説明

ポンプ装置およびそれを備えた造水装置

【課題】軽量で持ち運びが可能であり、任意の自転車やバイクから濾過ポンプの駆動源を得ることができる給水ポンプの駆動力伝達装置およびそれを備えた造水装置を提供する。
【解決手段】給水ポンプ4と、自転車やモーターサイクルの駆動輪14の回転力を給水ポンプの回転軸に伝達する駆動力伝達装置13とを備え、駆動力伝達装置13が、ベース部材13aと、平行な水平軸まわりにそれぞれ回動自在に設けられる一対のローラ13d,13eと、ベース部材から立設され、それらのローラの回転軸を軸支する支持部材13b,13cと、一対のローラを周回するように架設されるとともに駆動輪が載置されるエンドレスのベルト13fと、ローラのいずれか一方の回転軸と給水ポンプの回転軸とを連動させる連動機構とを備えてなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、震災、津波、河川氾濫等の災害時に、被災地近くの河川、プールに貯溜されている水等の飲用に不適な水源から飲料水、生活用水としての高品質な水を生産するためのポンプ装置およびそれを備えた造水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地震等の災害が発生してライフ・ラインが遮断された被災地では、まず、飲料水を確保することが必要となる。
【0003】
その飲料水を確保する手段として、トラック等の車両に膜濾過装置を搭載した浄水設備が実用化されている。ところが、この種の自走式浄水設備は、被災地に通じる道路が分断されたり交通が混雑した場合には現地への到着が遅れるため、迅速な対応を期待することができない。そこで、自転車やモーターサイクルに小型の濾過装置を搭載した移動式造水機も実用化されている。
【0004】
自転車やモーターサイクルは、それらの車輪が通過し得る道幅さえあれば走行が可能であるため、上記自走式浄化設備に比べると機動力に優れており、迅速に被災地に移動して造水作業を行なうことができる。
【0005】
しかも、自転車搭載型の場合は、人力で濾過装置のポンプを駆動するため、電気やガソリン等のエネルギー源が確保できなくとも造水が可能である。また、モーターサイクル搭載型では燃料タンクにガソリンがある範囲で造水が可能である。
【0006】
図4は上記自転車搭載型の移動式造水機の構成を示したものである。
【0007】
同図に示す移動式造水機は、自転車50の荷台51に造水ユニット52を搭載しており、この造水ユニット52は、ケース53内に収納された濾過ポンプと、濾過装置54と、この濾過装置54の反対側に取り付けられる前処理用のフィルタ55等から構成されており、上記濾過ポンプの駆動源は、自転車50の後輪車軸に固定されているスプロケット56からチェーン57を介して得るようになっている。
【0008】
なお、図中、58は濾過水を蓄える濾過水タンクであり、59は逆洗に使用される空気タンクである(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−301485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記した移動式造水機のように、自転車やバイクから動力源を得る構成では、自転車やバイクに濾過ポンプ用の動力伝達機構を加工する必要があり、また、造水機用に改良された自転車やバイクは、平常時に通常の自転車、バイクとして使用することができないという不都合がある。
【0010】
本発明は以上のような従来の移動式造水機における課題を考慮してなされたものであり、専用の自転車、またはバイクを必要とせず、軽量で持ち運びが可能であり、任意の自転車やバイクから濾過ポンプの駆動源を得ることができるポンプ装置およびそれを備えた造水装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のポンプ装置は、給水ポンプと、自転車やモーターサイクルの駆動輪の回転力を上記給水ポンプの回転軸に伝達する駆動力伝達装置とを備え、
上記駆動力伝達装置が、ベース部材と、平行な水平軸まわりにそれぞれ回動自在に設けられる一対のローラと、上記ベース部材から立設され、それらのローラの回転軸を軸支する支持部材と、上記一対のローラを周回するように架設されるとともに上記駆動輪が載置されるエンドレスのベルトと、上記ローラのいずれか一方の上記回転軸と上記給水ポンプの回転軸とを連動させる連動手段とを備えてなることを要旨とする。
【0012】
本発明のポンプ装置において、上記一対のローラとしてタイミングプーリを有し、上記ベルトとしてタイミングベルトを有することができる。
【0013】
本発明のポンプ装置において、上記連動手段として、上記ローラの回転軸に設けられたスプロケットと、上記ポンプの回転軸に設けられたスプロケットと、上記両スプロケットに張架されるチェーンとを有することができる。
【0014】
本発明のポンプ装置において、上記給水ポンプの回転軸から回転力が伝達されて駆動する薬液供給ポンプを備えることができる。
【0015】
また、本発明の造水装置は、上記構成を有するポンプ装置と、
上記ポンプ装置の吸入側から延設され水源に浸漬される取水部と、
上記ポンプ装置によって上記水源から移送された被処理水を濾過する濾過ユニットとを備えてなることを要旨とする。
【0016】
本発明の造水装置において、上記濾過ユニットとして、UF膜またはMF膜モジュールを有することができる。
【0017】
本発明の造水装置において、上記濾過ユニットとして、上記UF膜またはMF膜モジュールの上流側に活性炭フィルタを有することができる。
【0018】
本発明の造水装置において、上記濾過ユニットとして、上記活性炭フィルタの上流側に砂濾過器を有することができる。
【0019】
本発明の造水装置において、上記活性炭フィルタからの濾過水を上記UF膜またはMF膜モジュールの排出口側に案内する流路切換弁と、上記UF膜またはMF膜モジュールの排出口から延設される排出流路とから構成される逆洗回路を有することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のポンプ装置によれば、専用の自転車、またはバイクを必要とせず、軽量で持ち運びが可能であり、任意の自転車やバイクから濾過ポンプの駆動源を得ることができるという長所を有する。
【0021】
本発明の造水装置によれば、上記ポンプ装置と組み合わせることにより、任意の自転車やバイクから濾過ポンプの駆動源を得て水源から被処理水を汲み上げ、濾過して浄水を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る造水装置の構成を示した説明図である。
【0024】
同図において、造水装置1はポンプユニット2と濾過ユニット3とから主として構成されている。
【0025】
1 ポンプユニット
1.1 給水ポンプと殺菌用ポンプ
ポンプユニット2は、ベーンポンプからなる給水ポンプ4と殺菌用ポンプ5とを有している。
【0026】
給水ポンプ4の吸入側ポート4aはホース6を介して粗フィルタ7が接続されており、この粗フィルタ7は被処理水を採取するため、河川、溜池、プール、あるいはタンクローリーによって搬入され槽に溜められた水等の水源に浸漬される。上記ホース6および粗フィルタ7は取水部として機能する。
【0027】
また、給水ポンプ4の吐出側ポート4bは、ホース8を介して上記濾過ユニット3の給水ポート3aに接続されている。
【0028】
また、殺菌用(薬液供給)ポンプ5の吸入側ポート5aはホース9を介して、例えば次亜塩素酸ソーダ等の薬液を貯蔵した薬液タンク10に接続されており、吐出側ポート5bは上記濾過ユニット3の薬液ポート3bに接続されている。
【0029】
上記給水ポンプ4の回転軸にはスプロケット4cが備えられ、上記殺菌用ポンプ5の回転軸にはスプロケット5cが備えられ、スプロケット4cとスプロケット5cをチェーン11で連絡することにより、給水ポンプ4と殺菌用ポンプ5とが連動するようになっている。
【0030】
図2の拡大図に示すように、給水ポンプ4の回転軸にはスプロケット4cと同軸でスプロケット4cよりも大径のスプロケット4dが備えられており、このスプロケット4dはチェーン12を介し駆動力伝達装置13と接続されている。
【0031】
1.2 駆動力伝達装置
駆動力伝達装置13は、地面または床面等の平坦部に載置されるベースプレート(ベース部材)13aを有し、このベースプレート13aの一方端部から一対の支持部材13b,13b(手前側のみ図示)が立設され、他方端部からも一対の支持部材13c,13c(手前側のみ図示)が立設されている。
【0032】
上記一対の支持部材13b,13bの上端部にはφ130mmのタイミングプーリ(ローラ)13dが水平軸まわりに回動自在に架設(紙面厚み方向に)されており、上記一対の支持部13c,13cについても上記タイミングプーリ13dと同じ構成からなるタイミングプーリ13eが架設されている。
【0033】
上記タイミングプーリ13dとタイミングプーリ13eには、若干、緩みを持たせた状態でタイミングベルト(エンドレスのベルト)13fが架設され、両タイミングプーリ13dおよび13eを周回するようになっている。
【0034】
このタイミングベルト13f上に、そのタイミングベルト13fの移動方向に向けてモーターサイクルの後輪(駆動輪)14が載せられる。なお、本実施形態の後輪は、幅10cm、外径560mmのゴムタイヤからなる。
【0035】
本実施形態のモーターサイクルでは後輪荷重が80kg、後輪空気圧が1.0kg/cmであり、後輪14をタイミングベルト13fで支持し、後輪14の回転力をそのタイミングベルト13fを介してタイミングプーリ13dおよび13eに伝達し、駆動力の伝達効率を高めるようになっている。
【0036】
詳しくは、後輪にローラに接触させて駆動力を伝達させる従来の駆動力伝達装置では、後輪とローラとの接触長さが3cm程度であり、十分な接触面積が得られないことから駆動力の伝達効率が低く、接触面積を増やすためには後輪幅の広いモーターサイクルを採用する必要があり、伝達効率を高めるための方法としては現実的ではなかった。
【0037】
これに対し、本実施形態では、後輪14を直接、ローラに接触させず、タイミングベルト13fを介してタイミングプーリ13d,13eに伝達するように構成している。このタイミングベルト13fは、後輪14に対し円弧状に接触することが可能であり、それにより、従来のように後輪にローラを接触させるものに比べて、後輪14との接触面積を大幅に増やすことができ、駆動力の伝達効率を高めることが可能になる。
【0038】
本実施形態では、後輪14の接触幅が6cmであり、後輪14とタイミングベルト13fとの接触長さLを25cmとしたことにより、後輪14とタイミングベルト13fとの接触面積を、6×25=150cm確保することができた。
【0039】
なお、駆動力伝達装置13のタイミングベルト13fに後輪14を載せる際、ベースプレート13aから立設され後輪14の車軸を支える転倒防止材を使用してモーターサイクルの転倒を防止するようにする。
【0040】
また、タイミングプーリ13eの回転軸13gにはスプロケット13hが備えられ、このスプロケット13hは給水ポンプ4の回転軸に備えられたスプロケット4dとチェーン12を介して連結されている。それにより、後輪14の回転力を給水ポンプ4の回転軸に伝達することができるようになっている。
【0041】
上記スプロケット13h、スプロケット4d、チェーン12は連動手段として機能する。
【0042】
次に、(a)後輪14を直接、ローラに載せた場合と、(b)タイミングベルト13fを介して駆動力をタイミングプーリ13d,13eに伝達した場合とで動力伝達効率を比較した。
【0043】
測定にあたっては、タイミングプーリ13eの回転軸13gの軸端に、長さ1mのアームAを取り付けて回転軸13gまわりに回転できるようにし、さらにそのアームAの自由端側にバネ計りBを取り付けた。
【0044】
次に、後輪14とタイミングベルト13f(またはローラ)とを密着させた状態で後輪14に制動を与え、アームAを矢印C方向に一定速さで回転させていき、やがて(a)後輪14とローラとの間、または(b)後輪14とタイミングベルト13fとの間でスリップが生じた時のトルクをそれぞれバネ計りBで測定し、(a)と(b)とで得られたトルクを測定した。
【0045】
表1はそのトルク測定結果を示したものである。
【0046】
【表1】

【0047】
上記表1から分かるように、タイミングベルトを介して後輪14の動力をタイミングプーリに伝達する(b)の構成では、後輪の動力を直接、ローラに伝達する(a)の構成に比べ、1.9〜2.3倍のトルクの向上が確認された。
【0048】
したがって、本実施形態の駆動力伝達装置13を使用すれば、駆動力をより効率良く給水ポンプ4に伝達することが可能になる。
【0049】
2 濾過ユニット
次に、図1に戻って濾過ユニット3の構成を説明する。
【0050】
濾過ユニット3は、第1砂濾過器20と、第2砂濾過器21と、活性炭フィルタ22と、UF(Ultra Filtration)膜モジュール23とから主として構成されている。
【0051】
上記給水ポート3aから供給される被処理水は、配管24を通じて上記第1砂濾過器20および第2砂濾過器21にそれぞれ並行して供給され、第1砂濾過器20および第2砂濾過器21によって前処理された前処理水は、配管25で合流され上記活性炭フィルタ22に供給されるようになっている。
【0052】
なお、本実施形態では上記第1砂濾過器20および第2砂濾過器21に被処理水を並行して供給したが、被処理水の汚濁が少ない場合には第1砂濾過器20のみで被処理水を濾過することもできる。
【0053】
活性炭フィルタ22によって濾過された濾過水は、さらに配管26を通じて上記UF膜モジュール23に供給され、このUF膜モジュール23によって濾過された浄水は配管27を通じ、蛇口となるプラグ弁28から取り出されるようになっている。
【0054】
なお、上記給水ポート3aから分岐して、後述する逆洗用の配管29も設けられている。
【0055】
上記薬液ポート3bは配管30を通じて上記配管27と接続されており、UF膜モジュール23から得られる浄水に薬液を混合するようになっている。
【0056】
なお、薬液は薬液ポート3b→別の配管31を通じて上記配管24にも供給することができるようになっており、この流路は第1および第2砂濾過器20,21の殺菌に利用される。
【0057】
また、上記配管24には圧力計32が、上記活性炭フィルタ22の上流側には圧力計33が、上記UF膜モジュール23の上流側には圧力計34がそれぞれ設けられている。
【0058】
また、濾過ユニット3には各処理段階における被処理水、濾過水等を配管35を通じて排出するための排出ポート3cが設けられている。
【0059】
また、3dは給水ポート3aから濾過ユニット3に取り入れた被処理水を水源に戻すための戻りポートであり、濾過ユニット3に供給する被処理水の供給量を調整するために設けられている。
【0060】
上記UF膜モジュール23は全量濾過タイプのもので構成され、図3に示すように、底蓋部23aと上蓋部23bを有し、φ79mm、長さ250mmの円筒状容器23cを外装として有し、底蓋部23aには活性炭フィルタ22からの濾過水を導入するための導入口23dが備えられ、上蓋部23bには浄水を排出するための排出口23eが備えられている。
【0061】
なお、円筒状容器23cの側壁には濃縮水(またはエアー抜き用)を排出しながら濾過を行なうタイプにも兼用できるように口部23f,23fが備えられている。
【0062】
円筒状容器23c内には、例えばポリエーテルスルホンからなる多数本の中空糸23gが束状に収納されており、中空糸23gの外面側に導入された被処理水は、中空糸23gの細孔を通過することによって濾過され、濾過された浄水は中空糸23gの内部を通って円筒状容器23cの上部室Dに集合し、排出口23eから送り出されるようになっている。
【0063】
なお、本実施形態ではUF膜モジュール23を使用したが、これに代えてMF(Micro Filtration)膜モジュールを使用することもできる。
【0064】
3 造水装置の造水処理
次に、上記構成からなる造水装置1の処理動作について図1を参照しながら説明する。
【0065】
ただし、以下に説明するバルブa,bは、手動ボール弁と手動ストップ弁を組み合わせた流量制御弁、バルブcは手動ストップ弁、バルブd〜mはそれぞれ手動ボール弁を示している。
【0066】
濾過処理を行う場合、バルブa,c,d,e,h,i,j,k,mはそれぞれ閉、バルブb,f,g,lはそれぞれ開とする。
【0067】
モーターサイクルの後輪14を回転させると、タイミングベルト13fを介してタイミングプーリ13dおよび13eが回転し、タイミングプーリ13eに対してチェーン12を介して接続されている給水ポンプ4が駆動し、同時にその給水ポンプ4に対してチェーン11を介して接続されている薬液ポンプ5が駆動する。
【0068】
それにより、給水ポンプ4は粗フィルタ7から被処理水を汲み上げて濾過ユニット3の給水ポート3aに給水し、一方、殺菌用ポンプ5は薬液タンク10から薬液を汲み上げて薬液ポート3bに供給する。
【0069】
給水ポート3aからの被処理水は配管24を通じて第1および第2砂濾過器20,21にそれぞれ供給されて被処理水中の不純物が除去される。
【0070】
不純物が除去された前処理水は、次に配管25を通じて活性炭フィルタ22に供給され、前濾過処理が行なわれる。
【0071】
前濾過処理された濾過水は、次に配管26を通じてUF膜モジュール23の導入口23d(図3参照)に供給されて限外濾過され、浄水として排出口23eから配管27に送り出される。
【0072】
この浄水に対し、薬液ポート3b→配管30から供給される所定濃度の薬液が混合される。それにより、プラグ弁28を開けば、殺菌された浄水が得られる。
【0073】
4 造水装置の洗浄処理
上記の濾過処理を実行することによって被処理水が濾過され浄水が造水されるが、この処理を継続して行なうと、第1および第2砂濾過器20,21、活性炭フィルタ22、およびUF膜モジュール23に濁質が蓄積されていく。
【0074】
その結果、圧力計34に表示される圧力が上昇し、処理できる水量も次第に低下してくる。したがって、継続して濾過性能を維持するためには、第1および第2砂濾過器20,21、活性炭フィルタ22、およびUF膜モジュール23の中空糸23g(図3参照)に付着した濁質を定期的に除去する必要がある。
【0075】
4.1 UF膜モジュールの逆洗
UF膜モジュール23を逆洗する場合、バルブgを閉じてバルブh,i,j,kを開き、活性炭フィルタ22からの濾過水をUF膜モジュール23の排出口23eから導入する。なお、上記バルブh,i,j,kは流路切換弁として機能する。
【0076】
UF膜モジュール23内では、濾過水の濾過処理時とは逆の流れが発生することにより、中空糸23gの膜表面に付着した濁質が洗い流され、逆洗回路としての口部23f→配管35→排出ポート3cから洗い流された濁質が排出される。
【0077】
また、UF膜モジュール23の底部に残る洗浄排水は、配管26a→バルブi→配管35→排出ポート3cを通じて排出される。
【0078】
4.2 砂濾過器の逆洗浄
第1および第2砂濾過器20,21を逆洗する場合、バルブbを閉じてバルブaを開き、給水ポート3aからの給水を配管29を通じて第1および第2砂濾過器20,21の出口側に導入する。それにより、砂濾過器20,21内に蓄積した濁質が入口側から洗い流され、排出管24aおよび24bから配管35に流れて排出ポート3cから排出される。
【0079】
4.3 砂濾過器の正洗
第1および第2砂濾過器20,21を正洗する場合、バルブa,fを閉じてバルブb,eを開き、給水ポート3aからの給水を通常の濾過処理と同様に、第1および第2砂濾過器20,21の入口側に導入する。それにより、第1および第2砂濾過器20,21内に蓄積した濁質が出口側から洗い流され、排出管25a→配管35→排出ポート3cを通じて排出される。
【0080】
上記洗浄処理を行なうことにより、濾過処理を継続して行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係る造水装置の構成を示す説明図である。
【図2】図1の駆動力伝達装置の拡大図である。
【図3】図1のUF膜モジュールの構成を示す拡大断面図である。
【図4】従来の移動式造水機の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0082】
1 造水装置
2 ポンプユニット
3 濾過ユニット
3a 給水ポート
3b 薬液ポート
4 給水ポンプ
5 殺菌用ポンプ
6 ホース
7 粗フィルタ
8,9 ホース
10 薬液タンク
11,12 チェーン
13 駆動力伝達装置
13a ベースプレート
13b,13c 支持部材
13d,13e タイミングプーリ(ローラ)
13f タイミングベルト(ベルト)
14 後輪(駆動輪)
20 第1砂濾過器
21 第2砂濾過器
22 活性炭フィルタ
23 UF膜モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水ポンプと、自転車やモーターサイクルの駆動輪の回転力を上記給水ポンプの回転軸に伝達する駆動力伝達装置とを備え、
上記駆動力伝達装置が、ベース部材と、平行な水平軸まわりにそれぞれ回動自在に設けられる一対のローラと、上記ベース部材から立設され、それらのローラの回転軸を軸支する支持部材と、上記一対のローラを周回するように架設されるとともに上記駆動輪が載置されるエンドレスのベルトと、上記ローラのいずれか一方の上記回転軸と上記給水ポンプの回転軸とを連動させる連動手段とを備えてなることを特徴とするポンプ装置。
【請求項2】
上記一対のローラとしてタイミングプーリを有し、上記ベルトとしてタイミングベルトを有する請求項1記載のポンプ装置。
【請求項3】
上記連動手段として、上記ローラの回転軸に設けられたスプロケットと、上記ポンプの回転軸に設けられたスプロケットと、上記両スプロケットに張架されるチェーンとを有する請求項1または2記載のポンプ装置。
【請求項4】
上記給水ポンプの回転軸から回転力が伝達されて駆動する薬液供給ポンプが備えられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のポンプ装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のポンプ装置と、
上記ポンプ装置の吸入側から延設され水源に浸漬される取水部と、
上記ポンプ装置によって上記水源から移送された被処理水を濾過する濾過ユニットとを備えてなることを特徴とする造水装置。
【請求項6】
上記濾過ユニットとして、UF膜またはMF膜モジュールを有する請求項5記載の造水装置。
【請求項7】
上記濾過ユニットとして、上記UF膜またはMF膜モジュールの上流側に活性炭フィルタを有する請求項6記載の造水装置。
【請求項8】
上記濾過ユニットとして、上記活性炭フィルタの上流側に砂濾過器を有する請求項7記載の造水装置。
【請求項9】
上記活性炭フィルタからの濾過水を上記UF膜またはMF膜モジュールの排出口側に案内する流路切換弁と、上記UF膜またはMF膜モジュールの排出口から延設される排出流路とから構成される逆洗回路を有する請求項7記載の造水装置。

【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−293486(P2009−293486A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−147133(P2008−147133)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【出願人】(593012181)東洋紡エンジニアリング株式会社 (20)
【Fターム(参考)】