説明

ボイスコイルを用いた線形加圧搬送研削

【課題】ガラス基板の所望の強度およびエッジ品質の特性を低下させずに、正確な量のガラスをエッジから除去する。
【解決手段】研削ユニットに連結された空気軸受滑動部材200が、リニア駆動モータ204によりy軸に沿ってレール部材202の上を滑動するように構成されている。研磨機支持部材304が空気軸受滑動部材200に接続され、研削砥石300を駆動するように構成されているスピンドルモータ302が、研磨機支持部材304に固定され支持されている。研削砥石300に近接して配置された真空チャックが、ガラス基板を研削砥石300に対して三次元にアラインメントし保持するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く、ディスプレイ用ガラス基板に関し、詳しくは、ガラス基板のエッジ仕上げを行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネル・ディスプレイ用基板の製造プロセスでは、標準的な製造設備で加工できる特定のサイズのガラス基板が必要とされる。適切なサイズの基板を得るために、機械的に罫書き破断するプロセス、またはレーザ・スコーリング技法が用いられる。これらのサイジング法のそれぞれにはエッジ仕上げが必要である。この仕上げプロセスは、尖ったエッジや、基板の強度と耐久性を劣化させるかもしれない他の欠陥を除去するためのエッジの研削および/または研磨を含む。さらに、LCDパネルの製造においてガラス基板の取扱いを必要とする加工工程が数多くある。それゆえ、液晶ディスプレイ(LCD)に用いられるガラス基板には、機械的取扱いおよび接触について十分に耐久性のあるエッジが必要である。
【0003】
仕上りエッジは、未仕上げエッジを金属研削砥石で研削することにより形成される。従来のシステムにおいて、ガラス基板は、チャック上に配置され、一連の研削位置を通るように進められる。各位置には、研削砥石に配されたグリットの粗さ/細かさに基づいて異なる研削砥石が備えられている。仕上げプロセスは、ガラス基板が各研削位置を通過した後に完了する。しかしながら、ガラスが研削砥石に対して適切にアライメントされていない場合、仕上がったガラス基板の品質は低下している。特に、ガラスのずれは、ガラスの寸法精度に悪影響を及ぼし得る。第2に、ガラスのずれによってエッジの品質が劣るかもしれない。これにより通常、強度の劣った基板が出来てしまう。したがって、LCD加工工程中に、基板が破損するかもしれない。上述した問題をさらに悪化させるのは、サイズが次第に大きくなってきたディスプレイの需要である。この需要と経済規模の利益によって、AMLCDの製造業者は、より大きなディスプレイ基板を加工するように駆り立てられている。したがって、必須のエッジ品質、寸法精度、および強度を有する大きなディスプレイ基板を提供することが重要である。
【0004】
上述した課題に対処するために考えられている手法が3つある。ある手法において、基板の製造業者は、アライメント精度が改善された研削システムを検討している。残念ながら、LCD製造業者は益々大きな基板を使用してきているので、基板のサイズが大きくなる場合、アライメントの許容範囲がずっと重要になってきた。大きな基板を加工しているときに、小さなスキュー角は大きな誤差となるので、精確なアライメントがより一層必要とされている。この手法の欠点の1つには、必須の精度を有するアライメント器具は得られるかもしれないが、長い時間が経過すると、摩耗のために精度を維持できないという事実がある。
【0005】
検討されてきた別の手法において、より多くの材料を除去することによって、アライメントの精度の欠如を補う研削システムが用いられる。典型的に、エッジ仕上げ研削システムでは、約100マイクロメートルの材料を除去するだけでよい。この概念は、寸法要件を満たすために、より大きな基板を提供し、適量の材料を除去することにある。これを達成する1つの様式は、多数の研削工程を含むシステムを使用することである。これは、研削軸と研削砥石の数がより多くなることにつながる。この手法の欠点の1つは、追加の加工設備の資本費用である。さらに、一旦設備が調達されると、設備がより多くなるので、必要なメンテナンスも増える。材料をより多く除去するための別の様式は、より粗い研削砥石を使用することである。残念ながら、仕上げが粗いと、基板が破損する傾向が大きくなるので、この様式には魅力がない。
【0006】
より多くの材料を除去するためのさらに別の様式は、基板が仕上げシステムを移動する速度を減少させることである。残念ながら、この様式では、製造能力と研削されたエッジの品質が低下してしまう。さらに、生産高を維持すべき場合には、設備投資を増加させる必要があるであろう。
【0007】
検討されているさらに別の手法では、基板のエッジを追跡する自己アライメント研削システムが用いられる。この加圧搬送研削手法では、基板のエッジに垂直な所定の力を加える。旋回要素の周りで回転することによって、エッジの瞬間位置と共に研削砥石が移動する、またはそれを追跡する。研削砥石の位置が基板のエッジの位置により決まるので、それによって得られた基板製品は、従来の研削された基板と比較して、寸法精度が改善されている。残念ながら、この技法にも同様に欠点がある。従来の加圧搬送システムに用いられる円筒旋回軸は機械式軸受けを含む。これらの機械式軸受けの摩擦力を克服するために、約16Nの垂直力を加えなければならない。この力はガラス基板の強度より大きいので、その力が加えられると、基板が破損してしまう。加圧搬送研削手法は見込みがあるように思えるが、上述した問題が克服されない限り使用できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した点を鑑みて、正確な量のガラスを除去し、それでもまだエッジの品質を維持するように構成されたエッジ仕上げ装置を提供することが望ましい。寸法精度の改善されたエッジ仕上げ装置を提供することも望ましい。さらに、エッジ仕上げ装置は、ガラスの所望の強度およびエッジ品質の特性を低下させずに、時宜に適った様式でガラスのエッジを仕上げるべきである。必要とされるものは、上述した従来の加圧搬送研削システムの制限を克服しながら、上述した特徴を提供する加圧搬送研削装置である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した必要性に対処するものである。本発明の加圧搬送研削装置は、従来の加圧搬送研削システムの制限を克服した無摩擦システムを提供する。本発明は、正確な量のガラスを除去するように構成されたエッジ仕上げ装置を提供する。それゆえ、本発明によって仕上げられたガラス基板の寸法精度は、従来のシステムによって仕上げられたガラス基板と比較すると、受け入れられたシートの寸法にずっと近いものとなっている。さらに、本発明は、勝るとも劣らない強度およびエッジ品質を有する仕上がりガラス基板を提供する。
【0010】
本発明のある態様は、ガラス基板の少なくとも1つのエッジを研削または研磨するための装置である。この装置は、アライメントされた位置にあるときに少なくとも1つのエッジから所定量の材料を除去するように構成された研削ユニットを含む。空気軸受滑動システムは、この研削ユニットに連結されている。空気軸受滑動システムは、ゼロ摩擦負荷界面を与える加圧空気の薄い膜上で所定の軸に沿って滑動するように構成されている。この空気軸受滑動システムには、リニア駆動モータが連結されている。リニア駆動モータは、研削ユニットをアライメントされていない位置からアライメントされた位置へと動かすように空気軸受滑動システムの動きを制御するよう構成されている。研削ユニットは、少なくとも1つのエッジに垂直に所定の力を加える。この所定の力は、除去される材料の所定量に正比例し、かつガラス基板を破損させることとなる垂直力よりも小さい。
【0011】
別の態様において、本発明は、ガラス基板の少なくとも1つのエッジを研削または研磨する方法を含む。この方法は、ゼロ摩擦負荷界面を与える加圧空気の薄い膜上で所定の軸に沿って滑動するように構成された空気軸受滑動システムを提供する工程を含む。研削ユニットは、この空気軸受滑動システムに連結されている。この研削ユニットは、アライメントされた位置にあるときに少なくとも1つのエッジから所定量の材料を除去するように構成されている。空気軸受滑動システムの動きは、研削ユニットをアライメントされていない位置からアライメントされた位置へと動かすように制御されている。所定の力が、少なくとも1つのエッジに垂直に加えられる。この所定の力は、除去される材料の所定量に正比例し、かつガラス基板を破損させることとなる垂直力よりも小さい。ガラス基板は、少なくとも1つのエッジから所定量の材料を除去するために研削ユニットに対して接線方向に動かされる。代替として、仕上げされるガラスのエッジに沿って研削ユニットを動かす一方、ガラスシートを固定したまま保持してもよい。
【0012】
本発明の追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部には、その説明から当業者にとっては容易に明らかである、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付の図面を含む、ここに記載された本発明を実施することによって認識されるであろう。
【0013】
先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、本発明の単なる例示であり、特許請求の範囲に記載された本発明の性質および特徴を理解するための概要または構成を与えることを意図したものであることを理解されたい。添付の図面は、本発明をさらに理解するために含まれており、この明細書に包含され、その一部を構成する。それら図面は、本発明の様々な実施の形態を図示しており、説明と一緒に捉えると、本発明の原理および動作を説明するように働く。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による加圧搬送研削システムの斜視図
【図2】図1に示した加圧搬送研削システムの動作を示す斜視図
【図3A】前縁スキュー角を持つガラス基板を示す加圧搬送研削システムの概略平面図
【図3B】図3Aに示した構成のエッジ追跡性能を示すグラフ
【図4A】後縁スキュー角を持つガラス基板を示す加圧搬送研削システムの概略平面図
【図4B】図4Aに示した構成のエッジ追跡性能を示すグラフ
【図5】材料除去への砥石の経年変化の影響を示すグラフ
【図6】本発明による加圧搬送研削システムの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の例示の実施の形態を詳細に参照する。その実施例が添付の図面に図示されている。可能な限り、同じか類似の部品を称するために、図面に亘り出来る限り同じ参照番号が用いられる。本発明の装置の例示の実施形態が図1に示されており、参照番号10で概して全体に亘り指し示されている。
【0016】
本発明によれば、本発明はガラス基板の少なくとも1つのエッジを研削または研磨するための装置に関する。この装置は、アライメントされた位置にあるときに少なくとも1つのエッジから所定量の材料を除去するように構成された研削ユニットを含む。空気軸受滑動システムは、この研削ユニットに連結されている。空気軸受滑動システムは、ゼロ摩擦負荷界面を与える加圧空気の薄い膜上で所定の軸に沿って滑動するように構成されている。この空気軸受滑動システムには、リニア駆動モータが連結されている。リニア駆動モータは、研削ユニットをアライメントされていない位置からアライメントされた位置へと動かすように空気軸受滑動システムの動きを制御するよう構成されている。研削ユニットは、少なくとも1つのエッジに垂直に所定の力を加える。この所定の力は、除去される材料の所定量に正比例し、かつガラス基板を破損させることとなる垂直力よりも小さい。
【0017】
それゆえ、本発明の加圧搬送研削装置は、従来の加圧搬送研削システムの制限を克服している。本発明は、最小量のガラスを除去するように構成されたエッジ仕上げ装置を提供する。それゆえ、本発明によって仕上げられたガラス基板の寸法精度は、従来のシステムによって仕上げられたガラス基板と比較して、最初の(受け入れられたときの)シートの寸法にずっと近くなっている。さらに、本発明は、慣習的な固定の研削プロセスに勝るとも劣らない強度とエッジ品質を有する仕上りガラス基板を提供する。
【0018】
ここに具体化され、図1に図示されているように、本発明による加圧搬送研削システム10の斜視図が開示されている。システム10は、研削ユニット30に連結された空気軸受支持構造20を備えている。空気軸受支持構造20は、固定ハウジング24内に配置された空気軸受シリンダ22を含む。空気軸受シリンダ22は支持台32に連結されている。図示されているように、支持台32は、シリンダ22の縦軸12の周りでの旋回に資する。それゆえ、シリンダ22の縦軸12は、研削ユニット30の回転軸として機能する。空気軸受モータ38が支持台32の一方の端部に配置されている。モータ38は、研削砥石34を駆動するように構成されている。空気圧シリンダ40が、モータ38に連結され、システム10によって仕上げられているガラス基板のエッジに対して垂直な方向に所定の力を加えるように構成されている。釣り合い錘36が、モータ38および研削砥石34とは反対の台32の端部に配置されている。釣り合い錘36が研削ユニット30にz軸における釣合いを与えることが当業者には認識されるであろう。コンベヤ真空チャック60が研削砥石34に近接して配置されている。真空チャック60は、ガラス基板を位置合せするのに用いられる隆起縁62を含む。真空チャック60は、真空源と連通している複数の孔を含む。研削/研磨動作によって熱が生じるので、システム10は、研削砥石34が真空チャック60およびガラス基板と当たる位置に冷却液ノズル50も提供する。
【0019】
空気軸受支持構造20は、軸12の周りの旋回運動に対抗する摩擦抵抗がない限り、どのような適切なタイプのものであってもよい。ある実施の形態において、空気軸受支持構造20は、ニュー・ウェイ・マシーン・コンポーネンツ社(New Way Machine Components, Inc.)により製造されたタイプのものである。本発明において、空気軸受シリンダ22は、そうしなければ互いに接触していたであろう表面の間のゼロ摩擦負荷界面を与える加圧空気の薄い膜により支持される。この薄い膜の空気軸受けは、軸受け自体を通って軸受け表面まで空気流を供給することによって生成される。慣習的な「オリフィス」空気軸受けとは違って、本発明の空気軸受けは、多孔質媒体を通して空気を供給して、軸受け区域全体に亘り均一な圧力を確保する。空気は常に軸受け部位から分散するが、軸受けを通る加圧空気の連続流は、作業負荷を支持するのに十分である。
【0020】
加圧搬送研削システムは、ゼロ静止摩擦空気軸受けによって使用できるようになる。背景技術の項目に述べたように、従来の機械式軸受けの摩擦力を克服するために、約16Nの垂直力を加えなければならない。この力は、ガラス基板の強度を超えている。静止摩擦がゼロであるので、無限の解決策と非常に高い繰返し性が可能である。例えば、研削砥石34に加えられる垂直力はどのような摩擦力も克服する必要がないので、加えられる垂直力は、除去される材料の量と実質的に比例している(チャック速度は一定である)。本発明の発明者等は、典型的なシステムの設定下で、加えられる1N毎に25マイクロメートルの材料が除去されると決定した。エッジに加えられる垂直力は一般に、1N〜6Nの範囲内にある。これは、25〜150マイクロメートルの範囲の量の材料が除去されることに変換される。一般的な用途において、4Nの力が加えられ、約100マイクロメートルの材料が除去される。それゆえ、本発明のゼロ摩擦空気軸受支持構造20によって、寸法精度と精密位置決めにおいて明確な利点が与えられる。ゼロ静止摩擦空気軸受けに関連する特徴および利点が他にもある。
【0021】
ゼロ静止摩擦空気軸受けは非接触式軸受けでもあるので、摩耗が実質的にない。このため、機械の性能が一貫し、粒子の生成が少なくなる。さらに、非接触式空気軸受けによって、潤滑剤の取扱いという従来の軸受けに関連する問題が避けられる。簡単に言えば、空気軸受けは潤滑油を使用しない。したがって、油に関連する問題が解消される。埃っぽい環境(乾式機械加工)において、空気流により生成される上述した正の空気圧によって、周囲の粉塵が除去されるので、空気軸受けは自浄性である。これとは対照的に、従来の油潤滑式軸受けは、周囲の埃が潤滑油と混ざってラッピング・スラリーとなるときに、障害が生じる。
【0022】
図2を参照すると、加圧搬送研削システム10の動作が示されている。最初に、ガラス基板が、隆起縁62により位置合わせされて真空チャック60上に配置される。エッジ仕上げ操作中にガラス基板を適所に保持するように真空に引かれる。この実例において、ガラスシートのサイズは、約457mm×76mm×0.7mmである。研削砥石の角速度は実質的に5,000rpmである。研削砥石34は、初期位置で基板の前縁エッジに配置され、空気圧シリンダ40(図示せず)によって4Nの垂直力が加えられる。ガラス基板は、約5メートル/分の速度で真空チャック60によって接線方向に直線的に進められる。研削/研磨操作の終了時に、研削砥石34がガラス基板の後縁エッジを通過すると、4Nの垂直力が弛められ、研削砥石34が基板のエッジから取り除かれる。基板の全長に沿って、エッジから約100マイクロメートルの材料が均一に除去されている。図2は一定の比率で拡大されておらず、初期位置から研削位置まで、または研削位置から終了位置まで移動したときに空気軸受支持構造20が移動できる最大距離は、約1mmであることに留意されたい。
【0023】
図3A〜4Bは、本発明のエッジ追跡能力を示す実例である。エッジの追跡は、前縁エッジから後縁エッジまで移動するときの、ガラス基板に対する研削ユニット30の位置を称する。エッジを追跡する能力は、加圧搬送研削システムの利点の内の1つである。この特徴によって、従来のシステムにあるアライメントの問題が未然に防がれる。空気軸受スピンドル20は無摩擦であるので、基板が斜めになっているにもかかわらず、研削ユニット30は基板のエッジを追跡することができる。図3A〜4Bは、本発明のエッジ追跡能力を実証するために行われた実験を示している。
【0024】
図3Aを参照すると、システム10の正面図は、前縁エッジが斜めになっているガラス基板を示している。この実施例において、荷重シリンダ40が基板のエッジに垂直な3.5Nの力を加える。ガラス基板は、300マイクロメートルだけ前縁エッジをずらせることによって傾斜している。図3Bは、図3Aに示した構成のエッジ追跡性能を示すグラフである。図3Bは、20枚の基板についてのシステム10の性能をプロットしている。加工した第1の基板を表すデータ点300を参照すると、システム10は、前縁エッジと後縁エッジの両方から実質的に同じ量の材料を除去している。システム10は、基板の中央部分からは約10マイクロメートル少なく除去している。ある程度偏差があるが(データ点302参照)、システム10は、基板のエッジを極めて良好に追跡する。除去される材料の量は、繰返しの使用後に減少することに留意されたい。これはおそらく、研削砥石34の摩耗によるものである。
【0025】
図4Aは、システム10の正面図である。この図面は、後縁エッジが斜めになっているガラス基板を示している。しかしながら、この実験において、ガラス基板は、300マイクロメートルだけ後縁エッジをずらすことによって傾斜している。再度、荷重シリンダ40は、基板のエッジに垂直な3.5Nの力を加える。図4Bは、図4Aに示した構成のエッジ追跡性能を示すグラフである。図4Bは、20枚の基板についてのシステム10の性能をプロットしている。加工した第1の基板を表すデータ点400を参照すると、システム10は、前縁エッジと中央エッジ部分の両方から実質的に同じ量の材料を除去している。システム10は、基板の後縁エッジからは約10マイクロメートル少なく除去している。データ点402を参照すると、追跡にある程度偏差が存在している。しかしながら、データ点404により証拠付けられるように、基板の様々なエッジから除去される材料の量の差は、一般に、10〜15マイクロメートルの範囲にある。加えられる力は、研削中に達成されるガラス除去量を決定する上での唯一の要因ではない。研削砥石の表面の状態も、除去される材料の量に大きな影響を及ぼす。図3Bおよび4Bを参照すると、研削砥石34の有効な寿命は、エッジ研削システム10の除去速度における要因の1つである。
【0026】
従来のシステムに用いられる標準的な研削手順は、研削砥石を目直しし、所定の位置まで研削し、それによって、目的とするサイズに確実に到達させることである。このプロセス中、垂直荷重は、さらに研削できるようにするために砥石を再度目直しする必要のある地点まで増加する。適切な荷重で砥石が目直しされないと、研削砥石によりガラスに欠陥が形成されるであろう。一般に、これらの欠陥は、削れと焼けの欠陥である。これらの欠陥は、研削砥石のダイアモンド粒子が、所望の量の材料を除去するのに十分に鋭くない場合に生じる。他方で、本発明の利点の1つは、加圧搬送タイプの研削を用いる場合、削れや焼けの欠陥は生じないことである。欠陥の生じない理由は、上述したように、設定された垂直力は、これらの欠陥を生成するのに必要な力の量よりも常に低いからである。加圧搬送研削に関する懸念は、研削砥石が使い古されるにつれ、不十分な量の材料しか除去されない地点まで、除去速度が減少することである。
【0027】
図5を参照すると、材料の除去への研削砥石の使い古しの影響を示すグラフが示されている。この実験において、3.5Nの力を基板のエッジに加えた。
【0028】
各出発点は、新たに目直しされた研削砥石で始めた。その後、ほぼ200枚の基板を仕上げた。最初に、システム10は、平均で、約150マイクロメートルの材料を除去した。運転の終わりには、除去される材料の量は50マイクロメートルの範囲内にある。直径が150の600グリットの砥石を用いて実験を行い、従来の製造能力と比較して、より微細なダイアモンドメッシュを用いて差または利点が生じたか否かを決定した。
【0029】
実験によって、砥石が使い古されるにつれ、砥石のメッシュの摩擦が減少し、接線方向の力の成分が減少することが示された。それゆえ、加えられた垂直荷重は、減少した摩擦(接線荷重)を補うために運転の過程で増加させるべきであるのが予測される。
【0030】
グリットのサイズは、砥石が使い古されるにつれ、表面粗さにある役割を果たすであろう。従来のシステムを用いて仕上げられた基板のエッジの粗さと比較すると、450グリットの砥石を用いて本発明により製造されたエッジは、わずかに改善されている。本発明に600グリットの砥石を用いると、著しい改善が見られた。450グリットの砥石を用いると、製造されるユニットの数が増加するにつれ、粗さが減少する。最初は、表面粗さは0.7〜0.9マイクロメートルの範囲にある。運転の終わりには(枚数=200)、粗さは0.5〜0.6マイクロメートルの範囲にある。システム10に600グリットの砥石を用いると、表面粗さは比較的安定なままである(0.4〜0.6マイクロメートル)。
【0031】
450グリットの砥石と比較して、600グリットの砥石によって優れた界面が得られることに留意されたい。この界面は、研削されたエッジが基板の主要表面とぶつかる位置である。600グリットの砥石は、より滑らかな界面を提供する。より滑らかな界面によって、基板の構造の健全性が改善され、基板がより強くなる。それゆえ、より滑らかな界面を持つ基板は、その後の加工工程中に破損しにくくなる。
【0032】
ここに具体化され、図6に図示されているように、本発明による「リニア」加圧搬送研削システムの斜視図が開示されている。システム10には、研削ユニットに連結された空気軸受滑動部材200が含まれている。空気軸受滑動部材200は、レール部材202の上を滑るように構成されている。レール部材202は、支持ブラケット100上に配置されている。空気軸受滑動部材200は、ボイスコイルモータ204によりy軸に沿って動かされる。リニア駆動モータ204は端部板102に取り付けられている。研磨機支持部材304は、空気軸受滑動部材200に接続されている。スピンドルモータ302は、研磨機支持部材304に固定され、かつ支持されている。スピンドルモータ302は、研削砥石300を駆動するように構成されている。リニア駆動モータ204は、空気軸受滑動部材200をy軸に沿って動かす駆動連結部(図示せず)を含む。特に、リニア駆動モータ204が空気軸受滑動部材をy軸方向に動かすように構成されるのは、ガラスエッジに垂直の方向に所定の力が加えられるように研削砥石300をガラスシートに対して配置するためである。研削砥石300に近接して配置された真空チャック(図示せず)は、ガラス基板を研削砥石300に対して三次元にアラインメントし保持するように構成されている。本発明は、1.5m×1.3m×0.7mm以上の寸法のガラス基板の仕上げに用いられている。
【0033】
エッジ仕上げ動作中、研削砥石300はリニア駆動モータ204によりy軸上の適切な位置に配置され、真空チャックはガラスエッジをz軸に沿って動かす。代替の方法では、ガラスを固定したまま保持し、研削ユニットを仕上げされるガラスのエッジに沿った軸方向に動かす。システム10はさらに、研削砥石300が真空チャックおよびガラス基板と当たる位置に、研削/研磨動作によって発生する熱を処理するための冷却ノズル(図示せず)を装備する。この動作中に用いられる真空チャックや運搬システムは、上述の実施形態(図1および図2参照)において用いられるシステム/チャックに類似するものでもよい。
【0034】
リニア空気軸受滑動部材200は、滑動部材200がレール部材202に沿って動くときに実質的に摩擦抵抗がないものであれば、どのような適切なタイプのものであってもよい。ある実施の形態において、空気軸受滑動部材200は、ニュー・ウェイ・マシーン・コンポーネンツ社(New Way Machine Components, Inc.)により製造されたタイプのものである。本発明において、空気軸受滑動部材200は、滑動部材200およびレール部材202間にゼロ摩擦負荷界面を与える加圧空気の薄い膜により支持される。この薄い膜の空気軸受けは、軸受け自体を通って軸受表面まで空気流を供給することによって生成される。慣習的な「オリフィス」空気軸受けとは違って、本発明の空気軸受けは、多孔質媒体を通して空気を供給して、軸受け区域全体に亘り均一な圧力を確保する。空気は常に軸受け部位から分散するが、軸受けを通る加圧空気の連続流は、作業負荷を支持するのに十分である。また、滑動部材200およびレール202の間は接触していないため、従来の軸受けに関連する摩擦、磨耗および潤滑剤の取扱いの問題が解消される。さらに、滑動部材200の「剛性」や安定性、およびボイスコイルモータ204の正確さにより、正確な負荷を実現することができる。
【0035】
空気軸受滑動部材200にブラケット304を取り付けることにより、より重いスピンドルモータを用いることもできる。好都合なことに、これにより設計者は「既製の」スピンドルモータパッケージを用いることができる。本発明の一実施の形態では、スピンドルモータは研削砥石を7,500sfm(surface-feet per minute)で作動させる。
【0036】
一実施の形態において、リニア駆動モータを、システムズ・マシーンズ・オートメーションコンポーネンツ社(Systems, Machines, Automation Components Corporation)製のものとしてもよい。しかしながら、関連技術の通常の当業者には、サイズ、重量、力、および位置決めの正確さに応じて、本発明のリニア駆動モータ204の改変および変更が作製可能であることは明らかであろう。例えば、リニア駆動モータ204をボイスコイルモータとしてもよい。通常の当業者には明らかであろうが、ボイスコイルモータは電磁位置決めモータである。動作中、コイル周りに磁界を生じさせるために、電磁石コイルの巻線に電流が加えられる。コイル周りに発生した磁界は、そのアクチュエータにおける永久磁場と互いに影響しあう。この永久磁場は、アクチュエータ内に配置された磁石によって生成されるものである。この相互作用により、コイルを動かす力が生じる。この力の大きさや向きは、電流を選択的に適用することによってコントロールされる。この力が、アクチュエータに往復運動を与える。この往復の力はロッドなどの連結部に伝送され、空気軸受滑動部材200をy軸に沿って動かす。一実施の形態において、リニア駆動モータは65N以下の最大力、および42N以下の連続力を加えることもできる。モータに加えられる電圧を、24Vまたは48Vとしてもよい。
【0037】
図6の実施形態は、図1で与えられた実施形態と比較すると、より小さい設置面積(約45.72cm×38.1cm)および軽量化(約113.4kg)によって特徴付けることもできる。ボイスコイルのようなリニア駆動モータを使用することは、空気軸受滑動部材200の速度を正確に制御するための手段を講じることにもなる。本発明のリニア駆動モータには、実質的に一定のやり方でガラスのエッジに所定の力を正確に加える、閉ループフィードバック制御が含まれている。リニアモータはまた、ダイアモンド研削砥石300に付随する磨耗を補うようにプログラミングされている。通常の当業者には明らかであろうが、研削砥石300の切れ味が悪くなると、均一な仕上げを得るためにはガラスエッジに加えられる垂直力を増加させる必要がある。
【0038】
このように、本発明は以下のような非制限的な態様および/または実施形態を含む。
【0039】
C1.ガラス基板の少なくとも1つのエッジを研削または研磨するための装置であって、
アライメントされた位置にあるときに前記少なくとも1つのエッジから所定量の材料を除去するように構成された研削ユニット、
前記研削ユニットに連結され、ゼロ摩擦負荷界面を与える加圧空気の薄い膜上で所定の軸に沿って滑動するように構成されている空気軸受滑動システム、および、
前記空気軸受滑動システムに連結され、前記研削ユニットをアライメントされていない位置からアライメントされた位置へと動かすように前記空気軸受滑動システムの動きを制御するよう構成されているリニア駆動モータ、
を備え、前記研削ユニットが前記少なくとも1つのエッジに垂直な所定の力を加え、該所定の力が、前記所定量に正比例し、かつガラス基板を破損させることとなる垂直力よりも小さいことを特徴とする装置。
【0040】
C2.前記空気軸受滑動システムが、
加圧空気の連続流を供給するように構成された加圧空気ユニット、
前記加圧空気ユニットに連結され、実質的に均一な圧力を呈する前記加圧空気の薄い膜を生成するように構成された多孔質媒体を含むレール部材、
前記レール部材上に配置され、前記研削ユニットを支持するように構成された滑動部材、をさらに備え、前記薄い膜が、前記滑動部材および前記レール部材を研削動作中に分離させることを特徴とするC1記載の装置。
【0041】
C3.前記滑動部材に接続された支持ブラケットをさらに備え、該支持ブラケットが前記研削ユニットを支持するように構成されていることを特徴とするC2記載の装置。
【0042】
C4.前記研削ユニットが、
前記空気軸受滑動システムに連結され、該空気軸受滑動システムの軸受け区域上に配置された支持ブラケット、
前記支持ブラケットに接続され、かつ該支持ブラケットに支持され、前記少なくとも1つのエッジを研削または研磨するように構成されている研削器具、
をさらに備えたことを特徴とするC1からC3のいずれか一項記載の装置。
【0043】
C5.前記支持ブラケットがL型ブラケットであることを特徴とするC4記載の装置。
【0044】
C6.前記研削器具が、
前記支持ブラケットに支持的に接続されたスピンドルモータ、および、
前記スピンドルモータに作動的に連結され、所望の早さで動作するように前記スピンドルモータによって駆動される研削砥石、
をさらに備えたことを特徴とするC4またはC5記載の装置。
【0045】
C7.前記研削砥石が450グリットの研削砥石であることを特徴とするC6記載の装置。
【0046】
C8.前記研削砥石が600グリットの研削砥石であることを特徴とするC6記載の装置。
【0047】
C9.前記スピンドルモータが前記研削砥石を7,500sfmで作動させることを特徴とするC8記載の装置。
【0048】
C10.前記所定の力が実質的に1Nから6Nの範囲内であり、かつ前記所定量が実質的に25マイクロメートルから150マイクロメートルの範囲内であることを特徴とするC8またはC9記載の装置。
【0049】
C11.前記所定の力が実質的に4Nに等しく、かつ前記エッジから除去される材料の前記所定量が実質的に100マイクロメートルに等しいことを特徴とするC10記載の装置。
【0050】
C12.前記リニア駆動モータが、研削砥石の磨耗によって前記所定の垂直力を変化させるようにプログラミングされていることを特徴とするC6記載の装置。
【0051】
C13.前記研削ユニットに近接して配置されたコンベヤユニットをさらに備え、該コンベヤユニットが、前記ガラス基板を支持し、研削および/または研磨プロセスの工程中に該ガラス基板を前記研削ユニットに対して接線方向に動かすように構成されていることを特徴とするC1記載の装置。
【0052】
C14.前記コンベヤユニットが、
前記研削および/または研磨プロセスの工程中に前記ガラス基板を固定の位置に保持するための真空チャック、
前記真空チャックに連結され、該真空チャックを前記研削ユニットに対して直線方向に所定の速さで動かすか、または逆に前記真空チャックに対して前記研削ユニットを動かすように構成されたコンベヤ、および、
前記研削ユニットと前記少なくとも1つのエッジとの界面に近接して配置された冷却液機構、
をさらに備えたことを特徴とするC13記載の装置。
【0053】
C15.前記少なくとも1つのエッジから除去される材料の前記所定量の幅が均一であることを特徴とするC1または適用可能なC2からC14のいずれか一項記載の装置。
【0054】
C16.ガラス基板の少なくとも1つのエッジを研削または研磨する方法であって、
ゼロ摩擦負荷界面を与える加圧空気の薄い膜上で所定の軸に沿って滑動するように構成された空気軸受滑動システムを提供する工程、
アライメントされた位置にあるときに前記少なくとも1つのエッジから所定量の材料を除去するように構成された研削ユニットを、前記空気軸受滑動システムに連結する工程、
前記研削ユニットをアライメントされていない位置からアライメントされた位置へと動かすように前記空気軸受滑動システムの動きを制御する工程、
前記少なくとも1つのエッジに垂直な所定の力を加える工程であって、該所定の力が前記所定量に正比例し、かつガラス基板を破損させることとなる垂直力よりも小さいものである工程、および、
前記少なくとも1つのエッジから前記所定量の材料を除去するために、前記ガラス基板を前記研削ユニットに対して接線方向に動かすか、または逆に前記ガラスに対して前記研削ユニットを動かす工程、
を備えたことを特徴とする方法。
【0055】
C17.前記所定の力が実質的に1Nから6Nの範囲内であり、かつ前記所定量が実質的に25マイクロメートルから150マイクロメートルの範囲内であることを特徴とするC16記載の方法。
【0056】
C18.前記所定の力が実質的に4Nに等しく、かつ前記エッジから除去される材料の前記所定量が実質的に100マイクロメートルに等しいことを特徴とするC17記載の方法。
【0057】
C19.前記少なくとも1つのエッジから除去される材料の前記所定量の厚さが均一であることを特徴とする、適用可能なC16からC18のいずれか一項記載の方法。
【0058】
C20.前記研削ユニットが研削砥石を7,500sfmで作動させることを特徴とする、適用可能なC16からC19のいずれか一項記載の方法。
【0059】
本発明の精神および範囲から逸脱せずに、本発明の様々な改変および変更を行えることが当業者には明白である。それゆえ、本発明は、本発明への改変および変更を、それらが添付の特許請求の範囲およびその同等物に含まれるという条件で包含することが意図されている。
【符号の説明】
【0060】
10 加圧搬送研削システム
20 空気軸受支持構造
22 空気軸受シリンダ
30 研削ユニット
32 支持台
34 研削砥石
38 空気軸受モータ
40 空気圧シリンダ
50 冷却液ノズル
60 真空チャック
200 空気軸受滑動部材
202 レール部材
204 リニア駆動モータ
300 研削砥石
302 スピンドルモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板の少なくとも1つのエッジを研削または研磨するための装置であって、
アライメントされた位置にあるときに前記少なくとも1つのエッジから所定量の材料を除去するように構成された研削ユニット、
前記研削ユニットに連結され、ゼロ摩擦負荷界面を与える加圧空気の薄い膜上で所定の軸に沿って滑動するように構成されている空気軸受滑動システム、および、
前記空気軸受滑動システムに連結され、前記研削ユニットをアライメントされていない位置からアライメントされた位置へと動かすように前記空気軸受滑動システムの動きを制御するよう構成されているリニア駆動モータ、
を備え、前記研削ユニットが前記少なくとも1つのエッジに垂直な所定の力を加え、該所定の力が、前記所定量に正比例し、かつガラス基板を破損させることとなる垂直力よりも小さいことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記空気軸受滑動システムが、
加圧空気の連続流を供給するように構成された加圧空気ユニット、
前記加圧空気ユニットに連結され、実質的に均一な圧力を呈する前記加圧空気の薄い膜を生成するように構成された多孔質媒体を含むレール部材、
前記レール部材上に配置され、前記研削ユニットを支持するように構成された滑動部材、をさらに備え、前記薄い膜が、前記滑動部材および前記レール部材を研削動作中に分離させることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記滑動部材に接続された支持ブラケットをさらに備え、該支持ブラケットが前記研削ユニットを支持するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記研削ユニットが、
前記空気軸受滑動システムに連結され、該空気軸受滑動システムの軸受け区域上に配置された支持ブラケット、
前記支持ブラケットに接続され、かつ該支持ブラケットに支持され、前記少なくとも1つのエッジを研削または研磨するように構成されている研削器具、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の装置。
【請求項5】
前記研削器具が、
前記支持ブラケットに支持的に接続されたスピンドルモータ、および、
前記スピンドルモータに作動的に連結され、所望の早さで動作するように前記スピンドルモータによって駆動される研削砥石、
をさらに備えたことを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記所定の力が実質的に1Nから6Nの範囲内であり、かつ前記所定量が実質的に25マイクロメートルから150マイクロメートルの範囲内であることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項7】
前記リニア駆動モータが、研削砥石の磨耗によって前記所定の垂直力を変化させるようにプログラミングされていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の装置。
【請求項8】
ガラス基板の少なくとも1つのエッジを研削または研磨する方法であって、
ゼロ摩擦負荷界面を与える加圧空気の薄い膜上で所定の軸に沿って滑動するように構成された空気軸受滑動システムを提供する工程、
アライメントされた位置にあるときに前記少なくとも1つのエッジから所定量の材料を除去するように構成された研削ユニットを、前記空気軸受滑動システムに連結する工程、
前記研削ユニットをアライメントされていない位置からアライメントされた位置へと動かすように前記空気軸受滑動システムの動きを制御する工程、
前記少なくとも1つのエッジに垂直な所定の力を加える工程であって、該所定の力が前記所定量に正比例し、かつガラス基板を破損させることとなる垂直力よりも小さいものである工程、および、
前記少なくとも1つのエッジから前記所定量の材料を除去するために、前記ガラス基板を前記研削ユニットに対して接線方向に動かすか、または逆に前記ガラスに対して前記研削ユニットを動かす工程、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記所定の力が実質的に1Nから6Nの範囲内であり、かつ前記所定量が実質的に25マイクロメートルから150マイクロメートルの範囲内であることを特徴とする請求項8記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−105158(P2010−105158A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−251802(P2009−251802)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【復代理人】
【識別番号】100116540
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 香
【復代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
【Fターム(参考)】