説明

ホログラフィック複製システムの複数スポットの位置合わせのためのサーボシステム

【課題】複数の逆伝搬光ビームを用いた、ホログラフィックディスクの複数のデータトラックへのマイクロホログラムの記録を制御する方法及びシステムを提供する。
【解決手段】ホログラフィックディスクが不完全であるか、又は記録過程中にディスクが移動すると、信号ビームがターゲットデータトラックからずれることがある。実施形態によっては、トラッキングビームをディスクの基準層に導く。基準層のターゲット溝からの基準ビームのずれは、トラッキング誤差を示すことがある。検出器で、トラッキングビームの反射を検出し、検出されたトラッキング誤差に応答して誤差信号を生成することが可能である。サーボ機械素子で、逆伝搬光ビームを発する1つ以上の光学素子を作動させる(例えば、半径方向、接線方向、又は軸方向へ平行移動、回転、及び/又は傾斜させる)ことにより、トラッキング誤差を補償することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術は、主に、ビット単位のホログラフィックデータ記憶技術に関する。本発明の技術は、特に、ホログラフィックディスクにおける並列複製の方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの能力が進歩したことで、コンピュータ技術は、民生用ビデオ、データアーカイブ、文書保管、イメージング、映画制作等をはじめとする、新しい応用領域に入ってきた。これらの応用がデータ記憶技術の発達への絶え間ない推進力となり、記憶容量及びデータレートの増加をもたらしている。
【0003】
データ記憶技術の発達の一例が、光記憶システムにおける記憶容量の漸進的増加であろう。例えば、1980年代初頭に開発されたコンパクトディスクの容量は、データであれば650〜700MB前後であり、2チャネルオーディオプログラムであれば74〜80分前後である。これに対し、1990年代初頭に開発されたデジタル多用途ディスク(DVD)フォーマットの容量は、4.7GB前後(単層)又は8.5GB前後(二重層)である。更に、より高解像度のビデオフォーマットの要求のような、増大し続ける要求を満たすために、更なる大容量記憶技術が開発されている。例えば、Blu−ray Disc(商標)フォーマットのような大容量記録フォーマットは、単層ディスクに約25GB、二重層ディスクに約50GBを保持することが可能である。コンピューティング技術が発達し続けるにつれて、更なる大容量の記憶媒体が必要とされるであろう。例えば、記憶装置産業において容量要求の増加に応え得る他の記憶技術の開発例として、ホログラフィック記憶システム及びマイクロホログラフィック記憶システムがある。
【0004】
ホログラフィック記憶装置は、ホログラム形式のデータの記憶装置であり、ホログラムは、感光性記憶媒体において2つの光ビームの交差によって形成される3次元干渉パターンの画像である。ページベースのホログラフィック技術及びビット単位のホログラフィック技術の両方が追究されてきた。ページベースのホログラフィックデータ記憶装置では、記憶媒体の体積内で、デジタルエンコードされたデータ(例えば、複数のビット)を収容する信号ビームを基準ビームに重ねることによって化学反応が生じ、これによって、その体積内の媒体の屈折率が変調される。したがって、各ビットは、概ね、干渉パターンの一部として記憶される。ビット単位のホログラフィ又はマイクロホログラフィックデータ記憶装置では、各ビットが、典型的には2つの逆伝搬収束記録ビームによって生成されるマイクロホログラム(ブラッグ反射グレーティング)として書き込まれる。このデータは、読み出しビームをマイクロホログラムに反射させて記録ビームを再構築することにより、取り出される。
【0005】
ビット単位のホログラフィックシステムにより、より狭い間隔での層収束マイクロホログラム記録が可能になり、従来の光システムよりも格段に大きな記憶容量を備えることが可能である。しかし、ビット単位のホログラフィックシステムの帯域幅は、単一通信チャネルの転送レートと、ホログラフィック記憶ディスクの回転速度とによって制限される。例えば、Blu−ray(商標)システムの12x BDレートでの典型的なディスク回転速度では、単一チャネル転送が約430メガビット毎秒で行われる。この転送レートでは、ディスクのデータ層あたりの記録時間は、約500秒である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7453611号明細書
【発明の概要】
【0007】
ビット単位のマイクロホログラフィックシステムの転送レートを増やす技術があれば、有利であろう。
【0008】
本発明の技術の一実施形態は、ホログラフィックディスクにデータを記録する方法を提供する。本方法は、第1の光学素子群からホログラフィックディスクの第1の側に向かう複数の信号ビームを発するステップと、第2の光学素子群からホログラフィックディスクの第2の側に向かう複数の基準ビームを発するステップと、複数の信号ビームのスポットがホログラフィックディスクのターゲット層にある複数のターゲットデータトラックに整合しているかどうかを判定するステップと、を含む。本方法は更に、ホログラフィックディスクの記録中に複数の照射スポットを形成するように、複数の基準ビーム中の各基準ビームが、複数の信号ビーム中の対応する信号ビームと実質的に重なり合っているかどうかを判定するステップと、複数の照射スポットが複数のターゲットデータトラックに整合していないと判定された場合に、第1の光学素子群及び第2の光学素子群のうちの一方又は両方を調節するステップと、を含む。
【0009】
別の実施形態は、ホログラフィックディスクにマイクロホログラムを記録するシステムを提供する。本システムは、2つの光学系を含む。第1の光学系は、ホログラフィックディスクの第1の側から、複数のターゲットデータ層で複数の信号ビームを収束させるように構成されている。第1の光学系は更に、第1の光学系の第1の光学素子群を作動させて、複数の信号ビームのそれぞれを複数のターゲットデータトラックのそれぞれのトラックと位置合わせするように構成された第1のサーボ機械素子群と結合されている。第2の光学系は、ホログラフィックディスクの第2の側(反対側)から、複数の基準ビームをターゲットデータ層に向けて伝送するように構成されている。第2の光学系は、1つ以上のターゲットデータ層の複数のターゲットデータトラックのそれぞれのトラックに干渉パターンが形成されるように、複数の基準ビームのそれぞれを、複数の信号ビームのそれぞれの信号ビームと位置合わせするように作動されるべく構成された第2の光学素子群を含む。
【0010】
別の実施形態は、ホログラフィックディスクを事前フォーマットするシステムを提供する。本システムは、ホログラフィックディスクの複数のデータトラックに複数の信号ビームを当てるように構成され、且つ、ホログラフィックディスクの基準層にある、複数のデータトラックに対応するターゲット溝にトラッキングビームを当てるように構成された、第1の光学ヘッドを含む。本システムは更に、複数のデータトラックに複数の基準ビームを当てることにより、複数の信号ビームと複数の基準ビームとをデータ層内で干渉させて、複数の照射スポットを含む干渉パターンを形成するように構成された、第2の光学ヘッドを含む。トラッキングビームの、ホログラフィックディスクからの反射を検出するように構成され、且つ、トラッキングビームのこの反射が、トラッキングビームがターゲット溝で収束していないことを示している場合に、第1の誤差信号群を発するように構成されたトラッキング検出器を含む。本システムは更に、複数の信号ビームの伝送又は複数の基準ビームの伝送のうちの一方又は両方を検出するように構成され、且つ、複数の基準ビームが複数の信号ビームのそれぞれの信号ビームに整合していない場合に、第2の誤差信号群を発するように構成された、第2の検出器群を含む。更に、本システムは、第1の光学ヘッド及び第2の光学ヘッドと結合され、トラッキング検出器及び第2の検出器群のうちの一方又は両方から誤差信号群を受信するように構成され、且つ、誤差信号群に対する応答として、第1の光学ヘッド及び第2の光学ヘッドのうちの一方又は両方にある光学素子を作動させるように構成された、1つ以上のサーボ機械素子を含む。
【0011】
全図面を通じて同様の符号で同様のパーツを示す添付図面を参照しながら下記の説明を読めば、本発明のこれら及びその他の特徴、態様、及び利点の理解が深まるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態による、データトラックを有する光ディスクを示す図である。
【図2A】実施形態による、マイクロホログラフィック複製システムのブロック図である。
【図2B】実施形態による、マイクロホログラフィック複製システムのブロック図である。
【図3A】実施形態による、単一ビームによる複製技術と複数並列ビームによる複製技術とを比較した概略図である。
【図3B】実施形態による、単一ビームによる複製技術と複数並列ビームによる複製技術とを比較した概略図である。
【図4】実施形態による、ホログラフィックディスクの複数のトラックに並列記録を行うマルチヘッドシステムの概略図である。
【図5】実施形態による、複数のビームを伝送してホログラフィックディスクの複数のトラックに並列記録を行う単一ヘッドの概略図である。
【図6】実施形態による、ホログラフィックディスクの複数のデータ層、複数のデータトラック、及び基準層を表す概略図である。
【図7】実施形態による、ホログラフィックディスクに入射する複数の信号ビーム、複数の逆伝搬基準ビーム、及びトラッキングビームの概略側面図である。
【図8】実施形態による、ホログラフィックディスクの、エンコード済みマークが付いたトラックを有する並列データトラックの半径方向を示す図である。
【図9A】実施形態による、ホログラフィックディスクのデータトラック及び照射スポットアレイの半径方向を示す図である。
【図9B】実施形態による、ホログラフィックディスクのデータトラック及び照射スポットアレイの半径方向を示す図である。
【図10】実施形態に従って補償可能な、数種類のディスクの不完全性を示す概略側面図である。
【図11】実施形態による、ホログラフィックディスクに形成される照射スポットに対するディスクの傾斜の影響を表すグラフである。
【図12】実施形態による、ホログラフィック記録システムの概略図である。
【図13】実施形態による、ホログラフィック記録システムにおいて検出される強度分布を示す図である。
【図14】実施形態による、ホログラフィック記録システムの傾斜制御システムの概略図である。
【図15】実施形態による、ホログラフィック記録システムで使用可能な半径方向及び接線方向の傾斜作動を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明の技術の1つ以上の実施形態を記載する。これらの実施形態の記載を簡潔にするために、本明細書では、実際の実装の全ての機能を記載するわけではない。そのような、いかなる実際の実装の開発においても、どのような開発プロジェクトや設計プロジェクトにおいてもそうであるように、開発者の個々の目標を達成するためには、実装ごとに異なる可能性のある、システム関連及びビジネス関連の制約に従うこと等、実装ごとに様々な決定を行わなければならないことを理解されたい。更に、そのような開発作業は、複雑であり、時間のかかるものであるにもかかわらず、当業者にとっては、決まり切った設計、製作、及び製造上の作業であり、本開示は、そのような当業者に恩恵をもたらすことを理解されたい。
【0014】
ビット単位のホログラフィックデータ記憶システムは、典型的には、重なり合い、干渉し合う2つのビームを記録媒体(例えば、ホログラフィックディスク)内に放射することによる記録を伴う。各データビットは、マイクロホログラムとよばれる、微視的サイズの局在ホログラフィックパターンの有無によって表現される。マイクロホログラムは、収束ビームを照射されると、容積光反射器として動作する。例えば、図1に示すホログラフィックディスク10は、ディスク10の層内にデータビットを配列できる様子を表している。一般に、ホログラフィックディスク10は、円形の、ほぼ平坦なディスクであって、1つ以上のデータ記憶層が、透明なプラスチックフィルムに埋め込まれている。これらのデータ層は、深さ方向にほぼ局在化していて光を反射することが可能な材料から成る、任意の数の変性領域を含むことがあるが、これらは、例えば、ビット単位のホログラフィックデータ記憶装置に用いられるマイクロホログラムである。実施形態によっては、データ層は、ディスク10に当たる光ビームの照射強度に対して応答性があるホログラフィック記録可能材料に埋め込むことが可能である。例えば、様々な実施形態において、ディスク10の材料は、閾値応答性であってよく、或いは、線形応答性であってもよい。データ層は、厚さが約0.05μmから5μmの範囲であってよく、間隔が約0.5μmから250μmの範囲であってよい。
【0015】
マイクロホログラムの形式のデータは、一般に、ディスク10の外側エッジから内側限界にかけての情報領域に、順次式螺旋状トラック12の形で記憶可能であるが、同心の円形又は螺旋状トラック、又は他の構成を用いることも可能である。この、ディスクの情報領域は、様々な機能領域を更に含むことが可能であり、例えば、図8で詳細に示すように、リードイン領域、ユーザデータ領域、及びリードアウト領域を含むことが可能である。ディスク10がデータの記録及び/又は読み出しのために回転可能であるように、スピンドル穴14を、ホログラフィックシステムのスピンドル周囲と嵌合するように寸法決め可能である。スピンドルの回転は、記録及び/又は読み出し処理の間、一定線速度又は一定角速度を維持するように、フィードバックシステムによって制御可能である。更に、ディスクスピンドル、記録系光学素子、及び/又は読み出し系光学素子を、平行移動台又はスライダにより、ディスクの半径方向に動かすことにより、光学系がディスクの半径全体にわたって記録又は読み出しを行うことが可能になる。
【0016】
図2Aは、マイクロホログラムをホログラフィックディスク10に記録する一般的なシステムのブロック図である。ホログラフィックシステム16は、光源18を含んでおり、光源18は信号ビーム20と基準ビーム22とに分けられる。後述するように、実施形態によっては、光源18(単一光源であっても、複数のシングルモード偏光光源であってもよい)は、複数のほぼ平行な光ビームを放射して、ディスク10の平行トラック12に記録させる。この複数の光源ビームも、複数の信号ビーム20と複数の基準ビーム22とに分けられる。信号ビーム20は、データに従って変調されて(ブロック24)ディスク10に記録される。実施形態によっては、処理装置40が信号ビーム20の変調(ブロック24)を制御する。変調済み信号ビーム26は、光学サーボ機械系28を通過する。光学サーボ機械系28は、収束信号ビーム30をディスク10の特定の場所で収束させるように構成された各種の光学サーボ機械素子群を含む。例えば、光学サーボ機械系28は、収束信号ビーム30を、ディスク10の特定のデータ層又はデータトラック12で収束させる。
【0017】
基準信号ビーム22も、光学サーボ機械系32を通過する。光学サーボ機械系32は、収束基準ビーム34が収束信号ビーム30と重なるように、収束基準ビーム34をディスク10の特定のデータ層又はデータトラック12で収束させるように設計された各種の光学サーボ機械素子群を含む。マイクロホログラムは、ホログラフィックディスク10の、重なり合う2つの逆伝搬収束レーザビーム30及び34によって形成される干渉パターンの照射スポットに記録される。実施形態によっては、収束基準ビーム34を用いて、ディスク10から記録済みマイクロホログラムを取り出す。収束基準ビーム34の反射(データ反射36と称する)を、検出器で受信して信号検出38を行う。
【0018】
ディスク10を、スピンドル穴14を通して配置されたスピンドルを中心として回転させながら、重なり合う逆伝搬収束ビームを所望のトラックに保持することにより、ディスク10のトラック12に、複数のマイクロホログラムのストリームを記録する。一般に、ホログラフィックディスク10の適切なトラック12及び/又は層に複数のマイクロホログラムが正確に記録されるように、逆伝搬収束ビームのある程度の重なりを維持する。光学サーボ機械系28及び32を利用することにより、マイクロホログラムの記録過程の間は、所望の重なりが、ディスク回転に対して動的に維持される。
【0019】
このような光学サーボ機械素子28及び32により、ホログラフィックディスク10への記録を行うエンドユーザ装置の複雑さが増す可能性がある。本発明の技術によって提供される方法及びシステムを用いて、ホログラムディスク10をマイクロホログラムで事前フォーマットすること、及び/又はホログラムディスク10にマイクロホログラムを事前移入することにより、エンドユーザ装置は、ディスク10に対する単一ビーム露光だけで修正及び/又は消去を行うことができる。ホログラフィックディスクの事前移入を行うことは、ホログラフィックディスク10の製造工程においてマイクロホログラムを事前記録することを意味すると考えてよい。事前移入工程において記録されたマイクロホログラムは、コード、アドレス、トラッキングデータ、及び/又は他の補助情報を表すことが可能である。事前記録されたマイクロホログラムは、その後、重なり合う逆伝搬ビームではなく単一ビームにより、修正及び/又は消去することが可能である。このようにして、エンドユーザシステムは、重なり合う逆伝搬レーザビームを維持しなくても、事前移入済みホログラフィックディスクにデータを記録することが可能である。即ち、1つ以上の単一ビームを用いるエンドユーザシステムを用いて、事前移入済みホログラフィックディスク上のマイクロホログラムを修正又は消去することにより、データを記録することが可能である。
【0020】
逆伝搬ビームを用いてマイクロホログラムを記録することによってホログラフィックディスクの事前移入を行うことにより、エンドユーザ装置にとってのマイクロホログラムの修正の複雑さを減らすことが可能であるが、本発明の技術によっても、ディスクの事前移入の工程を改善することが可能である。前述のように、ホログラフィックディスク10の事前移入を行う場合は、ディスク10に向けた、重なり合う逆伝搬ビームによって、ディスク10の選択されたトラック12及び/又は層にマイクロホログラムを記録できるように、ホログラフィックシステム内でディスク10を回転させる。ディスク10の回転速度には、ディスク材料の機械的強度等による限界があり、これによって、マイクロホログラムを記録できる速度(転送レートと称する)が制限される。例えば、Blu−ray Disc(商標)の典型的なディスク回転速度では、単一チャネシステムルの転送レートが、12x BDレートで約430メガビット毎秒になる。この転送レートでは、ディスクのデータ層当たりの記録時間は、約500秒である。
【0021】
1つ以上の実施形態では、並列マイクロホログラム記録技術により、転送レートを高め、ホログラフィックディスク10の記録時間を短縮することが可能である。例えば、並列マイクロホログラム記録では、複数のビームをホログラフィックディスクに向けて、ディスク10の複数のトラック12を照射することが可能である。ビームは、同じ光学素子群内をほぼ同じ方向に伝搬する光の集合体を意味し、複数の異なる光源から発せられた光を含むことが可能である。また、逆方向から複数のビーム(即ち、逆伝搬ビーム)をディスク10の複数のトラック12に向けることにより、重なり合う複数の逆伝搬ビームが複数の照射スポットから成る干渉パターンを形成し、その結果、ディスク10の平行トラック12に複数のマイクロホログラムが記録されるようにすることも可能である。更に、実施形態によっては、データ層面に比べて面積が比較的小さい収束スポットにおいて、重なり合うビーム同士が干渉する可能性がある。これらの、干渉パターンの収束照射スポットは、非照射領域によって分離可能である。データ層上の照射面積を制限することにより、記録されるマイクロホログラムの深さ方向の広がりを、所望の寸法に制限すること、及び/又は所望の(例えば、約0.05μmから5μmの範囲の)データ層に制限することが可能である。
【0022】
更に、図2Bに示すように、複製システムの1つ以上の実施形態では、平行チャネル光源18を直接変調する。例えば、平行チャネル光源18を、平行チャネル光源18を直接変調することに適した変調器24と結合する。変調器24は、処理装置40によって制御可能であり、平行チャネル光源18を変調することにより、平行チャネル光源18から発せられる変調済み信号ビーム26に、複製ディスク10に記録すべき情報を含めることが可能である。この実施形態の更なる詳細については、図8に関して後述する。
【0023】
図3A及び3Bの概略図は、複数のマイクロホログラムを並列記録するための2つの異なる方式を比較したものである。図3Aは、単一ビーム方式42を用いた広視野照射を示しており、単一ビーム44を用いて、マスタディスク46の(例えば、複数のデータトラック12に跨る)比較的広い領域を照射している。マスタディスク46は、複製ディスク10に複製されるデータを収容しており、単一ビーム44が複数のデータトラック12に跨ることにより、複数のデータトラック12にあるデータを同時に複製することが可能である。マスタディスク46を透過した信号ビーム48(又は、システム設計によっては、反射した信号ビーム)は、図3Aにおいてレンズとして表されている光学結像系50を透過する。光学結像系50は、信号ビーム48を収束させ、その収束ビーム52を複製ディスク10に向かわせる。更に、単一広視野基準ビーム54を複製ディスク10の反対側に向けて、収束信号ビーム52と基準ビーム54とが逆伝搬及び干渉してホログラムパターン56を形成するようにする。複製ディスク10は、垂直線L0、L1、及びL2で表される複数のデータ層76を有する。
【0024】
しかし、通常は、単一ビーム44及び54の照射の視野を広げると、複製ディスク10中の記録済みホログラムの深さ方向の広がりが増えることになる。深さ方向の広がり特性が増えることは、ホログラムの寸法が大きくなることを意味し、この場合、ホログラムの寸法は、(単一ビーム44及び54の方向に)ディスク10のより大きな厚みに跨って大きくなる場合があり、且つ、複数の層に跨って大きくなる場合がある。例えば、単一ビーム44及び54を両方とも層L1に向けることが可能であるが、このようなページベースの広視野照射系に典型的に使用される線形材料は、広視野照射に比較的敏感である可能性があり、隣接層L0及びL2の材料も単一ビーム44及び54の作用を受ける可能性がある。したがって、ホログラム記録における深さ方向の広がりの増加によって、ホログラフィックディスク10のデータ容量が制限されたり、減少したりする可能性がある。これは、1つのホログラフィックパターンの記録に複数のデータ層が必要になる場合があるからである。
【0025】
本発明の技術の一実施形態を、複数平行ビーム方式58において提供する。単一ビーム方式42の場合は、単一ビームで比較的広視野を照射するが、複数ビーム方式58の場合は、それと異なり、ホログラフィックディスク10に複数の逆伝搬ビームを当てる。一実施形態では、複数の信号ビーム60をマスタディスク46に向ける。各ビームは1つのトラック12で収束し、マスタディスク46からの透過物62(又は、システム設計によっては、反射物)は、図3Bにおいてレンズとして表されている光学結像系50を透過する。光学結像系50は、透過物62を複製ディスク10に結像させる。
【0026】
更に、複製の基準ビーム66を、ディスク10の反対側に向ける。実施形態によっては、基準ビーム66と信号ビーム60とを、共通の平行チャネル光源18から分け(図2A及び2B)、実施形態によっては、複数の基準ビーム66(と、これに伴って、複数の信号ビーム60)を、複数の異なるシングルモード偏光光源から送出する。更に別の実施形態では、複数の信号ビーム及び複数の基準ビームを両方とも変調する。平行基準ビーム66及び信号ビーム64は、逆伝搬及び干渉して、ディスク10のデータ層(例えば、データ層L1)に干渉パターンを形成する。この干渉パターンは、非照射領域によって分離された複数の照射スポットを含む(例えば、各スポットは、平行ビームチャネル中の一対の逆伝搬ビームの干渉に対応する)。各干渉スポットは、データ層L1にマイクロホログラム68を形成する。(単一ビーム方式42において広い領域が照射されるのと異なり)データ層L1のデータ層面のうち、照射されるのは、データ層面全体の面積に比べて、ごく僅かの部分であるため、照射パターン内の各ビームスポット(又はマイクロホログラム68)は、比較的データ層L1内のみに収束することが可能であり、これによって、ディスク10のデータ容量を潜在的に増やすことが可能である。
【0027】
実施形態によっては、複数の平行ビームを用いて並列マイクロホログラム記録を行う場合に、図4に示すような複数の光学ヘッドを利用可能である。光学ヘッド70は、単一ビームを発することが可能であり、複製システム16(例えば、図2A)内の複数の光学ヘッド70を、それぞれがディスク10のデータトラック12にビーム60を当てるように配置して、複数のビーム60が複数のトラック12を並列照射するようにすることが可能である。実施形態によっては、各光学ヘッドが、ビーム60をトラック12で収束させるように構成された個別の光学素子を有する。更に、ディスク10に反対方向からビームを当てるように追加の光学ヘッド群を構成して、各光学ヘッド70から発せられた平行ビーム60が逆伝搬してディスク10の1つの層のデータトラック12で干渉するようにすることが可能である。
【0028】
図5に示した別の実施形態では、複数の平行ビームを用いて並列マイクロホログラム記録を行う場合に、一群の光学素子から複数の光ビーム60を平行伝送する光ヘッド72が利用可能である。一実施形態では、単一光学ヘッド72から複数の信号ビーム60を、光ビーム伝送に適した個別ファイバの束を通して伝送して、各ビームが、光学ヘッド72からディスク10の複数トラック12に伝送される際に各ビームが離散的であるようにすることが可能である。逆伝搬平行信号ビーム60は、ディスク10の反対側にある別の光学ヘッド74から逆伝搬ビーム66を伝送することにより、又は、(図2A及び2Bに関して説明したように)複数のビームを複数の信号ビーム60と複数の基準ビーム66とに分けることにより、達成可能である。
【0029】
ホログラフィックディスク10における並列事前記録及び/又は並列データ記録の技術は、記録過程全体を通して、ディスク10のデータトラック12を事前フォーマットするにあたり、データ層76に向けられた複数の照射スポットのそれぞれが位置合わせされるように、ホログラフィック記録システムを構成することを含む。データトラックのピッチは、CDディスクの場合は約1.6μm、DVDの場合は約0.74μm、Blu−ray Disc(商標)の場合は約0.3μmであるため、複数のデータトラック12に跨る複数の照射スポットが正確であるように制御するための十分な精度が得られている。
【0030】
1つ以上の実施形態では、収束及び位置合わせの技術を用いて、照射スポットを、適切なデータトラック12及び/又はデータ層76に対して保持することが可能である。実施形態によっては、図6に示すように、各ディスク10が、各層76のデータトラック12の位置に対応する螺旋溝を有する1つ以上の基準層78を含む。これらの溝は更に、固定周波数の、又は変調されたウォブルのような、エンコードされた特徴又は変調マークを含むことが可能である。これらのエンコードされた特徴又は変調マークは、データトラックのアドレス情報を与えたり、ディスク回転速度を測定してディスクスピンドル速度を制御するためのマークとして機能したりする。図7に示すように、記録過程において、トラッキングビーム86を、複数の信号ビーム84とともにディスク10に向けることが可能である。複数の信号ビーム84及び複数の逆伝搬基準ビーム92を、データ焦平面88に沿って収束させて照射スポット68を形成することが可能になる。データ焦平面88は、例えば、1つ以上のデータ層76である。トラッキングビーム86は、基準層78に対応するトラッキング焦平面90で収束させる。例えば、実施形態によっては、複数の信号ビーム84及び複数の逆伝搬基準ビーム92によって記録が行われている複数のトラック12のうちの中央データトラック12に対応する、基準層78のターゲット溝に、トラッキングビーム86を収束させることが可能である。別の実施形態では、トラッキングビーム86に複数のビームを含めることも可能であり、信号ビーム84及び基準ビーム92によって記録が行われている複数のデータトラック12に対応する、基準層78の複数の溝に、トラッキングビーム86を収束させることが可能である。
【0031】
照射スポットを、適切なデータトラック12及び/又はデータ層76に対して保持する別の実施形態では、図8に示すように、エンコードされた位置合わせトラックを含めることが可能である。実施形態によっては、複製ディスク10は、各データ層76において、エンコードされた位置合わせトラック94を、他のデータトラック12と平行に含む。エンコードされた位置合わせトラック94には、各エンコードされた位置合わせトラック94を囲むデータトラック12を識別するデータ及び/又は他の変調マーク(ウォブル等)がエンコードされている。ディスク12の情報領域は更に、1つ以上の機能領域を含むことが可能であり、例えば、リードイン領域、ユーザデータ、及び/又はリードアウト領域を含む。例えば、図8に示すように、点線の輪郭で示したリードイン領域93及びリードアウト領域95は、初期化過程において信号ビーム及び基準ビームとターゲットデータ層76の複数のターゲットデータトラック12とを位置合わせするために用いる特徴及び情報を含むことが可能である。このような特徴は、例えば、基準層78にある1つ以上の溝であってよい。初期化過程は、複数の信号ビーム84を、基準層78で収束させることと、基準層78にある2つ以上のターゲット溝からの、複数の信号ビーム84の反射又は透過を解析することと、を含んでよい。
【0032】
実施形態によっては、各エンコードされた位置合わせトラック94を、そのエンコードされた位置合わせトラック94のいずれかの側にあるデータトラック12に対応させることが可能である。他の実施形態では、データトラック12及びエンコードされた位置合わせトラック94の様々な構成をデータ層76に含めることが可能である。例えば、様々な実施形態において、各位置合わせトラック94を、いずれかの側にある2つ以上のデータトラック12、又は一方の側にある1つ以上のデータトラック12等に対応させることが可能である。更に別の実施形態では、位置合わせトラック94は、変調されたデータトラックであってよい。各エンコードされた位置合わせトラック94により、ディスク10の各層76にある1つ以上のデータトラック12を識別することが可能であるため、複数のビームの1つと、エンコードされた位置合わせトラック94とを位置合わせすることにより、他のビームと、エンコードされた位置合わせトラック94に対応するデータトラック12とが位置合わせされることになる。例えば、1つ以上のビームを、データ層の、複数のデータトラック12及び少なくとも1つのエンコードされた位置合わせトラック94を含む複数のトラックに当てることが可能である。エンコードされた位置合わせトラック94に対するビームの反射を検出器で検出することが可能であり、1つのビームと、エンコードされた位置合わせトラック94とが正確に位置合わせされていれば、複数のビームと、エンコードされた位置合わせトラック94に対応する複数のデータトラック12とが正確に位置合わせされることになる。したがって、エンコードされたアライメントトラック94を含むディスク10の構成により、複製過程におけるビームのトラッキング及び/又は位置合わせが可能になる。
【0033】
更に、実施形態によっては、図9Aに示すように、隣接する平行信号ビーム又は平行基準ビーム同士の間隔を、記録中の隣接するデータトラック12のピッチに従って維持することにより、複数の照射スポットを、複数のターゲットデータトラック12において、半径方向に位置合わせすることが可能である。実施形態によっては、複数のターゲットデータトラック12において複数の照射スポット96の位置合わせを維持することは、複数の信号ビーム同士及び基準ビーム同士の間隔を調節することを含むことが可能である。他の実施形態では、図9Bに示すように、複数の信号ビーム同士及び基準ビーム同士の間隔を固定することが可能である。固定されたビーム同士の間隔がデータトラック12のピッチより大きい場合は、複数の信号ビーム及び/又は複数の基準ビームの配列を傾斜させて、複数のターゲットデータトラックに対する照射スポットの位置合わせを維持することが可能である。より具体的には、照射スポット配列98(例えば、複数の照射スポットで形成された線)の方向が、ディスクの半径方向100に対して角度θをなすようにする。この角度θは、焦点位置がディスクの中心から端部へ(又は端部から中心へ)動くにつれて変化する。複数の照射スポットの方向の変化は、複数のターゲットデータトラックに対する複数の照射スポットの位置合わせが維持されるように光学サーボ系を調節することにより、達成可能であり、これについては更なる詳細を後述する。
【0034】
収束及び位置合わせの技術には、作動技術及びサーボ機械技術が含まれる。サーボ機械技術により、ディスクの不完全性に起因するマイクロホログラム記録の不正確さを減らすことが可能である。図10に示すように、ホログラフィックディスク10には、不完全性が幾つか含まれる場合があり、これによって、マイクロホログラム記録過程での精度が低下する場合がある。例えば、ディスク10の表面が平坦でないために、ビームがディスク10に正確に当たらない場合がある。
【0035】
更に、不正確になり得る原因として、例えば、ディスク10が本来の位置102に対して傾斜している場合や、ディスク10自体が欠陥品である場合も考えられる。例えば、ディスク10の上面と底面が平行でない場合や、ディスク10が本来のディスク10より厚い場合があり、それによって、ディスク10を記録システムのスピンドルに装着した際に、ディスク10の位置、又はディスク10の層76の位置が、本来の位置102からずれる場合がある。更に、ディスク10が反っている場合がある。即ち、ディスク10が本来の位置102に対して湾曲した形状になっている場合がある。このような不正確な位置決めや不完全性が、マイクロホログラム記録の誤差の原因になる場合がある。
【0036】
例えば、図11に示すグラフ104は、ディスク10のデータ層76及びデータトラック12の本来の位置と実際の位置とを比較したものである。グラフ104のx軸及びy軸は、ディスク10の照射領域の半径方向及び軸方向の距離(マイクロメートル単位)を、それぞれ示している。照射領域の半径方向の中心をx=0μmとしており、ディスクの上面及び底面が、本来、y=0μmからy=−1200μmまでにかけてあるとしている。y=0μmのところに示しているように、ディスク10の上面108が、ディスク10の上面の本来の位置106に対して傾斜している。この傾斜は、ディスクの不完全性によるものか、ホログラフィック記録システム16(図1)に対するディスクの傾斜によるものと考えられる。この傾斜を補償する調節を行わない場合、データ焦平面88に不正確な照射スポットが形成される可能性がある。例えば、矢印110は、データ焦平面88に沿った本来の照射スポットを表している。これらのスポットは、ディスク10の上面106から約−600〜ー602μmの範囲に広がる。ディスク10の傾斜に起因して、実際の照射スポット112は、本来の照射スポット110から軸方向にも半径方向にもずれており、結果として、ディスクの傾斜又は不完全性の深刻度に応じて、正しくないトラック12や正しくない層に照射スポットが形成される可能性がある。このように照射スポットがずれて形成されると、ディスク10にマイクロホログラムが不正確に事前フォーマット又は事前記録されてしまう可能性がある。
【0037】
事前記録の不正確さを低減するために、1つ以上の実施形態のホログラフィック記憶システム10では、サーボ機械素子群を用いた傾斜作動により、ディスク10の動き、不正確な位置決め、及び/又は不完全性を補償する。図12は、複数の逆伝搬ビーム84及び92を用いて複数のデータトラック12への記録を行うマイクロホログラム記録のためのホログラフィック複製システム114の一実施形態を示す概略図である。このような作動は、例えば、様々な光学素子を軸方向、接線方向、及び/又は半径方向に傾斜させることや、それらの光学素子をディスク10に近づけたり、ディスク10から遠ざけたりすることを含む。実施形態によっては、サーボ機械素子群は、光学素子群を最大自由度5(例えば、軸方向、接線方向、及び/又は半径方向の軸に沿う平行移動や、それらの軸を中心とする回転及び/又は傾斜)で移動させるように構成可能であり、更に、光学素子群を2以上の自由度で同時に作動するように構成可能である。1つ以上の実施形態では、光学素子群の作動は、レンズ、ガルボミラー等の1つ以上の光学素子を傾斜、回転、及び/又は平行移動させることを意味する。
【0038】
複製システム114は、複数の信号ビーム84及び複数の逆伝搬基準ビーム92をホログラフィックディスク10に当てて干渉させ、ディスク10上に照射スポットを形成する。ディスク10上に形成された照射スポットは、ディスク10の複数のトラック12に書き込まれているマイクロホログラムの位置に対応する。例えば、一実施形態では、光源から変調回路116に複数のソースビームが伝送され、変調回路116は、それらの複数のソースビームを直接変調するか、間接的に変調して、ディスク10に記録される複数の信号ビーム84を発するように構成されている。別の実施形態では、ソース光を、マスタディスク上の変調マークを透過させるか、変調マークから反射させることにより、複数の信号ビーム及び/又は複数の基準ビームを発する。更に別の実施形態では、空間光変調器を用いて、複数の信号ビーム及び/又は複数の基準ビームを発する。
【0039】
複数の信号ビーム84は、ディスク10のデータ面で収束する前に、第1の光学系80を通過する。第1の光学系80は、レンズ又はフィルタ等の光学素子を含んでおり、更に、第1の光学系80を通してディスク10に発せられた複数のソースビーム86が、ディスク10の所望のトラック12及び所望のデータ面で収束して(逆伝搬ビーム92と干渉することによって)照射スポットを形成するように、第1の光学系80の様々な光学素子の動きを制御するように構成されたサーボ機械素子群を含む。
【0040】
実施形態によっては、ホログラフィック記録システム114は、複数のデータトラック12にマイクロホログラムを記録する際に傾斜を補償するトラッキング制御手段を含む。前述のように、ホログラフィックディスク10は、複製過程の間にぐらつく場合がある。更に、ホログラフィックディスク10が不完全性又は不均一性を有する場合がある。複製ディスク10の動き、不完全性、又は不均一さに起因して、図10に関して前述したように、ディスク10内の所望のデータトラック12に対する照射スポットの位置合わせが不完全になる可能性がある。そこで、ディスク10の事前記録過程又は記録過程の間に、光学素子群の動的作動を様々な自由度で行うことにより、照射スポットと所望のデータトラック12との間の位置合わせのそのような不完全性を補償することが可能である。例えば、複数の信号ビーム84をそれぞれのターゲットデータトラック12に対して保持することは、第1の光学系80のレンズをディスク10に対して前後に動かすこと、又は、第1の光学系80において傾斜しているレンズの点線の輪郭で示したように、レンズを様々な方向に傾斜させることを含む。
【0041】
トラッキング誤差は、トラッキングビーム86を複数の信号ビーム84とともにディスク10に当てることにより、測定可能である。トラッキングビームは、別の光源120から発せられ、システム110の構成に応じて、様々な光学素子(例えば、偏光ビームスプリッタ122)を通過してから、ディスク10に当たる。既述のように、トラッキングビーム86は、複数の信号ビーム84と位置合わせされてから、ディスク10に当たる。複数の信号ビーム84が、マイクロホログラムが書き込まれているデータ層76に対応する焦平面88で収束するのに対し、トラッキングビーム86は、ディスク10の基準層78で収束する。基準層78は、ディスク10のデータトラック12の位置に対応する複数の溝を有する。例えば、実施形態によっては、トラッキングビーム86は、同じ第1の光学系80を通過し、複数の信号ビーム84及び複数の逆伝搬基準ビーム92によって記録が行われている複数のトラック12のうちの中央トラックに対応する、基準層78のターゲット溝で収束する。
【0042】
トラッキングビーム86の、基準層78からの反射は、トラッキング検出器118で受信される。ディスク10がぐらついたり傾斜したりすると、トラッキングビーム86の収束がターゲット溝からずれる場合があり、これは、トラッキング検出器118で検出される反射されたトラッキングビーム86の光強度に影響を及ぼす。所望のデータトラック12に対する複数の信号ビーム84の照射は、ターゲット溝に対するトラッキングビーム86の照射と位置合わせされているため、トラッキングビーム86がターゲット溝からずれると、これに応じて、複数の信号ビーム84が焦平面88(図7)の所望のデータトラック12からずれる可能性がある。トラッキング検出器118は、トラッキングビーム86の反射の強度を評価してトラッキング誤差を算定する。例えば、トラッキングビーム86の反射の強度分布を、閾値強度又は既に検出された強度と比較することが可能である。
【0043】
トラッキング検出器118は、トラッキング誤差を算定すると、トラッキング誤差信号を第1の光学系80に送信する。第1の光学系80は、このトラッキング誤差信号に基づいて、光学系80の1つ以上のレンズの傾斜を調節することにより、トラッキング誤差を補償することが可能である。例えば、ディスク10が軸方向の反時計回りに傾斜した場合は、第1の光学系80のレンズも、トラッキングビーム86が基準層78のターゲット溝に再度当たるまで、軸方向の反時計回りに傾斜することが可能である。複数の信号ビーム84は、第1の光学系80の、トラッキングビーム86の場合と同じ光学素子群を通過するため、複数の信号ビーム84の、所望のデータトラック12からのトラッキングずれも修正される。
【0044】
ホログラフィック記録システム114は更に、複数の基準ビーム92をディスク10で収束させることに適した様々な素子を含む第2の光学系82を含む。前述のように、複数の基準ビーム92は、複数の信号ビーム84の場合とは反対の側から複製ディスク10に当たる。複数の基準ビーム92は、偏光ビームスプリッタ124及びガルボミラー126のような様々な光学素子を経て第2の光学系82に伝送され、ディスク10に当たる。ビーム84及び92は、同等の強度分布を有し、ディスク10のデータ層76にある複数のトラック12に複数の照射スポットの干渉パターンを形成してマイクロホログラムを記録する。第2の光学系82も、第2の光学系82の各素子(例えば、レンズ、フィルタ等)を様々な自由度で作動するように構成されたサーボ機械素子群を含む。例えば、第2の光学系82は、各素子を調節して、ディスク10に対して近づけたり遠ざけたり、軸方向の時計回り又は反時計回りに傾斜させたりして、複数の基準ビーム92とディスク10の所望のトラック12との間の位置合わせの不完全性を調節することが可能である。
【0045】
実施形態によっては、第1の光学系80及び/又は第2の光学系82は、フィードバックループに対する応答として動くことが可能である。伝送された複数の信号ビーム84は、1つ以上の検出器122で受信される。検出器122は、伝送された信号ビーム84の強度を解析して、トラッキング誤差が発生したかどうかを判定することが可能である。検出器118及び122は、トラッキング、収束、及び/又は傾斜の各誤差信号を発することが可能であり、これらの信号を送信することにより、光学系80及び82の各素子を作動させてそのような誤差を補償することが可能である。一実施形態では、収束誤差信号(FES)は、従来の非点収差補正方法から得られ、トラッキング誤差信号は、象限検出器122において、変調マークのうちのトラック12から明らかに外れたプッシュプルトラッキング信号から得られる。実施形態によっては、第2の光学系82は、第1の光学系80に基づいて作動される。例えば、第1の光学系80に送信する誤差信号及び作動信号を、第2の光学系82にも送信することが可能である。別の実施形態では、第1及び第2の光学系80及び82が共通のサーボ機械素子群を共有することにより、第2の光学系82が第1の光学系80と一緒に作動する。
【0046】
実施形態によっては、傾斜誤差信号は、検出器118で発することが可能であり、検出器118は、図13に示すように、傾斜によって引き起こされる光分布の変化を検出する。例えば、検出領域128は、データ層76の一領域(例えば、層76の1つ以上のデータトラック12)から検出された光に対応する。表示されている各文字A〜Dのそれぞれは、それぞれ異なる強度の検出光を表しており、特定の強度パターンによって傾斜が表される。検出器118は、検出した強度パターンを解析して、傾斜サーボ誤差を発する。この傾斜誤差信号を用いて第1の光学系80の光学素子群を調節することにより、検出された傾斜を補償することが可能である。
【0047】
更に、1つ以上の検出器122で発生させた1つ以上の収束誤差信号(FES)を用いて、複数の信号ビーム又は基準ビームとターゲットデータトラック12との位置合わせ誤差を算定することが可能である。例えば、図14に示すように、検出器122は、複数の信号ビーム84の伝送及び/又は複数の基準ビーム92のディスク10からの反射を検出する象限検出器のアレイを含む。象限検出器134及び136は、それぞれ、伝送又は反射されたビーム130及び132の強度を測定し、検出したビームのビーム強度情報を収束誤差発生器(FEG)138及び140に送信する。一実施形態では、当たったビームアレイの各ビームの反射の光強度を検出して、当たったアレイ領域の傾斜を算定することが可能である。例えば、第1のビーム130(例えば、複数の信号ビーム84のうちの1つの透過又は反射)を象限検出器134で検出し、FEG 138に伝送する。FEG 138は、第1の収束誤差信号を発生させ、この信号を比較器142に送信する。第2のビーム反射132を象限検出器136で検出し、FEG 140に伝送する。FEG 140は、第2の収束誤差信号を発生させ、この信号を比較器142に送信する。比較器142は、第1及び第2の収束誤差信号を比較して、ディスク10の傾斜を判定する。例えば、第1の収束誤差信号が正であって、第2の収束誤差信号が負であるとすると、比較器は、第1のビーム130が高い相対強度を有し、第2のビーム132が低い相対強度を有すると判定する。これは、第1のビーム130が当たったディスク位置が第2のビーム132が当たったディスク位置より前方に傾斜するように、ディスク10が傾斜していることを意味する。比較器142は、この比較に基づいて傾斜誤差信号144を発生させ、この傾斜誤差信号を傾斜制御装置146に送信する。傾斜誤差信号144は、ディスク10の傾斜の推定を含む情報を含んでおり、この傾斜は、ディスク10の傾斜した点線の輪郭で表されている。応答として、傾斜制御装置146は、第1の光学系80及び/又は第2の光学系82と結合されたサーボ機械素子群を制御し、様々な光学素子(例えば、レンズ、フィルタ等)を動かしてディスク10に対して傾斜させる。この傾斜は、第1の光学系80及び第2の光学系82のレンズの傾斜した点線の輪郭で表されている。実施形態によっては、同じ傾斜制御装置146又は複数の異なる傾斜制御装置146及びは147を用いて、第1及び第2の光学系80及び82の様々な光学素子の作動を制御する。
【0048】
様々な実施形態では、様々な傾斜制御装置を用いて、複数の信号ビーム84をディスク10に当てる第1の光学系80をはじめとする、様々な光学系を制御することが可能である。実施形態によっては、1つの傾斜制御装置で多数の光学系を制御することが可能である。例えば、1つの傾斜制御装置146が第1の光学系80及び第2の光学系82の両方のサーボ機械素子群と通信して、両光学系80及び82の光学素子群を位置合わせすることが可能である。実施形態によっては、複数の象限検出器で発生させた収束誤差信号を組み合わせて、傾斜サーボ誤差信号を生成することが可能である。例えば、トラッキングビーム86の強度の検出を、象限検出器で行うことも可能である。
【0049】
実施形態によっては、2次元の傾斜作動系を用いることが可能である。例えば、図15に示すように、検出系128が、2次元アレイの形で発せられた反射ビームを検出するように配列された複数の象限検出器134、136、148、及び150を含む。これらの2次元反射ビームを検出して、ディスク10の2次元の傾斜を算定することが可能である。例えば、図14で述べた半径方向の傾斜作動に加えて、1つ以上の実施形態では、反射ビームも象限検出器148及び150で検出する。象限検出器148及び150は、ディスク10の表面から、象限検出器134及び136とは異なる方向(例えば、緯度又は経度方向)に反射されたビームを測定することが可能である。したがって、象限検出器148及び150は、接線方向の傾斜作動に適した情報を検出可能である。象限検出器148及び150は、反射ビームの強度情報を、それぞれ、FEG152及び154に送信し、FEG152及び154は、それぞれ、収束誤差信号を発生させて比較器156に送信する。比較器156は、受信した収束誤差信号の比較に基づいて、傾斜誤差信号を発生させ、これを接線方向傾斜制御装置158に送信する。図14で述べた半径方向の傾斜制御装置146は、光学素子群の半径方向の傾斜を制御するように構成されたサーボ機械素子群を制御するが、接線方向の傾斜制御装置158は、光学素子群の接線方向の傾斜を制御するように構成されたサーボ機械素子群を制御する。したがって、ディスク10の、ビームが当たる部分がホログラフィック読み取り/複製システム16に対して半径方向又は接線方向に傾斜した場合は、システム16内の光学素子群を傾斜させることにより、ディスク10の傾斜を補償することが可能である。
【0050】
本発明の一部の実施形態についてのみ図示及び説明したが、当業者には多数の修正及び変更が想到されよう。したがって、添付の特許請求の範囲は、こうした修正及び変更も全て、本発明の概念に含まれるものとして包含することを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データをホログラフィックディスクに記録する方法であって、
第1の光学素子群から前記ホログラフィックディスクの第1の側に向かう複数の信号ビームを発するステップと、
第2の光学素子群から前記ホログラフィックディスクの第2の側に向かう複数の基準ビームを発するステップと、
前記複数の信号ビームのスポットが前記ホログラフィックディスクのターゲット層にある複数のターゲットデータトラックに整合しているかどうかを判定するステップと、
前記ホログラフィックディスクの記録中に複数の照射スポットを形成するように、前記複数の基準ビーム中の各基準ビームが、前記複数の信号ビーム中の対応する信号ビームと実質的に重なり合っているかどうかを判定するステップと、
前記複数の信号ビームのうちの1つ以上の信号ビームが、前記ホログラフィックディスクのターゲット層にある前記複数のターゲットデータトラックに整合していないと判定された場合に、前記第1の光学素子群のうちの1つ以上の光学素子を調節するステップと、
前記複数の基準ビームのうちの1つ以上の基準ビームが、複数の照射スポットを形成するようには前記複数の信号ビーム中の前記対応する信号ビームと実質的に重なり合っていないと判定された場合に、前記第2の光学素子群のうちの1つ以上の光学素子を調節するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記複数の照射スポットは、前記ホログラフィックディスクのターゲット層にある前記ターゲットデータトラックに形成された複数のマイクロホログラムに対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ホログラフィックディスクは、1つ以上の基準溝を含む基準層を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のターゲットデータトラックに対応する、前記基準層内のターゲット溝に向かって、前記第1の光学素子群からトラッキングビームを発するステップを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の信号ビームスポットが前記複数のターゲットデータトラックに整合しているかどうかを判定する前記ステップは、前記複数の信号ビームを前記ホログラフィックディスクの前記基準層で収束させることと、初期化過程において、前記ホログラフィックディスクの前記基準層の2つ以上のターゲット溝から反射した前記複数の信号ビームの反射を解析することと、を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
複数の照射スポットを形成するように、各基準ビームが、対応する信号ビームと実質的に重なり合っているかどうかを判定する前記ステップは、前記ディスクを透過した前記信号ビームのうちの2つ以上の信号ビームについて強度分布を解析することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
複数の照射スポットを形成するように、各基準ビームが、対応する信号ビームと実質的に重なり合っているかどうかを判定する前記ステップは、前記ディスクを透過した前記基準ビームのうちの2つ以上の基準ビームについて強度分布を解析することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の光学素子群の調節に基づいて、前記第2の光学素子群を調節するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の光学素子群を調節する前記ステップは、1つ以上のレンズを接線方向又は半径方向の一方又は両方に傾斜させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の光学素子群及び前記第2の光学素子群のうちの1つ以上の光学素子を調節する前記ステップは、光学素子を回転させることによって、前記複数の信号ビームの、軸方向、半径方向、及び接線方向のうちの1つ以上の方向の位置変化を達成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の光学素子群及び前記第2の光学素子群のうちの1つ以上の光学素子を調節する前記ステップは、レンズ群を軸方向、半径方向、及び接線方向のうちの1つ以上の方向に平行移動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の光学素子群を調節する前記ステップは、光学素子を回転させることによって前記複数の信号ビームの配列の向きを回転させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ホログラフィックディスクにマイクロホログラムを記録するシステムであって、
前記ホログラフィックディスクの第1の側から、1つ以上のターゲットデータ層の複数のターゲットデータトラックで複数の信号ビームを収束させるように構成された、第1の光学系であって、前記第1の光学系の第1の光学素子群を作動させて、前記複数の信号ビームのそれぞれを複数のターゲットデータトラックのそれぞれのトラックと位置合わせするように構成された第1のサーボ機械素子群と結合された、第1の光学系と、
前記第1の側の反対側である、前記ホログラフィックディスクの第2の側から、複数の基準ビームを前記ターゲットデータ層に向けて伝送するように構成された、第2の光学系であって、前記1つ以上のターゲットデータ層の前記複数のターゲットデータトラックのそれぞれのトラックに干渉パターンが形成されるように、前記複数の基準ビームのそれぞれを、前記複数の信号ビームのそれぞれと位置合わせするように作動されるべく構成された第2の光学素子群を備える、第2の光学系と、
を備えるシステム。
【請求項14】
前記第2の光学系は、第2のサーボ機械素子群を備え、前記第2の光学素子群は、前記第2のサーボ機械素子群によって作動されるように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の光学系は、前記複数の信号ビームの、前記ホログラフィックディスクの基準層の2つ以上の溝からの反射を含む反射を受信するように構成された第1の検出器群と結合されており、前記第1の検出器群は、誤差信号を発生させ、前記誤差信号を前記第1の光学系に伝達するように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記第2の光学系は、前記複数の信号ビームのうちの1つ以上の信号ビームの伝送、又は前記複数の基準ビームのうちの1つ以上の基準ビームの伝送を受信するように構成された第2の検出器群と結合されており、前記第2の検出器群は、誤差信号群を発生させ、前記誤差信号群を前記第2の光学系に伝達するように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の光学系は、前記第1の光学素子群中の第1のレンズ群を半径方向及び接線方向のうちの一方又は両方の方向に傾斜させることにより、前記第1のレンズ群を作動させるように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の光学系及び前記第2の光学系のうちの一方又は両方が、光学素子を半径方向及び接線方向のうちの一方又は両方の方向に傾斜させることによって前記光学素子を作動させるように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の光学系は、前記複数の信号ビームの伝搬の軸に沿って光学素子を回転させることにより、前記光学素子を作動させるように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の光学系は、前記ホログラフィックディスクの基準層のターゲット溝でトラッキングビームを収束させるように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の光学系は、前記トラッキングビームの、前記基準層の前記ターゲット溝からの反射を受信するように構成された第3の検出器と結合されている、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記第3の検出器は、前記トラッキングビームの前記反射を解析し、前記反射解析に基づく誤差信号群を前記第1の光学系に提供するように構成されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1の光学系は、前記誤差信号群に対する応答として、前記第1の光学素子群の前記第1のレンズ群を、軸方向、半径方向、及び接線方向のうちの1つ以上の方向に平行移動させるように構成されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
ホログラフィックディスクを事前フォーマットするシステムであって、
前記ホログラフィックディスクの複数のデータトラックに複数の信号ビームを当てるように構成され、且つ、前記ホログラフィックディスクの基準層にある、前記複数のデータトラックに対応するターゲット溝にトラッキングビームを当てるように構成された、第1の光学ヘッドと、
前記複数のデータトラックに複数の基準ビームを当てることにより、前記複数の信号ビームと前記複数の基準ビームとをデータ層内で干渉させて、複数の照射スポットを含む干渉パターンを形成させるように構成された、第2の光学ヘッドと、
前記トラッキングビームの、前記ホログラフィックディスクからの反射を検出するように構成され、且つ、前記トラッキングビームの前記反射が、前記トラッキングビームが前記ターゲット溝で収束していないことを示している場合に、第1の誤差信号群を発するように構成されたトラッキング検出器と、
前記複数の信号ビームの伝送又は前記複数の基準ビームの伝送のうちの一方又は両方の伝送を検出するように構成され、且つ、前記複数の基準ビームが前記複数の信号ビームのそれぞれの信号ビームに整合していない場合に、第2の誤差信号群を発するように構成された、第2の検出器群と、
前記第1の光学ヘッド及び前記第2の光学ヘッドと結合され、前記トラッキング検出器及び前記第2の検出器群のうちの一方又は両方から前記誤差信号群を受信し、前記誤差信号群に対する応答として、前記第1の光学ヘッド及び前記第2の光学ヘッドのうちの一方又は両方にある光学素子を作動させるように構成された、1つ以上のサーボ機械素子と、
を備えるシステム。
【請求項25】
前記1つ以上のサーボ機械素子は、前記誤差信号群に対する応答として、前記第1の光学ヘッド及び前記第2の光学ヘッドのうちの一方又は両方にある光学素子を作動させることにより、記録過程中の前記システムに対する前記ホログラフィックディスクの移動を補償するように構成されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記1つ以上のサーボ機械素子は、前記ホログラフィックディスクが不完全であることに対する応答として、前記第1の光学ヘッド及び前記第2の光学ヘッドのうちの一方又は両方にある光学素子を作動させるように構成されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記光学素子群の前記作動は、前記1つ以上の光学素子を、前記システムに対して、軸方向、接線方向、又は半径方向のうちの1つ以上の方向に傾斜させること、回転させること、又は平行移動させることのうちの1つ以上を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項28】
前記第2の検出器群は、収束誤差信号群から1つ又は2つの差信号を生成するように構成され、且つ、前記差信号を用いて半径方向又は接線方向の傾斜サーボ誤差信号群を発するように構成された、請求項24に記載のシステム。
【請求項29】
前記トラッキング検出器及び前記第2の検出器群のうちの前記一方又は両方は、前記ホログラフィックディスクの回転速度を示す信号を発するように構成されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項30】
前記ホログラフィックディスクを所望の速度で回転させるように構成されたサーボ機械系を備える、請求項24に記載のシステム。
【請求項31】
前記サーボ機械系は、前記第1の光学ヘッド、前記第2の光学ヘッド、前記トラッキング検出器、及び前記第2の検出器群のうちの1つ以上に対して前記ホログラフィックディスクを動かすように構成されている、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記サーボ機械系は、前記第1の光学ヘッド、前記第2の光学ヘッド、前記トラッキング検出器、及び前記第2の検出器群のうちの1つ以上を前記ホログラフィックディスクに対して動かすように構成されている、請求項30に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−109008(P2012−109008A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−248253(P2011−248253)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】