説明

マルチサイト薬物移送プラットフォーム

患者の身体に投与するための薬剤組成物(10)である。前記組成物(10)は、少なくとも一つのアクティブな薬剤成分を備える生理的に受け入れ可能な形体を有し、前記少なくとも一つのアクティブな薬剤成分を備える前記生理的に受け入れ可能な形体は、体内移送用形体(12)で提供され、前記体内移送用形体(12)は、経口投与経路及び直腸投与経路を含む複数の投与経路を介して患者の身体に選択的に投与可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、全体的には薬物および薬物移送システムに関し、具体的には薬物、及び複数の体内代換移送経路を介して投与されるように設計されている薬物体内移送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤(タブレット)、検査液、坐薬等といった体内移送用形体においてみられる非注射経路においては、単一の体内移送部位又は体内移送経路を介して患者に投与されるように一般的に構成されている。たとえば、噛み込める(チュアブル)錠剤は、単に口腔から投与されるように設計され、その特定の剤形は、特有の方法で投与されるように構成されている。特定の薬物が、直腸を介して投与される坐薬のような代換の体内移送経路を介して投与する必要がある場合には、薬物を包む剤形が異なるものが使用される。単一の体内移送部位又は体内移送経路を介してのみ患者への投与が可能である特定の剤形における薬物の体内移送用形体によって、いくつかの難点がもたらされる。
【0003】
このような難点の一つは、特定の体内移送経路を介した薬剤の投与が困難又は不可能な状況に関するものである。第一の例として、この障害が普及し得る患者集団の一つは、子供から構成されている集団である。多くの薬剤は、錠剤又は、検査液のような口から服用されるように設計された他の形体で販売されている。しかしながら、体調不良の子供は、特に病気の場合に、「不安定(クランキー)」になる傾向があり、それ故、口からの薬物の摂取に敵対的になる。このようなことが起こると、適正な時間に適正な量で薬剤が摂取されないか、又は全く摂取されず、処方計画に悪影響を与えるおそれがある。適正に摂取がなされなければ、その子供は症状が悪化するおそれがある。このことは、疾病や病気がより激しくなるにつれて多くの病気の子供がしばしば協調性を損なうようになる問題とも合併する。
【0004】
この難点の結果、坐薬のような直腸から投与される調剤が以後の薬物投薬計画を可能にし、それ故、経口経路を介した投与が好ましくない又は不可能である場合に投与が可能な体内移送形体で薬剤を提供することによって、子供の健康問題を解決して、潜在的な感情的蓄積の家庭の事情を解決する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、薬剤成分を含む現状の直腸からの坐薬は、経口体内移送に適合した投与に用いられる形体とは異なる体内移送剤形で製剤されている。それ故、経口錠剤、ゲル等は、直腸から投与することができない。それ故、協力的でなない患者における問題を解決するために、同一の薬剤を2つの異なる形体で、1つは経口用そして一つは直腸用に、手持ちで保持する必要がある。このような解決法は、製造者の観点からは2つの体内移送形体で薬剤組成物を製造しなければならず、顧客の観点からは2つの別々の体内移送用形体の薬剤組成物を購入しなければならず、非実用的であって不要なコストが生じてしまう。
【0006】
第2の例では、患者に全般的に影響する多くの深刻な健康問題における固有の性質によって嚥下が困難である場合に、コンプライアンス(順守)の問題が生じるおそれがある。例えば、吐き気や嘔吐を含む胃腸病、呼吸のあえぎを含むぜんそく、精神状態における負担を含む発作、並びに、深刻な喉の痛みを含む咽頭炎及び他の病気は、口腔よりも他の経路からが望ましい薬剤を服用することが時として好ましい状態又は兆候の例である。経口薬剤の服用を希望する最も協力的な患者でさえ、吐き気及び嘔吐に冒され、ぜんそくによりあえいでいるとき、発作中に対応できないとき、又は深刻な喉の痛みによる障害があるとき、といった場合には、ピル(丸薬)、タブレット(錠剤)等を嚥下できない場合がある。
【0007】
第3の例では、至急又は緊急の薬剤体内移送が要求される特定の状況である。このような状況においては、特定の体内移送用の形体では、投与が非実用的又は不可能である。例えば、無能力の個人に対して経口体内移送用形体の組成物を投与することは不可能であり得る。このような個人は、代換の体内移送用形体が必要であり得る。このような場合には、手持ちの薬剤の体内移送用形体が不適格である場合、深刻な、そして致命的な結果さえもたらされるおそれがある。
【0008】
それ故、急性期の患者及び慢性的に薬剤に依存する患者のいずれにとっても、ある時にはある一つの投与経路を介することが好ましく、別の時には異なる投与経路を介することが好ましい又は必要である、ということが、同一の病気に対しても、そして、同日の同一の経過中においても、明らかである。それ故、現状の薬剤及び処方計画における上述の難点を取り除くためには、一つの特定の投与経路が利用できない時に薬剤処方計画を順守することができるように患者の異なる部位における投与が可能な薬剤組成物を開発することが望まれている。さらに、形体を変化させることなく処方せんを記載でき、充填できる体内移送用形体の薬剤を提供することが望まれている。またさらに、患者の状態に関わらず投与可能な単一の体内移送用形体を提供することによって、緊急時の解決に役立つことが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、本発明の背景技術における上述した難点を克服している。この克服は、アクティブな薬剤成分を備えて生理的に受け入れ可能な形状を有し、患者の身体に投与するための薬剤組成物を提供することによって為される。前記形体は、複数の投与経路を介して患者に投与され得る単一の体内移送用形体で提供される。選択的な経路で投与可能な単一の体内移送用形体を提供することによって、本発明は、一つの特定の投与経路が利用できない場合でも投薬計画に適合させることを可能にする。さらに、本発明は、組成物の形体を変化させることなく一つの処方箋で記入し充填することを可能にする。またさらに、本発明は、年齢や患者の状態、又は患者に現れた症状に関わらず、迅速に投与することのできる組成物を提供する。
【0010】
本発明は、さらに、生理的に受け入れ可能な生物活性のある物質を投与できるように工夫された複数の体内移送用形体を備えている。各体内移送用形体は、患者の身体に複数の投与経路を介して移送可能である。これらの体内移送用形体は、固体及び非固体の形体を備えていてもよい。これらの体内移送用形体で用いられる前記投与経路は、経口経粘膜、直腸粘膜、胃腸管を経る経口を備えていてもよい。前記薬剤の体内移送用形体が固体であるとき、本発明は、ロリポップ中のハンドル上のトローチ形体又は経粘膜的及び/又は胃腸管での吸収のためのサッカー(吸盤)形体、経粘膜的及び/又は胃腸管の経口吸収のためのハンドルと離れたトローチ形体、飲み込める(スワロイング)錠剤、チュアブルな錠剤、胃腸吸収用の溶ける錠剤、又は、ソフトカプセルを含むカプセル、直腸吸収用の直腸の座薬といった、生理的に受け入れ可能な生物活性のある組成物を備えていてもよい。体内移送用形体が非固体であるとき、投与経路には、胃腸管又は経口粘膜を介した、経口又は直腸投与のものが含まれる。非固体の体内移送用形体は、ゲル、液体、ペースト(練り物)、発泡体といった、生理的に受け入れ可能な生物活性の組成物を含んでいてもよい。これらの非固体の製剤は、経口経粘膜的及び胃腸及び/又は直腸の吸収用に、経口及び直腸のいずれでも投与可能なソフトカプセルを含むカプセルに閉止されていてもよい。非固体の体内移送用形体は、経口的に及び/又は経直腸的に投与されるか否かで塗布器を介して適用することができる。固体の体内移送用形体は、カプセル及びソフトカプセルを含み、経口的に及び/又は経直腸的に投与されるか否かで塗布器を介して適用してもよい。本発明の体内移送用形体における組成物は、短期作用及び長期作用のいずれの薬物製剤でも使用可能である。
【0011】
結果として、急病、ぜんそくの発作、嘔吐による脱水症といった至急及び緊急の健康問題は、本発明の組成物における体内移送用形体によって解決可能である。例えば、ジアゼパム、アミノフィリン、及び/又はプロメタジンは、直腸的に、又は代換的に、経粘膜的なロリポップ体内移送用形体若しくはチュアブルな錠剤若しくは飲み込める錠剤若しくは座薬としても使用できるカプセルとともに経口的に投与してもよい。上述したように、至急又は緊急の状況では、適切な体内移送用形体を探すことによる時間的な損失は、重大なそして致命的な結果をもたらすことさえ懸念される。本発明における特有の形体は、迅速に必要な体内移送用形体に適合することができる。さらに、同一の錠剤が、経口又は直腸のいずれでも使用することができる。従来は、直腸の投与には、経口の投与に対するものとは異なる形体が必要であった。
【0012】
複数の投与経路での投与に好適な体内移送用形体の形体物を提供することで、本発明の組成物は、著しいコスト削減をもたらすこともできる。例えば、このような節約は、直接的には、異なる体内移送用形体で同一の薬剤のいくつかの剤形を有することでの高コストに対して単一の体内移送用形体における剤形を有することでコストを低めることで発生し、そして間接的には、例えば、両親及び保護者に対する時間の損失を抑制して、医者を呼び出し、医者及び薬剤師等を訪問するためにあちこち飛び回ることに関する費用を低減しうる。健康管理システムに関しても重要なコストを、著しく低減することもできる。例えば、薬剤師が薬剤を異なる体内移送用形体で調剤するのに費やす時間が著しく低減される。さらに、医者は、異なる方法で使用できる薬剤を単一の処方箋で記載することができる。
【0013】
本発明における組成物の利点は、子供といった特定の患者で顕著であり得る。上述したように、病気の子供は、投薬計画に対してあまり注意を払わない。子供は、前記形体が特定の瞬間に気に入らなければ、時として容易に薬剤を拒絶する。ある時には、病気の子供は経口の薬剤の服用に同意しても、別の時には、彼又は彼女は丸薬を服用することを考えることさえ拒絶するおそれがある。さらに、子供であろうと大人であろうと、特定の体内移送用形体における薬剤の服用の意思がないあるいは服用できないという状態は、任意の患者において生じ得る。本発明における薬剤体内移送用形体システムは投与の経路を一つの経路から別の経路に容易に切り換えることができ、さもなければ危機的となり得た状態を解決する。それ故、本発明における体内移送用形体の組成物は、本発明の背景技術で上述した難点を解決する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
添付の図は、明細書の一部に組み込まれた構成要素であり、本発明の実施の形態を示し、上述で付与された本発明の全体的な説明と、下記で付与された実施の形態における詳細な説明とともに、本発明の原理を説明するために提供される。
【0015】
本発明は、活性の(アクティブ)薬剤成分を備えて生理的に受け入れ可能な形体を有する、患者の身体に投与するための組成物を提供する。前記形体は、複数の投与経路を介して患者に投与できる体内移送用形体で提供される。本発明は、代換の投与経路によって患者に組成物を投与する方法をも提供する。
【0016】
本発明の一実施の形態において、組成物が患者に投与され得る投与経路は、経口投与経路である。前記形体におけるアクティブな薬剤成分を吸収させるための経口投与経路は、経粘膜的又は胃腸から吸収させるものである。例えば、投与経路が経口の経粘膜のとき、前記組成物は、口腔、舌下、及び/又は歯肉粘膜から吸収されるように適合され得る。他の実施の形態において、投与経路は直腸投与経路、より具体的には直腸の経粘膜的経路であり得る。前記投与経路は経口及び直腸経路を含むものであるが、これらに限定されないことは当業者に明らかである。関連技術から認識されるように、投与経路は、本発明の組成物の任意の体内移送用形体に対して好適な任意の経路を含んでいてもよい。
【0017】
さらに、本発明の組成物は、固体又は非固体のいずれの体内移送用形体を備えていてもよい。坐薬形体で利用可能な全ての薬剤は、本発明における固体の体内移送用形体で使用し得る。経口液体形体で利用可能な全ての薬剤は、本発明における非固体の体内移送用形体で使用し得る。非固体の体内移送用形体は、ゲルのような半固体を含んでもよい。さらに、本発明における薬剤の体内移送用形体は、ソフトカプセルを含むカプセル中に挿入され得る全ての薬剤に適合可能である。さらに、本発明における薬剤の体内移送用形体は、経口及び直腸でのいずれの使用にも好適な全ての薬剤に適合可能である。
【0018】
本発明における組成物の体内移送用形体が固体の体内移送用形体である場合、このような体内移送用形体には、坐薬、トローチ剤、飲み込める(スワロイング)錠剤、チュアブルな錠剤、溶ける錠剤、又は、カプセルが含まれうる。このような固体の体内移送用形体は、図1に示されている。当業者であれば、この固体の体内移送用形体のリストは単に例示的なものであり、患者に投与可能な任意の固体の体内移送用形体が本発明において使用に適合しうることを認識するであろう。使用するにあたっては、上述のような固体の体内移送用形体は、経口で投与されうる。例えば、上述した錠剤形体のような形体物は、錠剤又はカプセル全体を飲み込み、錠剤をかみ、口腔に投与する前か投与中に前記錠剤を溶けるようにすることで、服用してもよい。トローチ剤形体は、飲み込んでもよく、噛んでもよく、口の中で溶かしてもよく、後述するように、ロリポップとして投与するためのハンドル(取手、柄)を取り付けてもよい。上述したように、固体の体内移送用形体の場合、経口での服用ができない又はしない場合には、組成物の形体を何ら変化させる必要なく、直腸の投与ができる。
【0019】
錠剤は、直接圧縮、湿式造粒、錠剤の製造において用いられる任意の他の技術によって製造することができる。カプセルは、ソフトカプセルを含む、カプセルの製造において用いられる任意の技術によって製造することができる。
【0020】
図1〜図4を参照して、坐薬として固体の体内移送用形体12の実施例が示されており、該形体は、チュアブルの錠剤、飲み込める錠剤、溶ける錠剤、トローチ剤、又はロリポップとしての使用にも適合可能である。例えば、アクティブな薬剤成分を備える特定の形体の組成物10は、図1に示すように、固体の体内移送用形体12の坐薬であってもよい。しかしながら、子供などの特定の患者は、坐薬の形体の薬剤を服用する準備ができていない場合がある。しかしながら、前記子供は、ロリポップの形体の薬剤の服用にはより従順であり得る。それ故、一実施の形態において、前記体内移送用形体12は、ハンドル14を備えるように構成されてもよく、該ハンドル14は固体の体内移送用形体12に動作可能に連結されるように構成されてもよい。示された実施の形態において、前記坐薬は、近位端16及び遠位端18を備えている。遠位端18は、ハンドル14を受け入れるように構成された中心部のボア20を画定している。ハンドル14がボア20に受け入れられていない場合、組成物10は坐薬、トローチ剤、錠剤として投与され得る。ハンドル14がボア20に受け入れられている場合、図3から最も容易にわかるように、この体内移送用形体12での組成物10は、ロリポップとして用いられてもよい。この構成を容易にするために、図2及び図3に示されるようにボア20で受け入れられる目的で、図4に見られるように(参照番号22)ハンドル14はネジ式であってもよい。
【0021】
簡便に上述したように、患者の身体におけるさまざまな投与部位を介して、患者に投与するために適合された、固体の体内移送用形体におけるいくつかの様々な実施の形態がある。このような実施の形態は、以下のものに限定されるものではないが、ロリポップ(ハンドルに装着されたトローチ剤)、トローチ又はトローチ剤(ハンドルから離れた状態)、坐薬(ハンドルから離れた状態)、溶ける錠剤(ハンドルから離れた状態)、飲み込める錠剤(ハンドルから離れた状態)、チュアブルな錠剤(ハンドルから離れた状態)が含まれる。本発明における固体の体内移送用形体における一つの特定の実施の形態において、前記組成物は、錠剤形体として、曲線の端部を有する楕円状の平台を備えていてもよい。この錠剤は、図1〜図4に見られるように、補助的なネジ式ハンドルに連結されるように構成されるようにレジ式通路を画定してもよい。本発明における原理と一致していれば、上述したものとは異なる形体であっても、固体の体内移送形体として可能であることが、当業者に認識されるであろう。例えば、このような実施の形態は、ボア又はネジ式ハンドルを有さないハンドルレスの体内移送用形体を含んでいてもよい(すなわち、図5及び図6に見られるように、単一のボア又はネジ式ハンドルを有さないチュアブルな、飲み込み可能な、坐薬の形体を含んでいてもよい)。
【0022】
上述したように、本発明における組成物の体内移送用形体は、非固体の体内移送用形態を有していてもよい。非固体の体内移送用形態が選択された場合、該移送用形態には、以下のものに限定されるものではないが、ゲル、液体、ペースト(練り物)、発泡体であってもよい。非固体の体内移送用形体は、非固体の移送形体が固体の移送形体よりもより好適でありうる所定の状況が存在するため、時として好ましい。これらの状況には、(1)固体形体の服用が困難な若年の子供への使用、(2)味付けが液体形体でより容易となる食味の乏しい薬剤に対する使用、(3)非固体形体においてアクティブな薬剤成分でより高濃度を提供することが容易であるため、より多量が必要な薬剤への使用、がある。
【0023】
ゲル、ペースト、発泡体として提供されるとき、非固体の体内用移送形体には、半固体も含まれる。このような形体では、アクティブな薬剤成分は、当業者によく知られた方法で、所望の堅さにおける体内移送形体を付与するためのアクティブな単数又は複数の薬剤成分と混合するように選択される賦形剤のような他の成分と結合することができる。非固体の液体物として提供されるとき、体内用移送形体は、検査液、溶液、エアロゾル形体、又は他の液状体内移送用形体として提供されてもよい。このような形体は、生理的に受け入れ可能な水性溶媒中におけるアクティブな単数又は複数の薬剤成分の溶液又は検査液を典型的に備える。液状の検査液は、経口又は直腸から投与可能である。エアロゾル形体は、経口又は経鼻的に投与可能である。上述した体内移送用形体及び投与経路は例示的なものであり、非固体の体内移送用形体は任意の好適な経路を介して患者に投与可能であるということが、当業者によって認識されるであろう。
【0024】
非固体の体内移送形体における投与を容易にする目的で、移送用部材を有する塗布器(アプリケーター)をさらに備えてもよい。この体内移送用部材は、例えば、プランジャ、又はスクイーズ(絞り)可能なハウジング、又はボディであってもよい。非固体の体内移送用形体の体内移送を容易にする任意の構造が本発明の実施の形態における体内移送用形体として使用し得るということが、当業者によって認識されるであろう。
【0025】
図7を参照すると、非固体の体内移送用形体における実施の形態の一つが示されている。この実施の形態における塗布器は、バレル(注射外筒)28、遠位端のチップ(先端部)30及びプランジャ32を備えた、シリンジ26であってもよい。非固体の形体における前記組成物は、使用される前にバレル28内に保持される。プランジャ32を押圧することで、前記組成物は、チップ30を介してバレル28から押し出され、経口や直腸といった複数の投与経路の一つを介して患者に注入される。前記注射器は、第1及び第2の用量(投薬量)ライン34、36を有してもよい。これらは、投与経路に基づいて付与される異なる用量を決定するために用いられ得る。例えば、前記組成物を直腸から投与するとき、プランジャ32を第1の用量ライン34まで押圧すればよい。しかしながら、前記組成物を経口で投与するとき、プランジャ32を第2用量ライン36まで押圧すればよい。
【0026】
上述したように、組成物の形体は、アクティブな薬剤成分を備える。このアクティブな薬剤成分は、鎮痛剤、抗アレルギー薬剤、抗ぜんそく薬剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗コリン作用薬、抗けいれん薬、抗うつ剤、抗ヒスタミン剤、制吐薬、発作抑制薬、鎮痙薬、アミノフィリン、アスコルビン酸、アスピリン、アセトアミノフェン、バルビツール酸塩、ベンゾジアゼピン系薬、ビサコジル、ブチロフェノン、カフェイン、抱水クロラール、クロルプロマジン、クリンダマイシン、クロトリマゾール、コデイン、コルチコステロイド、デキストロメトルファン、ジアゼパム、ジノプロストン、ジフェンヒドラミン、エルゴタミン、エストロゲン、フェンタニル、硫酸第一鉄、グアイフェネシン、ハロペリドール、ホルモンサプリメント、ヒドロモルフォン、インドメタシン、カオリン、ペクチン、下剤、リチウム、ロペラミド、メクリジン、メプロバメート、メタドン、メトロニダゾール、ミコナゾール、モルヒネ、NSAIDS(非ステロイド系抗炎症薬)、オピオイド、オルフェナドリン、オキシモルホン、ペントバルビタール、フェノバルビタール、フェノチアジン、フェニトイン、プロクロルペラジン、プロゲスチン、プロメタジン、リタリン(登録商標)、シメチコン、スピラマイシン、サルファ剤、テオフィリン、トリメトベンズアミド、バルプロ酸、ビタミン、から選択されるようにしてもよい。アクティブな薬剤成分の上述のリストは単に例示的なものであり、本明細書で説明したような体内移送用形体における組成物中に混合するのに好適な任意のアクティブな薬剤成分が本発明の組成物の形体中で使用され得るということが、当業者によって認識されるであろう。本発明の組成物中に一つのアクティブな薬剤成分のみを含まれるようにすることは必要ではなく、複数のアクティブな薬剤成分が前記組成物中に含まれるようにしてもよいということも、当業者によって認識されるであろう。
【0027】
上述したように、本発明における組成物は、前記活性の薬剤成分以外の成分を備えていてもよい。これらの成分は、経口及び直腸への適用のいずれにも好適な形体とするための形体中に存在するベース(基部)を備えていてもよい。特定の実施の形態において、このベースは、グリセリンゼラチン、ポリエチレングリコール、及びMBK脂肪酸から選択されるようにしてもよい。
【0028】
前記組成物の成分は、味覚マスキング、質感、及び色といった特性に関し、組成物の食味を最大化するために、少なくとも一つ以上の添加物を備え、全体的には複数の添加物を備えるようにしてもよい。これらの添加物は、以下のものに限定されないが、香料添加剤、着色剤、甘味剤、防腐剤、接着促進剤、流動促進剤を備えていてもよい。
【0029】
前記組成物の成分は、少なくとも一つの賦形剤をさらに備えていてもよい。このような賦形剤は、錠剤化を容易にするため、口中での移送形体の溶解を容易にするため、といった様々な目的で使用することができる。この少なくとも一つの賦形剤は、マンニトール、デキストロース、乳糖、スクロース、炭酸カルシウムから選択されるようにしてもよい。
【0030】
所定のアクティブな薬剤成分を有する前記薬剤における患者の体内への吸収は、胃腸又は経粘膜吸収を介するよりも直腸からの吸収の方がより迅速及び/又はより完全に行われる。例えば、メタドンは、直腸に投与されたとき約80−100%の吸収を示し得る(J.S.Morley著,New Perspectives in Our Use of Opioids,Pain Forum,8:4(1999),200-205;E.Bruera他著,Methadone Use in Cancer Patients with Pain:A Review,J.Palliative Medicine,5(2002)127-138;C.Ripamonti他著,Switching from Morphine to Oral Methadone in Treating Cancer Pain:What is an Equianalgesic Dose Ration?,Journal of Clinical Oncology,16:10(1998),3216-3218参照)。一方、同一のアクティブな薬剤成分は、経口で投与されたときに患者の体内に実質的に約60−80%未満の吸収しか示さない場合があり得る(J.S.Morley著,New Perspectives in Our Use of Opioids,Pain Forum,8:4(1999),200-205;E.Bruera他著,Methadone Use in Cancer Patients with Pain:A Review,J.Palliative Medicine,5(2002)127-138;C.Ripamonti他著,Switching from Morphine to Oral Methadone in Treating Cancer Pain:What is an Equianalgesic Dose Ration?,Journal of Clinical Oncology,16:10(1998),3216-3218参照)。上述したように、錠剤のような特定の体内移送形体は、組成物の異なる形体を得る必要がなく、経口又は直腸のいずれでも投与可能である。それ故、組成物が経口又は直腸のいずれで投与されるかに関わらず、投与されるアクティブな薬剤成分の濃度は同一である。しかしながら、選択される投与経路に基づいて、メタドンのようにいくつかの成分における吸収率が異なるため、投与経路に関わらず、吸収される活性薬剤成分の量が等しい量となるように移送形体を変えることが所定の状況においては望ましい。
【0031】
それ故、図6に示されるような錠剤といった、固体の体内移送用形体12を有する組成物の一実施の形態において、前記錠剤は、折り線24を有している。この折り線24は、錠剤又は他の固体の体内移送用形体における表面に設けられてもよい。錠剤上の折り線24の位置は、患者の腸又は直腸でのアクティブな薬剤成分の吸収率に反映し得る。例えば、特定の組成物がメタドンのアクティブな薬剤成分を備え、該成分が直腸で投与されたときに100%の吸収を示すが経口で投与されたときに75%の吸収しか示さない場合、前記錠剤は、一つは本来の錠剤の75%を占める二つの部分に前記錠剤を不均一に割るための折り線を有する。図面を再度参照すると、本発明における一実施の形態の錠剤は、遠位端18及び近位端16を有する。上述した実施例において、錠剤は、近位の、座薬挿入端16から錠剤の全長に対する75%の部位に位置する折り線24を有する。もし100%の吸収を治療結果に及ぼすことが必要である場合には、投与経路が選択されれば、錠剤全体を経口で投与される。しかしながら、前記組成物が直腸から投与される場合、錠剤は折り線に沿って割られ、本来の錠剤の全長から75%を示す部分が直腸から投与される。
【0032】
別の実施例として、アセトアミノフェンのアクティブな薬剤成分を有する特定の組成物を備える場合には、直腸線量に対して経口量の方がより高い血中濃度を得られるため、経口量に比してより大きな直腸線量が必要となり得る。もし100%の吸収を治療結果に及ぼすことが必要であれば、アセトアミノフェンを含む全体の錠剤の座薬は、投与経路が選択されれば、直腸から投与される。しかしながら、前記組成物が経口で投与される場合、錠剤の座薬は最初に折り線に沿って割られ、本来の錠剤の全長に対する75%を示す部分が経口で投与される。
【0033】
本発明は、患者に組成物を投与する方法も提供する。この方法は、アクティブな薬剤成分を備える生理的に受け入れ可能な形体を有して、患者に投与するための組成物を提供する処理を有する。前記形状は、複数の投与経路で患者の身体に投与され得る体内用移送形体で提供される。前記方法は、少なくとも第1又は第2の投与経路を選択する処理と、第1投与経路又は第2投与経路を介して患者に体内移送用形体の組成物を体内移送する処理をさらに備える。選択され得る第1投与経路は、経口の投与経路である。選択され得る第2投与経路は、直腸の投与経路である。上述したように、選択され得る投与経路は、下記のものに限定されないが、患者の年齢、患者の症状、患者の状態(つまり、患者が無能力であるか否か)を含む様々な要素に依存する。
【0034】
上述したように、本発明の組成物を患者の身体に投与するときに、体内移送形体が、固体の体内移送用形体にハンドルを動作可能に接続したり、体内移送用形体の表面に配設された折り線に沿って固体の体内移送用形体を割ること等によって、移送用に構成されてもよい。
【0035】
本発明の原理は、下記の実施例を参照することによってより明らかにあるであろう。
【0036】
[実施例]
実施例1(プロメタジン):
下記の実施例は、様々な型のサイズでの座薬として使用されるように構成された、異なる年齢の患者への投与に対して様々な効能を与えることができる固体の体内移送用形体における成分量を含んでいる。1.3Gm型(モールド、成形体)で提供される体内移送用形体は、3−6才の子供に好適である。2.0Gm型で提供される体内移送用形体は、6−12才の子供に好適である。そして、2.3Gm型で提供される体内移送用形体は、大人に好適である。それぞれの体内移送用形体は、座薬としての使用するために用意されている。しかしながら、前記薬剤を直腸から投与できない事態においては、前記薬剤は代わりに経口で投与される。成分の様々な量は以下の通りである。
【0037】
[プロメタジン 12.5mg/1.3Gm型]
プロメタジン 12.50mg
ステビアパウダー 2.00mg
シリカゲル 1.30mg
MBK脂肪ベース(塩基) 1.285gms
香料/オレンジ濃縮物 0.13ml
【0038】
[プロメタジン 12.5mg/2.0Gm型]
プロメタジン 25.00mg
ステビアパウダー 3.00mg
シリカゲル 2.00mg
MBK脂肪ベース(塩基) 1.970gms
香料/オレンジ濃縮物 0.23ml
【0039】
[プロメタジン 12.5mg/2.3Gm型]
プロメタジン 50.00mg
ステビアパウダー 3.50mg
シリカゲル 2.30mg
MBK脂肪ベース(塩基) 2.244gms
香料/オレンジ濃縮物 0.26ml
【0040】
実施例2(アセトアミノフェン):
下記の実施例は、様々な型のサイズでの座薬として使用されるように構成された、異なる年齢の患者への投与に対して様々な効能を与えることができる固体の体内移送用形体における成分量を含んでいる。1.3Gm型で提供される体内移送用形体は、3−6才の子供に好適である。2.0Gm型で提供される体内移送用形体は、6−12才の子供に好適である。そして、2.3Gm型で提供される体内移送用形体は、大人に好適である。それぞれの体内移送用形体は、座薬としての使用するために用意されている。しかしながら、前記薬剤を直腸から投与できない事態においては、前記薬剤は代わりに経口で投与される。成分の様々な量は以下の通りである。
【0041】
[アセトアミノフェン 120mg/1.3Gm型]
アセトアミノフェン 120.00mg
ステビアパウダー 2.00mg
MBK脂肪ベース(塩基) 1.178gms
香料/オレンジ濃縮物 0.13ml
【0042】
[アセトアミノフェン 350mg/2.0Gm型]
アセトアミノフェン 350.00mg
ステビアパウダー 3.00mg
MBK脂肪ベース(塩基) 1.672gms
香料/オレンジ濃縮物 0.23ml
【0043】
[アセトアミノフェン 750mg/2.3Gm型]
アセトアミノフェン 750.00mg
ステビアパウダー 3.50mg
MBK脂肪ベース(塩基) 2.547gms
香料/オレンジ濃縮物 0.26ml
【0044】
実施例3(アセトアミノフェン;コデイン):
下記の実施例は、様々な型のサイズでの座薬として使用されるように構成された、異なる年齢の患者への投与に対して様々な効能を与えることができる固体の体内移送用形体における成分量を含んでいる。1.3Gm型で提供される体内移送用形体は、3−6才の子供に好適である。それぞれの体内移送用形体は、座薬としての使用するために用意されている。しかしながら、前記薬剤を直腸から投与できない事態においては、前記薬剤は代わりに経口で投与される。成分の様々な量は以下の通りである。
【0045】
[アセトアミノフェン 120mg、コデイン12.5mg/2.3Gm型]
アセトアミノフェン 120.00mg
コデイン 12.50mg
ステビアパウダー 2.40mg
MBK脂肪ベース(塩基) 1.165gms
香料/オレンジ濃縮物 0.13ml
【0046】
本発明は、本発明の好ましい実施の形態の詳細を参照することで開示されているが、本発明の趣旨及び請求項の範囲内において変形が直ちに行えることが当業者にとって企図されるように、この開示は限定的な意図ではなく例示的な意図でなされている、ということが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】坐薬又は錠剤としての体内移送に適合した、体内移送用形体の薬剤組成物の斜視図である。
【図2】図1の体内移送用形体の薬剤組成物と、経粘膜的及び/又は胃腸での吸収を可能にするために棒付きアイスキャンデー形体(ロリポップ形体)の経口投与のために組成物にさらに適合させる目的のハンドルとの斜視図である。
【図3】薬剤組成物の経口投与用に動作可能に連結されるような図2の薬剤組成物とハンドルとの斜視図である。
【図4】図2に示されたハンドルのネジ式チップの斜視図である。
【図5】坐薬又は錠剤として体内移送するように適合された、体内移送用形体の薬剤組成物における他の実施の形体の斜視図である。
【図6】折り線を形成され、坐薬又は錠剤として体内移送するように適合された、体内移送用形体の薬剤組成物の斜視図である。
【図7】本発明における薬剤組成物の非固体形体での体内移送に用いられる塗布器(アプリケーター)の斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
10 組成物
12 固体の体内移送用形体
14 ハンドル
16 近位端
18 遠位端
20 ボア
24 折り線
26 注射器
28 バレル
30 チップ
32 プランジャ
34、36 用量ライン




【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の身体に投与するための薬剤組成物であって、
少なくとも一つのアクティブな薬剤成分を備える生理的に受け入れ可能な形体を有し、
前記少なくとも一つのアクティブな薬剤成分を備える前記生理的に受け入れ可能な形体は、体内移送用形体で提供され、
前記体内移送用形体は、経口投与経路及び直腸投与経路を介して患者の身体に選択的に投与可能である、薬剤組成物。
【請求項2】
前記経口投与経路は、経口の経粘膜経路及び経口の胃腸経路からなる群から選択される、請求項1に記載の薬剤組成物。
【請求項3】
前記直腸投与経路は、直腸の経粘膜経路をさらに備える、請求項1に記載の薬剤組成物。
【請求項4】
前記体内移送用形体は、固体の体内移送用形体と非固体の体内移送用形体とからなる群から選択される、請求項1に記載の薬剤組成物。
【請求項5】
前記固体の体内移送用形体は、座薬、トローチ剤、飲み込める錠剤、噛み込める錠剤、溶ける錠剤とからなる群から選択される、請求項4に記載の薬剤組成物。
【請求項6】
前記生理的に受け入れ可能な形体は、香料添加剤、着色剤、甘味剤、防腐剤、接着促進剤、流動促進剤とからなる群から選択される少なくとも一つの添加物をさらに備える、請求項5に記載の薬剤組成物。
【請求項7】
前記生理的に受け入れ可能な形体は、近位端、遠位端、及び前記遠位端に配置された中心部のボア、とを有している、請求項5に記載の薬剤組成物。
【請求項8】
ハンドルをさらに備え、
前記ハンドルは前記体内移送用形体に動作可能に連結されるように構成されている、請求項7に記載の薬剤組成物。
【請求項9】
前記ハンドルは、ネジ式である、請求項8に記載の薬剤組成物。
【請求項10】
前記アクティブな薬剤成分は、
鎮痛剤、抗アレルギー薬剤、抗ぜんそく薬剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗コリン作用薬、抗けいれん薬、抗うつ剤、抗ヒスタミン剤、制吐薬、発作抑制薬、鎮痙薬、アミノフィリン、アスコルビン酸、アスピリン、アセトアミノフェン、バルビツール酸塩、ベンゾジアゼピン系薬、ビサコジル、ブチロフェノン、カフェイン、抱水クロラール、クロルプロマジン、クリンダマイシン、クロトリマゾール、コデイン、コルチコステロイド、デキストロメトルファン、ジアゼパム、ジノプロストン、ジフェンヒドラミン、エルゴタミン、エストロゲン、フェンタニル、硫酸第一鉄、グアイフェネシン、ハロペリドール、ホルモンサプリメント、ヒドロモルフォン、インドメタシン、カオリン、ペクチン、下剤、リチウム、ロペラミド、メクリジン、メプロバメート、メタドン、メトロニダゾール、ミコナゾール、モルヒネ、NSAIDS(非ステロイド系抗炎症薬)、オピオイド、オルフェナドリン、オキシモルホン、ペントバルビタール、フェノバルビタール、フェノチアジン、フェニトイン、プロクロルペラジン、プロゲスチン、プロメタジン、リタリン(登録商標)、シメチコン、スピラマイシン、サルファ剤、テオフィリン、トリメトベンズアミド、バルプロ酸、ビタミン、からなる群から選択される、請求項5に記載の薬剤組成物。
【請求項11】
前記非固体の体内移送用形体は、
ゲル、液体、ペースト、発泡体からなる群から選択される、請求項4に記載の薬剤組成物。
【請求項12】
前記アクティブな薬剤成分は、
鎮痛剤、抗アレルギー薬剤、抗ぜんそく薬剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗コリン作用薬、抗けいれん薬、抗うつ剤、抗ヒスタミン剤、制吐薬、発作抑制薬、鎮痙薬、アミノフィリン、アスコルビン酸、アスピリン、アセトアミノフェン、バルビツール酸塩、ベンゾジアゼピン系薬、ビサコジル、ブチロフェノン、カフェイン、抱水クロラール、クロルプロマジン、クリンダマイシン、クロトリマゾール、コデイン、コルチコステロイド、デキストロメトルファン、ジアゼパム、ジノプロストン、ジフェンヒドラミン、エルゴタミン、エストロゲン、フェンタニル、硫酸第一鉄、グアイフェネシン、ハロペリドール、ホルモンサプリメント、ヒドロモルフォン、インドメタシン、カオリン、ペクチン、下剤、リチウム、ロペラミド、メクリジン、メプロバメート、メタドン、メトロニダゾール、ミコナゾール、モルヒネ、NSAIDS(非ステロイド系抗炎症薬)、オピオイド、オルフェナドリン、オキシモルホン、ペントバルビタール、フェノバルビタール、フェノチアジン、フェニトイン、プロクロルペラジン、プロゲスチン、プロメタジン、リタリン(登録商標)、シメチコン、スピラマイシン、サルファ剤、テオフィリン、トリメトベンズアミド、バルプロ酸、ビタミン、からなる群から選択される、請求項11に記載の薬剤組成物。
【請求項13】
前記経口腔又は直腸腔のいずれに対しても前記アクティブな薬剤成分を備える前記生理的に受け入れ可能な形体の投与を容易にするように構成された塗布器をさらに備える、請求項11に記載の薬剤組成物。
【請求項14】
前記経口及び直腸の粘膜に対する粘着性を促進する成分の添加物をさらに備える、請求項11に記載の薬剤組成物。
【請求項15】
前記塗布器は、体内移送用部材を備えている、請求項13に記載の薬剤組成物。
【請求項16】
前記体内移送用部材は、プランジャと、絞り可能な部材とからなる群から選択される、請求項15に記載の薬剤組成物。
【請求項17】
前記生理的に受け入れ可能な形体は、ベース部材をさらに備え、
該ベース部材は、グリセリンゼラチン、ポリエチレングリコール、及びMBK脂肪酸からなる群から選択される、請求項1に記載の薬剤組成物。
【請求項18】
少なくとも一つの賦形剤成分をさらに備える、請求項1に記載の薬剤組成物。
【請求項19】
前記少なくとも一つの賦形剤成分は、
マンニトール、デキストロース、乳糖、スクロース、炭酸カルシウムからなる群から選択される、請求項18に記載の薬剤組成物。
【請求項20】
前記体内移送用形体の表面に、折り線マークをさらに備える、請求項5に記載の薬剤組成物。
【請求項21】
前記折り線マークは、前記患者の身体の経口腔、腸、又は直腸での前記少なくとも一つのアクティブな薬剤成分の吸収率に反映する位置で前記表面上に設けられている、請求項20に記載の薬剤組成物。
【請求項22】
前記固体又は非固体の組成物は、飲み込み可能な又は直腸に挿入可能なカプセルに閉止されている、請求項4に記載の薬剤組成物。
【請求項23】
前記体内移送用形体は、鼻腔の投与経路を介して患者の身体にさらに選択的に投与可能である、請求項1に記載の薬剤組成物。
【請求項24】
患者に組成物を投与する方法であって、
患者に投与するための組成物を提供する処理と、ここで、該組成物は、少なくとも一つのアクティブな薬剤成分を備える生理的に受け入れ可能な形体を有し、前記形体は、前記少なくとも一つのアクティブな薬剤成分が単一ユニットの体内移送用形体で提供され、前記単一ユニットの体内移送用形体は、複数の投与経路を介して患者の身体に投与可能であり、
経口又は直腸の投与経路を選択する処理と、
前記経口投与経路か前記直腸投与経路のいずれかを介して前記組成物を前記体内移送用形体で前記患者の体内に移送する処理と、を備える、組成物投与方法。
【請求項25】
前記経口投与経路は、経口の経粘膜経路及び経口の胃腸経路からなる群から選択される、請求項24に記載の組成物投与方法。
【請求項26】
前記直腸投与経路は、直腸の経粘膜経路をさらに備える、請求項25に記載の組成物投与方法。
【請求項27】
前記体内移送用の形体は、固体及び非固体からなる群から選択される、請求項26に記載の組成物投与方法。
【請求項28】
前記固体の体内移送用の形体は、座薬、トローチ剤、飲み込める錠剤、噛み込める錠剤、溶ける錠剤からなる群から選択される、請求項27に記載の組成物投与方法。
【請求項29】
前記固体の体内移送用の形体は、座薬であり、
前記組成物は、前記直腸の投与経路を介して投与される、請求項28に記載の組成物投与方法。
【請求項30】
前記固体の体内移送用の形体は、座薬であり、
前記経口投与経路を介して投与される前記体内移送用形体を構成する処理をさらに備える、請求項28に記載の組成物投与方法。
【請求項31】
前記固体の体内移送用の形体は、近位端、遠位端、及び前記遠位端に配置された中心部のボア、とを有している、請求項30に記載の組成物投与方法。
【請求項32】
ハンドルをさらに備え、
前記ハンドルは前記体内移送用形体に動作可能に連結する処理をさらに備える、請求項31に記載の組成物投与方法。
【請求項33】
前記ハンドルは、ネジ式であり、
前記ボアも対応するネジ式であって、
前記体内移送用形体と前記ハンドルとを動作可能に連結する処理には、
前記ハンドルを前記ボアに差し込んで、前記ハンドルを前記体内移送用形体に対して回転させる処理が含まれる、請求項32に記載の組成物投与方法。
【請求項34】
前記非固体の体内移送用形体は、ゲル、液体、ペースト、発泡体からなる群から選択される、請求項27に記載の組成物投与方法。
【請求項35】
塗布器をさらに備え、
前記患者の身体に前記少なくとも一つのアクティブな薬剤成分を投与するために、前記塗布器を操作する処理を備える、請求項34に記載の組成物投与方法。
【請求項36】
前記固体の体内移送用形体は、前記体内移送用形体の表面上に設けられている折り線マークをさらに備え、
前記折り線マークの位置は、体内移送用される全投薬量、及び、前記患者の身体中に前記少なくとも一つのアクティブな薬剤成分の吸収率とが反映された位置である、請求項28に記載の組成物投与方法。
【請求項37】
前記経口又は直腸の投与経路の一つで保全される前記固体の体内移送用形体を投与する処理をさらに備える、請求項36に記載の組成物投与方法。
【請求項38】
前記折り線に沿って前記固体の体内移送用形体を第1及び第2の部分に割る処理と、
前記第1及び第2の部分のいずれかを前記患者の身体に前記経口及び前記直腸投与経路を介して投与する処理と、をさらに備える、請求項37に記載の組成物投与方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−510663(P2007−510663A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538507(P2006−538507)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/036935
【国際公開番号】WO2005/046640
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(504118025)ペディアミド・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】