マイクロプレート搬送装置及び方法
【課題】 装置構造の簡素化を図り、マイクロプレートに対する蓋の着脱やマイクロプレートの取り出しを簡単に且つ効率良く行うことができるマイクロプレート搬送装置及び方法を提供する。
【解決手段】 マイクロプレート搬送装置は、蓋付きマイクロプレートを収納する供給用カセット11及び回収用カセット19と、蓋付きマイクロプレートから蓋が取り外された状態のマイクロプレートを把持するプレート把持器9と、マイクロプレート及び蓋を載せるローダトレイ39と、ローダトレイ39を水平方向及び上下方向にそれぞれ移動させる駆動機構40,41とを備えている。供給用カセット11には、蓋付きマイクロプレートを載せると共に蓋付きマイクロプレートのマイクロプレートを蓋から分離させて取り出すための開閉可能な1対の爪部が設けられ、回収用カセット19には、蓋付きマイクロプレートを載せる開閉可能な1対の爪部が設けられている。
【解決手段】 マイクロプレート搬送装置は、蓋付きマイクロプレートを収納する供給用カセット11及び回収用カセット19と、蓋付きマイクロプレートから蓋が取り外された状態のマイクロプレートを把持するプレート把持器9と、マイクロプレート及び蓋を載せるローダトレイ39と、ローダトレイ39を水平方向及び上下方向にそれぞれ移動させる駆動機構40,41とを備えている。供給用カセット11には、蓋付きマイクロプレートを載せると共に蓋付きマイクロプレートのマイクロプレートを蓋から分離させて取り出すための開閉可能な1対の爪部が設けられ、回収用カセット19には、蓋付きマイクロプレートを載せる開閉可能な1対の爪部が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋付きマイクロプレートを搬送するマイクロプレート搬送装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のマイクロプレート搬送装置としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。この特許文献1に記載のマイクロプレート搬送装置は、プレート供給ストッカから供給された蓋付きマイクロプレートの蓋を取り外す蓋取外し機構と、蓋付きマイクロプレートのマイクロプレート及び蓋を搬送するコンベア方式のマイクロプレート搬送機構と、プレート回収ストッカに回収されるマイクロプレートに蓋を装着する蓋装着機構とを備えている。蓋取外し機構及び蓋装着機構は、蓋を吸着保持する蓋保持ヘッドと、この蓋保持ヘッドを昇降させる昇降アクチュエータとから構成されている。
【0003】
また、特許文献2には、プレート供給ストッカに積層状態で収納された蓋付きマイクロプレートを1枚ずつ取り出して供給する装置が開示されている。
【特許文献1】特開2005−300201号公報
【特許文献2】特開2005−249648号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の装置においては、マイクロプレートに対して蓋の脱着を行うために、蓋取外し機構及び蓋装着機構という2つの機構を備えているため、装置自体の構造が複雑になる。また、蓋取外し機構により蓋付きマイクロプレートの蓋を取り外した後、その蓋をマイクロプレート搬送機構により搬送し、蓋装着機構により当該蓋をピックアップして保持しておき、その後でマイクロプレート搬送機構によりマイクロプレートが搬送されたときに、蓋装着機構に保持されている蓋をマイクロプレートに装着するため、蓋付きマイクロプレートの搬送動作が全体として煩雑になる。
【0005】
また、上記特許文献2の装置においては、プレート供給ストッカに収納された複数の蓋付きマイクロプレートのうち最上段の蓋付きマイクロプレートを把持部材で把持し、次段の蓋付きマイクロプレートを固定部材で固定した状態で、把持部材を上昇させることにより、各蓋付きマイクロプレートを分離させているが、それを実現するための構造が極めて複雑である。
【0006】
本発明の目的は、装置構造の簡素化を図り、マイクロプレートに対する蓋の着脱やマイクロプレートの取り出しを簡単に且つ効率良く行うことができるマイクロプレート搬送装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、蓋付きマイクロプレートから蓋が取り外された状態のマイクロプレートを所定位置に供給すると共に、マイクロプレートを蓋が装着される状態で回収するマイクロプレート搬送装置において、所定位置に供給されるマイクロプレートを含む蓋付きマイクロプレートを積層状態で収納する供給用カセットと、所定位置から回収されるマイクロプレートを含む蓋付きマイクロプレートを積層状態で収納する回収用カセットと、マイクロプレートを把持するプレート把持器と、供給用カセット、回収用カセット及びプレート把持器の下方位置に配置され、マイクロプレート及び蓋を載せる支持部材と、支持部材を高さ方向に移動させる第1駆動手段と、支持部材を高さ方向に対して垂直な方向に移動させる第2駆動手段とを備え、供給用カセットには、マイクロプレートまたは蓋を支持すると共に蓋付きマイクロプレートのマイクロプレートを蓋から分離させて取り出すための開閉可能な左右1対の第1爪部が設けられ、回収用カセットには、マイクロプレートまたは蓋を支持する開閉可能な左右1対の第2爪部が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
このようなマイクロプレート搬送装置において、マイクロプレートを所定位置に供給する場合は、まず第2駆動手段により支持部材を供給用カセットの真下位置に移動させた状態で、第1駆動手段により支持部材を上昇させながら、各第1爪部を開く。そして、供給用カセットに収納されている蓋付きマイクロプレートにおけるマイクロプレートと蓋との隙間部分に各第1爪部を入れるように閉じることで、それらのマイクロプレートと蓋とを分離させ、当該マイクロプレートとその下に位置する別の蓋とを支持部材に載せた状態で、支持部材を下降させる。続いて、支持部材をプレート把持器の真下位置に移動させた状態で、支持部材を上昇させ、支持部材に載っているマイクロプレートをプレート把持器に一旦把持させる。続いて、支持部材を回収用カセットの真下位置に移動させた状態で、支持部材を上昇させながら、各第2爪部を開閉させることで、支持部材に載っている蓋を回収用カセットに収納する。続いて、支持部材を再びプレート把持器の真下位置に移動させた状態で、支持部材を上昇させ、プレート把持器に把持されているマイクロプレートを支持部材に載せる。そして、支持部材を所定位置まで移動させ、支持部材に載っているマイクロプレートに対して所定の処理を行う。その後、マイクロプレートを回収する場合は、支持部材を回収用カセットの真下位置に移動させた状態で、支持部材を上昇させながら、各第2爪部を開閉させることで、支持部材に載っているマイクロプレートを回収用カセットに収納する。
【0009】
このように各第1爪部を開閉させることで、蓋付きマイクロプレートにおけるマイクロプレートと蓋とを分離させて、当該マイクロプレートを下側から取り出して支持部材に載せるようにする。つまり、各第1爪部によってマイクロプレートから蓋が取り外されると同時に、供給用カセットからマイクロプレートが取り出されることになる。従って、マイクロプレートから蓋を取り外すための特別な機構や、供給用カセットからマイクロプレートを取り出すための特別な機構が不要となる。
【0010】
また、供給用カセットから取り出されたマイクロプレートをプレート把持器により一時的に把持しておき、マイクロプレートと一緒に取り出された蓋を先に回収用カセットに収納することにより、マイクロプレートを回収する際には、マイクロプレートに装着される蓋が回収用カセットに既に存在していることになる。さらに、各第2爪部を開閉させることで、支持部材に載っている蓋及びマイクロプレートを下側から回収用カセットに収納する。このため、マイクロプレートが回収用カセットに回収されると同時に、マイクロプレートに蓋が装着されることとなる。従って、マイクロプレートに蓋を装着するための特別な機構や、回収用カセットにマイクロプレートを回収するための特別な機構も不要となる。
【0011】
以上により、マイクロプレート搬送装置の構造の簡素化が図られると共に、供給用カセットに収納されたマイクロプレートの取り出し、マイクロプレートからの蓋の取り外し、マイクロプレートへの蓋の装着、回収用カセットへのマイクロプレートの回収という動作を簡単に且つ効率良く行うことができる。
【0012】
好ましくは、供給用カセット、回収用カセット及びプレート把持器は一列に配置されている。この場合には、第2駆動手段は、支持部材を供給用カセット、回収用カセット及びプレート把持器の配列方向のみに沿って移動させるような構成であれば良い。これにより、第2駆動手段の構造が簡単になるため、マイクロプレート搬送装置の構造を更に簡素化することができる。
【0013】
また、好ましくは、各第1爪部を互いに開くように駆動する爪部駆動手段を更に備える。この場合には、支持部材を供給用カセットに対して上下動させるときに、爪部駆動手段により各第1爪部を開いた状態に保持しておき、蓋付きマイクロプレートにおけるマイクロプレートと蓋との隙間部分が各第1爪部の位置に達したところで、支持部材を停止させ、各第1爪部を閉じるようにする。この様にすることで、蓋付きマイクロプレートにおけるマイクロプレートと蓋との隙間部分が狭い場合であっても、各第1爪部を当該隙間部分に入れて、それらのマイクロプレートと蓋とを確実に分離させることができる。
【0014】
さらに、好ましくは、供給用カセットから蓋と当該蓋の上に積層されたマイクロプレートとを一緒に取り出して支持部材に載せるように、第1駆動手段及び第2駆動手段を制御するプレート取出制御手段と、支持部材に載っているマイクロプレートをプレート把持器により把持するように、プレート把持器、第1駆動手段及び第2駆動手段を制御するプレート把持制御手段と、支持部材に載っている蓋を回収用カセットに収納するように、第1駆動手段及び第2駆動手段を制御する蓋回収制御手段と、プレート把持器に把持されたマイクロプレートを再び支持部材に載せて所定位置に移動させるように、プレート把持器、第1駆動手段及び第2駆動手段を制御するプレート供給制御手段と、支持部材に載っているマイクロプレートを回収用カセットに収納するように、第1駆動手段及び第2駆動手段を制御するプレート回収制御手段とを更に備える。このようなプレート取出制御手段、プレート把持制御手段、蓋回収制御手段、プレート供給制御手段及びプレート回収制御手段を設けることにより、マイクロプレートの供給動作及び回収動作を自動的に行うことができる。
【0015】
また、本発明は、蓋付きマイクロプレートから蓋が取り外された状態のマイクロプレートを所定位置に供給すると共に、マイクロプレートを蓋が装着される状態で回収するマイクロプレート搬送方法において、上記のマイクロプレート搬送装置を用意すると共に、供給用カセットに蓋付きマイクロプレートを積層状態で収納する準備工程と、供給用カセットから蓋と当該蓋の上に積層されたマイクロプレートとを一緒に取り出して支持部材に載せるプレート取出工程と、支持部材に載っているマイクロプレートをプレート把持器により把持するプレート把持工程と、プレート把持工程を実施した後、支持部材に載っている蓋を回収用カセットに収納する蓋回収工程と、蓋回収工程を実施した後、プレート把持器に把持されたマイクロプレートを再び支持部材に載せて所定位置に移動させるプレート供給工程と、プレート供給工程を実施した後、支持部材に載っているマイクロプレートを回収用カセットに収納するプレート回収工程とを含むことを特徴とするものである。
【0016】
このように上述したマイクロプレート搬送装置を使用して、マイクロプレートの供給及び回収を実施することにより、供給用カセットに収納されたマイクロプレートの取り出し、マイクロプレートからの蓋の取り外し、マイクロプレートへの蓋の装着、回収用カセットへのマイクロプレートの回収という動作を簡単に且つ効率良く行うことができる。
【0017】
好ましくは、準備工程においては、供給用カセットの最も下側に位置するマイクロプレートの下にダミーの蓋を予め収納しておき、供給用カセットの最も下側に位置するマイクロプレートを所定位置に供給するときには、プレート取出工程において、当該マイクロプレートをダミーの蓋と一緒に取り出して支持部材に載せ、その状態で、プレート把持工程、蓋回収工程及びプレート供給工程を順次実施する。この場合には、供給用カセットの最も下側に位置していたマイクロプレートが回収用カセットに収納される前に、蓋回収工程によってダミーの蓋が回収用カセットに収納されることになる。このため、供給用カセットの最も下側に位置していたマイクロプレートの回収時には、そのマイクロプレートにダミーの蓋が装着されることになるため、当該マイクロプレートが蓋の無い状態となることを防止できる。
【0018】
また、準備工程においては、回収用カセットにダミーの蓋を予め収納しておき、供給用カセットの最も下側に位置するマイクロプレートを所定位置に供給するときには、プレート取出工程において、当該マイクロプレートを単独で取り出して支持部材に載せ、その状態で、プレート把持工程及び蓋回収工程を省略して、プレート供給工程を実施しても良い。この場合には、供給用カセットの最も下側に位置していたマイクロプレートの回収時には、回収用カセットに予め収納されているダミーの蓋がそのマイクロプレートに装着されることになるため、当該マイクロプレートが蓋の無い状態となることを防止できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、マイクロプレート搬送装置の構造の簡素化を図り、マイクロプレートに対する蓋の着脱やマイクロプレートの取り出しを簡単に且つ効率良く行うことができる。これにより、マイクロプレート搬送装置にかかるコストを削減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係わるマイクロプレート搬送装置及び方法の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係わるマイクロプレート搬送装置の一実施形態を備えた光計測装置を示す概略図である。同図において、光計測装置1は、例えば細胞等の試料から発せられた光(発光または蛍光)を自動計測するための装置である。
【0022】
光計測装置1による試料の計測においては、図2に示すように、細胞等の試料を入れるためのマイクロプレート2が使用される。マイクロプレート2には複数(例えば96個)のウェル3がマトリクス状に形成され、これらのウェル3内に試料が充填される。ウェル3内に注入された液体が蒸発したりウェル3内に異物が入るのを防ぐために、マイクロプレート2には透明の蓋4が装着される。マイクロプレート2に蓋4が装着された状態では、マイクロプレート2のフランジ2aと蓋4との間に所定量の隙間Sが形成されるように、マイクロプレート2及び蓋4の厚み寸法が設定されている。なお、蓋4が装着された状態のマイクロプレート2を、蓋付きマイクロプレート2Aと呼ぶこととする。
【0023】
図1に戻り、光計測装置1は、直方体状の筐体5を有する装置本体6を備えている。筐体5上には、筐体5の一端側から他端側に向かって供給用ストッカ7、回収用ストッカ8、プレート把持器9及び光計測器10が一列に並設されている。
【0024】
供給用ストッカ7は、計測前の試料が入っている蓋付きマイクロプレート2Aを積層状態で収納する供給用カセット11を有している。図3に示すように、供給用カセット11の下部には、左右1対の爪部12が回動自在(開閉可能)に設けられている。これらの爪部12は、積層状態の蓋付きマイクロプレート2Aを載せると共に、蓋付きマイクロプレート2Aのマイクロプレート2を当該蓋付きマイクロプレート5の蓋4から分離させて取り出すためのものである。各爪部12は、マイクロプレート2または蓋4が載置される支持面12aと、供給用カセット11の下側に向かって各爪部12間の距離が拡がるように形成されたテーパ面12bとを有している。また、供給用カセット11の下部には、爪部12を供給用カセット11の内側に付勢するバネ13が配設されている。
【0025】
また、供給用ストッカ7は、図4に示すように、各爪部12を強制的に供給用カセット11の外側に開くように駆動する駆動機構14を有している。駆動機構14は、各爪部12に連結棒15を介して固定された2つのレバー受け部16を有している。各レバー受け部16には、回動レバー17の一端部が係合し、回動レバー17の他端部には、ソレノイド18のプランジャ18aが連結されている。ソレノイド18がオン(通電)されると、プランジャ18aが後退することで、レバー受け部16が回動レバー17に押し込まれて回動し、これに伴って各爪部12がバネ13の付勢力に抗して供給用カセット11の外側に開く。
【0026】
回収用ストッカ8は、計測後の試料が入っている蓋付きマイクロプレート2Aを積層状態で収納する回収用カセット19を有している。図5に示すように、回収用カセット19の下部には、積層状態の蓋付きマイクロプレート2Aを載せる左右1対の爪部20が回動自在(開閉可能)に設けられている。各爪部20は、上記の爪部12の支持面12a及びテーパ面12bと同じ機能を有する支持面20a及びテーパ面20bをそれぞれ有している。また、回収用カセット19の下部には、爪部20を回収用カセット19の内側に付勢するバネ21が配設されている。
【0027】
プレート把持器9は、図6に示すように、蓋4が装着されていない状態のマイクロプレート2を把持する1対の把持部22を有している。これらの把持部22は、互いに平行に延びる2本のガイドロッド23の両端部に摺動自在に取り付けられた1対の可動部24に略L字型の支持板25を介してそれぞれ連結されている。把持部22には、マイクロプレート2の損傷等を防止するための緩衝材26(例えばゴム材)が設けられている。
【0028】
各可動部24は、ガイドロッド23に平行に延びるリニアガイド27に対して摺動可能な摺動体28に略L字型の支持板29を介してそれぞれ連結されている。これらの摺動体28は、2つのプーリ30に掛け渡された伝動ベルト31に固定されている。一方の摺動体28は、伝動ベルト31の一側(回収用ストッカ8側)部分に取り付けられた連結板32Aに固定され、他方の摺動体28は、伝動ベルト31の他側(光計測器10側)部分に取り付けられた連結板32Bに固定されている。プーリ30は、駆動モータ33によって回転駆動される。
【0029】
また、プレート把持器9は、連結板32Aの位置を検出することにより各把持部22の位置を検出する位置センサ34,35と、プレート把持器9に把持されるべきマイクロプレート2の高さ位置を検出する位置センサ36とを有している。これらの位置センサ34〜36は、例えばフォトセンサで構成されている。位置センサ35は、位置センサ34よりも内側に配置されている。位置センサ34により連結板32Aが検出された時の位置が初期位置であり、位置センサ35により連結板32Aが検出された時の位置が把持位置である。
【0030】
連結板32Aが初期位置にある状態において、駆動モータ33を時計回りに回転させると、その回転がプーリ30を介して伝動ベルト31に伝達され、伝動ベルト31に装着された連結板32A,32Bが互いに内側(図示矢印方向)に移動する。このため、各摺動体28がリニアガイド27に沿って互いに近接する方向に移動し、これに伴って各把持部22が互いに近接する方向に移動する。そして、連結板32Aが把持位置に達したときに、駆動モータ33の回転を停止させる。これにより、各把持部22によりマイクロプレート2を挟み込んで把持することができる。
【0031】
一方、駆動モータ33を反時計回りに回転させると、伝動ベルト31に装着された連結板32A,32Bが互いに外側に移動する。このため、各摺動体28がリニアガイド27に沿って互いに離間する方向に移動し、これに伴って各把持部22が互いに離間する方向に移動するため、各把持部22によるマイクロプレート2の把持が解除される。
【0032】
なお、各把持部22によるマイクロプレート2の把持力は、可動部24に設けられたバネ37の付勢力によって決まる。また、マイクロプレート2が把持部22に対して多少傾いていても、各把持部22によりマイクロプレート2が確実に把持されるように、一方の把持部22は、首降り機能を果たすためのベアリング38を介して支持板25に支持されている。
【0033】
図1に戻り、光計測器10は、特に図示はしないが、試料から発せられた光を導波するテーパFOP(ファイバオプティクプレート)と、このテーパFOPから出射された光を増幅するイメージインテンシファイヤと、このイメージインテンシファイヤから出射された光を撮像するCCDカメラとを有している。また、光計測器10は、外来光やフォトセンサの光等を遮光するための遮光構造を有している。
【0034】
筐体5の内部には、マイクロプレート2及び蓋4を載せるローダトレイ39と、このローダトレイ39を供給用ストッカ7、回収用ストッカ8、プレート把持器9及び光計測器10の配列方向(X軸方向)に移動させる駆動機構40と、ローダトレイ39を上下方向(Z軸方向)に移動させる駆動機構41とを有している。ローダトレイ39の縁部の左右両側には、回収用ストッカ8の爪部20が入り込むための爪受け凹部39a(図13及び図16参照)が形成されている。
【0035】
駆動機構40は、図1及び図7に示すように、X軸方向に延びるボールネジ42を有するX軸ステージ43と、ボールネジ42に螺合するスライダ44と、ボールネジ42を回転させる駆動モータ45とを有している。
【0036】
駆動機構41は、図1及び図7に示すように、スライダ44に取り付けられZ軸方向に延びるボールネジ46を有するZ軸ステージ47と、ボールネジ46に螺合する昇降体48と、2つのプーリ49及び伝動ベルト50を介してボールネジ46を回転させる駆動モータ51とを有している。昇降体48には、2つの連結部材52を介して上記のローダトレイ39が取り付けられている。各プーリ49、伝動ベルト50及び駆動モータ51は、Z軸ステージ47の上部に設けられた取付部材53に取り付けられている。
【0037】
駆動モータ45によりボールネジ42を回転駆動させると、スライダ44がX軸方向に移動し、これに伴ってスライダ44に連結されているローダトレイ39がX軸方向に移動する。駆動モータ51を回転駆動させると、その回転がプーリ49及び伝動ベルト50を介してボールネジ46に伝達されるため、昇降体48がZ軸方向に移動し、これに伴ってローダトレイ39がZ軸方向に移動する。
【0038】
取付部材53の上には、ローダトレイ39にマイクロプレート2が載っているかどうかを検出するプレート有無センサ54が設けられている。このプレート有無センサ54は、例えばフォトセンサで構成されている。
【0039】
なお、上記の駆動機構41によってローダトレイ39を上昇させたときに、ローダトレイ39が供給用ストッカ7、回収用ストッカ8、プレート把持器9及び光計測器10に対して進入可能となるように、筐体5の上板部5aには開口部が形成されている。
【0040】
図1に戻り、光計測装置1は、光計測に関するデータ入力や演算処理等を行うためのパソコン(PC)55と、このPC55からの指示に応じて装置本体6の各部を制御する搬送制御ユニット56とを更に備えている。
【0041】
PC55により実行される処理手順を図8に示す。同図において、まずマイクロプレート2に関する情報を入力する(手順101)。マイクロプレート2に関する情報(以下、単にマイクロプレート情報という)としては、マイクロプレート2の種類や寸法、蓋4の寸法、マイクロプレート2の枚数、マイクロプレート2に蓋4が装着されるか否か、供給用ストッカ7または回収用ストッカ8にダミーの蓋4が収納されているか否か等といった情報がある。なお、マイクロプレート2及び蓋4の寸法は、マイクロプレート2全体の厚さ(高さ)やフランジ部2aの厚さ、蓋4の高さ等である。
【0042】
続いて、マイクロプレート2及び蓋4の寸法等に基づいて、供給用ストッカ7に収納されているマイクロプレート2を取り出す位置(プレート取出位置)を算出する(手順102)。ここでは、蓋付きマイクロプレート2Aにおけるマイクロプレート2のフランジ2aと蓋4との隙間Sに供給用ストッカ7の爪部12を入れて、当該マイクロプレート2を蓋4から分離させて取り出す(後述)。このため、プレート取出位置としては、爪部12を入れる高さ位置を算出することになる。また、供給用ストッカ7の供給用カセット11において、取り出すべきマイクロプレート2の下に蓋4がある場合とそうでない場合とでは、供給用カセット11の下端に対するプレート取出位置が異なるため、各々の場合についてのプレート取出位置を算出する。
【0043】
続いて、手順102で求められたプレート取出位置に基づいて、駆動機構41によりローダトレイ39を上昇させるためのローダZ軸駆動データを求める(手順103)。そして、そのローダZ軸駆動データ、手順101で入力されたマイクロプレート情報及び工程指令を搬送制御ユニット56に転送する(手順104)。
【0044】
搬送制御ユニット56は、図9に示すように、第1プレート供給制御部57と、第2プレート供給制御部58と、プレート搬出制御部59とを有している。
【0045】
第1プレート供給制御部57は、供給用ストッカ7の供給用カセット11の一番下にダミーの蓋4が予め収納されている場合に、PC55からの工程指令に応じて、供給用カセット11からマイクロプレート2を1枚ずつ取り出して光計測器10に供給するようにソレノイド18及び駆動モータ33,45,51を制御する。
【0046】
第2プレート供給制御部58は、回収用ストッカ8の回収用カセット19にダミーの蓋4が予め収納されている場合に、PC55からの工程指令に応じて、供給用ストッカ7の供給用カセット11からマイクロプレート2を1枚ずつ取り出して光計測器10に供給するようにソレノイド18及び駆動モータ33,45,51を制御する。
【0047】
プレート搬出制御部59は、PC55からの工程指令に応じて、マイクロプレート2を1枚ずつ回収用ストッカ8の回収用カセット19に回収つまり搬出するように駆動モータ45,51を制御する。
【0048】
図10及び図11は、第1プレート供給制御部57により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを用いて、供給用ストッカ7の供給用カセット11からマイクロプレート2を1枚ずつ取り出して光計測器10に供給する動作について説明する。
【0049】
ここで、供給用カセット11内には、蓋付きマイクロプレート2Aが所定枚数分だけ積載されている。そして、供給用カセット11内の一番下には、蓋4と全く同じものがダミー(ダミー蓋4A)として1枚収納されている(図3及び図13参照)。また、回収用ストッカ8の回収用カセット19内には、マイクロプレート2及び蓋4は1枚も収納されていない(図16参照)。
【0050】
ローダトレイ39は、図1に示すように、何も載置されていない状態でプレート把持器9の真下位置で待機している。その状態において、PC55から工程開始指令が与えられると、まず駆動モータ45を制御することで、図12及び図13(a)に示すように、ローダトレイ39を供給用ストッカ7の真下位置まで移動させる(手順111)。
【0051】
続いて、駆動モータ51を制御して、ローダトレイ39を上昇させる(手順112)。そして、ローダトレイ39が所定の高さ位置まで上昇したら、ソレノイド18を通電するように制御して、供給用ストッカ7の各爪部12を外側に開く(手順113)。これにより、図13(b)に示すように、積層状態の各蓋付きマイクロプレート2Aがダミー蓋4Aを介してローダトレイ39によって僅かに持ち上げられる。
【0052】
続いて、駆動モータ51を制御して、予めPC55で求めておいたプレート取出位置(前述)までローダトレイ39を下降させる(手順114)。ここでは、取り出すべきマイクロプレート2の下に蓋4がある場合のプレート取出位置までローダトレイ39を下降させる。そして、ローダトレイ39がプレート取出位置で停止した後、ソレノイド18の通電を停止して、各爪部12を閉じる(手順115)。これにより、図13(c)に示すように、最も下に位置する1枚目の蓋付きマイクロプレート2Aにおけるマイクロプレート2と蓋4との隙間Sに各爪部12の先端が入り込み、各爪部12が当該マイクロプレート2のフランジ部2aに引っ掛かるようになる。
【0053】
そして、ローダトレイ39を僅かに下降させると、1枚目の蓋付きマイクロプレート2Aにおけるマイクロプレート2と蓋4とが分離され、当該マイクロプレート2がその下のダミー蓋4Aに載っかった状態でローダトレイ39に移載されることになる。また、1枚目のマイクロプレート2に装着されていた蓋4は、各爪部12の上に載った状態となる(図13(d)参照)。
【0054】
続いて、プレート有無センサ54の検出信号に基づいて、ローダトレイ39にマイクロプレート2が載っているかどうかを判断する(手順116)。このとき、ローダトレイ39にマイクロプレート2が無いときは、PC55に対してエラー通知を行い(手順117)、ローダトレイ39にマイクロプレート2があるときは、駆動モータ51を制御することで、図13(d)に示すように、ローダトレイ39を最下位置まで下降させる(手順118)。
【0055】
続いて、駆動モータ45を制御することで、図14(a)に示すように、ローダトレイ39をプレート把持器9の真下位置まで移動させる(手順119)。続いて、駆動モータ51を制御して、ローダトレイ39をプレート判定位置まで上昇させる(手順120)。
【0056】
そして、位置センサ36の検出信号に基づいて、ローダトレイ39に載っているマイクロプレート2の種類を判定する(手順121)。具体的には、位置センサ36の検出信号を、PC55で求めたローダZ軸駆動データと比較して判別を行う。そして、マイクロプレート2の種類が違うと判定されたときは、PC55に対してエラー通知を行い(手順122)、マイクロプレート2の種類が正しいと判定されたときは、駆動モータ51を制御して、ローダトレイ39をプレート把持高さ位置まで上昇させる(手順123)。続いて、駆動モータ33を制御することで、図14(b)に示すように、ローダトレイ39に載っているマイクロプレート2を1対の把持部22により把持する(手順124)。
【0057】
続いて、プレート有無センサ54の検出信号に基づいて、ローダトレイ39にマイクロプレート2が載っているかどうかを判断する(手順125)。このとき、ローダトレイ39にマイクロプレート2があるときは、PC55に対してエラー通知を行い(手順126)、ローダトレイ39にマイクロプレート2が無いときは、駆動モータ51を制御することで、図14(c)に示すように、ダミー蓋4Aだけが載っているローダトレイ39を最下位置まで下降させる(手順127)。
【0058】
続いて、駆動モータ45を制御することで、図15及び図16(a)に示すように、ローダトレイ39を回収用ストッカ8の真下位置まで移動させる(手順128)。続いて、駆動モータ51を制御して、ローダトレイ39を回収用ストッカ8の受け渡し位置まで上昇させる(手順129)。
【0059】
このローダトレイ39の上昇時に、ローダトレイ39に載っているダミー蓋4Aが左右1対の爪部20のテーパ面20bに当接すると、各爪部20がバネ21の付勢力に抗して外側に開くようになる。そして、図16(b)に示すように、ダミー蓋4Aが各爪部20を通り抜けると、バネ21の付勢力によって各爪部20が内側に閉じられる。これにより、各爪部20の先端がローダトレイ39の爪受け凹部39aに入り込むようになる。
【0060】
続いて、プレート有無センサ54の検出信号に基づいて、ローダトレイ39にマイクロプレート2が載っているかどうかを判断する(手順130)。このとき、ローダトレイ39にマイクロプレート2があるときは、PC55に対してエラー通知を行い(手順131)、ローダトレイ39にマイクロプレート2が無いときは、駆動モータ51を制御することで、図16(c)に示すように、何も載っていないローダトレイ39を最下位置まで下降させる(手順132)。また、回収用ストッカ8に受け渡されたダミー蓋4Aは、各爪部20の上に載置されるようになる。
【0061】
続いて、駆動モータ45を制御することで、図17(a)に示すように、ローダトレイ39を再びプレート把持器9の真下位置まで移動させる(手順133)。続いて、駆動モータ51を制御して、ローダトレイ39をプレート把持解除高さ位置まで上昇させる(手順134)。続いて、駆動モータ33を制御することで、図17(b)に示すように、1対の把持部22によるマイクロプレート2の把持を解除する(手順135)。これにより、そのマイクロプレート2がローダトレイ39に移載されるようになる。
【0062】
続いて、プレート有無センサ54の検出信号に基づいて、ローダトレイ39にマイクロプレート2が載っているかどうかを判断する(手順136)。このとき、ローダトレイ39にマイクロプレート2が無いときは、PC55に対してエラー通知を行い(手順137)、ローダトレイ39にマイクロプレート2があるときは、駆動モータ51を制御することで、図17(c)に示すように、マイクロプレート2が載っているローダトレイ39を最下位置まで下降させる(手順138)。
【0063】
続いて、駆動モータ45を制御することで、図18に示すように、ローダトレイ39を光計測器10の真下位置まで移動させる(手順139)。続いて、駆動モータ51を制御して、ローダトレイ39を計測位置まで上昇させる(手順140)。その後、光計測器10によって、マイクロプレート2の各ウェル3に充填された試料の光計測が行われることになる。
【0064】
図19は、プレート搬出制御部59により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。引き続いて、このフローチャートを用いて、マイクロプレート2を搬出する動作について説明する。
【0065】
光計測器10による試料の光計測が終了し、PC55から工程開始指令が与えられると、まずプレート有無センサ54の検出信号に基づいて、ローダトレイ39にマイクロプレート2が載っているかどうかを判断する(手順151)。このとき、ローダトレイ39にマイクロプレート2が無いときは、PC55に対してエラー通知を行い(手順152)、ローダトレイ39にマイクロプレート2があるときは、駆動モータ51を制御して、マイクロプレート2が載っているローダトレイ39を最下位置まで下降させる(手順153)。
【0066】
続いて、駆動モータ45を制御することで、図20(a)に示すように、ローダトレイ39を回収用ストッカ8の真下位置まで移動させる(手順154)。続いて、駆動モータ51を制御して、ローダトレイ39を受け渡し位置まで上昇させる(手順155)。
【0067】
このローダトレイ39の上昇時に、ローダトレイ39に載っているマイクロプレート2が左右1対の爪部20のテーパ面20bに当接すると、各爪部20がバネ21の付勢力に抗して外側に開くようになる。また、回収用ストッカ8の回収用カセット19に収納されている蓋4(ダミー蓋4A)が持ち上げられながらマイクロプレート2に装着される。そして、図20(b)に示すように、マイクロプレート2が各爪部20を通り抜けると、バネ21の付勢力によって各爪部20が内側に閉じられる。これにより、各爪部20の先端がローダトレイ39の爪受け凹部39aに入り込む。
【0068】
このとき、回収用カセット19内には、既にダミー蓋4Aが回収されている。このため、1枚目のマイクロプレート2を回収用カセット19に回収するときには、上記のように必然的に当該マイクロプレート2に蓋4が装着されることになる。従って、回収されたマイクロプレート2のウェル3内に注入された液体の蒸発等を防止することができる。
【0069】
続いて、プレート有無センサ54の検出信号に基づいて、ローダトレイ39にマイクロプレート2が載っているかどうかを判断する(手順156)。このとき、ローダトレイ39にマイクロプレート2があるときは、PC55に対してエラー通知を行い(手順157)、ローダトレイ39にマイクロプレート2が無いときは、駆動モータ51を制御することで、図20(c)に示すように、何も載っていないローダトレイ39を最下位置まで下降させる(手順158)。また、回収用カセット19に受け渡されたマイクロプレート2は、蓋4が装着された状態で各爪部20上に載置されるようになる。その後、駆動モータ45を制御して、ローダトレイ39をプレート把持器9の真下位置(待機位置)まで移動させる(手順159)。
【0070】
以上により、1枚目のマイクロプレート2を供給用ストッカ7から光計測器10に供給する動作と、そのマイクロプレート2を光計測器10から回収用ストッカ8に搬出する動作とが終了する。
【0071】
2枚目以降のマイクロプレート2を供給用ストッカ7から光計測器10に供給し、光計測の終了後にマイクロプレート2を回収用ストッカ8に搬出するときは、上記の動作を順次繰り返して行う。このとき、マイクロプレート2を供給用ストッカ7から取り出す際には、前回取り出されたマイクロプレート2に装着されていた蓋4と一緒にローダトレイ39に移載されることになる。
【0072】
図21及び図22は、第2プレート供給制御部58により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。本フローチャートは、手順118と手順119との間に手順160を加入した点で、図10及び図11に示すフローチャートと異なっている。
【0073】
手順160では、ローダトレイ39に載っているマイクロプレート2が1枚目、つまり供給用ストッカ7の供給用カセット11の一番下に収納されていたマイクロプレート2であるかどうかを判断し、1枚目のマイクロプレート2であるときは、手順139に進み、2枚目以降のマイクロプレート2であるときは、手順119に進む。
【0074】
以下、図21及び図22に示すフローチャートを用いて、供給用ストッカ7の供給用カセット11からマイクロプレート2を1枚ずつ取り出して光計測器10に供給する動作について説明する。
【0075】
この場合には、図23(a)に示すように、供給用カセット11内には蓋付きマイクロプレート2Aが所定枚数分だけ積載されている。ただし、供給用カセット11内の一番下には、ダミー蓋4Aは収納されていない。その代わりに、ダミー蓋4Aは、回収用ストッカ8の回収用カセット19内に予め収納されている(図20(a)参照)。
【0076】
まず手順111〜118を実行するように駆動モータ45,51及びソレノイド18を制御することで、供給用ストッカ7の供給用カセット11内から1枚目のマイクロプレート2を取り出す。このとき、供給用カセット11内の一番下にはダミー蓋4Aが収納されていないため、取り出すべきマイクロプレート2の下に蓋4が無い場合のプレート取出位置に基づいて、1枚目のマイクロプレート2の取り出しが行われる。これにより、図23(b)〜(d)に示すように、左右1対の爪部12の開閉動作によって、1枚目の蓋付きマイクロプレート2Aにおけるマイクロプレート2と蓋4とが分離され、当該マイクロプレート2のみがローダトレイ39に移載される。
【0077】
続いて、手順139,140を実行するように駆動モータ45,51を制御することで、1枚目のマイクロプレート2が載っているローダトレイ39を計測位置まで上昇させる。
【0078】
そして、試料の計測完了後に1枚目のマイクロプレート2を回収用ストッカ8に搬出するときは、上記と同様に、図19に示すフローチャートの手順151〜159に従って行う。このとき、回収用ストッカ8の回収用カセット19内には、ダミー蓋4Aが予め収納されているので、1枚目のマイクロプレート2を回収するときには、必然的に当該マイクロプレート2に蓋4が装着されることになる。従って、回収されたマイクロプレート2のウェル3内に注入された液体の蒸発等を防止することができる。
【0079】
2枚目以降のマイクロプレート2を供給用ストッカ7から光計測器10に供給するときは、図21に示す手順111〜118及び図22に示す手順119〜140に従って行う。このとき、取り出すべきマイクロプレート2の下に蓋4がある場合のプレート取出位置に基づいて、マイクロプレート2の取り出しが行われる。これにより、マイクロプレート2がその下の蓋4と一緒にローダトレイ39に移載される。
【0080】
以上において、第1プレート供給制御部57及び第2プレート供給制御部58の手順111〜118は、供給用カセット11から蓋4と当該蓋4の上に積層されたマイクロプレート2とを一緒に取り出して支持部材39に載せるように、第1駆動手段41及び第2駆動手段40を制御するプレート取出制御手段を構成する。同手順119〜127は、支持部材39に載っているマイクロプレート2をプレート把持器10により把持するように、プレート把持器10、第1駆動手段41及び第2駆動手段40を制御するプレート把持制御手段を構成する。同手順128〜132は、支持部材39に載っている蓋4を回収用カセット19に収納するように、第1駆動手段41及び第2駆動手段40を制御する蓋回収制御手段を構成する。同手順133〜140は、プレート把持器10に把持されたマイクロプレート2を再び支持部材39に載せて所定位置に移動させるように、プレート把持器10、第1駆動手段41及び第2駆動手段40を制御するプレート供給制御手段を構成する。プレート搬出制御部59は、支持部材39に載っているマイクロプレート2を回収用カセット19に収納するように、第1駆動手段41及び第2駆動手段40を制御するプレート回収制御手段を構成する。
【0081】
以上のように本実施形態にあっては、供給用ストッカ7、回収用ストッカ8及びプレート把持器9を設け、これらの下方位置に2軸方向(X軸方向及びZ軸方向)に移動可能なローダトレイ39を配設する。また、蓋付きマイクロプレート2Aを載せる左右1対の爪部12を供給用ストッカ7に設け、ローダトレイ39を上下動させながら各爪部12を開閉させることにより、蓋付きマイクロプレート2Aにおけるマイクロプレート2と蓋4とを分離させる。これにより、供給すべきマイクロプレート2から蓋4を取り外しながら、当該マイクロプレート2を供給用ストッカ7の下側から1枚ずつ取り出すことができる。従って、供給用ストッカ7及びローダトレイ39とは別に、マイクロプレート2から蓋4を外したり、供給用ストッカ7からマイクロプレート2を取り出すための手段(機構)を設置しなくて済む。
【0082】
さらに、蓋付きマイクロプレート2Aを載せる左右1対の爪部20を回収用ストッカ8に設け、ローダトレイ39を上昇させることで各爪部20を開閉させて、回収すべきマイクロプレート2を各爪部20上に載せる。このとき、供給用ストッカ7から取り出されたマイクロプレート2をプレート把持器9に一時的に把持させておき、供給用ストッカ7からマイクロプレート2と一緒に取り出された蓋4を先に回収用ストッカ8に戻すので、マイクロプレート2を回収用ストッカ8に搬出する際には、回収用ストッカ8に蓋4が存在している。これにより、回収すべきマイクロプレート2を回収用ストッカ8の下側から回収しながら、当該マイクロプレート2に蓋4を装着することができる。従って、回収用ストッカ8及びローダトレイ39とは別に、マイクロプレート2を回収用ストッカ8に回収したり、マイクロプレート2に蓋4を付けるための手段(機構)を設置しなくて済む。
【0083】
以上により、マイクロプレート搬送装置の構成の複雑化及び大型化を防止しつつ、マイクロプレート2に対する蓋4の着脱、供給用ストッカ7からのマイクロプレート2の取り出し、回収用ストッカ8へのマイクロプレート2の回収といった動作を簡単化し、マイクロプレート2の搬送動作を効果的に行うことが可能となる。また、マイクロプレート搬送装置自体を簡素化できるため、コスト的に有利となる。
【0084】
さらに、供給用ストッカ7の各爪部12を駆動機構14により強制的に開いた状態で、ローダトレイ39を上下動させ、ローダトレイ39がプレート取出位置に達したときに、ローダトレイ39を停止させて各爪部12を閉じることにより、蓋付きマイクロプレート2Aにおけるマイクロプレート2と蓋4との隙間Sが狭い場合でも、当該隙間Sに確実に各爪部12を入れて、マイクロプレート2を蓋4から分離させて取り出すことができる。
【0085】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、マイクロプレート2及び蓋4を載せるローダトレイ39を2軸方向に移動させる構成としたが、本発明のマイクロプレート搬送装置は、ローダトレイ39を3軸方向に移動させるものにも適用可能である。
【0086】
また、上記実施形態は、光計測器10を備えた光計測装置1に適用されたものであるが、本発明のマイクロプレート搬送装置は、蓋4が取り外されたマイクロプレート2を所定位置に供給すると共に、そのマイクロプレート2を蓋4が装着される状態で回収するものであれば、他の装置(例えば分注装置)にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明に係わるマイクロプレート搬送装置の一実施形態を備えた光計測装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示すマイクロプレート搬送装置により搬送される蓋付きマイクロプレートの斜視図である。
【図3】図1に示す供給用ストッカの部分断面図である。
【図4】図1に示す供給用ストッカの平面図及び側面図である。
【図5】図1に示す回収用ストッカの部分断面図である。
【図6】図1に示すプレート把持器の正面図である。
【図7】図1に示すローダトレイ及び駆動機構の側面図である。
【図8】図1に示すPCにより実行される処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図1に示すマイクロプレート搬送装置の制御系構成図である。
【図10】図9に示す第1プレート供給制御部により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。
【図11】図9に示す第1プレート供給制御部により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。
【図12】図1に示すローダトレイを供給用ストッカの真下位置に移動させた状態を示す概略構成図である。
【図13】図1に示す供給用ストッカから1枚目のマイクロプレート及びダミー蓋を一緒に取り出す様子を示す断面図である。
【図14】図13に示すローダトレイに載っているマイクロプレートをプレート把持器で把持する様子を示す正面図(一部断面を含む)である。
【図15】図14に示すローダトレイを回収用ストッカの真下位置に移動させた状態を示す概略構成図である。
【図16】図14に示すローダトレイに載っている蓋を回収用ストッカに収納する様子を示す断面図である。
【図17】図14に示すプレート把持器によるマイクロプレートの把持を解除する様子を示す正面図(一部断面を含む)である。
【図18】図17に示すローダトレイを光計測器の真下位置に移動させた状態を示す概略構成図である。
【図19】図9に示すプレート搬出制御部により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。
【図20】図17に示すローダトレイに載っているマイクロプレートを回収用ストッカに収納する様子を示す断面図である。
【図21】図9に示す第2プレート供給制御部により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。
【図22】図9に示す第2プレート供給制御部により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。
【図23】図1に示す供給用ストッカから1枚目のマイクロプレートを取り出す様子を示す断面図である。
【符号の説明】
【0088】
1…光計測装置(マイクロプレート搬送装置)、2…マイクロプレート、2A…蓋付きマイクロプレート、4…蓋、4A…ダミー蓋、7…供給用ストッカ、8…回収用ストッカ、9…プレート把持器、11…供給用カセット、12…爪部(第1爪部)、14…駆動機構(爪部駆動手段)、19…回収用カセット、20…爪部(第2爪部)、39…ローダトレイ(支持部材)、40…駆動機構(第2駆動手段)、41…駆動機構(第1駆動手段)、55…パソコン(PC)、56…搬送制御ユニット、57…第1プレート供給制御部(プレート取出制御手段、プレート把持制御手段、蓋回収制御手段、プレート供給制御手段)、58…第2プレート供給制御部(プレート取出制御手段、プレート把持制御手段、蓋回収制御手段、プレート供給制御手段)、59…プレート搬出制御部(プレート回収制御手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋付きマイクロプレートを搬送するマイクロプレート搬送装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のマイクロプレート搬送装置としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。この特許文献1に記載のマイクロプレート搬送装置は、プレート供給ストッカから供給された蓋付きマイクロプレートの蓋を取り外す蓋取外し機構と、蓋付きマイクロプレートのマイクロプレート及び蓋を搬送するコンベア方式のマイクロプレート搬送機構と、プレート回収ストッカに回収されるマイクロプレートに蓋を装着する蓋装着機構とを備えている。蓋取外し機構及び蓋装着機構は、蓋を吸着保持する蓋保持ヘッドと、この蓋保持ヘッドを昇降させる昇降アクチュエータとから構成されている。
【0003】
また、特許文献2には、プレート供給ストッカに積層状態で収納された蓋付きマイクロプレートを1枚ずつ取り出して供給する装置が開示されている。
【特許文献1】特開2005−300201号公報
【特許文献2】特開2005−249648号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の装置においては、マイクロプレートに対して蓋の脱着を行うために、蓋取外し機構及び蓋装着機構という2つの機構を備えているため、装置自体の構造が複雑になる。また、蓋取外し機構により蓋付きマイクロプレートの蓋を取り外した後、その蓋をマイクロプレート搬送機構により搬送し、蓋装着機構により当該蓋をピックアップして保持しておき、その後でマイクロプレート搬送機構によりマイクロプレートが搬送されたときに、蓋装着機構に保持されている蓋をマイクロプレートに装着するため、蓋付きマイクロプレートの搬送動作が全体として煩雑になる。
【0005】
また、上記特許文献2の装置においては、プレート供給ストッカに収納された複数の蓋付きマイクロプレートのうち最上段の蓋付きマイクロプレートを把持部材で把持し、次段の蓋付きマイクロプレートを固定部材で固定した状態で、把持部材を上昇させることにより、各蓋付きマイクロプレートを分離させているが、それを実現するための構造が極めて複雑である。
【0006】
本発明の目的は、装置構造の簡素化を図り、マイクロプレートに対する蓋の着脱やマイクロプレートの取り出しを簡単に且つ効率良く行うことができるマイクロプレート搬送装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、蓋付きマイクロプレートから蓋が取り外された状態のマイクロプレートを所定位置に供給すると共に、マイクロプレートを蓋が装着される状態で回収するマイクロプレート搬送装置において、所定位置に供給されるマイクロプレートを含む蓋付きマイクロプレートを積層状態で収納する供給用カセットと、所定位置から回収されるマイクロプレートを含む蓋付きマイクロプレートを積層状態で収納する回収用カセットと、マイクロプレートを把持するプレート把持器と、供給用カセット、回収用カセット及びプレート把持器の下方位置に配置され、マイクロプレート及び蓋を載せる支持部材と、支持部材を高さ方向に移動させる第1駆動手段と、支持部材を高さ方向に対して垂直な方向に移動させる第2駆動手段とを備え、供給用カセットには、マイクロプレートまたは蓋を支持すると共に蓋付きマイクロプレートのマイクロプレートを蓋から分離させて取り出すための開閉可能な左右1対の第1爪部が設けられ、回収用カセットには、マイクロプレートまたは蓋を支持する開閉可能な左右1対の第2爪部が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
このようなマイクロプレート搬送装置において、マイクロプレートを所定位置に供給する場合は、まず第2駆動手段により支持部材を供給用カセットの真下位置に移動させた状態で、第1駆動手段により支持部材を上昇させながら、各第1爪部を開く。そして、供給用カセットに収納されている蓋付きマイクロプレートにおけるマイクロプレートと蓋との隙間部分に各第1爪部を入れるように閉じることで、それらのマイクロプレートと蓋とを分離させ、当該マイクロプレートとその下に位置する別の蓋とを支持部材に載せた状態で、支持部材を下降させる。続いて、支持部材をプレート把持器の真下位置に移動させた状態で、支持部材を上昇させ、支持部材に載っているマイクロプレートをプレート把持器に一旦把持させる。続いて、支持部材を回収用カセットの真下位置に移動させた状態で、支持部材を上昇させながら、各第2爪部を開閉させることで、支持部材に載っている蓋を回収用カセットに収納する。続いて、支持部材を再びプレート把持器の真下位置に移動させた状態で、支持部材を上昇させ、プレート把持器に把持されているマイクロプレートを支持部材に載せる。そして、支持部材を所定位置まで移動させ、支持部材に載っているマイクロプレートに対して所定の処理を行う。その後、マイクロプレートを回収する場合は、支持部材を回収用カセットの真下位置に移動させた状態で、支持部材を上昇させながら、各第2爪部を開閉させることで、支持部材に載っているマイクロプレートを回収用カセットに収納する。
【0009】
このように各第1爪部を開閉させることで、蓋付きマイクロプレートにおけるマイクロプレートと蓋とを分離させて、当該マイクロプレートを下側から取り出して支持部材に載せるようにする。つまり、各第1爪部によってマイクロプレートから蓋が取り外されると同時に、供給用カセットからマイクロプレートが取り出されることになる。従って、マイクロプレートから蓋を取り外すための特別な機構や、供給用カセットからマイクロプレートを取り出すための特別な機構が不要となる。
【0010】
また、供給用カセットから取り出されたマイクロプレートをプレート把持器により一時的に把持しておき、マイクロプレートと一緒に取り出された蓋を先に回収用カセットに収納することにより、マイクロプレートを回収する際には、マイクロプレートに装着される蓋が回収用カセットに既に存在していることになる。さらに、各第2爪部を開閉させることで、支持部材に載っている蓋及びマイクロプレートを下側から回収用カセットに収納する。このため、マイクロプレートが回収用カセットに回収されると同時に、マイクロプレートに蓋が装着されることとなる。従って、マイクロプレートに蓋を装着するための特別な機構や、回収用カセットにマイクロプレートを回収するための特別な機構も不要となる。
【0011】
以上により、マイクロプレート搬送装置の構造の簡素化が図られると共に、供給用カセットに収納されたマイクロプレートの取り出し、マイクロプレートからの蓋の取り外し、マイクロプレートへの蓋の装着、回収用カセットへのマイクロプレートの回収という動作を簡単に且つ効率良く行うことができる。
【0012】
好ましくは、供給用カセット、回収用カセット及びプレート把持器は一列に配置されている。この場合には、第2駆動手段は、支持部材を供給用カセット、回収用カセット及びプレート把持器の配列方向のみに沿って移動させるような構成であれば良い。これにより、第2駆動手段の構造が簡単になるため、マイクロプレート搬送装置の構造を更に簡素化することができる。
【0013】
また、好ましくは、各第1爪部を互いに開くように駆動する爪部駆動手段を更に備える。この場合には、支持部材を供給用カセットに対して上下動させるときに、爪部駆動手段により各第1爪部を開いた状態に保持しておき、蓋付きマイクロプレートにおけるマイクロプレートと蓋との隙間部分が各第1爪部の位置に達したところで、支持部材を停止させ、各第1爪部を閉じるようにする。この様にすることで、蓋付きマイクロプレートにおけるマイクロプレートと蓋との隙間部分が狭い場合であっても、各第1爪部を当該隙間部分に入れて、それらのマイクロプレートと蓋とを確実に分離させることができる。
【0014】
さらに、好ましくは、供給用カセットから蓋と当該蓋の上に積層されたマイクロプレートとを一緒に取り出して支持部材に載せるように、第1駆動手段及び第2駆動手段を制御するプレート取出制御手段と、支持部材に載っているマイクロプレートをプレート把持器により把持するように、プレート把持器、第1駆動手段及び第2駆動手段を制御するプレート把持制御手段と、支持部材に載っている蓋を回収用カセットに収納するように、第1駆動手段及び第2駆動手段を制御する蓋回収制御手段と、プレート把持器に把持されたマイクロプレートを再び支持部材に載せて所定位置に移動させるように、プレート把持器、第1駆動手段及び第2駆動手段を制御するプレート供給制御手段と、支持部材に載っているマイクロプレートを回収用カセットに収納するように、第1駆動手段及び第2駆動手段を制御するプレート回収制御手段とを更に備える。このようなプレート取出制御手段、プレート把持制御手段、蓋回収制御手段、プレート供給制御手段及びプレート回収制御手段を設けることにより、マイクロプレートの供給動作及び回収動作を自動的に行うことができる。
【0015】
また、本発明は、蓋付きマイクロプレートから蓋が取り外された状態のマイクロプレートを所定位置に供給すると共に、マイクロプレートを蓋が装着される状態で回収するマイクロプレート搬送方法において、上記のマイクロプレート搬送装置を用意すると共に、供給用カセットに蓋付きマイクロプレートを積層状態で収納する準備工程と、供給用カセットから蓋と当該蓋の上に積層されたマイクロプレートとを一緒に取り出して支持部材に載せるプレート取出工程と、支持部材に載っているマイクロプレートをプレート把持器により把持するプレート把持工程と、プレート把持工程を実施した後、支持部材に載っている蓋を回収用カセットに収納する蓋回収工程と、蓋回収工程を実施した後、プレート把持器に把持されたマイクロプレートを再び支持部材に載せて所定位置に移動させるプレート供給工程と、プレート供給工程を実施した後、支持部材に載っているマイクロプレートを回収用カセットに収納するプレート回収工程とを含むことを特徴とするものである。
【0016】
このように上述したマイクロプレート搬送装置を使用して、マイクロプレートの供給及び回収を実施することにより、供給用カセットに収納されたマイクロプレートの取り出し、マイクロプレートからの蓋の取り外し、マイクロプレートへの蓋の装着、回収用カセットへのマイクロプレートの回収という動作を簡単に且つ効率良く行うことができる。
【0017】
好ましくは、準備工程においては、供給用カセットの最も下側に位置するマイクロプレートの下にダミーの蓋を予め収納しておき、供給用カセットの最も下側に位置するマイクロプレートを所定位置に供給するときには、プレート取出工程において、当該マイクロプレートをダミーの蓋と一緒に取り出して支持部材に載せ、その状態で、プレート把持工程、蓋回収工程及びプレート供給工程を順次実施する。この場合には、供給用カセットの最も下側に位置していたマイクロプレートが回収用カセットに収納される前に、蓋回収工程によってダミーの蓋が回収用カセットに収納されることになる。このため、供給用カセットの最も下側に位置していたマイクロプレートの回収時には、そのマイクロプレートにダミーの蓋が装着されることになるため、当該マイクロプレートが蓋の無い状態となることを防止できる。
【0018】
また、準備工程においては、回収用カセットにダミーの蓋を予め収納しておき、供給用カセットの最も下側に位置するマイクロプレートを所定位置に供給するときには、プレート取出工程において、当該マイクロプレートを単独で取り出して支持部材に載せ、その状態で、プレート把持工程及び蓋回収工程を省略して、プレート供給工程を実施しても良い。この場合には、供給用カセットの最も下側に位置していたマイクロプレートの回収時には、回収用カセットに予め収納されているダミーの蓋がそのマイクロプレートに装着されることになるため、当該マイクロプレートが蓋の無い状態となることを防止できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、マイクロプレート搬送装置の構造の簡素化を図り、マイクロプレートに対する蓋の着脱やマイクロプレートの取り出しを簡単に且つ効率良く行うことができる。これにより、マイクロプレート搬送装置にかかるコストを削減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係わるマイクロプレート搬送装置及び方法の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係わるマイクロプレート搬送装置の一実施形態を備えた光計測装置を示す概略図である。同図において、光計測装置1は、例えば細胞等の試料から発せられた光(発光または蛍光)を自動計測するための装置である。
【0022】
光計測装置1による試料の計測においては、図2に示すように、細胞等の試料を入れるためのマイクロプレート2が使用される。マイクロプレート2には複数(例えば96個)のウェル3がマトリクス状に形成され、これらのウェル3内に試料が充填される。ウェル3内に注入された液体が蒸発したりウェル3内に異物が入るのを防ぐために、マイクロプレート2には透明の蓋4が装着される。マイクロプレート2に蓋4が装着された状態では、マイクロプレート2のフランジ2aと蓋4との間に所定量の隙間Sが形成されるように、マイクロプレート2及び蓋4の厚み寸法が設定されている。なお、蓋4が装着された状態のマイクロプレート2を、蓋付きマイクロプレート2Aと呼ぶこととする。
【0023】
図1に戻り、光計測装置1は、直方体状の筐体5を有する装置本体6を備えている。筐体5上には、筐体5の一端側から他端側に向かって供給用ストッカ7、回収用ストッカ8、プレート把持器9及び光計測器10が一列に並設されている。
【0024】
供給用ストッカ7は、計測前の試料が入っている蓋付きマイクロプレート2Aを積層状態で収納する供給用カセット11を有している。図3に示すように、供給用カセット11の下部には、左右1対の爪部12が回動自在(開閉可能)に設けられている。これらの爪部12は、積層状態の蓋付きマイクロプレート2Aを載せると共に、蓋付きマイクロプレート2Aのマイクロプレート2を当該蓋付きマイクロプレート5の蓋4から分離させて取り出すためのものである。各爪部12は、マイクロプレート2または蓋4が載置される支持面12aと、供給用カセット11の下側に向かって各爪部12間の距離が拡がるように形成されたテーパ面12bとを有している。また、供給用カセット11の下部には、爪部12を供給用カセット11の内側に付勢するバネ13が配設されている。
【0025】
また、供給用ストッカ7は、図4に示すように、各爪部12を強制的に供給用カセット11の外側に開くように駆動する駆動機構14を有している。駆動機構14は、各爪部12に連結棒15を介して固定された2つのレバー受け部16を有している。各レバー受け部16には、回動レバー17の一端部が係合し、回動レバー17の他端部には、ソレノイド18のプランジャ18aが連結されている。ソレノイド18がオン(通電)されると、プランジャ18aが後退することで、レバー受け部16が回動レバー17に押し込まれて回動し、これに伴って各爪部12がバネ13の付勢力に抗して供給用カセット11の外側に開く。
【0026】
回収用ストッカ8は、計測後の試料が入っている蓋付きマイクロプレート2Aを積層状態で収納する回収用カセット19を有している。図5に示すように、回収用カセット19の下部には、積層状態の蓋付きマイクロプレート2Aを載せる左右1対の爪部20が回動自在(開閉可能)に設けられている。各爪部20は、上記の爪部12の支持面12a及びテーパ面12bと同じ機能を有する支持面20a及びテーパ面20bをそれぞれ有している。また、回収用カセット19の下部には、爪部20を回収用カセット19の内側に付勢するバネ21が配設されている。
【0027】
プレート把持器9は、図6に示すように、蓋4が装着されていない状態のマイクロプレート2を把持する1対の把持部22を有している。これらの把持部22は、互いに平行に延びる2本のガイドロッド23の両端部に摺動自在に取り付けられた1対の可動部24に略L字型の支持板25を介してそれぞれ連結されている。把持部22には、マイクロプレート2の損傷等を防止するための緩衝材26(例えばゴム材)が設けられている。
【0028】
各可動部24は、ガイドロッド23に平行に延びるリニアガイド27に対して摺動可能な摺動体28に略L字型の支持板29を介してそれぞれ連結されている。これらの摺動体28は、2つのプーリ30に掛け渡された伝動ベルト31に固定されている。一方の摺動体28は、伝動ベルト31の一側(回収用ストッカ8側)部分に取り付けられた連結板32Aに固定され、他方の摺動体28は、伝動ベルト31の他側(光計測器10側)部分に取り付けられた連結板32Bに固定されている。プーリ30は、駆動モータ33によって回転駆動される。
【0029】
また、プレート把持器9は、連結板32Aの位置を検出することにより各把持部22の位置を検出する位置センサ34,35と、プレート把持器9に把持されるべきマイクロプレート2の高さ位置を検出する位置センサ36とを有している。これらの位置センサ34〜36は、例えばフォトセンサで構成されている。位置センサ35は、位置センサ34よりも内側に配置されている。位置センサ34により連結板32Aが検出された時の位置が初期位置であり、位置センサ35により連結板32Aが検出された時の位置が把持位置である。
【0030】
連結板32Aが初期位置にある状態において、駆動モータ33を時計回りに回転させると、その回転がプーリ30を介して伝動ベルト31に伝達され、伝動ベルト31に装着された連結板32A,32Bが互いに内側(図示矢印方向)に移動する。このため、各摺動体28がリニアガイド27に沿って互いに近接する方向に移動し、これに伴って各把持部22が互いに近接する方向に移動する。そして、連結板32Aが把持位置に達したときに、駆動モータ33の回転を停止させる。これにより、各把持部22によりマイクロプレート2を挟み込んで把持することができる。
【0031】
一方、駆動モータ33を反時計回りに回転させると、伝動ベルト31に装着された連結板32A,32Bが互いに外側に移動する。このため、各摺動体28がリニアガイド27に沿って互いに離間する方向に移動し、これに伴って各把持部22が互いに離間する方向に移動するため、各把持部22によるマイクロプレート2の把持が解除される。
【0032】
なお、各把持部22によるマイクロプレート2の把持力は、可動部24に設けられたバネ37の付勢力によって決まる。また、マイクロプレート2が把持部22に対して多少傾いていても、各把持部22によりマイクロプレート2が確実に把持されるように、一方の把持部22は、首降り機能を果たすためのベアリング38を介して支持板25に支持されている。
【0033】
図1に戻り、光計測器10は、特に図示はしないが、試料から発せられた光を導波するテーパFOP(ファイバオプティクプレート)と、このテーパFOPから出射された光を増幅するイメージインテンシファイヤと、このイメージインテンシファイヤから出射された光を撮像するCCDカメラとを有している。また、光計測器10は、外来光やフォトセンサの光等を遮光するための遮光構造を有している。
【0034】
筐体5の内部には、マイクロプレート2及び蓋4を載せるローダトレイ39と、このローダトレイ39を供給用ストッカ7、回収用ストッカ8、プレート把持器9及び光計測器10の配列方向(X軸方向)に移動させる駆動機構40と、ローダトレイ39を上下方向(Z軸方向)に移動させる駆動機構41とを有している。ローダトレイ39の縁部の左右両側には、回収用ストッカ8の爪部20が入り込むための爪受け凹部39a(図13及び図16参照)が形成されている。
【0035】
駆動機構40は、図1及び図7に示すように、X軸方向に延びるボールネジ42を有するX軸ステージ43と、ボールネジ42に螺合するスライダ44と、ボールネジ42を回転させる駆動モータ45とを有している。
【0036】
駆動機構41は、図1及び図7に示すように、スライダ44に取り付けられZ軸方向に延びるボールネジ46を有するZ軸ステージ47と、ボールネジ46に螺合する昇降体48と、2つのプーリ49及び伝動ベルト50を介してボールネジ46を回転させる駆動モータ51とを有している。昇降体48には、2つの連結部材52を介して上記のローダトレイ39が取り付けられている。各プーリ49、伝動ベルト50及び駆動モータ51は、Z軸ステージ47の上部に設けられた取付部材53に取り付けられている。
【0037】
駆動モータ45によりボールネジ42を回転駆動させると、スライダ44がX軸方向に移動し、これに伴ってスライダ44に連結されているローダトレイ39がX軸方向に移動する。駆動モータ51を回転駆動させると、その回転がプーリ49及び伝動ベルト50を介してボールネジ46に伝達されるため、昇降体48がZ軸方向に移動し、これに伴ってローダトレイ39がZ軸方向に移動する。
【0038】
取付部材53の上には、ローダトレイ39にマイクロプレート2が載っているかどうかを検出するプレート有無センサ54が設けられている。このプレート有無センサ54は、例えばフォトセンサで構成されている。
【0039】
なお、上記の駆動機構41によってローダトレイ39を上昇させたときに、ローダトレイ39が供給用ストッカ7、回収用ストッカ8、プレート把持器9及び光計測器10に対して進入可能となるように、筐体5の上板部5aには開口部が形成されている。
【0040】
図1に戻り、光計測装置1は、光計測に関するデータ入力や演算処理等を行うためのパソコン(PC)55と、このPC55からの指示に応じて装置本体6の各部を制御する搬送制御ユニット56とを更に備えている。
【0041】
PC55により実行される処理手順を図8に示す。同図において、まずマイクロプレート2に関する情報を入力する(手順101)。マイクロプレート2に関する情報(以下、単にマイクロプレート情報という)としては、マイクロプレート2の種類や寸法、蓋4の寸法、マイクロプレート2の枚数、マイクロプレート2に蓋4が装着されるか否か、供給用ストッカ7または回収用ストッカ8にダミーの蓋4が収納されているか否か等といった情報がある。なお、マイクロプレート2及び蓋4の寸法は、マイクロプレート2全体の厚さ(高さ)やフランジ部2aの厚さ、蓋4の高さ等である。
【0042】
続いて、マイクロプレート2及び蓋4の寸法等に基づいて、供給用ストッカ7に収納されているマイクロプレート2を取り出す位置(プレート取出位置)を算出する(手順102)。ここでは、蓋付きマイクロプレート2Aにおけるマイクロプレート2のフランジ2aと蓋4との隙間Sに供給用ストッカ7の爪部12を入れて、当該マイクロプレート2を蓋4から分離させて取り出す(後述)。このため、プレート取出位置としては、爪部12を入れる高さ位置を算出することになる。また、供給用ストッカ7の供給用カセット11において、取り出すべきマイクロプレート2の下に蓋4がある場合とそうでない場合とでは、供給用カセット11の下端に対するプレート取出位置が異なるため、各々の場合についてのプレート取出位置を算出する。
【0043】
続いて、手順102で求められたプレート取出位置に基づいて、駆動機構41によりローダトレイ39を上昇させるためのローダZ軸駆動データを求める(手順103)。そして、そのローダZ軸駆動データ、手順101で入力されたマイクロプレート情報及び工程指令を搬送制御ユニット56に転送する(手順104)。
【0044】
搬送制御ユニット56は、図9に示すように、第1プレート供給制御部57と、第2プレート供給制御部58と、プレート搬出制御部59とを有している。
【0045】
第1プレート供給制御部57は、供給用ストッカ7の供給用カセット11の一番下にダミーの蓋4が予め収納されている場合に、PC55からの工程指令に応じて、供給用カセット11からマイクロプレート2を1枚ずつ取り出して光計測器10に供給するようにソレノイド18及び駆動モータ33,45,51を制御する。
【0046】
第2プレート供給制御部58は、回収用ストッカ8の回収用カセット19にダミーの蓋4が予め収納されている場合に、PC55からの工程指令に応じて、供給用ストッカ7の供給用カセット11からマイクロプレート2を1枚ずつ取り出して光計測器10に供給するようにソレノイド18及び駆動モータ33,45,51を制御する。
【0047】
プレート搬出制御部59は、PC55からの工程指令に応じて、マイクロプレート2を1枚ずつ回収用ストッカ8の回収用カセット19に回収つまり搬出するように駆動モータ45,51を制御する。
【0048】
図10及び図11は、第1プレート供給制御部57により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを用いて、供給用ストッカ7の供給用カセット11からマイクロプレート2を1枚ずつ取り出して光計測器10に供給する動作について説明する。
【0049】
ここで、供給用カセット11内には、蓋付きマイクロプレート2Aが所定枚数分だけ積載されている。そして、供給用カセット11内の一番下には、蓋4と全く同じものがダミー(ダミー蓋4A)として1枚収納されている(図3及び図13参照)。また、回収用ストッカ8の回収用カセット19内には、マイクロプレート2及び蓋4は1枚も収納されていない(図16参照)。
【0050】
ローダトレイ39は、図1に示すように、何も載置されていない状態でプレート把持器9の真下位置で待機している。その状態において、PC55から工程開始指令が与えられると、まず駆動モータ45を制御することで、図12及び図13(a)に示すように、ローダトレイ39を供給用ストッカ7の真下位置まで移動させる(手順111)。
【0051】
続いて、駆動モータ51を制御して、ローダトレイ39を上昇させる(手順112)。そして、ローダトレイ39が所定の高さ位置まで上昇したら、ソレノイド18を通電するように制御して、供給用ストッカ7の各爪部12を外側に開く(手順113)。これにより、図13(b)に示すように、積層状態の各蓋付きマイクロプレート2Aがダミー蓋4Aを介してローダトレイ39によって僅かに持ち上げられる。
【0052】
続いて、駆動モータ51を制御して、予めPC55で求めておいたプレート取出位置(前述)までローダトレイ39を下降させる(手順114)。ここでは、取り出すべきマイクロプレート2の下に蓋4がある場合のプレート取出位置までローダトレイ39を下降させる。そして、ローダトレイ39がプレート取出位置で停止した後、ソレノイド18の通電を停止して、各爪部12を閉じる(手順115)。これにより、図13(c)に示すように、最も下に位置する1枚目の蓋付きマイクロプレート2Aにおけるマイクロプレート2と蓋4との隙間Sに各爪部12の先端が入り込み、各爪部12が当該マイクロプレート2のフランジ部2aに引っ掛かるようになる。
【0053】
そして、ローダトレイ39を僅かに下降させると、1枚目の蓋付きマイクロプレート2Aにおけるマイクロプレート2と蓋4とが分離され、当該マイクロプレート2がその下のダミー蓋4Aに載っかった状態でローダトレイ39に移載されることになる。また、1枚目のマイクロプレート2に装着されていた蓋4は、各爪部12の上に載った状態となる(図13(d)参照)。
【0054】
続いて、プレート有無センサ54の検出信号に基づいて、ローダトレイ39にマイクロプレート2が載っているかどうかを判断する(手順116)。このとき、ローダトレイ39にマイクロプレート2が無いときは、PC55に対してエラー通知を行い(手順117)、ローダトレイ39にマイクロプレート2があるときは、駆動モータ51を制御することで、図13(d)に示すように、ローダトレイ39を最下位置まで下降させる(手順118)。
【0055】
続いて、駆動モータ45を制御することで、図14(a)に示すように、ローダトレイ39をプレート把持器9の真下位置まで移動させる(手順119)。続いて、駆動モータ51を制御して、ローダトレイ39をプレート判定位置まで上昇させる(手順120)。
【0056】
そして、位置センサ36の検出信号に基づいて、ローダトレイ39に載っているマイクロプレート2の種類を判定する(手順121)。具体的には、位置センサ36の検出信号を、PC55で求めたローダZ軸駆動データと比較して判別を行う。そして、マイクロプレート2の種類が違うと判定されたときは、PC55に対してエラー通知を行い(手順122)、マイクロプレート2の種類が正しいと判定されたときは、駆動モータ51を制御して、ローダトレイ39をプレート把持高さ位置まで上昇させる(手順123)。続いて、駆動モータ33を制御することで、図14(b)に示すように、ローダトレイ39に載っているマイクロプレート2を1対の把持部22により把持する(手順124)。
【0057】
続いて、プレート有無センサ54の検出信号に基づいて、ローダトレイ39にマイクロプレート2が載っているかどうかを判断する(手順125)。このとき、ローダトレイ39にマイクロプレート2があるときは、PC55に対してエラー通知を行い(手順126)、ローダトレイ39にマイクロプレート2が無いときは、駆動モータ51を制御することで、図14(c)に示すように、ダミー蓋4Aだけが載っているローダトレイ39を最下位置まで下降させる(手順127)。
【0058】
続いて、駆動モータ45を制御することで、図15及び図16(a)に示すように、ローダトレイ39を回収用ストッカ8の真下位置まで移動させる(手順128)。続いて、駆動モータ51を制御して、ローダトレイ39を回収用ストッカ8の受け渡し位置まで上昇させる(手順129)。
【0059】
このローダトレイ39の上昇時に、ローダトレイ39に載っているダミー蓋4Aが左右1対の爪部20のテーパ面20bに当接すると、各爪部20がバネ21の付勢力に抗して外側に開くようになる。そして、図16(b)に示すように、ダミー蓋4Aが各爪部20を通り抜けると、バネ21の付勢力によって各爪部20が内側に閉じられる。これにより、各爪部20の先端がローダトレイ39の爪受け凹部39aに入り込むようになる。
【0060】
続いて、プレート有無センサ54の検出信号に基づいて、ローダトレイ39にマイクロプレート2が載っているかどうかを判断する(手順130)。このとき、ローダトレイ39にマイクロプレート2があるときは、PC55に対してエラー通知を行い(手順131)、ローダトレイ39にマイクロプレート2が無いときは、駆動モータ51を制御することで、図16(c)に示すように、何も載っていないローダトレイ39を最下位置まで下降させる(手順132)。また、回収用ストッカ8に受け渡されたダミー蓋4Aは、各爪部20の上に載置されるようになる。
【0061】
続いて、駆動モータ45を制御することで、図17(a)に示すように、ローダトレイ39を再びプレート把持器9の真下位置まで移動させる(手順133)。続いて、駆動モータ51を制御して、ローダトレイ39をプレート把持解除高さ位置まで上昇させる(手順134)。続いて、駆動モータ33を制御することで、図17(b)に示すように、1対の把持部22によるマイクロプレート2の把持を解除する(手順135)。これにより、そのマイクロプレート2がローダトレイ39に移載されるようになる。
【0062】
続いて、プレート有無センサ54の検出信号に基づいて、ローダトレイ39にマイクロプレート2が載っているかどうかを判断する(手順136)。このとき、ローダトレイ39にマイクロプレート2が無いときは、PC55に対してエラー通知を行い(手順137)、ローダトレイ39にマイクロプレート2があるときは、駆動モータ51を制御することで、図17(c)に示すように、マイクロプレート2が載っているローダトレイ39を最下位置まで下降させる(手順138)。
【0063】
続いて、駆動モータ45を制御することで、図18に示すように、ローダトレイ39を光計測器10の真下位置まで移動させる(手順139)。続いて、駆動モータ51を制御して、ローダトレイ39を計測位置まで上昇させる(手順140)。その後、光計測器10によって、マイクロプレート2の各ウェル3に充填された試料の光計測が行われることになる。
【0064】
図19は、プレート搬出制御部59により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。引き続いて、このフローチャートを用いて、マイクロプレート2を搬出する動作について説明する。
【0065】
光計測器10による試料の光計測が終了し、PC55から工程開始指令が与えられると、まずプレート有無センサ54の検出信号に基づいて、ローダトレイ39にマイクロプレート2が載っているかどうかを判断する(手順151)。このとき、ローダトレイ39にマイクロプレート2が無いときは、PC55に対してエラー通知を行い(手順152)、ローダトレイ39にマイクロプレート2があるときは、駆動モータ51を制御して、マイクロプレート2が載っているローダトレイ39を最下位置まで下降させる(手順153)。
【0066】
続いて、駆動モータ45を制御することで、図20(a)に示すように、ローダトレイ39を回収用ストッカ8の真下位置まで移動させる(手順154)。続いて、駆動モータ51を制御して、ローダトレイ39を受け渡し位置まで上昇させる(手順155)。
【0067】
このローダトレイ39の上昇時に、ローダトレイ39に載っているマイクロプレート2が左右1対の爪部20のテーパ面20bに当接すると、各爪部20がバネ21の付勢力に抗して外側に開くようになる。また、回収用ストッカ8の回収用カセット19に収納されている蓋4(ダミー蓋4A)が持ち上げられながらマイクロプレート2に装着される。そして、図20(b)に示すように、マイクロプレート2が各爪部20を通り抜けると、バネ21の付勢力によって各爪部20が内側に閉じられる。これにより、各爪部20の先端がローダトレイ39の爪受け凹部39aに入り込む。
【0068】
このとき、回収用カセット19内には、既にダミー蓋4Aが回収されている。このため、1枚目のマイクロプレート2を回収用カセット19に回収するときには、上記のように必然的に当該マイクロプレート2に蓋4が装着されることになる。従って、回収されたマイクロプレート2のウェル3内に注入された液体の蒸発等を防止することができる。
【0069】
続いて、プレート有無センサ54の検出信号に基づいて、ローダトレイ39にマイクロプレート2が載っているかどうかを判断する(手順156)。このとき、ローダトレイ39にマイクロプレート2があるときは、PC55に対してエラー通知を行い(手順157)、ローダトレイ39にマイクロプレート2が無いときは、駆動モータ51を制御することで、図20(c)に示すように、何も載っていないローダトレイ39を最下位置まで下降させる(手順158)。また、回収用カセット19に受け渡されたマイクロプレート2は、蓋4が装着された状態で各爪部20上に載置されるようになる。その後、駆動モータ45を制御して、ローダトレイ39をプレート把持器9の真下位置(待機位置)まで移動させる(手順159)。
【0070】
以上により、1枚目のマイクロプレート2を供給用ストッカ7から光計測器10に供給する動作と、そのマイクロプレート2を光計測器10から回収用ストッカ8に搬出する動作とが終了する。
【0071】
2枚目以降のマイクロプレート2を供給用ストッカ7から光計測器10に供給し、光計測の終了後にマイクロプレート2を回収用ストッカ8に搬出するときは、上記の動作を順次繰り返して行う。このとき、マイクロプレート2を供給用ストッカ7から取り出す際には、前回取り出されたマイクロプレート2に装着されていた蓋4と一緒にローダトレイ39に移載されることになる。
【0072】
図21及び図22は、第2プレート供給制御部58により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。本フローチャートは、手順118と手順119との間に手順160を加入した点で、図10及び図11に示すフローチャートと異なっている。
【0073】
手順160では、ローダトレイ39に載っているマイクロプレート2が1枚目、つまり供給用ストッカ7の供給用カセット11の一番下に収納されていたマイクロプレート2であるかどうかを判断し、1枚目のマイクロプレート2であるときは、手順139に進み、2枚目以降のマイクロプレート2であるときは、手順119に進む。
【0074】
以下、図21及び図22に示すフローチャートを用いて、供給用ストッカ7の供給用カセット11からマイクロプレート2を1枚ずつ取り出して光計測器10に供給する動作について説明する。
【0075】
この場合には、図23(a)に示すように、供給用カセット11内には蓋付きマイクロプレート2Aが所定枚数分だけ積載されている。ただし、供給用カセット11内の一番下には、ダミー蓋4Aは収納されていない。その代わりに、ダミー蓋4Aは、回収用ストッカ8の回収用カセット19内に予め収納されている(図20(a)参照)。
【0076】
まず手順111〜118を実行するように駆動モータ45,51及びソレノイド18を制御することで、供給用ストッカ7の供給用カセット11内から1枚目のマイクロプレート2を取り出す。このとき、供給用カセット11内の一番下にはダミー蓋4Aが収納されていないため、取り出すべきマイクロプレート2の下に蓋4が無い場合のプレート取出位置に基づいて、1枚目のマイクロプレート2の取り出しが行われる。これにより、図23(b)〜(d)に示すように、左右1対の爪部12の開閉動作によって、1枚目の蓋付きマイクロプレート2Aにおけるマイクロプレート2と蓋4とが分離され、当該マイクロプレート2のみがローダトレイ39に移載される。
【0077】
続いて、手順139,140を実行するように駆動モータ45,51を制御することで、1枚目のマイクロプレート2が載っているローダトレイ39を計測位置まで上昇させる。
【0078】
そして、試料の計測完了後に1枚目のマイクロプレート2を回収用ストッカ8に搬出するときは、上記と同様に、図19に示すフローチャートの手順151〜159に従って行う。このとき、回収用ストッカ8の回収用カセット19内には、ダミー蓋4Aが予め収納されているので、1枚目のマイクロプレート2を回収するときには、必然的に当該マイクロプレート2に蓋4が装着されることになる。従って、回収されたマイクロプレート2のウェル3内に注入された液体の蒸発等を防止することができる。
【0079】
2枚目以降のマイクロプレート2を供給用ストッカ7から光計測器10に供給するときは、図21に示す手順111〜118及び図22に示す手順119〜140に従って行う。このとき、取り出すべきマイクロプレート2の下に蓋4がある場合のプレート取出位置に基づいて、マイクロプレート2の取り出しが行われる。これにより、マイクロプレート2がその下の蓋4と一緒にローダトレイ39に移載される。
【0080】
以上において、第1プレート供給制御部57及び第2プレート供給制御部58の手順111〜118は、供給用カセット11から蓋4と当該蓋4の上に積層されたマイクロプレート2とを一緒に取り出して支持部材39に載せるように、第1駆動手段41及び第2駆動手段40を制御するプレート取出制御手段を構成する。同手順119〜127は、支持部材39に載っているマイクロプレート2をプレート把持器10により把持するように、プレート把持器10、第1駆動手段41及び第2駆動手段40を制御するプレート把持制御手段を構成する。同手順128〜132は、支持部材39に載っている蓋4を回収用カセット19に収納するように、第1駆動手段41及び第2駆動手段40を制御する蓋回収制御手段を構成する。同手順133〜140は、プレート把持器10に把持されたマイクロプレート2を再び支持部材39に載せて所定位置に移動させるように、プレート把持器10、第1駆動手段41及び第2駆動手段40を制御するプレート供給制御手段を構成する。プレート搬出制御部59は、支持部材39に載っているマイクロプレート2を回収用カセット19に収納するように、第1駆動手段41及び第2駆動手段40を制御するプレート回収制御手段を構成する。
【0081】
以上のように本実施形態にあっては、供給用ストッカ7、回収用ストッカ8及びプレート把持器9を設け、これらの下方位置に2軸方向(X軸方向及びZ軸方向)に移動可能なローダトレイ39を配設する。また、蓋付きマイクロプレート2Aを載せる左右1対の爪部12を供給用ストッカ7に設け、ローダトレイ39を上下動させながら各爪部12を開閉させることにより、蓋付きマイクロプレート2Aにおけるマイクロプレート2と蓋4とを分離させる。これにより、供給すべきマイクロプレート2から蓋4を取り外しながら、当該マイクロプレート2を供給用ストッカ7の下側から1枚ずつ取り出すことができる。従って、供給用ストッカ7及びローダトレイ39とは別に、マイクロプレート2から蓋4を外したり、供給用ストッカ7からマイクロプレート2を取り出すための手段(機構)を設置しなくて済む。
【0082】
さらに、蓋付きマイクロプレート2Aを載せる左右1対の爪部20を回収用ストッカ8に設け、ローダトレイ39を上昇させることで各爪部20を開閉させて、回収すべきマイクロプレート2を各爪部20上に載せる。このとき、供給用ストッカ7から取り出されたマイクロプレート2をプレート把持器9に一時的に把持させておき、供給用ストッカ7からマイクロプレート2と一緒に取り出された蓋4を先に回収用ストッカ8に戻すので、マイクロプレート2を回収用ストッカ8に搬出する際には、回収用ストッカ8に蓋4が存在している。これにより、回収すべきマイクロプレート2を回収用ストッカ8の下側から回収しながら、当該マイクロプレート2に蓋4を装着することができる。従って、回収用ストッカ8及びローダトレイ39とは別に、マイクロプレート2を回収用ストッカ8に回収したり、マイクロプレート2に蓋4を付けるための手段(機構)を設置しなくて済む。
【0083】
以上により、マイクロプレート搬送装置の構成の複雑化及び大型化を防止しつつ、マイクロプレート2に対する蓋4の着脱、供給用ストッカ7からのマイクロプレート2の取り出し、回収用ストッカ8へのマイクロプレート2の回収といった動作を簡単化し、マイクロプレート2の搬送動作を効果的に行うことが可能となる。また、マイクロプレート搬送装置自体を簡素化できるため、コスト的に有利となる。
【0084】
さらに、供給用ストッカ7の各爪部12を駆動機構14により強制的に開いた状態で、ローダトレイ39を上下動させ、ローダトレイ39がプレート取出位置に達したときに、ローダトレイ39を停止させて各爪部12を閉じることにより、蓋付きマイクロプレート2Aにおけるマイクロプレート2と蓋4との隙間Sが狭い場合でも、当該隙間Sに確実に各爪部12を入れて、マイクロプレート2を蓋4から分離させて取り出すことができる。
【0085】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、マイクロプレート2及び蓋4を載せるローダトレイ39を2軸方向に移動させる構成としたが、本発明のマイクロプレート搬送装置は、ローダトレイ39を3軸方向に移動させるものにも適用可能である。
【0086】
また、上記実施形態は、光計測器10を備えた光計測装置1に適用されたものであるが、本発明のマイクロプレート搬送装置は、蓋4が取り外されたマイクロプレート2を所定位置に供給すると共に、そのマイクロプレート2を蓋4が装着される状態で回収するものであれば、他の装置(例えば分注装置)にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明に係わるマイクロプレート搬送装置の一実施形態を備えた光計測装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示すマイクロプレート搬送装置により搬送される蓋付きマイクロプレートの斜視図である。
【図3】図1に示す供給用ストッカの部分断面図である。
【図4】図1に示す供給用ストッカの平面図及び側面図である。
【図5】図1に示す回収用ストッカの部分断面図である。
【図6】図1に示すプレート把持器の正面図である。
【図7】図1に示すローダトレイ及び駆動機構の側面図である。
【図8】図1に示すPCにより実行される処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図1に示すマイクロプレート搬送装置の制御系構成図である。
【図10】図9に示す第1プレート供給制御部により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。
【図11】図9に示す第1プレート供給制御部により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。
【図12】図1に示すローダトレイを供給用ストッカの真下位置に移動させた状態を示す概略構成図である。
【図13】図1に示す供給用ストッカから1枚目のマイクロプレート及びダミー蓋を一緒に取り出す様子を示す断面図である。
【図14】図13に示すローダトレイに載っているマイクロプレートをプレート把持器で把持する様子を示す正面図(一部断面を含む)である。
【図15】図14に示すローダトレイを回収用ストッカの真下位置に移動させた状態を示す概略構成図である。
【図16】図14に示すローダトレイに載っている蓋を回収用ストッカに収納する様子を示す断面図である。
【図17】図14に示すプレート把持器によるマイクロプレートの把持を解除する様子を示す正面図(一部断面を含む)である。
【図18】図17に示すローダトレイを光計測器の真下位置に移動させた状態を示す概略構成図である。
【図19】図9に示すプレート搬出制御部により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。
【図20】図17に示すローダトレイに載っているマイクロプレートを回収用ストッカに収納する様子を示す断面図である。
【図21】図9に示す第2プレート供給制御部により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。
【図22】図9に示す第2プレート供給制御部により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。
【図23】図1に示す供給用ストッカから1枚目のマイクロプレートを取り出す様子を示す断面図である。
【符号の説明】
【0088】
1…光計測装置(マイクロプレート搬送装置)、2…マイクロプレート、2A…蓋付きマイクロプレート、4…蓋、4A…ダミー蓋、7…供給用ストッカ、8…回収用ストッカ、9…プレート把持器、11…供給用カセット、12…爪部(第1爪部)、14…駆動機構(爪部駆動手段)、19…回収用カセット、20…爪部(第2爪部)、39…ローダトレイ(支持部材)、40…駆動機構(第2駆動手段)、41…駆動機構(第1駆動手段)、55…パソコン(PC)、56…搬送制御ユニット、57…第1プレート供給制御部(プレート取出制御手段、プレート把持制御手段、蓋回収制御手段、プレート供給制御手段)、58…第2プレート供給制御部(プレート取出制御手段、プレート把持制御手段、蓋回収制御手段、プレート供給制御手段)、59…プレート搬出制御部(プレート回収制御手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋付きマイクロプレートから蓋が取り外された状態のマイクロプレートを所定位置に供給すると共に、前記マイクロプレートを前記蓋が装着される状態で回収するマイクロプレート搬送装置において、
前記所定位置に供給されるマイクロプレートを含む前記蓋付きマイクロプレートを積層状態で収納する供給用カセットと、
前記所定位置から回収されるマイクロプレートを含む前記蓋付きマイクロプレートを積層状態で収納する回収用カセットと、
前記マイクロプレートを把持するプレート把持器と、
前記供給用カセット、前記回収用カセット及び前記プレート把持器の下方位置に配置され、前記マイクロプレート及び前記蓋を載せる支持部材と、
前記支持部材を高さ方向に移動させる第1駆動手段と、
前記支持部材を高さ方向に対して垂直な方向に移動させる第2駆動手段とを備え、
前記供給用カセットには、前記マイクロプレートまたは前記蓋を支持すると共に前記蓋付きマイクロプレートのマイクロプレートを蓋から分離させて取り出すための開閉可能な左右1対の第1爪部が設けられ、
前記回収用カセットには、前記マイクロプレートまたは前記蓋を支持する開閉可能な左右1対の第2爪部が設けられていることを特徴とするマイクロプレート搬送装置。
【請求項2】
前記供給用カセット、前記回収用カセット及び前記プレート把持器は一列に配置されていることを特徴とする請求項1記載のマイクロプレート搬送装置。
【請求項3】
前記各第1爪部を互いに開くように駆動する爪部駆動手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2記載のマイクロプレート搬送装置。
【請求項4】
前記供給用カセットから前記蓋と当該蓋の上に積層された前記マイクロプレートとを一緒に取り出して前記支持部材に載せるように、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御するプレート取出制御手段と、
前記支持部材に載っているマイクロプレートを前記プレート把持器により把持するように、前記プレート把持器、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御するプレート把持制御手段と、
前記支持部材に載っている蓋を前記回収用カセットに収納するように、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御する蓋回収制御手段と、
前記プレート把持器に把持されたマイクロプレートを再び前記支持部材に載せて前記所定位置に移動させるように、前記プレート把持器、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御するプレート供給制御手段と、
前記支持部材に載っているマイクロプレートを前記回収用カセットに収納するように、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御するプレート回収制御手段とを更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のマイクロプレート搬送装置。
【請求項5】
蓋付きマイクロプレートから蓋が取り外された状態のマイクロプレートを所定位置に供給すると共に、前記マイクロプレートを前記蓋が装着される状態で回収するマイクロプレート搬送方法において、
請求項1〜3のいずれか一項記載のマイクロプレート搬送装置を用意すると共に、前記供給用カセットに前記蓋付きマイクロプレートを積層状態で収納する準備工程と、
前記供給用カセットから前記蓋と当該蓋の上に積層された前記マイクロプレートとを一緒に取り出して前記支持部材に載せるプレート取出工程と、
前記支持部材に載っているマイクロプレートを前記プレート把持器により把持するプレート把持工程と、
前記プレート把持工程を実施した後、前記支持部材に載っている蓋を前記回収用カセットに収納する蓋回収工程と、
前記蓋回収工程を実施した後、前記プレート把持器に把持されたマイクロプレートを再び前記支持部材に載せて前記所定位置に移動させるプレート供給工程と、
前記プレート供給工程を実施した後、前記支持部材に載っているマイクロプレートを前記回収用カセットに収納するプレート回収工程とを含むことを特徴とするマイクロプレート搬送方法。
【請求項6】
前記準備工程においては、前記供給用カセットの最も下側に位置するマイクロプレートの下にダミーの蓋を予め収納しておき、
前記供給用カセットの最も下側に位置するマイクロプレートを前記所定位置に供給するときには、前記プレート取出工程において、当該マイクロプレートを前記ダミーの蓋と一緒に取り出して前記支持部材に載せ、その状態で、前記プレート把持工程、前記蓋回収工程及び前記プレート供給工程を順次実施することを特徴とする請求項5記載のマイクロプレート搬送方法。
【請求項7】
前記準備工程においては、前記回収用カセットにダミーの蓋を予め収納しておき、
前記供給用カセットの最も下側に位置するマイクロプレートを前記所定位置に供給するときには、前記プレート取出工程において、当該マイクロプレートを単独で取り出して前記支持部材に載せ、その状態で、前記プレート把持工程及び前記蓋回収工程を省略して、前記プレート供給工程を実施することを特徴とする請求項5記載のマイクロプレート搬送方法。
【請求項1】
蓋付きマイクロプレートから蓋が取り外された状態のマイクロプレートを所定位置に供給すると共に、前記マイクロプレートを前記蓋が装着される状態で回収するマイクロプレート搬送装置において、
前記所定位置に供給されるマイクロプレートを含む前記蓋付きマイクロプレートを積層状態で収納する供給用カセットと、
前記所定位置から回収されるマイクロプレートを含む前記蓋付きマイクロプレートを積層状態で収納する回収用カセットと、
前記マイクロプレートを把持するプレート把持器と、
前記供給用カセット、前記回収用カセット及び前記プレート把持器の下方位置に配置され、前記マイクロプレート及び前記蓋を載せる支持部材と、
前記支持部材を高さ方向に移動させる第1駆動手段と、
前記支持部材を高さ方向に対して垂直な方向に移動させる第2駆動手段とを備え、
前記供給用カセットには、前記マイクロプレートまたは前記蓋を支持すると共に前記蓋付きマイクロプレートのマイクロプレートを蓋から分離させて取り出すための開閉可能な左右1対の第1爪部が設けられ、
前記回収用カセットには、前記マイクロプレートまたは前記蓋を支持する開閉可能な左右1対の第2爪部が設けられていることを特徴とするマイクロプレート搬送装置。
【請求項2】
前記供給用カセット、前記回収用カセット及び前記プレート把持器は一列に配置されていることを特徴とする請求項1記載のマイクロプレート搬送装置。
【請求項3】
前記各第1爪部を互いに開くように駆動する爪部駆動手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2記載のマイクロプレート搬送装置。
【請求項4】
前記供給用カセットから前記蓋と当該蓋の上に積層された前記マイクロプレートとを一緒に取り出して前記支持部材に載せるように、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御するプレート取出制御手段と、
前記支持部材に載っているマイクロプレートを前記プレート把持器により把持するように、前記プレート把持器、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御するプレート把持制御手段と、
前記支持部材に載っている蓋を前記回収用カセットに収納するように、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御する蓋回収制御手段と、
前記プレート把持器に把持されたマイクロプレートを再び前記支持部材に載せて前記所定位置に移動させるように、前記プレート把持器、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御するプレート供給制御手段と、
前記支持部材に載っているマイクロプレートを前記回収用カセットに収納するように、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御するプレート回収制御手段とを更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のマイクロプレート搬送装置。
【請求項5】
蓋付きマイクロプレートから蓋が取り外された状態のマイクロプレートを所定位置に供給すると共に、前記マイクロプレートを前記蓋が装着される状態で回収するマイクロプレート搬送方法において、
請求項1〜3のいずれか一項記載のマイクロプレート搬送装置を用意すると共に、前記供給用カセットに前記蓋付きマイクロプレートを積層状態で収納する準備工程と、
前記供給用カセットから前記蓋と当該蓋の上に積層された前記マイクロプレートとを一緒に取り出して前記支持部材に載せるプレート取出工程と、
前記支持部材に載っているマイクロプレートを前記プレート把持器により把持するプレート把持工程と、
前記プレート把持工程を実施した後、前記支持部材に載っている蓋を前記回収用カセットに収納する蓋回収工程と、
前記蓋回収工程を実施した後、前記プレート把持器に把持されたマイクロプレートを再び前記支持部材に載せて前記所定位置に移動させるプレート供給工程と、
前記プレート供給工程を実施した後、前記支持部材に載っているマイクロプレートを前記回収用カセットに収納するプレート回収工程とを含むことを特徴とするマイクロプレート搬送方法。
【請求項6】
前記準備工程においては、前記供給用カセットの最も下側に位置するマイクロプレートの下にダミーの蓋を予め収納しておき、
前記供給用カセットの最も下側に位置するマイクロプレートを前記所定位置に供給するときには、前記プレート取出工程において、当該マイクロプレートを前記ダミーの蓋と一緒に取り出して前記支持部材に載せ、その状態で、前記プレート把持工程、前記蓋回収工程及び前記プレート供給工程を順次実施することを特徴とする請求項5記載のマイクロプレート搬送方法。
【請求項7】
前記準備工程においては、前記回収用カセットにダミーの蓋を予め収納しておき、
前記供給用カセットの最も下側に位置するマイクロプレートを前記所定位置に供給するときには、前記プレート取出工程において、当該マイクロプレートを単独で取り出して前記支持部材に載せ、その状態で、前記プレート把持工程及び前記蓋回収工程を省略して、前記プレート供給工程を実施することを特徴とする請求項5記載のマイクロプレート搬送方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2007−333648(P2007−333648A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−167894(P2006−167894)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】
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