説明

プローブユニット及びこれを用いる試験装置

【課題】 配線通し穴をプローブベースに設けることなく、電気的接続具をプローブベースの上側に通す構造とすることにある。
【解決手段】 プローブユニットは、板状のプローブベースと、該プローブベースの上に配置された支持台と、該支持台に支持されたプローブ装置であって、先端針先及び後端針先を有する複数のプローブを備えるプローブ装置と、該プローブ装置から後方へ延びる電気的接続具であって、前後方向へ延びる複数の配線を有し、かつ各配線の先端部が後端針先に接続された電気的接続具とを含む。支持台は、前方、後方及び下方に開放する空間を備える。電気的接続具の後部側の領域は、プローブベースの上側に導かれていると共に、支持台の空間を経て延びている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネルのような平板状被検査体の通電試験に用いられるプローブユニット及びこれを用いる試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルのような平板状の被検査体は、一般に、プローブユニットを用いる検査装置すなわち試験装置により検査すなわち試験をされる。そのようなプローブユニットの1つとして、特許文献1及び2に記載されたものがある。
【0003】
特許文献1に記載されたプローブユニットは、試験装置の本体フレームに取り付けられる板状のプローブベースと、該プローブベースに前後方向に間隔をおいて配置された複数のプローブ装置とを含む。
【0004】
各プローブ装置は、プローブベースに取り付けられた連結ブロック(スライドベース)と、高さ位置を調整可能に連結ブロックに懸架された支持ブロックと、複数のプローブをプローブホルダの下側に配置したプローブ組立体(プローブブロック)であって、支持ブロックに組み付けられたプローブ組立体と、プローブ組立体の後端部から後方へ延びるシート状の電気的接続具とを含む。
【0005】
上記従来技術においては、電気的接続具として、TAB(テープ自動化実装)、TPC(テープ・キャリア・ボンディング)、FPC(フレキシブル・プリンテッド・サーキット)等のシート状の配線接続具を用いている。
【0006】
連結ブロック及び支持ブロックは、プローブ組立体を支持する支持装置を形成している。また、電気的接続具は前後方向へ延びる複数の配線を有している。さらに、各配線はその先端部において前記プローブの後端針先に接続されている。
【0007】
電気的接続具は、プローブベースの下側を延びており、また後端部において中継基板に電気的に接続されている。中継基板は、被検査体のために試験信号を発生する電気回路に中継配線を介して電気的に接続される。
【0008】
しかし、電気的接続具がプローブベースの下側を延在していると、特許文献2のように、中継基板をプローブベースの下側に設けなければならず、この中継基板から後方へ延びる中継配線をプローブベースの下側に位置させて、プローブベースの後方へ延在させなければならない。
【0009】
上記のようなプローブユニットでは、電気的接続具、中継基板、中継配線等、故障部品又は点検部品の交換又は点検をする際に、プローブベースを本体フレームから分離して、交換作業又は保守管理作業を行わなければならず、故障部品又は点検部品の交換作業又は点検作業が面倒になるのみならず、中継配線の取り扱いが面倒になる。
【0010】
また、プローブ組立体を被検査体に対し上下動又は進退させる機構のような駆動機構をプローブベースの下側に配置する試験装置においては、電気的接続具、中継基板及び中継配線を、それらがそのような駆動機構の妨げにならないように、駆動機構の下側に通さなければならず、駆動機構、電気的接続具、中継基板、中継配線等の取り扱いが面倒であり、しかもそれらの保守管理作業が繁雑になる。
【0011】
上記の課題を解決する手法の1つとして、プローブベースを上下方向に貫通する複数の配線通し穴を左右方向に間隔をおいてプローブベースに設け、各プローブ装置の電気的接続具又は中継配線をその通し穴にプローブベースの下方から上方に通すことが考えられる。
【0012】
しかし、そのようにすると、プローブベースの配線通し穴を設けた箇所の機械的強度が低下するから、そのような機械的強度の低下を補償する複数の補強部材をプローブベースに設けなければならず、プローブベースの構造が複雑になり、プローブユニットが高価になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2004−191064号公報
【特許文献2】特開2009−115585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、配線通し穴をプローブベースに設けることなく、電気的接続具をプローブベースの上側に通す構造とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るプローブユニットは、板状のプローブベースと、該プローブベースの上に配置された支持台と、該支持台に支持されたプローブ装置であって、先端針先及び後端針先を有する複数のプローブを備えるプローブ装置と、該プローブ装置から後方へ延びる電気的接続具であって、前後方向へ延びる複数の配線を有し、かつ各配線の先端部が前記後端針先に接続された電気的接続具とを含む。前記支持台は、前方、後方及び下方に開放する空間を備える。前記電気的接続具の後部側の領域は、前記プローブベースの上側に導かれていると共に、前記支持台の前記空間を経て延びている。
【0016】
前記支持台は、左右方向へ延びる板状の主体部であって、前記プローブ装置が取り付けられた主体部と、主体部の左右方向における各端部から下方へ延びる脚部とにより、門型の正面形状に形成されていてもよい。
【0017】
前記脚部の一方は前記主体部の前端から左右方向における一方の側へ突出されており、前記脚部の他方は前記主体部後端から左右方向における他方の側へ突出されており、それにより前記支持台はクランク状の平面形状に形成されていてもよい。
【0018】
前記支持台は、前記プローブベース及び前記脚部のいずれか一方を上下方向に貫通して、前記プローブベース及び前記脚部の他方に螺合されたねじ部材により、前記プローブベースに取り付けられていてもよい。
【0019】
本発明に係るプローブユニットは、複数の前記支持台と、該支持台に個々に支持された複数の前記プローブ装置とを含むことができる。これの代わりに、前記支持台に共通に支持された複数の前記プローブ装置を含むことができる。
【0020】
本発明に係るプローブユニットは、さらに、前記プローブベースの上側に配置された中継基板であって、前記電気的接続具の配線の後端部が電気的に接続された中継基板を含むことができる。前記電気接続具の後端部はコネクタにより前記中継基板に電気的に接続されていてもよい。
【0021】
前記中継基板は後方及び上方へ斜めに延びる状態に前記プローブベースの上側に配置されていてもよく、また前記電気接続具の後端部はコネクタ及び該コネクタに接続されたケーブルにより前記中継基板に電気的に接続されていてもよい。
【0022】
前記プローブ装置は、前記複数のプローブをプローブホルダの下側に配置したプローブ組立体と、該プローブ組立体を支持する第1の支持装置と、該第1の支持装置を支持する第2の支持装置であって、前記支持台に取り付けられた第2の支持装置とを備えることができる。また、前記電気的接続具は、前記プローブ組立体の後端部から後方へ延びていてもよい。
【0023】
前記電気的接続具は、前記第1の支持装置の下部を経て後方に延びて、前記プローブベースの前端部から前記プローブベースの上側に導かれていてもよい。
【0024】
前記電気的接続具は、前後方向へ延びる複数の第1の配線を有する第1の配線領域であって、各第1の配線の先端部が前記プローブの後端針先に接続された第1の配線領域と、前後方向へ延びる複数の第2の配線を有する第2の配線領域であって、各第2の配線の先端部が前記第1の配線の後端部に接続された第2の配線領域とを含むことができ、また前記第2の配線領域において、前記プローブベースの上側に導かれていると共に、前記支持台の前記空間を経ていてもよい。
【0025】
前記第1の支持装置は、前記第2の支持装置に支持された支持ブロックと、該支持ブロックに組み付けられた結合ブロックであって、前記プローブ組立体が前部下側に組み付けられかつ前記第1の配線領域が下側に配置された結合ブロックと、前記支持ブロックの後部下側と前記結合ブロックの後部上側との間に配置されて、前記支持ブロックに取り付けられた接続ブロックであって、前記第2の配線領域の先端部が下側に配置された接続ブロックとを含むことができる。また、前記第1の配線領域の後端部は、前記結合ブロックの後端において、該結合ブロックの下側から上側に折り返されて、その各配線が前記第2の配線領域の配線に接続されていてもよい。
【0026】
前記電気的接続具は、シート状の配線接続具を含むことができる。
【0027】
本発明に係る試験装置は、ベースと、該ベースに支持されたワークテーブルであって、平板状被検査体を受ける受け部を有するワークテーブルと、上記のようなプローブユニットであって、前記ベースに配置されたプローブユニットと、該プローブユニットを前記ベースに支持させるユニット支持機構とを含む。該ユニット支持機構は、前記被検査体と平行なXY面内を前後方向へ移動可能に前記ベースに受けられた第1の移動体であって、前記XY面内を左右方向へ延びる第1の移動体と、斜め上下方向に移動可能に前記第1の移動体に結合された第2の移動体であって、左右方向へ延びる第2の移動体と、前記第2の移動体の最前進位置を規定するストッパと、前記第1の移動体を被検査体に対し進退させ、それにより前記第2の移動体を、前後方向又は左右方向に移動させると共に、上下方向に変位させるプローブ変位機構とを備える。前記プローブユニットは前記第2の移動体に支持されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るプローブユニットの一実施例を示す平面図である。
【図2】図1に示すプローブユニットにおける1つのプローブ装置及びその近傍を示す正面図である。
【図3】図1に示すプローブユニットにおける1つのプローブ装置及びその近傍を示す平面図である。
【図4】プローブ組立体及び結合ブロックを除去したプローブ装置の正面図である。
【図5】図1及び2に示すプローブユニットの右側面図であって、支持台を断面で示す図である。
【図6】図5における6−6線に沿って得た断面図である。
【図7】支持台の一実施例を拡大して示す平面図である。
【図8】図3における8−8線に沿って得た断面図であって、プローブユニットを分解して示す図である。
【図9】プローブ装置の主要部の断面図である。
【図10】結合ブロックを支持ブロックに組み付ける組み付け装置の一実施例を示す分解斜視図である。
【図11】電気的接続具の接続部を拡大して示す正面図である。
【図12】本発明に係るプローブユニットを用いた試験装置の一実施例を示す平面図であって、プローブが被検査体に押圧されている状態で示す図である。
【図13】図12に示す試験装置をプローブが被検査体から上方に変位されている状態で示す図である。
【図14】図12に示す試験装置をプローブが被検査体から退避位置に後退されている状態で示す図である。
【図15】図12に示す検査装置の平面図である。
【図16】図12における16−16線に沿って得た断面図である。
【図17】図12における17−17線に沿って得た断面図である。
【図18】図12における符号Aで示す部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[用語について]
【0030】
本発明においては、図2において、上下方向を上下方向又はZ方向といい、左右方向を左右方向又はX方向といい、紙背方向をプローブの先端針先の側を前方とする前後方向又はY方向という。しかし、それらの方向は、ワークテーブルのようなパネル受けに受けられた被検査体の姿勢に応じて異なる。
【0031】
それゆえに、本発明に係るプローブユニットは、本発明でいう上下方向(Z方向)が、実際に、上下方向となる状態、上下逆となる状態、斜めの方向となる状態等、いずれかの方向となる状態に試験装置に取り付けられて、使用される。
【0032】
[プローブユニットの実施例]
【0033】
図1から図10を参照するに、プローブユニット10は、一部を図8及び9に示す液晶表示パネルを平板状の被検査体12とし、被検査体12の点灯検査に用いられる。被検査体12は、長方形の形状を有しており、また複数の電極14(図9参照)を少なくとも長方形の隣り合う2つの辺に対応する縁部に所定のピッチで形成している。各電極14は、これが配置された縁部と直交する方向(X方向又はY方向)へ延びる帯状の形状を有している。
【0034】
プローブユニット10は、本体フレーム(図示せず)に取り付けられる板状のプローブベース16と、プローブベース16の前端部上側に左右方向に間隔をおいて並列的に配置された複数の支持台18と、支持台18に1対1の関係に載置された複数のプローブ装置20と、プローブベース16の上に配置された板状の中継ベース22(図5参照)と、中継ベース22に載置された中継基板24(図5参照)とを含む。
【0035】
プローブベース16は、被検査体12の電極14が配置された1つの縁部の長手方向(図示の例では、左右方向)へ延びる状態に及び厚さ方向を上下方向とした状態に、試験装置の上記した本体フレームに直接又は板状ベースを介して取り付けられる。
【0036】
図1から図3及び図5から図8に示すように、各支持台18は、左右方向へ延びる板状の主体部18aと、主体部18aの左右方向における端部から下方へ延びる一対の脚部18b,18bとにより、門型の正面形状に形成されている。これにより、各支持台18は、前方、後方及び下方に開放する空間26(図2,45及び6参照)を有する。
【0037】
平面的に見て、一方の脚部18bは主体部18aの前端から左右方向における一方の側へ突出されており、他方の脚部18は主体部18aの後端から左右方向における他方の側へ突出されている。これにより、支持台18は、平面的に見て、ほぼZ字状のすなわちクランク状の平面形状に形成されている。
【0038】
支持台18は、プローブベース16の左右方向に離間した箇所を下方側から貫通して、脚部18bの雌ねじ穴18cに螺合された一対のねじ部材28により、プローブベース16の上に取り付けられている。プローブ装置20は、主体部18aの上に取り付けられている。
【0039】
図2,3及び図8,9に示すように、各プローブ装置20は、プローブ組立体30と、プローブ組立体30を支持する支持ブロック32と、支持ブロック32を支持する連結ブロック34と、支持ブロック32の下側(Z方向におけるいずれか一方の側)に支持されて、プローブ組立体30を支持ブロック32に支持させる結合ブロック36と、結合ブロック36を支持ブロック32の下側に組み付ける組み付け装置38と、支持ブロック32の下側に取り付けられた接続ブロック40とを含む。
【0040】
プローブ組立体30は、図2から図6及び図8から図9に示すように、導電性材料により製作された複数のプローブ42を、ブロック片44の下面に前後方向に間隔をおいて組み付けられた一対のスリットバー46に、左右方向に間隔をおいて前後方向に延びる状態に配置し、円形の横断面形状を有するバー部材48をプローブ42に貫通させ、両バー部材48の端部を一対のカバー50によりブロック片44に組み付けている。
【0041】
各プローブ42は、図9に示すように、矩形をした板状の針主体部42aと、針主体部42aの前端から前方へ一体的に延びる先端領域42bと、針主体部42aの後端から後方へ一体的に延びる後端領域42cと、先端領域42bの先端から下方に延びる先端針先42dと、後端領域42cの後端から上方に延びる後端針先を42eとを備えるブレードタイプの針とされている。先端針先42d及び後端針先42eは、三角形に形成されて、先鋭にされている。
【0042】
ブロック片44及び各スリットバー46は、いずれも、電気絶縁性を有するセラミック、合成樹脂等により、左右方向に長い角柱状の形状を有する。
【0043】
各スリットバー46は、電気絶縁性の材料により角柱状の形状に製作されており、またブロック片44の前部下面又は後部下面に左右方向へ延びる状態に装着されている。各スリットバー46は、図9に示すように、これの長手方向(左右方向)に所定の間隔をおいて前後方向へ延びて下方に開放する複数のスリット52を下面に有する。
【0044】
バー部材48は、図示の例では円形の断面形状を有しており、またセラミックのような硬質の電気絶縁性の材料により形成されている。各バー部材48は、プローブ42の針主体部42aを貫通している。しかし、バー部材48は、導電性の材料を電気絶縁性の材料で被覆したものであってもよく、また矩形、六角形等の多角形のような他の横断面形状を有していてもよい。
【0045】
各プローブ42は、針主体部42aの厚さ方向を左右方向としかつ先端針先42d及び後端針先42dをそれぞれブロック片44から前方及び後方へ突出させた状態に、スリットバー46に並列的に配置されており、さらに先端領域42b及び後端領域42cをスリットバー46のスリット52に嵌合させている。
【0046】
各カバー50は、図2に示すように、内側に位置された板状のカバー部材50aと、その外側に位置された板状のカバー部材50bとにより形成されている。
【0047】
各カバー50は、カバー部材50a,50bの前後方向に間隔をおいた箇所を貫通して、ブロック片44の左右方向における端部に螺合された複数のねじ部材54(図5参照)により、ブロック片44の左右方向における側面に取り外し可能に取り付けられている。
【0048】
各カバー50は、また、複数の位置決めピン56(図5参照)により、ブロック片44に対し位置決められている。各位置決めピン56は、ブロック片44の左右方向における端部に、該端部から左右方向へ突出する状態に取り付けられており、また両カバー部材50a,50bに差し通されている。
【0049】
バー部材48は、その端部を内側の各カバー部材50aに設けられた貫通穴(図示せず)に挿入されている。これにより、バー部材48は、カバー部材50a及び50bと共に、ねじ部材54及び位置決めピン56により、ブロック片44に取り付けられて、位置決めされている。
【0050】
図9に示すように、前側のスリットバー46及び各プローブ42は、それぞれ、後方に突出する凸部60及び前方に開放された凹部62を後端部及び前端部に備える。凸部60及び凹部62は、コ字状の断面形状を有すると共に、互いに嵌合されている。
【0051】
また、凸部60及び凹部62は、それぞれ、下方(Z方向におけるいずれか一方の側)に位置する下縁部及び上縁部60a及び62aと、上方(Z方向における他方の側)に位置する上縁部及び下縁部60b及び62bとを有する。
【0052】
凸部60の下縁部60aと凹部62の上縁部62bとは下方に向いており、凸部60の上縁部60bと凹部62の下縁部62aとは上方に向いている。凹部62の上縁部62aは、後方側ほど低くされている。これにより、凹部62の奥底部下側に付加的な凹部62cが形成されている。
【0053】
プローブ組立体30は、また図8及び9に示すように、左右方向に間隔をおいた複数の位置決めピン64(図には、その1つを示す)を含む。各位置決めピン64は、ブロック片44に取り付けられており、またブロック片44から上方へ延びている。
【0054】
各位置決めピン64は、さらに、結合ブロック36に設けられた位置決め穴(図示せず)に嵌合されて、その位置決め穴と共に、プローブ組立体30を結合ブロック36に対して位置決めている。
【0055】
上記とは逆に、位置決めピン64を結合ブロック36に設け、位置決め穴をブロック片44に設けてもよい。
【0056】
各プローブ42は、凸部60及び凹部62が相互に嵌合され、かつバー部材58がプローブ42を貫通し、さらに先端領域42b及び後端領域42cがスリット42に嵌合された状態に、スリットバー46に配置される。
【0057】
各プローブ42は、また、そのようなスリットバー46が、ねじ部材、接着剤等により、ブロック片44に上記のように組み付けられると共に、カバー50がブロック片44に上記のように組み付けられることにより、ブロック片44に組み付けられて、保持される。
【0058】
結合ブロック36は、図8に示すように、プローブ組立体30が配置された下向き段部66を有する。下向き段部66は、結合ブロック36の下部の前端部を左右方向へ延びている。
【0059】
プローブ組立体30は、図8及び10に示すように、結合ブロック36の貫通穴67を上方から下方に貫通して、ブロック片44に設けられた雌ねじ穴68に螺合された頭付きのねじ部材70により、位置決めピン64が前記した位置決め穴に挿入された状態に、下向き段部66に維持されている。
【0060】
図においては、隣り合うプローブ42が左右方向に大きく間隔をおいているように示しているが、実際にはプローブ42の配列ピッチは小さい。プローブ42の数、厚さ寸法及び配列ピッチ、並びに、スリットバー46のスリットの数、配置ピッチ及び幅寸法は、被検査体12の種類、特に電極14の配置ピッチと幅寸法とにより異なる。
【0061】
プローブ組立体30は、両スリットバー46を上記した状態にブロック片44に取り付けた状態で、各プローブ42の先端領域42b及び後端領域42cをスリットバー46のスリット52に挿し込むと共に、凸部60及び凹部62を嵌合させ、バー部材48をプローブ42とカバー部材50aとに挿し通し、その後カバー部材50a,50bをねじ部材54及び位置決めピン56でブロック片44に取り付けることにより、組み立てることができる。
【0062】
一方のカバー50は、両スリットバー46をブロック片44に取り付けた後に、ブロック片44に取り付けてもよい。
【0063】
プローブ組立体30の分解は、上記と逆の作業を実行することにより、行うことができる。プローブ42の交換は、上記と逆の作業を実行して、元のプローブを新たなプローブに変更した後、上記と同様の作業を実行することにより、行うことができる。
【0064】
結合ブロック36へのプローブ組立体30の組み付けは、位置決めピン64(図8参照)を結合ブロック36の前記した位置決め穴に差し込んだ状態で、ねじ部材70を、結合ブロック36の貫通穴67に上方から下方に通して、ブロック片44の前記した雌ねじ穴に螺合させることにより、行うことができる。
【0065】
結合ブロック36からのプローブ組立体30の取り外しは、上記と逆の作業を実行することにより、行うことができる。
【0066】
この実施例においては、ブロック片44とスリットバー46とは、複数のプローブ42を左右方向に間隔をおいて前後方向へ延びるように並列的に配置したプローブホルダを構成している。
【0067】
図5及び8に示すように、支持ブロック32は、板状の2つ支持部32a及び32bによりL字状の断面形状に製作されている。連結ブロック34は、支持台18に取り付けられる主体部34aと、主体部34aの上部から前方へ延びる延長部34bとにより、逆L字状の形状を有する。
【0068】
図示の例では、支持ブロック32は結合ブロック36と共に支持体を形成しており、ねじ部材70はプローブ組立体30を結合ブロック36に組み付ける組み付け具として作用する。
【0069】
支持ブロック32は、左右方向に間隔をおいて上下方向へ延びる一対のガイドレール72と、両ガイドレール72の間を上下方向へ延びるガイド74とにより連結ブロック34の主体部34aの前面に上下方向へ移動可能に連結されていると共に、ボルト76により連結ブロック34の延長部34bに上下方向の位置を調整可能に連結されている。
【0070】
両ガイドレール72及びガイド74は、それぞれ、リニアレール及びリニアガイドである。両ガイドレール72は、支持ブロック32の支持部32aの後端面に取り付けられている。これに対し、ガイド74は、両ガイドレール72がガイド74に対し上下方向へ移動可能であるように、左右方向における両ガイドレール74の間に配置されており、また連結ブロック34の主体部34aの前端面に取り付けられている。
【0071】
ボルト76は、連結ブロック34の延長部34bを上方から下方へ貫通しており、また支持ブロック32に形成されたねじ穴78に螺合されている。支持ブロック32は、図2に示すように、左右方向に間隔をおいて配置された一対の圧縮コイルばね80により下方に付勢されている。
【0072】
各圧縮コイルばね80は、連結ブロック34の延長部34bの上に複数のねじ部材71(図3参照)により取り付けられた板状のばね押え82と、支持ブロック32の支持部32aとの間に、連結ブロック34の延長部34bを上下方向に貫通する状態に、配置されている。これにより、ねじ穴78へのボルト76のねじ込み量を調整することにより、支持ブロック32ひいてはプローブ組立体30の高さ位置を調整することができる。
【0073】
ばね押え82は、ドライバーのような工具の先端部を上方から差し込んで、ボルト76の回転量を調整する貫通穴82aを有する。これにより、ばね押え82を連結ブロック34から取り外すことなく、支持ブロック32ひいてはプローブ組立体30の高さ位置の調整を行うことができるから、そのような高さ位置の調整作業が容易になる。
【0074】
連結ブロック34は、図2,3,5,6及び8に示すように複数のボルト86により支持台18に取り外し可能に取り付けられている。各ボルト86は、連結ブロック34の主体部34aを上方から下方に貫通しており、また支持台18の主体部18aに形成されたねじ穴88に螺合されている。
【0075】
図4,8及び10を参照するに、組み付け装置38は、結合ブロック36に形成された凹所90と、凹所90に嵌合された連結部材92と、連結部材92を支持ブロック32の下側に組み付けて支持ブロック32に支持させる複数のねじ部材94(図4参照)と、連結部材92の貫通穴95を上方から下方に貫通して、結合ブロック36のねじ穴98に螺合されたねじ部材96とを含む。
【0076】
凹所90及び連結部材92は円形の横断面形状を有している。各ねじ部材94は、図4に示すように、支持ブロック32の支持部32bを上方から下方に貫通して、連結部材92の雌ねじ穴93(図4及び10参照)に螺合されている。
【0077】
図示の例では、雌ねじ穴98は、図8に示すように、結合ブロック36の主体部36aに変位不能に組み付けられたナット36bであるが、主体部36aに直接形成してもよい。
【0078】
組み付け装置38は、ねじ部材96が、連結部材92の貫通穴95を上から下方に貫通して、雌ねじ穴98に螺合され、連結部材92がねじ部材94により支持ブロック32に取り付けられることにより、結合ブロック36を支持ブロック32の支持部32bの下側に組み付けている。
【0079】
組み付け装置38は、また、凹所90と連結部材92が嵌合されていることにより、結合ブロック36を支持ブロック32に対し、左右方向及び前後方向により形成されかつ試験すべき被検査体と平行のXY面内における所定の位置に維持している。
【0080】
図示の例では、組み付け装置38は、さらに、結合ブロック36に形成され、XY面内を延びて、凹所90に連通された凹所100と、連結部材92からXY面内を延び、かつ凹所100に受け入られたピン部材102と、支持ブロック32の支持部32bの下面に形成され、かつ連結部材92の側に開放する一対の凹所104と、連結部材92上方に延びて、凹所104に受け入られた一対のピン部材106とを備える。
【0081】
凹所100及びピン部材102は、XY面内においてねじ部材96より前方の位置を一方向(図示の例では、X方向)に延びている。これに対し、両凹所104及び両ピン部材106のそれぞれは、凹所100及びピン部材102が延びる方向と交差する方向、好ましくは直行する方向(図示の例では、Y方向)に離間されている。
【0082】
組み付け装置38は、上記凹所100,104及びピン部材102,104により、結合ブロック36を支持ブロック32に対し、左右方向及び前後方向における所定の位置に維持していると共に、上下方向に延びるθ軸線の周りにおける所定の角度位置に維持している。
【0083】
凹所90を支持ブロック32に設け、連結部材92を結合ブロック36にねじ止めしてもよい。また、凹所100,104と、ピン部材102,106とを上記と逆の部材に設けてもよい。
【0084】
支持ブロック32への結合ブロック36の組み付けは、ピン部材106を対応する凹所104に位置させた状態で、連結部92をねじ部材94により支持ブロック32の下側に取り付け、次いで連結部材92を凹所90に勘合させると共に、ピン部材102を対応する凹所100に位置させた状態で、ねじ持部材96を結合ブロック36の雌ねじ穴98に螺合することにより、行うことができる。
【0085】
支持ブロック32からの結合ブロック36の取り外しは、上記と逆の作業を実行することにより、行うことができる。
【0086】
中継ベース22は、厚さ方向を上下方向とした状態に、図示しない複数のねじ部材によりプローブベース16の上に配置されている。中継基板24は、それぞれがプローブ装置20のプローブ42に対応された複数の配線(図示せず)を有する配線基板である。
【0087】
中継基板24の配線は、プローブ装置20毎に備えられた電気的接続具120(図1,3,5,6,9,10及び11)により、対応するプローブ42に電気的に接続されている。
【0088】
図3,5及び8を参照するに、接続ブロック40は、支持ブロック32の下側を左右方向へ延びており、また結合ブロック36の後端部と支持ブロック32との間に位置されている。接続ブロック40は、左右方向に間隔をおいた複数のねじ部材140と、前後方向に間隔をおいた複数の位置決めピン142とにより支持ブロック32の下側に分離可能に取り付けられている。
【0089】
各ねじ部材140は、接続ブロック40を下方から上方へ貫通して、支持ブロック32に螺合されている。各位置決めピン142は、接続ブロック40及び支持ブロック32のいずれか一方に上下方向へ延びる状態に固定されて、接続ブロック40及び支持ブロック32の他方に設けられた位置決め穴に勘合されている。
【0090】
上記のプローブ装置20において、支持ブロック32と結合ブロック36と接続ブロック40とは第1の支持装置として作用し、連結ブロック34は第2の支持装置として作用する。
【0091】
図1,3,5,6,9,10及び11を参照するに、各電気的接続具120は、前後方向へ延びる複数の配線を有しており、またプローブ装置20から後方へ延びるシート状の第1の配線領域122と、第1の配線領域122から後方へ延びるシート状の第2の配線領域124とを含む。
【0092】
第1及び第2の配線領域122及び124は、それぞれ、左右方向に間隔をおいて前後方向へ延びる複数の第1の配線126及び複数の第2の配線128(いずれも、図11参照)を有する。
【0093】
第1の配線領域122は、フレキシブル印刷配線回路(FPC)、タブ(TAB)、又はそれらを組み合わせた複合回路シートとされており、また第2の配線領域124は、フレキシブル印刷配線回路(FPC)とされている。
【0094】
第1の配線領域122は、図8に示すように、固定板130により結合ブロック36の下側に位置されており、また被検査体12を駆動する集積回路132を中間領域に配置しており、さらに第1の支持装置の一部として作用する結合ブロック36の下側を後方に延びている。
【0095】
図5,8,10及び11に示すように、第1の配線領域122の前端部は、第1の配線126の先端部が下方に露出する状態に、結合ブロック36の下面に維持されている。これにより、プローブ装置20が組み立てられた状態において、各プローブ42の後端針先42eは、図9に示すように、第1の配線126の先端部に押圧されて電気的に接続される。
【0096】
図5,8及び11に示すように、第1の配線領域122の後端部は、第1の配線領域122が結合ブロック36の後端部において上方及び前方に横U字状に折り返されていることにより、第1の配線126の後端部が上方に露出する状態に、結合ブロック36の上面に維持されている。
【0097】
図5,8及び11に示すように、第2の配線領域124の先端部は、第1の配線領域122の折り返し部の上方に位置する状態に、及び第2の配線128の先端部が下方となる状態に、接続ブロック40の下面に維持されている。これにより、プローブ装置20が組み立てられた状態において、第1の配線126の後端部と第2の配線128の前端部とは、互いに押圧されて、電気的に接続されている。
【0098】
第2の配線領域124は、接続ブロック40の後端とプローブベース16の前端との間から、プローブベース16の上側に導かれ、また支持台18の空間26に通され、さらにプローブベース16の上を後方に延びている。
【0099】
第2の配線領域124は、その後端に設けられたコネクタ144により、中継基板24に結合されている。コネクタ144は、電気的接続具120の配線を介して、対応するプローブ装置20のプローブ42に接続された複数の端子を備える。それらの端子は、中継基板24の前記した配線に接続される。
【0100】
中継基板24の配線は、試験信号を発生する電気回路(図示せず)に接続される。試験信号は、そのような電気回路から、電気的接続具120を介してプローブ42に供給されて、被検査体12を駆動(点灯)させる。
【0101】
図8及び11に示すように、エラストマ146は、接続ブロック40の下側にあって、第1及び第2の配線126及び128の接触部に対応する箇所に配置されている。このため、エラストマ146、第1の配線領域122及び第2の配線領域124は、図11に示すように、結合ブロック36及び接続ブロック40が支持ブロック32に組み付けられた状態において、圧縮変形される。これにより、第1及び第2の配線126及び128は、強く押圧されて、確実に接触する。
【0102】
プローブ組立体30及び電気的接続具120の交換は、結合ブロック36を支持ブロック32から分離した状態で行うことができる。また、プローブ42の交換は、結合ブロック36を支持ブロック32から分離し、プローブ組立体30を結合ブロック36から分離した状態で行うことができる。さらに、電気的接続具120の交換は、結合ブロック36を支持ブロック32から分離し、接続ブロック40を支持ブロック32から分離した状態で行うことができる。
【0103】
プローブユニット10においては、プローブ装置20が、前方、後方及び下方に開放する空間を備える支持台18を介してプローブベース16に支持されている。このため、配線通し穴をプローブベース16に設けることなく、電気的接続具120の後部側の領域を、プローブベース16の上側に導くことができると共に、支持台18の空間26を経るように延在させることができる。その結果、配線128,128の電気的有効長さ寸法が短くなり、その分信号の減衰量が低下し、有効な試験信号を被検査体12に供給することができる。
【0104】
被検査体12を試験する試験装置においては、上記のような形状構造を有する複数のプローブユニット10が用いられる。
【0105】
[試験装置の実施例]
【0106】
図12から図18を参照するに、試験装置200は、プローブユニット202と、プローブユニット202を支持する板状の支持ベース204と、支持ベース204に配置されて被検査体12を受けるワークテーブル206と、プローブユニット202を支持ベース204に支持させるユニット支持機構208とを含む。
【0107】
プローブユニット202は、複数のプローブ装置20を共通の支持台210に配置し、中継基板24をその後方に配置された第2の中継基板212にFPCのように可撓性を有する配線シート214(図18参照)により電気的に接続し、第2の中継基板212を試験装置の電気回路に電気的に接続する構造とされていることを除いて、図1から図11に示すプローブユニット20と同様の形状構造を有する。
【0108】
支持台210は、図17に示すように、プローブベース16と平行に左右方向へ延びる板状の主体部210aと、主体部210aの両端部から下方へ延びる一対の脚部210bと、両脚部210bの間を主体部から下方へ延びる複数の補助部210cとを備えており、また支持台210を上方から下方に貫通してプローブベース16に螺合された複数のねじ部材216(図17参照)によりプローブベース16の上面に取り付けられている。
【0109】
主体部210aと脚部210bと補助部210cとは、前方、後方及び下方に開放する空間26をプローブ装置20毎に形成している。各プローブ装置20は、対応する空間26の上方に位置するように支持台210に設置されている。各プローブ装置20の電気的接続具120、特に第2の配線領域124は、対応する空間26に前後方向に通されている。しかし、複数のプローブ装置20で1つの空間26を共通に利用するようにしてもよい。
【0110】
この実施例においては、中継基板24は、複数のプローブ装置20で共通とされている。このため、全ての第2の配線領域124は、中継基板212に電気的に接続されている。中継基板212は、一対の取り付け具218によりプローブベース16の上側に後方斜め上向きに傾斜して取り付けられている。プローブ装置20毎に中継基板24を設けてもよいし、複数のプローブ装置20で1つの中継基板24を共通に利用するようにしてもよい。
【0111】
支持ベース204は、試験装置200のフレームに水平に配置される。ワークテーブル206は、被検査体12を受けて解除可能に吸着するパネル受け面206aを有する。支持ベース204は、ワークテーブル206と一体的に形成されていてもよく、またパネル受け面206aを有するパネル受けに設けられた外向きのフランジ状部材であってもよい。
【0112】
ユニット支持機構208は、被検査体12と平行なXY面内でワークテーブル206に対し進退可能に支持ベース204に配置されて、プローブベース16の長手方向(左右方向)へ延びる第1の移動体220と、パネル受け面206aに対し傾斜する方向へ移動可能に第1の移動体220に結合されて、プローブベース16の長手方向(左右方向)へ延びる第2の移動体222と、第1の移動体220を第2の移動体222と共にワークテーブル206に対し進退させるプローブ移動機構224と、第2の移動体222の最前進位置(ワークテーブル206の側の位置)を規定する複数の第1のストッパ226と、第2の移動体222の最上昇位置を規制すべく逆L字状の形状を有する複数の第2のストッパ228とを含み、プローブユニット202を第2の移動体222に支持している。
【0113】
第1の移動体220は、左右方向へ延びかつL字状の断面形状を有する第1の部材220aに、左右方向へ延びかつくさび状の断面形状を有する第2の部材200bを相対的移動不能に取り付けている。第1の移動体220は、前後方向に間隔をおいて左右方向へ延びる一対又は複数対のレール230と、各レール230にその長手方向へ移動可能に支持されたガイド232とにより、支持ベース204の上に結合されている。
【0114】
図示の例では、レール230は支持ベース204の上面に取り付けられており、ガイド232は第1の部材230aの底板部の下面に取り付けられている。これにより、第1の移動体220は、ワークテーブル206に対し相寄り相離れる方向(前後方向)へ移動可能とされている。
【0115】
第2の移動体222は、左右方向へ延びかつT字状の断面形状を有する第1の部材222aに、左右方向へ延びかつ角柱状の第2の部材222bを相対的移動不能に取り付けている。第1の部材222aの頂面はXY面と平行とされており、第1の部材222aの頂面にプローブベース16を支持している。第2の部材222bは、これを斜め上下方向に貫通するガイド穴234を有する。
【0116】
第2の移動体222は、斜め上下方向へ延びる状態に第1の移動体220に支持されたロッド236がガイド穴234に下方から受け入れられていることと、相対的変位可能に結合されたガイド238及びレール240とにより、上方側ほど前方となる斜め上下方向へ移動可能に第1の移動体220に結合されている。
【0117】
ガイド穴234及びロッド236は、上方側の部位ほどワークテーブル206の側となるように、傾斜されており、またガイド238及びレール240は、その相対的移動方向が上方側の部位ほどワークテーブル206の側となると共に、ガイド穴234及びロッド236の延在方向となるように、第1及び第2の移動体220及び224に取り付けられている。
【0118】
第2の移動体222は、ロッド236の周りを延びる圧縮コイルばね242により、常時上方に付勢されている。しかし、第2の移動体222の最上昇位置は、第2の移動体に支持されたプローブユニット202のプローブベース16が第1の移動体220に取り付けられた複数の第2のストッパ228の前後方向へ延びる上端部に当接することにより規制される。このため、プローブユニット202の最上昇位置も、第2のストッパ228により規制される。
【0119】
各プローブ移動機構224は、第1の移動体220を前後方向に移動させて、第1の移動体220を第2の移動体222及びプローブユニット202と共にワークテーブル206に対し進退させる。
【0120】
そのようなプローブ移動機構224として、ブラケット244により支持ベース204の上面に設置された、モータ246と、前後方向に延びる状態にモータ246に連結されて、モータ246により回転されるボールねじ248と、第1の部材220aに設けられて、ボールねじ248に螺合されたナット(図示せず)とを備える機構を挙げることができる。モータ246は、パルスモータのように回転角度位置を解除可能に維持するように、位置制御可能のモータとすることができる。
【0121】
第1のストッパ226は、前後方向におけるワークテーブル206と第2の移動体222との間にあって、左右方向に間隔をおいて配置されている(図16参照)。各第1のストッパ226は、上方へ延びる状態に支持ベース204に支持された支柱250と、左右方向へ延びる軸線の割に回転可能に支柱250の上端部に取り付けられたローラ252とを備える。ローラ252は、図示の例ではベアリングであり、また第2の移動体222の前面が当接可能の高さ位置に配置されている。
【0122】
試験装置200は、プローブユニット200とユニット支持機構208とが被検査体12の電極14が配置された縁部のそれぞれに備えられる。
【0123】
[試験装置の動作]
【0124】
試験装置200は、各プローブユニット200と、各第1の移動体220と、各第2の移動体222とが図14に示す待機位置に後退されている。この状態において、第2の移動体222は、ストッパ228で規制される最上昇位置に圧縮コイルばね242により上昇されていると共に、ユニット移動機構224によりストッパ226のローラ252から後方へ離間されている。
【0125】
上記の待機位置において、プローブユニット202は、ワークテーブル206から上方及び後方へ離間されており、したがってプローブ42は、その針先がワークテーブル206上の被検査体から上方及び後方へ離間された位置に後退されている。この状態において、ワークテーブル206に対する被検査体12の受け渡しが上方側から行われる。
【0126】
被検査体12の受け渡しが終了すると、第2の移動機構222の前面がストッパ226のローラ252に当接するまで、第1の移動体220がユニット移動機構224により前進される。これにより、プローブユニット202も前進されて、各プローブ42の針先が図13に示すように被検査体12の電極14の上方に移動される。
【0127】
第1の移動体220がユニット移動機構224によりさらに前進されると、第2の移動体222の前進がストッパ226により阻止された状態で、第1の移動体220が前進される。このため、第2の移動体222は、その前面をローラ252に当接させた状態で、ガイド288、レール240、ロッド236により、第1の移動体220の前進を許しつつ、下降される。これにより、各プローブブロック202が下降されて、各プローブ42の針先が図12に示すように被検査体12の電極14に押圧される。この状態で、被検査体12に通電されて、被検査体12の点灯試験が行われる。
【0128】
上記から明らかなように、ガイド穴234、ロッド236、ガイド238、レール240及び圧縮コイルばね242は、プローブユニット202を斜め上下方向に変位させるプローブ変位機構として作用する。
【0129】
上記の点灯試験は、作業者が被検査体12を上方から目視する目視点灯試験であってもよいし、ビデオカメラのようなエリアセンサを用いかつ制御装置において画像処理をする自動点灯試験であってもよい。
【0130】
電気的試験が終了すると、各プローブユニット20と、各第1の移動体220と各第2の移動体222とが図14に示す待機位置に退避される。このとき、各第2の移動体222は、第1の移動体220がストッパ226から離れるまでの間、圧縮コイルばね242により上昇され、その後第1の移動体220と共に後退される。その後ワークテーブル206に対する被検査体12の受け渡しが行われる。
【0131】
上記のように試験装置200によれば、プローブ装置202は、プローブ42の針先が被検査体12の電極14の上方に前進された後に下降されて、針先を電極14に押圧され、プローブ42の針先が被検査体12の電極14の上方に上昇されて、針先が電極12から離間された後に後退される。これにより、各プローブ42の針先は、プローブ装置202の上下動の際に電極14に対し接触及び離間する方向へ変位されるが、プローブ装置202自体の前進後退時には、電極12から離間した状態に維持される。その結果、針先電極12の摩耗及び損傷が防止される。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、液晶表示パネル用のプローブユニットのみならず、薄膜トランジスタが形成されたガラス基板のような他の表示用基板用のプローブユニット、集積回路のような他の平板状被検査体用のプローブユニットにも適用することができる。
【0133】
本発明は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された趣旨を逸脱しない限り、種々に変更することができる。
【符号の説明】
【0134】
10,202 プローブユニット
12 表示用基板(被検査体)
14 表示用基板の電極
16 プローブベース
18,210 支持台
18a,210a 主体部
18b,210b 脚部
20 プローブ装置
22 中継ベース
24 中継基板
26 空間
30 プローブ組立体
32 支持ブロック
34 連結ブロック
36 結合ブロック
38 組み付け装置
40 接続ブロック
42 プローブ
42a 針主体部
42b 先端領域
42c 後端領域
42d 先端針先
42e 後端針先
44 ブロック片
46 スリットバー
82 ばね押え
120 電気的接続具
122,124 第1及び第2の配線領域
126,128 第1及び第2の配線
200 試験装置
204 支持ベース
206 ワークテーブル
206a パネル受け面
208 ユニット支持機構
212 第2の中継基板
214 配線シート
220,222 第1及び第2の移動体
224 ユニット移動機構
226,228 ストッパ
230 レール
232 ガイド
234 ガイド穴(プローブ変位機構)
236 ロッド(プローブ変位機構)
238 ガイド(プローブ変位機構)
240 レール(プローブ変位機構)
242 圧縮コイルばね(プローブ変位機構)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のプローブベースと、該プローブベースの上に配置された支持台と、該支持台に支持されたプローブ装置であって、先端針先及び後端針先を有する複数のプローブを備えるプローブ装置と、該プローブ装置から後方へ延びる電気的接続具であって、前後方向へ延びる複数の配線を有し、かつ各配線の先端部が前記後端針先に接続された電気的接続具とを含み、
前記支持台は、前方、後方及び下方に開放する空間を備え、
前記電気的接続具の後部側の領域は、前記プローブベースの上側に導かれていると共に、前記支持台の前記空間を経て延びている、プローブユニット。
【請求項2】
前記支持台は、左右方向へ延びる板状の主体部であって、前記プローブ装置が取り付けられた主体部と、主体部の左右方向における各端部から下方へ延びる脚部とにより、門型の正面形状に形成されている、請求項1に記載のプローブユニット。
【請求項3】
前記脚部の一方は前記主体部の前端から左右方向における一方の側へ突出されており、前記脚部の他方は前記主体部後端から左右方向における他方の側へ突出されており、それにより前記支持台はクランク状の平面形状に形成されている、請求項2に記載のプローブユニット。
【請求項4】
前記支持台は、前記プローブベース及び前記脚部のいずれか一方を上下方向に貫通して、前記プローブベース及び前記脚部の他方に螺合されたねじ部材により、前記プローブベースに取り付けられている、請求項2及び3のいずれか1項に記載のプローブユニット。
【請求項5】
複数の前記支持台と、該支持台に個々に支持された複数の前記プローブ装置とを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のプローブユニット。
【請求項6】
前記支持台に共通に支持された複数の前記プローブ装置を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のプローブユニット。
【請求項7】
さらに、前記プローブベースの上側に配置された中継基板であって、前記電気的接続具の配線の後端部が電気的に接続された中継基板を含む、請求項1から6のいずれか1に記載のプローブユニット。
【請求項8】
前記電気接続具の後端部はコネクタにより前記中継基板に電気的に接続されている、請求項7に記載のプローブユニット。
【請求項9】
前記中継基板は後方及び上方へ斜めに延びる状態に前記プローブベースの上側に配置されており、前記電気接続具の後端部はコネクタ及び該コネクタに接続されたケーブルにより前記中継基板に電気的に接続されている、請求項7に記載のプローブユニット。
【請求項10】
前記プローブ装置は、前記複数のプローブをプローブホルダの下側に配置したプローブ組立体と、該プローブ組立体を支持する第1の支持装置と、該第1の支持装置を支持する第2の支持装置であって、前記支持台に取り付けられた第2の支持装置とを備え、
前記電気的接続具は、前記プローブ組立体の後端部から後方へ延びている、請求項1から9のいずれか1項に記載のプローブユニット。
【請求項11】
前記電気的接続具は、前記第1の支持装置の下部を経て後方に延びて、前記プローブベースの前端部から前記プローブベースの上側に導かれている、請求項11に記載のプローブユニット。
【請求項12】
前記電気的接続具は、前後方向へ延びる複数の第1の配線を有する第1の配線領域であって、各第1の配線の先端部が前記プローブの後端針先に接続された第1の配線領域と、前後方向へ延びる複数の第2の配線を有する第2の配線領域であって、各第2の配線の先端部が前記第1の配線の後端部に接続された第2の配線領域とを含み、また前記第2の配線領域において、前記プローブベースの上側に導かれていると共に、前記支持台の前記空間を経ている、請求項1から10のいずれか1項に記載のプローブユニット。
【請求項13】
前記第1の支持装置は、前記第2の支持装置に支持された支持ブロックと、該支持ブロックに組み付けられた結合ブロックであって、前記プローブ組立体が前部下側に組み付けられかつ前記第1の配線領域が下側に配置された結合ブロックと、前記支持ブロックの後部下側と前記結合ブロックの後部上側との間に配置されて、前記支持ブロックに取り付けられた接続ブロックであって、前記第2の配線領域の先端部が下側に配置された接続ブロックとを含み、
前記第1の配線領域の後端部は、前記結合ブロックの後端において、該結合ブロックの下側から上側に折り返されて、その各配線が前記第2の配線領域の配線に接続されている、請求項12に記載のプローブユニット。
【請求項14】
前記電気的接続具は、シート状の配線接続具を含む、請求項1から13のいずれか1項に記載のプローブユニット。
【請求項15】
ベースと、該ベースに支持されたワークテーブルであって、平板状被検査体を受ける受け部を有するワークテーブルと、請求項1から14のいずれか1項に記載のプローブユニットであって、前記ベースに配置されたプローブユニットと、該プローブユニットを前記ベースに支持させるユニット支持機構とを含み、
該ユニット支持機構は、前記被検査体と平行なXY面内を前後方向へ移動可能に前記ベースに受けられた第1の移動体であって、前記XY面内を左右方向へ延びる第1の移動体と、斜め上下方向に移動可能に前記第1の移動体に結合された第2の移動体であって、左右方向へ延びる第2の移動体と、前記第2の移動体の最前進位置を規定するストッパと、前記第1の移動体を被検査体に対し進退させ、それにより前記第2の移動体を、前後方向又は左右方向に移動させると共に、上下方向に変位させるプローブ変位機構とを備え、
前記プローブユニットは前記第2の移動体に支持されている、試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−53203(P2011−53203A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136041(P2010−136041)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000153018)株式会社日本マイクロニクス (349)
【Fターム(参考)】