説明

ボールジョイント

【課題】スナップリングの負荷を軽減させつつも、組付性を維持することができるボールジョイントを提供することを目的とする。
【解決手段】スナップリング50は、外周部53及び内周部54が周方向に等間隔で切欠かれた凹凸状に形成されているので、幅を広げる等してシート30の支持面積を拡大した場合でも、周方向に等間隔で切欠かれた外周凹部55及び内周凹部58によって剛性を低下させ、スナップリング50全体としての弾性を確保することで、ハウジング20への組付性を損なうことがない。即ち、シート30の支持面積を拡大してスナップリング50の負荷を軽減させつつも、組付性を維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車の懸架装置や操舵装置等に使用されるボールジョイントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば自動車の懸架装置や操舵装置等に使用されるボールジョイントとして、図7に示すように、球状の球頭部111及びその球頭部111から延出する柄部112を有するボールスタッド110と、そのボールスタッド110の球頭部111を揺動自在に包持するシート130と、そのシート130を包持する軸方向一端(図7(a)右側)が開放された筒状のハウジング120と、そのハウジング120の開放端121の内周面に弾性的に溝嵌合されてシート130を係止するC字状のスナップリング150とを備えたボールジョイントが知られている(特許文献1参照)。なお、図7(a)は従来のボールジョイントの断面図であり、図7(b)はスナップリング150の平面図である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−1719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように構成されるボールジョイントでは、ボールスタッド110がハウジング120の開放端121側へ引っ張られると、その引っ張り荷重を受けるシート130をスナップリング150のみによって支える構造であるため、スナップリング150の負荷が大きくなる。このため、スナップリング150の負荷を軽減させるべく、スナップリング150の幅を広げる等してシート130の支持面積を拡大する方法もあるが、この場合には、スナップリング150の弾性が低下して、ハウジング120への組付性が損なわれるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記事情により鑑みなされたもので、スナップリングの負荷を軽減させつつも、組付性を維持することができるボールジョイントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のボールジョイントは、球状の球頭部およびその球頭部から延出する柄部を有するボールスタッドと、そのボールスタッドの球頭部を揺動自在に包持するシートと、そのシートを包持する少なくとも軸方向一端が開放された筒状のハウジングと、そのハウジングの開放端の内周面に形成された溝に弾性的に嵌合されてシートを係止する環状のスナップリングと、を備え、スナップリングは、ハウジングの軸方向視において、ハウジングの溝に嵌合する外周部と、シートを係止する内周部とを有し、外周部または内周部の少なくとも一方が周方向に所定間隔で切欠かれた凹凸状に形成されていることを第一の特徴とする。
【0007】
本発明のボールジョイントは、スナップリングは、ハウジングの軸方向視において、外周部および内周部がいずれも周方向に所定間隔で切欠かれ、外周部の外周凹部と内周部の内周凸部とが対向すると共に外周部の外周凸部と内周部の内周凹部とが対向する波型状に形成されていることを第二の特徴とする。
【0008】
本発明のボールジョイントは、スナップリングは、ハウジングの軸方向視において、環状の一部を切断した切断部を有するC字状に形成されていることを第三の特徴とする。
【0009】
本発明のボールジョイントは、スナップリングは、ハウジングの軸方向視において、切断部に隣接する部位の凹部が切断部に対面する部位の凹部よりも大きく切欠かれていることを第四の特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明における第一の特徴のボールジョイントによれば、スナップリングは、ハウジングの軸方向視において、ハウジングの溝に嵌合する外周部と、シートを係止する内周部とを有し、外周部または内周部の少なくとも一方が周方向に所定間隔で切欠かれた凹凸状に形成されているので、幅を広げる等してシートの支持面積を拡大した場合でも、周方向に所定間隔で切欠かれた凹部によって剛性を低下させ、スナップリング全体としての弾性を確保することで、ハウジングへの組付性を損なうことがない。即ち、シートの支持面積を拡大してスナップリングの負荷を軽減させつつも、組付性を維持することができる。
【0011】
本発明における第二の特徴のボールジョイントによれば、スナップリングは、ハウジングの軸方向視において、外周部および内周部がいずれも周方向に所定間隔で切欠かれているので、外周部の外周凹部および内周部の内周凹部によって剛性を低下させ、外周部または内周部の何れか一方のみを切欠く場合よりもスナップリング全体としての弾性を高めることで、ハウジングへの組付性を向上させることができる。これに加え、スナップリングは、外周部の外周凹部と内周部の内周凸部とが対向すると共に外周部の外周凸部と内周部の内周凹部とが対向する波型状に形成されているので、外周凹部と内周凹部とを対向させる場合に比べて、その部位の幅が狭くなることなく、強度および耐久性を確保することができる。
【0012】
本発明における第三の特徴のボールジョイントによれば、スナップリングは、ハウジングの軸方向視において、環状の一部を切断した切断部を有するC字状に形成されているので、切断部によって剛性を低下させ、スナップリング全体としての弾性を高めることで、ハウジングへの組付性を向上させることができる。
【0013】
本発明における第四の特徴のボールジョイントによれば、スナップリングは、ハウジングの軸方向視において、切断部に隣接する部位の凹部が切断部に対面する部位の凹部よりも大きく切欠かれているので、切断部に隣接する部位の剛性を切断部に対面する部位の剛性よりも低下させることができる。これにより、剛性の低い切断部と併せ、剛性を低下させた切断部に隣接する部位によって切断部付近の弾性を広範囲に高め、スナップリングを縮小および拡張させ易くすることで、ハウジングへの組付性を向上させることができる。その上、切断部に対面する部位では、切断部に隣接する部位よりも凹部の切欠きを小さくして、シートの支持面積を拡大することで、スナップリングの負荷を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例におけるボールジョイントの断面図である。
【図2】スナップリングの平面図である。
【図3】図1のIII−III線におけるボールジョイントの断面図である。
【図4】ボールジョイントの分解図である。
【図5】本発明の他の実施例におけるスナップリングの平面図である。
【図6】本発明の他の実施例におけるスナップリングの平面図である。
【図7】(a)は従来のボールジョイントの断面図であり(b)はスナップリングの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施例について、添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明の一実施例におけるボールジョイント1の概略構成について説明する。図1は本発明の一実施例におけるボールジョイント1の断面図である。
【0016】
ボールジョイント1は、自動車の懸架装置をなす第1部材A及び第2部材Bを相互に連結するものであり、図1に示すように、主に、第1部材Aに一体に形成されるボールスタッド10と、第2部材Bに一体に形成されるハウジング20とによって構成されている。
【0017】
ボールスタッド10は、球状の球頭部11と、その球頭部11から延出する柄部12とを有し、球頭部11よりも大径の接続部13を介して第1部材Aに接続されている。このボールスタッド10は、球頭部11が合成樹脂製のシート30によって揺動自在に包持され、シート30を介してハウジング20に包持されている。
【0018】
また、球頭部11の先端とシート30との間には合成樹脂性のベアリング40が介挿され、このベアリング40が球頭部11に圧接されることで、その圧接力に応じてボールスタッド10の揺動トルクが設定されている。
【0019】
なお、シート30は、球頭部11が円滑に揺動し得る比較的硬質の合成樹脂材料(例えばポリアセタール等)から形成するのが好ましく、ベアリング40は、球頭部11から受ける衝撃力を吸収し得る比較的軟質の合成樹脂材料(例えばポリエステルエラストマ等)から形成するのが好ましい。
【0020】
ハウジング20は、軸方向両端(図1上下方向)が開放された筒状に形成され、第1部材Aに面する開放端21の内周面には溝22が形成されている。この溝22にはばね鋼板製のスナップリング50が弾性的に嵌合され、スナップリング50によってシート30が係止されている。一方、開放端21とは反対側の他端23にはプラグ60がかしめ固定され、プラグ60によってシート30が押圧されることで、ベアリング40が球頭部11に圧接されている。
【0021】
また、ハウジング20と第1部材Aとの間は蛇腹状のブーツ70で覆われ、ブーツ70によってハウジング20内へのゴミや埃などの異物の進入を防いでいる。
【0022】
なお、自動車の懸架装置をなす第1部材A及び第2部材Bは、その機能上、頻繁に相対的に離間する方向へ引っ張られるため、その都度、ボールスタッド10はハウジング20の開放端21側へ相対的に引っ張られる。上述したように構成されるボールジョイント1では、ボールスタッド10がハウジング20の開放端21側へ引っ張られると、その引っ張り荷重を受けるシート30をスナップリング50のみによって支える構造であるため、スナップリング50の負荷が大きくなる。
【0023】
次に、図2及び図3を参照して、スナップリング50の詳細形状と、スナップリング50をハウジング20の溝22に嵌合させた状態について説明する。図2はスナップリング50の平面図であり、スナップリング50をハウジング20の軸X(図1参照)方向に視た図である。また、図3は図1のIII−III線におけるボールジョイント1の断面図である。なお、図3ではブーツ70の図示を省略している。
【0024】
図2に示すように、スナップリング50は、環状の一部を切断した切断部51を有するC字状に形成され、切断部51を挟んで対向する両端部には工具(図示せず)によって径を縮小させてハウジング20の溝22に嵌合させるための工具孔52,52が設けられている。
【0025】
このスナップリング50は、外周部53と内周部54とを有し、外周部53及び内周部54がいずれも周方向に等間隔で切欠かれた凹凸状に形成されている。そして、外周部53の外周凹部55と内周部54の内周凸部56とが対向すると共に外周部53の外周凸部57と内周部54の内周凹部58とが対向し、全体として外周側および内周側へ交互に蛇行する波型状に形成されている。また、外周凹部55及び内周凹部58の切断部51に隣接する部位の外周凹部55a及び内周凹部58aが切断部51に対面する部位の外周凹部55b及び内周凹部58bよりも大きく切欠かれている。
【0026】
上述したように形成されるスナップリング50をハウジング20の溝22に嵌合させた場合、図3に示すように、外周部53が溝22に嵌合する一方、内周部54が溝22から張り出してシート30を係止する。ここで、スナップリング50は、外周部53及び内周部54が周方向に等間隔で切欠かれた凹凸状に形成されているので、幅を広げる等してシート30の支持面積を拡大した場合でも、周方向に等間隔で切欠かれた外周凹部55及び内周凹部58によって剛性を低下させ、スナップリング50全体としての弾性を確保することで、ハウジング20への組付性を損なうことがない。即ち、シート30の支持面積を拡大してスナップリング50の負荷を軽減させつつも、組付性を維持することができる。
【0027】
また、スナップリング50は、環状の一部を切断した切断部51を有するC字状に形成されているので、切断部51によって剛性を低下させ、スナップリング50全体としての弾性を高めることで、ハウジング20への組付性を向上させることができる。更に、外周凹部55及び内周凹部58の切断部51に隣接する部位の外周凹部55a及び内周凹部58aが切断部51に対面する部位の外周凹部55b及び内周凹部58bよりも大きく切欠かれているので、切断部51に隣接する部位の剛性を切断部51に対面する部位の剛性よりも低下させることができる。これにより、剛性の低い切断部51と併せ、剛性を低下させた切断部51に隣接する部位によって切断部51付近の弾性を広範囲に高め、スナップリング50を縮小および拡張させ易くすることで、ハウジング20への組付性を向上させることができる。その上、切断部51に対面する部位では、切断部51に隣接する部位よりも外周凹部55及び内周凹部58の切欠きを小さくして、シート30の支持面積を拡大することで、スナップリング50の負荷を軽減させることができる。
【0028】
次に、図4を参照して、上述したように構成されるボールジョイント1の組立方法について説明する。図4はボールジョイント1の分解図である。
【0029】
図4に示すように、ボールジョイント1を組み立てる際には、まず、ブーツ70の一端(図4下方向)を第1部材Aの接続部13に装着すると共に、スナップリング50をボールスタッド10の柄部12付近まで嵌め込む。次いで、ベアリング40をシート30内に組み込み、ベアリング40が組み込まれた状態のシート30内にボールスタッド10の球頭部11を挿入する。その後、シート30によって球頭部11が包持された状態のボールスタッド10をシート30ごと開放端21からハウジング20内に挿入し、シート30の下端がハウジング20の溝22を通過するまでハウジング20内にボールスタッド10を押し入れる。
【0030】
次に、予めボールスタッド10の柄部12付近まで嵌め込んでおいたスナップリング50を工具(図示せず)によって径を縮小させつつ切断部51をハウジング20の切欠き24(図3参照)に合わせ、シート30側へ押し付けてハウジング20の溝22に嵌合させる。その後、プラグ60をハウジング20の他端23にかしめ固定し、最後に、ブーツ70の他端(図4上方向)をハウジング20の外周面に係止する。
【0031】
以上のように、本発明のボールジョイント1によれば、スナップリング50は、外周部53及び内周部54がいずれも周方向に等間隔で切欠かれているので、外周部53の外周凹部55及び内周部54の内周凹部58によって剛性を低下させ、外周部53又は内周部54の何れか一方のみを切欠く場合よりもスナップリング50全体としての弾性を高めることで、ハウジング20への組付性を向上させることができる。これに加え、スナップリング50は、外周部53の外周凹部55と内周部54の内周凸部56とが対向すると共に外周部53の外周凸部57と内周部54の内周凹部58とが対向する波型状に形成されているので、外周凹部55と内周凹部58とを対向させる場合に比べて、その部位の幅が狭くなることなく、強度および耐久性を確保することができる。
【0032】
次に、図5を参照して、本発明の他の実施例におけるスナップリング250について説明する。図5は本発明の他の実施例におけるスナップリング250の平面図である。
【0033】
上記実施例におけるスナップリング50は、外周部53及び内周部54がいずれも周方向に等間隔で切欠かれた波型状に形成されていたのに対し、本実施例におけるスナップリング250は、内周部254には切欠きがなく、外周部253のみが周方向に等間隔で切欠かれた凹凸状に形成されている。なお、以下では、上記実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略し、上記実施例と異なる部分のみを説明する。
【0034】
図5に示すように、スナップリング250は、外周部253と内周部254とを有し、外周部253が周方向に等間隔で切欠かれた凹凸状に形成されている。そして、外周凹部255の切断部51に隣接する部位の外周凹部255aが切断部51に対面する部位の外周凹部255bよりも大きく切欠かれている。
【0035】
上述したように形成されるスナップリング250をハウジング20の溝22に嵌合させた場合、外周部253が溝22に嵌合する一方、内周部254が溝22から張り出してシート30を係止する。ここで、スナップリング250は、外周部253が周方向に等間隔で切欠かれた凹凸状に形成されているので、上記実施例と同様に、外周凹部255によって剛性を低下させ、スナップリング250全体としての弾性を確保することで、ハウジング20への組付性を損なうことがない。即ち、シート30の支持面積を拡大してスナップリング250の負荷を軽減させつつも、組付性を維持することができる。
【0036】
次に、図6を参照して、本発明の他の実施例におけるスナップリング350について説明する。図6は本発明の他の実施例におけるスナップリング350の平面図である。
【0037】
上記実施例におけるスナップリング50は、外周部53及び内周部54がいずれも周方向に等間隔で切欠かれた波型状に形成されていたのに対し、本実施例におけるスナップリング350は、外周部253には切欠きがなく、内周部354のみが周方向に等間隔で切欠かれた凹凸状に形成されている。なお、以下では、上記実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略し、上記実施例と異なる部分のみを説明する。
【0038】
図6に示すように、スナップリング350は、外周部353と内周部354とを有し、内周部354が周方向に等間隔で切欠かれた凹凸状に形成されている。そして、内周凹部358の切断部51に隣接する部位の内周凹部358aが切断部51に対面する部位の内周凹部358bよりも大きく切欠かれている。
【0039】
上述したように形成されるスナップリング350をハウジング20の溝22に嵌合させた場合、外周部353が溝22に嵌合する一方、内周部354が溝22から張り出してシート30を係止する。ここで、スナップリング350は、内周部354が周方向に等間隔で切欠かれた凹凸状に形成されているので、上記実施例と同様に、内周凹部358によって剛性を低下させ、スナップリング350全体としての弾性を確保することで、ハウジング20への組付性を損なうことがない。即ち、シート30の支持面積を拡大してスナップリング350の負荷を軽減させつつも、組付性を維持することができる。
【0040】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0041】
例えば、上記実施例では、本発明のボールジョイントが自動車の懸架装置に使用される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、自動車の操舵装置や自動車以外の用途に適用しても良い。
【0042】
また、上記実施例では、ボールスタッド10が第1部材Aに一体に形成され、球頭部11よりも大径の接続部13を介して第1部材Aに接続される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ボールスタッド10の柄部12を第1部材Aにナット等によって連結するように構成しても良い。
【0043】
また、上記実施例では、ボールスタッド10の柄部12がハウジング20の開放端21及び他端23の内、開放端21のみから突き出た片軸タイプのボールジョイント1について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ボールスタッド10の柄部12がハウジング20の両端から突き出た両軸タイプのボールジョイントであっても良い。
【符号の説明】
【0044】
1 ボールジョイント
10 ボールスタッド
11 球頭部
12 柄部
20 ハウジング
21 開放端
22 溝
30 シート
50 スナップリング
51 切断部
53 外周部
54 内周部
55 外周凹部
55a 外周凹部(凹部)
55b 外周凹部(凹部)
56 内周凸部
57 外周凸部
58 内周凹部
58a 内周凹部(凹部)
58b 内周凹部(凹部)
250 スナップリング
253 外周部
254 内周部
255 外周凹部
255a 外周凹部(凹部)
255b 外周凹部(凹部)
350 スナップリング
353 外周部
354 内周部
358 内周凹部
358a 内周凹部(凹部)
358b 内周凹部(凹部)
X ハウジングの軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
球状の球頭部(11)及びその球頭部(11)から延出する柄部(12)を有するボールスタッド(10)と、そのボールスタッド(10)の球頭部(11)を揺動自在に包持するシート(30)と、そのシート(30)を包持する少なくとも軸方向一端が開放された筒状のハウジング(20)と、そのハウジング(20)の開放端(21)の内周面に形成された溝(22)に弾性的に嵌合されて前記シート(30)を係止する環状のスナップリング(50,250,350)と、を備えたボールジョイントにおいて、
前記スナップリング(50,250,350)は、前記ハウジング(20)の軸(X)方向視において、前記ハウジング(20)の溝(22)に嵌合する外周部(53,253,353)と、前記シート(30)を係止する内周部(54,254,354)とを有し、前記外周部(53,253,353)又は前記内周部(54,254,354)の少なくとも一方が周方向に所定間隔で切欠かれた凹凸状に形成されていることを特徴とするボールジョイント。
【請求項2】
前記スナップリング(50)は、前記ハウジング(20)の軸(X)方向視において、前記外周部(53)及び内周部(54)がいずれも周方向に所定間隔で切欠かれ、前記外周部(53)の外周凹部(55)と前記内周部(54)の内周凸部(56)とが対向すると共に前記外周部(53)の外周凸部(57)と前記内周部(54)の内周凹部(58)とが対向する波型状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のボールジョイント。
【請求項3】
前記スナップリング(50,250,350)は、前記ハウジング(20)の軸(X)方向視において、環状の一部を切断した切断部(51)を有するC字状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のボールジョイント。
【請求項4】
前記スナップリング(50,250,350)は、前記ハウジング(20)の軸(X)方向視において、前記切断部(51)に隣接する部位の凹部(55a,58a,255a,358a)が前記切断部(51)に対面する部位の凹部(55b,58b,255b,358b)よりも大きく切欠かれていることを特徴とする請求項3記載のボールジョイント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−2604(P2013−2604A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136883(P2011−136883)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000238360)武蔵精密工業株式会社 (82)
【Fターム(参考)】