説明

マスク、露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法

【課題】露光不良の発生を抑制できるマスクを提供する。
【解決手段】マスクは、第1、第2投影光学系の物体面側で第1方向に移動されながら露光光が照射され、その少なくとも一部の像が基板に投影される。第1、第2投影光学系は、第2方向に関して異なる位置に配置され、それぞれ投影領域を形成する。投影領域は、第1、第2方向に第1、第2寸法を有する第1領域と、第2方向に関して第1領域の隣に位置し、第1、第2方向に第3、第4寸法を有する第2領域と、を含む。第3寸法は第1寸法よりも小さい。マスクは、第1、第2投影光学系のそれぞれによって投影され、第1パターンが形成された第1部分と、第2方向に関して第1部分の隣に位置する第2部分と、を有し、第2方向に関する第1部分の第5寸法は、第2寸法以下であり、第1部分からの露光光が第1領域に入射し、第2領域に入射しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク、露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイ等の電子デバイスの製造工程において、マスクを露光光で照明し、投影光学系の投影領域に照射されたマスクからの露光光で感光性の基板を露光する露光装置が使用される。下記特許文献には、複数の投影光学系を有し、それら複数の投影光学系のうち、例えば第1投影光学系の投影領域に第2投影光学系の投影領域の一部を所定方向に関して重複させた状態で基板を露光する、所謂、マルチレンズ型露光装置に関する技術の一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−296667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マルチレンズ型露光装置において、複数の投影光学系のそれぞれの投影領域の相対位置が変動したり、複数の投影光学系のそれぞれの像面の位置が変動したりすると、例えば基板に形成されるパターンの寸法が不均一になったり、パターンに欠陥が生じたりする等、露光不良が発生する可能性がある。その結果、不良デバイスが発生する可能性がある。
【0005】
本発明の態様は、露光不良の発生を抑制できるマスク、露光装置、及び露光方法を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に従えば、第1、第2投影光学系の物体面側で第1方向に移動されながら露光光が照射され、その少なくとも一部の像が第1、第2投影光学系の像面側に配置された基板に投影されるマスクであって、第1、第2投影光学系は、第1方向と交差する第2方向に関して異なる位置に配置され、第1、第2投影光学系のそれぞれは、像が投影される投影領域を形成し、投影領域は、第1方向に第1寸法を有し、第2方向に第2寸法を有する第1領域と、第2方向に関して第1領域の隣に位置し、第1方向に第1寸法よりも小さい第3寸法を有し、第2方向に第4寸法を有する第2領域と、を含み、第1、第2投影光学系のそれぞれによって投影され、第1パターンが形成された第1部分と、第2方向に関して第1部分の隣に位置する第2部分と、を有し、第2方向に関する第1部分の第5寸法は、第2寸法以下であり、第1部分からの露光光が第1領域に入射し、第2領域に入射しないマスクが提供される。
【0007】
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を露光結果に基づいて処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
【0008】
本発明の第3の態様に従えば、第1、第2投影光学系の物体面側で、マスクを第1方向に移動しながらマスクに露光光を照射することと、投影光学系の像面側で、マスクの移動と同期して、基板を第1方向に移動して、第1、第2投影光学系を介してマスクの少なくとも一部の像を基板の露光領域に投影することと、を含み、第1、第2投影光学系は、第1方向と交差する第2方向に関して異なる位置に配置され、第1、第2投影光学系のそれぞれは、像が投影される投影領域を形成し、投影領域は、第1方向に第1寸法を有し、第2方向に第2寸法を有する第1領域と、第2方向に関して第1領域の隣に位置し、第1方向に第1寸法よりも小さい第3寸法を有し、第2方向に第4寸法を有する第2領域と、を含み、マスクは、第1、第2投影光学系のそれぞれによって投影され、第1パターンが形成された第1部分と、第2方向に関して第1部分の隣に位置する第2部分と、を有し、第2方向に関する第1部分の第5寸法は、第2寸法以下であり、第1部分からの露光光を第1領域に入射し、第2領域に入射しない露光方法が提供される。
【0009】
本発明の第4の態様に従えば、第3の態様の露光方法を用いて基板を露光することと、露光された基板を露光結果に基づいて処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の態様によれば、露光不良の発生を抑制でき、不良デバイスの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る露光装置の一例を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る検出システムの一例を示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係る検出装置の一例を示す図である。
【図4】本実施形態に係る照明領域と投影領域との関係の一例を示す模式図である。
【図5】本実施形態に係る投影領域とマスクとの関係の一例を示す模式図である。
【図6】本実施形態に係る投影領域と検出領域と基板との関係の一例を示す模式図である。
【図7】本実施形態に係る露光方法の一例を説明するための図である。
【図8】本実施形態に係る露光方法の一例を説明するための図である。
【図9】本実施形態に係る露光方法の一例を説明するための図である。
【図10】本実施形態に係る露光方法の一例を説明するための図である。
【図11】本実施形態に係る露光方法の一例を説明するための図である。
【図12】本実施形態に係る露光方法の一例を説明するための図である。
【図13】本実施形態に係る露光方法の一例を説明するための図である。
【図14】本実施形態に係る露光方法の一例を説明するための図である。
【図15】本実施形態に係る露光方法の一例を説明するための図である。
【図16】本実施形態に係る露光方法の一例を説明するための図である。
【図17】本実施形態に係る露光方法の一例を説明するための図である。
【図18】本実施形態に係るデバイス製造方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。一例として、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
【0013】
図1は、本実施形態に係る露光装置EXの概略を示す斜視図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクMを露光光ELで照明する照明システムISと、露光光ELで照明されたマスクMの少なくとも一部の像を基板Pに投影する投影システムPSと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置3とを備えている。
【0014】
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。基板Pは、例えばガラスプレート等の基材と、その基材上に形成された感光膜(塗布された感光材)とを含む。本実施形態において、基板Pは、マザーガラスと呼ばれる大型のガラスプレートを含み、その基板Pの一辺のサイズ又は対角長は、例えば500mm以上である。さらに一例として、本実施形態においては、基板Pの基材として、一辺が約1500mmの矩形のガラスプレートを用いる。
【0015】
投影システムPSは、物体面からの露光光ELを像面に照射して、物体面の像を像面に投影する。本実施形態において、投影システムPSの物体面は、XY平面とほぼ平行である。また、投影システムPSの像面も、XY平面とほぼ平行である。本実施形態において、投影システムPSの物体面にマスクMの下面(パターン形成面)が配置され、投影システムPSの像面に基板Pの表面(露光面)が配置される。マスクステージ1は、投影システムPSの物体面側で移動可能である。基板ステージ2は、投影システムPSの像面側で移動可能である。
【0016】
マスクMのパターンは、マスクMの下面に配置されている。マスクMの下面に配置されているパターンは、基板Pにデバイスを形成するためのパターン(デバイスパターン)である。露光装置EXは、投影システムPSの物体面に配置されたマスクMのパターン(パターン形成面)からの露光光ELを、像面に配置された基板Pの表面に照射する。これにより、マスクMのパターンの少なくとも一部の像が基板Pの表面に投影され、基板Pが露光される。
【0017】
本実施形態において、投影システムPSは、XY平面に沿って並設された投影光学系PLを複数有する。複数の投影光学系PLのそれぞれが、物体面及び像面を有し、物体面からの露光光ELを像面に照射して物体面の像を像面に投影する。複数の投影光学系PLのそれぞれは、マスクMのパターン(パターン形成面)の一部の像を基板Pの表面に形成可能である。照明システムISは、複数の投影光学系PLに対応する照明モジュールILを複数有する。
【0018】
本実施形態において、投影システムPSは、投影光学系PLを7つ有する。照明システムISは、照明モジュールILを7つ有する。なお、投影光学系PL及び照明モジュールILの数は7つに限定されず、7つ未満でもよいし、7つより多くてもよい。例えば投影システムPSが、投影光学系PLを11個有し、照明システムISが、照明モジュールILを11個有してもよい。
【0019】
照明モジュールILは、照明領域IRに露光光ELを照射して、その照明領域IRを露光光ELで照明する。照明領域IRは、投影システムPSの物体面における視野領域であって、照明システムISから射出される露光光ELが照射される照射領域である。なお、投影システムPSの物体面において露光光ELが照射される照射領域は、視野領域を含む領域であればよい。照明モジュールILは、照明領域IRに配置されたマスクMのパターン(パターン形成面)の一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。上述のように、本実施形態において、照明システムISは、照明モジュールILを7つ有する。照明システムISは、異なる7つの照明領域IRのそれぞれを露光光ELで照明する。本実施形態において、7つの照明領域IRは、XY平面内において異なる位置に配置される。7つの照明領域IRは、離れている。
【0020】
本実施形態において、照明システムISは、光源から射出される露光光ELを複数(7つ)の照明モジュールILに分岐するライトガイドユニットを有する。ライトガイドユニットは、例えば光ファイバを含む。本実施形態においては、光源として水銀ランプを用い、照明システムISから射出される露光光ELとして、その水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)を用いる。
【0021】
投影光学系PLは、物体面の像が投影される投影領域PRを形成する。投影領域PRは、投影光学系PLの像面側に形成される。投影光学系PLは、投影領域PRに露光光ELを照射して、その投影領域PRにマスクMのパターンの像を投影する。投影領域PRは、投影システムPSから射出され、投影システムPSの像面において露光光ELが照射される照射領域である。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの表面の一部にマスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。複数の投影光学系PLは、それぞれ物体面に配置されたマスクMのパターン(パターン形成面)の一部の像を、像面に配置された基板Pの表面に形成可能である。上述のように、本実施形態において、投影システムPSは、投影光学系PLを7つ有する。投影システムPSは、異なる7つの投影領域PRのそれぞれにパターンの像を投影する。本実施形態において、7つの投影領域PRは、XY平面内において異なる位置に配置される。7つの投影領域PRは、離れている。
【0022】
以下の説明において、7つの照明モジュールILのそれぞれを適宜、第1〜第7照明モジュールIL1〜IL7、と称し、7つの照明領域IRのそれぞれを適宜、第1〜第7照明領域IR1〜IR7、と称する。また、7つの投影光学系PLのそれぞれを適宜、第1〜第7投影光学系PL1〜PL7、と称し、7つの投影領域PRのそれぞれを適宜、第1〜第7投影領域PR1〜PR7、と称する。
【0023】
また、本実施形態において、露光装置EXは、マスクステージ1及び基板ステージ2の位置を計測する干渉計システム6と、基板Pのアライメントマークを検出するマーク検出システム60、及び基板Pの表面の位置を検出する検出システム70を含む検出ユニット7とを備えている。
【0024】
本実施形態において、投影システムPSは、定盤150に支持される。検出ユニット7は、定盤150に形成された開口150Aに配置される。
【0025】
干渉計システム6は、マスクステージ1の位置を計測する第1干渉計ユニット6Aと、基板ステージ2の位置を計測する第2干渉計ユニット6Bとを有する。第1干渉計ユニット6Aは、マスクステージ1に配置された計測ミラーを用いて、XY平面内におけるマスクステージ1(マスクM)の位置を計測する。第2干渉計ユニット6Bは、基板ステージ2に配置された計測ミラーを用いて、XY平面内における基板ステージ2(基板P)の位置を計測する。
【0026】
マスクステージ1は、マスクMの下面の少なくとも一部を保持するマスク保持部を有し、マスクMを保持した状態で移動可能である。マスクステージ1は、マスクMの下面(パターン形成面)とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクMを保持する。マスクステージ1は、例えばリニアモータ等を含む駆動システム1Dの作動により、照明領域IR(IR1〜IR7)に対してマスクMを保持して移動可能である。本実施形態において、マスクステージ1は、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。
【0027】
基板ステージ2は、基板Pの裏面の少なくとも一部を保持する基板保持部を有し、基板Pを保持した状態で移動可能である。基板ステージ2は、基板Pの表面(露光面)とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。基板ステージ2は、例えばリニアモータ等を含む駆動システム2Dの作動により、投影領域PR(PR1〜PR7)に対して基板Pを保持して移動可能である。本実施形態において、基板ステージ2は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
【0028】
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置である。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、複数の投影光学系PLを有し、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ基板Pを露光する、所謂、マルチレンズ型スキャン露光装置である。
【0029】
基板Pの露光時、制御装置3は、マスクステージ1及び基板ステージ2を制御して、マスクM及び基板Pを、基板Pの表面(マスクMの下面)に入射する露光光ELの光路と交差するXY平面内の所定の走査方向に移動する。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をX軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もX軸方向とする。基板Pの露光時、マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で、投影システムPSの物体面側でX軸方向に移動し、基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、投影システムPSの像面側でX軸方向に移動する。制御装置3は、投影システムPSの像面側で投影システムPSの投影領域PRに対して基板PをX軸方向に移動するとともに、その基板PのX軸方向への移動と同期して、投影システムPSの物体面側で照明システムISの照明領域IRに対してマスクMをX軸方向に移動しつつ、マスクM及び投影システムPSを介して基板Pに露光光ELを照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影され、基板PはマスクM及び投影システムPSからの露光光ELで露光される。
【0030】
すなわち、基板Pの露光において、マスクMは、投影システムPSの物体面側でX軸方向に移動されながら露光光ELを照射され、そのマスクMの少なくとも一部の像が投影システムPSを介して投影システムPSの像面側に配置された基板Pに投影される。制御装置3は、照明システムISからの露光光ELの照射中において、マスクMと基板PとをX軸方向に同期移動しつつ、投影システムPSを介して、マスクMの少なくとも一部の像を、投影システムPSの像面側に配置された基板Pの少なくとも一部に投影する。
【0031】
本実施形態において、第1、第3、第5、第7投影光学系PL1、PL3、PL5、PL7が、Y軸方向に沿って並ぶように配置される。また、第2、第4、第6投影光学系PL2、PL4、PL6が、Y軸方向に沿って並ぶように配置される。すなわち、Y軸方向に関して、第1、第3、第5、第7投影光学系PL1、PL3、PL5、PL7の位置は、それぞれ異なり、X軸方向に関して、第1、第3、第5、第7投影光学系PL1、PL3、PL5、PL7の位置は、ほぼ等しい。また、Y軸方向に関して、第2、第4、第6投影光学系PL2、PL4、PL6の位置は、それぞれ異なり、X軸方向に関して、第2、第4、第6投影光学系PL2、PL4、PL6の位置は、ほぼ等しい。
【0032】
本実施形態において、X軸方向に関して、第1、第3、第5、第7投影光学系PL1、PL3、PL5、PL7の位置と、第2、第4、第6投影光学系PL2、PL4、PL6の位置とは、異なる。本実施形態において、第1、第3、第5、第7投影光学系PL1、PL3、PL5、PL7は、第2、第4、第6投影光学系PL2、PL4、PL6に対して、+X側に配置されている。
【0033】
また、Y軸方向に関して、第1、第3、第5、第7投影光学系PL1、PL3、PL5、PL7の位置と、第2、第4、第6投影光学系PL2、PL4、PL6の位置とは、異なる。本実施形態においては、Y軸方向に関して、第1、第3、第5、第7投影光学系PL1、PL3、PL5、PL7のうち互いに隣り合う投影光学系の間に、第2、第4、第6投影光学系PL2、PL4、PL6がそれぞれ配置される。
【0034】
本実施形態において、マーク検出システム60及び検出システム70を含む検出ユニット7は、第1、第3、第5、第7投影光学系PL1、PL3、PL5、PL7と、第2、第4、第6投影光学系PL2、PL4、PL6との間に配置される。
【0035】
図2は、検出ユニット7の斜視図である。図2において、マーク検出システム60は、複数のアライメント顕微鏡60A〜60Fを有する。複数のアライメント顕微鏡60A〜60Fは、Y軸方向に配置される。本実施形態において、マーク検出システム60は、6つのアライメント顕微鏡60A〜60Fを有する。アライメント顕微鏡60A〜60Fのそれぞれは、基板Pのアライメントマークを検出可能である。
【0036】
検出システム70は、複数の検出装置70A〜70Gを有する。本実施形態において、検出システム70は、7つの検出装置70A〜70Gを有する。検出装置70A〜70Gのそれぞれは、Z軸方向に関する基板Pの位置を検出可能である。
【0037】
本実施形態において、第1、第2、第4、第6、第7検出装置70A、70B、70D、70F、70Gが、Y軸方向に沿って並ぶように配置される。また、第3、第5検出装置70C、70Eが、Y軸方向に沿って並ぶように配置される。すなわち、Y軸方向に関して、第1、第2、第4、第6、第7検出装置70A、70B、70D、70F、70Gの位置は、それぞれ異なり、X軸方向に関して、第1、第2、第4、第6、第7検出装置70A、70B、70D、70F、70Gの位置は、ほぼ等しい。また、Y軸方向に関して、第3、第5検出装置70C、70Eの位置は、それぞれ異なり、X軸方向に関して、第3、第5検出装置70C、70Eの位置は、ほぼ等しい。
【0038】
本実施形態において、X軸方向に関して、第1、第2、第4、第6、第7検出装置70A、70B、70D、70F、70Gの位置と、第3、第5検出装置70C、70Eの位置とは、異なる。本実施形態において、第1、第2、第4、第6、第7検出装置70A、70B、70D、70F、70Gは、第3、第5検出装置70C、70Eに対して、+X側に配置されている。
【0039】
また、Y軸方向に関して、第1、第2、第4、第6、第7検出装置70A、70B、70D、70F、70Gの位置と、第3、第5検出装置70C、70Eの位置とは、異なる。本実施形態においては、Y軸方向に関して、第2、第4、第6検出装置70B、70D、70Fのうち互いに隣り合う検出装置の間に、第3、第5検出装置70C、70Eがそれぞれ配置される。
【0040】
本実施形態においては、アライメント顕微鏡60A〜60Gの+X側に、第1、第2、第4、第6、第7検出装置70A、70B、70D、70F、70Gが配置され、−X側に、第3、第5検出装置70C、70Eが配置される。
【0041】
第1〜第7検出装置70A〜70Gは、基板ステージ2に保持された基板Pと対向可能である。第1検出装置70Aは、第1検出領域AF1を有する。第1検出装置70Aは、第1検出領域AF1に配置された基板Pの表面の位置を検出可能である。第2検出装置70Bは、第2検出領域AF2を有する。第2検出装置70Bは、第2検出領域AF2に配置された基板Pの表面の位置を検出可能である。同様に、第3〜第7検出装置70C〜70Gは、第3〜第7検出領域AF3〜AF7をそれぞれ有する。第3〜第7検出装置70C〜70Gのそれぞれは、第3〜第7検出領域AF3〜AF7に配置された基板Pの表面の位置を検出可能である。
【0042】
検出装置70A〜70Gそれぞれの検出結果は制御装置3に出力される。制御装置3は、検出装置70A〜70Gの検出結果に基づいて、Z軸方向に関する基板Pの位置を求める。また、複数の検出装置70A〜70Gは、X軸方向及びY軸方向のそれぞれにおいて2次元的に配置されている。したがって、制御装置3は、複数の検出装置70A〜70Gの検出結果に基づいて、θX方向及びθY方向に関する基板Pの位置(傾き)を求めることができる。制御装置3は、検出システム70の検出結果に基づいて、駆動システム2Dを制御して、Z軸方向に関する基板Pの位置の調整、及びθX、θY方向に関する基板Pの位置の調整を実行する。
【0043】
以下の説明において、Z軸方向に関する基板Pの位置の調整を適宜、高さ調整、と称し、θX、θY方向に関する基板Pの位置の調整を適宜、レベリング調整、と称する。
【0044】
なお、本実施形態においては、検出ユニット7は、マスクMの下面の位置を検出可能な複数の検出装置80A〜80Dを含む検出システム80を有する。制御装置3は、検出装置80A〜80Dの検出結果に基づいて、基板Pの位置を求めることができる。
【0045】
本実施形態において、アライメント顕微鏡60A〜60F、検出装置70A〜70G、及び検出装置80A〜80Gは、ハウジングHに保持される。
【0046】
図3は、検出装置70Aを示す概略構成図である。なお、検出装置70B〜70G、及び検出装置80A〜80Dも、検出装置70Aと同等の構成であるため、その説明を省略する。
【0047】
図3に示すように、検出装置70Aは、検出光を射出する光源71と、光源71から射出された検出光が入射される送光レンズ系72と、送光レンズ系72を通過した検出光を検出領域AF1に導くミラー73と、検出領域AF1に配置された基板Pの表面で反射した検出光を受光レンズ系75に導くミラー74と、受光レンズ系75を通過した検出光を受光する受光素子76とを有する。受光素子76は、撮像素子を含む。送光レンズ系72は、検出光を例えばスリット状に整形する。検出領域AF1に配置された基板PのZ軸方向に関する位置がΔZだけ変位すると、受光素子76の受光面におけるX軸方向に関する検出光の入射位置(結像位置)がΔXだけ変位する。受光素子76の受光信号は、制御装置3に出力される。制御装置3は、受光素子76による撮像位置の基準位置に対する変位量ΔXに基づいて、Z軸方向に関する基板Pの表面の変位量ΔZを求めることができる
【0048】
図4は、マスクMの下面(パターン形成面)における照明領域IRと、投影光学系PLの投影領域PRとの関係の一例を示す図である。図4は、一例として、第1、第2投影光学系PL1、PL2に対応する第1、第2照明領域IR1、IR2と、第1、第2投影領域PR1、PR2との関係を示す。
【0049】
図4において、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2とは、Y軸方向に関して異なる位置に配置される。また、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2とは、X軸方向に関して異なる位置に配置される。
【0050】
第1投影領域PR1は、X軸方向に寸法W1aを有し、Y軸方向に寸法W2aを有する中央領域C1と、Y軸方向に関して中央領域C1の隣に位置し、X軸方向に寸法W3aを有し、Y軸方向に寸法W4aを有する端領域T1bとを含む。本実施形態において、寸法W3aは、寸法W1aよりも小さい。寸法W4aは、寸法W2aよりも小さい。端領域T1bは、中央領域C1の−Y側に配置される。
【0051】
第2投影領域PR2は、X軸方向に寸法W1bを有し、Y軸方向に寸法W2bを有する中央領域C2と、Y軸方向に関して中央領域C2の隣に位置し、X軸方向に寸法W3bを有し、Y軸方向に寸法W4bを有する端領域T2a、T2bとを含む。本実施形態において、寸法W3bは、寸法W1bよりも小さい。寸法W4bは、寸法W2bよりも小さい。
【0052】
第1、第2投影領域PR1、PR2は、X軸方向(走査方向)の積算露光量が等しくなるように配置されている。Y軸方向に関する端領域T1bと端領域T2aとが、Y軸方向に関して重複するように配置される。端領域T1bと端領域T2aとは、X軸方向に関する投影領域の寸法の和が同じになるように重複する。一方、中央領域C1と中央領域C2とは重複しない。
【0053】
なお、本実施形態において、投影領域PR(PR1〜PR7)は、XY平面内において台形である。投影領域の端領域とは、XY平面内において台形の投影領域のうち、X軸に対して傾斜するエッジを含む三角形の部分をいう。投影領域の中央領域とは、端領域部以外の投影領域の長方形の部分をいう。
【0054】
図5は、第1〜第7投影領域PR1〜PR7と、マスクMとの位置関係の一例を示す模式図である。
【0055】
本実施形態において、第1照明領域IR1からの露光光ELは、第1投影光学系PL1の第1投影領域PR1に入射し、第2照明領域IR2からの露光光ELは、第2投影光学系PL2の第2投影領域PR2に入射し、第3照明領域IR3からの露光光ELは、第3投影光学系PL3の第3投影領域PR3に入射し、第4照明領域IR4からの露光光ELは、第4投影光学系PL4の第3投影領域PR3に入射し、第5照明領域IR5からの露光光ELは、第5投影光学系PL5の第5投影領域PR5に入射し、第6照明領域IR6からの露光光ELは、第6投影光学系PL6の第6投影領域PR6に入射し、第7照明領域IR7からの露光光ELは、第7投影光学系PL7の第7投影領域PR7に入射する。
【0056】
本実施形態において、第1、第3、第5、第7投影光学系PL1、PL3、PL5、PL7の第1、第3、第5、第7投影領域PR1、PR3、PR5、PR7が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置されている。また、第2、第4、第6投影光学系PL2、PL4、PL6の第2、第4、第6投影領域PR2、PR4、PR6が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置されている。すなわち、Y軸方向に関して、第1、第3、第5、第7投影領域PR1、PR3、PR5、PR7の位置は、それぞれ異なり、X軸方向に関して、第3、第5、第7投影領域PR1、PR3、PR5、PR7の位置は、ほぼ等しい。また、Y軸方向に関して、第2、第4、第6投影領域PR2、PR4、PR6の位置は、それぞれ異なり、X軸方向に関して、第2、第4、第6投影領域PR2、PR4、PR6の位置は、ほぼ等しい。
【0057】
本実施形態において、X軸方向に関して、第1、第3、第5、第7投影領域PR1、PR3、PR5、PR7の位置と、第2、第4、第6投影領域PR2、PR4、PR6の位置とは、異なる。本実施形態において、第1、第3、第5、第7投影領域PR1、PR3、PR5、PR7は、第2、第4、第6投影領域PR2、PR4、PR6に対して、+X側に配置されている。
【0058】
また、Y軸方向に関して、第1、第3、第5、第7投影領域PR1、PR3、PR5、PR7の位置と、第2、第4、第6投影領域PR2、PR4、PR6の位置とは、異なる。本実施形態においては、Y軸方向に関して、第1、第3、第5、第7投影領域PR1、PR3、PR5、PR7のうち互いに隣り合う投影領域の間に、第2、第4、第6投影領域PR2、PR4、PR6がそれぞれ配置される。
【0059】
図4を参照して説明したように、第2投影領域PR2は、X軸方向に寸法W1bを有し、Y軸方向に寸法W2bを有する中央領域C2と、X軸方向に寸法W3bを有し、Y軸方向に寸法W4bを有する端領域T2a、T2bとを有する。第3〜第6投影領域PR3〜PR6は、第2投影領域PR2と同等の大きさ及び形状を有する。すなわち、第3投影領域PR3は、中央領域C3と、Y軸方向に関して中央領域C3に隣接する端領域T3a、T3bを有し、X軸方向に関する端領域T3a、T3bの寸法は、中央領域C3の寸法よりも小さい。第4投影領域PR4は、中央領域C4と、Y軸方向に関して中央領域C4に隣接する端領域T4a、T4bを有し、X軸方向に関する端領域T4a、T4bの寸法は、中央領域C4の寸法よりも小さい。第5投影領域PR5は、中央領域C5と、Y軸方向に関して中央領域C5に隣接する端領域T5a、T5bを有し、X軸方向に関する端領域T5a、T5bの寸法は、中央領域C5の寸法よりも小さい。第6投影領域PR6は、中央領域C6と、Y軸方向に関して中央領域C6に隣接する端領域T6a、T6bを有し、X軸方向に関する端領域T6a、T6bの寸法は、中央領域C6の寸法よりも小さい。
【0060】
第7投影領域PR7は、第1投影領域PR1と同等の大きさ及び形状を有する。すなわち、第7投影領域PR7は、中央領域C7と、Y軸方向に関して中央領域C7に隣接する端領域T7aを有し、X軸方向に関する端領域T7aの寸法は、中央領域C7の寸法よりも小さい。
【0061】
第1〜第7投影領域PR1〜PR7のそれぞれは、X軸方向(走査方向)の積算露光量が等しくなるように配置されている。すなわち、第1〜第7投影領域PR1〜PR7のうちY軸方向に関して互いに隣り合う投影領域のそれぞれの端領域同士が、Y軸方向に関して重複するように配置され、X軸方向に関する投影領域の寸法の和が、同じになるように設けられている。一方、第1〜第7投影領域PR1〜PR7の中央領域は、重複しない。
【0062】
本実施形態において、第1投影光学系PL1及び第2投影光学系PL2は、第1投影領域PR1の+Y側の端領域T1bと、第2投影領域PR2の−Y側の端領域T2aとをY軸方向に関して重複させる。第2投影光学系PL2及び第3投影光学系PL3は、第2投影領域PR2の+Y側の端領域T2bと、第3投影領域PR3の−Y側の端領域T3aとをY軸方向に関して重複させる。第3投影光学系PL3及び第4投影光学系PL4は、第3投影領域PR3の+Y側の端領域T3bと、第4投影領域PR4の−Y側の端領域T4aとをY軸方向に関して重複させる。第4投影光学系PL4及び第5投影光学系PL5は、第4投影領域PR4の+Y側の端領域T4bと、第5投影領域PR5の−Y側の端領域T5aとをY軸方向に関して重複させる。第5投影光学系PL5及び第6投影光学系PL6は、第5投影領域PR5の+Y側の端領域T5bと、第6投影領域PR6の−Y側の端領域T6aとをY軸方向に関して重複させる。第6投影光学系PL6及び第7投影光学系PL7は、第6投影領域PR6の+Y側の端領域T6bと、第7投影領域PR7の−Y側の端領域T7aとをY軸方向に関して重複させる。
【0063】
X軸方向に関して、端領域T1bの寸法と端領域T2aの寸法との和と、端領域T2bの寸法と端領域T3aの寸法との和と、端領域T3bの寸法と端領域T4aの寸法との和と、端領域T4bの寸法と端領域T5aの寸法との和と、端領域T5bの寸法と端領域T6aの寸法との和と、端領域T6bの寸法と端領域T7aの寸法との和とは、ほぼ同じである。
【0064】
また、X軸方向に関して、第1投影領域PR1の中央領域C1の寸法と、第2投影領域PR2の中央領域C2の寸法と、第3投影領域PR3の中央領域C3の寸法と、第4投影領域PR4の中央領域C4の寸法と、第5投影領域PR5の中央領域C5の寸法と、第6投影領域PR6の中央領域C6の寸法と、第7投影領域PR7の中央領域C7の寸法とは、ほぼ同じである。
【0065】
また、X軸方向に関して、中央領域C1の寸法と、端領域T1bの寸法と端領域T2aの寸法との和とは、ほぼ同じである。他の中央領域の寸法と、端領域どうしの寸法の和とも、同様の関係にある。
【0066】
これにより、第1〜第7投影光学系PL1〜PL7に対してマスクM及び基板PをX軸方向に移動しながら露光したときの、X軸方向に関する積算露光量は、ほぼ同じになる。
【0067】
以下の説明において、投影領域PRが重複する部分を適宜、重複部B1〜B6、と称する。また、投影領域PRが重複しない部分を適宜、非重複部A1〜A7、と称する。
【0068】
本実施形態においては、第1投影領域PR1と第2投影領域PR2の一部とによって、重複部B1が設けられる。第2投影領域PR2と第3投影領域PR3の一部とによって、重複部B2が設けられる。第3投影領域PR3と第4投影領域PR4の一部とによって、重複部B3が設けられる。第4投影領域PR4と第5投影領域PR5の一部とによって、重複部B4が設けられる。第5投影領域PR5と第6投影領域PR6の一部とによって、重複部B5が設けられる。第6投影領域PR6と第7投影領域PR7の一部とによって、重複部B6が設けられる。
【0069】
マスクMは、第1パターンが形成された部分ARと、Y軸方向に関して部分ARの隣に位置する部分BRとを有する。マスクMは、部分ARを複数有する。本実施形態において、マスクMは、投影光学系PL1〜PL7に対応するように、部分ARを7つ有する。
【0070】
部分ARは、その像が第1投影光学系PL1によって投影される部分AR1と、第2投影光学系PL2によって投影される部分AR2と、第3投影光学系PL3によって投影される部分AR3と、第4投影光学系PL4によって投影される部分AR4と、第5投影光学系PL5によって投影される部分AR5と、第6投影光学系PL6によって投影される部分AR6と、第7投影光学系PL7によって投影される部分AR7とを含む。部分AR1〜AR7は、Y軸方向に間隔をあけて配置される。
【0071】
部分BRは、部分AR1の+Y側に配置される部分BR1と、部分AR1と部分AR2との間に配置される部分BR2と、部分AR2と部分AR3との間に配置される部分BR3と、部分AR3と部分AR4との間に配置される部分BR4と、部分AR4と部分AR5との間に配置される部分BR5と、部分AR5と部分AR6との間に配置される部分BR6と、部分AR6と部分AR7との間に配置される部分BR7と、部分AR7の−Y側に配置される部分BR8と、を含む。
【0072】
本実施形態において、Y軸方向に関する部分AR1〜AR7の寸法は、投影領域PR1〜PR7の中央領域C1〜C7の寸法以下である。基板Pの露光において、部分AR1〜AR7からの露光光ELは、第1〜第7投影領域PR1〜PR7の中央領域C1〜C7に入射し、端領域には入射しない。
【0073】
また、本実施形態においては、基板Pの露光において、部分BR1〜BR8からの露光光ELは、第1〜第7投影領域PR1〜PR7の端領域に入射する。
【0074】
すなわち、本実施形態においては、基板Pの露光において、部分AR(AR1〜AR7)は、投影領域PRが重複しない非重複部A1〜A7に配置される。つまり、部分ARは、重複照明されない。部分BR(図5に示す例では、BR2〜BR7)の少なくとも一部は、投影領域PRが重複する重複部B1〜B6に配置される。つまり、部分BRは、少なくとも2つの照明モジュールによって重複照明される。
【0075】
マスクMの部分BRを通過した露光光ELは、投影システムPSの複数の投影光学系PLのうち、少なくとも2つの投影光学系PLを介して、重複部B1〜B6に照射される。換言すれば、部分BRの像は、重複露光によって基板Pに形成される。一方、マスクMの部分ARを通過した露光光ELは、投影システムPSの複数の投影光学系PLのうち、いずれか1つの投影光学系PLを介して、非重複部A1〜A7に照射される。換言すれば、部分ARの像は、重複露光されずに(単露光で)基板Pに形成される。
【0076】
本実施形態において、マスクMは、基板Pに表示デバイス(例えばフラットパネルディスプレイ)を形成するためのパターンを含む。部分ARに配置される第1パターンは、表示デバイスの表示部(画素部)を形成するためのパターンを含む。
【0077】
本実施形態において、部分BRは、第2パターンを含む。部分BRに配置される第2パターンは、表示部(画素部)の周囲の少なくとも一部に配置される配線若しくは駆動部を形成するためのパターンを含み、第1パターンに含まれるような表示部(画素部)用のパターンは含まれない。
【0078】
なお、部分BRには、何もパターンが含まれなくてもよい。また、部分ARは、表示部(画素部)用のパターンのみならず、その周囲に配置される配線若しくは駆動部等を形成するためのパターンを含んでもよい。また、換言すると、第1パターンは、所定のパターンを含むパターンであり、第2パターンは、その所定のパターンを含まないパターンとされる。その所定のパターンは、例えば、所定の線幅以下(もしくは所定の解像度以上)で基板Pに露光されるべきパターンとすることができ、第2パターンは、その所定の線幅以下(もしくはその所定の解像度以上)で基板Pに露光されるべきパターンを含まない。
【0079】
図6は、第1〜第7投影領域PR1〜PR7と、第1〜第7検出領域AF1〜AF7と、基板Pとの位置関係の一例を示す模式図であり、基板Pの表面を含む平面内の位置関係を示す。
【0080】
本実施形態において、第1、第2、第4、第6、第7検出装置70A、70B、70D、70F、70Gの第1、第2、第4、第6、第7検出領域AF1、AF2、AF4、AF6、AF7が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置されている。また、第3、第5検出装置70C、70Eの第3、第5検出領域AF3、AF5が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置されている。すなわち、Y軸方向に関して、第1、第2、第4、第6、第7検出領域AF1、AF2、AF4、AF6、AF7の位置は、それぞれ異なり、X軸方向に関して、第1、第2、第4、第6、第7検出領域AF1、AF2、AF4、AF6、AF7の位置は、ほぼ等しい。また、Y軸方向に関して、第3、第5検出領域AF3、AF5の位置は、それぞれ異なり、X軸方向に関して、第3、第5検出領域AF3、AF5の位置は、ほぼ等しい。
【0081】
本実施形態において、X軸方向に関して、第1、第2、第4、第6、第7検出領域AF1、AF2、AF4、AF6、AF7の位置と、第3、第5検出領域AF3、AF5の位置とは、異なる。本実施形態において、第1、第2、第4、第6、第7検出領域AF1、AF2、AF4、AF6、AF7は、第3、第5検出領域AF3、AF5に対して、+X側に配置されている。
【0082】
以下の説明において、第1〜第7検出領域AF1〜AF7のうち、第1、第2、第4、第6、第7検出領域AF1、AF2、AF4、AF6、AF7を合わせて適宜、第1検出領域群G1、と称し、第3、第5検出領域AF3、AF5を合わせて適宜、第2検出領域群G2、と称する。X軸方向に関して、第1検出領域群G1の位置と、第2検出領域群G2の位置とは、異なる。第1検出領域群G1は、第2検出領域群G2に対して、+X側に配置される。
【0083】
本実施形態において、第1〜第7検出領域AF1〜AF7は、第1、第3、第5、第7投影領域PR1、PR3、PR5、PR7と、第2、第4、第6投影領域PR2、PR4、PR6との間に配置される。
【0084】
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法の一例について説明する。
【0085】
図6に示すように、本実施形態においては、基板Pに第1〜第4の露光領域(露光対象領域、ショット領域)PA1〜PA4が定められている。露光装置EXは、それら複数の露光領域PA1〜PA4を順次露光する。
【0086】
図7〜図10は、基板Pの露光領域PA1が露光される状態の一例を示す。基板Pの露光領域PA1を露光する際、制御装置3は、基板Pが図7に示す状態から、図8及び図9に示す状態を経て、図10に示す状態になるように、基板Pを保持した基板ステージ2を移動する。
【0087】
図7は、基板Pが露光領域PA1の露光開始位置に配置されている状態の一例を示す図である。露光領域PA1を露光するために、制御装置3は、基板Pが露光領域PA1の露光開始位置に配置されるように、基板Pを保持した基板ステージ2を制御する。本実施形態において、露光開始位置は、基板Pの表面の中央部分が投影システムPSの射出面と対向する位置を含む。露光領域PA1の露光開始位置において、基板Pは、第1〜第7投影光学系PL1〜PL7及び第1〜第7検出装置70A〜70Gと対向する。露光領域PA1の露光開始位置において、第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の両方に基板Pが配置される。
【0088】
基板Pが露光領域PA1の露光開始位置に配置された後、制御装置3は、露光領域PA1の露光を開始する。制御装置3は、投影システムPS(第1〜第7投影光学系PL1〜PL7)の物体面側で、マスクMをX軸方向に移動しながらそのマスクMに露光光ELを照射する。また、制御装置3は、マスクMに露光光ELを照射しつつ、投影システムPSの像面側で、マスクMの移動と同期して、基板PをX軸方向に移動する。本実施形態において、基板Pは、−X方向に移動する。これにより、マスクMからの露光光ELが投影システムPSを介して基板Pに照射され、マスクMの少なくとも一部の像が基板Pの露光領域PA1に投影される。
【0089】
本実施形態において、制御装置3は、投影システムPSの像面に配置される基板Pに対する露光光ELの照射の少なくとも一部と並行して、検出システム70を用いて、基板Pの表面の位置を検出する。基板Pの移動において、制御装置3は、検出システム70の検出結果に基づいて、基板Pの高さ調整及びレベリング調整を実行しつつ、その基板PをX軸方向に移動しながら露光する。
【0090】
上述したように、非重複部A1〜A7に照射される露光光ELによって、基板Pに部分ARの像が形成される。重複部B1〜B6に照射される露光光ELによって、基板Pに部分BRの像が形成される。
【0091】
図8は、露光領域PA1の露光が開始された時点から所定時間経過後の状態を示す。図7に示す状態から図8に示す状態において、第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の両方に基板Pが配置される。すなわち、図7に示す状態から図8に示す状態においては、制御装置3は、第1、第2検出領域群G1、G2の両方に基板Pが配置される状態で、X軸方向に基板Pを移動しながら、マスクMの部分ARの像を基板Pに投影する。
【0092】
図7に示す状態から図8に示す状態においては、検出システム70は、第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の両方の検出結果を用いて、Z軸、θX、及びθY方向に関する基板Pの位置を精確に求めることができる。そのため、制御装置3は、その検出システム70の検出結果に基づいて、基板Pの表面(露光面)と投影システムPSの像面との位置調整を精確に実行することができる。したがって、基板Pに形成されるパターンは、所望の形状となる。
【0093】
図9は、露光領域PA1の露光において、第2検出領域群G2に基板Pが配置され、第1検出領域群G1に基板Pが配置されない状態を示す。図9に示す状態においては、検出システム70による、Z軸方向に関する基板Pの表面の位置の検出精度は維持される。一方、図9に示す状態においては、検出システム70による、θX及びθY方向に関する基板Pの表面の位置の検出精度が低下する可能性がある。
【0094】
本実施形態においては、第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の少なくとも一方に基板Pが配置されない状態において、露光装置EXは、部分ARの像を基板Pに投影しない。例えば、第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の少なくとも一方に基板Pが配置されない状態において部分ARの像が基板Pに投影されないように、マスクMの大きさ及び露光領域PA1〜PA4の大きさが定められてもよいし、マスクM及び基板Pの移動条件が定められてもよいし、露光光ELの照射が停止されてもよい。なお、第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の少なくとも一方に基板Pが配置されない状態において部分ARの像が基板Pに投影された場合において、その部分ARの像が投影された基板Pの一部を、製品として使用されないように破棄してもよい。
【0095】
露光領域PA1の露光が終了した後、図11に示すように、制御装置3は、基板ステージ2を制御して、露光領域PA2の露光開始位置に基板Pを配置する。図11に示すように、露光領域PA2の露光開始位置において、第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の両方に基板Pが配置される。
【0096】
制御装置3は、基板Pを−X方向に移動しつつ、露光領域PA2を露光する。第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の両方に基板Pが配置されている状態において、検出システム70は、Z軸、θX、及びθY方向に関する基板Pの表面の位置を精確に求めることができる。
【0097】
図12は、露光領域PA2の露光が開始された時点から所定時間経過後の状態を示す。図12に示す状態においても、第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の両方に基板Pが配置されているため、検出システム70は、Z軸、θX、及びθY方向に関する基板Pの表面の位置を精確に求めることができる。
【0098】
図13は、露光領域PA2の露光において、第2検出領域群G2に基板Pが配置され、第1検出領域群G1に基板Pが配置されない状態を示す。図13に示す状態においては、検出システム70による、θX及びθY方向に関する基板Pの表面の位置の検出精度が低下する可能性がある。本実施形態においては、第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の少なくとも一方に基板Pが配置されない状態において、露光装置EXは、部分ARの像を基板Pに投影しない。
【0099】
露光領域PA2の露光が終了した後、図14に示すように、制御装置3は、基板ステージ2を制御して、露光領域PA3の露光開始位置に基板Pを配置する。図14に示すように、露光領域PA3の露光開始位置において、第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の両方に基板Pが配置される。
【0100】
制御装置3は、基板Pを+X方向に移動しつつ、露光領域PA3を露光する。第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の両方に基板Pが配置されている状態において、検出システム70は、Z軸、θX、及びθY方向に関する基板Pの表面の位置を精確に求めることができる。
【0101】
図15は、露光領域PA3の露光が開始された時点から所定時間経過後の状態を示す。図15に示す状態においても、第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の両方に基板Pが配置されているため、検出システム70は、Z軸、θX、及びθY方向に関する基板Pの表面の位置を精確に求めることができる。
【0102】
一方、露光領域PA3の露光において、第1検出領域群G1に基板Pが配置され、第2検出領域群G2に基板Pが配置されない状態が発生する。その状態においては、検出システム70による、θX及びθY方向に関する基板Pの表面の位置の検出精度が低下する可能性がある。第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の少なくとも一方に基板Pが配置されない状態において、露光装置EXは、部分ARの像を基板Pに投影しない。
【0103】
露光領域PA3の露光が終了した後、図16に示すように、制御装置3は、基板ステージ2を制御して、露光領域PA4の露光開始位置に基板Pを配置する。図16に示すように、露光領域PA4の露光開始位置において、第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の両方に基板Pが配置される。
【0104】
制御装置3は、基板Pを+X方向に移動しつつ、露光領域PA4を露光する。第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の両方に基板Pが配置されている状態において、検出システム70は、Z軸、θX、及びθY方向に関する基板Pの表面の位置を精確に求めることができる。
【0105】
図17は、露光領域PA3の露光が開始された時点から所定時間経過後の状態を示す。図17に示す状態においても、第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の両方に基板Pが配置されているため、検出システム70は、Z軸、θX、及びθY方向に関する基板Pの表面の位置を精確に求めることができる。
【0106】
一方、露光領域PA4の露光において、第1検出領域群G1に基板Pが配置され、第2検出領域群G2に基板Pが配置されない状態が発生する。その状態においては、検出システム70による、θX及びθY方向に関する基板Pの表面の位置の検出精度が低下する可能性がある。第1検出領域群G1及び第2検出領域群G2の少なくとも一方に基板Pが配置されない状態において、露光装置EXは、部分ARの像を基板Pに投影しない。
【0107】
以上により、露光領域PA1〜PA4の露光が終了する。
【0108】
以上説明したように、本実施形態によれば、Y軸方向に関する部分ARの寸法を、投影光学系PLの投影領域PRの寸法以下とし、部分ARからの露光光ELを投影領域PRの中央領域に入射させ、端領域に入射させないようにしたので、部分ARの像を基板Pに投影する際、重複露光(継ぎ露光)することなく、その部分AR(第1パターン)を基板Pに形成することができる。
【0109】
例えば、隣り合う投影領域PRの重複部B1〜B6において、一方の投影領域PRと他方の投影領域PRとの相対位置が変動したり、目標の位置関係に対してずれたり、像面の位置が変動したりすると、その重複部B1〜B6に形成されるパターンの寸法が不均一になったり、パターンに欠陥が生じたりする等、露光不良が発生する可能性がある。例えば、部分AR(第1パターン)が表示部(画素部)を形成するためのパターンを含む場合、露光不良が発生すると、表示性能が低下したディスプレイが製造されてしまう等、不良デバイスが発生する可能性がある。
【0110】
本実施形態によれば、精度が要求される第1パターンを含む部分ARを露光する際、重複露光することなく、単露光できるように、Y軸方向に関する投影領域PRの中央領域の寸法に応じて部分ARの寸法を定めたので、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生を抑制することができる。
【0111】
一方、配線若しくは駆動部を形成するためのパターン等、第1パターンよりも低いパターン転写精度が許容される第2パターンを含む部分BRは、重複露光することによって、基板Pに効率良くパターンを形成することができる。
【0112】
また、本実施形態においては、第1、第2検出領域群G1、G2の両方に基板Pが配置される状態で、部分ARの像を基板Pに投影するようにしたので、第1、第2検出領域群G1、G2を使った検出結果に基づいて、Z軸、θX、及びθY方向に関する基板Pの表面の位置を精確に調整しつつ、部分ARの像を基板Pに投影することができる。一方、第1、第2検出領域群G1、G2の少なくとも一方に基板Pが配置されない状態において、部分ARの像を基板Pに投影しないようにしたので、基板Pに対する部分AR(第1パターン)の像の転写不良の発生が抑制される。したがって、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生を抑制することができる。
【0113】
なお、本実施形態においては、第1、第3、第5、第7投影光学系PL1、PL3、PL5、PL7(第1、第3、第5、第7投影領域PR1、PR3、PR5、PR7)と、第2、第4、第6投影光学系PL2、PL4、PL6(第2、第4、第6投影領域PR2、PR4、PR6)との間に、検出装置70A〜70G(検出領域AF1〜AF7)が配置されることしたが、投影光学系PL1〜PL7(投影領域PR1〜PR7)の外側に、検出装置70A〜70G(検出領域AF1〜AF7)が配置されてもよい。例えば、第1、第3、第5、第7投影領域PR1、PR3、PR5、PR7の+X側に、第1、第2検出領域群G1、G2が配置されてもよいし、第2、第4、第6投影領域PR2、PR4、PR6の−X側に、第1、第2検出領域群G1、G2が配置されてもよい。また、第1、第3、第5、第7投影領域PR1、PR3、PR5、PR7の+X側に、第1検出領域群G1が配置され、第2、第4、第6投影領域PR2、PR4、PR6の−X側に、第2検出領域群G2が配置されてもよい。換言すれば、第1検出領域群G1と第2検出領域群G2との間に、第1〜第7投影領域PR1〜PR7が配置されてもよい。また、第1、第3、第5、第7投影領域PR1、PR3、PR5、PR7の+X側に第1検出領域群G1が配置され、第2検出領域群G2は省略されてもよいし、また、第2、第4、第6投影領域PR2、PR4、PR6の−X側に第2検出領域群G2が配置され、第1検出領域群G1は省略されてもよい。
【0114】
なお、上述の実施形態の基板Pとしては、ディスプレイデバイス用のガラス基板のみならず、半導体デバイス製造用の半導体ウエハ、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0115】
なお、露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを介した露光光ELで基板Pを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
【0116】
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
【0117】
また、本発明は、米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されているような、基板を保持する基板ステージと、基板を保持せずに、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置を採用することができる。
【0118】
露光装置EXの種類としては、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置に限られず、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0119】
なお、上述の各実施形態においては、レーザ干渉計を含む干渉計システムを用いて各ステージの位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば各ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。
【0120】
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。
【0121】
上述の実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。
各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了した後、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0122】
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図18に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクMからの露光光ELで基板Pを露光して基板Pにパターンの像を投影すること、及び露光された基板Pを露光結果に基づいて処理することを含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。なお、ステップ204において、露光された基板Pを露光結果に基づいて処理することは、露光された基板(感光膜)を現像することで、マスクのパターンに対応する露光パターン層(現像された感光膜の層)を形成すること、及びその露光パターン層を介して基板を加工することが含まれる。例えば、基板の加工は、現像された基板をエッチング処理することを含む。
【0123】
なお、上述の実施形態及び変形例の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
【符号の説明】
【0124】
1…マスクステージ、2…基板ステージ、3…制御装置、70…検出システム、70A〜70G…検出装置、EL…露光光、EX…露光装置、IL1〜IL7…照明モジュール、IR1〜IR7…照明領域、IS…照明システム、M…マスク、AF1〜AF7…検出領域、AR…部分、BR…部分、P…基板、PL1〜PL7…投影光学系、PR1〜PR7…投影領域、PS…投影システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1、第2投影光学系の物体面側で第1方向に移動されながら露光光が照射され、その少なくとも一部の像が前記第1、第2投影光学系の像面側に配置された基板に投影されるマスクであって、
前記第1、第2投影光学系は、前記第1方向と交差する第2方向に関して異なる位置に配置され、前記第1、第2投影光学系のそれぞれは、前記像が投影される投影領域を形成し、
前記投影領域は、前記第1方向に第1寸法を有し、前記第2方向に第2寸法を有する第1領域と、前記第2方向に関して前記第1領域の隣に位置し、前記第1方向に前記第1寸法よりも小さい第3寸法を有し、前記第2方向に第4寸法を有する第2領域と、を含み、
前記第1、第2投影光学系のそれぞれによって投影され、第1パターンが形成された第1部分と、前記第2方向に関して第1部分の隣に位置する第2部分と、を有し、
前記第2方向に関する第1部分の第5寸法は、前記第2寸法以下であり、
前記第1部分からの前記露光光が前記第1領域に入射し、前記第2領域に入射しないマスク。
【請求項2】
前記第2部分からの前記露光光が前記第2領域に入射する請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記第2部分に形成された第2パターンを有する請求項1又は2に記載のマスク。
【請求項4】
前記第1、第2投影光学系は、前記第2方向に関して第1,第2投影光学系それぞれの前記第2領域が重複し、前記第1領域が重複しないように配置される請求項1〜3のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項5】
前記第1、第2投影光学系それぞれの前記第2領域を通過した前記露光光は、前記基板において重複するように照射され、
前記第1、第2投影光学系それぞれの前記第1領域を通過した前記露光光は、前記基板において重複しないように照射される請求項1〜4のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項6】
前記第1、第2投影光学系と、
前記物体面側で請求項1〜5のいずれか一項に記載のマスクを保持して移動可能な第1可動部材と、
前記投影光学系の像面側で、前記基板を保持して移動可能な第2可動部材と、を備え、
前記露光光の照射中において、前記マスクと前記基板とを前記第1方向に同期移動しつつ、前記第1、第2投影光学系を介して、前記第1部分を含む前記マスクの少なくとも一部の像を前記基板の露光領域に投影する露光装置。
【請求項7】
前記第1検出領域を有し、前記第1検出領域に配置された前記基板の表面の位置を検出する第1検出装置と、
前記第1方向に関して前記第1検出領域と異なる位置に配置される第2検出領域を有し、前記第2検出領域に配置された前記基板の表面の位置を検出する第2検出装置と、を備え、
前記露光領域の露光開始位置において、前記第1、第2検出領域の両方に前記基板が配置される請求項6に記載の露光装置。
【請求項8】
前記第1、第2検出領域の両方に前記基板が配置される第1状態で、前記第1方向に前記基板を移動しながら、前記第1部分の像を前記基板に投影する請求項7に記載の露光装置。
【請求項9】
前記第1方向に関する前記基板の移動において、前記第1状態から、前記第1、第2検出領域の少なくとも一方に前記基板が配置されない第2状態に変化し、
前記第2状態において、前記第1部分の像を前記基板に投影しない請求項8に記載の露光装置。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
露光された前記基板を露光結果に基づいて処理することと、を含むデバイス製造方法。
【請求項11】
第1、第2投影光学系の物体面側で、マスクを第1方向に移動しながら前記マスクに露光光を照射することと、
前記投影光学系の像面側で、前記マスクの移動と同期して、基板を第1方向に移動して、前記第1、第2投影光学系を介して前記マスクの少なくとも一部の像を前記基板の露光領域に投影することと、を含み、
前記第1、第2投影光学系は、前記第1方向と交差する第2方向に関して異なる位置に配置され、前記第1、第2投影光学系のそれぞれは、前記像が投影される投影領域を形成し、
前記投影領域は、前記第1方向に第1寸法を有し、前記第2方向に第2寸法を有する第1領域と、前記第2方向に関して前記第1領域の隣に位置し、前記第1方向に前記第1寸法よりも小さい第3寸法を有し、前記第2方向に第4寸法を有する第2領域と、を含み、
前記マスクは、前記第1、第2投影光学系のそれぞれによって投影され、第1パターンが形成された第1部分と、前記第2方向に関して第1部分の隣に位置する第2部分と、を有し、
前記第2方向に関する第1部分の第5寸法は、前記第2寸法以下であり、
前記第1部分からの前記露光光を前記第1領域に入射し、前記第2領域に入射しない露光方法。
【請求項12】
前記基板の移動において、第1検出領域に配置された前記基板の表面の位置を第1検出装置で検出することと、
前記第1方向に関して前記第1検出領域とは異なる位置に配置される前記第2検出領域に配置された前記基板の表面の位置を検出することと、を含み、
前記第1、第2検出領域の両方に前記基板が配置される第1状態において、前記第1部分の像を前記基板に投影し、
前記第1、第2検出領域の少なくとも一方に前記基板が配置されない第2状態において、前記第1部分の像を前記基板に投影しない請求項11に記載の露光方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
露光された前記基板を露光結果に基づいて処理することと、を含むデバイス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−242811(P2012−242811A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116308(P2011−116308)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】