説明

モータ駆動装置

【課題】 適切な昇圧電圧を発生でき、当該昇圧電圧を用いてモータを駆動するモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】 昇圧回路2の昇圧端子E4の電圧は、トランジスタTR4を介してFET1のゲート端子に印加されており、当該38Vのゲート電圧が、24V電源E1によるFET1のソース−ドレイン電圧よりも高くなっている。FET1のオン状態に保持するためには、ソース−ドレイン電圧の24Vよりも4V高い28V以上であることが条件となるが、昇圧回路2からの38Vという高電圧をFET1のゲート端子に印加し、24Vという高電圧で三相ブラシレスモータ400を回転させる場合であっても、確実にFET1をオン状態に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇圧回路によって基準電圧を昇圧させて、当該昇圧された電圧を利用して、モータに電圧を印加させて駆動させるモータ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、基準電圧を昇圧して、負荷に供給する昇圧電圧を発生する昇圧回路が知られており、下記の特許文献1に記載されているような回路が知られている。
【0003】
このような昇圧回路は、負荷として、例えば駆動トルクを発生させる駆動モータへの利用が可能となっている。
【0004】
【特許文献1】特開平7−107737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、適切な昇圧電圧を発生でき、当該昇圧電圧を用いてモータ駆動回路を確実に作動させてモータを駆動するモータ駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するために、基準電圧が供給される基準電圧端子と、パルス信号が供給され、パルス信号によってオン状態又はオフ状態になる第1のスイッチ手段と、前記第1のスイッチ手段に接続され、前記第1のスイッチ手段がオン状態になると、一方の端子が前記基準電圧端子に接続されて基準電圧が供給され充電される第1のキャパシタと、前記第1のスイッチ手段に接続され、前記第1のスイッチ手段がオフ状態になるとオン状態になり、前記第1のキャパシタの他方の端子に電圧を供給して、前記第1のキャパシタの前記一方の端子に、充電により発生した電圧よりも高い電圧を生じさせ、前記第1のキャパシタを放電させる第2のスイッチ手段と、前記第1のキャパシタの前記一方の端子に接続され、前記第1のキャパシタの前記一方の端子に生じた電圧が印加された第2のキャパシタと、前記第2のキャパシタに接続された昇圧電圧端子とを備えた昇圧回路と、前記昇圧回路の昇圧電圧端子がゲート端子に接続され、昇圧電圧よりも低い所定電圧の電源がドレイン端子に接続され、モータの電機子がソース端子に接続され、前記モータに前記所定電圧を印加する時に、前記ゲート端子に昇圧電圧が供給されて、当該ゲート端子をオン状態に維持する電界効果トランジスタを備えたモータ駆動回路とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るモータ駆動装置によれば、適切な昇圧電圧を発生させ、当該昇圧電圧をモータ駆動回路のゲートのバイアス電圧として電界効果トランジスタに与えることによって、モータに供給する電圧よりも高い電圧を電界効果トランジスタのゲート端子に供給することができ、電界効果トランジスタをオン状態に確実に維持することができ、安定して高回転且つ高トルクでモータを駆動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施例1について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0009】
本発明は、例えば図1に示すような昇圧回路と、モータと接続されたモータ駆動回路とを接続したモータ駆動装置に適用される。
【0010】
[昇圧回路の構成]
この昇圧回路は、図1に示されるように、マイクロコンピュータ1の出力端子に接続された抵抗R1、抵抗R2と、NPNトランジスタTR1,TR2、PNPトランジスタTR3、抵抗R3,抵抗R4、抵抗R5、抵抗R6、ダイオードD1、ダイオードD2、ダイオードD3、キャパシタC1、キャパシタC2、ツエナーダイオードZD2、とから構成され、さらに、昇圧電圧の出力端子とNPNトランジスタTR1のベース端子に接続された抵抗R7とツエナーダイオードDZ1からなる直列回路によって構成される。
【0011】
マイクロコンピュータ1は、デューティが1/2のパルス信号を発生する。
【0012】
昇圧回路2には、マイクロコンピュータ1の出力端子から、所定振幅のパルス信号が供給される。このパルス信号により、トランジスタTR1,TR2、トランジスタTR3をオン、オフし、基準信号から昇圧された昇圧電圧を生成して、負荷に印加するように回路構成されている。
【0013】
この昇圧回路2は、マイクロコンピュータ1からのパルス信号が抵抗R1及び抵抗R2を介して、トランジスタTR1のベース端子に供給と、トランジスタTR1は、パルス信号の高レベル(ハイレベル状態)、低レベル(ローレベル状態)に応じて導通状態(オン状態)と遮断状態(オフ状態)との間で繰り返して状態を遷移する。
【0014】
トランジスタTR1のコレクタ端子には抵抗R3を介して、昇圧電圧端子20に発生する昇圧電圧が供給され、トランジスタTR1のエミッタ端子は接地されている。トランジスタTR1のコレクタ端子には、トランジスタTR2のベース端子が接続されている。更に、トランジスタTR1のコレクタ端子には、抵抗R4を介してトランジスタTR3のベース端子が接続されている。ここで、トランジスタTR1及びトランジスタTR2は、ベース端子にハイレベル信号(H信号)が供給されることでオン状態となり、トランジスタTR3は、ローレベル信号(L信号)が供給されることでオン状態となる。
【0015】
トランジスタTR2のコレクタ端子には、基準電圧端子10から基準電圧が供給され、基準電圧端子10を介して図示しないバッテリ(例えば24Vバッテリ)が接続されている。更に、トランジスタTR2のコレクタ端子には、ダイオードD1が接続され、トランジスタTR2のエミッタ端子には、ダイオードD2が接続され、ダイオードD2には抵抗R5が接続され、抵抗R5にはキャパシタC1が接続され、ダイオードD2と抵抗R5との間に、抵抗R6を介してトランジスタTR3のエミッタ端子が接続されている。そして、トランジスタTR3のベース端子は、抵抗R4を介して、トランジスタTR1のコレクタ端子に接続され、トランジスタTR3のコレクタ端子は接地されている。
【0016】
更に、この昇圧回路2の基準電圧端子10とキャパシタンスC1には、この昇圧回路2の基準電圧端子10との間にダイオードD1が接続され、ダイオードD1とキャパシタC1との接続部には、ダイオードD3が接続され、さらにダイオードD3のカソードにキャパシタC2及びツェナーダイオードZD2が接続されている。
【0017】
また、トランジスタTR1のベース端子には、昇圧回路2の昇圧電圧端子20から分岐したフィードバック回路が接続されている。このフィードバック回路は、ツェナーダイオードZD1、抵抗R7の直列回路によって構成されている。
【0018】
このフィードバック回路は、後述するが、昇圧電圧端子20の電圧が所定電圧以上の高電圧となると、ツェナーダイオードZD1が導通するように設計されている。そして、トランジスタTR1は、ツェナーダイオードZD1が導通状態となると、抵抗R7を介してキャパシタンスC2すなわち昇圧電圧端子20から電流が供給され、オン状態となる。
【0019】
ツェナーダイオードZD2は、インパルスノイズの除去のために、設けられており、インパルスノイズがダイオードD3を経由して供給されると導通する。
【0020】
[昇圧回路の動作]
このように構成された昇圧回路2は、トランジスタTR1がオン状態である場合には、トランジスタTR2がオフ状態となり、トランジスタTR3がオン状態となる。これにより、基準電圧端子10から、ダイオードD1を介してキャパシタC1に電流が供給され、キャパシタC1は、ダイオードD1に接続された端子がほぼ基準電圧にクランプされ、抵抗R5に接続された端子が低下し、抵抗R5、抵抗R6での電圧降下を基準電圧端子10の電圧から差し引いた電圧、ほぼ基準電圧まで充電される。
【0021】
また、昇圧回路2は、トランジスタTR1がオフ状態である場合に、トランジスタTR2がオン状態、トランジスタTR3がオフ状態となる。これにより、基準電圧端子10から、トランジスタTR2、ダイオードD2、抵抗R5、キャパシタC1、ダイオードD3を介してキャパシタC2に電流が供給され、キャパシタC2が充電される。このとき、キャパシタC2には、キャパシタC1の充電電圧に、トランジスタTR2のベース端子の電圧、すなわち、昇圧電圧が印加されるので、昇圧電圧端子20の電圧値は、基準電圧の電圧値よりも高い電圧値になる。昇圧回路2は、マイクロコンピュータ1から図2(a)に示すようなパルス信号がトランジスタTR1に供給されると、上述したような動作を繰り返し行う。その結果、昇圧電圧の電圧値に基準電圧の電圧値が加算された電圧が正帰還されて、さらに基準電圧が加算されて昇圧電圧端子20の電圧値になるため、昇圧電圧端子20の電圧値は急激に上昇する。
【0022】
そして、昇圧電圧が、予め定められた判定電圧、すなわちツェナーダイオードZD1の降伏電圧を越えると、ツェナーダイオードZD1が導通して、同時に、抵抗R7を介してトランジスタTR1のベース端子に電流が流れる。このフィードバック制御(F/B制御)により、トランジスタTR1はオン状態に保持される(図2(c))。そして、トランジスタTR3もオン状態に保持され、キャパシタC1は充電されるが、キャパシタC2の充電は禁止され、一方、負荷回路には電流が供給されるので、昇圧電圧の上昇は、判定電圧の値で停止する。昇圧電圧が、予め定められた判定電圧、すなわちツェナーダイオードZD1の降伏電圧を下回ると、ツェナーダイオードZD1が遮断され、トランジスタTR1、トランジスタTR3がオフ状態になり、トランジスタTR2がオン状態になるが、昇圧電圧端子20の電圧値は急激に上昇するので、再び、ツェナーダイオードZD1が導通し、トランジスタTR2がオフ状態になる。基準電圧が上昇すると、当然、キャパシタC2の電圧値、すなわち昇圧電圧端子20の電圧値が図2(b)に示すように上昇する。
【0023】
時刻t1にてマイクロコンピュータ1からトランジスタTR1に対し、パルス信号の供給が開始されると(図2(a))、トランジスタTR1がオンオフ駆動し(図2(c))、キャパシタC1及びキャパシタC2の充電によって、昇圧電圧が発生する。基準電圧が上昇しなければ、昇圧電圧は、ほぼ一定の値に保たれる。しかし、基準電圧が上昇すれば、昇圧電圧は上昇する。
【0024】
そして、時刻t2において、昇圧電圧が、予め定められた判定電圧、すなわちツェナーダイオードZD1の降伏電圧を越えると、ツェナーダイオードZD1が導通して、同時に、抵抗R7を介してトランジスタTR1のベース端子に電流が流れる。このフィードバック制御(F/B制御)により、トランジスタTR1はオン状態に保持される(図2(c))。そして、トランジスタTR2もオン状態に保持され、キャパシタC1は充電されるが、キャパシタC2の充電は禁止され、一方、負荷回路には電流が供給されるので、昇圧電圧は次第に低下する(図2(b))。
【0025】
そして、時刻t3において、昇圧電圧が判定電圧を越えなくなり、ツェナーダイオードZD1が遮断されると、トランジスタTR1はオン状態に維持されなくなり、再度トランジスタTR1は、マイクロコンピュータ1により、オンとオフ状態に制御される。
【0026】
なお、ツェナーダイオードZD2のツェナー電圧が昇圧電圧端子20判定電圧に等しく選択されたものであれば、ツェナーダイオードZD1と抵抗R7はなくても適切な昇圧電圧値を得ることができる。
【0027】
このように、昇圧回路2によれば、基準電圧が低下しても、昇圧電圧端子に必要とする昇圧電圧を得ることができる。
【0028】
また、この昇圧回路2によれば、必要以上に昇圧電圧を上昇させないので、消費電力を抑制することができると共に、ツェナーダイオードZD2に必要以上の電流を導通させることがなく、ツェナーダイオードZD2の発熱を防止することができる。したがって、この昇圧回路2によれば、例えば昇圧回路2を車両のエンジンルームに収容した場合であっても、ツェナーダイオードZD2自身の発熱とエンジンルーム内の熱とが相まって、回路を故障させることを回避することができる。
【0029】
更に、この昇圧回路2によれば、昇圧電圧端子20とトランジスタTR1とをフィードバック回路であるツェナーダイオードZD1及び抵抗R7で接続するという簡単な構成のみでフィードバック制御を実現することができ、例えばマイクロコンピュータ1が発生するパルス信号をPWM信号にしなくてもよい。
【0030】
[モータ駆動回路の構成]
つぎに、上述したように構成されて動作する昇圧回路2と接続されて、昇圧電圧の供給を受けて、モータを駆動するモータ駆動装置について図3を参照して説明する。
【0031】
このモータ駆動装置は、三相ブラシレスモータ400のU相、V相、W相のそれぞれに接続されたU相用モータ駆動回路100と、V相用モータ駆動回路200と、W相用モータ駆動回路300とを備えている。なお、U相用モータ駆動回路100、V相用モータ駆動回路200及びW相用モータ駆動回路300は、図3に示したU相用モータ駆動回路100と同じ構成となっていることから、U相用モータ駆動回路100のみについて説明をするものとし、U相用モータ駆動回路100、V相用モータ駆動回路200及びW相用モータ駆動回路300を総称する場合には、単に「モータ駆動回路」と呼ぶ。
【0032】
U相モータ駆動回路100は、上述の昇圧回路2と、当該昇圧回路2の昇圧電圧端子20である昇圧端子E4、5V端子E3及びマイクロコンピュータ1と接続されてNチャネルのFET(電界効果トランジスタ)1をオンオフ動作させるFET駆動回路と、5V端子E3及びマイクロコンピュータ1と接続されてNチャネルのFET2をオンオフ動作させるFET駆動回路とを備える。
【0033】
このようなFET1のFET駆動回路と、FET2のFET駆動回路とは、FET1のソース端子と、FET2のドレイン端子とが接続され、当該FET1とFET2との接続線に、三相ブラシレスモータ400のU相コイル(電機子)が接続されている。
【0034】
同様に、V相モータ駆動回路200は、上述の昇圧回路2と、当該昇圧回路2の昇圧電圧端子20である端子E4、5V端子E3及びマイクロコンピュータ1と接続されてNチャネルのFET3をオンオフ動作させるFET駆動回路と、5V端子E3及びマイクロコンピュータ1と接続されてNチャネルのFET4をオンオフ動作させるFET駆動回路とを備える。FET3のFET駆動回路と、FET4のFET駆動回路とは、FET3のソース端子と、FET4のドレイン端子とが接続され、当該FET3とFET4との接続線に、三相ブラシレスモータ400のV相コイル(電機子)が接続されている。
【0035】
更に、W相モータ駆動回路300は、上述の昇圧回路2と、当該昇圧回路2の昇圧電圧端子20である端子E4、5V端子E3及びマイクロコンピュータ1と接続されてNチャネルのFET5をオンオフ動作させるFET駆動回路と、5V端子E3及びマイクロコンピュータ1と接続されてNチャネルのFET6をオンオフ動作させるFET駆動回路とを備える。FET5のFET駆動回路と、FET6のFET駆動回路とは、FET5のソース端子と、FET6のドレイン端子とが接続され、当該FET5とFET6との接続線に、三相ブラシレスモータ400のW相コイル(電機子)が接続されている。
【0036】
FET1のFET駆動回路は、マイクロコンピュータ1及び5V端子E3とゲート端子が接続されたFET7と、ベース端子にFET7のドレイン端子、コレクタ端子に昇圧端子E4、エミッタ端子がFET1のゲート端子に接続されたトランジスタTR4と、ベース端子がFET7のドレイン端子、エミッタ端子がFET1のゲート端子、コレクタ端子が接地端子に接続されたトランジスタTR5とを備える。また、FET2のFET駆動回路は、マイクロコンピュータ1及び5V端子E3とゲート端子が接続されたFET8と、ベース端子にFET8のドレイン端子、コレクタ端子が9V端子E2、エミッタ端子がFET1のゲート端子に接続されたトランジスタTR6と、ベース端子がFET8のドレイン端子、エミッタ端子がFET2のゲート端子、コレクタ端子が接地端子に接続されたトランジスタTR7とを備える。
【0037】
なお、図示していないが、V相モータ駆動回路200及びW相用モータ駆動回路300は、U相用モータ駆動回路100と同様の回路構成となっている。
【0038】
FET1のFET駆動回路,FET2のFET駆動回路におけるFET7,FET8は、マイクロコンピュータ1に接続され、定常状態においてオン状態(導通状態)となっており、マイクロコンピュータ1からマイナスのパルス信号がゲート端子に供給されることによって、オフ状態(遮断状態)となる。FET7,FET8がオン状態である場合には、トランジスタTR4,トランジスタTR6がオフ状態となり、トランジスタTR5,トランジスタTR7がオン状態となる。この結果、FET1,FET2はオフ状態となり、24V電源E1の電圧を三相ブラシレスモータ400に印加しないようになる。
【0039】
また、FET7がオフ状態となると、トランジスタTR4がオン状態、トランジスタTR5がオフ状態となり、FET1がオン状態となる。このとき、FET2がオフ状態となっており、FET4がオン状態となった場合には、24V電源E1によって、三相ブラシレスモータ400のU相からV相に電流が流れることによって三相ブラシレスモータ400を駆動させることができる。同様に、FET1がオン状態、FET2がオフ状態となっており、FET6がオン状態となった場合には、三相ブラシレスモータ400のU相からW相に電流が流れることによって三相ブラシレスモータ400を駆動させることができる。
【0040】
ここで、昇圧回路2の昇圧端子E4の電圧は、トランジスタTR4を介してFET1のゲート端子に印加されており、当該38Vのゲート電圧が、24V電源E1によるFET1のソース−ドレイン電圧よりも高くなっているので、確実にFET1をオン状態に維持することができる。すなわち、FET1のオン状態に保持するためには、ソース−ドレイン電圧の24Vよりも4V高い28V以上であることが条件となるが、昇圧回路2からの38Vという高電圧を印加することができるので、24Vという高電圧で三相ブラシレスモータ400を回転させる場合であっても、確実にFET1をオン状態に保持することができる。
【0041】
このように、モータ駆動装置によれば、三相ブラシレスモータ400を駆動するための電源として24Vという高電圧を使用し、高速且つ高トルクで駆動させる場合であっても安定して三相ブラシレスモータ400を駆動させることができる。
【0042】
なお、上述の実施例1は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施例1に限定されることはなく、この実施例1以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】昇圧回路の構成を示す回路図である。
【図2】昇圧回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】昇圧回路と、モータ駆動回路とを備えたモータ駆動装置の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
【0044】
1 マイクロコンピュータ
2 昇圧回路
TR1、TR2 トランジスタ(第1のスイッチ手段)
TR3 トランジスタ(第2のスイッチ手段)
R1乃至R7 抵抗
C1 第1のキャパシタ
C2 第2のキャパシタ
D1、D2、D3 ダイオード
ZD1 第1のツェナーダイオード
ZD2 第2のツェナーダイオード
100 U相モータ駆動回路
200 V相モータ駆動回路
300 W相モータ駆動回路
400 三相ブラシレスモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準電圧が供給される基準電圧端子と、パルス信号が供給され、パルス信号によってオン状態又はオフ状態になる第1のスイッチ手段と、前記第1のスイッチ手段に接続され、前記第1のスイッチ手段がオン状態になると、一方の端子が前記基準電圧端子に接続されて基準電圧が供給され充電される第1のキャパシタと、前記第1のスイッチ手段に接続され、前記第1のスイッチ手段がオフ状態になるとオン状態になり、前記第1のキャパシタの他方の端子に電圧を供給して、前記第1のキャパシタの前記一方の端子に、充電により発生した電圧よりも高い電圧を生じさせ、前記第1のキャパシタを放電させる第2のスイッチ手段と、前記第1のキャパシタの前記一方の端子に接続され、前記第1のキャパシタの前記一方の端子に生じた電圧が印加された第2のキャパシタと、前記第2のキャパシタに接続された昇圧電圧端子とを備えた昇圧回路と、
前記昇圧回路の昇圧電圧端子がゲート端子に接続され、昇圧電圧よりも低い所定電圧の電源がドレイン端子に接続され、モータの電機子がソース端子に接続され、前記モータに前記所定電圧を印加する時に、前記ゲート端子に昇圧電圧が供給されて、当該ゲート端子をオン状態に維持する電界効果トランジスタを備えたモータ駆動回路と
を備えることを特徴とするモータ駆動装置。
【請求項2】
前記モータは、多相モータであって、
前記昇圧回路及び前記モータ駆動回路は、前記多相モータの各相に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−129612(P2006−129612A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−314602(P2004−314602)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(000181251)自動車電機工業株式会社 (87)
【Fターム(参考)】