マトリクス表示素子およびマトリクス表示装置
【課題】大きな曲率で曲げることができるマトリクス表示素子の実現。
【解決手段】並行に設けられた複数の第1帯状電極34を有する第1基板31と、並行に設けられた複数の第2帯状電極35を有する第2基板32とを対向して配置し、複数の第1帯状電極と複数の第2帯状電極の交差部に画素が形成されるマトリクス表示素子であって、第1基板31は、複数の第1帯状電極34を電気的に外部接続するための第1端子部36A,36Bを備え、第2基板32は、複数の第2帯状電極35を電気的に外部接続するための第2端子部37A,37Bを備え、第1端子部と第2端子部は、マトリクス表示素子の表示面の対向する所定の2辺に配置されており、対向する所定の2辺以外の辺には端子部が配置されない。
【解決手段】並行に設けられた複数の第1帯状電極34を有する第1基板31と、並行に設けられた複数の第2帯状電極35を有する第2基板32とを対向して配置し、複数の第1帯状電極と複数の第2帯状電極の交差部に画素が形成されるマトリクス表示素子であって、第1基板31は、複数の第1帯状電極34を電気的に外部接続するための第1端子部36A,36Bを備え、第2基板32は、複数の第2帯状電極35を電気的に外部接続するための第2端子部37A,37Bを備え、第1端子部と第2端子部は、マトリクス表示素子の表示面の対向する所定の2辺に配置されており、対向する所定の2辺以外の辺には端子部が配置されない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マトリクス表示素子およびマトリクス表示装置に関し、特に複数の帯状電極が交差するように配置して交差部に画素が形成されるマトリクス表示素子およびマトリクス表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、可撓性でフレキシブルな表示素子が、セグメント表示素子などで実現されており、セグメント表示素子より複雑な表示が可能なマトリクス表示素子でもフレキシブル化が要望されている。フレキシブルなマトリクス表示素子として電子ペーパーが注目されている。電子ペーパーの表示方式として、電気泳動方式、電子粉流体方式、ツイストボール方式、液晶表示ディスプレイ、有機EL表示ディスプレイなど各種の表示方式が提案されている。いずれの方式の電子ペーパーも、フレキシブルなフィルム基板をベースとすることで、可撓性を実現している。これらの方式のうち有機EL表示ディスプレイを除く電子ペーパーは、電源が無くても表示状態を保持可能で、電気的に書換え可能であるという特徴を有しており、超低消費電力の電子ペーパーが実現できる。
【0003】
電子ペーパーには、上記の紙のような可撓性と共に、目にやさしく、疲れない反射型の表示が要望されている。電子ペーパーの有力な方式にコレステリック液晶を使用した液晶表示素子(LCD)があり、反射型でカラー表示可能であることから注目されている。また、有機EL表示ディスプレイは自発光素子であるため、電源を切断することはできないが、可撓性のあるフレキシブルな素子を実現できる。
【0004】
このようなマトリクス表示素子は、表示数と製造コストの関係から、複数の帯状電極を形成した2枚の基板を、複数の帯状電極が交差するように対抗して配置し、交差部に画素が形成される単純マトリクス構造を採用するのが一般的である。以下、単純マトリクス型の液晶表示素子を例として説明を行うが、開示の技術がこれに限定されず、可撓性のあるフレキシブルなマトリクス表示素子であればどのような表示素子にも適用可能である。
【0005】
図1Aから図1Dは、電子ペーパーとして使用される単純マトリクス型の液晶表示素子の概略構成を示す図である。図1Aは表示素子の断面図であり、図1Bは上面図であり、図1Cは上側(第1)基板の上面図であり、図1Dは下側(第2)基板の上面図である。
【0006】
図1Aから図1Dに示すように、単純マトリクス型の液晶表示素子10は、可撓性のあるフィルム製の上側基板11と下側基板12とを所定の間隔(ギャップ)で貼り合わせ、その間に液晶層13を配置する。上側基板11は、表面に形成された複数の第1帯状電極14と、複数の第1帯状電極14に電圧を印加するために一方の辺に形成された第1端子部16と、を有する。下側基板12は、表面に形成された複数の第2帯状電極15と、複数の第2帯状電極15に電圧を印加するために一方の辺に形成された第2端子部17と、を有する。上側基板11と下側基板12は、上面から見た時に複数の第1帯状電極14と複数の第2帯状電極15が直角に交差するように配置される。複数の第1帯状電極14と複数の第2帯状電極15の交差部分に画素が形成される。第1端子部16および第2端子部17では、駆動回路に接続された複数のラインを有するフレキシブルケーブルが複数の第1帯状電極14と複数の第2帯状電極15にそれぞれ接続される。参照番号18は、表示範囲を示す。なお、液晶層13をシールする封止材なども設けられるが、図示を省略している。また、上側基板11は透明であることが必要であるが、下側基板12は透明でも不透明でもよく、下側基板12の下側には図示していない光吸収層が設けられる。下側基板12が光吸収層の機能を有することも可能である。
【0007】
図1Aから図1Dの液晶表示素子10は、可撓性のあるフィルム基板11、12を使用しており、フレキシブルであるが、第1端子部16および第2端子部17のために曲げ可能な方向が制限される。図2Aから図2Dはこの制限を説明する図であり、図2Aは液晶表示素子10の表示面は湾曲していない状態を、図2Bは液晶表示素子10を横方向に若干曲げた状態を、図2Cは液晶表示素子10を縦方向の柱に沿って曲げた状態を、図2Dは図2Cの状態におけるフレキシブルケーブルの状態を示す。
【0008】
図2Aに示すように、複数の第1帯状電極14と駆動回路を接続するため、複数のラインを有するフレキシブルケーブル(FPC)21が、第1端子部16において複数の第1帯状電極14の端部に接続される。同様に、複数の第2帯状電極15と駆動回路を接続するため、複数のラインを有するフレキシブルケーブル(FPC)22が、第2端子部17において複数の第2帯状電極15の端部に接続される。第1および第2端子部における帯状電極の端部とFPCの接続は、異方性導電接着フィルム(ACF)を介して圧着することにより行われるのが一般的である。ここでは、第1端子部16の伸びる方向、すなわち、第1端子部16における複数の第1帯状電極14の配列方向をX方向、第2端子部17の伸びる方向、すなわち、第2端子部17における複数の第2帯状電極15の配列方向をY方向で表す。
【0009】
上下基板11、12は可撓性を有するため曲げることが可能であるが、端子部が湾曲する場合には、端子部に曲げ応力がかかる。図2Bに示すように、Y方向が湾曲するように曲げた場合、第2端子部17に応力がかかる。図2Bのように曲率が小さければ応力も小さい。そのため、図2Bに示すような小さな曲率であれば曲げることが可能である。しかしながら、図2Cに示すように、液晶表示素子10を曲率の大きな柱5に巻き付けるように曲げた場合、第2端子部17に大きな応力がかかり、第2端子部17において接続不良が発生する。そして、図2Dに示すように曲率が大きくなりすぎると、接続部分が曲げ応力に耐え切れずに第2端子部17からFPC22が外れてしまうということが起きる。これは、X方向に湾曲するように曲げる場合も同様である。
【0010】
【特許文献1】特開平03−065925号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そのため、マトリクス型で2方向の電極を異なる辺でケーブルに接続する構成では、可撓性を有する基板を使用しても、図2Cに示すように細い柱に巻き付けるという大きな曲率で曲げることはできなかった。
【0012】
開示の実施形態は、細い柱に巻き付けるという大きな曲率で曲げることができるマトリクス表示素子を記載する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
開示の実施形態のマトリクス表示素子は、並行に設けられた複数の第1電極を有する第1基板と、並行に設けられた複数の第2電極を有する第2基板とを対向して配置し、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極の交差部に画素が形成されるマトリクス表示素子であって、前記第1基板は、前記複数の第1電極を電気的に外部接続するための第1端子部を備え、前記第2基板は、前記複数の第2電極を電気的に外部接続するための第2端子部を備え、前記第1端子部と前記第2端子部は、前記マトリクス表示素子の表示面の対向する所定の2辺に配置されており、前記対向する所定の2辺以外の辺には端子部が配置されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、単純マトリクス液晶表示素子を例として実施形態を説明するが、開示の技術はこれに限定されるものではない。以下、単純マトリクス液晶表示素子を、単に表示素子と称する場合がある。
【0015】
図3は、実施形態の単純マトリクス液晶表示素子30の原理構成を説明する図である。実施形態の単純マトリクス液晶表示素子は、図3に示すように、並行に設けられた複数の第1帯状電極34を有する上側(第1)基板31と、並行に設けられた複数の第2帯状電極35を有する下側(第2)基板32とを対向して配置する。複数の第1帯状電極34の端部は、上側基板31の第1端子部36に配列され、第1端子部36で図示しない外部のケーブル(フレキシブルケーブル:FPC)と接続される。複数の第2帯状電極35の端部は、下側基板32の第2端子部37に配列され、第2端子部37で図示しない外部のケーブル(フレキシブルケーブル:FPC)と接続される。第1端子部36における複数の第1帯状電極34の端部の配列と、第2端子部37における複数の第2帯状電極35の端部の配列は並行である。言い換えれば、上側基板31および下側基板32の第1端子部36および第2端子部37が設けられる以外の辺には、端子部は設けられておらず、FPCも接続されない。そのため、上側基板31および下側基板32の第1端子部36および第2端子部37が設けられる以外の辺が湾曲するように表示素子30を曲げても、FPCが外れるといった問題は発生せず、大きな曲率で曲げることができる。
【0016】
複数の第1帯状電極34および複数の第2帯状電極35を、それぞれ第1端子部36および第2端子部37からそのまま伸ばしたのでは、複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35は並行であり、交差して画素を形成できない。そこで、複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35の一方または両方の伸びる方向を、表示範囲内で所定角度に変えて、複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35が交差するようにする。これにより、複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35の交差部に画素39が形成される。表示範囲38内で、複数の第1帯状電極34は例えば45°傾き、複数の第2帯状電極35は例えば−45°傾くようにすると、複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35は90度で交差し、長方形の画素が形成される。第1帯状電極34と第2帯状電極35の幅が等しい場合には正方形の画素が形成される。このように、第1帯状電極34および第2帯状電極35をそれぞれ傾ける角度および電極幅に応じて、正方形、長方形、ひし形、並行四辺形の画素が形成される。図3では、参照番号38で示す範囲が画素が形成される表示範囲で、マトリクス表示が行える。
【0017】
図4Aおよび図4Bは、実施形態の表示素子30の曲げた状態の例を示す図である。図4(Aは、表示素子30を、第1および第2端子部が近接するように一回り曲げた場合を示し、第1および第2端子部に接続されるFPC40、41を一束にすることができる。この構成では、FPC40、41を1箇所にまとめることができるので、表示装置を小型にでき、短いFPCの使用により低コスト化が可能である。1端子部に2個以上のFPCが接続されるようにすることも可能で、FPCを途中から分岐することも可能である。
【0018】
図4Bは、単純マトリクス液晶表示素子30を、小さな直径の円柱5に巻き付けた状態を示す。このような大きな曲率での曲げも可能になるため、表示素子30をデザイン性に優れた形態で使用することができる。
【0019】
例えば、120μm厚のフィルムで上下基板を形成したコレステリック液晶を使用した単純マトリクス液晶表示素子30は、φ10mmの筒状にすることができた。
【0020】
図5Aから図5Cは、実施形態の表示素子30の円柱への巻き付けを説明する図である。図5Aに示すように、表示素子30の対向する2辺に第1および第2端子部36、37が並行に設けられており、第1および第2端子部36、37にFPC40、41が接続される。第1端子部36が伸びる方向をb1で、第2端子部37が伸びる方向をb2で表す。ここではb1=b2である。表示素子30は、円筒軸がb1およびb2に略並行になるように円筒状に曲げることができる。言い換えれば、表示素子30の第1および第2端子部36、37の直角な辺が湾曲するように曲げられる。
【0021】
図5Bは、表示素子30を円筒5に半回り巻き付けた状態を示す。円筒の軸eと第1および第2端子部36、37が伸びる方向b1、b2は、略並行である。これにより、表示範囲38は円筒状となる。
【0022】
図5Cは、図5Bのように表示素子30を円筒5に半回り巻き付ける場合に限定した第1および第2端子部36、37が伸びる方向の変形例を示す。表示素子30を円筒5に半回り巻き付ける場合半回り以上の部分gは平面状にすることができるので、第1および第2端子部36、37が伸びる方向は並行である必要はない。言い換えれば、円柱に巻き付ける半回りの湾曲部分fに端子部を設けることはできないが、それ以外の部分であれば、端子部を設ける位置および端子部の延びる方向に制限はない。図5Cでは、端子部の伸びる方向hは、湾曲される表示面の辺に対して90°以外の角度を有する。
【0023】
図6Aから図6Dは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子30の概略構成を示す図であり、図6Aは表示素子の断面図であり、図6Bは上面図であり、図6Cは上側(第1)基板31の上面図であり、図6Dは下側(第2)基板32の上面図である。図中のb1およびb2は、図5Aのb1およびb2に対応する方向を示す。
【0024】
図6Aから図6Dに示すように、単純マトリクス型液晶表示素子30は、可撓性のあるフィルム製の上側(第1)基板31と下側(第2)基板32とを所定の間隔(ギャップ)で貼り合わせ、その間に液晶層33を配置する。上側基板31は、表面に形成され、表示素子30の辺に対して斜め方向に伸びる(ここでは30度をなす)複数の第1帯状電極34と、複数の第1帯状電極34のいくつかに電圧を印加するために左側の辺に形成された第1左端子部36Aと、複数の第1帯状電極34のいくつかに電圧を印加するために右側の辺に形成された第1右端子部36Bと、を有する。下側基板32は、表面に形成され、表示素子30の辺に対して斜め方向に伸びる(ここでは−30度をなすように)複数の第2帯状電極35と、複数の第2帯状電極35のいくつかに電圧を印加するために左側の辺に形成された第2左端子部37Aと、複数の第2帯状電極35のいくつかに電圧を印加するために右側の辺に形成された第2右端子部37Bと、を有する。
図6Bに示すように、第1実施形態では、第1左端子部36Aと第2左端子部37Aおよび第1右端子部36Bと第2右端子部37Bは、それぞれ所定の対向する2辺に配置され、帯状電極は端子部に対して斜めに伸びるが、表示領域は図3に示すようなひし形にならず、表示領域を矩形状である。
【0025】
複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35は、表示素子30の辺に対して異なる斜め方向に伸び、上側基板31と下側基板32を対向して配置すると、上面から見た時に複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35が交差する(ここでは60度をなす)ように配置される。複数の第1帯状電極14と複数の第2帯状電極15の交差部分に画素が形成される。複数の第1帯状電極34の上側の半数は第1左端子部36Aに、複数の第1帯状電極34の下側の半数は第1右端子部36Bに接続される。複数の第2帯状電極35の上側の半数は第2右端子部37Bに、複数の第2帯状電極35の下側の半数は第2左端子部37Aに接続される。
【0026】
図6Aから図6Dでは、複数の第1帯状電極34および複数の第2帯状電極35の表示素子30の辺に対する傾き角度を適当な角度(例えば±45度)にすれば、複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35が直交して交差するようにできる。このように、複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35の交差角度は所望の角度に設定できる。
【0027】
図7Aから図7Dは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子30の変形例を示す図であり、図7Aは表示素子の断面図であり、図7Bは上面図であり、図7Cは上側(第1)基板31の上面図であり、図7Dは下側(第2)基板32の上面図である。図中のb1およびb2は、図5Aのb1およびb2に対応する方向を示す。
【0028】
この変形例の単純マトリクス液晶表示素子30は、複数の第1帯状電極34の表示素子30の辺に対する傾き角度が0度、すなわち、複数の第1帯状電極34が表示素子30の上下辺と並行であることが、第1実施形態と異なる。第2実施形態では、複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35は30度で交差する。
【0029】
図8は、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子30において、第1左端子部36Aにフレキシブルケーブル40Aと、第2左端子部37Aにフレキシブルケーブル40Bと、第1右端子部36Bにフレキシブルケーブル41Aを、第2右端子部37Bにフレキシブルケーブル41Bを接続した状態を示す。第1左端子部36Aと第2左端子部37Aは、表示素子30の左側の辺に、第1右端子部36Bと第2右端子部37Bは、表示素子30の右側の辺に設けられる。そして、フレキシブルケーブル40A、40B、41Aおよび41Bは、左右の辺に設けられた4個の端子部に接続される。接続方法は、通常の接続方法が使用され、後述する異方性導電素材を使用することも可能である。これにより、図5Aに示すような、上辺と下辺を湾曲させるように曲げることが可能になる。
【0030】
図9Aから図9Eは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子30におけるフレキシブルケーブルの接続方法の変形例を示す図であり、図9Aは全体構成を、図9Bは接続部分の断面図の拡大図を、図9Cは接続部分の平面図の拡大図を、図9Dは第1帯状電極34の端子部の拡大図を、図9Eは第2帯状電極35の端子部の拡大図を示す。
【0031】
図9Dに示すように、第1帯状電極34は、端子部で幅が狭くなる形状である。同様に、図9Eに示すように、第2帯状電極35は端子部で幅が狭くなる形状であり、狭くなった電極は延長され、第2接続電極47を有する。第2接続電極47の間には第1接続電極46が設けられ、第1接続電極46と第2接続電極47が交互に配置される。図9Bおよび図9Cに示すように、端子部では、第1帯状電極34の端部が第1接続電極46の上に重なるように配置され、重なった部分では異方性導電素材45が配置される。この状態で、上側基板31と下側基板32を圧着すると、第1帯状電極34が第1接続電極46に電気的に接続される。このようにして、第1接続電極46は第1帯状電極34に、第2接続電極47は第2帯状電極35に接続された状態になる。なお、このような第1および第2接続電極の両方を設けるのは、図9AのPで示す部分と、部分Pに対応する対向する辺(右辺)の部分のみである。それ以外の部分では、第1および第2接続電極の一方のみが設けられ、第1接続電極46は異方性導電素材45を介して第1帯状電極34に接続され、第2接続電極47はそのまま第2帯状電極35に接続される。
【0032】
下側基板35上の第1接続電極46および第2接続電極47は、図9Aに示すように、図示していない異方性導電素材を介してフレキシブルケーブル40、41に接続される。異方性導電素材は、具体的には異方性導電接着フィルム(ACF)および、異方性導電接着剤または異方導電性接着剤(ACI)である。異方性導電素材は、圧着された部分の厚さ方向のみに導電性を生じる素材で、図9Dにおいて、第1帯状電極34の部分は電極の分だけ厚くなっており、第1接続電極46と電気的な接続を生じる。これに対して第2接続電極47の異方性導電素材を介して対向する部分には電極が無いので、電気的な接続を生じない。
【0033】
図8の構成ではフレキシブルケーブルが4本設けられたのに対して、図9Aの構成ではフレキシブルケーブルは2本だけであり、接続部分の個数を低減できる。
【0034】
図10は、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子30を有する表示装置の表示制御部の構成を示す図である。図示のように、表示制御部は、第1帯状電極34に電圧を印加する表示駆動回路63と、第2帯状電極35に電圧を印加する表示位置駆動回路64と、表示する画像データを保持する画像データバッファ62と、画像データバッファ62に保持された画像データを読み出して制御信号を発生し、表示駆動回路63および表示位置駆動回路64に供給するCPU61と、を有する。
【0035】
表示位置駆動回路64は第2帯状電極35に順に選択電圧(スキャンパルス)を印加し、表示駆動回路63はスキャンパルスに同期して書き込みを行うか行わないかの書き込み電圧を第1帯状電極34に印加する。言い換えれば、表示位置駆動回路64がスキャンドライバに対応し、表示駆動回路63がセグメントドライバに対応し、単純マトリクス型の駆動が行われる。なお、表示駆動回路63がスキャンパルスを出力し、表示位置駆動回路64が書き込み電圧を出力するように構成することも可能である。単純マトリクス型の駆動方法については広く知られているので、これ以上の詳しい説明は省略する。
【0036】
画像データバッファ62は、画素ごとの画像データを、第1帯状電極34および第2帯状電極35に対応した形で保持する。
【0037】
図11は、図10の構成における制御の流れる示す図である。CPU61のステップ101において表示のための描画が開始されると、ステップ102でCPU61内部のカウンタの値Nが”1”にリセットされる。Nの値は1から表示位置駆動回路64に接続された第2帯状電極35の本数であるmまで変化する。ステップ103で、CPU61が表示画像のデータが格納された画像データバッファ62からNライン目の画像データを取り出す。ステップ104で、CPU61がNライン目の画像データを表示駆動回路63に送る。表示駆動回路63は、ステップ201で、送られてきたデータを表示駆動回路63内部のレジスタに格納する。ステップ105で、CPU61は、Nライン目の選択信号を表示位置駆動回路64に送る。表示位置駆動回路64は、ステップ301で、Nライン目の選択信号を受け取ると、Nライン目に相当する第2帯状電極35を選択する。次に、ステップ107で、CPU61が出力ON信号を表示駆動回路63および表示位置駆動回路64の両方に送信する。表示駆動回路63は、ステップ202で、出力ON信号を受け取ると、レジスタに格納された画像データに応じた電圧を第1帯状電極34のそれぞれに印加する。表示位置駆動回路64は、ステップ302で、出力ON信号を受け取ると、選択された第2帯状電極35に選択電圧を、非選択の第2帯状電極35に非選択電圧を印加する。この時点で、選択電圧が印加された第2帯状電極35と、表示駆動回路63に接続された第1帯状電極34の交差部分の画素の状態が変化する。非選択電圧が印加された第2帯状電極35と第1帯状電極34の交差部分の画素の状態は変化しない。画素の状態が十分に変化するようにあらかじめ設定された時間tの間電圧の印加が行われ、ステップ108で、その時間tが経過すると、CPU61は、ステップ109で、出力OFF信号を表示駆動回路63および表示位置駆動回路64の両方に送信する。表示駆動回路63は、ステップ203で、出力OFF信号を受け取ると電圧の印加を終了する。また、表示位置駆動回路64は、ステップ303で、出力OFF信号を受け取ると電圧の印加を終了する。この時点で、Nがm未満であれば、ステップ110で、Nを1増加して、再びステップ103に戻り、CPU61が画像データバッファ62からN+1ライン目の画像データを取り出し、上記ステップを繰り返す。Nとmが等しくなれば、ステップ111で、描画を終了する。終了時点で、すべての画素の表示状態が表示に対応した状態になる。
【0038】
幅の等しい第1および第2帯状電極が90度以外の角度で交差すると、画素はひし形になる。そこで、このような画素形状に適した書体を使用すると良好な表示が行える。図12は、そのような書体の例を示す図である。
【0039】
図12において、bは図5Aのb1およびb2に対応する端子部の伸びる方向を示し、kは方向bに直角な方向を示す。ここでは、第1帯状電極34は方向kに対してθ1をなし、第2帯状電極35は方向kに対してθ2をなすとする。ただし、θ1とθ2は逆方向の角度であるとする。これにより、第1帯状電極34と第2帯状電極35はθ1+θ2の角度で交差し、画素の形状はひし形になる。ここで、水平方向に伸びる円筒物に、方向bが水平方向になるように表示素子30を巻き付けるとする。ここで、θ2がイタリック体の文字の傾きと同じ角度になるようにすれば、イタリック体の文字の一部の直線と第2帯状電極35の伸びる方向が一致し、イタリック体文字の一部を直線表示できる。
【0040】
このように、表示する内容に応じて第1および第2帯状電極の方向角度を設定すれば、直交する2次元画素配列の場合とは異なった表示効果が得られる。
【0041】
図10および図11で説明した制御部は、画像データバッファ62が、画素ごとの画像データを、第1帯状電極34および第2帯状電極35に対応した形で保持していた。しかし、従来の一般の画像データは、正方形または長方形の画素が縦横方向に配列される2次元マトリクス表示用として作られており、そのままでは第1実施形態の表示素子30では表示できない。そこで、図10の構成で、CPU61またはほかの演算処理装置が従来の一般の画像データを第1実施形態の表示素子用の画像データに変換して画像データバッファ62に格納することが考えられる。このような変換処理は各種あり得るが、以下いくつかの例を説明する。
【0042】
図13A、図13Bおよび図14Aから図14Eは、従来の一般の画像データを第1実施形態の表示素子用の画像データに変換する第1および第2の処理方法を説明する図である。
【0043】
図13Aに示すように、第1実施形態の表示素子30では、同一幅の第1帯状電極34と第2帯状電極35が所定の角度で交差しており、図13Bに示すようにひし形の画素39が形成される。
【0044】
図14Aは、第1実施形態の表示素子30のひし形の画素39を、従来の一般の表示装置の正方形の画素51に重ね合わせた状態を示す。1個のひし形の画素39は、複数の正方形の画素51に重なる。
【0045】
第1の処理方法では、各ひし形の画素39がもっとも大きな面積で重なる正方形の画素51の画素値をそのひし形の画素39の画素値とする方法である。この方法は、非常に簡単であるが、後述するように精密な画像を得ることが難しいという問題がある。なお、この第1の処理方法は、正方形の画素51の画素値が2値で、ひし形の画素39を有する第1実施形態の表示装置が2値表示である場合にも使用できる。
【0046】
第2の処理方法では、ひし形の画素39が重なる正方形の画素51の画素値を面積に応じて加算することにより、ひし形の画素39の画素値を算出する。従って、第1実施形態の表示装置は、ひし形の画素39で多値表示で中間調表示できることが必要である。
【0047】
図14Aにおいて、中央の正方形の画素51の画素値が1で(暗い)、その周囲のほかの画素51の画素値が0(明るい)とする。中央のひし形の画素39Cは画素値の小さな正方形の画素51と約6割が重なるので、画素値は約0.6になる。右上のひし形の画素39Bは、画素値の小さな正方形の画素51と約1割が重なるので、画素値は約0.1になる。ひし形の画素39E、39Aの画素値の小さな正方形の画素51との重なりはさらに小さくなり、ひし形の画素39Dは画素値の小さな正方形の画素51と重ならない。この結果、ひし形の画素39A〜39Eの画素値は、図14Bに示すようになる。なお、上記の例では、正方形の画素の画素値は1または0であったが、多値でもよい。
【0048】
図14Cに示す正方形の画素で表された黒円52を、第1の処理方法で第1実施形態の表示素子の画像データに変換すると、図14Dに示すような2値画像になり、円とはかなり異なって見えることになる。黒円52を第2の処理方法で画像データに変換すると、図14Eに示すような画像になり、黒円に近似した表示が得られる。
【0049】
図15Aから図15Fおよび図16Aから図16Eは、第3の変換処理方法を説明する図であり、従来の一般的な縦横配列の矩形の元画像データを、第1実施形態の本表示素子で表示する画像データに変換して画像データバッファ62に格納する方法を説明する図である。
【0050】
ここでは、図5Aのb1およびb2が図15Aの横方向bになる場合を説明する。また、元画像の縦横比と本表示素子の矩形表示領域の縦横比が同じで、元画像を本表示素子の矩形表示領域全体で表示する例を説明する。
【0051】
まず、本表示素子の画素と画像データバッファ62内の区画の対応関係を説明する。図15Aは、本表示素子における第1および第2帯状電極と画素の関係および第1および第2帯状電極と表示駆動回路63および表示位置駆動回路64の関係を示す。図示のように、端子部が伸びる方向bは横方向であり、第1および第2帯状電極は方向bに対してそれぞれ±θをなしている。図15Aでは、第1および第2帯状電極と表示駆動回路63および表示位置駆動回路64の関係が分かりにくいので、図15Bに示すように電気的に等化な形で示す。
【0052】
図15Bの画素配列を、方向bに対して垂直な方向に1/Tanθ倍して、図15Cに示すような画素配列を得る。この画素配列では、各画素は正方形になる。
【0053】
次に、図15Cの画素配列を、45度時計回りに回転して図15Dに示すような画素配列を得る。この画素配列では、第1帯状電極が垂直方向に、第2帯状電極が水平方向に伸び、第1帯状電極と第2帯状電極が直角に交差する。この画素配列は、画素の形状が正方形である従来の表示素子の画素配列と同じである。第1帯状電極と第2帯状電極の伸びる方向に合わせて表示駆動回路63および表示位置駆動回路64の向きを変更したのが図15Eである。図15Fは、図15Eにおける画素の配列を示す図であり、クロス線で示した区画が実際に存在する画素を示す。この区画配列を表示するには、列方向の区画数がnで、mライン分の区画を有する画像データバッファがあればよい。従って、この画像データバッファのうち、クロス線で示した区画が表示に使用される。画像データバッファのクロス線で示した区画以外の区画のデータは、対応する画素がないため、表示には使用されない。言い換えれば、画像データバッファのクロス線で示した区画に、変換された元画像のデータを格納することで、第1実施形態の表示素子に画像を表示できる。
【0054】
元画像と本表示素子の画像データバッファは、以上説明したような関係にある。次に、元画像を上記の関係に従って変換して画像データバッファに格納する画像データを作成する方法を、図16を参照して説明する。
【0055】
図16Aは、元画像を示す。ここでは元画像は数字の「4」である。この元画像を拡大縮小変換して、縦方向に1/Tanθ倍する。これにより図16Bのような画像になる。このような拡大縮小変換は広く知られている。この変換は、図15Bから図15Cへの変換に対応する。
【0056】
次に、図16Bの画像を時計回りに45度回転する。これにより図16Cのような画像になる。この回転変換も広く知られている。この変換は、図15Cから図15Dへの変換に対応する。図16Cの画像において、元画像に対応領域がない画素については、任意のデータを格納する。ここでは、このデータとして黒表示用データを格納する。
【0057】
次に、図16Cの画像において、表示駆動回路63に接続される上基板の第1帯状電極34の本数がnで、表示位置駆動回路64に接続される下基板の第2帯状電極35の本数がmである場合、横画素数がn個、縦画素数がm個になるように解像度変換を行う。
【0058】
次に、図16Cの解像度変換後の画像を図16Dの区画に対応させ、各区画の画素値を算出し、画像データバッファに格納する。
【0059】
以上のようにして元画像から画像データバッファに格納するデータが生成される。画像データバッファに格納されたデータを第1実施形態の表示素子で表示すれば、図16Eに示す元画像に対応した表示が得られる。
【0060】
以上説明したように第1実施形態では、1方向に小さな曲率で折り曲げ可能な表示素子が得られる。図17は、このような表示素子の使用形態の例を示す図であり、表示素子30をノート型コンピュータ70の筐体表面に設けた例を示す。この例では、ノート型コンピュータ70の筐体下部71を除く筐体上部から筐体側面の曲面部分まで覆うように表示素子30を搭載する。このように筐体側面の曲面部分も表示素子で覆うことで、筐体表面で表示領域として利用可能な面積を広げることができる。
【0061】
以上説明したように、第1実施形態では、表示素子を曲面に実装する際に、表示素子を曲げても配線部が曲げられることはないので、配線部に接続されるフレキシブルケーブルが外れることがない。これにより、小さな曲率の曲面に表示素子を実装することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1A】図1Aは、単純マトリクス型の液晶表示素子の概略構成を示す図であり、液晶表示素子の断面図である。
【図1B】図1Bは、単純マトリクス型の液晶表示素子の概略構成を示す図であり、液晶表示素子の上面図である。
【図1C】図1Cは、単純マトリクス型の液晶表示素子の概略構成を示す図であり、上側(第1)基板の上面図である。
【図1D】図1Dは、単純マトリクス型の液晶表示素子の概略構成を示す図であり、下側(第2)基板の上面図である。
【図2A】図2Aは、表示素子の曲げの制限を説明する図であり、表示素子の表示面は湾曲していない状態を示す。
【図2B】図2Bは、表示素子の曲げの制限を説明する図であり、表示素子の表示面を若干曲げた状態を示す。
【図2C】図2Cは、表示素子の曲げの制限を説明する図であり、表示素子を縦方向の柱に沿って曲げた状態を示す。
【図2D】図2Dは、表示素子の曲げの制限を説明する図であり、図2Cの状態におけるフレキシブルケーブルの状態を示す。
【図3】図3は、実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の原理構成を説明する図である。
【図4A】図4Aは、実施形態の表示素子の曲げた状態の例を示す図である。
【図4B】図4Bは、実施形態の表示素子の曲げた状態の例を示す図である。
【図5A】図5Aは、実施形態の表示素子の円柱への巻き付けを説明する図である。
【図5B】図5Bは、実施形態の表示素子の円柱への巻き付けを説明する図である。
【図5C】図5Cは、実施形態の表示素子の円柱への巻き付けを説明する図である。
【図6A】図6Aは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の概略構成を示す図であり、表示素子の断面図である。
【図6B】図6Bは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の概略構成を示す図であり、表示素子の上面図である。
【図6C】図6Cは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の概略構成を示す図であり、上側(第1)基板の上面図である。
【図6D】図6Dは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の概略構成を示す図であり、下側(第2)基板の上面図である。
【図7A】図7Aは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の変形例の概略構成を示す図であり、表示素子の断面図である。
【図7B】図7Bは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の変形例の概略構成を示す図であり、表示素子の上面図である。
【図7C】図7Cは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の変形例の概略構成を示す図であり、上側(第1)基板の上面図である。
【図7D】図7Dは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の変形例の概略構成を示す図であり、下側(第2)基板の上面図である。
【図8】図8は、フレキシブルケーブルを接続した第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子を示す図である。
【図9A】図9Aは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子におけるフレキシブルケーブルの接続方法の変形例を示す図であり、全体構成を示す。
【図9B】図9Bは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子におけるフレキシブルケーブルの接続方法の変形例を示す図であり、接続部分の断面図の拡大図を示す。
【図9C】図9Cは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子におけるフレキシブルケーブルの接続方法の変形例を示す図であり、接続部分の平面図の拡大図を示す。
【図9D】図9Dは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子におけるフレキシブルケーブルの接続方法の変形例を示す図であり、第1帯状電極の端子部の拡大図を示す。
【図9E】図9Eは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子におけるフレキシブルケーブルの接続方法の変形例を示す図であり、第2帯状電極の端子部の拡大図を示す。
【図10】図10は、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子を有する表示装置の表示制御部の構成を示す図である。
【図11】図11は、図10の構成における制御の流れる示す図である。
【図12】図12は、実施形態の表示装置における表示に適した書体の例を示す図である。
【図13A】図13Aは、第1実施形態の表示素子の画素を示す図である。
【図13B】図13Bは、第1実施形態の表示素子の画素を示す図である。
【図14A】図14Aは、従来の一般の画像データを第1実施形態の表示素子用の画像データに変換する第1および第2の処理方法を説明する図である。
【図14B】図14Bは、従来の一般の画像データを第1実施形態の表示素子用の画像データに変換する第2の処理方法を説明する図である。
【図14C】図14Cは、第2の処理方法で変換される元画像を示す図である。
【図14D】図14Dは、図14Cの元画像を第1の処理方法で変換した画像データを説明する図である。
【図14E】図14Eは、図14Cの元画像を第2の処理方法で変換した画像データを説明する図である。
【図15A】図15Aは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図15B】図15Bは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図15C】図15Cは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図15D】図15Dは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図15E】図15Eは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図15F】図15Fは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図16A】図16Aは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図16B】図16Bは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図16C】図16Cは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図16D】図16Dは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図16E】図16Eは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図17】図17は、実施形態の表示素子の使用形態の例を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
30 単純マトリクス型表示素子
31 上側(第1)基板
32 下側(第2)基板
33 液晶層
34 第1帯状電極
35 第2帯状電極
36、36A、36B 第1端子部
37、37A、37B 第2端子部
61 CPU
62 画像データバッファ
63 表示駆動回路
64 表示位置駆動回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、マトリクス表示素子およびマトリクス表示装置に関し、特に複数の帯状電極が交差するように配置して交差部に画素が形成されるマトリクス表示素子およびマトリクス表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、可撓性でフレキシブルな表示素子が、セグメント表示素子などで実現されており、セグメント表示素子より複雑な表示が可能なマトリクス表示素子でもフレキシブル化が要望されている。フレキシブルなマトリクス表示素子として電子ペーパーが注目されている。電子ペーパーの表示方式として、電気泳動方式、電子粉流体方式、ツイストボール方式、液晶表示ディスプレイ、有機EL表示ディスプレイなど各種の表示方式が提案されている。いずれの方式の電子ペーパーも、フレキシブルなフィルム基板をベースとすることで、可撓性を実現している。これらの方式のうち有機EL表示ディスプレイを除く電子ペーパーは、電源が無くても表示状態を保持可能で、電気的に書換え可能であるという特徴を有しており、超低消費電力の電子ペーパーが実現できる。
【0003】
電子ペーパーには、上記の紙のような可撓性と共に、目にやさしく、疲れない反射型の表示が要望されている。電子ペーパーの有力な方式にコレステリック液晶を使用した液晶表示素子(LCD)があり、反射型でカラー表示可能であることから注目されている。また、有機EL表示ディスプレイは自発光素子であるため、電源を切断することはできないが、可撓性のあるフレキシブルな素子を実現できる。
【0004】
このようなマトリクス表示素子は、表示数と製造コストの関係から、複数の帯状電極を形成した2枚の基板を、複数の帯状電極が交差するように対抗して配置し、交差部に画素が形成される単純マトリクス構造を採用するのが一般的である。以下、単純マトリクス型の液晶表示素子を例として説明を行うが、開示の技術がこれに限定されず、可撓性のあるフレキシブルなマトリクス表示素子であればどのような表示素子にも適用可能である。
【0005】
図1Aから図1Dは、電子ペーパーとして使用される単純マトリクス型の液晶表示素子の概略構成を示す図である。図1Aは表示素子の断面図であり、図1Bは上面図であり、図1Cは上側(第1)基板の上面図であり、図1Dは下側(第2)基板の上面図である。
【0006】
図1Aから図1Dに示すように、単純マトリクス型の液晶表示素子10は、可撓性のあるフィルム製の上側基板11と下側基板12とを所定の間隔(ギャップ)で貼り合わせ、その間に液晶層13を配置する。上側基板11は、表面に形成された複数の第1帯状電極14と、複数の第1帯状電極14に電圧を印加するために一方の辺に形成された第1端子部16と、を有する。下側基板12は、表面に形成された複数の第2帯状電極15と、複数の第2帯状電極15に電圧を印加するために一方の辺に形成された第2端子部17と、を有する。上側基板11と下側基板12は、上面から見た時に複数の第1帯状電極14と複数の第2帯状電極15が直角に交差するように配置される。複数の第1帯状電極14と複数の第2帯状電極15の交差部分に画素が形成される。第1端子部16および第2端子部17では、駆動回路に接続された複数のラインを有するフレキシブルケーブルが複数の第1帯状電極14と複数の第2帯状電極15にそれぞれ接続される。参照番号18は、表示範囲を示す。なお、液晶層13をシールする封止材なども設けられるが、図示を省略している。また、上側基板11は透明であることが必要であるが、下側基板12は透明でも不透明でもよく、下側基板12の下側には図示していない光吸収層が設けられる。下側基板12が光吸収層の機能を有することも可能である。
【0007】
図1Aから図1Dの液晶表示素子10は、可撓性のあるフィルム基板11、12を使用しており、フレキシブルであるが、第1端子部16および第2端子部17のために曲げ可能な方向が制限される。図2Aから図2Dはこの制限を説明する図であり、図2Aは液晶表示素子10の表示面は湾曲していない状態を、図2Bは液晶表示素子10を横方向に若干曲げた状態を、図2Cは液晶表示素子10を縦方向の柱に沿って曲げた状態を、図2Dは図2Cの状態におけるフレキシブルケーブルの状態を示す。
【0008】
図2Aに示すように、複数の第1帯状電極14と駆動回路を接続するため、複数のラインを有するフレキシブルケーブル(FPC)21が、第1端子部16において複数の第1帯状電極14の端部に接続される。同様に、複数の第2帯状電極15と駆動回路を接続するため、複数のラインを有するフレキシブルケーブル(FPC)22が、第2端子部17において複数の第2帯状電極15の端部に接続される。第1および第2端子部における帯状電極の端部とFPCの接続は、異方性導電接着フィルム(ACF)を介して圧着することにより行われるのが一般的である。ここでは、第1端子部16の伸びる方向、すなわち、第1端子部16における複数の第1帯状電極14の配列方向をX方向、第2端子部17の伸びる方向、すなわち、第2端子部17における複数の第2帯状電極15の配列方向をY方向で表す。
【0009】
上下基板11、12は可撓性を有するため曲げることが可能であるが、端子部が湾曲する場合には、端子部に曲げ応力がかかる。図2Bに示すように、Y方向が湾曲するように曲げた場合、第2端子部17に応力がかかる。図2Bのように曲率が小さければ応力も小さい。そのため、図2Bに示すような小さな曲率であれば曲げることが可能である。しかしながら、図2Cに示すように、液晶表示素子10を曲率の大きな柱5に巻き付けるように曲げた場合、第2端子部17に大きな応力がかかり、第2端子部17において接続不良が発生する。そして、図2Dに示すように曲率が大きくなりすぎると、接続部分が曲げ応力に耐え切れずに第2端子部17からFPC22が外れてしまうということが起きる。これは、X方向に湾曲するように曲げる場合も同様である。
【0010】
【特許文献1】特開平03−065925号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そのため、マトリクス型で2方向の電極を異なる辺でケーブルに接続する構成では、可撓性を有する基板を使用しても、図2Cに示すように細い柱に巻き付けるという大きな曲率で曲げることはできなかった。
【0012】
開示の実施形態は、細い柱に巻き付けるという大きな曲率で曲げることができるマトリクス表示素子を記載する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
開示の実施形態のマトリクス表示素子は、並行に設けられた複数の第1電極を有する第1基板と、並行に設けられた複数の第2電極を有する第2基板とを対向して配置し、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極の交差部に画素が形成されるマトリクス表示素子であって、前記第1基板は、前記複数の第1電極を電気的に外部接続するための第1端子部を備え、前記第2基板は、前記複数の第2電極を電気的に外部接続するための第2端子部を備え、前記第1端子部と前記第2端子部は、前記マトリクス表示素子の表示面の対向する所定の2辺に配置されており、前記対向する所定の2辺以外の辺には端子部が配置されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、単純マトリクス液晶表示素子を例として実施形態を説明するが、開示の技術はこれに限定されるものではない。以下、単純マトリクス液晶表示素子を、単に表示素子と称する場合がある。
【0015】
図3は、実施形態の単純マトリクス液晶表示素子30の原理構成を説明する図である。実施形態の単純マトリクス液晶表示素子は、図3に示すように、並行に設けられた複数の第1帯状電極34を有する上側(第1)基板31と、並行に設けられた複数の第2帯状電極35を有する下側(第2)基板32とを対向して配置する。複数の第1帯状電極34の端部は、上側基板31の第1端子部36に配列され、第1端子部36で図示しない外部のケーブル(フレキシブルケーブル:FPC)と接続される。複数の第2帯状電極35の端部は、下側基板32の第2端子部37に配列され、第2端子部37で図示しない外部のケーブル(フレキシブルケーブル:FPC)と接続される。第1端子部36における複数の第1帯状電極34の端部の配列と、第2端子部37における複数の第2帯状電極35の端部の配列は並行である。言い換えれば、上側基板31および下側基板32の第1端子部36および第2端子部37が設けられる以外の辺には、端子部は設けられておらず、FPCも接続されない。そのため、上側基板31および下側基板32の第1端子部36および第2端子部37が設けられる以外の辺が湾曲するように表示素子30を曲げても、FPCが外れるといった問題は発生せず、大きな曲率で曲げることができる。
【0016】
複数の第1帯状電極34および複数の第2帯状電極35を、それぞれ第1端子部36および第2端子部37からそのまま伸ばしたのでは、複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35は並行であり、交差して画素を形成できない。そこで、複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35の一方または両方の伸びる方向を、表示範囲内で所定角度に変えて、複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35が交差するようにする。これにより、複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35の交差部に画素39が形成される。表示範囲38内で、複数の第1帯状電極34は例えば45°傾き、複数の第2帯状電極35は例えば−45°傾くようにすると、複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35は90度で交差し、長方形の画素が形成される。第1帯状電極34と第2帯状電極35の幅が等しい場合には正方形の画素が形成される。このように、第1帯状電極34および第2帯状電極35をそれぞれ傾ける角度および電極幅に応じて、正方形、長方形、ひし形、並行四辺形の画素が形成される。図3では、参照番号38で示す範囲が画素が形成される表示範囲で、マトリクス表示が行える。
【0017】
図4Aおよび図4Bは、実施形態の表示素子30の曲げた状態の例を示す図である。図4(Aは、表示素子30を、第1および第2端子部が近接するように一回り曲げた場合を示し、第1および第2端子部に接続されるFPC40、41を一束にすることができる。この構成では、FPC40、41を1箇所にまとめることができるので、表示装置を小型にでき、短いFPCの使用により低コスト化が可能である。1端子部に2個以上のFPCが接続されるようにすることも可能で、FPCを途中から分岐することも可能である。
【0018】
図4Bは、単純マトリクス液晶表示素子30を、小さな直径の円柱5に巻き付けた状態を示す。このような大きな曲率での曲げも可能になるため、表示素子30をデザイン性に優れた形態で使用することができる。
【0019】
例えば、120μm厚のフィルムで上下基板を形成したコレステリック液晶を使用した単純マトリクス液晶表示素子30は、φ10mmの筒状にすることができた。
【0020】
図5Aから図5Cは、実施形態の表示素子30の円柱への巻き付けを説明する図である。図5Aに示すように、表示素子30の対向する2辺に第1および第2端子部36、37が並行に設けられており、第1および第2端子部36、37にFPC40、41が接続される。第1端子部36が伸びる方向をb1で、第2端子部37が伸びる方向をb2で表す。ここではb1=b2である。表示素子30は、円筒軸がb1およびb2に略並行になるように円筒状に曲げることができる。言い換えれば、表示素子30の第1および第2端子部36、37の直角な辺が湾曲するように曲げられる。
【0021】
図5Bは、表示素子30を円筒5に半回り巻き付けた状態を示す。円筒の軸eと第1および第2端子部36、37が伸びる方向b1、b2は、略並行である。これにより、表示範囲38は円筒状となる。
【0022】
図5Cは、図5Bのように表示素子30を円筒5に半回り巻き付ける場合に限定した第1および第2端子部36、37が伸びる方向の変形例を示す。表示素子30を円筒5に半回り巻き付ける場合半回り以上の部分gは平面状にすることができるので、第1および第2端子部36、37が伸びる方向は並行である必要はない。言い換えれば、円柱に巻き付ける半回りの湾曲部分fに端子部を設けることはできないが、それ以外の部分であれば、端子部を設ける位置および端子部の延びる方向に制限はない。図5Cでは、端子部の伸びる方向hは、湾曲される表示面の辺に対して90°以外の角度を有する。
【0023】
図6Aから図6Dは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子30の概略構成を示す図であり、図6Aは表示素子の断面図であり、図6Bは上面図であり、図6Cは上側(第1)基板31の上面図であり、図6Dは下側(第2)基板32の上面図である。図中のb1およびb2は、図5Aのb1およびb2に対応する方向を示す。
【0024】
図6Aから図6Dに示すように、単純マトリクス型液晶表示素子30は、可撓性のあるフィルム製の上側(第1)基板31と下側(第2)基板32とを所定の間隔(ギャップ)で貼り合わせ、その間に液晶層33を配置する。上側基板31は、表面に形成され、表示素子30の辺に対して斜め方向に伸びる(ここでは30度をなす)複数の第1帯状電極34と、複数の第1帯状電極34のいくつかに電圧を印加するために左側の辺に形成された第1左端子部36Aと、複数の第1帯状電極34のいくつかに電圧を印加するために右側の辺に形成された第1右端子部36Bと、を有する。下側基板32は、表面に形成され、表示素子30の辺に対して斜め方向に伸びる(ここでは−30度をなすように)複数の第2帯状電極35と、複数の第2帯状電極35のいくつかに電圧を印加するために左側の辺に形成された第2左端子部37Aと、複数の第2帯状電極35のいくつかに電圧を印加するために右側の辺に形成された第2右端子部37Bと、を有する。
図6Bに示すように、第1実施形態では、第1左端子部36Aと第2左端子部37Aおよび第1右端子部36Bと第2右端子部37Bは、それぞれ所定の対向する2辺に配置され、帯状電極は端子部に対して斜めに伸びるが、表示領域は図3に示すようなひし形にならず、表示領域を矩形状である。
【0025】
複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35は、表示素子30の辺に対して異なる斜め方向に伸び、上側基板31と下側基板32を対向して配置すると、上面から見た時に複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35が交差する(ここでは60度をなす)ように配置される。複数の第1帯状電極14と複数の第2帯状電極15の交差部分に画素が形成される。複数の第1帯状電極34の上側の半数は第1左端子部36Aに、複数の第1帯状電極34の下側の半数は第1右端子部36Bに接続される。複数の第2帯状電極35の上側の半数は第2右端子部37Bに、複数の第2帯状電極35の下側の半数は第2左端子部37Aに接続される。
【0026】
図6Aから図6Dでは、複数の第1帯状電極34および複数の第2帯状電極35の表示素子30の辺に対する傾き角度を適当な角度(例えば±45度)にすれば、複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35が直交して交差するようにできる。このように、複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35の交差角度は所望の角度に設定できる。
【0027】
図7Aから図7Dは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子30の変形例を示す図であり、図7Aは表示素子の断面図であり、図7Bは上面図であり、図7Cは上側(第1)基板31の上面図であり、図7Dは下側(第2)基板32の上面図である。図中のb1およびb2は、図5Aのb1およびb2に対応する方向を示す。
【0028】
この変形例の単純マトリクス液晶表示素子30は、複数の第1帯状電極34の表示素子30の辺に対する傾き角度が0度、すなわち、複数の第1帯状電極34が表示素子30の上下辺と並行であることが、第1実施形態と異なる。第2実施形態では、複数の第1帯状電極34と複数の第2帯状電極35は30度で交差する。
【0029】
図8は、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子30において、第1左端子部36Aにフレキシブルケーブル40Aと、第2左端子部37Aにフレキシブルケーブル40Bと、第1右端子部36Bにフレキシブルケーブル41Aを、第2右端子部37Bにフレキシブルケーブル41Bを接続した状態を示す。第1左端子部36Aと第2左端子部37Aは、表示素子30の左側の辺に、第1右端子部36Bと第2右端子部37Bは、表示素子30の右側の辺に設けられる。そして、フレキシブルケーブル40A、40B、41Aおよび41Bは、左右の辺に設けられた4個の端子部に接続される。接続方法は、通常の接続方法が使用され、後述する異方性導電素材を使用することも可能である。これにより、図5Aに示すような、上辺と下辺を湾曲させるように曲げることが可能になる。
【0030】
図9Aから図9Eは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子30におけるフレキシブルケーブルの接続方法の変形例を示す図であり、図9Aは全体構成を、図9Bは接続部分の断面図の拡大図を、図9Cは接続部分の平面図の拡大図を、図9Dは第1帯状電極34の端子部の拡大図を、図9Eは第2帯状電極35の端子部の拡大図を示す。
【0031】
図9Dに示すように、第1帯状電極34は、端子部で幅が狭くなる形状である。同様に、図9Eに示すように、第2帯状電極35は端子部で幅が狭くなる形状であり、狭くなった電極は延長され、第2接続電極47を有する。第2接続電極47の間には第1接続電極46が設けられ、第1接続電極46と第2接続電極47が交互に配置される。図9Bおよび図9Cに示すように、端子部では、第1帯状電極34の端部が第1接続電極46の上に重なるように配置され、重なった部分では異方性導電素材45が配置される。この状態で、上側基板31と下側基板32を圧着すると、第1帯状電極34が第1接続電極46に電気的に接続される。このようにして、第1接続電極46は第1帯状電極34に、第2接続電極47は第2帯状電極35に接続された状態になる。なお、このような第1および第2接続電極の両方を設けるのは、図9AのPで示す部分と、部分Pに対応する対向する辺(右辺)の部分のみである。それ以外の部分では、第1および第2接続電極の一方のみが設けられ、第1接続電極46は異方性導電素材45を介して第1帯状電極34に接続され、第2接続電極47はそのまま第2帯状電極35に接続される。
【0032】
下側基板35上の第1接続電極46および第2接続電極47は、図9Aに示すように、図示していない異方性導電素材を介してフレキシブルケーブル40、41に接続される。異方性導電素材は、具体的には異方性導電接着フィルム(ACF)および、異方性導電接着剤または異方導電性接着剤(ACI)である。異方性導電素材は、圧着された部分の厚さ方向のみに導電性を生じる素材で、図9Dにおいて、第1帯状電極34の部分は電極の分だけ厚くなっており、第1接続電極46と電気的な接続を生じる。これに対して第2接続電極47の異方性導電素材を介して対向する部分には電極が無いので、電気的な接続を生じない。
【0033】
図8の構成ではフレキシブルケーブルが4本設けられたのに対して、図9Aの構成ではフレキシブルケーブルは2本だけであり、接続部分の個数を低減できる。
【0034】
図10は、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子30を有する表示装置の表示制御部の構成を示す図である。図示のように、表示制御部は、第1帯状電極34に電圧を印加する表示駆動回路63と、第2帯状電極35に電圧を印加する表示位置駆動回路64と、表示する画像データを保持する画像データバッファ62と、画像データバッファ62に保持された画像データを読み出して制御信号を発生し、表示駆動回路63および表示位置駆動回路64に供給するCPU61と、を有する。
【0035】
表示位置駆動回路64は第2帯状電極35に順に選択電圧(スキャンパルス)を印加し、表示駆動回路63はスキャンパルスに同期して書き込みを行うか行わないかの書き込み電圧を第1帯状電極34に印加する。言い換えれば、表示位置駆動回路64がスキャンドライバに対応し、表示駆動回路63がセグメントドライバに対応し、単純マトリクス型の駆動が行われる。なお、表示駆動回路63がスキャンパルスを出力し、表示位置駆動回路64が書き込み電圧を出力するように構成することも可能である。単純マトリクス型の駆動方法については広く知られているので、これ以上の詳しい説明は省略する。
【0036】
画像データバッファ62は、画素ごとの画像データを、第1帯状電極34および第2帯状電極35に対応した形で保持する。
【0037】
図11は、図10の構成における制御の流れる示す図である。CPU61のステップ101において表示のための描画が開始されると、ステップ102でCPU61内部のカウンタの値Nが”1”にリセットされる。Nの値は1から表示位置駆動回路64に接続された第2帯状電極35の本数であるmまで変化する。ステップ103で、CPU61が表示画像のデータが格納された画像データバッファ62からNライン目の画像データを取り出す。ステップ104で、CPU61がNライン目の画像データを表示駆動回路63に送る。表示駆動回路63は、ステップ201で、送られてきたデータを表示駆動回路63内部のレジスタに格納する。ステップ105で、CPU61は、Nライン目の選択信号を表示位置駆動回路64に送る。表示位置駆動回路64は、ステップ301で、Nライン目の選択信号を受け取ると、Nライン目に相当する第2帯状電極35を選択する。次に、ステップ107で、CPU61が出力ON信号を表示駆動回路63および表示位置駆動回路64の両方に送信する。表示駆動回路63は、ステップ202で、出力ON信号を受け取ると、レジスタに格納された画像データに応じた電圧を第1帯状電極34のそれぞれに印加する。表示位置駆動回路64は、ステップ302で、出力ON信号を受け取ると、選択された第2帯状電極35に選択電圧を、非選択の第2帯状電極35に非選択電圧を印加する。この時点で、選択電圧が印加された第2帯状電極35と、表示駆動回路63に接続された第1帯状電極34の交差部分の画素の状態が変化する。非選択電圧が印加された第2帯状電極35と第1帯状電極34の交差部分の画素の状態は変化しない。画素の状態が十分に変化するようにあらかじめ設定された時間tの間電圧の印加が行われ、ステップ108で、その時間tが経過すると、CPU61は、ステップ109で、出力OFF信号を表示駆動回路63および表示位置駆動回路64の両方に送信する。表示駆動回路63は、ステップ203で、出力OFF信号を受け取ると電圧の印加を終了する。また、表示位置駆動回路64は、ステップ303で、出力OFF信号を受け取ると電圧の印加を終了する。この時点で、Nがm未満であれば、ステップ110で、Nを1増加して、再びステップ103に戻り、CPU61が画像データバッファ62からN+1ライン目の画像データを取り出し、上記ステップを繰り返す。Nとmが等しくなれば、ステップ111で、描画を終了する。終了時点で、すべての画素の表示状態が表示に対応した状態になる。
【0038】
幅の等しい第1および第2帯状電極が90度以外の角度で交差すると、画素はひし形になる。そこで、このような画素形状に適した書体を使用すると良好な表示が行える。図12は、そのような書体の例を示す図である。
【0039】
図12において、bは図5Aのb1およびb2に対応する端子部の伸びる方向を示し、kは方向bに直角な方向を示す。ここでは、第1帯状電極34は方向kに対してθ1をなし、第2帯状電極35は方向kに対してθ2をなすとする。ただし、θ1とθ2は逆方向の角度であるとする。これにより、第1帯状電極34と第2帯状電極35はθ1+θ2の角度で交差し、画素の形状はひし形になる。ここで、水平方向に伸びる円筒物に、方向bが水平方向になるように表示素子30を巻き付けるとする。ここで、θ2がイタリック体の文字の傾きと同じ角度になるようにすれば、イタリック体の文字の一部の直線と第2帯状電極35の伸びる方向が一致し、イタリック体文字の一部を直線表示できる。
【0040】
このように、表示する内容に応じて第1および第2帯状電極の方向角度を設定すれば、直交する2次元画素配列の場合とは異なった表示効果が得られる。
【0041】
図10および図11で説明した制御部は、画像データバッファ62が、画素ごとの画像データを、第1帯状電極34および第2帯状電極35に対応した形で保持していた。しかし、従来の一般の画像データは、正方形または長方形の画素が縦横方向に配列される2次元マトリクス表示用として作られており、そのままでは第1実施形態の表示素子30では表示できない。そこで、図10の構成で、CPU61またはほかの演算処理装置が従来の一般の画像データを第1実施形態の表示素子用の画像データに変換して画像データバッファ62に格納することが考えられる。このような変換処理は各種あり得るが、以下いくつかの例を説明する。
【0042】
図13A、図13Bおよび図14Aから図14Eは、従来の一般の画像データを第1実施形態の表示素子用の画像データに変換する第1および第2の処理方法を説明する図である。
【0043】
図13Aに示すように、第1実施形態の表示素子30では、同一幅の第1帯状電極34と第2帯状電極35が所定の角度で交差しており、図13Bに示すようにひし形の画素39が形成される。
【0044】
図14Aは、第1実施形態の表示素子30のひし形の画素39を、従来の一般の表示装置の正方形の画素51に重ね合わせた状態を示す。1個のひし形の画素39は、複数の正方形の画素51に重なる。
【0045】
第1の処理方法では、各ひし形の画素39がもっとも大きな面積で重なる正方形の画素51の画素値をそのひし形の画素39の画素値とする方法である。この方法は、非常に簡単であるが、後述するように精密な画像を得ることが難しいという問題がある。なお、この第1の処理方法は、正方形の画素51の画素値が2値で、ひし形の画素39を有する第1実施形態の表示装置が2値表示である場合にも使用できる。
【0046】
第2の処理方法では、ひし形の画素39が重なる正方形の画素51の画素値を面積に応じて加算することにより、ひし形の画素39の画素値を算出する。従って、第1実施形態の表示装置は、ひし形の画素39で多値表示で中間調表示できることが必要である。
【0047】
図14Aにおいて、中央の正方形の画素51の画素値が1で(暗い)、その周囲のほかの画素51の画素値が0(明るい)とする。中央のひし形の画素39Cは画素値の小さな正方形の画素51と約6割が重なるので、画素値は約0.6になる。右上のひし形の画素39Bは、画素値の小さな正方形の画素51と約1割が重なるので、画素値は約0.1になる。ひし形の画素39E、39Aの画素値の小さな正方形の画素51との重なりはさらに小さくなり、ひし形の画素39Dは画素値の小さな正方形の画素51と重ならない。この結果、ひし形の画素39A〜39Eの画素値は、図14Bに示すようになる。なお、上記の例では、正方形の画素の画素値は1または0であったが、多値でもよい。
【0048】
図14Cに示す正方形の画素で表された黒円52を、第1の処理方法で第1実施形態の表示素子の画像データに変換すると、図14Dに示すような2値画像になり、円とはかなり異なって見えることになる。黒円52を第2の処理方法で画像データに変換すると、図14Eに示すような画像になり、黒円に近似した表示が得られる。
【0049】
図15Aから図15Fおよび図16Aから図16Eは、第3の変換処理方法を説明する図であり、従来の一般的な縦横配列の矩形の元画像データを、第1実施形態の本表示素子で表示する画像データに変換して画像データバッファ62に格納する方法を説明する図である。
【0050】
ここでは、図5Aのb1およびb2が図15Aの横方向bになる場合を説明する。また、元画像の縦横比と本表示素子の矩形表示領域の縦横比が同じで、元画像を本表示素子の矩形表示領域全体で表示する例を説明する。
【0051】
まず、本表示素子の画素と画像データバッファ62内の区画の対応関係を説明する。図15Aは、本表示素子における第1および第2帯状電極と画素の関係および第1および第2帯状電極と表示駆動回路63および表示位置駆動回路64の関係を示す。図示のように、端子部が伸びる方向bは横方向であり、第1および第2帯状電極は方向bに対してそれぞれ±θをなしている。図15Aでは、第1および第2帯状電極と表示駆動回路63および表示位置駆動回路64の関係が分かりにくいので、図15Bに示すように電気的に等化な形で示す。
【0052】
図15Bの画素配列を、方向bに対して垂直な方向に1/Tanθ倍して、図15Cに示すような画素配列を得る。この画素配列では、各画素は正方形になる。
【0053】
次に、図15Cの画素配列を、45度時計回りに回転して図15Dに示すような画素配列を得る。この画素配列では、第1帯状電極が垂直方向に、第2帯状電極が水平方向に伸び、第1帯状電極と第2帯状電極が直角に交差する。この画素配列は、画素の形状が正方形である従来の表示素子の画素配列と同じである。第1帯状電極と第2帯状電極の伸びる方向に合わせて表示駆動回路63および表示位置駆動回路64の向きを変更したのが図15Eである。図15Fは、図15Eにおける画素の配列を示す図であり、クロス線で示した区画が実際に存在する画素を示す。この区画配列を表示するには、列方向の区画数がnで、mライン分の区画を有する画像データバッファがあればよい。従って、この画像データバッファのうち、クロス線で示した区画が表示に使用される。画像データバッファのクロス線で示した区画以外の区画のデータは、対応する画素がないため、表示には使用されない。言い換えれば、画像データバッファのクロス線で示した区画に、変換された元画像のデータを格納することで、第1実施形態の表示素子に画像を表示できる。
【0054】
元画像と本表示素子の画像データバッファは、以上説明したような関係にある。次に、元画像を上記の関係に従って変換して画像データバッファに格納する画像データを作成する方法を、図16を参照して説明する。
【0055】
図16Aは、元画像を示す。ここでは元画像は数字の「4」である。この元画像を拡大縮小変換して、縦方向に1/Tanθ倍する。これにより図16Bのような画像になる。このような拡大縮小変換は広く知られている。この変換は、図15Bから図15Cへの変換に対応する。
【0056】
次に、図16Bの画像を時計回りに45度回転する。これにより図16Cのような画像になる。この回転変換も広く知られている。この変換は、図15Cから図15Dへの変換に対応する。図16Cの画像において、元画像に対応領域がない画素については、任意のデータを格納する。ここでは、このデータとして黒表示用データを格納する。
【0057】
次に、図16Cの画像において、表示駆動回路63に接続される上基板の第1帯状電極34の本数がnで、表示位置駆動回路64に接続される下基板の第2帯状電極35の本数がmである場合、横画素数がn個、縦画素数がm個になるように解像度変換を行う。
【0058】
次に、図16Cの解像度変換後の画像を図16Dの区画に対応させ、各区画の画素値を算出し、画像データバッファに格納する。
【0059】
以上のようにして元画像から画像データバッファに格納するデータが生成される。画像データバッファに格納されたデータを第1実施形態の表示素子で表示すれば、図16Eに示す元画像に対応した表示が得られる。
【0060】
以上説明したように第1実施形態では、1方向に小さな曲率で折り曲げ可能な表示素子が得られる。図17は、このような表示素子の使用形態の例を示す図であり、表示素子30をノート型コンピュータ70の筐体表面に設けた例を示す。この例では、ノート型コンピュータ70の筐体下部71を除く筐体上部から筐体側面の曲面部分まで覆うように表示素子30を搭載する。このように筐体側面の曲面部分も表示素子で覆うことで、筐体表面で表示領域として利用可能な面積を広げることができる。
【0061】
以上説明したように、第1実施形態では、表示素子を曲面に実装する際に、表示素子を曲げても配線部が曲げられることはないので、配線部に接続されるフレキシブルケーブルが外れることがない。これにより、小さな曲率の曲面に表示素子を実装することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1A】図1Aは、単純マトリクス型の液晶表示素子の概略構成を示す図であり、液晶表示素子の断面図である。
【図1B】図1Bは、単純マトリクス型の液晶表示素子の概略構成を示す図であり、液晶表示素子の上面図である。
【図1C】図1Cは、単純マトリクス型の液晶表示素子の概略構成を示す図であり、上側(第1)基板の上面図である。
【図1D】図1Dは、単純マトリクス型の液晶表示素子の概略構成を示す図であり、下側(第2)基板の上面図である。
【図2A】図2Aは、表示素子の曲げの制限を説明する図であり、表示素子の表示面は湾曲していない状態を示す。
【図2B】図2Bは、表示素子の曲げの制限を説明する図であり、表示素子の表示面を若干曲げた状態を示す。
【図2C】図2Cは、表示素子の曲げの制限を説明する図であり、表示素子を縦方向の柱に沿って曲げた状態を示す。
【図2D】図2Dは、表示素子の曲げの制限を説明する図であり、図2Cの状態におけるフレキシブルケーブルの状態を示す。
【図3】図3は、実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の原理構成を説明する図である。
【図4A】図4Aは、実施形態の表示素子の曲げた状態の例を示す図である。
【図4B】図4Bは、実施形態の表示素子の曲げた状態の例を示す図である。
【図5A】図5Aは、実施形態の表示素子の円柱への巻き付けを説明する図である。
【図5B】図5Bは、実施形態の表示素子の円柱への巻き付けを説明する図である。
【図5C】図5Cは、実施形態の表示素子の円柱への巻き付けを説明する図である。
【図6A】図6Aは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の概略構成を示す図であり、表示素子の断面図である。
【図6B】図6Bは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の概略構成を示す図であり、表示素子の上面図である。
【図6C】図6Cは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の概略構成を示す図であり、上側(第1)基板の上面図である。
【図6D】図6Dは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の概略構成を示す図であり、下側(第2)基板の上面図である。
【図7A】図7Aは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の変形例の概略構成を示す図であり、表示素子の断面図である。
【図7B】図7Bは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の変形例の概略構成を示す図であり、表示素子の上面図である。
【図7C】図7Cは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の変形例の概略構成を示す図であり、上側(第1)基板の上面図である。
【図7D】図7Dは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子の変形例の概略構成を示す図であり、下側(第2)基板の上面図である。
【図8】図8は、フレキシブルケーブルを接続した第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子を示す図である。
【図9A】図9Aは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子におけるフレキシブルケーブルの接続方法の変形例を示す図であり、全体構成を示す。
【図9B】図9Bは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子におけるフレキシブルケーブルの接続方法の変形例を示す図であり、接続部分の断面図の拡大図を示す。
【図9C】図9Cは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子におけるフレキシブルケーブルの接続方法の変形例を示す図であり、接続部分の平面図の拡大図を示す。
【図9D】図9Dは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子におけるフレキシブルケーブルの接続方法の変形例を示す図であり、第1帯状電極の端子部の拡大図を示す。
【図9E】図9Eは、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子におけるフレキシブルケーブルの接続方法の変形例を示す図であり、第2帯状電極の端子部の拡大図を示す。
【図10】図10は、第1実施形態の単純マトリクス液晶表示素子を有する表示装置の表示制御部の構成を示す図である。
【図11】図11は、図10の構成における制御の流れる示す図である。
【図12】図12は、実施形態の表示装置における表示に適した書体の例を示す図である。
【図13A】図13Aは、第1実施形態の表示素子の画素を示す図である。
【図13B】図13Bは、第1実施形態の表示素子の画素を示す図である。
【図14A】図14Aは、従来の一般の画像データを第1実施形態の表示素子用の画像データに変換する第1および第2の処理方法を説明する図である。
【図14B】図14Bは、従来の一般の画像データを第1実施形態の表示素子用の画像データに変換する第2の処理方法を説明する図である。
【図14C】図14Cは、第2の処理方法で変換される元画像を示す図である。
【図14D】図14Dは、図14Cの元画像を第1の処理方法で変換した画像データを説明する図である。
【図14E】図14Eは、図14Cの元画像を第2の処理方法で変換した画像データを説明する図である。
【図15A】図15Aは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図15B】図15Bは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図15C】図15Cは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図15D】図15Dは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図15E】図15Eは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図15F】図15Fは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図16A】図16Aは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図16B】図16Bは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図16C】図16Cは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図16D】図16Dは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図16E】図16Eは、第3の変換処理方法を説明する図であり、元画像データを変換して画像データバッファに格納する方法を説明する図である。
【図17】図17は、実施形態の表示素子の使用形態の例を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
30 単純マトリクス型表示素子
31 上側(第1)基板
32 下側(第2)基板
33 液晶層
34 第1帯状電極
35 第2帯状電極
36、36A、36B 第1端子部
37、37A、37B 第2端子部
61 CPU
62 画像データバッファ
63 表示駆動回路
64 表示位置駆動回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並行に設けられた複数の第1電極を有する第1基板と、並行に設けられた複数の第2電極を有する第2基板とを対向して配置し、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極の交差部に画素が形成されるマトリクス表示素子であって、
前記第1基板は、前記複数の第1電極を電気的に外部接続するための第1端子部を備え、
前記第2基板は、前記複数の第2電極を電気的に外部接続するための第2端子部を備え、
前記第1端子部と前記第2端子部は、前記マトリクス表示素子の表示面の対向する所定の2辺に配置されており、前記対向する所定の2辺以外の辺には端子部が配置されていないことを特徴とするマトリクス表示素子。
【請求項2】
前記複数の第1電極および前記複数の第2電極の配列方向の少なくともどちらか片方は、前記第1端子部および前記第2端子部における端子の配列方向と垂直および平行でない請求項1に記載のマトリクス表示素子。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のマトリクス表示素子と、
前記第1端子部に第1駆動信号を印加する第1駆動回路と、
前記第2端子部に第2駆動信号を印加する第2駆動回路と、
前記第1および第2駆動信号を発生する駆動信号生成部と、を備え、
前記駆動信号生成部は、前記マトリクス表示素子の前記複数の第1電極と前記複数の第2電極の交差部の画素に対応した対応済みマトリクス表示データを格納した画像データバッファを備え、画像データバッファから読み出した前記対応済みマトリクス表示データから、前記第1および第2駆動信号を発生するマトリクス表示装置。
【請求項4】
前記駆動信号生成部は、矩形の表示画面の縦方向および横方向に配列された矩形画素に対応した矩形マトリクス表示データを、前記マトリクス表示素子の画素の前記矩形画素との重なり面積に応じて配分することにより、前記対応済みマトリクス表示データを生成する請求項3に記載のマトリクス表示装置。
【請求項5】
前記駆動信号生成部は、矩形の表示画面の縦方向および横方向に配列された矩形画素に対応した矩形マトリクス表示データを、前記マトリクス表示素子の画素の配列に応じて変換処理することにより、前記対応済みマトリクス表示データを生成する請求項3に記載のマトリクス表示装置。
【請求項1】
並行に設けられた複数の第1電極を有する第1基板と、並行に設けられた複数の第2電極を有する第2基板とを対向して配置し、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極の交差部に画素が形成されるマトリクス表示素子であって、
前記第1基板は、前記複数の第1電極を電気的に外部接続するための第1端子部を備え、
前記第2基板は、前記複数の第2電極を電気的に外部接続するための第2端子部を備え、
前記第1端子部と前記第2端子部は、前記マトリクス表示素子の表示面の対向する所定の2辺に配置されており、前記対向する所定の2辺以外の辺には端子部が配置されていないことを特徴とするマトリクス表示素子。
【請求項2】
前記複数の第1電極および前記複数の第2電極の配列方向の少なくともどちらか片方は、前記第1端子部および前記第2端子部における端子の配列方向と垂直および平行でない請求項1に記載のマトリクス表示素子。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のマトリクス表示素子と、
前記第1端子部に第1駆動信号を印加する第1駆動回路と、
前記第2端子部に第2駆動信号を印加する第2駆動回路と、
前記第1および第2駆動信号を発生する駆動信号生成部と、を備え、
前記駆動信号生成部は、前記マトリクス表示素子の前記複数の第1電極と前記複数の第2電極の交差部の画素に対応した対応済みマトリクス表示データを格納した画像データバッファを備え、画像データバッファから読み出した前記対応済みマトリクス表示データから、前記第1および第2駆動信号を発生するマトリクス表示装置。
【請求項4】
前記駆動信号生成部は、矩形の表示画面の縦方向および横方向に配列された矩形画素に対応した矩形マトリクス表示データを、前記マトリクス表示素子の画素の前記矩形画素との重なり面積に応じて配分することにより、前記対応済みマトリクス表示データを生成する請求項3に記載のマトリクス表示装置。
【請求項5】
前記駆動信号生成部は、矩形の表示画面の縦方向および横方向に配列された矩形画素に対応した矩形マトリクス表示データを、前記マトリクス表示素子の画素の配列に応じて変換処理することにより、前記対応済みマトリクス表示データを生成する請求項3に記載のマトリクス表示装置。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図14E】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図15F】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図16E】
【図17】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図14E】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図15F】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図16E】
【図17】
【公開番号】特開2010−117435(P2010−117435A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289014(P2008−289014)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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