説明

ベンゾイミダゾール誘導体、およびKDRキナーゼタンパク質阻害剤としてのその使用

【課題】 KDR受容体の阻害剤として、がんを含む各種疾患の治療または予防に有用なピラゾール−ベンゾイミダゾール誘導体を提供する。
【解決手段】 式(IAb):
【化1】


[式中、Abは、各種置換されたピラゾール−3−イル基を示し、その他の置換基A1b、A2b、A3b、A4bおよびA5bは、明細書で定義されたとおりである]で表される化合物であり、
該式(IAb)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該化合物の付加塩でありうる、上記式(IAb)の化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規ベンゾイミダゾール誘導体、その製造方法、それより得られる新規中間体、医薬としてのその使用、それらを含む医薬組成物、およびこのようなベンゾイミダゾール誘導体の新規使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の1つの主題は、キナーゼタンパク質に対して阻害作用を有する新規ベンゾイミダゾールである。
従って、本特許出願のベンゾイミダゾールは、特に、キナーゼタンパク質の阻害により調節され得る疾患の予防または治療のために使用される。
このようなキナーゼタンパク質は、特に以下:EGFR、Fak、FLK−1、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR5、flt−1、IGF−1R、KDR、PDGFR、tie2およびVEGFRの群に属する。
より特定的には、キナーゼタンパク質はKDRである。
また特定的には、キナーゼタンパク質はTie−2である。
【0003】
キナーゼタンパク質は、チロシン、セリンまたはスレオニン残基のような特定のタンパク質残基のヒドロキシル基のリン酸化を触媒する酵素のファミリーである。このようなリン酸化は、タンパク質の機能を大きく改変し得;従って、キナーゼタンパク質は、特に代謝、細胞増殖、細胞分化または細胞生存を含む、多種多様な細胞過程の調節において重要な役割を果たす。キナーゼタンパク質の活性が関与する種々の細胞機能の中で、ある種の過程が、ある種の疾患を治療するための魅力的な標的となる。一例として、特に脈管形成および細胞周期の制御が挙げられ、これらにおいて、キナーゼタンパク質は極めて重要な役割を果たし得る。これらの過程は、充実性腫瘍の成長にとって、およびまた他の疾患にとって極めて重要である。
【0004】
脈管形成は、既に存在している血管から、新しい血管が形成される過程である。必要が生じれば、脈管系は、組織および器官の正確な機能を維持するために、新しい血管のネットワークを生み出し得る。
脈管形成は、内皮細胞の活性化、移動、増殖および生存を含む、複雑な多段階過程である。
成人において、脈管形成はほとんど制限されており、主として損傷後の修復過程、または子宮内膜の血管形成の過程においてのみ現れる(Merenmies ら, Cell Growth & Differentiation, 8, 3-10, 1997)。しかしながら、網膜症、乾癬、リウマチ様関節炎、糖尿病、筋退化またはがん(充実性腫瘍)のようなある種の病状において、無制御の脈管形成が見られる(Folkman, Nature Med., 1, 27-31, 1995)。脈管形成過程に関与することが明らかにされているキナーゼタンパク質は、3種の成長因子受容体チロシンキナーゼファミリーメンバー: VEGF−R2(血管内皮成長因子受容体2(別名KDR、キナーゼ挿入ドメイン受容体またはFLK−1))、FGF−R(繊維芽細胞成長因子受容体)およびTEK(別名Tie−2)を含む。
【0005】
他の系と関連して、血管内皮成長因子(VEGFR)は、内皮細胞の移動、増殖および生存に関与するシグナルを伝達する。VEGFRファミリーには、VEGFR−1(Flt−1)、VEGFR−2(KDR)およびVEGFR3(Flt4)を含む。
内皮細胞においてのみ発現される受容体VEGF−R2は、脈管形成の成長因子VEGFに結合し、これにより、その細胞内キナーゼドメインの活性化を介して、変換シグナル媒体として作用する。従って、VEGF−R2のキナーゼ活性の直接の阻害により、外因性VEGFの存在下で、脈管形成現象を減少させることができ(Strawn ら, Cancer Research, 56, 3540-3545, 1996)、この過程は、特にVEGF−R2変異体を用いて論証されている(Millauer ら, Cancer Research, 56, 1615-1620, 1996)。VEGF−R2受容体は、成人において、VEGFの脈管形成活性に関する機能以外は持たないと考えられている。従って、VEGF−R2のキナーゼ活性の選択的阻害剤は、毒性をほとんど示さないはずである。
【0006】
動的な脈管形成過程におけるこの中心的な役割に加えて、VEGFの発現が、化学療法および放射線療法後の腫瘍細胞の生存に寄与していることが、最近の研究結果により示唆されており、KDR阻害剤と他の薬剤との相乗効果の可能性を強調している(Lee C.G., Heijn M. ら, (2000), Cancer Research, 60 (19), 5565-70)。
従って、KDR阻害剤は、特に、抗脈管形成剤となる。
従って、脈管形成阻害剤は、悪性腫瘍の発生または再生に対する第一線の処置として使用され得る。
従って、VEGFR−2(KDR)の阻害または調節は、多数の充実性腫瘍の処置のための強力な新規作用機構を提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本特許出願は、特に、腫瘍学において、とりわけ抗脈管形成処置に用いられ得る、VEGFR−2(KDR)受容体の新規阻害剤に関する。
KDR阻害剤としての本特許出願の生成物は、特に以下の群:がん、特に乳がん、大腸がん、肺がんおよび前立腺がん、アテローム性動脈硬化、変性筋疾患、肥満症、鬱血性心不全、パーキンソン病、うつ病、統合失調症、卒中、頭部外傷、脊髄損傷、アルツハイマー病、神経障害性疼痛症候群、筋萎縮性側索硬化症、悪液質、骨粗鬆症および内臓の線維性疾患から選択される疾患の治療または予防に使用され得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、本発明の1つの主題は、式(I):
【化1】

[式中、
XはC−R2を示し、そしてW、YおよびZは同一であっても、または異っていてもよく、CHまたはCR3を示し;
R1は、アリールまたはピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、インドリル、インダゾリル、チエノピラゾリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロシクロペンタピラゾリル、ジヒドロフロピラゾリル、オキソジヒドロピリダジニル、テトラヒドロピロロピラゾリル、オキソテトラヒドロピロロピラゾリル、テトラヒドロピラノピラゾリル、テトラヒドロピリジノピラゾリル、およびオキソジヒドロピリジノピラゾリル基から選択されるヘテロアリールを示し、これらの全ての基は、場合により、H、ハロゲン、ハロアルキル、OH、R4、NO2、CN、S(O)nR4、OR4、NY1Y2、COR4、−C(=O)NY1Y2、−C(=O)OR4、−C(=O)OH、−N(R6)C(=O)R4、−N(R6)SO2R4、−N(R6)C(=O)NY1Y2、−N(R6)C(=O)OR4、−S(O)nOR4、−S(O)nNY1Y2、−OC(=O)NY1Y2、−OS(O)nR4、−OC(=O)R4、およびチエニル(場合により置換されている)から選択される、1またはそれ以上の基X1、X2、またはX3で置換されており、
【0009】
R2およびR3は以下:
R2およびR3が、同一であっても、または異っていてもよく、H、R4、ハロゲン、ハロアルキル、OH、NO2、CN、OR4、COR4、S(O)nR4、−C(=O)NY1Y2、−C(=O)OR4、−C(=O)OH、−NY1Y2、−N(R6)C(=O)R4、−N(R6)SO2R4、−N(R6)C(=O)NY1Y2、−N(R6)C(=O)OR4、−S(O)nOR4、−S(O)nNY1Y2、−OC(=O)NY1Y2、および−OC(=O)R4を示すか、
または、R2がH、R4、ハロゲン、ハロアルキル、OH、NO2、CN、OR4、COR4、S(O)nR4、−C(=O)NY1Y2、−C(=O)OR4、−C(=O)OH、−NY1Y2、−N(R6)C(=O)R4、−N(R6)SO2R4、−N(R6)C(=O)NY1Y2、−N(R6)C(=O)OR4、−S(O)nOR4、−S(O)nNY1Y2、−OC(=O)NY1Y2、および−OC(=O)R4を示し、
そして、R3が、アルキル、ハロアルキル、ハロゲンおよびOR6を示すか、
または、R2とR3が一緒になって、同一であるかまたは異ってO、NおよびSから選択される、1個またはそれ以上のヘテロ原子を含む5−〜6−員の炭素に基づく環を形成するか、
のいずれかであり、
【0010】
R4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、およびアリールアルキルを示し、これらの全ての基は、場合により、アリール(場合により置換されている)、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシアルキル、OH、OR5、C(=O)NY3Y4、NY3Y4、alk−NY3Y4およびC(=O)OR6から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
R5は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、およびヘテロシクロアルキルアルキルを示す。
【0011】
Y1およびY2は以下:Y1およびY2が同一であっても、または異っていてもよく、H、および場合により置換されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキルを示すか、
または、Y1とY2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環式アミノ基を形成するか、のいずれかであり、
Y3およびY4は以下:Y3およびY4が同一であっても、または異っていてもよく、水素、アルケニル、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルを示すか、または、Y3とY4が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている環式アミノ基を形成するか、のいずれかであり、
A5は、Hまたはアルキルを示し、
【0012】
R6は、R5に対応する基から選択され、
上記の基における全てのアルキル(またはalk、これはアルキルを示す)、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基は、ハロゲン原子およびヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルコキシ、アシルアミノ(NH−COalk)、−C(=O)OR6、アシル−C(=O)R6、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、S(O)n−alk、S(O)n−NH2、S(O)n−NH(alk)、S(O)n−N(alk)2、CF3、OCF3、NO2、アリールアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、−C(=O)−NY3Y4およびNY3Y4基から選択される1またはそれ以上の基で、場合により更に置換されており、
アルキル、アリール、およびヘテロアリールを含むこれらの後述の基は、それ自体場合により、ハロゲン原子、およびアルキル基、カルボキシル基(これは遊離しているか、塩となっているか、またはエステル化されている)、およびアシルアミノ基NH−C(O)R5から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
フェニル基は、場合により、更にジオキソール基で置換されており、
nは、0〜2の整数である]
の化合物であり、
【0013】
R1が、インダゾリル基である場合には、下記の式(I)の化合物となるものとされ:
【化2】

[式中、XはHを示し、R2またはR3は上記で定義されたとおりであり、ここでWは、必ずHまたは非置換のアルキルを示す]
該式(I)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との付加塩、または無機塩基との付加塩でありうる。
【0014】
従って、本発明の1つの主題は、式(Ia):
【化3】

[式中、
XaはC−R2aを示し、そしてWa、YaおよびZaは、同一であっても、または異っていてもよく、CHまたはCR3aを示し;
R1aは、アリールまたはピラゾリル、トリアゾリルおよびインダゾリル基から選択されるヘテロアリールを示し、これらの全ての基は、場合により、H、ハロゲン、OH、R4a、OR4a、NY1aY2a、S(O)nR4a、−C(=O)NY1aY2a、−C(=O)OR4a、−N(R6a)C(=O)R4a、−N(R6a)SO2R4a、−N(R6a)C(=O)NY1aY2a、−N(R6a)C(=O)OR4a、−OC(=O)NY1aY2a、−OC(=O)R4a、−OS(O)nR4a、およびチエニル(場合によりアルキル基で置換されている)から選択される、1またはそれ以上の基X1a、X2a、またはX3aで置換されており、
【0015】
R2aおよびR3aは以下:
R2aおよびR3aが同一であっても、または異っていてもよく、H、R4a、ハロゲン、OH、OR4a、C(=O)NY1aY2a、−C(=O)OR4aおよび−C(=O)OHを示し、そしてR3aが、アルキル、ハロゲンおよびOR6aを示すか、
または、R2aが、H、R4a、ハロゲン、OH、OR4a、C(=O)NY1aY2a、−C(=O)OR4a、および−C(=O)OHを示し、そしてR3aが、アルキル、ハロゲン、およびOR6aを示すか、
または、R2aとR3aが一緒になって、−O−CH2−O−、もしくは−O−CH2−CH2−O−環を形成するか、
のいずれかであり、
R4aは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、およびアリールアルキルを示し、これらの全ての基は、場合により、アリール(場合により置換されている)、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシアルキル、OH、OR5a、C(=O)NY3aY4a、NY3aY4a、alk−NY3aY4aおよびC(=O)OR6aから選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
【0016】
R5aは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびヘテロシクロアルキルアルキルを示し、これらの全ての基は場合により置換されており、
Y1aおよびY2aは以下:Y1aおよびY2aが同一であっても、または異っていてもよく、H、アルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール(これらの全ての基は場合により置換されている)を示すか、または、Y1aとY2aが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている環式アミノ基を形成するか、のいずれかであり、
Y3aおよびY4aは以下:Y3aおよびY4aが、同一であっても、または異っていてもよく、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルを示すか、または、Y3aとY4aが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環式アミノ基を形成するか、のいずれかであり、
【0017】
A5は、Hまたはアルキルを示し、
上記の基における全てのアルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基は、場合により更に、ハロゲン原子およびヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルコキシ、アシルアミノ(NH−C(O)R6a)、−C(=O)OR6a、アシル−C(=O)R6a、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、S(O)n−alk、S(O)n−NH2、S(O)n−NH(alk)、S(O)n−N(alk)2、CF3、OCF3、NO2、アリールアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、−C(=O)−NY3aY4aおよびNY3aY4a基から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
アルキル、アリール、およびヘテロアリールを含むこれらの後述の基は、それ自体場合により、ハロゲン原子、およびアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基(これは遊離しているか、塩化されているか、またはエステル化されている)、およびアシルアミノ基NH−C(O)R6aから選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
フェニル基は、場合により、更にジオキソール基で置換されており、
R6aは、R5aに対応する基から選択され、
nは、0〜2の整数を示す]
に相当する、上記で定義された式(I)の化合物であり、
該式(IA)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との付加塩、または無機塩基との付加塩でありうる。
【0018】
従って、本発明の1つの主題は、式(I):
【化4】

[式中、
XはC−R2を示し、そしてW、YおよびZは同一であっても、または異っていてもよく、CHまたはCR3を示し;
R1は、アリールまたは、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、インドリル、インダゾリル、チエノピラゾリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロシクロペンタピラゾリル、ジヒドロフロピラゾリル、オキソジヒドロピリダジニル、テトラヒドロピロロピラゾリル、オキソテトラヒドロピロロピラゾリル、テトラヒドロピラノピラゾリル、テトラヒドロピリジノピラゾリル、およびオキソジヒドロピリジノピラゾリル基から選択されるヘテロアリールを示し、これらの全ての基は、場合により、H、ハロゲン、ハロアルキル、OH、R4、NO2、CN、S(O)nR4、OR4、NY1Y2、COR4、−C(=O)NY1Y2、−C(=O)OR4、−C(=O)OH、−N(R6)C(=O)R4、−N(R6)SO2R4、−N(R6)C(=O)NY1Y2、−N(R6)C(=O)OR4、−S(O)nOR4、−S(O)nNY1Y2、−OC(=O)NY1Y2、−OS(O)nR4、−OC(=O)R4、およびチエニル(場合により置換されている)から選択される、1またはそれ以上の基X1、X2、またはX3で置換されており、
【0019】
R2およびR3は以下:
R2およびR3が同一であっても、または異っていてもよく、H、R4、ハロゲン、ハロアルキル、OH、NO2、CN、OR4、COR4、S(O)nR4、−C(=O)NY1Y2、−C(=O)OR4、−C(=O)OH、−NY1Y2、−N(R6)C(=O)R4、−N(R6)SO2R4、−N(R6)C(=O)NY1Y2、−N(R6)C(=O)OR4、−S(O)nOR4、−S(O)nNY1Y2、−OC(=O)NY1Y2、および−OC(=O)R4を示すか、
または、R2がH、R4、ハロゲン、ハロアルキル、OH、NO2、CN、OR4、COR4、S(O)nR4、−C(=O)NY1Y2、−C(=O)OR4、−C(=O)OH、NY1Y2、−N(R6)C(=O)R4、−N(R6)SO2R4、−N(R6)C(=O)NY1Y2、−N(R6)C(=O)OR4、−S(O)nOR4、−S(O)nNY1Y2、−OC(=O)NY1Y2、および−OC(=O)R4を示し、
そして、R3が、アルキル、ハロアルキル、ハロゲンおよびOR6を示すか、
または、R2とR3が一緒になって、同一であるかまたは異ってO、NおよびSから選択される、1個またはそれ以上のヘテロ原子を含む5−〜6−員の炭素に基づく環を形成するか、
のいずれかであり、
R4は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、およびアリールアルキルを示し、これらの全ての基は、場合により、アリール、OH、OR5、C(=O)NY3Y4、NY3Y4、およびC(=O)OR6から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
R5は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、およびヘテロシクロアルキルアルキルを示す。
【0020】
R6は、HおよびC1−C4アルキルを示し、
nは、0〜2の整数を示し、
Y1およびY2は以下:Y1およびY2が同一であっても、または異っていてもよく、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらの全ての基は、場合により、ヒドロキシル、−C(=O)−NY3Y4、−C(=O)OR6、およびNY3Y4から選択される1またはそれ以上の基で置換されている)を示すか、
または、Y1とY2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環式アミノ基を形成するか、のいずれかであり、
Y3およびY4は以下:Y3およびY4が同一であっても、または異っていてもよく、水素、アルケニル、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルを示すか、または、Y3とY4が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環式アミノ基を形成するか、のいずれかであり、
A5は、Hまたはアルキルを示す]
の化合物であり、
【0021】
R1が、インダゾリル基を示す場合、以下:
【化5】

[式中、XはHを示し、R2またはR3は上記で定義されたとおりであり、このときWは必ずHまたは非置換のアルキルを示す]の式(I)の化合物が得られるものとされ、
該式(I)の生成物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との付加塩、または無機塩基との付加塩でありうる。
【0022】
R1で示される環と、その環員の数によって、R1が、X1、X2およびX3で示される1、2または3個の置換基を含み得ることは明らかである。
【0023】
式(I)の生成物および以下の記載において:
「アルキル基」なる用語は、直鎖状および、場合により分枝鎖状の、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルおよびイソヘキシル、およびまた、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびデシル基、並びにまた、直鎖状または分枝鎖状のそれらの位置異性体を意味し、
「ヒドロキシアルキル基」なる用語は、少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されている、上記で示したアルキル基を意味し、
「アルケニル」なる用語は、10個より多くない炭素原子を含み、そして1またはそれ以上の2重結合を含む、直鎖状または分枝鎖状の基を意味し:特に、ビニル、1−プロペニル、アリル、ブテニル、および3−メチル−2−ブテニル基が挙げられ、しかしまた、例えばセプタ−、オクタ−、ノナ−またはデカ−ジエニル基、例えばオクタ−2,6−ジ
エニル基も挙げられ、
【0024】
「アルキニル」なる用語は、10個より多くない炭素原子を含み:特に、2〜10個の炭素原子を含み、かつ1つまたは2つの3重結合を含む上記のアルキル基のような、直鎖状または分枝鎖状の基を意味し、
「アルキルチオ」なる用語は、特に、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ヘキシルチオまたはイソヘキシルチオ基のような6個より多くない炭素原子を含む直鎖状または分枝鎖状の基、およびまた、直鎖状または分枝鎖状のそれらの位置異性体を意味し:これらのアルキルチオ基の内、これらの上記の基の内、好ましく選択される基は、4個より多くない炭素原子を含む基であり、
「アルコキシ基」なる用語は、10個より多くない炭素原子を含む、直鎖状および場合により分枝鎖状の、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、直鎖状、第2級、または第3級ブトキシ、ペントキシまたはヘキソキシ基、並びにまた、直鎖状または分枝鎖状のそれらの位置異性体を意味し、
「アルケニルオキシ基」なる用語は、直鎖状および分枝鎖状の、上記で定義されたアルケニルを有する−O−アルケニル基を意味し、
【0025】
「NH(alk)」および「N(alk)(alk)」なる用語は、それぞれ1個または2個のアルキル基で置換されているアミノ基を意味し、このようなアルキル基は直鎖状または分枝鎖状であり、そして上記で定義されたアルキル基から選択され、好ましくは4個より多くない炭素原子を含み、
「アシル」なる用語は、R−C(O)−基[ここで、Rは、水素原子、6個より多くない炭素原子を含む直鎖状または分枝鎖状のアルキル基;場合により置換されている上記で定義されたアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル基、例えば、フェニルまたはピロリジニル基から選択される基を示す]を意味し:従って、「アシル」なる用語は特に、例えばホルミル基およびアセチル、プロピオニル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ベンゾイル、およびピロリジニルカルボニル基を意味し、
「アシルアミノ」なる用語は、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(alk)、および−C(O)−N(alk)(alk)基を意味し:これらの基において、NH(alk)およびN(alk)(alk)は上述の意味を有し、
「ハロゲン原子」なる用語は、塩素、臭素、ヨウ素またはフッ素原子、そして好ましくは塩素、臭素またはフッ素原子を意味し、
【0026】
「アリール」および「ヘテロアリール」なる用語は、それぞれ炭素環式、および1個またはそれ以上のヘテロ原子を含む複素環式の、12員より多くない単環式または2環式の飽和した基を意味し、
「飽和または不飽和の、炭素環式、または、同じかもしくは異なってO、N、NHおよびSから選択される1個もしくはそれ以上のヘテロ原子を含み、そして−C(O)員を含み得る複素環式の、12員より多くない単環式または二環式基」なる用語は、以下の定義を包含し:
「不飽和の炭素環式基」なる用語は、特にシクロアルキル基を意味し、
「シクロアルキル基」なる用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基、そしてより特定には、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基を意味し、
【0027】
「単環式の複素環式基」なる用語は、1またはそれ以上の環員が酸素、硫黄または窒素原子である、飽和または不飽和の、5−または6−員の基を意味し、:従ってこのような複素環式またはヘテロシクロアルキル基は、酸素、窒素および硫黄原子から選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子が挿入されている炭素環式基を意味し、該複素環式基は、酸素、窒素および硫黄原子から選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含むことができ、これらの複素環式基が1個またはそれ以上のヘテロ原子を含む場合、これらの複素環式基のへテロ原子は同一であってもまたは異っていてもよいことが理解される。特に、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、チオオキソラン、チオオキサン、モルホリニル、ピペラジニル、4個より多くない炭素原子から成る直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基で置換されているピペラジニル、ピペリジル、モルホリニル、チエニル(例えば、2−チエニルおよび3−チエニル)、フリル(例えば、2−フリルおよび3−フリル)、ピリミジニル、ピリジル(例えば、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジル)、ピリミジル、ピラゾリニル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、遊離の、もしくは塩化されたテトラゾリル、チアジアゾリル、チアトリアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、または、3−もしくは4−イソキサゾリル基が挙げられ得る。より特定には、モルホリニル、チエニル(例えば、2−チエニルおよび3−チエニル)、フリル(例えば、2−フリル)、テトラヒドロフリル、チエニル、テトラヒドロチエニル、ヘキサヒドロピラン、ピロリル、ピロリニル、ピラゾリニル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピロリジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリダジニル、並びにオキソジヒドロピリダジニル基が挙げられ得る。
【0028】
「二環式の複素環式基」なる用語は、飽和(ヘテロアリール)または不飽和の、1個またはそれ以上の環員が酸素、硫黄または窒素原子である8−〜12−員の基を意味し、そして特に縮合複素環式基は、硫黄、窒素および酸素から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含み、例えば、ベンゾチエニル(例えば、3−ベンゾチエニル)、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、テトラロン、ベンゾフリル、ジヒドロベンゾフラン、エチレンジオキシフェニル、チアントレニル、ベンゾピロリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、チオナフチル、インドリル、プリニル、インダゾリル、チエノピラゾリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロシクロペンタピラゾリル、ジヒドロフロピラゾリル、テトラヒドロピロロピラゾリル、オキソテトラヒドロピロロピラゾリル、テトラヒドロピラノピラゾリル、テトラヒドロピリジノピラゾリルまたはオキソジヒドロピリジノ−ピラゾリルである。
【0029】
「飽和の炭素環式基」(アリール)なる用語は、特にフェニルおよびナフチル基、そしてより特定にはフェニル基を意味する。−C(O)員を含む炭素環式基は、例えばテトラロン基が挙げられる。
「アルキルフェニル」なる用語は、1またはそれ以上の、直鎖状または分枝鎖状の、好ましくは4個より多くない炭素原子を含む上記で定義されたアルキル基で置換されているフェニル基を意味する。
【0030】
式(I)の化合物におけるカルボキシル基は、当業者に既知の様々な基で塩とされるかまたはエステル化されていてよく、例えば:
塩形成化合物には、無機塩基、例えば1価のナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムもしくはアンモニウム、または有機塩基、例えばメチルアミン、プロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチル
エタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、エタノールアミン、ピリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、モルホリン、ベンジルアミン、プロカイン、リシン、アルギニン、ヒスチジンおよびN−メチルグルカミンが挙げられ、
エステル化化合物には、アルコキシカルボニル基を形成するアルキル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、またはベンジルオキシカルボニルが挙げられ、これらのアルキル基は、例えばハロゲン原子、ヒドロキシル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルキルチオ、アミノまたはアリール基から選択される基で置換されていてよく、例えば、クロロメチル、ヒドロキシプロピル、メトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、メチルチオメチル、ジメチルアミノエチル、ベンジルまたはフェネチル基である。
【0031】
無機酸または有機酸と式(I)の化合物の付加塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、プロピオン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、グリオキシル酸(glyoxic acid)、アスパラギン酸、アスコルビン酸、アルキルモノスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸またはプロパンスルホン酸)、アルキルジスルホン酸(例えば、メタンジスルホン酸およびα,β−エタンジスルホン酸)、アリールモノスルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸)、並びにアリールジスルホン酸で形成される塩であってよい。
【0032】
立体異性とは、例えば特に、置換基がアキシャルまたはエクワトリアル位にある1置換シクロヘキサン、およびエタン誘導体の種々の可能な回転配座におけるように、同じ構造式を有するが、その種々の基は空間的に異って配置されている化合物の異性という、その広義の意味において定義されてよい。しかしながら、二重結合または環上のいずれかにおいて結合している置換基の異なる空間配置により、他の型の立体異性が存在し、これはしばしば、幾何異性またはシス−トランス異性として言及される。「立体異性体」なる用語は、本特許出願においてその最も広義の意味で用いられ、従って上記で示した全ての化合物に関する。
【0033】
従って、本発明の1つの主題は、式(Ia):
【化6】

[式中、
XaはC−R2aを示し、そしてWa、YaおよびZaは同一であっても、または異っていてもよく、CHまたはCR3aを示し;
R1aは、アリールまたは、ピラゾリル、トリアゾリルまたはインダゾリル基から選択されるヘテロアリールを示し、これらの全ての基は、場合により、H、ハロゲン、OH、R4a、OR4a、NY1aY2a、S(O)nR4、−C(=O)NY1aY2a、−C(=O)OR4a、−N(R6)C(=O)R4a、−N(R6)SO2R4a、−N(R6)C(=O)NY1aY2a、−N(R6)C(=O)OR4a、−OC(=O)NY1aY2a、および−OC(=O)R4a、−OS(O)nR4、およびチエニル(場合によりアルキル基で置換されている)から選択される、1またはそれ以上の基X1a、X2aまたはX3aで置換されており、
【0034】
R2aおよびR3aは以下:
R2aおよびR3aが同一であっても、または異っていてもよく、H、R4a、ハロゲン、OH、OR4a、C(=O)NY1Y2、−C(=O)OR4a、−C(=O)OHを示し、そしてR3aがアルキル、ハロゲンおよびOR6を示すか、
または、R2aがH、R4a、ハロゲン、OH、OR4a、C(=O)NY1Y2、−C(=O)OR4a、−C(=O)OHを示し、そしてR3aがアルキル、ハロゲン、およびOR6を示すか、
または、R2aとR3aが一緒になって、−O−CH2−O−、もしくは−O−CH2−CH2−O−環を形成するか、
のいずれかであり、
R4aは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキルまたはアリールアルキルを示し、これらの全ての基は、場合により、アリール、OH、OR5a、C(=O)NY3aY4a、NY3aY4aおよびC(=O)OR6から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
【0035】
R5aは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびヘテロシクロアルキルアルキルを示し、
R6は、HおよびC1−C4アルキルを示し、
nは、0〜2の整数を示し、
Y1aおよびY2aは以下:Y1aおよびY2aが同一であっても、または異っていてもよく、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、およびヘテロアリール(これらの全ての基は、場合により、ヒドロキシル、−C(=O)−NY3aY4a、−C(=O)OR6およびNY3aY4aから選択される1またはそれ以上の基で置換されている)を示すか、または、Y1aとY2aが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環式アミノ基を形成するか、のいずれかであり、
Y3aおよびY4aは以下:Y3aおよびY4aが同一であっても、または異っていてもよく、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキルを示すか、または、Y3aとY4aが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環式アミノ基を形成するか、のいずれかであり、
A5はHまたはアルキルを示す]
に相当する、上記で定義された式(I)の化合物であり、
該式(Ia)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との付加塩、または無機塩基との付加塩でありうる。
【0036】
従って、本発明の1つの主題は、式(IA):
【化7】

[式中、
Aは、5−もしくは6−員の単環式基、または10−員より多くない2環式基のいずれかである飽和複素環式基を示し、これらの環員は、それらの少なくとも2個は窒素原子であり、その他の環員は同一であるかまたは異って、炭素員またはO、NおよびSから選択される複素環員であり、この複素環Aは、場合により、基X1、X2またはX3について前述される基から選択される、1またはそれ以上の基XA1、XA2またはXA3で置換されており、
A1、A2、A3およびA4は、同一であっても、または異っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、およびヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アリール、ヘテロアリールおよびアリールオキシ基、カルボキシル基(これは、遊離しているか、塩となっているか、アルキル基でエステル化されているか、または基NA6A7でアミド化されている)から選択され、ここで、A6およびA7は同一であってもまたは異っていてもよく、水素原子、および場合により置換されているアルキル、アルコキシアルキル、フェノキシアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルおよびヘテロアリールアルキル基から選択されるか、またはA6とA7はそれらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている5−もしくは6−員の環式基を形成し、
【0037】
A1、A2、A3およびA4の内の連続した2つの基は、それらが結合しているベンゾイミダゾール基と一緒になって、同一であるかまたは異ってO、NおよびSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含む、5−〜6−員の炭素に基づく環を形成し得るものとされ、
A5は、水素原子またはアルキル基を示し、
R6bは、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、フェニル、フェニルアルキルおよびシクロアルキルアルキルを示し、
【0038】
上記の基において存在する全てのアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル基は、場合により、ハロゲン原子およびヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノ、アシルアミノ(NH−COR6)、−C(=O)OR6b、アシル−C(=O)R6b、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、フェノキシアルキル、S(O)n−alk、S(O)n−NH2、S(O)n−NH(alk)、S(O)n−N(alk)2、CF3、OCF3、NO2、CN、フェニル(それ自体場合により1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されている)、チエニル、フェノキシ、フェニルアルコキシ、−C(=O)−NH2、−C(=O)− NH(alk)、およびC(=O)−N(alk)2基から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
上記の全てのアルキル、アルケニル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分枝鎖状であって、そして4個より多くない炭素原子を含み、
上記の基の全てのフェニル基は、場合により更に、ジオキソール基で置換されており、
nは、0〜2の整数を示す]
に相当する、上記で定義された式(I)の化合物であり、
該式(IA)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IA)の化合物の付加塩でありうる。
【0039】
従って、本発明の主題は、式(IAa):
【化8】

[式中、
Aaは、ピラゾリル、トリアゾリルまたはインダゾリル基を示し、この複素環Aaは、場合により、基X1、X2またはX3について前述される基から選択される、1またはそれ以上の基XA1、XA2またはXA3で置換されており、
A1a、A2a、A3aおよびA4aは、同一であっても、または異っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、フェニルおよびフェノキシ基、およびカルボキシル基(これは、遊離しているか、塩となっているか、アルキル基でエステル化されているか、または基NA6aA7aでアミド化されている)から選択され、ここで、A6aおよびA7aは同一であってもまたは異っていてもよく、水素原子およびアルキル、フェニル、フェニルアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、フリルアルキル、チエニルアルキルおよびピリジルアルキル基から選択されるか、またはA6aとA7aは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、モルホリノ、または、場合によりその第2の窒素原子上において、アルキルもしくはフェニル基(それら自体場合により置換されている)で置換されているピペラジニル基を形成し、
【0040】
A1a、A2a、A3aおよびA4aの内の連続した2つの基は、それらが結合しているベンゾイミダゾール基と一緒になって、場合により置換されている、1個または2個の酸素原子を含む5−〜6−員の炭素に基づく環を形成し得るものとされ、
A5aは、水素原子またはアルキル基を示し、
上記のフェニルおよびフェノキシ基は、場合により、ハロゲン原子およびヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノ、カルボキシル(これは、遊離しているか、塩化されているか、またはエステル化されている)、およびジオキソール基から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
【0041】
上記の全てのアルキル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分枝鎖状であり、そして6個より多くない炭素原子を含む]
に相当する、上記で定義された式(I)の化合物であり、
該式(IAa)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IAa)の化合物の付加塩でありうる。
【0042】
上記で定義された置換基X1、X2およびX3は、特定には、1つが水素原子であって、そして他の2つが同一であっても、または異っていてもよく、ハロゲン原子、およびOH、R4a、OR4a、CF3、OCF3、NO2、CN、NY1aY2a、アシルアミノ(NH−COR6b)、S(O)n−alk、S(O)n−NH2、S(O)n−NH(alk)、S(O)n−N(alk)2、−C(=O)−NH2、−C(=O)−NH(alk)、C(=O)−N(alk)2、−C(=O)OR4a、−N(R6b)C(=O)R4a、−N(R6b)SO2R4a、−N(R6b)C(=O)NY1aY2a、−N(R6b)C(=O)OR4a、−OC(=O)NY1aY2a、およびチエニル基から選択され、該チエニル基は場合によりアルキル基で置換されており、
R4a、Y1a、Y2aおよびR6bは上記で定義された意味を有し、そしてalkは、6個より多くない炭素原子を含み、そして場合により上記で示したとおりに置換されている、直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を示す。
【0043】
後述の表I、IIおよびIIIは、特に上記で定義されたX1、X2およびX3に対応する
基から選択される置換基を有する、本発明を説明する化合物の例を示す。
【0044】
全てのアルキルチオ基は、その硫黄原子が場合により酸化されて1個または2個の酸素原子を有するスルホンまたはスルホキシドとなる。
【0045】
従って、本発明の主題は、上記で定義された式(I)の化合物の置換基が、上記に記載されたいずれかの意味を有し、そしてここで、アリール基がフェニルおよびナフチル基を示す、該式(I)の化合物であり;
ヘテロアリール基は、フリル、チエニル、ベンゾチエニル、チアントレニル、ピリジル、ピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラン、イソベンゾフランおよびジヒドロベンゾフラン基を示し;シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基を示し;ヘテロシクロアルキル基は、ヘキサヒドロピラン、ピペリジルまたはモルホリノ基を示し;ヘテロシクロアルキルアルキル基は、ヘキサヒドロピランアルキル、ピペリジルアルキルおよびモルホリノアルキル基を示し;アリールアルキル基は、フェニルアルキル、エチレンジオキシフェニルアルキルおよびナフチルアルキル基を示し;ヘテロアリールアルキル基は、チエニルアルキル、ピリジルアルキル、フリルアルキル、ピラゾリルアルキル、ベンゾチエニルアルキル、ジヒドロベンゾフランアルキルおよびベンゾイミダゾールアルキル基を示し;アリールオキシ基は、フェノキシおよびナフチルオキシ基を示し;アリールアルコキシ基は、フェニルアルコキシおよびナフチルアルコキシ基を示し;そして、アリールオキシアルキル基は、フェノキシアルキル基を示し;これらの全ての基は、場合により上記のいずれかに記載されるように置換されている。
【0046】
本発明の1つの主題は、より特定には、式(IA):
【化9】

[式中、
Aは、5−もしくは6−員の単環式基、または10−員より多くない2環式基のいずれかである飽和複素環式基を示し、これらの環員は、それらの少なくとも2個は窒素原子であり、その他は同一であってもまたは異っていてもよく、炭素員またはO、NおよびSから選択される複素環員であり、この複素環Aは、場合により、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシもしくはアルキルチオ基、またはチエニル基(場合によりアルキル基で置換されている)から選択される、1またはそれ以上の基XA1、XA2またはXA3で置換されており、
【0047】
A1、A2、A3およびA4は、同一であっても、または異っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、およびヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、フェニルおよびフェノキシ基、カルボキシル基(これは、遊離しているか、塩となっているか、アルキル基でエステル化されているか、または基NA6A7でアミド化されている)から選択され、ここで、A6およびA7は同一であっても、または異っていてもよく、水素原子、およびアルキル、フェニル、フェニルアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルおよびヘテロアリールアルキル基から選択されるか、またはA6とA7は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5−もしくは6−員の環式基を形成し、
A1、A2、A3およびA4の内の連続した2つの基は、それらが結合しているベンゾイミダゾール基と一緒になって、同一であるかまたは異ってO、NおよびSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含む、5−〜6−員の炭素に基づく環を形成し得るものとされ、
【0048】
A5は、水素原子またはアルキル基を示し、
上記の全てのフェニル、フェノキシ、シクロアルキルおよびヘテロアリールアルキル基は、場合により、ハロゲン原子、およびヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノ、カルボキシル(これは遊離しているか、塩化されているか、またはエステル化されている)、およびジオキソール基から選択される、1またはそれ以上の基で置換されており、
上記の全てのアルキル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分枝鎖状であって、そして6個より多くない炭素原子を含む]
に相当する、上記で定義された式(I)の化合物であり、
該式(IA)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IA)の化合物の付加塩でありうる。
【0049】
本発明の主題はまた、より特定には、式(IAb):
【化10】

[式中、
Abは、場合により、ハロゲン原子およびOH、アルキル、アルキニル、−OR6b(アルコキシを含む)、−COR6b、−O−COR6b、−OS(O)nR6b、−O(CH2)n−CO−R6b、フェニル、フェニルアルキル、CF3、OCF3、NO2、CN、NY1bY2b、−NH−C(=O)NY1bY2b、アシルアミノ(NH−CO−R6b)、S(O)n−alk、S(O)n−NY1bY2b、−C(=O)−NY1bY2b、−C(=O)OR6b、−NH−C(=O)R6b、−NH−S(O)nR6b、−NH−C(=O)OR6b、−N(R6b)C(=O)NY1bY2b、−OC(=O)NY1bY2bおよびチエニル基(これらの全ての基は場合により置換されている)から選択される1個または2個の基で置換されているピラゾリルまたはインダゾリル基を示し、
ここで、NY1bY2bにおいて、Y1bおよびY2bは、同一であってもまたは異っていてもよく、水素、および場合により置換されているアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、ナフチル、フェノキシ、フェニルアルキル、フェニルアルキルチオおよびナフチルアルキルから選択されるか、または、Y1bとY2bは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジル、ヘキサヒドロフラン、モルホリニルもしくはモルホリニルアルキル基を形成し、
【0050】
A1b、A2b、A3bおよびA4bは、同一であってもまたは異っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、−OR6b(アルコキシを含む)、−CO−R6b、−O−COR6b、−OS(O)nR6b、−O(CH2)n−CO−R6b、ニトロ、シアノ、フリル、チエニル、ベンゾチエニル、ナフチル、チアントレニル、フェニルおよびフェノキシ基、およびカルボキシル基(これは遊離しているか、塩となっているか、アルキル基でエステル化されているか、または基NA6bA7bでアミド化されている)から選択され、ここで、A6bおよびA7bは同一であってもまたは異っていてもよく、水素、およびアルキル、アルコキシアルキル、フェノキシアルキル、フェニル、フェニルアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、フリルアルキル、ナフチルアルキル、チエニルアルキル、ピペリジルアルキル、ピリジルアルキル、ベンゾチエニルアルキル、ピラゾリルアルキル、ジヒドロベンゾフランアルキル、ヘキサヒドロピランアルキル、エチレンジオキシフェニルアルキルおよびベンズイミダゾリルアルキル基(これらの全ての基は場合により置換されている)から選択されるか、または、A6bとA7bは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、モルホリノもしくはピペラジニル基を形成し、該ピペラジニル基は場合により、その第2の窒素原子上において、アルキル基(それ自体場合により置換されている)で置換されており、
A1b、A2b、A3bおよびA4bの内の連続した2つの基は、それらが結合しているベンゾイミダゾール基と一緒になって、場合により置換されている4,5−エチレンジ
オキシベンゾイミダゾール基、または場合により置換されている4,5−メチレンジオキ
シベンゾイミダゾール基を形成し得るものとされ、
A5bは、水素原子を示し、
【0051】
アルキル、アルケニル、フェニル、フェノキシ、フリル、チエニル、ピペリジル、ピリジル、ピラゾリルおよびベンゾイミダゾリルを含む上記の全ての基は、場合により、ハロゲン原子、およびヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノ、アシルアミノ(NH−COR6b)、−C(=O)OR6b、アシル−C(=O)R6b、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、フェノキシアルキル、S(O)n−alk、S(O)n−NH2、S(O)n−NH(alk)、S(O)n−N(alk)2、CF3、OCF3、NO2、CN、フェニル(それ自体場合により1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されている)、チエニル、フェノキシ、フェニルアルコキシ、−C(=O)−NH2、−C(=O)−NH(alk)およびC(=O)−N(alk)2基から選択される、1またはそれ以上の基で置換されており、
【0052】
nは0〜2の整数を示し、
そして、R6bは、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チエニル、ナフチル、イソオキサゾール、アダメンチル、キノリン、キノロン、ジヒドロキノロン、−NH−フェニル、フェニルアルキルおよびシクロアルキルアルキルを示し、これらの全ての基は、場合により、モルホリノ、ピペリジル、またはフェニル(それ自体場合によりハロゲン原子、およびシアノ、CF3、OCF3、アルキル、フェニル−S(O)n−alk−フェニル、アルコキシ、NH2、NHalk、N(alk)2、SO2NH2、SO2NalkまたはSO2N(alk)2基から選択される1またはそれ以上の基で置換されている)基で置換されており、
上記の全てのアルキル、アルケニル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分枝鎖状であり、そして10個より多くない炭素原子を含み、
上記の基の全てのフェニル基は、場合により更に、ジオキソール基で置換されている]に相当する、上記で定義された式(I)の化合物であり、
該式(IAb)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IAb)の化合物の付加塩でありうる。
【0053】
従って、本発明の1つの主題は、特に、式(IAb)[式中、Abは、場合により、ハロゲン原子、およびOH、アルキル、アルキニル、アルコキシ、フェニル、フェニルアルキル、CF3、OCF3、NO2、CN、NY1bY2b、−NH−C(=O)NY1bY2b、アシルアミノ(NH−CO−R6b)、S(O)n−alk、S(O)n−NY1bY2b、−C(=O)−NY1bY2b、−C(=O)OR6b、−NH−C(=O)R6b、−NH−S(O)nR6b、−NH−C(=O)OR6b、−N(R6b)C(=O)NY1bY2b、−OC(=O)NY1bY2b、およびチエニル(場合により置換されている)基から選択される、1個または2個の基で置換されている、ピラゾリルまたはインダゾリル基を示し、
ここで、NY1bY2bにおいて、Y1bおよびY2bは同一であってもまたは異っていてもよく、水素、並びに場合により置換されているアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、ナフチル、フェノキシ、フェニルアルキル、フェニルアルキルチオおよびナフチルアルキルから選択されるか、またはY1bとY2bが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジル、ヘキサヒドロフラン、モルホリニルもしくはモルホリニルアルキル基を形成し、
【0054】
A1b、A2b、A3bおよびA4bは、同一であってもまたは異っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、フリル、チエニル、ベンゾチエニル、ナフチル、チアントレニル、フェニルおよびフェノキシ基、およびカルボキシル基(これは遊離しているか、塩化されているか、アルキル基でエステル化されているか、または基NA6bA7bでアミド化されている)から選択され、ここで、A6bおよびA7bは、同一であってもまたは異っていてもよく、水素、およびアルキル、アルコキシアルキル、フェノキシアルキル、フェニル、フェニルアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、フリルアルキル、ナフチルアルキル、チエニルアルキル、ピペリジルアルキル、ピリジルアルキル、ベンゾチエニルアルキル、ピラゾリルアルキル、ジヒドロベンゾフランアルキル、ヘキサヒドロピランアルキル、エチレンジオキシフェニルアルキルおよびベンゾイミダゾリルアルキル基(これらの全ての基は場合により置換されている)から選択されるか、または、A6bとA7bは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、モルホリノまたはピペラジニル基を形成し、該ピペラジニル基は場合により、その第2の窒素原子上において、アルキル基(それ自体場合により置換されている)で置換されており、
【0055】
A1b、A2b、A3bおよびA4bの内の連続した2つの基は、それらが結合しているベンゾイミダゾール基と一緒になって、場合により置換されている4,5−エチレンジ
オキシベンゾイミダゾール基、または場合により置換されている4,5−メチレンジオキ
シベンゾイミダゾール基を形成し得るものとされ、
A5bは水素原子を示し、
アルキル、アルケニル、フェニル、フェノキシ、フリル、チエニル、ピペリジル、ピリジル、ピラゾリルおよびベンゾイミダゾリルを含む上記の全ての基は、場合により、ハロゲン原子、およびヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノ、アシルアミノ(NH−COR6b)、−C(=O)OR6b、アシル−C(=O)R6b、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、フェノキシアルキル、S(O)n−alk、S(O)n−NH2、S(O)n−NH(alk)、S(O)n−N(alk)2、CF3、OCF3、NO2、CN、フェニル(それ自体場合により1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されている)、チエニル、フェノキシ、フェニルアルコキシ、−C(=O)−NH2、−C(=O)−NH(alk)、およびC(=O)−N(alk)2基から選択される、1またはそれ以上の基で置換されており、
nは、0〜2の整数を示し、
そして、R6bは、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、フェニル、フェニルアルキルおよびシクロアルキルアルキルを示し、
【0056】
上記の全てのアルキル、アルケニル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分枝鎖状であり、そして10個より多くない炭素原子を含み、
上記の基の全てのフェニル基は、場合により更に、ジオキソール基で置換されている]に相当する、上記で定義された式(I)の化合物であり、
該式(IAb)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IAb)の化合物の付加塩でありうる。
【0057】
従って、本発明の主題は、特に式(IAb)[式中、Abは、1個または2個の基で置換されているピラゾリル基を示し、この置換基の一方は、水素、ハロゲン原子、およびアルキル、アルキニル、−COR6b、フェニル、フェニルアルキル、CF3、NO2、CN、NY1bY2b、−NH−C(=O)NY1bY2b、NH−CO−R6b、S(O)n−alk、S(O)n−NY1bY2b、−C(=O)−NY1bY2b、−C(=O)OR6b、−NH−C(=O)R6b、−NH−S(O)nR6b、−NH−C(=O)OR6b、−N(R6b)C(=O)NY1bY2bおよびチエニル基(これらの全ての基は場合により置換されている)から選択され、
そしてもう一方の基は、OH、−OR6b、−O−COR6b、−OS(O)nR6b、−O(CH2)n−CO−R6bおよび−OC(=O)NY1bY2b基(これらの全ての基は場合により置換されている)から選択され、
ここで、NY1bY2bにおいて、Y1bおよびY2bは、同一であってもまたは異っていてもよく、水素、および場合により置換されているアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、ナフチル、フェノキシ、フェニルアルキル、フェニルアルキルチオおよびナフチルアルキルから選択されるか、または、Y1bとY2bは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジル、ヘキサヒドロフラン、モルホリニルもしくはモルホリニルアルキル基を形成し、
【0058】
A1b、A2b、A3bおよびA4bは、同一であってもまたは異っていてもよく、それらの内の2つは水素であり、そして他の2つは、同一であってもまたは異っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、−OR6b(アルコキシを含む)、−CO−R6b、−O−COR6b、−OS(O)nR6b、−O(CH2)n−CO−R6b、ニトロ、シアノ、フリル、チエニル、ベンゾチエニル、ナフチル、チアントレニル、フェニルおよびフェノキシ基、およびカルボキシル基(これは遊離しているか、塩となっているか、アルキル基でエステル化されているか、または基NA6bA7bでアミド化されている)から選択され、ここで、A6bおよびA7bは、同一であってもまたは異っていてもよく、水素、およびアルキル、アルコキシアルキル、フェノキシアルキル、フェニル、フェニルアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、フリルアルキル、ナフチルアルキル、チエニルアルキル、ピペリジルアルキル、ピリジルアルキル、ベンゾチエニルアルキル、ピラゾリルアルキル、ジヒドロベンゾフランアルキル、ヘキサヒドロピランアルキル、エチレンジオキシフェニルアルキルおよびベンゾイミダゾリルアルキル基(これらの全ての基は場合により置換されている)から選択されるか、またはA6bとA7bは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、モルホリノもしくはピペラジニル基を形成し、該ピペラジニル基は場合により、その第2の窒素原子上において、アルキル基(それ自体場合により置換されている)で置換されており、
【0059】
A5bは、水素原子を示し、
アルキル、アルケニル、フェニル、フェノキシ、フリル、チエニル、ピペリジル、ピリジル、ピラゾリルおよびベンズイミダゾリルを含む上記の全ての基は、場合により、ハロゲン原子、およびヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノ、アシルアミノ(NH−COR6b)、−C(=O)OR6b、アシル−C(=O)R6b、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、フェノキシアルキル、S(O)n−alk、S(O)n−NH2、S(O)n−NH(alk)、S(O)n−N(alk)2、CF3、OCF3、NO2、CN、フェニル(それ自体場合により1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されている)、チエニル、フェノキシ、フェニルアルコキシ、−C(=O)−NH2、−C(=O)−NH(alk)およびC(=O)−N(alk)2基から選択される、1またはそれ以上の基で置換されており、
【0060】
nは0〜2の整数を示し、
そして、R6bは、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チエニル、ナフチル、イソオキサゾール、アダメンチル、キノリン、キノロン、ジヒドロキノロン、−NH−フェニル、フェニルアルキルおよびシクロアルキルアルキルを示し、これらの全ての基は、場合により、モルホリノ、ピペリジルまたはフェニル(それ自体場合により、ハロゲン原子、およびシアノ、CF3、OCF3、アルキル、フェニル−S(O)n−alk−フェニル、アルコキシ、NH2、NHalk、N(alk)2、SO2NH2、SO2NalkまたはSO2N(alk)2基で置換されている)基で置換されており、
上記の全てのアルキル、アルケニル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分子鎖状であり、そして10個より多くない炭素原子を含み、
上記の基の全てのフェニル基は、場合により更に、ジオキソール基で置換されている]に相当する、上記で定義された式(I)の化合物であり、
該式(IAb)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IAb)の化合物の付加塩でありうる。
【0061】
従って、本発明の主題は、特に式(IAb)[式中、Abは、場合によりハロゲン原子、およびアルキル、アルコキシおよびチエニル基から選択される1またはそれ以上の基で置換されている、ピラゾリルまたはインダゾリル基を示し、
A1b、A2b、A3bおよびA4bは、同一であっても、または異っていてもよく、水素原子;ハロゲン原子;以下の型の基:ヒドロキシル、アルキル、場合によりフェニル(それ自体、場合により1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されている)で置換されているアルケニル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、フリル、場合によりアシルCOalkで置換されているチエニル、ベンゾチエニル、ナフチル、チアントレニル、場合により置換されているフェニルおよびフェノキシ;および遊離の、塩となった、アルキル基でエステル化された、または基NA6bA7bでアミド化されたカルボキシル基から選択され、ここで、A6bおよびA7bは、同一であっても、または異っていてもよく、水素、および下記の型の基:アルキル、6個より多くない炭素原子を含むアルコキシアルキル、場合によりアシルアミノ(NH−C(O)alk)で置換されているフェノキシアルキル、フェニル、場合により置換されているフェニルアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、場合により1またはそれ以上のアルキル基で置換されているフリルアルキル、ナフチルアルキル、場合によりアルキルまたはチエニルで置換されているチエニルアルキル、場合によりカルボキシル基(これは遊離しているか、塩化されているか、またはアルキル基でエステル化されている)で置換されているピペリジルアルキル、場合によりハロゲンおよびCF3から選択される1またはそれ以上の基で置換されているピリジルアルキル、ベンゾチエニルアルキル、場合により1またはそれ以上のアルキル基で置換されているピラゾリルアルキル、ジヒドロベンゾフランアルキル、ヘキサヒドロピランアルキル、エチレンジオキシフェニルアルキル、および、場合により1またはそれ以上のアルキル基で置換されているベンゾイミダゾリルアルキルから選択されるか、
【0062】
または、A6bとA7bは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、モルホリノもしくはピペラジニル基を形成し、該ピペラジニル基は場合により、その第2の窒素原子上においてアルキル基で置換されており、
A1b、A2b、A3bおよびA4bの内の連続した2つの基は、それらが結合しているベンゾイミダゾール基と一緒になって、場合により置換されている4,5−エチレンジオキシベンゾイミダゾール基、または場合により置換されている4,5−メチレンジオキシベンゾイミダゾール基を形成し得るものとされ、
R5aは、水素原子を示し、
上記のフェニル、フェノキシおよびフェニルアルキル基は、場合により、ハロゲン原子、ヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノおよびNH−COalk基、カルボキシル基(これは遊離しているか、塩となっているか、またはアルキル基でエステル化されている)、およびヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、フェノキシアルキル、アルキルチオ、SO2alk、SO2NH2、SO2−NH(alk)、SO2−N(alk)2、CF3、OCF3、NO2、CN、フェニル(それ自体場合により1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されている)、チエニル、フェノキシ、フェニルアルコキシ、−C(=O)−NH2、−C(=O)−NH(alk)、C(=O)−N(alk)2およびC(O)CH3基から選択される、1またはそれ以上の基で置換されており、
上記の全てのアルキルまたはalk、アルケニル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分子鎖状であり、そして4個より多くない炭素原子を含み、
上記の基の全てのフェニル基は、場合により更に、ジオキソール基で置換されている]に相当する、上記で定義された式(I)の化合物であり、
該式(IAb)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IAb)の化合物の付加塩でありうる。
【0063】
従って、本発明の主題は特に式(IAb)[式中、Ab、A1b、A2b、A3b、A4bおよびA5bは、上記に記載されたいずれかの意味を有し、
そして、A1b、A2b、A3bおよびA4bの1つが基NA6bA7bでアミド化されているカルボキシル基を示す場合、A6bおよびA7bのいずれか一方が水素原子もしくはアルキル基であって、そしてA6bおよびA7bのもう一方がA6bおよびA7bについて定義された基から選択されるか、または、A6bとA7bが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5−もしくは6−員の環式基を形成し、
該式(I)の化合物の他の置換基は、上記に記載されたいずれかの意味を有する]
に相等する、上記で定義された式(I)の化合物であり、
該式(IAb)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IAb)の生成物の付加塩でありうる。
【0064】
従って、本発明の主題は特に、上記で定義された式(I)[式中、X、W、YおよびZは、それらの内の2つまたは3つがCHを示し、そしてその他がCR2またはCR3に対応する基から選択され、適当ならばジオキソール基を形成していてよく、
R2、R3および該式(I)の化合物のその他の置換基は、前述において定義されたいずれかの意味を有する]の化合物であり、
該式(I)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(I)の生成物の付加塩でありうる。
【0065】
従って、本発明は特に、上記で定義された式(IA)[式中、A1、A2、A3およびA4は、それらの内の2つまたは3つが水素原子を示し、そしてその他がA1、A2、A3およびA4に対応する基から選択され、適当ならばジオキソール基を形成していてよく、
式(IA)の化合物のその他の置換基は、前述において定義されたいずれかの意味を有する]の化合物に関し、
該式(IA)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IA)の化合物の付加塩でありうる。
【0066】
本発明の主題はまた、より特定には、式(IAa):
【化11】

[式中、
Aaは、ピラゾリル、トリアゾリルまたはインダゾリル基を示し、この複素環Aaは、場合により、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシまたはアルキルチオ基、および場合によりアルキル基で置換されているチエニル基から選択される、1またはそれ以上の基XA1、XA2またはXA3で置換されており、
【0067】
A1a、A2a、A3aおよびA4aは、同一であっても、または異っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、フェニルおよびフェノキシ基、およびカルボキシル基(これは遊離しているか、塩となっているか、アルキル基でエステル化されているか、または基NA6aA7aでアミド化されている)から選択され、ここで、A6aおよびA7aは、同一であっても、または異っていてもよく、水素原子、およびアルキル、フェニル、フェニルアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、フリルアルキル、チエニルアルキルおよびピリジルアルキル基から選択されるか、またはA6aとA7aは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、モルホリノ、または場合によりその第2の窒素原子上において、アルキルもしくはフェニル基(それら自体場合により置換されている)で置換されているピペラジニル基を形成し、
A1a、A2a、A3aおよびA4aの内の連続した2つの基は、それらが結合しているベンゾイミダゾール基と一緒になって、場合により置換されている、1個または2個の酸素原子を含む5−〜6−員の炭素に基づく環を形成し得るものとされ、
A5aは、水素原子またはアルキル基を示し、
上記のフェニルおよびフェノキシ基は、場合により、ハロゲン原子、およびヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノ、カルボキシル(これは遊離しているか、塩になっているか、またはエステル化されている)、およびジオキソール基から選択される、1またはそれ以上の基で置換されており、
上記の全てのアルキル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分子鎖状であり、そして6個より多くない炭素原子を含む]
に相当する、上記で定義された式(I)の化合物であり、
該式(IAa)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IAa)の化合物の付加塩でありうる。
【0068】
本発明の1つの主題は、より特定には、上記で定義された式(I)[式中、Rがピラゾリルまたはインダゾリル基を示し、その他の置換基は上記または下記に示された意味を有する]の化合物である。
【0069】
特に挙げられる好ましい化合物は、式(IAa)[式中、
Aaが、場合により上記および下記に示されるとおりに置換されているピラゾリルまたはインダゾリル基を示し、
A1a、A2a、A3aおよびA4aが、以下:
−A1aが、水素もしくはカルボキシルを示すか、または隣接した環員A2aと一緒になって環を形成する、
A4aが、水素もしくはカルボキシルを示すか、または隣接した環員A3aと一緒になって環を形成する、
−A2aが、遊離の、塩化された、アルキル基(場合により置換されている)でエステル化されたカルボキシル基、または上記もしくは下記で示されるようにアミド化されたカルボキシルを示す、
−A2aおよびA3aが、2つの、場合により置換されているアルキル基を示す、
の意味から選択され、
−A5aが水素を示す]の化合物である。
【0070】
本発明の1つの主題は、更により特定には、式(IAb):
【化12】

[式中、
Abは、場合により、ハロゲン原子、およびアルキル、アルコキシおよびチエニル基から選択される1またはそれ以上の基で置換されている、ピラゾリルまたはインダゾリル基を示し、
A1b、A2b、A3bおよびA4bは、同一であっても、または異っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アルキルおよびアルコキシ、ニトロ、シアノ、フェニルおよびフェノキシ基、およびカルボキシル基(これは遊離しているか、塩となっているか、アルキル基でエステル化されているか、または基NA6bA7bでアミド化されている)から選択され、ここで、A6bおよびA7bは、同一であってもまたは異っていてもよく、アルキル、フェニル、フェニルアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルおよびフリルアルキル基から選択されるか、またはA6bとA7bは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、モルホリノ、もしくは場合によりその第2の窒素原子上において、アルキル基で置換されているピペラジニル基を形成し、
【0071】
A1b、A2b、A3bおよびA4bの内の連続した2つの基は、それらが結合しているベンゾイミダゾール基と一緒になって、場合により置換されている4,5−エチレンジ
オキシベンゾイミダゾール基または4,5−メチレンジオキシベンゾイミダゾール基を形成し得るものとされ、
A5bは水素原子を示し、
上記のフェニルおよびフェノキシ基は、場合により、ハロゲン原子、およびヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノ、およびカルボキシル基(これは遊離しているか、塩化されているか、またはエステル化されている)から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
上記の全てのアルキル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分子鎖状であり、そして4個よりも多くない炭素原子を含む]
に相当する、上記で定義された式(I)の化合物であり、
該式(IAb)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IAb)の化合物の付加塩でありうる。
【0072】
本発明の1つの主題は、より特定には以下の式に相当する、上記で定義された式(I)の生成物である:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−メチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−エチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−イソプロピルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−フェニルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−フェネチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−モルホリノアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(N’−メチルピペラジノ)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ピロリジノアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(イソブチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(シクロヘキシルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(2−フルフリル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジル−N−メチルアミド
【0073】
メチル2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール5−カルボキシレート
5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
5−メトキシ−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸
5−ブロモ2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エトキシ−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸
【0074】
5,6−ジメチル−2−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
5,6−ジメチル−2−(5−チオフェン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
2−(4−ブロモ−2H−ピラゾール−3−イル)−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4,5−エチレンジオキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール
【0075】
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−(アミノスルホニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−ブロモベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−(メタンスルホニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−ニトロベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸2−メチルベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(6−クロロピリジン−3−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸2−(メチルスルファニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(ベンゾ[b]チオフェン−3−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸3−メチルベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸3−クロロベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸2−(メチルスルファニル)ベンジルアミド。
【0076】
本発明の1つの主題は、より特定には以下の式に相当する、上記で定義された式(I)の化合物である:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−メチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−エチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−イソプロピルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−フェニルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−フェネチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−モルホリノアミド
【0077】
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(N’−メチル−ピペラジノ)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ピロリジノアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(イソブチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(シクロヘキシルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(2−フルフリル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジル−N−メチルアミド
5−メトキシ−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4,5−エチレンジオキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール。
【0078】
本発明の1つの主題は、より特定には以下の式に相当する、上記で定義された式(I)の生成物である:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−(アミノスルホニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−ブロモベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−(メタンスルホニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−ニトロベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸2−メチルベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(6−クロロピリジン−3−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸2−(メチルスルファニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(ベンゾ[b]チオフェン−3−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸3−メチルベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸3−クロロベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸2−(メチルスルファニル)ベンジルアミド。
【0079】
また本発明の主題は、上記で定義された式(I)の化合物の製造方法であり、式(D):
R1’−COOH (D)
[式中、R1’は、R1について上述した意味を有し、ここで、ありうる反応性の官能基は場合により保護基で保護されている]の酸を、エステル化反応に付して、式(II):
R1’−COOalk (II)
[式中、R1’は上述の意味を有し、そしてalkはアルキル基を示す]の酸エステルとし、これを還元反応に付して、式(III):
R1’−CH2OH (III)
[式中、R1’は上述の意味を有する]のアルコールとし、これを酸化して、式(IV):
R1’−CHO (IV)
[式中、R1’は上述の意味を有する]のアルデヒドとし、
【0080】
そして、上記で定義された式(D)の化合物または式(IV)の化合物を、式(V):
【化13】

[式中、W’、X’、Y’およびZ’は、それぞれW、X、YおよびZについて上述した意味を有し、ここで、ありうる反応性の官能基は場合により保護基で保護されている]のジアミンと反応させて、式(I’):
【化14】

[式中、A5’は、A5について上記に記載された意味を有し、ここで、ありうる反応性の官能基は場合により保護基で保護されており、そしてR1’、W’、X’、Y’およびZ’は上述の意味を有する]の化合物を得ることを特徴とし、
【0081】
該式(I’)の化合物は、式(I)の生成物であってよく、そしてこの化合物を、式(I)の化合物またはその他の化合物を得るために、所望により、および必要に応じて、任意の順番で、以下の1つまたはそれ以上の変換反応に付すことができ:
a)酸官能基のエステル化反応、
b)エステル官能基の酸官能基への鹸化反応、
c)アルキルチオ基の、相当するスルホキシドまたはスルホンへの酸化反応、
d)ケトン官能基の、オキシム官能基への変換反応、
e)遊離の、またはエステル化されたカルボキシル官能基の、アルコール官能基への還元反応、
f)アルコキシ官能基の、ヒドロキシル官能基への変換反応、または、ヒドロキシル官能基の、アルコキシ官能基への変換反応、
g)アルコール官能基の、アルデヒド、酸またはケトン官能基への酸化反応、
h)ニトリル基の、テトラゾリルへの変換反応、
i)保護された反応性官能基上に担持された保護基の除去反応、
j)相当する塩を得るための、無機酸もしくは有機酸との、または塩基との塩形成反応、
k)ラセミ形態の、分割生成物への分割反応、
このようにして、該式(I)の化合物が、任意の可能なラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態で得られる。
【0082】
本発明の主題は、より特定には、式(IA)に相当する、上記で定義された式(I)の化合物の製造方法であり、式(D):
A’−COOH (D)
[式中、A’はAについて上述した意味を有し、ここで、反応し得る官能基は場合により保護基で保護されている]の酸を、エステル化反応に付して式(II):
A’−COOalk (II)
[式中、A’は、上述の意味を有し、そしてalkはアルキル基を示す]の酸エステルとし、これを還元反応に付して式(III):
A’−CH2OH (III)
[式中、A’は上述の意味を有する]のアルコールとし、これを酸化して式(IV):
A’−CHO (IV)
[式中、A’は上述の意味を有する]のアルデヒドとし、そして上記で定義された式(D)の生成物または式(IV)の生成物を、式(V):
【化15】

[式中、A1’、A2’、A3’およびA4’は、それぞれA1、A2、A3およびA4について上述した意味を有し、ここで反応し得る官能基は場合により保護基で保護されている]のジアミンと反応させて、式(IA’):
【化16】

[式中、A5’はA5について上記に記載された意味を有し、ここで、反応し得る官能基は場合により保護基で保護されており、そしてA1’、A2’、A3’およびA4’は上述の意味を有する]の化合物とすることを特徴とし、
該式(IA’)の化合物は、式(IA)の化合物であってよく、そしてこの生成物を、式(IA)の化合物またはその他の化合物を得るために、所望により、および必要に応じて、任意の順番で、上記で定義された1またはそれ以上の変換反応a)〜k)に付すことができ、
このようにして、得られる該式(IA)の化合物は、任意の可能なラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態である。
【0083】
またこのような、置換基を他の置換基に変換する反応は、上記の工程において示された反応に従う連続した合成反応の前に、出発物質上で、およびまた上述の中間体上で行うことができる。
【0084】
本発明を実施するための好ましい条件下で、上記の工程は以下のスキームに示されるように行うことができ:該反応は、当業者に公知の通常の条件に従って、例えば以下に示す反応条件に従って行うことができる。
【0085】
本特許出願の式(I)の生成物のうち、R1がピラゾリルまたはインダゾリル基を示す特定の生成物は、以下のスキームに従って、酸前駆体から得ることができる:
【化17】

【0086】
以下のスキームは、本特許出願の式(I)の生成物の好ましい合成経路を示す:
I)ベンゾイミダゾール−インダゾール系、即ちR1がインダゾリルを示す式(I)の生成物:
第1段階:式(IV)のアルデヒドの形成
【化18】

【0087】
第2段階:式(I)の生成物の形成
【化19】

A2もしくはA3、またはA1もしくはA4がカルボキシル基を示す場合、A2もしくはA3、またはA1もしくはA4はそれぞれ、当業者に公知の標準方法により、特に下記のペプチドカップリングの標準方法に従い、アミドに変換することができる。
【0088】
これらの化合物において、置換基A1、A2、A3、A4、A6、A7、X1、X2およびX3は上述の意味を有する。
I)ベンゾイミダゾール−ピラゾール系、即ちR1がピラゾリルを示す式(I)の化合物:
【化20】

【0089】
より一般には、以下の合成スキームがある:
【化21】

【0090】
得られる式(IA)の化合物において、X1は特にHであってよく、そしてX2は場合により置換されているチエニルであってよい。
これらの化合物において、例えば、A1およびA4はHであってよく、そしてA3およびA4はアルキルであってよい。
上記の生成物において、置換基A1、A2、A3、A4、A5、A6、A5、X1およびX2は、上述の意味を有する。
【0091】
上記のスキームにおいて、
【化22】

を、
【化23】

で置き換えることにより同様に該工程を実施することができ、このようにして相当する化合物が得られる。
【0092】
本特許出願の工程の実施を説明する非限定的な例として、本特許出願の式(I)の4つの化合物の合成を、以下のスキームにより示すことができる:
また、本特許出願の生成物の製造のために、以下の合成経路を用いることができる。
【0093】
【化24】

【0094】
当業者に公知の方法による、A型の中間体の、B型の生成物への変換
【化25】

【0095】
置換基R’1〜R’4、およびR’は、必ずしも保護基のみを示すものではなく、新しい置換基の導入を可能にする官能基を示すこともできる。
【0096】
【化26】

【0097】
【化27】

【0098】
式(II)の生成物により構成される酸エステルは、必要に応じて、相当する酸から、通常の方法、そして特に上記の方法に従って得ることができる。
このような酸は市販されており、例えば3−カルボキシインダゾールである。
式(II)の化合物において、基A’は特に、ピラゾリルまたはインダゾリル基である。
【0099】
式(III)のアルコールの、相当する式(IV)のアルデヒドへの酸化反応は、通常の技術により、例えば過酸化マンガンまたはSwern型のクロムPCC塩を用いて行うことができる。
このようにして得られる式(IV)のアルデヒドを、特に還流DMFのような溶媒中で、NaHSO4の存在下で、式(V)のジアミンと反応させる。
式(V)のジアミンの内、例えば、A1、A2、A3およびA4に対応する基から選択される、1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されているオルト−ジアニリンが挙げられ得る。
【0100】
必要に応じて、上記のスキームにおいて示されるように、特にアルキルアセチレンジカルボキシレート、例えばメチルアセチレンジカルボキシレートを、ヒドラジンと反応させることにより、ピラゾリル基を形成することができる。
式(II)および(V)の出発物質の内、いくつかは公知であり、商業的に得ることができるか、または当業者に公知の通常方法に従って製造することができる。
また、ある種の出発物質は、特に市販の化合物から、例えばこれらをa)〜k)において上述した1またはそれ以上の反応に付して、上述の反応条件下で行うことにより、製造することができる。
【0101】
以下の実験の部は、このような出発物質の例を示す。
本発明のコンテクストにおけるベンゾイミダゾール、ピラゾールまたはインダゾールの製造に用いることができる、以下の参考文献もまた挙げられる:
- G. R. Newkome, W.W. Paudler, Contemporary Heterocyclic Chemistry, Syntheses, Reactions and Applications, J. Wiley, 1982
- Preston, Heterocyclic Compounds, Benzimidazoles and congeneric tricyclic compounds, J. Wiley, 1981
- Behr, Fusco, Jarboe, Heterocyclic Compounds, Pyrazoles, Pyrazolines, Pyrazolidines, indazoles and condensed rings, J. Wiley, 1967。
【0102】
R1’、W’、X’、Y’、A’、A1’、A2’、A3’、A4’およびA5’に対応する基に従って、式(I’)または(IA’)の化合物は、式(I)または(IA)の化合物を構成しても、または構成しなくてもよく、そして式(I)または(IA)の化合物を与えてもよく、または上記のa)〜k)の1もしくはそれ以上の反応にこれらを付すことにより式(I)または(IA)の他の化合物に変換することもできる。
従って、上述の反応において、いくつかの化合物により生じ得る種々の反応性官能基を、必要に応じて保護してもよく:これらは例えば、ヒドロキシル、アシル、遊離のカルボキシルまたはアミノ、およびモノアルキルアミノ基であり、適当な保護基で保護することができる。
【0103】
反応性官能基の保護の例の、以下の非包括的なリストを挙げることができる:
−ヒドロキシル基は、例えばtert−ブチル、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、ベンジルまたはアセチルのようなアルキル基で保護することができ、
−アミノ基は、例えばアセチル、トリチル、ベンジル、tert−ブトキシカルボニル、BOC、ベンジルオキシカルボニルもしくはフタルイミド基、またはペプチド化学において公知の他の基で保護することができ、
−ホルミル基のようなアシル基は、例えばジメチルもしくはジエチルケタール、またはエチレンジオキシケタール、またはジエチルチオケタールまたはエチレンジチオケタールのような、環式または非環式のケタールまたはチオケタールの形態で保護することができ、
−上述の生成物における酸性官能基は、所望により、例えばメチレンクロリド中で、例えば1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリドの存在下で、室温で、第一級または第二級アミンによりアミド化することができ;
−酸性官能基は、例えばベンジルもしくはtert−ブチルエステル、またはペプチド化学において公知のエステルのような、容易に開裂できるエステルを用いて形成されるエステルの形態で保護することができる。
【0104】
反応a)〜k)は、例えば以下に示すようにして行うことができる。
a)上述の生成物は、所望により、可能なカルボキシル官能基上で、当業者に公知の通常方法に従って行うことができるエステル化反応に付すことができる。
b)上述の生成物において可能な、エステル官能基の酸性官能基への変換は、所望により、当業者に公知の通常条件下で、特に、例えばメタノールのようなアルコール性溶媒中の水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムを用いた、または塩酸もしくは硫酸を用いた、酸もしくはアルカリ加水分解により行うことができる。
鹸化反応は、当業者に公知の通常方法に従い、例えばメタノールまたはエタノール、ジオキサンまたはジメトキシエタンのような溶媒中、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの存在下で、行うことができる。
【0105】
c)上述の生成物において可能なアルキルチオ基は、所望により、当業者に公知の通常条件下で、例えば過酢酸もしくはメタクロロ過安息香酸のような過酸を用いて、または、オゾン、オキソンもしくは過ヨウ素酸ナトリウムを用いて、例えば塩化メチレンもしくはジオキサンのような溶媒中、室温で、相当するスルホキシドまたはスルホン官能基に変換することができる。
スルホキシド官能基の製造は、アルキルチオ基を含む生成物と、例えば特に過酸のような試薬との、等モル混合物により促進することができる。
スルホン官能基の製造は、アルキルチオ基を含む生成物と、過剰量の、特に過酸のような試薬との混合物により促進することができる。
d)ケトン官能基のオキシムへの変換反応は、当業者に公知の通常条件下で、例えば特に、場合によりO−置換されているヒドロキシルアミンの存在下で、例えばエタノールのようなアルコール中、室温でまたは加熱して、行うことができる。
e)上述の生成物において可能な、遊離のまたはエステル化されたカルボキシル官能基は、所望により、当業者に公知の方法によって、アルコール官能基に還元することができ:可能なエステル化カルボキシル官能基は、所望により、当業者に公知の方法によって、そして特に水素化アルミニウムリチウムを用いて、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサンまたはエチルエーテルのような溶媒中で、アルコール官能基に還元することができる。
【0106】
上述の生成物において可能な、遊離のカルボキシル官能基は、所望により、特に水素化ホウ素を用いてアルコール官能基に還元することができる。
f)上述の生成物において可能なアルコキシ官能基、例えば特にメトキシは、所望により、当業者に公知の通常条件下で、例えばメチレンクロリドのような溶媒中の3臭化ホウ素を用いて、臭化水素酸ピリジンもしくは塩酸ピリジンを用いて、または水中もしくはトリフルオロ酢酸中の臭化水素酸もしくは塩酸を用いて還流下で、ヒドロキシル官能基に変換することができる。
g)上述の化合物において可能なアルコール官能基は、所望により、当業者に公知の通常条件下での酸化により、例えばアルデヒドを生成する酸化マンガンの作用により、または酸を生成するJones試薬の作用により、アルデヒドまたは酸性官能基に変換することができる。
h)上述の化合物において可能なニトリル官能基は、所望により、当業者に公知の通常条件下で、例えば以下の参考文献:J. Organometallic Chemistry., 33, 337 (1971) KOZIMA S.らに記載される方法において示されるような、ニトリル官能基との、アジ化ナトリウムまたはトリアルキルチンアジドのような金属アジドの付加環化により、テトラゾリルに変換することができる。
【0107】
カルバメートの尿素への変換反応、そして特に、スルホニルカルバメートのスルホニル尿素への変換反応は、例えばトルエンのような還流溶媒中、適当なアミンの存在下で行うことができる。
上述の反応は、記載したとおりに行っても、または適当ならば、当業者に公知の他の通常方法に従って行ってもよいことが理解される。
【0108】
i)保護基、例えば上記に示したような保護基の除去は、当業者に公知の通常条件下で、特に、塩酸、ベンゼンスルホン酸またはパラ−トルエンスルホン酸、ギ酸またはトリフルオロ酢酸のような酸と行われる酸加水分解により、また別法として触媒を用いた水素化により行うことができる。
フタルイミド基は、ヒドラジンで除去することができる。
使用できる種々の保護基のリストは、例えば特許BF2499995に記載されている。
j)上述の化合物は、所望により、当業者に公知の通常方法に従って、例えば、無機もしくは有機酸との、または無機もしくは有機塩基との塩化反応に付すことができ:このような塩化反応は、例えば、塩酸の存在下で、また別法として、酒石酸、クエン酸もしくはメタスルホン酸の存在下で、例えばエタノールまたはメタノールのようなアルコール中で行うことができる。
k)上述の化合物の可能な光学活性形態は、当業者に公知の通常方法に従って、ラセミ混合物の分割により製造することができる。
このような上述の反応を、以下に記載する製造例において説明する。
【0109】
上記で定義された式(I)の化合物、およびまた酸とのその付加塩は、特に上述したそのキナーゼ阻害特性のために、有利な薬理学的性質を有する。ある種のキナーゼタンパク質が細胞周期の事象の開始、発達および完了において中心的役割を有するため、このようなキナーゼを阻害する分子は、がんにおいて観察されるような、望ましくない細胞増殖を制限することができ、そして、アルツハイマー病またはニューロンのアポトーシスのような、神経変性疾患の予防、調節または治療に介在することができる。
本発明の化合物は、より特定には抗脈管形成活性を要する疾患の予防、調節または治療に有用である。
本発明の化合物は、特に腫瘍の治療に有用である。
従って、本発明の化合物はまた、一般に用いられている抗腫瘍剤の治療効果を増大させることができる。従って、本発明の式(I)の化合物は、より特定には抗脈管形成特性を有する。
これらの特性は、その治療上の使用の正当性を示し、そして本発明の主題は特に、医薬として、上記で定義された式(I)の化合物であり、該式(I)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、製薬上許容される無機酸および有機酸との、または製薬上許容される無機塩基および有機塩基との、該式(I)の生成物の付加塩でありうる。
【0110】
従って、本発明の1つの主題は、より特定には、医薬として、式(IA)、(IAa)または(IAb)により定義される化合物であり、該式(IA)、(IAa)または(IAb)の化合物は、その任意の可能なラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態であり、並びにまた、製薬上許容される無機酸および有機酸との、または製薬上許容される無機塩基および有機塩基との、該式(IA)、(IAa)または(IAb)の生成物の付加塩である。
【0111】
本発明の1つの主題は、より特定には、医薬として、実施例において後述される化合物であり、そして特に、以下の式に相当する生成物である:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−メチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−エチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−イソプロピルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−フェニルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−フェネチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−モルホリノアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(N’−メチル−ピペラジノ)アミド
【0112】
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ピロリジノアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(イソブチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(シクロヘキシルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(2−フルフリル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジル−N−メチルアミド
メチル2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボキシレート
5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
5−メトキシ−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
【0113】
2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸
5−ブロモ−2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エトキシ−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸
5,6−ジメチル−2−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
5,6−ジメチル−2−(5−チオフェン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
2−(4−ブロモ−2H−ピラゾール−3−イル)−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4,5−エチレンジオキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール
【0114】
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−(アミノスルホニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−ブロモベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−(メタンスルホニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−ニトロベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸2−メチルベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(6−クロロピリジン−3−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸2−(メチルスルファニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(ベンゾ[b]チオフェン−3−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸3−メチルベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸3−クロロベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸2−(メチルスルファニル)ベンジルアミド。
【0115】
本発明の1つの主題は、より特定には、医薬としての、以下の式に相当する上記で定義された式(I)の化合物である:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−メチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−エチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−イソプロピルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−フェニルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−フェネチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−モルホリノアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(N’−メチル−ピペラジノ)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ピロリジノアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(イソブチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(シクロヘキシルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(2−フルフリル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジル−N−メチルアミド
【0116】
5−メトキシ−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4,5−エチレンジオキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール。
【0117】
本発明の1つの主題は、より特定には、医薬としての、以下の式に相当する、上記で定義された式(I)の化合物である:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−(アミノスルホニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−ブロモベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−(メタンスルホニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−ニトロベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸2−メチルベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(6−クロロピリジン−3−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸2−(メチルスルファニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(ベンゾ[b]チオフェン−3−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸3−メチルベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸3−クロロベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸2−(メチルスルファニル)ベンジルアミド。
【0118】
本発明はまた、活性成分として、少なくとも1種の上記で定義された式(I)の化合物、またはその化合物の製薬上許容される塩もしくはその化合物のプロドラッグ、および適当ならば製薬上許容される担体を含む医薬組成物に関する。
従って、本発明は、活性成分として、少なくとも1種の上記で定義される医薬を含む医薬組成物を包含する。
このような本発明の医薬組成物はまた、適当ならば、例えば特に、タキソール、シスプラチン、DNA挿入剤などに基づく生成物のような、他の細胞分裂抑制医薬生成物の有効成分を含むことができる。
これらの医薬組成物は、経口で、非経口で、即ち皮膚および粘膜への局所適用により、または静脈内もしくは筋肉内注射により局所的に、投与することができる。
【0119】
これらの組成物は、固型であってもまたは液状であってもよく、ヒト用医薬において一般に用いられる任意の医薬形態、例えば単一もしくは糖被覆錠剤、丸剤、トローチ剤、ゲルカプセル剤、ドロップ剤、課粒剤、注射用製剤、軟膏、クリーム剤、またはゲル剤の形態であってよく;これらは、通常の方法に従って製造される。有効成分は、通常これらの医薬組成物に用いられる添加剤、例えばタルク、アラビアゴム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、カカオ脂、水溶性または非水溶性ビヒクル、動物または植物由来の脂肪物質、パラフィン誘導体、グリコール、および種々の湿潤剤、分散剤、乳化剤または保存剤と共に、その組成物中に組み込むことができる。
用いられる化合物、治療される個体および考慮する病気によって変化し得る通常の投与量は、例えば成人で1日あたり0.05〜5g、または好ましくは、1日あたり0.1〜2gであってよい。
【0120】
本発明の主題はまた、キナーゼタンパク質活性の阻害を意図する医薬生成物の製造のための、上記で定義された式(I)の化合物、またはこれらの化合物の製薬上許容される塩の使用である。
【0121】
本発明の主題はまた、キナーゼタンパク質活性の調節不全により特徴づけられる疾患の治療用または予防用医薬の製造のための、上記で定義された式(I)の化合物の使用である。
このような医薬は、特に哺乳動物における疾患の治療または予防を目的としてよい。
【0122】
本発明の主題はまた、キナーゼタンパク質がチロシンキナーゼタンパク質である、上記で定義される使用である。
本発明の主題はまた、キナーゼタンパク質が、以下の群:FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR5、flt−1、IGF−1R、KDR、PDGFR、tie2およびVEGFRから選択される、上記で定義される使用である。
【0123】
本発明の主題はまた、キナーゼタンパク質がKDRである、上記で定義される使用である。
【0124】
本発明の主題はまた、キナーゼタンパク質がtie2である、上記で定義される使用である。
【0125】
本発明の主題はまた、キナーゼタンパク質が細胞培養に関与する、上記で定義される使用である。
本発明の主題はまた、キナーゼタンパク質が、哺乳動物におけるキナーゼタンパク質である、上記で定義される使用である。
【0126】
本発明の主題は特に、以下の群:血管の増殖異常、線維性障害、「メサンギウム」細胞の増殖異常、代謝異常、アレルギー、ぜん息、血栓症、神経系の疾患、網膜症、乾癬、リウマチ様関節炎、糖尿病、筋変性およびがん、から選択される疾患の治療用または予防用医薬生成物の製造のための、上記で定義された式(I)の生成物の使用である。
【0127】
本発明の主題は、より特定には、以下の群:血管の増殖異常、線維性障害、「メサンギウム」細胞の増殖異常、網膜症、乾癬、リウマチ様関節炎、糖尿病、筋変性およびがん、から選択される疾患の治療用または予防用医薬生成物の製造のための、上記で定義された式(I)の生成物の使用である。
【0128】
本発明の主題は、より特定には、制御されない脈管形成が関与する疾患の予防用または治療用医薬生成物の製造のための、腫瘍学における疾患の治療、そして特にがんの治療を意図する医薬生成物の製造のための、上記で定義された式(I)の生成物の使用である。
これらのがんの内、充実性腫瘍の治療、および細胞障害性薬剤に耐性であるがんの治療が重要である。
これらのがんの内、乳がん、胃がん、卵巣のがん、結腸がん、肺がん、脳腫瘍、喉頭がん、リンパ系のがん、膀胱および前立腺を含む尿生殖路のがん、骨のがん並びに膵臓がんの治療、そしてより特定には乳がん、結腸がん、または肺がんの治療が重要である。
【0129】
本発明の主題はまた、がんの化学療法用医薬生成物の製造のための、上記で定義された式(I)の生成物の使用である。
このような、がんの化学療法を意図する医薬生成物は、単独で用いても、または組合わせにおいて用いてもよい。
【0130】
本特許出願の生成物は特に、単独で投与しても、化学療法もしくは放射線療法と組合わせて投与しても、または、例えば他の治療剤と組合わせて投与してもよい。
このような治療剤は、一般に用いられる抗腫瘍剤であってよい。
キナーゼ阻害剤として、ブチロラクトン、フラボピリドール、および2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−ベンジルアミノ−9−メチルプリン(別名オロムシン(olomucine))を挙げることができる。
【0131】
本発明の主題はまた、KDR阻害剤としての上記で定義された式(I)の化合物である。
本発明の主題はまた、tie2阻害剤としての上記で定義された式(I)の化合物である。
【0132】
表I、IIおよびIIIと題される以下の3つの表において記載される化合物は、本発明の
部分を形成し、これらの生成物、およびまた実験章に記載される化合物は、本発明を説明する式(I)の化合物であるが、これは本発明を制限するものではない。
【0133】
【化28】

ここで、Xは水素、ハロゲンまたは上記で定義されたアルコキシを示す。
【化29】

【0134】
【化30】

式中、NR’Rは、上記で定義されるNY1Y2を示す。
【化31】

【0135】
【化32】

式中、Xは、水素、アルキニル、または場合により置換されているNHCOCH2Phを示す。
【化33】

【0136】
実験の部
LC/MS精製の一般的方法:
Waters FractionLynx システムを使用し、分離はWaters Symmetry カラム(C18、5
μM、19x50mm、カタログ番号186000210)上で行い、溶離は水(0.07%TFA(v/v)を含む)中のアセトニトリル(0.07%TFA(v/v)を含む)の直線勾配を用いて行われ、流速10ml/分で、アセトニトリル/TFAが5%〜95%(v/v)まで8分間で上昇し、次いでアセトニトリル/TFA95%で2分間行った。生成物をDMSO中に溶解して注入し、その分子量の検出に従って回収した。
NMRにおける化学シフトはppmで記載した。
【0137】
〔実施例1〕
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸ベンジルアミド
【化34】

2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸ベンジルアミドは、以下の方法で製造できる。
ジメチルホルムアミド0.2ml中のHBTU27.3mgの溶液を、約20℃で、無水ジメチルホルムアミド0.42ml中の2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸20mgの溶液に加えた。約20℃で1時間攪拌後、ベンジルアミン15.7mlを加え、続けてジメチルホルムアミド0.32mlに溶解したN,N−ジイソプロピルエチルアミン12.4mlを加えた。約20℃で20時間後に、反応溶媒を約40℃で減圧下で濃縮した。得られた粗残留物をDMSOに溶解し、分取LC/MSで精製した。所望の生成物を含む画分を合わせて、約40℃で減圧下で濃縮した。このようにして、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸ベンジルアミド20mgをクリーム色粉末形態で得、その特性は以下のとおりであった:
LC/MS 保持時間=2.86分
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸は、以下の方法で製造できる:
メタ亜硫酸水素ナトリウム1.3g、および3,4−ジアミノ安息香酸1.04gを、約20℃で、ジメチルホルムアミド10ml中の1H−インダゾール−3−カルボキシアルデヒド1gの溶液に加えた。反応混合物を1時間還流し、次いで約20℃に冷却し、ジクロロメタンで希釈し、そしてこの混合物を濾過した。回収した濾液を減圧下で濃縮した。得られた褐色ラッカー(340mg)を分取LC/MSで精製した。このようにして、5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール138.8mgをベージュ色粉末の形態で得た。
【0138】
1H−インダゾール−3−カルボキシアルデヒドは、以下の方法で製造できる:
1,2−ジメトキシエタン220ml中の(1H−インダゾール−3−イル)メタノール2.27gの溶液を、二酸化マンガン13.32gに加えた。約20℃で1時間後、反応混合物を15分間還流した。約20℃に冷却した後に、反応溶媒をセライトを詰めた焼結漏斗を通して濾過した。回収した濾液を減圧下、約40℃で濃縮した。このようにして、1H−インダゾール−3−カルボキシアルデヒド2.02gを、黄色粉末の形態で得、その特性は以下のとおりであった:
1H NMR, DMSO d6, 400 MHz: 7.40 ppm (トリプレット, 1H); 7.55 ppm (トリプレット,
1H); 7.75 ppm (ダブレット, 1H); 8.18 ppm (ダブレット, 1H); 10.23 ppm (シングレ
ット, 1H); 14.2 ppm (マルチプレット, 1H).
【0139】
(1H−インダゾール−3−イル)メタノールは、以下の方法で製造できる:
水素化リチウムアルミニウム3.2gを、テトラヒドロフラン80ml中のメチル3−インダゾールカルボキシレート7.08gの溶液に数回に分けて加え、氷浴で約0℃に冷却した。約0℃で4時間後に、水素化リチウムアルミニウム1.6gを加えた。約0℃で2時間後に、反応溶媒を、水6ml、および次いで1N水酸化ナトリウム水溶液6ml、そして最後に水18mlで続けて処理した。反応混合物を濾紙を通して濾過し、次いで水性濾液をジクロロメタンで抽出した。回収した有機性画分を合わせて、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下、約40℃で濃縮した。(1H−インダゾール−3−イル)メタノール3.15gを、オフホワイト色の粉末形態で得、その特性は以下のとおりであった:
1H NMR, DMSO d6, 400 MHz: 4.80 ppm (ダブレット, 2H); 5.25 ppm (トリプレット, 1H); 7.15 ppm (トリプレット, 1H); 7.35 ppm (トリプレット, 1H); 7.51 ppm (ダブレット, 1H); 7.87 ppm (ダブレット, 1H); 12.81 ppm (マルチプレット, 1H).
【0140】
メチル3−インダゾールカルボキシレートは、以下の方法で製造できる:
濃硫酸(95%)0.5mlを、約20℃で、メタノール100ml中の3−インダゾールカルボン酸9.13gの溶液に滴加した。20時間還流した後に、反応溶媒を減圧下、約40℃で濃縮した。得られた水溶性残留物をジクロロメタンで抽出した。有機相を合わせて、中性になるまで水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、次いで減圧下、約40℃で濃縮した。得られた黄色粉末をエチルエーテルで洗浄した。白色粉末が得られた。濾液を減圧下で濃縮して、黄色粉末を得た。この黄色粉末を、再びエチルエーテルで洗浄し、白色粉末を得た。黄色の濾液を3度減圧下で濃縮して、回収した黄色粉末それ自体もエチルエーテルで洗浄した。全画分の白色粉末を合わせた。このようにして、メチル3−インダゾールカルボキシレート7.08gを、白色粉末の形態で得た。
【0141】
〔実施例2〕
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−メチルアミド
【化35】

2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−メチルアミドは、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジルアミド(実施例1)の製造について記載した手順に従って製造できる:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸20mg、およびメチルアミン溶液(テトラヒドロフラン中で2M)71.8μlを出発物質として、所望の生成物14.8mgを得た。
【0142】
〔実施例3〕
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸 N−エチルアミド
【化36】

2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−エチルアミドは、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジルアミド(実施例1)の製造について記載した手順に従って製造できる:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸20mg、およびエチルアミン溶液(水中で33%)19.4mlを出発物質として、2
−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−エチルアミド14.8mgを得た。
【0143】
〔実施例4〕
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−イソプロピルアミド
【化37】

2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−イソプロピルアミドは、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジルアミド(実施例1)の製造について記載した手順に従って製造できる:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸20mg、およびイソプロピルアミン12.3mlを出発物質として、2−(1H−イン
ダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−イソプロピルアミド16.5mgを得た。
【0144】
〔実施例5〕
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−フェニルアミド
【化38】

2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−フェニルアミドは、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジルアミド(実施例1)の製造について記載した手順に従って製造できる:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸20mg、およびアニリン13.1mlを出発物質として、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−フェニルアミド14.1mgを白色粉末の形態で得た。
【0145】
〔実施例6〕
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−フェネチルアミド
【化39】

2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−フェネチルアミドは、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジルアミド(実施例1)の製造について記載した手順に従って製造できる:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸20mg、およびフェネチルアミン18mlを出発物質として、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5カルボン酸N−フェネチルアミド17.
7mgを白色粉末の形態で得た。
【0146】
〔実施例7〕
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸 N−モルホリノアミド
【化40】

2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−モルホリノアミドは、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジルアミド(実施例1)の製造について記載した手順に従って製造できる:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸20mg、およびモルホリン12.5mlを出発物質として、2−(1H−インダゾール
−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−モルホリノアミド18.
6mgを淡黄色粉末の形態で得た。
【0147】
〔実施例8〕
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(N’−メチル−ピペラジノ)アミド
【化41】

2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(N’−メチル−ピペラジノ)アミドは、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジルアミド(実施例1)の製造について記載した手順に従って製造できる:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸20mg、およびN−メチルピペラジン15.9mlを出発物質として、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(N’−メチル−ピペラジノ)アミド16.1mgを黄色油状物質として得た。
【0148】
〔実施例9〕
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ピロリジノアミド
【化42】

2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ピロリジノアミドは、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジルアミド(実施例1)の製造について記載した手順に従って製造できる:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸20mg、およびピロリジン12mlを出発物質として、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5カルボン酸N−ピロリジノアミド17.7mgを淡黄色粉末の形態で得た。
【0149】
〔実施例10〕
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(イソブチル)アミド
【化43】

2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(イソブチル)アミドは、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジルアミド(実施例1)の製造について記載した手順に従って製造できる:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸20mg、およびイソブチルアミン14.6mlを出発物質として、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(イソブチル)アミド7.6mgを淡黄色粉末の形態で得た。
【0150】
〔実施例11〕
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(シクロヘキシルメチル)アミド
【化44】

2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(シクロヘキシルメチル)アミドは、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジルアミド(実施例1)の製造について記載した手順に従って製造できる:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸20mg、およびシクロヘキシルメチルアミン18.7mlを出発物質として、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(シクロヘキシルメチル)アミド16.1mgを白色粉末の形態で得た。
【0151】
〔実施例12〕
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(2−フルフリル)アミド
【化45】

2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(2−フルフリル)アミドは、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジルアミド(実施例1)の製造について記載した手順に従って製造できる:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸20mg、および2−フルフリルアミン13.3mlを出発物質として、2−(1H−イ
ンダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(2−フルフリル)アミド14.8mgを白色粉末の形態で得た。
【0152】
〔実施例13〕
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジル−N−メチルアミド
【化46】

2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジル−N−メチルアミドは、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジルアミド(実施例1)の製造について記載した手順に従って製造できる:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸20mg、およびN−メチルベンジルアミン18.6mlを出発物質として、2−(1H
−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジル−N−メチルアミド7.3mgを淡黄色粉末の形態で得た。
【0153】
〔実施例14〕
メチル2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボキシレート
【化47】

メチル2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボキシレートは、以下の方法で製造できる:
ニトロベンゼン10ml中の、1H−インダゾール−3−カルボキシアルデヒド0.1gおよびメチル3,4−ジアミノベンゾエート113.7mgの混合物を、3時間45分の間、約145℃で維持した。約20℃に冷却後、反応混合物をSPE(SCX相5g、メタノールで処理および洗浄、2Nアンモニア性メタノール溶液で抽出)上で精製した。次いで分離中に回収されたアンモニア性溶液を、減圧下、約40℃で濃縮した。橙色ラッカー198.3mgを得、これを分取LC/MSで精製した。このようにして、メチル2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボキシレート42.7mgをベージュ色粉末の形態で得、その特性は以下のとおりであった:
1H NMR, DMSO d6, 400 MHz: 3.95 ppm (シングレット, 3H); 7.40 ppm (トリプレット,
1H); 7.55 ppm (トリプレット, 1H); 7.75 ppm (ダブレット, 1H); 7.77 ppm (ダブレット, 1H); 7.95 ppm (ダブレット, 1H); 8.57 ppm (ダブレット, 1H); 13.85 ppm (マルチプレット, 1H).
【0154】
〔実施例15〕
5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化48】

5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾールは、メチル2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボキシレート(実施例14)の製造について記載した手順に従って製造できる:
ニトロベンゼン10ml中の、1H−インダゾール−3−カルボキシアルデヒド200mg、および4,5−ジメチル−1,2−フェニレンジアミン177mgを出発物質として、5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール15.9mgを暗赤色粉末の形態で得、その特性は以下のとおりであった:
1H NMR, DMSO d6, 400 MHz: 2.60 ppm (シングレット, 6H); 7.42 ppm (トリプレット,
1H); 7.53 ppm (シングレット, 2H); 7.58 ppm (トリプレット, 1H); 7.78 ppm (ダブレット, 1H); 8.52 ppm (ダブレット, 1H); 14.05 ppm (マルチプレット, 1H).
【0155】
5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾールは、以下の手順に従って製造することもできる:
メタ亜硫酸水素ナトリウム389mgを、約20℃で、ジメチルホルムアミド 3ml中の1H−インダゾール−3−カルボキシアルデヒド300mgおよび4,5−ジメチル−1,2−フェニレンジアミン279mgの溶液に加えた。反応混合物を4時間還流し、
次いで約20℃に冷却し、濾紙を通して濾過した。回収した濾液を減圧下で濃縮した。得られた褐色ラッカー(340mg)を、分取LC/MSにより精製した。このようにして、5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール138.8mgをベージュ色粉末の形態で得た。
【0156】
〔実施例16〕
5−メトキシ−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化49】

5−メトキシ−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾールは、メチル2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボキシレート(実施例14)の製造について記載した手順に従って製造できる:
ニトロベンゼン10ml中の1H−インダゾール−3−カルボキシアルデヒド200mgおよび4−メトキシ−1,2−フェニレンジアミンジヒドロクロリド274.4mgを出発物質として、5−メトキシ−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール45.6mgを明褐色粉末の形態で得、その特性は以下のとおりであった:
1H NMR, DMSO d6, 400 MHz: 3.90 ppm (シングレット, 3H); 7.00 ppm (ダブレット, 1H); 7.18 ppm (ダブレット, 1H); 7.40 ppm (トリプレット, 1H); 7.55 ppm (トリプレット, 1H); 7.64 ppm (ダブレット, 1H); 7.73 ppm (ダブレット, 1H); 8.52 ppm (ダブレット, 1H); 13.91 ppm (マルチプレット, 1H).
【0157】
〔実施例17〕
2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸
【化50】

2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸は、メチル2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボキシレート(実施例14)の製造について記載した手順に従って製造できる:
ニトロベンゼン10ml中の1H−インダゾール−3−カルボキシアルデヒド237mg、および2,3−ジアミノ安息香酸ヒドロクロリド305.5mgを出発物質として、2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール酸の2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸5−メトキシアミド20.5mgを、ベージュ色粉末の形態で得、その特性は以下のとおりであった:
1H NMR, DMSO d6, 400 MHz: 7.40 ppm (トリプレット, 1H); 7.42 ppm (トリプレット,
1H); 7.55 ppm (トリプレット, 1H); 7.72 ppm (ダブレット, 1H); 7.90 ppm (ダブレット, 1H); 8.02 ppm (ダブレット, 1H); 8.52 ppm (ダブレット, 1H); 13.68 ppm (マルチプレット, 1H).
【0158】
〔実施例18〕
5−ブロモ−2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール
【化51】

5−ブロモ−2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾールは、5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
(実施例15)の製造について記載した手順に従って製造できる:
ジメチルホルムアミド15ml中の1H−インダゾール−3−カルボキシアルデヒド643mg、4−ブロモ−1,2−フェニレンジアミン816mg、およびメタ亜硫酸水素ナトリウム836.5mgを出発物質として、SPE(SCX相、メタノールで洗浄、2Nアンモニア性メタノール溶液で抽出)により精製し、続けて圧力下のシリカ上クロマトグラフィーにより精製して、5−ブロモ−2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール939mgを、赤レンガ色粉末の形態で得た。
【0159】
〔実施例19〕
2−(5−エトキシ−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸
【化52】

2−(5−エトキシ−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸は、水素、およびパラジウムのような触媒の存在下で、ベンジル基の脱保護により、2−(2−ベンジル−5−エトキシ−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸から得ることができる。
2−(2−ベンジル−5−エトキシ−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸は、5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(実施例15)の製造について記載した手順に従って製造できる:
ニトロベンゼン1ml中の2−ベンジル−5−エトキシ−2H−ピラゾール−3−カルボキシアルデヒド21.6mg、および3,4−ジアミノ安息香酸ヒドロクロリド17.7mgを出発物質として、SPE(SCX相、メタノールで洗浄、2Nアンモニア性メタノール溶液で抽出)により精製して、2−(2−ベンジル−5−エトキシ−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸50.9mgを、黄色ラッカーの形態で得た。
【0160】
2−ベンジル−5−エトキシ−2H−ピラゾール−3−カルボキシアルデヒドは、以下の方法で製造できる:
4Åモレキュラーシーブを、ジクロロメタン0.5ml中の(2−ベンジル−5−エトキシ−2H−ピラゾール−3−イル)メタノール45.7mgの溶液に加え、続けてピリジニウム塩化クロム43.1mgを加えた。約20℃で20時間後に、反応混合物をセライトを通して濾過した。形成された不溶性物質を、酢酸エチル、次いでジクロロメタンでリンスした。濾液を水で洗浄した。静置して相を分離した後に、水相をジクロロメタンで再抽出した。有機相を合わせて硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過して、次いで減圧下で濃縮した。このようにして、2−ベンジル−5−エトキシ−2H−ピラゾール−3−カルボキシアルデヒド21.6mgを、褐色ラッカーの形態で得、その特性は以下のとおりで
あった:
1H NMR, DMSO d6, 400 MHz: 1.35 ppm (トリプレット, 3H); 4.25 ppm (カルテット, 2H); 5.30 ppm (シングレット, 2H); 6.30 ppm (シングレット, 1H); 7.25-7.40 ppm (マルチプレット, 5H); 9.72 ppm (シングレット, 1H).
【0161】
(2−ベンジル−5−エトキシ−2H−ピラゾール−3−イル)メタノールは、以下の方法で製造できる:
水素化リチウムアルミニウム11.1mgを、テトラヒドロフラン0.75ml中のメチル2−ベンジル−5−エトキシ−2H−ピラゾール−3−カルボキシレート76mgの溶液に加え、氷浴により約0℃に冷却した。約0℃で3時間後に、水素化リチウムアルミニウム22.2mgを加え、反応溶媒を約20℃に暖めた。約20℃で30分後に、氷冷水10mlを加え、次いで反応混合物をセライトを通して濾過した。静置して相を分離した後に、水相を酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。このようにして、(2−ベンジル−5−エトキシ−2H−ピラゾール−3−イル)メタノール45.7mgを、褐色ラッカーの形態で得、その特性は以下のとおりであった:
1H NMR, DMSO d6, 400 MHz: 1.35 ppm (トリプレット, 3H); 4.15 ppm (カルテット, 2H); 4.30 ppm (ダブレット, 2H); 5.00 ppm (トリプレット, 1H); 5.08 ppm (シングレット, 2H); 5.70 ppm (シングレット, 1H); 7.20-7.40 ppm (マルチプレット, 5H).
【0162】
メチル2−ベンジル−5−エトキシ−2H−ピラゾール−3−カルボキシレートは、以下の方法で製造できる:
ヨウ化ナトリウム5mg、ブロモエタン36μlおよび炭酸カリウム70mgを、約20℃で、アセトン1ml中のメチル2−ベンジル−5−ヒドロキシ−2H−ピラゾール−3−カルボキシレート100mgの溶液に加えた。反応混合物を9時間還流し、約20℃に冷却して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。このようにして、メチル2−ベンジル−5−エトキシ−2H−ピラゾール−3−カルボキシレート76mgを、固形物の形態で得、その特性は以下のとおりであった:
1H NMR, DMSO d6, 400 MHz: 1.35 ppm (トリプレット, 3H); 3.50 ppm (シングレット,
3H); 4.22 ppm (カルテット, 2H); 5.22 ppm (シングレット, 2H); 6.28 ppm (シングレット, 1H); 7.20-7.40 ppm (マルチプレット, 5H).
【0163】
メチル 2−ベンジル−5−ヒドロキシ−2H−ピラゾール−3−カルボキシレートは、以下の方法で製造できる:
ジメチルアセチレンジカルボキシレート1.72mlを、約20℃で、氷酢酸45ml中のベンジルヒドラジンジヒドロクロリド2.73gの溶液に加えた。反応混合物を3時間還流し、約20℃に冷却して、次いで減圧下で濃縮した。形成された不溶性物質を濾取して、メチル2−ベンジル−5−ヒドロキシ−2H−ピラゾール−3−カルボキシレート252mgを白色粉末の形態で回収し、その特性は以下のとおりであった:
1H NMR, DMSO d6, 400 MHz: 3.76 ppm (シングレット, 3H); 5.19 ppm (シングレット,
2H); 5.85 ppm (シングレット, 1H); 7.25-7.45 ppm (マルチプレット, 5H); 11.69 ppm
(マルチプレット, 1H).
濾液を、20〜45μmシリカ400g上のフラッシュクロマトグラフィー(25/75 酢酸エチル/シクロヘキサン混合物中に適用;溶離:25/75、および次いで40/60 酢酸エチル/シクロヘキサン)により精製して、更にメチル2−ベンジル−5−ヒドロキシ−2H−ピラゾール−3−カルボキシレートのバッチを白色粉末の形態で得た。
【0164】
〔実施例20〕
5,6−ジメチル−2−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化53】

5,6−ジメチル−2−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾールは、5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(実施例15)の製造について記載した手順に従って製造できる:
エタノール0.5mlおよびジメチルホルムアミド1.5ml中の、5−メチル−2H−ピラゾール−3−カルボキシアルデヒド53.3mg、4,5−ジメチル−1,2−フェニレンジアミン65.9mg、およびメタ亜硫酸水素ナトリウム92mgを出発物質として、SPE(SCX相、メタノールで洗浄、2Nアンモニア性メタノール溶液で抽出)により精製し、次いで圧力下のシリカ上クロマトグラフィーで精製して、5,6−ジメチル−2−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール20.8mgを白色粉末の形態で得た。
【0165】
5−メチル−2H−ピラゾール−3−カルボキシアルデヒドは、1H−インダゾール−3−カルボキシアルデヒドの製造について記載した手順に従って、メチル3−インダゾールカルボキシレートを出発物質として、市販のエチル5−メチル−2H−ピラゾール−3−カルボキシレートから製造できる。
【0166】
〔実施例21〕
5,6−ジメチル−2−(5−チオフェン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化54】

5,6−ジメチル−2−(5−チオフェン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾールは、5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(実施例15)の製造について記載した手順に従って製造できる:
エタノール0.2mlおよびジメチルホルムアミド0.6ml中の、5−チオフェン−2−イル−2H−ピラゾール−3−カルボキシアルデヒド16.2mg、4,5−ジメチル−1,2−フェニレンジアミン12.4mg、およびメタ亜硫酸水素ナトリウム17.3mgを出発物質として、SPE(SCX相、メタノールで洗浄、2Nアンモニア性メタノール溶液で抽出)により精製し、次いで圧力下のシリカ上クロマトグラフィーにより精製し、そしてLC/MSにより精製して、5,6−ジメチル−2−(5−チオフェン−2−イル
−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾールを白色粉末の形態で得た。
5−チオフェン−2−イル−2H−ピラゾール−3−カルボキシアルデヒドは、1H−インダゾール−3−カルボキシアルデヒドについて記載した手順に従って、メチル3−インダゾールカルボキシレートを出発物質として、市販のエチル5−チオフェン−2−イル−2H−ピラゾール−3−カルボキシレートから製造できる。
【0167】
〔実施例22〕
2−(4−ブロモ−2H−ピラゾール−3−イル)−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール
【化55】

2−(4−ブロモ−2H−ピラゾール−3−イル)−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾールは、5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(実施例15)の製造について記載した手順に従って製造できる:
エタノール1mlおよびジメチルホルムアミド2ml中の、市販の4−ブロモ−2H−ピラゾール−3カルボキシアルデヒド100mg、4,5−ジメチル−1,2−フェニレンジアミン77.8mg、およびメタ亜硫酸水素ナトリウム108.6mgを出発物質として、SPE(SCX相、メタノールで洗浄、2Nアンモニア性メタノール溶液で抽出)により精製し、次いで圧力下のシリカ上クロマトグラフィーにより精製して、2−(4−ブロモ−2H−ピラゾール−3−イル)−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール143.2mgを、黄色泡状物の形態で得た。
【0168】
〔実施例23〕
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール
【化56】

2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾールは、5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(実施例15)の製造について記載した手順に従って製造できる:
エタノール1mlおよびジメチルホルムアミド3ml中の、5−エチル−2H−ピラゾール−3−カルボキシアルデヒド100mg、4,5−ジメチル−1,2−フェニレンジアミン110mg、およびメタ亜硫酸水素ナトリウム153mgを出発物質として、SPE(SCX相、メタノールで洗浄、2Nアンモニア性メタノール溶液で抽出)により精製し、次いで逆相HPLC(5mm C18相、寸法100x25mm、流速20ml/分、溶出勾配 アセトニトリル/0.07%TFA−水/0.07%TFA、5−95〜95−5(v/v))により精製し、そしてSPE(SCX相、メタノールで洗浄、2Nアンモニア性メタノール溶液で抽出)により脱塩して、2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール82mgを、ベージュ色粉末の形態で得、その特性は以下のとおりであった:
1H NMR, DMSO d6, 300 MHz: 1.26 (t, J = 7 Hz: 3H); 2.31 (s: 6H); 2.70 (ブロードq, J = 7 Hz: 2H); 6.60 (ブロード s: 1H); 7.22 (マルチプレット: 1H); 7.36 (マルチプレット: 1H); 12.37 (マルチプレット: 1H); 12.92 (マルチプレット: 1H).
【0169】
5−エチル−2H−ピラゾール−3−カルボキシアルデヒドは、メチル3−インダゾールカルボキシレートを出発物質として、1H−インダゾール−3−カルボキシアルデヒドの製造について記載した手順に従って、エチル5−エチル−2H−ピラゾール−3−カルボキシレートから製造できる。
エチル5−エチル−2H−ピラゾール−3−カルボキシレートは、以下の参考文献:Kunio Sekiら, Chem. Pharm. Bull., 32(4), 1568-1577 (1984)における一般の手順に従って製造できる。
【0170】
〔実施例24〕
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4,5−エチレンジオキシ−1H−ベンゾイミダゾール
【化57】

2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4,5−エチレンジオキシ−1H−ベンゾイミダゾールは、5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(実施例15)の製造について記載した手順に従って製造できる:
エタノール1mlおよびジメチルホルムアミド3ml中の、5−エチル−2H−ピラゾール−3−カルボキシアルデヒド100mg、3,4−エチレンジオキシ−1,2−フェニレンジアミン134mg、およびメタ亜硫酸水素ナトリウム153mgを出発物質として、SPE(SCX相、メタノールで洗浄、2Nアンモニア性メタノール溶液で抽出)により精製し、次いで逆相HPLC(5mm C18相、寸法100x25mm、流速 20ml/分、溶出勾配 アセトニトリル/0.07%TFA−水/0.07%TFA、5−95〜95−5(v/v))により精製し、そしてSPE(SCX相、メタノールで洗浄、2Nアンモニア性メタノール溶液で抽出)により脱塩して、2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4,5−エチレンジオキシ−1H−ベンゾイミダゾール60mgを、褐色ラッカーの形態で得、その特性は以下のとおりであった:
1H NMR, DMSO d6, 300 MHz: 1.27 (t, J = 7 Hz: 3H); 2.70 (ブロード q, J = 7 Hz: 2H); 4.20 〜 4.45 (mt: 4H); 6.61 (ブロード s: 1H); 6.72 (d, J = 8 Hz: 1H); 6.88 (ブロード d, J = 8 Hz: 1H); 12.50 (マルチプレット: 1H); 12.94 (マルチプレット: 1H).
【0171】
〔実施例25〕
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール
【化58】

2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾールは、5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(実施例15)の製造について記載した手順に従って製造できる:
エタノール1mlおよびジメチルホルムアミド3ml中の、5−エチル−2H−ピラゾール−3−カルボキシアルデヒド100mg、4−メトキシ−1,2−フェニレンジアミン138mg、およびメタ亜硫酸水素ナトリウム153mgを出発物質として、SPE(SCX相、メタノールで洗浄、2Nアンモニア性メタノール溶液で抽出)により精製し、次いで逆相HPLC(5mm C18相、寸法 100x25mm、流速 20ml/分、溶出勾配 アセトニトリル/0.07%TFA−水/0.07%TFA、5−95〜95−5(v/v))により精製し、そしてSPE(SCX相、メタノールで洗浄、2Nアンモニア性メタノール溶液で抽出)により脱塩して、2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール61mgを、褐色ラッカーの形態で得、その特性は以下のとおりであった:
1H NMR, DMSO d6 (CD3COOD数滴を添加), 300 MHz: 1.26 (t, J = 7 Hz: 3H); 2.70 (q,
J = 7 Hz: 2H); 3.79 (s: 3H); 6.61 (s: 1H); 6.81 (dd, J = 8.5 および 2.5 Hz: 1H); 7.03 (ブロード s: 1H); 7.42 (d, J = 8.5 Hz: 1H).
【0172】
〔実施例26〕
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール
【化59】

2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾールは、5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(実施例15)の製造について記載した手順に従って製造できる:
エタノール1mlおよびジメチルホルムアミド3ml中の、5−エチル−2H−ピラゾール−3−カルボキシアルデヒド100mg、2,3−ジアミノフェノール100mg、およびメタ亜硫酸水素ナトリウム153mgを出発物質として、SPE(SCX相、メタノールで洗浄、2Nアンモニア性メタノール溶液で抽出)により精製し、次いで逆相HPLC(5mm C18相、寸法 100x25mm、流速 20ml/分、溶出勾配 アセトニトリル/0.07%TFA−水/0.07%TFA、5−95〜95−5(v/v))により精製し、そしてSPE(SCX相、メタノールで洗浄、2Nアンモニア性メタノール溶液で抽出)により脱塩して、2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール16mgを、褐色ラッカーの形態で得、その特性は以下のとおりであった:
1H NMR, DMSO d6 (CD3COOD数滴を添加), 300 MHz: 1.26 (t, J = 7 Hz: 3H); 2.70 (q,
J = 7 Hz: 2H); 6.55 (t, J = 4.5 Hz: 1H); 6.66 (s: 1H); 6.96 (ブロード d, J = 4.5 Hz: 2H).
【0173】
〔実施例27〕
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール
【化60】

2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾールは、5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(実施例15)の製造について記載した手順に従って製造できる:
エタノール1mlおよびジメチルホルムアミド2ml中の、5−エチル−2H−ピラゾール−3−カルボキシアルデヒド20mg、4−ブロモ−1,2−フェニレンジアミン30mg、およびメタ亜硫酸水素ナトリウム30mgを出発物質として、SPE(SCX相、メタノールで洗浄、2Nアンモニア性メタノール溶液で抽出)により精製し、次いで逆相HPLC(5mm C18相、寸法 100x25mm、流速 20ml/分、溶出勾配 アセトニトリル/0.07%TFA−水/0.07%TFA、5−95〜95−5(v/v))により精製し、そしてSPE(SCX相、メタノールで洗浄、2Nアンモニア性メタノール溶液で抽出)により脱塩して、2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール21mgを、黄色粉末の形態で得、その特性は以下のとおりであった:
1H NMR, DMSO d6, 300 MHz: 1.28 (t, J = 7 Hz: 3H); 2.71 (q, J = 7 Hz: 2H); 6.67
(s: 1H); 7.30 (dd, J = 8.5 および 2.5 Hz: 1H); 7.49 (mt: 1H); 7.712 (ブロード s: 1H); 12.5〜13.5 (ブロード マルチプレット: 2H).
【0174】
本出願の式(I)の生成物は、以下の工程に従って製造することもできる:
【化61】

以下の図1の表に示される本出願の実施例97〜145の生成物は、上記で示したスキームに従って、特に、以下に示す手順に従って製造することができる。
【0175】
〔実施例97〕
3−(6−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2H−インダゾール
段階1:3−(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2H−インダゾールの合成
1−ヒドロキシベンゾトリアゾール4.25gおよび硫酸カルシウム4.3gを、ジメチルホルムアミド50ml中のインダゾール−3−カルボン酸4.6gの溶液に、周囲温度で加えた。反応混合物を約0℃に冷却し、次いでN,N−ジイソプロピルカルボジイミド4.9mlをゆっくりと加えた。周囲温度で2時間撹拌した後に、4−ブロモ−o−フェニレンジアミン5.9gを加えた。周囲温度で60時間撹拌した後に、反応混合物を減圧下で濃縮して完全に乾燥した。得られた褐色油状物質を水50mlにとり、酢酸エチル50mlで3回抽出した。有機相を合わせて、硫酸マグネシウム上で乾燥し、次いで減圧下で濃縮して完全に乾燥した。これにより褐色油状物質18gを得、この油状物質をエタノール中の塩酸20%溶液100ml中にとった。この混合物を4時間還流して、次いで濃縮して完全に乾燥して、得られた褐色油状物を水20mlにとり、アンモニア水溶液を混合物のpHが約8〜9になるまで加えた。次いで水相を酢酸エチル30mlで3回抽出し、有機相を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して完全に乾燥した。圧力下のシリカ上クロマトグラフィー(溶離剤 水/アセトニトリル)により精製して、3−(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2H−インダゾール5gを得た。
IR スペクトル (KBr): 1621, 1570, 1441, 1344, 1324, 1273, 1239, 1135, 1042, 914, 804, 774および746cm-1において特徴的なバンド
【0176】
段階2:1−[2−(1−アセチル−1H−インダゾール−3−イル)−5−ベンゾイミダゾール−1−イル]エタノンの合成
3−(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2H−インダゾール5gを、無水酢酸40mlおよびピリジン40mlの溶液に加えた。この混合物を4時間還流し、次いで周囲温度に戻した後に濃縮して完全に乾燥した。得られた褐色固体を酢酸エチル50mlにとり、pHが7〜8になるまで飽和炭酸水素ナトリウム溶液50mlで洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過して、次いで減圧下で濃縮して完全に乾燥した。得られた淡褐色固体を、酢酸エチル20ml中で磨砕し、焼結ガラス漏斗上で濾取した。このようにして、化合物1−[2−(1−アセチル−1H−インダゾール−3
−イル)−5−ブロモベンゾイミダゾール−1−イル]エタノン1.5gを得た。上記で得られた濾液を圧力下のシリカ上クロマトグラフィー(溶離剤 シクロヘキサン/酢酸エチル)に付すことにより、第2の収集物、即ち同じ化合物1.3gを得た。
【0177】
化合物の特性:
1H NMR スペクトル (300 MHz, (CD3)2SO d6, δ (ppm)).
50/50 の比率で2種の位置異性体の混合物が観察された。
2.61 および 2.62 (2 s, 3H 合計); 2.80 (s, 3H); 7.62 (ブロード t, J = 7.5 Hz, 1H); 7.68 および 7.71 (2 dd, J = 9 および 2 Hz, 1H 合計); 7.80 (ddd, J = 8.5, 7.5 および 0.5 Hz, 1H); 7.91 および 8.01 (2 d, J = 9 Hz, 1H); 8.18 および 8.20 (2 d, J = 2 Hz, 1H 合計); 8.27 および 8.30 (2 d, J = 7.5 Hz, 1H 合計); 8.46 (d, J = 8.5 Hz, 1H)
IR スペクトル (KBr): 1727, 1610, 1450, 1405, 1374, 1326, 1290, 1198, 1176, 964および760cm-1において特徴的なバンド
【0178】
段階3:3−(6−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2H−インダゾールの合成
炭酸ナトリウム40mg、2水素ジクロロビス−(ジ−tert−ブチルホスホナイト−κP)パラデート(2−)(POPd[0])7mg、およびフェニルホウ酸46mgを、アルゴン雰囲気下で、無水テトラヒドロフラン800μl中の、1−[2−(1−アセチル−1H−インダゾール−3−イル)−5−フェニルベンゾイミダゾール−1−イル]エタノン50mgの溶液に加えた。反応混合物を3時間還流し、次いで周囲温度に冷却した。次いで混合物を、酢酸エチル3mlで希釈し、水2mlで2回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して完全に乾燥した。褐色固体48mgを得、この固体をテトラヒドロフラン500μlに溶解し、これにジエチルアミン500μlを加えた。反応混合物を60℃で4時間加熱し、次いで周囲温度に戻した。次いで混合物を濃縮して完全に乾燥し、得られた褐色固体をLC/MSで精製して、3−(6−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2H−インダゾール(6)12.5mgを得た;分析保持時間3.10、MS311[M+H]+
【0179】
本出願の式(I)の生成物、そして特に実施例98〜145の生成物は、以下の工程に従って製造することもできる:
【化62】

実施例98〜145の生成物の合成は、3−(6−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2H−インダゾール(実施例97)の合成と同様の方法において、フェニルホウ酸を式RB(OH)2のホウ酸で置き換えることにより行うことができる。
【0180】
本出願の実施例28〜96、および146〜180により構成される本出願の式(I)の生成物は、以下の表の図1において示され、これらの生成物は、特に上記で示したスキームに従って、そして特に実施例1の生成物について上記で示されたように、製造することができる。
【0181】
本出願の式(I)の生成物はまた、以下の工程に従って製造することもできる:
【化63】

上記のスキームにおいて、Z3およびZ4に対応する基は、上記で定義されたR2およびR3に対応する基から選択され、そしてZ1および−OZ2に対応する基は、R1がピラゾール基であるX1、X2またはX3に対応する基から選択され、
【0182】
Z1、Z3およびZ4が水素原子を示す場合、特に以下の合成スキームに従い本出願の式(I)の生成物を製造することができる:
【化64】

【0183】
本出願の実施例181〜228により構成される本出願の式(I)の生成物は、以下の表において示され:これらの生成物は、上記のスキームにおいて示されるように製造することができ、そして特に実施例181の生成物は、以下に示すように製造することができる。実施例182〜228の生成物は、実施例181の生成物と同様にして製造することができる。
【0184】
〔実施例181〕
2−[5−(ベンジルオキシ)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
段階1:環化は文献:Chem. Pharm. Bull., 31(4), 1228-1234 (1983); J. Org. Chem., 47(2), 214-221 (1982)において記載されるように行われる。
段階2:MeOH50ml中の、段階1で得られた粗エステル1.015gに、6N NaOH5.5mlを加え、この混合物を2時間加熱還流した。メタノールの蒸発後、溶媒を冷却して、pH=2になるまで濃HClを加えた。濃縮して完全に乾燥し、固体をMeOH/AcOEt 1/1 30mlで3回処理し、濾液を濃縮して、乾燥後に淡褐色固体0.875gを得た。
LC/MS:[勾配 アセトニトリル/水 0.1%HCOOH;Xterra RP18 2.1x50mm]保持時間0.53分 MH+=129 純度95%
【0185】
段階3:PPA(ポリリン酸)3.5gに、1,2−フェニレンジアミン0.701gおよび上記の段階2において得られた酸0.87gを加えた。混合物を1.5時間、150℃に加熱した。冷却後、pH=3になるまで濃NH4OHを加えた。緑色沈殿を濾過して、水、次いでアセトンで洗浄した。真空下、50℃で一晩乾燥し、無機酸の塩 約50%を含む固体2.1gを得た。
MS:EI M+=200
段階4:NMP4ml中の、上記の段階3において得られた生成物80mgに、炭酸セシウム137mgおよび臭化ベンジル72mgを加えた。2時間後、混合物を飽和KH2PO4で加水分解し、AcOEtで抽出した。濃縮後、混合物を分取LC/MSに付して、純粋な生成物8mgを得た。
LC/MS:[勾配 アセトニトリル/水 0.1%HCOOH;Xterra RP18 2.1x50mm]保持時間3.17分 MH+=291 純度97%
【0186】
実施例181の製造と同様の方法において、15ベンジルまたはアリルブロミド、DMFまたはNMP中の、15α−ブロモカルボニル生成物および15酸クロリドを用いて段階4を行い:本出願の実施例181〜228が示されている以下の表の、所望の相当する生成物を得た。
【0187】
【表1】

【0188】
【表2】

【0189】
【表3】

【0190】
【表4】

【0191】
【表5】

【0192】
【表6】

【0193】
【表7】

【0194】
【表8】

【0195】
【表9】

【0196】
【表10】

【0197】
【表11】

【0198】
【表12】

【0199】
〔実施例229〕
医薬組成物
該式に相当する錠剤は、以下のようにして製造される:
実施例1の生成物0.2g
最終的な錠剤に対する添加剤含量1g
(添加剤の詳細:ラクトース、タルク、スターチ、ステアリン酸マグネシウム)。
実施例1を医薬製剤の実施例として挙げたが、この製剤は、所望により、本出願の実施例における他の生成物を用いて製造することができる。
【0200】
生物学的章
インビトロ試験
KDRに対する化合物の阻害効果の評価:
I)生物活性:
化合物の阻害効果は、フラスプレート(flasplate)技術(96−ウェルプレート、N
EN)により、インビトロで、酵素KDRによる基質のリン酸化試験において測定した。
ヒトKDR酵素の細胞質ドメインを、GST融合形態でバキュロウイルス発現ベクターpFastBac中にクローン化した。該タンパク質をSF21細胞において発現させ、約60%の同質性に精製した。
【0201】
KDRのキナーゼ活性は、10mM MgCl2、100μM Na3VO4、1mM NaFの存在下で、20mM MOPS、10mM MgCl2、10mM MnCl2、1mM DTT、2.5mM EGTA、10mM β−グリセロホスフェート、pH7.2中で測定した。該化合物 10μlを、KDR酵素100ngを含むキナーゼバッファー70μlに、4℃で加えた。基質(GST融合タンパク質の形態で発現されるPLCγの断片SH2−SH3)2μg、γ33P[ATP]2μCi、および冷ATP2μMを含む溶液20μlを加えて、反応を開始した。37℃で1時間インキュベートした後に、200mM EDTA 1容量(100μl)を加えて反応をクエンチした。インキュベーションバッファーを除き、ウェルをPBS300μlで3回洗浄した。放射活性を、Top Count NXT計器(Packard)を用いて各ウェルについて測定した。
【0202】
放射活性ATPおよび基質のみを含む4連のウェルにおいて、放射活性を測定することによりバックグラウンドノイズを決定した。
全試薬(γ33P−[ATP]、KDRおよび基質PLCγ)を含み、そして化合物を含まない4連のウェルにおいて、活性対照を測定した。
本発明の化合物を用いたKDR活性の阻害を、化合物を含まない場合において測定した対照活性の阻害百分率として示した。
化合物SU5614(Calbiochem)(1μM)を阻害対照として各プレートに加えた。
化合物のIC50値を、用量−応答曲線をプロットすることにより算出した。IC50は、キナーゼ活性の50%阻害を誘導する化合物濃度に相当する。
【0203】
II) 内皮細胞への細胞活性
1)HDMECのVEGF−依存性増殖の阻害
分子の抗−KDR活性を、VEGFに応答した、HDMEC(ヒト真皮微小血管内皮細胞 Human Dermal Microvascular Endothelial Cells)への[14C]−チミジンの取り込みにより評価した。
1日目に、HDMEC(Promocell, 経過5〜7)を、付属ファクタ(AF, Cascad Biologics)で予め被覆したCytostar(Amersham)96−ウェルプレートにおいて、ウェルにつき100μl中5000細胞で、37℃、5%CO2で植菌した。2日目に、完全培地(5%FCSおよび成長因子混合物を補った基本培地)を、最小培地(5%FCSを補った基本培地)に換えて、細胞を24時間インキュベートした。3日目に、培地を新鮮な培地(100ng/ml VEGF(R&D System)を補ってある、または補っていない;そして本発明の化合物および0.1μCi[14C]−チミジンを含む、または含まない)200μlに換えた。細胞を37℃、5%CO2下で4日間インキュベートした。次いで、[14C]−チミジンの取り込みを、放射活性をカウントすることにより計量した。試験を3ウェルにおいて行った。試験におけるDMSO終濃度は、0.1%であった。阻害%を下記に従って算出した:
[cpm(+VEGF)- cpm(+VEGF + cpd)/ cpm(+VEGF)- cpm BM5%FCS)]x100
【0204】
2)VEGFに応答した、内皮細胞によるTF(組織因子)生産の阻害
内皮細胞を、付属ファクタで予め被覆した96−ウェルプレートにおいて、ウェルにつき20000細胞で植菌した。8時間培養した後に培地を換えて、細胞を、化合物(DMSO終濃度0.1%)と共に、基本培地中で16時間プレインキュベートした。VEGF
(終濃度100ng/ml)を加えて、TF(組織因子)の合成を誘導した。6時間インキュベートした後に、細胞をリンスして、溶解した。次いで、Imubind ELISA試験を用いて組織因子を検出した。
【0205】
3) HDMECのVEGF−非依存性成長への分子の効果
1日目に、HDMEC(ウェルにつき5000細胞)を、付属ファクタ(AF, Cascad Biologics)で予め被覆したCytostar(Amersham)96−ウェルプレートにおいて、37℃、5%CO2で植菌した。次いで全培地を除去し、細胞を、本発明の分子および[14C]−チミジン(0.1μCi)を含む完全培地200μl中でインキュベートした。3日間インキュベートした後に、Wallacカウンターを用いて、[14C]−チミジンの取り込みを測定した。阻害%を下記に従って算出した:[cpm(CM)- cpm(CM + cpd)/ cpm(CM)]x100。
【0206】
以下の表に、本特許出願において実施例として示された生成物についての、上記の試験において得られた結果を示す。
【0207】
【表13】

【0208】
本出願の実施例において示された生成物について、上記の試験で得られた薬理結果を以下の表に示し、生成物の活性の度合いは、表に示される活性の範囲に従い、+の記号で示される、即ち:
+は、3μMより大きい活性について、
++は、0.3〜3μMの活性について、
+++は、3μMより小さい活性について示している。
【0209】
【表14】

【0210】
【表15】

【0211】
【表16】

【0212】
【表17】

【0213】
【表18】

【0214】
【表19】

【0215】
【表20】

【0216】
【表21】

【0217】
【表22】

【0218】
【表23】

【0219】
【表24】

【0220】
【表25】

【0221】
【表26】

【0222】
【表27】

【0223】
【表28】

【0224】
【表29】

【0225】
【表30】

【0226】
【表31】

【0227】
【表32】

【0228】
【表33】

【0229】
【表34】

【0230】
【表35】

【0231】
【表36】

【0232】
【表37】

【0233】
【表38】

【0234】
【表39】

【0235】
【表40】

【0236】
【表41】

【0237】
【表42】

【0238】
【表43】

【0239】
【表44】

【0240】
【表45】

【0241】
【表46】

【0242】
【表47】

【0243】
【表48】

【0244】
【表49】

【0245】
【表50】

【0246】
【表51】

【0247】
【表52】

【0248】
【表53】

【0249】
【表54】

【0250】
【表55】

【0251】
【表56】

【0252】
【表57】

【0253】
【表58】

【0254】
【表59】

【0255】
【表60】

【0256】
【表61】

【0257】
【表62】

【0258】
【表63】

【0259】
【表64】

【0260】
【表65】

【0261】
【表66】

【0262】
【表67】

【0263】
【表68】

【0264】
【表69】

【0265】
【表70】

【0266】
【表71】

【0267】
【表72】

【0268】
【表73】

【0269】
【表74】

【0270】
【表75】

【0271】
【表76】

【0272】
【表77】

【0273】
【表78】

【0274】
【表79】

【0275】
【表80】

【0276】
【表81】

【0277】
【表82】

【0278】
【表83】

【0279】
【表84】

【0280】
【表85】

【0281】
【表86】

【0282】
【表87】

【0283】
【表88】

【0284】
【表89】

【0285】
【表90】

【0286】
【表91】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
XはC−R2を示し、そしてW、YおよびZは同一であっても、または異っていてもよく、CHまたはCR3を示し、
R1は、アリールであるかまたはピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、インドリル、インダゾリル、チエノピラゾリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロシクロペンタピラゾリル、ジヒドロフロピラゾリル、オキソジヒドロピリダジニル、テトラヒドロピロロピラゾリル、オキソテトラヒドロピロロピラゾリル、テトラヒドロピラノピラゾリル、テトラヒドロピリジノピラゾリル、およびオキソジヒドロピリジノピラゾリル基から選択されるヘテロアリールを示し、これらの全ての基は、場合により、H、ハロゲン、ハロアルキル、OH、R4、NO2、CN、S(O)nR4、OR4、NY1Y2、COR4、−C(=O)NY1Y2、−C(=O)OR4、−C(=O)OH、−N(R6)C(=O)R4、−N(R6)SO2R4、−N(R6)C(=O)NY1Y2、−N(R6)C(=O)OR4、−S(O)nOR4、−S(O)nNY1Y2、−OC(=O)NY1Y2、−OS(O)nR4、−OC(=O)R4、およびチエニル(場合により置換されている)から選択される、1またはそれ以上の基X1、X2、またはX3で置換されており、
R2およびR3は以下:
R2およびR3が、同一であっても、または異っていてもよく、H、R4、ハロゲン、ハロアルキル、OH、NO2、CN、OR4、COR4、S(O)nR4、−C(=O)NY1Y2、−C(=O)OR4、−C(=O)OH、−NY1Y2、−N(R6)C(=O)R4、−N(R6)SO2R4、−N(R6)C(=O)NY1Y2、−N(R6)C(=O)OR4、−S(O)nOR4、−S(O)nNY1Y2、−OC(=O)NY1Y2、および−OC(=O)R4を示すか、
または、R2がH、R4、ハロゲン、ハロアルキル、OH、NO2、CN、OR4、COR4、S(O)nR4、−C(=O)NY1Y2、−C(=O)OR4、−C(=O)OH、−NY1Y2、−N(R6)C(=O)R4、−N(R6)SO2R4、−N(R6)C(=O)NY1Y2、−N(R6)C(=O)OR4、−S(O)nOR4、−S(O)nNY1Y2、−OC(=O)NY1Y2、および−OC(=O)R4を示し、
そして、R3が、アルキル、ハロアルキル、ハロゲンおよびOR6を示すか、
または、R2とR3が一緒になって、同一であるかまたは異ってO、NおよびSから選択される、1個またはそれ以上のヘテロ原子を含む5−〜6−員の炭素に基づく環を形成するか
のいずれかであり、
R4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、およびアリールアルキルを示し、これらの全ての基は、場合により、アリール(場合により置換されている)、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシアルキル、OH、OR5、C(=O)NY3Y4、NY3Y4、alk−NY3Y4およびC(=O)OR6から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
R5は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、およびヘテロシクロアルキルアルキルを示す。
Y1およびY2は以下:Y1およびY2が同一であっても、または異っていてもよく、H、および場合により置換されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキルを示すか、
または、Y1とY2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環式アミノ基を形成するか、のいずれかであり、
Y3およびY4は以下:Y3およびY4が同一であっても、または異っていてもよく、水素、アルケニル、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルを示すか、または、Y3とY4が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている環式アミノ基を形成するか、のいずれかであり、
A5は、Hまたはアルキルを示し、
R6は、R5の定義から選択され、
上記の基における全てのアルキル(またはalk、これはアルキルを示す)、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基は、ハロゲン原子およびヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルコキシ、アシルアミノ(NH−COalk)、−C(=O)OR6、アシル−C(=O)R6、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、S(O)n−alk、S(O)n−NH2、S(O)n−NH(alk)、S(O)n−N(alk)2、CF3、OCF3、NO2、アリールアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、−C(=O)−NY3Y4およびNY3Y4基から選択される1またはそれ以上の基で、場合により更に置換されており、
アルキル、アリール、およびヘテロアリールを含むこれらの後述の基は、それ自体場合により、ハロゲン原子、およびアルキル基、カルボキシル基(これは遊離しているか、塩となっているか、またはエステル化されている)、およびアシルアミノ基NH−C(O)R5から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
フェニル基は、場合により、更にジオキソール基で置換されており、
nは、0〜2の整数である]
の化合物であり、
但し、R1が、インダゾリル基であって、下記の式(I):
【化2】

[式中、XはHを示し、R2またはR3は上記で定義されたとおりである]の化合物を得る場合は、Wは、必然的にHまたは非置換のアルキルを示すものと理解され、
該式(I)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との付加塩、または無機塩基との付加塩でありうる、上記式(I)の化合物。
【請求項2】
式(Ia):
【化3】

[式中、
XaはC−R2aを示し、そしてWa、YaおよびZaは、同一であっても、または異っていてもよく、CHまたはCR3aを示し、
R1aは、アリールまたは、ピラゾリル、トリアゾリルおよびインダゾリル基から選択されるヘテロアリールを示し、これらの全ての基は、場合により、H、ハロゲン、OH、R4a、OR4a、NY1aY2a、S(O)nR4a、−C(=O)NY1aY2a、−C(=O)OR4a、−N(R6a)C(=O)R4a、−N(R6a)SO2R4a、−N(R6a)C(=O)NY1aY2a、−N(R6a)C(=O)OR4a、−OC(=O)NY1aY2a、−OC(=O)R4a、−OS(O)nR4a、およびチエニル(場合によりアルキル基で置換されている)から選択される、1またはそれ以上の基X1a、X2a、またはX3aで置換されており、
R2aおよびR3aは以下:
R2aおよびR3aが同一であっても、または異っていてもよく、H、R4a、ハロゲン、OH、OR4a、C(=O)NY1aY2a、−C(=O)OR4aおよび−C(=O)OHを示し、そしてR3aが、アルキル、ハロゲンおよびOR6aを示すか、
または、R2aが、H、R4a、ハロゲン、OH、OR4a、C(=O)NY1aY2a、−C(=O)OR4a、および−C(=O)OHを示し、そしてR3aが、アルキル、ハロゲン、およびOR6aを示すか、
または、R2aとR3aが一緒になって、−O−CH2−O−、もしくは−O−CH2−CH2−O−環を形成するか、
のいずれかであり、
R4aは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、およびアリールアルキルを示し、これらの全ての基は、場合により、アリール(場合により置換されている)、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシアルキル、OH、OR5a、C(=O)NY3aY4a、NY3aY4a、alk−NY3aY4aおよびC(=O)OR6aから選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
R5aは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびヘテロシクロアルキルアルキルを示し、これらの全ての基は場合により置換されており、
Y1aおよびY2aは以下:Y1aおよびY2aが同一であっても、または異っていてもよく、H、アルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール(これらの全ての基は場合により置換されている)を示すか、または、Y1aとY2aが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている環式アミノ基を形成するか、のいずれかであり、
Y3aおよびY4aは以下:Y3aおよびY4aが、同一であっても、または異っていてもよく、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルを示すか、または、Y3aとY4aが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環式アミノ基を形成するか、のいずれかであり、
A5は、Hまたはアルキルを示し、
上記の基における全てのアルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基は、場合により更に、ハロゲン原子およびヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルコキシ、アシルアミノ(NH−C(O)R6a)、−C(=O)OR6a、アシル−C(=O)R6a、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、S(O)n−alk、S(O)n−NH2、S(O)n−NH(alk)、S(O)n−N(alk)2、CF3、OCF3、NO2、アリールアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、−C(=O)−NY3aY4aおよびNY3aY4a基から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
アルキル、アリール、およびヘテロアリールを含むこれらの後述の基は、それ自体場合により、ハロゲン原子、およびアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基(これは遊離しているか、塩となっているか、またはエステル化されている)、およびアシルアミノ基NH−C(O)R6aから選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
フェニル基は、場合により、更にジオキソール基で置換されており、
R6aは、R5aの定義から選択され、
nは、0〜2の整数を示す]
に相当する、請求項1に記載の式(I)の化合物であって、
該式(Ia)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との付加塩、または無機塩基との付加塩でありうる、上記式(I)の化合物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の式(I)の化合物であって、式中、
XはC−R2を示し、そしてW、YおよびZは同一であっても、または異っていてもよく、CHまたはCR3を示し、
R1は、アリールであるかまたはピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、インドリル、インダゾリル、チエノピラゾリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロシクロペンタピラゾリル、ジヒドロフロピラゾリル、オキソジヒドロピリダジニル、テトラヒドロピロロピラゾリル、オキソテトラヒドロピロロピラゾリル、テトラヒドロピラノピラゾリル、テトラヒドロピリジノピラゾリル、およびオキソジヒドロピリジノピラゾリル基から選択されるヘテロアリールを示し、これらの全ての基は、場合により、H、ハロゲン、ハロアルキル、OH、R4、NO2、CN、S(O)nR4、OR4、NY1Y2、COR4、−C(=O)NY1Y2、−C(=O)OR4、−C(=O)OH、−N(R6)C(=O)R4、−N(R6)SO2R4、−N(R6)C(=O)NY1Y2、−N(R6)C(=O)OR4、−S(O)nOR4、−S(O)nNY1Y2、−OC(=O)NY1Y2、−OS(O)nR4、−OC(=O)R4、およびチエニル(場合により置換されている)から選択される、1またはそれ以上の基X1、X2、またはX3で置換されており、
R2およびR3は以下:
R2およびR3が同一であっても、または異っていてもよく、H、R4、ハロゲン、ハロアルキル、OH、NO2、CN、OR4、COR4、S(O)nR4、−C(=O)NY1Y2、−C(=O)OR4、−C(=O)OH、−NY1Y2、−N(R6)C(=O)R4、−N(R6)SO2R4、−N(R6)C(=O)NY1Y2、−N(R6)C(=O)OR4、−S(O)nOR4、−S(O)nNY1Y2、−OC(=O)NY1Y2、および−OC(=O)R4を示すか、
または、R2がH、R4、ハロゲン、ハロアルキル、OH、NO2、CN、OR4、COR4、S(O)nR4、−C(=O)NY1Y2、−C(=O)OR4、−C(=O)OH、−NY1Y2、−N(R6)C(=O)R4、−N(R6)SO2R4、−N(R6)C(=O)NY1Y2、−N(R6)C(=O)OR4、−S(O)nOR4、−S(O)nNY1Y2、−OC(=O)NY1Y2、および−OC(=O)R4を示し、
そして、R3が、アルキル、ハロアルキル、ハロゲンおよびOR6を示すか、
または、R2とR3が一緒になって、O、NおよびSから選択される、同一であるかまたは異っていてよい、1個またはそれ以上のヘテロ原子を含む5−〜6−員の炭素に基づく環を形成するか、
のいずれかであり、
R4は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、およびアリールアルキルを示し、これらの全ての基は、場合により、アリール、OH、OR5、C(=O)NY3Y4、NY3Y4、およびC(=O)OR6から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
R5は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、およびヘテロシクロアルキルアルキルを示し、
R6は、HおよびC1〜C4アルキルを示し、
nは、0〜2の整数を示し、
Y1およびY2は以下:Y1およびY2が同一であっても、または異っていてもよく、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらの全ての基は、場合により、ヒドロキシル、−C(=O)NY3Y4、−C(=O)OR6、およびNY3Y4から選択される1またはそれ以上の基で置換されている)を示すか、
または、Y1とY2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環式アミノ基を形成するか、のいずれかであり、
Y3およびY4は以下:Y3およびY4が同一であっても、または異っていてもよく、水素、アルケニル、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルを示すか、または、Y3とY4が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環式アミノ基を形成するか、のいずれかであり、
A5は、Hまたはアルキルを示し、
該式(I)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との付加塩、または無機塩基との付加塩でありうる、上記の式(I)の化合物。
【請求項4】
式(Ia):
[式中、
XaはC−R2aを示し、そしてWa、YaおよびZaは同一であっても、または異っていてもよく、CHまたはCR3aを示し、
R1aは、アリールまたは、ピラゾリル、トリアゾリルまたはインダゾリル基から選択されるヘテロアリールを示し、これらの全ての基は、場合により、H、ハロゲン、OH、R4a、OR4a、NY1aY2a、S(O)nR4、−C(=O)NY1aY2a、−C(=O)OR4a、−N(R6)C(=O)R4a、−N(R6)SO2R4a、−N(R6)C(=O)NY1aY2a、−N(R6)C(=O)OR4a、−OC(=O)NY1aY2a、および−OC(=O)R4a、−OS(O)nR4、およびチエニル(場合によりアルキル基で置換されている)から選択される、1またはそれ以上の基X1a、X2aまたはX3aで置換されており、
R2aおよびR3aは以下:
R2aおよびR3aが同一であっても、または異っていてもよく、H、R4a、ハロゲン、OH、OR4a、C(=O)NY1Y2、−C(=O)OR4a、−C(=O)OHを示し、そしてR3aがアルキル、ハロゲンおよびOR6を示すか、
または、R2aがH、R4a、ハロゲン、OH、OR4a、C(=O)NY1Y2、−C(=O)OR4a、−C(=O)OHを示し、そしてR3aがアルキル、ハロゲン、およびOR6を示すか、
または、R2aとR3aが一緒になって、−O−CH2−O−、もしくは−O−CH2−CH2−O−環を形成するか、
のいずれかであり、
R4aは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキルまたはアリールアルキルを示し、これらの全ての基は、場合により、アリール、OH、OR5a、C(=O)NY3aY4a、NY3aY4aおよびC(=O)OR6から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
R5aは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびヘテロシクロアルキルアルキルを示し、
R6は、HおよびC1−C4アルキルを示し、
nは、0〜2の整数を示し、
Y1aおよびY2aは以下:Y1aおよびY2aが同一であっても、または異っていてもよく、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、およびヘテロアリール(これらの全ての基は、場合により、ヒドロキシル、−C(=O)−NY3aY4a、−C(=O)OR6aおよびNY3aY4aから選択される1またはそれ以上の基で置換されている)を示すか、または、Y1aとY2aが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環式アミノ基を形成するか、のいずれかであり、
Y3aおよびY4aは以下:Y3aおよびY4aが同一であっても、または異っていてもよく、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキルを示すか、または、Y3aとY4aが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環式アミノ基を形成するか、のいずれかであり、
A5はHまたはアルキルを示す]
に相当する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(I)の化合物であって、
該式(Ia)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との付加塩、または無機塩基との付加塩でありうる、上記式(I)の化合物。
【請求項5】
式(IA):
【化4】

[式中、
Aは、5−もしくは6−員の単環式基、または10−員より多くない2環式基のいずれかである飽和複素環式基を示し、これらの環員の少なくとも2個は窒素原子であり、その他の環員は炭素環員またはO、NおよびSから選択される、同一であるかまたは異っていてよい複素環員であり、この複素環Aは、場合により、基X1、X2またはX3について、請求項1に示された定義から選択される、1またはそれ以上の基XA1、XA2またはXA3で置換されており、
A1、A2、A3およびA4は、同一であっても、または異っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、およびヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アリール、ヘテロアリールおよびアリールオキシ基、カルボキシル基(これは、遊離しているか、塩となっているか、アルキル基でエステル化されているか、または基NA6A7でアミド化されている)から選択され、ここで、A6およびA7は同一であってもまたは異っていてもよく、水素原子、および場合により置換されているアルキル、アルコキシアルキル、フェノキシアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルおよびヘテロアリールアルキル基から選択されるか、またはA6とA7は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている5−もしくは6−員の環式基を形成し、
A1、A2、A3およびA4のうち連続した2つの基は、それらが結合しているベンゾイミダゾール基と一緒になって、O、NおよびSから選択される1個またはそれ以上の、同一であるかまたは異っていてよいヘテロ原子を含む、5−〜6−員の炭素に基づく環を形成し得るものと理解され、
A5は、水素原子またはアルキル基を示し、
R6bは、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、フェニル、フェニルアルキルおよびシクロアルキルアルキルを示し、
上記の基において存在する全てのアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル基は、場合により、ハロゲン原子およびヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノ、アシルアミノ(NH−COR6)、−C(=O)OR6b、アシル−C(=O)R6b、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、フェノキシアルキル、S(O)n−alk、S(O)n−NH2、S(O)n−NH(alk)、S(O)n−N(alk)2、CF3、OCF3、NO2、CN、フェニル(それ自体場合により1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されている)、チエニル、フェノキシ、フェニルアルコキシ、−C(=O)−NH2、−C(=O)−NH(alk)、およびC(=O)−N(alk)2基から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
上記の全てのアルキル、アルケニル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分枝鎖状であって、そして4個より多くない炭素原子を含み、
上記の基の全てのフェニル基は、場合により更に、ジオキソール基で置換されており、
nは、0〜2の整数を示す]
に相当する、請求項1に記載の式(I)の化合物であり、
該式(IA)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IA)の化合物の付加塩でありうる、上記式(I)の化合物。
【請求項6】
式(IAa):
【化5】

[式中、
Aaは、ピラゾリル、トリアゾリルまたはインダゾリル基を示し、この複素環Aaは、場合により、基X1、X2またはX3について請求項1に示された定義から選択される、1またはそれ以上の基XA1、XA2またはXA3で置換されており、
A1a、A2a、A3aおよびA4aは、同一であっても、または異っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、フェニルおよびフェノキシ基、およびカルボキシル基(これは、遊離しているか、塩となっているか、アルキル基でエステル化されているか、または基NA6aA7aでアミド化されている)から選択され、ここで、A6aおよびA7aは同一であってもまたは異っていてもよく、水素原子およびアルキル、フェニル、フェニルアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、フリルアルキル、チエニルアルキルおよびピリジルアルキル基から選択されるか、またはA6aとA7aは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、モルホリノ、または、場合によりその第2の窒素原子上において、アルキルもしくはフェニル基(それら自体場合により置換されている)で置換されているピペラジニル基を形成し、
A1a、A2a、A3aおよびA4aのうち連続した2つの基は、それらが結合しているベンゾイミダゾール基と一緒になって、場合により置換されている、1個または2個の酸素原子を含む5−〜6−員の炭素に基づく環を形成し得るものと理解され、
A5aは、水素原子またはアルキル基を示し、
上記のフェニルおよびフェノキシ基は、場合により、ハロゲン原子およびヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノ、カルボキシル(これは、遊離しているか、塩となっているか、またはエステル化されている)、およびジオキソール基から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
上記の全てのアルキル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分枝鎖状であり、そして6個より多くない炭素原子を含む]
に相当する、請求項1に記載の式(I)の化合物であり、
該式(IAa)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IAa)の化合物の付加塩でありうる、上記式(I)の化合物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物であって、式中、該式(I)の化合物の置換基が、請求項1〜6のいずれか1項に記載された定義を有し、そしてここで、アリール基はフェニルおよびナフチル基を示し、ヘテロアリール基は、フリル、チエニル、ベンゾチエニル、チアントレニル、ピリジル、ピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラン、イソベンゾフランおよびジヒドロベンゾフラン基を示し;シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基を示し;ヘテロシクロアルキル基は、ヘキサヒドロピラン、ピペリジルまたはモルホリノ基を示し;ヘテロシクロアルキルアルキル基は、ヘキサヒドロピランアルキル、ピペリジルアルキルおよびモルホリノアルキル基を示し;アリールアルキル基は、フェニルアルキル、エチレンジオキシフェニルアルキルおよびナフチルアルキル基を示し;ヘテロアリールアルキル基は、チエニルアルキル、ピリジルアルキル、フリルアルキル、ピラゾリルアルキル、ベンゾチエニルアルキル、ジヒドロベンゾフランアルキルおよびベンゾイミダゾールアルキル基を示し;アリールオキシ基は、フェノキシおよびナフチルオキシ基を示し;アリールアルコキシ基は、フェニルアルコキシおよびナフチルアルコキシ基を示し;そして、アリールオキシアルキル基は、フェノキシアルキル基を示し;これらの全ての基は、場合により請求項1〜6のいずれか1項に記載されるように置換されている、上記式(I)の化合物。
【請求項8】
式(IA)[式中、Aは、5−もしくは6−員の単環式基、または10−員より多くない2環式基のいずれかである飽和複素環式基を示し、これらの環員の少なくとも2個は窒素原子であり、その他は同一であってもまたは異っていてもよく、炭素員またはO、NおよびSから選択される複素環員であり、この複素環Aは、場合により、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシもしくはアルキルチオ基、またはチエニル基(場合によりアルキル基で置換されている)から選択される、1またはそれ以上の基XA1、XA2またはXA3で置換されており、
A1、A2、A3およびA4は、同一であっても、または異っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、およびヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、フェニルおよびフェノキシ基、カルボキシル基(これは、遊離しているか、塩となっているか、アルキル基でエステル化されているか、または基NA6A7でアミド化されている)から選択され、ここで、A6およびA7は同一であっても、または異っていてもよく、水素原子、およびアルキル、フェニル、フェニルアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルおよびヘテロアリールアルキル基から選択されるか、またはA6とA7は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5−もしくは6−員の環式基を形成し、
A1、A2、A3およびA4のうち連続した2つの基は、それらが結合しているベンゾイミダゾール基と一緒になって、O、NおよびSから選択される、同一であるかまたは異っていてよい、1個またはそれ以上のヘテロ原子を含む、5−〜6−員の炭素に基づく環を形成し得るものとされ、
A5は、水素原子またはアルキル基を示し、
上記の全てのフェニル、フェノキシ、シクロアルキルおよびヘテロアリールアルキル基は、場合により、ハロゲン原子、およびヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノ、カルボキシル(これは遊離しているか、塩となっているか、またはエステル化されている)、およびジオキソール基から選択される、1またはそれ以上の基で置換されており、
上記の全てのアルキル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分枝鎖状であって、そして6個より多くない炭素原子を含む]
に相当する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)の化合物であり、
該式(IA)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IA)の化合物の付加塩でありうる、上記式(I)の化合物。
【請求項9】
式(IAa)[式中、Aaは、ピラゾリル、トリアゾリルまたはインダゾリル基を示し、この複素環Aaは、場合により、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシまたはアルキルチオ基、および場合によりアルキル基で置換されているチエニル基から選択される、1またはそれ以上の基XA1、XA2またはXA3で置換されており、
A1a、A2a、A3aおよびA4aは、同一であっても、または異っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、フェニルおよびフェノキシ基、およびカルボキシル基(これは遊離しているか、塩となっているか、アルキル基でエステル化されているか、または基NA6aA7aでアミド化されている)から選択され、ここで、A6aおよびA7aは、同一であっても、または異っていてもよく、水素原子、およびアルキル、フェニル、フェニルアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、フリルアルキル、チエニルアルキルおよびピリジルアルキル基から選択されるか、またはA6aとA7aは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、モルホリノ、または場合によりその第2の窒素原子上において、アルキルもしくはフェニル基(それら自体場合により置換されている)で置換されているピペラジニル基を形成し、
A1a、A2a、A3aおよびA4aのうち連続した2つの基は、それらが結合しているベンゾイミダゾール基と一緒になって、場合により置換されている、1個または2個の酸素原子を含む5−〜6−員の炭素に基づく環を形成し得るものと理解され、
A5aは、水素原子またはアルキル基を示し、
上記のフェニルおよびフェノキシ基は、場合により、ハロゲン原子、およびヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノ、カルボキシル(これは遊離しているか、塩となっているか、またはエステル化されている)、およびジオキソール基から選択される、1またはそれ以上の基で置換されており、
上記の全てのアルキル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分子鎖状であり、そして6個より多くない炭素原子を含む]
に相当する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の式(I)の化合物であり、
該式(IAa)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IAa)の化合物の付加塩でありうる、上記式(I)の化合物。
【請求項10】
式(IAb):
【化6】

[式中、
Abは、場合により、ハロゲン原子およびOH、アルキル、アルキニル、−OR6b(アルコキシを含む)、−COR6b、−O−COR6b、−OS(O)nR6b、−O(CH2)n−CO−R6b、フェニル、フェニルアルキル、CF3、OCF3、NO2、CN、NY1bY2b、−NH−C(=O)NY1bY2b、アシルアミノ(NH−CO−R6b)、S(O)n−alk、S(O)n−NY1bY2b、−C(=O)−NY1bY2b、−C(=O)OR6b、−NH−C(=O)R6b、−NH−S(O)nR6b、−NH−C(=O)OR6b、−N(R6b)C(=O)NY1bY2b、−OC(=O)NY1bY2bおよびチエニル基(これらの全ての基は場合により置換されている)から選択される1個または2個の基で置換されているピラゾリルまたはインダゾリル基を示し、
ここで、NY1bY2bにおいて、Y1bおよびY2bは、同一であってもまたは異っていてもよく、水素、および場合により置換されているアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、ナフチル、フェノキシ、フェニルアルキル、フェニルアルキルチオおよびナフチルアルキルから選択されるか、または、Y1bとY2bは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジル、ヘキサヒドロフラン、モルホリニルもしくはモルホリニルアルキル基を形成し、
A1b、A2b、A3bおよびA4bは、同一であってもまたは異っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、−OR6b(アルコキシを含む)、−CO−R6b、−O−COR6b、−OS(O)nR6b、−O(CH2)n−CO−R6b、ニトロ、シアノ、フリル、チエニル、ベンゾチエニル、ナフチル、チアントレニル、フェニルおよびフェノキシ基、およびカルボキシル基(これは遊離しているか、塩となっているか、アルキル基でエステル化されているか、または基NA6bA7bでアミド化されている)から選択され、ここで、A6bおよびA7bは同一であってもまたは異っていてもよく、水素、およびアルキル、アルコキシアルキル、フェノキシアルキル、フェニル、フェニルアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、フリルアルキル、ナフチルアルキル、チエニルアルキル、ピペリジルアルキル、ピリジルアルキル、ベンゾチエニルアルキル、ピラゾリルアルキル、ジヒドロベンゾフランアルキル、ヘキサヒドロピランアルキル、エチレンジオキシフェニルアルキルおよびベンゾイミダゾリルアルキル基(これらの全ての基は場合により置換されている)から選択されるか、または、A6bとA7bは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、モルホリノもしくはピペラジニル基を形成し、該ピペラジニル基は場合により、その第2の窒素原子上において、アルキル基(それ自体場合により置換されている)で置換されており、
A1b、A2b、A3bおよびA4bのうち連続した2つの基は、それらが結合しているベンゾイミダゾール基と一緒になって、場合により置換されている4,5−エチレンジ
オキシベンゾイミダゾール基、または場合により置換されている4,5−メチレンジオキ
シベンゾイミダゾール基を形成し得るものとし、
A5bは、水素原子を示し、
アルキル、アルケニル、フェニル、フェノキシ、フリル、チエニル、ピペリジル、ピリジル、ピラゾリルおよびベンゾイミダゾリルを含む上記の全ての基は、場合により、ハロゲン原子、およびヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノ、アシルアミノ(NH−COR6b)、−C(=O)OR6b、アシル−C(=O)R6b、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、フェノキシアルキル、S(O)n−alk、S(O)n−NH2、S(O)n−NH(alk)、S(O)n−N(alk)2、CF3、OCF3、NO2、CN、フェニル(それ自体場合により1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されている)、チエニル、フェノキシ、フェニルアルコキシ、−C(=O)−NH2、−C(=O)−NH(alk)およびC(=O)−N(alk)2基から選択される、1またはそれ以上の基で置換されており、
nは0〜2の整数を示し、
そして、R6bは、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チエニル、ナフチル、イソオキサゾール、アダメンチル、キノリン、キノロン、ジヒドロキノロン、−NH−フェニル、フェニルアルキルおよびシクロアルキルアルキルを示し、これらの全ての基は、場合により、モルホリノ、ピペリジル、またはフェニル(それ自体場合によりハロゲン原子、およびシアノ、CF3、OCF3、アルキル、フェニル−S(O)n−alk−フェニル、アルコキシ、NH2、NHalk、N(alk)2、SO2NH2、SO2NalkまたはSO2N(alk)2基から選択される1またはそれ以上の基で置換されている)基で置換されており、
上記の全てのアルキル、アルケニル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分枝鎖状であり、そして10個より多くない炭素原子を含み、
上記の基の全てのフェニル基は、場合により更に、ジオキソール基で置換されている]に相当する、請求項1に記載の式(I)の化合物であり、
該式(IAb)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IAb)の化合物の付加塩でありうる、上記式(I)の化合物。
【請求項11】
式(IAb)[式中、Abは、場合により、ハロゲン原子、およびOH、アルキル、アルキニル、アルコキシ、フェニル、フェニルアルキル、CF3、OCF3、NO2、CN、NY1bY2b、−NH−C(=O)NY1bY2b、アシルアミノ(NH−CO−R6b)、S(O)n−alk、S(O)n−NY1bY2b、−C(=O)−NY1bY2b、−C(=O)OR6b、−NH−C(=O)R6b、−NH−S(O)nR6b、−NH−C(=O)OR6b、−N(R6b)C(=O)NY1bY2b、−OC(=O)NY1bY2b、およびチエニル(場合により置換されている)基から選択される、1個または2個の基で置換されている、ピラゾリルまたはインダゾリル基を示し、
ここで、NY1bY2bにおいて、Y1bおよびY2bは同一であってもまたは異っていてもよく、水素、並びに場合により置換されているアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、ナフチル、フェノキシ、フェニルアルキル、フェニルアルキルチオおよびナフチルアルキルから選択されるか、またはY1bとY2bが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジル、ヘキサヒドロフラン、モルホリニルもしくはモルホリニルアルキル基を形成し、
A1b、A2b、A3bおよびA4bは、同一であってもまたは異っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、フリル、チエニル、ベンゾチエニル、ナフチル、チアントレニル、フェニルおよびフェノキシ基、およびカルボキシル基(これは遊離しているか、塩となっているか、アルキル基でエステル化されているか、または基NA6bA7bでアミド化されている)から選択され、ここで、A6bおよびA7bは、同一であってもまたは異っていてもよく、水素、およびアルキル、アルコキシアルキル、フェノキシアルキル、フェニル、フェニルアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、フリルアルキル、ナフチルアルキル、チエニルアルキル、ピペリジルアルキル、ピリジルアルキル、ベンゾチエニルアルキル、ピラゾリルアルキル、ジヒドロベンゾフランアルキル、ヘキサヒドロピランアルキル、エチレンジオキシフェニルアルキルおよびベンゾイミダゾリルアルキル基(これらの全ての基は場合により置換されている)から選択されるか、または、A6bとA7bは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、モルホリノもしくはピペラジニル基を形成し、該ピペラジニル基は場合により、その第2の窒素原子上において、アルキル基(それ自体場合により置換されている)で置換されており、
A1b、A2b、A3bおよびA4bのうち連続した2つの基は、それらが結合しているベンゾイミダゾール基と一緒になって、場合により置換されている4,5−エチレンジオキシベンゾイミダゾール基、または場合により置換されている4,5−メチレンジオキシベンゾイミダゾール基を形成し得るものとされ、
A5bは水素原子を示し、
アルキル、アルケニル、フェニル、フェノキシ、フリル、チエニル、ピペリジル、ピリジル、ピラゾリルおよびベンゾイミダゾリルを含む上記の全ての基は、場合により、ハロゲン原子、およびヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノ、アシルアミノ(NH−COR6b)、−C(=O)OR6b、アシル−C(=O)R6b、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、フェノキシアルキル、S(O)n−alk、S(O)n−NH2、S(O)n−NH(alk)、S(O)n−N(alk)2、CF3、OCF3、NO2、CN、フェニル(それ自体場合により1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されている)、チエニル、フェノキシ、フェニルアルコキシ、−C(=O)−NH2、−C(=O)−NH(alk)、およびC(=O)−N(alk)2基から選択される、1またはそれ以上の基で置換されており、
nは、0〜2の整数を示し、
そして、R6bは、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、フェニル、フェニルアルキルおよびシクロアルキルアルキルを示し、
上記の全てのアルキル、アルケニル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分枝鎖状であり、そして10個より多くない炭素原子を含み、
上記の基の全てのフェニル基は、場合により更に、ジオキソール基で置換されている]に相当する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の式(I)の化合物であり、
該式(IAb)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IAb)の化合物の付加塩でありうる、上記式(I)の化合物。
【請求項12】
式(IAb)[式中、Abは、1個または2個の基で置換されているピラゾリル基を示し、ここで1つの基は、水素、ハロゲン原子、およびアルキル、アルキニル、−COR6b、フェニル、フェニルアルキル、CF3、NO2、CN、NY1bY2b、−NH−C(=O)NY1bY2b、NH−CO−R6b、S(O)n−alk、S(O)n−NY1bY2b、−C(=O)−NY1bY2b、−C(=O)OR6b、−NH−C(=O)R6b、−NH−S(O)nR6b、−NH−C(=O)OR6b、−N(R6b)C(=O)NY1bY2bおよびチエニル基(これらの全ての基は場合により置換されている)から選択され、
そして他の基は、OH、−OR6b、−O−COR6b、−OS(O)nR6b、−O(CH2)n−CO−R6bおよび−OC(=O)NY1bY2b基(これらの全ての基は場合により置換されている)から選択され、
ここで、NY1bY2bにおいて、Y1bおよびY2bは、同一であってもまたは異っていてもよく、水素、および場合により置換されているアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、ナフチル、フェノキシ、フェニルアルキル、フェニルアルキルチオおよびナフチルアルキルから選択されるか、または、Y1bとY2bは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジル、ヘキサヒドロフラン、モルホリニルもしくはモルホリニルアルキル基を形成し、
A1b、A2b、A3bおよびA4bは、同一であってもまたは異っていてもよく、それらの内の2つは水素であり、そして他の2つは、同一であってもまたは異っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、−OR6b(アルコキシを含む)、−CO−R6b、−O−COR6b、−OS(O)nR6b、−O(CH2)n−CO−R6b、ニトロ、シアノ、フリル、チエニル、ベンゾチエニル、ナフチル、チアントレニル、フェニルおよびフェノキシ基、およびカルボキシル基(これは遊離しているか、塩となっているか、アルキル基でエステル化されているか、または基NA6bA7bでアミド化されている)から選択され、ここで、A6bおよびA7bは、同一であってもまたは異っていてもよく、水素、およびアルキル、アルコキシアルキル、フェノキシアルキル、フェニル、フェニルアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、フリルアルキル、ナフチルアルキル、チエニルアルキル、ピペリジルアルキル、ピリジルアルキル、ベンゾチエニルアルキル、ピラゾリルアルキル、ジヒドロベンゾフランアルキル、ヘキサヒドロピランアルキル、エチレンジオキシフェニルアルキルおよびベンゾイミダゾリルアルキル基(これらの全ての基は場合により置換されている)から選択されるか、またはA6bとA7bは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、モルホリノもしくはピペラジニル基を形成し、該ピペラジニル基は場合により、その第2の窒素原子上において、アルキル基(それ自体場合により置換されている)で置換されており、
A5bは、水素原子を示し、
アルキル、アルケニル、フェニル、フェノキシ、フリル、チエニル、ピペリジル、ピリジル、ピラゾリルおよびベンゾイミダゾリルを含む上記の全ての基は、場合により、ハロゲン原子、およびヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノ、アシルアミノ(NH−COR6b)、−C(=O)OR6b、アシル−C(=O)R6b、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、フェノキシアルキル、S(O)n−alk、S(O)n−NH2、S(O)n−NH(alk)、S(O)n−N(alk)2、CF3、OCF3、NO2、CN、フェニル(それ自体場合により1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されている)、チエニル、フェノキシ、フェニルアルコキシ、−C(=O)−NH2、−C(=O)−NH(alk)およびC(=O)−N(alk)2基から選択される、1またはそれ以上の基で置換されており、
nは0〜2の整数を示し、
そして、R6bは、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チエニル、ナフチル、イソオキサゾール、アダメンチル、キノリン、キノロン、ジヒドロキノロン、−NH−フェニル、フェニルアルキルおよびシクロアルキルアルキルを示し、これらの全ての基は、場合により、モルホリノ、ピペリジルまたはフェニル(それ自体場合により、ハロゲン原子、およびシアノ、CF3、OCF3、アルキル、フェニル−S(O)n−alk−フェニル、アルコキシ、NH2、NHalk、N(alk)2、SO2NH2、SO2NalkまたはSO2N(alk)2基で置換されている)基で置換されており、
上記の全てのアルキル、アルケニル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分子鎖状であり、そして10個より多くない炭素原子を含み、
上記の基の全てのフェニル基は、場合により更に、ジオキソール基で置換されている]に相当する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の式(I)の化合物であり、
該式(IAb)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IAb)の化合物の付加塩でありうる、上記式(I)の化合物。
【請求項13】
式(IAb)[式中、Abは、場合によりハロゲン原子、およびアルキル、アルコキシおよびチエニル基から選択される1またはそれ以上の基で置換されている、ピラゾリルまたはインダゾリル基を示し、
A1b、A2b、A3bおよびA4bは、同一であっても、または異っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、以下の型の基:ヒドロキシル、アルキル、場合によりフェニル(それ自体、場合により1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されている)で置換されているアルケニル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、フリル、場合によりアシルCOalkで置換されているチエニル、ベンゾチエニル、ナフチル、チアントレニル、場合により置換されているフェニルおよびフェノキシ;およびカルボキシル基(これは遊離しているか、塩となっているか、アルキル基でエステル化されているか、または基NA6bA7bでアミド化されている)から選択され、ここで、A6bおよびA7bは、同一であっても、または異っていてもよく、水素、および下記の型の基:アルキル、6個より多くない炭素原子を含むアルコキシアルキル、場合によりアシルアミノ(NH−C(O)alk)で置換されているフェノキシアルキル、フェニル、場合により置換されているフェニルアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、場合により1またはそれ以上のアルキル基で置換されているフリルアルキル、ナフチルアルキル、場合によりアルキルまたはチエニルで置換されているチエニルアルキル、場合によりカルボキシル基(これは遊離しているか、塩となっているか、またはアルキル基でエステル化されている)で置換されているピペリジルアルキル、場合によりハロゲンおよびCF3から選択される1またはそれ以上の基で置換されているピリジルアルキル、ベンゾチエニルアルキル、場合により1またはそれ以上のアルキル基で置換されているピラゾリルアルキル、ジヒドロベンゾフランアルキル、ヘキサヒドロピランアルキル、エチレンジオキシフェニルアルキル、および、場合により1またはそれ以上のアルキル基で置換されているベンゾイミダゾリルアルキルから選択されるか、
または、A6bとA7bは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、モルホリノもしくはピペラジニル基を形成し、該ピペラジニル基は場合により、その第2の窒素原子上においてアルキル基で置換されており、
A1b、A2b、A3bおよびA4bのうち連続した2つの基は、それらが結合しているベンゾイミダゾール基と一緒になって、場合により置換されている4,5−エチレンジ
オキシベンゾイミダゾール基、または場合により置換されている4,5−メチレンジオキ
シベンゾイミダゾール基を形成し得るものとされ、
R5aは、水素原子を示し、
上記のフェニル、フェノキシおよびフェニルアルキル基は、場合により、ハロゲン原子、ヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノおよびNH−COalk基、カルボキシル基(これは遊離しているか、塩となっているか、またはアルキル基でエステル化されている)、およびヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、フェノキシアルキル、アルキルチオ、SO2alk、SO2NH2、SO2−NH(alk)、SO2−N(alk)2、CF3、OCF3、NO2、CN、フェニル(それ自体場合により1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されている)、チエニル、フェノキシ、フェニルアルコキシ、−C(=O)−NH2、−C(=O)−NH(alk)、C(=O)−N(alk)2およびC(O)CH3基から選択される、1またはそれ以上の基で置換されており、
上記の全てのアルキルまたはalk、アルケニル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分子鎖状であり、そして4個より多くない炭素原子を含み、
上記の基の全てのフェニル基は、場合により更に、ジオキソール基で置換されている]に相当する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式(I)の化合物であり、
該式(IAb)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IAb)の化合物の付加塩でありうる、上記式(I)の化合物。
【請求項14】
式(IAb)[式中、Ab、A1b、A2b、A3b、A4bおよびA5bは、請求項1〜13のいずれかにおいて記載された意味を有し、
そして、A1b、A2b、A3bおよびA4bの1つが基NA6bA7bでアミド化されているカルボキシル基を示す場合、A6bおよびA7bの一方が水素原子もしくはアルキル基であって、そしてA6bおよびA7bの他方がA6bおよびA7bについて記載された定義から選択されるか、または、A6bとA7bが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5−もしくは6−員の環式基を形成し、
式(I)の生成物の他の置換基は、請求項1〜13のいずれかにおいて記載された意味を有する]
に相当する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の式(I)の化合物であり、
該式(IAb)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IAb)の化合物の付加塩でありうる、上記式(I)の化合物。
【請求項15】
請求項1に記載の式(I)の化合物であって、式中、
X、W、YおよびZは、それらの内の2つまたは3つがCHを示し、そしてその他がCR2またはCR3の定義から選択され、適当ならばジオキソール基を形成することができ、
R2、R3および該式(I)の化合物のその他の置換基は、請求項1〜14のいずれかにおいて記載された定義を有し、
該式(I)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(I)の化合物の付加塩でありうる、上記式(I)の化合物。
【請求項16】
式(IAb):
【化7】

[式中、
Abは、場合により、ハロゲン原子、およびアルキル、アルコキシおよびチエニル基から選択される1またはそれ以上の基で置換されている、ピラゾリルまたはインダゾリル基を示し、
A1b、A2b、A3bおよびA4bは、同一であっても、または異っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アルキルおよびアルコキシ、ニトロ、シアノ、フェニルおよびフェノキシ基、およびカルボキシル基(これは遊離しているか、塩となっているか、アルキル基でエステル化されているか、または基NA6bA7bでアミド化されている)から選択され、ここで、A6bおよびA7bは、同一であってもまたは異っていてもよく、アルキル、フェニル、フェニルアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルおよびフリルアルキル基から選択されるか、またはA6bとA7bは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、モルホリノ、もしくは場合によりその第2の窒素原子上において、アルキル基で置換されているピペラジニル基を形成し、
A1b、A2b、A3bおよびA4bのうち連続した2つの基は、それらが結合しているベンゾイミダゾール基と一緒になって、場合により置換されている4,5−エチレンジ
オキシベンゾイミダゾール基または4,5−メチレンジオキシベンゾイミダゾール基を形
成し得るものと理解され、
R5aは水素原子を示し、
上記のフェニルおよびフェノキシ基は、場合により、ハロゲン原子、およびヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニルアミノ、フェニルアルキルアミノ、およびカルボキシル基(これは遊離しているか、塩となっているか、またはエステル化されている)から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
上記の全てのアルキル、アルコキシおよびアルキルチオ基は、直鎖状であるかまたは分子鎖状であり、そして4個よりも多くない炭素原子を含む]
に相当する、請求項1に記載の式(I)の化合物であり、
該式(IAb)の化合物は、可能なすべてのラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態、並びにまた、無機酸および有機酸との、または無機塩基および有機塩基との、該式(IAb)の化合物の付加塩でありうる、上記式(I)の化合物。
【請求項17】
以下の式に相当する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の式(I)の化合物:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−メチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−エチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−イソプロピルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−フェニルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−フェネチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−モルホリノアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(N’−メチルピペラジノ)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ピロリジノアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(イソブチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(シクロヘキシルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(2−フルフリル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジル−N−メチルアミド
メチル2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボキシレート
5,6−ジメチル−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
5−メトキシ−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸
5−ブロモ2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エトキシ−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸
5,6−ジメチル−2−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
5,6−ジメチル−2−(5−チオフェン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
2−(4−ブロモ−2H−ピラゾール−3−イル)−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4,5−エチレンジオキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−(アミノスルホニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−ブロモベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−(メタンスルホニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−ニトロベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸2−メチルベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(6−クロロピリジン−3−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸2−(メチルスルファニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(ベンゾ[b]チオフェン−3−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸3−メチルベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸3−クロロベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸2−(メチルスルファニル)ベンジルアミド。
【請求項18】
以下の式に相当する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の式(I)の化合物:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−メチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−エチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−イソプロピルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−フェニルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−フェネチルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−モルホリノアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(N’−メチル−ピペラジノ)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ピロリジノアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(イソブチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(シクロヘキシルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−(2−フルフリル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸N−ベンジル−N−メチルアミド
5−メトキシ−2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4,5−エチレンジオキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール
2−(5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール。
【請求項19】
以下の式に相当する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の式(I)の化合物:
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−(アミノスルホニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−ブロモベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−(メタンスルホニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸4−ニトロベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸2−メチルベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(6−クロロピリジン−3−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸2−(メチルスルファニル)ベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(ベンゾ[b]チオフェン−3−イルメチル)アミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸3−メチルベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸3−クロロベンジルアミド
2−(1H−インダゾール−3−イル)−3H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸2−(メチルスルファニル)ベンジルアミド。
【請求項20】
請求項1に記載の式(I)の化合物の製造方法であって、式(D):
R1’−COOH (D)
[式中、R1’は、R1について請求項1に記載された意味を有し、ここで、ありうる反応性の官能基は場合により保護基で保護されている]の酸を、エステル化反応に付して、式(II):
R1’−COOalk (II)
[式中、R1’は上述の意味を有し、そしてalkはアルキル基を示す]の酸エステルとし、これを還元反応に付して、式(III):
R1’−CH2OH (III)
[式中、R1’は上述の意味を有する]のアルコールとし、これを酸化して、式(IV):
R1’−CHO (IV)
[式中、R1’は上述の意味を有する]のアルデヒドとし、
そして、上記で定義された式(D)の化合物または式(IV)の化合物を、式(V):
【化8】

[式中、W’、X’、Y’およびZ’は、それぞれW、X、YおよびZについて請求項1に記載された意味を有し、ここで、ありうる反応性の官能基は場合により保護基で保護されている]のジアミンと反応させて、式(I’):
【化9】

[式中、A5’は、A5について請求項1に記載された意味を有し、ここで、ありうる反応性の官能基は場合により保護基で保護されており、そしてR1’、W’、X’、Y’およびZ’は上述の意味を有する]の化合物とすることを特徴とし、
式(I’)の化合物は、式(I)の化合物であってよく、そしてこの化合物を、式(I)の化合物またはその他の式(I)の化合物を得るために、所望により、および必要に応じて、任意の順番で、以下の1つまたはそれ以上の変換反応:
a)酸官能基のエステル化反応、
b)エステル官能基の酸官能基への鹸化反応、
c)アルキルチオ基の、相当するスルホキシドまたはスルホンへの酸化反応、
d)ケトン官能基の、オキシム官能基への変換反応、
e)遊離の、またはエステル化されたカルボキシル官能基の、アルコール官能基への還元反応、
f)アルコキシ官能基の、ヒドロキシル官能基への変換反応、または、ヒドロキシル官能基の、アルコキシ官能基への変換反応、
g)アルコール官能基の、アルデヒド、酸またはケトン官能基への酸化反応、
h)ニトリル基の、テトラゾリルへの変換反応、
i)保護された反応性官能基上に担持されてよい保護基の除去反応、
j)相当する塩を得るための、無機酸もしくは有機酸との、または塩基との塩形成反応、
k)ラセミ態を分割化合物へとする分割反応
に付し、このようにして、式(I)の化合物が、任意の可能なラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態で得られる、上記の製造方法。
【請求項21】
式(IA)に相当する、請求項1に記載の式(I)の化合物の製造方法であって、式(D):
A’−COOH (D)
[式中、A’はAについて請求項5に記載された意味を有し、ここで、ありうる反応性の官能基は場合により保護基で保護されている]の酸を、エステル化反応に付して式(II):
A’−COOalk (II)
[式中、A’は、上述の意味を有し、そしてalkはアルキル基を示す]の酸エステルとし、これを還元反応に付して式(III):
A’−CH2OH (III)
[式中、A’は上述の意味を有する]のアルコールとし、これを酸化して式(IV):
A’−CHO (IV)
[式中、A’は上述の意味を有する]のアルデヒドとし、そして上記で定義された式(D)の化合物または式(IV)の化合物を、式(V):
【化10】

[式中、A1’、A’、A3’およびA4’は、それぞれA1、A2、A3およびA4について請求項1に記載された意味を有し、ここで、ありうる反応性の官能基は場合により保護基で保護されている]のジアミンと反応させて、式(IA’):
【化11】

[式中、A5’はA5について請求項5に記載された意味を有し、ここで、ありうる反応性の官能基は場合により保護基で保護されており、そしてA1’、A2’、A3’およびA4’は上述の意味を有する]の化合物とすることを特徴とし、
式(IA’)の化合物は、式(IA)の化合物であってよく、そしてこの化合物を、式(IA)の化合物またはその他の式(IA)の化合物を得るために、所望により、および必要に応じて、任意の順番で、請求項20に記載の反応a)〜k)から選択される1またはそれ以上の変換反応に付すことができ、
このようにして、得られる該式(IA)の化合物は、任意の可能なラセミ、鏡像異性またはジアステレオ異性の異性体形態である、上記の製造方法。
【請求項22】
医薬としての、請求項1〜16のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、並びにまた、製薬上許容される無機酸および有機酸との、または製薬上許容される無機塩基および有機塩基との、該式(I)の化合物の付加塩。
【請求項23】
医薬としての、請求項17〜19のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、並びにまた、製薬上許容される無機酸および有機酸との、または製薬上許容される無機塩基および有機塩基との、該式(I)の化合物の付加塩。
【請求項24】
活性成分として、請求項1〜19のいずれか1項に記載の少なくとも1種の式(I)の化合物、または製薬上許容されるこの化合物の塩、もしくはこの化合物のプロドラッグ、および製薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項25】
キナーゼタンパク質活性の阻害を意図する医薬の製造のための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、または製薬上許容されるこの化合物の塩の使用。
【請求項26】
キナーゼタンパク質活性の調節不全により特徴づけられる疾患の治療用または予防用医薬の製造のための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項27】
キナーゼタンパク質がチロシンキナーゼタンパク質である、請求項25に記載の使用。
【請求項28】
キナーゼタンパク質が、以下の群:FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR5、flt−1、IGF−1R、KDR、PDGFR、tie2およびVEGFRから選択される、請求項25に記載の使用。
【請求項29】
キナーゼタンパク質がKDRである、請求項25に記載の使用。
【請求項30】
キナーゼタンパク質がtie2である、請求項25に記載の使用。
【請求項31】
キナーゼタンパク質が細胞培養物中のものである、請求項25に記載の使用。
【請求項32】
キナーゼタンパク質が哺乳類のキナーゼタンパク質である、請求項25に記載の使用。
【請求項33】
以下の群:血管の増殖異常、線維性障害、「メサンギウム」細胞の増殖異常、代謝異常、アレルギー、ぜん息、血栓症、神経系の疾患、網膜症、乾癬、リウマチ様関節炎、糖尿病、筋変性およびがんから選択される疾患の治療用または予防用医薬の製造のための、請求項1〜19のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項34】
以下の群:血管の増殖異常、線維性障害、「メサンギウム」細胞の増殖異常、網膜症、乾癬、リウマチ様関節炎、糖尿病、筋変性およびがんから選択される疾患の治療用または予防用医薬の製造のための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項35】
制御されない脈管形成が関与する疾患の予防用または治療用医薬の製造のための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項36】
腫瘍学における疾患の治療用医薬の製造のための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項37】
がんの治療用医薬の製造のための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項38】
充実性腫瘍の治療のための、請求項36に記載の使用。
【請求項39】
細胞傷害性薬剤に耐性であるがんの治療のための、請求項37または38に記載の使用。
【請求項40】
乳がん、胃がん、卵巣のがん、結腸がん、肺がん、脳腫瘍、喉頭がん、リンパ系のがん、膀胱および前立腺を含む尿生殖路のがん、骨のがん並びに膵臓がんの治療のための、請求項37または38に記載の使用。
【請求項41】
乳がん、結腸がん、または肺がんの治療のための、請求項37または38に記載の使用。
【請求項42】
がんの化学療法用医薬の製造のための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項43】
単独で、または組合せにおいて用いられる、がんの化学療法を意図する医薬の製造のための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項44】
キナーゼ阻害剤としての、請求項1〜19のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項45】
KDR阻害剤としての、請求項1〜19のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項46】
tie2阻害剤としての、請求項1〜19のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。

【公開番号】特開2009−167219(P2009−167219A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112407(P2009−112407)
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【分割の表示】特願2003−538160(P2003−538160)の分割
【原出願日】平成14年10月24日(2002.10.24)
【出願人】(598006222)アベンティス・ファーマ・ソシエテ・アノニム (30)
【Fターム(参考)】