説明

ユニバーサルデザイン環境

【課題】 工場施設において作業者に確実に警報を報知する手段を提供する。
【解決手段】 工場施設内の工作機械12には、異常を検出して起動信号を発信する異常検出部14と、異常検出部14からの起動信号を受信して警報を発生するための警報発生器16が設けられている。異常検出部14からの起動信号は、無線インターフェース26により受信される。無線インターフェース26は、異常検出部14からの起動信号を受信すると電波信号28を発信する。無線インターフェース26から発信された電波信号28は、工場施設内の作業者32が着用する振動発生器30により受信される。電波信号28を受信した振動発生器30は振動を発生して、振動発生器30を着用した作業者32に警報を報知する。このユニバーサルデザイン環境においては、作業者は振動により警報を報知されるため、確実に警報を報知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニバーサルデザイン環境に関する。
【背景技術】
【0002】
工場施設における機械、例えば研削工具の磨耗、寿命等の異常を検知し、作業者に警報を報知する機構は、従来から広く用いられている(例えば、特許文献1〜3参照)。作業者への警報の報知は、警報ランプを点灯させる又は警報音を発生させるという方法が取られる。警報ランプは、聴覚障害者も健常者も隔てることなく警報を感知できるが、警報ランプの方向を見るまでは警報を感知できないことが多い。また、警報ランプのある機械の前を離れている場合には、警報を感知できない。
【0003】
警報音は、健常者の場合、警報スピーカの近辺にいればほとんど感知できるが、騒音の中で耳栓をしている作業者などは、警報音を聞き落とす可能性がある。また、聴覚障害者の場合、警報音を感知できないため、機械による製造現場での就業機会を閉ざすことにつながっている。さらに、高齢作業者の安全性や機能性を考慮すると、音に依存するシステムは見直しが必要とされる。加えて、近年のバリアフリー化に伴う法改正に対応する必要もある。いずれにしても、家庭内や事務作業所と違い、騒音を発する工作機械を用いる製造現場では、聴覚の如何に拘らず、音による情報伝達の効果には限界がある。
【0004】
警報等を聴覚障害のある作業者に知らせる信号としては、光を利用したパトライトが勧められている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、光を利用した警報は、上記の警報ランプの方向を見るまでは、作業者が警報を感知できないという欠点がある。
【0005】
一方、バイブレータ機能を用いた通知システムは、携帯電話を代表としてたくさんある(例えば、特許文献4〜9参照)。これらの特徴としては、バイブレータ機能を有する携帯電話等の振動発生器と、その振動発生器に警報報知時に起動信号を送る起動機構間のインターフェースはプロプライアタラリであり、オプションとして提供されることはあっても、携帯電話のメーカ機種に合わせて設定する必要があるため、工場施設に配置する共通のサブシステムとしては利用できないことである。加えて、機械に囲まれた製造現場である工場施設は、電波を遮蔽する閉所構造となっているところが多く、施設外にある交換機を経由しなければならない携帯電話システムの利用は、効果が完全ではない(例えば、特許文献10参照)。
【0006】
生活環境における警報音等の特定の音を受けて、このような音声データを、ユーザが感知しやすい別の形態のデータに変換する方式もある。このような方式は、自動車の車内にいる人や聴覚障害者を対象にした技術であり、音を感知できない人のための技術となる(例えば、特許文献11〜17)。しかし、これらの技術は工場施設内で用いるためのものではない。また、一般的な警報報知設備とのインターフェース変換機構がなく、プロプライアタリインタフェースのために自社同系機種同士に限られる。そのため、一般的な工場施設では汎用性がない。
【特許文献1】特開昭56−33256号公報
【特許文献2】特開昭58−90445号公報
【特許文献3】特開昭62−94250号公報
【特許文献4】特開平7−111678号公報
【特許文献5】特願平8−126061号公報
【特許文献6】特開平9−261733号公報
【特許文献7】特開平9−247722号公報
【特許文献8】特開平9−224074号公報
【特許文献9】特開平11−113065号公報
【特許文献10】特開2000−41288号公報
【特許文献11】特開平2−274007号公報
【特許文献12】特開2001−175986号公報
【特許文献13】特開2004−61932号公報
【特許文献14】登録実用新案第3042026号公報
【特許文献15】特許第3043730号公報
【特許文献16】特開平6−168381号公報
【特許文献17】実開平6−75438号公報
【非特許文献1】「聴覚障害者の職場定着推進マニュアル」、障害者の職場定着推進技法の開発に関する研究会、1995年12月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように従来の工場施設における警報報知のシステムでは、作業者に確実に警報を報知することが難しい。
本発明は、斯かる実情に鑑み、工場施設において作業者に確実に警報を報知する手段を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、工場施設内の作業者に警報を報知するユニバーサルデザイン環境であって、工場施設内の機械に設けられ、機械の異常を検出して起動信号を発信する異常検出部と、異常検出部からの起動信号を受信して警報を発生するための警報発生器と、を有する警報報知機構と、工場施設内に配置され、異常検出部が機械の異常を検出したときに無線信号を発信する無線インターフェースと、工場施設内の作業者が着用可能であって、無線インターフェースからの無線信号を受信することにより振動を発生する振動発生器と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、警報報知機構の異常検出部が機械の異常を検出したときに無線インターフェースが無線信号を発信し、作業者が着用する振動発生器がこの無線信号を受信して振動を発生するので、工場施設において作業者に確実に警報を報知することができる。なお、本発明においては、警報発生器は起動信号を受信したときに警報を発生する機能を備えていれば良く、必ずしも実際に警報音や警報光による警報を発生しなくとも良い。また、本発明においては、機械の異常とは、必ずしも機械の故障を意味せず、機械の磨耗や機械の工程作業の終了等、機械が通常とは異なる状態のときに発する情報の全てを含むものとする。
【0010】
この場合、振動発生器は、発生する振動の振幅および振動数のいずれかの変化により、警報の種類を報知することが好適である。この構成によれば、作業者は発生する振動の振幅および振動数の少なくともいずれかの変化により、例えば異常の発生した箇所または異常の種類等の情報を得ることができる。
【0011】
この場合、無線インターフェースは、異常検出部からの起動信号を受信し、無線信号を発信するものとできる。この構成によれば、無線インターフェースは、異常検出部からの起動信号を受信して無線信号を発信するので、機械の異常発生時に作業者の着用する振動発生器に振動を発生させることができる。
【0012】
さらにこの場合、無線インターフェースは、異常検出部から警報発生器に送られる起動信号より分配された起動信号を受信するものとすることができる。この構成によれば、無線インターフェースは、異常検出部から警報発生器に送られる起動信号より分配された起動信号を受信するので、警報発生器は起動信号を受信して警報を発生する一方で、同時に無線インターフェースも分配された起動信号を受信して無線信号を発信し、作業者の着用する振動発生器に振動を発生させることができる。このため、警報音等による警報の報知と振動による警報の報知の両方を同時に行うことができる。
【0013】
あるいは、無線インターフェースは、警報発生器からの警報を受信し、無線信号を発信するものとできる。この構成によれば、無線インターフェースは、警報発生器からの警報を受信して無線信号を発信するので、機械の異常発生時に作業者の着用する振動発生器に振動を発生させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、工場施設において作業者に確実に警報を報知する手段が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態に係るユニバーサルデザイン環境を示す図である。本実施形態のユニバーサルデザイン環境10は、工場施設内の作業者32に警報を報知するシステムとして構成されている。本実施形態のユニバーサルデザイン環境10は、特に聴覚障害者向けではなく、工作機械12を用いる一般的な製造現場で、聴覚に依存しないで工作機械12が発する情報の有無を工場施設内の作業者32に伝達する手段である。本実施形態のユニバーサルデザイン環境10は、作業終了の合図、工作機械の故障、磨耗、寿命等の異常発生時に、騒音の中では聞き落とすことのある警報音の代わりに、無線通信機能とバイブレーション機能を利用する。
【0017】
工場施設内には、工作機械12が設置されている。この工作機械12には、一般的に既存の設備として、磨耗、寿命等の異常を検出して起動信号を発信する異常検出部14と、異常検出部14からの起動信号を受信して警報光あるいは警報音による警報を発生するための警報発生器16とからなる警報報知機構が設けられている。本実施形態においては、異常検出部14からの起動信号は、バスコネクタ18から延長ケーブル20、A/Dコンバータ22、信号ケーブル24を介して無線インターフェース26により受信されるようになっている。無線インターフェース26は、異常検出部14からの起動信号を受信すると、電波信号28を発信するようになっている。無線インターフェース26から発信された電波信号28は、工場施設内の作業者32が着用する振動発生器30により受信される。電波信号28を受信した振動発生器30は、振動を発生することにより、振動発生器30を着用した作業者32に警報を報知することができるようにされている。
【0018】
図2は、本発明の第1実施形態に係る工作機械における接続を示す図である。一般的な工作機械12は、研削、切断、穴あけ、搬送等の工作機械としての主機能を果たすための工作機械駆動部38を具備している。この工作機械駆動部38における作業終了、磨耗、寿命、故障等の異常は、機械のモニター情報として、異常検出部14によって検出されるようになっている。異常検出部14は、具体的には、工作機械駆動部38における熱、光、電気、音、圧力、煙等を検出するセンサ、増幅器、比較器、CPU、ROM、RAM等からなる。異常検出部14からの起動信号は、作業終了、磨耗、寿命、故障およびそれらの生じた位置を示す識別情報を含んでいる。異常検出部14からの起動信号は、従来の機器であれば、破線で示すように異常検出部14側のバス34からバスコネクタ18、警報発生器16側のバス34を介して警報発生器16に送られる。警報発生器16は、起動信号を受けて警報スピーカから警報音を発し、警報ランプから警報光を発する。本実施形態においては、異常検出部14と警報発生器16とをつなぐバス34の内、異常検出部14側のコネクタ18を外し、A/Dコンバータ22に続く延長ケーブル20につないでいる。これにより、異常検出部14からの起動信号はA/Dコンバータ22、信号ケーブル24を介して無線インターフェース26に送られる。
【0019】
図1および2の例においては、異常検出部14からの起動信号がアナログ信号の場合は、図示するようにデジタル信号にA/D変換するが、場合によっては、A/Dコンバータ22を介さず信号ケーブル24によりそのまま異常検出部14と無線インターフェース26をつなぐこともある。すなわち、異常検出部14からの起動信号がデジタル信号を利用している場合にはA/D変換は不要である。また、異常検出部14からの起動信号がデジタル信号を利用していない場合にも、無線インターフェース26がデジタル処理を必須としていないために、A/D変換が不要な場合もある。あるいは、D/A変換が必要な場合もある。本実施形態の主眼は、変換技術にはなく、無線インターフェース26へ起動信号を送る方式にある。
【0020】
図3は、本発明の第1実施形態に係る無線インターフェースの構成を示す図である。本実施形態の無線インターフェース26は、HomeRF−SWAPIEEE802.11シリーズインターフェースの規格に沿って構成されており、警報域設定装置40、警報感知装置42、信号コンバータ44、振動発生用電波発信器46からなる。ここで、HomeRF以外の無線通信手段を用いて無線インターフェースを構成することもできる。しかし、例えば、携帯電話を利用する方式は、通信インタフェースがブロードバンドであっても、閉所となる現場の外にある交換機を経由する通信を必要とするため好ましくはない。また、赤外線通信IrDAは、工作機械が多数設置してある現場においては、機械にさえぎられる可能性が強く、好ましくない。
【0021】
無線インターフェース26の警報域設定装置40は、フィルタ回路、比較器、計数回路等からなり、警報域を適宜設定することにより、受信した起動信号の内から警報感知装置42に送る起動信号を選択することができるようになっている。警報感知装置42は、RFコンバータ、シンセサイザ、CPU、ROM、RAM等からなり、警報域設定装置40から送られてきた起動信号を認識し、その起動信号の種類に応じて、後段の信号コンバータ44および振動発生用電波発信器46を制御することができるようにされている。信号コンバータ44は、ベースバンド処理が可能なように構成され、送信処理部制御レジスタ部及びテスト機能部等から構成されている。振動発生用電波発信器46は、RF回路、周辺マクロ、ホストインターフェース、無線LANインターフェースを備え、信号コンバータ42からの信号により、その信号の種類に応じた電波信号28を発信することができるようにされている。なお、この振動発生用電波発信器46に必要な機能は、振動発生器の起動だけでよく、応答確認も同期をとる必要もなく、モニタリングもしないシンプルな機能だけで目的を果たすことができる。
【0022】
図4は、本発明の第1実施形態に係る振動発生器の構成を示す図である。本実施形態の振動発生器30は、工場施設内の作業者が着用できるようにされており、振動発生用電波受信器48、信号判別部50、駆動回路52、バイブレータ54から構成されている。振動用電波受信器48は、主にRF回路からなり、無線インターフェース26からの電波信号28を受信して、電気信号に変換するようにされている。信号判別部50は、フィルタ回路、比較器、計数回路等からなり、振動発生用電波受信器48からの電気信号の種類を判別し、駆動回路52に対して、電気信号の種類に応じた駆動信号を与えるようになっている。駆動回路52は、信号判別部50からの駆動信号に応じた振幅および振動数の振動をバイブレータ54に発生させるようにされている。
【0023】
以下、本実施形態のユニバーサルデザイン環境の動作について説明する。まず工作機械12の運転時に、異常検出部14が異常を検出して機械のモニター情報としての起動信号を発信すると、発信された起動信号は、延長ケーブル20、ADコンバータ22および信号ケーブル24を介して、無線インターフェース26の警報域設定装置40で受信される(S10)。警報域設定装置40では、その起動信号が指定された信号であるか否かを判定し(S12)、指定された信号であれば警報感知装置42に起動信号を送り(S14)、指定された信号でなければ動作を終了する。警報感知装置42では、起動信号の種類に応じた信号を、信号コンバータ44を介して振動発生用電波発信器46に送る(S16)。振動発生用電波発信器46では、工場施設内の作業者32が着用する振動発生器30に電波信号28を送る(S18)。電波信号28を受信した振動発生器30は、電波信号28に応じた振幅および振動数の振動を起こす(S20)。これにより、作業者32は、故障の箇所やその内容等の警報の種類を報知される。
【0024】
以上の第1実施形態に係るユニバーサルデザイン環境においては、工場施設内の作業者は振動により警報を報知されるため、騒音が大きい工場施設内においても確実に警報を報知される。また、このユニバーサルデザイン環境の無線インターフェースは、汎用性に富むため、既存の工場施設の大部分にそのまま設置することができる。
【0025】
以下、本発明の第2実施形態について説明する。図6は本発明の第2実施形態に係る工作機械と無線インターフェースとの接続を示す図であり、図7は本発明の第2実施形態に係る工作機械における接続を示す図である。この第2実施形態では、異常検出部14から警報発生器16に送られる起動信号より分配された起動信号を、無線インターフェース26が受信するようにされている点が、上述の第1実施形態と異なっている。図6および7に示すように、異常検出部14からのバス34は、ハブ36に接続され、ハブ36からのバス34が警報発生器16に接続されている。また、ハブ36からの信号ケーブル24が無線インターフェース26に接続されている。本実施形態では、このような接続により無線インターフェース26に加えて、工作機械12の警報発生器16にも起動信号が送られる。このため、警報発生器16からの警報音による警報の報知と、振動発生器30からの振動発生による警報の報知を同時に行うことが可能となる。
【0026】
以下、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態においては、無線インターフェースは、工作機械の警報発生器からの警報を直接受信して、電波信号を振動発生器に発信する点が上記第1および第2実施形態とは異なっている。本実施形態においては、異常検出部14および警報発生器16を備えた工作機械12には何ら改変は行われていない。工作機械12の警報発生器16の近傍には、警報発生器16からの警報音を感知する警報音感知器56が配置されている。警報音感知器56には、信号ケーブル24により、上述の第1および第2実施形態と同様の無線インターフェース26が接続されている。本実施形態では、上記の構成により、無線インターフェース26が警報発生器16からの警報を受信し、電波信号28を発信することができるようにされている。
【0027】
図9は、本発明の第3実施形態に係る警報音感知器の構成を示す図である。本実施形態の警報音感知器56は、マイク部58、音域判別部60、制御部62および信号コンバータ64からなる。マイク部58は、警報音を感知するマイク、信号を増幅するマイクアンプ等からなる。音域判別部60は、フィルタ回路、比較器等からなり、所定閾値内の周波数の音声信号のみを後段に送るようになっている。制御部62は、CPU、ROM、RAM等からなり、音域判別部60からの音声信号に応じた信号を起動信号の形で後段に送るようになっている。信号コンバータ64は、A/D変換器あるいはD/A変換器からなり、無線インターフェース26の処理形式に応じた形式に信号を変換する。
【0028】
以下、本実施形態のユニバーサルデザイン環境の動作について説明する。図10は、本発明の第3実施形態に係るユニバーサルデザイン環境の動作を示すフロー図である。まず、工作機械12の運転時に、異常検出部14が異常を検出して警報発生器16が警報音を発すると、警報発生器16が発した警報音は、警報音感知器56のマイク部58によって感知される(S110)。ここで音域判別部60は、指定された音域であるか否かを判別し(S112)、指定された音域であれば無線インターフェース26に起動信号を送り(S114)、指定された音域でなければ動作を終了する。以下の動作は、上記第1および第2実施形態と同様であり、無線インターフェース26の警報域設定装置40では、その起動信号が指定された信号であるか否かを判定し(S116)、指定された信号であれば警報感知装置42に起動信号を送り(S118)、指定された信号でなければ動作を終了する。警報感知装置では、信号を振動発生用電波発信器46に送る(S120)。振動発生用電波発信器46では、振動発生器30に電波信号28を送る(S122)。電波信号28を受信した振動発生器30は振動を起こす(S124)。
【0029】
以上の第3実施形態に係るユニバーサルデザイン環境においては、既存の工作機械に設置された警報報知機構を何ら改変することなく、振動により警報を報知するユニバーサルデザイン環境とすることができ、より汎用性の高いものとできる。
【0030】
尚、本発明のユニバーサルデザイン環境は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0031】
例えば、上記説明した本実施形態のユニバーサルデザイン環境では、振動の種類により工場施設内の作業者はその警報の種類を報知されるが、本実施形態のユニバーサルデザイン環境は、工作機械に関する警報の有無を伝えれば良く、警報そのもの詳細を伝える必然性は必ずしもない。そのため、振動は、複雑な情報伝達のために使われるのではなく、情報伝達の有無を認識するためのトリガーとなればよく、表示装置、計算処理等は必ずしも必須ではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施形態に係るユニバーサルデザイン環境を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る工作機械における接続を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る無線インターフェースの構成を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る振動発生器の構成を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るユニバーサルデザイン環境の動作を示すフロー図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る工作機械と無線インターフェースとの接続を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る工作機械における接続を示す図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るユニバーサルデザイン環境を示す図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る警報音感知器の構成を示す図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係るユニバーサルデザイン環境の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0033】
10…ユニバーサルデザイン環境、12…工作機械、14…異常検出部、16…警報発生器、18…バスコネクタ、20…延長ケーブル、22…A/Dコンバータ、24…信号ケーブル、26…無線インターフェース、28…電波信号、30…振動発生器、32…作業者、34…バス、36…ハブ、38…工作機械駆動部、40…警報域設定装置、42…警報感知装置、44…信号コンバータ、46…振動発生用電波発信器、48…振動発生用電波受信器、50…信号判別部、52…駆動回路、54…バイブレータ、56…警報音感知器、58…マイク部、60…音域判別部、62…制御部、64…信号コンバータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工場施設内の作業者に警報を報知するユニバーサルデザイン環境であって、
前記工場施設内の機械に設けられ、前記機械の異常を検出して起動信号を発信する異常検出部と、前記異常検出部からの起動信号を受信して警報を発生するための警報発生器と、を有する警報報知機構と、
前記工場施設内に配置され、前記異常検出部が前記機械の異常を検出したときに無線信号を発信する無線インターフェースと、
前記工場施設内の作業者が着用可能であって、前記無線インターフェースからの無線信号を受信することにより振動を発生する振動発生器と、
を備えたユニバーサルデザイン環境。
【請求項2】
前記振動発生器は、発生する振動の振幅および振動数の少なくともいずれかの変化により、警報の種類を報知する請求項1に記載のユニバーサルデザイン環境。
【請求項3】
前記無線インターフェースは、前記異常検出部からの起動信号を受信し、無線信号を発信する請求項1または2に記載のユニバーサルデザイン環境。
【請求項4】
前記無線インターフェースは、前記異常検出部から前記警報発生器に送られる起動信号より分配された起動信号を受信する請求項3に記載のユニバーサルデザイン環境。
【請求項5】
前記無線インターフェースは、前記警報発生器からの警報を受信し、無線信号を発信する請求項1または2に記載のユニバーサルデザイン環境。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−221463(P2006−221463A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−34948(P2005−34948)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(000116781)旭ダイヤモンド工業株式会社 (99)
【Fターム(参考)】