説明

マラリアの治療及び予防を意図する医薬品を調製するためのインダゾールカルボキサミド誘導体の使用

本発明は一般式(I)の化合物の使用に関する。


式中、Rは水素原子、ハロゲン原子又は−NH、−NHR、−NHCOR、−NO、−CN、−CHNH若しくは−CHNHR基であり、又はRは、置換されていてもよいフェニルであり、又はRは、置換されていてもよい複素環式芳香族基であり、Arは、置換されていてもよいフェニル基若しくは置換されていてもよい複素環式芳香族基であり、R及びRは、−CONH基で、フェニル基で若しくは複素環式芳香族基で置換されていてもよいC1−6アルキル基であり、又はR及びRはフェニル基若しくは複素環式芳香族基であり、nは0、1、2又は3である。前記化合物は、塩基、酸付加塩、水和物又は溶媒和物の形態をとる。本発明は、マラリアの治療及び予防を意図する医薬品の調製に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マラリアの治療用及び予防を意図する医薬品を調製するための1H−インダゾール−3−カルボキサミド誘導体及び薬剤として許容されるその塩の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
マラリアは、アノフェレス型の蚊によって伝染される寄生虫症である。この疾患は、主要な公衆衛生問題であり、毎年3億から5億人が感染し、270万人が死亡しており、その多くは子供である。マラリアは、世界の多くの地域で根絶されたが、特に、抗マラリア医薬品として使用される分子の一部、特に長年最も一般に使用されている分子であるクロロキンに対して寄生虫が耐性を有するために、アフリカ、東南アジア及び南アメリカでは風土病的に進行し続けている。
【0003】
プラスモディウムのいくつかの種はマラリアをヒトに伝染し、中でもプラスモディウム ファルシパルム(Plasmodium falciparum)は致死的な疾患をもたらす。
【0004】
したがって、マラリアを撲滅するために、特にプラスモディウム ファルシパルムを撲滅するために、適切な新規分子を見出す必要があると考えられる。
【0005】
1H−インダゾール−3−カルボキサミド誘導体は、国際出願PCT/FR03/02862に記載されている。該出願は、CDK1、CDK2、CDK4などのある種の「サイクリン依存性キナーゼ」(CDKS)に対する該誘導体の抑制特性を開示しており、癌、自己免疫及び/又は炎症性疾患、循環器病、神経変性疾患、ウイルス及び真菌感染、筋骨格系の変性疾患、血液病並びに毒素又はアルコールのための腎疾患及び肝疾患を治療するための該誘導体の使用も開示している。
【0006】
本出願人は、今回、該1H−インダゾール−3−カルボキサミド誘導体が、プラスモディウム ファルシパルム寄生虫の成長を阻害し、したがってマラリアの治療及び予防に有用であることを見出した。
【発明の開示】
【0007】
本発明の一主題は、マラリアの治療用及び予防用医薬品を調製するための、一般式(I)の化合物の使用である。
【0008】
【化2】

【0009】
式中、
は水素原子、ハロゲン原子又は基−NH、−NHR、−NHCOR、−NO、−CN、−CHNH若しくは−CHNHRであり、
又はRは、ハロゲン原子並びにC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−OH、−NH、−NHR及び−NR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、
又はRは、ハロゲン原子並びに複素環式芳香族、C1−6アルキル、−OH、−NH、−NHR、−NHCOR、−COOR、−CONH、−CONHR及び−CHXR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよい複素環式芳香族基であって、XはO、NH及びSから選択され、
Arは、ハロゲン原子並びにC1−6アルキル、C1−6チオアルキル、C1−6アルコキシ、−CHOH、フェノキシ、モルホリニル、−CH−モルホリニル、−NH、−NHR、−NR、−NHSO、−CN、−SO、−SONH、−SONHR、−COOH、−COOR、−CONH、−CONHNH、−CONHR、−CHNHR及び−CHNR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよいフェニル基であり、
又はArは、ハロゲン原子並びにC1−6アルキル、C1−6チオアルキル、C1−6アルコキシ、−CHOH、フェノキシ、モルホリニル、−CH−モルホリニル、−NH、−NHR、−NR、−NHSO、−CN、−SO、−SONH、−SONHR、−COOH、−COOR、−CONH、−CONHNH、−CONHR、−CHNHR及び−CHNR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよい複素環式芳香族基であり、
及びRは、互いに同一若しくは異別とすることができ、−CONH基で、フェニル基で若しくは複素環式芳香族基で置換されていてもよいC1−6アルキル基であり、
又はR及びRは、互いに同一若しくは異別とすることができ、フェニル基若しくは複素環式芳香族基であり、
nは0、1、2又は3である。
【0010】
一般式(I)の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を含むことができる。したがって、一般式(I)の化合物は、鏡像異性体又はジアステレオ異性体の形態で存在することができる。これらの鏡像異性体及びジアステレオ異性体並びにラセミ混合物を含めたこれらの混合物は、本発明の一部である。
【0011】
一般式(I)の化合物は互変異性体の形態で存在することもできる。したがって、本発明の一主題は、あらゆる互変異性型の本発明の化合物でもある。
【0012】
一般式(I)の化合物は、塩基の又は酸付加塩の形態で存在することができる。かかる付加塩は本発明の一部である。
【0013】
この塩は、薬剤として許容される酸を用いて有利には調製されるが、例えば、一般式(I)の化合物を精製又は単離するのに有用である他の酸の塩も本発明の一部である。
【0014】
一般式(I)の化合物は、水和物又は溶媒和物の形態、すなわち1個以上の水分子との又は溶媒との会合又は組み合わせの形態とすることもできる。かかる水和物又は溶媒和物も本発明の一部である。
【0015】
本発明では、特に示さない限り、
− 「Ct−z」(t及びzは1から6の値をとることができる。)という用語は、tからz個の炭素原子を含む炭素鎖を意味するものとする。例えば、C1−6は、1から6個の炭素原子を含む炭素鎖を表す。
【0016】
− 「アルキル」という用語は、線状又は分枝状の飽和脂肪族基を意味するものとする。例えば、C1−6アルキル基は、1から6個の炭素原子を含む線状又は分枝状炭素鎖、より具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチルなどを表す。
【0017】
− 「アルコキシ」という用語は、アルキル鎖が飽和の線状又は分枝状であるアルキルオキシ(−O−アルキル)基を意味するものとする。
【0018】
− 「チオアルキル」という用語は、アルキル鎖が飽和の線状又は分枝状である−S−アルキル基を意味するものとする。
【0019】
− 「ハロゲン原子」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味するものとする。
【0020】
− 「複素環式芳香族基」という用語は、5から9個の炭素原子と窒素、酸素、硫黄など1から4個のヘテロ原子とを含む芳香族基を意味するものとする。複素環式芳香族基の例としては、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル及びピロロ[2,3−c]ピリジニル基が挙げられる。
【0021】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の一サブグループは、R、R、R、Ar及びnが上記のとおりである化合物であり、以下の化合物は除外される。
【0022】
− N−フェニル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(2−クロロフェニル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(3−クロロフェニル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(4−クロロフェニル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(2−メチルフェニル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(2−メトキシフェニル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(4−メトキシフェニル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(4−チオメチルフェニル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(3−クロロ−4−チオメチルフェニル)−5−アミノ−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−ベンジル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(2−クロロベンジル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(4−メチルベンジル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(ピリジン−3−イルメチル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(ピリジン−4−イルメチル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(2−フェニルエチル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(3,4−ジメトキシフェニルエチル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−[3−(ピリジン−2−イル)プロピル]−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−[3−(2,6−ジメチルフェニル)プロピル]−5−ニトロ−1H−インダゾール−3−カルボキサミド。
【0023】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の別のサブグループは、以下の条件で、R、R、R、Ar及びnが上記のとおりである化合物である。
【0024】
− Rが水素原子であるときに、
nが0であり、かつArがフェニルである場合には、このフェニルは上記のとおり必ず置換されており(置換基メチル、メトキシ、チオメチル及び塩素原子は除外される。)、
nが1であり、かつArがフェニルである場合には、このフェニルは上記のとおり必ず置換されており(置換基メチル及び塩素原子は除外される。)、
nが1であり、かつArがピリジニルである場合には、このピリジニルは上記のとおりに必ず置換されており、
nが2であり、かつArがフェニルである場合には、このフェニルは上記のとおり必ず置換されており(置換基メトキシは除外される。)、
nが3であり、かつArがピリジニルである場合には、このピリジニルは上記のとおりに必ず置換されており、
− Rが−NH基であり、nが0であり、かつArがフェニルであるときには、Arのフェニルの置換基をチオメチル及び塩素原子から選択することができず、
− Rが−NO基であり、nが3であり、かつArがフェニルであるときには、Arのフェニルの置換基をメチルとすることができない。
【0025】
式(I)の化合物の別のサブグループは、以下の条件で、R、R、R、Ar及びnが上記のとおりである化合物である。
【0026】
− Rが水素原子であるときには、
Arは、臭素又はヨウ素原子並びにC2−6アルキル、C2−6チオアルキル、C2−6アルコキシ、−CHOH、フェノキシ、モルホリニル、−CH−モルホリニル、−NH、−NHR、−NR、−NHSO、−CN、−SO、−SONH、−SONHR、−COOH、−COOR、−CONH、−CONHNH、−CONHR、−CHNHR及び−CHNR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されたフェニル基であり、
又はArは、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル及びピロロ[2,3−c]ピリジニルから選択される複素環式芳香族基であって、前記複素環式芳香族基は1若しくは2個の置換基で置換されていてもよく、又はArは1若しくは2個の置換基で置換されたピリジニルであって、これらの置換基は、ハロゲン原子並びにC1−6アルキル、C1−6チオアルキル、C1−6アルコキシ、−CHOH、フェノキシ、モルホリニル、−CH−モルホリニル、−NH、−NHR、−NR、−NHSO、−CN、−SO、−SONH、−SONHR、−COOH、−COOR、−CONH、−CONHNH、−CONHR、−CHNHR及び−CHNR基から選択され、
− Rがハロゲン原子又は−NH、−NHR、−NHCOR、−NO、−CN、−CHNH若しくは−CHNHR基であるときには、
又はRが、ハロゲン原子並びにC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−OH、−NH、−NHR及び−NR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよいフェニルであるときには、
又はRが、ハロゲン原子並びに複素環式芳香族、C1−6アルキル、−OH、−NH、−NHR、−NHCOR、−COOR、−CONH、−CONHR及び−CHXR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよい複素環式芳香族基であって、XがO、NH及びSから選択されるときには、
Arは、臭素若しくはヨウ素原子並びにC2−6アルキル、C2−6チオアルキル、C2−6アルコキシ、−CHOH、フェノキシ、モルホリニル、−CH−モルホリニル、−NH、−NHR、−NR、−NHSO、−CN、−SO、−SONH、−SONHR、−COOH、−COOR、−CONH、−CONHNH、−CONHR、−CHNHR及び−CHNR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよいフェニル基であり、
又はArは、ハロゲン原子並びにC1−6アルキル、C1−6チオアルキル、C1−6アルコキシ、−CHOH、フェノキシ、モルホリニル、−CH−モルホリニル、−NH、−NHR、−NR、−NHSO、−CN、−SO、−SONH、−SONHR、−COOH、−COOR、−CONH、−CONHNH、−CONHR、−CHNHR及び−CHNR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよい複素環式芳香族基である。
【0027】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の別のサブグループは、以下のとおり規定される。
【0028】
− Rが水素原子であるときには、
Arは、臭素原子又は−CHOH、フェノキシ、−NH、−NHR、−NR、−CN、−SONH、−COOH、−COOR若しくは−CONH基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されたフェニルであり、
又はArは、イミダゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ピラジニル、インドリル、インダゾリル、キノリニル若しくはイソキノリニルから選択される複素環式芳香族基であって、前記複素環式芳香族基は1若しくは2個の置換基で置換されていてもよく、又はArは、1若しくは2個の置換基で置換されたピリジニルであって、これらの置換基はハロゲン原子(より具体的には塩素)並びに−COOH、C1−6アルキル(より具体的にはメチル)及びC1−6アルコキシ(より具体的にはメトキシ)基から選択され、
及びRは、互いに同一若しくは異別とすることができ、C1−6アルキル基(より具体的にはメチル又はエチル)であり、又はR及びRはフェニルであり、
nは0、2又は3であり、
− Rがハロゲン原子(より具体的には臭素又はヨウ素)又は−NH、−NHCOR、−NO、−CN若しくは−CHNH基であるときには、
又はRがフェニルであるときには、
又はRが、ハロゲン原子(より具体的には塩素又はフッ素)並びに複素環式芳香族(より具体的にはピリジニル)、C1−6アルキル(より具体的にはメチル)、−OH、−NH、−NHR、−NHCOR、−COOR、−CONH、−CONHR及び−CHOR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよい複素環式芳香族基(より具体的にはピラゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル又はピロロ[2,3−c]ピリジニル)であるときには、
Arは、ハロゲン原子(より具体的には塩素又はフッ素)並びにモルホリニル、−CH−モルホリニル、−NHSO、−CN、−SO、−SONH、−SONHR、−COOH、−CONHNH、−CHNHR及び−CHNR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよいフェニル基であり、
又はArは、C1−6アルコキシ基で、好ましくはメトキシで置換されていてもよい複素環式芳香族基(より具体的にはピリジニル)であり、
及びRは、互いに同一若しくは異別とすることができ、−CONH基で若しくはフェニル基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(より具体的にはメチル、エチル又は2−メチルプロピル)であり、又はR及びRは、互いに同一若しくは異別とすることができ、フェニル基若しくは複素環式芳香族基、より具体的にはピリジニル若しくはピリミジニルであり、
nは0又は1である。
【0029】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の別のサブグループは、以下のとおり規定することもできる。
【0030】
は、ハロゲン原子並びに複素環式芳香族、C1−6アルキル、−OH、−NH、−NHR、−NHCOR、−COOR、−CONH、−CONHR及び−CHXR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよい複素環式芳香族基であって、XはO、NH及びSから選択され、及び/又は
Arは、ハロゲン原子並びにC1−6アルキル、C1−6チオアルキル、C1−6アルコキシ、−CHOH、フェノキシ、モルホリニル、−CH−モルホリニル、−NH、−NHR、−NR、−NHSO、−CN、−SO、−SONH、−SONHR、−COOH、−COOR、−CONH、−CONHNH、−CONHR、−CHNHR及び−CHNR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよいフェニル基であり、
又はArは、ハロゲン原子並びにC1−6アルキル、C1−6チオアルキル、C1−6アルコキシ、−CHOH、フェノキシ、モルホリニル、−CH−モルホリニル、−NH、−NHR、−NR、−NHSO、−CN、−SO、−SONH、−SONHR、−COOH、−COOR、−CONH、−CONHNH、−CONHR、−CHNHR及び−CHNR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよい複素環式芳香族基であり、及び/又は
及びRは、互いに同一若しくは異別とすることができ、−CONH基で、フェニル基で若しくは複素環式芳香族基で置換されていてもよいC1−6アルキル基であり、又はR及びRは、互いに同一若しくは異別とすることができ、フェニル基若しくは複素環式芳香族基であり、及び/又は
nは0、1、2又は3である。
【0031】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の別のサブグループは、以下のとおり規定することもできる。
【0032】
は、ハロゲン原子(より具体的には塩素)並びに複素環式芳香族(より具体的にはピリジニル)、C1−6アルキル(より具体的にはメチル)、−NH及び−CONHR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよい複素環式芳香族基、より具体的にはピラゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、イソキノリニル又はピロロ[2,3−c]ピリジニルであり、及び/又は
Arは、−NHSO、−CN、−SO、−SONH、−SONHR及び−CHNHR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよいフェニル基であり、
又はArは、ハロゲン原子並びにC1−6アルキル、C1−6チオアルキル、C1−6アルコキシ、−CHOH、フェノキシ、モルホリニル、−CH−モルホリニル、−NH、−NHR、−NR、−NHSO、−CN、−SO、−SONH、−SONHR、−COOH、−COOR、−CONH、−CONHNH、−CONHR、−CHNHR及び−CHNR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよい複素環式芳香族基(より具体的にはピリジニル)であり、及び/又は
及びRは、互いに同一若しくは異別とすることができ、−CONH基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、より具体的にはメチル若しくはエチルであり、又はR及びRは、互いに同一若しくは異別とすることができ、フェニル基若しくは複素環式芳香族基であり、及び/又は
nは0又は1である。
【0033】
本発明の主題は、マラリアの治療用及び予防用医薬品を調製するための、式(I)の化合物の上記サブグループのいずれか1つの使用でもある。
【0034】
特に、マラリアの治療用及び予防用医薬品を調製するための、以下の化合物(括弧内の番号は後記表の化合物の番号を示す。)のうちの1個の使用が挙げられる。
【0035】
− N−(ピリジン−4−イル)−5−イソキノリン−4−イル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド(No.3)
− N−(ピリジン−4−イル)−5−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−4−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド(No.10)
− 5−(1H−ピラゾル−4−イル)−N−(ピリジン−4−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド(No.11)
− 5−(6−クロロピリジン−3−イル)−N−ピリジン−4−イル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド(No.12)
− N−{3−[(エチルアミノ)メチル]フェニル}−5−イソキノリン−4−イル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド(No.14)
− N−{3−[(エチルアミノ)メチル]フェニル}−5−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−4−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド(No.21)。
【0036】
一般式(I)の化合物は、以下のスキームに示す方法によって調製することができる。この操作条件は、国際出願PCT/FR03/02862に記載のとおり、当業者には型どおりのものである。
【0037】
以下、「保護基PG」という用語は、官能基又は位置に影響を及ぼし得る化学反応において該官能基又は該位置の反応を防止可能にする基であって、当業者に公知の方法によって切断すると該官能基又は該位置が復元される基を意味するものとする。保護基の例並びに保護及び脱保護方法は、とりわけ、Protective groups in Organic Synthesis,Green et al. 3rd Ed.(John Wiley&Sons,Inc.,New York)に記載されている。
【0038】
がハロゲン原子、−NO基又は−CN基であるときには、一般式(I)の化合物は、スキーム1に示した方法によって調製することができる。
【0039】
この方法は、一般式(II)のインドール(式中、Rは−NO、−CN又はハロゲン原子である。)を一般式(III)のインダゾール−3−カルボアルデヒドに例えば亜硝酸を用いて転化するものである。次いで、1位が保護された一般式(IV)のインダゾール−3−カルボアルデヒドが得られるように、一般式(III)の化合物を塩基性媒体中でトリメチルシリルエトキシメチル(SEM)又はメシチレンスルホニル(Mts)型のPG基で保護する。化合物(IV)を、例えば亜塩素酸ナトリウムを用いた反応によって酸化して、一般式(V)のインダゾール−3−カルボン酸にする。一般式(VII)の1位が保護されたインダゾール−3−カルボキサミドは、一般式(V)の化合物を一般式Ar(CH)nNH(VI)のアミン(式中、Ar及びnは一般式(I)において定義したとおりである。)とカップリングさせることによって得られる。このカップリング反応は、カルボニルジイミダゾール、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸イソブチルなどのカップリング反応物を用いて一般式(V)の化合物を活性化することによって実施することができる。
【0040】
一般式(VII)の化合物は、水酸化ナトリウムなどの塩基の作用によって、又はフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)及びエチレンジアミンの存在下で、或いはトリフルオロ酢酸の存在下で、次いでエチレンジアミンと一緒に加熱することによって、脱保護することができる。この脱保護段階によって、一般式(I)のインダゾール−3−カルボキサミドを得ることができる。
【0041】
が水素原子であるときには、スキーム1に記載の調製方法を繰り返し、上記一般式Ar(CH)nNH(VI)のアミンと市販インダゾール−3−カルボン酸とのカップリング反応を実施する。
【0042】
が−NHである一般式(I)の化合物は、スキーム1に従って、Rが−NOである一般式(I)の化合物を、例えば塩化スズの存在下で、還元して得られる。
【0043】
が−NHR又は−NHCORである一般式(I)の化合物は、当業者に公知の技術によって、Rが−NHである一般式(I)の対応する化合物に官能性を持たせることによって得られる。
【0044】
が−CHNHである一般式(I)の化合物は、スキーム1に従って、Rが−CNである一般式(I)の化合物を、例えばチャコール担持パラジウムの存在下で、大気圧で水素化することによって得られる。
【0045】
が−CHNHRである一般式(I)の化合物は、当業者に公知の技術によって、Rが−CHNHである一般式(I)の対応する化合物に官能性を持たせることによって得られる。
【0046】
【化3】

【0047】
が、置換されていてもよいフェニル又は複素環式芳香族基であるときには、一般式(I)の化合物は、スキーム1、2及び3に示す方法の1つによって得ることができる。さらに、Rがオキサゾリル基であるときには、式(I)の化合物は、スキーム4に従って得ることができ、Rがチアゾリル基であるときには、式(I)の化合物はスキーム5に従って得ることができる。
【0048】
スキーム1の場合には、Rが、一般式(I)において定義した置換されていてもよい、フェニル又は複素環式芳香族基を表す、一般式(II)の化合物は、例えば、当業者に公知の技術によって5−ヨードインドールに対する鈴木型反応によって得ることができる。
【0049】
スキーム2は、5−ヨードインドールから一般式(VII)の化合物を調製する別法である。
【0050】
一般式(IVa)の化合物(式中、SEMはトリメチルシリルエトキシメチル基である。)は、スキーム1に示す最初の2段階を繰り返すことによって得られる。鈴木反応は、例えば、一般式RB(OH)(VIII)のボロン酸(式中、Rは、一般式(I)において定義した、置換されていてもよい、フェニル又は複素環式芳香族基である。)、炭酸ナトリウム(NaCO)などの無機塩基及びパラジウム(0)の存在下で実施され、PGがSEM基である一般式(IV)の化合物を得ることができる。Rが、一般式(I)において定義した、置換されていてもよい、フェニル又は複素環式芳香族基を表す、一般式(I)の化合物は、一般式(IV)の化合物から、スキーム1に示す最後の3段階を繰り返すことによって得られる。
【0051】
【化4】

スキーム3は、5−ヨードイサチン又は5−ブロモイサチンからの調製方法である。
【0052】
【化5】

【0053】
5−ヨードインダゾールカルボン酸又は5−ブロモインダゾールカルボン酸は、例えば水酸化ナトリウムの存在下で、5−ヨードイサチン又は5−ブロモイサチンのインドールジオン環を開環し、次いで、例えば亜硝酸によって、ジアゾ化し、最後に、例えば塩化スズ(SnCl)の存在下で、イミダゾール環を還元及び形成することによって得ることができる。次いで、一般式(IX)(Xは臭素又はヨウ素原子である。)の化合物が得られるように、得られた5−ヨードインダゾール−3−カルボン酸又は5−ブロモインダゾール−3−カルボン酸を塩基性媒体中で例えばSEM基で保護する。
【0054】
一般式(X)のインダゾール−3−カルボキサミドは、一般式(IX)の化合物を一般式Ar(CH)nNH(VI)(式中、Ar及びnは一般式(I)において定義したとおりである。)のアミンとカップリングさせることによって得ることができる。このカップリング反応は、カルボニルジイミダゾール、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸イソブチルなどのカップリング反応物を用いて一般式(IX)の化合物を活性化することによって実施することができる。
【0055】
一般式(VII)の化合物は、一般式(X)の化合物から以下の2つの方法、すなわち、
− 一般式RB(OH)(VIII)のボロン酸(式中、Rは、一般式(I)において定義した、置換されていてもよい、フェニル又は複素環式芳香族基である。)、塩基及びパラジウム(0)の存在下で実施される鈴木反応によって、又は
− ビス(ピナコラート)ジボラン及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウムIIと一般式(X)の化合物との反応によって得られる一般式(XI)のジオキサボロランによって(次いで、一般式(XI)の中間体は、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの無機塩基、パラジウム(0)及び一般式R−X(XII)の化合物(式中、Rは、一般式(I)において定義した、置換されていてもよい、フェニル又は複素環式芳香族基であり、Xは臭素又はヨウ素原子である。)の存在にされる。)、得ることができる。
【0056】
が、一般式(I)において定義した、置換されていてもよい、フェニル又は複素環式芳香族基を表す、一般式(I)の化合物は、スキーム1の最終段階に示すとおり、一般式(VII)の化合物を脱保護することによって得られる。
【0057】
スキーム4に、一般式(VIIa)の化合物、すなわちRがオキサゾリル基であり、PGがSEM基である一般式(VII)の化合物を調製する方法を示す。
【0058】
Xがヨウ素原子である上記一般式(X)の化合物は、例えば一酸化炭素及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどのパラジウム錯体の存在下で、次いでテトラヒドロフラン(THF)などの溶媒中の水素化トリブチルスズなどの還元剤の存在下でホルミル化される。こうして得られた一般式(XIII)の化合物は、一般式(VIIa)の化合物が得られるように、トシルメチルイソシアナート(TosMIC)及び炭酸カリウム(KCO)などの塩基の存在下で、メタノールなどの溶媒中で還流される。
【0059】
がオキサゾリル基である一般式(I)の化合物は、スキーム1の最終段階に示すとおり、一般式(VIIa)の化合物から脱保護によって得られる。
【0060】
【化6】

【0061】
スキーム5に、一般式(VIIb)の化合物、すなわちRがチアゾリル基であり、PGがSEM基である一般式(VII)の化合物を調製する方法を示す。
【0062】
チアゾリル基は、スキーム5に示す一般式(XIV)の誘導体及び無水THF中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下で、Xがヨウ素原子である上記一般式(X)の化合物を加熱し、次いで酸性化することによって導入される。式(XIV)の誘導体は、ブチルリチウムなどの強塩基の存在下で、無水エーテル中の塩化亜鉛(ZnCl)溶液の反応によって2−トリメチルシリル(チアゾール)から調製される。こうして得られた一般式(VIIb)の化合物は、Rがチアゾリル基である一般式(I)の化合物を得るために、スキーム1の最終段階に従って脱保護される。
【0063】
【化7】

【0064】
スキーム1から5においては、出発化合物及び反応物は、その調製方法が記載されていないときには、市販されているか、文献に記載されているか、又はその文献中に記載されている方法若しくは当業者に公知の方法によって調製することができる。
【0065】
以下の実施例に、本発明によって使用することができるいくつかの化合物の調製について記述する。これらの実施例は限定的なものではなく、本発明を単に説明するだけのものである。
【0066】
例示した化合物番号は、後記表に記載した番号である。微量分析、IRスペクトル、NMRスペクトル及び/又はLC/MS/UV(質量分析及び紫外分析に連結された液体クロマトグラフィー)によって、得られた化合物の構造を確認する。得られたLC/MS/UVの各値の括弧内の百分率は、化合物のUV純度である。「Mp」は、得られた化合物の融点である。
【実施例1】
【0067】
(化合物No.1)
N−(ピリジン−4−イル)−5−ピリジン−3−イル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド塩酸塩
中間体1.1
5−ヨード−1H−インダゾール−3−カルボン酸
5−ヨードイサチン(5g、18.3mmol)を水酸化ナトリウム(0.77g、HO 12ml中19.2mmol)の存在下で溶解するまで加熱し、次いで反応混合物を0℃に冷却する。あらかじめ0℃に冷却した亜硝酸ナトリウム溶液(1.26g、HO 5.5ml中18.3mmol)を添加する。得られたペーストを、温度が4℃を超えないように、あらかじめ0℃に冷却した硫酸溶液(3.40g、HO 37ml中34.8mmol)に激しく撹拌しながら分割添加する。撹拌を15分間続け、次いで塩化スズ溶液(SnCl.2HO、9.91g、濃HCl 15ml中43.9mmol)を、温度が4℃を超えないように徐々に添加する。混合物を放置して数時間反応させる。反応混合物をろ過する。固体を沸騰水で洗浄し、次いで加温条件下でエタノールにとる。不溶性不純物をろ過によって除去する。生成物2gを得る。
【0068】
中間体1.2
ナトリウム5−ヨード−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−インダゾール−3−カルボキシラート
中間体1.1(20g、70mmol)を無水THF(200ml)中で水素化ナトリウム(6.16g、油中55%、140mmol)にアルゴン下、0℃で添加する。温度を周囲温度に戻し、撹拌を20分間続ける。反応混合物を再度0℃に冷却し、THF(75ml)中の塩化2−(トリメチルシリル)エトキシメチル溶液(12.25g、73.5mmol)を徐々に導入する。反応物を0℃で数分間、次いで周囲温度で3時間撹拌する。水80mlを添加する。THFを減圧蒸発させ、不溶性材料をろ別する。固体をHO、次いでジエチルエーテル/石油エーテル混合物、最後にジエチルエーテルで洗浄する。得られた固体を、水酸化カリウムを用いて減圧乾燥させる。黄色粉末の生成物20.71gを得る。
【0069】
中間体1.3
N−(ピリジン−4−イル)−5−ヨード−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
クロロギ酸イソプロピルのトルエン溶液(1M、12ml)をアルゴン下、温度−10℃で中間体1.2(5.02g、11.4mmol)の無水THF(50ml)溶液に添加し、続いてN−メチルモルホリン(1.22g、12mmol)を滴下する。温度を−10℃で5分間維持し、次いで冷媒浴を除去する。混合物を周囲温度で25分間撹拌し、次いで再度冷却し、4−アミノピリジン(1.13g、12mmol)のTHF溶液を添加する。次いで、反応混合物を周囲温度で終夜撹拌し、ろ過し、減圧濃縮する。粗生成物をシリカゲル(500g)クロマトグラフにかけ、CHClとEtOAcの勾配によって溶出させる。生成物4.17gを得る。
【0070】
中間体1.4
N−(ピリジン−4−イル)−5−ピリジニル−3−イル−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
ピリジン−3−ボロン酸(299mg、1.15当量)、次いでNaCO水溶液(734mg/2.7ml HO、5当量)を中間体1.3(685mg、1.38mmol)のジメトキシエタン(DME)(5.5ml)溶液にアルゴン下で添加する。反応器をアルゴンで数回脱気し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(48mg、0.03当量)をアルゴン下で添加する。反応混合物を85℃で終夜加熱する。溶媒を減圧蒸発させ、残渣をEtOAc/HOで抽出する。有機相を脱水し、濃縮する。粗生成物をシリカゲル(200g)クロマトグラフにかける。EtOAc/MeOH(95/5)で溶出させ、蒸発後、生成物370mgを得る。
【0071】
N−(ピリジン−4−イル)−5−ピリジン−3−イル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド塩酸塩
フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)のTHF溶液(1M、6ml、5当量)、水(0.2ml)及びエチレンジアミン(0.20ml、3mmol、2.5当量)を中間体1.4(530mg、1.19mmol)のTHF(15ml)溶液にアルゴン下で添加する。反応混合物を60℃で3時間加熱する。フッ化テトラブチルアンモニウム(1N、3ml)をさらに添加する。さらに終夜加熱し続ける。反応混合物を4N HCl(1.2ml)を用いて酸性化し、減圧濃縮し、次いでHOで希釈する。沈殿物をろ別し、CHOH及びジエチルエーテルで洗浄する。得られた固体をCHCl/MeOHから再結晶させる。白色粉末の生成物190mgを得る。
【0072】
Mp:196℃
LC/MS/UV:MH+ 316(96.8%)
H RMN(500MHz、DMSO−D6)δ(ppm):7.53(dd、1H)、7.84(s、2H)、7.99(a、2H)、8.13(d、1H)、8.46(s、1H)、8.50(d、1H)、8.59(d、1H)、8.92(s、1H)、10.86(s、1H)、14.1(s、1H).
【実施例2】
【0073】
(化合物No.2)
N−(ピリジン−4−イル)−5−(4−メチル−[3,4’]−ビピリジニル−5−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド塩酸塩
中間体2.1
3,5−ジブロモ−4−メチルピリジン
n−ブチルリチウムのへキサン溶液(1.6N、16ml)を、−10℃に維持したジイソプロピルアミン(3.6ml、1.02当量)の無水THF(145ml)溶液にアルゴン下で滴下する。反応混合物を−78℃に冷却し、次いで−78℃に冷却した3,5−ジブロモピリジン(5.92g、25mmol)のTHF(200ml)溶液を滴下する。反応混合物を30分間撹拌し、次いでヨウ化メチル(2.17ml、1.4当量)を滴下する。撹拌を−78℃で2時間続ける。NHCl飽和水溶液(120ml)を添加する。溶媒蒸発後、反応混合物をEtOAcで抽出する。有機相を塩水で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、濃縮する。得られた黄色固体をEtOAcにとる。懸濁液をろ過する。ろ液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフにかけ、石油エーテル/EtOAc(97.5/2.5)混合物を用いて溶出させる。白色固体の生成物1.67gを得る。
【0074】
中間体2.2
5−ブロモ−4−メチル−[3,4’]−ビピリジニル
ピリジン−4−ボロン酸ピナコールエステル(910mg、4.45mmol)、NaCO水溶液(2.35g/9ml HO)、最後にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(153mg)を中間体2.1(1.3g、5.18mmol)のDME(18ml)溶液にアルゴン下で添加する。混合物を85℃で2日間加熱する。溶媒を蒸発除去し、次いで残渣をEtOAc/HOで抽出する。この有機溶液を塩水で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、濃縮させて得られた化合物を、シリカゲル(200g)クロマトグラフにかけ、EtOAc/石油エーテル(1/1)混合物を用いて溶出させる。油状の生成物440mgを得た。
【0075】
中間体2.3
N−(ピリジン−4−イル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3、2]−ジオキサボロラン−2−イル)−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−インダゾール−3−カルボン酸
中間体1.3(3.77g、7.6mmol)、ビス(ピナコラート)ジボラン(2.12g、8.3mmol)及び酢酸カリウム(2.24g)のジメチルスルホキシド(DMSO)(50ml)溶液の混合物をアルゴンで脱気する。1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウムII(310mg、0.38mmol、0.05当量)をアルゴン下で添加する。反応混合物を80℃で1時間30分加熱する。EtOAc/HOで抽出して、オレンジ色の油を単離する。これをシリカゲルクロマトグラフにかけ、EtOAcを用いて溶出させる。得られた黄色油をジエチルエーテルから結晶化させる。白色粉末の生成物2.56gを得る。
【0076】
中間体2.4
N−(ピリジン−4−イル)−5−(4−メチル−[3,4’]−ビピリジニル−5−イル)−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
NaCO水溶液(686mg/2.6ml)を中間体2.3(640mg、1.29mmol)と中間体2.2(370mg、1.15当量)とのDME(6ml)溶液に添加する。反応混合物をアルゴンで脱気する。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(46mg)をアルゴン下で添加する。反応混合物を85℃で終夜加熱する。溶媒を蒸発除去する。EtOAc/HOで抽出して油を単離する。この油をEtOAc/石油エーテル混合物から結晶化させる。白色粉末の生成物530mgを得る。
【0077】
N−(ピリジン−4−イル)−5−(4−メチル−[3,4’]−ビピリジニル−5−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド塩酸塩
中間体2.4のSEM保護基を、実施例1に記載の手順と同様にして、フッ化テトラブチルアンモニウムの存在下で切断する。粗生成物をMeOH/EtOにとる。得られた化合物をろ過によって単離し、MeOHで洗浄する。粉末の生成物265mgを得る。
【0078】
Mp:192℃
LC/MS/UV:MH+ 407(96.1%)
H RMN(500MHz、DMSO−D6)δ(ppm):2.13(s、3H)、7.65(m、3H)、7.90(d、J=8.5、1H)、8.01(d、J=7.2、2H)、8.32(s、1H)、8.54(s、1H)、8.55(d、J=6.2、2H)、8.60(s、1H)、8.79(d、J=5.7、2H)、10.90(s、1H)、13(s、1H)
【実施例3】
【0079】
(化合物No.3)
N−(ピリジン−4−イル)−5−イソキノリン−4−イル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
中間体3.1
5−ヨード−1H−インダゾール−3−カルボアルデヒド
亜硝酸ナトリウム(27.6g、400mmol)1gを5−ヨードインドール(9.722g、40mmol)の水懸濁液にアルゴン下で分割添加し、続いて6N HCl溶液(59ml)を滴下する。反応混合物の温度を15℃未満に維持し、次いで反応混合物を激しく撹拌しながら周囲温度で終夜放置する。亜硝酸蒸気をアルゴン気流下で排出し、次いで反応混合物をろ過する。固体をHOで洗浄し、続いてシリカゲル(600g)上でCHClからCHCl/EtOAc(9/1)混合物の溶出勾配によって溶出させて精製し、褐色固体の生成物1.37gを単離する。
【0080】
LC/MS/UV:MH+ 273(88.6%)
中間体3.2
5−ヨード−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−インダゾール−3−カルボアルデヒド
中間体3.1(2.58g、9.5mmol)を水素化ナトリウム(油中50%、0.50g、10.4mmol)の無水DMF(10ml)懸濁液にアルゴン下で添加し、続いて塩化トリメチルシリルエトキシメチル(SEMCl、1.60g、9.6mmol)のDMF(5ml)溶液を滴下する。撹拌を周囲温度で1時間続ける。水を添加し、次いでDMFを減圧蒸発させる。残渣をCHClにとる。この有機溶液を塩水で洗浄し、脱水し、次いで減圧濃縮する。粗生成物をシリカゲル(500g)クロマトグラフにかける。CHClで溶出させて粘ちゅう性褐色油状の生成物を得る。
【0081】
中間体3.3
5−イソキノリン−4−イル−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−インダゾール−3−カルボアルデヒド
イソキノリン−4−イルボロン酸塩酸塩(0.56g、2.66mmol)、NaCO水溶液(1.42g、HO 5ml中13.4mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0(0.160g、0.14mmol、0.05当量)を中間体3.2(1.07g、2.66mmol)のDME(10ml)溶液にアルゴン下で添加する。反応混合物を、85℃に調節された油浴によって5時間加熱し、次いで減圧濃縮する。残渣をEtOAcにとる。この有機溶液を塩水で洗浄し、脱水し、次いで濃縮して、粗生成物を得る。これをシリカゲル(150g)によって精製する。CHClからCHCl/EtOAc(9/1)の勾配で溶出させて生成物0.84gを得る。
【0082】
中間体3.4
5−イソキノリン−4−イル−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−インダゾール−3−カルボン酸
2−メチル−2−ブテン(5ml)、DMF(5ml)、次いで亜塩素酸ナトリウム(1.12g)とリン酸二水素ナトリウム(1.37g、水和物)との水溶液(10ml)を、温度0℃から−5℃に維持した中間体3.3(0.50g、1.24mmol)のDMF(5ml)溶液に添加し、氷と塩の混合物からなる浴を用いて冷却する。反応混合物の温度を0℃に30分間維持し、次いで、反応混合物を6N HCl(5ml)で終夜酸性化後、周囲温度で4時間30分撹拌する。反応混合物を濃縮する。残渣をEtOAcにとる。この溶液をHO及び塩水で洗浄し、NaSOを用いて脱水し、濃縮して白色固体の生成物0.50gを得る。
【0083】
中間体3.5
N−(ピリジン−4−イル)−5−イソキノリン−4−イル−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
クロロギ酸イソプロピル(1Mトルエン溶液、1.2ml)及びN−メチルモルホリン(0.120g、1.2mmol)を、温度−5℃から0℃に維持した中間体3.4(0.50g、1.19mmol)の無水THF(10ml)溶液にアルゴン下で添加する。反応混合物を放置して15分間反応させた後、4−アミノピリジン(0.114g、1.2mmol)を添加する。反応混合物を0℃で30分間、次いで周囲温度で終夜撹拌する。次いで、反応混合物を濃縮し、EtOAcにとる。この有機溶液を塩水で洗浄し、NaSOを用いて脱水し、濃縮する。得られた油をシリカゲルによって精製する。CHCl/MeOH(9/1)混合物で溶出させて黄色油状の生成物250mgを単離する。
【0084】
N−(ピリジン−4−イル)−5−イソキノリン−4−イル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
中間体3.5(0.250g、0.5mmol)、1,2−ジアミノエタン(0.150g、2.5mmol)及びフッ化テトラブチルアンモニウムのTHF溶液(1M、5ml)の混合物をアルゴン下、70℃で終夜加熱する。反応混合物を減圧濃縮する。残渣をEtOAcにとる。この溶液をNaHCO飽和水溶液及び塩水で洗浄し、次いで脱水し、濃縮する。得られた固体をジエチルエーテルで洗浄し、次いでシリカゲル(50g)を用いて精製する。得られた化合物をEtOAc/MeOH(9/1)混合物で溶出させる。それをジエチルエーテル/石油エーテル混合物にとり、次いでろ過する。白色固体の生成物182mgを得る。
【0085】
Mp:>250℃
LC/MS/UV:MH+ 366(99.4%)
H NMR(500MHz、DMSO−D6)δ(ppm):7.65(d、J=8.5、1H)、7.76(t、J=7.3、1H)、7.81(t、J=7.4、1H)、7.88(dd、J=8.4、J=3.3、2H)、7.92(d、J=6.1、2H)、8.26(d、J=8.0、1H)、8.34(s、1H)、8.46(d、J=5.9、2H)、8.52(s、1H)、9.38(s、1H)、10.85(s、1H)、14.2(s、1H).
【実施例4】
【0086】
(化合物No.9)
N−(ピリジン−4−イル)−5−(1,3−チアゾル−5−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
中間体4.1
N−ピリジン−4−イル−5−(1,3−チアゾル−5−イル)−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
2−トリメチルシリル(チアゾール)(1.97ml、12mmol)の無水ジエチルエーテル(12ml)溶液を、−78℃に冷却したn−ブチルリチウム(8.25ml、1.6Nへキサン溶液、13.2mmol)の無水ジエチルエーテル(12ml)溶液にアルゴン雰囲気下で滴下する。撹拌を−78℃で30分間続け、次いで水分のきわめて少ないZnClから新たに調製したZnCl(4.91g、36mmol)の1モル無水ジエチルエーテル(36ml)溶液を添加する。冷媒浴を除去し、混合物を周囲温度で30分間撹拌する。溶媒を減圧蒸発させる。この残渣に中間体1.3(5.37g、12mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(277mg)の無水THF(50ml)溶液との混合物をアルゴン下で添加し、この懸濁液を24時間還流させる。1N HClを添加することによって反応混合物をpH2に酸性化し、次いで減圧濃縮する。pH10となるように1N水酸化ナトリウムを添加する。得られた固体をCHClの存在下で撹拌し、亜鉛塩をろ過分離する。ろ液を水で洗浄する。その有機相を、MgSOを用いて脱水し、次いで濃縮する。得られた褐色油(5.10g)をシリカに通して急速ろ過する。ジエチルエーテルから結晶化後、黄色固体(2.40g)を得る。シリカ(300g)クロマトグラフにかけられたこの固体。石油エーテル/EtOAc(2/3)から石油エーテル/EtOAc(1/3)の溶出勾配によって2種類の異性体を分離することができる。予定化合物は極性が最も高い。白色粉末の生成物1.08gを得る。
【0087】
N−ピリジン−4−イル 5−(1,3−チアゾル−5−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
この化合物は、中間体4.1(452mg、1mmol)のSEM保護基を切断することによって得られる。粗生成物を微量の水の存在下でMeOH/EtOAc混合物から再結晶させ、次いでろ過する。黄色固体の生成物22.5gを得る。
【0088】
Mp:>250℃
LC/MS/UV:MH+322(98.5%)
H NMR(500MHz、DMSO−D6)δ(ppm):7.77(d、J=8.8Hz、1H)、7.86(d、J=8.8Hz、1H)、7.93(d、J=6.3Hz、3H)、8.35(s、1H)、8.41(s、1H)、8.47(d、J=6.3Hz、2H)、9.10(s、1H)、10.80(s、1H)、14.0(s、1H).
【実施例5】
【0089】
(化合物No.10)
N−(ピリジン−4−イル)−5−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−4−イル]−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
中間体5.1
3−ニトロピリジン−4−オール
硝酸溶液(HNO>90%、13.3ml)を、0℃に冷却した発煙硫酸(20%SOを含むHSO、d=1.9、10.5ml)溶液に徐々に添加する。この混合物に硝酸4−ピリドール(Pyridol)(10g、63mmol)を0℃で添加し、次いで90℃で1時間30分加熱する。反応混合物を氷50g上に注ぐ。この懸濁液を0℃で30分間撹拌し、次いでろ過する。固体を水数mlで洗浄し、次いで風乾する。白色粉末の生成物6.59gを得る。
【0090】
中間体5.2
3−ブロモ−5−ニトロピリジン−4−オール
臭素(5.07g、31.7mmol)を中間体5.1(4.04g、28.4mmol)のHO(40ml)懸濁液に滴下する。混合物を90℃の油浴で1時間加熱する。冷却後、混合物をろ過する。固体をHOで洗浄し、次いでデシケータ中でシリカゲルの存在下で乾燥させる。白色固体の生成物4.51gを得る。
【0091】
中間体5.3
3−ブロモ−4−クロロ−5−ニトロピリジン
中間体5.2(5.30g、24.0mmol)を二口丸底フラスコ中で減圧(0.5mbar(50Pa))下、60℃で2時間乾燥させる。PCl(9.12g、43.8mmol)及びPOCl(0.5ml、5.4mol)を添加する。混合物を油浴で160℃に加熱する。20分後、この固体は透明褐色油に転化した。冷却して混合物を固化させる。揮発性物質を減圧蒸発させ、次いで、CHClに懸濁させた固体を0℃で酢酸カリウム水溶液(25g KOAc/35ml HO)で処理する。その有機相を分離し、次いで濃縮する。残渣をジエチルエーテル/NaHCO混合物で抽出する。有機相を塩水で洗浄し、NaSOを用いて脱水し、濃縮する。残渣をCHClにとる。不溶性材料をろ過除去し、ろ液を濃縮して予定生成物を得る。褐色油状の生成物4.66gを得る。
【0092】
中間体5.4
ジエチル(3−ブロモ−5−ニトロピリジン−4−イル)マロナート
マロン酸ジエチル(7.2ml、47.4mmol)をNaH(1.70g、油中55−60%、39−46mmol)の無水DMF(30ml)懸濁液に窒素下で、反応混合物温度が50℃を超えないように10から15分間添加する。撹拌を、添加後さらに30分間続ける。固形の中間体5.3(4.46g、18.62mmol)を分割添加する。撹拌を周囲温度で3時間30分続ける。水(50ml)及びAcOH(5ml)を添加する。混合物をジエチルエーテルで抽出する。その有機相を塩水で洗浄し、NaSOを用いて脱水し、濃縮する。残渣をシリカゲル(300g)上でEtOAc/石油エーテル(1/9)混合物からEtOAc/石油エーテル(3/7)混合物の勾配で溶出させる。褐色油状の生成物5.15gを得る。
【0093】
中間体5.5
3−ブロモ−4−メチル−5−ニトロピリジン
中間体5.4(5.15g、14.2mmol)を18%HCl水溶液(50ml)の存在下で100℃で15時間加熱する。混合物をジエチルエーテルで抽出する(3×80ml)。エーテル溶液を塩水で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、減圧濃縮して、予定生成物を得る。黄色固体の生成物2.43gを得る。
【0094】
中間体5.6
2−(3−ブロモ−5−ニトロピリジン−4−イル)−N,N−ジメチル−エチレンアミン
中間体5.5(1.136g、5.19mol)とDMFジエチルアセタール(1.46ml、8.52mmol)のDMF(6ml)溶液との混合物を85℃で1時間15分加熱する。DMFを減圧蒸発させて、予定生成物を得る。紫色固体の生成物1.407gを得る。
【0095】
中間体5.7
4−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン
酢酸(15ml)中の中間体5.6(1.407g、5.13mol)溶液を窒素下、鉄(粉末325メッシュ、1.85g、33.1mmol)の存在下で120℃で40分間加熱する。混合物をろ過する。鉄塩をAcOH(5ml)で洗浄する。ろ液を水75mlで希釈して、透明橙赤色溶液を得る。この溶液を、pH9になるまで固体KCOを添加することによって中和する。茶色がかった懸濁液をCHClで抽出する。この有機溶液を塩水で洗浄し、0.45μm膜に通してろ過し、NaSOを用いて脱水し、最後に減圧濃縮する。灰色がかった褐色固体の生成物801mgを得る。
【0096】
中間体5.8
N−(ピリジン−4−イル)−5−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−4−イル)−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
この中間体の合成を中間体2.4の合成と同様に実施し、中間体5.7と中間体2.3の鈴木反応を2.43mmolスケールで実施する。粗生成物をシリカゲル(50g)上でEtOAc/MeOH(95/5)混合物によって溶出させて精製する。白色粉末の生成物780mgを得る。
【0097】
N−(ピリジン−4−イル)−5−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−4−イル]−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
この化合物は、中間体5.8(780mg、1.61mmol)のSEM保護基をTFAによって切断し、続いてエチレンジアミンの存在下で加熱することによって得られる。粗生成物をMeOHの存在下で1時間撹拌し、次いでろ過する。白色粉末の生成物480mgを得る。
【0098】
Mp:>250℃
LC/MS/UV:MH+355(100%)
H NMR(500MHz、DMSO−D6)δ(ppm):6.67(s、1H)、7.71(s、1H)、7.84(s、2H)、7.93(d、J=5.7Hz、2H)、8.27(s、1H)、8.46(d、J=6.3Hz、2H)、8.55(s、1H)、8.77(s、1H)、10.79(s、1H)、11.80(s、1H)、12−14(s、1H)
【実施例6】
【0099】
(化合物No.15)
5−(5−アミノ−4−メチルピリジン−3−イル)−N−ピリジン−4−イル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
中間体6.1
3−ブロモ−4−メチル−5−アミノピリジン
この化合物は、中間体5.7の合成と同様に、10mmolスケールで3−ブロモ−4−メチル−5−ニトロピリジン(中間体5.5)を、鉄を用いて還元することによって得られる。クリーム色固体の生成物1.20gを得る。
【0100】
中間体6.2
5−(5−アミノ−4−メチルピリジン−3−イル)−N−ピリジン−4−イル−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
この中間体の合成を中間体2.4の合成と同様に実施し、中間体6.1と中間体2.3の鈴木反応を2.48mmolスケールで実施する。反応混合物を濃縮する。残渣をEtOAc/HOにとる。不溶性材料を分離する。1時間撹拌後、それをろ別する。クリーム色粉末の生成物1.02gを得る。
【0101】
5−(5−アミノ−4−メチルピリジン−3−イル)−N−ピリジン−4−イル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
THF(30ml)中の中間体6.2(980mg、2.06mmol)溶液を、フッ化テトラブチルアンモニウム(1M THF溶液、10.3ml)、エチレンジアミン(0.347ml、5.2mmol)及びHO(0.377ml)の溶液と反応させる。混合物を60℃で3日間加熱し、次いで濃縮する。残渣をEtOAc/HO混合物中で撹拌し、次いでろ過する。こうして回収された固体をMeOHの存在下で撹拌し、次いでろ過して、クリーム色固体の予定生成物(270mg)を得る。ろ液を減圧濃縮し、次いでシリカゲル(50g)クロマトグラフにかけ、MeOH/CHCl(1/4)混合物で溶出させて、黄色固体の予定生成物の第2のバッチ(1.5g)を得る。
【0102】
LC/MS/UV:MH+345(100%)
H NMR(500MHz、DMSO−D6)δ(ppm):1.98(s、3H)、5.19(s、2H)、7.40(d、J=8.2Hz、1H)、7.67(s、1H)、7.74(d、J=8.8Hz、1H)、7.91(d、J=6.3Hz、2H)、7.96(s、1H)、8.08(s、1H)、8.45(d、J=6.3Hz、2H)、10.76(s、1H)、13.67(s、1H)
【実施例7】
【0103】
(化合物No.11)
5−(1H−ピラゾル−4−イル)−N−(ピリジン−4−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
中間体7.1
4−ヨード−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−ピラゾール
ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、1.75ml、10mmol)及び塩化トリメチルシリルエトキシメチル(SEMCl、1.83ml、10mmol)を4−ヨードピラゾール(1.94g、10mmol)のCHCl(100ml)溶液にアルゴン下で添加する。混合物を周囲温度で終夜撹拌する。溶媒を減圧蒸発させる。残渣をジエチルエーテル/水混合物にとる。有機相は、脱水及び濃縮後、無色の油を生成する。この油をシリカゲル上でEtOAc/CHCl(5/95)混合物によって溶出させて精製する。無色油状の生成物3.02gを得る。
【0104】
中間体7.2
N−(ピリジン−4−イル)−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−5−[1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−ピラゾル−4−イル]−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
この中間体の合成を中間体2.4の合成と同様に実施し、中間体7.1と中間体2.3の鈴木反応を2.0mmolスケールで実施する。粗生成物をシリカゲル(50g)上でMeOH/CHCl(2/98)混合物によって溶出させて精製する。精製化合物をCHCl/EtO混合物から結晶化させる。白色粉末の生成物367mgを得る。
【0105】
5−(1H−ピラゾル−4−イル)−N−(ピリジン−4−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
この化合物は、中間体7.2(550mg、0.97mmol)のSEM保護基をTFAによって切断し、続いてエチレンジアミンの存在下で加熱することによって得られる。反応混合物をろ過する。固体をCHCl/HOの存在下で撹拌する。不溶性画分をMeOHの存在下で1時間撹拌し、次いでろ過して予定生成物を得る。白色粉末の生成物220mgを得る。
【0106】
Mp:>250℃
LC/MS/UV:MH+305(100%)
H NMR(500MHz、DMSO−D6)δ(ppm):7.67(a、J=8.2Hz、1H)、7.75(d、J=6.9Hz、1H)、7.94(d、J=6.3Hz、2H)、7.96(ブロード s、1H)、8.21(ブロード s、1H)、8.35(s、1H)、8.46(d、J=5.7Hz、2H)、10.72(s、1H)、13.0(s、1H)
【実施例8】
【0107】
(化合物No.13)
5−(1,3−オキサゾール−5−イル)−N−(ピリジン−4−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
中間体8.1
5−ホルミル−N−(ピリジン−4−イル)−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
一酸化炭素気流を中間体1.3(4.95g、10mmol)のTHF(50ml)溶液に15分間導入する。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(578mg、0.5mmol)を添加し、次いで一酸化炭素気流を10分間導入する。混合物を50℃にし、水素化トリブチルスズ(3.05ml、11mmol)のTHF(20ml)溶液を2時間30分かけて徐々に添加する。冷却後、水(0.5ml)を添加し、反応混合物を濃縮する。残渣をシリカゲル上でMeOH/EtOAc/CHCl(2/29/69)によって溶出させて精製する。黄色固体の生成物2.65gを得る。
【0108】
中間体8.2
5−(1,3−オキサゾール−5−イル)−N−(ピリジン−4−イル)−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
CO(1.02g、7.35mmol)及びトシルメチルイソシアナート(TosMIC、1.44g、7.35mmol)をMeOH(100ml)中の中間体8.1(2.65g、6.68mmol)溶液に添加する。混合物を2時間30分還流させ、次いで冷却後、減圧濃縮する。残渣をEtOAc/HOにとる。脱水及び濃縮後、有機相は固体を生成する。この固体をシリカゲル上で、MeOH/EtOAc/CHCl(3/28.5/68.5)によって溶出させて精製する。精製生成物をEtOAcから再結晶させる。白色固体の生成物2.345mgを得る。
【0109】
5−(1,3−オキサゾール−5−イル)−N−(ピリジン−4−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
中間体8.2(360mg、0.82mmol)をTFA(3ml)と周囲温度で1時間反応させる。反応混合物を減圧濃縮する。残渣をTHFにとると、固体が分離する。混合物を再度濃縮し、次いでTHF(10ml)にとる。エチレンジアミン(267μl、4mmol)を添加し、混合物を70℃で終夜加熱する。THFを蒸発除去する。残渣をMeOH中ですり潰し、ろ過し、次いでジエチルエーテルで洗浄する。それをMeOH/HO(9/1)混合物80mlにとる。混合物を還流させる。完全に溶解するまでDMFを添加する。冷却後、オレンジ色の固体が生成する。これをろ別し、高真空下で2日間乾燥させる。オレンジ色粉末の生成物206mgを得る。
【0110】
LC/MS/UV:MH+306(94.3%)
H NMR(500MHz、DMSO−D6)δ(ppm):7.74(s、1H)、7.77(d、J=8.8Hz、1H)、7.84(d、J=8.8Hz、1H)、7.92(d、J=5.7Hz、1H)、8.45(d、J=5.0Hz、3H)、8.46(s、1H)、8.51(s、1H)、10.82(s、1H)、13.9(s、1H)
【実施例9】
【0111】
(化合物No.14)
N−(3−[(エチルアミノ)メチル]フェニル}−5−イソキノリン−4−イル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド二塩酸塩
中間体9.1
N−(3−ニトロベンジル)エタンアミン塩酸塩
BH−THF(1M、60ml)の溶液をN−(3−ニトロベンジル)アセトアミド(3.89g、20mmol)の無水THF(100ml)溶液にアルゴン下で滴下する。反応混合物を40℃で終夜撹拌する。MeOH(40ml)を添加する。溶媒を減圧蒸発させ、残渣をTHF/4N HCl(80/25)混合物中で60℃で4時間加熱する。冷却後、固体が分離する。撹拌しながら、EtOAc(50ml)を添加する。固体をろ別し、EtOAc及びジエチルエーテルで洗浄し、次いで乾燥させる。白色粉末の生成物3.95gを得る。
【0112】
中間体9.2
(3−アミノベンジル)エチルアミン
中間体9.1(3.90g、18mmol)の氷酢酸(100ml)溶液を鉄(6.64g、118.8mmol)の存在下、アルゴン下で110℃で30分間撹拌する。冷却後、鉄塩をろ別し、酢酸(15ml)で洗浄する。ろ液を水(200ml)で希釈し、次いで固体KCOを添加してpH9とし、NaOHを添加してpH12とする。生成した懸濁液をCHClで抽出する。有機溶液を脱水し、次いで蒸発させて予定生成物を得る。黄色油状の生成物2.65gを得る。
【0113】
中間体9.3
tert−ブチル(3−アミノベンジル)エチルカルバメート
CHCl(150ml)中の中間体9.2(2.60g、17.3mmol)溶液をジ−tert−ブチルジカルボナート(3.89g、17.3mmol)とアルゴン下で1時間30分反応させる。溶媒を蒸発除去する。得られた油をシリカゲル上でEtOAc/CHCl(1/9)混合物からEtOAc/CHCl(1/4)混合物の溶出勾配によって精製する。無色ゴム状の生成物1.28gを得る。
【0114】
中間体9.4
tert−ブチル(3−{[(5−ブロモ−1−(2−トリメチルシリル−エトキシメチル)−1H−インダゾール−3−イル)カルボニル]アミノ}ベンジル]エチルカルバメート
クロロギ酸イソプロピルのトルエン溶液(1M、5.5ml、5.5mmol)、次いでN−メチルモルホリン(600μl、5.5mmol)を、5−ブロモイサチンから中間体1.2と同様にして調製した5−ブロモ−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−インダゾール−3−カルボン酸(1.86g、5mmol)の無水THF(45ml)溶液にアルゴン下で0℃で添加する。混合物を0℃で20分間、次いで周囲温度で15分間撹拌する。0℃に冷却後、無水THF(5ml)中の中間体9.3(1.38g、5.5mmol)溶液を添加する。反応混合物を周囲温度で5時間撹拌し、次いで減圧濃縮する。残渣をEtOAc/HOにとる。有機相を10%KCOで洗浄し、脱水し、次いで減圧濃縮する。黄色ゴム状の生成物2.81gを得る。
【0115】
中間体9.5
tert−ブチルエチル(3−{[(5−イソキノリン−4−イル−1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−インダゾール−3−イル)カルボニル]アミノ}ベンジル)カルバメート
イソキノリン−4−イルボロン酸(461mg、2mmol)、次いでNaCO水溶液(2M、5ml、10mmol)を中間体9.4(1.21g、2mmol)のDME(12ml)溶液に添加する。反応混合物をアルゴンで脱気し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)を添加する。さらに脱気後、混合物を80℃で20時間加熱する。反応混合物を減圧濃縮し、次いでEtOAc/HOにとり、ろ過する。EtOAc溶液を脱水し、次いで減圧濃縮する。残渣をシリカゲル上でEtOAc/DCM(1/3)混合物によって溶出させて精製する。黄色ゴム状の生成物1.08gを得る。
【0116】
N−{3−[(エチルアミノ)メチル]フェニル}−5−イソキノリン−4−イル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド二塩酸塩
4℃に冷却したTFA(20ml)を中間体9.5(1.0g、1.53mmol)にアルゴン下で添加する。混合物を周囲温度で2時間撹拌する。TFAを減圧蒸発させる。残渣をトルエンにとり、次いで混合物を減圧濃縮する。この工程を繰り返す。残渣をTHF(50ml)にとる。エチレンジアミン(620μl、9.20mmol)を添加し、混合物をアルゴン下で70℃で終夜加熱する。混合物を濃縮し、残渣をEtOAc/HOで抽出する。有機相は、脱水し、濃縮すると、イソプロパノール/4N HCl(20ml/2ml)混合物に可溶化された化合物を生成する。徐々に分離する固体をろ別する。黄色固体の生成物622mgを得る。
【0117】
LC/MS/UV:MH+422(100%)
H NMR(500MHz、DMSO−D6)δ(ppm):1.21(t、J=6.9Hz、3H)、2.95(m、2H)、4.09(t、J=6.0Hz、2H)、7.30(d、J=7.6Hz、1H)、7.40(t、J=7.9Hz、1H)、7.68(d、J=10.1Hz、1H)、7.81(d、J=8,2Hz、1H)、7.92(d、J=8.2Hz、1H)、7.97(t、J=7.9Hz、1H)、8.07(m、1H)、8.12(s、1H)、8.12(s、1H)、8.41(s、1H)、8.53(d、J=7.6Hz、1H)、8.67(s、1H)、9.1(ブロード s、1H)、9.78(s、1H)、10.55(s、1H)、14.2(s、1H).
【0118】
以下の表に、本発明によって使用することができるいくつかの化合物の化学構造及び物性を示す。表中、
− 「塩」の列においては、「−」は遊離塩基の形態の化合物を表し、「HCl」は塩酸塩の形態の化合物を表す。括弧内の比は酸/塩基比である。
【0119】
− Mp(℃)は化合物の℃単位の融点を表す。
【0120】
− M+Hは化合物の質量+1を表す。
【0121】
【表1】


【0122】
式(I)の化合物を、インビトロでの薬理学的アッセイにかけた。このアッセイによれば、式(I)の化合物はP.ファルシパルムに対して抑制活性を示した。
【0123】
2種類のP.ファルシパルム系統を使用する。これらの起源はコロンビア(FcB1、クロロキンに対して中度の耐性を示す系統)及びカメルーン(FcM29、クロロキンに対して高度の耐性を示す系統)である。これらのP.ファルシパルム系統を、Trager及びJensen(W.Trager,J.Jensen,Science,1976, 193, 673−675)の方法によってヒト赤血球中で連続培養する。寄生虫を、Hepes 25mM、NaHCO 24mM及びL−グルタミン2mM並びにすべてのグループのヒト血清5%を補充したRPMI 1640培地で2%寄生虫血に希釈した、ヒト赤血球(O±)中に維持する。寄生虫を高湿度雰囲気及び5%COで37℃でインキュベートする。
【0124】
抗マラリア活性アッセイをDesjardins(R.E.Desjardins,C.J.Canfield,J.D.Haynes,J.D.Chulay,Antimicrob. Agents Chemother.,1979, 16, 710−718)の放射性微量法によって実施する。各分子を3つ組で試験する。アッセイを96ウェルマイクロプレート中で実施する。P.ファルシパルム系統を、2%ヘマトクリットと1.5%寄生虫血とを含むヒト血清5%を補充したRPMI 1640溶液中で培養する。各アッセイでは、寄生虫を、減少濃度の式(I)の化合物と一緒に高湿度雰囲気及び5%COで37℃で48時間インキュベートする。
【0125】
試験化合物の第1の希釈物をジメチルスルホキシド中1mg/mlで調製する。次の娘溶液の一連の希釈物もジメチルスルホキシドで調製する。続いて、各娘希釈物を、ヒト血清5%を補充したRPMI 1640で1/50希釈する。すべての希釈物を37℃で調製する。次いで、これらの希釈物をマイクロプレート中の培養寄生虫に添加する。試験化合物を添加後、寄生虫をヒト血清5%とジメチルスルホキシド1%とを含むRPMI 1640中で培養する。寄生虫の成長を、(試験化合物暴露開始から24時間後に添加された)トリチウム化ヒポキサンチンを組み込むことによって、試験化合物の非存在下での組み込み(100%とする)と比較して、測定する。IC50値(寄生虫成長を50%阻害するのに必要な化合物濃度)を、GraphPad Prism 4(登録商標)処理ソフトウエア(GraphPad software,Inc.,5755 0berlin Drive,#110,Sam Diego,CA 92121,USA)によって、投与量の対数の関数として阻害率をプロットすることによって求める。
【0126】
使用したP.ファルシパルム系統の1種類又は他の種類に対して測定した式(I)の化合物のIC50値は、最も活性な化合物で1μM未満である。例えば、上記表の化合物No.3、10、11、12、14及び21は、FcM29系統に対してそれぞれ600、130、800、800、272及び406nMのIC50値を有する。
【0127】
これらのアッセイ結果によれば、式(I)の化合物及び薬剤として許容されるその塩は、マラリア治療用及び予防用医薬品の調製に使用することができる。
【0128】
この趣旨で、式(I)の化合物及びその塩は、経口、舌下、(皮下、筋肉内、静脈内などの)注射用、局部、局所、気管内、鼻腔内、経皮又は直腸投与に適切な医薬剤形のいずれかによって、適切な賦形剤と組み合わせて、投与することができる。
【0129】
本発明は、別の態様によれば、式(I)の化合物又は薬剤として許容されるその塩、水和物若しくは溶媒和物の1つの有効量を患者に投与することを含む、マラリアの治療及び/又は予防方法にも関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マラリアの治療及び予防を意図する医薬品を調製するための、塩基若しくは酸付加塩の形態又は水和物若しくは溶媒和物の形態にある、一般式(I)の化合物の使用。
【化1】

(式中、
は水素原子若しくはハロゲン原子若しくは基−NH、−NHR、−NHCOR、−NO、−CN、−CHNH若しくは−CHNHRを表し、
又はRは、ハロゲン原子並びにC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−OH、−NH、−NHR及び−NR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよいフェニルを表し、
又はRは、ハロゲン原子並びに複素環式芳香族、C1−6アルキル、−OH、−NH、−NHR、−NHCOR、−COOR、−CONH、−CONHR及び−CHXR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよい複素環式芳香族基を表し、XはO、NH及びSから選択され、
Arは、ハロゲン原子並びにC1−6アルキル、C1−6チオアルキル、C1−6アルコキシ、−CHOH、フェノキシ、モルホリニル、−CH−モルホリニル、−NH、−NHR、−NR、−NHSO、−CN、−SO、−SONH、−SONHR、−COOH、−COOR、−CONH、−CONHNH、−CONHR、−CHNHR及び−CHNR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
又はArは、ハロゲン原子並びにC1−6アルキル、C1−6チオアルキル、C1−6アルコキシ、−CHOH、フェノキシ、モルホリニル、−CH−モルホリニル、−NH、−NHR、−NR、−NHSO、−CN、−SO、−SONH、−SONHR、−COOH、−COOR、−CONH、−CONHNH、−CONHR、−CHNHR及び−CHNR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよい複素環式芳香族基を表し、
及びRは、互いに同一又は異別とすることができ、−CONH基で、フェニル基で若しくは複素環式芳香族基で置換されていてもよいC1−6アルキル基を表し、
又はR及びRは、互いに同一若しくは異別とすることができ、フェニル基若しくは複素環式芳香族基を表し、及び
nは0、1、2又は3である。)
【請求項2】
一般式(I)の化合物が、
が、ハロゲン原子並びに複素環式芳香族、C1−6アルキル、−NH及び−CONHR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよい複素環式芳香族基を表し、及び/又は
Arが、−NHSO、−CN、−SO、−SONH、−SONHR及び−CHNHR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
又はArが、ハロゲン原子並びにC1−6アルキル、C1−6チオアルキル、C1−6アルコキシ、−CHOH、フェノキシ、モルホリニル、−CH−モルホリニル、−NH、−NHR、−NR、−NHSO、−CN、−SO、−SONH、−SONHR、−COOH、−COOR、−CONH、−CONHNH、−CONHR、−CHNHR及び−CHNR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよい複素環式芳香族基を表し、及び/又は
及びRが、互いに同一若しくは異別とすることができ、−CONH基で置換されていてもよいC1−6アルキル基を表し、又はR及びRが、互いに同一若しくは異別とすることができ、フェニル基若しくは複素環式芳香族基を表し、及び/又は
nが0又は1を表す、
塩基若しくは酸付加塩の形態又は水和物若しくは溶媒和物の形態にある、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
がピラゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、イソキノリニル又はピロロ[2,3−c]ピリジニル基を表す、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
が、ハロゲン原子並びにピリジニル、C1−6アルキル、−NH及び−CONHR基から互いに独立に選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよい複素環式芳香族基を表す、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項5】
Arが、−NHSO、−CN、−SO、−SONH、−SONHR及び−CHNHR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
又はArが、ハロゲン原子並びにC1−6アルキル、C1−6チオアルキル、C1−6アルコキシ、−CHOH、フェノキシ、モルホリニル、−CH−モルホリニル、−NH、−NHR、−NR、−NHSO、−CN、−SO、−SONH、−SONHR、−COOH、−COOR、−CONH、−CONHNH、−CONHR、−CHNHR及び−CHNR基から互いに独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよいピリジニル基を表す、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
及びRが、互いに同一若しくは異別とすることができ、−CONH基で置換されていてもよい、メチル若しくはエチル基を表し、又はR及びRが、互いに同一若しくは異別とすることができ、フェニル基若しくは複素環式芳香族基を表す、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
− N−(ピリジン−4−イル)−5−イソキノリン−4−イル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−(ピリジン−4−イル)−5−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−4−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− 5−(1H−ピラゾル−4−イル)−N−(ピリジン−4−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− 5−(6−クロロピリジン−3−イル)−N−ピリジン−4−イル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、
− N−{3−[(エチルアミノ)メチル]フェニル}−5−イソキノリン−4−イル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド及び
− N−{3−[(エチルアミノ)メチル]フェニル}−5−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−4−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
から選択され、塩基若しくは酸付加塩の形態又は水和物若しくは溶媒和物の形態である、一般式(I)の化合物の、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。

【公表番号】特表2007−529479(P2007−529479A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503371(P2007−503371)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【国際出願番号】PCT/FR2005/000612
【国際公開番号】WO2005/099703
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】