説明

ベンゾイミダゾール単位を含む三環式N−ヘテロアリール−カルボキサミド誘導体、それらの調製方法およびそれらの治療上の使用

本発明は、塩基もしくは酸との付加塩の状態に加えて水和物もしくは溶媒和物の形態にもある、一般式(I)の、ベンゾイミダゾール単位を含む三環式N−ヘテロアリール−カルボキサミド誘導体に関し、式中:Aは、それが結合するベンゾイミダゾール単位のC−N結合と共に、ベンゾイミダゾール単位の窒素原子を含めてO、SもしくはNのうちで選択される1から3個のヘテロ原子を含む、4から7員の単環式複素環もしくは単環式ヘテロアリールを表し;Pは、N、OもしくはSのうちで選択される1から6個のヘテロ原子を含む、8、9、10、11員の二環式複素環もしくは二環式ヘテロアリールを表し;Rは、同一であるもしくは異なる、1から4の原子もしくは基を表し;Yは酸素もしくは硫黄原子を表し;Rは、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキルもしくはC−C−アルコキシ基を表し;Rは、同一であるもしくは異なる、1から3の原子もしくは基を表す。本発明はこれらの化合物の調製方法およびそれらの治療上の使用にも関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンゾイミダゾール単位を含む三環式N−ヘテロアリール−カルボキサミド誘導体、それらの調製およびそれらの治療上の使用に関する。
【0002】
本発明の主題の1つは、インビトロおよびインビボでTRPV1(もしくはVR1)型受容体に対してアンタゴニストもしくはアゴニスト活性を有する、ベンゾイミダゾール単位を含む三環式N−ヘテロアリールカルボキサミドから誘導される化合物である。
【発明の開示】
【0003】
本発明の主題の1つは、式(I)
【0004】
【化15】

に相当する化合物であり、式中:
Aは、それが縮合しているベンゾイミダゾール単位のC−N結合と共に、ベンゾイミダゾール単位の窒素原子を含めてO、SおよびNから選択される1から3個のヘテロ原子を含む、4から7員の単環式複素環もしくは単環式ヘテロアリールであり;
PはN、OおよびSから選択される1から6個のヘテロ原子を含む、8、9、10もしくは11員の二環式複素環もしくは二環式ヘテロアリールであり;Pは炭素原子によって−C(Y)−基に連結し;
ただし、Aが7員の飽和複素環であるとき、Pは2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキサン基、1−ベンゾピラン−2−オン基およびイソインドール基以外であり;
は、水素原子、ハロゲン原子、およびオキソ、チオ、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリールオキシ−C−C−アルキル、ヘテロアリールオキシ−C−C−アルキル、アリール−C−C−アルキレンオキシ−C−C−アルキル、ヘテロアリール−C−C−アルキレンオキシ−C−C−アルキル、アリールチオ−C−C−アルキル、ヘテロアリールチオ−C−C−アルキル、アリール−C−C−アルキレンチオ−C−C−アルキル、ヘテロアリール−C−C−アルキレンチオ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレンオキシ、C−C−フルオロアルコキシ、シアノ、C(O)NR、ニトロ、NR、C−C−チオアルキル、C−C−シクロアルキルチオ、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレンチオ、−S(O)−C−C−アルキル、−S(O)−C−C−シクロアルキル、−S(O)−C−C−アルキレン−C−C−シクロアルキル、C−C−アルキル−S(O)−、C−C−フルオロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−S(O)−、SONR、SF、NRC(O)R、NRSO、RNC(O)−C−C−アルキレン、アリール、ヘテロアリール、アリール−C−C−アルキレン、ヘテロアリール−C−C−アルキレン、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールオキシもしくはヘテロアリールチオ基から選択される、同一または異なる、1から4個の原子もしくは基であり;
の前記ヘテロアリールもしくはアリール基は、互いに同一または異なる、1個以上の置換基Rで場合により置換され;
ただし、RがPの窒素原子に結合するとき、Rはハロゲン原子、ならびにオキソ、チオ、シアノ、ニトロ、SF、NR、C−C−チオアルキル、チオアリール、チオヘテロアリール、C−C−アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−NRCORおよびNRSO基とは異なり;
Yは酸素もしくは硫黄原子であり;
は、水素原子、ハロゲン原子、またはC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキルもしくはC−C−アルコキシ基であり;
は、Rが炭素原子によって坦持されるとき、水素原子、ハロゲン原子、およびC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、ヒドロキシル、C−C−アルコキシ、C−C−シクロアルキルオキシもしくはC−C−シクロアルキル−C−C−アルキレンオキシ基から選択される、同一または異なる、1から3個の原子もしくは基であり;
または
は、Rが窒素原子によって坦持されるとき、水素原子、ハロゲン原子、およびC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C(O)−、C−C−アルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−C(O)−、C−C−フルオロアルキル−C(O)−、アリール−S(O)−、C−C−アルキル−S(O)−、C−C−フルオロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−S(O)−、C−C−アルキル−O−C(O)−、アリール−C−C−アルキル−O−C(O)−、C−C−シクロアルキル−O−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−O−C(O)−、C−C−フルオロアルキル−O−C(O)−、アリール−O−C(O)−もしくはヘテロアリール−O−C(O)−基から選択される、同一または異なる、1から2個の原子もしくは基であり;
およびRは、互いに独立に、水素原子またはC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、アリール−C−C−アルキレンもしくはアリール基であり;
または、RおよびRは、それらを坦持する窒素原子と共に、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジンもしくはホモピペラジン基を形成し、NR基は、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、アリール−C−C−アルキレン、アリール、ヘテロアリール、アリール−S(O)−、C−C−アルキル−S(O)−、C−C−フルオロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−S(O)−、アリール−C(O)−、C−C−アルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−C(O)−、C−C−フルオロアルキル−C(O)−、ヒドロキシル、C−C−アルキルオキシ、C−C−フルオロアルキル、アリールオキシ−C−C−アルキレン、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ−C−C−アルキレンもしくはヘテロアリールオキシ基で場合により置換され;
およびRは、互いに独立に、水素原子、またはC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、アリール−C−C−アルキレンもしくはアリール基であり;
または、RおよびRは一緒になって、それらを坦持する窒素原子およびC(O)基を含む、4から7員のラクタムを形成し;
は、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、アリール−C−C−アルキレンもしくはアリール基であり;
または、RおよびRは一緒になって、それらを坦持する窒素原子およびS(O)基を含む、4から7員のスルタムを形成し;
は、ハロゲン原子、またはC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、ニトロ、シアノ、NR、RN−C−C−アルキレン、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールオキシもしくはヘテロアリールチオ基であり、前記ヘテロアリールもしくはアリール基は、ハロゲン原子、およびC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロ−アルコキシ、ニトロ、シアノ、NRもしくはRN−C−C−アルキレン基から選択される1個以上の置換基で場合により置換される。
【0005】
式(I)の化合物において、
複素環Aの硫黄原子は酸化形態(S(O)もしくはS(O))にあってもよく;
窒素原子は酸化形態(N−オキシド)にあってもよい。
【0006】
式(I)の化合物は1個以上の非対称炭素原子を含むことができる。したがって、それらは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体の形態で存在し得る。これらの鏡像異性体およびジアステレオ異性体、ならびに、ラセミ混合物を含めてそれらの混合物は、本発明の一部である。
【0007】
式(I)の化合物は塩基の形態もしくは酸との付加塩の形態で存在し得る。そのような付加塩は本発明の一部である。
【0008】
これらの塩は医薬的に許容される酸で調製することができるが、例えば式(I)の化合物の精製もしくは単離に用いることができる、他の酸の塩も本発明の一部である。
【0009】
式(I)の化合物は、水和物もしくは溶媒和物の形態、すなわち、水もしくは溶媒の1以上の分子との会合もしくは組み合わせの形態でも存在し得る。そのような水和物および溶媒和物も本発明の一部である。
【0010】
本発明の脈絡において、用語:
「ハロゲン原子」はフッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素を意味させようとするものである;
「C−C」はtからz個の炭素原子を有することができ、tおよびzは1から7の値を有することができる、炭素系の鎖を意味させようとするものであり;例えば、C−Cは1から3個の炭素原子を有することができる炭素系の鎖である;
「アルキル」は直鎖もしくは分岐鎖飽和脂肪族基を意味させようとするものである。例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル等の基を挙げることができる;
「アルキレン」は直鎖もしくは分岐鎖飽和二価アルキル基を意味させようとするものであり、例えば、C1−3−アルキレン基は、1から3個の炭素原子を有する、直鎖もしくは分岐鎖二価炭素系鎖、特には、メチレン、エチレン、1−メチル−エチレンもしくはプロピレンである;
「シクロアルキル」は環状アルキル基を意味させようとするものである。例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の基を挙げることができる;
「フルオロアルキル」は、水素原子の1個以上がフッ素原子で置換されている、アルキル基を意味させようとするものである;
「アルコキシ」は、アルキル基が上に定義される通りである、−O−アルキルラジカルを意味させようとするものである;
「フルオロアルコキシ」は、水素原子の1個以上がフッ素原子で置換されている、アルコキシ基を意味させようとするものである;
「チオアルキルもしくはアルキルチオ」は、アルキル基が上に定義される通りである、−S−アルキルラジカルを意味させようとするものである;
「アリール」は、6から10個の炭素原子を含む、単環式もしくは二環式芳香族基を意味させようとするものである。アリール基の例として、フェニルもしくはナフチル基を挙げることができる;
「複素環」は、O、SおよびNから選択される1から8個のヘテロ原子を含む、5から17員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式、二環式もしくは三環式基を意味させようとするものである。単環式複素環の例として、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼピニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロピロリルもしくはテトラヒドロピリジニル基を挙げることができ;二環式複素環の例として、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリニル、ジヒドロイソベンゾフラニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロイソベンゾチアゾリル、ジヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジヒドロベンゾキサジニル、ベンゾチアジニル、ジヒドロベンゾチアジニル、ジヒドロキナゾリニル、テトラヒドロキナゾリニル、ジヒドロキノキサリニル、テトラヒドロキノキサリニル、ジヒドロフタラジニル、テトラヒドロフタラジニル、テトラヒドロベンゾアゼピニル、テトラヒドロベンゾ[1,4]ジアゼピニル、テトラヒドロベンゾ[1,4]オキソアゼピニルもしくはテトラヒドロベンゾ[1,4]チアアゼピニル基を挙げることができ;三環式複素環の例として、ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾリル、ジヒドロピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾリル、テトラヒドロピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾリル、ジヒドロチアゾロ[1,2−a]ベンゾイミダゾリル、テトラヒドロピリミド[1,2−a]ベンゾイミダゾリル、テトラヒドロジアゼピノ[1,3][1,2−a]ベンゾイミダゾリル、ジヒドロオキサジノ[1,4][4,3−a]ベンゾイミダゾリルもしくはテトラヒドロピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾリル基を挙げることができる;
「ヘテロアリール」は、O、SおよびNから選択される1から8個のヘテロ原子を含む、5から14員の芳香族単環式、二環式もしくは三環式基を意味させようとするものである。単環式ヘテロアリールの例として、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、フラニル、チオフェニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニルおよびトリアジニル基を挙げることができ;二環式ヘテロアリールの例として、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、イソベンゾフラニル、イソベンゾチアゾリル、ピロロ[2,3−c]ピリジニル、ピロロ[2,3−b]ピリジニル、ピロロ[3,2−b]ピリジニル、ピロロ[3,2−c]ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニルもしくはキノキサリニル基を挙げることができ;三環式ヘテロアリールの例として、ピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾリル、チアゾロ[1,2−a]ベンゾイミダゾリル、イミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾリル、ピリミド[1,2−a]ベンゾイミダゾリルもしくはピラジノ[1,2−a]−ベンゾイミダゾリル基を挙げることができる;
「オキソ」は「=O」を意味する;
「チオ」は「=S」を意味する。
【0011】
本発明の化合物のうち、化合物の第1群は式(II)
【0012】
【化16】

の化合物を含み、式中:
Xは炭素原子もしくは窒素原子であり;前記Xは互いに同一であるもしくは異なり、X=Nの数は2より少なく;
、R、R、YおよびAは式(I)において定義される通りであり、Rは二環の6元素もしくは5元素単位に連結することができる。
【0013】
本発明の化合物のうち、化合物の第2群は式(III)
【0014】
【化17】

の化合物を含み、式中:
1aは、水素原子、ハロゲン原子またはC−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−チオアルキル、C−C−アルキル−S(O)−、NRもしくはニトロ基から選択される、同一または異なる、1以上の原子もしくは基であり;
1bは、水素原子、またはC−C−アルキル、ヘテロアリールオキシ−C−C−アルキル、アリール−C−C−アルキレンオキシ−C−C−アルキル、RNC(O)−C−C−アルキレン、アリール、ヘテロアリール、アリール−C−C−アルキレンもしくはヘテロアリール−C−C−アルキレン基であり;
1bの前記ヘテロアリールもしくはアリール基は、互いに同一または異なる、1個以上の置換基Rで場合により置換され;
は、ハロゲン原子またはC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、NRもしくはアリールチオ基であり、前記ヘテロアリールもしくはアリール基は、ハロゲン原子、およびC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、ニトロ、シアノもしくはRN−C−C−アルキレン基から選択される1個以上の置換基で場合により置換され;
、R、R、R、A、XおよびYは式(II)において定義される通りである。
【0015】
本発明の化合物のうち、化合物の第3群は式(IV)
【0016】
【化18】

の化合物を含み、式中、Wは以下から選択される三環式複素環もしくは三環式ヘテロアリールであり:
【0017】
【化19】

、R、R、PおよびYは式(I)において定義される通りである。
【0018】
本発明の化合物のうち、化合物の第4群は式(V)
【0019】
【化20】

の化合物を含み、式中:
、R、R、AおよびPは式(I)において定義される通りである。
【0020】
本発明の化合物のうち、化合物の第5群は式(V)の化合物を含み、式中:
は、水素原子、またはC−C−アルキルもしくはC−C−アルコキシ基であり;
は、Rが炭素原子によって坦持されるとき、水素原子、およびC−C−アルキル、C−C−アルコキシもしくはヒドロキシル基から選択される、同一または異なる、1から3の原子もしくは基であり;
または
は、Rが窒素原子によって坦持されるとき、水素原子、およびC−C−アルキル、C−C−アルキル−O−C(O)−もしくはアリール−C−C−アルキル−O−C(O)−基から選択される、同一または異なる、1から2の原子もしくは基であり;
、AおよびPは式(I)において定義される通りである。
【0021】
本発明の化合物のうち、化合物の第6群は式(V)の化合物を含み、式中:
Aは、それが縮合するのに用いるベンゾイミダゾール単位のC−N結合を含み、ベンゾイミダゾール単位の窒素原子を含めてO、SおよびNから選択される1から3個のヘテロ原子を含む、5から7員の単環式複素環もしくは単環式ヘテロアリールであり;
、R、RおよびPは式(I)において定義される通りである。
【0022】
本発明の化合物のうち、化合物の第7群は式(Va)
【0023】
【化21】

の化合物を含み、式中:
Aは、それが縮合するのに用いるベンゾイミダゾール単位のC−N結合を含み、ベンゾイミダゾール単位の窒素原子を含めてO、SおよびNから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む、5から7員の単環式複素環もしくは単環式ヘテロアリールであり;
Xは炭素原子もしくは窒素原子であり;前記Xは互いに同一であるもしくは異なり、X=Nの数は1を超えることはなく;
1aは、水素原子、ハロゲン原子、特には、フッ素、臭素もしくは塩素、またはC−C−アルキル基、特には、メチル、エチル、イソプロピルもしくはtert−ブチル、C−C−フルオロアルキル基、特には、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ基、特には、メトキシ、C−C−チオアルキル基、特には、SCH、C−C−アルキル−S(O)−基、特には、−SOCH、NR基もしくはニトロ基から選択される、同一または異なる、1以上の原子もしくは基であり;
1bは、水素原子、またはC−C−アルキル、特には、メチル、ヘテロアリールオキシ−C−C−アルキル、特には、ピリジニルオキシエチル、アリール−C−C−アルキレンオキシ−C−C−アルキル、特には、ベンジルオキシエチル、RNC(O)−C−C−アルキレン、特には、RNC(O)CH−、アリール、特には、フェニル、ヘテロアリール、特には、ピリジニル、アリール−C−C−アルキレン、特には、ベンジルもしくはナフチルメチル、フェニルエチル、フェニルプロピル、またはヘテロアリール−C−C−アルキレン、特には、ピリジニルメチル、ピリジニルエチル、ピリジニルプロピル、チアゾリルメチル、ピリミジニルメチル、キノリニルメチル、キノキサリニルメチル、フラニルメチル、ピラジニルメチルもしくはベンゾチアゾリルメチル基であり;
1bの前記ヘテロアリールもしくはアリール基は、互いに同一または異なる、1個以上の置換基Rで場合により置換され;
は水素原子であり;
は、Rが炭素原子によって坦持されるとき、水素原子、C−C−アルキル基、特には、メチル、C−C−アルコキシ基、特には、メトキシ、もしくはヒドロキシル基から選択される原子もしくは基であり;
または
は、Rが窒素原子によって坦持されるとき、水素原子、C−C−アルキル基、特には、メチル、およびC−C−アルキル−O−C(O)−基、特には、(CHC−O−C(O)−から選択される原子もしくは基であり;
およびRは、互いに独立に、C−C−アルキル基、特には、メチルもしくはエチルであり;
または、RおよびRは、それらを坦持する窒素原子と共に、ピロリジンもしくはモルホリン基を形成し;
は、ハロゲン原子、特には、フッ素もしくは塩素、またはC−C−アルキル、特には、メチル、C−C−アルコキシ、特には、メトキシ、C−C−フルオロ−アルキル、特には、トリフルオロメチル、アリール、特には、フェニル、ヘテロアリール、特には、イミダゾリル、NR、またはアリールチオ、特には、フェニルチオ基であり、前記アリール基は、1以上のC−C−アルキル基、特には、メチルで場合により置換される。
【0024】
本発明の化合物のうち、化合物の第8群は式(I)の化合物を含み、式中、同時に、Rおよび/もしくはRおよび/もしくはR、ならびに/またはA、ならびに/またはPおよび/もしくはYは上述の群において定義される通りである。
【0025】
本発明の化合物のうち、化合物の第9群は式(I’)
【0026】
【化22】

の化合物を含み、式中、
Aは、それが縮合するのに用いるベンゾイミダゾール単位のC−N結合を含み、ベンゾイミダゾール単位の窒素原子を含めてO、SおよびNから選択される1から3個のヘテロ原子を含む、4から7員の単環式複素環もしくは単環式ヘテロアリールであり;
Pは、N、OおよびSから選択される1から6個のヘテロ原子を含む、8、9、10もしくは11員の二環式複素環もしくは二環式ヘテロアリールであり;
ただし、Aが7員の飽和複素環であるとき、Pは2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキサン基および1−ベンゾピラン−2−オン基とは異なり;
は、水素原子、ハロゲン原子、およびオキソ、チオ、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレンオキシ、C−C−フルオロアルコキシ、シアノ、C(O)NR、ニトロ、NR、C−C−チオアルキル、C−C−シクロアルキルチオ、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレンチオ、−S(O)−C−C−アルキル、−S(O)−C−C−シクロアルキル、−S(O)−C−C−アルキレン−C−C−シクロアルキル、C−C−アルキル−S(O)−、C−C−フルオロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−S(O)−、SONR、NRC(O)R、NRSO、RNC(O)−C−C−アルキレン、アリール、ヘテロアリール、アリール−C−C−アルキレン、ヘテロアリール−C−C−アルキレン、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールオキシもしくはヘテロアリールチオ基から選択される、同一または異なる、1から4の原子もしくは基であり、前記ヘテロアリールもしくはアリール基は、ハロゲン原子、およびC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、ニトロ、シアノ、NRもしくはRN−C−C−アルキレン基から選択される1個以上の置換基で場合により置換され;
ただし、RがPの窒素原子に結合するとき、Rはハロゲン原子、ならびにオキソ、チオ、シアノ、ニトロ、NR、C−C−チオアルキル、チオアリール、チオヘテロアリール、C−C−アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−NRCORおよび−NRSO基とは異なり;
Yは酸素原子もしくは硫黄原子であり;
は、水素原子、ハロゲン原子、またはC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキルもしくはC−C−アルコキシ基であり;
は、Rが炭素原子によって坦持されるとき、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−シクロアルキルオキシおよびC−C−シクロアルキル−C−C−アルキレンオキシから選択される、同一または異なる、1から3個の原子もしくは基であり;
または
が窒素原子によって坦持されるとき、水素原子、ハロゲン原子、およびC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C(O)−、C1−C−アルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−C(O)−、C−C−フルオロアルキル−C(O)−、アリール−S(O)−、C−C−アルキル−S(O)−、C−C−フルオロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−S(O)−、C−C−アルキル−O−C(O)−、C−C−シクロアルキル−O−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−O−C(O)−、C−C−フルオロアルキル−O−C(O)−、アリール−O−C(O)−もしくはヘテロアリール−O−C(O)−基から選択される、同一または異なる、1から2の原子もしくは基であり;
およびRは、互いに独立に、水素原子またはC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、アリール−C−C−アルキレンもしくはアリール基であり;
または、RおよびRは、それらを坦持する窒素原子と共に、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジンもしくはホモピペラジン基を形成し、この基は、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、アリール−C−C−アルキレン、アリール、ヘテロアリール、アリール−S(O)−、C−C−アルキル−S(O)−、C−C−フルオロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−S(O)、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−S(O)−、アリール−C(O)−、C−C−アルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−C(O)−もしくはC−C−フルオロアルキル−C(O)−基で場合により置換され;
およびRは、互いに独立に、水素原子、またはC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−、アリール−C−C−アルキレン−もしくはアリール基であり;
は、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−、アリール−C−C−アルキレン−もしくはアリール基である。
【0027】
本発明の化合物のうち、化合物の第10群は式(II’)
【0028】
【化23】

の化合物を含み、式中、
Xは炭素原子もしくは窒素原子であり;前記Xは互いに同一であるもしくは異なり、X=Nの数は2より少なく;
、R、R、YおよびAは式(I)において定義される通りであり;Rは二環の5もしくは6元素単位に連結することが可能である。
【0029】
本発明の化合物のうち、化合物の第11群は式(III’)
【0030】
【化24】

の化合物を含み、式中、
1aは、水素原子、ハロゲン原子もしくはC−C−フルオロアルキル基から選択される、同一または異なる、1以上の原子もしくは基であり;
1bは、水素原子、またはC−C−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C−C−アルキレン−もしくはヘテロアリール−C−C−アルキレン−基であり、前記基は、ハロゲン原子もしくはC−C−アルキル基から選択される、同一または異なる、1以上の基もしくは原子で場合により置換され;
、R、A、XおよびYは式(II)において定義される通りである。
【0031】
本発明の化合物のうち、化合物の第12群は式(IV’):
【0032】
【化25】

の化合物を含み、式中、Wは以下から選択される三環式複素環もしくは三環式ヘテロアリールであり:
【0033】
【化26】

【0034】
、R、R、PおよびYは式(I)において定義される通りである。
【0035】
本発明の化合物のうち、化合物の第13群は式(V’)
【0036】
【化27】

の化合物を含み、式中、
、R、R、A、PおよびYは式(I)において定義される通りである。
【0037】
本発明の化合物のうち、化合物の第14群は式(V’)の化合物を含み、式中、
およびRは、互いに独立に、水素原子もしくはC−C−アルキル基であり;
、A、PおよびYは式(I)において定義される通りである。
【0038】
本発明の化合物のうち、化合物の第15群は式(I)の化合物を含み、式中、同時に、Rおよび/もしくはRおよび/もしくはR3、ならびに/またはA、ならびに/またはPおよび/もしくはYは上述の群9から14において定義される通りである。
【0039】
以下の文章において、「脱離基」という用語は、電子対の脱離に伴い、異方性結合の破壊によって分子から容易に開裂し得る基を意味させようとするものである。したがって、この基は、例えば、置換反応の最中に他の基で容易に置き換えることができる。そのような脱離基は、例えば、ハロゲンもしくは活性化ヒドロキシル基、例えば、メタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート、トリフレート、アセテート等である。脱離基の例および、それらの調製の参考も、「Advances in Organic Chemistry」,J.March,5th Edition,Wiley Interscience,2001に示される。
【0040】
以下の文章において、「保護基」という用語は、反応の最中に分子の一部を一時的に不活性化する目的で化学構造にしばらくの間組み込むことができ、合成の次の工程で容易に除去することができる基を意味させようとするものである。保護基の例および、それらの特性に関する参考も、T.W.Greene,P.G.M.Wutz,3rd Edition,Wiley Interscience 1999に示される。
【0041】
本発明によると、式(I)の化合物は以下の一般スキーム1によって示されるプロセスに従って調製することができる。
【0042】
【化28】

【0043】
化合物(I)は、BがC−C−アルコキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレンオキシもしくはアリール−C−C−アルキレンオキシ基であり、P、YおよびRが式(I)において定義される通りである式(VI)の化合物を、A、RおよびRが上記式(I)において定義される通りである式(VII)の化合物と、溶媒、例えば、トルエンの還流温度で反応させることによって得ることができる。式(VII)の化合物のアルミニウムアミドは、式(VII)のアミンに対するトリメチルアルミニウムの前作用によって調製される。Bがヒドロキシル基であり、P、YおよびRが式(I)において定義される通りである式(VI)の化合物から出発して、例えば塩化チオニルの作用により、溶媒、例えば、ジクロロメタンもしくはジクロロエタンの還流温度で、カルボン酸官能基を酸ハライド、例えば、酸クロライドに予め変換することができる。その後、式(I)の化合物が、Bが塩素原子であり、P、YおよびRが式(I)において定義される通りである式(VI)の化合物を、A、RおよびRが上記式(I)において定義される通りである式(VII)の化合物と、塩基、例えば、トリエチルアミンもしくは炭酸ナトリウムの存在下で反応させることによって得られる。
【0044】
または、Bがヒドロキシル基であり、P、YおよびRが式(I)において定義される通りである式(VI)の化合物を、式(VII)の化合物と、カップリング剤、例えば、ジアルキルカルボジイミド[(ベンゾトリアゾル−1−イル)オキシ][トリス(ピロリジノ)]ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジエチルシアノホスホネートもしくは当業者に公知のあらゆる他のカップリング剤の存在下、塩基、例えば、トリエチルアミンの存在下、溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド中でカップリングさせることができる。
【0045】
スキーム1において、式(VI)および(VII)の化合物ならびに他の試薬は、それらの調製方法が記述されないとき、例えば、商業的に入手可能であり、文献に記載される、もしくは文献に記載される方法からの類推によって調製される(R.S.Begunov et al.,Russian J.Org.Chem.,2004,40(11),1740−1742;V.M.Reddy et al.,J.Indian Chem.Soc.,1984,(111),89−91;K.V.B.Rao et al.,Eur.J.Med.Chem.,1981,16(1),35−38;R.J.North et al.,J.Het.Chem.,1969,6,655;A.R.Freedman et al.,J.Het.Chem.,1966,3(3),257;Mullock,E.B.,J.Chem.Soc.Section C,1970,(6),829−833)。
【0046】
アリールもしくはヘテロアリール基がアルキル基でC−置換される式(VI)もしくは(I)の化合物は、金属、例えば、パラジウムもしくは鉄によって触媒され、ハロゲン原子、例えば、塩素で置換された式(VI)もしくは(I)の対応化合物に対して、例えば、アルキルマグネシウムハライドもしくはアルキル亜鉛ハライドの存在下、例えば、文献(A.Furstner et al.,J.Am.Chem.Soc.,2002,124(46),13856;G.Queguiner et al.,J.Org.Chem.,1998,63(9),2892)に記載される、もしくは当業者に公知の方法に従って行われるカップリング反応によって得ることができる。
【0047】
アリールもしくはヘテロアリール基がシアノ、アリールもしくはヘテロアリール基でC−置換される式(VI)もしくは(I)の化合物は、金属、例えば、パラジウムによって触媒され、例えば臭素原子で置換された、式(VI)もしくは(I)の対応化合物に対してトリメチルシリルシアニド、アリールボロン酸もしくはヘテロアリールボロン酸の存在下で行われるカップリング反応により、または文献に記載される、もしくは当業者に公知のあらゆる他の方法により、得ることができる。
【0048】
Pがアリールもしくはヘテロアリール基に相当する置換基RでN−置換される式(VI)もしくは(I)の化合物は、金属、例えば、銅によって触媒され、式(VI)もしくは(I)の対応アミンに対して、アリールハライドもしくはヘテロアリールハライドの存在下、Buchwald法(S.L.Buchwald et al.,J.Am.Chem.Soc.,2002,124,11684)に従い、または文献に記載される、もしくは当業者に公知のあらゆる他の方法によって行われる、カップリング反応によって得ることができる。
【0049】
アリールもしくはヘテロアリール基がNR、NRCORもしくはNRSO基でC−置換される式(I)もしくは(VI)の化合物は、例えば臭素原子で置換される、式(I)もしくは(VI)の対応化合物から、それぞれ、アミン、アミドもしくはスルホンアミドとの、塩基、ホスフィンおよびパラジウム系触媒の存在下での、文献に記載される、もしくは当業者に公知の方法に従うカップリング反応によって得ることができる。
【0050】
C(O)NR基で置換される式(I)もしくは(VI)の化合物は、シアノ基で置換される式(I)もしくは(VI)の対応化合物から、文献に記載されるか、もしくは当業者に公知の方法に従って得ることができる。
【0051】
−S(O)−アルキルもしくは−S(O)−アルキル基で置換される式(I)もしくは(VI)の化合物は、文献に記載される、もしくは当業者に公知の方法に従う、チオアルキル基で置換される式(VI)もしくは(I)の対応化合物の酸化によって得ることができる。
【0052】
NR、NRCORもしくはNRSO基で置換される式(VI)もしくは(I)の化合物は、ニトロ基で置換される式(VI)もしくは(I)の対応化合物から、例えば、文献に記載される、もしくは当業者に公知の方法に従う、還元、次いでアシル化もしくはスルホニル化によって得ることができる。
【0053】
SONR基で置換される式(VI)もしくは(I)の化合物は、Pharmazie,1990,45,346に記載されるものに類似する方法により、または文献に記載される、もしくは当業者に公知の方法に従って得ることができる。
【0054】
Yが硫黄原子である式(I)もしくは(VI)の化合物は、例えば、Yが酸素原子である式(I)もしくは(VI)の対応化合物を試薬、例えば、Lawesson試薬と反応させることによって得ることができる。
【0055】
が窒素原子によって坦持される保護基、例えば、エトキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基もしくはベンジルオキシカルボニル基に相当する式(I)の化合物は、Rが水素原子である式(I)の化合物が得られるように、当業者に公知の化学法に従って脱保護することができる。
【0056】
本発明の主題の1つは、その態様の別のものによると、式(VII−x)の化合物でもあり、xはaからnの範囲をとる。これらの化合物は式(I)の化合物の合成中間体として用いることができる。
【0057】
【化29】

【0058】
アミン(VII−b)、(VII−j)、(VII−k)および(VII−l)は下記スキーム2に従って調製することができる。
【0059】
【化30】

【0060】
ラセミ形態にあるアミン(VII−b)、(VII−j)、(VII−k)および(VII−l)の調製方法がスキーム2に要約される。それは、第1工程において、2−フルオロ−5−ニトロアニリン(IX)をラセミアミン(VIII)で置換することからなる。この反応は、例えば、2種類の試薬を溶媒なしで加熱することによって行う。そのようにして得られる付加生成物(X)を、次に、トリフルオロ酢酸のような試薬および過酸化水素のような試薬の存在下で複素環(XI)に環化するが、この反応は溶媒、例えば、ジクロロメタン中の溶液として行う(A.R.Freedman et al.,J.Het.Chem.,1966,3(3),257に記載されるプロセスの最適化による。)。Rが水素原子とは異なる場合、この環化はレギオ異性体の混合物をもたらし得る。
【0061】
化合物(XI)(R=ヒドロキシル)は、塩基、例えば、水素化ナトリウムおよびアルキル化剤、例えば、ヨウ化メチルもしくは硫酸ジメチルの存在下でのアルキル化により、R=メトキシである化合物(XII)に変換することができる。次に、化合物(XI)もしくは(XII)のニトロ基を、パラジウム/Cのような触媒の存在下における触媒水素化により、もしくは当業者に公知の、ニトロ基をアミンに還元するあらゆる他の方法により還元し、アミン(VII−b)、(VII−j)、(VII−k)もしくは(VII−l)を得る。
【0062】
アミン(VII−e)および(VII−f)は下記スキーム3に従って調製することができる。
【0063】
【化31】

【0064】
アミン(VII−e)および(VII−f)の調製方法は、第1工程において、2−フルオロ−5−ニトロアニリン(IX)を、窒素原子のうちの1個が保護基Gで置換されるピペラジン(XIII)で置換することからなる。この反応は、例えば、2種類の試薬を溶媒なしで加熱することによって行う。そのようにして得られた付加生成物(XIV)を、次に、トリフルオロ酢酸もしくはギ酸のような試薬および過酸化水素のような試薬の存在下で複素環化合物(XV)に環化するが、反応は溶媒、例えば、ジクロロメタン中の溶液として行う。次に、複素環化合物(XV)を脱保護することができる;例えば、G=COCHである場合、塩酸のような酸の存在下での(XV)の加水分解でアミン(XVI)が得られ、それを、例えば、水素化ナトリウムのような塩基およびヨウ化メチルのようなアルキル化剤の存在下、溶媒、例えば、テトラヒドロフランもしくはジメチルホルムアミド中でアルキル化して複素環(XVII)を得ることができる。次に、化合物(XVII)のニトロ基を、パラジウム/Cのような触媒の存在下での触媒水素化により、もしくは当業者に公知の、ニトロ基をアミンに還元するあらゆる他の方法により還元し、アミン(VII−e)を得る。アミン(VII−f)は、例えば、G=COCHPhである場合、塩化スズのような試薬と溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド中で反応させることにより、化合物(XV)のニトロ基を還元することによって調製する。
【0065】
アミン(VII−a)、(VII−c)および(VII−d)は下記スキーム4に従って調製することができる。
【0066】
【化32】

【0067】
アミン(VII−a)は、例えば、パラジウム/Cのような触媒の存在下での触媒水素化による、もしくは当業者に公知の、ニトロ基をアミンに還元するあらゆる他の方法に従う、文献(R.J.North et al.,J.Het.Chem.,1969,6,655)に記載される対応ニトロ前駆体(XVIII)の還元によって調製することができる。
【0068】
アミン(VII−c)は上述のニトロ前駆体(XVIII)から2工程で調製することができる。中間体(XIX)を前駆体(XVIII)から、水素化ナトリウムのような塩基およびヨウ化メチルのようなアルキル化剤を用いて溶媒、例えば、テトラヒドロフランもしくはジメチルホルムアミド中で調製する。そのようにして得られた化合物(XIX)を、次に、パラジウム/Cのような触媒の存在下での触媒水素化により、もしくは当業者に公知の、ニトロ基をアミンに還元するあらゆる他の方法により、アミン(VII−c)に変換することができる。
【0069】
アミン(VII−d)は上述のニトロ前駆体(XVIII)から2工程で調製することができる。中間体(XX)を前駆体(XVIII)から、塩基、例えば、水素化ナトリウムおよびジ−tert−ブチルジカーボネートを用いて調製する。そのようにして得られた化合物(XX)を、次に、パラジウム/Cのような触媒の存在下での触媒水素化により、もしくは当業者に公知の、ニトロ基をアミンに還元するあらゆる他の方法により、アミン(VII−d)に変換することができる。
【0070】
アミン(VII−g)は下記スキーム5に従って調製することができる。
【0071】
【化33】

【0072】
アミン(VII−g)は2−ヨード−4−ニトロクロロベンゼン(XXI)から2工程で調製することができる(G.A.Olah,J.Org.Chem.,1993(58),3194−3195)。最初に、化合物(XXI)を、二酢酸パラジウムのような触媒、ホスフィン、および炭酸セシウムのような塩基の存在下、トルエンのような溶媒中でアミノピラジン(XXII)と反応させる。これらの条件下で、環化生成物(XXIII)が単離され、最後に、パラジウム/Cのような触媒の存在下での触媒水素化により、もしくは当業者に公知の、ニトロ基をアミンに還元するあらゆる他の方法に従い、アミン(VII−g)を得ることができる。
【0073】
アミン(VII−h)および(VII−i)は下記スキーム6に従って調製することができる。
【0074】
【化34】

【0075】
2−アミノ−5−ニトロベンゾイミダゾール(XXIV)とジアセタール(XXV)のような試薬との縮合で2種類の異性体の混合物である環化生成物(XXVI)の単離が可能となる。この複素環(XXVI)のニトロ基を、塩化スズとの反応により、もしくは当業者に公知の、ニトロ基をアミンに還元するあらゆる他の方法に従い、アミン基に還元することができる。そのようにしてアミン(VII−h)および(VII−i)が得られる。
【0076】
アミン(VII−m)および(VII−n)は下記スキーム7に従って調製することができる。
【0077】
【化35】

【0078】
アミン(VII−m)および(VII−n)はホルムアミド(XXVII)から4工程で調製することができる(S.L.Chupak、US2006135447)。SOClおよびSOClの混合物との反応により、ホルムアミド(XXVII)をジクロロイミン(XXVIII)の形態で活性化することができる。次に、化合物(XXVIII)を、n=3もしくは4である構造(XXIX)のジアミンで置換し、構造(XXX)の化合物を得ることができる。続いて、後者を、二酢酸パラジウムのような触媒、ホスフィン、および炭酸セシウムのような塩基の存在下で三環式ベンゾイミダゾール(XXXI)に変換することができる。パラジウム/Cのような触媒の存在下での触媒水素化によって、もしくは当業者に公知の、ニトロ基をアミンに還元するあらゆる他の方法に従って、(XXXI)のニトロ基を還元することで、アミン(VII−m)もしくは(VII−n)を得ることが可能となる。
【0079】
以下の表は、本発明による式(VII)の中間体化合物の幾つかの例の化学構造および物理特性を示す。
【0080】
この表において、
「Mp(℃)」の欄は生成物の融点を摂氏度(℃)で示し、「NMR」がない場合、NMRスペクトルが実施例に記載されることを示す;
「塩/塩基」欄において、「−」が遊離塩基形態にある化合物を表すのに対して、「HCl」は塩酸塩形態にある化合物を表し、括弧内の比は(酸:塩基)比である。
【0081】
【表1】


【実施例】
【0082】
以下の実施例は、本発明による式(VII)の幾つかの中間体化合物の調製を記述する。例示される化合物の数字は表1におけるものを指す。元素微量分析、LC−MS(液体クロマトグラフィー−質量分析)分析、またはIRもしくはNMRスペクトルが得られた化合物の構造を確認する。
【0083】
(実施例I)(化合物番号VII−a)
6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾール
10%のパラジウム/C 1gを、アルゴンの下で、メタノール 100ml中の2,3−ジヒドロ−6−ニトロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(R.J.North et al.,J.Het.Chem.,1969,6,655)2.7g(13.22mmol)の溶液に激しく攪拌しながら添加する。ギ酸アンモニウム 15g(0.23mol)を反応混合物に添加した後、懸濁液を12時間攪拌する。固体を濾過によって回収し、シリカカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン−メタノール)によって精製する。期待される生成物 0.82gが、減圧下での乾燥の後、灰色固体の形態で得られる。
融点(塩基):235−236℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):3.89(m,4H);4.38(m,2H);6.18(dxd,1H);6.46(d,1H);6.58(s,1H);6.73(d,1H)。
【0084】
(実施例II)(化合物番号VII−b)
6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール
II−1 2−(2−メチルピロリジン−1−イル)−5−ニトロアニリン
2−フルオロ−5−ニトロアニリン 5g(32.03mmol)および2−メチルピロリジン(ラセミ)4.9ml(48.04mmol)をスクリュー反応器に入れる。反応器を閉鎖し、混合物を100℃で5時間加熱する。冷却後、混合物を水 100mlおよびジクロロメタン 100mlに取る。有機相を分離し、塩化ナトリウム飽和溶液 50mlで洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。生じる生成物をそのまま次の反応において用いる。
【0085】
II−2 2,3−ジヒドロ−1−メチル−6−ニトロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール
過酸化水素の35%水溶液 2ml(22.6mmol)を、滴下により、ジクロロメタン 20ml中の前工程において得られた2−(2−メチルピロリジン−1−イル)−5−ニトロアニリン 1g(4.52mmol)およびトリフルオロ酢酸 4ml(51.92mmol)の溶液に添加する。混合物を30分間還流した後、冷却してジクロロメタン 100mlおよび炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液 100mlに取る。有機相を分離し、塩化ナトリウムの飽和溶液 50mlで洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。生じるオレンジの油(0.89g)をそのまま次の反応において用いる。
【0086】
II−3 6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(VIIb)
エタノール 15mlおよび塩酸の1N水溶液 1ml中の懸濁液の状態の、前工程において得られた2,3−ジヒドロ−1−メチル−6−ニトロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール 0.25g(1.15mmol)および10%パラジウム/C 10mgの混合物を周囲温度、水素 4バールの下で4時間攪拌する。この期間の後、混合物を濾過して減圧下で濃縮し、ジクロロメタン 100mlおよび水酸化ナトリウムの30%水溶液 100mLに取る。有機相を分離し、塩化ナトリウムの飽和溶液 50mlで洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。生じる固体をシリカカラムクロマグラフィー(溶離液:ジクロロメタン−メタノール)によって精製する。期待される生成物 0.133gが、減圧下での乾燥の後、ベージュの固体の形態で得られる。
融点(塩基):168−172℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):1.49(d,3H);2.16(m,1H);2.75(m,1H);2.9(m,2H);3.2(m,2H);4.41(sext.,1H);6.51(dxd,1H)、6.92(d,1H);7.08(d,1H)。
【0087】
(実施例III)
6−アミノ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−1H−イミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−c)
III−l 2,3−ジヒドロ−3−メチル−6−ニトロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物XIX)
テトラヒドロフラン 10ml中の2,3−ジヒドロ−6−ニトロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(R.J.North et al.,J.Het.Chem.,1969,6,655)0.1g(0.49mmol)を、アルゴンの下で、20℃で攪拌された、テトラヒドロフラン 5ml中に60%水素化ナトリウム 0.023g(0.59mmol)の懸濁液に添加する。20℃で45分間攪拌した後、ヨードメタン 30μl(0.54mmol)を添加し、次いで混合物を20℃で12時間攪拌する。この期間の後、反応混合物を水 100mlに注ぎ入れ、次いでジクロロメタン 30mlで3回抽出する。有機相を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。期待される生成物(XIX)0.1gが黄色固体の形態で得られ、それをそのまま次の構成において用いる。
融点(塩基):208−209℃。
【0088】
III−2 6−アミノ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−1H−イミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−c)
10%パラジウム/C 0.5gを、アルゴンの下で、エタノール 70ml中の前工程において調製した化合物(XIX)0.81g(3.71mmol)の溶液に激しく攪拌しながら添加する。ギ酸アンモニウム 10g(0.153mol)を反応混合物に添加した後、懸濁液を12時間攪拌する。固体を濾過によって集め、シリカカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン−メタノール)によって精製する。期待される生成物 0.26gが、減圧下での乾燥の後、灰色固体の形態で得られる。
融点(塩基):185−190℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.84(s,3H);3.76(m,2H);3.91(m,2H);4.41(s,NH);6.19(dxd,1H);6.48(d,1H);7.71(d,1H)。
【0089】
(実施例IV)
6−アミノ−2,3−ジヒドロ−3−tert−ブトキシカルボニル−1H−イミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−d)
IV−1 6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−3−tert−ブトキシカルボニル−1H−イミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号XX)
2,3−ジヒドロ−6−ニトロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(R.J.North et al.,J.Het.Chem.,1969,6,655)13.9g(57.86mmol)を、アルゴンの下20℃で攪拌した、テトラヒドロフラン 482ml中の60%水素化ナトリウム 3.47g(86.8mmol)の懸濁液に何回かに分けて添加する。20℃で2時間攪拌した後、ジ−tert−ブチルジカーボネート 15.1ml(65.73mmol)を添加し、次いで混合物を20℃で1時間30分攪拌する。この期間の後、反応混合物を水 50mlに注ぎ入れる。沈殿を濾過によって集め、減圧下で乾燥させる。そのようにして期待される生成物(XX)14.31gが黄色固体の形態で得られ、それをそのまま次の合成において用いる。
融点(塩基):222−224℃
【0090】
IV−2 6−アミノ−2,3−ジヒドロ−3−tert−ブトキシカルボニル−1H−イミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−d)
エタノール 150ml中の化合物(XX)0.1g(0.33mmol)および10%パラジウム/C 0.5gの懸濁液を20℃、水素 5バールの下で、4時間攪拌する。不溶性物質を濾過によって除去した後、生じるエタノール性溶液を減圧下で濃縮する。そのようにして期待される生成物 70mgが白色固体の形態で得られる。
融点(塩基):198−200℃
H NMR(CDCl)、δ(ppm):1.51(s,9H);2.25−3.55(ブロードピーク,NH);4.01(m,2H);4.32(m,2H);6.48(dxd,1H);6.83(d,1H);6.91(d,1H)
【0091】
(実施例V)
7−アミノ−3−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−e)
V−1 2−[4−(エトキシカルボニル)ピラジン−1−イル]−5−ニトロアニリン(化合物番号XIV、G=COEt)
2−フルオロ−5−ニトロアニリン 10g(64.06mmol)およびN−(エトキシカルボニル)ピペラジン 20.08ml(137.72mmol)の混合物を140℃で12時間加熱する。この期間の後、混合物を減圧下で濃縮し、次いで酢酸 5mlを添加する。沈殿を濾過によって集めて水で洗浄した後、減圧下で乾燥させる。そのようにして期待される生成物 18.5gが黄色固体の形態で単離される。
【0092】
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):1.15(t,3H);2.82(m,4H);3.51(m,4H);4.02(q,2H);5.35(s,NH);6.95(d,1H);7.38(dxd,1H);7.5(d,1H)。
【0093】
V−2 3−エトキシカルボニル−7−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2a]ベンゾイミダゾール(化合物番号XV、G=COEt)
過酸化水素の35%水溶液 15ml(169.5mmol)を、滴下により、前工程において得られた化合物(XIV)17g(57.76mmol)およびギ酸 60ml(51.92mmol)の溶液に添加する。混合物を50℃で1時間攪拌した後、冷却して減圧下で濃縮し、ジクロロメタン 200mlおよび重炭酸カリウムの飽和水溶液 300mlに取る。有機相を分離し、塩化ナトリウムの飽和溶液 100mlで洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。生じる泡を、溶出をジクロロメタンおよびメタノールの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして期待される化合物 3.9gが固体の形態で単離され、それをそのまま次の合成において用いる。
【0094】
V−3 7−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号XVI)
6N塩酸 100ml中の前工程において得られた化合物(XV)3.9g(13.44mmol)の溶液を12時間還流する。この期間の後、冷却した溶液を濃水酸化ナトリウムの連続添加によりpH>9とし、次いでジクロロメタン 100mlで3回抽出する。有機相を合わせ、水 150mlで洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。生じる生成物を、溶出をジクロロメタンおよびメタノールの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして期待される化合物 0.3gが固体の形態で単離され、それをそのまま次の合成において用いる。
【0095】
H NMR(CDCl)、δ(ppm):1.91(1ブロードピーク,NH);5.56(m,2H);4.28(m,2H);4.48(s,2H);7.5(d,1H);8.31(dxd,1H);8.72(d,1H)。
【0096】
V−4 3−メチル−7−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号XVII)
ヨードメタン20μl(1.65mmol)中の前工程において得られた化合物(XVI)0.3g(1.37mmol)を、アルゴンの下で、20℃で攪拌される、テトラヒドロフラン 15ml中の60%水素化ナトリウム 0.07g(1.65mmol)の懸濁液に添加した後、混合物を20℃で12時間攪拌する。この期間の後、反応混合物を水 100mlに注ぎ入れ、次いでジクロロメタン 30mlで3回抽出する。有機相を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。そのようにして期待される生成物(XVII)0.13gが得られ、それをそのまま次の合成において用いる。
【0097】
H NMR(CDCl)、δ(ppm):2.49(s,3H);2.93(m,2H);3.82(s,2H);4.11(m,2H);7.29(d,1H);8.09(dxd,1H);8.49(d,1H)。
【0098】
V−5 7−アミノ−3−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−e)
前工程において得られた化合物(XVII)0.13g(0.56mmol)、10%パラジウム/C 0.2gおよびギ酸アンモニウム 5g(79.36mmol)の懸濁液を20℃で12時間攪拌する。不溶性物質を濾過によって除去した後、濾液を減圧下で濃縮する。そのようにして期待される生成物 80mgが油の形態で得られる。
【0099】
H NMR(CDCl)、δ(ppm):2.48(s,3H);2.89(m,2H);3.75(s,2H);3.85(ブロードピーク,NH);3.97(m,2H);6.57(dxd,1H);6.91(d,1H);7(d,1H)。
【0100】
(実施例VI)
7−アミノ−3−ベンジルオキシカルボニル−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−f)
VI−1 2−[4−(ベンジルオキシカルボニル)ピラジン−1−イル]−5−ニトロアニリン(化合物番号XIV、G=COCHPh)
2−フルオロ−5−ニトロアニリン 9.44g(60.5mmol)およびN−(ベンジルオキシカルボニル)ピペラジン 24.98ml(130.08mmol)の混合物を140℃で12時間加熱する。この期間の後、混合物をジクロロメタン 200mlに取る。有機相を炭酸カリウムの飽和水溶液で、および水 50mlで3回連続的に洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残留物を、溶出をジクロロメタンおよび酢酸エチルの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして期待される生成物 8.6gが単離される。
【0101】
H NMR(CDCl)、δ(ppm):2.91(m,4H);3.68(m,4H);4.16(s,NH);5.18(s,2H);6.92(d,1H);7.35(m,5H);7.6(m,2H)。
【0102】
VI−2 3−ベンジルオキシカルボニル−7−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号XV、G=COCHPh)
過酸化水素の35%水溶液 17.7ml(0.2mol)を、滴下により2時間で、0℃で攪拌される、前工程において得られる2−[4−(ベンジルオキシカルボニル)ピラジン−1−イル]−5−ニトロアニリン 8.6g(24.13mmol)およびギ酸 34.4ml(29.4mmol)の溶液に添加する。混合物を0℃で3時間、20℃で12時間攪拌した後、氷 300gに注ぐ。媒体のpHをアンモニア水溶液を添加することによって8に調整した後、ジクロロメタン 200mlで抽出する。有機相を塩化ナトリウムの飽和溶液 100mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。残留物が得られ、それを、溶出をジクロロメタンおよび酢酸エチルの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして期待される生成物 1.2gが単離される。
【0103】
H NMR(CDCl)、δ(ppm):4.11(m,2H);4.21(m,2H);5.05(s,2H);5.18(s,2H);7.38(m,6H);8.21(dxd,1H);8.61(d,1H)。
【0104】
VI−3 7−アミノ−3−ベンジルオキシカルボニル−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−f)
塩化スズ2水和物 7.68g(34.06mmol)を、ジメチルホルムアミド 56ml、前工程において得られる化合物(XV)2g(5.68mmol)および臭化テトラブチルアンモニウム 2.6g(8.85mmol)の溶液に何回かに分けて添加する。混合物を20℃で24時間攪拌した後に濃縮し、水 100mlに取る。そのようにして得られる溶液のpHをアンモニア水溶液を添加することによって9に調整する。次に、混合物を酢酸エチル 100mlで2回抽出する。有機相を合わせ、水 50mlで2回および塩化ナトリウムの飽和溶液 50mlで1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。残留物が得られ、それを、溶出をジクロロメタンおよびメタノールの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして期待される生成物 1.45gが単離される。
【0105】
Mp=115−118℃
H NMR(CDCl)、δ(ppm):3.89(m,2H);4(m,2H);4.7(m,4H);5.12(s,2H);6.51(dxd,1H);6.71(d,1H);7.12(d,1H);7.38(m,5H)。
【0106】
(実施例VII)
7−アミノピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−g)
VII−1 7−ニトロピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号XXIII):
乾燥トルエン 20ml中の2−ヨード−4−ニトロクロロベンゼン(XXI)(G.A.Olah,J.Org.Chem.,1993(58),3194−3195)0.6g(2.12mmol)、2−アミノピラジン(XXII)0.2g(2.1mmol)、炭酸セシウム 2.8g(8.5 mmol)、Xantphos(登録商標)(9,9−ジメチル−4,5−ビス−(ジフェニルホスフィノ)キサンテン)0.15g(0.25mmol)および二酢酸パラジウム 30mg(0.13mmol)の混合物を120℃で12時間加熱する。この期間の後、混合物を減圧下で濃縮し、次いでジクロロメタン 350mlおよび水 200mlに取る。有機相を分離し、塩化ナトリウムの飽和溶液 100mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。生じる生成物をジクロロメタン 10mlに取り、期待される生成物 0.23gが沈殿の形態で単離され、それを濾過によって回収する。濾液を、溶出を酢酸エチルおよびヘプタンの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして生成物がさらに25mg単離される。
【0107】
VII−2 7−アミノピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−g)
エタノール 100ml中の前工程において得られる7−ニトロピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール 0.22g(1.03mmol)、ラネーニッケル 0.5gおよびヒドラジン一水和物 0.1ml(2.05mmol)の懸濁液を20℃で2時間攪拌する。不溶性物質を濾過によって除去し、濾液を減圧下で濃縮する。そのようにして期待される生成物 0.16gがベージュの固体の形態で得られる。
【0108】
Mp=249−253℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):5.27(ブロードピーク,NH);6.72(m,2H);7.71(d,1H);7.89(d,1H);8.73(d,1H);8.89(s,1H)。
【0109】
(実施例VIII)
7−アミノピリミド[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−h)および8−アミノピリミド[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−i)
VIII−1 7−ニトロピリミド[1,2−a]ベンゾイミダゾール塩酸塩および8−ニトロピリミド[1,2−a]ベンゾイミダゾール塩酸塩(化合物番号XXVI)
エタノール 50mlおよび濃塩酸 2ml中の2−アミノ−5−ニトロベンゾイミダゾール(J.Med.Chem.,1995,38(20),098−4105)2g(11.2mmol)および1,1,3,3−テトラエトキシプロパン 3.6ml(15mmol)の混合物を12時間還流する。ベージュの沈殿 1.97gが濾過によって回収され、それを減圧下で乾燥させる。異性体の混合物が得られ、それをそのまま次の工程において用いる。
【0110】
VIII−2 7−アミノピリミド[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−h)
水 4ml中の塩化スズ2水和物 4.5g(19.95mmol)を、100℃に加熱した、濃塩酸 8ml中の前工程において調製された化合物(XXVI)の混合物 1g(3.99mmol)の懸濁液に添加する。反応混合物を3時間加熱した後、冷却し、媒体のpHを30%アンモニア水溶液の連続添加により8に調整する。混合物をジクロロメタン 100mlで3回抽出する。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した後、溶出をジクロロメタンおよびメタノールの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして7−アミノ−ピリミド[1,2−a]ベンゾイミダゾールがオレンジの固体の形態で単離される。
【0111】
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):5.21(m,NH);6.7(d,1H);6.81(s,1H);6.95(m,1H);7.9(d,1H);7.58(m,1H);9.25(dxd,1H)。
【0112】
VIII−3 8−アミノピリミド[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−i)
実施例VIII−2に記載される抽出の最中、不溶性物質が水相に沈殿する。この不溶性物質を焼結ガラスでの濾過によって回収することで、化合物番号VII−iに相当するオレンジの固体 0.13gを単離することが可能となる。
【0113】
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):5.21(m,NH);6.91(m,2H);7.2(d,1H);7.51(d,1H);8.57(m,1H);9.12(dxd,1H)。
【0114】
(実施例IX)
6−アミノ−2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−j)および6−アミノ−2,3−ジヒドロ−2−ヒドロキシ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール塩酸塩(化合物番号VII−k)
IX−1 2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−5−ニトロアニリン
実施例II−1に記載されるものに類似するプロセスに従い、2−フルオロ−5−ニトロアニリン 3g(19.22mmol)および3−ヒドロキシピロリジン 1.76ml(21.14mmol)から出発して、期待される化合物 2gが黄色固体の形態で得られる。
【0115】
IX−2 2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−6−ニトロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾールおよび2,3−ジヒドロ−2−ヒドロキシ−6−ニトロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール
実施例II−2に記載されるものに類似するプロセスに従い、前工程において得られる2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−5−ニトロアニリン 2g(7.7mmol)から出発して、2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−6−ニトロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾールに相当する黄色固体 48mgおよび2,3−ジヒドロ−2−ヒドロキシ−6−ニトロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾールに相当する黄色固体 280mgがシリカカラムクロマトグラフィーによる精製の後に得られる。
【0116】
IX−3 6−アミノ−2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−j)
実施例VII−2に記載されるものに類似するプロセスに従い、工程IX−2において調整される2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−6−ニトロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール 0.13g(0.56mmol)から出発して、期待されるアミン 0.1gが褐色固体の形態で単離される(この場合、反応混合物を20℃で2日間攪拌する。)。
【0117】
H NMR(CDCl)、δ(ppm):2.61(m,1H);2.92(m,1H);3.94(m,1H);4.18(m,1H);5.29(m,1H);6.61(d,1H);6.98(s,1H);7.05(d,1H)。
【0118】
IX−4 6−アミノ−2,3−ジヒドロ−2−ヒドロキシ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール塩酸塩(化合物番号VII−k)
エタノール 15mlおよび1N塩酸 2ml中の工程IX−2において得られる2,3−ジヒドロ−2−ヒドロキシ−6−ニトロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール 0.3g(1.36mmol)および10%パラジウム/C 100mgの混合物を20℃、水素 4バールの下で数時間攪拌する。この期間の後、反応混合物をセライトバッファ(celite buffer)で濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、期待される生成物 0.35gが固体の形態で得られる。
【0119】
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):3.05(m,1H);3.55(dxd,1H);4.15(m,1H);4.45(dxd,1H);5.1(m,1H);7.0(m,1H);7.3(m,1H);7.66(m,1H)。
【0120】
(実施例X)
6−アミノ−2,3−ジヒドロ−2−メトキシ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−l)
X−1 2,3−ジヒドロ−2−メトキシ−6−ニトロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール
テトラヒドロフラン 5ml中の2,3−ジヒドロ−2−ヒドロキシ−6−ニトロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(実施例IXの工程IX−2)0.28g(1.28mmol)の溶液を、アルゴンの下、20℃で攪拌される、テトラヒドロフラン 10ml中の60%水素化ナトリウム 0.2g(5mmol)の懸濁液に添加する。15分間攪拌した後、ジメチルスルフェート 0.24ml(2.5mmol)を添加する。反応混合物を20℃で12時間攪拌した後、水 100mlに注ぎ入れ、酢酸エチル 50mlで3回抽出する。有機相を合わせ、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られる残留物を、溶出をジクロロメタンおよびメタノールの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして期待される生成物 70mgが泡の形態で単離される。
【0121】
X−2 6−アミノ−2,3−ジヒドロ−2−メトキシ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−l)
実施例VII−2に記載されるものに類似するプロセスに従い、2,3−ジヒドロ−2−メトキシ−6−ニトロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール 0.185g(0.79mmol)から出発して、期待される生成物に相当するベージュの固体 60mgがシリカカラムクロマトグラフィーによる精製の後に得られる。
【0122】
Mp=140−142℃
H NMR(CDCl)、δ(ppm):3.01(dxd,1H);3.25(dxd,1H);3.38(s,3H);3.94(dxd,1H);4.19(dxd,1H);4.62(m,1H);6.57(dxd,1H);6.95(d,1H);7.02(d,1H)。
【0123】
(実施例XI)
7−アミノ−4−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミド[1,2−a]ベンゾイミダゾール塩酸塩(1:1)(化合物番号VII−m)
XI−1 N−(2−ブロモ−5−ニトロフェニル)ホルムイミドイル二塩化物(XXVIII)
塩化チオニル 12ml(164mmol)および塩化スルフリル 4.5ml(56mmol)中のN−(2−ブロモ−5−ニトロフェニル)ホルムアミド(XXVII)5g(20.4mmol)の溶液を60℃で24時間加熱する。反応混合物を減圧下で濃縮して灰色固体 5.3gを得、それをそのまま次の合成において用いる。
【0124】
XI−2 N−(2−ブロモ−5−ニトロフェニル)−N−(1−メチル−1H−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イリデン)アミン(XXX)
テトラヒドロフラン 30ml中の中間体(XXVIII)5.3g(17.8mmol)の懸濁液を、0℃で攪拌される、テトラヒドロフラン 50ml中のN−メチル−1,3−プロパンジアミン(XXIX、n=3)10.5ml(0.1mol)の溶液に何回かに分けて添加する。次に、反応混合物を20℃で48時間攪拌した後、水 200mlに注ぎ入れる。混合物を酢酸エチル 50mlで3回抽出する。有機相を合わせ、塩化ナトリウムの飽和水溶液 100mlで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させて減圧下で濃縮する。得られた生成物を、溶出をジクロロメタンおよびメタノールの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして期待される生成物(XXIX)0.72gが黄色固体の形態で単離される。
【0125】
XI−3 4−メチル−7−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロピリミド[1,2−a]ベンゾイミダゾール(XXXI)
トルエン 20ml中の中間体(XXX)0.72g(2.3mmol)、Xantphos(登録商標)(9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン)0.16g(0.28mmol)、炭酸セシウム 1.5g(4.6mmol)および二酢酸パラジウム 30mg(0.14mmol)の混合物を120℃で24時間加熱する。この期間の後、混合物を減圧下で濃縮し、次いで、溶出をジクロロメタンおよびメタノールの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして期待される生成物(XXXI)0.44gが単離される。
【0126】
Mp=172−178℃
H NMR(CDCl)、δ(ppm):2.42(quint.,2H);3.39(s,3H);3.58(t,2H);4.15(t,2H);7.09(d,1H);8.09(dxd,1H);8.38(d,1H)。
【0127】
XI−4 7−アミノ−4−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミド[1,2−a]ベンゾイミダゾール塩酸塩(1:1)(化合物番号VII−m)
ヒドラジン一水和物 0.2ml(3.8mmol)を、化合物(XXX)0.44g(1.89mmol)およびラネーニッケル 0.3gの懸濁液に添加する。混合物を20℃で3時間攪拌した後、セライトバッファで濾過して減圧下で濃縮し、溶出をジクロロメタンおよびメタノールの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして期待される生成物(VII−m)0.36gが単離される。この化合物は、得られた生成物をイソプロパノール中の塩酸の0.1N溶液 50mlに取り、得られた溶液を減圧下で濃縮することによって塩酸塩の形態で場合により単離することができる。そのようにしてアミン(VII−m)の塩酸塩が単離される。
【0128】
Mp(HCl 1:1):335−340℃
H NMR(CDCl)、δ(ppm):2.17(quint.,2H);3.1(s,3H);3.25(t,2H);3.82(t,2H);6.31(dxd,1H);6.7(d,1H);6.76(d,1H)。
【0129】
(実施例XII)
8−アミノ−5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−5−H−[1,3]ジアゼピノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(化合物番号VII−n)
化合物(VII−n)は、実施例(XIII)に記載されるものに類似するプロセスに従い、中間体(XXVIII)および(XXIX、n=4)を用いて調製する。
【0130】
Mp(2HCl):330−336℃
H NMR(CDCl)、δ(ppm):1.84(m,4H);3.06(s,3H);3.08(m,2H);3.8(m,2H);6.42(dxd,1H);6.81(d,1H);6.85(s,1H)。
【0131】
以下の実施例は本発明による特定の化合物の調製を記述する。これらの実施例は限定するものではなく、単に本発明を説明するものである。例示される化合物の番号は表2、3および4におけるものを指す。元素微量分析、LC−MS(液体クロマトグラフィー−質量分析)分析およびIRもしくはNMRスペクトルが得られた化合物の構造を確認する。
【0132】
(実施例1)(表2の化合物番号1)
N−(1,2,3,4−テトラヒドロピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−5−フルオロ−1−[(ピリジン−4−イル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
1.1.エチル 5−フルオロ−1−[(ピリジン−4−イル)メチル]−1H−インドール−2 −カルボキシレート
乾燥トルエン 15ml中の1,1’−アゾジカルボニルジピペリジン 5.5g(21.72mmol)の溶液を、アルゴンの下、20℃で、滴下により、トルエン 200ml中のエチル 5−フルオロ−1H−インドール−2−カルボキシレート 3g(14.48 mmol)、4−ピリジルカルビノール 2.37g(21.72mmol)およびn−トリブチルホスフィン 5.45ml(21.72mmol)の溶液に添加する。混合物を20℃で48時間攪拌する。次に、反応混合物を減圧下で濃縮する。残留物をシリカカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/酢酸エチル)によって精製する。そのようにして期待される生成物 3.2gが単離され、その生成物をそのまま次の合成において用いる。
【0133】
1.2 N−(1,2,3,4−テトラヒドロピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−5−フルオロ−1−[(ピリジン−4−イル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド(化合物番号1)
トリメチルアルミニウム(トルエン中に2M)1.26mlを、アルゴンの下で、乾燥トルエン 70ml中の7−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Saunders et al.,J.Chem.Soc.,1955,3275−3287)0.376g(2.01mmol)の溶液に添加する。0℃で15分間攪拌した後、混合物を50℃にし、攪拌を30分間維持する。次に、混合物を0℃に冷却する。工程1.1において得られたエチル 5−フルオロ−1−[(ピリジン−4−イル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキシレート 0.5g(1.68mmol)を添加する。反応混合物を12時間還流した後、冷却し、塩酸の氷冷1N溶液 20mlに添加する。水相のpHを9に調整する。濾過によって回収される不溶性物質をシリカカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン−メタノール)によって精製する。そのようにして精製された生成物をジクロロメタンおよびヘプタンの混合液から再結晶化する。白色固体 0.41gが減圧下での乾燥の後に得られる。
融点(塩基):292−293℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):1.91(m,4H);2.89(t,2H);4.02(t,2H);5.9(s,2H);6.93(d,2H);7.09(txd,1H);7.5(m,5H);7.89(d,1H);8.4(d,2H);10.35(s,1H)。
【0134】
(実施例2)(表2の化合物番号2)
N−(1,2,3,4−テトラヒドロピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
2.1 エチル 5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキシレート
ジメチルホルムアミド 50ml中のエチル 5−フルオロ−1H−インドール−2−カルボキシレート 1.035g(5mmol)、塩化3−フルオロ−ベンジル 0.865g(6mmol)および炭酸カリウム 1.38g(10mmol)の懸濁液を60℃で24時間攪拌する。次に、反応混合物を冷却し、冷水および酢酸エチルの混合液に注ぎ入れる。静置による分離の後、有機相を分離し、水 200mlで2回、次いで塩化ナトリウムの飽和溶液 200mlで洗浄する。その溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させて濾過した後、濾液を減圧下で濃縮する。油 0.97gが得られ、その油をそのまま次の工程において用いる。
【0135】
2.2 N−(1,2,3,4−テトラヒドロピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド(化合物番号2)
トリメチルアルミニウム(トルエン中に2M)1.43mlを、アルゴンの下で、乾燥トルエン 70ml中の7−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Saunders et al.,J.Chem.Soc.,1955,3275−3287)0.426g(2.28mmol)の溶液に添加する。0℃で15分間攪拌した後、混合物を50℃にし、攪拌を30分間継続する。次に、混合物を0℃に冷却し、工程2.1において得られるエチル 5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキシレート 0.6g(1.9mmol)を添加する。反応混合物を12時間還流した後、冷却し、塩酸の氷冷1N溶液 20mlに添加する。水相のpHをpH9に調整する。不溶性物質を濾過によって回収し、シリカカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン−メタノール)によって精製する。そのようにして精製された生成物をメタノールから再結晶化する。白色固体 0.46gが減圧下での乾燥の後に得られる。
融点(塩基):286−287℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2(m,4H);2.9(t,2H);4.05(t,2H);5.88(s,2H);7.11(m,10H);7.91(s,1H);10.38(s,1H)。
【0136】
(実施例3)(表2の化合物番号3)
N−(1,2,3,4−テトラヒドロピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−1−ベンジル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキサミド
3.1 エチル 1−ベンジル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレート
エチル ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレート(WO2004101563)2g(10mmol)を、20℃で攪拌される、DMF 50ml中の水素化ナトリウム 0.44g(11mmol)の懸濁液に少しずつ添加する。周囲温度で1時間攪拌した後、臭化ベンジル 2.1g(12mmol)を滴下により添加し、反応混合物を周囲温度で20時間攪拌する。水 150mlおよびエチルエーテル 150mlを攪拌しながら連続添加する。水相を分離し、酢酸エチル 50mlで2回抽出する。有機相を合わせ、水 100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。生じる生成物を、溶出をヘプタンおよびジクロロメタンの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして期待される生成物 2.3gが単離される。
融点=71−72℃.
【0137】
3.2 N−(1,2,3,4−テトラヒドロピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−1−ベンジル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキサミド(化合物番号3)
トリメチルアルミニウム(トルエン中に2M)1.1mlを、アルゴンの下で、乾燥トルエン 20ml中の7−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Saunders et al.,J.Chem.Soc.,1955,3275−3287)0.32g(1.71mmol)の溶液に添加する。0℃で15分間攪拌した後、混合物を50℃にし、攪拌を30分間維持する。次に、混合物を0℃に冷却し、工程3.1において得られるエチル 1−ベンジル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレート 0.4g(1.43mmol)を添加する。反応混合物を6時間還流した後、冷却し、水 150ml、水酸化ナトリウムの35%水溶液 2滴およびジクロロメタン 150mlを攪拌しながら添加する。水相を分離し、ジクロロメタン 50mlで2回抽出する。有機相を合わせ、水 100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。生じる生成物を、溶出をメタノール−ジクロロメタンの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして生成物 0.55gが単離され、その生成物を、真空下での乾燥後に期待される化合物 0.45gが粉末の形態で得られるように、エタノールから再結晶化する。
融点=233−235℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):1.91(m,4H);2.91(t,2H);4.02(t,2H);5.9(s,2H);7.12(m,6H);7.38(m,2H);7.48(m,1H);7.9(s,1H);8.18(dxd,1H);8.4(dxd,1H)。
【0138】
(実施例4)(表2の化合物番号4)
N−(1,2,3,4−テトラヒドロピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキサミド
4.1 エチル 1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレート
ベンジルアルコール 0.58g(5.23mmol)、トリフェニルホスフィン 1.4g(5.23mmol)およびジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)0.94g(5.23mmol)を、攪拌しながら、乾燥テトラヒドロフラン 45ml中のエチル 5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレート(Nazare,M.et al.,Angewandte Chemie,International Ed.,2004,43(34),4526−4528)0.9g(3.5mmol)の懸濁液に添加する。周囲温度で20時間攪拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、生じる生成物を、溶出をジクロロメタンおよびヘプタンの混合物で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして期待される生成物 1gが得られる。
融点=72−73℃。
【0139】
4.2 N−{1,2,3,4−テトラヒドロピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキサミド(化合物番号4)
トリメチルアルミニウム(トルエン中に2M)0.65mlを、アルゴンの下で、乾燥トルエン 20ml中の7−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Saunders et al.,J.Chem.Soc.,1955,3275−3287)0.19g(1.03mmol)の溶液に添加する。0℃で15分間攪拌した後、混合物を50℃にし、攪拌を30分間維持する。次に、混合物を0℃に冷却し、工程4.1において得られるエチル 1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレート 0.3g(0.86mmol)を添加する。反応混合物を6時間還流した後、冷却し、水 150ml、水酸化ナトリウムの35%水溶液 2滴およびジクロロメタン 150mlを攪拌しながら添加する。水相を分離し、ジクロロメタン 50mlで2回抽出する。有機相を合わせ、水 100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。生じる生成物を、溶出をメタノール−ジクロロメタンの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして生成物 0.4gが単離され、その生成物を、真空下での乾燥後に期待される化合物 0.35gが粉末の形態で得られるように、アセトニトリルから再結晶化する。
融点=241−243℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):1.91(m,4H);2.93(t,2H);4.05(t,2H);5.98(s,2H);7.15(m,5H);7.42(m,3H);7.9(d,1H)、8.7(dxd,2H)、10.5(s,1H)。
【0140】
(実施例5)(表2の化合物番号5)
N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−5−フルオロ−1−[(ピリジン−4−イル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
トリメチルアルミニウム(トルエン中に2M)1.26mlを、アルゴンの下で、乾燥トルエン 70ml中の6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Freedman et al.,J.Het.Chem.,1966,3,(3),257−259)0.35g(2.01mmol)の溶液に添加する。0℃で15分間攪拌した後、混合物を50℃にし、攪拌を30分間維持する。混合物を0℃に冷却し、工程1.1において得られるエチル 5−フルオロ−1−[(ピリジン−4−イル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキシレート 0.5g(1.68mmol)を添加する。反応混合物を12時間還流した後、冷却し、塩酸の氷冷1N溶液 20mlに注ぎ入れる。水相のpHを9に調整する。不溶性物質を濾過により回収し、シリカカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン−メタノール)によって精製する。そのように精製された生成物をジクロロメタン−ヘプタンの混合液から再結晶化する。白色固体 0.23gが減圧下での乾燥後に得られる。
融点(塩基):266−267℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.6(m,2H);2.9(t,2H);4.08(t,2H);5.9(s,2H);6.95(d,2H);7.1(txd,1H);7.45(m,5H);7.92(d,1H);8.42(d,2H);10.31(s,1H)。
【0141】
(実施例6)(表2の化合物番号6)
N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
トリメチルアルミニウム(トルエン中に2M)1.43mlを、アルゴンの下で、乾燥トルエン 70ml中の6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Freedman et al.,J.Het.Chem.,1966,3,(3),257−259)0.39g(2.28mmol)の溶液に添加する。0℃で15分間攪拌した後、混合物を50℃にし、攪拌を30分間維持する。次に、混合物を0℃に冷却し、工程2.1において得られるエチル 5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキシレート 0.6g(1.9mmol)を添加する。反応混合物を12時間還流した後、冷却し、塩酸の氷冷1N溶液 20mlに注ぎ入れる。水相のpHを9に調整する。不溶性物質を濾過により回収し、シリカカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン−メタノール)によって精製する。そのように精製された生成物をジクロロメタンおよびヘプタンの混合液から再結晶化する。白色固体 0.45gが減圧下での乾燥後に得られる。
融点(塩基):256−257℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.56(m,2H);2.91(t,2H);4.04(t,2H);5.9(s,2H);7.2(m,10H);7.92(d,1H);10.32(s,1H)。
【0142】
(実施例7)(表2の化合物番号7)
N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−1−ベンジル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキサミド
トリメチルアルミニウム(トルエン中に2M)0.67mlを、アルゴンの下で、乾燥トルエン 20ml中の6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Freedman et al.,J.Het.Chem.,1966,3,(3),257−259)0.185g(1.07mmol)の溶液に添加する。0℃で15分間攪拌した後、混合物を50℃にし、攪拌を30分間維持する。次に、混合物を0℃に冷却し、工程3.1において得られるエチル 1−ベンジル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレート 0.25g(0.89mmol)を添加する。反応混合物を6時間還流した後、冷却し、水 150ml、水酸化ナトリウムの35%水溶液 2滴およびジクロロメタン 150mlを攪拌しながら添加する。水相を分離し、ジクロロメタン 50mlで2回抽出する。有機相を合わせ、水 100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。生じる生成物を、溶出をメタノールおよびジクロロメタンの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして生成物 0.34gが単離され、その生成物を、真空下での乾燥後に期待される化合物 0.31gが粉末の形態で得られるように、エタノールから再結晶化する。
融点=251−252℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.6(m,2H);2.9(t,2H);4.04(t,2H);5.9(s,2H);7.15(m,9H);7.9(d,1H);8.18(dxd,1H);8.4(dxd,1H)。
【0143】
(実施例8)(表2の化合物番号8)
N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキサミド
トリメチルアルミニウム(トルエン中に2M)0.65mlを、アルゴンの下で、乾燥トルエン 20ml中の6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Freedman et al.,J.Het.Chem.,1966,3,(3),257−259)0.18g(1.03mmol)の溶液に添加する。0℃で15分間攪拌した後、混合物を50℃にし、攪拌を30分間維持する。次に、混合物を0℃に冷却し、工程4.1において得られるエチル 1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレート 0.3g(0.86mmol)を添加する。反応混合物を6時間還流した後、冷却し、水 150ml、水酸化ナトリウムの35%水溶液 2滴およびジクロロメタン 150mlを攪拌しながら添加する。水相を分離し、ジクロロメタン 50mlで2回抽出する。有機相を合わせ、水 100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。生じる生成物を、溶出をメタノール−ジクロロメタンの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして生成物 0.37gが単離され、その生成物を、真空下での乾燥後に期待される化合物 0.3gが粉末の形態で得られるように、アセトニトリルから再結晶化する。
融点=268−270℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.6(m,2H);2.9(t,2H);4.04(t,2H);6(s,2H);7.12(m,5H);7.42(m,3H);7.92(s,1H);8.7(d,2H)。
【0144】
(実施例9)(表3の化合物番号148)
N−(ピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
トリメチルアルミニウム(トルエン中に2M)1.19mlを、アルゴンの下で、乾燥トルエン 70ml中の7−アミノピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Begunov et al.,Russian J.Org.Chem.,2004,(40),11,1694−1696)0.348g(1.9mmol)の溶液に添加する。0℃で15分間攪拌した後、混合物を50℃にし、攪拌を30分間維持する。次に、混合物を0℃に冷却し、工程2.1において得られるエチル 5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキシレート 0.5g(1.9mmol)を添加する。反応混合物を12時間還流した後、冷却し、塩酸の氷冷1N溶液 20mlに添加する。水相のpHを9に調整する。不溶性物質を濾過により回収し、調製用クロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン−メタノール)によって精製する。そのようにして精製された生成物をメタノールから再結晶化する。期待される生成物 0.53gが減圧下での乾燥の後に白色固体の形態で得られる。
融点(塩基):261−262℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):5.9(s,2H);7.01(m,6H);7.55(m,6H);8.2(d,2H);9.0(s,1H)。
【0145】
(実施例10)(表3の化合物番号149)
N−(ピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−5−フルオロ−1−[(ピリジン−4−イル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
トリメチルアルミニウム(トルエン中に2M)1.51mlを、アルゴンの下で、乾燥トルエン 70ml中の7−アミノピリド[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Begunov et al.,Russian J.Org.Chem.,2004,(40),11,1694−1696)0.442g(2.41mmol)の溶液に添加する。0℃で15分間攪拌した後、混合物を50℃にし、攪拌を30分間維持する。次に、混合物を0℃に冷却し、工程1.1において得られるエチル 5−フルオロ−1−[(ピリジン−4−イル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキシレート 0.6g(2.01mmol)を添加する。反応混合物を12時間還流した後、冷却し、塩酸の氷冷1N溶液 20mlに添加する。水相のpHを9に調整する。不溶性物質を濾別し、調製用クロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン−メタノール)によって精製する。そのようにして精製された生成物をメタノールから再結晶化する。期待される生成物 0.35gが減圧下での乾燥後に白色固体の形態で得られる。
融点(塩基):277−278℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):5.9(s,2H);6.99(m,3H);7.11(dxt,1H);7.58(m,6H);8.21(m,2H);8.44(d,2H);9.05(d,1H)。
【0146】
(実施例11)(表3の化合物番号150)
N−(ピリミド[1,2−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
11.1 5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボン酸
水 50ml中の水酸化ナトリウムペレット 1.15g(28.92mmol)から調製される水酸化ナトリウムの水溶液を、エタノール 240ml中のエチル 5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキシレート(工程2.1において得られる。)7.6g(24.10mmol)の溶液に添加する。混合物を2時間加熱した後、減圧下で濃縮する。生じる固体を水 200mlに取る。その溶液をエチルエーテル 100mlで2回洗浄し、少量の濃塩酸を連続的に添加することによって酸性化した後、酢酸エチル 200mlで抽出する。最後に、有機相を水 100mlで2回、塩化ナトリウムの飽和溶液 50mlで1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて減圧下で濃縮する。減圧下、50℃で乾燥させた後、期待される生成物 6.4gが固体の形態で得られ、それをそのまま次の工程において用いる。
【0147】
11.2 N−(ピリミド[1,2−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド(化合物番号150)
70%純粋7−アミノピリミド[1,2−a]ベンゾイミダゾール(VII−h)140mg(0.532mmol)を、20℃で攪拌される、DMF 5ml中の工程11.1において調製される化合物 0.22g(0.76mmol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDAC)146mg(0.76mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)103mg(0.76mmol)の溶液に添加する。反応混合物を20℃で48時間攪拌した後、水 50mlに注ぎ入れる。次に、混合物を酢酸エチル 30mlで3回抽出する。合わせた有機相を水 20mlで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。得られた生成物を、溶出をジクロロメタンおよびメタノールの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして期待される生成物 90mgが単離される。
【0148】
Mf=295−298℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):10.7(s,1H);9.49(d,1H);8.82(d,1H);8.3(m,2H);7.79(d,1H);7.6(m,2H);7.47(s,1H);7.31(m,1H);7.17(m,2H);7.05(m,1H);6.82(m,2H);5.93(s,2H)。
【0149】
(実施例12)(表4の化合物番号154)
N−(2−メトキシピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド塩酸塩(1:1)
化合物154は、実施例11.2に記載される方法に類似するプロセスに従い、工程11.1において調製される酸および6−アミノ−2−メトキシ−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(VII−l)から調製する。次に、生じる固体を、熱条件下で、イソプロパノール中の0.1N塩酸 2.1mlおよびメタノール 1mlの混合液に溶解する。媒体を冷却した後、沈殿を濾過によって回収し、減圧下で乾燥させる。そのようにして期待される生成物が塩酸塩の形態で単離される。
【0150】
Mp(HCl 1:1)=220−225℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):3.21(d,1H);3.35(s,3H);3.52(dxd,1H);4.38(m,2H);4.8(m,1H);5.89(s,2H);6.89(m,2H);6.91−7.33(m,3H);7.4−7.8(m,4H);8.27(s,1H);10.68(s,1H)。
【0151】
(実施例13)(表3の番号151)
N−(ピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド塩酸塩(1:1)
化合物151は、実施例12に記載される方法に類似するプロセスに従い、工程11.1において調製される酸および7−アミノピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(VII−g)から調製する。
【0152】
Mp(HCl 1:1)=225−230℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):5.91(s,2H);6.81−7.38(m,5H);7.58(m,3H);7.91(d,1H);8.22(d,1H);8.49(m,2H);9.2(d,1H);9.33(s,1H);10.8(s,1H)。
【0153】
(実施例14)(表2の番号26)
N−(2,3−ジヒドロ−3−メチルイミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
化合物26は、実施例1.2に記載される方法に類似するプロセスに従い、工程2.1において得られるエチル 5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキシレートおよび6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1−メチル−イミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(VII−c)から調製する。
【0154】
Mp=281−282℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):3.1(s,3H);4.1−4.35(m,4H);5.89(s,2H);6.82(m,2H);6.92−7.2(m,2H);7.21−7.35(m,2H);7.39(s,1H);7.53(m,3H);7.91(s,1H)。
【0155】
(実施例15)(表2の番号50)
N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−1−[(キノリン−2−イル)メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキサミド
15.1 エチル 1−[(キノリン−2−イル)メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレート
(キノリン−2−イル)メタノール 0.14g(0.871mmol)、トリフェニルホスフィン 0.228g(0.871mmol)およびジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)0. 151g(0.871mmol)を、攪拌しながら、乾燥テトラヒドロフラン 2ml中のエチル 5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレート(Nazare,M.et al.,Angewandte Chemie,International Ed.,2004,43(34),4526−4528)0.15g(0.581mmol)の懸濁液に添加する。周囲温度で20時間攪拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、生じる生成物を、溶出をジクロロメタンおよびヘプタンの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。そのようにして期待される生成物 0.18gが黄色油の形態で得られる。
【0156】
15.2 N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−1−[(キノリン−2−イル)メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキサミド(化合物番号50)
化合物50は、実施例5に記載される方法に類似するプロセスに従い、工程15.1において得られる化合物 0.18g(0.45mmol)および6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Freedman et al.,J.Het.Chem.,1966,3,(3),257−259)0.094g(0.541mmol)から調製する。そのようにして期待される生成物 0.22gが得られる。
【0157】
Mp=300−301℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.61(q,2H);2.94(t,2H);4.08(t,2H);6.26(s,2H);7.22(d,1H);7.37(d,1H);7.55−7.46(m,2H);7.6(s,1H);7.67(dxt,1H);7.8(d,1H);7.95−7.81(m,2H);8.27(d,1H);8.73(s,2H);10.65(s,1H)。
【0158】
(実施例16)(表2の番号25)
N−(1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
16.1 N−(2−ベンジルオキシカルボニル−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
この化合物は、実施例11.2に記載されるものに類似するプロセスに従い、実施例11.1に記載される5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボン酸およびアミンVII−fから調製する。
【0159】
16.2 N−(1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール7−イル)−5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド(化合物番号25)
エタノール 100ml中の前工程において調製される化合物 1g(1.69mmol)および10%パラジウム/C 0.1gの懸濁液を20℃で6時間、水素 5.5バールの下で攪拌する。次に、懸濁液をセライトバッファで濾過し、減圧下で濃縮する。生じる生成物を、溶出をジクロロメタンおよびメタノールの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。期待される生成物 0.48gを単離することが可能となるように、精製された生成物をイソプロパノール中の塩酸の0.1N溶液 10mlに取り、その溶液を減圧下で濃縮し、生じる固体をエチルエーテルで摩砕する。
【0160】
Mp(1HCl)=276−284℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):3.73(t,2H);4.38(t,2H);4.59(s,3H);5.59(s,2H);6.9(m,2H);7.02(txd,1H);7.15(txd,1H);7.31(m,1H);7.45(s,1H);7.58(m,3H);8.1(s,1H);9.97(s,1H);10.45(s,1H)。
【0161】
(実施例17)(表2の番号81)
N−(3−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール7−イル)−5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
化合物81は、実施例6に記載されるものに類似するプロセスに従い、工程2.1において得られるエチル 5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキシレートおよび7−アミノ−3−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(VII−e)から調製する。
【0162】
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.45(s,3H);2.89(t,2H);3.74(s,2H);4.1(t,2H);5.9(s,2H);6.81−7.6(m,10H);7.97(d,1H);10.46(s,1H)。
【0163】
(実施例18)(表2の番号84)
N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−5−フルオロ−1−(2−ベンジルオキシエチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
18.1 エチル 5−フルオロ−1−(2−ベンジルオキシエチル)−1H−インドール−2−カルボキシレート
2−ベンジルオキシエタノール 94μl(0.657mmol)および(シアノメチレン)トリメチルホスホラン(Tet.Lett.,1996,37,2459−2462)50.4mg(0.438mmol)を、20℃で攪拌される、トルエン 2ml中のエチル 5−フルオロ−1H−インドール−2−カルボキシレート 68mg(0.329mmol)の溶液に添加する。反応混合物を110℃で12時間加熱した後、減圧下で濃縮してエチルエーテル 20mlに取り、セライトバッファで濾過して減圧下で濃縮する。得られる残留物を、溶出を水、アセトニトリルおよびトリフルオロ酢酸の混合液で行う、調製用HPLCによって精製する。そのようにして黄色油 99mgが単離される。
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):1.3(t,3H);3.72(t,2H);4.28(q,2H);4.38(s,2H);4.81(t,2H);7.28−7.07(m,7H);7.45(dxd,1H);7.68(dxd,1H)。
【0164】
18.2 N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−5−フルオロ−1−(2−ベンジルオキシエチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド(化合物番号84)
化合物84は、実施例6に記載される方法に類似するプロセスに従い、前工程において得られるエチル 5−フルオロ−1−(2−ベンジルオキシエチル)−1H−インドール−2−カルボキシレートおよび6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Freedman et al.,J.Het.Chem.,1966,3,(3),257−259)から調製する。
【0165】
Mp=186−187℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.63(m,2H);2.93(m,2H);3.75(m,2H);4.09(m,2H);4.39(s,2H);4.81(m,2H);7.01−7.19(m,6H);7.25(s,1H);7.31−7.62(m,3H);7.62(dxd,1H);7.97(m,1H);10.23(s,1H)。
【0166】
(実施例19)
(表2の番号82)
N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−5−フルオロ−1−{2−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]エチル}−1H−インドール−2−カルボキサミド
19.1 2−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]エタノール
ジメチルホルムアミド 3ml中の2−ブロモエタノール 0.291ml(4.12mmol)、2−ヒドロキシ−5−メチルピリジン 0.3g(2.75mmol)および炭酸カリウム 0.85g(6.18mmol)の懸濁液を還流温度で12時間激しく攪拌する。次に、混合物を水 100mlで希釈し、ジクロロメタン 100mlで抽出する。有機相を水 50mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した後、溶出をヘキサンおよび酢酸エチルの混合液で行う、シリカカラムでクロマトグラフィー処理する。そのようにして期待される生成物が単離される。
【0167】
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.2(s,3H);3.66−3.71(m,2H);4.22(t,2H);4.77(t,1H);6.71(d,1H);7.51(dxd,1H);7.95(dxd,1H)。
【0168】
19.2 エチル 5−フルオロ−1−{2−[(5−メチルピリジン−2−イル)−オキシ]エチル}−1H−インドール−2−カルボキシレート
エチル 5−フルオロ−1−[2−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]−エチル]−1H−インドール−2−カルボキシレート中間体は、実施例18.1に記載される方法に類似する方式で、エチル 5−フルオロ−1H−インドール−2−カルボキシレートおよび前工程において調製される2−(5−メチルピリジン−2−イルオキシ)エタノールから調製する。
【0169】
19.3 N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−5−フルオロ−1−{2−[(5−メチルピリジン−2−イル)オキシ]エチル}−1H−インドール−2−カルボキサミド(化合物番号82)
化合物82は、実施例6に記載される方法に類似するプロセスに従い、前工程において得られる化合物および6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Freedman et al.,J.Het.Chem.,1966,3,(3),257−259)から調製する。
【0170】
Mp=209−210℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.11(s,3H);2.61(m,2H);2.91(m,2H);4.09(m,2H);4.49(m,2H);4.91(m,2H);6.41(d,1H);7.11(dxt,1H);7.21(s,1H);7.32−7.56(m,4H);7.62(dxd,1H);7.89(d,1H);7.97(d,1H);10.29(s,1H)。
【0171】
(実施例20)
(表2の番号83)
N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−5−フルオロ−1−[2−{[(5−トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}エチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
20.1 2−[(5−トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)オキシ]エタノール
この化合物は、実施例19.1に記載されるものに類似する方法に従い、2−ブロモエタノールおよび2−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)ピリジンから調製する。
【0172】
20.2 エチル 5−フルオロ−1−[2−{[(5−トリフルオロメチル)−ピリジン−2−イル]オキシ}エチル]−1H−インドール−2−カルボキシレート
この中間体は、実施例18.1に記載される方法に類似する方式で、エチル 5−フルオロ−1H−インドール−2−カルボキシレートおよび前工程において調製される2−[[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ]エタノールから調製する。
【0173】
20.3 N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−5−フルオロ−1−[2−{[(5−トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}エチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド(化合物番号83)
化合物83は、実施例6に記載される方法に類似するプロセスに従い、前工程において得られるエチル 5−フルオロ−1−[2−[[(5−トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ]エチル]−1H−インドール−2−カルボキシレートおよび6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Freedman et al.,J.Het.Chem.,1966,3,(3),257−259)から調製する。
【0174】
[MH]=524
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.61(m,2H);2.89(m,2H);4.05(m,2H);4.59(m,2H);4.98(m,2H);6.69(d,1H);7.11(dxt,1H);7.23(s,1H);7.3−7.52(m,3H);7.63(dxd,1H);7.84(dxd,1H);7.97(s,1H);8.45(s,1H);10.28(s,1H)。
【0175】
(実施例21)(表2の番号127)
N−(3,4−ジヒドロ−1H−オキサジノ[1,4][4,3−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−1−ベンジル−5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキサミド
21.1 2−アミノ−3−ヨード−5−フルオロピリジン
2−アミノ−5−フルオロピリジン 5g(44.6mmol)、硫酸銀 13.9g(44.6mmol)およびエタノール 400mlを磁気攪拌機を備える500ml二首フラスコに導入する。次に、粉末ヨウ素 11.31g(44.6mmol)を少量ずつ添加する。攪拌を周囲温度で24時間継続する。不溶性物質を濾過によって除去してエタノールで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮する。そのようにして得られる残留物を酢酸エチル(200ml)および炭酸ナトリウムの溶液(200ml)の混合液に取る。分離の後、有機相をチオ硫酸ナトリウムの25%水溶液、次いで塩化ナトリウムの飽和水溶液で連続的に洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。生じる固体を、溶出をn−ヘプタンおよび酢酸エチルの混合液で行う、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製する。期待される生成物 2.67g(11.22mmol)が得られる。
【0176】
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):7.95(s,1H);7.85(s,1H);5.9(s,NH)。
【0177】
21.2 5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸
工程5.1において得られる2−アミノ−3−ヨード−5−フルオロピリジン 0.5g(2.10mmol)、ピルビン酸 0.55g(6.3mmol)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)0.71g(6.3mmol)および無水ジメチルホルムアミドを、磁気攪拌機を備える25ml密封管に導入し、アルゴンの散布を施す。数分後、酢酸パラジウム 0.05g(0.22mmol)を添加する。反応混合物を攪拌し続け、アルゴンの散布を20分間施した後、迅速に密封して2時間30分、100℃にする。冷却した溶液を減圧下で濃縮する。次に、残留物を酢酸エチル(100ml)および水(75ml)に取る。有機相を水で洗浄した後、水酸化ナトリウムの2N水溶液 50mlで2回抽出する。塩基性水相を合わせて0℃に冷却した後、塩酸(pH3)を添加することによって酸性化する。媒体を酢酸エチルで抽出し(4×50ml)、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。期待される生成物 0.158g(0.88mmol)が黄色粉末の形態で得られる。
【0178】
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):13.2(s,1H);12.4(s,1H);8.4(d,1H);7.95(dd,1H);7.1(d,1H)。
【0179】
21.3 エチル 5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレート
工程21.2において得られる酸 0.2g(1.11mmol)およびエタノール 10mlを、磁気攪拌機を備える100ml丸底フラスコに導入する。濃硫酸 1mlを反応混合物に添加し、次にそれを18時間還流する。冷却した溶液を減圧下で濃縮乾燥する。残留物を酢酸エチル(50ml)に取り、生成物を水酸化ナトリウムの標準水溶液(2×10ml)、水(10ml)、次いで塩化ナトリウムの飽和水溶液で連続的に洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。期待される生成物 0.21gが単離される。
【0180】
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):12.6(s,NH);8.4(d,1H);8.0(dd,1H);7.1(d,1H);4.35(q,2H);1.35(t,3H)。
【0181】
21.4 エチル 1−ベンジル−5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレート
エチル 1−ベンジル−5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレートは、実施例4.1に記載されるものに類似する方法に従い、ベンジルアルコールおよび前工程において調製されるエチル 5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレートから調製した。
【0182】
Mp=74−75℃。
【0183】
21.5 N−(3,4−ジヒドロ−1H−オキサジノ[1,4][4,3−a]ベンゾイミダゾール7−イル)−1−ベンジル−5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキサミド(化合物番号127)
化合物番号127は、実施例4.2に記載されるものに類似する方法に従い、前工程において記述されるエチル 1−ベンジル−5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレートおよび7−アミノモルホリノ[4,3−a]ベンゾイミダゾール(Mullock,E.B.,J.Chem.Soc.Section C,1970,(6),829−833)から調製する。
【0184】
Mp=231−232℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):4.15(m,4H);4.91(s,2H);5.9(s,2H);7.02−7.26(m,5H);7.35(s,1H);7.5(m,2H);8.01(s,1H);8.12(dxd,1H);8.46(m,1H);10.44(s,1H)。
【0185】
(実施例22)(表2の化合物番号128)
N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−1−ベンジル−5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキサミド
化合物番号128は、実施例4.2に記載されるものに類似する方法に従い、実施例21.4に記述されるエチル 1−ベンジル−5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレートおよび6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Freedman et al.,J.Het.Chem.,1966,3,(3),257−259)から調製する。
【0186】
Mp=259−260℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.59(m,2H);2.89(t,2H);4.05(t,2H);5.89(s,2H);7.01−7.24(m,5H);7.35(m,2H);7.45(dxd,1H);7.91(s,1H);8.1(dxd,1H);8.41(m,1H);10.41(s,1H)。
【0187】
(実施例23)(表2の化合物番号129)
N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキサミド
23.1 3−アミノ−2−ヨード−6−(トリフルオロメチル)ピリジン
ヨウ素 1.56g(6.17mmol)を、アルゴンの下、20℃で攪拌される、エタノール 40ml中の3−アミノ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン 1g(6.17mmol)および硫酸銀 1.25g(6.17mmol)の混合物に少しずつ添加する。攪拌を18時間維持する。不溶性物質を濾過によって除去してエタノールで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮して残留物をジクロロメタン 100mlに取る。有機相を水酸化ナトリウムの5%水溶液 20ml、水 40mlおよび塩化ナトリウムの飽和水溶液 20mlで連続的に洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した後、シリカカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン−酢酸エチル)によって精製する。そのようにして期待される生成物 1.17gが単離され、その生成物をそのまま次の合成において用いる。
【0188】
23.2 5−トリフルオロメチルピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸
工程23.1において得られる3−アミノ−2−ヨード−6−(トリフルオロメチル)ピリジン 0.5g(1.74mmol)、ピルビン酸 0.45g(5.21mmol)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン 0.51ml(5.21mmol)および乾燥ジメチルホルムアミド 10mlを、アルゴンの下、密封管に導入する。溶液を数分間脱気した後、酢酸パラジウム 0.19g(0.87mmol)を添加し、管を密封して全体を130℃で4時間還流する。次に、冷却した溶液を減圧下で濃縮し、残留物を酢酸エチル 100mlに取る。有機相を水酸化ナトリウムの2N水溶液 50mlで2回、連続的に抽出する。その塩基性水相を合わせて0℃に冷却し、塩酸を添加することによって酸性化した後、酢酸エチル 50mlで4回抽出する。これらの有機相を合わせ、塩化ナトリウムの飽和水溶液 20mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。生成物 0.22gが得られ、それをそのまま次の工程において用いる。
【0189】
23.3 エチル 5−(トリフルオロメチル)ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキシレート
濃硫酸 1ml(18.71mmol)を、エタノール 10ml中の工程23.2において得られる5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸 0.2g(0.87mmol)の溶液に添加する。溶液を還流温度で20時間攪拌した後、冷却し、減圧下で濃縮する。次に、得られた残留物をジクロロメタン 50mlに取った後、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液 20ml、水 40mlおよび塩化ナトリウムの飽和水溶液 20mlで連続的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。生成物 0.19gが得られ、その生成物をそのまま次の工程において用いる。
【0190】
23.4 エチル 1−ベンジル−5−トリフルオロメチルピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキシレート
エチル 1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキシレートは、実施例4.1に記載されるものに類似する方法に従い、ベンジルアルコールおよび前工程において調製される化合物から調製した。
【0191】
23.5 N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキサミド(化合物番号129)
化合物番号129は、実施例4.2に記載されるものに類似する方法に従い、前工程に記述されるエチル 1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキシレートおよび6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Freedman et al.,J.Het.Chem.,1966,3,(3),257−259)から調製する。
【0192】
Mp=251−252℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.61(m,2H);2.91(t,2H);4.09(t,2H);5.92(s,2H);7.05−7.29(m,5H);7.31−7.5(m,2H);7.56(s,1H);7.7(d,1H);7.91(s,1H);8.29(d,1H);10.51(s,1H)。
【0193】
(実施例24)(表2の化合物番号130)
N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−1−[(ピリジン−4−イル)メチル]−5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキサミド
24.1 エチル 1−[(ピリジン−4−イル)メチル]−5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレート
1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン 9.18g(36.02mmol)を、20℃で攪拌される、トルエン 150ml中のエチル 5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレート(実施例21.3)5g(24.02mmol)、(ピリジン−4−イル)メタノール 3.97g(36.02mmol)およびトリブチルホスフィン 7.5g(36.02mmol)の溶液に1/4時間で添加する。反応混合物を20℃で16時間攪拌し、セライトバッファで濾過して減圧下で濃縮した後、ジクロロメタン 100mlに取る。有機溶液を炭酸カリウムの5%水溶液 50mlで2回、次いで水 50mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて減圧下で濃縮する。得られた生成物を、溶出をヘプタンおよび酢酸エチルの混合液で行う、シリカカラムでクロマトグラフィー処理する。そのようにして期待されるエステル 4.5gが単離される。
Mp=120−121℃.
【0194】
24.2 N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−1−[(ピリジン−4−イル)メチル]−5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキサミド(化合物番号130)
化合物番号130は、実施例1.2に記載されるものに類似する方法に従い、前工程において記述されるエチル 1−[(ピリジン−4−イル)メチル]−5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレートおよび6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Freedman et al.,J.Het.Chem.,1966,3,(3),257−259)から調製する。
【0195】
Mp=283−285℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.62(m,2H);2.92(t,2H);4.09(t,2H);5.93(s,2H);7.01(d,2H);7.38(d,1H);7.49(m,2H);7.95(s,1H);8.2(d,1H);8.45(m,3H);10.42(s,1H)。
【0196】
(実施例25)(表2の化合物番号131)
N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−1−[(ピリジン−4−イル)メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキサミド
25.1 エチル 1−[(ピリジン−4−イル)メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキシレート
実施例24.1に記載されるものに類似するプロセスに従い、エチル 5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキシレート(実施例23.3)5g(18.4mmol)および(ピリジン−4−イル)メタノール 3.04g(27.6mmol)を用いて、期待される化合物 4.2gが単離される。
Mp=130−131℃
【0197】
25.2 N−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−1−[(ピリジン−4−イル)メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキサミド(化合物番号131)
実施例24.2に記載されるものに類似するプロセスに従い、前工程において得られる化合物 0.3g(0.86mmol)および6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(Freedman et al.,J.Het.Chem.,1966,3,(3),257−259)0.178g(1.03mmol)を用いて、期待される化合物 0.25gが白色固体の形態で単離される。
【0198】
Mp=270−271℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.61(m,2H);2.92(t,2H);4.09(t,2H);5.99(s,2H);7.01(d,2H);7.43(m,2H);7.71(s,1H);7.79(d,1H);7.95(s,1H);8.25(d,1H);8.43(d,2H);10.51(s,1H)。
【0199】
(実施例26)(表2の化合物番号132)
N−(4−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミド[1,2−a]ベンゾイミダゾール7−イル)−5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド塩酸塩(1:1)
化合物132は、実施例11.2のものに類似するプロセスに従い、5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボン酸 0.312g(1.09mmol)および7−アミノ−4−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミド[1,2−a]ベンゾイミダゾール(VII−m)0.22g(1.09mmol)から調製する。期待される生成物 0.41gが淡黄色固体の形態で単離される。その化合物をイソプロパノール中の塩酸の0.1N溶液 50mlに取る。得られた溶液を減圧下で濃縮することで、化合物139が塩酸塩の形態で単離される。
Mp(HCl 1:1)=343−349℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):
【0200】
(実施例27)(表2の化合物番号24)
N−(3,4−ジヒドロ−1H−オキサジノ[1,4][4,3−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキサミド
化合物24は、実施例4.2に記載されるものに類似する方法に従い、実施例4.1に記述されるエチル 1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボキシレートと7−アミノオキサジノ[1,4][4,3−a]ベンゾイミダゾール(Mullock,E.B.,J.Chem.Soc.Section C,1970,(6),829−833)との反応によって調製した。
【0201】
Mp=236−237℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):4.12(m,4H);4.91(s,2H);5.95(s,2H);7.02−7.28(m,5H);7.5(m,3H);8.01(d,1H);8.68(d,1H);8.78(d,1H);10.55(s,1H)。
【0202】
(実施例28)(表2の化合物番号15)
N−(3,4−ジヒドロ−1H−オキサジノ[1,4][4,3−a]ベンゾイミダゾル−7−イル)−5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
化合物15は、実施例6に記載されるものに類似する方法に従い、工程2.1において得られるエチル 5−フルオロ−1−(3−フルオロベンジル)−1H−インドール−2−カルボキシレートと7−アミノオキサジノ−[1,4][4,3−a]ベンゾイミダゾール(Mullock,E.B.,J.Chem.Soc.Section C,1970,(6),829−833)との反応によって調製した。
【0203】
Mp=216−217℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):4.15(m,4H);4.91(s,2H);5.85(s,2H);6.82−7.61(m,10H);8(s,1H);10.39(s,1H)。
【0204】
(実施例29)(表2の化合物番号133)
N−[2,3−ジヒドロ−3−(tert−ブトキシカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾール6−イル]−1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキサミド
化合物133は、実施例11に記載されるプロセスに従い、6−アミノ−2,3−ジヒドロ−1−tert−ブトキシカルボニルイミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾール(VII−d)およびエチル 1−ベンジル−5−トリフルオロメチルピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキシレート(23.4)から調製する。
【0205】
Mp=169−174℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):1.51(s,9H);4.27(m,4H);5.94(s,2H);7.09−7.31(m,6H);7.42(dxd,1H);7.58(s,1H);7.71(d,1H);7.84(s,1H);8.29(d,1H);10.52(s,1H)。
【0206】
(実施例30)(表2の化合物番号137)
N−(2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ベンゾイミダゾル−6−イル)−1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキサミド
ジエチルエーテル中の2M塩酸 10ml中の化合物133(実施例29)0.18g(0.31mmol)の溶液を20℃で16時間攪拌する。この期間の後、黄色沈殿を濾別し、それを減圧下で乾燥させることにより、期待される生成物137が単離される。
【0207】
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):4.3(m,4H);5.98(s,2H);7.11(m,1H);7.25(m,3H);7.41(d,1H);7.59(dxd,1H);7.68(s,1H);7.78(d,1H);7.89(s,1H);8.35(d,1H);9.39(s,1H);10.82(s,1H);13.35(s,1H)。
【0208】
以下の表2、3および4は本発明による化合物の幾つかの例の化学構造および物理特性を示す。
【0209】
これらの表において、
「G1」欄は左から右に読み取る原子もしくは原子群を表す;
「Mp(℃)もしくは[MH]」欄は、摂氏度での生成物の融点、さもなければ化学イオン化後に質量分析によって得られるピークを示す;
「塩/塩基」欄において、「−」は遊離塩基形態にある化合物を表すのに対して、「HCl」は塩酸塩の形態にある化合物を表し、括弧内の比は(酸:塩基)比である;
「CH」はメチル基に対応し、「CF」はトリフルオロメチル基に対応し、「Et」はエチル基に対応し、「t−Bu」はtert−ブチル基に対応し、「i−Pr」はイソプロピル基に対応し、「ベンジル」はフェニルメチル基に対応する。
【0210】
【化36】

【0211】
【表2】





【0212】
表からの幾つかの例のNMRデータを例として以下に示す。
【0213】
化合物番号9のNMR:H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.68(m,2H);2.98(t,2H);3.04(t,2H);4.11(t,2H);4.82(t,2H);7.1(dxt,1H);7.2(m,1H);7.3(s,1H);7.49(m,5H);8(s,1H);8.3(s,1H);8.32(d,1H);10.11(s,1H)。
【0214】
化合物番号10のNMR:H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.61(m,2H);2.92(t,2H);4.08(t,2H);7.05(dxt,1H);7.41(m,5H);8.03(s,1H);10.19(s,1H);11.8(s,1H)。
【0215】
化合物番号11のNMR:H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.32(s,3H);2.4(s,3H);2.61(m,2H);2.8(t,2H);4.06(t,2H);7.11(m,3H);7.41(m,5H);7.89(s,1H);10.4(s,1H);
化合物番号12のNMR:H NMR(DMSO D)、δ(ppm):4.27(m,4H);5.88(s,2H);6.89(m,2H);7.02(txd,1H);7.14(txd,1H);7.31(m,2H);7.42(s,1H);7.59(m,3H);7.99(s,1H);9.39(s,1H);10.61(s,1H);
化合物番号13のNMR:H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.61(m,2H);2.91(t,2H);4.03(s,3H);4.1(t,2H);7.11(dxt,1H);7.25(s,1H);7.48(m,4H);8.1(s,1H);10.25(s,1H);
化合物番号14のNMR:H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.61(m,2H);2.90(t,2H);4.08(t,2H);7.4(m,3H);8.01(s,1H);8.6(d,2H);10.3(s,1H);12.78(s,1H);
化合物番号17のNMR:H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.39(m,1H);2.89(m,1H);4.02(m,1H);4.18(m,1H);5.07(m,1H);5.85(s,2H);6.8(m,2H);6.97−7.32(m,3H);7.34−7.6(m,5H);8.02(s,1H)。
【0216】
化合物番号18のNMR:H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.4(s,3H);2.59(m,2H);2.9(t,2H);4.05(t,2H);5.95(s,2H);6.92−7.11(m,2H);7.27−7.58(m,6H);7.89(d,1H);8.02(d,1H);10.09(s,1H)。
【0217】
化合物番号49のNMR:H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.66(m,2H);2.95(dxd,2H);4.11(dxd,2H);6(s,2H);6.93(m,2H);7.05(dxt,1H);7.3−7.5(m,3H);7.59(s,1H);7.95(d,1H);8.71(d,1H);8.81(d,1H);10.55(s,1H)。
【0218】
化合物番号136のNMR:H NMR(DMSO D)、δ(ppm):1.51(s,9H);4.27(m,4H);5.92(s,2H);7.09−7.3(m,6H);7.41(dxd,1H);7.61(s,1H);7.85(s,1H);8.66(s,1H);8.79(s,1H);10.45(s,1H)。
【0219】
化合物番号138のNMR:H NMR(DMSO D)、δ(ppm):4.3(m,4H);5.92(s,2H);7.1(m,2H);7.21(m,3H);7.39(d,1H);7.41(s,1H);7.58(d,1H);7.99(s,1H);8.17(dxd,1H);8.49(s,1H);9.3(s,1H);10.62(s,1H)。
【0220】
化合物番号139のNMR:H NMR(DMSO D)、δ(ppm):4.03(m,4H);5.92(s,2H);6.92(s,1H);7.05(m,3H);7.23(d,1H);7.46(s,1H);7.56(s,1H);8.19(dxd,1H);8.41(d,3H);10.32(s,1H)。
【0221】
化合物番号143のNMR:H NMR(CDCL)、δ(ppm):2.25(m,4H);3.41(s,3H);3.49(m,2H);4.24(m,2H);6.15(s,2H);7.01−7.37(m,6H);7.41−7.65(m,3H);7.79(m,2H);8.25(s,1H)。
【0222】
化合物番号144のNMR:H NMR(DMSO D)、δ(ppm)4.29(m,4H);5.98(s,2H);7.11(m,2H);7.25(m,3H);7.4(d,1H);7.55(d,1H);7.57(s,1H);7.99(s,1H);8.71(s,1H);8.8(s,1H);9.26(s,1H);10.74(s,1H)。
【0223】
化合物番号145のNMR:H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.61(m,2H);2.92(t,2H);4.09(t,2H);5.98(s,2H);7.01(d,2H);7.41(m,2H);7.62(s,1H);7.9(s,1H);8.39(d,2H);8.71(d,2H);10.55(s,1H)。
【0224】
化合物番号146のNMR:H NMR(DMSO D)、δ(ppm):4.19(m,4H);4.95(s,2H);6(s,2H);7.05(m,2H);7.51(m,2H);7.66(s,1H);7.99(s,1H);8.44(d,2H);8.78(d,2H)。
【0225】
【化37】

【0226】
【表3】

【0227】
【化38】

【0228】
【表4】

【0229】
表からの幾つかの例のNMRデータを例として以下に示す:
化合物番号152のNMR:H NMR(DMSO D)、δ(ppm):1.59(d,3H);2.38(m,1H);2.94(m,1H);3.33(m,2H);4.87(m,1H);6.5(s,2H);7.2(dxt,1H);7.36(d,2H);7.5−7.7(m,3H);7.84(m,2H);8.35(s,1H);8.65(d,2H)。
【0230】
化合物番号153のNMR:H NMR(DMSO D)、δ(ppm):3.11(d,1H);3.62(dxd,1H);4.2(dxd,1H);4.49(dxd,1H);5.1(m,1H).;6.09(s,2H);7.19(dxt,1H);7.43(d,2H);7.5−7.7(m,3H);7.81(d,2H);8.32(s,1H);8.7(d,2H);10.7(s,1H)。
【0231】
本発明による化合物にインビトロおよびインビボ薬理学的アッセイを施したところ、それらは治療上の活性を有する物質としてのそれらの利点を示した。これらの化合物はTRPV1(もしくはVR1)受容体に関するアンタゴニストもしくはアゴニスト活性を有する。
【0232】
カプサイシンによってラットDRGに対して誘導される電流の阻害の試験
ラット後根神経節(DRG)細胞の一次培養
DRGのニューロンは生来TRPV1受容体を発現する。
【0233】
新生児ラットDRG一次培養を1日齢のラットの子から調製する。簡単に述べると、解剖後、神経節をトリプシン処理し、制御された摩砕により細胞を機械的に分離する。それらの細胞を、仔ウシ血清 10%、25mM KCl、2mM グルタミン、100μg/ml ゲンタマイシンおよびNGF 50ng/mlを含有するイーグル基本培地に再懸濁させた後、ラミニン被覆ガラスカバースリップに堆積させ(カバースリップあたり0.25×10細胞)、次にそれを12ウェルCorning皿に入れる。細胞を37℃で5% COおよび95%空気を含む加湿雰囲気においてインキュベートする。非ニューロン細胞の発達を防止するため、培養の48時間後にシトシンβ−D−アラビノシド(1μM)を添加する。培養の7から10日後にパッチ・クランプ研究のためカバースリップを実験チャンバーに移す。
【0234】
電気生理学:
細胞調製品を収容する測定チャンバー(容積800μl)を、ホフマン・オプティクス(Hoffman optics)(Modulation Contrast、New York)を備える倒立顕微鏡(Olympus IMT2)のプラットホーム上に配置し、×400の倍率で観察する。チャンバーには、重力により(2.5ml/分)、8つの導入口を有する溶液配給装置によって連続的に灌流がなされ、ポリエチレンチューブ(開口500μm)からなるその個々の排出口は研究される細胞から3mm未満に配置する。パッチ・クランプ技術の「全細胞(whole cell)」構成を用いた。ホウケイ酸ガラスピペット(抵抗5から10 Mオーム)は3D圧電マイクロマニピュレーター(Burleigh、PC1000)によって細胞の近くに移動させる。総電流(−60mVで固定された膜電位)を、Pclamp8ソフトウェア(Axon Instrument)によって制御されるPCに接続される、Axopatch 1D増幅器(Axon Instruments、Foster City、California)で記録する。電流トレースを紙に記録し、同時にデジタル化(サンプリング周波数15から25Hz)してPCのハードドライブ上に取得する。
【0235】
カプサイシンの300nM溶液の適用はDRG細胞(−70mVで固定された電圧)に対して内向きの陽イオン電流を生じる。受容体の脱感作を最小化するため、1分の最小期間をカプサイシンの2回の適用の間に観察する。制御期間(カプサイシン応答のみの安定化)の後、試験しようとする本発明の化合物を所定の濃度(10nMもしくは1nMの濃度)で4から5分間、単独で適用し、その間に数回のカプサイシン+化合物試験を行う(最大阻害の獲得)。それらの結果を対照カプサイシン応答の阻害%として表す。
【0236】
VR1アンタゴニスト化合物の場合、カプサイシン応答の阻害のパーセンテージ(1マイクロM)は、0.1から10nMの濃度で試験した本発明の活性化合物のほとんどについて、20%から100%である。したがって、これらはTRPV1型受容体の有効なアンタゴニストである。表5は本発明の化合物で得られる阻害%の幾つかの例を示す。
【0237】
【表5】

【0238】
化合物の実際のアゴニスト効果は、カプサゼピンの存在化もしくは不在下において、化合物の様々な濃度でラットDRGに対して誘導される電流を測定することによって評価することができる。
【0239】
マウス角膜刺激試験
カプサイシンの刺激性は角膜のレベルで容易に評価することができるが、これはこの器官がC線維によって最も神経支配されるもののうちの1つであるためである。この脈絡において、予備実験によると、動物の角膜表面へのカプサイシンの極少量(160μMの濃度で2μl)の適用は、刺激に関連し、容易に列挙することができる特定回数の定型化した挙動を生じる。これらのうちには:まばたき、滴下した眼の同側前肢での摩擦、両前肢での顔面の摩擦、後肢での同側顔面の引っ掻き行動がある。これらの挙動の持続時間は観察の2分を超えることはなく、その後、動物は正常な活動に戻る。さらに、その外見も正常である。マウスは毛を逆立てて角に隠れることもなく、苦痛のいかなる観察可能な徴候をも示すことがない。このことから、これらの用量でのカプサイシンの作用の持続時間が2分未満であると結論付けることができる。
【0240】
方法論の要約:
一連の実験原理は、本発明の化合物がカプサイシンの所定量によって誘導される挙動応答に影響を及ぼし得るかどうかを決定することである。カプサイシンは最初にDMSOで25mMに希釈し、最終的な使用には、10% Tween80を含有する生理食塩水で希釈する。対照研究に基づくと、これらの条件下で、溶媒には効果がないものと思われる。
【0241】
実際には、DMSO中に25mMで調製され、最終的な使用のために10% Tween80を含有する生理食塩水で500μMの最高濃度に希釈された、試験しようとする生成物を、カプサイシンの適用の10分前に、局所適用により角膜の表面に2μlの容積で投与する。動物に、上に示されるように調製された160μMのカプサイシン溶液 2μlの眼刺激を施す。点滴後の2分の観察期間にわたり、点滴された眼を同側前肢で摩擦する回数を各々の動物についてカウントする。所定の群について、保護パーセンテージを以下のように算出する。
【0242】
P=100−((化合物で処置した群の引っ掻き行動の平均回数/溶媒で処置した群の引っ掻き行動の平均回数)×100)。
【0243】
この保護パーセンテージは各動物群で平均化される(n=本発明の化合物で試験した動物の数)。
【0244】
このモデルにおいて、500μMの濃度で用いられる、本発明の最も活性な化合物について評価された保護パーセンテージは、20%から100%である(表6の例を参照):
【0245】
【表6】

【0246】
これらのアッセイの結果は、本発明の最も活性な化合物が、インビボで、TRPV1受容体の刺激によって誘導される効果を遮断することを示す。
【0247】
したがって、本発明の化合物は医薬の調製、特には、TRPV1型受容体が関与する病状を予防もしくは治療するための医薬の調製に用いることができる。
【0248】
本発明の化合物はTRPV1型受容体が関与する病状の予防もしくは治療に用いることができる。
【0249】
したがって、本発明の主題の1つは、少なくとも1種類の式(I)の化合物、または前記化合物の医薬的に許容される塩、さもなければ水和物もしくは溶媒和物を含む医薬である。
【0250】
これらの医薬は治療、特には、疼痛および炎症、慢性疼痛、神経障害性疼痛(外傷関連、糖尿病性、代謝性、感染関連もしくは毒性疼痛、または抗癌もしくは医原性処置によって誘導される疼痛)、(骨)関節痛、リウマチ痛、線維筋痛、背中の痛み、癌関連疼痛、顔面神経痛、頭痛、偏頭痛、歯痛、火傷、日焼け、動物の噛み傷もしくは虫刺され、疱疹後の神経痛、筋肉痛、トラップド・ナーブス(trapped nerves)(中枢および/もしくは末梢)、脊柱および/もしくは脳外傷、(脊柱および/もしくは脳の)虚血、神経変性、(脊柱および/もしくは脳の)出血性発作および発作後の疼痛の予防および/もしくは治療において用いることができる。
【0251】
本発明の化合物は代謝性障害、例えば、糖尿病の予防および/もしくは治療に用いることもできる。
【0252】
本発明の化合物は泌尿器障害、例えば、膀胱機能亢進、膀胱反射亢進、膀胱不安定、失禁、尿しぶり、尿失禁、膀胱炎、腎炎性疝痛、骨盤過敏症および骨盤痛の予防および/もしくは治療に用いることもできる。
【0253】
本発明の化合物は婦人科の障害、例えば、外陰部痛および卵管炎もしくは月経困難症に関連する疼痛の予防および/もしくは治療に用いることができる。
【0254】
これらの生成物は胃腸管障害、例えば、胃−食道反射障害、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、機能性消化不良、大腸炎、IBS、クローン病、膵臓炎、食道炎および胆石疝痛の予防および/もしくは治療に用いることもできる。
【0255】
同様に、本発明の生成物は呼吸器障害、例えば、喘息、咳、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支収縮および炎症性障害の予防および/もしくは治療において用いることができる。
【0256】
これらの生成物は乾癬、掻痒症、皮膚、眼もしくは粘膜刺激、ヘルペスおよび帯状疱疹の予防および/もしくは治療に用いることもできる。
【0257】
本発明の化合物はうつの治療に用いることもできる。
【0258】
本発明の化合物は中枢神経系疾患、例えば、多発性硬化症の治療に用いることもできる。
【0259】
その態様の別のものによると、本発明は、活性成分として、少なくとも1種類の本発明による化合物を含む医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、少なくとも1種類の本発明による化合物または前記化合物の医薬的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物の有効用量および、少なくとも1種類の医薬的に許容される賦形剤を含む。前記賦形剤は、医薬形態および望ましい投与方法に従い、当業者に公知の通常の賦形剤から選択される。
【0260】
本発明の医薬組成物は、経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所(topically)、局所(locally)、気管内、鼻内、経皮もしくは直腸投与することができる。これらの組成物は単位形態で、通常の医薬賦形剤との混合物として投与することができる。それらは動物もしくはヒトに、上述の障害もしくは疾患の予防もしくは治療のために投与しようとするものである。
【0261】
適切な単位投与形態には、経口形態、例えば、錠剤、ソフトもしくはハードゼラチンカプセル、粉末、顆粒および経口溶液もしくは懸濁液、舌下、頬、気管内、眼内および鼻内投与形態、吸入による投与用の形態、局所、経皮、皮下、筋肉内もしくは静脈内投与形態、直腸投与形態およびインプラントが含まれる。局所適用には、本発明による化合物をクリーム、ゲル、軟膏もしくはローションで用いることができる。
【0262】
例として、錠剤形態にある本発明による化合物の単位投与形態は以下の成分を含むことができる。
【0263】
本発明による化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
ナトリウムクロスカルメロース 6.0mg
コーンスターチ 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
【0264】
前記単位形態は、生薬形態(galenical form)に従い、体重kgあたり活性成分 0.001から30mgの連日投与が可能となるように投薬される。
【0265】
より多量もしくは少量の投薬量が適切である特定の場合が存在し得る;そのような投薬量は本発明の範囲から逸脱するものではない。通常の実務によると、各々の患者に適切である投薬量は、医師により、投与方法ならびに前記患者の体重および応答に従って決定される。
【0266】
本発明の化合物は医薬の調製、特には、上述のような、TRPV1型受容体が関与する病状の予防もしくは治療において用いるための医薬の調製に用いることもできる。
【0267】
その態様の別のものによると、本発明は上述の病状を治療するための方法であって、患者に、少なくとも1種類の本発明による化合物またはそれらの医薬的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物の有効用量を投与することを含む方法にも関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基もしくは酸との付加塩の形態にあり、および、水和物もしくは溶媒和物の形態にもある、式(I)に相当する化合物
【化1】

(式中:
Aは、それが縮合しているベンゾイミダゾール単位のC−N結合と共に、ベンゾイミダゾール単位の窒素原子を含めてO、SおよびNから選択される1から3個のヘテロ原子を含む、4から7員の単環式複素環もしくは単環式ヘテロアリールであり;
PはN、OおよびSから選択される1から6個のヘテロ原子を含む、8、9、10または11員の二環式複素環もしくは二環式ヘテロアリールであり;Pは炭素原子によって−C(Y)−基に連結し;
ただし、Aが7員の飽和複素環であるとき、Pは2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキサン基、1−ベンゾピラン−2−オン基およびイソインドール基以外であり;
は水素原子、ハロゲン原子、およびオキソ、チオ、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリールオキシ−C−C−アルキル、ヘテロアリールオキシ−C−C−アルキル、アリール−C−C−アルキレンオキシ−C−C−アルキル、ヘテロアリール−C−C−アルキレンオキシ−C−C−アルキル、アリールチオ−C−C−アルキル、ヘテロ−アリールチオ−C−C−アルキル、アリール−C−C−アルキレンチオ−C−C−アルキル、ヘテロアリール−C−C−アルキレンチオ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレンオキシ、C−C−フルオロアルコキシ、シアノ、C(O)NR、ニトロ、NR、C−C−チオアルキル、C−C−シクロアルキルチオ、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレンチオ、−S(O)−C−C−アルキル、−S(O)−C−C−シクロアルキル、−S(O)−C−C−アルキレン−C−C−シクロアルキル、C−C−アルキル−S(O)−、C−C−フルオロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−S(O)−、SONR、SF、NRC(O)R、NRSO、RNC(O)−C−C−アルキレン、アリール、ヘテロアリール、アリール−C−C−アルキレン、ヘテロアリール−C−C−アルキレン、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールオキシもしくはヘテロアリールチオ基から選択される、同一または異なる、1から4個の原子もしくは基であり;
の前記ヘテロアリールもしくはアリール基は、互いに同一または異なる、1個以上の置換基Rで場合により置換され;
ただし、RがPの窒素原子に結合するとき、Rはハロゲン原子、ならびにオキソ、チオ、シアノ、ニトロ、SF、NR、C−C−チオアルキル、チオアリール、チオヘテロアリール、C−C−アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−NRCORおよびNRSO基とは異なり;
Yは酸素もしくは硫黄原子であり;
は水素原子、ハロゲン原子、またはC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキルもしくはC−C−アルコキシ基であり;
は、Rが炭素原子によって坦持されるとき、水素原子、ハロゲン原子、およびC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、ヒドロキシル、C−C−アルコキシ、C−C−シクロアルキルオキシもしくはC−C−シクロアルキル−C−C−アルキレンオキシ基から選択される、同一または異なる、1から3個の原子もしくは基であり;
または
は、Rが窒素原子によって坦持されるとき、水素原子、ハロゲン原子、およびC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C(O)−、C−C−アルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−C(O)−、C−C−フルオロアルキル−C(O)−、アリール−S(O)−、C−C−アルキル−S(O)−、C−C−フルオロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−S(O)−、C−C−アルキル−O−C(O)−、アリール−C−C−アルキル−O−C(O)−、C−C−シクロアルキル−O−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−O−C(O)−、C−C−フルオロアルキル−O−C(O)−、アリール−O−C(O)−もしくはヘテロアリール−O−C(O)−基から選択される、同一または異なる、1から2個の原子もしくは基であり;
およびRは、互いに独立に、水素原子またはC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロ−アルキル−C−C−アルキレン、アリール−C−C−アルキレンもしくはアリール基であり;
または、RおよびRは、それらを坦持する窒素原子と共に、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジンもしくはホモピペラジン基を形成し、NR基は、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、アリール−C−C−アルキレン、アリール、ヘテロアリール、アリール−S(O)−、C−C−アルキル−S(O)−、C−C−フルオロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−S(O)−、アリール−C(O)−、C−C−アルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−C(O)−、C−C−フルオロアルキル−C(O)−、ヒドロキシル、C−C−アルキルオキシ、C−C−フルオロアルキル、アリールオキシ−C−C−アルキレン、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ−C−C−アルキレンもしくはヘテロアリールオキシ基で場合により置換され;
およびRは、互いに独立に、水素原子、またはC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、アリール−C−C−アルキレンもしくはアリール基であり;
または、RおよびRは一緒になって、それらを坦持する窒素原子およびC(O)基を含む、4から7員のラクタムを形成し;
はC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、アリール−C−C−アルキレンもしくはアリール基であり;
または、RおよびRは一緒になって、それらを坦持する窒素原子およびS(O)基を含む、4から7員のスルタムを形成し;
はハロゲン原子、またはC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、ニトロ、シアノ、NR、RN−C−C−アルキレン、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールオキシもしくはヘテロアリールチオ基であり、前記ヘテロアリールもしくはアリール基は、ハロゲン原子、およびC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロ−アルコキシ、ニトロ、シアノ、NRもしくはRN−C−C−アルキレン基から選択される1個以上の置換基で場合により置換され;
複素環Aの硫黄原子は酸化形態(S(O)もしくはS(O))にあってもよく;
窒素原子は酸化形態(N−オキシド)にあってもよい。)。
【請求項2】
塩基もしくは酸との付加塩の形態にあり、および、水和物もしくは溶媒和物の形態にもある、請求項1に記載の本発明の化合物であって、式(II)に相当することを特徴とする化合物
【化2】

(式中:
Xは炭素原子もしくは窒素原子であり;前記Xは互いに同一であるかもしくは異なり、およびX=Nの数は2より少なく;
、R、R、YおよびAは請求項1に記載の式(I)において定義される通りであり、Rは二環の6元素もしくは5元素単位に連結することができる。)。
【請求項3】
塩基もしくは酸との付加塩の形態にあり、および、水和物もしくは溶媒和物の形態にもある、請求項1もしくは2に記載の本発明の化合物であって、式(III)に相当することを特徴とする化合物
【化3】

(式中:
1aは水素原子、ハロゲン原子またはC−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−チオアルキル、C−C−アルキル−S(O)−、NRもしくはニトロ基から選択される、同一または異なる、1個以上の原子もしくは基であり;
1bは水素原子、またはC−C−アルキル、ヘテロアリールオキシ−C−C−アルキル、アリール−C−C−アルキレンオキシ−C−C−アルキル、RNC(O)−C−C−アルキレン、アリール、ヘテロアリール、アリール−C−C−アルキレンもしくはヘテロアリール−C−C−アルキレン基であり;
1bの前記ヘテロアリールもしくはアリール基は、互いに同一または異なる、1個以上の置換基Rで場合により置換され;
はハロゲン原子またはC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、NRもしくはアリールチオ基であり、前記ヘテロアリールもしくはアリール基は、ハロゲン原子、およびC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、ニトロ、シアノもしくはRN−C−C−アルキレン基から選択される1個以上の置換基で場合により置換され;
、R、R、R、A、XおよびYは請求項2に記載の式(II)において定義される通りである。)。
【請求項4】
塩基もしくは酸との付加塩の形態にあり、および、水和物もしくは溶媒和物の形態にもある、請求項1から3のいずれか一項に記載の本発明の化合物であって、式(IV)に相当することを特徴とする化合物
【化4】

(式中、Wは以下から選択される三環式複素環もしくは三環式ヘテロアリールであり:
【化5】

、R、R、PおよびYは請求項1に記載の式(I)において定義される通りである。)。
【請求項5】
塩基もしくは酸との付加塩の形態にあり、および、水和物もしくは溶媒和物の形態にもある、請求項1から4のいずれか一項に記載の本発明の化合物であって、式(V)に相当することを特徴とする化合物。
【化6】

(式中:
、R、R、AおよびPは請求項1に記載の式(I)において定義される通りである。)。
【請求項6】
塩基もしくは酸との付加塩の形態にあり、および、水和物もしくは溶媒和物の形態にもある、請求項1から5のいずれか一項に記載の本発明の化合物であって、式(V)に相当することを特徴とする化合物
【化7】

(式中:
は水素原子、またはC−C−アルキルもしくはC−C−アルコキシ基であり;
は、Rが炭素原子によって坦持されるとき、水素原子、およびC−C−アルキル、C−C−アルコキシもしくはヒドロキシル基から選択される、同一または異なる、1から3個の原子もしくは基であり;
または
は、Rが窒素原子によって坦持されるとき、水素原子、およびC−C−アルキル、C−C−アルキル−O−C(O)−もしくはアリール−C−C−アルキル−O−C(O)−基から選択される、同一または異なる、1から2個の原子もしくは基であり;
、AおよびPは請求項1に記載の式(I)において定義される通りである。)。
【請求項7】
塩基もしくは酸との付加塩の形態にあり、および、水和物もしくは溶媒和物の形態にもある、請求項1から6のいずれか一項に記載の本発明の化合物であって、式(V)に相当することを特徴とする化合物
【化8】

(式中:
Aは、それが縮合しているベンゾイミダゾール単位のC−N結合と共に、ベンゾイミダゾール単位の窒素原子を含めてO、SおよびNから選択される1から3個のヘテロ原子を含む、5から7員の単環式複素環もしくは単環式ヘテロアリールであり;
、R、RおよびPは請求項1に記載の式(I)において定義される通りである。)。
【請求項8】
塩基もしくは酸との付加塩の形態にあり、および、水和物もしくは溶媒和物の形態にもある、請求項1から7のいずれか一項に記載の本発明の化合物であって、式(Va)に相当することを特徴とする化合物
【化9】

(式中:
Aはそれが縮合しているベンゾイミダゾール単位のC−N結合と共に、ベンゾイミダゾール単位の窒素原子を含めてO、SおよびNから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む、5から7員の単環式複素環もしくは単環式ヘテロアリールであり;
Xは炭素原子もしくは窒素原子であり;前記Xは互いに同一であるかもしくは異なり、およびX=Nの数は1より少なく;
1aは水素原子、ハロゲン原子またはC−C−アルキル基、C−C−フルオロアルキル基、C−C−アルコキシ基、C−C−チオアルキル基、C−C−アルキル−S(O)−基、NR基もしくはニトロ基から選択される、同一または異なる、1個以上の原子もしくは基であり;
1bは水素原子、またはC−C−アルキル、ヘテロアリールオキシ−C−C−アルキル、アリール−C−C−アルキレンオキシ−C−C−アルキル、RNC(O)−C−C−アルキレン、アリール、ヘテロアリール、アリール−C−C−アルキレンもしくはヘテロアリール−C−C−アルキレン基であり;
1bの前記ヘテロアリールもしくはアリール基は、互いに同一または異なる、1個以上の置換基Rで場合により置換され;
は水素原子であり;
は、Rが炭素原子によって坦持されるとき、水素原子、C−C−アルキル基、C−C−アルコキシ基、もしくはヒドロキシル基から選択される原子もしくは基であり;
または
は、Rが窒素原子によって坦持されるとき、水素原子、C−C−アルキル基、およびC−C−アルキル−O−C(O)−基、から選択される原子もしくは基であり;
およびRは、互いに独立に、C−C−アルキル基であり;
または、RおよびRは、それらを坦持する窒素原子と共に、ピロリジンもしくはモルホリン基を形成し;
はハロゲン原子またはC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロ−アルキル、アリール、ヘテロアリール、NR、またはアリールチオ基であり、前記アリール基は、場合により、1個以上のC−C−アルキル基で置換される。)。
【請求項9】
塩基もしくは酸との付加塩の形態にあり、および、水和物もしくは溶媒和物の形態にもある、請求項1から8のいずれか一項に記載の本発明の化合物であって、式(I)に相当することを特徴とし、式中、同時に、Rおよび/もしくはRおよび/もしくはR、ならびに/またはA、ならびに/またはPおよび/もしくはYは請求項1から8において定義される通りである化合物。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の調製方法であって、式(VI)の化合物:
【化10】

(式中、P、RおよびYは請求項1に記載の式(I)において定義される通りであり、ならびにBはC−C−アルコキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレンオキシもしくはアリール−C−C−アルキレンオキシ基である。)
が、式(VII)の化合物のアミド:
【化11】

(式中、A、RおよびRは請求項1に記載の式(I)において定義される通りである。)
と、溶媒の還流温度にあり、式(VII)の化合物のアミドは式(VII)のアミンに対するトリメチルアルミニウムの事前作用によって調製されることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の調製方法であって、式(VI)の化合物:
【化12】

(式中、P、RおよびYは請求項1に記載の式(I)において定義される通りであり、Bはヒドロキシル基である。)
を塩化チオニルの作用により溶媒の還流温度で酸塩化物に変換した後、得られた式(VI)の化合物(式中、P、RおよびYは請求項1に記載の式(I)において定義される通りであり、Bは塩素原子である。)を、塩基の存在下で、式(VII)の化合物:
【化13】

(式中、A、RおよびRは請求項1に記載の式(I)において定義される通りである。)
と反応させること、
あるいは、式(VI)の化合物(式中、P、RおよびYは請求項1に記載の式(I)において定義される通りであり、Bはヒドロキシル基である。)と式(VII)の化合物(式中、A、RおよびRは請求項1に記載の式(I)において定義される通りである。)とのカップリング反応を、カップリング剤および塩基の存在下、溶媒中で行うことを特徴とする方法。
【請求項12】
下記式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)、(VIIe)、(VIIf)、(VIIg)、(VIIh)、(VIIi)、(VIIj)、(VIIk)、(VIIl)、(VIIm)、(VIIn)
【化14】

の化合物。
【請求項13】
少なくとも1種類の、請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはこの化合物と医薬的に許容される酸との付加塩、あるいは式(I)の化合物の水和物もしくは溶媒和物を含むことを特徴とする医薬。
【請求項14】
少なくとも1種類の、請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはこの化合物の医薬的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物、および、少なくとも1種類の医薬的に許容される賦形剤も含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項15】
TRPV1型受容体が関与する病状の予防もしくは治療において用いるための医薬の調製への、請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項16】
疼痛、炎症、代謝性障害、泌尿器障害、婦人科の障害、胃腸管障害、呼吸器障害、乾癬、掻痒症、皮膚、眼もしくは粘膜刺激、ヘルペス、帯状疱疹、多発性硬化症およびうつの予防もしくは治療において用いるための医薬の調製への、請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。

【公表番号】特表2009−525313(P2009−525313A)
【公表日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552848(P2008−552848)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際出願番号】PCT/FR2007/000183
【国際公開番号】WO2007/088277
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】