説明

プロテインキナーゼ阻害剤としてのナフチリジノン

オーロラ・キナーゼ酵素を阻害するナフチリジノン誘導体化合物が、これらの化合物を含んでなる医薬組成物及びこれらの化合物の合成方法と共に開示される。かかる化合物には、癌、乾癬、ウイルスや細菌の感染症、炎症性疾患及び自己免疫疾患などの無秩序な及び/又は障害のあるオーロラ・キナーゼに起因する増殖性疾患の処置における有用性がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナフチリジノン化合物、並びにプロテインキナーゼ及びオーロラ・キナーゼを阻害することができる、特にそれによって異常な細胞増殖及び成長を阻害することができる、薬理学的活性物質としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
プロテインキナーゼはタンパク質の大きなファミリーであり、それらはさまざまな細胞過程の調整において中心的役割を果たしているので、細胞機能に対して制御の手段を保持している。これらのキナーゼとしては、とりわけAkt、Axl、オーロラA、オーロラB、オーロラC、dyrk2、epha2、fgfr3、flt-3、vegfr3、igf1r、IKK2、JNK3、Vegfr2、MEK1、MET、P70s6K、Plk1、RSK1、Src、TrkA、Zap70、cKit、bRaf、EGFR、Jak2、PI3K、NPM-Alk、c-Abl、BTK、FAK、PDGFR、TAK1、LimK、Flt3、Flt1、PDK1、及びErkが挙げられる。かかるキナーゼの阻害は、重要な治療学的ターゲッティング・ツールになった。
【0003】
多くの疾患がプロテインキナーゼ媒介事象によって引き起こされる異常な細胞応答に関連している。これらの疾患としては、急性及び慢性の骨肉腫性白血病(AML及びCML)などの癌、自己免疫性疾患、炎症性疾患、心血管疾患、神経学的疾患、骨髄増殖性疾患、及び神経変性疾患、アレルギー及び喘息、アルツハイマー病、並びにホルモン関連疾患が挙げられる。従って、治療薬として有効なプロテインキナーゼ阻害剤を見つけるために医薬品化学の分野において相当な努力があった。
【0004】
本発明の化合物は、オーロラ(Aurora)キナーゼ(A、B、及びC)に対する新規の、選択的な、そして非常に強力な拮抗阻害剤である。保存されているセリン/スレオニン・キナーゼに属するオーロラ・ファミリーは、細胞分裂中に不可欠な機能を果たす。上記3種類の哺乳動物パラログは、配列の点では非常に似ているが、それらの局在性、機能、基質、及び調節パートナーの点では著しく異なる。
【0005】
オーロラAは、有糸分裂中の紡錘体極に主に関連し、そこでは中心体分離と成熟化に必要である(Sausville FA. Nat Med., (2004) 10:234-235)。紡錘体集合は、XKLP2のターゲッティング・タンパク質(TPX2)が、Ran-GTPを必要とする機構を通した紡錘体極微小管を形にするためにオーロラAを標的化することを必要とする(Marumoto et al., Nature, (2005) 5:42-50)。オーロラAはまた、卵成熟の促進、極体排出、紡錘体の配置、及び有糸分裂中期Iの終了によって減数分裂期Iにおいても機能する。オーロラAの調整は、リン酸化/脱リン酸化と分解を通して起こる。プロテインホスファターゼ1は、オーロラAを負に調節し、そしてこの相互作用はTPX2によって調節されている。
【0006】
オーロラBは、有糸分裂において多くの機能を有する染色体パッセンジャータンパク質である。内側動原体タンパク質(INCENP)とサバイビン(survivin)、すなわちパッセンジャー複合体のその他の2つの成分は、上記キナーゼのターゲッティング因子や調節因子として機能する(Bishop JD and Shumacher JM. J. Biol Chem. (2002) 277: 27577-27580)。オーロラBは、ヒストンH3のリン酸化、凝縮の標的化、正常染色体の組織化に必要である。それが染色体の二方向性(chromosome biorientation)、動原体‐微小管相互作用、及び紡錘体集合チェックポイントに不可欠であることもまた最近示された。オーロラBは、細胞質分裂の完了に不可欠である。
【0007】
オーロラCキナーゼに関しては、減数分裂細胞において優先的に発現されているように思えることを除いて、ほとんど知られていない。細胞周期中、オーロラ・キナーゼは、それらの結合パートナー基質であるINCENP、サバイビン、及びTPX2によって補助されたそれらの細胞内標的に移動する。これが有糸分裂事象の振り付けに不可欠であるかもしれない調整の付加的レベルを提供する。
【0008】
オーロラ・キナーゼは、結腸癌、乳癌、及びその他の固形腫瘍癌を含めた特定のタイプの癌で過剰発現される。オーロラA及びBキナーゼをコードする遺伝子が特定のタイプの癌で増幅される傾向がある一方で、オーロラCキナーゼをコードする遺伝子は再配列及び欠失を受ける染色体の領域内に存在する。オーロラAは、原発性結腸癌、結腸直腸癌、乳癌、胃癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頚癌、神経芽細胞腫、及び他の固形腫瘍癌を含めたさまざまな悪性腫瘍に関連した(Warner et al. (2003) Molecular Cancer Therapeutics 2:589-95)。オーロラA及びBキナーゼはヒトの癌において頻繁に高められるか又は過剰発現されるので、それらを治療的介入の魅力的な標的にしている(Mountzios et al., Cancer Treatment Reviews (2008) 34:175-82;Gautschi et al., Clin. Cancer Res. (2008), 14(6): 1639-48;Mortlock et al., Current Topics in Medicinal Chemistry (2005), 5:807-21)。
【0009】
オーロラ・キナーゼの低分子阻害剤が最近報告されたが、細胞質分裂に対するそれらの効果はまだ詳細に調査されていない(Arora et al., J. Pharm. and Exptl. Therapeutics (2005), 315(3):971-79)。例えば、高度に選択的で、且つ、強力なオーロラ・キナーゼの低分子阻害剤であるVX-680は、細胞周期の進行を遮断し、そしてさまざまなヒト腫瘍タイプでアポトーシスを誘発する。この化合物は、良好な耐容性を示す用量にて白血病、結腸腫瘍、及び膵臓腫瘍の退縮につながる、さまざまな生体内異種移植モデルにおける腫瘍増殖の強い阻害を引き起こす(Harrington et al., Nat. Med., (2004) 10: 262-267)。別の新規細胞周期阻害剤であるJNJ-7706621は、数種類のサイクリン依存性キナーゼ(CDKs)とオーロラ・キナーゼの強力な阻害作用を示し、そして様々な起源の腫瘍細胞の増殖を選択的に妨げた。JNJ-7706621は、低濃度のときに細胞生長を遅らせ、高濃度のときに細胞毒性を引き起こす。細胞のJNJ-7706621処置は、細胞周期のG1の進行の遅れ、及びG2‐M期における細胞周期の停止を示した(Emanuel et al., Cancer Res., (2005) 65:9038-9046)。オーロラ・キナーゼの阻害による付加的な細胞効果としては、内部複製及びヒストンH3リン酸化の阻害が挙げられる。
【0010】
ナフチリジン化合物が、リウマチ疾患や呼吸性疾患の処置において有用であることが発見された(WO1993/13097、The Boots Company PLC;WO2001/30779、Yamanouchi Pharmaceutical Co. Ltd.)。ナフチリジノン環を含め、1以上の窒素含有芳香族環を持つ尿素誘導体が、抗血管形成性であることがわかった(共にEisai Co., Ltd.に対する米国特許番号第7,253,286号及びWO 2002/032872号)。American Cyanamid Companyが、チロシンキナーゼ阻害剤であり、そのため試験管内においてさまざまなヒト腫瘍細胞株、例えばSKBR3細胞株(WO 2000/066583)など、の効果的な阻害剤である特定のシアノ置換ナフチリジン誘導体を発見した。
【0011】
従って、障害のある又は無秩序なオーロラ・キナーゼ活性を能動的に阻害するナフチリジン化合物を提供することは、本発明の1つの目的である。
個別の又はキット形態で医薬組成物、並びに無秩序な及び制御されていない細胞増殖の結果としてもたらされた増殖性障害、例えば癌や、乾癬や、ウイルス及び細菌感染や、血管再狭窄(vascular restinosis)や、炎症性疾患及び自己免疫疾患など、の処理のためのその使用方法を提供することが、本発明のさらに別の目的である。
【0012】
無秩序なオーロラ・キナーゼ活性を能動的に阻害するナフチリジン誘導体化合物の作製方法を提供するのが、本発明のさらに別の目的である。
本発明の追加の目的、特徴、及び利点は、以下の説明と特許請求の範囲によって当業者に明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、任意のプロテインキナーゼ、例えば、Akt、Axl、dyrk2、epha2、fgfr3、flt-3、vegfr3、igf1r、IKK2、JNK3、Vegfr2、MEK1、MET、P70s6K、Plk1、RSK1、Src、TrkA、Zap70、cKit、bRaf、EGFR、Jak2、PI3K、NPM-Alk、c-Abl、BTK、FAK、PDGFR、TAK1、LimK、Flt3、Flt1、PDK1、及びErkなど、そして特にオーロラ・キナーゼA、B、及びCによるシグナル伝達を阻害、調整、及び/又は調節する化合物に関する。本発明はまた、これらの化合物を含んでなる組成物、及びオーロラ・キナーゼ関連疾患及び病訴の処置における上記化合物の使用方法にも関する。最初の態様では、本発明は、以下の式(I):
【0014】
【化1】

【0015】
{式中、
Xが、NH、NH‐C(=O)、(‐C=O)NH、NH‐C(=O)NH、O、S、SO2NH、CH2、‐C≡C‐、又は‐CH=CH2であり;
Wが、O、S、CH2、又はNHであり;
Rが、H、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、トリフルオロメチル、ヘテロアルキル、OR’、SR’、及びNR’R”であり、ここでR’とR”は、それぞれ独立にH、アルキル、ハロアルキル、アルキルハロ、若しくはヘテロアルキルであるか;又はRが、それが付着したフェニル環の隣接する炭素原子にいずれかの末端にて任意に結合され、それによって二環式環構造を形成するヘテロアルキル鎖であり;
【0016】
R1、R2、R3が、それぞれ独立にH、SHであるか、又は硫黄のエーテル若しくは酸化形態、例えばスルフィニル、スルホニル、スルファニル、スルフィンイミド(sulfinimide)、若しくはスルホンアミドなどであるか;ハロ、ニトロ、アミノ、アルキル、ホルミル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、例えば‐(C=O)‐N(RxRy)など、酢酸、酢酸エステル、置換基‐(C=O)‐N(RxRy)を有する酢酸アミドを含む酢酸アミド、置換された若しくは未置換のアリール、複素環式‐アルコキシ、置換された若しくは未置換の複素環化合物若しくはヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルジアミノ、アルキルアミノアルコキシ、アルキルジアミノアルコキシ、複素環式‐アルコキシ、アルキルアミノ・アミド、ジアルキルアミノ・アミド・カルボン酸エステル、ヒドロキシアルキル‐ヒドロキシ、ヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ジヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ヒドロキシアルキルアミド酢酸であり;ここでRxとRyは、それぞれ独立にH、アルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリール‐アミノアルキル、炭素環‐アミノアルキル、若しくはヘテロアリール‐アミノ・アルキルであってもよく;そして、ここでアミノアルキル基のN原子に結合した2つの基は、それらが結合しているN原子と一緒に、連結して複素環基を形成してもよく;
【0017】
nが、1、2、3又は4であるが、ただし、Xが酸素以外であるときには、n=0であってもよい。}によって表される構造を持った化合物、あるいは医薬的に許容し得るその塩、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、互変異性体、鏡像異性体又はラセミ混合物を提供する。
【0018】
好ましい実施形態では、式(I)によって表される化合物は1以上の医薬的に許容し得る希釈剤、賦形剤、担体などと共に医薬製剤に組み込まれる。当業者は、用語「希釈剤」、「賦形剤」、及び「担体」の重複を認識する。
【0019】
本発明の第2の態様では、以下の一般式(II):
【化2】

【0020】
{式中、
Xが、NH、NH‐CH2、NH‐C(=O)、(‐C=O)NH、NH‐C(=O)NH、O、S、SO2NH、CH2、‐C≡C‐、‐CH=CH、又は複素環化合物であり;
Y及びWが、それぞれ独立にO、S、又はNHであり;
Aが、任意に1以上のヘテロ原子を持ち、且つ、さらに任意に置換された、飽和又は不飽和の3〜7員環であり;
Cyが、未置換の又は置換されたシクロアルキル、ビシクロアルキル、例えばノルボルニルなど、アリール、複素環化合物、及びヘテロアリールから成る群基から選択され;
【0021】
R1、R2、R3が、それぞれ独立にH、SHであるか、又は硫黄のエーテル若しくは酸化形態、例えばスルフィド、スルホン、スルファン、スルフィンイミド、若しくはスルホンアミドなどであるか;ハロ、ニトロ、アミノ、アルキル、ホルミル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、例えば‐(C=O)‐N(RxRy)など、酢酸、酢酸エステル、置換基‐(C=O)‐N(RxRy)を有する酢酸アミドを含む酢酸アミド、置換された若しくは未置換のアリール、複素環式‐アルコキシ、置換された若しくは未置換の複素環化合物若しくはヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルジアミノ、アルキルアミノアルコキシ、アルキルジアミノアルコキシ、複素環式‐アルコキシ、アルキルアミノ・アミド、ジアルキルアミノ・アミド・カルボン酸エステル、ヒドロキシアルキル‐ヒドロキシ、ヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ジヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ヒドロキシアルキルアミド酢酸であり;ここでRxとRyは、それぞれ独立にH、アルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリール‐アミノアルキル、炭素環‐アミノアルキル、若しくはヘテロアリール‐アミノ・アルキルであってもよく;そして、ここでアミノアルキル基のN原子に結合した2つの基は、それらが結合しているN原子と一緒に、連結して複素環基を形成してもよい。}によって表される化合物、あるいは医薬的に許容し得るその塩、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、互変異性体、鏡像異性体又はラセミ混合物を提供する。
【0022】
好ましい実施形態では、式(II)によって表される化合物は、1以上の医薬的に許容し得る希釈剤、賦形剤、又は担体と共に医薬製剤に組み込まれる。
本発明の第3の態様では、以下の一般式(III):
【0023】
【化3】

【0024】
{式中、
Xが、NH、NH‐C(=O)、NH‐CH2、(‐C=O)NH、NH‐C(=O)NH、O、S、SO2NH、CH2、‐C≡C‐、又は‐HC=CH‐であり;
Qが、NH(C=Y)又は(C=Y)NHであり;
Y及びWが、それぞれ独立にO、S、又はNHであり;
Z’が、CH又はNであり;
Aが、任意に1以上のヘテロ原子を持ち、且つ、さらに任意に置換された飽和又は不飽和の3〜7員環であり;
Cyが、未置換若しくは置換されたシクロアルキル、ビシクロアルキル、例えばノルボルニルなど、アリール、複素環化合物、及びヘテロアリールから成る群から選択され;
【0025】
R1、R2、R3が、それぞれ独立にH、SHであるか、又は硫黄のエーテル若しくは酸化形態、例えばスルフィド、スルホン、スルファン、スルフィンイミド、若しくはスルホンアミドなどであるか;ハロ、ニトロ、アミノ、アルキル、ホルミル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、例えば‐(C=O)‐N(RxRy)など、酢酸、酢酸エステル、置換基‐(C=O)‐N(RxRy)を有する酢酸アミドを含む酢酸アミド、置換された若しくは未置換のアリール、複素環式‐アルコキシ、置換された若しくは未置換の複素環化合物若しくはヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルジアミノ、アルキルアミノアルコキシ、アルキルジアミノアルコキシ、複素環式‐アルコキシ、アルキルアミノ・アミド、ジアルキルアミノ・アミド・カルボン酸エステル、ヒドロキシアルキル‐ヒドロキシ、ヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ジヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ヒドロキシアルキルアミド酢酸であり;ここでRxとRyは、それぞれ独立にH、アルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリール‐アミノアルキル、炭素環‐アミノアルキル、若しくはヘテロアリール‐アミノ・アルキルであってもよく;そして、ここでアミノアルキル基のN原子に結合した2つの基は、それらが結合しているN原子と一緒に、連結して複素環基を形成してもよい。}によって表される化合物、あるいは医薬的に許容し得るその塩、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、互変異性体、鏡像異性体又はラセミ混合物を提供する。
【0026】
好ましい実施形態では、式(III)によって表される化合物は、1以上の医薬的に許容し得る希釈剤、賦形剤、又は担体と共に医薬製剤に組み込まれる。
本発明の第4の態様では、以下の一般式(IV):
【0027】
【化4】

【0028】
{式中、
Xが、NH、NH‐C(=O)、NHCH2、(‐C=O)NH、NH‐C(=O)NH、O、S、SO2NH、CH2、C≡C‐、又は‐HC=CH‐であり;
Yが、O、S、又はNHであり;
Aが、任意に1以上のヘテロ原子を持ち、且つ、さらに任意に置換された飽和又は不飽和の3〜7員環であり;
Cyが、未置換若しくは置換されたシクロアルキル、ビシクロアルキル、例えばノルボルニルなど、アリール、複素環化合物、及びヘテロアリールから成る群から選択され;
【0029】
Zが、H、SH、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、ホルミル、アルキルアミノ‐複素環化合物、ジアルキルアミノ‐複素環化合物、アルキルアミノ‐アルキルアミノ、ジアルキルアミノ‐アルキルアミノ、アルキルアミノ‐アルコキシ、ジアルキルアミノ‐アルコキシ、複素環式アルコキシ、C1-6アルキル・エステル、フェニル、ベンゾイル、フェニル・アルキル・ケトン、アルキル・プロパノイル、ジアルキル・アルカンアミド、酢酸、又は酢酸アミドであり;
Z’が、C又はNであり;
-----が、結合の存在又は不存在を意味し;
【0030】
R1、R2、R3が、それぞれ独立にH、SHであるか、又は硫黄のエーテル若しくは酸化形態、例えばスルフィド、スルホン、スルファン、スルフィンイミド、若しくはスルホンアミドなどであるか;ハロ、ニトロ、アミノ、アルキル、ホルミル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、例えば‐(C=O)‐N(RxRy)など、酢酸、酢酸エステル、置換基‐(C=O)‐N(RxRy)を有する酢酸アミドを含む酢酸アミド、置換された若しくは未置換のアリール、複素環式‐アルコキシ、置換された若しくは未置換の複素環化合物若しくはヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルジアミノ、アルキルアミノアルコキシ、アルキルジアミノアルコキシ、複素環式‐アルコキシ、アルキルアミノ・アミド、ジアルキルアミノ・アミド・カルボン酸エステル、ヒドロキシアルキル‐ヒドロキシ、ヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ジヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ヒドロキシアルキルアミド酢酸であり;ここでRxとRyは、それぞれ独立にH、アルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリール‐アミノアルキル、炭素環‐アミノアルキル、若しくはヘテロアリール‐アミノ・アルキルであってもよく;そして、ここでアミノアルキル基のN原子に結合した2つの基は、それらが結合しているN原子と一緒に、連結して複素環基を形成してもよい。}によって表される化合物、あるいは医薬的に許容し得るその塩、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、互変異性体、鏡像異性体又はラセミ混合物を提供する。
【0031】
好ましい実施形態では、式(IV)によって表される化合物は、1以上の医薬的に許容し得る希釈剤、賦形剤、又は担体と共に医薬製剤に組み込まれる。
更なる態様では、本発明は、疾患又は病態、すなわち、とりわけ癌、腫瘍形成、血管新生、動脈硬化症、眼疾患、炎症性疾患、関節炎、及び再狭窄から選択されるメンバーを治療又は予防する方法を提供する。
【0032】
本発明の第5の態様では、以下の式(V)〜(VIII):
【化5】

【0033】
{式中、
Bが、単環式、二環式、若しくは三環式化合物であってもよく、且つ、任意に1以上のヘテロ原子を持っていてもよい、飽和又は不飽和の4〜10員環であり;
Dが、任意にそのいずれかが置換されてもよい、フェニル、炭素環化合物、又は複素環化合物であり;
【0034】
Zが、H、SH、及びチオアルキル、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、ホルミル、アルキルアミノ‐複素環化合物、ジアルキルアミノ‐複素環化合物、アルキルアミノ‐アルキルアミノ、ジアルキルアミノ‐アルキルアミノ、アルキルアミノ‐アルコキシ、ジアルキルアミノ‐アルコキシ、複素環式アルコキシ、C1-6アルキル・エステル、フェニル、ベンゾイル、フェニル・アルキル・ケトン、アルキル・プロパノイル、ジアルキル・アルカンアミド、又は酢酸であり;
【0035】
Rが、H、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、トリフルオロメチル、1以上のヘテロ原子、例えばピペラジン若しくはピペラジン‐C(=O)‐、ヘテロアルキル、OR’、SR’及びNR’R”などを持つ不飽和又は飽和環であるか、ここでR’とR”は、それぞれ独立にH、アルキル、ハロアルキル、アルキルハロ、若しくはヘテロアルキルであり;又はRが、それが付着したフェニル環の隣接する炭素原子にいずれかの末端にて任意に結合され、それによって二環式環構造を形成するヘテロアルキル鎖であり;そして
【0036】
Wが、O、S、CH2、又はNHである。}のいずれかによって表される化合物中間体、あるいはその互変異性体又は鏡像異性体を提供する。
式(V)〜(VIII)によって表される化合物は、式(I)〜(IV)によって表される化合物の合成において有用である。
また、化合物1〜86、及び医薬として許容されるその塩も本発明の範囲内に含まれる。
【0037】
さらに、本発明は、医薬組成物、並びに式(I)、(II)、(III)、又は(IV)のいずれによるキナーゼ阻害剤の有効量をそれを必要としている対象に投与することを含んでなる、増殖性疾患を処置又は治療するために無秩序な又は障害のあるオーロラ・キナーゼ活性を調節及び/又は阻害する方法を提供する。特に式(I)、(II)、(III)、又は(IV)によって表される化合物が、癌の特定の形態の処置に利用できる。さらに、式(I)、(II)、(III)、又は(IV)によって表される化合物は、特定の既存の癌化学療法において相加効果又は相乗効果を提供するために使用でき、及び/又は特定の既存の癌化学療法や放射線療法の有効性を回復するために使用できる。本発明の追加的な実施形態としては、以下の:医薬品として使用するための式(I)〜(IV)のいずれかによって表される化合物;キナーゼ・タンパク質を阻害することを必要としている対象の処置用の医薬品の製造のための式(I)〜(IV)のいずれかによって表される化合物の使用;癌転移、白血病、及び骨髄増殖性疾患を含めた細胞増殖の抑制又は低減用の医薬品の製造のための式(I)〜(IV)のいずれかによって表される化合物の使用;有効量の式(I)、(II)、(III)、又は(IV)のいずれかによって表される化合物と、医薬的に許容し得る担体、賦形剤若しくは希釈剤を含んでなる医薬組成物;本発明の化合物を合成する方法;式(I)、式(II)、式(III)又は式(IV)によって表される化合物、及びさらなる医薬的に活性な構成要素を含んでなるキット;キナーゼ関連機能不全、特に例えば血管新生や、癌や、腫瘍形成などの疾患に対する処置を必要としている対象の処置用の更なる医薬品有効成分と一緒の式(I)、式(II)、式(III)、又は式(IV)によって表される化合物の併用、が挙げられる。
【0038】
発明の詳細な説明
I.序論
本発明は、任意のプロテインキナーゼ、特にオーロラ・キナーゼによるシグナル伝達を阻害、調整、及び/又は調節する化合物に関する。本発明はまた、これらの化合物を含んでなる組成物、オーロラ・キナーゼ関連疾病と病訴の処置において上記化合物を使用する方法、及び上記化合物を合成する過程に関する。第1の態様では、本発明は、以下の式(I)によって表される構造を持つ化合物を提供する。
【0039】
【化6】

【0040】
{式中、
Xが、NH、NH‐C(=O)H、(‐C=O)NH、NH‐C(=O)NH、O、S、SO2NH、CH2、‐C≡C‐、又は‐HC=CH‐であり;
Wが、O、S、又はNHであり;
【0041】
Rが、H、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、トリフルオロメチル、ヘテロアルキル、OR’、SR’、及びNR’R”であり、ここでR’とR”は、それぞれ独立にH、アルキル、ハロアルキル、アルキルハロ、若しくはヘテロアルキルであるか;又はRが、それが付着したフェニル環の隣接する炭素原子にいずれかの末端にて任意に結合され、それによって二環式環構造を形成するヘテロアルキル鎖であり;
【0042】
R1、R2、R3が、それぞれ独立にH、SHであるか、又は硫黄のエーテル若しくは酸化形態、例えばスルフィド、スルホン、スルファン、スルフィンイミド、若しくはスルホンアミドなどであるか;ハロ、ニトロ、アミノ、アルキル、ホルミル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、例えば‐(C=O)‐N(RxRy)など、酢酸、酢酸エステル、置換基‐(C=O)‐N(RxRy)を有する酢酸アミドを含む酢酸アミド、置換された若しくは未置換のアリール、複素環式‐アルコキシ、置換された若しくは未置換の複素環化合物若しくはヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルジアミノ、アルキルアミノアルコキシ、アルキルジアミノアルコキシ、複素環式‐アルコキシ、アルキルアミノ・アミド、ジアルキルアミノ・アミド・カルボン酸エステル、ヒドロキシアルキル‐ヒドロキシ、ヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ジヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ヒドロキシアルキルアミド酢酸であり;ここでRxとRyは、それぞれ独立にH、アルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリール‐アミノアルキル、炭素環‐アミノアルキル、若しくはヘテロアリール‐アミノ・アルキルであってもよく;そして、ここでアミノアルキル基のN原子に結合した2つの基は、それらが結合しているN原子と一緒に、連結して複素環基を形成してもよく;
【0043】
nが、1、2、3又は4であるが、ただし、Xが酸素以外であるときには、n=0であってもよい。}によって表される構造を持った化合物、あるいは医薬的に許容し得るその塩、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、ラセミ混合物、互変異性体又は鏡像異性体を提供する。
【0044】
式(I)の第1の好ましい実施形態では、RはFであり、XはNHであり、そしてWはOである。
式(I)の第2の好ましい実施形態では、RはHであり、XはNHであり、そしてWはOである。
式(I)の第3の好ましい実施形態では、RはCF3であり、XはNHであり、そしてWはOである。
第4の好ましい実施形態では、Rは3,4‐フルオロ‐トリフルオロメチルである。
【0045】
第5の好ましい実施形態では、RはClであり、XはNHであり、WはOであり、そしてn=0である。
式(I)の第4の好ましい実施形態の一下位実施形態では、Rは2,3‐ビス‐CF3である。
第4の好ましい実施形態の第2の下位実施形態では、Rは2,4‐ビス‐CF3である。
第5の好ましい実施形態の一下位実施形態では、Rは同時にClと、1,3‐ジオキソランを形成するようにフェニル環に結合した1,3‐ジオキソアルキレンの両方である。
【0046】
さらに別の好ましい実施形態では、詳細に規定されていない残基は、先に示した意味を持つが、ここで:
部分式(Ia)では、Wは0であり、XはNHであり、n=0であり、そしてRはHであり;
部分式(Ib)では、WはOであり、XはNHであり、n=0であり、そしてRは、同時に、1,3‐ジオキソランを形成するようにフェニル環に結合したClと1,3‐ジオキソアルキレン鎖であり;
【0047】
部分式(Ic)では、WはOであり、XはOであり、n=1であり、そしてRはHであり;
部分式(Id)では、WはSであり、XはCH2であり、n=0であり、そしてRはClであり;
部分式(Ie)では、WはNHであり、XはCH2であり、n=0であり、そしてRはFであり;
部分式(If)では、WがOであり、XはNHであり、n=1であり、そしてRはジ‐フルオロである。
【0048】
本発明の第2の態様では、以下の一般式(II):
【化7】

【0049】
{式中、
Xが、NH、NH‐C(=O)H、NH‐CH2、(‐C=O)NH、NH‐C(=O)NH、O、S、SO2NH、CH2、‐C≡C‐、‐HC=CH‐、又は複素環化合物であり;
Y及びWが、それぞれ独立にO、S、又はNHであり;
【0050】
Aが、任意に1以上のヘテロ原子を持ち、且つ、さらに任意に置換された、飽和又は不飽和の3〜7員環であり;
Cyが、未置換の又は置換されたシクロアルキル、ビシクロアルキル、例えばノルボルニルなど、アリール、複素環化合物、及びヘテロアリールから成る群基から選択され;
【0051】
R1、R2、R3が、それぞれ独立にH、SHであるか、又は硫黄のエーテル若しくは酸化形態、例えばスルフィド、スルホン、スルファン、スルフィンイミド、若しくはスルホンアミドなどであるか;ハロ、ニトロ、アミノ、アルキル、ホルミル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、例えば‐(C=O)‐N(RxRy)など、酢酸、酢酸エステル、置換基‐(C=O)‐N(RxRy)を有する酢酸アミドを含む酢酸アミド、置換された若しくは未置換のアリール、複素環式‐アルコキシ、置換された若しくは未置換の複素環化合物若しくはヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルジアミノ、アルキルアミノアルコキシ、アルキルジアミノアルコキシ、複素環式‐アルコキシ、アルキルアミノ・アミド、ジアルキルアミノ・アミド・カルボン酸エステル、ヒドロキシアルキル‐ヒドロキシ、ヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ジヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ヒドロキシアルキルアミド酢酸であり;ここでRxとRyは、それぞれ独立にH、アルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリール‐アミノアルキル、炭素環‐アミノアルキル、若しくはヘテロアリール‐アミノ・アルキルであってもよく;そして、ここでアミノアルキル基のN原子に結合した2つの基は、それらが結合しているN原子と一緒に、連結して複素環基を形成してもよい。}によって表される化合物、あるいは医薬的に許容し得るその塩、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、互変異性体、ラセミ混合物又は鏡像異性体を提供する。
【0052】
式(II)の第1の好ましい実施形態では、XはNHであり、WがOであり、YがOであり、Aがフェニルであり、Cyがフェニルであり、そしてR1、R2、R3及びRがそれぞれ独立にHである。
第1の好ましい実施形態の第1の下位実施形態では、Cyは2‐、3‐、又は4‐フルオロフェニルである。
第1の好ましい実施形態の第2の下位実施形態では、Cyは2‐又は4‐トリフルオロメチルフェニルである。
第1の好ましい実施形態の第3の下位実施形態では、Cyは2,4‐ビス‐(トリフルオロメチル)フェニルである。
【0053】
第1の好ましい実施形態の第4の下位実施形態では、Cyは2‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチルフェニル又は2‐フルオロ‐4‐トリフルオロメチルフェニルである。
第1の好ましい実施形態の第5の下位実施形態では、Cyは2,4‐、2,6‐、3,4‐、又は3,5‐ジフルオロフェニルである。
式(II)の第2の好ましい実施形態では、XはNHであり、WはOであり、YはOであり、Aはフェニルであり、Cyはシクロヘキサニルであり、そしてR1、R2、R3及びRはそれぞれ独立にHである。
【0054】
式(II)の第3の好ましい実施形態では、XはOであり、WはOであり、YはOであり、Aはフェニルであり、Cyはフェニルであり、そしてR1、R2、R3及びRそれぞれ独立にHである。
式(II)の第4の好ましい実施形態では、XはNHであり、WはOであり、YはOであり、Aはフェニルであり、Cyはナフチルであり、そしてR1、R2、R3及びRはそれぞれ独立にHである。
【0055】
本発明の第3の態様では、以下の一般式(III):
【化8】

【0056】
{式中、
Xが、NH、NH‐C(=O)H、NH‐CH2、(‐C=O)NH、NH‐C(=O)NH、O、S、SO2NH、CH2、‐C≡C‐、又は‐HC=CH‐であり;
Qが、NH(C=Y)又は(C=Y)NHであり;
Y及びWが、それぞれ独立にO、S、又はNHであり;
Z’が、CH又はNであり;
【0057】
Aが、任意に1以上のヘテロ原子を持ち、且つ、さらに任意に置換された飽和又は不飽和の3〜7員環であり;
Cyが、未置換若しくは置換されたシクロアルキル、ビシクロアルキル、例えばノルボルニルなど、アリール、複素環化合物、及びヘテロアリールから成る群から選択され;
【0058】
R1、R2、R3が、それぞれ独立にH、SHであるか、又は硫黄のエーテル若しくは酸化形態、例えばスルフィド、スルホン、スルファン、スルフィンイミド、若しくはスルホンアミドなどであるか;ハロ、ニトロ、アミノ、アルキル、ホルミル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、例えば‐(C=O)‐N(RxRy)など、酢酸、酢酸エステル、置換基‐(C=O)‐N(RxRy)を有する酢酸アミドを含む酢酸アミド、置換された若しくは未置換のアリール、複素環式‐アルコキシ、置換された若しくは未置換の複素環化合物若しくはヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルジアミノ、アルキルアミノアルコキシ、アルキルジアミノアルコキシ、複素環式‐アルコキシ、アルキルアミノ・アミド、ジアルキルアミノ・アミド・カルボン酸エステル、ヒドロキシアルキル‐ヒドロキシ、ヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ジヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ヒドロキシアルキルアミド酢酸であり;ここでRxとRyは、それぞれ独立にH、アルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリール‐アミノアルキル、炭素環‐アミノアルキル、若しくはヘテロアリール‐アミノ・アルキルであってもよく;そして、ここでアミノアルキル基のN原子に結合した2つの基は、それらが結合しているN原子と一緒に、連結して複素環基を形成してもよい。}によって表される化合物、あるいは医薬的に許容し得るその塩、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、互変異性体、ラセミ混合物又は鏡像異性体を提供する。
【0059】
式(III)の好ましい実施形態では、XはNHであり、AとCyはそれぞれ独立にフェニルであり、WとYはそれぞれ独立にOであり、そしてR1、R2、及びR3はHである。
好ましい実施形態の一下位実施形態では、Cyはメトキシフェニルである。
好ましい実施形態の第2の下位実施形態では、Cyはメチルフェニルである。
好ましい実施形態の第3の下位実施形態では、Cyは2‐フルオロ‐4‐トリフルオロメチルフェニルである。
好ましい実施形態の第4の下位実施形態では、Cyは4‐クロロフェニルである。
【0060】
好ましい実施形態の第5の下位実施形態では、Cyは4‐トリフルオロメトキシフェニルである。
好ましい実施形態の第6の下位実施形態では、Cyは2,4‐、2,6‐、3,4‐ジクロロフェニルである。
式(III)の第2の好ましい実施形態では、XはNHであり、Aはフェニルであり、Cyはナフチルであり、WとYはそれぞれ独立にOであり、そしてR1、R2及びR3はHである。
【0061】
さらに別の好ましい実施形態では、詳細に規定されていない残基は、先に示した意味を持つが、ここで:
部分式(IIIa)では、QはNH(C=O)であり、WはOであり、XはNHであり、そしてA及びCyはフェニルであり;
部分式(IIIb)では、QはNH(C=O)であり、そしてCyはメトキシフェニルであり;
部分式(IIIc)では、QはNH(C=O)であり、そしてCyはメチルフェニルであり;
【0062】
部分式(IIId)では、QはNH(C=O)であり、そしてCyはフルオロ又はトリフルオロメチル・フェニルであり;
部分式(IIIe)では、QはNH(C=O)であり、そしてCyはクロロフェニル又はジクロロフェニルであり;
部分式(IIIf)では、QはNH(C=O)であり、そしてCyはナフチルであり;
部分式(IIIg)では、QはNH(C=O)であり、そしてCyはノルボルニルであり;
【0063】
部分式(IIIh)では、QはNH(C=O)であり、そしてCyはトリフルオロメトキシフェニルであり;
部分式(IIIj)では、Qは(C=O)NHであり、WはOであり、XはNHであり、そしてA及びCyはフェニルであり;
部分式(IIIk)では、Qは(C=O)NHであり、そしてCyはメトキシフェニルであり;
部分式(IIIm)では、Qは(C=O)NHであり、そしてCyはメチルフェニルであり;
【0064】
部分式(IIIn)では、Qは(C=O)NHであり、そしてCyはフルオロ又はトリフルオロメチル・フェニルであり;
部分式(IIIo)では、Qは(C=O)NHであり、そしてCyはクロロフェニル又はジクロロフェニルであり;
部分式(IIIp)では、Qは(C=O)NHであり、そしてCyはナフチルであり;
部分式(IIIq)では、Qは(C=O)NHであり、そしてCyはノルボルニルであり;
部分式(IIIr)では、Qは(C=O)NHであり、そしてCyはトリフルオロメトキシフェニルである。
【0065】
本発明の第4の態様では、以下の一般式(IV):
【化9】

【0066】
{式中、
Xが、NH、NH‐C(=O)、NH‐CH2、(‐C=O)NH、NH‐C(=O)NH、O、S、SO2NH、CH2、C≡C‐、又は‐HC=CH‐であり;
Yが、O、S、又はNHであり;
Aが、任意に1以上のヘテロ原子を持ち、且つ、さらに任意に置換された飽和又は不飽和の3〜7員環であり;
【0067】
Cyが、未置換若しくは置換されたシクロアルキル、ビシクロアルキル、例えばノルボルニルなど、アリール、複素環化合物、及びヘテロアリールから成る群から選択され;
【0068】
Zが、H、SH、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、ホルミル、アルキルアミノ‐複素環化合物、ジアルキルアミノ‐複素環化合物、アルキルアミノ‐アルキルアミノ、ジアルキルアミノ‐アルキルアミノ、アルキルアミノ‐アルコキシ、ジアルキルアミノ‐アルコキシ、複素環式アルコキシ、C1-6アルキル・エステル、フェニル、ベンゾイル、フェニル・アルキル・ケトン、アルキル・プロパノイル、ジアルキル・アルカンアミド、酢酸、又は酢酸アミドであり;
Z’が、C又はNであり;
-----が、結合の存在又は不存在を意味し;
【0069】
R1、R2、R3が、それぞれ独立にH、SHであるか、又は硫黄のエーテル若しくは酸化形態、例えばスルフィド、スルホン、スルファン、スルフィンイミド、若しくはスルホンアミドなどであるか;ハロ、ニトロ、アミノ、アルキル、ホルミル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、例えば‐(C=O)‐N(RxRy)など、酢酸、酢酸エステル、置換基‐(C=O)‐N(RxRy)を有する酢酸アミドを含む酢酸アミド、置換された若しくは未置換のアリール、複素環式‐アルコキシ、置換された若しくは未置換の複素環化合物若しくはヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルジアミノ、アルキルアミノアルコキシ、アルキルジアミノアルコキシ、複素環式‐アルコキシ、アルキルアミノ・アミド、ジアルキルアミノ・アミド・カルボン酸エステル、ヒドロキシアルキル‐ヒドロキシ、ヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ジヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ヒドロキシアルキルアミド酢酸であり;ここでRxとRyは、それぞれ独立にH、アルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリール‐アミノアルキル、炭素環‐アミノアルキル、若しくはヘテロアリール‐アミノ・アルキルであってもよく;そして、ここでアミノアルキル基のN原子に結合した2つの基は、それらが結合しているN原子と一緒に、連結して複素環基を形成してもよい。}によって表される化合物、あるいは医薬的に許容し得るその塩、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、互変異性体、ラセミ混合物又は鏡像異性体を提供する。
【0070】
式(IV)の第1の好ましい実施形態では、XはNHであり、Aはフェニルであり、YはOであり、Cyはフェニルであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立にHであり、そしてZはクロロである。
式(IV)の第2の好ましい実施形態では、XはNHであり、AとCyはそれぞれ独立にフェニルであり、YはOであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立にHであり、そしてZはジメチルアミノ‐ピペリジンである。
式(IV)の第3の好ましい実施形態では、XはNHであり、AとCyはそれぞれ独立にフェニルであり、YはOであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立にHであり、そしてZはジメチルアミノ‐エチルアミンである。
【0071】
第3の好ましい実施形態の一下位実施形態では、Zはジメチルアミノ‐プロピルアミンである。
式(IV)の第4の好ましい実施形態では、XはNHであり、AとCyはそれぞれ独立にフェニルであり、YはOであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立にHであり、そしてZはジメチルアミノ‐ピロリジンである。
式(IV)の第5の好ましい実施形態では、XはNHであり、AとCyはそれぞれ独立にフェニルであり、YはOであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立にHであり、そしてZはジメチルアミノ‐エトキシである。
【0072】
第5の好ましい実施形態の一下位実施形態では、Zはジメチルアミノ‐プロポキシであり。
式(IV)の第6の好ましい実施形態では、XはNHであり、AとCyはそれぞれ独立にフェニルであり、YはOであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立にHであり、そしてZはピロリジニル‐エトキシである。
式(IV)の第7の好ましい実施形態では、XはNHであり、AとCyはそれぞれ独立にフェニルであり、YはOであり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立にHであり、そしてZはモルホリニル‐プロポキシである。
第7の好ましい実施形態の一下位実施形態では、Zはモルホリニル‐エトキシである。
【0073】
さらに別の好ましい実施形態では、詳細に規定されていない残基は、先に示した意味を持つが、ここで:
部分式(IVa)では、R1はHであり、XはNHであり、Aはフェニルであり、Cyはフェニルであり、そしてZは4‐ジメチル・アミノ‐ピペリジンであり;
部分式(IVb)では、R1はHであり、XはNHであり、Aはフェニルであり、Cyはフェニルであり、そしてZはジメチルアミノ‐エチルアミンであり;
部分式(IVc)では、Zはジメチルアミノ‐プロピルアミンであり;
部分式(IVd)では、Zはジメチルアミノ‐ピロリジンであり;
【0074】
部分式(IVe)では、Zはジメチルアミノエトキシ又はジメチルアミノプロポキシであり;
部分式(IVf)では、Zはピロリジニル・エトキシ又はピロリジニル・プロポキシであり;
部分式(IVg)では、WはOであり、YはOであり、XはNHであり、Aはフェニルであり、Cyはジフルオロフェニルであり、R1はフェニル及び/又はカルボン酸であり;
部分式(IVh)では、WはOであり、YはOであり、XはNHであり、Aはフェニルであり、Cyはジフルオロフェニルであり、そしてR1はジメチルアミノ・エチル・カルボキシル酸アミドであり;
【0075】
部分式(IVj)では、WはOであり、YはOであり、XはNHであり、Aはフェニルであり、Cyはジフルオロフェニルであり、そしてZはジヒドロキシプロピル・カルボキシル酸アミドであり;
部分式(IVk)では、WはOであり、YはOであり、XはNHであり、Aはフェニルであり、Cyはジフルオロフェニルであり、そしてR2はメチル酢酸であり;
部分式(IVm)では、WはOであり、YはOであり、XはNHであり、Aはフェニルであり、Cyはジフルオロフェニルであり、そしてR2はヒドロキシエチル酢酸アミドである。
【0076】
また、本発明には、キナーゼ・タンパク質を阻害することを必要としている対象の処理方法であって、有効量の式(I)、(II)、(III)若しくは(IV)によって表されるキナーゼ阻害剤、又はいずれかのその混合物を対象に投与することを含んでなる方法も包含されている。
【0077】
好ましい実施形態では、式(I)、式(II)、式(III)又は式(IV)によって表される化合物は、1以上の医薬的に許容し得る希釈剤、賦形剤、又は担体と共に医薬製剤に組み込まれ、そしてさらにそれが任意にキットとして組み合わせられてもよい。
【0078】
更なる態様では、本発明は、疾患又は病態、すなわち、とりわけ癌、例えば急性若しくは慢性の骨肉腫性白血病など、腫瘍形成、腫瘍の血管新生、骨髄増殖性疾患、動脈硬化症、眼疾患、炎症性疾患、関節炎、及び再狭窄から選択されるメンバーを治療又は予防する方法を提供する。その方法には、それを必要としている対象に治療的有効量の式(I)、式(II)、式(III)、又は式(IV)によって表される化合物、あるいは医薬的に許容し得るその塩、プロドラッグ、鏡像異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物又はラセミ混合物を投与することが含まれる。
【0079】
本発明の第5の態様では、以下の式(V)〜(VIII):
【化10】

【0080】
{式中、
Bが、単環式、二環式、若しくは三環式化合物であってもよく、且つ、任意に1以上のヘテロ原子を持っていてもよい、飽和又は不飽和の4〜10員環であり;
Dが、任意にそのいずれかが置換されてもよい、フェニル、炭素環化合物、又は複素環化合物であり;
【0081】
Zが、H、SH、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、ホルミル、アルキルアミノ‐複素環化合物、ジアルキルアミノ‐複素環化合物、アルキルアミノ‐アルキルアミノ、ジアルキルアミノ‐アルキルアミノ、アルキルアミノ‐アルコキシ、ジアルキルアミノ‐アルコキシ、複素環式アルコキシ、C1-6アルキル・エステル、フェニル、ベンゾイル、フェニル・アルキル・ケトン、アルキル・プロパノイル、ジアルキル・アルカンアミド、又は酢酸であり;
【0082】
Rが、H、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、トリフルオロメチル、1以上のヘテロ原子、例えばピペラジン若しくはピペラジン‐C(=O)‐、ヘテロアルキル、OR’、SR’及びNR’R”などを持つ不飽和又は飽和環であるか、ここでR’とR”は、それぞれ独立にH、アルキル、ハロアルキル、アルキルハロ、若しくはヘテロアルキルであり;又はRが、それが付着したフェニル環の隣接する炭素原子にいずれかの末端にて任意に結合され、それによって二環式環構造を形成するヘテロアルキル鎖であり;そして
Wが、O、S、CH2、又はNHである。}によって表される化合物中間体、あるいはその互変異性体又は鏡像異性体を提供する。
【0083】
好ましい実施形態では、Bはフェニル、ナフチル又はシクロヘキシル部分であり;Rは1以上の水素、ハロ又はトリフルオロメチル基であり;Wは酸素であり;Dはフェニル又は複素環化合物であって、好ましくはピリミジンであり;そしてZは水素、ホルミル、f‐ブチル・ヒドロキシプロパノアート、ベンゾイル、酢酸又はジメチル・プロパンアミドである。式(V)〜(VIII)によって表される化合物は、式(I)〜(IV)によって表される化合物の合成に有用である。
【0084】
また、化合物1〜80、及び医薬として許容されるその塩も本発明の範囲内に含まれる。本発明の追加的な実施形態としては、以下の:医薬品として使用するための式(I)、(II)、(III)、又は(IV)のいずれかによって表される化合物;キナーゼ・タンパク質を阻害することを必要としている対象の処置用の医薬品の製造のための式(I)、(II)、(III)、又は(IV)のいずれかによって表される化合物の使用;そして単一部位若しくは転移癌における細胞増殖の抑制若しくは低減用の医薬品の製造のための式(I)、(II)、(III)、又は(IV)のいずれかによって表される化合物の使用、が挙げられる。
【0085】
本発明はまた、キナーゼ・タンパク質を阻害することを必要とする、増殖性疾患若しくは炎症性疾患を患っている対象の治療法、例えば処置など、における使用のための、式(I)、(II)、(III)、又は(IV)のいずれかによって表される化合物、又は医薬的に許容し得るその誘導体、溶媒和物、塩、互変異性体若しくは立体異性体を、あらゆる比でのその混合物を含めて包含する。
本発明の化合物の合成方法もまた本発明の中に包含される。
【0086】
本発明はまた、キナーゼ関連機能不全、特に例えば哺乳動物の血管新生、癌、例えば急性若しくは慢性の骨肉腫性白血病など、骨髄増殖性疾患、腫瘍の形成、増殖及び伝播、動脈硬化症、眼疾患、例えば年齢誘発性黄斑変性症、絨毛膜様新生血管形成、及び糖尿病性網膜症など、炎症性疾患、関節炎、血栓症、線維症、糸球体腎炎、神経変性、乾癬、再狭窄、創傷治癒、移植拒絶反応、代謝性疾患、自己免疫疾患、肝硬変症、糖尿病、並びに血管疾患及び免疫疾患などの疾患の処置を必要としている対象の処置のための更なる医薬品有効成分と一緒の式(I)、(II)、(III)、又は(IV)のいずれかによって表される化合物の併用に関する。
【0087】
特に、本発明の化合物は、強く発現されているか又は過剰発現されているオーロラ・キナーゼを持つことを特徴とする固形腫瘍の処置のためのオーロラ・キナーゼ阻害剤として有用である。かかる固形腫瘍としては、とりわけ単球性白血病、脳腫瘍、乳房の腫瘍、膵臓の腫瘍、卵巣の腫瘍、泌尿生殖器の腫瘍、リンパ系の腫瘍、胃の腫瘍、喉頭の腫瘍、及び肺腺癌や小細胞肺癌を含めた肺癌が挙げられる。
【0088】
さらに、本発明は、医薬組成物、並びにそれを必要としている対象に有効量の式(I)、(II)、(III)、又は(IV)のいずれかによって表されるキナーゼ阻害剤を投与することを含んでなる、あらゆるタイプの癌を含めた増殖性疾患を処置又は治療するために無秩序な又は障害のあるオーロラ・キナーゼ活性を調節する及び/又は阻害する方法を提供する。特に、式(I)、(II)、(III)、又は(IV)によって表される化合物は、特定の形態の癌の処置において有用である。さらに、式(I)、(II)、(III)、又は(IV)によって表される化合物は、特定の既存の癌化学療法において相加効果又は相乗効果を提供するために使用でき、及び/又は特定の既存の癌化学療法及び放射線療法の有効性を回復するために使用できる。
【0089】
特に、本発明の化合物は、強く発現されているか又は過剰発現されているオーロラ・キナーゼを持つことを特徴とする固形腫瘍の処置のためのオーロラ・キナーゼ阻害剤として有用である。かかる固形腫瘍としては、とりわけ単球性白血病、脳腫瘍、乳房の腫瘍、膵臓の腫瘍、卵巣の腫瘍、泌尿生殖器の腫瘍、リンパ系の腫瘍、胃の腫瘍、喉頭の腫瘍、及び肺腺癌や小細胞肺癌を含めた肺癌が挙げられる。
【0090】
本発明の化合物は、細胞分裂に対するそれらの阻害作用によって異種間移植腫瘍モデルにおいて生体内で増殖阻害作用を持つ。よって、過剰増殖性疾患、例えば骨髄増殖性疾患などを患っている患者にそれらを投与すると、これらの化合物が、腫瘍増殖を阻害し、リンパ増殖性疾患に関連した炎症を軽減し、抑止移植拒絶反応を阻害し、組織修復による神経障害を阻害する、などを行う。本発明の化合物は予防目的又は治療目的に好適である。増殖の予防は、例えば腫瘍の増殖を予防する、転移増殖を予防する、心臓血管手術に関連した再狭窄を縮小するなどのために、明らかな疾患の発現前の本発明による化合物の投与によって達成される。あるいは、上記化合物は、患者の臨床的症状を安定化する又は改善することによって進行中の疾患の処置のために使用される。
【0091】
II.定義
本明細書中に使用されるとき、本発明の化合物の説明には、どの場合においても、医薬的に許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、互変異性体、鏡像異性体、立体異性体、類似体又は誘導体を、あらゆる比でのその混合物も含めて含んでいる。
【0092】
置換基が左から右に書かれているそれらの通常の化学式によって指定されている場合には、それらはまた、右から左に構造を書くことで得られる置換基も任意に包含している、例えば‐CH2O‐はまた‐OCH2‐も任意に列挙している。
【0093】
用語「アルキル」は、それ自体又は別の置換基の一部として、特に明記しない限り、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のC原子を持つ飽和又は不飽和の、非分岐(線状)鎖又は分岐鎖、あるいは環状炭化水素基、あるいはその組み合わせを意味する。上記用語は、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec‐ブチル若しくはtert‐ブチル、ペンチル、又はヘキシルを意味し、そしてシクロアルキル及びビシクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルナン等を示す。
【0094】
不飽和炭化水素基は、1以上の二重結合又は三重結合があるものである。不飽和アルキル基の例としては、ビニル、2‐プロペニル、クロチル、2‐イソペンテニル、2‐ブタジエニル、2,4‐ペンタジエニル、エチニル、1‐プロペニル、3‐プロペニル、3‐ブチニル、並びにその異性体及び相同体が挙げられる。規定されているアルキル鎖の1〜7個の水素原子をF、Cl、及び/又はBrによって置き換えてもよく、並びに/あるいは1又は2個のCH2基をO、S、SO、SO2及び/又はCH=CH基によって置き換えてもよい。
【0095】
「アルキレン」という用語は、それ自体又は別の置換基の一部として、‐CH2CH2CH2‐によって例示されるアルカンから得られた2価のラジカルを意味する、任意に置換された、非分岐(線状)鎖又は分岐鎖を示す。「アルキレン」は、好ましくは、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、sec-ブチレン若しくはtert‐ブチレン、ペンチレン、1‐、2‐若しくは3‐メチルブチレン、1,1‐、1,2‐若しくは2,2‐ジメチルプロピレン、1‐エチルプロピレン、ヘキシレン、1‐、2‐、3‐若しくは4‐メチルペンチレン、1,1‐、1,2‐、1,3‐、2,2‐、2,3‐若しくは3,3‐ジメチルブチレン、1‐若しくは2‐エチルブチレン、1‐エチル‐1‐メチルプロピレン、1‐エチル‐2‐メチルプロピレン、1,1,2‐若しくは1,2,2‐トリメチルプロピレン、又はジフルオロメチレンを示す。1、2、3、4、5又は6個のC原子があるアルキレンが特に好ましく、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、sec‐ブチレン、tert‐ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ジフルオロメチレン、テトラフルオロエチレン又は1,1‐ジフルオロエチレンが好ましい。
【0096】
「環状アルキレン」(「シクロアルキレン」)は、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン又はシクロヘプチレンを示すことがより好ましい。
【0097】
用語「アリール」は、特に明記しない限り、多価不飽和の、芳香族の、単環又は複数の環、好ましくは1〜3環を意味し、そのうち後者は一緒に融合されるか又は共有結合で連結される。「アリール」という用語は、例えばフェニル、o‐、m‐若しくはp‐トリル、o‐、m‐若しくはp‐エチルフェニル、o‐、m‐若しくはp‐プロピルフェニル、o‐、m‐若しくはp‐イソプロピルフェニル、o‐、m‐若しくはp‐tert‐ブチルフェニル、o‐、m‐若しくはp‐ヒドロキシフェニル、o‐、m‐若しくはp‐ニトロフェニル、o‐、m‐若しくはp‐アミノフェニル、o‐、m‐若しくはp‐(N‐メチルアミノ)フェニル、o‐、m‐若しくはp‐(N‐メチルアミノカルボニル)フェニル、o‐、m‐若しくはp‐アセトアミドフェニル、o‐、m‐若しくはp‐メトキシフェニル、o‐、m‐若しくはp‐エトキシフェニル、o‐、m‐若しくはp‐エトキシカルボニルフェニル、o‐、m‐若しくはp‐(N,N‐ジメチルアミノ)フェニル、o‐、m‐若しくはp‐(N,N‐ジメチルアミノカルボニル)フェニル、o‐、m‐若しくはp‐(N‐エチルアミノ)フェニル、o‐、m‐若しくはp‐(N,N‐ジエチルアミノ)フェニル、ジフルオロフェニルを含むo‐、m‐若しくはp‐フルオロフェニル、ジブロモフェニルを含むo‐、m‐若しくはp‐ブロモフェニル、ジクロロフェニルを含むo‐、m‐若しくはp‐クロロフェニル、o‐、m‐、p‐(メチルスルホンアミド)フェニル、o‐、m‐若しくはp‐(メチルスルホニル)フェニル、o‐、m‐若しくはp‐メチルスルファニルフェニル、o‐、m‐若しくはp‐シアノフェニル、o‐、m‐若しくはp‐カルボキシフェニル、o‐、m‐若しくはp‐メトキシカルボニルフェニル、o‐、m‐若しくはp‐ホルミルフェニル、o‐、m‐若しくはp‐アセチルフェニル、o‐、m‐若しくはp‐アミノスルホニルフェニル、o‐、m‐若しくはp‐(モルホリン‐4‐イルカルボニル)フェニル、o‐、m‐若しくはp‐(モルホリン‐4‐イルカルボニル)フェニル、o‐、m‐若しくはp‐(3‐オキソモルホリン‐4‐イル)フェニル、o‐、m‐若しくはp‐(ピペリジニルカルボニル)フェニル、o‐、m‐若しくはp‐[2‐(モルホリン‐4‐イル)エトキシ]フェニル、o‐、m‐若しくはp‐[3‐(N,N‐ジエチルアミノ)プロポキシ]フェニル、o‐、m‐若しくはp‐[3‐(3‐ジエチルアミノプロピル)ウレイド]フェニル、o‐、m‐若しくはp‐(3‐ジエチルアミノプロポキシカルボニルアミノ)フェニルを示し、さらに好ましくは2,3‐、2,4‐、2,5‐、2,6‐、3,4‐若しくは3,5‐ジフルオロフェニル、2,3‐、2,4‐、2,5‐、2,6‐、3,4‐若しくは3,5‐ジクロロフェニル、2,3‐、2,4‐、2,5‐、2,6‐、3,4‐若しくは3,5‐ジブロモフェニル、2,4‐若しくは2,5‐ジニトロフェニル、2,5‐若しくは3,4‐ジメトキシフェニル、3‐ニトロ‐4‐クロロフェニル、3‐アミノ‐4‐クロロ‐、2‐アミノ‐3‐クロロ‐、2‐アミノ‐4‐クロロ‐、2‐アミノ‐5‐クロロ‐若しくは2‐アミノ‐6‐クロロフェニル、2‐ニトロ‐4‐N,N‐ジメチルアミノ‐若しくは3‐ニトロ‐4‐N,N‐ジメチル‐アミノフェニル、2,3‐ジアミノフェニル、2,3,4‐、2,3,5‐、2,3,6‐、2,4,6‐若しくは3,4,5‐トリクロロフェニル、2,4,6‐トリメトキシフェニル、2‐ヒドロキシ‐3,5‐ジクロロフェニル、p‐ヨードフェニル、3,6‐ジクロロ‐4‐アミノフェニル、4‐フルオロ‐3‐クロロフェニル、2‐フルオロ‐4‐ブロモフェニル、2,5‐ジフルオロ‐4‐ブロモフェニル、3‐ブロモ‐6‐メトキシフェニル、3‐クロロ‐6‐メトキシフェニル、3‐クロロ‐4‐アセトアミドフェニル、3‐フルオロ‐4‐メトキシフェニル、3‐アミノ‐6‐メチルフェニル、3‐クロロ‐4‐アセトアミドフェニル又は2,5‐ジメチル‐4‐クロロフェニルを示す。
【0098】
好ましい実施形態では、「アリール」は、未置換の、又は1以上のハロゲン、OR、CN若しくは(C=O)NH2(ここで、RがH若しくはアルキルである)によって独立に一置換、二置換又は三置換されたフェニルを示すことが好ましい。
【0099】
「ヘテロアリール」という用語は、N、O、S、Si、P及びBから選択されるヘテロ原子を1〜4個含むアリール環を指すが、ここで窒素原子と硫黄原子は任意に酸化され、そして(単数若しくは複数の)窒素原子は任意に四級化されている。ヘテロアリール基は、炭素又はヘテロ原子によって分子の残部に取り付けられることができる。
【0100】
アリール及びヘテロアリール基の限定されることのない例としては、フェニル、1‐ナフチル、2‐ナフチル、4‐ビフェニル、1‐ピロリル、2‐ピロリル、3‐ピロリル、3‐ピラゾリル、2‐イミダゾリル、4‐イミダゾリル、ピラジニル、2‐オキサゾリル、4‐オキサゾリル、2‐フェニル‐4‐オキサゾリル、5‐オキサゾリル、3‐イソオキサゾリル、4‐イソオキサゾリル、5‐イソオキサゾリル、2‐チアゾリル、4‐チアゾリル、5‐チアゾリル、2‐フリル、3‐フリル、2‐チエニル、3‐チエニル、2‐ピリジル、3‐ピリジル、4‐ピリジル、2‐ピリミジル、4‐ピリミジル、5‐ベンゾチアゾリル、プリニル、2‐ベンズイミダゾリル、5‐インドリル、7‐アザインドール、1‐イソキノリル、5‐イソキノリル、2‐キノキサリニル、5‐キノキサリニル、3‐キノリル、6‐キノリル、1‐ピペリジニル、3‐ベンゾフラニル、及び4‐ベンゾジオキシニルが挙げられる。先に言及したアリール及びヘテロアリール環系のそれぞれに対する置換基は、以下で記載した許容される置換基の群から選択される。
【0101】
簡潔に述べると、「アリール」という用語は、例えばアリールオキシ、アリールチオキシ、若しくはアリールアルキルのように他の用語と組み合わせて使用されると、先に規定されるアリール及びヘテロアリール環の両方を任意に含む。よって、「アリールアルキル」という用語は、炭素原子(例えばメチレン基)が例えば酸素原子(例えばフェノキシメチル、2‐ピリジルオキシメチル、3‐(1‐ナフチルオキシ)プロピル等)によって置き換えられたアルキル基を含めたアルキル基にアリール基が取り付けられた基(例えばベンジル、フェネチル、ピリジルメチル等)を任意に含む。用語「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」及び「ヘテロアリール」のそれぞれは、示された基の未置換、一置換、二置換又は三置換形態を任意に含む。
【0102】
用語「アルコキシ」、「アルキルアミノ」及び「アルキルチオ」(若しくはチオアルコキシ)はそれらの従来の意味で使用され、そしてそれぞれ酸素原子、アミノ基、又は硫黄原子を介して分子の残部に取り付けられたアルキル基を指す。
【0103】
アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、及びヘテロシクロアルケニルと呼ばれることが多い基を含めた、アルキル及びヘテロアルキル基の置換基は、一般的に「アルキル基置換基」と呼ばれ、そしてそれらは、これだけに限定されることなく、以下の:置換若しくは未置換のアリール、置換若しくは未置換のヘテロアリール、置換若しくは未置換のヘテロシクロアルキル、及び‐R1(ここで、R1が‐OH、O‐アルキル、‐CN、‐ハロ、‐C(O)OH、‐C(O)O(アルキル)、‐C(O)NH2、‐C(O)NH(アルキル)、‐C(O)N(アルキル)2、‐CH2OH、‐CH2O(アルキル)、‐CH2NH2、‐CH2NH(アルキル)、‐CH2N(アルキル)2、‐SO2OH、‐SO2O(アルキル)、‐SO2NH2、‐SO2NH(アルキル)、及び‐SO2N(アルキル)2である)から選択されるさまざまな基のうちの1以上であることができる。先の置換基の考察から、当業者は、「アルキル」という用語が水素基以外の基に結合した炭素原子を含んでいる基、例えばハロアルキル(例えば‐CF3と‐CH2CF3)やアシル(例えば、‐C(O)CH3、‐C(O)CF3、‐C(O)CH2OCH3等)など、を含むことを意味すると理解するであろう。
【0104】
アルキルラジカルについて記載した置換基と同様に、アリール及びヘテロアリール基の置換基は一般的に「アリール基置換基」と呼ばれる。その置換基は、例えば以下の:置換若しくは未置換のアルキル、置換若しくは未置換のアリール、置換若しくは未置換のヘテロアリール、置換若しくは未置換のヘテロシクロアルキル、‐OH、‐O‐アルキル、‐CN、‐ハロ、‐C(O)OH、‐C(O)O(アルキル)、‐C(O)NH2、‐C(O)NH(アルキル)、‐C(O)N(アルキル)2、‐CH2OH、‐CH2O(アルキル)、‐CH2NH2、‐CH2NH(アルキル)、‐CH2N(アルキル)2、‐SO2OH、‐SO2O(アルキル)、‐SO2NH2、‐SO2NH(アルキル)、及び‐SO2N(アルキル)2から選択される。
【0105】
本明細書中に使用されるとき、「アシル」という用語はカルボニル残基を含む置換基、つまりC(O)Rを説明する。Rの代表的な種としては、H、ハロゲン、置換若しくは未置換のアルキル、置換若しくは未置換のアリール、置換若しくは未置換のヘテロアリールと、置換若しくは未置換のヘテロシクロアルキルが挙げられる。
【0106】
本明細書中に使用されるとき、用語「融合環系」は、各環が少なくとも2つの原子を別の環と共有する少なくとも2つの環を意味する。「融合環系」は芳香族環、並びに非芳香族環を含んでいてもよい。「融合環系」の例は、ナフタレン、インドール、キノリン、クロメン、置換若しくは未置換のノルボルナン及びノルボルネン等である。
【0107】
「処置」という用語は、本明細書中では、特定の疾患の予防と既存の病態の処置の両方を指す。
「治療的有効量」という語句は、本明細書中では、哺乳動物においてオーロラ・キナーゼ受容体の同時の遮断又は阻害し、その結果、あらゆる医療に適用できる妥当な利益/危険比にて処置した細胞においてその経路の生物学的影響を遮断することによって、何らかの所望の治療効果を生じさせるのに有効な化合物、材料、及び本発明の化合物を含んでなる組成物の量を意味する。
【0108】
「医薬的に許容し得る塩」という用語には、本明細書中に記載した化合物上に見られる特定の置換基によって比較的に無毒性の酸又は塩基を用いて製造される活性化合物の塩が含まれる。本発明の化合物が比較的酸性の官能性を含むとき、未希釈(neat)又は好適な不活性溶媒中のいずれかで、中性型のかかる化合物を十分な量の所望の塩基と接触させることによって塩基付加塩を得ることができる。医薬的に許容し得る塩基付加塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アミノ塩、マグネシウム塩、又は同様の塩が挙げられる。本発明の化合物が比較的に塩基性の官能性を含むとき、未希釈又は好適な不活性溶媒中のいずれかで、中性型のかかる化合物を十分な量の所望の酸と接触させることによって酸付加塩を得ることができる。医薬的に許容し得る酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、リン酸一水素、リン酸二水素、、硫酸、硫酸一水素、ヨウ化水素酸又は亜リン酸などのような無機酸から得られるもの、並びに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p‐トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などのような比較的無毒性の有機酸から得られたものが挙げられる。アルギン酸塩などのアミノ酸の塩、及びグルクロン酸又はガラクツロン酸などの有機酸の塩もまた含まれる(例えば、Berge et al, J. Pharma. Science 1977, 66: 1-19を参照のこと)。本発明のある種の特定の化合物は、その化合物を塩基付加塩又は酸付加塩のいずれかに変換させる塩基性官能基及び酸性官能基の両方を含有する。
【0109】
これらの化合物の中性型は、好ましくは、その塩を塩基又は酸と接触させて親化合物を従来の様式で単離することにより再生させる。この化合物の原型は、特定の物理的特性、例えば極性溶媒中での溶解度などの点で、種々の塩の形態とは異なるが、そのほかの点では、その塩は本発明の目的のための化合物の原型と同等である。
【0110】
塩の形態に加えて、本発明は、プロドラッグ形態である化合物を提供する。本明細書に記載の化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学的変化を受けて本発明の化合物を提供する化合物である。例えば、本発明のカルボン酸類似体のプロドラッグにはさまざまなエステルが含まれる。代表的な実施形態では、本発明の医薬組成物にはカルボン酸エステルが含まれる。別の代表的な実施形態では、プロドラッグは、薬物分子が血液脳関門を越えることを必要とする疾患及び病態の処置/予防に好適である。好ましい実施形態では、プロドラッグは脳に入り、そこで薬物分子の活性形態に変換される。さらに、プロドラッグは、生体外環境での化学的又は生化学的方法により、本発明の化合物に変換できる。
例えば、プロドラッグは、適当な酵素又は化学試薬と共に経皮パッチレザーバー内に入れると、本発明の化合物にゆっくりと変換させることができる。
【0111】
本発明のいくつかの化合物は、非溶媒和形態ならびに水和形態を含めた溶媒和形態で存在することができる。一般に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等であるので、本発明の範囲に包含される。本発明のいくつかの化合物は、多結晶形態または非晶形態で存在することもできる。一般に、すべての物理的形態は、本発明によって意図されている用途に対しては同等であり、本発明の範囲に入るはずである。「化合物、あるいは医薬的に許容し得る化合物の塩、水和物、多形体(polymoeph)又は溶媒和物」は、述べられた基準の2つ以上に合致する物質、例えば塩と溶媒和物の両方が包含される物質、が含まれるので、包括的な意味の「又は」を意図する。
【0112】
本明細書中に使用されるとき、用語「ヘテロ原子」には、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、シリコン(Si)、ホウ素(B)、及びリン(P)が含まれる。
【0113】
用語「ヘテロアルキル」は、それ自体又は別の用語と組み合わせて、特に明記しない限り、記述された数の炭素原子、並びにO、N、Si及びSから成る群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子から成る(ここで上記窒素原子及び硫黄原子は任意に酸化されてもよく、且つ、上記窒素ヘテロ原子は任意に四級化されてもよい)安定した直鎖、分岐鎖、又は環状炭化水素基、あるいはその組み合わせを意味する。(単数若しくは複数の)ヘテロ原子、つまりO、N、S及びSiが、ヘテロアルキル基のいずれかの内側の位置に、又はアルキル基がその分子の残部に取り付けられている位置に配置されてもよい。例としては、これだけに限定されるものではないが、‐CH2‐CH2‐O‐CH3、‐CH2‐CH2‐NH‐CH3、‐CH2‐CH2‐N(CH3)‐CH3、‐CH2‐S‐CH2‐CH3、‐CH2‐CH2‐S(O)‐CH3、‐CH2‐CH2‐S(O)2‐CH3、‐CH=CH‐O‐CH3、‐Si(CH33、‐CH2‐CH=N‐OCH3、及び‐CH=CH‐N(CH3)‐CH3が挙げられる。最大2つのヘテロ原子が連続してもよい、例えば‐CH2‐NH‐OCH3や‐CH2‐O‐Si(CH33など。
同様に、用語「ヘテロアルキレン」は、それ自体又は別の置換基の一部として、これだけに限定されるものではないが、‐CH2‐CH2‐S‐CH2‐CH2‐や‐CH2‐S‐CH2‐CH2‐NH‐CH2‐によって例示されるような、ヘテロアルキルから得られた二価の基を意味する。ヘテロアルキレン基に関して、ヘテロ原子は鎖の末端のどちらか又は両方も占める(例えばアルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノ等)。よりさらに、アルキレンとヘテロアルキレン連結基に関して、連結基の方向は、連結基の式が書かれている方向によって示唆されない。例えば、式‐CO2R’‐は、‐C(O)OR’と‐OC(O)R’の両方を表す。
【0114】
用語「シクロアルキル」と「ヘテロシクロアルキル」は、それら自体又は他の用語と組み合わせて、特に明記しない限り、それぞれ「アルキル」と「ヘテロアルキル」の環状のバージョンを表す。さらに、ヘテロシクロアルキルに関して、ヘテロ原子は、複素環化合物がその分子の残部に取り付けられている位置を占めることができる。「シクロアルキル」又は「ヘテロシクロアルキル」置換基は、直接的に又はリンカーを通して分子の残部に取り付けられることができるが、ここで上記リンカーはアルキルであることが好ましい。シクロアルキルの例としては、これだけに限定されるものではないが、シクロペンチル、シクロヘキシル、1‐シクロヘキセニル、3‐シクロヘキセニル、シクロヘプチル等が挙げられる。ヘテロシクロアルキルの例としては、これだけに限定されるものではないが、1‐(1,2,5,6‐テトラヒドロピリジル)、1‐ピペリジニル、2‐ピペリジニル、3‐ピペリジニル、4‐モルホリニル、3‐モルホリニル、テトラヒドロフラン‐2‐イル、テトラヒドロフラン‐3‐イル、テトラヒドロチエン‐2‐イル、テトラヒドロチエン‐3‐イル、1‐ピペラジニル、2‐ピペラジニル等が挙げられる。
【0115】
用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、それら自体又は別の置換基の一部として、特に明記しない限り、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子を意味する。加えて、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキルとポリハロアルキルを含むことを意味する。例えば、「ハロ(C1‐C4)アルキル」という用語は、これだけに限定されるものではないが、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、2,2,2‐トリフルオロエチル、4‐クロロブチル、3‐ブロモプロピル等を含むことを意味する。
【0116】
本発明の化合物の合成における試薬として本明細書中に使用される用語「TEA」、「DMF」、「LDA」、「DCM」及び「TFA」は、それぞれ「テトラエチルアンモニア」、「N,N‐ジメチルホルムアミド」、「リチウム・ジイソプロピルアミン」、「ジクロロメタン」及び「トリフルオロ酢酸」を意味する。
【0117】
本発明の特定の化合物は不斉炭素原子(光学中心)又は二重結合を所有し;ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体、及び個々の異性体が本発明の範囲内に包含される。光学的に活性な(R)‐及び(S)‐異性体は、キラルシントン又はキラル試薬を使用して製造されても、従来の手法を使用して転換されてもよい。本明細書中に記載した化合物がオレフィン二重結合又は幾何的非相称のその他の中心を含み、且つ、別段の指定がないとき、その化合物がE及びZ幾何異性体の両方を含むことを意図する。
同様に、すべての互変異性型が含まれる。
【0118】
用語「宿主」又は「それを必要としている患者」は、本明細書中では、あらゆる哺乳動物種、例えば霊長動物種、特にヒト;齧歯動物;ウサギ;ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコなど、であってもよい。動物モデルは、獣医学的処置のために、及びヒト疾病の処置に関するモデルを提供する実験的調査のために着目のものである。
【0119】
本発明による化合物を用いた処置に対する特定の細胞の感受性は、試験管内における試験によって測定された。通常、細胞の培養物が、活性物質に細胞死を誘発させるか又は遊走を阻害させるのに十分な期間、通常約1時間〜1週間、様々な濃度の本発明による化合物と組み合わせた。試験管内における試験は、生検サンプルからの培養細胞株を使用して行われた。そして、処置後に残っている生存細胞がカウントされた。
【0120】
薬物の用量は、使用される具体的な化合物、具体的な疾患、患者状況などに依存する。治療用量は、通常、患者の生存率が維持されると同時に、標的組織内の望ましくない細胞集団を減らすのにかなり十分である。処置は、一般的に、細胞集団の減少、例えば細胞負荷(cell burden)における少なくとも約50%の低下が生じるまで、継続され、そして体内で望ましくない細胞が基本的に検出されなくなるまで継続されてもよい。
【0121】
医薬組成物
本発明の化合物が未精製の化学物質として投与できる一方で、医薬組成物としてそれらを提供することが望ましい。更なる態様によると、本発明は、1以上の医薬担体及び任意に1以上の他の薬効成分と一緒に、式(I)、(II)、(III)、又は(IV)によって表される化合物又はその医薬的に許容し得るその塩、水和物若しくは溶媒和物を含んでなる医薬組成物を提供する。(単数若しくは複数の)上記担体は、製剤の他の構成要素に適合できるし、且つ、その受容者に対して有害でないという意味で「許容され得る」。用語「医薬的に許容し得る担体」は、医薬製剤中に組み込むのに適当なビヒクル、希釈剤、賦形剤、及びその他の要素を含む。
【0122】
化合物又は組成物の製剤には、(皮内、皮下、筋肉内、静脈内、腹膜、及び関節内を含めた)非経口、直腸、イオノトフォレティック(ionotophoretic)、鼻腔内、吸入、及び(皮膚、口腔、舌下、及び眼内を含めた)経口投与に好適なあらゆるものが含まれる。最も好適な経路が、受容者の病態と障害に依存することもある。製剤は、単位剤形の形で都合よく提示されることもでき、薬局の技術分野で周知の方法のいずれかによって製造されることもできる。すべての方法には、化合物、又は医薬的に許容し得るその塩若しくは溶媒和物(「有効成分」)を1以上の副成分を構成する担体と会合させるステップを含む。一般的に、製剤は、有効成分を液体担体又は微粉化した固体担体と、あるいはその両方と均一、且つ、密に会合させ、そして必要であれば、生成物を所望の製剤に成形することによって製造される。当業者にとって、経口製剤は周知であり、そしてそれらを製造するための一般的な方法はあらゆる標準的な薬学の学校の教科書で見られる、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy., A.R. Gennaro, ed. (1995)(その開示全体を本明細書中に援用する)。
【0123】
式(I)、(II)、(III)、又は(IV)によって表される化合物を包含する医薬組成物は、単位剤形の形で都合よく提示されることもでき、そして薬局の技術分野で周知の方法のいずれかによって製造されることもできる。好ましい単位投与製剤は、有効成分若しくは医薬として許容されるその塩の有効量、又は適当なその一部分を含むものである。予防又は治療用量の程度は、処置されるべき病態の性質と重症度、及び投与経路により通常異なる。用量、及び恐らく投薬回数もまた、個々の患者の年齢、体重、及び応答に従って異なるであろう。一般的に、1日の総投薬量は、単回又は分割された用量で、1日あたり約0.1mg〜1日あたり約7000mg、好ましくは1日あたり約1mg〜1日あたり約100mg、そしてより好ましくは1日あたり約25mg〜1日あたり約50mgの範囲である。いくつかの態様では、1日の総投薬量は、1日あたり約50mg〜約500mg、好ましくは1日あたり約100mg〜約500mgの範囲であってもよい。小児、65歳を超える患者、及び腎又は肝臓機能障害を有する患者には、初めは、低用量を与え、そして個々の応答及び/又は血中濃度に基づいて投薬量を漸増することがさらに推奨される。当業者に明らかなように、一部のケースにおいて、これらの範囲外の投薬量を使用することが必要とされることもある。さらに、臨床医又は処置している医師がどのように、そしていつ個々の患者の応答に関連して治療を中断する、加減する、又は終了させるか知っていることに留意すること。
【0124】
経口投与に好適な本発明の製剤は、それぞれが所定の量の有効成分を含むカプセル剤、カシェ剤又は錠剤などの個別の単位として;散剤又は顆粒剤として;水性液体又は非水性液体中の溶液又は懸濁液として;あるいは水中油乳濁液又は油中水乳濁液として;提示されることもできる。有効成分はまた、ボーラス剤、舐剤又はペースト剤として提示されることもできる。
【0125】
錠剤は、任意に1以上の追加構成要素を使用して、式(I)、(II)、(III)、又は(IV)によって表される化合物を圧縮又は成形することによって作られることもできる。圧縮錠は、任意に結合剤、滑沢剤、不活性な希釈剤、潤滑剤、界面活性剤又は分散剤と混合した、散剤又は顆粒剤などの自由流動形態の有効成分を好適な機械により圧縮することによって製造されることもできる。成形錠剤は、不活性な液体希釈剤によって湿らせた粉末化合物の混合物を好適な機械により成形することによって作製されることもできる。錠剤は任意にコーティング又は分割されてもよく、そしてその中の有効成分の徐放、遅延放出又は制御放出を提供するように処方されることもできる。経口及び非経口徐放性薬物送達システムは、当業者にとって周知であり、そして経口又は非経口投与された薬物の徐放を達成する一般的な方法は、例えばRemington, THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY. 21ST Ed., (1995) Pages 1660-75に見られる。特に先に触れた構成要素に加えて、本願発明の製剤が問題の製剤のタイプを考慮した当該技術分野の従来の他の作用物質を含むこともできる、例えば経口投与に好適なものは着香料を含むこともできる、ことが理解されるべきである。
【0126】
非経口投与のための製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、及び製剤を対象とする受容者の血液と等張の状態にする溶質を含んでいてもよい水性及び非水性無菌注射液が含まれる。経口投与のための製剤もまた着香料を含むことができるのに対して、非経口投与のための製剤にもまた水性及び非水性滅菌懸濁液が含まれ、それには懸濁化剤や増粘剤が含まれていてもよい。製剤は、多用量コンテナの単位用量、例えば密封されたアンプルやバイアル、の形で提示されてもよく、そして使用直前に無菌の液体担体、例えば生理的食塩水、リン酸緩衝生理的食塩水(PBS)又は同様のもの、の添加だけを必要とする凍結‐乾燥(凍結乾燥)状態で保存されてもよい。即席の注射液及び懸濁液は、以前に記載した種類の無菌の散剤、顆粒剤、及び錠剤から製造することもできる。直腸投与のための製剤は、ココアバター又はポリエチレングリコールなどの普通の担体を用いた坐剤として提示されてもよい。口内の局所投与、例えば頬側に又は舌下、のための製剤には、ショ糖とアカシア又はトラガントなどの風味を添えた主成分中に有効成分を含んでなるロゼンジ、及びゼラチンとグリセリン又はショ糖とアカシアなどの主成分中に有効成分を含んでなる芳香錠が含まれる。
【0127】
医薬的に許容し得る担体は、投与のために所望された経路、例えば経口又は(静脈内を含めた)非経口、によって多種多様な形をとることもできる。経口投与薬のために組成物を製造する際に、普通の医薬的な媒体、例えば懸濁液、エリキシル剤、及び溶液を含めた経口液体製造の場合には水、グリコール、オイル、アルコール、着香料、保存料、及び着色剤など、のいずれかを利用することもできる。経口固形製剤、例えば散剤、カプセル剤及びカプレットなど、の場合には、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤などの担体は、液状製剤よりも好まれている固形経口製剤と共に使用されることができる。それらの投与の簡便性のため、好ましい固形経口製剤は錠剤又はカプセル剤である。所望であれば、錠剤は標準的な水性又は非水性技術によってコーティングされることもできる。経口及び非経口徐放剤形もまた使用されてもよい。
【0128】
代表的な製剤は当業者にとって周知であり、そしてそれらを製造するための一般的方法は標準的な薬学の教科書のいずれか、例えばRemington, THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY. 21st Ed., (1995) Lippincottに見られる。
【0129】
本発明の一態様は、キット形態で販売されることもできる医薬的に活性な作用物質を用いた疾患/病態の処置を企図する。そのキットは、シリンジ、箱、袋等の中に含まれる本発明の化合物を含んでなる。通常、キットは、化合物の投与に関する説明書を含んでなる。キット形態は、異なった投薬濃度及び/又は形態(例えば経口と非経口)が販売されているとき、又は組み合わせ物の個々の成分の漸増が処方医師によって所望されるとき、特に有利である。
【0130】
かかるキットの例は、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックは包装業界で周知であり、そして医薬単位剤形(錠剤、カプセル剤等)の包装に広く使用されている。それらは、一般的に、好ましくは透明なプラスチック材料のホイルで覆われた比較的に硬い材料のシートから成る。包装工程中に、くぼみがプラスチック・ホイルに形成される。そのくぼみは、包装される錠剤又はカプセル剤の大きさ及び形状を有する。錠剤又はカプセル剤がそのくぼみの中に置かれ、そして比較的に硬い材料のシートは、くぼみが形成された方向とは反対であるホイル面にてプラスチック・ホイルに接触して密封される。通常、特定の投薬量情報が各ブリスターパック上に刻印される。
本発明の別の具体的な実施形態では、それらの意図された使用の順に日用量を一つずつ分注するように設計されたディスペンサーが提供される。
【0131】
III.治療方法又は予防方法
更なる態様では、本発明は、キナーゼ関連機能不全から選択されるメンバーである疾患又は病態、特に哺乳動物の血管新生、癌、腫瘍の形成、増殖及び伝播、動脈硬化症、眼疾患、例えば年齢誘発性黄斑変性症、絨毛膜様新生血管形成及び糖尿病性網膜症など、炎症性疾患、関節炎、血栓症、線維症、糸球体腎炎、神経変性、乾癬、再狭窄、創傷治癒、移植拒絶反応、代謝性疾患、自己免疫疾患、肝硬変症、糖尿病、並びに血管疾患及び免疫疾患などの疾患、を治療又は予防する方法を提供する。上記方法は、治療的有効量の式(I)〜(IV)のいずれかによって表される化合物、あるいは医薬的に許容し得るその塩、水和物、プロドラッグ、互変異性体、鏡像異性体、又はラセミ混合物をそれを必要としている対象に投与することを含む。
【0132】
本発明による処置の対象には、記載した病態のための治療法を必要としているヒト(患者)とその他の哺乳動物が含まれる。
本発明の化合物は、細胞分裂の阻害に関して独特な薬理学的特徴を有し、そして細胞においてオーロラ・キナーゼ酵素の活性に影響を及ぼす。そのため、これらの化合物は、オーロラ・キナーゼ活性によって調節される病態及び障害、特に癌に関連した腫瘍及び障害、を処置するのに有効である。一実施形態では、本発明の化合物は、その他の処置の現行基準と比較して低減された副作用を伴う。
【0133】
本発明の化合物は、通常、既知の抗癌剤より選択的であり、そしてオーロラ・キナーゼ活性の阻害に関してより高い選択性を実証している。上記化合物はまた、良好な生物学的利用能を含めた活性の有利な特性を示す。従って、それらは、無秩序な又は障害のあるオーロラ・キナーゼ活性に関連する障害を処理するための当該技術分野で知られている多くの方法を上回る利点を提供する。
【0134】
IV.一般的合成
本発明の化合物は、一般的に類似化合物を合成するための当業者に知られている方法によって一般的に製造される。これらは以下で示した一般的なスキーム、及び以下の製造に向けた実施例によって例示されている。ほとんどの出発物質が、実施例のように、Aldrich Chemicals Co.又はSigma Chemical Companyのような供給会社から市販されている。市販されていない化合物は、参考文献、例えば「Organic Reactions」Volumes 1-40, John Wiley & Sons (1991);「Rodd's Chemistry of Carbon Compounds」Volumes 1-5 and Suppl., Elservier Science Publishers (1989);「Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis」Volume 1-15, John Wiley & Sons (1991);及び「Advanced Organic Chemistry」Jerry March, John Wiley & Sons, 4th Ed (1992)など、の中で示されている所定の手順に従うことで当業者によって合成されることもできる。
【0135】
【化11】

【0136】
{式中、Rが、式(I)について本明細書中に規定されるとおりのものである。}
スキーム1又はスキーム1aからの生成物が、Vertex Pharmaceuticals Incorporatedに対するWO 05/056552に含まれている合成方法に基づいてスキーム2の下記の合成に使用される(上記文献の内容を本明細書中に援用する)。
【0137】
【化12】

【0138】
参考文献:WO 2005056552
{式中、
Rが、H、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、トリフルオロメチル、ヘテロアルキル、OR’、SR’及びNR’R”であるか(ここで、R’とRは、それぞれ独立にH、アルキル、ハロアルキル、アルキルハロ、若しくはヘテロアルキルである);又はRが、それが付着したフェニル環の隣接する炭素原子にいずれかの末端にて任意に結合され、それによって二環式環構造を形成するヘテロアルキル鎖であり;nが、1、2、3又は4であるが、ただし、Xが酸素以外である場合には、n=0であってもよい。}
【0139】
スキーム3
本発明の化合物を作製するための代替の合成経路が、以下のスキーム3に与えられる。
【化13】

【0140】
参考文献:Sakamolo, Takao; Kondo, Yoshinori; Yamanaka, Hiroshi. Chemical & Pharmaceutical Bulletin (1985), 33(11): 4764-8
{式中、Rが、式(I)について先に規定されたものである。}
【0141】
【化14】

{式中、Rが、先に与えられた式(I)〜(IV)において規定されたものであり、そして、R5が、R2、R3について、及び先の式(I)〜(IV)において規定されたものである。}
【0142】
本発明の複素環式の阻害剤/作動薬は、ナフチリジン・コアを含んでなるコア部分を特徴とする。代表的な実施形態では、コア部分は、二重結合したヘテロ原子によって3位にて、及び少なくとも1つの追加アリール又は複素環式部分を含むリガンド結合鎖によって6位にてさらに置換されているナフチリジン複素環式環系を含む。好ましいアリール部分は置換若しくは未置換のフェニル基であり、そして代表的な複素環式部分としては、環、例えばピペラジニル、ピペリジニル、ベンゾジオキソリニル、フラニル、ベンゾフラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル及びピラゾリル基などが挙げられる。
【0143】
以下の実施例は、本発明の選ばれた実施形態を例示するために提供されるので、その範囲を限定するものとして解釈されてはならない。
【実施例】
【0144】
実施例1
N‐(4‐アミノフェニル)‐2‐フルオロ‐ベンズアミド
【化15】

【0145】
DCM(10ml)中、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)の溶液に、トリエチルアミン(1.1eq、971.78mg)と2‐フルオロベンゾイル・クロライド(1.1eq、837.56mg)を加えた。沈殿物を30分間撹拌した後に形成させた。沈殿物(1.5g)を濾過し、そして乾燥させた。それをDCM(5ml)及びトリフルオロ酢酸(15ml)中に懸濁し、そして15分間撹拌した。溶媒を取り除き、そして残渣をRtOAc/水中に溶解し、そして炭酸カリウム水溶液によってpHを10に調整した。EtOAc層は分離し、そして水層をより多くのEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水で1回洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。濃縮後に得られた生成物(720mg)を次の反応に更なる精製なしで使用した。LCMS[231.2(M+1)]。
【0146】
実施例2
N‐(5‐アミノピリミジン‐2‐イル)‐ベンズアミド
【化16】

【0147】
DCM(10ml)中、2‐アミノ‐5‐ニトロピリミジン(1.0g)の溶液に、トリエチルアミン(1.1eq)とベンゾイル・クロライド(1.1eq)を加えた。30分後に得た沈殿物(1.1g)を濾過し、そして乾燥させた。固体を、MeOH(30mL)中に溶解し、そしてPd/C(100mg)の存在下、30psiにて一晩水素化した。触媒をセライトのパッドを通して濾過した。MeOHを取り除き、そして未精製の生成物(820mg)を次の反応に更なる精製なしで使用した。LCMS[215.2(M+1)]。
【0148】
実施例3
N‐(4‐アミノフェニル)‐3‐フルオロ‐ベンズアミド
【化17】

【0149】
表題化合物(910mg)を、N‐Boc‐1, 4‐フェニレンジアミン(1.0g)、1.1eqのトリエチルアミン、及び3‐ベンゾイル・クロライド(1.1eq)を使用することによって実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[231.2(M+1)]。
【0150】
実施例4
N‐(4‐アミノフェニル)‐2‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド
【化18】

【0151】
表題化合物(880mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、1.1eqのトリエチルアミン及び4‐ベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[231.2(M+1)]。
【0152】
実施例5
N‐(4‐アミノフェニル)‐2‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド
【化19】

【0153】
表題化合物(920mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、1.1eqのトリエチルアミン及び2‐トリフルオロメチル‐ベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[281.25(M+1)]。
【0154】
実施例6
N‐(4‐アミノフェニル)‐4‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド
【化20】

【0155】
表題化合物(900mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、1.1eqのトリエチルアミン及び4‐トリフルオロメチル‐ベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[281.25(M+1)]。
【0156】
実施例7
N‐(4‐アミノフェニル)‐2‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド
【化21】

【0157】
表題化合物(830mg)を、出発物質のN‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)及び2‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[299.2(M+1)]。
【0158】
実施例8
N‐(4‐アミノフェニル)‐4‐フルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド
【化22】

【0159】
表題化合物(900mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、1.1eqのトリエチルアミン及び4‐フルオロ‐2‐トリフルオロメチルベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[299.2(M+1)]。
【0160】
実施例9
N‐(4‐アミノフェニル)‐2,6‐ジフルオロ‐ベンズアミド
【化23】

【0161】
表題化合物(820mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、1.1eq)のトリエチルアミン及び2,6‐ジフルオロ‐ベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[249.2(M+1)。
【0162】
実施例10
N‐(4‐アミノフェニル)‐3,4‐ジフルオロ‐ベンズアミド
【化24】

【0163】
表題化合物(850mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、1.1eqのトリエチルアミン及び3,4‐ジフルオロベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[249.2(M+1)]。
【0164】
実施例11
N‐(4‐アミノフェニル)‐3,5‐ジフルオロ‐ベンズアミド
【化25】

【0165】
表題化合物(720mg)を、出発物質のN‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、1.1eqのトリエチルアミン及び3,5‐ジフルオロ‐ベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[249.2(M+1)]。
【0166】
実施例12
N‐(4‐アミノフェニル)‐2,4‐ジフルオロ‐ベンズアミド
【化26】

【0167】
表題化合物(810mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、1.1eqのトリエチルアミン及び2,4‐ジフルオロ‐ベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[249.2(M+1)]。
【0168】
実施例13
シクロヘキサンカルボン酸(4‐アミノフェニル)‐アミド
【化27】

【0169】
表題化合物(550mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、トリエチルアミン(1.1eq)及びシクロヘキシル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[219.3(M+1)]。
【0170】
実施例14
N‐(4‐アミノフェニル)‐3,5‐ビス‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド
【化28】

【0171】
表題化合物(600mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、トリエチルアミン(1.1eq)及び3,5‐ビス‐トリフルオロメチル‐ベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[349.2(M+1)]。
【0172】
実施例15
ナフタレン‐2‐カルボン酸(4‐アミノフェニル)‐アミド
【化29】

【0173】
表題化合物(700mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、トリエチルアミン(1.1eq)及び2‐ナフトイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[263.1(M+1)]。
【0174】
実施例16
N‐(4‐アミノフェニル)‐2‐メトキシ‐ベンズアミド
【化30】

【0175】
表題化合物(750mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、トリエチルアミン(1.1eq)、及び2‐メトキシ‐ベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[243.2(M+1)]。
【0176】
実施例17
N‐(4‐アミノフェニル)‐4‐メチル‐ベンズアミド
【化31】

【0177】
表題化合物(700mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、トリエチルアミン(1.1eq)及び4‐メチルベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[227.2(M+1)]。
【0178】
実施例18
N‐(4‐アミノフェニル)‐2‐フルオロ‐4‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド
【化32】

【0179】
表題化合物(890mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、トリエチルアミン(1.1eq)及び2‐フルオロ‐4‐トリフルオロメチル‐ベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[299.2(M+1)]。
【0180】
実施例19
N‐(4‐アミノフェニル)‐3‐フルオロ‐5‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド
【化33】

【0181】
表題化合物(880mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、トリエチルアミン(1.1eq)及び3‐フルオロ‐5‐トリフルオロメチル‐ベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[299.2(M+1)]。
【0182】
実施例20
N‐(4‐アミノフェニル)‐4‐クロロ‐ベンズアミド
【化34】

【0183】
表題化合物(780mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、トリエチルアミン(1.1eq)及び4‐クロロ‐ベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[247.6(M+1)]。
【0184】
実施例21
N‐(4‐アミノフェニル)‐4‐トリフルオロメトキシ‐ベンズアミド
【化35】

【0185】
表題化合物(750mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、トリエチルアミン(1.1eq)及び4‐トリフルオロメトキシベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[297.2(M+1)]。
【0186】
実施例22
N‐(4‐アミノフェニル)‐2‐メチル‐ベンズアミド
【化36】

【0187】
表題化合物(700mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、トリエチルアミン(1.1eq)及び2‐メチル‐ベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[227.2(M+1)]。
【0188】
実施例23
N‐(4‐アミノフェニル)‐3‐メチル‐ベンズアミド
【化37】

【0189】
表題化合物(710mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、トリエチルアミン(1.1eq)及び3‐メチル‐ベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[227.2(M+1)]。
【0190】
実施例24
ナフタレン‐1‐カルボン酸(4‐アミノフェニル)‐アミド
【化38】

【0191】
表題化合物(750mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、トリエチルアミン(1.1eq)及び1‐ナフトイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[263.1(M+1)]。
【0192】
実施例25
N‐(4‐アミノフェニル)‐2,6‐ジクロロ‐ベンズアミド
【化39】

【0193】
表題化合物(940ing)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、トリエチルアミン(1.1eq)及び2,6‐ジクロロベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[281.1(M+1)]。
【0194】
実施例26
N‐(4‐アミノフェニル)‐3,4‐ジクロロ‐ベンズアミド
【化40】

【0195】
表題化合物(890mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、トリエチルアミン(1.1eq)及び3,4‐ジクロロベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[281.1(M+1)]。
【0196】
実施例27
N‐(4‐アミノフェニル)‐2,4‐ジクロロ‐ベンズアミド
【化41】

【0197】
表題化合物(890mg)を、N‐Boc‐1,4‐フェニレンジアミン(1.0g)、トリエチルアミン(1.1eq)及び2,4‐ジクロロベンゾイル・クロライド(1.1eq)を用いて実施例1の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[282.1(M+1)]。
【0198】
実施例28
N‐(4‐クロロピリジン‐2‐イル)‐2,2‐ジメチルプロパンアミド
【化42】

【0199】
DCM/ピリジン(100/100mL)中、4‐クロロピリジン‐2‐アミン(8.30g;64.56mmol;1.00eq.)の溶液に、N,N‐ジエチルエタンアミン(8.17g;80.70mmol;1.25eq.)を加え、続いて2,2‐ジメチルプロパノイル・クロライド(8.56g;71.02mmol;1.10eq.)を加えた。混合物を一晩撹拌した。溶媒の除去後に、残渣をシリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、N‐(4‐クロロピリジン‐2‐イル)‐2,2‐ジメチルプロパンアミド(11g)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO‐D6):1.23(s, 9H)、7.24(d, J=1.6Hz, 1H)、8.17(s, 1H)、8.32(d, J=1.6Hz, 1H)、10.25(s, 1H)。
【0200】
実施例29
N‐(4‐クロロ‐3‐ホルミルピリジン‐2‐イル)‐2,2‐ジメチルプロパンアミド
【化43】

【0201】
−78℃にてTHF(40mL)中、N‐(4‐クロロピリジン‐2‐イル)‐2,2‐ジメチルプロパンアミド(3.30g;15.52mmol;1.00eq.)の溶液に、ブチルリチウム(15.52ml;2.50M;38.79mmol;2.50eq.)を滴下して加えた。混合物を30分間撹拌し、そしてTHF(10ml)中、N,N‐ジメチルホルムアミド(4.40ml;46.55mmol;3.00eq.)の溶液を加えた。−78℃にて1時間後に、混合物を室温に温めた。飽和NH4Cl(100mL)を加え、そして30分間撹拌し続けた。溶液をEtOAcで抽出し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒を留去し、そして残渣をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2.1gの所望の生成物を得た。1H NMR(400MHz、DMSO‐D6):1.24(s, 9H)、7.48(d, J=1.6Hz, 1H)、8.52(d, J=1.6Hz, 1H)、9.96(s, 1H)、10.80(s, 1H)。
【0202】
実施例30
Tert‐ブチル3‐{4‐クロロ‐2‐[(2,2‐ジメチルプロパノイル)アミノ]ピリジン‐3‐イル}‐3‐ヒドロキシプロパノアート
【化44】

【0203】
0℃にてTHF(30mL)中、N‐イソプロピルプロパン‐2‐アミン(4.17ml;29.52mmol;2.20eq.)の溶液に、ブチルリチウム(11.81ml;2.50M;29.52mmol;2.20eq.)を加えた。混合物を10分間撹拌し、そして−78℃に冷やした。THF(5mL)中、tert‐ブチル・アセタート(3.98ml;29.52mmol;2.20eq)を上記の溶液に滴下して加え、そして15分後に、この温度にてTHF(15mL)中、N‐(4‐クロロ‐3‐ホルミルピリジン‐2‐イル)‐2,2‐ジメチルプロパンアミド(3.23g;13.42mmol;1.00eq.)の溶液を加えた。30分間撹拌した後に、混合物を室温に温め、そして水を注ぎ込んだ。エーテルで抽出し、MgSO4上で乾燥させ、そしてエーテル層を濃縮した。残渣をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2.0gの所望の生成物を得る。LCMS:357.75(M+H)。
【0204】
実施例31
5‐クロロ‐1,8‐ナフチリジン‐2(1H)‐オン
【化45】

【0205】
塩化水素水溶液(40.00ml;3.00M;75.00mmol)中、tert‐ブチル3‐{4‐クロロ‐2‐[(2,2‐ジメチルプロパノイル)アミノ]ピリジン3‐イル}‐3‐ヒドロキシプロパノアート(3.50g;5.60mmol)の溶液を、1.5時間還流した(長時間の加熱が副産物をもたらすので、反応の連続観察が必要である)。室温に冷まして沈殿を得、それを濾過し、飽和NaHCO3、水で洗浄し、そして乾燥させた。濾液を再び30分間還流し、そして得られたより多くの化合物を室温まで冷ました後に、濾過した。濾液の加熱と冷却と、それに続く濾過を何回か繰り返して、1.9gの混合生成物を得、それを水で洗浄し、そして乾燥させた。未精製のものを次の反応にそれ自体として使用した。LCMS[181(M+1)]。1H NMR(400MHz、CD3OD):6.71(d, J=3.4Hz, 1H)、7.42(d, J=1.5Hz, 1H)、8.06(d, J=3.4Hz, 1H)、8.47(d, J=1.5Hz, 1H)。
【0206】
実施例31a
5‐(5‐クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソ‐4‐イルアミノ)‐1.8‐ナフチリジン‐2(1H)‐オン
【化46】

【0207】
実施例32
N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド
【化47】

【0208】
ジオキサン(3mL)中、5‐クロロ‐1,8‐ナフチリジン‐2(1H)‐オン(100mg)、4’‐アミノベンズアニリド(150mg)、アリルクロロ[1,3‐ビス(2,6‐ジ‐イソ‐プロピルフェニル)イミダゾール‐2‐イリデン]パラジウム(II)(12.70mg)、2‐ジシクロヘキシルホスフィノ‐2’‐4’‐6’‐トリイソプロピルビフェニル(21.12mg)及びtert‐ブトキシド・ナトリウム(212.86mg)の懸濁液を、封管内で100℃にて24時間撹拌した。室温に冷ました後に、固体を濾過し、水とメタノールで洗浄し、そして乾燥させた。20mgの所望の生成物を得た。LCMS[357.3(M+1)]。
【0209】
実施例33
N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)ピリミジン‐2‐イル)ベンズアミド
【化48】

【0210】
N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)ピリミジン‐2‐イル)ベンズアミドを、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[359.3(M+1)]
【0211】
実施例34
2‐フルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化49】

【0212】
2‐フルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミドを、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[375.3(M+1)]。
【0213】
実施例35
3‐フルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化50】

【0214】
3‐フルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミドを、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[375.3(M+1)]。
【0215】
実施例36
4‐フルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化51】

【0216】
4‐フルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミドを、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[375.3(M+1)]。
【0217】
実施例37
2‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【0218】
【化52】

2‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミドを、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[425.3(M+1)]。
【0219】
実施例38
4‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化53】

【0220】
4‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミドを、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[425.3(M+1)]。
【0221】
実施例39
2‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化54】

【0222】
2‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミドを、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[443.3(M+1)]。
【0223】
実施例40
4‐フルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化55】

【0224】
4‐フルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミドを、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[443.3(M+1)]。
【0225】
実施例41
2,6‐ジフルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化56】

【0226】
2,6‐ジフルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミドを、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS [393.3(M+1)]。
【0227】
実施例42
3,4‐ジフルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化57】

【0228】
3,4‐ジフルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミドを、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[393.3(M+1)]。
【0229】
実施例43
3,5‐ジフルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化58】

【0230】
3,5‐ジフルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミドを、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[393.3(M+1)]。
【0231】
実施例44
2,4‐ジフルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化59】

【0232】
2,4‐ジフルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミドを、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[393.3(M+1)]。
【0233】
実施例45
N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化60】

【0234】
N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)シクロヘキサンカルボキサミドを、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[363.3(M+1)]。
【0235】
実施例46
N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルオキシ)フェニル)ベンズアミド
【化61】

【0236】
1‐クロロベンゾ[c]‐1,8‐ナフチリジン‐6(5H)‐オン(100.00mg;0.55mmol;1.00eq.)を、メタノール(20ml)中に懸濁し、そして1NのHClエーテル(1.0N、1.1ml)を加えた。反応混合物を室温にて一晩撹拌した。得られたHCl塩を、濾過し、そして乾燥させた。HCl塩とN‐(4‐ヒドロキシフェニル)ベンズアミド(141.69mg;0.66mmol;1.20eq.)をNMP(3mL)中に溶解し、そして撹拌しながら150℃にて一晩加熱した。室温に冷ました後、水(20mL)を加え、そして沈殿物を、濾過によって回収し、MeOHで洗浄し、そして乾燥させた。17mgのN‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルオキシ)フェニル)ベンズアミドを得た。LCMS[358.3(M+1)]。
【0237】
実施例47
N‐(2‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化62】

【0238】
N‐(2‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミドを、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[357.3(M+1)]。
【0239】
実施例48
4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)‐N‐フェニル‐ベンズアミド
【化63】

【0240】
4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)‐N‐フェニル‐ベンズアミドを、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS [357.3 (M+1)]。
【0241】
実施例49
3,5‐ビス(トリフルオロメチル)‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化64】

【0242】
3,5‐ビス(トリフルオロメチル)‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミドを、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[493.3(M+1)]。
【0243】
実施例50
N‐ナフタレン‐2‐イル‐4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)ベンズアミド
【化65】

【0244】
表題化合物を、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[407.4(M+1)]。
【0245】
実施例51
2‐メトキシ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化66】

【0246】
表題化合物を、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[387.4(M+1)]。
【0247】
実施例52
4‐メチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化67】

【0248】
表題化合物を、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[371.4(M+1)]。
【0249】
実施例53
2‐フルオロ‐4‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化68】

【0250】
表題化合物を、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[443.4(M+1)]。
【0251】
実施例54
3‐フルオロ‐5‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化69】

【0252】
表題化合物を、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[443.4(M+1)]。
【0253】
実施例55
4‐クロロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化70】

【0254】
表題化合物を、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[391.8(M+1)]。
【0255】
実施例56
4‐トリフルオロメトキシ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化71】

【0256】
表題化合物を、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[441.3(M+1)]。
【0257】
実施例57
2‐メチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化72】

【0258】
表題化合物を、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[371.4(M+1)]。
【0259】
実施例58
3‐メチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化73】

【0260】
表題化合物を、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[371.4(M+1)]。
【0261】
実施例59
N‐ナフタレン‐1‐イル‐4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)ベンズアミド
【化74】

【0262】
表題化合物を、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[407.4(M+1)]。
【0263】
実施例60
2,6‐ジクロロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化75】

【0264】
表題化合物を、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[426.3(M+1)]。
【0265】
実施例61
3,4‐ジクロロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化76】

【0266】
表題化合物を、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[426.3(M+1)]。
【0267】
実施例62
2,4‐ジクロロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化77】

【0268】
表題化合物を、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[426.3(M+1)]。
【0269】
実施例63
N‐(4(7‐クロロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド
【化78】

【0270】
オキシ塩化リン(30mL)中、N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド(1.2g)の懸濁液を、100℃にて一晩撹拌した。溶媒の除去後に、未精製の生成物を次の反応に更なる精製なしで使用した。LCMS[375.8(M+1)]。
【0271】
実施例64
N‐(4‐(7(4‐ジメチルアミノ‐ピペリジン‐1‐イル‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化79】

【0272】
iPrOH(2mL)中、N‐{4‐[(7‐クロロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル)アミノ]フェニル}ベンズアミド(100.00mg;0.27mmol;1.00eq.)及びのN,N‐ジメチルピペリジン‐4‐アミン(171.03mg;1.33mmol;5.00eq.)の懸濁液を、100℃にて一晩撹拌した。室温に冷ました後、逆相HPLCを使用した精製の後に表題化合物を得た。LCMS[467.5(M+1)]。
【0273】
実施例65
N‐{4‐(7‐(4‐ジメチルアミノ‐エチルアミノ)‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化80】

【0274】
表題化合物を、実施例64の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[427.5(M+1)]。
【0275】
実施例66
N‐(4‐(7‐(4‐ジメチルアミノ‐プロピルアミノ)‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化81】

【0276】
表題化合物を、実施例64の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[441.5(M+1)]。
【0277】
実施例67
N‐(4‐(7‐(4‐ジメチルアミノ‐ピロリジン‐1‐イル)‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化82】

【0278】
表題化合物を、実施例64の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[453.5(M+1)]。
【0279】
実施例68
N‐(4‐(7‐(4‐ジメチルアミノ‐エトキシ)‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化83】

【0280】
表題化合物を、実施例64の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[428.5(M+1)]。
【0281】
実施例69
N‐(4‐(7‐(4‐ジメチルアミノ‐プロポキシ)‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化84】

【0282】
表題化合物を、実施例64の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[442.5(M+1)]。
【0283】
実施例70
N‐(4‐(7‐(2‐ピロリジン‐1‐イル‐エトキシ)‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化85】

【0284】
表題化合物を、実施例64の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[454.5(M+1)]。
【0285】
実施例71
N‐(4‐(7‐(3‐モルホリン‐4‐イル‐プロポキシ)‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化86】

【0286】
表題化合物を、実施例64の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[484.5(M+1)]。
【0287】
実施例72
N‐(4‐(7‐(2‐モルホリン‐4‐イル‐エトキシ)‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化87】

【0288】
表題化合物を、実施例64の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[470.5(M+1)]。
【0289】
実施例73
N‐(3‐ベンゾイル‐4‐クロロピリジン‐2‐イル)‐2,2‐ジメチルプロパンアミド
【化88】

【0290】
−78℃にてTHF(40mL)中、N‐(4‐クロロピリジン‐2‐イル)‐2,2‐ジメチルプロパンアミド(4.00g;18.81mmol;1.00eq.)の溶液に、ブチルリチウム(15.80ml;2.50M;39.50mmol;2.10eq.)を滴下して加えた。混合物を、0℃にて3時間撹拌し、そして、溶液を再び−78℃に冷やした。THF(10mL)中、N‐メトキシ‐N‐メチルベンズアミド(3.42g;20.69mmol;1.10eq.)を加えた。−78℃にて1時間後に、混合物を室温に温めた。反応を水(10ml)の添加によってクエンチし、EtOAcで抽出し、MgSO4上で乾燥させ、そしてEtOAc層を濃縮した。残渣をシリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、1.3gのN‐(3‐ベンゾイル‐4‐クロロピリジン‐2‐イル)‐2,2‐ジメチルプロパンアミドを得た。LGMS[317.7(M+1)]。
【0291】
実施例74
(2‐アミノ‐4‐クロロ‐ピリジン‐3‐イル)‐フェニル‐メタノン
【化89】

【0292】
10mLの3N HCl水溶液中、N‐(3‐ベンゾイル‐4‐クロロピリジン‐2‐イル)‐2,2‐ジメチルプロパンアミド(400.00mg;1.26mmol)の懸濁液を、一晩還流温度に加熱した。室温に冷ました後、混合物を、3NのNaOH水溶液で中和し、DCMで抽出した(4×20mL)。残渣をシリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、210mgの(2‐アミノ‐4‐クロロ‐ピリジン‐3‐イル)‐フェニル‐メタノンを得た。
【0293】
実施例75
5‐クロロ‐2‐オキソ‐4‐フェニル‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐カルボン酸tert‐ブチル・エステル
【化90】

【0294】
(2‐アミノ‐4‐クロロ‐ピリジン‐3‐イル)‐フェニル‐メタノン(200mg)、ジ‐tert‐ブチル・マロナート(2ml)及び水酸化カリウム(20mg)の混合物を、アルゴンガスの保護下、150〜170℃にて5時間撹拌した。反応を完了させた。生成物を濾過し、水とMeOHで洗浄して、300mgの5‐クロロ‐2‐オキソ‐4‐フェニル‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐カルボン酸tert‐ブチル・エステルを得た。LCMS[357.7(M+1)]。
【0295】
実施例76
5‐[(3,4‐ジフルオロ‐ベンゾイルアミノ)‐フェニルアミノ]‐2‐オキソ‐4‐フェニル‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐カルボン酸
【化91】

【0296】
表題化合物を、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[513.4(M+1)]。
【0297】
実施例77
5‐[(3,4‐ジフルオロ‐ベンゾイルアミノ)‐フェニルアミノ]‐2‐オキソ‐4‐フェニル‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐カルボン酸(2‐ジメチルアミノ‐エチル)‐アミド
【化92】

【0298】
DMSO(2mL)中、5‐({4‐[(3,4‐ジフルオロベンゾイル)アミノ]フェニル}アミノ)‐2‐オキソ‐4‐フェニル‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐カルボン酸(50.00mg;0.10mmol;1.00eq.)の溶液に、1,1‐カルボニルビス(1H‐イミダゾール)(31.64mg;0.20mmol;2.00eq.)を加えた。混合物を一晩撹拌した。N,N‐ジメチルエタン‐1,2‐ジアミン(25.80mg;0.29mmol;3.00eq.)を加え、そして混合物を5時間撹拌した。生成物である5‐[(3,4‐ジフルオロ‐ベンゾイルアミノ)‐フェニルアミノ]‐2‐オキソ‐4‐フェニル‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐カルボン酸(2‐ジメチルアミノ‐エチル)‐アミド(3mg)をRP‐HPLCを用いた精製により得た。LCMS[583.5(M+1)]。
【0299】
実施例78
5‐[(3,4‐ジフルオロ‐ベンゾイルアミノ)‐フェニルアミノ]‐2‐オキソ‐4‐フェニル‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐カルボン酸(2‐ヒドロキシ‐エチル)‐アミド
【化93】

【0300】
表題化合物を、実施例77の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[556.4(M+1)]。
【0301】
実施例79
5‐[(3,4‐ジフルオロ‐ベンゾイルアミノ)‐フェニルアミノ]‐2‐オキソ‐4‐フェニル‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐カルボン酸((S)2,3‐ジヒドロキシプロピル)‐アミド
【化94】

【0302】
表題化合物を、実施例77の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[586.5(M+1)]。
【0303】
実施例80
(5‐クロロ‐2‐オキソ‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐イル)酢酸
【化95】

【0304】
表題化合物を、実施例31の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[239.5(M+1)]。
【0305】
実施例81
5‐[(3,4‐ジフルオロ‐ベンゾイルアミノ)‐フェニルアミノ]‐2‐オキソ‐4‐フェニル‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐酢酸
【化96】

【0306】
表題化合物を、実施例32の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[402.3(M+1)]。
【0307】
実施例82
5‐[(3,4‐ジフルオロ‐ベンゾイルアミノ)‐フェニルアミノ]‐2‐オキソ‐4‐フェニル‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐酢酸(2‐ヒドロキシ‐エチル)‐アミド
【化97】

【0308】
表題化合物を、実施例77の製造のために記載した手順に従って合成した。LCMS[494.4(M+1)]。
【0309】
実施例83
N‐[4‐(6‐アミノ‐5‐ホルミル‐ピリミジン‐4‐イルアミノ)‐フェニル]‐ベンズアミド
【化98】

【0310】
MeOH/水(100ml/50mL)中、4‐アミノ‐6‐クロロ‐ピリミジン‐5‐カルバルデヒド(4.0g、25.39mmol)と4’‐アミノベンズアニリド(6.47g、30.46mmol、1.2eq.)と重炭酸ナトリウム(4.27g、50.77mmol、2.0eq.)の混合物を、60℃にて一晩撹拌した。室温に冷ました後、固体(8.2g)を、濾過し、水とメタノールで洗浄し、次に減圧下で乾燥させた。LCMS[334.3(M+1)]。
【0311】
実施例84
4‐(4‐ベンゾイルアミノ‐フェニルアミノ)‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐ピリド[2,3‐d]ピリミジン‐6‐カルボン酸メチル・エステル
【化99】

【0312】
エタノール(5mL)中、N‐[4‐(6‐アミノ‐5‐ホルミル‐ピリミジン‐4‐イルアミノ)‐フェニル]‐ベンズアミド(200mg、0.6mmol)の懸濁液に、ジメチル・マロナート(358.53mg、2.0eq、1.2mmol)及びピペリジン(25.50mg、0.5eq、0.3mmol)を加え、それを100℃にて一晩撹拌した。室温に冷ました後、固体(350mg)を、濾過し、MeOHで洗浄し、そして乾燥させた。LCMS[416.4(M+1)]。
【0313】
実施例85
4‐(4‐ベンゾイルアミノ‐フェニルアミノ)‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐ピリド[2,3‐d]ピリミジン‐6‐カルボン酸
【化100】

【0314】
THF/MeOH(2mL/2mL)中、4‐(4‐ベンゾイルアミノ‐フェニルアミノ)‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロピリド[2,3‐d]ピリミジン‐6‐カルボン酸メチル・エステル(00mg、0.24mmol)の懸濁液に、NaOH水溶液(1N、0.48mL、2eq.、0.48mmol)を加え、それを50℃にて3時間撹拌した。溶媒の除去後に、混合物をHCl水溶液(1N、1ml)で中和した。沈殿物(85mg)を、濾過し、そして乾燥させた。LCMS[402.3(M+1)]。
【0315】
実施例86
4‐(4‐ベンゾイルアミノ‐フェニルアミノ)‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐ピリド[2,3‐d]ピリミジン‐6‐カルボン酸2‐(ジメチルアミノ‐エチル)‐アミド
【化101】

【0316】
DMF(1.5mL)中、4‐{[4‐(ベンゾイルアミノ)フェニル]アミノ}‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロピリド[2,3d]ピリミジン‐6‐カルボン酸(50.00mg;0.12mmol;1.00eq.)、EDCI(26.17mg、0.14mmol、1,1eq.)、HOBt(18.52mg、0.14mmol、1.1eq.)、N,N‐ジメチルエタン‐1,2‐ジアミン(12.08mg;0.14mmol;1.10eq.)及びN‐エチル‐N‐イソプロピルプロパン‐2‐アミン(48.30mg;0.37mmol;3.00eq.)の混合物を、24時間撹拌した。生成物(2mg)を逆相HPLCによって得た。LCMS[472.4(M+1)]。
【0317】
実施例87
3,4‐ジフルオロ‐N‐(4‐(6‐ニトロ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化102】

【0318】
5‐クロロ‐3‐ニトロ‐1,8‐ナフチリジン‐2(1H)‐オン(600.00mg;2.66mmol;1.00eq.)をエーテル(10ml)中に懸濁し、それに1NのHClエーテル(2eq.)を加えた。反応混合物を室温にて2時間撹拌した。固体を濾過し、そして乾燥させた。NMP(3mL)中、塩の混合物であるN‐(4‐アミノフェニル)‐4‐フルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)ベンズアミド(726.24mg;2.93mmol;1.10eq.)を150℃にて(一晩、2時間)撹拌した。室温に冷ました後、水を加え、そして沈殿物を濾過し、水、MeOHで洗浄し、そして乾燥させた。1.1gの所望の生成物を得た。LCMS[438.4(M+1)]。
【0319】
実施例88
4‐フルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(6‐ニトロ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド
【化103】

【0320】
5‐クロロ‐3‐ニトロ‐1,8‐ナフチリジン‐2(III)‐オン(200.00mg;0.89mmol;1.00eq.)をエーテル(10ml)中に懸濁し、それに1NのHClエーテル(2eq.)を加えた。反応混合物を室温にて2時間撹拌した。固体を濾過し、そして乾燥させた。NMP(3mL)中、塩の混合物であるN‐(4‐アミノフェニル)‐4‐フルオロ‐2‐(トリフルオロメチル)ベンズアミド(290.85mg;0.98mmol;1.10eq.)を150℃にて(一晩、2時間)撹拌した。室温に冷ました後、水を加え、そして沈殿物を濾過し、水、MeOHで洗浄し、そして乾燥させた。250mgの生成物を得た。LCMS[488.3(M+1)]。
【0321】
実施例89
3,4‐ジフルオロ‐N‐(4‐(6‐アミノ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化104】

【0322】
DMF(SMを溶解するための最少量)/MeOH(30mL)中、3,4‐ジフルオロ‐N‐{4‐[(6‐ニトロ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル)アミノ]フェニル}ベンズアミド(1.00g)の溶液に、Pd/C(100mg)を加え、そして混合物を10psiのH2雰囲気下で一晩水素化した。セライトのパッドを通して固体を濾過した後に、溶媒を減圧下で取り除いた。水(100mL)を加え、そして沈殿物を濾過によって回収し、乾燥させた。生成物(600mg)を得た。LCMS[408.4(M+1)]。
【0323】
実施例90
4‐フルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(6‐アミノ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド
【化105】

【0324】
DMF(SMを溶解するための最少量)/MeOH(3mL)中、4‐フルオロ‐3‐2‐トリフルオロメチル‐N‐{4‐[(6‐ニトロ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル)アミノ]フェニル}ベンズアミド(50mg)の溶液に、Pd/C(20mg)を加え、そして混合物を10psiのH2雰囲気下で一晩水素化した。セライトのパッドを通して固体を濾過した後、溶媒を減圧下で取り除いた。水(20mL)を加え、そして沈殿物を濾過によって回収し、乾燥させた。生成物(40mg)を得た。LCMS[458.4(M+1)]。
【0325】
実施例91
4‐フルオロ‐N‐[4‐(5‐ヒドロキシ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐[1,8]ナフチリジン‐4‐イルアミノ)‐フェニル]‐2‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド
【化106】

【0326】
実施例92
N‐[4‐(5‐ヒドロキシ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐[1,8]ナフチリジン‐4‐イルアミノ)‐フェニル]‐ベンズアミド
【化107】

【0327】
実施例93
N‐[4‐(5‐シクロプロピルメトキシ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐[1,8]ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル]ベンズアミド
【化108】

【0328】
実施例94
N‐[4‐(5‐メチル‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐[1,8]ナフチリジン‐4‐イルアミノ)‐フェニル]‐ベンズアミド
【化109】

【0329】
実施例95
4‐フルオロ‐N‐[4‐(5‐メチル‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐[1,8]ナフチリジン‐4‐イルアミノ)‐フェニル]‐2‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド
【化110】

【0330】
実施例96
4‐フルオロ‐N‐[4‐(6‐フルオロ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐[1,8]ナフチリジン‐4‐イルアミノ)‐フェニル]‐2‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド
【化111】

【0331】
実施例97
オーロラ活性に関する生化学的酵素アッセイ
シグナル伝達経路を同定するため、及び様々なシグナル伝達経路間の相互作用を検出するために、多数のモデルが存在している。例えば、Khwaja et al., EMBO, (1997), 16: 2783-93の細胞培養モデル及びWhite et al., Oncogene. (2001), 20: 7064-7072のトランスジェニック動物モデルが存在する。シグナル伝達カスケードにおける特定の段階の同定のために、相互作用する化合物をシグナル調節のために利用できる(例えばStephens et al., Biochemical J., (2000), 351:95-105を参照のこと)。本発明による化合物もまた、動物及び/又は細胞培養モデルにおける、又は本明細書中に言及した臨床疾患におけるキナーゼ依存性シグナル伝達経路を試験するための試薬として使用することができる。
【0332】
キナーゼ活性の計測は当業者にとって周知の技術である。基質(例として、Alessi et al., FEBS Lett. (1996), 399(3): 333-338で見つけられたヒストン)又は塩基性ミエリンタンパク質を用いるキナーゼ活性の測定のための一般的な試験システムは、文献に記載されている(例えばCampos-Gonzalez, R. and Glenney, Jr., J.R., J. Biol. Chem. (1992), 267:14535を参照のこと)。
【0333】
様々なアッセイ・システムが、キナーゼ阻害剤を同定するために利用可能である。シンチレーション近接アッセイ(Sorg et al., J. of. Biomolecular Screening, (2002), 7: 11-19)及びフラッシュプレート・アッセイにおいて、ATPを用いた基質としてのタンパク質又はペプチドの放射性リン酸化を計測する。阻害化合物の存在下で、低下した放射性シグナルが検出可能であるか、又は全く検出不能である。均一な時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(HTR‐FRET)及び蛍光偏光(FP)技術もまた、当業者に知られているキャリパー試験の使用のようにアッセイ法として好適である(Sills et al., J. of Biomolecular Screening. (2002) 191-214)。
【0334】
他の非放射性ELISAアッセイ法は、特定のホスホ抗体(ホスホ‐ABs)を使用する。ホスホ‐ABは、リン酸化された基質にのみ結合する。そして、この結合を、二次ペルオキシダーゼ結合抗ヒツジ抗体を使用することで、化学発光によって検出することができる(Ross et al., Biochem. J. (2002))。
ここに記載したオーロラ・アッセイは、2種類のCaliper Life Sciencesシステム、LC3000及びDesktop Profilerにより実施した。これらは、酵素反応の終了時点のリン酸化又は非リン酸化蛍光標識基質ペプチドの相対量の計測を介して酵素活性に関するデータを提供する。これらの異なったペプチドの状態は、サンプルを横切って電位差をかけることによって分離される。(基質とは対照的に)生成物上の荷電したリン酸基の存在は、2種類のぺプチドの間の異なったペプチド移動度の原因となる。これは、基質及び生成物ぺプチド上の蛍光標識の励起によって可視化され、そして分析ソフトウェアの中ではピークとして表される。
【0335】
LC3000法
Caliper Life Sciences LC3000によりオーロラA阻害剤の阻害剤活性を計測するために、384ウェル・プレートの各ウェル内に(用量応答曲線計算用の)0.25μlの100%のDMSO中の適当な濃度の阻害剤を入れるのにTTP Mosquito液体操作器具を使用した。この反応成分に、以下のものを25μlの終量まで加えた:
【0336】
0.067ng/μlのGST‐オーロラA(Carna Biosciences 05‐101。完全長オーロラA(第1〜403アミノ酸)、受入番号NP_940835.1とのN末端GST融合物)。
15μMのATP(Fluka、02055)
1mMのDTT(Sigma、D0632)
1mMのMgCl2(Sigma、M1028)
1μMの基質ペプチド(配列FITC‐LRRASLG‐((C=O)NH2)、Tufts Peptide Synthesisサービスによって合成した。
100mMのHEPES pH7.5(Calbiochem、391338)
0.015%のBrij‐35(Sigma、B4184)
【0337】
反応物を25°Cにて90分間インキュベートし、次に、70μlの停止バッファー(100mMのHEPES pH7.5、0.015%のBrij‐35、10mMのEDTA(Sigma、E7889))の添加によって反応を止めた。
12‐シッパー・チップのための以下のパラメーター:スクリーニング圧‐1.8psi、上流電圧‐2700、下流電圧‐1000、を使用したOff-Chip移動度シフト・アッセイ形式でのCaliper LC3000によりプレートを読み取った。これらの条件は、基質から生成物への転換率の直接測定を可能にする別々のピークとして非リン酸化基質とリン酸化生成物ペプチドの分解を引き起こす。転換率(パーセント)を阻害剤の濃度に対してプロットして、シグモイド用量反応曲線を作成し、そこからMicrosoft ExcelのためのXLFitを使用してIC50を計算した。
【0338】
Desktop Profiler法
Desktop Profilerは、基質から生成物への転換率について計算するためにLC3000と同じ原理を利用する。Caliper Life Sciencesは、選択されたキナーゼを含んでいる専用急速冷凍したあらかじめ作られた384ウェル・プレート提供した。その384ウェル・プレートの各カラムには、特定の選択されたキナーゼが含まれていた。第2のプレートである「基質プレート」には、蛍光標識したペプチド基質とATPの混合物が含まれていた。これらは、酵素プレートへの基質プレートの移動が正しい酵素に正しい基質/ATP濃度を提供するように、カラムに配置された。
【0339】
化合物を、所望の形式である単一濃度で解凍した酵素プレートに加えた。基質プレートからの基質/ATP混合物の移動によって、反応を開始した。酵素プレートを、25℃にて90分間インキュベートした。70μlの停止バッファー(100mMのHEPES pH7.5、0.015%のBrij‐35、10mMのEDTA(Sigma、E7889))の添加によって、反応を止めた。
【0340】
プレートを、LC3000のそれと同一の様式で読み取り、そして基質ピークと生成物ピークの間の比がそのウェル内の酵素の活性を示していた。これは、正負対照(それぞれ、阻害剤なしとATPなし)と比較した阻害率によって各ウェルで呈色するプレート・ヒート・マップによって最も良く表された。
【0341】
これらの2種類のシステムのいずれかで試験した化合物の結果を以下の表1に示す:
【0342】
【表1】

【0343】
【表2】

【0344】
【表3】

【0345】
【表4】

【0346】
【表5】

【0347】
この明細書内に引用したすべての出版物及び特許出願を本明細書中に援用する。理解の明確さを目的として例示や実施例によって上記発明を多少詳しく説明したが、本発明の要旨と範囲から逸脱することなしに一定の変更と修飾がそこに加えられてもよいことは、本願発明に関する教示の観点から当業者にとって容易に明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(III)、(IV)、又は(I):
【化1】

{式中、
Xが、NH、NH‐C(=O)、(‐C=O)NH、NH‐C(=O)NH、O、S、SO2NH、CH2、‐C≡C‐、又は‐HC=CHであり;
Qが、NH(C=Y)又は(C=Y)NHであり;
YとWが、それぞれ独立にO、S、又はNHであり;
Rが、H、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、トリフルオロメチル、ヘテロアルキル、OR’、SR’、及びNR’R”であって、ここでR’とR”は、それぞれ独立にH、アルキル、ハロアルキル、アルキルハロ、若しくはヘテロアルキルであり;又はRが、それが付着したフェニル環の隣接する炭素原子にいずれかの末端にて任意に結合され、それによって二環式環構造を形成するヘテロアルキル鎖であり;
R1、R2、R3が、それぞれ独立にH、SHであるか、又は硫黄のエーテル若しくは酸化形態;ハロ、ニトロ、アミノ、アルキル、ホルミル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、例えば‐(C=O)‐N(RxRy)など、酢酸、酢酸エステル、置換基‐(C=O)‐N(RxRy)を有する酢酸アミドを含む酢酸アミド、置換された若しくは未置換のアリール、複素環式‐アルコキシ、置換された若しくは未置換の複素環化合物若しくはヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルジアミノ、アルキルアミノアルコキシ、アルキルジアミノアルコキシ、複素環式‐アルコキシ、アルキルアミノ・アミド、ジアルキルアミノ・アミド・カルボン酸エステル、ヒドロキシアルキル‐ヒドロキシ、ヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ジヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ヒドロキシアルキルアミド酢酸であって;ここでRxとRyは、それぞれ独立にH、アルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリール‐アミノアルキル、炭素環‐アミノアルキル、若しくはヘテロアリール‐アミノ・アルキルであってもよく;そして、ここでアミノアルキル基のN原子に結合した2つの基は、それらが結合しているN原子と一緒に、連結して複素環基を形成してもよく;
nが、1、2、3又は4であるが、ただし、Xが酸素以外であるときには、n=0であってもよく;
Aが、任意に1以上のヘテロ原子を持ち、且つ、さらに任意に置換された、飽和又は不飽和の3〜7員環であり;
Cyが、未置換若しくは置換されたシクロアルキル、ビシクロアルキル、アリール、複素環化合物、及びヘテロアリールから成る群から選択され;
Zが、H、SH、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、ホルミル、アルキルアミノ‐複素環化合物、ジアルキルアミノ‐複素環化合物、アルキルアミノ‐アルキルアミノ、ジアルキルアミノ‐アルキルアミノ、アルキルアミノ‐アルコキシ、ジアルキルアミノ‐アルコキシ、複素環式アルコキシ、C1-6アルキル・エステル、フェニル、ベンゾイル、フェニル・アルキル・ケトン、アルキル・プロパノイル、ジアルキル・アルカンアミド、酢酸、又は酢酸アミドであり;
Z’が、CH又はNである。}によって表される化合物、あるいは医薬的に許容し得るその塩、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、ラセミ混合物、互変異性体又は鏡像異性体。
【請求項2】
式(I){式中、
Xが、NH、NH‐C(=O)、(‐C=O)NH、NH‐C(=O)NH、O、S、SO2NH、CH2、‐C≡C‐、又は‐HC=CHであり;
Wが、O、S、CH2、又はNHであり;
Rが、H、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、トリフルオロメチル、ヘテロアルキル、OR’、SR’、及びNR’R”であって、ここでR’とR”は、それぞれ独立にH、アルキル、ハロアルキル、アルキルハロ、若しくはヘテロアルキルであり;又はRが、それが付着したフェニル環の隣接する炭素原子にいずれかの末端にて任意に結合され、それによって二環式環構造を形成するヘテロアルキル鎖であり;
R1、R2、R3が、それぞれ独立にH、SHであるか、又は硫黄のエーテル若しくは酸化形態;ハロ、ニトロ、アミノ、アルキル、ホルミル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、例えば‐(C=O)‐N(RxRy)など、酢酸、酢酸エステル、置換基‐(C=O)‐N(RxRy)を有する酢酸アミドを含む酢酸アミド、置換された若しくは未置換のアリール、複素環式‐アルコキシ、置換された若しくは未置換の複素環化合物若しくはヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルジアミノ、アルキルアミノアルコキシ、アルキルジアミノアルコキシ、複素環式‐アルコキシ、アルキルアミノ・アミド、ジアルキルアミノ・アミド・カルボン酸エステル、ヒドロキシアルキル‐ヒドロキシ、ヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ジヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ヒドロキシアルキルアミド酢酸であって;ここでRxとRyは、それぞれ独立にH、アルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリール‐アミノアルキル、炭素環‐アミノアルキル、若しくはヘテロアリール‐アミノ・アルキルであってもよく;そして、ここでアミノアルキル基のN原子に結合した2つの基は、それらが結合しているN原子と一緒に、連結して複素環基を形成してもよく;
nが、1、2、3又は4であるが、ただし、Xが酸素以外であるときには、n=0であってもよい。}によって表される、請求項1に記載の化合物、あるいは医薬的に許容し得るその塩、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、ラセミ混合物、互変異性体、又は鏡像異性体。
【請求項3】
詳細に規定されていない残基は、請求項2に示した意味を持つが、ここで:
部分式(Ia)では、Wが0であり、XがNHであり、n=0であり、そしてRがHであり;
部分式(Ib)では、WがOであり、XがNHであり、n=0であり、そしてRが、同時に、1,3‐ジオキソランを形成するようにフェニル環に結合したClと1,3‐ジオキソアルキレン鎖であり;
部分式(Ic)では、WがOであり、XがOであり、n=1であり、そしてRがHであり;
部分式(Id)では、WがSであり、XがCH2であり、n=0であり、そしてRがClであり;
部分式(Ie)では、WがNHであり、XがCH2であり、n=0であり、そしてRがFであり;
部分式(If)では、WがOであり、XがNHであり、n=1であり、そしてRがジ‐フルオロである、
請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
式(III){式中、
Xが、NH、NH‐C(=O)、NH‐CH2、(‐C=O)NH、NH‐C(=O)NH、O、S、SO2NH、CH2、‐C≡C‐、又は‐HC=CH‐であり;
Qが、NH(C=Y)又は(C=Y)NHであり;
YとWが、それぞれ独立にO、S、又はNHであり;
Aが、任意に1以上のヘテロ原子を持ち、且つ、さらに任意に置換された、飽和又は不飽和の3〜7員環であり;
Cyが、未置換若しくは置換されたシクロアルキル、ビシクロアルキル、例えばノルボルニルなど、アリール、複素環化合物及びヘテロアリールから成る群から選択され;
R1、R2、R3が、それぞれ独立にH、SHであるか、又は硫黄のエーテル若しくは酸化形態;ハロ、ニトロ、アミノ、アルキル、ホルミル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、例えば‐(C=O)‐N(RxRy)など、酢酸、酢酸エステル、置換基‐(C=O)‐N(RxRy)を有する酢酸アミドを含む酢酸アミド、置換された若しくは未置換のアリール、複素環式‐アルコキシ、置換された若しくは未置換の複素環化合物若しくはヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルジアミノ、アルキルアミノアルコキシ、アルキルジアミノアルコキシ、複素環式‐アルコキシ、アルキルアミノ・アミド、ジアルキルアミノ・アミド・カルボン酸エステル、ヒドロキシアルキル‐ヒドロキシ、ヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ジヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ヒドロキシアルキルアミド酢酸であって;ここでRxとRyは、それぞれ独立にH、アルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリール‐アミノアルキル、炭素環‐アミノアルキル、若しくはヘテロアリール‐アミノ・アルキルであってもよく;そして、ここでアミノアルキル基のN原子に結合した2つの基は、それらが結合しているN原子と一緒に、連結して複素環基を形成してもよい。}によって表される、請求項1に記載の化合物、あるいは医薬的に許容し得るその塩、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、互変異性体、ラセミ混合物、又は鏡像異性体。
【請求項5】
詳細に規定されていない残基は、請求項4に示した意味を持つが、ここで:
部分式(IIIa)では、QがNH(C=O)であり、WがOであり、XがNHであり、そしてA及びCyがフェニルであり;
部分式(IIIb)では、QがNH(C=O)であり、そしてCyがメトキシフェニルであり;
部分式(IIIc)では、QがNH(C=O)であり、そしてCyがメチルフェニルであり;
部分式(IIId)では、QがNH(C=O)であり、そしてCyがフルオロ又はトリフルオロメチル・フェニルであり;
部分式(IIIe)では、QがNH(C=O)であり、そしてCyがクロロフェニル又はジクロロフェニルであり;
部分式(IIIf)では、QがNH(C=O)であり、そしてCyがナフチルであり;
部分式(IIIg)では、QがNH(C=O)であり、そしてCyがノルボルニルであり;
部分式(IIIh)では、QがNH(C=O)であり、そしてCyがトリフルオロメトキシフェニルであり;
部分式(IIIj)では、Qが(C=O)NHであり、WがOであり、XがNHであり、そしてA及びCyがフェニルであり;
部分式(IIIk)では、Qが(C=O)NHであり、そしてCyがメトキシフェニルであり;
部分式(IIIm)では、Qが(C=O)NHであり、そしてCyがメチルフェニルであり;
部分式(IIIn)では、Qが(C=O)NHであり、そしてCyがフルオロ又はトリフルオロメチル・フェニルであり;
部分式(IIIo)では、Qが(C=O)NHであり、そしてCyがクロロフェニル又はジクロロフェニルであり;
部分式(IIIp)では、Qが(C=O)NHであり、そしてCyがナフチルであり;
部分式(IIIq)では、Qが(C=O)NHであり、そしてCyがノルボルニルであり;
部分式(IIIr)では、Qが(C=O)NHであり、そしてCyがトリフルオロメトキシフェニルである、
請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
式(IV){式中、
Xが、NH、NH‐C(=O)、NH‐CH2、(‐C=O)NH、NH‐C(=O)NH、O、S、SO2NH、CH2、‐C≡C‐、又は‐HC=CH‐であり;
Yが、O、S、又はNHであり;
Aが、任意に1以上のヘテロ原子を持ち、且つ、さらに任意に置換された、飽和又は不飽和の3〜7員環であり;
Cyが、未置換若しくは置換されたシクロアルキル、ビシクロアルキル、例えばノルボルニルなど、アリール、複素環化合物、及びヘテロアリールから成る群から選択され;
Zが、H、SH、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、ホルミル、アルキルアミノ‐複素環化合物、ジアルキルアミノ‐複素環化合物、アルキルアミノ‐アルキルアミノ、ジアルキルアミノ‐アルキルアミノ、アルキルアミノ‐アルコキシ、ジアルキルアミノ‐アルコキシ、複素環式アルコキシ、C1-6アルキル・エステル、フェニル、ベンゾイル、フェニル・アルキル・ケトン、アルキル・プロパノイル、ジアルキル・アルカンアミド、酢酸、又は酢酸アミドであり;
Z’が、C又はNであり;
-----が、結合の存在又は不存在を意味し;
R1、R2、R3が、それぞれ独立にH、SHであるか、又は硫黄のエーテル若しくは酸化形態;ハロ、ニトロ、アミノ、アルキル、ホルミル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、例えば‐(C=O)‐N(RxRy)など、酢酸、酢酸エステル、置換基‐(C=O)‐N(RxRy)を有する酢酸アミドを含む酢酸アミド、置換された若しくは未置換のアリール、複素環式‐アルコキシ、置換された若しくは未置換の複素環化合物若しくはヘテロアリール、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルジアミノ、アルキルアミノアルコキシ、アルキルジアミノアルコキシ、複素環式‐アルコキシ、アルキルアミノ・アミド、ジアルキルアミノ・アミド・カルボン酸エステル、ヒドロキシアルキル‐ヒドロキシ、ヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ジヒドロキシ‐アルキルアミド・エステル、ヒドロキシアルキルアミド酢酸であって;ここでRxとRyは、それぞれ独立にH、アルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリール‐アミノアルキル、炭素環‐アミノアルキル、若しくはヘテロアリール‐アミノ・アルキルであってもよく;そして、ここでアミノアルキル基のN原子に結合した2つの基は、それらが結合しているN原子と一緒に、連結して複素環基を形成してもよい。}によって表される、請求項1に記載の化合物、あるいは医薬的に許容し得るその塩、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、互変異性体、ラセミ混合物、又は鏡像異性体。
【請求項7】
詳細に規定されていない残基は、請求項6に示した意味を持つが、ここで:
部分式(IVa)では、R1がHであり、XがNHであり、Aがフェニルであり、Cyがフェニルであり、そしてZが4‐ジメチル・アミノ‐ピペリジンであり;
部分式(IVb)では、R1がHであり、XがNHであり、Aがフェニルであり、Cyがフェニルであり、そしてZがジメチルアミノ‐エチルアミンであり;
部分式(IVc)では、Zがジメチルアミノ‐プロピルアミンであり;
部分式(IVd)では、Zがジメチルアミノ‐ピロリジンであり;
部分式(IVe)では、Zがジメチルアミノエトキシ又はジメチルアミノプロポキシであり;
部分式(IVf)では、Zがピロリジニル・エトキシ又はピロリジニル・プロポキシであり;
部分式(IVg)では、WがOであり、YがOであり、XがNHであり、Aがフェニルであり、Cyがジフルオロフェニルであり、R1がフェニル及び/又はカルボン酸であり;
部分式(IVh)では、WがOであり、YがOであり、XがNHであり、Aがフェニルであり、Cyがジフルオロフェニルであり、そしてR1がジメチルアミノ・エチル・カルボキシル酸アミドであり;
部分式(IVj)では、WがOであり、YがOであり、XがNHであり、Aがフェニルであり、Cyがジフルオロフェニルであり、そしてZがジヒドロキシプロピル・カルボキシル酸アミドであり;
部分式(IVk)では、WがOであり、YがOであり、XがNHであり、Aがフェニルであり、Cyがジフルオロフェニルであり、そしてR2がメチル酢酸であり;
部分式(IVm)では、WがOであり、YがOであり、XがNHであり、Aがフェニルであり、Cyがジフルオロフェニルであり、そしてR2がヒドロキシエチル酢酸アミドである、
請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1に記載の式(III)、(IV)、又は(I)によって表される化合物と、生理学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤を含んでなる医薬組成物。
【請求項9】
上記化合物が、約0.1〜1000mgの量で存在している、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
上記化合物が、約0.1〜500mgの量で存在している、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
錠剤、カプセル剤、散剤、懸濁液、エアゾール剤、スプレー剤、顆粒剤、溶液、又はペースト剤の形態である、請求項8に記載の組成物。
【請求項12】
経口で、非経口で、皮内に、鼻腔内に、皮下に、口腔内に、静脈内に、筋肉内に、又はイオン泳動的に(iontophoretically)投与される、請求項8に記載の組成物。
【請求項13】
a.TEAの存在下、以下の式(V)、(VI)、又は(VII):
【化2】

{式中、
Bが、単環式、二環式、若しくは三環式化合物であってもよく、且つ、任意に1以上のヘテロ原子を持っていてもよい、飽和又は不飽和の4〜10員環であり;
Dが、任意にそのいずれかが置換されてもよい、フェニル、炭素環化合物、又は複素環化合物であり;
Zが、H、SH、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アシル、ホルミル、アルキルアミノ‐複素環化合物、ジアルキルアミノ‐複素環化合物、アルキルアミノ‐アルキルアミノ、ジアルキルアミノ‐アルキルアミノ、アルキルアミノ‐アルコキシ、ジアルキルアミノ‐アルコキシ、複素環式アルコキシ、C1-6アルキル・エステル、フェニル、ベンゾイル、フェニル・アルキル・ケトン、アルキル・プロパノイル、ジアルキル・アルカンアミド、又は酢酸であり;そして
R及びWが、式(I)、(II)(III)、及び(IV)に与えられたのと同じ意味を持つ。}によって表される化合物中間体を、t‐ブチルCOClと反応させて、t‐ブチル・カルボキサミド置換ピリジンである最初の中間体生成物を提供する段階;
b.DMF中、最初の中間体生成物をブチル・リチウムと反応させて、任意に置換されたアセチル、t‐ブチル・カルボキサミド置換ピリジンである2番目の反応中間体を提供する段階;
c.LDAの存在下、2番目の反応中間体をt‐ブチル・メチル・エステルと反応させて、t‐ブチル・カルボン酸エステル・ヒドロキシメチル及びt‐ブチル・カルボキサミド置換基を持つピリジンであり、且つ、さらに置換されていてもよい3番目の反応中間体を提供する段階;
d.3番目の反応中間体をHCl水溶液と還流して、以下の式(VIII):
【化3】

によって表される4番目の中間体を提供する段階;及び
e. Pd及びX‐ホスファートの存在下、式(VIII)によって表される化合物をビス‐フェニル・カルボキサミド(ここで、一方のフェニルはアミノ基によって置換され、もう一方のフェニルは任意に置換されている)と反応させて、最終生成物化合物を提供する段階、
を含んでなる、請求項1に記載の化合物の製造方法。
【請求項14】
治療的有効量の請求項1に記載の化合物を、それを必要としている対象に投与することを含んでなる増殖性疾患、自己免疫性疾患、抗炎症性疾患、又は感染症の障害の治療方法。
【請求項15】
上記障害が、血管新生、癌、腫瘍、動脈硬化症、眼疾患、関節炎、血栓症、線維症、糸球体腎炎、乾癬、再狭窄、移植拒絶反応、肝硬変症、ウイルスや細菌による感染症、及び自己免疫疾患から成る群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
上記疾患が癌である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
上記対象が哺乳動物である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
上記哺乳動物がヒトである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
上記投与が、その他の少なくとも1つの活性な薬物物質の投与と同時であるか、連続しているか、又はその代替である、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
請求項8に記載の医薬組成物の治療的有効量を有する第1パケット、及び更なる医薬的有効成分を含んでなる医薬組成物の治療的有効量を有する第2パケットである別々のパケット含んでなるキット。
【請求項21】
以下の:N‐(4‐アミノフェニル)‐2‐フルオロ‐ベンズアミド;N‐(5‐アミノ‐ピリミジン‐2‐イル)‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐3‐フルオロ‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐2‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐2‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐4‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐2‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐4‐フルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐2,6‐ジフルオロ‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐3,4‐ジフルオロ‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐3,5‐ジフルオロ‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐2,4‐ジフルオロ‐ベンズアミド;シクロヘキサンカルボン酸(4‐アミノフェニル)‐アミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐3,5‐ビス‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド;ナフタレン‐2‐カルボン酸(4‐アミノフェニル)‐アミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐2‐メトキシ‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐4‐メチル‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐2‐フルオロ‐4‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐3‐フルオロ‐5‐トリフルオロメチル‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐4‐クロロ‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐4‐トリフルオロメトキシ‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐2‐メチル‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐3‐メチル‐ベンズアミド;ナフタレン‐1‐カルボン酸(4‐アミノフェニル)‐アミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐2,6‐ジクロロ‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐3,4‐ジクロロ‐ベンズアミド;N‐(4‐アミノフェニル)‐2,4‐ジクロロ‐ベンズアミド;N‐(4‐クロロピリジン‐2‐イル)‐2,2‐ジメチルプロパンアミド;N‐(4‐クロロ‐3‐ホルミルピリジン‐2‐イル)‐2,2‐ジメチルプロパンアミド;tert‐ブチル3‐{4‐クロロ‐2‐[(2,2‐ジメチルプロパノイル)アミノ]ピリジン‐3‐イル}‐3‐ヒドロキシプロパノアート;5‐クロロ‐1,8‐ナフチリジン‐2(1H)‐オン;N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)ピリミジン‐2‐イル)ベンズアミド;2‐フルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;3‐フルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;4‐フルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;2‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;4‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;2‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;4‐フルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;2,6‐ジフルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;3,4‐ジフルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;3,5‐ジフルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;2,4‐ジフルオロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)シクロヘキサンカルボキサミド;N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルオキシ)フェニル)ベンズアミド;N‐(2‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)フェニル)ベンズアミド;4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イルアミノ)‐N‐フェニル‐ベンズアミド;3,5‐ビス(トリフルオロメチル)‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;N‐ナフタレン‐2‐イル‐4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)ベンズアミド;2‐メトキシ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;4‐メチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;2‐フルオロ‐4‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;3‐フルオロ‐5‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;4‐クロロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;4‐トリフルオロメトキシ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;2‐メチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;3‐メチル‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;N‐ナフタレン‐1‐イル‐4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)ベンズアミド;2,6‐ジクロロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;3,4‐ジクロロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;2,4‐ジクロロ‐N‐(4‐(7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;N‐(4‐(7‐クロロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;N‐(4‐(7(4‐ジメチルアミノ‐ピペリジン‐1‐イル‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;N‐(4‐(7‐(4‐ジメチルアミノ‐エチルアミノ)‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;N‐(4‐(7‐(4‐ジメチルアミノ‐プロピルアミノ)‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;N‐(4‐(7‐(4‐ジメチルアミノ‐ピロリジン‐1‐イル)‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;N‐(4‐(7‐(4‐ジメチルアミノ‐エトキシ)‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;N‐(4‐(7‐(4‐ジメチルアミノ‐プロポキシ)‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;N‐(4‐(7‐(2‐ピロリジン‐1‐イル‐エトキシ)‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;N‐(4‐(7‐(3‐モルホリン‐4‐イル‐プロポキシ)‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;N‐(4‐(7‐(2‐モルホリン‐4‐イル‐エトキシ)‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド;N‐(3‐ベンゾイル‐4‐クロロピリジン‐2‐イル)‐2,2‐ジメチルプロパンアミド;(2‐アミノ‐4‐クロロ‐ピリジン‐3‐イル)‐フェニル‐メタノン;5‐クロロ‐2‐オキソ‐4‐フェニル‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐カルボン酸tert‐ブチル・エステル;5‐[(3,4‐ジフルオロ‐ベンゾイルアミノ)‐フェニルアミノ]‐2‐オキソ‐4‐フェニル‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐カルボン酸;5‐[(3,4‐ジフルオロ‐ベンゾイルアミノ)‐フェニルアミノ]‐2‐オキソ‐4‐フェニル‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐カルボン酸(2‐ジメチルアミノ‐エチル)‐アミド;5‐[(3,4‐ジフルオロ‐ベンゾイルアミノ)‐フェニルアミノ]‐2‐オキソ‐4‐フェニル‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐カルボン酸(2‐ヒドロキシ‐エチル)‐アミド;5‐[(3,4‐ジフルオロ‐ベンゾイルアミノ)‐フェニルアミノ]‐2‐オキソ‐4‐フェニル‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐カルボン酸((S)2,3‐ジヒドロキシプロピル)‐アミド;(5‐クロロ‐2‐オキソ‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐イル)酢酸;5‐[(3,4‐ジフルオロ‐ベンゾイルアミノ)‐フェニルアミノ]‐2‐オキソ‐4‐フェニル‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐酢酸;及び5‐[(3,4‐ジフルオロ‐ベンゾイルアミノ)‐フェニルアミノ]‐2‐オキソ‐4‐フェニル‐1,2‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐3‐酢酸(2‐ヒドロキシ‐エチル)‐アミド、3,4‐ジフルオロ‐N‐(4‐(6‐ニトロ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル・アミノ)フェニル)ベンズアミド、4‐フルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(6‐ニトロ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド、3,4‐ジフルオロ‐N‐(4‐(6‐アミノ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド、4‐フルオロ‐2‐トリフルオロメチル‐N‐(4‐(6‐アミノ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐1,8‐ナフチリジン‐4‐イル‐アミノ)フェニル)ベンズアミド、4‐フルオロ‐N‐[4‐(5‐ヒドロキシ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐[1,8]ナフチリジン‐4‐イルアミノ)‐フェニル]‐2トリフルオロメチル‐ベンズアミド、N‐[4‐(5‐ヒドロキシ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐[1,8]ナフチリジン‐4‐イルアミノ)‐フェニル]‐ベンズアミド、N‐[4‐(5‐シクロプロピルメトキシ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐[1,8]ナフチリジン‐4‐イルアミノ)‐フェニル]ベンズアミド、N‐[4‐(5‐メチル‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐[1,8]ナフチリジン‐4‐イルアミノ)‐フェニル]‐ベンズアミド、4‐フルオロ‐N‐[4‐(5‐メチル‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐[1,8]ナフチリジン‐4‐イルアミノ)‐フェニル]‐2トリフルオロメチル‐ベンズアミド、4‐フルオロ‐N‐[4‐(6‐フルオロ‐7‐オキソ‐7,8‐ジヒドロ‐[1,8]ナフチリジン‐4‐イルアミノ)‐フェニル]‐2トリフルオロメチル‐ベンズアミドから成る群から選択される、請求項1に記載の化合物。

【公表番号】特表2011−526912(P2011−526912A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516760(P2011−516760)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/049035
【国際公開番号】WO2010/002779
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】