説明

ポンプ差込式エアレスパウチ製造方法

【課題】従来のエアレスパウチやエアレスチューブでは、パウチやチューブにスパウトを装着しなければエアレスポンプを装着できなかった。また、スパウト部の製作や装着には多くの製造工程と設備が必要であり、更に、スパウト成形用金型も高価であるためコストダウンが困難であった。
【解決手段】様々な形状のパウチに直接差込み口を成形し、エアレスポンプだけではなく、一般のポンプやスプレーなどを差込むことでエアレスパウチとしての機能をもたせることができるよう改善した。また、パウチの製造工程内で差込口を成形することで大幅に製造工程を削減することができた。さらに、ポンプやスプレーの形状が変わる場合でも、スパウト成形用金型に比べポンプ差込口成型用ヒートシール板は遥かに安価で製作できようになった。これらの改善により、小ロット、低価格での提供を可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な形状のパウチにポンプ差込口を成形し、エアレスポンプ、又は、一般のポンプやプレーを差込んでも、エアレス効果のあるパウチとして用いることを可能にした製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の製造方法では、別工程で成形したスパウト部品をパウチ、又は、チューブに装着し、ヒートシールでスパウト部を固定する。内容物はスパウト部から充填し、キャップを閉めて密閉する。以下、図5に従来の製造工程図を示す。
【0003】
スパウト部のキャップを取り外し、エアレスポンプを装着し使用する。以下、図6に従来の使用方法図を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記に述べた従来の製造方法では、エアレスポンプを使用しなければエアレス効果は得られなかった。更に、スパウト部品を成形するためにインジェクション成形用の金型を製作してスパウト部品を成形し、パウチ、又は、チューブに装着し、ヒートシールも必要であった。更に、エアレスポンプの太さや形状が異なる場合は、成形用金型を別に製作する必要があるため、低価格の製品を提供することが困難であった。
【0005】
本発明は、インジェクション成形部品を使用せずに、様々な形状のパウチに差込口をヒートシール成形し、エアレスポンプ、一般ポンプ、スプレーを直接差し込むことでエアレスパウチとして使用可能にすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、本発明は上記目的を達成するために、製造工程でパウチ上部にポンプ差込口を成形する装置を設けたものである。
【0007】
また、第2の課題解決手段は、パウチにホンプやスプレーを差し込んだ後、ポンプ動作中にパウチ内が減圧し続け、動作の停止中は外部からの空気の侵入を防ぐことができる差込口形状を設計したものである。
【0008】
更に、安定した状態で使用できるケースを設計し、そこに、ポンプ差込式エアレスパウチを固定したものである。
【発明の効果】
【0009】
上述したように本発明のポンプ差込式エアレスパウチ製造方法は、様々な形状のパウチにポンプ差込口を成形し、直接エアレスポンプ、一般ポンプ、スプレーを差し込むだけでエアレスパウチとして使用でき、使用時には、内容物の減少と共にパウチが変形することで、真空に近い状態で内容物の酸化や劣化を防止する効果を持つ、更に、内容物の残量を減量する効果がある。
【0010】
また、従来品に対し、詰め替え用パウチと同程度の工程で製造できるので、低価格の製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】 本発明のパウチ製造工程図
【図2】 本発明のパウチ充填工程図
【図3】 本発明のパウチ使用方法図
【図4】 本発明のケース使用方法図
【図5】 従来品、製造工程図
【図6】 従来品、使用方法図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。
【0013】
図においては、1は三方シールパウチを製造するフィルムの流れ方向を示し、2、3のフィルムを合わせて4と5のヒートシールバーで熱溶着し、6で切断し7で三方シールパウチとなる。
【0014】
8はスタンディングパウチを製造するフィルムの流れ方向を示し、9、10のフィルムを合わせ、中間に11の底材を入れ、12と13のヒートシールバーで熱溶着し、14で切断し15でスタンディングパウチとなる。
【0015】
16はガゼットパウチを製造するフィルムの流れ方向を示し、17、18のフィルムを合わせ、中間に19と20の横材を入れ、21と22のヒートシールバーで熱溶着し、23のポンプ差込口成型用ヒート−シール板でポンプ差込口を成型し、24で切断し25でガゼットパウチとなる。
【0016】
以下、本発明のパウチ充填工程を図2に基づいて説明する。
【0017】
1、2、3はパウチに内容物を充填する位置を示す。
【0018】
4,5はポンプ差込口成型用ヒート−シール板でポンプ挿入口を成型し、6はヒートシールバーで熱溶着し、ポンプ差込式エアレスパウチとなる。
【0019】
以下、本発明のパウチ使用方法を図3に基づいて説明する。
【0020】
1、2、3で切り取り線に沿ってパウチの上部を切り取る。
【0021】
4、5、6のパウチに成型されたポンプ差込口からポンプやスプレーを差込む。
【0022】
7、8、9でポンプやスプレーの動作と共にパウチ内部が減圧し、内容物が減量するに従いパウチが変形し密着する。
【0023】
以下、本発明のケース使用方法を図4に基づいて説明する。
【0024】
1はケースにパウチを固定するための溝を設けた。
【0025】
2はケースにパウチを固定するポンプの位置を示す。
【0026】
パウチを3の方向へ移動し、ケースに設けた溝に差込み使用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パウチにポンプ差込口を成形する装置を設けた製造方法とそのパウチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−101525(P2012−101525A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264304(P2010−264304)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(505089359)有限会社ユーアンドユウ (3)
【Fターム(参考)】