説明

ベルト駆動装置及びこれを用いた画像形成装置

【課題】ステアリングローラの傾動を行う傾斜機構の構成部材が状態変化しても、ステアリングローラの適正な傾き制御を行うことを課題とする。
【解決手段】ステアリング制御装置21は、ステアリングローラ63が予め決められた基準傾斜姿勢となっているときのフィラー91の位置を検出するフォトインタラプタ25を用い、所定の調整タイミング(電源投入時)が到来するたびに、そのフォトインタラプタの検出結果に基づいてステアリングローラが基準傾斜姿勢となるようにステアリングモータ23を回転駆動させ、この時のステアリングモータの回転角度を基準回転角度とし、この基準回転角度を基準にしてステアリングモータの回転動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端ベルトのベルト幅方向への変位を修正可能なベルト駆動装置及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置のなかには、中間転写ベルト、感光体ベルト、用紙搬送ベルトなどの無端ベルトを用いて画像を形成する画像形成装置がある。一般に、無端ベルトを駆動ローラを含む所定数のローラにより張架して走行させる場合、走行中の無端ベルトが走行方向とは直交する方向(以下「ベルト幅方向」という。)に変位する、いわゆるベルト蛇行が発生することがある。このベルト蛇行は、例えば、その無端ベルトの外周面上に又はその無端ベルトの外周面に担持された記録材上に画像を形成する場合には、画像を歪ませる原因となる。また、例えば、各色画像を互いが重なり合うように無端ベルト上に順次形成してカラー画像を形成する場合には、各色画像間においてベルト幅方向の相対的な位置ズレが発生し、色ズレや色ムラ等が生じる原因となる。特に、このような色ズレや色ムラ等はユーザーに認知されやすいので、上記のようにカラー画像を形成する場合にはベルト蛇行を適切に抑制することが重要となる。
【0003】
無端ベルトの蛇行抑制方式として、その代表的な技術の一つに、無端ベルトを支持する1又は2以上の支持ローラ(以下「ステアリングローラ」という。)の傾きを制御してベルト蛇行を抑制する方式(以下「ステアリング方式」という。)が知られている。このステアリング方式は、無端ベルトの内周面におけるベルト幅方向端部に設けたリブやガイド等を支持ローラ端面等に引っ掛けることでベルト蛇行を抑制する方式に比べて、無端ベルトに加わる外力が小さい。よって、無端ベルトの走行安定性や耐久性などについて信頼性が高いという利点を有している。
【0004】
ステアリング方式を採用したベルト駆動装置としては、特許文献1や特許文献2に記載されたものが知られている。
特許文献1に記載されたベルト駆動装置は、1次転写前ローラ(ステアリングローラ)の一端部(駆動端部)に無端状の駆動ワイヤーが固定されている。そして、この駆動ワイヤーをワイヤー長さ方向へ移動させることで、1次転写前ローラの当該一端部(駆動端部)を他端部に対して相対的に変位させ、1次転写前ローラの傾斜を制御する。駆動ワイヤーを張架する複数のプーリのうちの駆動プーリには、ステッピングモータからの回転駆動力が伝達される。駆動ワイヤーは、ステッピングモータの回転角に応じた量だけ移動するので、ステッピングモータの回転角を制御することで、1次転写前ローラの傾斜量を制御することができる。
特許文献2に記載されたベルト駆動装置は、蛇行補正ローラ(ステアリングローラ)の一端部(駆動端部)に揺動アームの一端が取り付けられ、その揺動アームの他端に偏心カムが当接した構成をとる。揺動アームは、その他端が常に偏心カムのカム面に当接した状態となるようにスプリングによって付勢されている。偏心カムの回転角に応じたカム面の変位に伴って揺動アームの他端が変位する。これにより、揺動アームの一端に取り付けられた蛇行補正ローラの当該一端部(駆動端部)をその他端部に対して相対的に変位させることができ、蛇行補正ローラの傾斜を制御することができる。偏心カムの回転角は蛇行補正モータの回転角によって決まるので、この蛇行補正モータの回転角を制御することで、蛇行補正ローラの傾斜量を制御することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、ステアリング方式を採用した従来のベルト駆動装置では、駆動源からの駆動力によりステアリングローラを傾斜させるための動作を行う傾斜機構を構成するワイヤーや偏心カムなどの構成部材が、経時使用等によって、摩耗したり、伸縮したり、材質が変化したりするなどの状態変化をきたし、適正な傾き制御を行うことができなくなるという問題があった。
【0006】
具体例を挙げると、例えば上記特許文献1に記載されたベルト駆動装置のように、ワイヤーを介してステアリングローラを傾かせるワイヤー方式では、ワイヤーを一定以上の大きな張力で張架させる必要がある。そのため、経時使用すると、ワイヤーが伸びてしまう。また、想定外の強い外力がワイヤーに加わることによりワイヤーが伸びてしまう場合もあり得る。このようにワイヤーが伸びてしまうと、ワイヤーの張力が低下する。そのため、駆動プーリからの駆動力をワイヤーへ適切に伝達することができなくなり、傾斜機構の動作を適切に制御できず、ステアリングローラの傾き制御を適正に行うことができなくなる。
一方で、ワイヤーが伸びてもワイヤーの張力が低下しないようにワイヤーの張力を維持するようなテンション機構を設ければ、ワイヤーが伸びても駆動プーリからの駆動力をワイヤーへ適切に伝達することが可能となる。しかしながら、この場合には、ワイヤーの伸び量に応じてステアリングローラの駆動端部の位置が変化してしまう。すなわち、ステアリングローラの駆動端部が同じ位置となるように傾斜機構の動作を制御しても、ワイヤーが伸びる前と後とで、ステアリングローラの傾斜量が異なってしまう。この場合も、傾斜機構の動作を適切に制御できないので、ステアリングローラの傾き制御を適正に行うことができない。
【0007】
また、例えば上記特許文献2に記載されたベルト駆動装置のように、偏心カムを介してステアリングローラを傾かせるカム方式では、ステアリングローラの傾き制御に際し、ステアリングローラの駆動端部と連動して移動する部材に対して偏心カムのカム面を摺動させる必要がある。そのため、経時使用すると、偏心カムのカム面やそのカム面が当接する部材が摩耗して変形する。このような変形が生じると、ステアリングローラの駆動端部の位置が変化してしまう。すなわち、ステアリングローラの駆動端部が同じ位置となるように傾斜機構の動作を制御しても、変形が生じる前と後とで、ステアリングローラの傾斜量が異なってしまう。この場合も、傾斜機構の動作を適切に制御できないので、ステアリングローラの傾き制御を適正に行うことができない。
【0008】
上記問題は、駆動源からの駆動力によりステアリングローラを傾斜させるための動作を行う傾斜機構の構成部材が何らかの原因で状態変化をきたし、これによりその状態変化の前後でステアリングローラの実際の傾斜量が異なってくるというような制御誤差が生じる構成であれば、同様に生じ得る問題である。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、駆動源からの駆動力によりステアリングローラを傾斜させるための動作を行う傾斜機構の構成部材が状態変化しても、ステアリングローラの適正な傾き制御を行うことが可能なベルト駆動装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、ベルト蛇行修正用のステアリングローラを含む複数の支持ローラにより張架支持された無端ベルトと、駆動源からの駆動力により該ステアリングローラを傾斜させるための動作を行う傾斜機構と、該無端ベルトのベルト幅方向への変位を検出するベルト幅方向変位検出手段と、該ベルト幅方向変位検出手段の検出結果に基づいて、該ステアリングローラの傾斜量を決定し、該ステアリングローラの傾斜量が決定した傾斜量となるように該傾斜機構の動作を制御する傾斜制御手段とを有し、該ステアリングローラの傾斜量を変更することにより該無端ベルトの蛇行を修正するベルト駆動装置において、上記ステアリングローラの傾斜量に応じて該ステアリングローラと一体的に変位する変位部材と、該ステアリングローラが予め決められた基準傾斜姿勢となっているときの該変位部材の位置を検出する位置検出手段とを有し、上記傾斜制御手段は、所定の調整タイミングが到来するたびに、該位置検出手段の検出結果に基づいて該ステアリングローラが該基準傾斜姿勢となるように上記傾斜機構を動作させ、この時の傾斜機構の動作量を動作基準値とし、この動作基準値を基準にして上記傾斜機構の動作を制御することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のベルト駆動装置において、上記傾斜機構の動作基準値を記憶する記憶手段を有し、上記傾斜制御手段は、所定の調整タイミングが到来したときに上記ステアリングローラが上記基準傾斜姿勢となるように上記傾斜機構を動作させた時の該傾斜機構の動作量を動作基準値として上記記憶手段に保存し、該記憶手段に記憶されている動作基準値を基準にして上記傾斜機構の動作を制御することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2のベルト駆動装置において、上記駆動源からの駆動力がなくても上記ステアリングローラの傾斜姿勢を維持する姿勢維持手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3のベルト駆動装置において、上記姿勢維持手段は、上記駆動源からの駆動力伝達経路上に設けられ、該駆動源に接続された入力軸に回転駆動力が加わると出力軸が回転するが、該出力軸に回転駆動力が加わっても入力軸が回転しないように構成された、ウォームギヤ又はトルクダイオードによって構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のベルト駆動装置において、上記傾斜機構は、ワイヤーと、該ワイヤーに張力を付与する張力付与手段と、上記駆動源の駆動量に応じた分の移動量だけ該ワイヤーを移動させるワイヤー駆動部材とを有し、該ワイヤーの移動に応じて上記ステアリングローラが傾斜するように構成されたものであり、上記傾斜制御手段は、上記駆動源の駆動量を制御することで上記傾斜機構の動作を制御するものであることを特徴とするものである
た、請求項6の発明は、請求項5のベルト駆動装置において、上記傾斜機構は、上記ワイヤーの一端側が上記ステアリングローラに接続され、該ワイヤーの他端側が上記ワイヤー駆動部材に接続された構成となっていることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6のベルト駆動装置において、上記ワイヤー駆動部材は、上記ワイヤーの他端側を巻き付けるワイヤー巻付部を有し、上記駆動源の駆動量に応じた分の移動量だけ該ワイヤーの他端側を該ワイヤー巻付部に巻き付ける構成であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のベルト駆動装置において、上記傾斜機構は、タイミングベルトと、上記駆動源の駆動量に応じた分の移動量だけ該タイミングベルトを牽引駆動させるタイミングベルト駆動部材と、該タイミングベルトが牽引駆動されることで上記ステアリングローラに作用する力に抗する向きの力を該ステアリングローラに対して付与する反力付与手段とを有し、該タイミングベルトの移動に応じて該ステアリングローラが傾斜するように構成されたものであり、上記傾斜制御手段は、上記駆動源の駆動量を制御することで上記傾斜機構の動作を制御するものであることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8のベルト駆動装置において、上記傾斜機構は、上記タイミングベルトの一部が固定され、該タイミングベルトにおける当該固定部分と上記タイミングベルト駆動部材からの牽引駆動力が伝達される部分との間で、上記ステアリングローラと一体的に変位するタイミングベルト張架部材が該タイミングベルトを張架しており、かつ、該タイミングベルトの移動に応じて該タイミングベルト張架部材が変位する構成となっていることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9のベルト駆動装置において、上記タイミングベルト張架部材は、動滑車で構成されたタイミングプーリであることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項5乃至10のいずれか1項に記載のベルト駆動装置において、上記駆動源は、ステッピングモータであることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項5乃至10のいずれか1項に記載のベルト駆動装置において、上記駆動源は、リニアモータであることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のベルト駆動装置において、上記ワイヤー駆動部材は、ワイヤー張力方向に対して傾斜する方向へ上記ワイヤーの一部を変位させるワイヤー変位部を有し、上記駆動源の駆動量に応じた分の移動量だけ該ワイヤー変位部を変位させる構成であることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項1乃至13のいずれか1項に記載のベルト駆動装置において、上記傾斜機構の動作範囲を所定範囲に規制する規制手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項1乃至14のいずれか1項に記載のベルト駆動装置において、上記傾斜機構は、上記無端ベルトの内周面に囲まれた空間内に配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項1乃至15のいずれか1項に記載のベルト駆動装置において、少なくとも、上記複数の支持ローラ、上記無端ベルト、上記傾斜機構及び上記変位部材を支持し、装置本体に対して一体的に着脱可能に構成されたユニット構造を有することを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、複数の支持ローラにより張架支持された無端ベルトの外周面上に形成した画像を最終的に記録材に転移させて該記録材上に画像を形成するか、又は、複数の支持ローラにより張架支持された無端ベルトの外周面に担持された記録材上に画像を形成する画像形成装置において、上記無端ベルトを走行させるためのベルト駆動手段として、請求項1乃至16のいずれか1項に記載のベルト駆動装置を用いることを特徴とするものである。
【0011】
本発明においては、ステアリングローラの傾斜姿勢が予め決められた基準傾斜姿勢である時の傾斜機構の動作量を動作基準値とし、その動作基準値を基準にして傾斜機構の動作を制御する。ステアリングローラの傾斜姿勢が基準傾斜姿勢となっているかどうかは、ステアリングローラの傾斜量に応じて当該ステアリングローラと一体的に変位する変位部材の位置を検出することによって確認される。よって、傾斜機構の動作制御の基準となる動作基準値は、ステアリングローラの傾斜姿勢が実際に基準傾斜姿勢となっている時の傾斜機構の動作量に対応するものとなる。そして、本発明において、この動作基準値は、所定の調整タイミングが到来するたびに更新される。したがって、傾斜機構の構成部材が何らかの原因で状態変化し、これによりその状態変化の前後でステアリングローラの実際の傾斜量が異なってくるというような制御誤差が生じても、所定の調整タイミングが到来するたびに、その制御誤差がリセットされる。すなわち、このような制御誤差は、ステアリングローラの傾斜姿勢が基準傾斜姿勢となっている時の傾斜機構の動作量である動作基準値のズレとなって現れるので、この動作基準値を更新することでその制御誤差はリセットされる。よって、本発明によれば、傾斜機構の構成部材が何らかの原因で変化して制御誤差が生じても、その制御誤差を適宜リセットして、ステアリングローラの適正な傾き制御を継続することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上、本発明によれば、傾斜機構の構成部材が変化してもステアリングローラの適正な傾き制御を行うことができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係るプリンタの一例を示す概略構成図である。
【図2】同プリンタの中間転写ベルトを駆動するベルト駆動装置の概略構成を示す説明図である。
【図3】同ベルト駆動装置に設けられるエッジセンサの具体的な構成の一例を示す概略構成図である。
【図4】エッジセンサの他の例を示す概略構成図である。
【図5】同ベルト駆動装置のステアリングローラの一端側(駆動端部側)に設けられた傾斜機構の一部を斜め上方から見たときの斜視図である。
【図6】同傾斜機構の一部を斜め下方から見たときの斜視図である。
【図7】同傾斜機構の巻き取りプーリを示す斜視図である。
【図8】同巻き取りプーリの近傍を拡大した拡大図である。
【図9】同ベルト駆動装置の制御部分に関わるブロック図である。
【図10】中間転写ベルトの蛇行抑制のための一連の制御の流れを示すフローチャートである。
【図11】変形例1に係るベルト駆動装置の概略構成を示す説明図である。
【図12】変形例2に係るベルト駆動装置の概略構成を示す説明図である。
【図13】変形例3に係るベルト駆動装置の概略構成を示す説明図である。
【図14】変形例4に係るベルト駆動装置の概略構成を示す説明図である。
【図15】同ベルト駆動装置において、ベルトステアリングローラ63の一端側(駆動端部側)に設けられた傾斜機構の一部を斜め上方から見たときの斜視図である。
【図16】同傾斜機構の一部を斜め下方から見たときの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を、電子写真方式によって画像を形成する画像形成装置としてのプリンタに適用した一実施形態について説明する。
まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。
図1は、実施形態に係るプリンタの一例を示す概略構成図である。
このプリンタは、2つの光書込ユニット1YM、1CKと、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット2Y,2M,2C,2Kとを備えている。また、給紙路30、転写前搬送路31、手差し給紙路32、手差しトレイ33、レジストローラ対34、搬送ベルトユニット35、定着装置40、搬送切替装置50、排紙路51、排紙ローラ対52、排紙トレイ53、第1給紙カセット101、第2給紙カセット102、再送装置等も備えている。
【0015】
第1給紙カセット101及び第2給紙カセット102は、それぞれ内部に記録材としての記録紙Pの束を収容している。そして、給紙ローラ101a,102aの回転駆動により、紙束における一番上の記録紙Pを給紙路30に向けて送り出す。この給紙路30には、後述する2次転写ニップの直前で記録紙を搬送するための転写前搬送路31が続いている。給紙カセット101,102から送り出された記録紙Pは、給紙路30を経て転写前搬送路31に進入する。
【0016】
プリンタ筺体における側面には、手差しトレイ33が筺体に対して開閉可能に配設されており、筺体に対して開いた状態でトレイ上面に紙束が手差しされる。手差しされた紙束における一番上の記録紙Pは、手差しトレイ33の送出ローラによって転写前搬送路31に向けて送り出される。
【0017】
2つの光書込ユニット1YM,1CKは、それぞれ、レーザーダイオード、ポリゴンミラー、各種レンズなどを有しており、プリンタ外部のスキャナによって読み取られた画像情報や、パーソナルコンピュータから送られてくる画像情報に基づいて、レーザーダイオードを駆動する。そして、プロセスユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体3Y,3M,3C,3Kを光走査する。具体的には、プロセスユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体3Y,3M,3C,3Kは、図示しない駆動手段によってそれぞれ図中反時計回り方向に回転駆動される。光書込ユニット1YMは、駆動中の感光体3Y,3Mに対して、レーザー光をそれぞれ回転軸線方向に偏向させながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、感光体3Y,3Mには、それぞれ、Y画像情報及びM画像情報に基づいた静電潜像が形成される。また、光書込ユニット1CKは、駆動中の感光体3C,3Kに対して、レーザー光をそれぞれ回転軸線方向に偏向させながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、感光体3C,3Kには、それぞれ、C画像情報及びK画像情報に基づいた静電潜像が形成される。
【0018】
プロセスユニット2Y,2M,2C,2Kは、それぞれ、潜像担持体としてのドラム状の感光体3Y,3M,3C,3Kを有している。また、プロセスユニット2Y,2M,2C,2Kは、それぞれ、感光体3Y,3M,3C,3Kの周囲に配設される各種機器を1つのユニットとして共通の支持体に支持しており、それらがプリンタ部本体に対して着脱可能になっている。各プロセスユニット2Y,2M,2C,2Kは、互いに使用するトナーの色が異なる点を除いて同様の構成になっている。Y用のプロセスユニット2Yを例にすると、これは、感光体3Yのほか、これの表面に形成された静電潜像をYトナー像に現像するための現像装置4Yを有している。また、回転駆動される感光体3Yの表面に対して一様帯電処理を施す帯電装置5Yや、後述するY用の1次転写ニップを通過した後の感光体3Yの表面に付着している転写残トナーをクリーニングするドラムクリーニング装置6Yなども有している。
【0019】
図示のプリンタは、4つのプロセスユニット2Y,2M,2C,2Kを、後述する中間転写ベルト61に対してその無端移動方向に沿って並べたいわゆるタンデム型の構成になっている。
【0020】
感光体3Yとしては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いてもよい。
【0021】
現像装置4Yは、図示しない磁性キャリアと非磁性のYトナーとを含有する二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)を用いて潜像を現像するものである。現像装置4Yとして、二成分現像剤の代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤によって現像を行うタイプのものを使用してもよい。現像装置4Yに対しては、図示しないYトナー補給装置により、Yトナーボトル103Y内のYトナーが適宜補給される。
【0022】
ドラムクリーニング装置6Yとしては、クリーニング部材であるポリウレタンゴム製のクリーニングブレードを感光体3Yに押し当てる方式のものを用いているが、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、本プリンタでは、回転自在なファーブラシを感光体3Yに当接させる方式のものを採用している。このファーブラシは、図示しない固形潤滑剤から潤滑剤を掻き取って微粉末にしながら感光体3Y表面に塗布する役割も兼ねている。
【0023】
感光体3Yの上方には、図示しない除電ランプが配設されており、この除電ランプもプロセスユニット2Yの一部になっている。除電ランプは、ドラムクリーニング装置6Yを通過した後の感光体3Y表面を光照射によって除電する。除電された感光体3Yの表面は、帯電装置5Yによって一様に帯電された後、上述した光書込ユニット1YMによる光走査が施される。なお、帯電装置5Yは、図示しない電源から帯電バイアスの供給を受けながら回転駆動するものである。かかる方式に代えて、感光体3Yに対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ方式を採用してもよい。
【0024】
以上、Y用のプロセスユニット2Yについて説明したが、M、C、K用のプロセスユニット2M,2C,2Kも、Y用のものと同様の構成になっている。
【0025】
4つのプロセスユニット2Y,2M,2C,2Kの下方には、転写ユニット60が配設されている。この転写ユニット60は、複数の支持ローラによって張架している無端ベルトである中間転写ベルト61を、感光体3Y,3M,3C,3Kに当接させながら、いずれか1つの支持ローラの回転駆動によって図中時計回り方向に走行(無端移動)させる。これにより、感光体3Y,3M,3C,3Kと中間転写ベルト61とが当接するY、M、C、K用の1次転写ニップが形成されている。
【0026】
Y、M、C、K用の1次転写ニップの近傍では、中間転写ベルトの内周面に囲まれた空間すなわちベルトループ内に配設された1次転写部材としての1次転写ローラ62Y,62M,62C,62Kによって中間転写ベルト61を感光体3Y,3M,3C,3Kに向けて押圧している。これら1次転写ローラ62Y,62M,62C,62Kには、それぞれ図示しない電源によって1次転写バイアスが印加されている。これにより、Y、M、C、K用の1次転写ニップには、感光体3Y,3M,3C,3K上のトナー像を中間転写ベルト61に向けて静電移動させる1次転写電界が形成される。
【0027】
図中時計回り方向の無端移動に伴ってY、M、C、K用の1次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト61の外周面には、各1次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト61の外周面には4色重ね合わせトナー像(以下「4色トナー像」という。)が形成される。
【0028】
中間転写ベルト61の図中下方には、2次転写部材としての2次転写ローラ72が配設されている。この2次転写ローラ72は、中間転写ベルト61における2次転写バックアップローラ68に対する掛け回し箇所にベルト外周面から当接して2次転写ニップを形成している。これにより、中間転写ベルト61の外周面と2次転写ローラ72とが当接する2次転写ニップが形成されている。
【0029】
2次転写ローラ72には図示しない電源によって2次転写バイアスが印加されている。一方、ベルトループ内の2次転写バックアップローラ68は接地されている。これにより、2次転写ニップ内に2次転写電界が形成されている。
【0030】
2次転写ニップの図中右側方には、上述のレジストローラ対34が配設されており、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを中間転写ベルト61上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに送り出す。2次転写ニップ内では、中間転写ベルト61上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の影響によって記録紙Pに一括2次転写され、記録紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。
【0031】
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト61の外周面には、2次転写ニップで記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト61に当接するベルトクリーニング装置75によってクリーニングされる。
【0032】
2次転写ニップを通過した記録紙Pは、中間転写ベルト61から離間して、搬送ベルトユニット35に受け渡される。この搬送ベルトユニット35は、無端ベルト状の搬送ベルト36を駆動ローラ37と従動ローラ38とによって張架しながら、駆動ローラ37の回転駆動によって図中反時計回り方向に無端移動させる。そして、2次転写ニップから受け渡された記録紙Pを搬送ベルト外周面の張架面に保持しながら、搬送ベルト36の無端移動に伴って搬送して定着手段としての定着装置40に受け渡す。
【0033】
本プリンタにおいては、搬送切替装置50、再送路54、スイッチバック路55、スイッチバック後搬送路56等により、再送手段が構成されている。具体的には、搬送切替装置50は、定着装置40から受け取った記録紙Pのその後の搬送先を、排紙路51と再送路54とで切り替える。記録紙Pの第1面だけに画像を形成する片面モードのプリントジョブの実行時には、記録紙Pの搬送先を排紙路51に設定する。これにより、第1面だけに画像が形成された記録紙Pを、排紙路51経由で排紙ローラ対52に送って、機外の排紙トレイ53上に排紙する。また、記録紙Pの両面に対してそれぞれ画像を形成する両面モードのプリントジョブの実行時において、両面にそれぞれ画像が定着された記録紙Pを定着装置40から受け取ったときにも、記録紙Pの搬送先を排紙路51に設定する。これにより、両面に画像が形成された記録紙Pを、機外の排紙トレイ53上に排紙する。一方、両面モードのプリントジョブの実行時において、第1面だけに画像が定着された記録紙Pを定着装置40から受け取ったときには、記録紙Pの搬送先を再送路54に設定する。
【0034】
再送路54には、スイッチバック路55が繋がっており、再送路54に送られた記録紙Pはこのスイッチバック路55に進入する。そして、記録紙Pの搬送方向の全領域がスイッチバック路55に進入すると、記録紙Pの搬送方向が逆転されて、記録紙Pがスイッチバックする。スイッチバック路55には、再送路54の他に、スイッチバック後搬送路56が繋がっており、スイッチバックした記録紙Pは、このスイッチバック後搬送路56に進入する。このとき、記録紙Pの上下が反転する。そして、上下反転した記録紙Pは、スイッチバック後搬送路56と給紙路30とを経由して2次転写ニップに再送される。2次転写ニップで第2面にもトナー像が転写された記録紙Pは、定着装置40を経由して第2面にトナー像が定着された後、搬送切替装置50と排紙路51と排紙ローラ対52とを経由して、排紙トレイ53上に排紙される。
【0035】
次に、本発明の特徴部分である、中間転写ベルト61を駆動するベルト駆動装置について説明する。
図2は、本実施形態におけるベルト駆動装置の概略構成を示す説明図である。
本実施形態におけるベルト駆動装置は、主に、ベルト蛇行修正用のステアリングローラ63を含む複数の支持ローラ63,67,68,69,71等により張架支持された無端ベルトである中間転写ベルト61と、駆動源であるステアリングモータ23からの駆動力によりステアリングローラ63を傾斜させるための動作を行う傾斜機構と、中間転写ベルト61のベルト幅方向への変位を検出するベルト幅方向変位検出手段としてのエッジセンサ24と、エッジセンサ24の検出結果に基づいてステアリングローラ63の傾斜量を決定し、そのステアリングローラ63の傾斜量が決定した傾斜量となるようにステアリングモータ23を制御して傾斜機構の動作を制御する傾斜制御手段としてのステアリング制御装置21とから構成され、ステアリングローラ63の傾斜量を変更することによって中間転写ベルト61の蛇行を修正するものである。本実施形態では、支持ローラ67が駆動ローラであるが、他の支持ローラを駆動ローラとしてもよい。
【0036】
図3は、エッジセンサ24の具体的な構成の一例を示す概略構成図である。
図3に示すように、中間転写ベルト61の一側部には、支軸24cに回転自在に支持された接触子24bが配置されている。この接触子24bは、スプリング24aの付勢力(引っ張り力)により、当該一端部が常に中間転写ベルト61の当該一側部に当接するように構成されている。このスプリング24aによる接触子24bの当接圧力は、中間転写ベルト61の側部を変形させない程度の適度な大きさに設定されている。また、支軸24cを介して接触子24bの他端部には、変位センサ24dが対向配置されている。このように構成されたエッジセンサ24は、ベルト蛇行時における中間転写ベルト61の幅方向yへの動きが、その中間転写ベルト61の側部に当接する接触子24bの動き(支軸24cを中心とした回動動作)に置き換えられる。この接触子24bの動きに対応して変位センサ24dの出力レベルが変動するため、そのセンサ出力は、中間転写ベルト61のベルト幅方向への変位量を示すものとなる。本実施形態において、エッジセンサ24は、図2に示すように、ベルト走行方向において駆動ローラ67と2次転写バックアップローラ68との間に配置されている。
【0037】
なお、エッジセンサ24については、中間転写ベルト61のベルト幅方向への変位(蛇行)に応じた出力を発生するものであれば、他の構成のものを採用してもよい。例えば、図4に示すように、中間転写ベルト61の一側部を介してLED(Light Emitting Diode)24eと光量センサ24fとを対向配置したものであってもよい。この構成においては、中間転写ベルト61のベルト幅方向への変位によって、LED24eから出射された光を遮る量が変化し、光量センサ24fに入射される光量が変化する。よって、光量センサ24fの出力レベルは、中間転写ベルト61のベルト幅方向への変位量に応じたものとなる。
【0038】
図5は、ステアリングローラ63の一端側(駆動端部側)に設けられた傾斜機構の一部を斜め上方から見たときの斜視図である。
図6は、この傾斜機構の一部を斜め下方から見たときの斜視図である。
本実施形態において、ステアリングローラ63を傾斜させるための動作を行う傾斜機構は、図2に示すとおり、片持ちのワイヤー方式を採用している。以下、具体的に説明する。
ステアリングモータ23は、その出力軸上に駆動プーリ86を備えている。この駆動プーリ86は、巻き取りプーリ87とともにタイミングベルト88を張架している。巻き取りプーリ87は、図7に示すように、タイミングベルト88が巻き付くベルトプーリ部87aと、ワイヤー80の一端(以下「駆動端」という。)が固定されたワイヤープーリ部87bとが、同軸上に一体成型されたものである。ステアリングモータ23が回転駆動して駆動プーリ86が回転すると、タイミングベルト88を介して巻き取りプーリ87が回転し、ワイヤー80の駆動端側がワイヤープーリ部87bに巻き取られる。本実施形態の巻き取りプーリ87は、ベルトプーリ部87aの径よりもワイヤープーリ部87bの径の方が小さく形成されているため、巻き取りプーリ87は減速手段を構成している。
【0039】
図8は、巻き取りプーリ87の近傍を拡大した拡大図である。
本実施形態において、ワイヤー80の駆動端側のワイヤー途中に固定用ボール80bが固定されており、この固定用ボール80bが巻き取りプーリ87の固定用孔87cに嵌り込むことで、ワイヤー80の駆動端側が巻き取りプーリ87のワイヤープーリ部87bに固定されている。より詳しくは、ワイヤープーリ部87bには、ワイヤー80の端部を内部に入れ込むための開口87dが形成されており、その開口87dを介してプーリ内部に入り込んだワイヤー部分は、固定用孔87cが形成されたプーリ端面の開口87eから外部へ出ることができるようになっている。ワイヤー80の駆動端側は、ワイヤープーリ部87bに適当な周回分だけ巻き付いた後、その端部側を開口87dからプーリ内部に入り込み、プーリ端面の開口87eから出して、固定用ボール80bを固定用孔87cに嵌め込むことで、巻き取りプーリ87に固定される。
【0040】
一方で、ワイヤー80の他端側は、動滑車83に巻き付いていて、その端部はワイヤー保持部材84に固定されている。動滑車83は、長尺なローラホルダ81の一端部に回転可能に支持されている。動滑車83が支持されているローラホルダ81の端部とは反対側の端部には、ステアリングローラ63の駆動端部が回転可能に支持されている。このローラホルダ81は、その長尺方向の途中部分が支軸82に回動可能に支持されている。ローラホルダ81は、引っ張りスプリング85により、支軸82を中心として図2中時計回り方向へ付勢する付勢力が付与されている。この引っ張りスプリング85は、ワイヤー80が巻き付いた動滑車83をワイヤー80に張力がかかる図2中上側の向きに変位させる付勢力を付与するので、ワイヤー80に常時安定して適当な張力を付与する張力付与手段として機能する。
【0041】
また、本実施形態において、ワイヤー80の駆動端側は、固定用ボール80bよりも端部側のワイヤー部分80aが、引っ張りバネ89により引っ張られている。このワイヤー部分80a及び引っ張りバネ89は、ステアリングモータ23の駆動トルクを軽減するためのものである。すなわち、ステアリングモータ23を引っ張りスプリング85による付勢力に抗する向きに回転駆動させる場合、ステアリングモータ23には引っ張りスプリング85の付勢力による駆動負荷が加わるが、その回転駆動方向には引っ張りバネ89による付勢力が加わるため、その駆動付加が軽減される。なお、本実施形態では、ステアリングモータ23の駆動トルクを軽減するための手段を、ワイヤー80の一部を利用して構成する例について説明するが、ワイヤー80とは別のワイヤー等の部材を巻き取りプーリ87に固定し、ワイヤー80を巻き取る向きに巻き取りプーリ87を回転させる方向へ当該部材を引っ張るように構成しても同様の効果が得られる。
【0042】
以上の構成をもつ傾斜機構では、ステアリングモータ23が回転駆動してワイヤー80が巻き取りプーリ87に巻き取られる若しくは繰り出されることで動滑車83が変位し、これによりローラホルダ81が支軸82を中心に回動する。その結果、ステアリングローラ63の駆動端部が他端部に対して相対的に変位し、ステアリングローラ63が傾動する。本実施形態のように巻き取りプーリ87にワイヤー80を巻き取るワイヤー方式によれば、ワイヤー80の移動可能量が多く取ることができるため、ステアリングローラ63の傾動範囲すなわち制御可能な傾斜量の範囲を広くとることができる。ただし、ステアリングローラ63の傾動範囲が広すぎて、ローラホルダ81が周囲の部品に干渉する恐れがある場合には、ローラホルダ81の回動範囲を所定範囲に規制する規制手段を設けてもよい。本実施形態では、この規制手段として、図5に示すようにストッパ95が設けられている。
【0043】
また、ワイヤー80の移動可能量が多く取ることができる結果、減速手段を介在させてもステアリングローラ63の傾動範囲を十分に確保することができる。よって、減速手段を介在させてステアリングローラ63の傾斜量を高精度に制御する構成を採用することができる。そのため、本実施形態では、上述した巻き取りプーリ87におけるベルトプーリ部87aとワイヤープーリ部87bとの径比、動滑車83の採用、ローラホルダ81における支軸82から各端部までの長さ比(テコの原理)により、ステアリングモータ23の回転駆動を減速してローラホルダ81に伝達する構成を採用し、ステアリングローラ63の傾斜量の分解能を高め、高精度の傾き制御を可能にしている。
【0044】
更に、本実施形態では、ワイヤー方式を採用しているため、ワイヤーを用いないカム方式に比べて、ステアリングローラ63から離れた位置にステアリングモータ23を配置することができる。よって、ステアリングローラ63の周囲のレイアウト自由度が高い。特に、本実施形態では、片持ちのワイヤー方式を採用しているため、上記特許文献1に記載されたもののようにループ状のワイヤーを用いる方式と比較して、ワイヤーを通すために必要なスペースが小さくて済むことに加え、その取り回しも容易である。
【0045】
ここで、ワイヤー80は、常に一定以上の大きな張力で張架されるため、経時使用により、ワイヤー80が少なからず伸びてしまう。また、想定外の強い外力がワイヤー80に加わることによりワイヤー80が伸びてしまうこともある。このようにワイヤー80が伸びてしまうと、ワイヤー80が伸びる前と後とで、ステアリングローラ63の駆動端部の位置が異なってしまう。この場合、ステアリングモータ23の回転角度が同じでも、ワイヤー80が伸びる前と後とで、ステアリングローラ63の傾斜量が異なってしまうので、ワイヤー80が伸びる前は適切な傾き制御ができていても、ワイヤー80が伸びる後は適切な傾き制御ができない。
【0046】
そこで、本実施形態においては、ステアリングローラ63の傾斜姿勢が予め決められた基準傾斜姿勢である時のステアリングモータ23の回転角度を基準回転角度(動作基準値)とし、その基準回転角度を基準にしてステアリングモータ23の回転角度を制御する。すなわち、ステアリングローラ63の傾斜量を目標の傾斜量とするステアリングモータ23の回転角度は、基準回転角度に対する相対値で制御する。そして、本実施形態では、この基準回転角度を所定の調整タイミングが到来するたびに更新することで、ワイヤー80が伸びてしまっても、これによる制御誤差をリセットして、適正な傾き制御を可能とする。以下、その具体例について説明する。
【0047】
図9は、ベルト駆動装置の制御部分に関わるブロック図である。
ステアリング制御装置21は、ステアリングモータ23の駆動状態を制御するもので、そのためのモータ制御信号(モータドライブ信号)をステアリングモータ23に出力する。ステアリングモータ23としては、その回転角度や回転速度を高精度に制御可能なステッピングモータやリニアモータ等が用いられる。本実施形態では、ステアリングモータ23としてステッピングモータを用いている。また、ステアリング制御装置21には、エッジセンサ24が接続されており、エッジセンサ24からのベルト位置情報(ベルトエッジ信号)が入力される。また、ステアリング制御装置21には、後述する位置検出手段としてのフォトインタラプタ25が接続されており、フォトインタラプタ25からの基準傾斜姿勢情報が入力される。また、ステアリング制御装置21には、後述する記憶手段としての記憶装置22が接続されている。この記憶装置22は、フォトインタラプタ25からの基準傾斜姿勢情報が入力された時のステアリングモータの動作量(回転角度)を基準回転角度(動作基準値)として記憶する。
【0048】
ステアリングローラ63の傾斜姿勢が基準傾斜姿勢となっているかどうかは、ステアリングローラ63の傾斜量に応じて当該ステアリングローラと一体的に変位する変位部材の位置を検出することによって確認される。詳しくは、本実施形態では、ステアリングローラ63の傾動と一体となって回動するローラホルダ81にフィラー91を固定し、これを変位部材として用いる。このフィラー91の移動経路を挟むようにして、位置検出手段としてのフォトインタラプタ25の発光部と受光部が配置されている。このフォトインタラプタ25は、ステアリングローラ63の傾斜姿勢が基準傾斜姿勢である時にフィラー91が位置する箇所に配置される。これにより、ステアリングローラ63の傾斜姿勢が基準傾斜姿勢になった時にフィラー91がフォトインタラプタ25の光路を遮り、受光部の出力レベルが所定値以下となる。フォトインタラプタ25の出力レベルが所定値以下となったときに、ステアリング制御装置21に基準傾斜姿勢情報が入力される。よって、ステアリング制御装置21は、基準傾斜姿勢情報が入力されることで、ステアリングローラ63の傾斜姿勢が実際に基準傾斜姿勢となったかどうかを把握することができる。
【0049】
そして、ステアリング制御装置21は、フォトインタラプタ25からの基準傾斜姿勢情報が入力された時のステアリングモータの動作量(回転角度)を基準回転角度(動作基準値)として、記憶装置22に記憶する。この記憶装置22に記憶される基準回転角度は、所定の調整タイミングが到来するたびに更新される。本実施形態では、プリンタの電源が投入されるタイミングを調整タイミングとしているので、プリンタの電源が投入されるたびに基準回転角度が更新されることになる。したがって、傾斜機構を構成する構成部材であるワイヤー80が何らかの原因で伸びてしまっても、電源が投入されるたびに、その伸びによる制御誤差がリセットされる。
【0050】
図10は、蛇行抑制のための一連の制御の流れを示すフローチャートである。
本プリンタの電源が投入されると(S1)、中間転写ベルト61の走行を開始する前に、ステアリング制御装置21は、ステアリングモータ23を所定の速度で回転駆動させ、ローラホルダ81に固定されたフィラー91をフォトインタラプタ25の光路を遮る位置へ近づかせるホーミング動作を行う(S2)。そして、フィラー91がフォトインタラプタ25の光路を遮り、ステアリング制御装置21にフォトインタラプタ25からの基準傾斜姿勢情報が入力されたら、ステアリング制御装置21は、この時のステアリングモータ23の回転角度を基準回転角度として記憶装置22に記憶する。これにより、記憶装置22内の基準回転角度のデータが更新される(S3)。
【0051】
次に、ステアリング制御装置21は、記憶装置22に記憶されている安定回転角度のデータを読み出し(S4)、この安定回転角度と記憶装置22に記憶した基準回転角度とを用いて、ステアリングモータ23の回転角度を制御し、ステアリングローラ63の傾斜量を、蛇行が抑制された安定時の傾斜量に設定する(S5)。
詳しく説明すると、記憶装置22に記憶されている安定回転角度のデータは、直前に設定されていたステアリングモータ23の回転角度のデータである。本実施形態において、ステアリング制御装置21が制御するステアリングモータ23の回転角度は基準回転角度に対する相対値であるため、記憶装置22に記憶されている安定回転角度のデータは、更新前の基準回転角度(すなわち前回の電源投入時に更新された基準回転角度)に対するステアリングモータ23の相対回転角度を示すものである。ここで、仮に、前回の電源投入時からワイヤー80が伸びている場合、更新前の基準回転角度のデータと安定回転角度のデータとから決まる回転角度にステアリングモータ23の回転角度をそのまま設定すると、ステアリングローラ63の実際の傾斜量は、ワイヤー80が伸びた分だけ目標の傾斜量よりも若干ズレが生じる。そして、このズレが累積されることで、大きな制御誤差が生まれ、中間転写ベルト61の蛇行を安定して抑制することが困難となる。一方、今回の電源投入時に更新した基準回転角度と安定回転角度とから決まる回転角度(絶対回転角度)にステアリングモータ23の回転角度を設定した場合、ワイヤー80が伸びた分のズレは基準回転角度の更新によりリセットされ、ステアリングローラ63の実際の傾斜量は目標の傾斜量と一致する。ワイヤー80が伸びても、ステアリングモータ23の一ステップ当たりの回転角度に対応してステアリングローラ63が傾斜する量は変わらないからである。したがって、記憶装置22に記憶されている安定回転角度のデータと記憶装置22に記憶した更新後の基準回転角度のデータとを用いてステアリングモータ23の回転角度を制御することにより、ステアリングローラ63の傾斜量を、蛇行が抑制された安定時の傾斜量に設定することができる。
【0052】
その後、プリンタはプリントジョブが入力されるのを待機する待機状態となる(S6)。プリントジョブが入力されると、中間転写ベルト61の駆動を開始し(S7)、プリントジョブに従った画像形成動作が行われる(S8)。この画像形成動作中、エッジセンサ24により中間転写ベルト61の幅方向への変位(蛇行)を検出し(S9)、その検出結果から蛇行抑制のために必要なステアリングモータ23の制御量(目標回転角度)を演算し(S10)、その演算結果に基づいてステアリングモータ23の回転角度が目標回転角度となるようにステアリングモータ23の回転角度を制御する(S11)。S9〜S11の傾き制御は、画像形成動作が終了するまで繰り返される(S12)。
【0053】
本実施形態における傾き制御について詳述すると、ステアリングローラ63が水平である状態からステアリングモータ23の出力軸を図2中の反時計回りに回転させると、巻き取りプーリ87によりワイヤー80が巻き取られ、ローラホルダ81がθ1方向に回動する。これにより、ステアリングローラ63の駆動端部がローラホルダ81によって持ち上げられ、その持ち上げ量に応じてステアリングローラ63に傾きが生じる。このとき、ステアリングローラ63に巻き付けられた中間転写ベルト61のベルト幅方向位置は、ステアリングローラ63の駆動端部とは反対側へ変位する。これに対して、ステアリングローラ63が水平である状態からステアリングモータ23の出力軸を図2中の時計回りに回転させると、巻き取りプーリ87からワイヤー80が繰り出され、ローラホルダ81がθ2方向に回動する。これにより、ステアリングローラ63の駆動端部がローラホルダ81によって押し下げられ、その押し下げ量に応じてステアリングローラ63に傾きが生じる。このとき、ステアリングローラ63に巻き付けられた中間転写ベルト61のベルト幅方向位置は、ステアリングローラ63の駆動端部側へ変位する。よって、中間転写ベルト61のベルト幅方向への変位(位置変動)を上述のエッジセンサ24によって検出し、その検出結果を基にステアリングモータ23を駆動してステアリングローラ63の傾きを適宜制御することにより、中間転写ベルト61の蛇行を修正することが可能となる。
【0054】
画像形成動作が終了したら、この時点におけるステアリングモータ23の回転角度(相対回転角度)を、安定回転角度として記憶装置22に保存するとともに(S13)、中間転写ベルト61の駆動を停止する(S14)。そして、電源がオフにされるまで(S15)、本プリンタはプリントジョブが入力されるのを待機する待機状態となる(S6)。
【0055】
〔変形例1〕
次に、上記実施形態におけるベルト駆動装置の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図11は、本変形例1に係るベルト駆動装置の概略構成を示す説明図である。
上述した実施形態における構成では、引っ張りスプリング85によってローラホルダ81が常にθ2方向へ付勢されており、ステアリングローラ63の傾斜姿勢を維持するためには、ステアリングモータ23は常時電流を流しておき、この付勢力に抗する駆動力を常に発生させておく必要がある。そこで、本変形例1では、ステアリングモータ23からの駆動力がなくてもステアリングローラ63の傾斜姿勢を維持できる構成を採用している。
【0056】
具体的には、図11に示すように、ステアリングモータ23の出力軸上には駆動プーリ86に代えてウォーム92を設けるとともに、巻き取りプーリ87にはベルトプーリ部87aに代えてウォームホイールを設けて、ステアリングモータ23の駆動力伝達経路上にウォームギヤを構成する。この構成においては、ウォーム92にステアリングモータ23からの回転駆動が加わると、巻き取りプーリ87に設けられたウォームホイールが回転するが、巻き取りプーリ87側のウォームホイールに回転駆動力が加わってもウォーム92が回転することがない。したがって、引っ張りスプリング85によってローラホルダ81が常にθ2方向へ付勢されていて、ワイヤー80に繰り出し方向への張力が加わっていても、ウォームギヤによりワイヤー80の繰り出しがロックされる。よって、本変形例によれば、ステアリングローラ63の傾斜姿勢を変更するためにステアリングモータ23を回転駆動させる時にだけステアリングモータ23に電流を流せばよく、ステアリングローラ63の傾斜姿勢を維持する間はステアリングモータ23に電流を流さなくてもよい。
【0057】
なお、本変形例1では、ウォームギヤを用いた例について説明したが、ウォームギヤに代えて、NTN社などから提供されるトルクダイオードを用いても同様の効果が得られる。
【0058】
〔変形例2〕
次に、上記実施形態におけるベルト駆動装置の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
図12は、本変形例2に係るベルト駆動装置の概略構成を示す説明図である。
上記実施形態では、ワイヤー80を引っ張る又は送り出すための構成が、ワイヤー80の一端を巻き取りプーリ87に巻き取る又は繰り出す巻き取り方式であった。これに対し、本変形例2では、ワイヤー変位部としての偏心カム93を用いて、ワイヤー張力方向に対して傾斜する方向(本変形例2ではワイヤー張力方向に対して略直交する方向)へワイヤー80の一部を変位させることにより、ワイヤー80を引っ張る又は送り出す方式を採用する。
【0059】
具体的には、図12に示すように、ワイヤー80の両端を2つのワイヤー保持部材84a,84bにそれぞれ固定する。また、ステアリングモータ23の出力軸上には、駆動プーリ86に代えて偏心カム93を設け、この偏心カム93のカム面にワイヤー80を張架させる。この構成においては、偏心カム93の回転角度に応じて、偏心カム93のカム面に巻き付いたワイヤー部分がワイヤー張力方向に対して略直交する方向へ変位する量が変わる。そして、このワイヤー部分が変位すると、これに応じて動滑車83が変位し、ローラホルダ81が回動してステアリングローラ63が傾斜する。よって、本変形例2においても、ステアリングモータ23の回転角度を制御することで、ステアリングローラ63の傾斜量を制御することができる。そして、本変形例2においても、ワイヤー80が何らかの原因で伸びてしまっても、電源が投入されるたびに、その伸びによる制御誤差がリセットされる。
【0060】
なお、本変形例2の方式では、ステアリングローラ63の傾動範囲すなわち制御可能な傾斜量の範囲は、偏心カム93が半周する間にワイヤー80を引っ張る又は送り出すことができる範囲に相当する範囲内に制限される。ステアリングローラ63の制御可能な傾斜量の範囲の広さという観点では、上述した巻き取り式の方が有利である。
また、本変形例2においては、偏心カム93の回転角度とステアリングローラ63の傾斜量との関係が非線形の関係である場合、偏心カム93の回転角度とステアリングローラ63の傾斜量との関係を予め把握しておく必要がある。よって、この場合には、記憶装置22に、偏心カム93の回転角度とステアリングローラ63の傾斜量との関係を示すデータを予め記憶しておく必要がある。
【0061】
〔変形例3〕
次に、上記実施形態におけるベルト駆動装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図13は、本変形例3に係るベルト駆動装置の概略構成を示す説明図である。
本変形例3に係るベルト駆動装置も、上記変形例2と同様に、ワイヤー張力方向に対して傾斜する方向(本変形例2ではワイヤー張力方向に対して略直交する方向)へワイヤー80の一部を変位させることにより、ワイヤー80を引っ張る又は送り出す方式を採用するが、そのワイヤー変位部の構成が異なっている。
【0062】
具体的には、図13に示すように、ワイヤー変位部として偏心カム93ではなく、ステアリングモータ23の直動する軸(ボールネジなど)に取り付けられた可動プーリ94を用いる。ステアリングモータ23の軸は、その回転量に応じて直動するものである。可動プーリ94にはワイヤー80が張架されており、ステアリングモータ23の回転量に応じて可動プーリ94の変位量が変わり、可動プーリ94に巻き付いたワイヤー部分がワイヤー張力方向に対して略直交する方向へ変位する量が変わる。そして、このワイヤー部分が変位すると、これに応じて動滑車83が変位し、ローラホルダ81が回動してステアリングローラ63が傾斜する。よって、本変形例3においても、ステアリングモータ23の回転角度を制御することで、ステアリングローラ63の傾斜量を制御することができる。そして、本変形例3においても、ワイヤー80が何らかの原因で伸びてしまっても、電源が投入されるたびに、その伸びによる制御誤差がリセットされる。
【0063】
なお、本変形例3においては、図13に示すように、可動プーリ94の変位方向と、その可動プーリ94から動滑車83側のワイヤー部分の張力方向とが略一致するように構成されている。これらの方向が大きく異なる構成では、可動プーリ94が変位するにつれて、可動プーリ94の変位方向と当該ワイヤー部分の張力方向との角度関係が変動することになる。この角度関係が変動すると、可動プーリ94の変位量とワイヤーの引っ張り量又は送り出し量との関係が変化してしまう。これでは、可動プーリ94の変位量に応じて、ステアリングモータ23の一ステップ当たりの回転角度に対応してステアリングローラ63が傾斜する量が変化してしまい、傾き制御が複雑化してしまう。これに対し、本変形例3の構成では、可動プーリ94の変位方向と当該ワイヤー部分の張力方向とが略一致するため、可動プーリ94を変位させても、これらの方向の角度関係が維持される。よって、可動プーリ94が変位したときの、ステアリングモータ23の一ステップ当たりの回転角度に対応してステアリングローラ63が傾斜する量の変化が無視できるほど軽減でき、傾き制御が複雑化することがない。
【0064】
〔変形例4〕
次に、上記実施形態におけるベルト駆動装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例4」という。)について説明する。
本変形例4に係るベルト駆動装置は、ワイヤー方式ではなく、ワイヤー方式のワイヤーに代えてタイミングベルトを用いたタイミングベルト方式を採用している。タイミングベルト方式は、その制御方法等のようにワイヤー方式と共通する構成が多いので、以下の説明ではワイヤー方式と異なる点についてのみ説明する。
【0065】
図14は、本変形例4に係るベルト駆動装置の概略構成を示す説明図である。
図15は、このベルト駆動装置において、ベルトステアリングローラ63の一端側(駆動端部側)に設けられた傾斜機構の一部を斜め上方から見たときの斜視図である。
図16は、この傾斜機構の一部を斜め下方から見たときの斜視図である。
本変形例4において、巻き取りプーリ87には、ワイヤー80の代わりに、傾斜制御用タイミングベルト96の一端(以下「駆動端」という。)が固定されている。ステアリングモータ23が回転駆動して駆動プーリ86が回転すると、タイミングベルト88を介して巻き取りプーリ87が回転し、傾斜制御用タイミングベルト96の駆動端側が巻き取りプーリ87に巻き取られ、傾斜制御用タイミングベルト96が牽引駆動される。
【0066】
一方、傾斜制御用タイミングベルト96の他端側は、タイミングベルト張架部材としてのタイミングプーリである動滑車83に張架されており、その端部はタイミングベルト保持部材84に固定されている。動滑車83は、長尺なローラホルダ81の一端部に回転可能に支持されている。動滑車83が支持されているローラホルダ81の端部とは反対側の端部には、ステアリングローラ63の駆動端部が回転可能に支持されている。このローラホルダ81は、その長尺方向の途中部分が支軸82に回動可能に支持されている。ローラホルダ81は、反力付与手段としての引っ張りスプリング85により、支軸82を中心として図14中時計回り方向へ付勢する付勢力が付与されている。この引っ張りスプリング85は、傾斜制御用タイミングベルト96を張架する動滑車83を、傾斜制御用タイミングベルト96に張力がかかる図14中上側の向きに変位させる付勢力を付与するので、傾斜制御用タイミングベルト96には常時安定して適当な張力が付与される。
【0067】
また、本変形例4において、上述したワイヤー部分80aに相当するワイヤー97は、傾斜制御用タイミングベルト96とは別部材であり、その引張構成が後述するように多少相違するものの、その機能は上述したワイヤー部分80aと同様である。すなわち、ワイヤー97は、その一端が固定されていて、他端が巻き取りプーリ87に取り付けられている。そして、ワイヤー97は、引っ張りバネ99により付勢力が付与されているテンションプーリ97aに張架された状態で配置されている。このワイヤー97、テンションプーリ97a及び引っ張りバネ99は、ステアリングモータ23の駆動トルクを軽減するためのものである。
【0068】
以上の構成をもつ傾斜機構では、ステアリングモータ23が回転駆動して傾斜制御用タイミングベルト96が巻き取りプーリ87に巻き取られる若しくは繰り出されることで動滑車83が変位し、これによりローラホルダ81が支軸82を中心に回動する。その結果、ステアリングローラ63の駆動端部が他端部に対して相対的に変位し、ステアリングローラ63が傾動する。
本変形例4のように、傾斜制御用タイミングベルト96を用いたタイミングベルト方式では、ワイヤー方式のワイヤーに代えて、プーリのギヤ部と噛み合う噛合部がベルト面にわたって設けられた傾斜制御用タイミングベルト96を用いる。このような傾斜制御用タイミングベルト96を用いることで、傾斜制御用タイミングベルト96を牽引駆動するための駆動力を付与する箇所は、その駆動端に限られず、その駆動端とタイミングベルト保持部材84に固定された箇所との間(中間部分)でもよい。すなわち、傾斜制御用タイミングベルト96の場合、ベルト面上に設けられた噛合部に駆動プーリのギヤ部を噛み合わせることで、当該駆動プーリからの回転駆動力を傾斜制御用タイミングベルト96へ適切に伝達することができる。よって、中間部分に駆動プーリを設けても、傾斜制御用タイミングベルト96の姿勢を変化させることなく、傾斜制御用タイミングベルト96の牽引駆動を実現できる。これに対し、ワイヤー方式のワイヤーの場合、このような噛合部が存在しないので、ワイヤー中間部分に対して駆動プーリからの回転駆動力を適切に伝達することはできない。本変形例4によれば、中間部分に駆動プーリを設けても、傾斜制御用タイミングベルト96の姿勢を変化させることなく、傾斜制御用タイミングベルト96の牽引駆動を実現できることにより、レイアウトや構成の自由度が高まるという効果がある。
なお、本変形例4においても、上述した変形例1〜3の構成を適宜採用可能であることは言うまでもない。
【0069】
以上、本実施形態(各変形例を含む。)に係るプリンタは、複数の支持ローラ63,67,68,69,71等により張架支持された無端ベルトである中間転写ベルト61の外周面上に形成した画像を最終的に記録材としての記録紙Pに転移させてその記録紙P上に画像を形成するものである。このプリンタは、中間転写ベルト61を走行させるためのベルト駆動手段として、ベルト蛇行修正用のステアリングローラ63を含む複数の支持ローラ63,67,68,69,71等により張架支持された中間転写ベルト61と、駆動源であるステアリングモータ23からの駆動力によりステアリングローラ63を傾斜させるための動作を行う傾斜機構と、中間転写ベルト61のベルト幅方向への変位を検出するベルト幅方向変位検出手段としてのエッジセンサ24と、エッジセンサ24の検出結果に基づいてステアリングローラ63の傾斜量を決定し、ステアリングローラ63の傾斜量が決定した傾斜量となるように傾斜機構の動作(ステアリングモータ23の回転動作)を制御する傾斜制御手段としてのステアリング制御装置21を有し、ステアリングローラ63の傾斜量を変更することにより中間転写ベルト61の蛇行を修正するベルト駆動装置を用いている。このベルト駆動装置は、ステアリングローラ63の傾斜量に応じてステアリングローラ63と一体的に変位する変位部材としてのフィラー91と、ステアリングローラ63が予め決められた基準傾斜姿勢となっているときのフィラー91の位置を検出する位置検出手段としてのフォトインタラプタ25と、傾斜機構の動作基準値であるステアリングモータ23の基準回転角度を記憶する記憶手段としての記憶装置22とを有し、ステアリング制御装置21は、所定の調整タイミング(電源投入時)が到来するたびに、フォトインタラプタ25の検出結果に基づいてステアリングローラ63が基準傾斜姿勢となるようにステアリングモータ23を回転駆動させ、この時のステアリングモータ23の回転角度を基準回転角度として記憶装置22に保存する動作基準値保存手段として機能するとともに 記憶装置22に記憶されている基準回転角度を基準にしてステアリングモータ23の回転動作を制御する。これにより、傾斜機構の構成部材であるワイヤー80や傾斜制御用タイミングベルト96が何らかの原因で伸びてしまい、これにより、ステアリングローラ63の傾斜量が同じとなるようにステアリングモータ23の回転角度を制御してもその伸びの前後でステアリングローラ63の実際の傾斜量が異なってくるというような制御誤差が生じても、電源投入時(所定の調整タイミング)が到来するたびに、その制御誤差がリセットされる。よって、本実施形態(各変形例を含む。)によれば、ワイヤー80や傾斜制御用タイミングベルト96が何らかの原因で伸びて制御誤差が生じても、その制御誤差を適宜リセットして、ステアリングローラ63の適正な傾き制御を継続することができる。
また、上記変形例1においては、ステアリングモータ23からの駆動力がなくてもステアリングローラ63の傾斜姿勢を維持する姿勢維持手段を有する。具体的には、この姿勢維持手段として、ステアリングモータ23からの駆動力伝達経路上に設けられ、ステアリングモータ23に接続された入力軸に回転駆動力が加わると出力軸が回転するが、出力軸に回転駆動力が加わっても入力軸が回転しないように構成された、ウォームギヤが設けられている。これにより、ステアリングローラ63の傾斜姿勢を変更するためにステアリングモータ23を回転駆動させる時にだけステアリングモータ23に電流を流せばよく、ステアリングローラ63の傾斜姿勢を維持する間はステアリングモータ23に電流を流さなくてもよい。よって、消費電力量を抑制することができる。
また、本実施形態(変形例1〜3を含む。)では、ワイヤー80と、ワイヤー80に張力を付与する張力付与手段としての引っ張りスプリング85と、ステアリングモータ23の駆動量に応じた分の移動量だけワイヤー80を移動させるワイヤー駆動部材(巻き取りプーリ87等、ウォームギヤ、偏心カム93、可動プーリ94)を有し、ワイヤー80の移動に応じてステアリングローラ63が傾斜するように構成されており、ステアリング制御装置21は、ステアリングモータ23の回転角度(駆動量)を制御することで傾斜機構の動作を制御する。このようなワイヤー方式を採用することで、ワイヤーを用いないカム方式に比べて、ステアリングローラ63から離れた位置にステアリングモータ23を配置することができる。よって、ステアリングローラ63の周囲のレイアウト自由度が高い。
特に、本実施形態(変形例1〜3を含む。)では、ワイヤー80の一端側がステアリングローラ63に接続され、ワイヤー80の他端側がワイヤー駆動部材に接続された構成となっている。このような構成を採用することで、特許文献1に記載されたもののようにループ状のワイヤーを用いる方式と比較して、ワイヤーを通すために必要なスペースが小さくて済むことに加え、その取り回しも容易である。
また、上記実施形態や上記変形例1においては、ワイヤー駆動部材が、ワイヤー80の他端側(駆動端部側)を巻き付けるワイヤー巻付部としての巻き取りプーリ87を有し、ステアリングモータ23の駆動量に応じた分の移動量だけワイヤー80の駆動端部側を巻き取りプーリ87に巻き付ける構成であるため、ステアリングローラ63の傾動範囲すなわち制御可能な傾斜量の範囲を広くとることができる。
また、上記変形例2や上記変形例3のように、ワイヤー駆動部材が、ワイヤー張力方向に対して傾斜する方向へワイヤー80の一部を変位させるワイヤー変位部としての偏心カム93、可動プーリ94を有し、ステアリングモータ23の駆動量に応じた分の移動量だけ偏心カム93、可動プーリ94を変位させる構成であっても、同様の傾き制御が可能である。
また、上記変形例4においては、傾斜機構が、タイミングベルトである傾斜制御用タイミングベルト96と、ステアリングモータ23の駆動量に応じた分の移動量だけ傾斜制御用タイミングベルト96を牽引駆動させるタイミングベルト駆動部材(巻き取りプーリ87等)と、傾斜制御用タイミングベルト96が牽引駆動されることでステアリングローラ63に作用する力に抗する向きの力をステアリングローラ63に対して付与する反力付与手段としての引っ張りスプリング85とを有し、傾斜制御用タイミングベルト96の移動に応じてステアリングローラ63が傾斜するように構成されたものであり、ステアリング制御装置21は、ステアリングモータ23の回転角度(駆動量)を制御することで傾斜機構の動作を制御する。このようなタイミングベルト方式を採用することで、ワイヤー方式と同様、カム方式に比べてステアリングローラ63から離れた位置にステアリングモータ23を配置することができる。よって、ステアリングローラ63の周囲のレイアウト自由度が高い。しかも、タイミングベルト方式であれば、傾斜制御用タイミングベルト96の中間部分に駆動プーリを設けても、傾斜制御用タイミングベルト96の姿勢を変化させることなく、傾斜制御用タイミングベルト96の牽引駆動を実現できる点で、ワイヤー方式よりも優れている。
特に、上記変形例4において、傾斜機構は、傾斜制御用タイミングベルト96の一部がタイミングベルト保持部材84に固定され、傾斜制御用タイミングベルト96における当該固定部分と上記タイミングベルト駆動部材からの牽引駆動力が伝達される部分(巻き取りプーリ87に巻き取られる部分)との間で、ステアリングローラ63と一体的に変位するタイミングベルト張架部材としての動滑車83が傾斜制御用タイミングベルト96を張架しており、かつ、傾斜制御用タイミングベルト96の移動に応じて動滑車83が変位する構成となっている。
また、本実施形態(各変形例を含む。)では、傾斜機構の動作範囲を所定範囲に規制する規制手段として、ローラホルダ81の回動を規制するストッパ95が設けられている。これにより、傾斜機構を構成するローラホルダ81等が周囲の部品に干渉することを防止することができる。
また、本実施形態(各変形例を含む。)において、傾斜機構を構成する構成部材は、中間転写ベルト61の内周面に囲まれた空間内に配置されている。中間転写ベルト61の内周面に囲まれた空間は、一般にデッドスペースとなりやすいため、そのような空間を有効活用することで、省スペース化を図ったり、装置の大型化を抑制したりすることができる。
また、本実施形態(各変形例を含む。)において、少なくとも、中間転写ベルト61を張架支持する複数の支持ローラ63,67,68,69,71、中間転写ベルト61、傾斜機構及びフィラー91を支持する転写ユニット60は、プリンタ本体に対して一体的に着脱可能に構成されたユニット構造となっている。
【0070】
なお、本実施形態(各変形例を含む。)においては、無端ベルトとして中間転写ベルト61を用いた例について説明したが、本発明は、無端状の感光体ベルトや用紙搬送ベルト等を用いた画像形成装置にも同様に適用可能であり、また画像形成装置以外の他の装置(ベルトコンベア等)のベルト駆動装置としても適用可能である。
【符号の説明】
【0071】
21 ステアリング制御装置
22 記憶装置
23 ステアリングモータ
24 エッジセンサ
25 フォトインタラプタ
60 転写ユニット
61 中間転写ベルト
63 ステアリングローラ
67 駆動ローラ
80 ワイヤー
81 ローラホルダ
83 動滑車
86 駆動プーリ
87 巻き取りプーリ
87a ベルトプーリ部
87b ワイヤープーリ部
88 タイミングベルト
91 フィラー
93 偏心カム
94 可動プーリ
95 ストッパ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】特開平9−48533号公報
【特許文献2】特開2007−3647号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト蛇行修正用のステアリングローラを含む複数の支持ローラにより張架支持された無端ベルトと、
駆動源からの駆動力により該ステアリングローラを傾斜させるための動作を行う傾斜機構と、
該無端ベルトのベルト幅方向への変位を検出するベルト幅方向変位検出手段と、
該ベルト幅方向変位検出手段の検出結果に基づいて、該ステアリングローラの傾斜量を決定し、該ステアリングローラの傾斜量が決定した傾斜量となるように該傾斜機構の動作を制御する傾斜制御手段とを有し、
該ステアリングローラの傾斜量を変更することにより該無端ベルトの蛇行を修正するベルト駆動装置において、
上記ステアリングローラの傾斜量に応じて該ステアリングローラと一体的に変位する変位部材と、
該ステアリングローラが予め決められた基準傾斜姿勢となっているときの該変位部材の位置を検出する位置検出手段とを有し、
上記傾斜制御手段は、所定の調整タイミングが到来するたびに、該位置検出手段の検出結果に基づいて該ステアリングローラが該基準傾斜姿勢となるように上記傾斜機構を動作させ、この時の傾斜機構の動作量を動作基準値とし、この動作基準値を基準にして上記傾斜機構の動作を制御することを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項2】
請求項1のベルト駆動装置において、
上記傾斜機構の動作基準値を記憶する記憶手段を有し、
上記傾斜制御手段は、所定の調整タイミングが到来したときに上記ステアリングローラが上記基準傾斜姿勢となるように上記傾斜機構を動作させた時の該傾斜機構の動作量を動作基準値として上記記憶手段に保存し、該記憶手段に記憶されている動作基準値を基準にして上記傾斜機構の動作を制御することを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項3】
請求項1又は2のベルト駆動装置において、
上記駆動源からの駆動力がなくても上記ステアリングローラの傾斜姿勢を維持する姿勢維持手段を有することを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項4】
請求項3のベルト駆動装置において、
上記姿勢維持手段は、上記駆動源からの駆動力伝達経路上に設けられ、該駆動源に接続された入力軸に回転駆動力が加わると出力軸が回転するが、該出力軸に回転駆動力が加わっても入力軸が回転しないように構成された、ウォームギヤ又はトルクダイオードによって構成されていることを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のベルト駆動装置において、
上記傾斜機構は、ワイヤーと、該ワイヤーに張力を付与する張力付与手段と、上記駆動源の駆動量に応じた分の移動量だけ該ワイヤーを移動させるワイヤー駆動部材とを有し、該ワイヤーの移動に応じて上記ステアリングローラが傾斜するように構成されたものであり、
上記傾斜制御手段は、上記駆動源の駆動量を制御することで上記傾斜機構の動作を制御するものであることを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項6】
請求項5のベルト駆動装置において、
上記傾斜機構は、上記ワイヤーの一端側が上記ステアリングローラに接続され、該ワイヤーの他端側が上記ワイヤー駆動部材に接続された構成となっていることを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項7】
請求項6のベルト駆動装置において、
上記ワイヤー駆動部材は、上記ワイヤーの他端側を巻き付けるワイヤー巻付部を有し、上記駆動源の駆動量に応じた分の移動量だけ該ワイヤーの他端側を該ワイヤー巻付部に巻き付ける構成であることを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項8】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のベルト駆動装置において、
上記傾斜機構は、タイミングベルトと、上記駆動源の駆動量に応じた分の移動量だけ該タイミングベルトを牽引駆動させるタイミングベルト駆動部材と、該タイミングベルトが牽引駆動されることで上記ステアリングローラに作用する力に抗する向きの力を該ステアリングローラに対して付与する反力付与手段とを有し、該タイミングベルトの移動に応じて該ステアリングローラが傾斜するように構成されたものであり、
上記傾斜制御手段は、上記駆動源の駆動量を制御することで上記傾斜機構の動作を制御するものであることを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項9】
請求項8のベルト駆動装置において、
上記傾斜機構は、上記タイミングベルトの一部が固定され、該タイミングベルトにおける当該固定部分と上記タイミングベルト駆動部材からの牽引駆動力が伝達される部分との間で、上記ステアリングローラと一体的に変位するタイミングベルト張架部材が該タイミングベルトを張架しており、かつ、該タイミングベルトの移動に応じて該タイミングベルト張架部材が変位する構成となっていることを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項10】
請求項9のベルト駆動装置において、
上記タイミングベルト張架部材は、動滑車で構成されたタイミングプーリであることを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項11】
請求項5乃至10のいずれか1項に記載のベルト駆動装置において、
上記駆動源は、ステッピングモータであることを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項12】
請求項5乃至10のいずれか1項に記載のベルト駆動装置において、
上記駆動源は、リニアモータであることを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項13】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のベルト駆動装置において、
上記ワイヤー駆動部材は、ワイヤー張力方向に対して傾斜する方向へ上記ワイヤーの一部を変位させるワイヤー変位部を有し、上記駆動源の駆動量に応じた分の移動量だけ該ワイヤー変位部を変位させる構成であることを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1項に記載のベルト駆動装置において、
上記傾斜機構の動作範囲を所定範囲に規制する規制手段を有することを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか1項に記載のベルト駆動装置において、
上記傾斜機構は、上記無端ベルトの内周面に囲まれた空間内に配置されていることを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか1項に記載のベルト駆動装置において、
少なくとも、上記複数の支持ローラ、上記無端ベルト、上記傾斜機構及び上記変位部材を支持し、装置本体に対して一体的に着脱可能に構成されたユニット構造を有することを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項17】
複数の支持ローラにより張架支持された無端ベルトの外周面上に形成した画像を最終的に記録材に転移させて該記録材上に画像を形成するか、又は、複数の支持ローラにより張架支持された無端ベルトの外周面に担持された記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
上記無端ベルトを走行させるためのベルト駆動手段として、請求項1乃至16のいずれか1項に記載のベルト駆動装置を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−118326(P2011−118326A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16189(P2010−16189)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】