マットセンサ
【課題】 従来のマットセンサは、凹凸面に敏感で変形量が大きく屈曲して使用する場合には誤動作しやすく、また、振動や摩擦が加わると開口部でアルミ箔や蒸着膜が摩耗し導通不良が発生しやすく、ねじり運動やずらし移動に対して損傷しやすい問題があった。
【解決手段】 センサを絶縁保護するための表面保護シ−トと、上下一対の対向電極シ−トと、電極シートの中間に複数の開口部を持ち、荷重により圧縮変形する絶縁スペーサーシ−トからなり、電極シートを表面保護シートへ固定し、表面保護シートの外周をスペーサーや電極シートが当たらないようにし、リード線を表面保護シートの外部へ出るようにして一緒に固定する方法を採用する。スペーサーはポリエステル繊維を素繊維とする。
【解決手段】 センサを絶縁保護するための表面保護シ−トと、上下一対の対向電極シ−トと、電極シートの中間に複数の開口部を持ち、荷重により圧縮変形する絶縁スペーサーシ−トからなり、電極シートを表面保護シートへ固定し、表面保護シートの外周をスペーサーや電極シートが当たらないようにし、リード線を表面保護シートの外部へ出るようにして一緒に固定する方法を採用する。スペーサーはポリエステル繊維を素繊維とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、介護、医療分野でベッド上の人の有無や起きあがり、離床の検出及び車イスの転落、着座検出用のマットセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年 ベッド、車イス等の安全性、高機能化が進み、また少子高齢化社会に対応した介護、医療、リハビリ機器が開発されている。また ベッド、座席に対する監視機能も強化され、人体に接触して長時間感知する柔軟性、耐久性の優れたマットセンサが望まれている。 (市販のマットセンサ例としては、株式会社テクノスジャパン社の“ベッドコール”、“座コール”、株式会社アサヒメデイケア社の ベッドセンサー“ツインパッド100”、チェアセンサー“R13”等が上げられ、また関連する特許公開例として特開2004−154242特開2003−289995,特開2003−265546、特開2002−165845、特開2000−311564号等に開示されている。)
【0003】
近年 病院、介護施設、家庭内等において看護者の不足から 重度の患者が不用意にベッドから起き上がり転落、落下した場合早期に発見して事故を未然に防ぐ監視システムの導入が重要となり、長時間の使用においても誤動作の少ないセンサのニ−ズが高まっている。
【0004】
ベッドに敷いて人の有無、起きあがりを感知する、接触感知タイプのベッドセンサーにおいて感触がソフトで違和感の少ない信頼性の高いマットセンサが望まれている。
【0005】
車イスにおいても障害者や、患者が一人で移動している時にあやまって転落、転倒した時に、感知して警報するシステムが必要となって来ている、これに使用する着座検出センサとしても感触がソフトで違和感の少ない耐久性、信頼性の良いセンサが望まれている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−154242
【特許文献2】特開2003−289995
【特許文献3】特開2003−265546
【特許文献4】特開2002−165845
【特許文献5】特開2000−311564
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のマットセンサは、金属薄板接点を合成樹脂でモールドした線状スイッチや樹脂フイルムに電極、配線パターンをカーボン、銀ペーストインキ等で印刷したメンブレンスイッチにより構成されているため、人体が接触した場合に線状スイッチタイプは固く冷たい感じがあり、特に長時間の使用は凸凹が大きいため違和感が大きく永久変形もし易い問題があった。またメンブレンスイッチタイプのセンサは印刷したカーボン接点が摩耗し易いことから耐久性の面で問題があり、厚みが0.1mmから0.5mmと非常に薄いことから、凹凸面に敏感で変形量が大きく屈曲して使用する場合には誤動作しやすい問題があった。
また 規則的な開口部を持つ発泡ゴムシートや、発泡ポリウレタンシートを絶縁スペーサーに採用し、上下対向電極にアルミ箔と樹脂フイルムを接合したもの、あるいはアルミ薄膜を合成樹脂フイルムへ蒸着した複合電極シートを採用したセンサは感触や柔軟性は改善されるが、振動や摩擦が加わると開口部で接触する度にアルミ箔や蒸着膜が摩耗して導通不良が発生する問題あった。また寸法の大きなセンサにおいては内部が袋状となりセンサの剪断強度が低下してねじり運動やずらし移動に対して損傷しやすい問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の問題点を解決する手段として図1、においてセンサ1を絶縁保護するための表面保護シ−ト5と、リ−ド線2が接続された、荷重変化を導通信号として取り出すための上下一対の対向電極シ−ト(以下電極シート3)3a、3bと、この中間に複数の開口部15を持ち、荷重により圧縮変形する絶縁スペーサーシ−ト(以下スペーサー)4からなり、電極シート3を表面保護シート5へ接着あるいは、高周波加熱やニクロム線ヒーターへ電流を流して両シートの溶融する温度まで加熱し、両シートを金型等で加圧し熱溶着(以下ヒートシール)した後冷却して固定する、更に表面保護シート5の外周をスペーサー4や電極シートが当たらないようにし、更にリード線2を表面保護シート5の外部へ出るようにして一緒にヒートシールし固定する方法を採用する。
【0009】
センサ1に対して電極シート3の固定部分を電極シート3の外側の全面ないし外周部分のみを表面保護シート5へ固定しその他の部分は自由な状態にした電極シート3の固定方法を採用する。
【0010】
センサ1を保護する表面保護シ−ト5としてポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、等の合成樹脂のシートを採用する。
【0011】
電極シ−ト3に寸法が表面保護シート5、スペーサー4より小さく、ポリイミド、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、ポリエチレン、等の合成樹脂繊維12の布状織物で一定の間隔で、この合成樹脂繊維12の表面へ金属メッキ13した導電性繊維14を、絶縁性の合成樹脂繊維12と混合して布状に織り込んだ導電性布と、弾力性の優れたポリエステル合成樹脂フィイルム11を接着、あるいは粘着固定した柔軟性、弾力性、導電性の優れた複合シートを電極シート3として、導電性布側がスペーサー4の開口部15に対向するようにして採用する。
【0012】
スペーサー4の寸法が電極シート3より大きく表面保護シート5より小さく、開口部16以外は対向する電極シート3が接触することがないようにして配置し、開口部15が所定の間隔で円形ないし異形に開口し、合成樹脂の素繊維を不規則に接合した不織布シートを採用する。
また 寸法の大きなセンサにおいては内部が袋状となり剪断強度が低下するため、これを防止する手段として、検出面を2分割ないし4分割等の複数に分割して小面積化し、この分割した境界部分の不感部分を接着固定することで、ベッド上のねじり運動やずらし移動に対する耐久性を高める。
【0013】
電極シート3へ使用する導電性布は、合成樹脂の素繊維12の表面へ金属メッキ13したものを単独ないし複数本、金属メッキしない合成樹脂繊維12を混合して撚糸し、金属メッキしない合成樹脂繊維12と一定の間隔で織り込んだものを採用する。また分割された複数の電極シート3の相互間は導電性布16で熱溶着して固定すると共に電気的に接続する。これは合成樹脂繊維部分を溶かして溶着固定する事により、導電性繊維同士が複数の箇所で接触して電気的に接続される。
また 使用中に内部の空気が減少し真空状態になるのを防止する、空気が出入りする開口穴18を複数設けて誤動作を防止する。
これらの採用により感触がソフトで、柔軟性、耐久性が優れ人体が長時間ベッドに寝た時や、座席に着座した時の違和感を改善したマットセンサ1を提供する。
【発明の効果】
【0014】
金属薄板接点を合成樹脂でモールドした線状スイッチを使用した従来のマットセンサの固く冷たい感じを改善するため、電極シートに合成樹脂繊維の表面へ金属メッキした導電性繊維を、絶縁性合成樹脂繊維と混合して布状に織り込んで導電性を付与した柔軟性の高い導電性布を採用し、弾力性の優れたポリエステル合成樹脂フィイルムを接着、あるいは粘着固定して複合化することにより導電性布のたるみ、復元性を改善し柔軟性や弾力性の優れた電極シートと合成樹脂の素繊維を不規則に接合した不織布シートをスペーサーに採用することにより人体との接触がソフトで違和感が少ないマットセンサの提供が可能になり、センサに加わる振動、衝撃、を吸収し電極シートの摩擦に対する損傷、疲労を軽減する。また 内部が袋状となり剪断強度が低下する問題に対しては、検出面を複数に分割して固定することにより改善し、ねじり運動やずらし移動に対する耐久性を向上させたマットセンサを提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
スペーサーとして、ポリエステル繊維を素繊維として、これを不規則に接合した不織布シートを ある一定の間隔で円形に開口したスペーサーを採用し、この上下に電極としてポリエステル繊維の表面へ銀をメッキした導電性繊維と、絶縁性繊維を布状に織り込んだ導電性の布とポリエステルフイルムを粘着固定した複合シートを電極シートとして採用し、電気信号を取り出すリ−ド線としてイラックスHF電線を採用しリ−ド線と複合シート電極との電気的接続を圧着端子と真鍮製のハトメを使用して圧着接続固定し、センサ面に対して電極の固定部分をセンサの上側電極外周部分、下側電極の外周部分のみを表面保護シートと粘着固定し、その他の部分は自由な状態にした電極の固定方法を採用し、上下の複合シート電極の外側を絶縁性のあるポリエチレンシートで保護し、分割された複数の電極シート間は導電性布で熱溶着して電気的に接続し、表面保護シートの外周と複数の検出面の境界で不感部分をヒートシールにより固定され、空気の出入りする開口穴を有するマットセンサ。
【実施例】
【0016】
実施例1
スペーサー4として、日本バイリーン株式会社製 不織布“ED−17”を 外形 寸法、縦120mm、横350mm、に裁断し、開口部15を電極シート3の面積範囲内に縦25mm横15mmピッチの間隔の交点を千鳥状にΦ18mmの穴にプレス開口成形したものを4枚採用した。
電極シート3としてポリイミド繊維の表面へ銀をメッキした導電性繊維とポリエステル繊維を布状に織り込んだ導電性布9にカネボウ繊維株式会社製“エックスエイジ”AG−02を採用し、これに東レ株式会社製 ポリエステルフイルム11“ルミラー”の50ミクロンに、住友スリーエム株式会社製 スプレーのり“77”を吹き付けて貼り付け、縦100mm、横730mmに裁断し検出面を4分割にするため中央部に60mm幅の絶縁テープ10を貼り絶縁したものを4枚採用し、2枚を一組として上下電極シート3a、3b用として採用しその中間を導電性布16とヒートシールして電気的に接続した。
電気信号を取り出すリ−ド線6として住友電工株式会社製“イラックスHF電線”UL 3302 AWG22 ( 錫メッキ軟銅線)長さ120mm両端を4mmストリップしたものを採用しリード線6の片側末端を、大同端子製造株式会社製の圧着端子7“R1.25-5”を取り付け、上記 電極シート3の右端をポンチにてΦ5の穴を開けて、藤原産業株式会社製の真鍮ハトメ8“NO.5−B”を真鍮にニッケルメッキした平ワッシャ17外形Φ12内径Φ6厚さ0.8mmと電極シート3の穴と圧着端子7の穴に通しカシメ治具により圧着固定して電気的に接続固定した。この場合電極シート3の導電性布9“エックスエイジ”側に平ワッシャ17と真鍮ハトメ8のツバが接触するようにカシメ加工したものを採用した。
センサ表面保護シ−ト5として大倉工業株式会社製“ポリエチレンシート”(縦320mm、横820mm厚さ0.1mm)を2枚採用した。
上記リード線6の接続された電極シート3の外周端10mm幅を、日東電工株式会社製 両面粘着テープ NO.5000NSを使用して表面保護シート5へ接着固定した。
スペーサー4を上記の表面保護シート5に固定された下側電極シート3bの上に置き、その上から外周と中間部分をヒートシール加工し、更にスペーサー4の上に上側電極シート3aを乗せて上側表面保護シート5の外周と電極シート3とスペーサー4の無い分割不感部分5a、5b、5c、をヒートシール加工して検出面を4分割に分割固定し、更に空気が出入りする開口穴、穴径2mmを4カ所設けた幅320mm、長さ820mm、厚さ4mmの検出面を4分割に分離したマットセンサ1を得た。
【0017】
上記 実施例1のマットセンサ1を平面状態から半径100mmのアールまで変形させた場合の変形半径−電気導通の変化デ−タを表1に示す。
【表1】
また比較のため、従来型でセンサの外形、接点部分の配列が同等で金属薄板接点を採用した線状タイプのセンサ、比較例3の変形半径−電気導通の変化結果も表1に示す。
【0018】
実施例2
スペーサー4として、日本バイリーン社製の不織布シ−ト“U−100”を縦 120mm、横 750mm、に裁断し開口部15を電極シート3の面積範囲内に縦25m m、横15mmピッチの間隔の交点を千鳥状にΦ18mmの穴にプレス開口成形したものを2枚採用し、電極シート3としてポリエステル繊維の表面へ銀をメッキした導電性繊維とポリエステル繊維を布状に織り込んだ導電性布9の三ッ富士繊維工業株式会社製“銀メッキ繊維布”KR30D04GRを採用し、これに東レ株式会社製 ポリエステルフイルム11“ルミラー”の50ミクロンへ住友スリーエム株式会社製 スプレーのり“77”を吹き付けた後に貼り付けて縦100mm、横720mm、に裁断した複合シートを4枚採用し、2枚を一組として電極シート3a,3b用として採用しその中間を導電性布16とヒートシールして電気的に接続した。
電気信号を取り出すリ−ド6線として住友電工株式会社製“イラックスHF電線”UL 3302 AWG22 ( 錫メッキ軟銅線)長さ100mm両端を4mmストリップしたものを採用しリード線6の片側末端を大同端子製造株式会社製の圧着端子7“R1.25−5”を圧着して取り付け、電極シート3の右端をポンチにてΦ5の穴を開けて、藤原産業株式会社製の真鍮ハトメ8“NO.5−B”を真鍮にニッケルメッキした平ワッシャ17外形Φ12内径Φ6厚さ0.8mmと電極シート3の穴と圧着端子7の穴に通しカシメ治具によりハトメ8を圧着固定して電気的に接続固定した。この場合複合シートの導電性布側に平ワッシャ17と真鍮ハトメ8のツバが接触するようにカシメ加工したものを採用した。
センサ表面保護シ−ト5として オカモト株式会社製 スパーフイルム“ノンタックE”(縦 320mm、横820mm厚さ0.15mm)PVCシートを2枚採用した。
上下電極シート3a、3bのポリエステルフイルム11面の外周端10mm幅を株式会社スリオンテック社製 両面粘着テープ No.5486を使用して接着固定した。
スペーサー4を上記の表面保護シート5に固定された下側電極シート3bの上に置き、その上から外周と中間部分をヒートシール加工し、更にスペーサー4の上に上側電極シート3aを乗せて上側表面保護シート5の外周と電極シート3とスペーサー4の無い分割不感部分5a、5b、5cをヒートシール加工して検出面を2分割に分割固定し、更に空気が出入りする開口穴18、穴径2mmを4カ所設けた幅320mm、長さ820mm、厚さ4mmの検出面を2分割に分離したマットセンサ1を得た。
【0019】
上記 実施例1,実施例2のマットセンサ1を平面状態から半径100mmのアールで変形させた場合の変形半径−電気導通の変化デ−タを表1に、また500g/cm2の荷重を乗せて角度15度の回転ねじり運動を加えた場合の比較を表2に示す。
【表2】
【0020】
比較例1
スペーサーとして、日本バイリーン株式会社製 不織布“ES− 800”を 外形 寸法、縦280mm、横750mm、に裁断し、このシートの縦25mm、横15mmピッチの間隔の交点を千鳥状にΦ16mmの穴にプレス開口成形したものを1枚採用した。
電極シート3としてポリエステル繊維の表面へ銀をメッキした導電性繊維とポリエステル繊維を布状に織り込んだ導電性布9として三ッ富士繊維工業株式会社製“銀メッキ繊維布”KR30D04GRを採用し、これに東レ株式会社製 ポリエステルフイルム11“ルミラー”の50ミクロンを、住友スリーエム株式会社製 スプレーのり“77”を吹き付けて貼り付け縦250mm、横720mm、に裁断し、上下各2枚の電極シート3を採用した。
電気信号を取り出すリ−ド線6として住友電工株式会社製“イラックスHF電線”UL−3302 AWG22 ( 錫メッキ軟銅線)長さ100mm両端を4mmストリップしたものを採用しリード線の片側末端を大同端子製造株式会社製の圧着端子“R1.25−5”を圧着して取り付け、上記 電極シート3の右端をポンチにてΦ5の穴を開けて、藤原産業株式会社製の真鍮ハトメ“NO.5−B”を真鍮にニッケルメッキした平ワッシャ17外形Φ12内径Φ6厚さ0.8mmと電極シート3の穴と圧着端子7に通し、カシメ治具によりハトメ8を圧着固定して電気的に接続固定した。この場合電極シート3の導電性布9側に平ワッシャ17と真鍮ハトメのツバが接触するようにカシメ加工したものを採用した。
センサ表面保護シ−ト5として オカモト株式会社製 スパーフイルム“ノンタックE”(縦 320mm、横820mm厚さ0.15mm)PVCシートを2枚採用した。
電極シート3のポリエステルフイルム11面の外周端10mm幅を株式会社スリオンテック社製 両面粘着テープ No.5486を使用して上記表面保護シート5に接着固定した。
スペーサー4を上記の表面保護シート5に固定された下側電極シート3bの上に置き、その上から外周をヒートシール加工し、更にスペーサー4の上に上側電極シート3aを乗せて上側表面保護シートの電極シート3とスペーサー4の無い外周部分5a、5cをヒートシール加工して検出面を固定し、更に空気が出入りする開口穴18、穴径2mmを4カ所設けた幅320mm、長さ820mm、厚さ4mmのマットセンサ1を得た。
【0021】
上記 比較例1のマットセンサ柔軟性を評価するため、平面状態から半径100mmのアールで変形させた場合の変形半径−電気導通の変化デ−タを表1に、耐久性を評価するため、500g/cm2の荷重を乗せて角度15度の回転ねじり運動を加えた場合の比較を表2に、上下10mmずらし移動運動での比較を表3に示す。
【表3】
また従来品との比較として上記の比較例1の構成でスペーサー4に発泡ポリウレタンシートと電極シート3に塩化ビニルシートにアルミ箔を接合した複合シートを採用したマットセンサ1を比較例2として比較した。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1における斜視図である。
【図2】同実施例1におけるA−A断面図である。
【図3】同実施例1,実施例2,実施例3,の電極の平面図である。
【図4】同実施例1,実施例2,実施例3,の電極の導電性布の拡大図である。
【図5】同実施例1,実施例2,実施例3,の電極の側面図である。
【図6】同実施例1,実施例2,実施例3,の電極の金属メッキ導電性繊維の模式図である。
【図7】同実施例1のスペーサーシートの平面図である。
【図8】同実施例1のスペーサーシートのB−B断面図である。
【図9】本発明の実施例2における斜視図である。
【図10】本発明の実施例2におけるA−A断面図である。
【図11】比較例1における斜視図である。
【図12】比較例1におけるA−A断面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 マットセンサ
2 圧着端子付きリード線
3 電極シート
3a 上側電極シート
3b 下側電極シート
4 スペーサーシート
5 表面保護シート
5a 表面保護シートの外周溶着部分
5b 表面保護シートの分割した不感部分の溶着部分
5c 表面保護シートの外周溶着部分
6 リード線
7 圧着端子
8 ハトメ
9 導電性布
10 絶縁テープ
11 PETフイルム
12 合成樹脂繊維の素繊維
13 金属メッキ膜
14 導電性繊維
15 開口部
16 導電性布
17 平ワッシャ
18 空気出入り用開口穴
【技術分野】
【0001】
本発明は、介護、医療分野でベッド上の人の有無や起きあがり、離床の検出及び車イスの転落、着座検出用のマットセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年 ベッド、車イス等の安全性、高機能化が進み、また少子高齢化社会に対応した介護、医療、リハビリ機器が開発されている。また ベッド、座席に対する監視機能も強化され、人体に接触して長時間感知する柔軟性、耐久性の優れたマットセンサが望まれている。 (市販のマットセンサ例としては、株式会社テクノスジャパン社の“ベッドコール”、“座コール”、株式会社アサヒメデイケア社の ベッドセンサー“ツインパッド100”、チェアセンサー“R13”等が上げられ、また関連する特許公開例として特開2004−154242特開2003−289995,特開2003−265546、特開2002−165845、特開2000−311564号等に開示されている。)
【0003】
近年 病院、介護施設、家庭内等において看護者の不足から 重度の患者が不用意にベッドから起き上がり転落、落下した場合早期に発見して事故を未然に防ぐ監視システムの導入が重要となり、長時間の使用においても誤動作の少ないセンサのニ−ズが高まっている。
【0004】
ベッドに敷いて人の有無、起きあがりを感知する、接触感知タイプのベッドセンサーにおいて感触がソフトで違和感の少ない信頼性の高いマットセンサが望まれている。
【0005】
車イスにおいても障害者や、患者が一人で移動している時にあやまって転落、転倒した時に、感知して警報するシステムが必要となって来ている、これに使用する着座検出センサとしても感触がソフトで違和感の少ない耐久性、信頼性の良いセンサが望まれている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−154242
【特許文献2】特開2003−289995
【特許文献3】特開2003−265546
【特許文献4】特開2002−165845
【特許文献5】特開2000−311564
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のマットセンサは、金属薄板接点を合成樹脂でモールドした線状スイッチや樹脂フイルムに電極、配線パターンをカーボン、銀ペーストインキ等で印刷したメンブレンスイッチにより構成されているため、人体が接触した場合に線状スイッチタイプは固く冷たい感じがあり、特に長時間の使用は凸凹が大きいため違和感が大きく永久変形もし易い問題があった。またメンブレンスイッチタイプのセンサは印刷したカーボン接点が摩耗し易いことから耐久性の面で問題があり、厚みが0.1mmから0.5mmと非常に薄いことから、凹凸面に敏感で変形量が大きく屈曲して使用する場合には誤動作しやすい問題があった。
また 規則的な開口部を持つ発泡ゴムシートや、発泡ポリウレタンシートを絶縁スペーサーに採用し、上下対向電極にアルミ箔と樹脂フイルムを接合したもの、あるいはアルミ薄膜を合成樹脂フイルムへ蒸着した複合電極シートを採用したセンサは感触や柔軟性は改善されるが、振動や摩擦が加わると開口部で接触する度にアルミ箔や蒸着膜が摩耗して導通不良が発生する問題あった。また寸法の大きなセンサにおいては内部が袋状となりセンサの剪断強度が低下してねじり運動やずらし移動に対して損傷しやすい問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の問題点を解決する手段として図1、においてセンサ1を絶縁保護するための表面保護シ−ト5と、リ−ド線2が接続された、荷重変化を導通信号として取り出すための上下一対の対向電極シ−ト(以下電極シート3)3a、3bと、この中間に複数の開口部15を持ち、荷重により圧縮変形する絶縁スペーサーシ−ト(以下スペーサー)4からなり、電極シート3を表面保護シート5へ接着あるいは、高周波加熱やニクロム線ヒーターへ電流を流して両シートの溶融する温度まで加熱し、両シートを金型等で加圧し熱溶着(以下ヒートシール)した後冷却して固定する、更に表面保護シート5の外周をスペーサー4や電極シートが当たらないようにし、更にリード線2を表面保護シート5の外部へ出るようにして一緒にヒートシールし固定する方法を採用する。
【0009】
センサ1に対して電極シート3の固定部分を電極シート3の外側の全面ないし外周部分のみを表面保護シート5へ固定しその他の部分は自由な状態にした電極シート3の固定方法を採用する。
【0010】
センサ1を保護する表面保護シ−ト5としてポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、等の合成樹脂のシートを採用する。
【0011】
電極シ−ト3に寸法が表面保護シート5、スペーサー4より小さく、ポリイミド、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、ポリエチレン、等の合成樹脂繊維12の布状織物で一定の間隔で、この合成樹脂繊維12の表面へ金属メッキ13した導電性繊維14を、絶縁性の合成樹脂繊維12と混合して布状に織り込んだ導電性布と、弾力性の優れたポリエステル合成樹脂フィイルム11を接着、あるいは粘着固定した柔軟性、弾力性、導電性の優れた複合シートを電極シート3として、導電性布側がスペーサー4の開口部15に対向するようにして採用する。
【0012】
スペーサー4の寸法が電極シート3より大きく表面保護シート5より小さく、開口部16以外は対向する電極シート3が接触することがないようにして配置し、開口部15が所定の間隔で円形ないし異形に開口し、合成樹脂の素繊維を不規則に接合した不織布シートを採用する。
また 寸法の大きなセンサにおいては内部が袋状となり剪断強度が低下するため、これを防止する手段として、検出面を2分割ないし4分割等の複数に分割して小面積化し、この分割した境界部分の不感部分を接着固定することで、ベッド上のねじり運動やずらし移動に対する耐久性を高める。
【0013】
電極シート3へ使用する導電性布は、合成樹脂の素繊維12の表面へ金属メッキ13したものを単独ないし複数本、金属メッキしない合成樹脂繊維12を混合して撚糸し、金属メッキしない合成樹脂繊維12と一定の間隔で織り込んだものを採用する。また分割された複数の電極シート3の相互間は導電性布16で熱溶着して固定すると共に電気的に接続する。これは合成樹脂繊維部分を溶かして溶着固定する事により、導電性繊維同士が複数の箇所で接触して電気的に接続される。
また 使用中に内部の空気が減少し真空状態になるのを防止する、空気が出入りする開口穴18を複数設けて誤動作を防止する。
これらの採用により感触がソフトで、柔軟性、耐久性が優れ人体が長時間ベッドに寝た時や、座席に着座した時の違和感を改善したマットセンサ1を提供する。
【発明の効果】
【0014】
金属薄板接点を合成樹脂でモールドした線状スイッチを使用した従来のマットセンサの固く冷たい感じを改善するため、電極シートに合成樹脂繊維の表面へ金属メッキした導電性繊維を、絶縁性合成樹脂繊維と混合して布状に織り込んで導電性を付与した柔軟性の高い導電性布を採用し、弾力性の優れたポリエステル合成樹脂フィイルムを接着、あるいは粘着固定して複合化することにより導電性布のたるみ、復元性を改善し柔軟性や弾力性の優れた電極シートと合成樹脂の素繊維を不規則に接合した不織布シートをスペーサーに採用することにより人体との接触がソフトで違和感が少ないマットセンサの提供が可能になり、センサに加わる振動、衝撃、を吸収し電極シートの摩擦に対する損傷、疲労を軽減する。また 内部が袋状となり剪断強度が低下する問題に対しては、検出面を複数に分割して固定することにより改善し、ねじり運動やずらし移動に対する耐久性を向上させたマットセンサを提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
スペーサーとして、ポリエステル繊維を素繊維として、これを不規則に接合した不織布シートを ある一定の間隔で円形に開口したスペーサーを採用し、この上下に電極としてポリエステル繊維の表面へ銀をメッキした導電性繊維と、絶縁性繊維を布状に織り込んだ導電性の布とポリエステルフイルムを粘着固定した複合シートを電極シートとして採用し、電気信号を取り出すリ−ド線としてイラックスHF電線を採用しリ−ド線と複合シート電極との電気的接続を圧着端子と真鍮製のハトメを使用して圧着接続固定し、センサ面に対して電極の固定部分をセンサの上側電極外周部分、下側電極の外周部分のみを表面保護シートと粘着固定し、その他の部分は自由な状態にした電極の固定方法を採用し、上下の複合シート電極の外側を絶縁性のあるポリエチレンシートで保護し、分割された複数の電極シート間は導電性布で熱溶着して電気的に接続し、表面保護シートの外周と複数の検出面の境界で不感部分をヒートシールにより固定され、空気の出入りする開口穴を有するマットセンサ。
【実施例】
【0016】
実施例1
スペーサー4として、日本バイリーン株式会社製 不織布“ED−17”を 外形 寸法、縦120mm、横350mm、に裁断し、開口部15を電極シート3の面積範囲内に縦25mm横15mmピッチの間隔の交点を千鳥状にΦ18mmの穴にプレス開口成形したものを4枚採用した。
電極シート3としてポリイミド繊維の表面へ銀をメッキした導電性繊維とポリエステル繊維を布状に織り込んだ導電性布9にカネボウ繊維株式会社製“エックスエイジ”AG−02を採用し、これに東レ株式会社製 ポリエステルフイルム11“ルミラー”の50ミクロンに、住友スリーエム株式会社製 スプレーのり“77”を吹き付けて貼り付け、縦100mm、横730mmに裁断し検出面を4分割にするため中央部に60mm幅の絶縁テープ10を貼り絶縁したものを4枚採用し、2枚を一組として上下電極シート3a、3b用として採用しその中間を導電性布16とヒートシールして電気的に接続した。
電気信号を取り出すリ−ド線6として住友電工株式会社製“イラックスHF電線”UL 3302 AWG22 ( 錫メッキ軟銅線)長さ120mm両端を4mmストリップしたものを採用しリード線6の片側末端を、大同端子製造株式会社製の圧着端子7“R1.25-5”を取り付け、上記 電極シート3の右端をポンチにてΦ5の穴を開けて、藤原産業株式会社製の真鍮ハトメ8“NO.5−B”を真鍮にニッケルメッキした平ワッシャ17外形Φ12内径Φ6厚さ0.8mmと電極シート3の穴と圧着端子7の穴に通しカシメ治具により圧着固定して電気的に接続固定した。この場合電極シート3の導電性布9“エックスエイジ”側に平ワッシャ17と真鍮ハトメ8のツバが接触するようにカシメ加工したものを採用した。
センサ表面保護シ−ト5として大倉工業株式会社製“ポリエチレンシート”(縦320mm、横820mm厚さ0.1mm)を2枚採用した。
上記リード線6の接続された電極シート3の外周端10mm幅を、日東電工株式会社製 両面粘着テープ NO.5000NSを使用して表面保護シート5へ接着固定した。
スペーサー4を上記の表面保護シート5に固定された下側電極シート3bの上に置き、その上から外周と中間部分をヒートシール加工し、更にスペーサー4の上に上側電極シート3aを乗せて上側表面保護シート5の外周と電極シート3とスペーサー4の無い分割不感部分5a、5b、5c、をヒートシール加工して検出面を4分割に分割固定し、更に空気が出入りする開口穴、穴径2mmを4カ所設けた幅320mm、長さ820mm、厚さ4mmの検出面を4分割に分離したマットセンサ1を得た。
【0017】
上記 実施例1のマットセンサ1を平面状態から半径100mmのアールまで変形させた場合の変形半径−電気導通の変化デ−タを表1に示す。
【表1】
また比較のため、従来型でセンサの外形、接点部分の配列が同等で金属薄板接点を採用した線状タイプのセンサ、比較例3の変形半径−電気導通の変化結果も表1に示す。
【0018】
実施例2
スペーサー4として、日本バイリーン社製の不織布シ−ト“U−100”を縦 120mm、横 750mm、に裁断し開口部15を電極シート3の面積範囲内に縦25m m、横15mmピッチの間隔の交点を千鳥状にΦ18mmの穴にプレス開口成形したものを2枚採用し、電極シート3としてポリエステル繊維の表面へ銀をメッキした導電性繊維とポリエステル繊維を布状に織り込んだ導電性布9の三ッ富士繊維工業株式会社製“銀メッキ繊維布”KR30D04GRを採用し、これに東レ株式会社製 ポリエステルフイルム11“ルミラー”の50ミクロンへ住友スリーエム株式会社製 スプレーのり“77”を吹き付けた後に貼り付けて縦100mm、横720mm、に裁断した複合シートを4枚採用し、2枚を一組として電極シート3a,3b用として採用しその中間を導電性布16とヒートシールして電気的に接続した。
電気信号を取り出すリ−ド6線として住友電工株式会社製“イラックスHF電線”UL 3302 AWG22 ( 錫メッキ軟銅線)長さ100mm両端を4mmストリップしたものを採用しリード線6の片側末端を大同端子製造株式会社製の圧着端子7“R1.25−5”を圧着して取り付け、電極シート3の右端をポンチにてΦ5の穴を開けて、藤原産業株式会社製の真鍮ハトメ8“NO.5−B”を真鍮にニッケルメッキした平ワッシャ17外形Φ12内径Φ6厚さ0.8mmと電極シート3の穴と圧着端子7の穴に通しカシメ治具によりハトメ8を圧着固定して電気的に接続固定した。この場合複合シートの導電性布側に平ワッシャ17と真鍮ハトメ8のツバが接触するようにカシメ加工したものを採用した。
センサ表面保護シ−ト5として オカモト株式会社製 スパーフイルム“ノンタックE”(縦 320mm、横820mm厚さ0.15mm)PVCシートを2枚採用した。
上下電極シート3a、3bのポリエステルフイルム11面の外周端10mm幅を株式会社スリオンテック社製 両面粘着テープ No.5486を使用して接着固定した。
スペーサー4を上記の表面保護シート5に固定された下側電極シート3bの上に置き、その上から外周と中間部分をヒートシール加工し、更にスペーサー4の上に上側電極シート3aを乗せて上側表面保護シート5の外周と電極シート3とスペーサー4の無い分割不感部分5a、5b、5cをヒートシール加工して検出面を2分割に分割固定し、更に空気が出入りする開口穴18、穴径2mmを4カ所設けた幅320mm、長さ820mm、厚さ4mmの検出面を2分割に分離したマットセンサ1を得た。
【0019】
上記 実施例1,実施例2のマットセンサ1を平面状態から半径100mmのアールで変形させた場合の変形半径−電気導通の変化デ−タを表1に、また500g/cm2の荷重を乗せて角度15度の回転ねじり運動を加えた場合の比較を表2に示す。
【表2】
【0020】
比較例1
スペーサーとして、日本バイリーン株式会社製 不織布“ES− 800”を 外形 寸法、縦280mm、横750mm、に裁断し、このシートの縦25mm、横15mmピッチの間隔の交点を千鳥状にΦ16mmの穴にプレス開口成形したものを1枚採用した。
電極シート3としてポリエステル繊維の表面へ銀をメッキした導電性繊維とポリエステル繊維を布状に織り込んだ導電性布9として三ッ富士繊維工業株式会社製“銀メッキ繊維布”KR30D04GRを採用し、これに東レ株式会社製 ポリエステルフイルム11“ルミラー”の50ミクロンを、住友スリーエム株式会社製 スプレーのり“77”を吹き付けて貼り付け縦250mm、横720mm、に裁断し、上下各2枚の電極シート3を採用した。
電気信号を取り出すリ−ド線6として住友電工株式会社製“イラックスHF電線”UL−3302 AWG22 ( 錫メッキ軟銅線)長さ100mm両端を4mmストリップしたものを採用しリード線の片側末端を大同端子製造株式会社製の圧着端子“R1.25−5”を圧着して取り付け、上記 電極シート3の右端をポンチにてΦ5の穴を開けて、藤原産業株式会社製の真鍮ハトメ“NO.5−B”を真鍮にニッケルメッキした平ワッシャ17外形Φ12内径Φ6厚さ0.8mmと電極シート3の穴と圧着端子7に通し、カシメ治具によりハトメ8を圧着固定して電気的に接続固定した。この場合電極シート3の導電性布9側に平ワッシャ17と真鍮ハトメのツバが接触するようにカシメ加工したものを採用した。
センサ表面保護シ−ト5として オカモト株式会社製 スパーフイルム“ノンタックE”(縦 320mm、横820mm厚さ0.15mm)PVCシートを2枚採用した。
電極シート3のポリエステルフイルム11面の外周端10mm幅を株式会社スリオンテック社製 両面粘着テープ No.5486を使用して上記表面保護シート5に接着固定した。
スペーサー4を上記の表面保護シート5に固定された下側電極シート3bの上に置き、その上から外周をヒートシール加工し、更にスペーサー4の上に上側電極シート3aを乗せて上側表面保護シートの電極シート3とスペーサー4の無い外周部分5a、5cをヒートシール加工して検出面を固定し、更に空気が出入りする開口穴18、穴径2mmを4カ所設けた幅320mm、長さ820mm、厚さ4mmのマットセンサ1を得た。
【0021】
上記 比較例1のマットセンサ柔軟性を評価するため、平面状態から半径100mmのアールで変形させた場合の変形半径−電気導通の変化デ−タを表1に、耐久性を評価するため、500g/cm2の荷重を乗せて角度15度の回転ねじり運動を加えた場合の比較を表2に、上下10mmずらし移動運動での比較を表3に示す。
【表3】
また従来品との比較として上記の比較例1の構成でスペーサー4に発泡ポリウレタンシートと電極シート3に塩化ビニルシートにアルミ箔を接合した複合シートを採用したマットセンサ1を比較例2として比較した。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1における斜視図である。
【図2】同実施例1におけるA−A断面図である。
【図3】同実施例1,実施例2,実施例3,の電極の平面図である。
【図4】同実施例1,実施例2,実施例3,の電極の導電性布の拡大図である。
【図5】同実施例1,実施例2,実施例3,の電極の側面図である。
【図6】同実施例1,実施例2,実施例3,の電極の金属メッキ導電性繊維の模式図である。
【図7】同実施例1のスペーサーシートの平面図である。
【図8】同実施例1のスペーサーシートのB−B断面図である。
【図9】本発明の実施例2における斜視図である。
【図10】本発明の実施例2におけるA−A断面図である。
【図11】比較例1における斜視図である。
【図12】比較例1におけるA−A断面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 マットセンサ
2 圧着端子付きリード線
3 電極シート
3a 上側電極シート
3b 下側電極シート
4 スペーサーシート
5 表面保護シート
5a 表面保護シートの外周溶着部分
5b 表面保護シートの分割した不感部分の溶着部分
5c 表面保護シートの外周溶着部分
6 リード線
7 圧着端子
8 ハトメ
9 導電性布
10 絶縁テープ
11 PETフイルム
12 合成樹脂繊維の素繊維
13 金属メッキ膜
14 導電性繊維
15 開口部
16 導電性布
17 平ワッシャ
18 空気出入り用開口穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサが上下の表面保護シ−トと、この内側に圧着端子の接続されたリ−ド線をハトメで接続した電気信号を取り出す上下一対の電極シ−トと、対向する内側の面が導電性を有しこの電極シートの中間に、開口部を有するスペーサーシ−トとから成り、スペーサーシートと電極シートを表面保護シートへ粘着あるいは熱溶着して固定し、更に表面保護シートの外周および検出面の境界部分に不感部分を有し、リード線を表面保護シートの外部へ出るようにして熱溶着あるいは接着剤で接着固定し、空気が出入りする開口穴を有することを特徴とするマットセンサ。
【請求項2】
電極シ−トがスペーサーシートの外形寸法より小さく、合成樹脂繊維と合成樹脂繊維へ金属メッキして導電性を付与した繊維を混合して一定の間隔で布状に織り込んだものを、合成樹脂フイルムに接着あるいは粘着した複合シートであることを特徴とする請求項1に記載のマットセンサ。
【請求項3】
スペーサーシ−トが表面保護シートの外形寸法より小さく、円形ないし異形の開口部を持ち、電気的に絶縁性で合成樹脂の素繊維が不規則に接合した不織布であることを特徴とする請求項1に記載のマットセンサ。
【請求項4】
スペーサーシ−トの寸法が電極シートより大きく表面保護シートより小さく、各シートがスペーサーシートを中心にして配置され、検出面を複数に分割して構成し分割した境界部分に不感部分を有し、不感部分が粘着あるいは熱溶着により固定され、また複数の電極シート間が導電性布により電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のマットセンサ。
【請求項5】
複数の電極シート間の電気的接続が合成樹脂繊維と合成樹脂繊維へ金属メッキして、導電性を付与した繊維を混合して一定の間隔で布状に織り込んだ導電性の布で、かつ両端を熱溶着により接続固定することを特徴とする請求項1に記載のマットセンサ。
【請求項1】
センサが上下の表面保護シ−トと、この内側に圧着端子の接続されたリ−ド線をハトメで接続した電気信号を取り出す上下一対の電極シ−トと、対向する内側の面が導電性を有しこの電極シートの中間に、開口部を有するスペーサーシ−トとから成り、スペーサーシートと電極シートを表面保護シートへ粘着あるいは熱溶着して固定し、更に表面保護シートの外周および検出面の境界部分に不感部分を有し、リード線を表面保護シートの外部へ出るようにして熱溶着あるいは接着剤で接着固定し、空気が出入りする開口穴を有することを特徴とするマットセンサ。
【請求項2】
電極シ−トがスペーサーシートの外形寸法より小さく、合成樹脂繊維と合成樹脂繊維へ金属メッキして導電性を付与した繊維を混合して一定の間隔で布状に織り込んだものを、合成樹脂フイルムに接着あるいは粘着した複合シートであることを特徴とする請求項1に記載のマットセンサ。
【請求項3】
スペーサーシ−トが表面保護シートの外形寸法より小さく、円形ないし異形の開口部を持ち、電気的に絶縁性で合成樹脂の素繊維が不規則に接合した不織布であることを特徴とする請求項1に記載のマットセンサ。
【請求項4】
スペーサーシ−トの寸法が電極シートより大きく表面保護シートより小さく、各シートがスペーサーシートを中心にして配置され、検出面を複数に分割して構成し分割した境界部分に不感部分を有し、不感部分が粘着あるいは熱溶着により固定され、また複数の電極シート間が導電性布により電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のマットセンサ。
【請求項5】
複数の電極シート間の電気的接続が合成樹脂繊維と合成樹脂繊維へ金属メッキして、導電性を付与した繊維を混合して一定の間隔で布状に織り込んだ導電性の布で、かつ両端を熱溶着により接続固定することを特徴とする請求項1に記載のマットセンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−82397(P2010−82397A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258057(P2008−258057)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(308031474)アロー産業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(308031474)アロー産業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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