説明

メロキシカムを含む組成物

【課題】起こり得る副作用に関するメロキシカムの安全面をさらに改善すること。
【解決手段】抗炎症性、鎮痛性及び解熱性効果を発揮することのできるメロキシカム又はその医薬的に許容される塩、及び制酸薬、鎮静薬及び中枢神経興奮薬からなる群から選択される少なくとも第二の医薬活性化合物を含む医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メロキシカム又はその医薬的に許容される塩、及び制酸薬、鎮静薬及び中枢神経興奮薬からなる群から選択される少なくとも第二の医薬活性化合物に関する。さらに本発明は、そのような組成物を含む経口医薬製剤形態に関する。本発明のさらなる目的は、この組成物及びこの経口医薬製剤形態の使用に関する。さらに本発明は、そのような経口医薬製剤形態を製造するための、メロキシカム、及び制酸薬、鎮静薬及び中枢神経興奮薬からなる群から選択される少なくとも第二の医薬活性化合物の使用に関する。さらに本発明は、炎症性疾患、炎症性疾患の症状、頭痛、歯痛、抜歯後の痛み、咽頭痛、耳痛、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛、肩の筋肉の凝り、挫傷の痛み、骨折の痛み、捻挫の痛み、月経痛、外傷痛、悪寒、発熱反応、及び/又は風邪、及び咽頭痛、悪寒、発熱、頭痛、関節痛及び筋肉痛などの風邪の種々の症状を治療又は軽減する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)は、種々の疾患を有する多くの患者を治療するために、古くから広い範囲の治療に用いられている薬剤種である。既存のNSAIDsは、非特異的にシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害するCOX阻害薬であり、プロスタグランジン(PG)をアラキドン酸から生合成するための律速酵素である。COXの阻害は、PGE2の製造を阻害することにより、抗炎症性、鎮痛性及び解熱性効果を与えるが、他方で、消化疾患及び腎疾患などの薬剤副作用も引き起こす。ちなみに、COXは2種類の異性体、すなわちCOX-1及びCOX-2を含む。COX-1は、胃及び腎臓などほとんどの臓器で恒常的に生成されている(ある量の蛋白質は、増殖又は環境変化に関わらず生成されている)。さらに、COX-2は、炎症部における種々の炎症媒介物又は内毒素によって誘導されることが明らかとなった。
【0003】
最近開発された選択的COX-2阻害薬であるメロキシカムは、消化管で起こる望ましくない薬剤副作用の危険性を減らし、且つ優れた抗炎症性、鎮痛性及び解熱性効果を有するため、使用が増加している。しかし、選択的COX-2阻害薬は、経口投薬によるいくつかの消化系副作用、例えば胃病及び胃痛をなおも引き起こし得る。従って、抗炎症性、鎮痛性及び解熱性効果を増強し、胃腸疾患などの副作用を軽減することにより、強力な効力発現及び優れた安全性を有する経口医薬組成物が望まれる。
【0004】
メロキシカムの効力発現を増強する方法として、COX-2阻害薬及びオピオイド鎮痛薬を含む医薬組成物が、国際出願WO 99/13799号明細書に開示されている。モルホリン及びメロキシカムを1:10の割合で組み合せて含む医薬組成物が、その中に開示されている。しかし、オピオイドは望ましくない副作用を引き起こし得るため、そのような組成物は安全性の理由上好ましくない。
偏頭痛の治療及び/又は予防に有効であるとして、選択的COX-2阻害薬及び5HT1B/1D受容体拮抗薬を含む医薬組成物が、国際出願WO 00/25779号明細書に開示されている。
炎症関連疾患の治療に有効であるとして、炎症及び炎症性疾患の治療を誘導する一酸化窒素シンターゼ阻害薬及びCOX-2阻害薬の組み合せが、国際出願WO 99/18960号明細書に開示されている。
炎症及び炎症関連疾患の治療に有効であるとして、COX-2阻害薬及びロイコトリエンB4受容体拮抗薬の組み合せが、国際出願WO 96/41645号明細書に開示されている。
炎症及び炎症関連疾患の治療に有効であるとして、COX-2阻害薬及び5-リポキシゲナーゼ阻害薬の組み合せが、国際出願WO 96/41626号明細書に開示されている。
炎症及び炎症関連疾患の治療に有効であるとして、COX-2阻害薬及びロイコトリエンA4ヒドロラーゼ阻害薬の組み合せを含む組成物が、国際出願WO 96/41625号明細書に開示されている。
鼻炎の治療に有効であるとして、選択的COX-2阻害NSAIDs、及び抗アレルギー薬又は抗ヒスタミン薬を含む医薬組成物が、日本特許出願2001-247481A号明細書の公開公報に開示されている。この出願の例2において、メロキシカム、エピナスチン塩酸塩、フェニルプロパノールアミン塩酸塩、及びリゾチーム塩化物を含む錠剤形態の組成物が開示されている。しかし、その組成物には制酸薬が含まれていない。
制酸薬と組み合せることにより吸収性が促進されたクロルテノキシカム、テノキシカム又はピロキシカムから選択されるオキシカム群の抗炎症薬剤の内服用固形医薬製剤が、日本特許出願2-906528A号明細書に開示されている。しかし、この特許出願で挙げられているクロルテノキシカム(ロルノキシカム)、テノキシカム及びピロキシカムは、全て非特異的にシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害するCOX阻害薬である。選択的COX-2阻害薬であるメロキシカムは、その中に例示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、起こり得る副作用に関するメロキシカムの安全面をさらに改善することである。
本発明の別の目的は、それぞれがメロキシカムを含み且つ改善された抗炎症性、鎮痛性及び解熱性効果を有する医薬組成物及び経口医薬製剤形態を提供することである。
本発明はさらに、改善された有効性及び安全性を有する医薬組成物及び経口医薬製剤形態を提供することを目的とする。
本発明のさらなる目的は、炎症性疾患、頭痛、歯痛、抜歯後の痛み、咽頭痛、耳痛、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛、肩の筋肉の凝り、挫傷の痛み、骨折の痛み、捻挫の痛み、月経痛、外傷痛、悪寒、発熱反応などの治療又は軽減方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、メロキシカム又はその医薬的に許容される塩、及び制酸薬、鎮静薬及び中枢神経興奮薬からなる群から選択される少なくとも第二の医薬活性化合物を含む新しい医薬組成物に関する。好ましくは、メロキシカム又はその塩は、それ自体で抗炎症性、鎮痛性及び解熱性効果を発揮することのできる有効量で存在する。
本発明の組成物は、メロキシカムの治療効果、例えば鎮痛性、抗炎症性及び解熱性効果を強め、良好な生物学的利用能を提供する。
特に、第二の医薬活性化合物として制酸薬を選ぶことにより、胃病及び胃痛などの経口投薬による消化系副作用の可能性を減らすことができる。本発明の組成物は、優れた安全性を有するため、非処方薬の製造に都合よく好適である。
第二の医薬活性化合物として鎮静薬及び/又は中枢神経興奮薬を選択するときの本発明の利点は、本発明の組成物が、メロキシカムの投薬量を増やす必要なく、鎮痛性、抗炎症性及び解熱性効果などの治療効果を強められることである。従って、改良された有効性及び安全性を有する医薬組成物及び経口医薬製剤形態を提供することができる。従って、本発明の組成物は非処方薬の製造に特に好適である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
メロキシカムは、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の酸性エノールカルボキサミド(オキシカム)型に属する既知の選択的COX-2阻害薬である。化合物(4-ヒドロキシ-2-メチル-N-(5-メチル-2-チアゾリル)-2H-1,2-ベンゾチアジン3-カルボキサミド1,1-ジオキサイド)は、欧州特許第0,002,482B1号明細書及び米国特許第4,233,299号明細書に記載されている。
本発明は、メロキシカムそのもの、又はその医薬的に許容される塩のいずれを用いてもよい。メロキシカムの医薬的に許容される塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、メグルミン塩、トリス塩、及び例えば塩基性アミノ酸とのメロキシカムの塩を含む。メロキシカムの種々の塩が、欧州特許第0,002,482B1号明細書、米国特許第4,233,299号明細書及び国際出願WO 99/49867号明細書に記載されている。
【0008】
本発明の第一実施態様では、医薬組成物が、メロキシカム又はその医薬的に許容される塩、及び少なくとも1種の制酸薬を含む。
本発明の第二実施態様では、医薬組成物が、メロキシカム又はその医薬的に許容される塩、及び少なくとも1種の鎮静薬を含む。
上記のメロキシカム及び鎮静薬に加え、本発明の第二実施態様の組成物は、さらに制酸薬などの他の薬理学的有効成分を含んでいてもよい。
本発明の第三実施態様では、医薬組成物が、メロキシカム又はその医薬的に許容される塩、及び少なくとも1種の中枢神経興奮薬を含む。
上記のメロキシカム及び中枢神経興奮薬に加え、本発明の第三実施態様の組成物は、さらに他の薬理学的有効成分、例えば制酸薬及び/又は鎮静薬を含んでいてもよい。本発明のこの実施態様の好ましい改良は、医薬組成物が、メロキシカム又はその医薬的に許容される塩及び少なくとも1種の中枢神経興奮薬、及び少なくとも1種の鎮静薬を含む。上記のようなメロキシカム及び中枢神経興奮薬、及び任意成分としての鎮静薬に加え、本発明の前記医薬組成物は、さらに制酸薬など他の薬理学的有効成分を含んでいてもよい。
【0009】
本発明の制酸薬の用語は、2つの型を包含する。第一の型は、胃酸を中和する。第二の型は、胃酸分泌を制御する。本発明では、胃酸中和効果を有する第一の型が好ましい。
好ましくは、制酸薬は、アミノ酢酸、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノ酢酸、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム-炭酸マグネシウム共乾燥ゲル、水酸化アルミニウム-重炭酸ナトリウム共沈殿物、水酸化アルミニウム-炭酸カルシウム-炭酸マグネシウム共沈殿物、水酸化マグネシウム-硫酸アルミニウムカリウム共沈殿物、炭酸マグネシウム、アルミノメタケイ酸マグネシウム、アルミノケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウムアルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、沈殿炭酸カルシウム、無水第二リン酸カルシウム、及びリン酸水素カルシウムからなる群から選択される。
最も好ましい制酸薬の例は、アミノ酢酸、合成ケイ酸アルミニウム、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノ酢酸、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム-重炭酸ナトリウム共沈殿物、炭酸マグネシウム、アルミノメタケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム及びリン酸水素カルシウムからなる群から選択される。
好ましくはないが、本発明の組成物は、さらに胃酸分泌を制御する制酸薬を含んでいてもよい。そのような制酸薬の例は、ヒスタミンH2受容体拮抗薬、例えばシメチジン、ファモチジン、ラニチジン塩酸塩、ロキサチジン塩酸酢酸塩、ニザチジン及びラフチジン、プロトンポンプ阻害薬、例えばオメプラゾール、ランソプラゾール、レミノプラゾール、パントプラゾール及びラベプラゾールナトリウム、選択的ムスカリン受容体拮抗薬、例えば臭化チキジウム及び塩酸ピレンゼピンである。
【0010】
好ましくは、鎮静薬は、アリルイソプロピルアセチル尿素((2-イソプロピル-4-ペンテノイル)尿素)、及びブロムワレリル尿素((2-ブロモ-3-メチルブチリル)尿素)からなる群から選択される。
好ましくは、中枢神経興奮薬は、カフェイン(3,7-ジヒドロ-1,3,7-トリメチル-1H-プリン-2,6-ジオン一水和物)、無水カフェイン(3,7-ジヒドロ-1,3,7-トリメチル-1H-プリン-2,6-ジオン)、及びカフェインと安息香酸ナトリウムとの錯塩(カフェイン及び安息香酸ナトリウム)からなる群から選択される。2種以上の中枢神経興奮薬の組み合せを用いてもよい。
【0011】
好ましい実施態様では、本発明の医薬組成物は、さらに少なくとも1種の医薬的に許容されるキャリア及び/又は添加剤を含む。好適なキャリア及び添加剤は当業者にとって既知であり、例えば日本医薬品添加剤辞典2000(日本医薬品添加剤協会編集、薬事日報出版)に記載されている。好適なキャリア及び/又は添加剤の例は、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、キシリトール、コーンスターチ、ポテトスターチ、小麦スターチ、ライススターチ、タピオカスターチ、カルボキシメチルナトリウムスターチ、微結晶性セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカリウム、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、植物油、ワックス、クロスポビドン、寒天、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、酸化チタン、アカシア、アルギン酸ナトリウム、エタノール及び精製水である。
【0012】
さらに本発明は、本発明の医薬組成物を含む医薬製剤形態に関する。
本発明に記載の経口医薬製剤形態に用いられるメロキシカムの量は、好ましくは1〜30mgの範囲、さらに好ましくは2.5〜15mgの範囲、及び最も好ましくは5〜10mgの範囲である。これらの量は、成人の1日当たり1回の投薬における好ましい投薬量範囲に相当する。
本発明の第一実施態様では、少なくとも1種の第二の医薬活性化合物が制酸薬からなる群から選択される。本発明の経口医薬製剤形態における制酸薬の量は、その制酸薬の型によって変動し得るが、好ましくは10〜7,000mgの範囲、さらに好ましくは16〜4,000mgの範囲である。これらの量は、成人に1日当たりに与えられる好ましい投薬量に相当する。
好ましい制酸薬に関して、本発明の経口医薬製剤形態における各制酸薬の量は、好ましくは、アミノ酢酸及び水酸化アルミニウム-重炭酸ナトリウム共沈殿物では30〜900mgの範囲、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、及び水酸化アルミニウム-炭酸マグネシウム共乾燥ゲルでは100〜3,000mgの範囲、ハイドロタルサイトでは133〜4,000mgの範囲、酸化マグネシウムでは16〜500mgの範囲、ジヒドロキシアルミニウムアミノ酢酸、水酸化アルミニウム-炭酸カルシウム-炭酸マグネシウム共沈殿物、アルミノメタケイ酸マグネシウム、沈殿炭酸カルシウム、及びリン酸水素カルシウムでは50〜1,500mgの範囲、水酸化アルミニウムゲル及び乾燥水酸化アルミニウムゲルでは33〜1,000mgの範囲、水酸化マグネシウム-硫酸アルミニウムカリウム共沈殿物では60〜1,800mgの範囲、炭酸マグネシウム、アルミノケイ酸マグネシウム、及び水酸化マグネシウムアルミニウムでは66〜2,000mgの範囲、水酸化マグネシウム及び無水第二リン酸カルシウムでは40〜1,200mgの範囲、及び炭酸水素ナトリウムでは83〜2,500mgである。これらの量は、本発明において成人に1日当たりに与えられる各制酸薬の好ましい投薬量に相当する。
【0013】
本発明の第二実施態様では、少なくとも1種の第二の医薬活性化合物が鎮静薬からなる群から選択される。本発明の経口医薬製剤形態における鎮静薬の量は、その鎮静薬の型によって変動し得るが、好ましくは15〜1,200mgの範囲、さらに好ましくは30〜600mgの範囲である。これらの量は、成人に1日当たりに与えられる好ましい投薬量に相当する。
好ましい鎮静薬に関して、本発明の経口医薬製剤形態における各鎮静薬の量は、好ましくは、アリルイソプロピルアセチル尿素では30〜180mgの範囲、及びブロムワレリル尿素では100〜600mgの範囲である。これらの量は、本発明において成人に1日当たりに与えられる各鎮静薬の好ましい投薬量に相当する。
【0014】
本発明の第三実施態様では、少なくとも1種の第二の医薬的活性化合物が中枢神経興奮薬からなる群から選択される。本発明の経口医薬製剤形態における中枢神経興奮薬の量は、その中枢神経興奮薬の型によって変動し得るが、好ましくは15〜1,200mgの範囲、さらに好ましくは30〜300mgの範囲である。これらの量は、成人に1日当たりに与えられる好ましい投薬量に相当する。
好ましい中枢神経興奮薬に関して、本発明の経口医薬製剤形態における各中枢神経興奮薬の量は、好ましくは、カフェイン及び安息香酸ナトリウムでは60〜300mgの範囲、及びカフェイン及び/又は無水カフェインでは30〜250mgの範囲である。これらの量は、本発明において成人に1日当たりに与えられる各中枢神経興奮薬の好ましい投薬量に相当する。
【0015】
第三実施態様の経口医薬製剤形態がさらに鎮静薬を含む場合、この経口医薬製剤形態の鎮静薬の量は、その鎮静薬の型によって変動し得る。好ましくは、15〜1,200mgの範囲、及びさらに好ましくは30〜600mgの範囲である。これらの量は、成人に1日当たりに与えられる好ましい投薬量に相当する。
好ましい鎮静薬に関して、そのような経口医薬製剤形態における各鎮静薬の量は、好ましくは、アリルイソプロピルアセチル尿素では30〜180mgの範囲、及びブロムワレリル尿素では100〜600mgの範囲である。これらの量は、本発明において成人に1日当たりに与えられる各鎮静薬の好ましい投薬量に相当する。
【0016】
本発明の経口医薬製剤形態は、分割された投薬量で経口的に与えられてもよいが、1日に1回経口的に与えられるのが好ましい。メロキシカム及び少なくとも1種の第二の医薬的活性化合物の投薬量の調整は、年齢、体重、及び顕在性疾患を反映し得る。
本発明に記載の経口医薬製剤形態は、錠剤、顆粒、細粒、粉末、カプセル、キャプレッツ、ソフトカプセル、丸薬、経口溶液、シロップ、乾燥シロップ、チュアブル錠、トローチ、成形錠剤、ドロップ、懸濁液及び速溶解性錠剤を含む。これらの製剤の全ては、通常の方法を用いて調製されてもよく、上記の成分に加え、一般的に使用される任意の添加物を必要に応じてこれらの製剤の調製に用いてもよい。加えて、マイクロカプセル、ナノカプセル、ミクロスフィア、ナノスフィア、及びリポソームなどの微粒子に形成された製剤も上記の製剤に含まれ得る。
加えて、経口医薬製剤形態のさらなる成分及び製剤の全ての成分は、好ましくは所望の機械的、化学的及び生物学的安定性、放出速度、味覚遮蔽、外観などを考慮して選択される。
【0017】
例えば、医薬的有効成分、すなわちメロキシカム又はその医薬的に許容される塩及び第二の医薬活性化合物は、別々の顆粒、多層顆粒、多層錠剤又は乾燥被覆錠剤、分離された顆粒の錠剤、マイクロカプセルなどに調剤することができる。糖衣錠剤などの被覆製剤、フィルム被覆錠剤、被覆顆粒、発泡医薬製剤は、咀嚼製剤、速溶解性製剤、マトリックス製剤と同様に、粉砕、固溶体などで用いることができる。これらの方法を組み合せることもできる。
好ましい実施態様では、経口製剤形態は、メロキシカム又はその医薬的に許容される塩を含む第一製剤形態、及び少なくとも第二の医薬的活性化合物を含む第二製剤形態の組み合せである。好ましくは、第一製剤形態は、有効成分を第二製剤形態よりも速く放出する。第一製剤形態は、さらに第二の医薬活性化合物、及び任意成分としてのさらなる有効成分を含んでいてもよい。第二製剤形態は、さらなる有効成分を含んでいてもよい。好ましくは、第二製剤形態はメロキシカムを含まない。
例えば、製剤形態は2層の錠剤であり、第一層は、メロキシカム又はその医薬的に許容される塩及び任意成分としての第二の医薬活性化合物、例えば鎮静薬又は中枢神経興奮薬、及び任意成分としてのさらなる有効成分及び医薬的に許容されるキャリア及び/又は添加剤を含む。第二層は、第二の医薬活性化合物、例えば鎮静薬又は中枢神経興奮薬、及び任意成分としてのさらなる有効成分及び医薬的に許容されるキャリア及び/又は添加剤を含み、それによって第二層は第一層と比べて遅い放出特性を有する。
【0018】
さらなる例では、製剤形態は、2種類の顆粒を含むカプセルである。1種類目の顆粒は、メロキシカム又はその医薬的に許容される塩、及び任意成分としての第二の医薬活性化合物、例えば鎮静薬又は中枢神経興奮薬、及び任意成分としてのさらなる有効成分及び医薬的に許容されるキャリア及び/又は添加剤を含む。2種類目の顆粒は、第二の医薬活性化合物、例えば鎮静薬又は中枢神経興奮薬、及び任意成分としての有効成分及び医薬的に許容されるキャリア及び/又は添加剤を含み、それによって2種類目の顆粒は1種類目の顆粒と比べて遅い放出特性を有する。
これらの製剤は、一般的に入手できる医薬添加剤、例えば添加剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、被覆剤、糖衣剤、可塑剤、消泡剤、研磨剤、発泡剤、帯電防止剤、乾燥剤、界面活性剤、溶解剤、緩衝剤、溶剤、可溶化剤、溶媒、希釈剤、安定剤、乳化剤、懸濁液、懸濁剤、分散剤、等張化剤、吸収剤、還元剤、抗酸化剤、湿潤剤、湿性条件剤、充填剤、拡張剤、接着剤、粘性剤、軟化剤、pH調節剤、防腐剤、保存剤、甘味剤、矯味剤、清涼剤、香料添加剤、香料、芳香剤、及び着色剤を薬理学的活性化合物に加えることによる通常の方法を用いて調製されてもよい。
そのような添加剤の例は、日本医薬品添加剤辞典2000(日本医薬品添加剤協会編集、薬事日報出版)に記載されている。
これらの製剤は、好ましくは医薬添加剤を薬理学的活性化合物に加えることにより製造される。
本発明の第一実施態様の医薬組成物及び製剤形態は、鎮痛薬、解熱薬及び/又は制酸薬として都合よく有用である。
本発明の第二実施態様の医薬組成物及び製剤形態は、鎮痛薬、解熱薬及び/又は鎮静薬として都合よく有用である。
本発明の第三実施態様の医薬組成物及び製剤形態は、鎮痛薬、解熱薬及び/又は中枢神経興奮薬として都合よく有用である。
【0019】
本発明は、共に上記されている医薬組成物及び経口医薬製剤形態の、種々の症状を含む炎症性疾患を治療及び軽減するための使用に関する。
本発明の医薬組成物及び製剤形態は、頭痛、歯痛、抜歯後の痛み、咽頭痛、耳痛、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛、肩の筋肉の凝り、挫傷の痛み、骨折の痛み、捻挫の痛み、月経痛、外傷痛、悪寒、発熱反応などを治療及び軽減するのに有効である。
さらに、本発明の医薬組成物及び製剤形態は、咽頭痛、悪寒、発熱、頭痛、関節痛及び筋肉痛などの風邪の種々の症状を軽減するのにも有効である。
【0020】
さらに本発明は、種々の症状を含む炎症性疾患、及び/又は頭痛、歯痛、抜歯後の痛み、咽頭痛、耳痛、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛、肩の筋肉の凝り、挫傷の痛み、骨折の痛み、捻挫の痛み、月経痛、外傷痛、悪寒、発熱反応、及び/又は風邪、及び咽頭痛、悪寒、発熱、頭痛、関節痛及び筋肉痛などの風邪の種々の症状を予防又は軽減する薬剤を製造するための、上記の医薬組成物の使用に関する。
加えて、本発明は、本発明の経口医薬製剤形態を製造するための、メロキシカム又はその医薬的に許容される塩の使用に関する。
従って、本発明はさらに、本発明の経口医薬製剤形態を製造するための、制酸薬、鎮静薬及び中枢神経興奮薬からなる群から選択される医薬活性化合物の使用に関する。
【0021】
結果的に、本発明はさらに、炎症性疾患、その種々の症状を含む炎症性疾患、及び/又は頭痛、歯痛、抜歯後の痛み、咽頭痛、耳痛、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛、肩の筋肉の凝り、挫傷の痛み、骨折の痛み、捻挫の痛み、月経痛、外傷痛、悪寒、発熱反応、及び/又は風邪、及び咽頭痛、悪寒、発熱、頭痛、関節痛及び筋肉痛などの風邪の種々の症状の治療を必要としている患者における治療又は軽減方法に関し、この方法は、患者に対して本発明の医薬組成物を経口投薬することを含む。
本発明によって治療される患者は、哺乳類、好ましくは人間である。
【0022】
本発明の患者に対して経口投薬される好ましい1日当たりの投薬量は、1〜30mg、さらに好ましくは2.5〜15mgの範囲のメロキシカム又はその塩、及び
a)第二の医薬活性化合物が制酸薬の場合は、10〜7,000mg、さらに好ましくは16〜4,000mgの量の制酸薬、
b)第二の医薬活性化合物が鎮静薬の場合は、15〜1,200mg、さらに好ましくは30〜600mgの量の鎮静薬、
c)第二の医薬活性化合物が中枢神経興奮薬の場合は、15〜1,200mg、さらに好ましくは30〜300mgの量の中枢神経興奮薬、
である。鎮静薬がさらなる有効成分として選択される場合は、本発明の患者に対して経口投薬される好ましい1日当たりの投薬量では、鎮静薬が15〜1,200mg、さらに好ましくは30〜600mgの範囲である。
種々の第二の医薬活性化合物に関する好ましい投薬量を、上記に特定した。従って、1日当たりに患者によって摂取される製剤形態の量、すなわち、錠剤、カプセル、キャプレッツ、トローチなどの数、又はグラム又はミリリットルなどで測定される顆粒、シロップ、溶剤、懸濁液などの量は、上記に特定された好ましい1日当たりの投薬量が達成されるようなものである。
【0023】
メロキシカム又はその医薬的に許容される塩、及び少なくとも1種の医薬活性化合物は、好ましくは、上記の1つの経口製剤形態に組み合わされる。メロキシカム又はその塩、及び第二の医薬活性化合物は共に、1つがメロキシカム又はその塩を含み、もう1つが第二の医薬活性化合物を含む2つの別々の経口製剤形態で同時に投薬されてもよい。
本発明の組成物又は製剤形態を、以下の例によって説明するが、本発明の範囲を限定するものではない。例1.1〜1.6は本発明の第一実施態様を説明し、例2.1〜2.7は本発明の第二実施態様を説明し、及び例3.1〜3.7は本発明の第三実施態様を説明する。
【0024】
例1.1
錠剤
以下の成分を均一に混合する。得られた混合粒子を鋳型で圧縮し、各300mgの錠剤を調製する。
メロキシカム 15g
アミノ酢酸 600g
ラクトース 585g
微結晶性セルロース 564g
軽質無水ケイ酸 18g
ステアリン酸マグネシウム 10g
タルク 8g
【0025】
例1.2
粉末
以下の成分を均一に混合する。得られた混合粒子を800mgずつに分け、粉末組成物を調製する。
メロキシカム 15g
乾燥水酸化アルミニウムゲル 600g
コーンスターチ 469g
ラクトース 500g
ステアリン酸マグネシウム 16g
【0026】
例1.3
2層錠剤
層A及び層Bの以下の成分を通常の方法によって加工して、それぞれの混合粒子を提供し、及びそれらの粒子を圧縮して各250mg(層Aは100mg、層Bは150mg)の2層錠剤を形成する。
層A
メロキシカム 45g
ラクトース 273g
微結晶性セルロース 270g
軽質無水ケイ酸 6g
タルク 3g
ステアリン酸マグネシウム 3g
層B
酸化マグネシウム 300g
ラクトース 282g
微結晶性セルロース 300g
軽質無水ケイ酸 9g
タルク 3g
ステアリン酸マグネシウム 6g
【0027】
例1.4
顆粒
以下の成分を、通常の方法によって顆粒として調製して混合粒子を調製し、及び包装し、1パック当たり1,400mgの量の顆粒を得る。
メロキシカム 15g
ジヒドロキシアルミニウムアミノ酢酸 200g
炭酸マグネシウム 400g
カルシウムカルボキシメチルセルロース 400g
マンニトール 1,100g
ラウリル硫酸ナトリウム 10g
コーンスターチ 649g
アスパルテーム 12g
アセスルファメカリウム 12g
芳香性材料 2g
【0028】
例1.5
フィルム被覆錠剤
以下の成分を、通常の方法によって加工して混合粒子を提供し、及びそれらの粒子を圧縮して各240mgの錠剤を形成する。
メロキシカム 45g
合成ケイ酸アルミニウム 720g
ラクトース 1,320g
微結晶性セルロース 900g
コーンスターチ 753g
低置換ヒドロキシプロピルセルロース 270g
ヒドロキシプロピルセルロース 180g
軽質無水ケイ酸 90g
タルク 24g
ステアリン酸マグネシウム 18g
その後、その錠剤を被覆用容器に移し、5%質量/体積のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むエチルアルコールと精製水との同体積混合物を含む被覆性溶液を用いて被覆し、1つの錠剤当たり10mg質量/体積増やす。このようにして、フィルム被覆錠剤を調製する。
【0029】
例1.6
カプセル
以下の成分を、通常の方法によって顆粒として調製し、及びカプセルに充填し、1つ当たり150mgの量のカプセルを得る。
メロキシカム 60g
アルミノメタケイ酸マグネシウム 1,280g
微結晶性セルロース 400g
ラクトース 260g
低置換ヒドロキシプロピルセルロース 200g
コーンスターチ 200g
【0030】
例2.1
錠剤
以下の成分を、均一に混合する。得られた混合粒子を鋳型で圧縮し、各240mgの錠剤を調製する。
メロキシカム 15g
アリルイソプロピルアセチル尿素 120g
ラクトース 409g
微結晶性セルロース 388g
軽質無水ケイ酸 14g
ステアリン酸マグネシウム 8g
タルク 6g
【0031】
例2.2
粉末
以下の成分を、均一に混合する。得られた混合粒子を800mgずつに分け、粉末組成物を調製する。
メロキシカム 15g
ブロムワレリル尿素 400g
コーンスターチ 569g
ラクトース 576g
ステアリン酸マグネシウム 40g
【0032】
例2.3
2層錠剤
層A及び層Bの以下の成分を通常の方法によって加工し、それぞれの混合粒子を提供し、及びそれらの粒子を圧縮して各200mg(層Aは100mg、層Bは100mg)の2層錠剤を形成する。
層A
メロキシカム 45g
アリルイソプロピルアセチル尿素 360g
ラクトース 381g
微結晶性セルロース 390g
軽質無水ケイ酸 12g
タルク 6g
ステアリン酸マグネシウム 6g
層B
アリルイソプロピルアセチル尿素 720g
ラクトース 228g
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 60g
硬化油 60g
ステアリン酸 60g
脂肪酸のグリセロールエステル 60g
ステアリン酸マグネシウム 12g
【0033】
例2.4
顆粒
以下の成分を、通常の方法によって顆粒として調製して混合粒子を調製し、及び包装し、1パック当たり1,000mgの量の顆粒を得る。
メロキシカム 15g
ブロムワレリル尿素 400g
カルシウムカルボキシメチルセルロース 120g
マンニトール 1,100g
コーンスターチ 343g
アスパルテーム 10g
アセスルファメカリウム 10g
芳香性材料 2g
【0034】
例2.5
フィルム被覆錠剤
以下の成分を、通常の方法によって加工して混合粒子を提供し、及びそれらの粒子を圧縮して各240mgの錠剤を形成する。
メロキシカム 45g
アリルイソプロピルアセチル尿素 540g
ラクトース 1,314g
微結晶性セルロース 1,080g
コーンスターチ 747g
低置換ヒドロキシプロピルセルロース 270g
ヒドロキシプロピルセルロース 180g
軽質無水ケイ酸 90g
タルク 36g
ステアリン酸マグネシウム 18g
その後、その錠剤を被覆用容器に移し、5%質量/体積のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むエチルアルコールと精製水との同体積混合物を含む被覆性溶液を用いて被覆し、1つの錠剤当たり10mg質量/体積増やす。このようにして、フィルム被覆錠剤を調製する。
【0035】
例2.6
カプセル
以下の成分を、通常の方法によって速放出顆粒及び遅放出顆粒として調製し、及びカプセルに充填し、1つ当たり225mgの量(速放出顆粒は75mg、遅放出顆粒は150mg)のカプセルを得る。
速放出顆粒
メロキシカム 60g
アリルイソプロピルアセチル尿素 480g
微結晶性セルロース 660g
遅放出顆粒
アリルイソプロピルアセチル尿素 960g
フマル酸 240g
硬化油 240g
微結晶性セルロース 744g
エチルセルロース(被覆層) 160g
脂肪酸のグリセロールエステル(被覆層) 44g
タルク(被覆層) 12g
【0036】
例2.7
カプセル
以下の成分を、通常の方法によって速放出顆粒及び遅放出顆粒として調製し、及びカプセルに充填し、1つ当たり225mgの量(速放出顆粒は75mg、遅放出顆粒は150mg)のカプセルを得る。
速放出顆粒
メロキシカム 60g
アリルイソプロピルアセチル尿素 480g
微結晶性セルロース 660g
遅放出顆粒
アリルイソプロピルアセチル尿素 960g
フマル酸 240g
微結晶性セルロース 720g
メタクリル酸コポリマーS(被覆層) 432g
脂肪酸のグリセロールエステル(被覆層) 32g
タルク(被覆層) 16g
【0037】
例3.1
錠剤
以下の成分を、均一に混合する。得られた混合粒子を鋳型で圧縮し、各240mgの錠剤を調製する。
メロキシカム 15g
無水カフェイン 240g
アリルイソプロピルアセチル尿素 120g
ラクトース 289g
微結晶性セルロース 268g
軽質無水ケイ酸 14g
ステアリン酸マグネシウム 8g
タルク 6g
【0038】
例3.2
粉末
以下の成分を、均一に混合する。得られた混合粒子を800mgずつに分け、粉末組成物を調製する。
メロキシカム 15g
カフェイン及び安息香酸ナトリウム 300g
コーンスターチ 617g
ラクトース 628g
ステアリン酸マグネシウム 40g
【0039】
例3.3
2層錠剤
層A及び層Bの以下の成分を通常の方法によって加工し、それぞれの混合粒子を提供し、及びそれらの粒子を圧縮して各220mg(層Aは100mg、層Bは120mg)の2層錠剤を形成する。
層A
メロキシカム 45g
無水カフェイン 480g
ラクトース 309g
微結晶性セルロース 330g
軽質無水ケイ酸 12g
ラウリル硫酸ナトリウム 12g
タルク 6g
ステアリン酸マグネシウム 6g
層B
無水カフェイン 1,020g
ラクトース 168g
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 60g
硬化油 60g
ステアリン酸 60g
脂肪酸のグリセロールエステル 60g
ステアリン酸マグネシウム 12g
【0040】
例3.4
顆粒
以下の成分を、通常の方法によって顆粒として調製して混合粒子を調製し、及び包装し、1パック当たり1,000mgの量の顆粒を得る。
メロキシカム 15g
カフェイン 240g
カルシウムカルボキシメチルセルロース 120g
マンニトール 1,260g
コーンスターチ 343g
アスパルテーム 10g
アセスルファメカリウム 10g
芳香性材料 2g
【0041】
例3.5
フィルム被覆錠剤
以下の成分を、通常の方法によって加工して混合粒子を提供し、及びそれらの粒子を圧縮して各240mgの錠剤を形成する。
メロキシカム 45g
カフェイン及び安息香酸ナトリウム 1,350g
ラクトース 504g
微結晶性セルロース 1,080g
コーンスターチ 747g
低置換ヒドロキシプロピルセルロース 270g
ヒドロキシプロピルセルロース 180g
軽質無水ケイ酸 90g
タルク 36g
ステアリン酸マグネシウム 18g
その後、その錠剤を被覆用容器に移し、5%質量/体積のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むエチルアルコールと精製水との同体積混合物を含む被覆性溶液を用いて被覆し、1つの錠剤当たり10mg質量/体積増やす。このようにして、フィルム被覆錠剤を調製する。
【0042】
例3.6
カプセル
以下の成分を、通常の方法によって速放出顆粒及び遅放出顆粒として調製し、及びカプセルに充填し、1つ当たり225mgの量(速放出顆粒は75mg、遅放出顆粒は150mg)のカプセルを得る。
速放出顆粒
メロキシカム 60g
無水カフェイン 640g
微結晶性セルロース 500g
遅放出顆粒
無水カフェイン 1,280g
フマル酸 320g
微結晶性セルロース 584g
エチルセルロース(被覆層) 128g
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(被覆層) 32g
脂肪酸のグリセロールエステル(被覆層) 44g
タルク(被覆層) 12g
【0043】
例3.7
カプセル
以下の成分を、通常の方法によって速放出顆粒及び遅放出顆粒として調製し、及びカプセルに充填し、1つ当たり225mgの量(速放出顆粒は75mg、遅放出顆粒は150mg)のカプセルを得る。
速放出顆粒
メロキシカム 60g
無水カフェイン 640g
微結晶性セルロース 500g
遅放出顆粒
無水カフェイン 1,280g
フマル酸 240g
微結晶性セルロース 400g
メタクリル酸コポリマーS(被覆層) 432g
脂肪酸のグリセロールエステル(被覆層) 32g
タルク(被覆層) 16g

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メロキシカム又はその医薬的に許容される塩、及び制酸薬、鎮静薬及び中枢神経興奮薬からなる群から選択される少なくとも第二の医薬活性化合物を含む、医薬組成物。
【請求項2】
メロキシカム又はその医薬的に許容される塩、及び少なくとも1種の制酸薬を含む、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
メロキシカム又はその医薬的に許容される塩、及び少なくとも1種の鎮静薬を含む、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
メロキシカム又はその医薬的に許容される塩、及び少なくとも1種の中枢神経興奮薬を含む、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
少なくとも1種の鎮静薬をさらに含む、請求項4記載の医薬組成物。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の医薬組成物であって、制酸薬が、アミノ酢酸、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノ酢酸、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム-炭酸マグネシウム共乾燥ゲル、水酸化アルミニウム-重炭酸ナトリウム共沈殿物、水酸化アルミニウム-炭酸カルシウム-炭酸マグネシウム共沈殿物、水酸化マグネシウム-硫酸アルミニウムカリウム共沈殿物、炭酸マグネシウム、アルミノメタケイ酸マグネシウム、アルミノケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウムアルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、沈殿炭酸カルシウム、無水第二リン酸カルシウム、及びリン酸水素カルシウムからなる群から選択される、医薬組成物。
【請求項7】
請求項6記載の医薬組成物であって、制酸薬が、アミノ酢酸、合成ケイ酸アルミニウム、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノ酢酸、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム-重炭酸ナトリウム共沈殿物、炭酸マグネシウム、アルミノメタケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム及びリン酸水素カルシウムからなる群から選択される、医薬組成物。
【請求項8】
鎮静薬が、アリルイソプロピルアセチル尿素及びブロムワレリル尿素からなる群から選択される、請求項1、3又は5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
中枢神経興奮薬が、カフェイン、無水カフェイン及びカフェインと安息香酸ナトリウムとの錯塩からなる群から選択される、請求項1又は4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
メロキシカムが、メグルミン塩として含まれる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
少なくとも1種の医薬的に許容されるキャリア及び/又は添加剤をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物を含む、経口医薬製剤形態。
【請求項13】
メロキシカム又はその医薬的に許容される塩の量が、1〜30mgの範囲である、請求項12記載の経口医薬製剤形態。
【請求項14】
請求項12又は13のいずれか1項に記載の経口医薬製剤形態であって、第二の医薬活性化合物の量が、
a)第二の医薬活性化合物が制酸薬の場合は、10〜7,000mgの範囲、
b)第二の医薬活性化合物が鎮静薬又は中枢神経興奮薬の場合は、15〜1,200mgの範囲
である、経口医薬製剤形態。
【請求項15】
鎮痛薬及び/又は解熱薬としての、請求項12〜14のいずれか1項に記載の経口医薬製剤形態の使用。
【請求項16】
種々の症状を含む炎症性疾患を治療又は軽減するための、請求項12〜14のいずれか1項に記載の経口医薬製剤形態の使用。
【請求項17】
頭痛、歯痛、抜歯後の痛み、咽頭痛、耳痛、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛、肩の筋肉の凝り、挫傷の痛み、骨折の痛み、捻挫の痛み、月経痛、外傷痛、悪寒、発熱反応などを予防又は軽減するための、請求項12〜14のいずれか1項に記載の経口医薬製剤形態の使用。
【請求項18】
風邪、及び咽頭痛、悪寒、発熱、頭痛、関節痛及び筋肉痛などの風邪の種々の症状を予防又は軽減するための、請求項12〜14のいずれか1項に記載の経口医薬製剤形態の使用。
【請求項19】
種々の症状を含む炎症性疾患、及び/又は頭痛、歯痛、抜歯後の痛み、咽頭痛、耳痛、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛、肩の筋肉の凝り、挫傷の痛み、骨折の痛み、捻挫の痛み、月経痛、外傷痛、悪寒、発熱反応、及び/又は風邪、及び咽頭痛、悪寒、発熱、頭痛、関節痛及び筋肉痛などの風邪の種々の症状を予防又は軽減する薬剤を製造するための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の経口医薬製剤形態の使用。
【請求項20】
炎症性疾患、その種々の症状を含む炎症性疾患、及び/又は頭痛、歯痛、抜歯後の痛み、咽頭痛、耳痛、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛、肩の筋肉の凝り、挫傷の痛み、骨折の痛み、捻挫の痛み、月経痛、外傷痛、悪寒、発熱反応、及び/又は風邪、及び咽頭痛、悪寒、発熱、頭痛、関節痛及び筋肉痛などの風邪の種々の症状の治療を必要としている患者における治療又は軽減方法であって、当該患者に対し、請求項1〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物を経口投薬することを含む方法。
【請求項21】
1〜30mgの量のメロキシカム又はその医薬的に許容される塩及び
a)第二の医薬活性化合物が制酸薬の場合は、10〜7,000mgの量の制酸剤、
b)第二の医薬活性化合物が鎮静薬の場合は、15〜1,200mgの量の鎮静薬、
c)第二の医薬活性化合物が中枢神経興奮薬の場合は、15〜1,200mgの量の中枢神経興奮薬、
を患者に対して経口投薬する、請求項20記載の方法。
【請求項22】
請求項12〜14のいずれか1項に記載の経口医薬製剤形態を製造するための、メロキシカム又はその医薬的に許容される塩の使用。
【請求項23】
請求項12〜14のいずれか1項に記載の経口医薬製剤形態を製造するための、制酸薬、鎮静薬及び中枢神経興奮薬からなる群から選択される医薬活性化合物の使用。

【公開番号】特開2012−21025(P2012−21025A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222068(P2011−222068)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【分割の表示】特願2006−518101(P2006−518101)の分割
【原出願日】平成16年7月3日(2004.7.3)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】