説明

ポリオールを調製するための新規方法および得られる生成物

本発明は、式(I'')のポリオール[R'1はHまたはアルキル基であり、R''は特にアルキル基であり、A1はアルキレン基であり、かつR3は特に基-A2-O-Y' {A2はアルキレン基であり、かつY'は特にHである}である]を調製するための方法であって、特に、式(III)の化合物[A1は上記の通り定義されており、R'''1はHまたはアルキル基であり、かつR5は特に式-A2-O-Y'2の基{A2は、式(I'')において上記の通り定義されており、かつY'2は特にHである}である]を得るための、式(II)の化合物[R''1はHまたはアルキル基であり、A1は式(I'')において上記の通り定義されており、かつR4は特に基-A2-O-Y' {A2は式(I'')において上記の通り定義されており、かつY'1は特にHである}である]のエポキシ化工程を含む方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオール、特にジオールを調製するための新規方法、および得られる新規ポリオールに関する。
【背景技術】
【0002】
植物油からポリマーを合成するための様々なアプローチが存在する。最も広く普及しているのは、トリグリセリドを、エポキシ化し、次いで例えばアルコール化またはヒドロホルミル化して、それらを官能可能かつ重合可能にすることができる基材とみなすことからなるものである。
【0003】
油は、脂肪酸とグリセロールとの縮合によって形成されたトリグリセリド(トリエステル)の混合物である。各脂肪中に存在する多数の種類の脂肪酸(最大24)、およびそれらとグリセロール分子との組合せの複数の可能性は、脂肪が化合物の非常に複雑な混合物であり、その特性は油によって異なることを確実にしている。したがって、トリグリセリドの性質は同じ油の中で変動し得る。
【0004】
トリグリセリド中に存在する反応部位は、主として二重結合およびエステル官能基である。二重結合の反応性は、ヒドロキシル官能基の導入を可能にし、それにより、多重ヒドロキシル化(multihydroxlated)モノマーへのアクセスを可能にする。それにもかかわらず、完全に定義済みの構造および官能性を有するトリグリセリドを得ることは不可能である。
【0005】
植物油はポリマーを合成するための優れた前駆体であるため、文献においては植物油からのポリオールの合成が十分に記載されている。これらの材料は、天然起源の前駆体、ならびに植物油の構造および組成物によって提供される魅力的な特性により、極めて好評である。すべての脂肪中の反応部位は、エステル官能基および二重結合である。ある特定の油は、ヒドロキシルまたはエポキシド等の他の基も有する。
【0006】
これらの化合物の二重結合は、概して、ラジカル重合の部位として使用されるのに十分な反応性はない。それにもかかわらず、高温(330℃)において、二重結合は、ディールス-アルダー型の縮合を容易にする共役部位を形成するために、骨格を長距離移動させ得る。オリゴマーは、一塩化硫黄による油の加硫によって合成され、例えばゴム業界において添加剤として使用された。オリゴマーはまた、インク配合物における用途のために、三フッ化ホウ素(Crostonら、J. Amer. Oil Chem. Soc. 1952、331〜333)の存在下でのカチオン重合によって合成した。メタセシスによる重合等、二重結合が関与する他の反応は、オリゴマーを得る可能性をもたらした(Refvikら、J.Amer. Oil Chem. Soc. 1999、76、93〜98)が、これに由来する材料は非常に定義が曖昧であるため、ほぼ利用不可能である。
【0007】
したがって、植物油の官能化をより良好に制御することが必要である。
【0008】
既に指摘済みの通り、骨格における二重結合の存在は、ヒドロキシル基の導入を可能にする。後者は、135℃まで加熱した油に酸素スクリーンを通過させることからなる二重結合の直接酸化によって達成されうる(G., Soucekら、「Spectroscopic investigation of blowing process of soybean oil」、Surface Coatings International、Part B、Coatings Transactions. 2003、86: 221〜229)。酸化の制御は満足できるものではなく、過酸化物、アルデヒド、ケトン、鎖の分裂等の多くの副生成物が形成される。これらのポリオールの唯一の利点はその低原価であり、それらの合成は、最終生産物に適用される多くの処理(におい、高い酸性指数、暗色等)にもかかわらず、単一工程で達成される。
【0009】
酸化剤の存在下で酸化反応をより良好に制御するために、有機金属触媒を使用してもよい(WO2006/094227、WO2007/143135)。
【0010】
第一級ヒドロキシルを有するポリオールは、不飽和のヒドロホルミル化によって調製されうる(Guoら、J. of Polymers and the Environment. 2002、10: 49〜52)。この方法は、水素化によってヒドロキシルに変換されるアルデヒド基の形成を引き起こす、一酸化炭素と二水素との間の反応を伴う。一般に使用されるロジウムベースの触媒は非常に効率的(100%近く変換)であるが、非常に高価でもある。逆に、コバルトベースの触媒は安価であるが、効率が低い。二重結合のオゾン分解により、末端ヒドロキシル基を有するポリオールを得ることも可能である(Guoら、J. of Polymer Sci.、2000、38: 3900〜3910)。オゾンは、アルカリ系触媒の存在下、植物油およびエチレングリコールの溶液を通過する。
【0011】
ポリオールにアクセスするための別の経路は、不飽和のエポキシ化の予備反応を行うことからなる。文献において記載されている多くの研究は、脂肪のエポキシ化について記述するものである(Swernら、J. Am. Chem. Soc. 1944、66、1925〜1927; Findleyら、J. Am. Chem. Soc. 1945、67、412〜414; US 5,026,881; US 3,328,430; Petrovicら、Eur. J. Lipid Sci. Technol. 2002、104: 293〜299およびUS 4,647,678)。Petrovicは、最近、酵素的経路を介して(Vlcek, T.ら、J. Amer. Oil Chem. Soc. 2006、83: 247〜252)、またはイオン交換樹脂で触媒して(Sinadinovic-Fiserら、J. Amer. Oil Chem. Soc. 2001、78: 725)、植物油のエポキシ化を達成する可能性を実証した。それにもかかわらず、最も一般的な経路は、カルボン酸の存在下における、インシチュで形成された過酸、概して過酸化水素(ほとんどの場合、触媒量のギ酸)の使用である。反応は、50から80℃の間で1から4時間にわたって行われる。
【0012】
鎖の終端に第一級アルコールを既に有する脂肪のエポキシ化が、インシチュで形成された過酸からは決して達成されなかったことを強調することが重要である。カルボン酸と末端アルコールとの間の二次反応により、この反応を以前と同じ条件下で行うことはできない。
【0013】
エポキシ化植物油は、多くの合成において中間体として使用された。Petrovicのグループは、アルコール、無機酸を用いる、および酸触媒下での水素化によるエポキシドの開環について記述している(Guoら、J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem. 2000、38: 3900〜3910)。エポキシ化トリグリセリドを、アセトン(溶媒)の存在下におけるHClまたはHBrとの反応によって、イソプロパノールおよび触媒としてのラネーニッケルの存在下におけるH2での水素化によって、最後にイソプロパノールおよび酸触媒(例えばフルオロホウ酸)の存在下におけるメタノールによって修飾した。
【0014】
これらの官能性トリグリセリドは、異なる反応性を有し、メタノールでの開環により誘導されるものが、ポリウレタンの化学についてイソシアネートに対して最も反応性である。Petrovicは、エトキシル化(酸触媒下での第二級アルコールによるエチレンオキシドの開環)によって得られるポリオールの反応性を増大させ、第二級アルコールを第一級アルコールに変換させる。しかしながら、酸触媒の使用は、メタノールによるエポキシドの開環中に、メチルエステルの形成等の二次反応を引き起こすことに留意されたい。解決策は、エポキシドを開環するためおよび低温で操作するための特異的触媒を使用して、二次カップリング反応を回避することにある。最後に、米国特許出願公開番号第2006/7045577号が、2工程プロセスによる大豆油からのポリウレタンの合成について記述していることに留意すると興味深い: (i)過酸を使用する従来の方法により、油をエポキシ化し、(ii)エポキシ化大豆油を二酸化炭素と反応させて、炭酸化植物油(carbonated vegetable oil)をもたらす。この生成物とジアミンとの反応により、いかなるイソシアネートも使用することなくポリウレタンへのアクセスが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】WO2006/094227
【特許文献2】WO2007/143135
【特許文献3】US 5,026,881
【特許文献4】US 3,328,430
【特許文献5】US 4,647,678
【特許文献6】米国特許出願公開番号第2006/7045577号
【特許文献7】US 4,508,853
【特許文献8】EP 0 260 499
【特許文献9】US 4,742,087
【特許文献10】DE 4 232 167
【特許文献11】US 6,433,121
【特許文献12】US 6,573,354
【特許文献13】US 20070232816
【特許文献14】DE 4 238 215
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Crostonら、J. Amer. Oil Chem. Soc. 1952、331〜333
【非特許文献2】Refvikら、J.Amer. Oil Chem. Soc. 1999、76、93〜98
【非特許文献3】G., Soucekら、「Spectroscopic investigation of blowing process of soybean oil」、Surface Coatings International、Part B、Coatings Transactions. 2003、86: 221〜229
【非特許文献4】Guoら、J. of Polymers and the Environment. 2002、10: 49〜52
【非特許文献5】Guoら、J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem. 2000、38: 3900〜3910
【非特許文献6】Swernら、J. Am. Chem. Soc. 1944、66、1925〜1927
【非特許文献7】Findleyら、J. Am. Chem. Soc. 1945、67、412〜414
【非特許文献8】Petrovicら、Eur. J. Lipid Sci. Technol. 2002、104: 293〜299
【非特許文献9】Vlcek, T.ら、J. Amer. Oil Chem. Soc. 2006、83: 247〜252
【非特許文献10】Sinadinovic-Fiserら、J. Amer. Oil Chem. Soc. 2001、78: 725
【非特許文献11】G.D. Yadav、P.H. Mehta、Indust. Eng. Chem. Res. 1994、33: 2198〜2208
【非特許文献12】Gruberら、Fett Wissenschaft Technologie、1987、4:147〜151
【非特許文献13】Zlatanicら、J. Polym. Sci. B: Polym. Physics、2004、42: 809〜819
【非特許文献14】Jiang Zhuら、Journal of Applied Polymer Science、2004、91、3513〜3518
【非特許文献15】Parkら、Macromolecular Chemistry and Physics、2004、205、2048〜2054
【非特許文献16】Parzuchowskiら、Journal of Applied Polymer Science、2006、102、2904〜2914
【非特許文献17】Miyagawaら、Marcomoecular Materials and Engineering、2004、289、629〜635
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、植物油エステルから、前述の欠点を克服する可能性をもたらすポリオールを調製するための方法を提供することである。
【0018】
本発明の目的はまた、使用されている最も均質な触媒よりも環境的な期待を良好に満たし、かつ二次反応を制限する触媒の使用を含む、ポリオールを調製するための方法を提供することである。
【0019】
本発明の目的はまた、定義が曖昧な構造を有するトリグリセリドからの化学転換に関する先行技術の方法とは異なり、官能性が制御された官能性前駆体を得るための、モノエステルまたはトリグリセリドの化学修飾のための単純かつ効率的な経路に存する方法を提供することである。
【0020】
本発明の目的は、植物油のモノ-またはジ-エステルを介する3工程での単純な調製方法を提供することである。
【0021】
本発明の目的は、いずれも少なくとも二官能性(ポリオール)であり、かつ十分に定義された構造を有する新規シントン、モノ-エステルまたはジ-エステルへのアクセスを可能にし、特異的触媒を必要とする、3工程方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、下記の一般式(I'')に当てはまるポリオール:
【0023】
【化1】

【0024】
[式中、
- R'1は、H、または2から14個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し、前記アルキル基は、1個または複数のORa基{Raは、Hまたは以下で定義する通りの基R'を表す}で場合により置換されていてよく、
- A1は、2から14個までの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖二価アルキレン基を表し、
- R''は、
・1から18個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基R'、または
・式-A2-OHの基{A2は、フェニレン基および式-(CH2OCH2)n-の基(nは、1から100、好ましくは6から50までの間に含まれる、好ましくは6、13または45と等しい整数を表す)によって形成される基から特に選択される、1から10個までの炭素原子を含み、必要ならば1個または複数の置換基を含む直鎖または分枝鎖二価アルキレン基を表す}
を表し、
A2は、好ましくは、式-CH2-A3-CH2-の基{A3は、式-(CH2OCH2)n-の基(nは、1から100までの間に含まれる、好ましくは6、13または45と等しい整数を表す)またはフェニレン基を表す}を表し、
- R3は、
・1から10個まで、好ましくは1から6個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基R2、または
・式-A2-O-Y'の基{A2は上記の通り定義された通りであり、かつY'は水素原子または式(A')の基
【0025】
【化2】

【0026】
(A1、R'およびR'1は、式(I'')において上記で定義された通りであり、
R''が基R'である場合、R3は式-A2-O-Y'の基を表し、R''が基-A2-OHである場合、R3は基R2を表すことが理解される)
を表す}を表す]
を調製するための方法であって、
下記の工程:
a)下記の式(IV'')の化合物:
【0027】
【化3】

【0028】
[A1は、式(I'')において上記で定義された通りであり、
R''1は、H、または2から14個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し、前記アルキル基は、1または2個の二重結合を場合により含有していてよく、前記アルキル基は、必要ならばOH基で置換されていてもよく、
R4は、上記で定義された通りのアルキル基R2、または式-A2-O-Y1'の基
{A2は上記で定義された通りであり、かつY'1は、水素原子または式(A'1)の基
【0029】
【化4】

【0030】
(A1は、式(I'')において上記で定義された通りであり、かつR''1は、式(IV'')において上記で定義された通りである)
を表す}を表す]
の、
下記の式(V'')の化合物:
【0031】
【化5】

【0032】
[A1は、式(I'')において上記で定義された通りであり、
R'''1は、H、または2から14個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し、前記アルキル基は、1または2個のエポキシド基を場合により含有していてよく、前記アルキル基は、必要ならばOH基で置換されていてもよく、
R5は、上記で定義された通りのアルキル基R2、または式-A2-O-Y2'の基{A2は上記で定義された通りであり、かつY'2は、水素原子または式(A'2)の基
【0033】
【化6】

【0034】
(A1は、式(I'')において上記で定義された通りであり、かつR'''1は、式(V'')において上記で定義された通りである)
を表す}を表す]
を得るためのエポキシ化工程と、
b)上記で定義された通りの式(I'')の化合物を得るために、式(V'')の化合物のエポキシド環を式R''OHのアルコール[R''は上記で定義された通りである]で開環する工程と、
c)上記で定義された通りの式(I'')の化合物を回収する工程と
を含む方法に関する。
【0035】
式(IV'')の初期化合物は、化合物(IV')および(IV''-1):
【0036】
【化7】

【0037】
の両方を包含する。
【0038】
化合物(IV''-1)は、植物油、特にヒマワリ、菜種またはヒマシ油とアルコールR2OHとのエステル交換によって得られ、化合物(IV')は、化合物(IV''-1)とジオールHO-A2-OHとのエステル交換によって得られる。
【0039】
エポキシ化工程a)を化合物(IV''-1)に対して行うと、化合物(V''-1)が得られる。
【0040】
【化8】

【0041】
エポキシ化工程a)を化合物(IV')に対して行うと、化合物(V'')が得られる。
【0042】
【化9】

【0043】
開環する工程b)を化合物(V''-1)に対して行うと、化合物(I''-1)が得られる。
【0044】
【化10】

【0045】
式(I''-1)の化合物は、少なくとも2個のヒドロキシル官能基を含むモノエステル型の化合物である。該化合物は、R'1の性質に応じて、他のヒドロキシル官能基を場合により含有していてよい。
【0046】
開環する工程b)を化合物(V')に対して行うと、化合物(I')が得られる。
【0047】
【化11】

【0048】
式(I')の化合物は、(Y'の性質に応じて)少なくとも2個のヒドロキシル官能基を含むモノエステルまたはジエステル型の化合物である。該化合物は、R'1の性質に応じて、他のヒドロキシル官能基を場合により含有していてよい。
【0049】
初期生成物(IV'')は、1または2個の二重結合を場合により含有していてよい基R''1を含有する。故に、化合物(V'')に至るエポキシ化工程中、これらの二重結合を基R'''1の性質に応じてエポキシ化してもよい。最後に、開環する工程の間に、R'1の前述の定義、したがってR'1中における1または2個のヒドロキシル基の任意選択の存在に応じて、基R'''1中に存在するエポキシド基も修飾する。
【0050】
ある実施形態によれば、本発明の方法は、下記の一般式(I''-1)に当てはまるポリオール:
【0051】
【化12】

【0052】
[式中、
- R'1は、H、または2から14個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し、前記アルキル基は、1または数個のORa基{Raは、Hまたは以下で定義する通りの基R'を表す}で場合により置換されていてよく、
- A1は、2から14個までの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖二価アルキレン基を表し、
- A2は、フェニレン基および式-(CH2OCH2)n-の基{nは、1から100まで、好ましくは6から50までの間に含まれる、優先的には6、13または45と等しい整数を表す}からなる群から特に選択される、1から10個までの炭素原子を含み、必要ならば1個または複数の置換基を含む直鎖または分枝鎖二価アルキレン基を表し、
A2は、好ましくは、式-CH2-A3-CH2-の基{A3は、式-(CH2OCH2)n-の基(nは、1から100までの間に含まれる、好ましくは6、13または45と等しい整数を表す)またはフェニレン基を表す}を表し、
- R2は、1から10個まで、好ましくは1から6個までの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキル基を表す]
を調製するための方法であって、下記の工程:
a)下記の式(II'-1)の化合物:
【0053】
【化13】

【0054】
[R''1は、H、または2から14個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し、前記アルキル基は、1または2個の二重結合を場合により含有していてよく、前記アルキル基は、必要ならばOH基で置換されていてもよく、
A1およびR2は、式(I''-1)において上記で定義された通りである]
の、
下記の式(IV''-1)の化合物:
【0055】
【化14】

【0056】
[A1およびR2は、式(I''-1)において上記で定義された通りであり、
R'''1は、H、または2から14個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し、前記アルキル基は、1または2個のエポキシド基を場合により含有していてよく、前記アルキル基は、必要ならばOH基で置換されていてもよい]
を得るためのエポキシ化工程と、
b)上記で定義された通りの式(I''-1)の化合物を得るために、エポキシド環を式HO-A2-OHのジオール[A2は上記で定義された通りである]で開環する工程と、
c)上記で定義された通りの式(I''-1)の化合物を回収する工程と
を含む方法に関する。
【0057】
別の実施形態によれば、本発明は、下記の一般式(I')に当てはまるポリオール:
【0058】
【化15】

【0059】
[式中、
R'1は、H、または2から14個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し、前記アルキル基は、1個または複数のORa基{Raは、Hまたは以下で定義する通りの基R'を表す}で場合により置換されていてよく、
R'は、1から18個までの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキル基を表し、
A1は、2から14個までの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖二価アルキレン基を表し、
A2は、フェニレン基および式-(CH2OCH2)n-の基{nは、1から100まで、好ましくは6から50までの間に含まれる、優先的には6、13または45と等しい整数を表す}からなる群から特に選択される、1から10個までの炭素原子を含み、必要ならば1個または複数の置換基を含む直鎖または分枝鎖二価アルキレン基を表し、
A2は、好ましくは、式-CH2-A3-CH2-の基{A3は、式-(CH2OCH2)n-の基(nは、1から100までに含まれる、好ましくは6、13または45と等しい整数を表す)またはフェニレン基を表す}を表し、
Y'は、水素原子または式(A')の基
【0060】
【化16】

【0061】
{A1、R'およびR'1は、式(I')において上記で定義された通りである}
を表す]
を調製するための方法であって、
下記の工程:
a)下記の式(II')の化合物:
【0062】
【化17】

【0063】
[R''1は、H、または2から14個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し、前記アルキル基は、1または2個の二重結合を場合により含有していてよく、前記アルキル基は、必要ならばOH基で置換されていてもよく、
A1は、式(I')において上記で定義された通りであり、
R2は、1から10個まで、好ましくは1から6個までの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキル基を表す]
と、下記の式(III)のジオール: HO-A2-OH (III)との、
下記の式(IV')の化合物:
【0064】
【化18】

【0065】
[A1、A2およびR''1は、上記で定義された通りであり、
Y'1は、水素原子または式(A'1)の基
【0066】
【化19】

【0067】
{A1は、式(I')において上記で定義された通りであり、R''1は、式(II')において上記で定義された通りである}
を表す]
を得るためのエステル交換工程と、
b)下記の式(V'')の化合物:
【0068】
【化20】

【0069】
[A1およびA2は、式(I')において上記で定義された通りであり、
R'''1は、H、または2から14個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し、前記アルキル基は、1または2個のエポキシド基を場合により含有していてよく、前記アルキル基は、必要ならばOH基で置換されていてもよく、
Y'2は、水素原子または式(A'2)の基
【0070】
【化21】

【0071】
{A1は、式(I')において上記で定義された通りであり、R'''1は、式(V')において上記で定義された通りである}
を表す]
を得るための、前述の式(IV')の化合物のエポキシ化工程と、
c)上記で定義された通りの式(I')の化合物を得るために、エポキシド環を式R'OHのアルコール[R'は上記で定義された通りである]で開環する工程と、
d)上記で定義された通りの式(I')の化合物を回収する工程と、
を含む方法に関する。
【0072】
このように、本発明の方法は、新規ポリマーを脂肪酸モノ-エステルから合成する工程からなる。後者は概して、例えば、トリグリセリドと、短鎖アルコール(R2OH、R2は上記で定義された通りである)との、好ましくはメタノールまたはエタノールとのエステル交換によって得られる。
【0073】
したがって、これらのエステル、より詳細にはヒマワリまたはヒマシのメチルまたはエチルエステルを、本発明において基剤「シントン」として使用した。
【0074】
オレイン酸含有量が特に高い多様なヒマワリ油を使用することにより、および異なるヒマワリ油メチルエステルを分画蒸留によって分離することにより、高純度のオレイン酸メチルエステル(脂肪鎖1本当たり単一の二重結合)が得られる。この単官能性前駆体から、次いで選択された数のヒドロキシル基を提供し、それにより、このモノマーの「シントン」の官能性を制御することが可能である。そのようなモノマーの十分に定義された構造は、制御されかつ再現可能な特性を有するポリマー材料を生産するために事実上不可欠である。所望のポリマーは直鎖であるため、例えば、オレインヒマワリメチルエステルから少なくとも二官能性の(ジ-OH)モノマーを作成することが求められた。
【0075】
本発明の範囲内において、本発明者らは、使用されている最も均質な触媒よりも環境的な期待を良好に満たし、かつ二次反応を制限する触媒の使用に重点的に取り組んだ。この意味で、不均一系触媒、特にイオン交換樹脂の使用は、特に興味深い。そのような樹脂は、エステル化、エーテル化、アルキル交換およびアルキル化等の多くの反応を促進するために効率的な触媒である(G.D. Yadav、P.H. Mehta、Indust. Eng. Chem. Res. 1994、33: 2198〜2208)。不均一系触媒は、均一系触媒と比較すると無視できない利点も提供する(再利用、選択性および非毒性)。次いで、この新規方法を、エポキシ化脂肪の開環に適用した。
【0076】
したがって、本発明の方法は、ポリオールを得るための数種の経路:
- モノエステル形成、エポキシ化、次いで開環のための、植物油メチルエステルのエステル交換を特に含む、モノエステルを介する3工程での経路、ならびに
- ジエステル形成、エポキシ化および開環のための、植物油メチルエステルのエステル交換を特に含む、ジエステルを介する3工程経路
を企図している。
【0077】
最初の二つの方法に関わる異なる反応は、(i)第一の第一級ヒドロキシル官能基のグラフト化を可能にするエステル基とジオールとのエステル交換(前述の工程a)) (ii)二重結合のエポキシ化(前述の工程b))、続いて(iii)第二のヒドロキシル官能基を提供するエポキシドの開環(前述の工程c))である。
【0078】
このように、本発明は、下記の二つの式のいずれか一つに当てはまるポリオール:
【0079】
【化22】

【0080】
すなわち、一方では第一級OH官能基(鎖の終端に)および第二級OH官能基を持つ非対称性ジオール、他方では2個の第二級OH官能基を持つ対称性ジオールの調製を可能にする。
【0081】
より詳細には、前述の方法は、ジオールの調製に関する。故に、本発明は、下記の一般式(I)に当てはまるジオール:
【0082】
【化23】

【0083】
[式中、
R1は、H、または2から14個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し、
R'、A1およびA2は、式(I')において上記で定義された通りであり、
Yは、水素原子または式(A)の基
【0084】
【化24】

【0085】
{A1、R'およびR1は、式(I')において上記で定義された通りである}
を表す]
を調製するための、上記で定義された通りの方法であって、
下記の工程:
a)下記の式(II)の化合物:
【0086】
【化25】

【0087】
[R1は上記で定義された通りであり、R2およびA1は、式(I')および(II')において上記で定義された通りである]
と、下記の式(III)のジオール: HO-A2-OH (III)との、
下記の式(IV)の化合物:
【0088】
【化26】

【0089】
[A1、A2およびR1は、式(I)において上記で定義された通りであり、
Y1は、水素原子または式(A1)の基
【0090】
【化27】

【0091】
{A1は、式(I)において上記で定義された通りであり、R1は、式(II)において上記で定義された通りである}
を表す]
を得るためのエステル交換工程と、
b)下記の式(V)の化合物:
【0092】
【化28】

【0093】
[A1、A2およびR1は、式(I)において上記で定義された通りであり、
Y2は、水素原子または式(A2)の基
【0094】
【化29】

【0095】
{A1は、式(I)において上記で定義された通りであり、R1は、式(II)において上記で定義された通りである}
を表す]
を得るための、前述の式(IV)の化合物のエポキシ化工程と、
c)上記で定義された通りの式(I)の化合物を得るために、エポキシド環(cycle)を式R'OHのアルコール[R'は上記で定義された通りである]で開環する工程と、
d)上記で定義された通りの式(I)の化合物を回収する工程と
を含む方法にも関する。
【0096】
本発明は、一般式(I''-2)に当てはまるジオール:
【0097】
【化30】

【0098】
[式中、
R1は、H、または2から14個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し、
R2、A1およびA2は、式(I''-1)において上記で定義された通りである]
を調製するための、上記で定義された通りの方法であって、下記の工程:
a)式(II'-2)の化合物:
【0099】
【化31】

【0100】
[A1、R1およびR1は、式(I''-2)において上記で定義された通りである]
の、下記の式(IV''-2)の化合物:
【0101】
【化32】

【0102】
[A1、R1およびR2は、上記で定義された通りである]
を得るためのエポキシ化工程と、
b)上記で定義された通りの式(I''-2)の化合物を得るために、上記で定義された通りの式(IV''-2)の化合物のエポキシド環を式HO-A2-OHのジオール[A2は上記で定義された通りである]で開環する工程と、
c)上記で定義された通りの式(I''-2)の化合物を回収する工程と
を含む方法にも関する。
【0103】
先に指摘した通り、式(I)および(I''-2)の本発明のジオールは、天然脂肪から誘導され、二つの正確な官能性を有するという特殊性を有する。
【0104】
化合物(I)および(I')を調製するための本発明の方法は、不均一系触媒(酸化マグネシウムまたは別の不均一系触媒)中、好ましくはいかなる溶媒も存在しない中で行われる第一のエステル交換工程を含む(クリーン合成)。
【0105】
化合物(I)および(I')を調製するための本発明の方法の第二工程はエポキシ化であり、この合成は、モノエステルの末端ヒドロキシル基の存在により、特殊である。エポキシ化は、鎖の終端におけるアルコールとの二次反応を回避するために既に形成された過酸の使用を必要とし、カップリングの形成を阻害するための比較的温和な条件下ではエポキシドの開環が唯一可能である。この第二工程の特異性は、予め形成された過酸の使用に存する。
【0106】
最後に、化合物(I)および(I')を調製するための本発明の方法の第三工程は、酸触媒下、エポキシドをアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール等)で開環することからなる。この工程の特異性は、該工程が好ましくは再利用可能かつ選択的なイオン交換樹脂に適用され、優先的にはいかなる溶媒も存在しない中で行われることに存する。これら三つの反応が、いかなる中間精製もなしに互いに追従することに留意することも重要である(単一の精製が最後に行われてよく、これにより方法の設定を容易にする)。
【0107】
好ましくは、本発明の方法は、下記の式(I-1)に当てはまるジオール:
【0108】
【化33】

【0109】
[A1、A2、R1およびR'は、式(I)において上記で定義された通りである]
の調製を可能にする。
【0110】
式(I-1)のジオールは、Yが水素原子である式(I)の化合物に相当する。このジオールは、第一級OH官能基(鎖の終端に)および第二級OH官能基を含む。
【0111】
本発明は、上記で定義された通りのジオールを調製するための方法にも関し、前記ジオールは、下記の式(I-2):
【0112】
【化34】

【0113】
[A1、A2、R1およびR'は、式(I)において上記で定義された通りである]
に当てはまる。
【0114】
式(I-2)のジオールは、Yが式(A)の基である式(I)の化合物に相当する。このジオールは、2個の第二級OH官能基を含む。
【0115】
好ましい実施形態によれば、本発明の方法の工程a)は、酸化マグネシウム、酢酸亜鉛およびナトリウムメタノレートからなる群から選択される触媒の存在下で行われる。
【0116】
好ましくは、前記工程a)は、窒素流下150から200℃までの間に含まれる温度で行われる。この温度範囲は、使用される触媒の性質に応じて選択される。例えば、温度が200℃超であれば、触媒は分解される。
【0117】
好ましい実施形態によれば、上記で定義された通りのこの工程a)は、いかなる溶媒もなしに行われ、このことはエコロジーの観点から非常に有利である。
【0118】
本発明は、工程a)の最後に得られる式(IV)の生成物がモノエステルおよびジエステルの混合物の形態であることを特徴とする、上記で定義された通りのジオールを調製するための方法にも関し、該モノエステルは下記の式(IV-1):
【0119】
【化35】

【0120】
に当てはまり、該ジエステルは下記の式(IV-2):
【0121】
【化36】

【0122】
[A1、A2およびR1は、式(I)において上記で定義された通りである]
に当てはまる。
【0123】
式(IV-1)のモノエステルは、Y1がHである式(IV)の化合物に相当し、式(IV-2)のジエステルは、Y1が式(A1)の基である式(IV)に相当する。
【0124】
本発明の方法の範囲内において、ジオール、すなわち式(III)の化合物が、大過剰で(例えば100のモル比で)(ジオール(III)のモル数と式(II)の化合物のモル数との間の比)使用されれば、最大95重量%のモノエステル(式(IV-1)の化合物)が得られ、一方、ジオールが式(II)の化合物と比較して少ない量(default)で(例えば0.5のモル比で)使用される場合、最大85重量%のジエステル(式(IV-2)の化合物)が得られる。したがって、初期生成物の量を適正に選択することにより、本発明の方法を用いて、得られる化合物(モノエステル、ジエステルまたは混合物)の組成を制御することが可能である。
【0125】
本発明は、工程b)の最後に得られる式(V)の生成物がモノエステルおよびジエステルの混合物の形態であることを特徴とする、上記で定義された通りのジオールを調製するための方法にも関し、該モノエステルは下記の式(V-1):
【0126】
【化37】

【0127】
に当てはまり、該ジエステルは下記の式(V-2):
【0128】
【化38】

[A1、A2およびR1は、式(I)において上記で定義された通りである]
に当てはまる。
【0129】
式(V-1)のモノエステルは、Y2がHである式(V)の化合物に相当し、式(V-2)のジエステルは、Y2が式(A2)の基である式(V)の化合物に相当する。
【0130】
本発明による前述の方法は、工程a)と工程b)との間に、式(IV)の化合物を、特にシリカカラム上でまたは高真空蒸留によって精製することからなる中間工程も含みうる。
【0131】
例えば、式(IV-1)のモノエステルは、ヘプタン/アセトン/石油エーテル 80/10/10混合物を使用することによって精製され、式(IV-2)のジエステルは、ヘプタン/石油エーテル 80/20混合物を使用することによって精製される。
【0132】
好ましい実施形態によれば、本発明の方法の工程b)は、過酸の存在下で行われ、この工程は、特に真空内200℃で3分間未満行われる。
【0133】
過酸の中でも、特にメタクロロ過安息香酸(m-CPBA)およびモノペルオキシフタル酸マグネシウム六水和物(MMPP)を挙げることができる。
【0134】
本発明は、上記で定義された通りのジオールを調製するための方法にも関し、ここで、式(IV)の化合物が、Y2が式(A2)の基である化合物である場合、エポキシ化工程b)は、H2O2およびギ酸の存在下、またはH2O2および酢酸の存在下で行われる。
【0135】
本発明による前述の方法は、工程b)と工程c)との間に、式(V)の化合物を特にシリカカラム上で精製することからなる中間工程も含みうる。
【0136】
しかしながら、式(V)の化合物が精製することなく直接使用されうることを考慮すると、この精製工程は任意選択である。
【0137】
例えば、式(V-1)のモノエステルは、トルエン/酢酸エチル 60/40混合物を使用することによって精製され、式(V-2)のジエステルは、トルエン/酢酸エチル 95/5混合物を使用することによって精製される。
【0138】
好ましい実施形態によれば、本発明による調製方法は、工程c)が、特にスルホン酸官能基を持つプロトンイオン交換樹脂型の酸触媒(樹脂Amberlyst (登録商標) 15 Dry)、不均一系触媒、para-トルエンスルホン酸(PTSA)またはメタンスルホン酸(MSA)からなる群から選択される触媒の存在下、20℃から120℃までの間に含まれる温度で、好ましくは70℃で行われることを特徴とする。
【0139】
本発明による前述の方法は、工程c)の最後に、式(I)の化合物を特にシリカカラム上で精製することからなる追加工程も含みうる。
【0140】
しかしながら、式(I)の化合物が精製することなく直接使用されうることを考慮すると、この精製工程は任意選択である。
【0141】
例えば、式(I)の化合物は、トルエン/酢酸エチル 40/60混合物を使用することによって精製される。
【発明を実施するための形態】
【0142】
本発明の方法の工程の詳細な説明
1.工程a):式(II')または(II)の化合物のエステル交換反応
本発明の方法の範囲内において、このエステル交換は、好ましくは、オレインヒマワリ油(式(II)または(II')の化合物)の軽質アルコール(特にメタノールまたはエタノール等)のエステルから、およびジオール(式(III)または(III')の化合物)から、特に触媒としての酸化マグネシウムの存在下で行われる。モノマーの、したがって結果として生じるポリマーの特性を変調するために、様々なジオールを用いて数種の合成が行われる。したがって、エステル交換は、プロパンジオール、ヘキサンジオール、ブタンジオールおよびヒドロキシルテレキーレックポリ(エチレンオキシド)から行った。
【0143】
反応は、窒素流下150℃から200℃の間で起こる。反応の進行を、様々な分析、特にMNR (メチル基の一重項の消失)によって追跡する。反応条件に応じて、二種の生成物が得られる。
【0144】
使用されるジオールを大過剰で入れると、多くの場合、末端ヒドロキシル基を有する少なくとも80%、または95%にも及ぶモノエステル(またはモノグリセリドの誘導体)が得られる。次いで、この鎖の終端のアルコールが、モノマーに第一の官能性を提供する。
【0145】
逆に、ジオールを少ない量で随意的に導入すると、多くの場合、少なくとも60%、または85%にも及ぶジエステル(またはジグリセリドの誘導体)が得られる。次いで、この第二の前駆体が正確に2個の二重結合を有し、それを経由してヒドロキシル基が導入され、二つの官能性を持つモノマーへのアクセスを可能にする。
【0146】
【表1】

【0147】
故に、工程a) (R1 = C6H13、A1 = C9H18、R2 = CH3、A2 = Rである)は、特に下記の図表によって例証されうる。
【0148】
【化39】

【0149】
調製されたシントン(式(IV)の化合物に相当する)は、例えば、モノエステルについてはヘプタン/アセトン/石油エーテル 80/10/10混合物を、ジエステルについてはヘプタン/石油エーテル 80/20混合物を用いてシリカカラム上で精製される。精製後の収率を上記の表に記す。
【0150】
この第一工程の最後に、2個の前駆体が利用可能であり、第一は鎖上に末端ヒドロキシル基および二重結合を有するモノエステル(式(IV-1)の化合物)であり、第二のものは、その後2個のヒドロキシル基を含有する対称性ポリオールを得るために正確に2個の二重結合を有するジエステル(式(IV-2)の化合物)である。関わる合成経路は不均一系触媒(酸化マグネシウム)に頼り、合成はいかなる溶媒もなしに起こるため、該合成経路は<クリーン>である。産業的精製は、高真空下での蒸留によって遂行されうる。
【0151】
2.工程b):エステル交換後に得られるモノエステルおよびジエステルの誘導体のエポキシ化
鎖の終端に第一級アルコールを有する脂肪の、インシチュで形成された過酸によるエポキシ化が扱われたことはなく、先に記載したものと同じ条件下では達成できない。エポキシ化反応は、事実上、カルボン酸を形成するようにオレインヒマワリモノエステルの末端アルコールの二次酸化反応によって引き起こされる干渉を受ける。この二次反応によって試薬が消費されるため、エポキシ化は達成されない。
【0152】
故に、二次エステル化反応は、触媒(カルボン酸)とモノエステルの末端アルコールとの間で、下記のスキーム(R1 = C8H17かつA1 = C7H14である具体的な事例)に従って発生する。
【0153】
【化40】

【0154】
寄生反応に不利益をもたらす触媒の量の低減または温度の低減は、それにもかかわらず、反応時間の著しい増大、および並行して、70℃の酸媒中において形成された脆弱なエポキシド架橋の初期開環を引き起こす。そこで、いかなる反応性カルボン酸も使用しない別のエポキシ化戦略が、本発明者らによって開発された。
【0155】
本発明の方法の範囲内において、末端ヒドロキシル基(式(IV-1)の化合物)を用いるモノエステルのエポキシ化に適用される方法は、既に形成された市販の過酸、すなわち、特にメタクロロ過安息香酸(m-CPBA)の使用にあり、したがって、潜在的に毒性の金属の使用を回避する。
【0156】
この反応の機序は、以下のスキームに従って例証されうる。
【0157】
【化41】

【0158】
本発明の範囲内において、エポキシ化は、過酸(mCPBA、MMPP等)を用いて達成された。反応をMNRによって追跡し、5.2ppmにおける二重結合のプロトン二重項の消失、および2.8ppmにおける広域ピークの出現が、反応の進行の追跡を可能にする。二重結合の変換は、計3時間後である。硫酸ナトリウムの飽和溶液を用いて、過剰なm-CPBAを対応するカルボン酸に還元する。有機相をジクロロメタンで抽出し、次いで、残りのカルボン酸を、重炭酸ナトリウムの飽和溶液による2回の洗浄を利用して、クロロ安息香酸ナトリウム(水溶性)に転換する。
【0159】
いかなるヒドロキシル基も有さないジエステル(式(IV-2)の化合物)は、標準的な手順(H2O2 +ギ酸)を使用することによって、または上記で指示した通りの過酸、例えばメタクロロ過安息香酸を使用することによって、エポキシ化されうる。
【0160】
得られたシントンはすべて、エポキシ化モノエステルについてはトルエン/酢酸エチル 60/40混合物を、エポキシ化ジエステルについてはトルエン/酢酸エチル 95/5混合物を用いて、シリカカラム上で精製する。
【0161】
3.工程c):エポキシ化されたモノエステルおよびジエステルのエポキシドをアルコールによって開環する
本発明の範囲内において、目標は、エポキシドをアルコールで開環することにより、末端第一級アルコールを既に有するモノエステル上にヒドロキシル基を導入することである。
【0162】
110℃かつ酸触媒(p-トルエンスルホン酸)下では、エポキシドの開環と比較してエステル交換が望ましい。実際に、鎖の終端の第一級アルコールは、これらの二次反応に関わる。
【0163】
例えば、カップリングの形成は、特に下記のスキームに従うエポキシドの開環時に観察される。
【0164】
【化42】

【0165】
低温で行われる試験では、カップリングは低減されるがエポキシドの開環は大幅に減速されることを示す。エポキシドの開環の多くは、均一系酸触媒(US 4,508,853; Gruberら、Fett Wissenschaft Technologie、1987、4:147〜151; EP 0 260 499; US 4,742,087; DE 4 232 167; Guoら、J. Polym. Sci. A: Polym. Chem.、2000、38: 3900〜3910; US 6,433,121; US 6,573,354; Zlatanicら、J. Polym. Sci. B: Polym. Physics、2004、42: 809〜819; US 20070232816)またはアミン(DE 4 238 215)を使用する。
【0166】
本発明の方法は、エステル交換の開始をトリガーしないために、エポキシドの開環時および低温での操作時に特異的触媒を使用する工程からなる。
【0167】
本発明の方法の工程c)に適用される反応条件は、従来の均一系触媒を用いるものよりも温和(110℃の代わりに70℃)であり、合成はいかなる溶媒もなしに遂行される。故に、エポキシ化モノエステルおよびジエステルを、4質量%の樹脂Amberlyst 15 Dryの存在下で、大過剰のアルコールと混合する。媒質を70℃に15時間加熱する。反応の進行を、MNRにより、2.8ppmにおけるエポキシドのピークの消失によって追跡する。次いで、触媒を回収するために、混合物を濾過する。
【0168】
次いで、アルコール化シントンを、ヒドロキシル化モノエステルおよびジエステルについてはトルエン/酢酸エチル 40/60混合物を用いてシリカカラム上で精製する。
【0169】
本発明は、下記の一般式(I'')に当てはまる化合物:
【0170】
【化43】

【0171】
[式中、
- R'1は、H、または2から14個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し、前記アルキル基は、1個または複数の基ORa {Raは、Hまたは以下で定義する通りの基R'を表す}で場合により置換されていてよく、
- A1は、2から14個までの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖二価アルキレン基を表し、
- R''は、
・1から18個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基R'、または
・式-A2-OHの基{A2は、フェニレン基および式-(CH2OCH2)n-の基(nは、1から100まで、好ましくは6から50までに含まれる、優先的には6、13または45と等しい整数を表す)からなる群から特に選択される、1から10個までの炭素原子を含み、必要ならば1個または複数の置換基を含む直鎖または分枝鎖二価アルキレン基を表す}
を表し、
A2は、好ましくは、式-CH2-A3-CH2-の基{A3は、式-(CH2OCH2)n-の基(nは、1から100までに含まれる、好ましくは6、13または45と等しい整数を表す)またはフェニレン基を表す}を表し、
- R3は、
・1から10個まで、好ましくは1から6個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基R2、または
・式-A2-O-Y'の基{A2は上記で定義された通りであり、かつY'は水素原子または式(A')の基
【0172】
【化44】

【0173】
(A1、R'およびR'1は、式(I'')において上記で定義された通りであり、
R''が基R'である場合、R3は式-A2-O-Y'の基を表し、R''が基-A2-OHである場合、R3は基R2を表すことが理解される)
を表す}を表す]
にも関する。
【0174】
本発明は、下記の一般式(I''-1)に当てはまる化合物:
【0175】
【化45】

【0176】
[式中、
- R'1は、H、または2から14個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し、前記アルキル基は、1個または複数の基ORa {Raは、Hまたは以下で定義する通りの基R'を表す}で場合により置換されていてよく、
- A1は、2から14個までの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖二価アルキレン基を表し、
- A2は、フェニレン基および式-(CH2OCH2)n-の基{nは、1から100まで、好ましくは6から50までの間に含まれる、優先的には6、13または45と等しい整数を表す}からなる群から特に選択される、1から10個までの炭素原子を含み、必要ならば1個または複数の置換基を含む直鎖または分枝鎖二価アルキレン基を表し、
A2は、好ましくは、式-CH2-A3-CH2-の基{A3は、式-(CH2OCH2)n-の基(nは、1から100までの間に含まれる、好ましくは6、13または45と等しい整数を表す)またはフェニレン基を表す}を表し、
- R2は、1から10個まで、好ましくは1から6個までの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキル基を表す]
にも関する。
【0177】
本発明は、下記の一般式(I')に当てはまる化合物:
【0178】
【化46】

【0179】
[式中、
R'1は、H、または2から14個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し、前記アルキル基は、1個または複数の基ORa {Raは、Hまたは以下で定義する通りの基R'を表す}で場合により置換されていてよく、
R'は、1から18個までの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキル基を表し、
A1は、2から14個までの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖二価アルキレン基を表し、
A2は、フェニレン基および式-(CH2OCH2)n-の基{nは、1から100までの間に含まれる、好ましくは6、13または45と等しい整数を表す}からなる群から特に選択される、1から10個までの炭素原子を含み、必要ならば1個または複数の置換基を含む直鎖または分枝鎖二価アルキレン基を表し、
Y'は、水素原子または式(A')の基
【0180】
【化47】

【0181】
{A1、R'およびR'1は、式(I')において上記で定義された通りである}
を表す]
にも関する。
【0182】
前述の好ましい化合物の中でも、特に下記の式(I)の化合物:
【0183】
【化48】

【0184】
[式中、
R1は、2から14個までの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキル基を表し、
R'、A1およびA2は、式(I')において上記で定義された通りであり、
Yは、水素原子または式(A)の基
【0185】
【化49】

【0186】
{A1、R'およびR1は、式(I)において上記で定義された通りである}
を表す]
を挙げることができる。
【0187】
下記の一般式(I-1)に当てはまる、本発明による他の好ましい化合物:
【0188】
【化50】

【0189】
[式中、
R1、R'、A1およびA2は、式(I')および(I)において上記で定義された通りである]
を挙げることもできる。
【0190】
本発明は、下記の一般式(I''-1-1)に当てはまる化合物:
【0191】
【化51】

【0192】
[式中、
m、n、pおよびqは、1から18までの間に含まれる整数であり、mは、好ましくは2と等しい]
にも関する。
【0193】
好ましくは、式(I''-1-1)において、qは4と等しい。
【0194】
本発明は、下記の一般式(I-1-1)に当てはまる化合物:
【0195】
【化52】

【0196】
[式中、
m、nおよびpは、1から18までの間に含まれる整数であり、
R'は、式(I')において上記で定義された通りである]
にも関する。
【0197】
本発明は、下記の一般式(I-1-2)に当てはまる化合物:
【0198】
【化53】

【0199】
にも関する。
【0200】
本発明の好ましい化合物の別のファミリーは、下記の一般式(I-2)に当てはまる化合物:
【0201】
【化54】

【0202】
[式中、
R1、R'、A1およびA2は、式(I')および(I)において上記で定義された通りである]
からなる。
【0203】
本発明の好ましい化合物の別のファミリーは、下記の一般式(I-2-1)に当てはまる化合物:
【0204】
【化55】

【0205】
[式中、
m、nおよびpは、1から18までの間に含まれる整数であり、
R'は、式(I')において上記で定義された通りである]
からなる。
【0206】
本発明の好ましい化合物の別のファミリーは、下記の一般式(I-2-2)に当てはまる化合物:
【0207】
【化56】

【0208】
[mは上記で定義された通りである]
からなる。
【0209】
本発明の好ましいポリオールの中でも、特に下記の二種の特定化合物:
- ヒマワリ油から誘導されるジオール(8):
【0210】
【化57】

【0211】
- 菜種油から誘導されるジオール(11):
【0212】
【化58】

【0213】
を挙げることができる。
【0214】
本発明によるポリオール、特にジオールは、2個の第一級または第二級ヒドロキシル基によって十分に定義されているという特異性を有する。ジエステルの誘導体は、それらの対称性により独創的であり、エステル交換に使用されるアルコールは、シントンの構造を変動させる可能性、および故に、結果として生じるポリマーの特性をもたらす。
【0215】
次いで、これらの様々な方法によって得られたジオールを、とりわけモノマーとして使用することができる。それらの純度は、得られたポリマーの特性の最適化を可能にする。
【0216】
故に、次いで、これらのポリオールをIPDIと(または例えばMDI、HMDIもしくはHDIとも)、ジブチルスズジラウレートの存在下、60℃で塊状重合することにより、ポリウレタンを合成した。ポリウレタンの形成を、FTIRにより、イソシアネートの振動バンドの消失で確認する。立体排除クロマトグラフィーで、モル質量が14000から50000g/molの間を含むことを確認する。これらのジ-OHモノマーは、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等、他のポリマーの合成にも使用されうる。
【0217】
本発明による式(I)、(I')または(I'')のポリオール化合物は、特に、ポリイソシアネートと反応させてポリウレタンを形成するために使用される。
【0218】
故に、これらの化合物は、硬質フォーム、電気絶縁体、コーティング、接着剤、軟質フォーム(特に家具または自動車の分野において)または靴底を調製するために使用され得る。
【0219】
より正確には、本発明によるポリオールは、触媒および発泡剤(これに、界面活性剤、着色剤、酸化防止剤、保存剤、可塑剤、架橋剤、難燃剤等を添加してもよい)の存在下、それらをポリイソシアネートと反応させることにより、硬質フォームを調製するために使用される。
【0220】
好ましくは、そのような硬質フォームは、下記の構成要素: 60gのポリイソシアネート、40gのポリオール、1.2gの水(発泡剤)、0.1〜0.4gの触媒および1〜4gの界面活性剤を一緒に反応させることによって調製されうる。
【0221】
より正確には、本発明によるポリオールは、消泡剤および乾燥剤の存在下、それらをポリイソシアネートと反応させることにより、電気絶縁体を調製するために使用される。
【0222】
好ましくは、そのような電気絶縁体は、60gのポリオール、29gのポリイソシアネート、0.6gの消泡剤および3gの乾燥剤、ならびに場合により60gの充填剤(シリカ)を一緒に反応させることによって調製されうる。
【0223】
より正確には、本発明によるポリオールは、それらをポリイソシアネートと反応させることにより、コーティングを調製するために使用される。例えば、コーティングは、純粋なポリオールおよびポリイソシアネートを使用することによって、またはポリオールおよびポリイソシアネートを、溶媒(着色剤、顔料、充填剤、レオロジー添加剤、酸化防止剤、殺菌剤、殺真菌剤、防蝕剤、触媒またはUV安定剤を添加することも可能である)とともに使用することによって、調製される。
【0224】
本発明による接着剤の調製には、本発明の純粋なポリオールを純粋なポリイソシアネートとともに使用することも提供される。
【0225】
軟質フォームに関しては、好ましくは60gの本発明によるポリオール、100gのイソシアネート、4.5gの水(発泡剤)、0.12gの触媒1、0.38gの触媒2および3gの界面活性剤が使用される。
【0226】
最後に、靴底を調製するための本発明による特定配合物は、59gのイソシアネート、94.5gの本発明によるポリオール、4.1gのエチレングリコールおよび1.4gの触媒を含む。
【0227】
本発明は、下記の式:
【0228】
【化59】

【0229】
[R''1、A1、A2、Y1、Y‘1、R2、R4およびR1は、式(I)、(I')および(I'')において上記で定義された通りである]
の一つに当てはまる中間化合物にも関する。
【0230】
本発明は、下記の式:
【0231】
【化60】

【0232】
[R''1、A1、A2、Y2、Y'2、R5、R2およびR1は、式(I)および(I')において上記で定義された通りである]
の一つに当てはまる中間化合物にも関する。
【0233】
本発明による中間化合物の特に好ましいファミリーは、下記の式(V-3)に当てはまる化合物:
【0234】
【化61】

【0235】
[A1およびA2は、式(I')において上記で定義された通りであり、A1は、好ましくは基C7H14を表す]
からなる。
【0236】
したがって、本発明は、ビス-エポキシド前駆体、特にエポキシ樹脂の合成にも関する。
【0237】
これらのビス-エポキシド前駆体は、2個の末端エポキシド基を有し、ビスフェノールAジグリシジル(diclycidyl)エーテル(BADGE)の構造に近い。BADGEは、ジアミンとの縮合反応によるエポキシ樹脂の合成において、前駆体として広く使用されている。しかしながら、BADGEは、そのビスフェノールAの毒性により、禁止されつつある。本発明による前述の式(V-3)のビス-エポキシドは、BADGEの使用の代替となることが判明している。
【0238】
文献では、エポキシ樹脂の配合における植物油の使用について既に記述している:エポキシ化ヒマワリ油(Jiang Zhuら、Journal of Applied Polymer Science、2004、91、3513〜3518)、エポキシ化ヒマシ油(Parkら、Macromolecular Chemistry and Physics、2004、205、2048〜2054)または炭酸化大豆油(Parzuchowskiら、Journal of Applied Polymer Science、2006、102、2904〜2914)。それにもかかわらず、これらの油は、その低反応性により、BADGEのごく一部を置き換えているに過ぎない。実現されたエポキシ樹脂は、石油由来の市販のエポキシ樹脂と同等の、またはそれより優れてさえいる機械的特性を有する。現在のところ、最大30%のエポキシ化油が市販の樹脂に組み込まれている。エポキシ化アマニ油、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(BFDGE)および無水アジュバントの混合物を用いて、最大70%のエポキシ化アマニ油を含有する樹脂を得ることが可能である(Miyagawaら、Marcomoecular Materials and Engineering、2004、289、629〜635)。
【0239】
100%の植物油からのエポキシ樹脂の合成は、鎖中の内部エポキシド基の低反応性により不可能である。本発明の範囲内において提案されている合成経路は、アミンに対する反応性を増大させ、100%の植物油からのエポキシ樹脂の合成を可能にする、2個の末端エポキシド基を有する前駆体を得る可能性をもたらす。
【0240】
式(V-3)の化合物を調製するための方法は、以下の図表:
【0241】
【化62】

【0242】
によって例証されうる。
【0243】
好ましくは、A1は基C7H14を表す。
【0244】
本発明は、本発明の特に式(I'')、(I')または(I)のポリオールと(ポリ)イソシアネートとの重合によって得られる通りのポリウレタン型のポリマーにも関する。
【0245】
本発明は、本発明の特に式(I'')、(I')または(I)のポリオールの重合によって得られる通りのポリエステル型のポリマーにも関する。
【0246】
(実施例)
(実施例1)
オレインヒマワリ油エチルエステルの調製
この例は、下記の式の化合物(1):
【0247】
【化63】

【0248】
の調製に関する。
【0249】
これは、R1が、8個の炭素原子を含むアルキル基を表し、A1が、7個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、かつR2がエチル基を表す、式(II)の化合物である。
【0250】
出発生成物は、式:
【0251】
【化64】

【0252】
のオレインヒマワリ油(OSO)である。
【0253】
ジャケット型反応器に、604.8gのオレインヒマワリ油(OSO) (ITERG、M = 884.82g.mol-1 -含水量= 0.35重量%)を188.2gの無水エタノール(JT Baker - M = 46.07g.mol-1)とともに導入する。全体を650rpm-1で撹拌しながら混合し、65℃に加熱する。次いで、6.7211gのMeONa (Aldrich - M = 54.02g.mol-1)を反応器に添加すると、その後、生成物の変色および瞬間的な濁りの出現が認められる。次いで、全体を70℃で1時間反応させておいた。
【0254】
次いで、結果として生じた反応混合物を分液漏斗に移して、グリセロールを除去し、エタノールを蒸発させた。次いで、数滴のHClを用いて中和を行い、その後中性になるまで水で洗浄した。最後に、残りの水をロータベーパー中で蒸留した。
【0255】
532.1gの前述の式(1)のヒマワリ油エチルエステルが、0.35重量%の含水量で得られた。
【0256】
気相クロマトグラフィーにより行った特徴付けによれば、98.2重量%のエチルエステルを含む組成物が得られた。
【0257】
(実施例1の2)
オレインヒマワリ油エチルエステルの調製
この例は、オレインヒマワリ油(OSO)からの前述の実施例1の化合物(1)の調製に関する。
【0258】
ジャケット型反応器に、502.8gのオレインヒマワリ油(OSO) (ITERG)を161.5gの無水エタノール(JT Baker - M = 46.07g.mol-1)とともに導入する。全体を650rpm-1で撹拌しながら混合し、65℃に加熱する。次いで、5.5880gのMeONa (Aldrich - M = 54.02g.mol-1)を反応器に添加すると、その後、生成物の変色および瞬間的な濁りの出現が認められる。次いで、全体を70℃で5時間反応させておく。
【0259】
次いで、結果として生じた反応混合物を分液漏斗に移して、グリセロールを除去し、エタノールを蒸発させた。次いで、数滴のHClを用いて中和を行い、その後中性になるまで水で洗浄した。最後に、残りの水をロータベーパー中で蒸留した。
【0260】
それにより、455.2gの前述の式(1)のヒマワリ油エチルエステルが、0.29重量%の含水量で得られた。
【0261】
気相クロマトグラフィーにより行った特徴付けによれば、97.4重量%のエチルエステルを含む組成物が得られた。
【0262】
(実施例2)
オレインヒマワリ油ブタンジオールエステルの調製
この例は、下記の式の化合物(2):
【0263】
【化65】

【0264】
の調製に関する。
【0265】
これは、R1が、8個の炭素原子を含むアルキル基を表し、A1が、7個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、A2がブチレン基を表し、かつY1がHまたは上記で定義された通りの式(A1)の基を表す、式(IV)の化合物である。
【0266】
出発生成物は、実施例1において得られる通りの化合物(1)である。
【0267】
反応器(500mL)に、301.5gの化合物(1) (OSOEE)を43.1g(0.5mol)の1,4-ブタンジオール(Aldrich) (A2 =ブチレンである式(III)の化合物)とともに導入する。全体を65℃に加熱する。次いで、3.3602gのMeONa (Aldrich)を反応器に添加すると、その後、生成物の変色(不透明黄色)が認められる。次いで、800から300mバールまでの圧力で撹拌(650rpm-1)しながら、全体を70〜75℃で6時間反応させておく。
【0268】
次いで、数滴のHClを用いて中和を行い、その後中性になるまで水で洗浄して、微量のブタンジオールを除去した。最後に、残りの水をロータベーパー中で蒸留した。
【0269】
それにより、279gの前述の式(2)のヒマワリ油ブタンジオールエステルが、0.22重量%の含水量で得られた。式(2)の生成物は透明黄色液体の形態であり、3.58%の酸性指数を有する。
【0270】
気相クロマトグラフィーにより行った特徴付けによれば、
- 1時間後: 70重量%のジエステル(Y1 = (A1)である化合物(2))、11.1重量%のモノエステル(Y1 = Hである化合物(2))および18.9%の化合物(1)
- 7時間後: 74.5重量%のジエステル(Y1 = (A1)である化合物(2))、12.5重量%のモノエステル(Y1 = Hである化合物(2))および16%の化合物(1)
を含む組成物が得られた。
【0271】
その上、追加精製により、収率を増大させ、特に最大85重量%のジエステルを得ることが可能であり、これは、残りのモノエステルの蒸留を行うことによるものであった。
【0272】
(実施例3)
オレインヒマワリ油エポキシ化ブタンジオールエステルの調製
この例は、下記の式の化合物(3):
【0273】
【化66】

【0274】
の調製に関する。
【0275】
これは、R1が、8個の炭素原子を含むアルキル基を表し、A1が、7個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、A2がブチレン基を表し、かつY2がHまたは上記で定義された通りの式(A2)の基を表す、式(V)の化合物である。
【0276】
出発生成物は、下記の組成: 83.7重量%のジエステル、8.80重量%のモノエステルおよび7.50重量%のエチルエステル(化合物(1))を有する、実施例2において得られる通りの化合物(2)である。
【0277】
反応器(250mL)に、79.7gの化合物(2)(ブタンジオールエステル)を7g(0.3mol)のギ酸HCOOH (BAKER)とともに、45℃、500rpm-1で1時間導入する。次いで、滴下漏斗を用いて過酸化水素を10分間滴下添加した(36.7g(2モル)の50%H2O2 (BAKER))。次いで、650rpm-1で撹拌しながら、全体を75℃で2時間反応させておいた。反応は発熱性であるため、冷水浴で媒質を冷却した。
【0278】
次いで、洗浄水が中性になるまで、水での洗浄を行った。最後に、残りの水をロータベーパー中で蒸留した。
【0279】
それにより、79.3gの前述の式(3)のヒマワリ油エポキシ化ブタンジオールエステルが得られた。式(3)の生成物は、室温では白色固体の形態であり、1.95%の酸性指数を有する。
【0280】
気相クロマトグラフィーにより行った特徴付けによれば、86.8重量%のジエステル(Y2 = (A2)である化合物(3))、7.3重量%のモノエステル(Y2= Hである化合物(3))および5.9重量%の化合物(1)を含む組成物が得られた。
【0281】
(実施例4)
ジオール(4)の調製
この例は、下記の式の化合物(4):
【0282】
【化67】

【0283】
の調製に関する。
【0284】
これは、R1が、8個の炭素原子を含むアルキル基を表し、A1が、7個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、A2がブチレン基を表し、R'がエチル基を表し、かつYがHまたは上記で定義された通りの式(A)の基を表す、式(I)の化合物である。
【0285】
出発生成物は、下記の組成: 86.8重量%のジエステル、7.3重量%のモノエステルおよび5.9重量%のエチルエステル(化合物(1))を有する、実施例3において得られる通りの化合物(3)である。
【0286】
反応器(250mL)に、60.2gの化合物(3) (ブタンジオールエポキシ化エステル)を、2.4g (4重量%)のAmberlyst (Aldrich)樹脂および112.6g (15モル)の無水エタノール(BAKER)とともに導入する。全体を、70℃、500rpmで4時間反応させておいた。次いで、樹脂をブフナーで濾過し、最後に、残りのエタノールをロータベーパー中で蒸留した。
【0287】
それにより、53.6gの前述の式(4)のポリオールが得られた。式(3)の生成物は淡黄色液体の形態であり、1.37%の酸性指数を有する。
【0288】
気相クロマトグラフィーにより行った特徴付けによれば、0.5重量%未満のブタンジオール、82.0重量%のジエステル(Y = (A)である化合物(I))、7.6重量%のモノエステル(Y = Hである化合物(I))および10.4重量%の化合物(1)を含む組成物が得られた。
【0289】
化合物(4)をIR分光法によって分析すると、3461.76cm-1においてOHバンドが、1087.24cm-1において第二級アルコールバンドが観察された。
【0290】
(実施例5)
ヒマシ油エチルエステルの調製
この例は、下記の式の化合物(5):
【0291】
【化68】

【0292】
の調製に関する。
【0293】
これは、R''1が、8個の炭素原子を含み、(炭素7において) OH基で置換されているアルキル基を表し、A1が、7個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、かつR2がエチル基を表す、式(II')の化合物である。
【0294】
出発生成物は、式:
【0295】
【化69】

【0296】
を持つヒマシ油である。
【0297】
ジャケット型反応器(1リットル)に、402.4gのヒマシ油(ITERG、M = 928g.mol-1 -含水量= 0.35重量%)を405.4gの無水エタノール(JT Baker - M = 46,07g.mol-1)とともに導入した。全体を650rpm-1で撹拌しながら混合し、65℃に加熱する。次いで、4.5214gのMeONa (Aldrich - M = 54.02g.mol-1)を反応器に添加すると、その後、生成物の変色および瞬間的な濁りの出現が認められる。全体を50℃で30分間反応させておく。
【0298】
次いで、結果として生じた反応混合物を分液漏斗に移して、グリセロールを除去し、エタノールを蒸発させた。次いで、数滴のHClを用いて中和を行い、その後中性になるまで水で洗浄した。最後に、残りの水をロータベーパー中で蒸留した。
【0299】
それにより、360.2gの前述の式(5)のヒマシ油エチルエステルが、0.23重量%の含水量で得られた。
【0300】
気相クロマトグラフィーにより行った特徴付けによれば、93.8重量%のエチルエステルを含む組成物が得られた。
【0301】
(実施例6)
ヒマシ油ブタンジオールエステルの調製
この例は、下記の式の化合物(6):
【0302】
【化70】

【0303】
の調製に関する。
【0304】
これは、R''1が、8個の炭素原子を含み、(炭素7において) OH基で置換されているアルキル基を表し、A1が、7個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、A2がブチレン基を表し、かつY'1がHまたは上記で定義された通りの式(A'1)の基を表す、式(IV')の化合物である。
【0305】
出発生成物は、実施例5において得られる通りの化合物(5)である。
【0306】
反応器(500mL)に、300.5gの化合物(5)を43.5g (0.5mol)の1,4-ブタンジオール(Aldrich) (A2 =ブチレンである式(III)の化合物)とともに導入する。全体を65℃に加熱する。次いで、3.6005gのMeONa (Aldrich)を反応器に添加すると、その後、生成物の変色(不透明黄色)が認められた。次いで、800から2mバールまでの圧力で撹拌(650rpm-1)しながら、全体を70〜75℃で6時間反応させておく。
【0307】
次いで、数滴のHClを用いて中和を行い、その後中性になるまで水で洗浄して、微量ブタンジオールを除去した。最後に、残りの水をロータベーパー中で蒸留した。
【0308】
それにより、260gの前述の式(6)のヒマシ油ブタンジオールエステルが、0.30重量%の含水量で得られた。式(6)の生成物は黄色液体の形態であり、5.05%の酸性指数を有する。
【0309】
気相クロマトグラフィーにより行った特徴付けによれば、43.9重量%のジエステル(Y'1 = (A'1)である化合物(6))、30.4重量%のモノエステル(Y'1 = Hである化合物(6))および25.7重量%の化合物(5)を含む組成物が得られた。
【0310】
(実施例7)
エポキシ化ヒマワリ油エチルエステルの調製
この例は、下記の式の化合物(7):
【0311】
【化71】

【0312】
の調製に関する。
【0313】
これは、R1が、8個の炭素原子を含むアルキル基を表し、A1が、7個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、かつR2がエチル基を表す、式(IV''-2)の化合物である。
【0314】
出発生成物は、実施例1の2のオレインヒマワリ油エチルエステル化合物である。
【0315】
反応器(1L)に、399.6gの実施例1の2の化合物(1) (オレインヒマワリ油エチルエステル- OSOEE)および20.1gのギ酸を導入し、全体を、45℃、500rpm-1で1時間反応させておいた。次に、滴下漏斗を用いて過酸化水素を40分間滴下添加した(199.2gのH2O2 (BAKER))。次いで、650rpm-1で撹拌しながら、全体を75℃で2時間反応させておいた。反応は発熱性であるため、冷水浴で媒質を冷却した。
【0316】
次いで、洗浄水が中性になるまで、水での洗浄を行った。最後に、残りの水をロータベーパー中で蒸留した。
【0317】
それにより、410.3gの前述の式(7)のオレインヒマワリ油エポキシ化エチルエステルが得られた。式(7)の生成物は橙色液体の形態であり、0.79%の酸性指数および0.41%の含水量を有する。
【0318】
(実施例8)
ジオール(8)の調製
この例は、下記の式の化合物(8):
【0319】
【化72】

【0320】
の調製に関する。
【0321】
これは、R'1が、8個の炭素原子を含むアルキル基を表し、A2がブチレン基を表し、A1が、7個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、かつR2がエチル基を表す、式(I''-1)の化合物である。
【0322】
出発生成物は、実施例7のエポキシ化オレインヒマワリ油エチルエステル化合物である。
【0323】
反応器(2L)に、301.2gの化合物(7)を、12g (4重量%)のAmberlyst樹脂(Aldrich)および1201.1gの蒸留した1,4-ブタンジオール(Aldrich)とともに導入する。全体を、70℃、500rpm-1で4時間反応させておいた。
【0324】
ブタンジオールを、30mバール下120〜150℃で蒸留し、微量のブタンジオールを除去するために全体を水で洗浄した。次いで、樹脂をブフナーで濾過し、最後に、残りのエタノールをロータベーパー中で蒸留した。
【0325】
それにより、270.3gの前述の式(8)のポリオールが得られた。式(8)の生成物は、0.27%の酸性指数および255.8mg KOH/gのヒドロキシル指数を有する。
【0326】
気相クロマトグラフィーにより行った特徴付けによれば、0.1重量%未満のブタンジオール、22重量%のジエステル、71.7重量%のモノエステル(化合物8)および6.1重量%の化合物(1)を含む組成物が得られた。
【0327】
(実施例9)
エルシン酸菜種油エチルエステルの調製
この例は、下記の式の化合物(9):
【0328】
【化73】

【0329】
の調製に関する。
【0330】
これは、R1が、12個の炭素原子を含むアルキル基を表し、A1が、7個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、かつR2がエチル基を表す、式(II)の化合物である。
【0331】
出発生成物は、式:
【0332】
【化74】

【0333】
のエルシン酸菜種油である。
【0334】
ジャケット型反応器(1.5リットル)に、1004.7gのエルシン酸菜種油(ERO) (ITERG、M = 951.8g.mol-1 -含水量= 0.35重量%)を290.7gの無水エタノール(JT Baker - M = 46.07g.mol-1)とともに導入する。全体を650rpm-1で撹拌しながら混合し、65℃に加熱する。次いで、11.1gのMeONa (Aldrich - M = 54.02g.mol-1)を反応器に添加すると、その後、生成物の変色および瞬間的な濁りの出現が認められた。次いで、全体を70℃で1時間反応させておく。
【0335】
次いで、結果として生じた反応混合物を分液漏斗に移して、グリセロールを除去し、エタノールを蒸発させた。次いで、数滴のHClを用いて中和を行い、その後中性になるまで水で洗浄した。最後に、残りの水をロータベーパー中で蒸留した。
【0336】
それにより、1026.8gの前述の式(9)の菜種油エチルエステルが、0.27重量%の含水量および1.04%の酸性指数で得られた。
【0337】
気相クロマトグラフィーにより行った特徴付けによれば、98.48重量%のエチルエステルを含む組成物が得られた。
【0338】
(実施例10)
エポキシ化菜種油エチルエステルの調製
この例は、下記の式の化合物(10):
【0339】
【化75】

【0340】
の調製に関する。
【0341】
これは、R1が、12個の炭素原子を含むアルキル基を表し、A1が、7個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、かつR2がエチル基を表す、式(IV''-2)の化合物である。
【0342】
出発生成物は、実施例9の菜種油エチルエステル化合物である。
【0343】
反応器(1L)に、400.5gの化合物(9) (菜種油エチルエステル- ROEE)および23.12gのギ酸を導入し、全体を、45℃、500rpmで1時間反応させておく。次いで、滴下漏斗を用いて過酸化水素を40分間滴下添加した(211.1gのH2O2 (BAKER))。次いで、650rpm-1で撹拌しながら、全体を75℃で3時間反応させておいた。反応は発熱性であるため、冷水浴で媒質を冷却した。
【0344】
次いで、洗浄水が中性になるまで、水での洗浄を行った。最後に、残りの水をロータベーパー中で蒸留した。
【0345】
それにより、410.2gの前述の式(10)のエルシン酸ヒマシ油エポキシ化エチルエステルが得られた。式(10)の生成物は、室温では白色固体の形態であり、1.08%の酸性指数および0.22%の含水量を有する。
【0346】
(実施例11)
ジオール(11)の調製
この例は、下記の式の化合物(11):
【0347】
【化76】

【0348】
の調製に関する。
【0349】
これは、R'1が、12個の炭素原子を含むアルキル基を表し、A2がブチレン基を表し、A1が、7個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、かつR2がエチル基を表す、式(I''-1)の化合物である。
【0350】
出発生成物は、実施例10のエポキシ化エルシン酸菜種油エチルエステル化合物である。
【0351】
反応器(2L)に、350.2gの化合物(10)を、14.2g (4重量%)のAmberlyst樹脂(Aldrich)および1484.6gの蒸留した1,4-ブタンジオール(Aldrich)とともに導入する。全体を、70℃、500rpm-1で4時間反応させておいた。
【0352】
次いで、二つの相:化合物11および微量のブタンジオールを含有する上部相と、ブタンジオールおよび微量の化合物(11)を含有する下部相とが得られた。
【0353】
そこで、上部相を、30mバール下120〜140℃で、磁気撹拌しながら真空蒸留した。下部相も、真空で二窒素流を用い、撹拌せずに2日間蒸留して、暗褐色生成物を得た。
【0354】
微量のブタンジオールを除去するために、全体を水で洗浄した。次いで、樹脂をブフナーで濾過し、最後に、残りのエタノールをロータベーパー中で蒸留した。
【0355】
上部相を介して、126gの淡黄色液体が、0.69%の酸性指数および190.4mg KOH/gのヒドロキシル指数、ならびに0.64%の含水量で得られた。
【0356】
気相クロマトグラフィーにより行った特徴付けによれば、0.1重量%未満のブタンジオール、6.9重量%のジエステル、89.1重量%のモノエステル(化合物11)、0.7重量%のトリグリセリドおよび3.3重量%の化合物(9)を含む組成物が得られた。
【0357】
下部相を介して、135gの暗褐色液体が、0.35%の含水量で得られた。
【0358】
気相クロマトグラフィーにより行った特徴付けによれば、0.3重量%未満のブタンジオール、11.4重量%のジエステル、87.7重量%のモノエステル(化合物11)、0.4重量%のトリグリセリドおよび0.3重量%の化合物(9)を含む組成物が得られた。
【0359】
(実施例12)
式(I')のポリオールからのポリマーの調製
前述の実施例1から6と同じ手順を適用することにより、下記の化合物も合成した。
ポリオールからのポリマーの合成
【0360】
【化77】

【0361】
【表2】

【0362】
ポリオールからのポリマーの合成
【0363】
【化78】

【0364】
【表3】

【0365】
本発明のポリオールは、例えばイソシアネートとの反応によってポリマーを調製するために使用される。適用される手順は以下に記述され、任意のポリオールおよび任意のイソシアネートに適用されうる。
【0366】
100mLの反応器に、本発明のポリオールおよび触媒を添加し、次いで、漏斗を介してイソシアネート(特にIPDI)を反応器に添加した。加熱することにより、混合物の温度を60℃に維持した。
【0367】
R= C3H6であるポリオールモノエステルから
2gのモノエステルを、2mgのDBTDL (LCPO) (ジブチルスズジラウレート) (0.1重量%)の存在下、100mLの反応器に導入した。次いで、1.1gのIPDI (Aldrich - M = 222.29g.mol-1) (イソホロンジイソシアネート) (1当量)を導入した。混合物を5時間磁気撹拌させた。
【0368】
反応物の動態をIR分析によって追跡し、これにより、2269.94cm-1におけるバンドN=Cの消失および3350cm-1におけるバンドN-Hの出現が観察できた。得られたポリマーを立体排除クロマトグラフィーによって分析した(得られたモル質量は上記の表に収載されている)。
【0369】
R= C4H10およびR= C6H12である事例でも手順は不変とする。
【0370】
R= C3H6であるポリオールジエステルから
2gのジエステルを、2mgのDBTDL (LCPO) (ジブチルスズジラウレート)の存在下、100mLの反応器に導入し、次いで、586mgのIPDI (Aldrich - M = 222.29g.mol-1) (イソホロンジイソシアネート) (0.5当量)を導入した。混合物を7時間磁気撹拌させた。
【0371】
反応物の動態をIR分析によって追跡し、これにより、2269.94cm-1におけるバンドN=Cの消失および3350cm-1におけるバンドN-Hの出現が観察できた。得られたポリマーを立体排除クロマトグラフィーによって分析(obtained)した(得られたモル質量は上記の表に収載されている)。
【0372】
R= PEG300およびR= PEG600である事例でも手順は不変とする。
【0373】
(実施例13)
ジオール8からのポリウレタンの調製
本発明のポリオールは、例えばイソシアネートとの反応によってポリマーを調製するために使用される。適用される手順は以下に記述され、任意のポリオールおよび任意のイソシアネートに適用されうる。
【0374】
1リットルの反応器に、本発明のポリオールおよび触媒を添加し、次いで、漏斗を介してイソシアネート(特にIPDIまたはHMDI)を反応器に添加した。次いで、二窒素下80rpm-1で全体を撹拌して、混合物を均質化した。その後、気泡の出現が反応混合物において観察され、加熱することにより、混合物の温度を60℃に維持した。
【0375】
反応物の動態をIR分析によって追跡し、これにより、2269.94cm-1におけるバンドN=Cの消失および3350cm-1におけるバンドN-Hの出現が観察できた。
【0376】
より詳細には、ポリオールとして実施例8のジオール8を使用することによって、ならびにイソシアネート(IPDIおよびHMDI)の性質と、反応時間およびOH:NCO比とを変動させることによって、この手順を適用した。
【0377】
使用した触媒は、0.1重量%のDBTDL (LCPO)(ジブチルスズジラウレート)である。
【0378】
得られた結果を、以下のTables 1および2 (表4および5)にまとめる。
【0379】
【表4】

【0380】
【表5】

【0381】
(実施例14)
2個の第二級アルコール官能基を持つ式(I-2)のジオールの調製
式(1-2)の化合物[A1はC7H14基を表し、かつR1は、9個の炭素原子を含むアルキル基を表す]を合成するために、以下に記載する手順を使用した。
【0382】
式(I-2)において、A2は、下記の基: C3H6、C4H8、C5H10、C6H12、H2C-(CH2OCH2)6-CH2、H2C-(CH2OCH2)13-CH2、H2C-(CH2OCH2)45-CH2またはH2C-C6H4-CH2から選択される基を表しうる。
【0383】
エステル交換工程:
ジエステルは、オレインメチルエステルおよびジオール(プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ポリオキシエチレン(300g/mol、600g/molおよび2000g/mol))のエステル交換に由来する。合成は、酸化マグネシウムMgO (触媒、メチルエステル質量に基づき1質量%)の存在下、0.1molのオレインメチルエステルおよび0.05molのジオールを伴う。媒質を、窒素流下160℃で7時間撹拌し続けた。反応によって形成されたメタノールを、ディーン・スターク・トラップを利用して反応媒質から除去した。1H MNRによってジエステルの形成を追った。7時間後、媒質を動的真空中200℃で1時間置いて、オレインメチルエステルおよび残りのジオールを除去した。触媒を濾過によって除去した。
【0384】
メチルエステルおよび1,4-ベンゼンジメタノール(A2= H2C-C6H4-CH2)からのジエステルの合成では、1,4-ベンゼンジメタノールを昇華させないために、反応中の媒質の温度を140℃とした。
【0385】
エポキシ化工程:
先に合成した10mmolのジエステルを、3mmolのギ酸(HCOOH)と混合した。混合物を40℃に1時間加熱した。次いで、10mmolの過酸化水素(H2O2)を滴下添加した。温度を70℃に2時間上昇させた。1H MNRによってエポキシドの形成を追った。反応が完了したら、過酸を除去するための水-ジクロロメタン洗浄に進む。
【0386】
ヒドロキシル化工程:
エポキシドを開環する工程のために、イオン交換樹脂(Amberlyst 15 Dry、ジエステルの質量に基づき4質量%)の存在下、10mmolのエポキシ化ジエステルを100mmolのエタノールに溶解した。反応媒質を75℃で20時間撹拌させた。1H MNRによってエポキシドの開環を追った。反応が完了したら、触媒を濾過によって除去した。次いで、過剰なエタノールを低圧下で蒸発させた。次いで、ヒドロキシル化ジエステルを1H MNRおよび立体排除クロマトグラフィーで分析した。それらのヒドロキシル指数を決定した。
【0387】
(実施例15)
2個の第二級アルコール官能基を持つ式(I-1)のジオールの調製
式(I-1)の化合物[A1はC7H14基を表し、かつR1は、9個の炭素原子を含むアルキル基を表す]を合成するために、以下に記載する手順を使用した。
【0388】
式(I-1)において、A2は、下記の基: C3H6、C4H8、C5H10、C6H12、H2C-(CH2OCH2)6-CH2、H2C-(CH2OCH2)13-CH2、H2C-(CH2OCH2)45-CH2またはH2C-C6H4-CH2から選択される基を表しうる。
【0389】
合成手順は、エステル交換工程を除き、実施例14について指示したものと同じである。合成は、モノエステルの形成をジエステルに対して比較的促進するために、0.1molのオレインメチルエステルおよび1.5molのジオールを伴う。
【0390】
(実施例16)
式(V-3)のビスエポキシド化合物の調製
【0391】
【化79】

【0392】
第一工程は、内部二重結合におけるオレインメチルエステルの炭素質の鎖を切断して内部二重結合を得ることからなる。ホベイダ触媒の存在下におけるエチレンとオレインメチルエステルの内部二重結合との間のメタセシス反応は、デセンおよび10-ウンデセン酸メチルの形成につながる。この反応は、室温で撹拌しながら行われた。平衡状態において、媒質は、48%の初期オレインメチルエステル、26%のデセンおよび26%の10-ウンデセン酸メチルからなる。後者は真空蒸留によって抽出したものであり、100℃における第一画分はデセンを含有し、温度が180℃に到達した際に10-ウンデセン酸メチルを回収した。残留物はオレインメチルエステルからなっていた。
【0393】
次いで、10-ウンデセン酸メチルとジオール(脂肪族、芳香族ジオール、天然起源のフェノール等)とのエステル交換のための反応に進んだ。反応は、ジエステルの形成を促進するために、0.5当量のジオールの存在下、真空で行われ、1wt%の酸化マグネシウムで触媒された。媒質の温度を160℃に上昇させ、ディーン・スターク・トラップを利用して、生成されたメタノールを持続的に除去した。7時間後、残りの10-ウンデセン酸メチルを除去するために、温度を180℃に上昇させた。
【0394】
最終工程は、エステル交換によって得られた生成物の二重結合のエポキシ化に存していた。エポキシ化は、メタクロロ過安息香酸(m-CPBA) (二重結合一つ当たり1.2当量)の存在下、ジクロロメタン中室温で行った。二重結合の変換は計3時間後であった。硫酸ナトリウムの飽和溶液を用いて、過剰なm-CPBAを対応するカルボン酸に還元した。有機相をジクロロメタンで抽出し、次いで、残りのカルボン酸を、重炭酸ナトリウムの飽和溶液による2回の洗浄によって、クロロ安息香酸ナトリウム(水溶性)に転換した。
【0395】
(実施例17)
オレインヒマワリ油エチルエステルの調製
この例は、オレインヒマワリ油(OSO)からの前述の実施例1の化合物(1)の調製に関する。
【0396】
ジャケット型反応器に、1001.2gのオレインヒマワリ油(OSO) (ITERG、M = 884.82g.mol-1 -含水量= 0.35重量%)を314.0gの無水エタノール(JT Baker - M = 46.07g.mol-1)とともに導入する。全体を650rpm-1で撹拌しながら混合し、65℃に加熱する。次いで、11.5gのMeONa (Aldrich - M = 54.02g.mol-1)を反応器に添加すると、その後、生成物の変色および瞬間的な濁りの出現が認められた。次いで、全体を70℃で1時間反応させておいた。
【0397】
次いで、結果として生じた反応混合物を分液漏斗に移して、グリセロールを除去し、エタノールを蒸発させた。次いで、数滴のHClを用いて中和を行い、その後中性になるまで水で洗浄した。最後に、残りの水をロータベーパー中で蒸留した。
【0398】
それにより、1056.5gの前述の式(1)のヒマワリ油エチルエステルが、0.15重量%の含水量で得られた。
【0399】
気相クロマトグラフィーにより行った特徴付けによれば、97.8重量%のエチルエステルを含む組成物が得られた。
【0400】
(実施例18)
エポキシ化ヒマワリ油エチルエステルの調製
この例は、実施例18の化合物(1)からの実施例7の化合物(7)の調製に関する。
【0401】
反応器(2L)に、800.5gの実施例7の化合物(7) (オレインヒマワリ油エチルエステル- OSOEE)および39.4gのギ酸を導入し、全体を、45℃、500rpm-1で1時間反応させておいた。次いで、滴下漏斗を用いて過酸化水素を36分間滴下添加した(355.5gのH2O2 (BAKER))。次いで、650rpm-1で撹拌しながら、全体を75℃で2時間反応させておいた。反応は発熱性であるため、冷水浴で媒質を冷却した。
【0402】
次いで、洗浄水が中性になるまで、水での洗浄を行った。最後に、残りの水をロータベーパー中で蒸留した。
【0403】
それにより、1056.5gの前述の式(7)のオレインヒマワリエポキシ化エチルエステルが得られた。式(7)の生成物は淡黄色液体の形態であり、0.11%の含水量を有する。
【0404】
(実施例19)
ジオール(8)の調製
この例は、実施例1の化合物(7)からの実施例8のジオール(8)の調製に関する。
【0405】
反応器(2L)に、100.4gの化合物(7)を、4.1g (4重量%)のAmberlyst樹脂(Aldrich)および416.1gの蒸留した1,4-ブタンジオール(Aldrich)とともに導入した。全体を、70℃、650rpm-1で4時間反応させておいた。
【0406】
微量のブタンジオールを除去するために全体を水で洗浄し、最後に、残りのエタノールをロータベーパー中で蒸留した。
【0407】
それにより、93.0gの前述の式(8)のポリオールが得られた。
【0408】
HPLCクロマトグラフィーにより行った特徴付けによれば、1.1重量%のブタンジオール、6.8重量%のジエステル、70.5重量%のモノエステル(化合物8)および2.0重量%の化合物(1)を含む組成物が得られた。
【0409】
(実施例20)
エポキシ化菜種油エチルエステルの調製
この例は、エルシン酸菜種油エチルエステルからの実施例10の化合物(10)の調製に関する。
【0410】
反応器(1L)に、400.6gの化合物(9) (菜種油エチルエステル- ROEE)および27.0gのギ酸を導入し、全体を、45℃、500rpm-1で1時間反応させておいた。次いで、滴下漏斗を用いて過酸化水素を45分間滴下添加した(211.1gのH2O2 (BAKER))。次いで、650rpm-1で撹拌しながら、全体を75℃で3時間反応させておいた。反応は発熱性であるため、冷水浴で媒質を冷却する。
【0411】
次いで、洗浄水が中性になるまで、水での洗浄を行った。最後に、残りの水をロータベーパー中で蒸留した。
【0412】
それにより、391.1gの式(10) (実施例10参照)のエルシン酸ヒマシ油エポキシ化エチルエステルが得られた。
【0413】
(実施例21)
ジオール(11)の調製
この例は、実施例10のエポキシ化エルシン酸菜種油のエチルエステルからの実施例11の化合物(11)の調製に関する。
【0414】
反応器(2L)に、350.2gの化合物(10)を、14.3g (4重量%)のAmerlyst樹脂(Aldrich)および514.5gの蒸留した1,4-ブタンジオール(Aldrich)とともに導入した。全体を、70℃、650rpm-1で4時間反応させておいた。
【0415】
全体を分液漏斗に注ぎ入れ、その中に、200mLの温水、続いて100mLのブタノールを添加した。撹拌および静止相分離後、二つの相が観察された。上部相を別に取っておき、下部相を2×50mLのブタノールで洗浄した。次いで、上部相を合わせ、温水で洗浄して微量のブタンジオールを除去し、その後ロータベーパー中で乾燥させた。
【0416】
それにより、272.1gの淡黄色液体が、187.9mg KOH/gのヒドロキシル指数および0.66%の含水量で得られた。
【0417】
気相クロマトグラフィーにより行った特徴付けによれば、0.1重量%未満のブタンジオール、9.2重量%のジエステルおよび66.1重量%のモノエステル(化合物11)を含む組成物が得られた。
【0418】
(実施例22)
実施例19および21のジオールからのポリウレタンの合成
合成手順
機械的撹拌子および窒素入口付きの三つ口フラスコ(250mL)に、ジブチルスズジラウレート(0.003g、モノマーに基づき0.1質量%)、ポリオール(実施例19または21から) (18.0g、ヒドロキシル指数= 215.9)およびイソホロンジイソシアネート(IPDI) (6.54g、OH/NCO = 1:0.85)を投入した。ポリオールのヒドロキシル指数に基づいて、OH/NCO比を算出した。反応媒質を窒素流下室温で撹拌し、60℃に9時間加熱した。イソシアネートバンドに基づいて、IR分光法によって重合を制御した。反応の完了後、反応を停止するために、0.7gのオクチルドデカノールを添加し、さらに12時間追加で加熱した。得られたポリマーを、IR、MNRおよびGPCによって特徴付けした。
【0419】
IPDIの代わりにHDMIをジイソシアネートとして使用することにより、同じ手順を適用した。
【0420】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)に当てはまるポリオール:
【化1】

[式中、
- R1は、H、または2から14個までの炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し、
- R'は、1から18個までの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキル基を表し、
- A1は、2から14個までの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖二価アルキレン基を表し、
- A2は、1から10個までの炭素原子を含み、必要ならば1個または複数の置換基を含む直鎖または分枝鎖二価アルキレン基を表し、
- Yは、水素原子または式(A)の基
【化2】

{A1、R'およびR1は、上記で定義された通りである}
を表す]
を調製するための方法であって、
下記の工程:
a)下記の式(II)の化合物:
【化3】

[R1、R2およびA1は、上記で定義された通りである]
と、下記の式(III)のジオール: HO-A2-OH (III)との、
下記の式(IV)の化合物:
【化4】

[A1、A2およびR1は、式(I)において上記で定義された通りであり、
Y1は、水素原子または式(A1)の基
【化5】

{A1およびR1は、上記で定義された通りである}
を表す]
を得るためのエステル交換工程と、
b)下記の式(V)の化合物:
【化6】

[A1、A2およびR1は、上記で定義された通りであり、
Y2は、水素原子または式(A2)の基
【化7】

{A1およびR1は、上記で定義された通りである}
を表す]
を得るための、前述の式(IV)の化合物のエポキシ化工程と、
c)上記で定義された通りの式(I)の化合物を得るために、前記エポキシド環を式R'OHのアルコール[R'は上記で定義された通りである]で開環する工程と、
d)上記で定義された通りの式(I)の化合物を回収する工程と
を含む方法。
【請求項2】
前記ジオールが、下記の式(I-1):
【化8】

[A1、A2、R1およびR'は、請求項1で定義された通りである]
または下記の式(I-2):
【化9】

[A1、A2、R1およびR'は、請求項1で定義された通りである]
に当てはまることを特徴とする、請求項1に記載のジオールを調製するための方法。
【請求項3】
工程a)が、酸化マグネシウム、酢酸亜鉛およびナトリウムメタノレートからなる群から選択される触媒の存在下で行われ、その中でも好ましくは、工程a)が、窒素流下150から200℃までの間に含まれる温度で、より詳細にはいかなる溶媒もなしに行われる、請求項1または2のいずれかに記載のポリオールを調製するための方法。
【請求項4】
工程b)が、メタクロロ過安息香酸(m-CPBA)およびモノペルオキシフタル酸マグネシウム六水和物過酸(MMPP)からなる群から特に選択される過酸の存在下で行われる、請求項1から3のいずれかに記載のポリオールを調製するための方法。
【請求項5】
工程c)が、特にスルホン酸官能基を持つプロトンイオン交換樹脂の酸触媒(Amberlyst (登録商標) 15乾燥樹脂)、不均一系触媒、para-トルエンスルホン酸(PTSA)およびメタンスルホン酸(MSA)からなる群から選択される触媒の存在下、20℃から120℃までの間に含まれる温度で、好ましくは70℃で行われる、請求項1から4のいずれかに記載のポリオールを調製するための方法。
【請求項6】
下記の一般式(I)に当てはまる化合物:
【化10】

[式中、
- R1は、2から14個までの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキル基を表し、
- R'は、1から18個までの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキル基を表し、
- A1は、2から14個までの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖二価アルキレン基を表し、
- A2は、1から10個までの炭素原子を含み、必要ならば1個または複数の置換基を含む直鎖または分枝鎖二価アルキレン基を表し、かつ
- Yは、水素原子または式(A)の基
【化11】

{A1、R'およびR1は、上記で定義された通りである}
を表す]。
【請求項7】
下記の式に当てはまる中間化合物:
【化12】

[R1、A1およびA2は、請求項1で定義された通りである]。
【請求項8】
請求項6に記載の化合物および(ポリ)イソシアネートの重合によって得られる通りのポリマー。

【公表番号】特表2013−504549(P2013−504549A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528434(P2012−528434)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【国際出願番号】PCT/FR2010/051894
【国際公開番号】WO2011/030076
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(507033059)サントル・ナショナル・ドゥ・ラ・レシェルシュ・サイエンティフィーク・(セ・エン・エール・エス) (17)
【Fターム(参考)】