説明

ポータブルナビゲーション装置、及びプログラム

【課題】携帯可能なナビゲーション装置において、自車位置を目的地とした案内を実行することが可能なポータブルナビゲーション装置、モード切替え方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】表示部と、操作部と、現在地情報を取得する現在位置検出部と、当該ポータブルナビゲーション装置が車内の筐体に取り付けられたか否かを検出する着脱検出部と、着脱検出部からの検出信号に基づいて当該ポータブルナビゲーション装置が車内の筐体から取り外されたと判断した場合に、現在位置検出部により取得された現在地情報を取外し位置情報として一時記憶部に記憶させ、携帯モードへの切替えが可能であることを表示部に表示させ、操作部を介して携帯モードへの切替え指示が入力された場合に、一時記憶部に記憶された取外し位置情報を目的地として記憶させ、携帯モードに切替える制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポータブルナビゲーション装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、目的地までの経路探索(ルート探索)を行い、探索結果に応じて誘導ルートを案内する機能を備えたナビゲーション装置が提案されている。ナビゲーション装置は、画面に自車両の現在地周辺の地図を表示するとともに、自車両の現在地を示す現在地マークを地図上に重畳表示する。そして、自車両の現在地の変化に伴い、随時画面の表示が更新される。
【0003】
また、ナビゲーション装置は、ドライバによって出発地と目的地が設定された場合に、その出発地から目的地に至る最適ルートを、地図データを用いて探索する。そして、上記現在地マークとともに、その最適ルートを画面に表示する。
【0004】
近年、市場に出ているナビゲーション装置の中には、車内で使用するのみならず、携帯して使用することが可能なPND(Portable Navigation Device)と呼ばれる機器が存在する。このPNDは、一般に、車内で使用するときのモード(以下、車モード)と携帯時に使用するときのモード(以下、携帯モード)とを備える。
【0005】
上記したPNDに類似する技術として、例えば特許文献1には、周りの騒音環境や自車までの距離等に影響されることなく、駐車場等においてユーザに自車位置を正確に認識させることができる技術が開示されている。すなわち、車両に固定的に搭載されたナビゲーション装置と携帯電話機等の携帯端末間の無線通信を利用して、騒音の大きな場所や自車までの距離が遠い場合などにも、ユーザに自車位置を正確に認識させることを可能とする。
【0006】
また、例えば特許文献2には、駐車場システムと連携しなくとも乗車者が携帯する携帯端末装置を利用して自車両の位置までの誘導情報を効率よく乗車者に通知することができる技術が開示されている。すなわち、自車両とドライバが携帯する携帯端末装置間のローカル通信を利用して、例えば駐車場内に防護壁などの障害物がある場合や立体駐車場の上下階を識別できない場合などの不都合な状況下でも、自車両までの誘導情報をドライバに通知することを可能とする。
【0007】
また、例えば特許文献3には、通信費用を抑えつつ、移動手段が切り替わったことを基地局サーバが認識することができる技術が開示されている。すなわち、移動手段が自動車である場合はカーナビ装置による誘導を行い、徒歩である場合は携帯電話による誘導を行うナビゲーションシステムにおいて、カーナビ装置による誘導の場合、現在地と目的地との距離が所定の距離内である場合に基地局サーバに降車する旨を通知し、携帯電話による誘導の場合、次に利用する移動手段が自動車である場合に基地局サーバに乗車する旨を通知することで、降車又は乗車のときにのみ基地局サーバと通信を行うようにしたので、通信費用を抑えつつ、移動手段が切り替わったことを基地局サーバが認識することを可能とする。
【0008】
また、例えば特許文献4には、利用者が歩行中に携帯用機器によりナビゲーション機能を行わせる際に、情報センターを利用する必要がなく、それにより情報センター等の通信費が不要となり、また携帯用機器にGPS受信器を搭載する必要がなく小型軽量化が可能であり、更に動画を再生し表示する機能を備えた携帯用機器であるならばすべての機器で使用できるようにした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−75188号公報
【特許文献2】特開2005−345200号公報
【特許文献3】特開2005−249444号公報
【特許文献4】特開2008−14881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記した特許文献1〜4の技術は、あくまでも車両内のナビゲーション装置とは別個に携帯電話等の携帯端末装置を使用するシステムであり、ナビゲーション装置そのものを持ち運び可能なPNDとは趣向が異なる。また、車両内のナビゲーション装置と携帯端末装置を双方用意する必要があり、コストがかかるといった問題があった。
【0011】
本発明は、携帯可能なナビゲーション装置において、自車位置を目的地とした案内を実行することが可能なポータブルナビゲーション装置、モード切替え方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、車内で使用するための車モード又は携帯して使用するための携帯モードのいずれかで動作し、車内の筐体に着脱可能に構成されたポータブルナビゲーション装置であって、表示部と、操作部と、現在地情報を取得する現在位置検出部と、当該ポータブルナビゲーション装置が前記車内の筐体に取り付けられたか否かを検出する着脱検出部と、前記着脱検出部からの検出信号に基づいて当該ポータブルナビゲーション装置が前記車内の筐体から取り外されたと判断した場合に、前記現在位置検出部により取得された現在地情報を取外し位置情報として一時記憶部に記憶させ、前記携帯モードへの切替えが可能であることを前記表示部に表示させ、前記操作部を介して前記携帯モードへの切替え指示が入力された場合に、前記一時記憶部に記憶された取外し位置情報を目的地として記憶させ、前記携帯モードに切替える制御部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のポータブルナビゲーション装置において、前記制御部は、目的地案内を行っているか否かを判定し、当該目的地案内を行っていないと判定した場合に、前記目的地として記憶された取外し位置情報が示す位置に戻るための操作ボタンを前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のポータブルナビゲーション装置において、前記制御部は、前記着脱検出部からの検出信号に基づいて当該ポータブルナビゲーション装置が前記車内の筐体に装着されたと判断した場合に、前記一時記憶部に記憶された取外し位置情報を破棄し、前記携帯モードへの切替えが不可能であることを前記表示部に表示させ、前記車モードに切替えることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のポータブルナビゲーション装置において、前記制御部は、前記目的地案内が終了した場合に、現在の設定が前記携帯モードであるか前記車モードであるかを判定し、携帯モードであると判定した場合に、前記目的地として記憶された取外し位置情報が示す位置に戻るための操作ボタンを前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項2から4のいずれか一項に記載のポータブルナビゲーション装置において、前記制御部は、前記目的地として記憶された取外し位置情報が示す位置に戻るための操作ボタンが押下されたことを検出した場合に、次の目的地を当該取外し位置情報が示す位置に設定し、当該設定された目的地に向けて案内を行うことを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、車内で使用するための車モード又は携帯して使用するための携帯モードのいずれかで動作し、車内の筐体に着脱可能に構成されたポータブルナビゲーション装置に搭載されるコンピュータを、表示手段、操作手段、現在地情報を取得する現在位置検出手段、当該ポータブルナビゲーション装置が前記車内の筐体に取り付けられたか否かを検出する着脱検出手段、前記着脱検出手段からの検出信号に基づいて当該ポータブルナビゲーション装置が前記車内の筐体から取り外されたと判断した場合に、前記現在位置検出手段により取得された現在地情報を取外し位置情報として一時記憶部に記憶させ、前記携帯モードへの切替えが可能であることを前記表示手段に表示させ、前記操作手段を介して前記携帯モードへの切替え指示が入力された場合に、前記一時記憶手段に記憶された取外し位置情報を目的地として記憶させ、前記携帯モードに切替える制御手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、携帯可能なナビゲーション装置において、自車位置を目的地とした案内を実行することが可能なポータブルナビゲーション装置、モード切替え方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係るPND100の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係るPND100内で行われる取り外し検出処理の一例について示したフローチャートである。
【図3】本実施形態に係るPND100内で行われる携帯モード切替え処理の一例について示したフローチャートである。
【図4】本実施形態に係るPND100内で行われる装着検出割込み処理の一例について示したフローチャートである。
【図5】本実施形態に係るPND100内で行われる目的地案内終了後処理の一例について示したフローチャートである。
【図6】本実施形態に係るPND100内で行われる車に戻る実行処理の一例について示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、本発明に係るポータブルナビゲーション装置をPNDに適用した場合について例示する。
【0021】
図1は、本実施形態に係るPND100の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、PND100は、表示部1と、操作部2と、音声出力部3と、記憶部4と、現在位置検出部5と、制御部6と、検出センサ7と、接続コネクタ8と、を備えて構成される。また、PND100は、車内で使用する際、接続コネクタ8を介して車内の筐体200に装着又は取り外しが可能である。
なお、筐体200は、PND100との接続部分である接続コネクタ9と、PND100を充電するためのバッテリー10と、を備える。
【0022】
表示部1は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイを備え、当該ディスプレイ上には、ユーザによる操作(例えば手指やタッチペン等による押下)を検出する操作部2としての機能を有したタッチパネルが載置されている。
表示部1は、制御部6から出力された表示用データ(地図データ等)に基づいて、各種情報(例えば、地図画面やアイコン、ルート案内等のナビゲーション用の表示情報、自車の現在位置を示す自車マーク等)を表示する。
また、ユーザによるタッチパネル操作が検出されると、当該検出された位置の座標(押下座標)が制御部6に入力される。
操作部2は、車内で使用するための車モードと携帯して使用するための携帯モードとを切替える操作を受け付ける。
【0023】
音声出力部3は、D/A変換器、アンプ、スピーカ等を備えて構成され、制御部6から出力された音声データをアナログの音声信号に変換して音声出力する。
【0024】
記憶部4は、例えば、半導体メモリで構成され、地図データ41、音声データ42等を格納している。地図データ41には、例えば、広域をカバーした地図情報(複数縮尺に対応)、道路情報、施設、海、川等の各種シンボル情報等が記憶されている。また、音声データ42には、例えば、ルート案内に必要な、単語や文節等からなるメッセージのデータ等が予め記憶されている。なお、地図データ41及び音声データ42は、PND100に着脱自在に装着されるCD−ROM(Compact Disk ROM)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc ROM)等の磁気的、光学的記録媒体や、無線通信等を介して接続されるサーバ装置から取得されるようにしてもよい。
【0025】
現在位置検出部5は、GPSモジュール、自律航法ユニット等を備えて構成されている。
GPSモジュールは、図示しないGPSアンテナ等を備えて構成される。このGPSアンテナは、地球低軌道に打ち上げられた複数のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信する。GPSアンテナは、少なくとも3個のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて車両の絶対的な現在位置(緯度、経度)を検出して、制御部6に出力する。
自律航法ユニットは、角度センサ、距離センサ等を備える。角度センサは、車の角速度(単位時間あたりの水平方向への回転角度)を検出して、移動方位の変化量を算出する。距離センサは、車輪の回転に応じて出力されるパルス信号を検出して、車両の移動量を算出する。自律航法ユニットは、これら角速度信号および車速パルス信号により、車両の相対的な位置変化を算出して制御部6に出力する。
【0026】
制御部6は、例えば、CPU(Central Processing Unit)61、RAM(Random Access Memory)62、ROM(Read Only Memory)63等を備えて構成され、PND100の各部を制御する。
CPU61は、ROM63に格納された処理プログラム等を読み出して、RAM62に展開して実行することにより、PND100全体の制御を行う。
RAM62は、CPU61により実行された処理プログラム等を、RAM62内のプログラム格納領域に展開するとともに、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等をデータ格納領域に格納する。
ROM63は、例えば、半導体メモリで構成され、処理プログラムやデータ等が予め記憶されている。ROM63には、例えば、PND100本体を車内の筐体200から取り外した際に処理を行わせる取り外し検出プログラム、ユーザが携帯モードへの切替え操作を行った際の処理を行わせる携帯モード切替えプログラム、PND100本体を車内の筐体200に装着した際に処理を行わせる装着検出割込みプログラム、車移動用の目的地案内を終了した際の処理を行わせる目的地案内終了後プログラム、ユーザが「車に戻る」ボタンを押下した際の処理を行わせる車に戻る実行プログラム等が記憶されている。
【0027】
検出センサ7は、PND100が筐体200に接続された又は筐体200から取り外されたことを検出するためのセンサである。検出センサ7は、検出した結果を制御部6に出力する。
接続コネクタ8は、例えばUSB規格のインターフェースであり、PND100を筐体200に着脱可能に構成される。
【0028】
次に、PND100の動作について説明する。
図2は、PND100本体を車内の筐体200から取り外した際の処理(取り外し検出処理)の一例について示したフローチャートである。この取り外し検出処理は、PND100本体が取り外されたことを検出センサ7が検出し、その検出結果を制御部6が受信したことを契機に、CPU61がROM63に格納されている取り外し検出プログラムを実行することにより実現される。
【0029】
まず、図2に示すように、現在位置検出部5により検出された現在地情報をRAM62に記憶する(ステップS11)。
次に、車モードから携帯モードへの切替えを許可するフラグをON(許可)にする(ステップS12)。当該フラグの状態(ON/OFF)は、RAM62に一時的に格納される。
さらに、携帯モードへの切替えが可能である旨(以下、携帯モード切替え可能表示)を表示部1に表示させる(ステップS13)。
【0030】
図3は、ユーザがPND100の表示部1に表示された携帯モード切替え可能表示に基づいて携帯モードへの切替え操作を行った際の処理(携帯モード切替え処理)の一例について示したフローチャートである。この携帯モード切替え処理は、ユーザ操作により携帯モードへの切替えが指示されたことを示す操作信号を制御部6が受信したことを契機に、CPU61がROM63に格納されている携帯モード切替えプログラムを実行することにより実現される。
【0031】
まず、図3に示すように、携帯モードへの切替えが許可された状態であるか否かを判定する(ステップS21)。当該判定は、RAM62に一時的に格納されているフラグの状態を参照して行われる。携帯モードへの切替えが許可された状態であると判定した場合(ステップS21:YES)は、図2のステップS11でRAM62に記憶した現在地情報を、車に戻るための「目的地(取外し位置情報)」として記憶する(ステップS22)。一方、携帯モードへの切替えが許可された状態でないと判定した場合(ステップS21:NO)は、特に処理は行わず、そのまま当該携帯モード切替え処理を終了する。
【0032】
携帯モードへの切替えが許可された状態であると判定される(ステップS21:YES)と、車モードから携帯モードへと切替える(ステップS23)。そして、関係する機能設定(表示地図の設定やポジションマークの変更、GPSデータの誤差補完方法等)を変更する。
【0033】
次に、PND100が車移動用の目的地案内を行っているか否かを判定する(ステップS24)。車移動用の目的地案内を行っていると判定した場合(ステップS24:YES)は、特に処理は行わず、そのまま当該携帯モード切替え処理を終了する。一方、車移動用の目的地案内を行っていないと判定した場合(ステップS24:NO)は、「車に戻る」ボタンを表示部1に表示させる(ステップS25)。
【0034】
図4は、PND100本体を車内の筐体200に装着した際の処理(装着検出割込み処理)の一例について示したフローチャートである。この装着検出割込み処理は、PND100本体が装着されたことを検出センサ7が検出し、その検出結果を制御部6が受信したことを契機に、CPU61がROM63に格納されている装着検出割込みプログラムを実行することにより実現される。
【0035】
まず、図4に示すように、図2のステップS11でRAM62に記憶した現在地情報を破棄する(ステップS31)。
次に、車モードから携帯モードへの切替えを許可するフラグをOFF(不許可)にする(ステップS32)。当該フラグの状態(ON/OFF)は、RAM62に一時的に格納される。
さらに、携帯モードへの切替えが不可である旨(以下、携帯モード切替え不可表示)を表示部1に表示させ(ステップS33)、携帯モードから車モードへと切替える(ステップS34)。そして、関係する機能設定(表示地図の設定やポジションマークの変更、GPSデータの誤差補完方法等)を変更する。
【0036】
図5は、目的地案内を終了した際の処理(目的地案内終了後処理)の一例について示したフローチャートである。この目的地案内終了後処理は、目的地案内が終了したことを示す信号を制御部6が受信したことを契機に、CPU61がROM63に格納されている目的地案内終了後プログラムを実行することにより実現される。なお、この目的地案内終了後処理は、車モードでの目的地案内終了後に、ユーザがPND100を携帯し、大型駐車場などで迷った場合でも車に戻ることができるようにするために行われる。
【0037】
まず、図5に示すように、現在の設定が携帯モードであるか車モードであるかを判定する(ステップS41)。現在の設定が携帯モードであると判定した場合(ステップS41:YES)は、「車に戻る」ボタンを表示部1に表示させる(ステップS42)。一方、現在の設定が車モードであると判定した場合(ステップS41:NO)は、特に処理は行わず、そのまま当該目的地案内終了後処理を終了する。
【0038】
図6は、ユーザが「車に戻る」ボタンを押下した際の処理(車に戻る実行処理)の一例について示したフローチャートである。この車に戻る実行処理は、ユーザ操作により「車に戻る」ボタンが押下されたことを示す操作信号を制御部6が受信したことを契機に、CPU61がROM63に格納されている車に戻る実行プログラムを実行することにより実現される。
【0039】
まず、図6に示すように、目的地を「車に戻るための目的地」に設定する(ステップS51)。
次に、ステップS51で設定された「車に戻るための目的地」に向けた案内を実行する(ステップS52)。
【0040】
このように、本実施形態に係るPND100は、車内で使用するための車モード又は携帯して使用するための携帯モードのいずれかで動作し、車内の筐体(筐体200)に着脱可能に構成されたポータブルナビゲーション装置であって、表示部(表示部1)と、操作部(操作部2)と、現在地情報を取得する現在位置検出部(現在位置検出部5)と、当該ポータブルナビゲーション装置が車内の筐体に取り付けられたか否かを検出する着脱検出部(検出センサ7)と、着脱検出部からの検出信号に基づいて当該ポータブルナビゲーション装置が車内の筐体から取り外されたと判断した場合に、現在位置検出部により取得された現在地情報を取外し位置情報として一時記憶部に記憶させ、携帯モードへの切替えが可能であることを表示部に表示させ、操作部を介して携帯モードへの切替え指示が入力された場合に、一時記憶部に記憶された取外し位置情報を目的地として記憶させ、携帯モードに切替える制御部(制御部6)と、を備える。
【0041】
また、車移動用の目的地案内を行っているか否かを判定し、当該目的地案内を行っていないと判定した場合に、目的地として記憶された取外し位置情報が示す位置に戻るための操作ボタンを表示部に表示させる
【0042】
また、制御部は、着脱検出部からの検出信号に基づいて当該ポータブルナビゲーション装置が車内の筐体に装着されたと判断した場合に、一時記憶部に記憶された取外し位置情報を破棄し、携帯モードへの切替えが不可能であることを表示部に表示させ、車モードに切替える。
【0043】
さらに、制御部は、車移動用の目的地案内が終了した場合に、現在の設定が携帯モードであるか車モードであるかを判定し、携帯モードであると判定した場合に、目的地として記憶された取外し位置情報が示す位置に戻るための操作ボタンを表示部に表示させる。そして、目的地として記憶された取外し位置情報が示す位置に戻るための操作ボタンが押下されたことを検出した場合に、次の目的地を当該取外し位置情報が示す位置に設定し、当該設定された目的地に向けて案内を行う。
【0044】
これにより、携帯可能なナビゲーション装置において、自車位置を目的地とした案内を実行することができるので、装置を2つ用意する必要がなくなり、コストを削減することができる。
【0045】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0046】
例えば、上記実施形態では、携帯モードへの切替えを許可/不可した旨を表示部1に表示させるようにしているが、同時に音声出力部3からその旨をアナウンスさせるようにしてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、PND100を筐体200から取り外した地点を現在地として記憶させるようにしているが、例えば予め現在地を記憶するためのボタンを用意して、ユーザが任意の地点で当該ボタンを押下することにより、当該地点を現在地として記憶させるようにしてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、「車に戻る」ボタンの有効状態をソフト的に表示させるようにしているが、例えば操作部2にイルミネーションキーが構成されているような場合には、イルミネーションを点灯させた表示を行わせることも可能である。
【0049】
その他、PND100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0050】
100 PND
1 表示部
2 操作部
3 音声出力部
4 記憶部
41 地図データ
42 音声データ
5 現在位置検出部
6 制御部
61 CPU
62 RAM
63 ROM
7 検出センサ
8 接続コネクタ
200 筐体
9 接続コネクタ
10 バッテリー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内で使用するための車モード又は携帯して使用するための携帯モードのいずれかで動作し、車内の筐体に着脱可能に構成されたポータブルナビゲーション装置であって、
表示部と、
操作部と、
現在地情報を取得する現在位置検出部と、
当該ポータブルナビゲーション装置が前記車内の筐体に取り付けられたか否かを検出する着脱検出部と、
前記着脱検出部からの検出信号に基づいて当該ポータブルナビゲーション装置が前記車内の筐体から取り外されたと判断した場合に、前記現在位置検出部により取得された現在地情報を取外し位置情報として一時記憶部に記憶させ、前記携帯モードへの切替えが可能であることを前記表示部に表示させ、前記操作部を介して前記携帯モードへの切替え指示が入力された場合に、前記一時記憶部に記憶された取外し位置情報を目的地として記憶させ、前記携帯モードに切替える制御部と、
を備えることを特徴とするポータブルナビゲーション装置。
【請求項2】
前記制御部は、
目的地案内を行っているか否かを判定し、当該目的地案内を行っていないと判定した場合に、前記目的地として記憶された取外し位置情報が示す位置に戻るための操作ボタンを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載のポータブルナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記着脱検出部からの検出信号に基づいて当該ポータブルナビゲーション装置が前記車内の筐体に装着されたと判断した場合に、前記一時記憶部に記憶された取外し位置情報を破棄し、前記携帯モードへの切替えが不可能であることを前記表示部に表示させ、前記車モードに切替えることを特徴とする請求項1又は2に記載のポータブルナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記目的地案内が終了した場合に、現在の設定が前記携帯モードであるか前記車モードであるかを判定し、携帯モードであると判定した場合に、前記目的地として記憶された取外し位置情報が示す位置に戻るための操作ボタンを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項2又は3に記載のポータブルナビゲーション装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記目的地として記憶された取外し位置情報が示す位置に戻るための操作ボタンが押下されたことを検出した場合に、次の目的地を当該取外し位置情報が示す位置に設定し、当該設定された目的地に向けて案内を行うことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載のポータブルナビゲーション装置。
【請求項6】
車内で使用するための車モード又は携帯して使用するための携帯モードのいずれかで動作し、車内の筐体に着脱可能に構成されたポータブルナビゲーション装置に搭載されるコンピュータを、
表示手段、
操作手段、
現在地情報を取得する現在位置検出手段、
当該ポータブルナビゲーション装置が前記車内の筐体に取り付けられたか否かを検出する着脱検出手段、
前記着脱検出手段からの検出信号に基づいて当該ポータブルナビゲーション装置が前記車内の筐体から取り外されたと判断した場合に、前記現在位置検出手段により取得された現在地情報を取外し位置情報として一時記憶部に記憶させ、前記携帯モードへの切替えが可能であることを前記表示手段に表示させ、前記操作手段を介して前記携帯モードへの切替え指示が入力された場合に、前記一時記憶手段に記憶された取外し位置情報を目的地として記憶させ、前記携帯モードに切替える制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−106849(P2011−106849A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259641(P2009−259641)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(508209990)J&Kカーエレクトロニクス株式会社 (98)
【Fターム(参考)】