流出・流入モード中に、制御器127は一定の間隔で定期的に弁129a,129b又は131のうちの1つ又はそれ以上を作動させるようになっている。例えば、制御器127は、使用済みプロセス流体の一部がドレイン123に放出されるように、5分ごとに30秒間だけ弁129aと129bを作動させるようになっている。同様に、制御器127はシステム100から使用済みプロセス流体を流出させるために弁131を定期的に作動させるようになっている。また、システム100は使用済みプロセス流体を機械的に流出および流入させるようにしてもよい。例えば、図1に示すように、スリップストリームライン(例えば1/4インチ管)を弁131の下流に設け、このスリップストリームラインを排出ライン121にT字接続するようにしてもよい。スリップストリームラインは、使用済みプロセス流体の一部を排出システム123に連続して流れるようにするオリフィス(例えば0.100インチのオリフィス)を含むものであってもよい。加えて、測定した流体の状態(センサ125による測定)が設定範囲から外れると、センサ125から受けた信号に基づいて流出および流入の操作を行なうようにしてもよく、制御器127は、設定時間の間隔か又は測定した流体の状態が設定範囲内に戻るまで、排出ライン123に使用済みプロセス流体を放出するために弁131(または弁129aと129b)を作動させる。
【0024】
システム100はオンラインモード又はオンデマンドモードに操作することができる。オンラインモードで操作するときは、タンク103から1つ又はそれ以上の使用ポイントに流体混合物を連続的に供給し、上述したモードすなわち再生モード、排出モード及び/又は流出および流入モードのうちの1つを用いて使用済みプロセス流体を連続的に再生するか又は排出する。オンデマンドモードにおいては、制御器127は、1つ又はそれ以上の使用ポイントから請求信号を受け、受けた請求信号に基づいて使用ポイントに流体混合物を供給するためにポンプ113を作動させるようになっている。
【0025】
システム100がユーザーを外延としうることを銘記しておく。制御器127は、ユーザーまたはオペレーターが所望の操作モードを選択することを可能にするマンマシンインターフェース(HMI)を含むものであってもよい。
【0026】
本発明の他の実施形態を図2に示す。1つ又はそれ以上の排出ライン217a,217bを通って機器215から使用済みプロセス流体が出ていくようになっている。使用済みプロセス流体を自重で排出ライン217a,217bに流れ込ませるか、または排出ライン217a,217bに使用済みプロセス流体を送るための1つ又はそれ以上の水溜めポンプを機器215が有している。図2に示す実施の形態では、排出ライン217aと217bが弁229a,229bで2つの流路219と221とに別れている。代わりに、排出ライン217aと217bをT字の形状とし、単一の弁(229a又は229b)を使用して、2つの弁を用いるのと実質的に同じようにシステム200を操作するようにしてもよい。流路219(再生流路)を通流させることにより使用済みプロセス流体を再生し、タンク203に戻すことができる。しかし、ある条件が存在すると、酸−塩基中和装置のような排出システム223に連通する排出ライン221に使用済みプロセス流体を放出することになる。三方弁229aと229bは、再生ライン219または排出ライン221のいずれか一方を通って使用済みプロセス流体を選択的に放出するのに使用されうる。処理した結果から又はプロセス機器215を通過する流れの結果から混入する微粒子をろ過するために、他のフィルタ226を再生ライン219に取り付けるようにしてもよい。
【0027】
センサ225を再生ライン219に取り付け、再生ライン219の使用済みプロセス流体の状態を監視する。これの代わりに、センサを弁229a,229bの上流の各排出ライン217a,217bにそれぞれ取り付けるようにしてもよい。センサ225は伝導プローブが好ましいが、pHプローブ、ORPプローブ、自記濃度記録計、自動滴定装置または屈折率センサであってもよい。ここで、流体の状態を監視するために多数のセンサを再生ライン219に取り付けるようにしてもよい。例えば、伝導プローブと自記濃度記録計を再生ライン219に取り付けてもよい。センサ225は、センサ225からの出力信号をモニタする制御器227(例えば、プログラム可能論理コントローラ)に電気接続またはワイヤレス接続してもよい。制御器227は、流量制御器209,211、ポンプ213および弁229a,229b,231,233を含むシステムの他の部品と電気的、ワイヤレス的または空圧的に接続するようにしてもよい。
【0028】
システム200は、タンク203から流体を引き出すためにポンプ213、例えば往復ポンプ、位置変位ポンプ、ベローズポンプ、遠心ポンプなど)を含み、半導体プロセス機器215のような1つ又はそれ以上の使用ポイントに設定圧力(例えば、約5〜60psi)で流体を送る。ここで、半導体プロセス機器215は、1つ又はそれ以上の機器に流体を供給できるシステム200の1つ又はそれ以上の噴霧ヘッドおよびポンプ分配ライン212を含むようにしてもよい。フィルタ214は、処理前の流体混合物をろ過するためにポンプ分配ライン212に設けられている。
【0029】
第1および第2の流体供給ライン201,205はタンク203に第1および第2の流体をそれぞれ供給するためのものである。第1の流体として例えば加圧した脱イオン水、水酸化アンモニウム、過酸化水素、各種添加剤、各種希釈剤などをオンサイト設備によるか又は何らかの加圧源により供給するようにしてもよい。第2の流体として例えば酸性コバルト溶液、フッ酸、硫酸、水酸化アンモニウム、過酸化水素およびその類似物、あるいはSS-12、iCue5001、K1501、SC-112またはその他の類似の流体を多量流体混合(bulk fluid blending)及び/又は分配装置によるか又は加圧源により供給するようにしてもよい。
【0030】
第1の実施の形態に関連して上述したように、第1および第2の流体を重量ベース混合、体積ベース混合または流量制御混合のいずれを用いて混合するようにしてもよい。これらの混合法のいずれか1つをシステム200に用いるにしても、図2に示すように本実施形態では流量制御混合を採用している。流量コントローラ209および211は、それぞれ第1の流体および第2の流体の流量を制御するためにそれぞれ供給ライン201,205に設置されている。しかし、上記実施形態のシステム100に関連して上述したように、蠕動ポンプ、計量弁、累計流量計またはその類似物を流量コントローラの代わりに用いることができる。タンク203は、濡れ難い材料(例えば、PFA、PTFE、PVC、PVDF、またはPE)で構成され、容量センサ、光学センサ、デジタルセンサ、またはロードセルのようなレベルセンサ204を1つ又はそれ以上有することが好ましい。システム200の操作中に流量コントローラ209と211で各流体の流量を制御することにより第1の流体と第2の流体との混合物を形成する。例えば、機器215内で半導体プロセスを行なう前に第2の流体(例えば、濃縮された酸性コバルト溶液)を約10%になるまで第1の流体(例えば、脱イオン水)に希釈混合するように要求してもよい。所望の濃度または混合率にするために、第1の流量コントローラ209が100ml/分に第1の流体の流量を制御している間に、第2の流量コントローラ211は10ml/分に第2の流体の流量を制御する。ここで、流体混合物を半導体プロセス機器に常時適合しうるものとするため、混合する量はポンプ送液の量を超えるべきである。従って、第1および第2の流体の流量を半導体プロセス機器215の要求する流量に依存して増加または減少させる。
【0031】
好ましい実施の形態では、図2に示すように、タンク203に流入する前に第1の流体と第2の流体とが併合されるようにするために、流体ライン201と205がタンク203の上流に接続されている。システム200は、タンク203に流入する前に2つの流体が十分に混合されるようにするためにT字管の下流にインライン・スタティックミキサーのような混合装置を有する。他の実施の形態では、混合器、攪拌器のようなもの又は乱流器を通ってタンク203内で流体の混合が起こるようにするために、流体ライン201と205がタンク203に個別に接続されている。
【0032】
さらに、他のセンサ(例えば、伝導プローブ、pHプローブ、OHPプローブ、自動滴定装置または屈折率センサ)は、タンク203の内側での流体混合物の性状を監視し、制御器227に信号を送るようになっている。例えば、自動滴定装置を用いるときは、ポンプでタンク203から(またはタンク203やポンプ213の直ぐ下流の地点から)自動滴定装置内にサンプルを定期的に採取するようにしてもよい。自動滴定装置は、流体混合物中の成分(例えば、過酸化水素)の濃度を同定するためにサンプルの滴定を行うものである。滴定した成分の濃度が設定範囲から外れていると、制御器227は流体混合物にその成分の添加量を添加するようにその成分のための供給ライン(201又は205)にある流体コントローラ(209又は211)を作動させる。制御器227は、供給ライン201又は205以外の他の加圧ラインからタンク203内に所望の成分を添加するためにもう1つ他の装置に信号を送るようにしてもよい。このような形態では、混合及び/又は分配システムによるか、または少量添加によるか、またはドラムから計量ポンプで流体を引き出すことによるか、いずれかの方法で当該加圧ラインにその成分を供給するようにする。
【0033】
タンク203は、タンクが十分な量の流体混合物を維持し、タンクへの流体の過剰充填または過剰昇圧を防ぐために、レベルセンサ204を含むようにしてもよい。例えば、タンク203は低重量と高重量とを測定するための2つのロードセルを含むようにしてもよい。操作中において、ポンプ213によりタンク203から流体混合物を引き出し、3つの供給源のうちの1つからタンク203を再充填する。タンク203は、ライン210から新鮮な流体混合物を受けるか、またはライン220(フィルタ226を有するライン)から使用済みプロセス流体を受けるか、またはライン235から再循環流体混合物を受けるようになっている。さらに以下に後述するように、通常、使用済みプロセス流体は再生ライン219を通ってタンク203に戻るようになっている。しかし、排出ライン221を通してシステム200から使用済みプロセス流体を定期的に供給するようにしてもよい。このようにすると、タンク203内の流体の液位が規定時間を超えて減少する。タンク203内の流体の液位が低設定点(例えば、低センサにより設定されるか、または設定重量)に到達したときに、制御器227は高設定点(例えば、高センサにより設定されるか、または設定重量)になるまで新鮮な流体混合物をタンク203に再充填するように流量コントローラ209と211を作動させる。
【0034】
タンク203から流体混合物を引き出すポンプの稼働中において、半導体プロセス機器215のような使用ポイントの1つ又はそれ以上に対して設定圧力(概して約5〜60psi)で流体混合物を投入する。使用済みプロセス流体は排出ライン217a,217bおよびそれぞれの弁229a,229bのうちのいずれか一方または両方を通って流れる。システム200が再生モードで操作される場合は、使用済みプロセス流体は弁229a又は229bのノーマルオープン口を通って流れ、センサ225を通過する。センサ225は、使用済みプロセス流体の状態を監視し、信号を制御器227に送るものである。センサ225からの信号が設定範囲内に入っているときは、制御器227は使用済みプロセス流体がタンク203内に流入しうるようにノーマルオープン位置に弁231を維持する。しかし、センサ225からの信号が設定範囲から外れているときは、使用済みプロセス流体を排出ライン221および製造設備の廃液中和装置に放出する。使用済みプロセス流体を再生する場合は、該使用済みプロセス流体をタンク203内に流し込み、該使用済みプロセス流体に新鮮な混合流体及び/又は事前使用流体(pre-used fluid)の混合物を付加して混ぜ合わせる。次いで、この混合物をポンプ213で回収し、さらに処理を行うために半導体プロセス機器215に戻す。
【0035】
システム200が排出モードで操作される場合は、使用済みプロセス流体は排出ライン217a又は217bを通って流れ、弁229a又は229bのノーマルクローズ口を通って排出装置123に流れ込む。この排出モードは、機器を操作するオペレーターが使用済みプロセス流体をシステム200に排出するのを望む場合に、再生流体のすべてを除去するのに利用される。さらに、システム200は、タンク203内の流体混合物の液位が高レベルに達したときにタンク203がさらに流体を受け入れられないようにするために、排出モードに入るようにしてもよい。
【0036】
システム200は放出及び供給(流出及び流入)モードに操作するようにしてもよい。このモード中に、制御器227は、定期的な時間間隔で弁229a,229b又は231のうちの1つ又はそれ以上を作動させてもよい。例えば、制御器227は、排出装置223に使用済みプロセス流体の一部が放出されるように5分ごとに30秒間だけ弁229aと229bを作動させてもよい。システム200は流体を機械的に放出し供給するようにしてもよい。例えば、スリップストリームライン(例えば、1/4インチ管)を弁231の下流に取り付け、スリップストリームラインを排出ライン221にT字管で接続する。スリップストリームラインは、使用済みプロセス流体の一部を排出装置223に連続的に流すようにするオリフィス(例えば、0.013インチオリフィス)を含むものであってもよい。さらに、使用済みプロセス流体の状態を測定した測定状態が設定範囲から外れているようなときにセンサ225から受けた信号に基づいて放出及び供給モードが行われる。制御器227は、設定時間が経過するまで又は流体の測定状態が設定範囲に入るまで排出装置223に使用済みプロセス流体を放出するように弁231(または弁229aと229b)を作動させる。
【0037】
システム200は、ポンプ213にタンク203から1つ又はそれ以上の使用ポイントに向けて流体混合物を供給させるか、またはタンク203に戻して流体混合物を再循環させるかのうちいずれか一方を行うようにオンラインモードに操作される。制御器227が使用ポイントから請求信号を受けるとき、制御器227は、弁233のノーマルクローズ口および使用ポイントを通って流体混合物が流れるように弁233を作動させる。同時に、システム200は上述した各種のモードすなわち再生モード、排出モード及び/又は放出及び供給モードのうちの1つを用いて使用済みプロセス流体を再生するか又は排出する。機器からの要求がないときは、弁233を非作動にし、弁233のノーマルオープン口を通して流体を流して、タンク203に戻す。微粒子の濃度を低レベルに維持するためのフィルタ214を最適性能とすることが流体をタンク203に戻す再循環を確実にする。
【0038】
システム100のようにシステム200はユーザーに適合性がある。制御器227は、ユーザー又はオペレーターが所望の操作モードを選択できるようなヒューマンマシンインターフェース(HMI)を含むようにしてもよい。
【0039】
ここで、変形例の実施の形態として、システム100及び200が2つのタンクを含むようにしてもよい。1つのタンクではオンラインモードで流体混合物を再循環するか又は分配することを行わせるが、もう1つの他のタンクでは混合および制限モード(blend and qualification mode)とする。混合および制限モード中に、制御器127または227は、オフライン・タンクを充填するために混合シーケンスをはじめ、次いで伝導プローブ、pHプローブ、ORPプローブ、自動滴定装置または屈折率センサでオフライン・タンク内の流体混合物の状態を測定することを含む制限シーケンスをはじめる。流体の測定状態が設定範囲を外れているときは、制御器127又は227は、オフライン・タンクに追加流体を添加するために流量コントローラ(109,111または209,211)または他の加圧源のうちの1つを作動させ、次いでオフライン・タンク内の流体の状態を再測定する。制御器127又は227は、オフライン・タンクが仕様から外れているときにエラーメッセージを与えるようにしてもよい。いったん制限してしまうと、オンライン・タンク内の液位が低レベルに達し、そのタンクの操作モードが切り替わるまで、オフライン・タンクは待機する。
【0040】
また、システム200に関してのみフィルタの利用を記載しているが、図1に示した実施の形態のシステム100にフィルタを取り付けるようにしてもよい。また、両実施形態では加圧ライン101と105または201と205により2つの流体を混合するように記載しているが、システム100または200のいずれか一方がタンク103または203の上流か又はタンク103または203の中かのいずれかに2つ又はそれ以上の供給ラインにより2つ又はそれ以上の加圧流体を混合することができる。さらに、システム100または200は、ポンプ分配ライン112または212内のシステム排出ラインを含むようにしてもよい。この場合に、回収ライン112または212に三方弁を取り付け、制御器127または227がシステム100または200から排出装置123または223に流体混合物を放出するための弁を定期的に作動させるようにする。
【0041】
さらに、システム100および200において機器115または機器215または流体混合及び/又は分配装置107よりも半導体製造設備を異なる高さレベルに位置させるようにしてもよい。例えば、流体分配装置をシステムの基部に位置させ、「サブ-ファブ(sub-fab.)」内の基部の上方の高さレベルに位置するシステム100または200に加圧流体を供給するようにしてもよい。さらに、機器は「ファブ(fab.)」内のシステム100または200の上方に位置させるようにしてもよい。
【0042】
以上に説明し、図1および図2の実施の形態に示したように本発明は、半導体プロセス流体を回収することによりコスト問題を効果的に解決することを提供する。本発明は、半導体プロセス流体を混合し、分配し、再生し、回収する装置をさらに提供する。本発明の他の実施の形態および変形例は、前述した説明および実施例をヒントにして当業者が明確に読み取るようにしていること、および実施の形態および変形例が特許請求の範囲に記載した本発明の範囲内に含まれることを予期するものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は本発明の一実施形態の装置を示す概略構成図。
【図2】図2は本発明の他の実施形態の装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
【0044】
100,200…プロセス流体回収装置(システム)、101,105,201,205…供給ライン、
103,203…タンク、104,204…レベルセンサ、107…分配装置、
109,111,209,211…流量コントローラ、112…回収ライン、113,213…ポンプ、
115,215…半導体プロセス機器、
117a,117b,121,217a,217b,221…排出ライン、
119,119a,119b,219,219a,219b…再生ライン、
123,223…排出装置、
125,225…センサ(伝導プローブ、pHプローブ、ORPプローブ、自記濃度記録計、自動滴定装置、屈折率センサ)、
127,227…制御器、129a,129b,131,229a,229b,231…弁、
212…ポンプ分配ライン、214,226…フィルタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体プロセス機器の排出口から再生ラインに使用済みプロセス流体を通流させ、前記半導体プロセス機器の排出口から前記使用済みプロセス流体を再生し、
前記再生ラインに接続された流体センサで前記使用済みプロセス流体の状態を測定し、
前記流体センサから制御器へ前記プロセス流体の状態を表わす信号を送るとともに、該信号が所定範囲内にあることを設定し、
前記信号が前記所定範囲内に入る場合は前記半導体プロセス機器に前記使用済みプロセス流体を回収し、また前記信号が前記所定範囲から外れる場合は前記使用済みプロセス流体の少なくとも一部をシステムドレインに流すことを特徴とするプロセス流体回収方法。
【請求項2】
前記使用済みプロセス流体の一部の定期的な排出を含み、前記信号が前記所定範囲内に入る場合に、前記半導体プロセス機器に前記使用済みプロセス流体を回収することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記使用済みプロセス流体を定期的に排出する工程は、所定の時期に所定の時間間隔で前記システムドレインに前記使用済みプロセス流体の一部を排出することを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記使用済みプロセス流体を回収する工程は、タンクに前記使用済みプロセス流体を受け入れ、前記タンクから前記半導体プロセス機器の流入口に前記使用済みプロセス流体を分配することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記タンクに接続されたレベルセンサが前記タンク内の流体レベルが低設定点に達したことを示す信号を前記制御器に送ったときに、新鮮なプロセス流体を前記タンクに追加する工程をさらに有することを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
タンクに新鮮なプロセス流体を追加する前記工程では、前記新鮮なプロセス流体を形成するための第1の流体と第2の流体とを調合することを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
第1の流体と第2の流体とを調合する前記工程では、第1の流量制御器で前記第1の流体の流量を制御するとともに、第2の流量制御器で前記第2の流体の流量を制御することを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記再生ラインに接続された流体センサで前記使用済みプロセス流体の状態を測定する前記工程では、自動滴定装置で前記使用済みプロセス流体の濃度を測定することを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記制御器にプロセス流体の濃度を示す信号を送る工程をさらに有し、前記濃度が低濃度設定点と高濃度設定点との間にあることを設定し、かつ、前記濃度が前記低濃度設定点を下回る場合には、前記使用済みプロセス流体の濃度が前記低濃度設定点と高濃度設定点との間に上昇するように前記タンクに前記第1の流体を追加することを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
使用済みプロセス流体を再生する前記工程では、前記半導体プロセス機器の排出口から排出される使用済み酸性コバルト溶液を再生することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
使用済みプロセス流体を再生する前記工程では、前記半導体プロセス機器の排出口から排出される無電解コバルト溶液を再生することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
使用済みプロセス流体を再生する前記工程では、前記使用済みプロセス流体をろ過することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記再生ラインに接続された流体センサで前記使用済みプロセス流体の状態を測定する前記工程では、伝導性プローブで前記流体の導電性を測定することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記再生ラインに接続された流体センサで前記使用済みプロセス流体の状態を測定する前記工程では、自動滴定装置で前記使用済みプロセス流体の濃度を測定することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記再生ラインに接続された流体センサで前記使用済みプロセス流体の状態を測定する前記工程では、pHプローブで前記使用済みプロセス流体のpHを測定することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記半導体プロセス機器に前記プロセス流体を分配する前記工程では、前記プロセス流体の圧力を約5psiから約60psiまでの間に制御することを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項17】
半導体プロセス機器から酸性コバルト溶液を回収する方法において、
使用済み酸性コバルト溶液を半導体プロセス機器の排出口から再生ラインに流して、前記半導体プロセス機器の排出口からの使用済み酸性コバルト溶液を再生し、
前記再生ラインに接続された伝導プローブで前記使用済み酸性コバルト溶液の導電率を測定し、
前記測定導電率を示す信号を制御器に送り、前記測定導電率が所定の導電率の範囲内にあるか否かを判定し、
前記測定導電率が所定の導電率の範囲内にある場合は、前記半導体プロセス機器に前記使用済み酸性コバルト溶液を回収するか、または、前記測定導電率が所定の導電率の範囲から外れている場合は、システムドレインに前記使用済みプロセス酸性コバルト溶液の少なくとも一部を放出し、使用済み酸性コバルト溶液を回収する該回収工程では、タンクに前記使用済み酸性コバルト溶液を移送し、かつ前記タンクから半導体プロセス機器の流入口に前記使用済み酸性コバルト溶液をポンプ送液し、
前記タンク内の使用済み酸性コバルト溶液の液位が低設定点に達したときに、前記タンクに新鮮な酸性コバルト溶液を新たに追加することを特徴とするプロセス流体回収方法。
【請求項18】
前記タンクに新鮮な酸性コバルト溶液を追加する工程は、前記新鮮な酸性コバルト容器を形成するために第1の流体と第2の流体とを調合することを含むことを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記第1の流体と第2の流体とを調合する工程は、第1の流量制御器で前記第1の流体の流量を制御することと、第2の流量制御器で前記第2の流体の流量を制御することとを含むことを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
半導体プロセス機器からのプロセス流体を回収するための装置であって、
使用済みのプロセス流体を再生するために半導体プロセス機器の排出口に接続された再生ラインと、
使用済みプロセス流体の状態を測定するために前記再生ラインに接続された流体センサと、
前記再生ラインから前記半導体プロセス機器の流入口までの使用済みプロセス流体を回収する回収ラインと、
前記回収ラインに配置され、前記再生ラインからの使用済みプロセス流体を受ける入口を有するタンクと、
前記流体センサから前記使用済みプロセス流体の状態を示す信号を受信し、該信号が所定範囲内にあるか否かを判定し、該信号が前記設定点の範囲内にあるときは前記タンクに使用済みプロセス流体を向けるバルブに信号を送り、該信号が前記設定した所定範囲外にあるときは前記システムドレインに使用済みプロセス流体を向けるバルブに信号を送る制御器と、
前記タンクと前記半導体プロセス機器の流入口とに接続された流体分散手段と、
を有することを特徴とするプロセス流体回収装置。
【請求項21】
前記第1および第2の流量制御器は新鮮なプロセス流体の流れを形成するために前記第1の流体と第2の流体とを調合するものであり、前記タンクは新鮮なプロセス流体が流れ込む流入口をさらに有することを特徴とする請求項20記載の装置。
【請求項22】
前記タンクは該タンク内の液位が低設定点に達したときに前記制御器に信号を送るレベルセンサを有し、前記制御器は前記液位が高設定点に到達するまで前記タンクに新鮮なプロセス流体を追加するために前記流量制御器を作動させることを特徴とする請求項21記載の装置。
【請求項23】
前記使用済みプロセス流体をろ過するために前記再生ラインに接続されたフィルタをさらに有することを特徴とする請求項20記載の装置。
【請求項24】
前記プロセス流体をろ過するために前記回収ラインに接続されたフィルタをさらに有することを特徴とする請求項20記載の装置。
【請求項25】
前記再生ラインに接続された排出口を備える第2の半導体プロセス機器をさらに有することを特徴とする請求項20記載の装置。
【請求項26】
前記半導体プロセス機器は、前記銅配線に酸性コバルト溶液を用いることにより該銅配線のエレクトロマイグレーションを防止することを特徴とする請求項20記載の装置。
【請求項27】
前記半導体プロセス機器は、銅配線上にパラジウムを積層し、かつ該パラジウムを無電解コバルト溶液と反応させることにより該銅配線のエレクトロマイグレーションを防止することを特徴とする請求項20記載の装置。
【請求項28】
前記流体センサが伝導プローブであることを特徴とする請求項20記載の装置。
【請求項29】
前記流体センサが自動滴定装置であることを特徴とする請求項20記載の装置。
【請求項30】
前記流体センサがpHプローブ、ORPプローブ、自記濃度記録計および屈折率センサからなる群より選択されたものであることを特徴とする請求項20記載の装置。
【請求項31】
銅配線のための酸性コバルト溶液を用いることにより銅配線のエレクトロマイグレーションを防止するのに用いられる半導体プロセス機器および回収装置を有する酸性コバルト溶液回収装置であって、
使用済み酸性コバルト溶液を再生するために前記半導体プロセス機器の排出口に接続された再生ラインと、
前記使用済み酸性コバルト溶液の導電率を測定するために前記再生ラインに接続された伝導プローブと、
前記再生ラインから前記半導体プロセス機器の流入口に前記使用済み酸性コバルト溶液を回収する回収ラインと、
前記回収ラインに配置され、前記再生ラインから使用済みコバルト溶液を受け入れる入口を有するタンクと、
前記伝導プローブから使用済み酸性コバルト溶液の導電率を示す信号を受信し、該信号が所定範囲内にあるか否かを判定し、該信号が前記設定点の範囲内にあるときは前記タンクに使用済み酸性コバルト溶液を向けるバルブに信号を送り、該信号が前記設定した所定範囲外にあるときは前記システムドレインに使用済み酸性コバルト溶液を向けるバルブに信号を送る制御器と、
前記タンクと前記半導体プロセス機器の流入口とに接続された流体分散手段と、
を有することを特徴とする酸性コバルト溶液回収装置。
【請求項32】
前記使用済み酸性コバルト溶液の濃度を測定するために前記再生ラインに接続された自動滴定装置をさらに有することを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項33】
前記使用済み酸性コバルト溶液のpHを測定するために前記再生ラインに接続され、pHプローブ、ORPプローブ、自記濃度記録計および屈折率センサからなる群より選択されるものをさらに有することを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項34】
第1の流体の流量を制御する第1の流量制御器と、新鮮な酸性コバルト溶液の流れを形成するために第1及び第2の流体が調合されるように第2の流体の流量を制御する第2の流量制御器と、をさらに有し、
前記タンクは新鮮な酸性コバルト溶液の流れを受け入れるための流体入口を含むことを特徴とする請求項31記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−536783(P2009−536783A)
【公表日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504243(P2009−504243)
【出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/008131
【国際公開番号】WO2007/114900
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(508265468)エアー・リキッド・エレクトロニクス・ユー.エス.・エルピー (5)
【Fターム(参考)】