説明

ポリオレフィン系樹脂ペレットの製造方法

【課題】形状の良好なペレットを得ることができるポリオレフィン系樹脂ペレットの製造方法を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂供給口から、ポリオレフィン系樹脂の融点を超える温度に調整されたバレルまでの第1ゾーンと、該第1ゾーンの下流側に隣接し、バレル温度がポリオレフィン系樹脂の融点以下の温度に調整された第2ゾーンとが設けられた二軸押出機のポリオレフィン系樹脂供給口から、二軸押出機内にポリオレフィン系樹脂を供給し、第2ゾーンのスクリュー構成として、逆方向スクリューエレメント及び/又はニュートラルスクリューエレメントからなるスクリューブロックを有し、当該ブロックの長さが第2ゾーンの長さの10%〜50%であるスクリューを用いてポリオレフィン系樹脂を溶融混練および溶融押出しするポリオレフィン系樹脂ペレットの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二軸押出機を用いてポリオレフィン系樹脂ペレットを製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリオレフィン系樹脂は、比較的安価で、かつ良好な成形性、耐熱性、機械的特性および外観等を有するため、種々の成形品に使用されている。
当該ポリオレフィン系樹脂の製造においては、オレフィンの重合で得られた粉状あるいは溶融状の樹脂に、必要に応じて各種添加剤を添加し、当該樹脂を押出機で溶融混練して溶融樹脂を押出し、該溶融樹脂を冷却しながらカットしてポリオレフィン系樹脂ペレットが製造され(例えば、特許文献1、2参照。)、ポリオレフィン系樹脂は、ペレット形状で出荷されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−174612号公報
【特許文献2】特開平7−68538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これまでの押出機によるポリオレフィン系樹脂ペレットの製造方法では、低分子量や低融点のポリオレフィン系樹脂のペレットを製造する場合、溶融樹脂がペレット状にカットされないこと、ペレットが互着すること等があり、十分満足のいくものではなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、二軸押出機を用いたポリオレフィン系樹脂ペレットの製造方法であって、ポリオレフィン系樹脂が低分子量や低融点の樹脂であっても、形状の良好なペレットを得ることができる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、二軸押出機のポリオレフィン系樹脂供給口から、二軸押出機内にポリオレフィン系樹脂を供給し、該二軸押出機内でポリオレフィン系樹脂を溶融混練し、次いで、ポリオレフィン系樹脂を該二軸押出機から溶融押出しして、ペレット状にカットするポリオレフィン系樹脂ペレットの製造方法において、該二軸押出機に、ポリオレフィン系樹脂供給口から、ポリオレフィン系樹脂の融点を超える温度に調整されたバレルまでの第1ゾーンと、該第1ゾーンの下流側に隣接し、バレル温度がポリオレフィン系樹脂の融点以下の温度に調整された第2ゾーンとを設け、第2ゾーンのスクリュー構成として、逆方向スクリューエレメント及び/又はニュートラルスクリューエレメントからなるスクリューブロックを有し、当該ブロックの長さが第2ゾーンの長さの10%〜50%であるスクリューを用いてポリオレフィン系樹脂を溶融混練および溶融押出しするポリオレフィン系樹脂ペレットの製造方法にかかるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、二軸押出機を用いたポリオレフィン系樹脂ペレットの製造方法であって、ポリオレフィン系樹脂が低分子量や低融点の樹脂であっても、形状の良好なペレットを得ることができる製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明では、ポリオレフィン系樹脂を、二軸押出機のポリオレフィン系樹脂供給口から二軸押出機内に供給し、該二軸押出機内でポリオレフィン系樹脂を溶融混練し、次いで、ポリオレフィン系樹脂を該二軸押出機から溶融押出しして、押出された溶融樹脂をペレットにカットする。
【0008】
ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂などのオレフィン樹脂(オレフィンに基づく単量体単位を有する樹脂)があげられる。
【0009】
エチレン系樹脂としては、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−スチレン共重合体、エチレン−ビニルシクロヘキサン共重合体、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体があげられる。プロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−スチレン共重合体、プロピレン−ビニルシクロヘキサン共重合体、プロピレン−ノルボルネン共重合体などがあげられる。これらは、1種以上用いられる。
【0010】
本発明は、メルトフローレートが10〜150g/10分のポリオレフィン系樹脂に好適であり、メルトフローレートが15〜50g/10分のポリオレフィン系樹脂により好適である。ここでメルトフローレートは、JIS K7210に規定されたメルトフローレートの測定方法において、温度を130℃、荷重を21.18Nに変更して測定されるメルトフローレートである。
【0011】
本発明は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下であるポリオレフィン系樹脂に好適であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.2以下であるポリオレフィン系樹脂により好適である。
【0012】
本発明は、示差走査熱量計により測定される融点が80℃以下であるポリオレフィン系樹脂に好適であり、示差走査熱量計により測定される融点が40〜65℃であるポリオレフィン系樹脂により好適である。
【0013】
ポリオレフィン系樹脂供給口から二軸押出機内に供給されるポリオレフィン系樹脂の性状としては、粉状、クラム状、板状、ベール状、溶融状、溶液状などがあげられる。
【0014】
ポリオレフィン系樹脂を押出機に供給する方法としては、ポリオレフィン系樹脂の性状が溶融状、溶液状などの状態である場合は、重力により流下させる方法、ギヤポンプなどのポンプで供給する方法があげられる。また、ポリオレフィン系樹脂の性状が粉状、クラム状、ベール状などの状態である場合は、スクリューフィーダ、コイルフィーダ、メルトフィーダなどで供給する方法があげられる。これらの供給方法において、ポリオレフィン系樹脂の流量を制御する方法としては、流量制御弁を設けて、当該弁の開閉間隔および開度を変更する方法、ギヤポンプの回転数を変更する方法などがあげられる。
【0015】
二軸押出機には、次の第1ゾーンと、該第1ゾーンに続いて、次の第2ゾーンが設けられている。
第1ゾーン:ポリオレフィン系樹脂供給口から、ポリオレフィン系樹脂の融点を超える温度に調整されたバレルまでのゾーン。
第2ゾーン:第1ゾーンの下流側に隣接したゾーンであって、バレル温度がポリオレフィン系樹脂の融点以下の温度に調整されたゾーン。
【0016】
第1ゾーンは、ポリオレフィン系樹脂供給口位置を始点とし、ポリオレフィン系樹脂の融点を超える温度に調整されたバレルの最下流位置を終点とする。
【0017】
第1ゾーンの長さは、バレルの内径をD(mm)として、好ましくは、10×D(mm)〜55×D(mm)である。
【0018】
第1ゾーンは、高温ゾーンとして、ポリオレフィン系樹脂の融点+100℃以上の温度に調整されたゾーンを有することが好ましく、140℃以上の温度に調整されたゾーンを有することがより好ましい。高温ゾーンの最高温度は、ポリオレフィン系樹脂の融点+250℃以下であることが好ましい。また、該最高温度は、290℃以下であることがより好ましい。
【0019】
第1ゾーンは、当該高温ゾーンを、第1ゾーンの最下流部に有することが好ましい。また、当該高温ゾーンの長さは、第1ゾーンの30%〜60%であることが好ましい。
【0020】
第2ゾーンの長さは、バレルの内径をD(mm)として、好ましくは、7×D(mm)〜25×D(mm)であり、より好ましくは、10×D(mm)〜24×D(mm)である。
【0021】
第2ゾーンのバレル温度は、ポリオレフィン系樹脂の融点以下の温度である。好ましくは、ポリオレフィン系樹脂の融点−10℃以下であり、より好ましくは、ポリオレフィン系樹脂の融点−20℃以下である。
【0022】
二軸押出機のバレルの内径(D)は、特に制限は無く、製造量に応じて適宜決定することができるが、好ましくは20mm〜300mmである。
【0023】
二軸押出機の二軸スクリューの回転方法は、同方向あるいは異方向であるが、好ましくは、同方向である。また、二軸スクリューの噛み合い型は、好ましくは、部分噛み合い型又は完全噛み合い型である。
【0024】
スクリューとしては、第1ゾーンのスクリュー構成に順方向スクリューエレメントからなるスクリューブロックを有し、当該ブロックの長さが第1ゾーンの長さの40%以上であるスクリューが好ましい。なお、当該ブロックが第1ゾーンに複数ある場合、複数あるブロックの長さの総和を当該ブロックの長さとする。
【0025】
スクリューは、第2ゾーンのスクリュー構成に逆方向スクリューエレメント及び/又はニュートラルスクリューエレメントからなるスクリューブロックを有し、当該ブロックの長さが第2ゾーンの長さの10〜50%である。当該ブロックの長さは、好ましくは、第2ゾーンの長さの12〜33%である。なお、当該ブロックが第1ゾーンに複数ある場合、複数あるブロックの長さの総和を当該ブロックの長さとする。
【0026】
スクリューは、第2ゾーンのスクリュー構成に、逆方向スクリューエレメント及びニュートラルスクリューエレメント以外のスクリューエレメントからなるスクリューブロックを有し、当該ブロックの長さが第2ゾーンの長さの50〜90%であることが好ましい。また、当該スクリューブロックは、順方向スクリューエレメントからブロックであることが好ましい。
【0027】
逆方向スクリューエレメントとは、スクリューの回転によって押出方向と逆方向に樹脂を移動させる作用を有するスクリューエレメントである。逆ニーディングエレメント、逆フライトエレメント等をあげることができる。
【0028】
ニュートラルスクリューエレメントとはスクリューの回転によって樹脂を移動させる作用を有さないスクリューエレメントである。直交ニーディングエレメント、シールリング等をあげることができる。
【0029】
順方向スクリューエレメントとは、スクリューの回転によって押出方向に樹脂を移動させる作用を有するスクリューエレメントである。順ニーディングエレメント、順フライトエレメント等をあげることができる。
【0030】
二軸押出機の第2ゾーン樹脂充填率は、好ましくは1未満である。充填率は二軸押出機のサイトグラスから覗くことや、サンプリングボックス、ベントボックスなどのシリンダー上部を開放させることで目視観察できる。
【0031】
第2ゾーン樹脂充填率を1未満にするために、第1ゾーンの長さに対する第1ゾーンに設けられた順方向スクリューエレメントからなるスクリューブロックの長さの割合は、第2ゾーンの長さに対する第2ゾーンに設けられた順方向スクリューエレメントからなるスクリューブロックの長さの割合よりも、小さいことが好ましい。
また、第1ゾーンの長さに対する第1ゾーンに設けられた順方向スクリューエレメントからなるスクリューブロックの長さの割合は、第2ゾーンの長さに対する第2ゾーンに設けられた順方向スクリューエレメントからなるスクリューブロックの長さの割合の2/3以下であることがより好ましい。
【0032】
また、本発明では、二軸押出機に副原料供給口を設けて、当該供給口から添加剤等の副原料を供給し、ポリオレフィン系樹脂と副原料との混練を行ってもよい。また、二軸押出機にベント口を設けて、揮発成分の脱気を行ってもよい。
【0033】
二軸押出機から溶融押出しされた溶融樹脂をペレット状にカットする方法としては、公知の方法が使用される。例えば、水中カット式造粒機を用いる方法、すなわち、ダイスノズルより溶融状態で押出された溶融樹脂を、カッター刃でペレットに切断し、該ペレットを冷却水で固化する方法(アンダーウォーターカット法)をあげることができる。また、ダイスノズルより溶融状態で押出された溶融樹脂を冷却水で固化してストランドとし、該ストランドをカッター刃で切断してペレットにする方法(コールドカット法)をあげることができる。好ましくは、水中カット式造粒機を用いる方法である。
【0034】
ペレットの形状は、通常、球状、楕円球状あるいは円柱状であり、大きさは、通常、直径が1〜20mm、長さが1〜20mmである。
【0035】
本発明で製造されたポリオレフィン系樹脂ペレットは、フィルム、シート、チューブ、樹脂加工助剤、ゴム加工助剤、繊維処理剤、接着剤、バインダー、塗料等の原料に使用される。
【実施例】
【0036】
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
重合体の物性は、下記の方法によって測定した。
【0037】
(1)融点(Tm、単位:℃)
示差走査熱量計[セイコー電子工業社製 SSC−5200]により、重合体約10mgを用いて、次の条件で示差走査熱量測定曲線を測定し、2回目の昇温時の示差走査熱量測定曲線から求めた。融点は、ピーク高さが最大の吸熱ピークのピーク温度とした。
<測定条件>
(1)昇温(1回目):室温から200℃まで10℃/分で昇温し、200℃で10分間保持する。
(2)降温:(1)の操作後、直ちに200℃から−100℃まで10℃/分で降温し、−100℃で10分間保持する。
(3)昇温(2回目):(2)の操作後、直ちに−100℃から200℃まで10℃/分で昇温する。
【0038】
(2)メルトフローレート(MFR:単位g/10分)
JIS K7210に規定された方法において、温度を130℃、荷重を21.18Nの条件として、メルトフローレートを測定した。
【0039】
(3)分子量分布
ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフ(日本分光社製)を用いて、次の条件で分子量分布曲線を測定し、該曲線から分子量分布を求めた。なお、分子量分布は重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で評価した。
[測定条件]
カラム :東ソー(株)社製 TSKgelG6000+G5000+G4000+G3000HXL
測定温度:40℃
移動相 :テトラヒドロフラン
試料濃度:1mg/ml
分子量標準物質:標準ポリスチレン
【0040】
実施例1
二軸押出機(日本製鋼所製TEX−30α)の樹脂供給口から下流側に、長さ28×D(バレルの直径をDmmとする。)のゾーンを第1ゾーンとし、長さ14×Dのゾーンを第2ゾーンとした。第1ゾーンの下流側10.5×Dの長さのバレル温度を250℃に設定し、第2ゾーンのバレル温度を50℃に設定した。スクリューとしては、第1ゾーンに、フライトスクリューエレメントからなるスクリューブロックを第1ゾーンの長さの48%有し、第2ゾーンに、フライトスクリューエレメントからなるスクリューブロックを第2ゾーンの長さの75%有し、第2ゾーンに、1×Dの長さの直交ニーディングディスク、0.5×Dの長さのシールリング、1×Dの長さの逆ニーディングディスク及び1×Dの長さの逆フライトからなるスクリューブロックを第2ゾーンに有するスクリューを使用した。なお、第2ゾーンでは、直交ニーディングディスクと逆ニーディングディスクと逆フライトとシールリングとを、上流側から、直交ニーディングディスク、逆ニーディングディスク、逆フライト、シールリングの順で配置した。
該二軸押出機の樹脂供給口に、ポリエチレン系樹脂(エチレン単位の含有量:87mol%、融点:57℃、メルトフローレート:35g/10分、分子量分布(Mw/Mn):2。)を供給し、該樹脂を溶融混練し、次いで、該樹脂を溶融押出しして、水中カット式造粒機(GALA社製水中カットペレタイジングシステム)にて、溶融押出しされた樹脂をカットしたところ、ポリオレフィン系樹脂ペレットが安定して得られた。
第1ゾーンの下流部でのポリオレフィン系樹脂の温度は、241℃であり、第2ゾーンのベントボックスを開けたところ、バレル内の樹脂はフル充填ではなかった。
【0041】
実施例2
二軸押出機(日本製鋼所製TEX−44α)の樹脂供給口から下流側に、長さ29.8×D(バレルの直径をDmmとする。)のゾーンを第1ゾーンとし、長さ22.25×Dのゾーンを第2ゾーンとした。第1ゾーンの下流側11.7×Dの長さのバレル温度を250℃に設定し、第2ゾーンのバレル温度を40℃に設定した。スクリューとしては、第1ゾーンに、フライトスクリューエレメントからなるスクリューブロックを第1ゾーンの長さの40%有し、第2ゾーンに、フライトスクリューエレメントからなるスクリューブロックを第2ゾーンの長さの73%有し、第2ゾーンに、3.5×Dの長さの直交ニーディングディスク、0.5×Dの長さのシールリング、1×Dの長さの逆ニーディングディスク及び1×Dの長さの逆フライトからなるスクリューブロックを第2ゾーンに有するスクリューを使用した。なお、第2ゾーンでは、直交ニーディングディスクと逆ニーディングディスクと逆フライトとを、上流側から、直交ニーディングディスク、逆ニーディングディスク、逆フライトの順で配置した。
該二軸押出機の樹脂供給口に、ポリエチレン系樹脂(エチレン単位の含有量:87mol%、融点:57℃、メルトフローレート:35g/10分、分子量分布(Mw/Mn):2。)を供給し、該樹脂を溶融混練し、次いで、該樹脂を溶融押出しして、水中カット式造粒機(GALA社製水中カットペレタイジングシステム)にて、溶融押出しされた樹脂をカットしたところ、ポリオレフィン系樹脂ペレットが安定して得られた。
第1ゾーンの下流部でのポリオレフィン系樹脂の温度は、246℃であり、第2ゾーンのベントボックスを開けたところ、バレル内の樹脂はフル充填ではなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二軸押出機のポリオレフィン系樹脂供給口から、二軸押出機内にポリオレフィン系樹脂を供給し、該二軸押出機内でポリオレフィン系樹脂を溶融混練し、次いで、ポリオレフィン系樹脂を該二軸押出機から溶融押出しして、ペレット状にカットするポリオレフィン系樹脂ペレットの製造方法において、
該二軸押出機に、ポリオレフィン系樹脂供給口から、ポリオレフィン系樹脂の融点を超える温度に調整されたバレルまでの第1ゾーンと、
該第1ゾーンの下流側に隣接し、バレル温度がポリオレフィン系樹脂の融点以下の温度に調整された第2ゾーンとを設け、
第2ゾーンのスクリュー構成として、逆方向スクリューエレメント及び/又はニュートラルスクリューエレメントからなるスクリューブロックを有し、当該ブロックの長さが第2ゾーンの長さの10%〜50%であるスクリューを用いて
ポリオレフィン系樹脂を溶融混練および溶融押出しするポリオレフィン系樹脂ペレットの製造方法。
【請求項2】
バレルの内径をD(mm)として、第1ゾーンの長さを10×D(mm)〜55×D(mm)とし、第2ゾーンの長さを7×D(mm)〜25×D(mm)とし、
第1ゾーンの下流部のバレル温度を、ポリオレフィン系樹脂の融点+100℃〜ポリオレフィン系樹脂の融点+250℃とし、
第2ゾーンの樹脂充填率を1未満とする請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂ペレットの製造方法。
【請求項3】
第1ゾーンのスクリュー構成として、順方向スクリューエレメントからなるスクリューブロックを有し、当該ブロックの長さが第1ゾーンの長さの40%以上であるスクリューを用いる請求項1又は2に記載のポリオレフィン系樹脂ペレットの製造方法。
【請求項4】
二軸押出機から溶融押出された樹脂を水中カット式造粒機でペレットにカットする請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂ペレットの製造方法。
【請求項5】
ポリオレフィン系樹脂が、下記要件(a)、(b)及び(c)を充足する重合体である請求項1〜4のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂ペレットの製造方法。
(a)JIS K7210に規定されたメルトフローレート(MFR)測定装置により、温度130℃、荷重21.18Nの条件で測定されるMFRが10〜150g/10分である。
(b)分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
(c)示差走査熱量計により測定される融点が80℃以下である。

【公開番号】特開2011−245710(P2011−245710A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120186(P2010−120186)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】