説明

ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版

【課題】 近赤外レーザー等を光源とする露光に適し、画像部の残膜率の高いポジ型感光性組成物を提供する。
【解決手段】 (A)光熱変換物質及び(B)アルカリ可溶性樹脂を含有し、熱分解性物質を含有しないポジ型感光性樹脂組成物に於いて、更に(C)界面活性剤を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版に関する。更に詳しくは、650〜1300nmの波長域の光線、特に、半導体レーザーやYAGレーザー等を用いた直接製版に好適なポジ型感光性平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ画像処理技術の進歩に伴い、デジタル画像情報から、銀塩マスクフィルムへの出力を行わずに、レーザー光あるいはサーマルヘッド等により、直接レジスト画像を形成する感光または感熱ダイレクト製版システムが注目されている。特に、高出力の半導体レーザーやYAGレーザーを用いる、高解像度のレーザー感光ダイレクト製版システムは、小型化、製版作業時の環境光や版材コストの面から、その実現が強く望まれていた。
【0003】一方、従来より、レーザー感光または感熱を利用した画像形成方法としては、昇華転写色素を利用し色材画像を形成する方法ならびに平版を作成する方法などが知られている。後者においては、例えば、ジアゾ化合物の架橋反応を利用し、平版印刷版を作成する方法(例えば、特開昭52−151024号、特公平2−51732号、特開昭50−15603号、特公平3−34051号、特公昭61−21831号、特公昭60−12939号、米国特許第3664737号の公報または明細書等参照)、ニトロセルロースの分解反応を利用し、平版印刷版を作製する方法(例えば、特開昭50−102403号、特開昭50−102401号等の公報参照)等が知られている。
【0004】近年、化学増幅型のフォトレジストに長波長光線吸収色素を組み合せた技術が散見される様になった。例えば特開平6−43633号明細書には特定なスクアリリウム色素に光酸発生剤およびバインダー等を組合せた感光材料が開示されている。また、更にこれに類する技法として赤外線吸収色素、潜伏性ブレンステッド酸、レゾール樹脂およびノボラック樹脂を含む感光層を半導体レーザー等により像状に露光し平版印刷版を作製する技術が提案されており(特開平7−20629号明細書)、更に、前記潜伏性ブレンステッド酸に代えs−トリアジン化合物を用いる技術も開示されている(特開平7−271029号公報)。
【0005】また、特開平9−43847号公報においては赤外線の照射により加熱して感光材の結晶性を変化させるレジスト材およびそれを利用したパターン形成方法が開示されている。また、WO97/39894には、水性現像可能なポリマーと該ポリマーの水性現像性を抑止する化合物を含有し、加熱により水性現像性が向上し、UV照射では水性現像性が向上しない熱感受性のポジ型組成物が開示されている。
【0006】しかしながら我々の検討によれば、これら従来の技術は実用上、その特性が必ずしも充分ではなかった。例えば、露光後、加熱処理を要するネガ型の感光材の場合はその処理条件の振れに起因して得られる画像の品質安定性は必ずしも満足されなかった。一方、その様な露光後の加熱処理を要しないポジタイプの感光材の場合は露光部、未露光部におけるコントラストが不充分であり、その結果、非画線部が充分に除去されなかったり、画線部の残膜率が充分保持されなかった。特に特開平9−43847号公報、WO97/39894に記載の如き画像形成が主として化学変化以外の変化に起因すると考えられる感光材の場合、画線部(未露光部)の残膜率に問題があった。更に平版印刷版として必ずしも充分な耐刷力を有していなかった。
【0007】一方、特開平7−285275号公報には、結着剤と、光を吸収し熱を発生する物質と、熱分解性でありかつ分解しない状態では該結着剤の溶解性を実質的に低下させる物質(以下、熱分解性物質と称する)を含む感光層を設けてなる印刷版が記載されており、該感光層が含みうる成分として、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤が示されている。しかしながら、該公報に記載の印刷版の感光層に含有される熱分解性物質として記載されているオニウム塩、ジアゾニウム塩、キノンジアジド化合物は、いずれも紫外領域の光に感受性を有するものとして広く知られているものであり、白色灯下での取扱い性に劣る欠点を有する。尚、該公報の印刷版は、露光部での化学変化(熱分解による化学変化)を伴って画像を形成するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の諸問題に鑑みなされたものであり、即ち、本発明の目的は、露光部、未露光部におけるコントラストに優れかつ画線部の残膜率が充分な新規なポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版を供することにある。更に、白色灯下での取扱い性の良好なポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版を供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は下記の発明の構成、即ち(A)光熱変換物質及び(B)アルカリ可溶性樹脂を含有し、熱分解性物質を含有しないポジ型感光性樹脂組成物に於いて、更に(C)界面活性剤を含有してなることを特徴とするポジ型感光性組成物、露光部と未露光部において、主として化学変化以外の変化によってアルカリ現像液に対する溶解性に差異を生じるポジ型感光性組成物の成分として、(A)光熱変換物質、(B)アルカリ可溶性樹脂及び(C)界面活性剤を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物及び支持体上に上記のいずれかのポジ型感光性組成物により形成されてなる層を有するポジ型感光性平版印刷版により達成し得る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。従来より、ポジ型感光性組成物としては、アルカリ可溶性樹脂及び感光性付与成分としてo−キノンジアジド基含有化合物を含んだ系が知られている。この系では、o−キノンジアジド基含有化合物が吸収可能な紫外光を照射することにより、ジアゾ部分が分解し最終的にカルボン酸が生成することによって、感光性組成物のアルカリ可溶性が増加し、即ち露光部分のみがアルカリ現像液に溶解することによって画像が形成するものと考えられている。従って、この系は感光性組成物中の成分が化学変化を伴うものである。又、前述の特開平7−285275号公報に記載の系も熱分解による化学変化を伴うものであり、しかも、紫外光を照射した場合には、化学変化を伴って画像形成するもので紫外光に感受性を有する。
【0011】これに対し本発明は、光熱変換物質とアルカリ可溶性樹脂という化学変化を期待し得ない極めて単純な系で、ポジ画像を形成することができる感光性組成物及び感光性平版印刷版を提供するものである。又、紫外光に感受性を有さず、白色灯下での取扱いの可能な感光性組成物及び感光性平版印刷版を提供するものである。
【0012】上記のような効果が主として化学変化以外の変化によっておこることは、例えば一旦光照射を行った本発明の感光性平版印刷版を50℃付近で24時間加温した場合、露光直後には増加した露光部のアルカリ可溶性が、しばしば露光前に近い状態へ戻るという可逆現象がみられることからも推察できる。更に、用いている感光性組成物自体のガラス転移温度(又は軟化点)と該可逆現象の難易度との関係を調べた結果、前記転移温度が低い程、同可逆現象が起こり易い傾向が認められたことも前述の機構を裏付けるものである。
【0013】本発明の感光性平版印刷版がこのようなポジ画像を形成する理由は必ずしも明らかではないが、光熱変換物質によって吸収された光エネルギーが、熱に変換され、その熱を受けた部分のアルカリ可溶性樹脂がコンフォメーション変化等の何らかの化学変化以外の変化を起こし、その部分のアルカリ可溶性が高まることによって、アルカリ現像液により画像が形成されるものと考えられる。従って、本発明の感光性組成物及び感光性平版印刷版は、前述の特開平7−285275号公報に記載の如き熱分解性化合物、具体的にはオニウム塩、ジアゾニウム塩、キノンジアジド化合物とを感光性組成物に含有し、それに起因して画像形成に化学変化を伴うものとは明確に区別されるものである。このような化学変化以外の変化によってポジ画像を形成する感光性組成物及び感光性平版印刷版は本出願人により既に提案されている(例えば、特願平9−205789号)。
【0014】又、本発明の感光性組成物は、換言すれば、紫外光に対して実質的に感受性を有さないことを前提とするものである。尚、紫外光に対して実質的に感受性を有さないとはより具体的には400nm以下の波長の光の照射前後で、アルカリ現像液に対する溶解性に有意差を生ぜず、実用的な意味の画像形成能を有さないことを意味する。従って、本発明の感光性組成物は紫外光に対して感受性を有することが広く知られているオニウム塩、ジアゾニウム塩、キノンジアジド化合物を含む特開平7−2852775号公報の感光性組成物とは、その前提が異なる。
【0015】又、本発明のポジ型感光性組成物(ポジ感光体の感光性層)は、白色蛍光灯(三菱電機(株)製36W白色蛍光灯ネオルミスーパーFLR40S−W/M/36)下、400ルクスの光強度の光照射下において10時間放置しても、アルカリ現像液に対する溶解性に実質的有意差を生じない性質をも有するものである。尚、溶解性に実質的有意差を生じないとは、10時間放置前後で、アルカリ現像液に対する溶解性がほとんど変化しないことを意味する。
【0016】本発明は、この種のポジ型感光性平版印刷版の製版時において、露光部(非画像部)が抜けた時に未露光部(画線部)が膜減る現象が生じること、該印刷版の感光層に、界面活性剤を含有することにより未露光部の膜減りが改善されることを見出したものであるが、その理由としては、例えば、次のような機構によるのではないかと推察している。
【0017】即ち、アルカリ可溶性樹脂の現像液に対する熱的な溶解性変化は、アルカリ可溶性樹脂の親水性部分が疎水性部分に囲まれた状態(I)(カリックスアレン様の分子内水素結合、または分子間水素結合により、全体として疎水性状態)から、該樹脂の親水性部分が外部と接触する状態(II)(分子内、分子間水素結合がほぐれた状態で、全体として親水性状態)への変化と推察される。しかし、状態(I)は必ずしも完全に親水性部分が外部と接触しない状態ではないため、ある程度のアルカリ溶解性を有し、このため、現像時の画線部の膜減りを生じる。ここに、本発明の界面活性剤を添加した場合、状態(I)の外部と接触しうる親水性部分がこの界面活性剤の親水性部分と接触することにより結果として、親水性部分がこの化合物の疎水性部分で覆い隠され、外部と接触する親水性部分が減少する。一方、状態(II)は親水性部分が元々多く存在するため本発明の界面活性剤により親水性部分が効果的に覆い隠されることはないためアルカリ溶解性の変化は大きくない。この結果、露光部と未露光部のアルカリ溶解性の差が大きくなり、現像時の画像部の膜減りが改善されると推定される。尚、上記で外部との接触とは、より具体的には現像時の現像液との接触を意味する。
【0018】先ず、本発明のポジ型感光性組成物に用いられる第1成分である光熱変換物質は、光照射により熱を発生する物質であれば特に限定されないが、より具体的には、波長域650〜1300nmの一部又は全部に吸収帯を有する光吸収色素(a)(以下、光吸収色素と称す)であり、これを中心に以下に説明する。本発明に用いられる光吸収色素は、650〜1300nmの波長域の光を効率よく吸収する一方、紫外領域の光は、ほとんど吸収しないか、吸収しても実質的に感応せず、白色灯に含まれるような弱い紫外線によっては、感光性組成物を変成させる作用のない化合物である。これらの光吸収色素の具体例を第1表に示す。
【0019】
【表1】


【0020】
【表2】


【0021】
【表3】


【0022】
【表4】


【0023】
【表5】


【0024】
【表6】


【0025】
【表7】


【0026】
【表8】


【0027】
【表9】


【0028】
【表10】


【0029】
【表11】


【0030】
【表12】


【0031】
【表13】


【0032】
【表14】


【0033】
【表15】


【0034】
【表16】


【0035】これらの内、シアニン色素、ポリメチン色素、スクアリリウム色素、クロコニウム色素、ピリリウム色素、チオピリリウム色素が好ましい。更に、シアニン色素、ポリメチン色素、ピリリウム色素、チオピリリウム色素がより好ましい。これらの内、特に好ましい色素は、波長域650〜900nmにおいては下記一般式〔I〕で表されるシアニン色素または一般式〔II〕で表されるポリメチン色素であり、波長域800〜1300nmにおいては下記一般式〔III 〕で表わされるピリリウム色素またはチオピリリウム色素である。
【0036】
【化1】


【0037】〔式中、R1 ,R2 は置換基を有していても良いC8 以下のアルキル基であり、該置換基は、フェニル基、フェノキシ基、アルコキシ基、スルホン酸基、カルボキシル基であり;Q1 は置換基を有していても良いヘプタメチン基であり、該置換基は、C8 以下のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基であるか、該ヘプタメチン基がその2つのメチン炭素上の置換基が相互に結合して形成された置換基を有していても良いシクロヘキセン環またはシクロペンテン環を含むものであっても良く、該置換基はC6 以下のアルキル基またはハロゲン原子であり;m1 ,m2 は各々が0または1であり;Z1 ,Z2 は含窒素複素環を形成するに必要な原子群であり;X- は対アニオンを示す。〕
【0038】
【化2】


【0039】〔式中、R3 〜R6 はC8 以下のアルキル基であり;Z4 ,Z5 は置換基を有していても良いアリール基であり、該アリール基は、フェニル基、ナフチル基、フリル基またはチエニル基であり、該置換基はC4 以下のアルキル基、C8 以下のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、C8 以下のアルコキシ基およびハロゲン原子である。Q2 はトリメチン基またはペンタメチン基を示し;X- は対アニオンを示す。〕
【0040】
【化3】


【0041】〔式中、Y1 ,Y2 は酸素原子または硫黄原子であり;R7 ,R8 ,R15およびR16は置換基を有していても良いフェニル基またはナフチル基であり、該置換基はC8 以下のアルキル基もしくはC8 以下のアルコキシ基であり;l1 とl2 は各々独立に0または1を示し;R9 〜R14は水素原子またはC8 以下のアルキル基を示すかあるいは各々独立にR9 とR10,R11とR12またはR13とR14とが相互に結合して
【0042】
【化4】


【0043】(但しR17〜R19は水素原子またはC6 以下のアルキル基であり、nは0または1を示す。)の連結基を形成しても良く;Z3 はハロゲン原子または水素原子X- は対アニオンを示す。〕
以上の〔I〕,〔II〕および〔III 〕式における対アニオンX- を具体的に示すに、例えば、Cl- ,Br- ,I- ,ClO4 - ,BF4 - ,PF6 - 等の無機酸アニオン、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタリン−1−スルホン酸、酢酸の様な有機酸アニオンを挙げることができる。
【0044】又、光熱変換物質として、特願平10−93179号、特願平10−163444号、特願平10−222567号に記載の色素も使用可能である。これらの光吸収色素の本発明のポジ型感光性組成物中における使用割合は、重量比で好ましくは0.1〜30%、より好ましくは1〜20%,更に好ましくは2〜10%である。
【0045】次に、本発明のポジ型感光性組成物に用いられる第2成分であるアルカリ可溶性樹脂(以下、高分子または樹脂と称す)(b)について説明する。該アルカリ可溶性樹脂は、基本的には、上記(a)成分の光熱変換物質との組み合せに於て、露光物と未露光部が主として化学変化以外の変化によって、アルカリ現像液に対する溶解性に差を生じうる高分子であり、当然該高分子自体が、主として化学変化以外の変化によって、アルカリ現像液に対する溶解性が変化する高分子化合物である場合を含む。このような高分子としては、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アクリル酸誘導体の共重合体等のアルカリ可溶性樹脂等が挙げられるが、これらのうちノボラック樹脂またはポリビニルフェノール樹脂が好ましい。
【0046】ノボラック樹脂としては、フェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノール、ビスフェノール−A、トリスフェノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール等の芳香族炭化水素類の少なくとも1種を酸性触媒下、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類及び、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類から選ばれた少なくとも1種のアルデヒド類又はケトン類と重縮合させたものが挙げられる。
【0047】ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの代わりに、それぞれパラホルムアルデヒド及びパラアルデヒドを使用してもよい。ノボラック樹脂のゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略す)測定によるポリスチレン検算重量平均分子量(以下、GPC測定による重量平均分子量をMwと略す)が好ましくは1,000〜15,000、特に好ましくは1,500〜10,000のものが用いられる。
【0048】ノボラック樹脂の芳香族炭化水素類としては、より好ましくは、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、及び3,5−キシレノール、レゾルシンから選ばれる少なくとも1種のフェノール類をホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのアルデヒド類の中から選ばれる少なくとも1種と重縮合したノボラック樹脂が挙げられる。
【0049】中でも、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシンの混合割合がモル比で40〜100:0〜50:0〜20:0〜20:0〜20のフェノール類または、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で1〜100:0〜70:0〜60のフェノール類とアルデヒド類との重縮合物であるノボラック樹脂が好ましい。アルデヒド類の中でも、特にホルムアルデヒドが好ましい。尚、後述する如く、本発明の感光性組成物は、更に溶解抑止剤を含んでいても良く、その場合、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシンの混合割合がモル比で70〜100:0〜30:0〜20:0〜20のフェノール類または、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で10〜100:0〜60:0〜40のフェノール類とアルデヒド類との重縮合物であるノボラック樹脂が好ましい。
【0050】ポリビニルフェノール樹脂としては、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレンなどのヒドロキシスチレン類の単独または2種以上の重合体が挙げられる。ヒドロキシスチレン類は芳香環に塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等のハロゲンあるいはC1 〜C4 のアルキル置換基等の置換基を有していてもよく、従ってポリビニルフェノール類としては、芳香環にハロゲン又はC1 〜C4 のアルキル置換基を有していても良いポリビニルフェノールが挙げられる。
【0051】ポリビニルフェノール樹脂は、通常、置換基を有していてもよいヒドロキシスチレン類を単独で又は2種以上をラジカル重合開始剤またはカチオン重合開始剤の存在下で重合することにより得られる。かかるポリビニルフェノール樹脂は、一部水素添加を行なったものでもよい。又、t−ブトキシカルボニル基、ピラニル基、フラニル基などでポリビニルフェノール類の一部のOH基を保護した樹脂でもよい。ポリビニルフェノール樹脂のMwは、好ましくは1,000〜100,000、特に好ましくは1,500〜50,000のものが用いられる。
【0052】ポリビニルフェノール樹脂としては、より好ましくは、芳香環に炭素数C1 〜C4 のアルキル置換基を有していてもよいポリビニルフェノールが挙げられ、未置換のポリビニルフェノールが特に好ましい。以上のノボラック樹脂またはポリビニルフェノール樹脂のMwが、上記範囲よりも小さいと十分な塗膜が得られず、この範囲よりも大きいと未露光部分のアルカリ現像液に対する溶解性が小さくなり、パターンが得られない傾向にある。
【0053】上述の樹脂のうち、特に、ノボラック樹脂が感度・現像ラチチュードの点で好ましい。ポジ型感光性組成物中におけるこれら樹脂の使用割合は重量比で好ましくは50%〜99.5%であり、より好ましくは60%〜99%、特に好ましくは70〜98%である。
【0054】本発明の第3成分の界面活性剤(C)について説明する。界面活性剤は、疎水性部分と親水性部分をもつ化合物であり、疎水性、親水性は水に対する親和性を示す通常の一般的な概念であるが、化合物(C)は、本発明の組成物に於て、前述の如き機能を有すると考えられるものであり、従って、換言すればアルカリ可溶性樹脂の親水性部分に対する親和性の点でより親和性の高い部分(親水性部分)と、親和性の低い部分(疎水性部分)を同一分子内に含む化合物である。疎水性部分は具体的には炭素原子及び水素原子からなる基又は、その少なくとも一部がフッ素等で置換された基等であり、親水性部分は酸素、硫黄、窒素等の原子を有する基である。より具体的には疎水性部分は炭化水素基、水素原子の一部又は全部がフッ素原子によって置換された炭化水素基等からなる部分、親水性部分はスルホン酸、スルホン酸塩、スルホン酸エステル、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸エステル、アミン、アンモニウム塩、シアノ基、水酸基、アミド基等を有する部分であり、塩としてはナトリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性等が挙げられるが、残膜率の点で特に好ましいものとしてはHLB8以上の非イオン性界面活性剤とフッ素系界面活性剤が挙げられる。HLB8以上の非イオン性界面活性剤としては、エーテル型、エステル型、アミノエーテル型、エーテルエステル型、アルカノールアミド型のもの等が挙げられ、具体的にはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン/オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル誘導体、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、メトキシポリエチレングリコール、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレングリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレン植物油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物が挙げられる。このうち好ましいものは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられ、より好ましいものはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールである。中でも、HLB10以上の非イオン性界面活性剤が好ましい。HLBの上限は特に限定されず、好ましくは20以下である。
【0055】フッ素系界面活性剤としては公知のものが使用でき、例えば特開昭54−135004号公報、特開昭59−137943号公報、特開昭57−178242号公報、特開昭61−248054号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭62−226143号公報、特開平3−172849号公報、特開平4−335354号公報に記載のものが挙げられ、市販のものとしては例えば、住友3M社製FC−430、FC−170C、FC−95、秋田化成製EF−122A、EF−122B、EF−351、EF−352、EF−801、EF−802、大日本インキ製F−141、F−191、F−815、F−171、F−177、旭硝子(株)製S−141、S−145、S−381、S−382、SC−101、SC−105、ダイキン工業(株)製DS−401、DS−403、DS−451等が挙げられる。これらのうち、パーフルオロアルキル基を有するアクリル系オリゴマーが好ましく、フッ素置換基はアクリル系オリゴマーの主鎖に有していてもよいが、アクリル系オリゴマーの側鎖にパーフルオロアルキル基を有するのが好ましい。特に製造時の塗布欠陥が発生し難い点でHLB10以上の非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0056】本発明のポジ型感光性組成物中におけるこれら界面活性剤の使用割合は少な過ぎると効果が小さく、また多過ぎるとレーザー光に感応する成分が少なくなり、却って残膜率が減少するため、通常の使用量は重量比で0.1〜40%、好ましくは0.2〜30%、特に好ましくは0.5〜20%である。
【0057】本発明の感光性組成物は、通常、上記各成分を適当な溶媒に溶解して用いられる。溶媒としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与える溶媒であれば特に制限はないが、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのプロピレングリコール系溶媒、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル系溶媒、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコールなどのアルコール系溶媒、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンなどのケトン系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの高極性溶媒、あるいはこれらの混合溶媒、さらにはこれらに芳香族炭化水素を添加したものなどが挙げられる。溶媒の使用割合は、感光性組成物の総量に対して通常重量比として1〜20倍程度の範囲である。
【0058】なお、本発明の感光性組成物は、その性能を損なわない範囲で種々の添加剤、例えば染料、顔料、塗布性改良剤、現像改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤等を含有することも可能である。又、発色の原因がカチオンまたはアニオンの非極在化によるイオン性色素を含むことも可能であり、具体的にはシアニン色素、アズレニウム色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、オキサジン色素、アジン色素、ピリリウム色素、チオピリウム色素、ピオローゲン色素、キサンテン色素、ローダシアニン色素、スチリル色素等が挙げられる。尚、かかるイオン性色素としては、光熱変換物質として使用されうる色素とは区別されるものであり吸収極大(λmax )が700nm以下にある色素である。これらのうち好ましいものはその構造中にトリフェニルメチル基を部分構造として有するトリフェニルメタン色素であり、具体的にはC.I.No.で表わすと、C.I.Basic Violt 3、C.I.Basic Blue 5、C.I.Basic Green 1、C.I.Basic Blue 26、C.I.Acid Blue 1、C.I.solvent Blue 2、C.I.Basic Blue 7等が挙げられ、東京化成(株)製クリスタルバイオレット、住友化学(株)製Primocyanine Bx conc.、保土谷化学(株)製Aizen Diamond Green GH、AizenVictoria Blue BH、Aizen Brilliant Acid Pure Blue VH、アイゼンビクトリアピアブルーBOH、BASF製Victoria Blue 4R Base等が挙げられる。
【0059】本発明に使用する感光性組成物を支持体表面に設ける際に用いる塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン塗布等を用いることが可能である。その乾燥温度または加熱温度としては、例えば20〜170℃、好ましくは30〜150℃が採用される。
【0060】本発明に使用する感光性組成物を用いた感光層を設ける支持体としては、アルミニウム、亜鉛、鋼、銅等の金属板、並びにクロム、亜鉛、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄等がメッキ又は蒸着された金属板、紙、プラスチックフィルム及びガラス板、樹脂が塗布された紙、アルミニウム等の金属箔が張られた紙、親水化処理したプラスチックフィルム等のシート等が挙げられる。このうち好ましいのはアルミニウム板である。本発明の感光性平版印刷版の支持体としては、塩酸または硝酸溶液中での電解エッチングまたはブラシ研磨による砂目立て処理、硫酸溶媒中での陽極酸化処理および必要に応じて封孔処理等の表面処理が施されているアルミニウム板を用いることがより好ましい。
【0061】支持体表面の粗面度に関しては、一般的に、表面粗さRaの値で示される。これは表面粗度計を用いて測定することができる。本発明において用いられる支持体としてはその平均粗さRaとして0.3〜1.0μmのアルミニウム板が好ましく、更に、0.4〜0.8μmのものがより好ましい。本支持体は必要に応じ、更に有機酸化合物による表面処理を施して用いることができる。
【0062】本発明の感光性平版印刷版を画像露光する光源としては光熱変換物質が所期の目的を達成しうるものであれば良いが650〜1300nmの近赤外レーザー等の光線を発生する光源が好ましく、例えばルビーレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、LED、その他の固体レーザー等を挙げることが出来、特に小型で長寿命な半導体レーザーやYAGレーザーが好ましい。これらのレーザー光源により、通常、走査露光後、現像液にて現像し画像を有する平版印刷版を得ることができる。
【0063】また、レーザー光源は、通常、レンズにより集光された高強度の光線(ビーム)として感光材表面を走査するが、それに感応する本発明のポジ型平版印刷版の感度特性(mJ/cm2 )は感光材表面で受光するレーザービームの光強度(mJ/s・cm2 )に依存することがある。ここで、レーザービームの光強度(mJ/s・cm2 )は、版面上でのレーザービームの単位時間当たりのエネルギー量(mJ/s)を光パワーメーターにより測定し、また感光材表面におけるビーム径(照射面積;cm2 )を測定し、単位時間当たりのエネルギー量を照射面積で除することにより求めることができる。レーザービームの照射面積は、通常、レーザーピーク強度の1/e2 強度を超える部分の面積で定義されるが、簡易的には相反則を示す感光材を感光させて測定することもできる。
【0064】本発明に用いられる光源の光強度としては、2.0×106 mJ/s・cm2以上であることが好ましく、1.0×107 mJ/s・cm2 以上であることが更に好ましい。光強度が上記の範囲であれば、本発明のポジ型平版印刷版の感度特性が向上し、走査露光時間が短くすることができ実用的に大きな利点が得られる。
【0065】本発明の感光性平版印刷版の現像に用いる現像液としては特にアルカリ水溶液を主体とするアルカリ現像液が好ましい。上記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム等のアルカリ金属塩の水溶液が挙げられる。アルカリ金属塩の濃度は0.1〜20重量%が好ましい。又、該現像液中に必要に応じアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等やアルコール等の有機溶媒を加えることができる。
【0066】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれら実施例によって限定されるものではない。
(実施例1〜6及び比較例1)アルミニウム板を3%水酸化ナトリウムにて脱脂し、これを12g/L塩酸浴中で25℃、80A/dm2 の電流密度で10秒電解エッチングし、水洗後10g/L水酸化ナトリウム浴中で50℃、3秒デスマットし、水洗後30%硫酸浴中で30℃、10A/dm2 の条件で15秒間陽極酸化した。次に90℃、pH=9にて熱水封孔処理し、水洗、乾燥して平版印刷版用アルミニウム板を得た。下記塗布溶液1を該アルミニウム板上にワイヤーバーを用いて乾燥膜厚2.5g/m2 となるように塗布、乾燥した。
【0067】
〔塗布溶液1〕
近赤外線吸収剤(前記S−1) 4部 住友デュレズ製ノボラック樹脂SK−188 100部 フェノール/m−クレゾール/p−クレゾール=50/30/20をホル ムアルデヒドで縮合した樹脂(Mw=9400)
クリスタルバイオレットラクトン 10部 表−1記載の化合物 1部 シクロヘキサノン 1000部得られた平版印刷版について、下記評価方法に従って評価した。その結果を表−1に示す。
【0068】〔評価方法〕平版印刷版をCreo社製レーザー露光機(Trendsetter)で200mJ/cm2 露光し、コニカ社製PS版用現像液SDR−1(希釈倍率は非画像部が現像できる倍率に調整した)を用いて28℃、40秒で現像した。画像部残膜率は現像前後の反射濃度比を表し下記式により求めた。
【0069】
【数1】


【0070】
【表17】


【0071】参考例1実施例1〜6及び比較例1の感光性平版印刷版を400ルクスの光強度の白色蛍光灯(三菱電機(株)製、36W白色蛍光灯ネオルミスーパーFLR40S−W/M/36)下に10時間放置した後、実施例1〜6及び比較例1と同様の評価を行った所、それぞれほぼ同等の残膜率を示した。
【0072】
【発明の効果】以上のように、本発明のポジ型感光性組成物は、これを用いたポジ型感光性平版印刷版の画像部の残膜率が高い性質を有し、特に650〜1300nmの露光源を用いるポジ型感光性平版印刷版として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)光熱変換物質及び(B)アルカリ可溶性樹脂を含有し、熱分解性物質を含有しないポジ型感光性樹脂組成物に於いて、更に(C)界面活性剤を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。
【請求項2】 熱分解性化合物がオニウム塩、ジアゾニウム塩及びキノンジアジド化合物から選ばれる化合物である請求項1記載のポジ型感光性組成物。
【請求項3】 界面活性剤がHLB8以上の非イオン性界面活性剤及びフッ素系界面活性剤から選ばれる少なくとも一種である請求項1又は2記載のポジ型感光性組成物。
【請求項4】 界面活性剤がHLB10以上の非イオン性界面活性剤である請求項3記載のポジ型感光性組成物。
【請求項5】 光熱変換物質が波長域650〜1300nmの一部又は全部に吸収帯を有する光吸収物質である請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
【請求項6】 アルカリ可溶性樹脂がノボラック樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
【請求項7】 紫外光に対して実質的に感受性を有さない請求項1〜6のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
【請求項8】 400ルクスの光強度の白色蛍光灯下に10時間放置することによりアルカリ現像液に対する溶解性に実質的有意差を生じないことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
【請求項9】 露光部と未露光部において、主として化学変化以外の変化によってアルカリ現像液に対する溶解性に差異を生じるポジ型感光性組成物の成分として、(A)光熱変換物質、(B)アルカリ可溶性樹脂及び(C)界面活性剤を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。
【請求項10】 支持体上に、請求項1〜9のいずれかに記載のポジ型感光性組成物により形成されてなる層を有するポジ型感光性平版印刷版。

【公開番号】特開2000−105454(P2000−105454A)
【公開日】平成12年4月11日(2000.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−341400
【出願日】平成10年12月1日(1998.12.1)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】