説明

ホログラム記録装置、ホログラム記録再生装置およびホログラム記録媒体の製造方法

【課題】装置の大型化を回避しつつ、ホログラム記録媒体の性質や状態に応じて前処理を適切に行なうことが可能なホログラム記録装置、ホログラム記録再生装置およびホログラム記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】ホログラム記録再生装置10は、信号光SLと参照光RLとを含む記録光をホログラム記録媒体27に照射して、ホログラム記録媒体27にホログラムを記録する記録光光学系1を含む。ホログラム記録再生装置10は、さらに、光検知器21および記録停止部43を含む。光検知器21は、ホログラム記録媒体27へのホログラムの記録時にホログラムから発生する回折光(再生光CL)を検知する。記録停止部43は、光検知器21が検知した再生光CLの強度が基準値に達すると、シャッター13を閉じることにより記録光(信号光SLおよび参照光RL)の照射を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラム技術を用いて情報を記録するホログラム記録装置と、情報を記録および再生するホログラム記録再生装置と、ホログラム記録媒体の製造方法とに関する。特に、本発明はホログラム多重記録における前処理に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ホログラム技術を利用して大容量の情報を記録および再生するホログラム記録再生装置が提案されている。ホログラム記録再生装置では、情報を含んだ信号光と情報を含まない参照光とを同一のレーザ光から生成して、これらをホログラム記録媒体の同一箇所に照射する。ホログラム記録媒体上では信号光と参照光とが干渉することにより、照射箇所に回折格子(ホログラム)が形成されるとともに媒体に記録される。記録されたホログラムに参照光のみを照射すると回折光(再生光)が発生する。この再生光は記録時の信号光が持っていた情報を含んでいる。受光素子がこの再生光を受光することにより情報を再生できる。
【0003】
ホログラム記録媒体に多くの情報を記録するために、多重記録と呼ばれる手法が用いられている。多重記録とは、ホログラム記録媒体の同一箇所(または、互いに重なり合う領域)に複数のホログラムを重ねて記録する方法である。多重記録の方式としては、角度多重、シフト多重、回転多重、波長多重といった種々の方式が提案されている。
【0004】
一方で、ホログラム記録媒体の記録層となる感光材料も、より多くの情報を記録できるように開発が進められている。中でも、フォトポリマーを用いた記録媒体が、製造コスト、耐久性、感度の点で優れていることから注目されている。
【0005】
このフォトポリマーにホログラムが記録される際、その感度には、照射される光のエネルギー量(露光量)に対して非線形な領域が存在する。この領域は、記録層が記録前に外光により感光されることを防ぐために予め設けられるものであったり、記録層中に溶存する重合阻害物質の影響により存在するものであったりする。情報の不完全な記録を防ぐためにこの非線形な感度領域を消費する処理が、情報を記録する前の処理として一般的に行なわれている。
【0006】
非線形な感度領域を消費するために必要な最小のエネルギー、すなわち、前処理に必要な最小のエネルギーは、記録層の材料によって異なる。また、同じ材料を用いて作製されたホログラム記録媒体であっても、作製条件やその後の外部環境によって、前処理に必要な最小のエネルギーは記録媒体ごとに異なる。
【0007】
さらに、同一の記録媒体中においても含有物質が十分均一に混ざり合っているとは限らないので、同一媒体中の互いに離れた領域同士でも前処理に必要な最小のエネルギーが異なり得る。たとえば高湿環境にホログラム記録媒体が置かれた場合には、吸水によってホログラム記録媒体の厚みが部分的に変化する。これにより記録媒体の位置に応じて屈折率が異なる。また、ホログラム記録媒体の作製時に材料が十分に混ざりあっていない場合には記録媒体の位置に応じて屈折率が異なることが起こり得る。
【0008】
このように性質や状態の異なるホログラム記録媒体に対して、常に一定のエネルギーを与えることにより前処理を行なっていたのでは、前処理の不足による記録情報の欠損、過剰な前処理によるダイナミックレンジの無駄な消費、前処理に要する時間が長すぎることによる記録速度の低下等が問題となる。なお「ダイナミックレンジの無駄な消費」とは、露光により記録媒体内で光(化学)反応が進行しているにもかかわらず有用な情報が記録されていない状態を意味する。ダイナミックレンジの無駄な消費が発生した場合、ホログラム記録媒体の記録容量が低下する。
【0009】
上述の理由により、ホログラム記録媒体の状態が異なる場合においても、一定の信頼性を得ることが可能な前処理方法が求められている。このような前処理方法として、たとえば特開2006−243241号公報(特許文献1)に提案された方法がある。この方法は、ホログラム記録媒体に対して感度の無い波長のレーザ光を記録中のホログラムに照射することにより得られる回折光を用いて、ホログラム記録媒体の状態を検出するステップと、その状態に基づいて、適切な前処理時間および多重記録条件を選択するステップとを備えている。
【特許文献1】特開2006−243241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら特開2006−243241号公報(特許文献1)に開示された方法では、信号光および参照光を生成するための光源として波長405nmのLD(半導体レーザ)や波長532nmのNd−YAGレーザ等の光源を用いるが(段落番号[0052]参照)、回折効率測定時には、媒体が感度を持たない波長633nmの光源(段落番号[0069]、[0091]参照)が別途必要となる。したがってこの方法によれば装置の大型化を招く。また、記録されたホログラムに対してホログラム記録用の光と異なる波長を有する光を照射した場合、回折光の回折効率はホログラム記録用の光をホログラムに照射したときの回折効率と異なる。この場合、回折効率を換算する必要が生じるので処理が複雑となる。
【0011】
それゆえに、本発明の目的は、記録用光源と別途異なる光源を不要として、装置の大型化を回避しつつ、ホログラム記録媒体の性質や状態に応じて前処理を適切に行なうことが可能なホログラム記録装置、ホログラム記録再生装置およびホログラム記録媒体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は要約すれば、ホログラム記録装置であって、信号光と参照光とを含む記録光を記録媒体に照射して、記録媒体にホログラムを記録する記録光光学系と、ホログラムの記録中に、参照光がホログラムで回折することにより生じた回折光を検知する回折光検知器とを備える。
【0013】
好ましくは、ホログラム記録装置は、ホログラムの記録中に記録媒体を透過した参照光を反射させる反射ミラーをさらに備える。
【0014】
好ましくは、ホログラム記録装置は、回折光検知器により検知された回折光の強度に基づいてホログラムの記録条件を制御する制御部をさらに備える。
【0015】
好ましくは、ホログラム記録装置は、記録媒体の同一の対象箇所にホログラムの多重記録を行なう装置である。制御部は、回折光の強度を検知して、回折光の強度が基準値に達すると対象箇所への記録光の照射を停止する第1の記録停止部と、対象箇所への記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると対象箇所への記録光の照射を停止する第2の記録停止部とを含む。第1の記録停止部は、多重記録に先立って記録光を対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、予備照射に代えて多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかの場合には、対象箇所への記録光の照射を停止する。第2の記録停止部は、第1の記録停止部による記録光の照射停止後にホログラムが記録される場合に、対象箇所への記録光の照射を停止する。
【0016】
好ましくは、ホログラム記録装置は、記録媒体の同一の対象箇所にホログラムの多重記録を行なう装置である。制御部は、回折光の強度を検知して、回折光の強度の時間微分値が基準値に達すると対象箇所への記録光の照射を停止する第1の記録停止部と、対象箇所への記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると対象箇所への記録光の照射を停止する第2の記録停止部とを含む。第1の記録停止部は、多重記録に先立って記録光を対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、予備照射に代えて多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかの場合には、対象箇所への記録光の照射を停止する。第2の記録停止部は、第1の記録停止部による記録光の照射停止後にホログラムが記録される場合に、対象箇所への記録光の照射を停止する。
【0017】
好ましくは、ホログラム記録装置は、記録媒体の同一の記録領域に、ホログラムの多重記録を複数回行なう装置である。制御部は、回折光の強度を検知して、回折光の強度が基準値に達すると記録領域中の対象箇所への記録光の照射を停止する第1の記録停止部と、対象箇所への記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると対象箇所への記録光の照射を停止する第2の記録停止部とを含む。第1の記録停止部は、1番目の多重記録時に、記録光を対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、1番目の多重記録時に予備照射に代えて1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかにおいて、対象箇所への記録光の照射を停止する。第2の記録停止部は、第1の記録停止部による記録光の照射停止後にホログラムが記録される場合において、対象箇所への記録光の照射を停止する。
【0018】
好ましくは、ホログラム記録装置は、記録媒体の同一の記録領域に、ホログラムの多重記録を複数回行なう装置である。制御部は、回折光の強度を検知して、回折光の強度の微分値が基準値に達すると記録領域中の対象箇所への記録光の照射を停止する第1の記録停止部と、対象箇所への記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると対象箇所への記録光の照射を停止する第2の記録停止部とを含む。第1の記録停止部は、1番目の多重記録時に記録光を対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、1番目の多重記録時に予備照射に代えて多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかにおいて、対象箇所への記録光の照射を停止する。第2の記録停止部は、第1の記録停止部による記録光の照射停止後に対象箇所に記録光が照射された場合に、対象箇所への記録光の照射を停止する。
【0019】
好ましくは、第1の記録停止部は、ホログラムの記録時に、回折光を受けて回折光の強度を検知する撮像素子を有する。
【0020】
好ましくは、ホログラム記録装置は、ホログラムの記録中に、回折光と記録媒体に照射される記録光とを分離するための分離部をさらに備える。
【0021】
好ましくは、分離部は、参照光の位相共役光を生成するとともに、位相共役光をホログラムに入射させる位相共役光生成部と、位相共役光生成部とホログラムとの間の位相共役光の経路上に設けられ、位相共役光の偏光方向を記録光の偏光方向と異ならせる偏光素子と、位相共役光がホログラムで回折することにより生じた回折光と、記録光とを各々の偏光方向の違いに基づき分光する偏光分光素子とを含む。
【0022】
好ましくは、回折光検知器は、回折光が撮像素子により反射された反射回折光を検知する。
【0023】
好ましくは、ホログラム記録装置は、ホログラムの記録中に、記録媒体に照射される記録光と反射回折光とを分離するための反射回折光分離部をさらに備える。
【0024】
好ましくは、反射回折光分離部は、参照光の位相共役光を生成するとともに、位相共役光をホログラムに入射させる位相共役光生成部と、位相共役光生成部とホログラムとの間の位相共役光の経路上に設けられ、位相共役光の偏光方向を記録光の偏光方向と異ならせる偏光素子と、位相共役光がホログラムで回折することにより生じた回折光と、記録光とを各々の偏光方向の違いに基づき分光する偏光分光素子と、撮像素子が反射した反射回折光の偏光方向と回折光の偏光方向とを異ならせる反射用偏光素子と、記録光と反射回折光との各々の偏光方向の違いに基づき記録光と反射回折光とを分光する検知器入射用偏光分光素子とを含む。
【0025】
好ましくは、ホログラム記録装置は、記録光の直径を拡大させる、複数のレンズからなるビームエキスパンダをさらに備える。検知器入射用偏光分光素子は、ビームエキスパンダ内において、複数のレンズのうちの2つのレンズの間に配置される。
【0026】
好ましくは、回折光検知器に入射する反射回折光は収束光である。
好ましくは、分離部は、信号光の記録媒体への入射を遮断するための遮断部を含む。
【0027】
好ましくは、反射回折光分離部は、信号光の記録媒体への入射を遮断するための遮断部を含む。
【0028】
本発明の他の局面に従うと、ホログラム記録再生装置であって、信号光と参照光とを含む記録光を記録媒体に照射して、記録媒体にホログラムを記録する記録光光学系と、ホログラムの記録中に、参照光がホログラムで回折することにより生じた回折光を検知する回折光検知器とを備える。
【0029】
好ましくは、ホログラム記録再生装置は、ホログラムの記録中に記録媒体を透過した参照光を反射させる反射ミラーをさらに備える。
【0030】
好ましくは、ホログラム記録再生装置は、回折光検知器により検知された回折光の強度に基づいてホログラムの記録条件を制御する制御部をさらに備える。
【0031】
好ましくは、ホログラム記録再生装置は、記録媒体の同一の対象箇所にホログラムの多重記録を行なう装置である。制御部は、回折光の強度を検知して、回折光の強度が基準値に達すると対象箇所への記録光の照射を停止する第1の記録停止部と、対象箇所への記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると対象箇所への記録光の照射を停止する第2の記録停止部とを含む。第1の記録停止部は、多重記録に先立って記録光を対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、予備照射に代えて多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかの場合には、対象箇所への記録光の照射を停止する。第2の記録停止部は、第1の記録停止部による記録光の照射停止後にホログラムが記録される場合に、対象箇所への記録光の照射を停止する。
【0032】
好ましくは、ホログラム記録再生装置は、記録媒体の同一の対象箇所にホログラムの多重記録を行なう装置である。制御部は、回折光の強度を検知して、回折光の強度の時間微分値が基準値に達すると対象箇所への記録光の照射を停止する第1の記録停止部と、対象箇所への記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると対象箇所への記録光の照射を停止する第2の記録停止部とを含む。第1の記録停止部は、多重記録に先立って記録光を対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、予備照射に代えて多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかの場合には、対象箇所への記録光の照射を停止する。第2の記録停止部は、第1の記録停止部による記録光の照射停止後にホログラムが記録される場合に、対象箇所への記録光の照射を停止する。
【0033】
好ましくは、ホログラム記録再生装置は、記録媒体の同一の記録領域に、ホログラムの多重記録を複数回行なう装置である。制御部は、回折光の強度を検知して、回折光の強度が基準値に達すると記録領域中の対象箇所への記録光の照射を停止する第1の記録停止部と、対象箇所への記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると対象箇所への記録光の照射を停止する第2の記録停止部とを含む。第1の記録停止部は、1番目の多重記録時に、記録光を対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、1番目の多重記録時に予備照射に代えて1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかにおいて、対象箇所への記録光の照射を停止する。第2の記録停止部は、第1の記録停止部による記録光の照射停止後にホログラムが記録される場合において、対象箇所への記録光の照射を停止する。
【0034】
好ましくは、ホログラム記録再生装置は、記録媒体の同一の記録領域に、ホログラムの多重記録を複数回行なう装置である。制御部は、回折光の強度を検知して、回折光の強度の微分値が基準値に達すると記録領域中の対象箇所への記録光の照射を停止する第1の記録停止部と、対象箇所への記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると対象箇所への記録光の照射を停止する第2の記録停止部とを含む。第1の記録停止部は、1番目の多重記録時に記録光を対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、1番目の多重記録時に予備照射に代えて多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかにおいて、対象箇所への記録光の照射を停止する。第2の記録停止部は、第1の記録停止部による記録光の照射停止後に対象箇所に記録光が照射された場合に、対象箇所への記録光の照射を停止する。
【0035】
好ましくは、記録光光学系は、ホログラムの再生時に、参照光をホログラムに照射する。ホログラム記録再生装置は、ホログラムの再生時に、ホログラムでの参照光の回折により再生された再生像を撮像する撮像素子をさらに備える。
【0036】
好ましくは、回折光検知器は、撮像素子の近傍に設けられる。
好ましくは、記録光光学系は、ホログラムの再生時に、参照光をホログラムに照射する。第1の記録停止部は、ホログラムの再生時にはホログラムでの参照光の回折により生じる再生像を撮像し、ホログラムの記録時には、回折光を受けて回折光の強度を検知する撮像素子を有する。
【0037】
好ましくは、ホログラム記録再生装置は、ホログラムの記録中に回折光と記録媒体に照射される記録光とを分離するための分離部をさらに備える。
【0038】
好ましくは、分離部は、参照光の位相共役光を生成するとともに、位相共役光をホログラムに入射させる位相共役光生成部と、位相共役光生成部とホログラムとの間の位相共役光の経路上に設けられ、位相共役光の偏光方向を記録光の偏光方向と異ならせる偏光素子と、位相共役光がホログラムで回折することにより生じた回折光と、記録光とを各々の偏光方向の違いに基づき分光する偏光分光素子とを含む。
【0039】
好ましくは、回折光検知器は、回折光が撮像素子により反射された反射回折光を検知する。
【0040】
好ましくは、ホログラム記録再生装置は、ホログラムの記録中に、記録媒体に照射される記録光と反射回折光とを分離するための反射回折光分離部をさらに備える。
【0041】
好ましくは、反射回折光分離部は、参照光の位相共役光を生成するとともに、位相共役光をホログラムに入射させる位相共役光生成部と、位相共役光生成部とホログラムとの間の位相共役光の経路上に設けられ、位相共役光の偏光方向を記録光の偏光方向と異ならせる偏光素子と、位相共役光がホログラムで回折することにより生じた回折光と、記録光とを各々の偏光方向の違いに基づき分光する偏光分光素子と、撮像素子が反射した反射回折光の偏光方向と回折光の偏光方向とを異ならせる反射用偏光素子と、記録光と反射回折光との各々の偏光方向の違いに基づき記録光と反射回折光とを分光する検知器入射用偏光分光素子とを含む。
【0042】
好ましくは、ホログラム記録再生装置は、記録光の直径を拡大させる、複数のレンズからなるビームエキスパンダをさらに備える。検知器入射用偏光分光素子は、ビームエキスパンダ内において、複数のレンズのうちの2つのレンズの間に配置される。
【0043】
好ましくは、回折光検知器に入射する反射回折光は収束光である。
好ましくは、分離部は、信号光の記録媒体への入射を遮断するための遮断部を含む。
【0044】
好ましくは、反射回折光分離部は、信号光の記録媒体への入射を遮断するための遮断部を含む。
【0045】
本発明のさらに他の局面に従うと、信号光と参照光とを含む記録光を記録媒体に照射して、記録媒体にホログラムを記録するホログラム記録媒体の製造方法であって、記録媒体への記録光の照射時において、参照光がホログラムで回折することにより生じた回折光を検知するステップと、回折光の強度が基準値に達した場合に、記録媒体への記録光の照射を停止するステップとを備える。
【0046】
本発明のさらに他の局面に従うと、記録媒体の同一の対象箇所に信号光と参照光とを含む記録光を照射することによりホログラムの多重記録を行なうホログラム記録媒体の製造方法であって、多重記録に先立って記録光を対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、予備照射に代えて多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかの場合に、参照光がホログラムで回折することにより生じた回折光の強度を検知するステップと、回折光の強度が基準値に達すると対象箇所への記録光の照射を停止するステップと、回折光の強度に基づいて記録光の照射が停止された後にホログラムが記録される場合において、対象箇所への記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると対象箇所への記録光の照射を停止するステップとを備える。
【0047】
本発明のさらに他の局面に従うと、記録媒体の同一の対象箇所に信号光と参照光とを含む記録光を照射することによりホログラムの多重記録を行ない、かつ記録媒体の記録領域に多重記録を複数回行なうホログラム記録媒体の製造方法であって、1番目の多重記録時に記録光を対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、1番目の多重記録時に予備照射に代えて1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかにおいて、参照光がホログラムで回折することにより生じた回折光の強度を検知するステップと、回折光の強度が基準値に達すると対象箇所への記録光の照射を停止するステップと、回折光の強度に基づいて記録光の照射が停止された後にホログラムが記録される場合において、記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると対象箇所への記録光の照射を停止するステップとを備える。
【0048】
本発明のさらに他の局面に従うと、記録媒体の同一の対象箇所に信号光と参照光とを含む記録光を照射することによりホログラムの多重記録を行ない、かつ記録媒体の記録領域に多重記録を複数回行なうホログラム記録媒体の製造方法であって、1番目の多重記録時に記録光を対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、1番目の多重記録時に予備照射に代えて1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかにおいて、参照光がホログラムで回折することにより生じた回折光の強度を検知するステップと、回折光の強度が基準値に達すると、記録領域への記録光の照射を停止するとともに、記録光の照射開始から照射停止までに要した初回記録時間を保存するステップと、1番目の多重記録が行なわれた箇所と異なる箇所で多重記録を行なう場合、1番目のホログラムの記録時には、初回記録時間が経過すると記録光の照射を停止するステップとを備える。
【0049】
本発明のさらに他の局面に従うと、信号光と参照光とを含む記録光を記録媒体に照射して、記録媒体にホログラムを記録するホログラム記録媒体の製造方法であって、記録媒体への記録光の照射時において、参照光がホログラムで回折することにより生じた回折光を検知するステップと、回折光の強度の時間微分値が基準値に達した場合に、記録媒体への記録光の照射を停止するステップとを備える。
【0050】
本発明のさらに他の局面に従うと、記録媒体の同一の対象箇所に信号光と参照光とを含む記録光を照射することによりホログラムの多重記録を行なうホログラム記録媒体の製造方法であって、多重記録に先立って記録光を対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、予備照射に代えて多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかの場合に、参照光がホログラムで回折することにより生じた回折光の強度を検知するステップと、回折光の強度の時間微分値が基準値に達すると対象箇所への記録光の照射を停止するステップと、回折光の強度の時間微分値に基づいて記録光の照射が停止された後にホログラムが記録される場合において、対象箇所への記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると対象箇所への記録光の照射を停止するステップとを備える。
【0051】
本発明のさらに他の局面に従うと、記録媒体の同一の対象箇所に信号光と参照光とを含む記録光を照射することによりホログラムの多重記録を行ない、かつ記録媒体の記録領域に多重記録を複数回行なうホログラム記録媒体の製造方法であって、1番目の多重記録時に記録光を対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、1番目の多重記録時に予備照射に代えて多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかにおいて、参照光がホログラムで回折することにより生じた回折光の強度を検知するステップと、回折光の強度の時間微分値が基準値に達すると対象箇所への記録光の照射を停止するステップと、回折光の強度の時間微分値に基づいて記録光の照射が停止された後にホログラムが記録される場合において、記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると対象箇所への記録光の照射を停止するステップとを備える。
【0052】
本発明のさらに他の局面に従うと、記録媒体の同一の対象箇所に信号光と参照光とを含む記録光を照射することによりホログラムの多重記録を行ない、かつ記録媒体の記録領域に多重記録を複数回行なうホログラム記録媒体の製造方法であって、1番目の多重記録時に記録光を対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、1番目の多重記録時に予備照射に代えて1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかにおいて、参照光がホログラムで回折することにより生じた回折光の強度を検知するステップと、回折光の強度の時間微分値が基準値に達すると、記録領域への記録光の照射を停止するとともに、記録光の照射開始から照射停止までに要した初回記録時間を保存するステップと、1番目の多重記録が行なわれた箇所と異なる箇所で多重記録を行なう場合、1番目のホログラムの記録時には、初回記録時間が経過すると記録光の照射を停止するステップとを備える。
【0053】
好ましくは、ホログラム記録媒体の製造方法は、記録媒体への記録光の照射時において、参照光が記録媒体を透過した光を反射させる反射ミラーの反射面を、参照光の光軸に対して垂直にするステップをさらに備える。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、装置の大型化を回避することができ、かつ、性質や状態の異なるホログラム記録媒体に対して前処理を適切に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0056】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1によるホログラム記録再生装置10の主要部の構成、およびホログラム記録再生装置10の記録時の動作を示す図である。
【0057】
図1を参照して、ホログラム記録再生装置10は、信号光SLと参照光RLとをホログラム記録媒体27に照射して、ホログラム記録媒体27にホログラムを記録する記録光光学系1を含む。記録光光学系1は、レーザ光源11と、スペイシャルフィルタ12と、シャッター13と、コリメータレンズ14と、半波長板15と、偏光ビームスプリッタ(PBS)16と、ビームエキスパンダ17と、偏光ビームスプリッタ18と、空間光変調器(SLM)19と、リレーレンズ22,26と、ポリトピックアパーチャ23と、対物レンズ24と、角度回転ミラー25とを含む。
【0058】
ホログラム記録再生装置10は、さらに、撮像素子20と、光検知器21と、偏光角度回転ミラー30と、制御装置41とを含む。
【0059】
後にも説明するように、ポリトピックアパーチャ23は、所望の光以外の光を遮断するために設けられる。したがって、このような機能を実現できるアパーチャであれば、ポリトピックアパーチャ23に限らず他のアパーチャを用いることができる。
【0060】
偏光角度回転ミラー30は、1/4波長板28と角度回転ミラー29とを含む。これらは一体的に形成されている。
【0061】
制御装置41は、記録動作および再生動作を制御するための記録/再生制御部42と、記録停止部43,44と、信号光制御部46とを含む。制御装置41は、たとえば、所定のプログラムを実行する半導体集積回路(LSI)やパーソナルコンピュータによって実現される。
【0062】
記録/再生制御部42は、記録停止部43,44および信号光制御部46を制御する。記録停止部43,44はシャッター13の開閉を制御する。信号光制御部46は、ホログラム記録媒体27にホログラムが記録される際に信号光SLの照射および遮断を制御する。
【0063】
ホログラム記録再生装置10は、ホログラム記録媒体27内で信号光SLと参照光RLとを干渉させることにより干渉縞を記録する。なお、以下において「記録光」とは、信号光SLと参照光RLとが含まれる光であるとする。
【0064】
ホログラム記録再生装置10は、参照光RLの入射角を変化させることによりホログラムを角度多重方式で記録する。図1を参照しながら、ホログラム記録媒体27にホログラムを角度多重記録する際のホログラム記録再生装置10の動作を説明する。
【0065】
レーザ光源11から出射されたレーザ光PLは、スペイシャルフィルタ12により点光源にされた後、シャッター13を通り、コリメータレンズ14により所望のビーム径に変換される。当該変換光は、半波長板15を通り、偏光ビームスプリッタ16で信号光SLと参照光RLとに分割される。
【0066】
信号光SL、参照光RLのそれぞれの偏光方向はP偏光およびS偏光である。信号光SLと参照光RLとの分割比率は半波長板15の回転によって調整される。
【0067】
参照光RLは、角度回転ミラー25によって偏向され、2枚のテレセントリックレンズで構成されたリレーレンズ26を通り、設定された入射角度でホログラム記録媒体27に照射される。ホログラム記録媒体27への参照光RLの入射角は、X軸を中心に回転する角度回転ミラー25の回転角が変化することで変更される。
【0068】
角度回転ミラー25を回転させてもホログラム記録媒体27への参照光RLの入射位置が変化しないように、リレーレンズ26は2枚のテレセントリックレンズによって構成される。参照光RLは、角度回転ミラー25が回転ミラー25aの位置にあるときは実線の経路Aに沿ってホログラム記録媒体27へ入射する。参照光RLは、角度回転ミラー25が回転ミラー25bの位置にあるときは破線の経路Bに沿ってホログラム記録媒体27へ入射する。このため、図1に示すように参照光RLの経路が経路A,Bのいずれであっても、ホログラム記録媒体27への参照光RLの入射位置は変化しない。
【0069】
参照光RLの一部はホログラム記録媒体27を透過する。偏光角度回転ミラー30はホログラム記録媒体27の後方に設置される。図1は参照光RLが偏光角度回転ミラー30に入射しないように偏光角度回転ミラーの回転角度が設定された状態を示している。ただし、偏光角度回転ミラー30で反射した参照光RLがホログラム記録媒体27に戻らないように偏光角度回転ミラー30の回転角度が設定されていてもよい。
【0070】
本実施の形態では記録/再生制御部42が角度回転ミラー25および偏光角度回転ミラー30に対して、回転角度を制御するための信号SA,SBをそれぞれ送る。角度回転ミラー25および偏光角度回転ミラー30の各々は、記録/再生制御部42からの信号に応じて、その回転角度を変更する。
【0071】
信号光SLの光束径は、ビームエキスパンダ17によって、信号光SLが空間光変調器19の全面を照射するように調整される。信号光SL(P偏光)は、偏光ビームスプリッタ18を透過する。信号光SLは空間光変調器19によって振幅変調または位相変調を受ける。
【0072】
空間光変調器19は、反射型液晶空間光変調器であることが望ましい。この場合、信号光SLを変調するだけでなく、信号光SLの偏光方向をP偏光からS偏光に変えることもできる。これにより信号光SL(S偏光)を偏光ビームスプリッタ18で反射させるとともにホログラム記録媒体27の方向に導くことができる。
【0073】
なお、空間光変調器19は、信号光SLを空間的に変調させる機能を実現するものであればよく、たとえばデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)でもよい。ただし、この場合には信号光SLの偏光方向をP偏光からS偏光に変えるための手段が必要となる。よって、たとえば偏光ビームスプリッタ18と空間光変調器19との間に1/4波長板を設置すればよい。信号光SLは偏光ビームスプリッタ18と空間光変調器19との間を往復することにより1/4波長板を2度通る。これにより信号光SLの偏光方向をP偏光からS偏光に変えることができる。
【0074】
信号光SL(S偏光)は、偏光ビームスプリッタ18で反射されてホログラム記録媒体27の方向に導かれる。なお空間光変調器19で発生する不要回折光は、ポリトピックアパーチャ23により遮光される。偏光ビームスプリッタ18で反射された信号光SLは、リレーレンズ22を通り、対物レンズ24によってホログラム記録媒体27内に集光される。集光された信号光SLはホログラム記録媒体27内で上記の参照光RLと重なる。この結果、干渉縞が発生する。干渉縞の光強度分布はホログラム記録媒体27にホログラムとして記録される。
【0075】
シャッター13は、ある情報(ホログラム)がホログラム記録媒体27に記録されると閉じる。シャッター13が閉じた後、空間光変調器19に表示される情報は、ホログラム記録媒体27に次に記録されるべき情報に変わる。同時に、角度回転ミラー25がわずかに回転して、参照光RLの入射角度が変更される。その後、シャッター13が開くと、空間光変調器19に表示される情報がホログラム記録媒体27の同一記録領域に角度多重記録される。この記録動作を繰返すことによって同一記録領域に記録されるホログラムの多重度が所定の多重度になった場合、ホログラム記録媒体27は図示しない移動機構によってX方向またはY方向に移動する。ホログラム記録媒体27の次の記録領域には上記と同様の多重記録が行なわれる。以上が、角度多重記録の一連の動作である。
【0076】
本実施の形態では、上述の記録動作におけるシャッター13の制御を記録停止部44が行なう。記録停止部44は、記録/再生制御部42からシャッター13を制御するよう指示を受けると、ホログラムの記録時間に対応するシャッター13の開放時間(記録光の照射時間)、および、シャッター13を閉じる時間(空間光変調器19に表示される情報が変わる時間および参照光RLの入射角度を変更するのに要する時間)を制御する。
【0077】
なお空間光変調器19に表示される情報を変える制御は記録/再生制御部42が行なってもよいし、制御装置41と異なる制御装置(図1には示さず)が行なってもよい。
【0078】
ここで、ホログラム記録媒体の同一領域に多重記録を行なう場合にその領域に記録される情報をまとめたものを1ブックと呼び、1ブックに含まれる複数の情報の各々をページデータ(または「ページ」)と呼ぶことにする。ホログラム記録媒体27の同一領域に多重記録を行なう場合、1ブックには参照光RLの入射角度を変えながら記録された複数のページデータが含まれている。
【0079】
1ブックに相当する情報をホログラム記録媒体に多重記録する場合、1ブックの最初のページから最後のページを記録する間にホログラム記録媒体の感度は変化する。これは、1ページを記録する毎にホログラム記録材料中の反応物質が消費されて反応物質の濃度が低下するためである。このため、1ブック中の複数のページ間で、ある一定の回折効率を得るために必要な露光量はページ毎に異なる。ページ毎に露光量を変えるためには、露光時間や露光照度をページ毎に変化させるなどの工夫が必要となる。
【0080】
ホログラム記録媒体が先に述べたような非線形な感度領域を持たない場合には、1ブックの最初のページから順に記録を行なう際に、ホログラム記録媒体の感度の低下に応じて露光時間を増加させればよい。しかしながら、非線形な感度領域を持つホログラム記録媒体の場合には、この領域を消費する(非線形な感度領域を残さない)ための処理が必要となる。以下ではこの処理のことを「前処理」と呼ぶことにする。
【0081】
一般的に、前処理に用いる光はインコヒーレントな光のほうがコヒーレントな光よりも良いとされている。この理由は、再生像のバックグラウンドノイズが少なくなるためである。これに対し、本実施形態では、記録・再生用の光源と同一の光源および光学系を用いて前処理が行なわれる。すなわち前処理ではコヒーレントな光がホログラム記録媒体に照射される。
【0082】
前処理においても、上述した記録動作と同様に、信号光SLと参照光RLとがホログラム記録媒体上で重なる。よって信号光SLと参照光RLとの干渉による干渉縞がホログラムとして記録される。すなわち本実施の形態によれば、前処理においてもホログラムを記録できる。
【0083】
一般的な前処理ではホログラム記録媒体上に干渉縞は形成されないので、光照射によって非線形な感度領域が消費されるだけである。しかし本実施の形態による前処理方法では、非線形な感度領域が消費される際にホログラムが記録される。よって本実施の形態によればホログラム記録媒体の記録容量を向上することができる。
【0084】
以下、本実施形態における前処理の動作について図2を参照して詳しく説明する。尚、前述の記録時の動作と重複する点については説明を繰返さず、異なる点についてのみ説明する。
【0085】
図2を参照して、前述した記録時の動作(図1参照)と同様に、レーザ光源11から出射されたレーザ光PLは、信号光SLと参照光RLとに分けられ、別々の光路を通ってホログラム記録媒体27に照射される。空間光変調器19はある情報を持ったページデータを表示する。これにより非線形の感度領域を消費するとともに1ブックの1ページ目の情報をホログラム記録媒体27に記録できる。よって1ブックの記録速度を向上することができる。さらにホログラム記録媒体に含まれる光反応物質を情報の記録のために有効利用できる。よって、ダイナミックレンジの無駄な消費を削減できる。
【0086】
なお、前処理の段階では、空間光変調器19に特定の情報を持たないパターンを表示させてもよい。この場合には、一般的な前処理と同様に非線形な感度領域を消費する処理が行なわれる。この処理は、ホログラムの多重記録に先立って記録領域に記録光を予備的に照射する処理である。以下ではこの処理を「予備照射」と呼ぶことにする。
【0087】
すなわち、本実施の形態では、一般的に「前処理」と呼ばれる処理において、1番目のホログラムを記録することもできるし、予備照射のみ行なうこともできる。
【0088】
偏光角度回転ミラー30の角度は、ホログラム記録媒体27を透過した参照光RLに対して反射面が垂直となるように、記録/再生制御部42により設定される。偏光角度回転ミラー30によって反射された参照光RLは、S偏光からP偏光に偏光されるとともに、往路と同じ光路をたどってホログラム記録媒体27に照射される。
【0089】
なお、角度回転ミラー29は、ホログラム記録媒体27を透過した参照光RLの経路をたどりながら進む光(すなわち参照光RLの反射光)を生成する機能を実現する。つまり参照光RLの反射光とは参照光RLに対する位相共役光であり、角度回転ミラー29は位相共役光を生成する機能を実現する。1/4波長板28は、この位相共役光の偏光方向をホログラム記録媒体27に入射する参照光RLおよび信号光SLの偏光方向(いずれもS偏光)と異なる方向(P偏光)に変化させる機能を実現する。
【0090】
ホログラム記録媒体27に戻る参照光RLはP偏光である。ホログラム記録媒体27に戻った参照光RLと信号光SLとでは干渉が生じないので、これらの光による干渉縞は形成されない。よってホログラム記録媒体27には所望の情報を持ったホログラムが記録される。
【0091】
また、前処理時にホログラム記録媒体27へ照射される記録光の強度(信号光SLの強度および参照光RLの強度を合わせたもの)は、記録時の記録光の強度に比べてホログラム記録媒体27に戻る参照光RLの強度分だけ大きい。これにより前処理時にホログラムの記録速度を高めることができる。
【0092】
なお、偏光角度回転ミラー30の代わりに、1/4波長板と角度回転ミラーとを別々に設けても同等の効果が得られる。ただしこの場合、角度回転ミラーへの参照光RLの入射角度に応じて1/4波長板への入射角度が変化するため、直線偏光が得られるとは限らない。このため、ホログラム記録媒体27に戻る参照光RLと信号光SLとの干渉によりホログラム記録媒体27にホログラムが形成される可能性がある。このホログラムは情報を再生する際にノイズを発生させる。したがって、1/4波長板と角度回転ミラーとを別々に設ける場合には、これらの回転を同期させることが好ましい。
【0093】
参照光RLが偏光角度回転ミラー30で反射してホログラム記録媒体27に再び照射されると、記録途中に形成されたホログラムによって対物レンズ24の方向に回折光(再生光CL)が発生する。この再生光CLは、対物レンズ24およびリレーレンズ22を通り、偏光ビームスプリッタ18に入射する。再生光CLの偏光方向はP偏光であるので、再生光CLは偏光ビームスプリッタ18を直進して撮像素子20に結像される。さらに、再生光CLの一部は、撮像素子20の近傍、かつ撮像素子20の撮像部分(撮像エリア)と重ならない位置に設置された光検知器21によって検知される。
【0094】
再生光CLは、記録光の一部(すなわちホログラム記録媒体27を透過し、かつ偏光角度回転ミラーでの反射によりホログラム記録媒体に再入射した参照光RL)がホログラムで回折することにより生じた回折光である。本実施の形態では、この再生光CLが撮像素子20および光検知器21によって検知される。
【0095】
図3は、再生光の撮像素子および光検知器への入射形態を示した図である。図3を参照して、空間光変調器19の表示部は、記録情報用データ領域31と、回折光検出用データ領域32とを含む。撮像素子20の撮像エリア20Aには記録情報用データ領域31に表示されるデータが入射する。光検知器21には回折光検出用データ領域32に表示されるデータが入射する。このように光学系を調整することによって撮像素子20の撮像エリアを有効に利用できるので1ページあたりのデータ容量を増大できる。
【0096】
図2に戻り、前処理時には信号光SLはホログラム記録媒体27に連続的に照射されてもよいし、信号光SLの照射と遮断とが一定時間毎に繰返されてもよい。信号光SLがホログラム記録媒体に連続的に照射される場合には、ホログラムを記録する際の記録時間を短縮できるので前処理時間を短縮できる。また、信号光制御部46が不要となる。
【0097】
なお、この場合には、偏光角度回転ミラー30(1/4波長板28、角度回転ミラー29)および偏光ビームスプリッタ18が、再生光CLと記録光(信号光SLおよび参照光RL)とを分離するための分離部を構成する。
【0098】
これに対し、信号光SLの照射と遮断が一定時間毎に繰返される場合には、光検知器21は撮像素子20の近傍に配置されていなくてもよい。たとえば光検知器21は、ホログラム記録媒体27を透過する信号光SLの光路上に設置されていてもよい。信号光SLの遮断時に参照光RLはホログラム記録媒体27に記録された(あるいは記録途中である)ホログラムで回折する。これにより信号光SLの遮断時には再生光CLに相当する回折光が発生する。再生光CLの進行方向は、信号光SLがホログラム記録媒体27を透過するときの信号光SLの進行方向と同じ方向である。
【0099】
光検知器21がこの回折光を検知することによって上述の動作と同様の動作を実現できる。これによりホログラム記録媒体27を透過した参照光RLはホログラム記録媒体27に戻らなくてもよい。よって偏光角度回転ミラー30の角度を参照光RLに対して垂直に設定しなくてもよい。
【0100】
ただし、この場合には、信号光SLが遮断されているときに再生光CLを検知することが可能になる。したがって信号光SLの遮断と再生光CLの検知とを同期させる必要がある。
【0101】
以下に、信号光SLを一定時間毎に遮断するための構成について図に示しながら説明する。なお、下記に示す構成は一例であって、信号光SLを一定時間ごとに遮断するための構成を限定するものではない。
【0102】
図4は、本実施の形態において信号光SLを一定時間毎に遮断するための第1の構成を説明する図である。図4を参照して、シャッター51が信号光SLの光路中に設置される。信号光制御部46は、シャッター51を一定時間毎に開閉する。
【0103】
シャッター51は、再生光CLへの影響を防ぐために偏光ビームスプリッタ16と偏光ビームスプリッタ18との間に設置されることが好ましい。より好ましくは、シャッター51はビームエキスパンダ17の2枚のレンズの間、かつ光束が最も絞られる位置に設置される。これによりシャッター51の動きが小さくても信号光SLを確実に遮断することができるので、短時間で信号光SLの照射と遮断とを切換えることができる。したがって再生光のCLの強度を正確に検出することができる。
【0104】
なお、この構成では、シャッター51および信号光制御部46が、再生光CLと記録光とを分離するための分離部を構成する。
【0105】
図5は、本実施の形態において、信号光SLを一定時間毎に遮断するための第2の構成例を説明する図である。図5を参照して、信号光制御部46は空間光変調器19の表示を高速に変化させることにより空間光変調器19に入射する信号光SLをホログラム記録媒体27への照射方向と異なる方向(図中において破線により示す方向)に反射させる。これによりホログラム記録媒体27への信号光SLの照射を遮断することができる。
【0106】
なお、この構成では、空間光変調器19および信号光制御部46が、再生光CLと記録光とを分離するための分離部を構成する。
【0107】
図6は、本実施の形態において、信号光SLを一定時間毎に遮断するための第3の構成例を説明する図である。図6を参照して、信号光制御部46は半波長板15を回転させて、半波長板15を透過した光がS偏光のみとなる状態を一定時間毎に作る。S偏光は偏光ビームスプリッタ16を透過しないので、この状態は信号光SLが遮断された状態に相当する。
【0108】
なお、この構成では、半波長板15、偏光ビームスプリッタ16および信号光制御部46が再生光CLと記録光とを分離するための分離部を構成する。
【0109】
再び図2に戻り、再生光CLの強度は記録光の照射強度(信号光SLの照射強度および参照光RLの照射強度の和)と記録時間との積で表される記録露光量の増加に従って増加する。これは、ホログラムが記録されるに従って回折効率が増加するためである。
【0110】
記録停止部43は光検知器21が検知する再生光CLの強度が事前に設定された基準値を超えるとシャッター13を閉じる。これにより1ページ目の情報の記録が終了する。本実施の形態では、記録停止部43は、記録/再生制御部42からシャッター13を制御するよう指示を受けて、上述の制御を行なう。
【0111】
本実施の形態のホログラム記録再生装置10は分離部を備えているので記録光と再生光CLとを分離することが可能になる。したがって記録停止部43が再生光CLの強度に基づいてシャッター13を制御することができる。
【0112】
続いて再生光CLの強度の基準値の設定について説明する。再生光CLの強度の基準値は、以下の事項を考慮して設定されることが好ましい。
【0113】
図7は、フォトポリマーを記録層に用いたホログラム記録媒体にホログラムを記録した際の露光量に対する再生光の回折効率の変化を示す図である。
【0114】
図7を参照して、フォトポリマーを記録層に用いたホログラム記録媒体は、非線形な感度領域50を有する。この感度領域50は、記録前に記録層が外光により感光されることを防ぐためにあらかじめ記録媒体に設けられるものであったり、記録層中に溶存する重合阻害物質による影響を受けて記録媒体に存在するものであったりする。図7において前処理に最適な露光量(記録光の照射量)をEoptと示す。Eoptとは、ホログラム記録媒体の感度が線形(図中に点線にて示す)となるまでに要する露光量である。
【0115】
前処理の露光量がEoptとなるように制御できれば、前処理時には必要以上に露光をすることがなくなる。これにより前処理時間の短縮およびホログラム記録媒体のダイナミックレンジの有効利用が実現できる。
【0116】
前処理の露光量がEoptより小さい場合、情報の記録は感度領域50にて開始される。これによりすべてのページにわたり一定の回折光強度を得るための露光量の制御が複雑になることが考えられる。
【0117】
一方、前処理での露光量がEoptよりも大きい場合、前処理での記録時間(露光時間)は露光量がEoptである場合の記録時間(露光時間)より長くなる。したがって前処理時の記録速度は低下する。さらに、前処理によってホログラム記録媒体のダイナミックレンジが無駄に消費されるため記録容量が低下する。さらに、再生像では前処理時に記録されたホログラムによるバックグラウンドノイズの影響が増大する。
【0118】
これらの理由により、再生光強度の基準値は露光量Eoptで前処理を行なった場合に得られる再生光強度の値に設定することが好ましい。この基準値は、たとえば予め実験により得られたデータに基づいて設定することができる。
【0119】
なお、最適な露光量Eoptでホログラム記録媒体27を露光したときに得られる再生光強度が光検知器21あるいは撮像素子20の検出限界値に比べて小さい場合には、再生光強度の基準値は光検知器21の検出限界値あるいは撮像素子20の検出限界値に設定することが好ましい。
【0120】
また、撮像素子20でのS/N比(Signal to Noise Ratio)が最もよくなる再生光強度が予め分かっている場合には、その再生光強度を基準値と設定してもよい。
【0121】
上記のように、本実施の形態では、前処理時にホログラムを媒体に記録するとともに記録途中のホログラムからの再生光(回折光)の強度を検知する。本実施の形態では、光検知器21が検知した再生光(回折光)の強度に基づいて記録停止部43がシャッター13を閉じる(前処理を停止する)。これにより、記録媒体ごとに性質や状態が違っていても前処理が過剰になったり不足したりするのを防ぐことができる。
【0122】
このような前処理の制御によって記録時間を短縮できる。またホログラム記録媒体のダイナミックレンジを有効に活用することができる。さらに、前処理と同時に1ページ目の情報を記録することができるため、記録時間の短縮、および記録容量の向上も期待できる。
【0123】
前処理が終了した後は、空間光変調器19の表示が、次に記録される情報を持ったデータページに変わる。これとともに、角度回転ミラー25がわずかに回転して、参照光RLの入射角度が変更される。その後、シャッター13が開くと、前述した角度多重記録が開始される。この場合、ホログラム記録媒体の感度領域は線形の感度領域(図7)となっているため、回折効率は露光量に比例して変化する。露光量すなわち記録光の照射量は時間的に一定であるので、記録停止部44は露光時間を制御することによって各ページの回折効率を一定に制御する。なお、記録中には偏光角度回転ミラー30の角度は、参照光RLがホログラム記録媒体27に戻らない角度に設定される。これによりホログラム記録にとって不要な露光を避けることができるので、ホログラム記録媒体27のダイナミックレンジの無駄な消費を抑えられる。
【0124】
このように記録停止部43,44の動作を組み合わせることによって、ホログラム記録媒体の性質や状態によらず、一定の信頼性を確保することが可能になる。また、記録・再生用の光源以外の光源を必要としないので、装置の大型化を回避できる。
【0125】
なお記録停止部43、44の動作の順序は記録/再生制御部42により制御される。たとえば記録/再生制御部42はホログラム記録媒体の同一記録領域への記録光の照射回数(記録光の遮断回数でもよい)をカウントすることによって記録光の照射停止を記録停止部43,44のいずれに行なわせるかを判断する。
【0126】
このようにしてホログラム記録媒体27の同一領域に複数のページが多重記録されるので、その領域にブックが記録される。
【0127】
なお、上述の前処理はブックを記録する毎に行なわなくてもよい。たとえばホログラム記録媒体を複数の領域(セクター)に予め分けておき、そのセクターに初めて記録光を照射するときだけ記録停止部43がシャッター13を閉じ、以後の記録光の照射時には記録停止部44がシャッター13を閉じてもよい。
【0128】
この場合、制御装置41はそのセクターに初めて多重記録を行なうときの前処理(予備照射でもよいし、1番目のホログラムを記録するのでもよい)において、記録光の照射開始から照射終了までの時間を計測するとともに、その時間を初回記録時間として記憶する。そして、このセクターにおいて、初回の多重記録が行なわれた場所と異なる場所に多重記録を行なう際に、1番目のホログラムを記録する際の記録光の照射時間を初回記録時間に設定する。すなわちこの場合には、記録光の照射時間が初回記録時間に達すると記録停止部44は、シャッター13を閉じる。
【0129】
また、本実施の形態のホログラム記録再生装置10は、セクター毎にテスト記録を行なうことにより各ページの露光時間を設定してもよい。この場合、テスト記録時にのみ上記の方法で前処理が行なわれ、テスト記録以後に行なわれるブック記録では、その前処理時間が1ページ目の記録時間として設定されてもよい。
【0130】
これらの処理によっても、最初の記録光の照射時に、再生光の強度に基づいて最適な前処理を行なうことができるので、ホログラム記録媒体27の性質や状態に応じた前処理が可能となる。よって、一定の信頼性を確保することができる。
【0131】
次に、図8を参照して、ホログラム記録再生装置10の再生時の動作について説明する。
【0132】
再生時には、半波長板15を透過したレーザ光PLがS偏光となるように半波長板15の回転角度が設定される。S偏光のレーザ光PLは偏光ビームスプリッタ16で反射されるため再生参照光CRLのみが発生する。再生参照光CRLは、角度回転ミラー25およびリレーレンズ26を経て、ホログラム記録媒体27をいったん透過する。当該透過した再生参照光CRLは偏光角度回転ミラー30に入射する。偏光角度回転ミラー30の回転角度は、入射される再生参照光CRLに対して偏光角度回転ミラー30の反射面が垂直となるように記録/再生制御部42により設定される。このため偏光角度回転ミラー30で反射した再生参照光CRLは往路と同じ経路を逆にたどってホログラム記録媒体27に入射する。
【0133】
このとき再生参照光CRLは1/4波長板28を2回透過するので、S偏光からP偏光に偏光される。偏光角度回転ミラー30から戻る再生参照光CRLがホログラム記録媒体27を照射することにより、対物レンズ24の方向に再生光CLが発生する。再生光CLは対物レンズ24およびリレーレンズ22を通り、偏光ビームスプリッタ18に入射する。再生光CLはP偏光であるので、偏光ビームスプリッタ18を直進して撮像素子20に結像される。
【0134】
このとき、光検知器21にも再生光CLが入射する。ただし、再生光CLが光検知器21に入射するのはホログラム記録媒体27上の対応する位置に情報が記録されている場合である。その位置に情報が記録されていない場合には再生光CLは光検知器21に入射しない。
【0135】
撮像素子20は、自身に結像された再生光CL(再生像)に基づいて再生画像信号を生成する。次に、角度回転ミラー25が回転することにより、再生参照光CRLのホログラム記録媒体27への入射角度が変化する。これにより、ホログラム記録媒体27の同一の記録領域からは、別のページに対応する再生光CLが発生する。撮像素子20はこの再生光CLを受けることにより次の再生画像データの信号を生成する。
【0136】
上記の再生動作において、再生参照光CRLは情報の読出対象のホログラムに隣接するホログラムにも照射される。このため、再生光はその隣接ホログラムからも発生する。しかし、隣接ホログラムからの再生光は上述のポリトピックアパーチャ23によって遮光することができる。そのため、本実施の形態のホログラム記録再生装置10は、ホログラム記録媒体27の面内方向(X方向、Y方向)の記録間隔を縮めても、クロストークの少ない再生動作を行なうことができる。
【0137】
また、ホログラム記録媒体は、ホログラム記録、および、外気温の変化に応じた体積変化(収縮および膨張)を起こしやすい。この体積変化に伴ってホログラム記録媒体に記録されているホログラムも変化する。したがってホログラム記録時の参照光入射角度と同じ角度で再生参照光を入射した場合、均一な再生像が得られないために記録された情報を読み出せないことがある。
【0138】
このような場合、ホログラム記録媒体の体積変化に応じて再生参照光の入射角度を調整することにより均一な再生像が得られるよう何らかの補正を行なう必要がある。
【0139】
補正方法としては、撮像素子20で得られる再生像に基づいて再生参照光の入射角度を補正する方法がある。ただし処理が複雑になるとともに処理時間が長くなる可能性がある。これに対し、再生光の強度に基づいて再生参照光の入射角度を補正する方法の場合、処理に要する時間を短縮することができるため好ましい。
【0140】
本実施形態のホログラム記録再生装置10は、撮像素子20の近傍に配置された光検知器21を備える。この光検知器21は再生光CLの強度を検出できる。たとえば記録/再生制御部42は、再生時に角度回転ミラー25の回転角度を変化させ、かつ、再生光CLの強度を光検知器21から取得する。記録/再生制御部42は、再生参照光CRLのホログラム記録媒体27への入射角度と再生光CLの強度とから再生参照光CRLの最適な入射角度を決定し、その値を記憶する。これによりホログラム記録媒体の体積変化(収縮あるいは膨張)に応じて、再生参照光の入射角度を最適な値に補正することができる。
【0141】
以上のように、本実施の形態によれば、ホログラム記録媒体への記録光の照射時において、記録光の一部がホログラムで回折することにより生じた回折光を検知する回折光検知部を備える。これにより、前処理の条件を適切に定めることができる。
【0142】
なお、本実施形態では、角度多重記録で多重記録する際の前処理方法を示した。ただし、本発明はこれに限らず、多重記録を行なうホログラム記録媒体に対して適用可能である。たとえば本発明はコリニア方式によるシフト多重記録に対しても適用できる。
【0143】
また、記録停止部43がシャッター13を閉じた後に記録停止部44がシャッター13を開閉するための制御処理は、記録/再生制御部42が実行するよう限定されるものではない。たとえば記録停止部43がシャッター13を閉じた後、記録停止部44に対してシャッター13の開閉を行なうよう指示してもよい。
【0144】
図9は、実施の形態1によるホログラム記録再生装置10が実行する、ホログラム記録媒体27へのホログラム記録処理を説明するフローチャートである。本実施の形態では、このフローチャートに示す処理に従って、ホログラムが記録されたホログラム記録媒体が製造される。
【0145】
図9を参照して、処理が開始されると、ホログラム記録媒体27が移動する。ステップS100においてホログラム記録再生装置10は前処理を開始する。ステップS110において、記録/再生制御部42は空間光変調器19にページデータを送信する。これにより空間光変調器19は、表示するデータパターンを変更する。
【0146】
ステップS120において、記録/再生制御部42は、角度回転ミラー25に信号SAを送信する。角度回転ミラー25は、信号SAに応じて所定の角度に回転駆動される。
【0147】
ステップS130において、記録/再生制御部42は、偏光角度回転ミラー30に信号SBを送信する。偏光角度回転ミラー30は信号SBに応じて回転駆動され、その反射面が参照光RLに対して垂直になるように配置される。
【0148】
ステップS140において、レーザ光源11から光ビーム(レーザ光PL)が出射される。
【0149】
ステップS150において、信号光制御部46からの信号に応じてシャッター13が開く。それとともに信号光SLおよび参照光RLがホログラム記録媒体27に照射されて、ホログラム記録媒体27内にホログラムが記録される。記録されたホログラム、および参照光RLによって回折光が発生し、光検知器21が回折光(再生光CL)を受光する。
【0150】
ステップS160において、記録停止部43は光検知器21が受けた再生光CLの受光量が、基準値以上か否かを判定する。この基準値は、ホログラム記録媒体27の露光量がEoptである場合の再生光CLの受光量として予め定められた値である。光検知器21の受光量がその基準値に達していない場合(ステップS160においてNO)、処理はステップS150に戻る。一方、光検知器21の受光量が上記の基準値に達した場合(ステップS160においてYES)、ステップS170において、記録停止部43はシャッター13を閉じる。ステップS170の処理が終了すると、前処理が終了する(ステップS180)。
【0151】
ステップS190において、ホログラム記録再生装置10は、ページデータの記録を開始する。ステップS200において、記録/再生制御部42は、空間光変調器19にページデータを送信する。これにより空間光変調器19のページデータが書き換えられて、空間光変調器19の表示パターンが変更される。さらに、記録/再生制御部42は、角度回転ミラー25に信号SAを送信する。角度回転ミラー25は、信号SAに応じて所定の角度に回転駆動される。さらに記録/再生制御部42は、偏光角度回転ミラー30に信号SBを送信する。偏光角度回転ミラー30は、信号SBに応じて回転駆動され、その反射面は参照光RLに対して垂直になる。
【0152】
ステップS210において、記録停止部43がシャッター13を制御することでシャッター13が開かれて、信号光SLおよび参照光RLがホログラム記録媒体27に照射される。次にステップS220において、所定のタイミングで記録停止部44からの信号によりシャッター13が閉じられる。
【0153】
ステップS230において、記録/再生制御部42は、多重記録が終了したか否かを判定する。多重記録がまだ終了していない場合(ステップS230においてNO)、処理はステップS200に戻り、上記ステップS200からS220までの一連の動作が繰り返される。多重記録が終了した場合(ステップS230においてYES)、移動機構(図1等に示さず)がホログラム記録媒体27を移動させて、ホログラム記録媒体27におけるホログラムの記録位置を変更する(ステップS240)。記録位置が変更された後、処理はステップS190に戻る。なお、図9は前処理を実行せずに次の多重記録を行なう処理例を示したものであるが、破線の矢印にて示すようにステップS240の処理の終了後に全体の処理がステップS100に戻ってもよい。つまり、次の多重記録を行なう前に前処理を再度行なってもよい。この場合にはホログラム記録媒体の位置による記録特性のばらつきを抑制することが可能となる。
【0154】
(本実施形態の変形例1)
変形例1では、記録停止部43は光検知器21により検知された再生光強度の変化量(時間微分値)を算出する。記録停止部43はその変化量が基準値を超えた場合に、シャッター13を閉じる。この場合にも前処理での露光量を適切に制御することができる。
【0155】
記録停止部43は、たとえば一定の時間ごとに光検知器21から再生光の強度値を受ける。記録停止部43は、その値を一旦記憶する。記録停止部43は、光検知器21から受ける再生光の強度値と、直前に検知された再生光の強度値(記録停止部43自身が記憶する値)とに基づいて再生光の強度の変化量(時間微分値)を算出する。
【0156】
再生光強度の変化量(微分値)は、最適な露光量Eoptでホログラム記録媒体の記録領域を露光したときに得られる再生光強度に比べ、ホログラム記録媒体の個体差や、状態による差の影響が小さい。このため、再生光強度の変化量に基準値を設けておくことで、本実施の形態に比較して、ホログラム記録媒体の性質や状態に応じた前処理をより適切に行なうことができる。また、その前処理に要する時間も短くすることができる。
【0157】
なお、例えば、記録停止部43が再生光強度値をその検知順に複数個記憶しておき、検知する度に直前に検知した再生光強度値との変化量を算出することも考えられる。この場合、算出した変化量(微分値)が、それ以前の変化量(微分値)に対して所定の倍率以上の大きさになったときに記録停止部43はシャッター13を閉じればよい。しかし、この方法の場合には処理に時間を要することが考えられる。したがって、処理時間の短縮の観点からは上記のように再生光強度の変化量を基準値と比較することが好ましい。
【0158】
(本実施形態の変形例2)
変形例2では、記録停止部43は、撮像素子20から再生光CLの強度(光量)を示す信号を受ける。記録停止部43は再生光CLの強度が基準値を超えるとシャッター13を閉じる。なお、この場合、記録停止部43は、撮像素子の一部の画素により検知された再生光CLの強度を示す信号を撮像素子20から受けるとともに、この強度と基準値とを比較することが好ましい。これにより記録停止部43の処理速度を高めることができる。
【0159】
[実施の形態2]
図10を参照して、実施の形態2によるホログラム記録装置100の構成について説明する。なおホログラム記録装置100の構成要素のうち、実施の形態1によるホログラム記録装置10と同一の要素については以後の説明を繰り返さず、ホログラム記録装置10に対して異なる要素、およびホログラム記録装置10に付加した要素について説明する。
【0160】
ホログラム記録装置100は、光検知器221と、偏光ビームスプリッタ222と、1/4波長板223とをさらに備える点においてホログラム記録装置10と異なる。さらにホログラム記録装置100は、光検知器21を備えていない点においてホログラム記録装置10と異なる。
【0161】
偏光ビームスプリッタ222は、2つのレンズ系から構成されるビームエキスパンダ17内に配置されている。ビームエキスパンダ17の2つのレンズ系の間には信号光SLが収束および発散する領域が存在する。偏光ビームスプリッタ222は、2つのレンズ系の間の領域(信号光SLが収束および発散する領域)かつ信号光SLが発散する位置に配置され、信号光SLと後述する回折光のS偏光とを分離する。
【0162】
光検知器221は、偏光ビームスプリッタ222の近傍に配置され、その受光面は信号光SLの光軸に平行である。1/4波長板223は、撮像素子20の受光側(撮像面)と偏光ビームスプリッタ18との間に配置される。
【0163】
次に、ホログラム記録再生装置100によるホログラム記録媒体27へのホログラム記録処理について説明する。レーザ光源11から出射された信号光SLの偏光方向はP偏光である。信号光SLは偏光ビームスプリッタ222を直進して偏光ビームスプリッタ18に入射する。この点において、ホログラム記録再生装置100の動作はホログラム記録再生装置10の動作と異なる。ただし、ホログラム記録再生装置100による多重記録の他の点については、ホログラム記録再生装置10による多重記録と同様であるので詳細な説明を繰り返さない。
【0164】
続いてホログラム記録再生装置100による前処理時の動作について詳細に説明する。なお、前述の記録時の動作と重複する点については説明を繰り返さず、異なる点を主に説明する。レーザ光源11から出射された光は偏光ビームスプリッタ16により信号光SLと参照光RLとに分離される。信号光SLと参照光RLとは、互いに異なる光路を通ってホログラム記録媒体27に照射される。空間光変調器19はある情報を持ったページデータを表示する。これにより、ホログラム記録媒体27における非線形の感度領域を消費するとともに1ブックの1ページ目の情報をホログラム記録媒体27に記録できる。よって1ブックの記録速度を向上することができる。さらにホログラム記録媒体27に含まれる光反応物質を情報の記録のために有効利用できる。よって、ダイナミックレンジの無駄な消費を削減できる。
【0165】
なお、前処理の段階では、空間光変調器19に特定の情報を持たないパターンを表示させてもよい。この場合には、一般的な前処理と同様に非線形な感度領域を消費する処理が行なわれる。この処理は、ホログラムの多重記録に先立って記録領域に記録光を予備的に照射する処理である。以下では、この処理を、実施の形態1の説明と同様に「予備照射」と呼ぶことにする。
【0166】
すなわち、実施の形態1と同様に、実施の形態2においても、一般的に「前処理」と呼ばれる処理において、1番目のホログラムを記録することもできるし、予備照射のみ行なうこともできる。
【0167】
偏光角度回転ミラー30の角度は、ホログラム記録媒体27を透過した参照光RLに対して反射面が垂直となるように、記録/再生制御部42により設定される。偏光角度回転ミラー30によって反射された参照光RLは、S偏光からP偏光に偏光されるとともに、往路と同じ光路をたどってホログラム記録媒体27に照射される。
【0168】
なお、実施の形態1と同様に、角度回転ミラー29は、ホログラム記録媒体27を透過した参照光RLの経路をたどりながら進む位相共役光(すなわち参照光RLの反射光)を生成する機能を実現する。1/4波長板28は、この位相共役光の偏光方向をホログラム記録媒体27に入射する参照光RLおよび信号光SLの偏光方向(いずれもS偏光)と異なる方向(P偏光)に変化させる機能を実現する。ホログラム記録媒体27に戻る参照光RLはP偏光である。よってホログラム記録媒体27には所望の情報を持ったホログラムが記録される。
【0169】
なお、偏光角度回転ミラー30の代わりに、1/4波長板と角度回転ミラーとを別々に設けても同等の効果が得られる。ただしこの場合、角度回転ミラーへの参照光RLの入射角度に応じて1/4波長板への入射角度が変化するため、直線偏光が得られるとは限らない。このため、ホログラム記録媒体27に戻る参照光RLと信号光SLとの干渉によりホログラム記録媒体27にホログラムが形成される可能性がある。このホログラムは情報を再生する際にノイズを発生させる。したがって、1/4波長板と角度回転ミラーとを別々に設ける場合には、これらの回転を同期させることが好ましい。
【0170】
参照光RLが偏光角度回転ミラー30で反射してホログラム記録媒体27に再び照射されると、記録途中に形成されたホログラムによって対物レンズ24の方向に回折光(再生光CL)が発生する。この再生光CLは、対物レンズ24およびリレーレンズ22を通り、偏光ビームスプリッタ18に入射する。再生光CLの偏光方向はP偏光であるので、再生光CLは偏光ビームスプリッタ18を直進し、さらに1/4波長板223を直進して撮像素子20に結像される。
【0171】
1/4波長板223を直進した再生光CLの一部は、撮像素子20のカバーガラス(図示せず)または撮像素子20の表面(撮像面)で反射する。この反射光は、1/4波長板223を再度透過することによりS偏光となる。S偏光となった反射光である反射光CLS(反射回折光)は偏光ビームスプリッタ18に入射してレーザ光源11の方向に反射される。反射光CLSはビームエキスパンダ17に入射して収束しながら偏光ビームスプリッタ222に入射される。反射光CLSはS偏光であるため、偏光ビームスプリッタ222で反射され、光検知器221に入射される。この反射光CLSは光検知器221により検知される。
【0172】
光検知器221に入射される反射光CLSは収束光であるため、光検知器221における光の検知部分を小さくすることが可能となる。これにより光検知器221の検知時間を短くできるとともに、その感度を高くすることが可能である。記録停止部43は、光検知器221が受けた反射光CLSの受光量が、基準値(ホログラム記録媒体27の露光量がEoptである場合の反射光CLSの受光量として予め定められた値)以上か否かを判定する。光検知器221の受光量が上記の基準値に達した場合、記録停止部43はシャッター13を閉じる。これにより前処理が終了する。
【0173】
なお、前処理終了後の記録動作については実施の形態1と同様であるので以後の説明を繰り返さない。また、ホログラム記録再生装置100による前処理およびデータ記録処理は、図9のフローチャートに従って実行される。
【0174】
このように実施の形態2によれば、ホログラム記録再生装置100は、回折光CLが撮像素子20により反射された反射光CLSを検知する光検知器221を備える。これにより、前処理時において、記録停止部43は反射光CLSの強度に基づいてシャッター13を制御することができる。露光量Eoptに基づいて、シャッター13を閉じるときの反射光CLSの強度を定めることにより、前処理時間の短縮およびホログラム記録媒体のダイナミックレンジの有効利用が実現できる。
【0175】
また、実施の形態2によれば、ホログラム記録再生装置100は、撮像素子20が回折光CLを反射することで生じた反射光CLSの偏光方向と回折光CLの偏光方向とを異ならせる1/4波長板223と、信号光SLと反射光CLSの各々の偏光方向の違いに基づき信号光SLと反射光CLSとを分光する偏光ビームスプリッタ222とを含む。これによって、光検知器221は反射光CLSの強度を精度よく検知することができる。
【0176】
また、実施の形態2によれば、偏光ビームスプリッタ222はビームエキスパンダ17内に配置される。具体的には、偏光ビームスプリッタ222はビームエキスパンダ17を構成する2つのレンズ系の間(詳細には信号光SLが収束および発散する領域であって、信号光SLが発散する位置)に配置される。これにより光検知器221に入射される反射光CLSを収束光とすることができるので光検知器221の光を検知する部分を小さくすることが可能となる。これにより光検知器221の検知時間を短くできるとともに感度を高くすることが可能になる。
【0177】
なお、本実施の形態1および2では、ホログラムの記録および再生の両方を行なうことが可能なホログラム記録再生装置を示した。しかし、ホログラムを記録する機能を有する装置であれば、本発明を適用できる。したがって、本発明はホログラム記録装置(およびその記録装置を備える記録再生装置)にも適用できる。
【0178】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】本発明の実施の形態1によるホログラム記録再生装置10の主要部の構成、およびホログラム記録再生装置10の記録時の動作を示す図である。
【図2】ホログラム記録再生装置10の前処理時の動作を示す図である。
【図3】再生光の撮像素子および光検知器への入射形態を示した図である。
【図4】本実施の形態において信号光SLを一定時間毎に遮断するための第1の構成例を説明する図である。
【図5】本実施の形態において信号光SLを一定時間毎に遮断するための第2の構成例を説明する図である。
【図6】本実施の形態において信号光SLを一定時間毎に遮断するための第3の構成例を説明する図である。
【図7】フォトポリマーを記録層に用いたホログラム記録媒体にホログラムを記録した際の露光量に対する再生光の回折効率の変化を示す図である。
【図8】ホログラム記録再生装置10の再生時の動作を示す図である。
【図9】実施の形態1によるホログラム記録再生装置10が実行する、ホログラム記録媒体27へのホログラム記録処理を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2によるホログラム記録再生装置100の主要部の構成、およびホログラム記録再生装置100の記録時の動作を示す図である。
【符号の説明】
【0180】
1 記録光光学系、10 ホログラム記録再生装置、11 レーザ光源、12 スペイシャルフィルタ、13,51 シャッター、14 コリメータレンズ、15 半波長板、16,18,222 偏光ビームスプリッタ、17 ビームエキスパンダ、19 空間光変調器(SLM)、20 撮像素子、20A 撮像エリア、21,221 光検知器、22,26 リレーレンズ、23 ポリトピックアパーチャ、24 対物レンズ、25,29 角度回転ミラー、27 ホログラム記録媒体、28,223 1/4波長板、30 偏光角度回転ミラー、31 記録情報用データ領域、32 回折光検出用データ領域、41 制御装置、42 記録/再生制御部、43,44 記録停止部、46 信号光制御部、50 感度領域、A,B 経路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号光と参照光とを含む記録光を記録媒体に照射して、前記記録媒体にホログラムを記録する記録光光学系と、
前記ホログラムの記録中に、前記参照光が前記ホログラムで回折することにより生じた回折光を検知する回折光検知器とを備える、ホログラム記録装置。
【請求項2】
前記ホログラム記録装置は、
前記ホログラムの記録中に前記記録媒体を透過した前記参照光を反射させる反射ミラーをさらに備える、請求項1に記載のホログラム記録装置。
【請求項3】
前記ホログラム記録装置は、
前記回折光検知器により検知された前記回折光の強度に基づいて前記ホログラムの記録条件を制御する制御部をさらに備える、請求項1または2に記載のホログラム記録装置。
【請求項4】
前記ホログラム記録装置は、前記記録媒体の同一の対象箇所にホログラムの多重記録を行なう装置であり、
前記制御部は、
前記回折光の強度を検知して、前記回折光の強度が基準値に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する第1の記録停止部と、
前記対象箇所への前記記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する第2の記録停止部とを含み、
前記第1の記録停止部は、前記多重記録に先立って前記記録光を前記対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、前記予備照射に代えて前記多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかの場合には、前記対象箇所への前記記録光の照射を停止し、
前記第2の記録停止部は、前記第1の記録停止部による前記記録光の照射停止後にホログラムが記録される場合に、前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する、請求項3に記載のホログラム記録装置。
【請求項5】
前記ホログラム記録装置は、前記記録媒体の同一の対象箇所にホログラムの多重記録を行なう装置であり、
前記制御部は、
前記回折光の強度を検知して、前記回折光の強度の時間微分値が基準値に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する第1の記録停止部と、
前記対象箇所への前記記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する第2の記録停止部とを含み、
前記第1の記録停止部は、前記多重記録に先立って前記記録光を前記対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、前記予備照射に代えて前記多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかの場合には、前記対象箇所への前記記録光の照射を停止し、
前記第2の記録停止部は、前記第1の記録停止部による前記記録光の照射停止後にホログラムが記録される場合に、前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する、請求項3に記載のホログラム記録装置。
【請求項6】
前記ホログラム記録装置は、前記記録媒体の同一の記録領域に、ホログラムの多重記録を複数回行なう装置であり、
前記制御部は、
前記回折光の強度を検知して、前記回折光の強度が基準値に達すると前記記録領域中の対象箇所への前記記録光の照射を停止する第1の記録停止部と、
前記対象箇所への前記記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する第2の記録停止部とを含み、
前記第1の記録停止部は、1番目の多重記録時に、前記記録光を前記対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、前記1番目の多重記録時に前記予備照射に代えて1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかにおいて、前記対象箇所への前記記録光の照射を停止し、
前記第2の記録停止部は、前記第1の記録停止部による前記記録光の照射停止後にホログラムが記録される場合において、前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する、請求項3に記載のホログラム記録装置。
【請求項7】
前記ホログラム記録装置は、前記記録媒体の同一の記録領域に、ホログラムの多重記録を複数回行なう装置であり、
前記制御部は、
前記回折光の強度を検知して、前記回折光の強度の微分値が基準値に達すると前記記録領域中の対象箇所への前記記録光の照射を停止する第1の記録停止部と、
前記対象箇所への前記記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する第2の記録停止部とを含み、
前記第1の記録停止部は、1番目の多重記録時に前記記録光を前記対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、前記1番目の多重記録時に前記予備照射に代えて前記多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかにおいて、前記対象箇所への前記記録光の照射を停止し、
前記第2の記録停止部は、前記第1の記録停止部による前記記録光の照射停止後に前記対象箇所に前記記録光が照射された場合に、前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する、請求項3に記載のホログラム記録装置。
【請求項8】
前記第1の記録停止部は、前記ホログラムの記録時に、前記回折光を受けて前記回折光の強度を検知する撮像素子を有する、請求項4から7のいずれか1項に記載のホログラム記録装置。
【請求項9】
前記ホログラムの記録中に、前記回折光と前記記録媒体に照射される前記記録光とを分離するための分離部をさらに備える、請求項8に記載のホログラム記録装置。
【請求項10】
前記分離部は、
前記参照光の位相共役光を生成するとともに、前記位相共役光を前記ホログラムに入射させる位相共役光生成部と、
前記位相共役光生成部と前記ホログラムとの間の前記位相共役光の経路上に設けられ、前記位相共役光の偏光方向を前記記録光の偏光方向と異ならせる偏光素子と、
前記位相共役光が前記ホログラムで回折することにより生じた前記回折光と、前記記録光とを各々の偏光方向の違いに基づき分光する偏光分光素子とを含む、請求項9に記載のホログラム記録装置。
【請求項11】
前記回折光検知器は、前記回折光が前記撮像素子により反射された反射回折光を検知する、請求項8に記載のホログラム記録装置。
【請求項12】
前記ホログラムの記録中に、前記記録媒体に照射される前記記録光と前記反射回折光とを分離するための反射回折光分離部をさらに備える、請求項11に記載のホログラム記録装置。
【請求項13】
前記反射回折光分離部は、
前記参照光の位相共役光を生成するとともに、前記位相共役光を前記ホログラムに入射させる位相共役光生成部と、
前記位相共役光生成部と前記ホログラムとの間の前記位相共役光の経路上に設けられ、前記位相共役光の偏光方向を前記記録光の偏光方向と異ならせる偏光素子と、
前記位相共役光が前記ホログラムで回折することにより生じた前記回折光と、前記記録光とを各々の偏光方向の違いに基づき分光する偏光分光素子と、
前記撮像素子が反射した前記反射回折光の偏光方向と前記回折光の偏光方向とを異ならせる反射用偏光素子と、
前記記録光と前記反射回折光との各々の偏光方向の違いに基づき前記記録光と前記反射回折光とを分光する検知器入射用偏光分光素子とを含む、請求項12に記載のホログラム記録装置。
【請求項14】
前記ホログラム記録装置は、
前記記録光の直径を拡大させる、複数のレンズからなるビームエキスパンダをさらに備え、
前記検知器入射用偏光分光素子は、前記ビームエキスパンダ内において、前記複数のレンズのうちの2つのレンズの間に配置される、請求項13に記載のホログラム記録装置。
【請求項15】
前記回折光検知器に入射する前記反射回折光は収束光である、請求項11から14のいずれか1項に記載のホログラム記録装置。
【請求項16】
前記分離部は、前記信号光の前記記録媒体への入射を遮断するための遮断部を含む、請求項9に記載のホログラム記録装置。
【請求項17】
前記反射回折光分離部は、前記信号光の前記記録媒体への入射を遮断するための遮断部を含む、請求項12に記載のホログラム記録装置。
【請求項18】
信号光と参照光とを含む記録光を記録媒体に照射して、前記記録媒体にホログラムを記録する記録光光学系と、
前記ホログラムの記録中に、前記参照光が前記ホログラムで回折することにより生じた回折光を検知する回折光検知器とを備える、ホログラム記録再生装置。
【請求項19】
前記ホログラム記録再生装置は、
前記ホログラムの記録中に前記記録媒体を透過した前記参照光を反射させる反射ミラーをさらに備える、請求項18に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項20】
前記ホログラム記録再生装置は、
前記回折光検知器により検知された前記回折光の強度に基づいて前記ホログラムの記録条件を制御する制御部をさらに備える、請求項18または19に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項21】
前記ホログラム記録再生装置は、前記記録媒体の同一の対象箇所にホログラムの多重記録を行なう装置であり、
前記制御部は、
前記回折光の強度を検知して、前記回折光の強度が基準値に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する第1の記録停止部と、
前記対象箇所への前記記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する第2の記録停止部とを含み、
前記第1の記録停止部は、前記多重記録に先立って前記記録光を前記対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、前記予備照射に代えて前記多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかの場合には、前記対象箇所への前記記録光の照射を停止し、
前記第2の記録停止部は、前記第1の記録停止部による前記記録光の照射停止後にホログラムが記録される場合に、前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する、請求項20に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項22】
前記ホログラム記録再生装置は、前記記録媒体の同一の対象箇所にホログラムの多重記録を行なう装置であり、
前記制御部は、
前記回折光の強度を検知して、前記回折光の強度の時間微分値が基準値に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する第1の記録停止部と、
前記対象箇所への前記記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する第2の記録停止部とを含み、
前記第1の記録停止部は、前記多重記録に先立って前記記録光を前記対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、前記予備照射に代えて前記多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかの場合には、前記対象箇所への前記記録光の照射を停止し、
前記第2の記録停止部は、前記第1の記録停止部による前記記録光の照射停止後にホログラムが記録される場合に、前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する、請求項20に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項23】
前記ホログラム記録再生装置は、前記記録媒体の同一の記録領域に、ホログラムの多重記録を複数回行なう装置であり、
前記制御部は、
前記回折光の強度を検知して、前記回折光の強度が基準値に達すると前記記録領域中の対象箇所への前記記録光の照射を停止する第1の記録停止部と、
前記対象箇所への前記記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する第2の記録停止部とを含み、
前記第1の記録停止部は、1番目の多重記録時に、前記記録光を前記対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、前記1番目の多重記録時に前記予備照射に代えて1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかにおいて、前記対象箇所への前記記録光の照射を停止し、
前記第2の記録停止部は、前記第1の記録停止部による前記記録光の照射停止後にホログラムが記録される場合において、前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する、請求項20に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項24】
前記ホログラム記録再生装置は、前記記録媒体の同一の記録領域に、ホログラムの多重記録を複数回行なう装置であり、
前記制御部は、
前記回折光の強度を検知して、前記回折光の強度の微分値が基準値に達すると前記記録領域中の対象箇所への前記記録光の照射を停止する第1の記録停止部と、
前記対象箇所への前記記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する第2の記録停止部とを含み、
前記第1の記録停止部は、1番目の多重記録時に前記記録光を前記対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、前記1番目の多重記録時に前記予備照射に代えて前記多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかにおいて、前記対象箇所への前記記録光の照射を停止し、
前記第2の記録停止部は、前記第1の記録停止部による前記記録光の照射停止後に前記対象箇所に前記記録光が照射された場合に、前記対象箇所への前記記録光の照射を停止する、請求項20に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項25】
前記記録光光学系は、前記ホログラムの再生時に、前記参照光を前記ホログラムに照射し、
前記ホログラム記録再生装置は、前記ホログラムの再生時に、前記ホログラムでの前記参照光の回折により再生された再生像を撮像する撮像素子をさらに備える、請求項18から24のいずれか1項に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項26】
前記回折光検知器は、前記撮像素子の近傍に設けられる、請求項25に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項27】
前記記録光光学系は、前記ホログラムの再生時に、前記参照光を前記ホログラムに照射し、
前記第1の記録停止部は、前記ホログラムの再生時には前記ホログラムでの前記参照光の回折により生じる再生像を撮像し、前記ホログラムの記録時には、前記回折光を受けて前記回折光の強度を検知する撮像素子を有する、請求項21から24のいずれか1項に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項28】
前記ホログラムの記録中に前記回折光と前記記録媒体に照射される前記記録光とを分離するための分離部をさらに備える、請求項25から27のいずれか1項に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項29】
前記分離部は、
前記参照光の位相共役光を生成するとともに、前記位相共役光を前記ホログラムに入射させる位相共役光生成部と、
前記位相共役光生成部と前記ホログラムとの間の前記位相共役光の経路上に設けられ、前記位相共役光の偏光方向を前記記録光の偏光方向と異ならせる偏光素子と、
前記位相共役光が前記ホログラムで回折することにより生じた前記回折光と、前記記録光とを各々の偏光方向の違いに基づき分光する偏光分光素子とを含む、請求項28に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項30】
前記回折光検知器は、前記回折光が前記撮像素子により反射された反射回折光を検知する、請求項25に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項31】
前記ホログラムの記録中に、前記記録媒体に照射される前記記録光と前記反射回折光とを分離するための反射回折光分離部をさらに備える、請求項30に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項32】
前記反射回折光分離部は、
前記参照光の位相共役光を生成するとともに、前記位相共役光を前記ホログラムに入射させる位相共役光生成部と、
前記位相共役光生成部と前記ホログラムとの間の前記位相共役光の経路上に設けられ、前記位相共役光の偏光方向を前記記録光の偏光方向と異ならせる偏光素子と、
前記位相共役光が前記ホログラムで回折することにより生じた前記回折光と、前記記録光とを各々の偏光方向の違いに基づき分光する偏光分光素子と、
前記撮像素子が反射した前記反射回折光の偏光方向と前記回折光の偏光方向とを異ならせる反射用偏光素子と、
前記記録光と前記反射回折光との各々の偏光方向の違いに基づき前記記録光と前記反射回折光とを分光する検知器入射用偏光分光素子とを含む、請求項31に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項33】
前記ホログラム記録再生装置は、
前記記録光の直径を拡大させる、複数のレンズからなるビームエキスパンダをさらに備え、
前記検知器入射用偏光分光素子は、前記ビームエキスパンダ内において、前記複数のレンズのうちの2つのレンズの間に配置される、請求項32に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項34】
前記回折光検知器に入射する前記反射回折光は収束光である、請求項30から33のいずれか1項に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項35】
前記分離部は、
前記信号光の前記記録媒体への入射を遮断するための遮断部を含む、請求項28に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項36】
前記反射回折光分離部は、
前記信号光の前記記録媒体への入射を遮断するための遮断部を含む、請求項31に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項37】
信号光と参照光とを含む記録光を記録媒体に照射して、前記記録媒体にホログラムを記録するホログラム記録媒体の製造方法であって、
前記記録媒体への前記記録光の照射時において、前記参照光が前記ホログラムで回折することにより生じた回折光を検知するステップと、
前記回折光の強度が基準値に達した場合に、前記記録媒体への前記記録光の照射を停止するステップとを備える、ホログラム記録媒体の製造方法。
【請求項38】
記録媒体の同一の対象箇所に信号光と参照光とを含む記録光を照射することによりホログラムの多重記録を行なうホログラム記録媒体の製造方法であって、
前記多重記録に先立って前記記録光を前記対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、前記予備照射に代えて前記多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかの場合に、前記参照光が前記ホログラムで回折することにより生じた回折光の強度を検知するステップと、
前記回折光の強度が基準値に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止するステップと、
前記回折光の強度に基づいて前記記録光の照射が停止された後にホログラムが記録される場合において、前記対象箇所への前記記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止するステップとを備える、ホログラム記録媒体の製造方法。
【請求項39】
記録媒体の同一の対象箇所に信号光と参照光とを含む記録光を照射することによりホログラムの多重記録を行ない、かつ前記記録媒体の記録領域に前記多重記録を複数回行なうホログラム記録媒体の製造方法であって、
1番目の多重記録時に前記記録光を前記対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、前記1番目の多重記録時に前記予備照射に代えて1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかにおいて、前記参照光が前記ホログラムで回折することにより生じた回折光の強度を検知するステップと、
前記回折光の強度が基準値に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止するステップと、
前記回折光の強度に基づいて前記記録光の照射が停止された後にホログラムが記録される場合において、前記記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止するステップとを備える、ホログラム記録媒体の製造方法。
【請求項40】
記録媒体の同一の対象箇所に信号光と参照光とを含む記録光を照射することによりホログラムの多重記録を行ない、かつ前記記録媒体の記録領域に前記多重記録を複数回行なうホログラム記録媒体の製造方法であって、
1番目の多重記録時に前記記録光を前記対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、前記1番目の多重記録時に前記予備照射に代えて1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかにおいて、前記参照光が前記ホログラムで回折することにより生じた回折光の強度を検知するステップと、
前記回折光の強度が基準値に達すると、前記記録領域への前記記録光の照射を停止するとともに、前記記録光の照射開始から照射停止までに要した初回記録時間を保存するステップと、
前記1番目の多重記録が行なわれた箇所と異なる箇所で多重記録を行なう場合、1番目のホログラムの記録時には、前記初回記録時間が経過すると前記記録光の照射を停止するステップとを備える、ホログラム記録媒体の製造方法。
【請求項41】
信号光と参照光とを含む記録光を記録媒体に照射して、前記記録媒体にホログラムを記録するホログラム記録媒体の製造方法であって、
前記記録媒体への前記記録光の照射時において、前記参照光が前記ホログラムで回折することにより生じた回折光を検知するステップと、
前記回折光の強度の時間微分値が基準値に達した場合に、前記記録媒体への前記記録光の照射を停止するステップとを備える、ホログラム記録媒体の製造方法。
【請求項42】
記録媒体の同一の対象箇所に信号光と参照光とを含む記録光を照射することによりホログラムの多重記録を行なうホログラム記録媒体の製造方法であって、
前記多重記録に先立って前記記録光を前記対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、前記予備照射に代えて前記多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかの場合に、前記参照光が前記ホログラムで回折することにより生じた回折光の強度を検知するステップと、
前記回折光の強度の時間微分値が基準値に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止するステップと、
前記回折光の強度の時間微分値に基づいて前記記録光の照射が停止された後にホログラムが記録される場合において、前記対象箇所への前記記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止するステップとを備える、ホログラム記録媒体の製造方法。
【請求項43】
記録媒体の同一の対象箇所に信号光と参照光とを含む記録光を照射することによりホログラムの多重記録を行ない、かつ前記記録媒体の記録領域に前記多重記録を複数回行なうホログラム記録媒体の製造方法であって、
1番目の多重記録時に前記記録光を前記対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、前記1番目の多重記録時に前記予備照射に代えて前記多重記録での1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかにおいて、前記参照光が前記ホログラムで回折することにより生じた回折光の強度を検知するステップと、
前記回折光の強度の時間微分値が基準値に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止するステップと、
前記回折光の強度の時間微分値に基づいて前記記録光の照射が停止された後にホログラムが記録される場合において、前記記録光の照射時間が予め定められた時間に達すると前記対象箇所への前記記録光の照射を停止するステップとを備える、ホログラム記録媒体の製造方法。
【請求項44】
記録媒体の同一の対象箇所に信号光と参照光とを含む記録光を照射することによりホログラムの多重記録を行ない、かつ前記記録媒体の記録領域に前記多重記録を複数回行なうホログラム記録媒体の製造方法であって、
1番目の多重記録時に前記記録光を前記対象箇所に予備的に照射する予備照射が行なわれる場合、および、前記1番目の多重記録時に前記予備照射に代えて1番目のホログラムの記録が行なわれる場合のいずれかにおいて、前記参照光が前記ホログラムで回折することにより生じた回折光の強度を検知するステップと、
前記回折光の強度の時間微分値が基準値に達すると、前記記録領域への前記記録光の照射を停止するとともに、前記記録光の照射開始から照射停止までに要した初回記録時間を保存するステップと、
前記1番目の多重記録が行なわれた箇所と異なる箇所で多重記録を行なう場合、1番目のホログラムの記録時には、前記初回記録時間が経過すると前記記録光の照射を停止するステップとを備える、ホログラム記録媒体の製造方法。
【請求項45】
前記記録媒体への前記記録光の照射時において、前記参照光が前記記録媒体を透過した光を反射させる反射ミラーの反射面を、前記参照光の光軸に対して垂直にするステップをさらに備える、請求項37〜44のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−64541(P2009−64541A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153345(P2008−153345)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】