説明

メモリカード用コネクタ

【課題】メモリカード用の挿入口と小型メモリカード用の挿入口とが並んでいるメモリカード用コネクタにおいて、メモリカードの誤挿入を防止ことを課題とする。
【解決手段】メモリカード用コネクタ50の第1のコネクタ部60は、上側の挿入口61と、下側の挿入口62とを有する。排他的制御部材160が、張り出し部88の途中の部位に変位可能に組み込んである。第1のメモリカードが挿入口61に装着されている状態においては、排他的制御部材160は下降しており、張り出し部88より下方に突き出ている本体部が、第1の小型メモリカードの挿入口62への誤挿入をブロックする。第1の小型メモリカードが挿入口62に装着されている状態においては、第1の小型メモリカード自身が排他的制御部材160の下降を制限し、斜面部162が第1のメモリカードの挿入口61への誤挿入をブロックする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメモリカード用コネクタに係り、特にパソコン、デジタルカメラ等の電子機器に組み込まれて使用され、メモリカードの多種類化に対応可能であるメモリカード用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体フラッシュメモリーを利用したメモリカードが市販されており、パソコン、デジタルカメラ等の電子機器は、メモリカード用コネクタを備えた構成となっている。
【0003】
現在では、メモリカードの種類が増えてきている。大別してメモリースティック系とSD系とがあり、夫々、ノーマルサイズとスモールサイズがある。図1及び図2中、1はSDカード(商標)(以下、第1のメモリカードのという)、2はミニSDカード(商標)(以下、第1の小型メモリカードという)、3はMMCカード(商標)(以下、第3のメモリカードという)である。11はメモリースティック(商標)(以下、第2のメモリカードという)、12はメモリースティックデュオ(商標)(以下、第2の小型メモリカードという)である。
【0004】
従来においては、電子機器の小型化が重要とされており、一つのメモリカード用コネクタで上記の二種類のメモリカードに対応可能としたものが使用されている。
【0005】
また、スモールサイズのメモリーカードをノーマルサイズのメモリカード用コネクタに装着する際に使用されるアダプタも市販されている。スモールサイズのメモリーカードをアダプタに装着すると、ノーマルサイズのメモリーカードのサイズと同じサイズとなる。
【特許文献1】特開2001−223044号公報
【特許文献2】特開2005−182662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年では、デジタルカメラなど普及により、パソコンやプリンタの装置はメモリースティック系のメモリーカードとSD系のメモリーカードのどちらにも同時に対応することが求められている。よって、メモリースティック系のメモリーカードと、SD系のメモリーカードとの両者を同時に装着できるようにすることが求められる。また、スモールサイズのメモリーカードについては、面倒を避けるために、アダプタを使用しないでそのまま装着することができるようにすることが求められている。
【0007】
また、電子機器に設けるコントローラとの関係で、メモリースティック系のメモリーカード及びSD系のメモリーカードについて、ノーマルサイズのメモリーカードが装着された状態では、スモールサイズのメモリーカードの挿入を拒否し、逆に、スモールサイズのメモリーカードが装着された状態では、ノーマルサイズのメモリーカードの挿入を拒否できるようになっていることが求められている。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、上記課題を解決したメモリカード用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、長手方向の寸法の長い第1の挿入口と、長手方向の寸法の短い第2の挿入口とが並んで配置してあり、前記第1の挿入口に第1のメモリカードが挿入され、前記第2の挿入口に前記第1のメモリカードよりも幅寸法が短い第2のメモリカードが挿入される構成のメモリカード用コネクタであって、
排他的制御部材を有し、
該排他的制御部材は、 前記第1のメモリカードが前記第1の挿入口に挿入されたことによって変位して前記第2のメモリカードの前記第2の挿入口への挿入をブロックできる状態となり、前記第2のメモリカードが前記第2の挿入口に挿入されたことによって変位を制限されて前記第1のメモリカードの前記第1の挿入口への挿入をブロックできる状態となる構成であり、
且つ、前記排他的制御部材は、前記第2のメモリカードの前記第1の挿入口への挿入をブロックする突起部を有する構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
長手方向の寸法の異なる挿入口が二つ並んでいるメモリカード用コネクタにおいて、一つのメモリカードが所定の挿入口が挿入装着されている状態において、別の挿入口に別のメモリカードを誤って挿入してしまう誤操作を防止することに加えて、長手方向の寸法の長い挿入口に小さいサイズのメモリカードを誤って挿入してしまう誤操作を防止することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明の実施の形態について説明する。
【実施例1】
【0012】
[メモリカードについて]
説明の便宜上、各メモリカードの幅寸法の大小関係について説明する。図1中、第1のメモリカード1は幅W1、第1の小型メモリカード(第2は幅W2、第3のメモリカード3は幅W3、第2のメモリカード11は幅W11、第2の小型メモリカード12は幅W12を有する。各幅は、W1>W2、W11>W12、W1>W11、及びW1=W3の関係にある。また、第1のメモリカード1は、X1側のZ2側に溝部1aを有する。また、図2に示すように、各メモリカード1等は、挿入方向(Y1)の先端の下面に、接点群1b、2b、3b、11b、12bを有する。
[メモリカード用コネクタ50]
図3は本発明の実施例1になるメモリカード用コネクタ50が基板20上に実装されている状態の斜視図、図4はカバー部材100を取り外した状態の斜視図、図5はメモリカード用コネクタ50の正面図、図6はカバー部材100を取り外した状態の平面図、図7はコンタクト群を取り出して示す図である。X1−X2は幅方向、Y1−Y2は長手方向、Z1−Z2は厚さ(高さ)方向である。Y1はメモリカードをメモリカード用コネクタへ挿入する方向であり、Y2は引き抜く方向である。
【0013】
メモリカード用コネクタ50は、主に図4に示すように、X1側の第1のコネクタ部60とX2側の第2のコネクタ部70とを一体に有し、且つ、各コネクタ部60,70は夫々メモリカードが挿入されて装着される扁平な空間を上下二段に有する構成である。図5に示すように、第1のコネクタ部60は、上側(Z1側)の挿入口61と、下側(Z2側)の挿入口62とを有する。第2のコネクタ部70は、上側(Z1側)の挿入口71と、下側(Z2側)の挿入口72とを有する。挿入口61と挿入口62とは、左右の張り出し部 86,88によって仕切られており、夫々の長手方向に延在する中心線CL61,CL62が平行となって且つ接近した配置である。挿入口71と挿入口72とは、同じく左右の張り出し部89,87によって仕切られており、夫々の長手方向に延在する中心線CL71,CL72が平行となって且つ接近した配置である。挿入口61は第1のメモリカード1及び第3のメモリカード3用であり、挿入口62は第1の小型メモリカード2用であり、挿入口71は第2のメモリカード11用であり、挿入口72は第2の小型メモリカード12用である。上記の張り出し部86〜89は挿入されるメモリカードの幅方向の両側をガイドする機能も有する。
【0014】
長手方向の寸法は、挿入口61はW61、挿入口62はW62、挿入口71はW71、挿入口72はW72である。各幅寸法は、W61>W62、W71>W72の関係にある。
【0015】
メモリカード用コネクタ50は、プリント回路基板20に実装されて、電子機器(図示せず)内に組み込まれる。電子機器の筐体25には、挿入口61,62、71、72に対応して、4つのメモリカード挿入口26〜29が並んで形成してある。
【0016】
また、電子機器には、図1に示すように、一つのSD系コントローラ21及び一つのMS系コントローラ22、CPU23等が設けてある。SD系コントローラ21は第1のコネクタ部60と電気的に接続してあり、MS系コントローラ22は第2のコネクタ部70と電気的に接続してある。
【0017】
メモリカード用コネクタ50は、平たい略箱形状の合成樹脂製のハウジング80と、これを覆う金属板製のカバー部材100とよりなる。
【0018】
図4に示すように、ハウジング80は、X1側のハウジング部81とX2側のハウジング部82とを一体に有し、両者の間は共通の仕切り壁部83によって仕切られている。ハウジング部81はX1側に側壁部84を有し、ハウジング部82はX2側に側壁部85を有する。仕切り壁部83は、X1側に張り出し部86、X2側に張り出し部87を有する。側壁部84は、X2側に張り出し部88を有する。側壁部85は、X1側に張り出し部89を有する。
【0019】
ハウジング80には、図7に示すコンタクト群110がインサート成形してある。コンタクト群110は、第1のメモリカード用コンタクト群120と、第1の小型メモリカード用コンタクト群130と、第2のメモリカード用コンタクト群140と、第2の小型メモリカード用コンタクト群150とよりなる。
【0020】
ハウジング部81に、コンタクト群120とコンタクト群130とがインサート成形してある。ハウジング部82に、コンタクト群140とコンタクト群150とがインサート成形してある。
【0021】
図7中、121はグランドコンタクト、122,123は検出コンタクトであり、共に、コンタクト群120の一部である。132は検出コンタクトであり、コンタクト群130の一部である。グランドコンタクト121は、二つのL字状立ち上がり部121a,121bを有し、且つ、先端側にL字形状部121cを有する。検出コンタクト122がL字状立ち上がり部121aに、検出コンタクト123がL字状立ち上がり部121bに、検出コンタクト132がL字形状部121cに、共に、下側(Z2側)から押し当たって接触している。即ち、3つの検出コンタクト122,123、132に対して一つのグランドコンタクト121が共通に使用されており、コンタクト群120,130はコンタクトの数が減っている。
[排他的制御部材160]
図8に示すように、張り出し部88のうち挿入口61に近い部位の切り欠かれている部分に、排他的制御部材160が、Z1−Z2方向に変位可能に組み込んである。排他的制御部材160は、本体部161を有し、この本体部161のX1側の部位に斜面部162を有し、X2側の部位に、突起部163を有する。斜面部162は突起部163よりもY2側に位置し、突起部163は斜面部162よりもY1側に位置している。本体部161は張り出し部88と同じ厚さである。張り出し部88は、X1側に段部88aを有する。斜面部162は、段部88aの位置にあり、Y1方向に変位するにつれてZ1方向に変位するように傾斜している。突起部163は、Z1方向に突き出ており、X2側からY2側に亘る斜面部164を有する。斜面部164は、Y1方向に変位するにつれてX2方向に変位し、且つ、Z1方向に変位するにつれてX1方向に変位するように傾斜している。なお、段部88aは、第2のメモリカード11及び第2の小型メモリカード12の誤挿入をブロックする。
【0022】
この排他的制御部材160は、コイルばね165によってZ1方向に移動されて位置決めされており、図8に示すように、本体部161は張り出し部88と同じ高さに位置している。斜面部162は段部88aよりZ1方向に突き出ており、後述するように挿入される第1のメモリカード1或いは第3のメモリカード3が当たる。突起部163は張り出し部88よりZ1方向に突き出ており、第1の小型メモリカード2の誤挿入をブロックする。
【0023】
排他的制御部材160が、Z2方向に下降すると、図9に示すようになる。即ち、本体部161は張り出し部88よりZ2方向に突き出し、第1の小型メモリカード2の誤挿入をブロックする。突起部163は張り出し部88の厚み内に収まる。
[排他的制御部材170]
図10に示すように、張り出し部87のうち挿入口71に近い部位の切り欠かれている部分に、排他的制御部材170が、Z1−Z2方向に変位可能に組み込んである。排他的制御部材170は、本体部171を有し、この本体部171のX1側の部位に斜面部172を有し、X2側の部位に、突起部173を有する。斜面部172は突起部173よりもY2側に位置しており、突起部173は斜面部172よりもY1側に位置している。本体部171は張り出し部87と略同じ厚さである。斜面部172は、Y1方向に変位するにつれてZ1方向に変位するように傾斜している。突起部173は、Z1方向に突き出ている。
【0024】
この排他的制御部材170は、コイルばね175によってZ1方向に移動されて位置決めされており、図10に示すように、本体部171は張り出し部87と同じ高さに位置する。斜面部172は張り出し部87よりZ1方向に突き出ており、後述するように挿入される第2のメモリカード11が当たる。突起部173は張り出し部87よりZ1方向に突き出ており、第2の小型メモリカード12の誤挿入をブロックする。
【0025】
排他的制御部材170が、Z2方向に下降すると、図11に示すようになる。即ち、本体部171は張り出し部87よりZ2方向に突き出し、第2の小型メモリカード12の誤挿入をブロックする。突起部173は張り出し部87の厚み内に収まる。
[単一のメモリカードの挿入装着]
[第1のメモリカード1について]
図12中、○印は挿入可能を意味し、×印は挿入不可能を示す。この印は、他の図13至15等についても同様である。
【0026】
第1のメモリカード1は、W1>W11であるため、挿入口62(メモリカード挿入口27)、挿入口71(メモリカード挿入口28)、挿入口72(メモリカード挿入口29)への挿入は拒否される。
【0027】
第1のメモリカード1は、挿入口61(メモリカード挿入口26)への挿入だけが許容され、メモリカード用コネクタ50に、図16(A)に示すように装着される。接点群1bは図7中のコンタクト群120と接触する。また、第1のメモリカード1が検出コンタクト122,123を押し下げ、検出コンタクト122,123は撓まされて夫々L字状立ち上がり部121a、121bから離れて非接触となり、第1のメモリカード1が挿入されたことが検出される。
【0028】
第1のメモリカード1が、挿入口61(メモリカード挿入口26)へ挿入されると、図8中の斜面部162が第1のメモリカード1自身によって押されて、排他的制御部材160がZ2方向に押し下げられ、図9に示す状態となり、突起部163は第1のメモリカード1の挿入を妨害しない位置に退避し、第1のメモリカード1は突起部163によってブロックされることなく挿入される。
【0029】
第3の小型メモリカード3についても同様である。
[第1の小型メモリカード2について]
第1の小型メモリカード2は、挿入口62(メモリカード挿入口27)への挿入については、図8中の突起部163の斜面部164によって拒否される。第1の小型メモリカード2の挿入側先端のX1側の角部が斜面部164に当たると。第1の小型メモリカード2は、X2側及びZ1側に寄せられ、即ち、挿入口62(メモリカード挿入口27)のX2及びZ1側のコーナに寄せられ、がたつくことなく、拘束される。
【0030】
第1の小型メモリカード2は、挿入口71(メモリカード挿入口28)への挿入については、図10中の突起部173によってブロックされて拒否される。
【0031】
第1の小型メモリカード2の、挿入口72(メモリカード挿入口29)への挿入は、本体部171によって拒否される。
【0032】
第1の小型メモリカード2は、挿入口62(メモリカード挿入口27)への挿入だけが許容され、メモリカード用コネクタ50に、図16(B)に示すように装着される。接点群2bは図7中のコンタクト群130と接触する。また、第1の小型メモリカード2が検出コンタクト132を押し下げ、検出コンタクト132は撓まされてL字形状部121cから離れて非接触となり、第1の小型メモリカード2が挿入されたことが検出される。
[第2のメモリカード11について]
第2のメモリカード11は、その幅との関係で、挿入口72(メモリカード挿入口29)への挿入、及び挿入口62(メモリカード挿入口27)への挿入は拒否される。
【0033】
第2のメモリカード11の挿入口61(メモリカード挿入口26)への挿入については、図8中の段部88a又は図8中の突起部164によってブロックされて拒否される。
【0034】
第2のメモリカード11は、挿入口71(メモリカード挿入口28)への挿入だけが許容され、メモリカード用コネクタ50に、図16(C)に示すように装着される。接点群11bは図7中のコンタクト群140と接触する。
【0035】
第1のメモリカード1が、挿入口61(メモリカード挿入口26)へ挿入されると、図10中の斜面部172が第2のメモリカード11自身によって押されて、排他的制御部材170がZ2方向に押し下げられ、図11に示す状態となり、突起部173は第2のメモリカード11の挿入を妨害しない位置に退避し、第2のメモリカード11は突起部173によってブロックされることなく挿入される。
[第2の小型メモリカード12について]
第2の小型メモリカード12は、その幅との関係で、挿入口62(メモリカード挿入口27)への挿入は拒否される。
【0036】
第2の小型メモリカード12の挿入口61(メモリカード挿入口26)への挿入については、図8中の段部88a又は図8中の突起部164によってブロックされて拒否される。
【0037】
第2の小型メモリカード12の挿入口71(メモリカード挿入口28)への挿入については、図10中の突起部173によってブロックされて拒否される。
【0038】
第2の小型メモリカード12は、挿入口72(メモリカード挿入口29)への挿入だけが許容され、メモリカード用コネクタ50に、図16(D)に示すように装着される。接点群12bは図7中のコンタクト群180と接触する。
[複数のメモリカードの挿入装着]
[第1のメモリカード1が挿入口61に装着されている状態]
図17に示すように、第1のメモリカード1が挿入口61に装着されている状態においては、排他的制御部材160は図9に示すようにZ2方向に下降しており、本体部161が張り出し部88よりZ2方向に突き出ている。よって、第1の小型メモリカード2の挿入口62(メモリカード挿入口27)への挿入は本体部161によってブロックされる。
【0039】
第2のメモリカード11と第2の小型メモリカード12とのうち、第2のメモリカード11を、挿入口71(メモリカード挿入口28)へ挿入すると、正常に装着される。
【0040】
第2のメモリカード11が装着されると、排他的制御部材170は図11に示すようにZ2方向に下降して、本体部171が張り出し部87よりZ2方向に突き出る。よって、第2の小型メモリカード12の挿入口72(メモリカード挿入口29)への挿入は本体部171によってブロックされる。
【0041】
これによって、メモリカード用コネクタ50には、図18(A)に示すように、第1のメモリカード1と第2のメモリカード11とが装着され、他のメモリカード、即ち、第1の小型メモリカード2及び第2の小型メモリカード12は装着を拒否される状態となる。
【0042】
なお、第2のメモリカード11と第2の小型メモリカード12とのうち、第2の小型メモリカード12を挿入口72(メモリカード挿入口29)へ挿入すると、正常に装着される。図17中、○を括弧して示す。第2の小型メモリカード12が装着されると、第2の小型メモリカード12自身が排他的制御部材170のZ2側に位置して、排他的制御部材170の下降を制限する。このことによって、第2のメモリカード11は斜面部172に当たって挿入口71(メモリカード挿入口28)への挿入がブロックされる。図17中、×を括弧して示す。
【0043】
これによって、メモリカード用コネクタ50には、図18(B)に示すように、第1のメモリカード1と第2の小型メモリカード12とが装着され、且つ、メモリカード用コネクタ50は、他のメモリカード、即ち、第1の小型メモリカード2及び第2のメモリカード11の装着を拒否できる状態となる。
【0044】
また、図1に示すように、第1のコネクタ60に装着してある第1のメモリカード1はSD系コントローラ21によって制御され、第2のコネクタ70に装着してある第2の小型メモリカード12はMS系コントローラ22によって制御される。
[第1の小型メモリカード2が挿入口62に装着されている状態]
図19に示すように、第1の小型メモリカード2が挿入口62に装着されている状態においては、第1の小型メモリカード2自身が排他的制御部材160のZ2側に位置して、排他的制御部材160の下降を制限する(図8参照)。このことによって、第1のメモリカード1は斜面部162に当たって挿入口61(メモリカード挿入口26)への挿入がブロックされる。
【0045】
第2のメモリカード11と第2の小型メモリカード12とのうち、第2のメモリカード11を、挿入口71(メモリカード挿入口28)へ挿入すると、正常に装着され、第2の小型メモリカード12の挿入口72(メモリカード挿入口29)への挿入は前記と同じ理由でブロックされる状態となる。
【0046】
これによって、メモリカード用コネクタ50には、図20(A)に示すように、第1の小型メモリカード2と第2のメモリカード11とが装着され、且つ、メモリカード用コネクタ50は、他のメモリカード、即ち、第1のメモリカード1及び第2の小型メモリカード12の装着を拒否できる状態となる。
【0047】
なお、第2のメモリカード11と第2の小型メモリカード12とのうち、第2の小型メモリカード12を挿入口72(メモリカード挿入口29)へ挿入すると、正常に装着され、第2のメモリカード11の挿入口71(メモリカード挿入口28)への挿入は前記と同じ理由でブロックされる状態となる。
【0048】
これによって、メモリカード用コネクタ50には、図20(B)に示すように、第1の小型メモリカード2と第2の小型メモリカード12とが装着され、且つ、メモリカード用コネクタ50は、他のメモリカード、即ち、第1のメモリカード1及び第2のメモリカード11の装着を拒否できる状態となる。
[第2のメモリカード11が挿入口71に装着されている状態]
図21に示すように、第2のメモリカード11が挿入口71に装着されている状態においては、排他的制御部材170は図11に示すようにZ2方向に下降しており、本体部171が張り出し部87よりZ2方向に突き出ている。よって、第2の小型メモリカード12の挿入口72(メモリカード挿入口29)への挿入は本体部171によってブロックされる。
【0049】
第1のメモリカード1と第1の小型メモリカード2とのうち、第1のメモリカード1を挿入口61(メモリカード挿入口68)へ挿入すると、正常に装着される。
【0050】
第1のメモリカード1が装着されると、排他的制御部材160は図9に示すようにZ2方向に下降して、本体部161が張り出し部88よりZ2方向に突き出る。よって、第1の小型メモリカード2の挿入口62(メモリカード挿入口27)への挿入は本体部161によってブロックされる。
【0051】
これによって、メモリカード用コネクタ50には、図22(A)に示すように、第2のメモリカード11と第1のメモリカード1とが装着され、且つ、メモリカード用コネクタ50は、他のメモリカード、即ち、第2の小型メモリカード12及び第1の小型メモリカード2の装着を拒否できる状態となる。
【0052】
なお、第1のメモリカード1と第1の小型メモリカード2とのうち、第1の小型メモリカード2を挿入口62(メモリカード挿入口27)へ挿入すると、正常に装着される。
第1の小型メモリカード2が装着されると、第1の小型メモリカード2自身が排他的制御部材160のZ2側に位置して、排他的制御部材160の下降を制限する(図8参照)。このことによって、第1のメモリカード1は斜面部162に当たって挿入口61(メモリカード挿入口26)への挿入がブロックされる。
【0053】
これによって、メモリカード用コネクタ50には、図22(B)に示すように、第2のメモリカード11と第1の小型メモリカード2とが装着され、他のメモリカード、即ち、第2の小型メモリカード12及び第1のメモリカード1の装着を拒否できる状態となる。
[第2の小型メモリカード12が挿入口72に装着されている状態]
図23に示すように、第2の小型メモリカード12が挿入口72に装着されている状態においては、第2の小型メモリカード12自身が排他的制御部材170のZ2側に位置して、排他的制御部材170の下降を制限する(図10参照)。このことによって、第2のメモリカード11は斜面部172に当たって挿入口71(メモリカード挿入口28)への挿入がブロックされる。
【0054】
第1のメモリカード1と第1の小型メモリカード2とのうち、第1のメモリカード1を、挿入口61(メモリカード挿入口26)へ挿入すると、正常に装着され、第1の小型メモリカード2の挿入口62(メモリカード挿入口27)への挿入は前記と同じ理由でブロックされる状態となる。
【0055】
これによって、メモリカード用コネクタ50には、図24(A)に示すように、第2の小型メモリカード12と第1のメモリカード1とが装着され、且つ、メモリカード用コネクタ50は、他のメモリカード、即ち、第2のメモリカード11及び第1の小型メモリカード2の装着を拒否できる状態となる。
【0056】
なお、第1のメモリカード1と第1の小型メモリカード2とのうち、第1の小型メモリカード2を挿入口62(メモリカード挿入口27)へ挿入すると、正常に装着され、第2のメモリカード11の挿入口71(メモリカード挿入口28)への挿入は前記と同じ理由でブロックされる状態となる。
【0057】
これによって、メモリカード用コネクタ50には、図24(B)に示すように、第2の小型メモリカード12と第1の小型メモリカード2とが装着され、且つ、メモリカード用コネクタ50は、他のメモリカード、即ち、第2のメモリカード11及び第1のメモリカード1の装着を拒否できる状態となる。
【実施例2】
【0058】
図25は本発明の実施例2になるメモリカード用コネクタ50Aの一部を示す。
【0059】
200は排他的制御部材であり、図10中の排他的制御部材170に代えて設けてある。排他的制御部材200は、断面が略台形の短い柱形状を有し、軸201によってハウジング80のX2側の壁の内側であって、張り出し部89のうち切り欠け部分に取り付けてあり、回動が可能である。排他的制御部材200のZ2側の部分200aが張り出し部89よりZ2方向に突き出ている。
【0060】
第2のメモリカード11が装着された状態では、排他的制御部材200は、第2のメモリカード11自身によって回動を制限された状態となり、第2の小型メモリカード12の挿入は上記の部分200aによってブロックされる。
【0061】
第2のメモリカード11が装着されていない状態で第2の小型メモリカード12を挿入すると、排他的制御部材200は、挿入される第2の小型メモリカード12によって押されて180度回動され、図26に示すようになる。即ち、排他的制御部材200は、部分200aが張り出し部89よりZ1方向に突き出し、且つ、装着された第2の小型メモリカード12自身によって回動を制限された状態となる。よって、第2のメモリカード11の挿入は上記の部分200aによってブロックされる。
【0062】
特許請求の範囲の記載の第1の挿入口は挿入口61が、第2の挿入口は挿入口62が、第3の挿入口は挿入口71が、第4の挿入口は挿入口72が夫々対応する。
【0063】
特許請求の範囲の記載の第1のメモリカードは第1のメモリカード1が、第2のメモリカードは第1の小型メモリカード2が、第3のメモリカードは第2のメモリカード11が、第4のメモリカードは第2の小型メモリカード12が夫々対応する。
【0064】
特許請求の範囲の記載の第1の排他的制御部材は排他的制御部材160が、第2の排他的制御部材は排他的制御部材170が夫々対応する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施例1になるメモリカード用コネクタを使用される複数の種類のメモリカードと併せて示す図である。
【図2】図1の状態を上下反転した状態で示す図である。
【図3】本発明の実施例1になるメモリカード用コネクタの斜視図である。
【図4】カバー部材を取り外した状態のメモリカード用コネクタの斜視図である。
【図5】メモリカード用コネクタの正面図である。
【図6】カバー部材を取り外した状態のメモリカード用コネクタの平面図である。
【図7】メモリカード用コネクタのコンタクト群を示す図である。
【図8】第1のコネクタ部のうち排他的制御部材及びこの周辺の部分を拡大して示す図である。
【図9】図8の排他的制御部材が下降した状態を示す図である。
【図10】第2のコネクタ部のうち排他的制御部材及びこの周辺の部分を拡大して示す図である。
【図11】図10の排他的制御部材が下降した状態を示す図である。
【図12】第1のメモリカードの挿入及び挿入拒否を説明する図である。
【図13】第1の小型メモリカードの挿入及び挿入拒否を説明する図である。
【図14】第2のメモリカードの挿入及び挿入拒否を説明する図である。
【図15】第2の小型メモリカードの挿入及び挿入拒否を説明する図である。
【図16】メモリカード用コネクタへの単一のメモリカードの装着状態を示す図である。
【図17】第1のメモリカードが装着してある状態における、他のメモリカードの挿入及び挿入拒否を説明する図である。
【図18】メモリカード用コネクタへの第1のメモリカードと別のメモリカードとの装着状態を示す図である。
【図19】第1の小型メモリカードが装着してある状態における、他のメモリカードの挿入及び挿入拒否を説明する図である。
【図20】メモリカード用コネクタへの第1の小型メモリカードと別のメモリカードとの装着状態を示す図である。
【図21】第2のメモリカードが装着してある状態における、他のメモリカードの挿入及び挿入拒否を説明する図である。
【図22】メモリカード用コネクタへの第2のメモリカードと別のメモリカードとの装着状態を示す図である。
【図23】第2の小型メモリカードが装着してある状態における、他のメモリカードの挿入及び挿入拒否を説明する図である。
【図24】メモリカード用コネクタへの第2の小型メモリカードと別のメモリカードとの装着状態を示す図である。
【図25】本発明の実施例2になるメモリカード用コネクタの一部を示す図である。
【図26】図25中の排他的制御部材が180度回動された状態を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
1 第1のメモリカード
2 第1の小型メモリカード
3 第3のメモリカード
11 第2のメモリカード
12 第2の小型メモリカード
21 SD系コントローラ
22 MS系コントローラ
50、50A メモリカード用コネクタ
60 第1のコネクタ部
61 上側の挿入口
62 下側の挿入口
70 第2のコネクタ部
71 上側の挿入口
72 下側の挿入口
80 ハウジング
81、82 ハウジング部
83 仕切り壁部
86〜89 張り出し部
100 カバー部材
110 コンタクト群
120 第1のメモリカード用コンタクト群
121 グランドコンタクト
122,123 検出コンタクト
130 第1の小型メモリカード用コンタクト群
140 第2のメモリカード用コンタクト群
150 第2の小型メモリカード用コンタクト群
160 排他的制御部材
161 本体部
162 斜面部
163 突起部
164 斜面部
165 コイルばね
170 排他的制御部材
171 本体部
172 斜面部
173 突起部
175 コイルばね
200 排他的制御部材
201 軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の寸法の長い第1の挿入口と、長手方向の寸法の短い第2の挿入口とが並んで配置してあり、前記第1の挿入口に第1のメモリカードが挿入され、前記第2の挿入口に前記第1のメモリカードよりも幅寸法が短い第2のメモリカードが挿入される構成のメモリカード用コネクタであって、
排他的制御部材を有し、
該排他的制御部材は、 前記第1のメモリカードが前記第1の挿入口に挿入されたことによって変位して前記第2のメモリカードの前記第2の挿入口への挿入をブロックできる状態となり、前記第2のメモリカードが前記第2の挿入口に挿入されたことによって変位を制限されて前記第1のメモリカードの前記第1の挿入口への挿入をブロックできる状態となる構成であり、
且つ、前記排他的制御部材は、前記第2のメモリカードの前記第1の挿入口への挿入をブロックする突起部を有する構成としたことを特徴とするメモリカード用コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のメモリカード用コネクタにおいて、
前記排他的制御部材は、前記第1の挿入口と前記第2の挿入口との間に設けてあり、本体部と、該本体部より前記第1の挿入口側に突き出ている斜面部とを有する構成であり、
前記第1の挿入口に挿入された前記第1のメモリカードによって前記斜面部を押されて変位されて、前記本体部が前記第1の挿入口側に突き出る構成であり、
且つ、前記突起部は、前記斜面部よりも前記第1のメモリカードの挿入の方向上奥側の位置に配置してある構成としたことを特徴とするメモリカード用コネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載のメモリカード用コネクタにおいて、
前記排他的制御部材は、前記突起部に、斜面部を有し、
該斜面部が、前記第1の挿入口へ挿入された前記第2のメモリカードを所定方向に寄せる構成としたことを特徴とするメモリカード用コネクタ。
【請求項4】
請求項1に記載のメモリカード用コネクタにおいて、
単一のグランドコンタクトを有し、
該単一のグランドコンタクトが、前記第1のメモリカードが前記第1の挿入口に挿入されたことによって撓まされる検出コンタクトと、前記第2のメモリカードが前記第2の挿入口に挿入されたことによって撓まされる検出コンタクトとに共通に接触する構成としたことを特徴とするメモリカード用コネクタ。
【請求項5】
長手方向の寸法の長い第1の挿入口と、長手方向の寸法の短い第2の挿入口とが並んで配置してあり、前記第1の挿入口に第1のメモリカードが挿入され、前記第2の挿入口に前記第1のメモリカードよりも幅寸法が短い第2のメモリカードが挿入される構成の第1のコネクタ部と、長手方向の寸法の長い第3の挿入口と、長手方向の寸法の短い第4の挿入口とが並んで配置してあり、前記第3の挿入口に第3のメモリカードが挿入され、前記第4の挿入口に前記第3のメモリカードよりも幅寸法が短い第4のメモリカードが挿入される構成の第2のコネクタ部とを一体に有するメモリカード用コネクタであって、
前記第1のコネクタ部は、
第1の排他的制御部材を有し、
該第1の排他的制御部材は、 前記第1のメモリカードが前記第1の挿入口に挿入されたことによって変位して前記第2のメモリカードの前記第2の挿入口への挿入をブロックできる状態となり、前記第2のメモリカードが前記第2の挿入口に挿入されたことによって変位を制限されて前記第1のメモリカードの前記第1の挿入口への挿入をブロックできる状態となる構成であり、
且つ、前記第1排他的制御部材は、前記第2のメモリカードの前記第1の挿入口への挿入をブロックする突起部を有する構成であり、
前記第2のコネクタ部は、
第2の排他的制御部材を有し、
該第2の排他的制御部材は、 前記第3のメモリカードが前記第3の挿入口に挿入されたことによって変位して前記第4のメモリカードの前記第4の挿入口への挿入をブロックできる状態となり、前記第4のメモリカードが前記第4の挿入口に挿入されたことによって変位を制限されて前記第4のメモリカードの前記第3の挿入口への挿入をブロックできる状態となる構成であり、
且つ、前記第2排他的制御部材は、前記第4のメモリカードの前記第3の挿入口への挿入をブロックする突起部を有する構成としたことを特徴とするメモリカード用コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2007−294298(P2007−294298A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−122128(P2006−122128)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】