説明

ユビキタスセンサーネットワークに基づく道路危険情報のリアルタイム提供システムおよびその方法

本発明は、ユビキタスセンサーネットワーク(USN)に基づく道路危険情報のリアルタイム提供システム及びその方法を提供する。当該システムは、危険道路区間における多様な情報を感知するセンシング機能と、感知された情報を分析して道路危険情報を抽出するコンピューティング機能とを有する危険道路区間情報センシング手段と、抽出された道路危険情報を短距離無線ネットワークを介して送信する危険道路区間情報送信手段と、送信される道路危険情報を収集し、道路危険情報の重複除去及び統合をチェックする危険道路区間情報収集手段と、危険道路区間情報収集手段で収集・加工された道路危険情報を、危険道路区間に接近するテレマティックス車両側に無線通信を介してリアルタイムで事前に提供する危険道路区間情報提供手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユビキタスセンサーネットワーク(USN:Ubiquitous Sensor Network)に基づく道路危険情報をリアルタイムに提供するシステム及びその方法に関する。より詳細には、視界が良好に確保できない危険道路区間にセンサーノードとベースステーションを含むセンサーネットワーク環境を構築することにより、設置されたセンサーノードを用いて、危険道路区間において発生し得る交通事故の発生、障害物の発見、火災発生、道路凍結、道路破損、及び歩行者の出現などといった道路危険情報を感知し、ベースステーションを用いて、前記危険道路区間に接近する車両に道路危険情報を予め知らせるための、USNに基づく道路危険情報のリアルタイム提供システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路の危険情報を事前に提供する従来の方法は、道路の危険情報を収集するステップと当該危険情報を提供するステップとからなる。
【0003】
まず、道路の危険情報を収集するステップにおいては、車両運転者又はCCD(Charge Coupled Devices)カメラによって一次測定が行われることが一般的である。この一次測定情報は、電話や有線/無線通信を介して交通情報センタに伝達される。交通情報センタでは、人間が一次測定情報を分析した後危険状況情報を直接コンピュータ処理して生成する。
【0004】
このような従来の道路の危険情報を収集するステップは、道路の危険情報の収集が人間又はCCDカメラに依存することにより、トンネル内全体、橋上全体などのように、視界が確保できない、やや広い地域の情報を正確に収集することに困難があった。
【0005】
一方、従来の道路の危険情報を提供するステップにおいては、道路の危険情報は、道路に設置された可変情報表示装置(VMS:variable message signs)を介して交通情報センタから提供されるが、この方法には2つの問題があった。一つの問題は、運転者がVMSを見ない限り情報を得ることができないことであり、もう一つの問題は、道路の危険情報が交通情報センタから提供されることによりリアルタイム性に欠けることである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、その目的は、車両運転者の視野が直接確保できないトンネル内、橋上、及び曲線道路などの危険道路区間環境において道路危険情報を感知し、運転者がその道路に進入する前に道路危険情報を予め提供することにより交通事故を予防するための、USNに基づく道路危険情報のリアルタイム提供システム及びその方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施形態により更に明確になるはずである。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示す手段及びその組み合わせにより実現可能であることが容易に分かるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の装置は、USNに基づく道路危険情報のリアルタイム提供システムにおいて、危険道路区間における多様な情報を感知するセンシング機能と、前記感知された情報を分析して道路危険情報を抽出するコンピューティング機能とを備えた危険道路区間情報センシング手段と、該危険道路区間情報センシング手段で抽出された道路危険情報を短距離無線ネットワークを介して送信する危険道路区間情報送信手段と、該危険道路区間情報送信手段から送信される道路危険情報を収集し、前記道路危険情報の重複及び統合を検査する加工過程を行う危険道路区間情報収集手段と、該危険道路区間情報収集手段で収集・加工された道路危険情報を、危険道路区間に接近するテレマティックス車両側に無線通信を介してリアルタイムで事前に提供する危険道路区間情報提供手段とを備える。
【0009】
また、本発明の装置は、前記危険道路区間情報収集手段で収集・加工された道路危険情報をリアルタイム車両サービス及び周期的交通情報サービスに用いるために格納する危険道路区間情報格納手段を更に備える。
【0010】
一方、上記の目的を達成するための本発明の方法は、USNに基づく道路危険情報のリアルタイム提供方法において、道路危険情報となり得る候補の危険情報を感知するステップと、該感知された候補の危険情報から道路危険情報を抽出するステップと、該抽出された道路危険情報を無線ネットワークを介して送信する危険道路区間情報送信ステップと、該送信された道路危険情報を収集し、重複、統合、及び単純化の加工過程を行うステップと、前記収集・加工された道路危険情報を、危険道路区間環境に進入するテレマティックス車両側にリアルタイムで提供するステップと、を含む。
【0011】
また、本発明の方法は、前記収集・加工された道路危険情報をリアルタイム車両サービス及び周期的交通情報サービスに用いるために格納するステップを更に含む。
【0012】
このように、本発明では、まず、トンネル内、橋上及び曲線道路などの危険地域の状況に応じて、火災感知、凍結感知、浸水感知、歩行者感知、積載物感知、及び道路破損感知能力を有するセンサーノードを複数個設置する。ここで、センサーノードは、温度、湿度、赤外線、熱、及びレーザなどを用いたセンシング能力を複合的に利用し、かつ自らのコンピューティング能力を利用して、各危険道路区間に応じた正確な危険情報を生成する。また、危険道路区間に広範囲に設置されたセンサーノードの短距離無線通信能力を利用して、トンネル内全域又は橋上全域などのような広い地域の危険情報を全て感知し、感知された情報を、危険情報サービスを提供するベースステーションに全て収集する。ベースステーションは、危険道路区間への進入開始前に位置し、収集された危険情報を、交通情報センタなどに送るのではなく、無線通信を介して危険道路に進入する全ての車両にリアルタイムで送信する。また、ベースステーションは、リアルタイム危険情報を、従来の方法と同様に、電光板にも提供するという二重化方式を用いることにより、情報伝達におけるリアルタイム性のみならず、信頼性も高まる。このようなベースステーションは、センサーノードからの危険情報を受信するモジュール、提供された危険情報を格納するモジュール、及び危険情報を提供するモジュールを備える。また、危険情報格納装置に格納された情報は、交通事故の統計及び分析などに活用可能である。
【0013】
このような本発明は、従来の危険情報の収集ステップとは異なり、危険情報の収集に、多様な複合センシング能力とコンピューティング能力とを有するセンサーノードを用いることにより、一次測定情報の収集及びその分析による危険状況情報の生成を直接行う。センサーノードを用いた、このような危険情報の収集方法では、交通情報センタまで測定情報を送信する必要がないことから、危険情報の生成過程において時間的な節減効果を大きく得ることができる。
【0014】
また、本発明は、従来の危険情報の収集ステップとは異なり、無線ネットワーキング能力を有するセンサーノードをトンネル内又は橋上などに設置し、これらの間に無線ネットワークを形成することにより、やや広い地域の危険情報を手軽に収集することができるという長所がある。
【0015】
更に、本発明は、従来の危険情報の提供ステップとは異なり、センサーノードから収集された危険情報を道路周辺に設置されたベースステーションを介して車両に無線で直接提供することにより、情報の信頼性及びリアルタイム性を最大限に高めることができるという長所がある。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、車両運転者の視野が確保できないトンネル内又は橋上などの危険道路区間の道路危険情報を事前に感知し、感知された道路危険情報を事前にリアルタイムで運転者に提供することにより、事故多発地域での交通事故を画期的に減少させることができる。
【0017】
また、本発明は、時々刻々と変化する道路危険情報をリアルタイムで感知して提供することにより、情報の実効性及び信頼性を大きく高めることもできる。
【0018】
更に、本発明は、ベースステーションにこのような道路危険情報を追加的に格納することにより、危険地域内における交通事故の統計及び分析にも適用可能である。
【0019】
また、本発明は、センサーノードの広いセンシング領域と広い通信領域とを用いて、特定の領域の危険情報ではなく、トンネル内全体又は橋上全体などの比較的広い領域の道路危険情報サービスを提供することができる。
【0020】
つまり、本発明は、センサーノードとベースステーションとからなる単純な無線センサーネットワーク環境、車両とベースステーションとの無線通信環境、そして、リアルタイムネットワークルーティング及び情報処理技術を用いて、道路危険地域における交通事故の予防に大きく寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
上述した本発明の目的、特徴及び長所は、添付図面に関する以下の実施形態の詳細な説明により明確になるだろう。それにより、本発明の属する技術分野における当業者が本発明の技術的思想を容易に実施することができる。また、本発明の説明において、本発明に係る公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断された場合、その詳細な説明を省略する。以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係るユビキタスセンサーネットワーク(USN)に基づく道路危険情報のリアルタイム提供システムの概略的な構成図である。
【0023】
危険道路区間環境10には、トンネル内の道路、橋上路、曲線道路、霧のかかった地域の道路及び危険多発地域の道路など、運転者の視野が良好に確保できない危険道路区間が存在する。
【0024】
また、センサーノード20は、危険道路区間環境10において発生し得る車両の追突及び衝突事故、火災事故、積載物の落下事故、道路破損事故、道路浸水事故、道路凍結、及び歩行者の突然の出現などといった候補の道路危険情報をリアルタイムで感知し、正確な道路危険情報を抽出する。このとき、センサーノード20は、温度、湿度、赤外線、熱、及びレーザなどを用いた感知能力及び自身のコンピューティング能力を合成的に利用して、各危険道路区間に応じた正確な道路危険情報を生成する。その後、センサーノード20は、無線ネットワーク30を介してベースステーション40に生成した道路危険情報を伝送する。
【0025】
無線ネットワーク30は、複数のセンサーノード20間の短距離無線通信からなるネットワークである。また、無線ネットワーク30は、危険道路区間全域において各センサーノード20によって感知された道路危険情報を、隣接するセンサーノード20間の短距離無線通信を介してリアルタイムでベースステーション40に伝送する。
【0026】
ベースステーション40は、危険道路区間全域に設置された全てのセンサーノード20によって感知された全ての道路危険情報を無線ネットワーク30を介して収集し、加工する。また、ベースステーション40は、収集した道路危険情報を加工してテレマティックス車両にリアルタイムで予め提供するため、危険道路区間環境10の始点に設置される。さらに、ベースステーション40は、追加的に道路危険情報を格納し、後で交通事故の統計及び分析に活用する。
【0027】
テレマティックス車両50は、危険道路区間環境10の始点に設置されたベースステーション40から提供される道路危険情報を、危険道路区間に進入する前に予め受信して運転者に知らせる。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態に係るUSNに基づく道路危険情報のリアルタイム提供システムを示すブロック図である。
【0029】
センサーノード20は、危険道路区間情報センシング部110及び危険道路区間情報送信部120を含む。ベースステーション40は、危険道路区間情報収集部210、危険道路区間情報格納部220及び危険道路区間情報提供部230を含む。テレマティックス車両50は、危険道路区間情報受信部310を含む。
【0030】
このとき、本発明に係るUSNに基づく道路危険情報のリアルタイム提供システムは、危険道路区間情報センシング部110と、危険道路区間情報送信部120と、危険道路区間情報収集部210と、危険道路区間情報格納部220と、危険道路区間情報提供部230とを含む。
【0031】
危険道路区間情報センシング部110は、危険道路区間において温度、湿度、熱及び赤外線などの多様な情報を感知するセンシング機能と、感知された情報を分析して正確な道路危険情報を抽出するコンピューティング機能とを有する。
【0032】
危険道路区間情報送信部120は、危険道路区間情報センシング部110で抽出された道路危険情報を短距離無線ネットワーク経由で送信する。
【0033】
危険道路区間情報収集部210は、危険道路区間情報送信部120から送信される全ての道路危険情報を収集し、道路危険情報の重複除去及び統合を検査する。
【0034】
危険道路区間情報格納部220は、危険道路区間情報収集部210で収集・加工された道路危険情報をリアルタイム車両サービス及び周期的交通情報サービスに用いるために格納する。
【0035】
危険道路区間情報提供部230は、該危険道路区間情報格納部220に格納されている道路危険情報を、危険道路区間に接近するテレマティックス車両に無線通信を介してリアルタイムで事前に提供する。
【0036】
テレマティックス車両に設置された危険道路区間情報受信部310は、危険道路区間情報提供部230から無線通信を介して提供された危険道路区間の情報を予め受信して運転者に知らせる。
【0037】
危険道路区間情報格納部220は、本発明の付加的な構成要素である。このため、前記危険道路区間情報提供部230は、危険道路区間情報収集部210からの道路危険情報を受信して提供する方法にしたがって動作する。
【0038】
次に、上記各構成要素について更に具体的に説明する。
【0039】
センサーノード20は、トンネル内、橋上及び曲線道路などの危険道路区間環境10に、センサーノードのセンシング範囲及び無線通信範囲に応じて配置される。このとき、センサーノードの配置において考慮すべき2つの事項がある。第一に、全てのセンサーノードがセンサーノード間の短距離無線通信を介してベースステーション40に接続できなければならない。第二に、配置されたセンサーノードのセンシング範囲が危険道路区間全域をカバーできなければならない。したがって、本発明において、危険道路区間に配置されるセンサーノード20の数は、この2つの考慮事項によって変化する。
【0040】
また、センサーノード内の危険道路区間情報センシング部110は、温度、湿度、熱及び赤外線などの多様な情報を感知し得るセンシング機能を用いて、危険道路区間における危険要素となり得る候補の情報を感知する。危険道路区間情報センシング部110は、このように感知された候補の危険情報を、自身のコンピューティング機能を用いて統合して分析し、道路危険情報を抽出する。ここで、危険情報の抽出過程においては、1つのセンシング装置(1つのセンシング機能)による感知情報では正確度を高めることが難しいため、少なくとも2つの感知情報を統合して分析し、トンネルや橋などの多様な危険道路区間環境10も考慮して分析することにより、道路危険情報の信頼性を高めることが好ましい。このとき、危険道路区間情報センシング部110において感知し得る道路危険情報には、車両の追突及び衝突事故、火災事故、積載物の落下事故、道路破損事故、道路浸水事故、道路凍結、及び歩行者の突然の出現などが含まれる。
【0041】
更に、センサーノード内の危険道路区間情報送信部120は、センサーノード間の短距離無線通信を介して各センサーノードによって感知された道路危険情報をベースステーション40に送信する。ここで、重要な考慮事項は、センサーノード20とベースステーション40との間の無線ネットワークルーティング方式として、本発明では、二重化固定ルーティング方式を用いることである。二重化固定ルーティング方式は、センサーノード20とベースステーション40との間における道路危険情報の送信のためのネットワーク経路が、アドホック(ad-hoc)ネットワークルーティングとは異なって、常に固定されていることが一般的であり、この固定されたネットワーク経路が2つ存在することを意味する。二重化固定ルーティング方式は、二重化ルーティングにより道路危険情報の伝達における信頼性を高めることができ、固定ルーティングにより道路危険情報の伝達におけるリアルタイム性を高めることができる特徴がある。
【0042】
一方、ベースステーション40は、危険道路区間の始点に位置するが、センサーノード20との無線通信が可能な位置に設置される。ベースステーション内の危険道路区間情報収集部210は、センサーノード20によって感知された全ての危険情報を収集し、当該情報を加工して危険道路区間情報格納部220に格納する。ここで、重要な点は、収集された道路危険情報の加工過程である。加工過程では、収集された道路危険情報が直前に既に収集された情報と同じなのか否かを調べる重複チェック、収集された道路危険情報を1つの情報として統合可能なのか否かを調べる統合チェック、そして、収集された道路危険情報を車両に提供するために当該情報を単純な形式に変換する単純化機能を行う。危険情報の加工過程の目的は、情報の重複性を除去し、情報の信頼性を高め、情報伝達におけるリアルタイム性を高めることである。
【0043】
また、危険道路区間格納部220は、加工された道路危険情報を格納するが、当該情報は、車両にリアルタイムで道路危険情報を提供するために用いられるだけでなく、交通情報の統計及び分析のために交通情報センタに周期的に提供するために用いられる。なお、危険道路区間格納部220は、本発明の付加的要素である。
【0044】
更に、危険道路区間情報提供部230は、危険道路区間情報格納部220に格納されている道路危険情報を読み出し、または危険道路区間情報収集部210から道路危険情報を受信して、無線アクセスネットワーク(RAN:radio access network)などの短距離無線通信を介して危険道路区間に接近する全ての車両に道路危険情報をリアルタイムで送信する。本発明では、危険情報の提供においても、無線通信を介して車両に道路危険情報を直接提供する方式と、ベースステーション40に共に設置されたVMSを用いて同じ道路危険情報を間接的に提供する方式とを同時に用いる。これに加え、同じ道路危険情報の提供がなされるが、VMSに提供される情報及び車両に直接提供される情報の詳細度を異にして提供することにより、情報の精緻化を達成している。例えば、トンネルの第1車線及び第2車線にわたって車両5台の追突事故が発生したとき、VMSには「トンネル内で事故発生」などの単純かつ短い形式で情報が提供される。加えて、車両には、無線通信を介して、「12時30分現在、トンネルから200m地点の第1車線及び第2車線で車両5台の追突事故が発生し、事故発生地点から100mの距離にて渋滞が発生」などの詳細な情報が提供される。このような詳細情報は、なるべく早く更新させることにより、情報の正確度を更に高めるように構成される。
【0045】
一方、テレマティックス車両50は、ベースステーション40との無線通信を介して危険道路区間に進入するまで絶えず更新される詳細な道路危険情報を受信し、運転者に伝達する。このため、テレマティックス車両内には、無線通信が可能な危険道路区間情報受信部310が搭載されている。
【0046】
図3は、本発明の一実施形態に係るUSNに基づく道路危険情報のリアルタイム提供方法を説明するフローチャートである。
【0047】
まず、危険道路区間情報センシング部110は、道路危険情報となり得る全ての情報を感知した後(S101)、当該感知された全ての候補の道路危険情報について、図2において説明した分析方法によって道路危険情報を抽出する(S102)。
【0048】
その後、危険道路区間情報送信部120は、センサーノードとベースステーションとの間の無線通信環境において、二重化固定ルーティング方式を用いて道路危険情報をベースステーションに送信する(S103)。
【0049】
次に、ベースステーションの危険道路区間情報収集部210は、センサーノードから収集された道路危険情報について、重複除去、統合及び単純化などの加工過程を行い、危険道路区間情報格納部220に格納する(S104)。ここで、格納過程は、本発明の付加的要素である。
【0050】
次に、危険道路区間情報提供部230は、危険道路区間情報格納部220に格納された道路危険情報を読み出し、または危険道路区間情報収集部210から道路危険情報を受信して、危険道路区間環境に進入する車両に道路危険情報をリアルタイムで提供する(S105)。
【0051】
その後、車両の危険道路区間情報受信部310は、ベースステーションの危険道路区間情報提供部230から送信される道路危険情報を受信し(S106)、当該情報を運転者に知らせる(S107)。
【0052】
上述のような本発明の方法は、プログラムとして実現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(CD−ROM、ROM、RAM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスクなど)に格納され得る。この過程は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるため、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0053】
以上で説明した本発明は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能なため、上述した実施形態及び添付された図面により限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に係るユビキタスセンサーネットワーク(USN)に基づく道路危険情報のリアルタイム提供システムを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るUSNに基づく道路危険情報のリアルタイム提供システムを示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るUSNに基づく道路危険情報のリアルタイム提供方法を説明するフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユビキタスセンサーネットワーク(USN)に基づいて道路危険情報をリアルタイムで提供するシステムであって、
危険道路区間における多様な情報を感知するセンシング機能と、前記感知された情報を分析することによって道路危険情報を抽出するコンピューティング機能とを有する危険道路区間情報センシング手段と、
前記抽出された道路危険情報を短距離無線ネットワークを介して送信する危険道路区間情報送信手段と、
前記送信される道路危険情報を収集し、前記道路危険情報の重複除去及び統合を検査する危険道路区間情報収集手段と、
前記危険道路区間情報収集手段において収集・加工された道路危険情報を、危険道路区間に接近するテレマティックス車両側に無線通信を介してリアルタイムで事前に提供する危険道路区間情報提供手段と
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記危険道路区間情報収集手段において収集・加工された道路危険情報をリアルタイム車両サービス及び周期的交通情報サービスに用いるために格納する危険道路区間情報格納手段を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記危険道路区間情報センシング手段と前記危険道路区間情報送信手段とが、各センサーノードに含まれ、複数のセンサーノードをセンサーノード自身のセンシング範囲及び無線通信範囲に応じて配置することによって無線ネットワークが形成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記危険道路区間情報センシング手段が、
温度、湿度、熱及び赤外線を含む多様な情報を感知するセンシング機能に基づいて危険道路区間における車両の安全を脅かす候補となる情報を感知し、前記感知された候補の道路危険情報及び危険道路区間環境を、前記コンピューティング機能に基づいて統合して分析することによって前記道路危険情報を抽出することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記危険道路区間情報送信手段が、
二重化固定ルーティング方式を用いて前記道路危険情報を送信することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記危険道路区間情報収集手段が、
前記危険道路区間情報送信手段から送信される全ての道路危険情報を収集した後、当該収集された道路危険情報が直前に既に収集された情報と同一なのか否かを調べる重複チェック機能、前記収集された道路危険情報を1つの情報として統合可能なのか否かを調べる統合チェック機能、及び前記収集された道路危険情報を前記テレマティックス車両側に提供するために前記収集された道路危険情報を単純な形式の情報に変換するための単純化機能を行うことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記危険道路区間情報提供手段が、
無線通信を介して前記テレマティックス車両側に道路危険情報を直接提供する方式と、可変情報表示装置(VMS)を用いて同一の道路危険情報を間接的に提供する方式とを同時に用いることによって前記道路危険情報を提供することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
ユビキタスセンサーネットワーク(USN)に基づいて道路危険情報をリアルタイムで提供する方法であって、
前記方法は、
(a)道路危険情報の候補となる道路危険情報を感知するステップと、
(b)前記感知された候補となる道路危険情報から道路危険情報を抽出するステップと、
(c)前記抽出された道路危険情報を無線ネットワークを介して送信するステップと、
(d)前記送信された道路危険情報を収集し、重複除去、統合及び単純化を行うステップと、
(e)前記収集・加工された道路危険情報を、危険道路区間環境に進入するテレマティックス車両側にリアルタイムで提供するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
(f)前記収集・加工された道路危険情報をリアルタイム車両サービス及び周期的交通情報サービスの道路危険情報に用いるために格納するステップを更に含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ステップ(c)において、
二重化固定ルーティング方式を用いて道路危険情報が送信されることを特徴とする請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−516290(P2009−516290A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541058(P2008−541058)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【国際出願番号】PCT/KR2005/004535
【国際公開番号】WO2007/058405
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】