説明

マイクロ波で、発熱する石の発明と電子レンジに付属する皿を、発熱する陶磁器の皿の急激な放熱から守る発明。

【課題】電子レンジで、焼芋が、直火に近い風味で、簡単にできる。マイクロ波で、発熱する石状のものを使用し、従来不可能とされていた電子レンジでの焼芋などをつくる技術に関するものと陶器質の発熱する中皿の加熱を上下の陶器質、ガラス質、シリコン質のものでカバーし、電子レンジへの熱伝導を最小限に抑える技術である。
【解決手段】マイクロ波で、発熱する石状のものCを使用し、従来不可能とされていた電子レンジでの焼芋Bなどをつくる技術に関するものと、陶器質の発熱する中皿Dの加熱を上下の陶器質、ガラス質、シリコン質のものでカバーAし、電子レンジへの熱伝導を最小限に抑える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波で、発熱する石状のものを使用し、従来不可能とされていた電子レンジでの焼芋などをつくる技術に関するものと陶器質の発熱する中皿の加熱を上下の陶器質、ガラス質、シリコン質のものでカバーし、電子レンジへの熱伝導を最小限に抑える技術である。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波を使用する調理器としては、電子レンジがある。この電子レンジのマイクロ波を利用して、陶器の皿状のものを加熱し、調理する技術がある。この場合、単体で、使用するものばかりである。そうすると、3分ほどで、300℃以上の加熱をし、9分に至ると赤く変色するほど加熱するため、電子レンジを壊してしまうことがある。
このような電子レンジでの加熱による調理の発端は、小林製薬株式会社の「チンしてこんがり魚焼きパック」である。
この場合は、シート状の発熱体を使用している。
しかし、この場合も、使用時間が長すぎると発熱時間も長くなり、電子レンジを壊してしまうという欠点がある。
市場全般では、陶器質のもので、発熱体として、酸化鉄、黒浜、炭化ケイ素、フェライト、ユークリプタイト、アルミナ質が、使用されている。
これらの発熱量は、500wから1500wのもので、約8分で、その発熱体の濃度によって異なるが、800℃以上加熱するものが多くあり、その上、陶器質の場合、蓄熱するため、使用する際、火傷、火事、故障という面で危険を伴う。
焼芋などは、従来、直火でしかできなかったが、今回の発明は、発熱石から出る遠赤外線効果が、焼き芋をふっくらと焼き上げるのである。
電子レンジで使用される発熱石は、かつて、開発も、利用もされたことは無い。
よって、電子レンジで、焼芋は、できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−1104(P2011−11044A)
【特許文献2】特開2003−325298(P2003−325298A)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、電子レンジで加熱する陶器は、両面が、加熱、蓄熱しても、上部、並びに、下部のカバーの役目をする陶器その他は、その熱を内部に蓄熱する効果を持ち、外部に、熱を放出しにくくしている。
加熱の時、放出される熱は、最小限に抑えられ、電子レンジの加熱による故障を防いでくれる。
【0005】
発熱石を置くことにより、この石が、500wで、4分以上加熱すると約400℃以上の温度に上昇する。これは、発熱する石状の陶器もしくは、自然石に、発熱体として、酸化鉄、黒浜、炭化ケイ素、フェライト、ユークリプタイト、アルミナ質が、上部に、塗ってあるためである。そして、発熱する石状の陶器の場合、内部に、発熱体として、酸化鉄、黒浜、炭化ケイ素、フェライト、ユークリプタイト、アルミナ質、酸化チタン質のものが、練りこんで、混入させることもできる。
この場合、発熱量は、急激に増し、例えば、焼芋から染み出た水分をも、蒸発させるのである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
中皿には、素焼きの状態で、加熱素材を塗り込み、その上から、釉薬を施釉してあるため、本焼成後(約1200℃)、表面的には、綺麗な仕上がりであり、素地と密着しているので、熱膨張も、素地と共に、膨張し、安定をしている。
また、上部の蓋と下部の皿も、陶器質の素材では、熱伝導率が悪く、内部に余分な熱を蓄熱し、外部にあまり放熱しない。
【0007】
尚、蓋には、穴が、開いていない。
これは、水蒸気が、上部に移動する性質を考慮し、蓋の内側から水蒸気を逃がさないためである。
【0008】
中皿には、内周部に隙間を設けている。
この隙間は、焼き芋より同じか低い位置にあるため、染み出てたれた水分のみを外部に放出するためである。
マイクロ波は、水分に反応するため、蓋内部の水分は、加熱により染み出た後、電子レンジが作動している間は、水蒸気として、芋を程良くほぐす役目をしている。
また、焦げ目のつく位置は、焼芋の底部のため、水蒸気が、あたらず、皮をパリッとしてくれる。
【0009】
発熱する石は、粘土の際に、発熱素材(上述)を混入させ、成型後、石状のもの上部に厚く塗り、そのままか、施釉後、本焼成(約1200℃)する。(図3による)
発熱する石状のもの単身で使用する場合、下部の皿の上にのせ、蓋で、密閉して使用する。
発熱する中皿にのせて使用する場合は、下部の皿と上部の蓋を使用する。
設置するものと、接着しているものがある。図1、図2
この時、焼芋から染み出た中皿の上に溜まった水分を、発熱石の熱が、蒸発させてくれる。
【発明の効果】
【0010】
この発明により、陶磁器製の発熱調理器が、放熱により電子レンジの故障を引き起こしていたが、そのようなことが、ほとんどなくなる。
下部の皿や上部の蓋には、中皿から放出された高温の熱も、内部で蓄熱され、電子レンジを傷めることは無い。
電子レンジの故障の原因をなくすことができる。
【0011】
発熱する石状の発明により、電子レンジで、焼芋を焼く際に、加熱により引き起こされていた染み出た水分のベトベトした感触がなくなり、発熱する石状の物と芋の接する部分のパリッとした歯ごたえを得られるようになった。
この画期的なアイデアにより、調理器の市場に新たな要素が、組み込まれたのである。
また、広い分野で、料理方法の可能性を、見出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の発熱する調理器の側面の図である。底面には、皿を焼成時に貼りつけてある図である。
【図2】本発明の発熱する調理器の側面の図である。底面には、皿が、設置してあり、下部の皿ごと持ち上げるようになっている図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、マイクロ波で、発熱する石状のもの(図1,2−C)を使用し、従来不可能とされていた電子レンジでの焼芋(図1,2−B)などをつくる技術に関するものと陶器質の発熱する中皿図1,2−Dの加熱を上下の陶器質(図1,2−AとB)でカバーし、電子レンジへの熱伝導を最小限に抑える技術である。
発熱する石状のものと中皿は、ペタライト質、ユークリプタイト質、炭化ケイ素質、アルミナ質、フェライト質、酸化チタン質のものがよい。
【実施例】
【0014】
本発明を使用した場合、中皿Dの上に、電子レンジで発熱する石Cと焼芋Bを置く。
下部皿Eは、本焼成にて接着してある。(図1による)
図2の場合は、下部皿Eの上に中皿Dをすえる。
図2では、そして、上蓋Aで、蓋をする。
500wの電子レンジにて、約6分間強で回す。
図1,2−Dの底面が加熱した場合、電子レンジの付属の皿が、割れるのを避けるため、図1,2−Fの底面は、内部での蓄熱により、あまり加熱しない。
つまり、下部皿Eの底面Fは、中皿Dからの放射熱を受けても、内部で蓄熱するので、電子レンジの付属の皿や本体に故障となる高温の熱伝導を防いでくれる。
図3−Gは、発熱体を塗った場合の例である。
発熱体を塗った後、用途により、釉薬を施有し、本焼成(約1200℃)する。
発熱体の種類は、酸化鉄、黒浜、炭化ケイ素、フェライト、ユークリプタイト、アルミナ質が、使用されている。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明の電子レンジ用発熱調理器の製造方法は、電子レンジによる発熱効率を向上させ、デザイン的に優れた電子レンジ用発熱調理器で容易に調理できるので、電子レンジ用発熱調理器の分野で広く利用できる。
直火でしか出せなかった風味を、電子レンジでも可能にした。
【符号の説明】
【0016】
図1
A−上蓋
B−焼芋
C−電子レンジで、発熱する石
D−中皿
E−下部皿
F−底面
図2
A−上蓋
B−焼芋
C−電子レンジで、発熱する石
D−中皿
E−下部皿
F−底面
図3
G−発熱体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波で、発熱する石により、従来の技術では不可能とされていた焼芋を直火で焼いた状態に近づけた焼き具合にする発明。
発熱する石状の素材は、ペタライト質、ユークリプタイト質、炭化ケイ素質、アルミナ質、フェライト質、酸化チタン質のものがよい。
【請求項2】
マイクロ波で発熱する中皿を上部蓋と下部皿でカバーし、電子レンジに付属する皿を急激な加熱から守る発明。
陶器質の発熱する中皿の加熱を上下の陶器質、ガラス質、シリコン質のものでカバーし、電子レンジへの熱伝導を最小限に抑える技術である。
中皿の素材は、ペタライト質、ユークリプタイト質、炭化ケイ素質、アルミナ質、フェライト質、酸化チタン質のものがよい。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−220182(P2012−220182A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102199(P2011−102199)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(597006975)有限会社内山製陶所 (2)
【Fターム(参考)】