説明

ユビキノン含有組成物

【課題】熱安定性、保存安定性の向上により、ユビキノン含有量の減少を抑制したユビキノン含有組成物、及びかかるユビキノン含有組成物を含む医薬品、食品、化粧品、歯磨剤、並びにユビキノン安定化剤を提供すること。
【解決手段】ユビキノンとハイドロキシアパタイトとを含有するユビキノン含有組成物、及びかかるユビキノン含有組成物を含む医薬品、食品、化粧品、歯磨剤、並びにハイドロキシアパタイトを有効成分とするユビキノン安定化剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱安定性、保存安定性に優れたユビキノン含有組成物、及びかかるユビキノン含有組成物を含んだ医薬品、食品、化粧品又は歯磨剤、並びにユビキノン安定化剤に関する。
【背景技術】
【0002】
コエンザイムQ10に代表されるユビキノンは、補酵素と呼ばれ、細胞が働くためのエネルギーを生み出す上で必要な栄養素である。例えば、コエンザイムQ10の効果としては、抗酸化作用、免疫力の向上、心臓機能の維持、動脈硬化の予防、血栓防止、悪玉コレステロールの減少、疲労回復、肌トラブルの改善等が認められており、世界各国で医療品・健康食品として幅広く利用されている。
【0003】
しかしながら、コエンザイムQ10は、融点が48℃と低く、熱に不安定であることから、食品、化粧品、医薬品等の製品への配合時や、コエンザイムQ10を配合した製品の保存時に、コエンザイムQ10が溶解し、コエンザイムQ10の含有量が低下することが問題となっていた。
【0004】
そこで、これらの問題を解決するために、例えば、ユビキノンと多孔質物質を混合することにより熱安定性を向上させる方法(特許文献1参照。)や、ユビキノンとアルギン酸類とを含有することにより熱安定性を向上させる方法(特許文献2参照。)や、コエンザイムQ10、平均重合度10のポリグリセリンと炭素数18の脂肪酸モノエステル、平均重合度3〜6のポリグリセリンと炭素数18の脂肪酸モノ、ジ、トリまたはペンタエステル、及び水からなり、かつ平均粒径を110nm以下にすることで、保存安定性、耐酸性、耐塩性、耐熱性に優れた水溶性組成物の製造方法(特許文献3参照。)や、ユビキノン及び非還元唐を含有させることによりユビキノンの減少を防止する方法(特許文献4参照。)が提案されている。これら提案されている各方法では、熱安定性や保存安定性においてある程度の向上がみられるが、必ずしも十分であるとはいえず、これと同等又はこれ以上の効果を奏する方法が望まれている。
【0005】
他方、ハイドロキシアパタイトは、歯磨剤として使用されており、エナメル質と同じ成分であることから、歯の再石灰化が促進され、歯を白くする効果を有していることが知られている(例えば、特許文献5,6参照。)。
【0006】
この他、空気中や水溶液中で不安定なアスコルビン酸の経時的な着色等を防止する目的でハイドロキシアパタイトを使用することが提案されているが(特許文献7参照。)、ここでのハイドロキシアパタイトは、酸素や光等により分解しやすいアスコルビン酸の分解を防止するための安定化剤として用いられているのであって、アスコルビン酸の熱安定性の向上のために用いられているのではない。これは、アスコルビン酸の融点が190℃程度と比較的高いことからも明らかである。
【0007】
【特許文献1】特開2005−104934号公報
【特許文献2】特開2004−331597号公報
【特許文献3】特開2004−196781号公報
【特許文献4】特開2004−105103号公報
【特許文献5】特開昭55−57514号公報
【特許文献6】特開2002−097124号公報
【特許文献7】特開2005−126364号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、熱安定性、保存安定性の向上により、ユビキノン含有量の減少を抑制したユビキノン含有組成物、及びかかるユビキノン含有組成物を含む医薬品、食品、化粧品、歯磨剤、並びにユビキノン安定化剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、ハイドロキシアパタイトを微量配合することによっても、飛躍的にユビキノンの熱安定性を向上させることができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、(1)ユビキノンとハイドロキシアパタイトとを含有することを特徴とするユビキノン含有組成物や、(2)ハイドロキシアパタイトが、ユビキノンに対して、1重量%以上含有されていることを特徴とする上記(1)に記載のユビキノン含有組成物や、(3)ユビキノンが、コエンザイムQ10であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のユビキノン含有組成物や、(4)ハイドロキシアパタイトが、低結晶性又は非晶質のハイドロキシアパタイトであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のユビキノン含有組成物に関する。
【0011】
また、本発明は、(5)粉末状であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のユビキノン含有組成物や、(6)ユビキノン粉末とハイドロキシアパタイト粉末とを用いて製造したことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のユビキノン含有組成物や、(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のユビキノン含有組成物を含むことを特徴とする医薬品や、(8)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のユビキノン含有組成物を含むことを特徴とする食品に関する。
【0012】
さらに、本発明は、(9)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のユビキノン含有組成物を含むことを特徴とする化粧品や、(10)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のユビキノン含有組成物を含むことを特徴とする歯磨剤や、(11)ハイドロキシアパタイトを有効成分とすることを特徴とするユビキノン安定化剤や、(12)粉末状であることを特徴とする上記(11)に記載のユビキノン安定化剤や、(13)コエンザイムQ10の安定化を図ることを特徴とする上記(11)又は(12)に記載のユビキノン安定化剤に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のユビキノン含有組成物は、熱安定性、保存安定性に極めて優れており、ユビキノン含有量の減少を抑制することできる。したがって、かかるユビキノン含有組成物を含有した医薬品、食品、化粧品、歯磨剤等は、ユビキノン含有量が減少することなく、ユビキノンのもつ効能を有効に発揮することができる。また、本発明のユビキノン安定化剤は、微量の添加でも有効にユビキノンの熱安定性、保存安定性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のユビキノン含有組成物としては、ユビキノンとハイドロキシアパタイトとを含有する組成物であれば特に制限されるものではなく、ハイドロキシアパタイトの含有量としては、例えば、0.1〜0.5重量%といった微量であっても本発明の効果を十分に発揮することができるが、より十分な効果を得るために、1重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であることがより好ましく、10重量%以上であることがさらに好ましく、その上限としては、含有量が多いほど熱安定性等の効果は向上するので特に制限はないが、これを配合する食料品等の製造条件及び保存環境(温度)を考慮すると共にユビキノンの含有割合をより高めるという点からは、1500重量%以下であることが好ましく、1000重量%以下であることがより好ましい。
【0015】
本発明のハイドロキシアパタイトは、骨の主成分であるリン酸カルシウムの1種であり、天然又は合成により得ることができる。通常、ハイドロキシアパタイトは、Ca10(PO(OH)からなる化学量論組成で示されるが、Ca/Pモル比が1.67にならない非化学量論的なものであっても、ハイドロキシアパタイトの性質を示すと共にアパタイト構造をとることができ、このような、例えば、Ca/Pモル比1.4〜1.8程度の合成ハイドロキシアパタイトも本発明におけるハイドロキシアパタイトに含まれる。
【0016】
合成ハイドロキシアパタイトのCa/Pモル比の制御は、原料の塩の調合比及び合成条件の制御により行うことができる。例えば、ハイドロキシアパタイトの湿式合成法においては、合成時に、アンモニア水等で水溶液を塩基性に調整して、Ca/Pモル比を高くすることができ、また、水溶液を希酸で中性或いは弱酸性に調整して、Ca/Pモル比を低くすることができる。
【0017】
本発明のハイドロキシアパタイトは、結晶性、低結晶性、非晶質のいずれであってもよいが、ユビキノンの熱安定性、保存安定性をより向上させることができる点から、低結晶性又は非晶質のハイドロキシアパタイトが好ましい(以下、低結晶性ハイドロキシアパタイト及び非晶質のハイドロキシアパタイトを「アモルファスハイドロキシアパタイト」と称する。)。なお、「低結晶性」とは、X線回折ピークが、高結晶性の粉体に比べてブロードな結晶質のものをいい、「非晶質」とは、X線回折パターンが幅広いハローを示し、結晶の特徴を示す回折パターンが得られないものをいう。このようなアモルファスハイドロキシアパタイトは、例えば、前記湿式合成法により合成したアパタイトを凍結乾燥若しくは100℃以下の温度で乾燥し、又は300℃程度以下の温度で焼成して得ることができる。
【0018】
本発明のハイドロキシアパタイトとしては、粉末状であることが好ましく、最大粒径が150μm以下の粉末であることがより好ましく、60μm以下の粉末であることがさらに好ましく、10μm以下であることが特に好ましい。製造上の点から、最大粒径の下限は、0.1μmである。なお、通常用いられる粉末状ハイドロキシアパタイトのBET法による比表面積は、100m/g以下程度である。また、必要に応じて、粉末化後に、乾燥処理、多孔化処理、静電処理等を施してもよい。
【0019】
また、本発明のユビキノンとしては、例えば、コエンザイムQ10、コエンザイムQ9、コエンザイムQ8、コエンザイムQ7等が挙げられ、コエンザイムQ10が好ましい。これらのユビキノンは、生物(微生物)から抽出したものであってもよいし、合成法、発酵法で得られたものであってもよい。本発明のユビキノンは、ハイドロキシアパタイト同様、粉末状であることが好ましい。
【0020】
本発明のユビキノン含有組成物は、ハイドロキシアパタイト粉末とユビキノン粉末とを用いて製造したものであることが好ましい。例えば、ハイドロキシアパタイト粉末とユビキノン粉末とを、必要に応じて添加剤を添加し、混合することにより製造することができる。混合方法としては、乾式混合法、湿式混合法を挙げることができ、ユビキノンの熱安定性、保存安定性をより高めることができる点から、乾式混合が好ましい。湿式混合としては、具体的に、粉末が湿る程度の液体(水)を加えて混合する方法、粉末の懸濁液を調製して混合する方法等を挙げることができる。また、熱安定性、保存安定性をさらに高めることができる点から、ユビキノンの融点を超える温度に加熱してユビキノンを溶融させて混合することが好ましい。ユビキノンの融点は低いので、容易に溶融させることができる。なお、湿式混合の場合、乾燥後、必要に応じて粉砕することができる。乾燥方法としては、凍結乾燥、噴霧乾燥、低温送風乾燥、自然乾燥等を挙げることができ、ユビキノンの融点よりも低い温度で行うことが好ましい。
【0021】
ハイドロキシアパタイト粉末及びユビキノン粉末の混合方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ハイブリダイザー等の高速撹拌機、磨砕機を用いた方法や、高速気流中衝撃法等の機械的エネルギーによる方法を挙げることができる。また、溶液中で混合する場合、例えば、ホモジナイザーや、ビーズミル等の機械的エネルギーにより混合することができる。
【0022】
本発明のユビキノン含有組成物の形態としては、粉末状、顆粒状、錠剤状、カプセル状等特に制限されないが、容易に食品等に配合することができるように粉末状であることが好ましい。
【0023】
本発明のユビキノン含有組成物は、経口剤、塗布剤、注射剤等の医薬品、健康食品、菓子類、飲料等の食品、保湿クリーム、化粧水等の化粧品、歯磨剤等に適用することができ、製造過程のいずれの過程に添加してもよい。
【0024】
また、本発明のユビキノン安定化剤としては、ハイドロキシアパタイトを有効成分とするものであれば特に制限されるものではなく、賦形剤等の他の成分を含有していてもよく、有効成分としてのハイドロキシアパタイト及び安定化させることができるユビキノンは、上記本発明のユビキノン含有組成物におけるものと同様であり、その配合量、配合方法(混合方法)も上記と同様である。本発明のユビキノン安定化剤は、微量の添加量であっても、有効にユビキノンの熱安定性、保存安定性を向上させることができる。また、本発明のユビキノン安定化剤を用いて、本発明のユビキノン含有組成物を製造することができる。
【0025】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。なお、%は、特に断りがない限り重量%を表す。
【実施例】
【0026】
(アモルファスハイドロキシアパタイトの調製)
撹拌している水酸化カルシウム溶液中に、リン酸塩溶液を滴下し、析出する生成物を採取し、100℃以下で送風乾燥することによりアモルファスハイドロキシアパタイトを得た。
(結晶性ハイドロキシアパタイトの調製)
上記で得られたアモルファスハイドロキシアパタイトの一部を空気中にて800℃、2時間焼成して、結晶性ハイドロキシアパタイトを得た。
(コエンザイムQ10)
「Coenzyme Q10」(コスモバイオ株式会社)を使用した。
(ユビキノン含有組成物の製造)
[実施例1]
ハイスピードミキサーで最大粒径150μm以下に解砕したアモルファスハイドロキシアパタイトと、コエンザイムQ10粉末をボールミルで混合し、ハイドロキシアパタイトとコエンザイムQ10の混合粉末を得た。コエンザイムQ10に対するハイドロキシアパタイトの量が、1%(実施例1−1)、10%(実施例1−2)、100%(実施例1−3)、1000%(実施例1−4)の4種類のコエンザイムQ10含有組成物を製造した。
【0027】
[実施例2]
ボールミルで最大粒径60μm以下に粉砕したアモルファスハイドロキシアパタイトと、コエンザイムQ10粉末を精製水に添加して、ホモジナイザーで懸濁液を調整し、50℃の送風で乾燥して、ハイドロキシアパタイトとコエンザイムQ10の混合粉末を得た。コエンザイムQ10に対するハイドロキシアパタイトの量が、1%(実施例2−1)、10%(実施例2−2)、100%(実施例2−3)、1000%(実施例2−4)の4種類のコエンザイムQ10組成物を製造した。
【0028】
[実施例3]
ジェットミル(Co-Jetシステムα-mkII 株式会社セイシン企業製)で最大粒径10μm以下に粉砕したアモルファスハイドロキシアパタイトと、コエンザイムQ10粉末を精製水に添加して、撹拌機で撹拌しながら、溶液の温度を60℃に温め、懸濁液を調製し、この懸濁液を50℃の送風で乾燥して、ハイドロキシアパタイトとコエンザイムQ10の混合粉末を得た。コエンザイムQ10に対するハイドロキシアパタイトの量が、1%(実施例3−1)、10%(実施例3−2)、100%(実施例3−3)、1000%(実施例3−4)の4種類のコエンザイムQ10組成物を製造した。
【0029】
上記実施例1−1〜実施例3−4のコエンザイムQ10含有組成物におけるハイドロキシアパタイトの配合量をまとめたものを下記表1に示す。
【0030】
【表1】

【0031】
[実施例4]
アモルファスハイドロキシアパタイトを結晶質ハイドロキシアパタイトとする以外は、実施例3と同様にして、ハイドロキシアパタイトとコエンザイムQ10の混合粉末を得た。コエンザイムQ10に対するハイドロキシアパタイトの量が、1%(実施例4−1)、10%(実施例4−2)、100%(実施例4−3)、1000%(実施例4−4)の4種類のコエンザイムQ10組成物を製造した。
【0032】
[比較例1]
アモルファスハイドロキシアパタイトをリン酸三カルシウム(食品添加物 リン酸三カルシウム:純正化学株式会社)とする以外は、実施例3と同様にして、リン酸三カルシウムとコエンザイムQ10の混合粉末を得た。コエンザイムQ10に対するリン酸三カルシウムの量が、1%(比較例1−1)、10%(比較例1−2)、100%(比較例1−3)、1000%(比較例1−4)の4種類のコエンザイムQ10組成物を製造した。
【0033】
[試験例1]
実施例1−1〜実施例4−4、及び比較例1−1〜1−4のコエンザイムQ10含有組成物を赤外線水分計で、室温から100℃まで徐々に温度を上げて各試料の溶解状態と、色の変化を目視で確認した。また、コエンザイムQ10粉末についても同様の試験を行なった(比較例2)。
【0034】
【表2】

【0035】
上記の試験結果より、ハイドロキシアパタイトを混合したコエンザイムQ10含有組成物は、熱による溶解、赤班の発生が起こり難く、熱安定性に優れた組成物であることがわかる。
【0036】
(ユビキノン含有組成物を配合した医薬品、食品、化粧品、歯磨剤)
[実施例5,6]医薬品(食品)
下記表3に示される成分のコエンザイムQ10製剤(錠剤)を常法により製造した。実施例5は、実施例1−1の組成物を混合した例であり、実施例6は、コエンザイムQ10及びハイドロキシアパタイトを直接混合した例である。
【0037】
【表3】

【0038】
[実施例7,8]食品
下記表4に示される成分のチューインガムを常法により製造した。実施例7は、実施例2−2の組成物を混合した例であり、実施例8は、コエンザイムQ10及びハイドロキシアパタイトを直接混合した例である。
【0039】
【表4】

【0040】
[実施例9,10]化粧品
下記表5に示される成分の保湿クリームを常法により製造した。実施例9は、実施例3−3の組成物を混合した例であり、実施例10は、コエンザイムQ10及びハイドロキシアパタイトを直接混合した例である。
【0041】
【表5】

【0042】
[実施例11,12]歯磨剤
下記表6に示される成分の歯磨剤を常法により製造した。実施例11は、実施例3−4の組成物を混合した例であり、実施例12は、コエンザイムQ10及びハイドロキシアパタイトを直接混合した例である。
【0043】
【表6】

【0044】
[試験例2]
実施例5〜12、及び比較例3〜6の各試料を40℃で3ヶ月間保存し、開始時及び3ヵ月後のコエンザイムQ10の量を測定した。開始時を100%とし、3ヵ月後の残存率(%)を算出した。その結果を表7に示す。
【0045】
【表7】

【0046】
上記の試験結果より、ハイドロキシアパタイトを配合した医薬品、食品、化粧品、口腔組成物は、コエンザイムQ10の保存安定性に優れ、さらに、コエンザイムQ10含有ハイドロキシアパタイト組成物を配合した医薬品、食品、化粧品、口腔組成物は、コエンザイムQ10の保存安定性により優れていることが明らかになった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユビキノンとハイドロキシアパタイトとを含有することを特徴とするユビキノン含有組成物。
【請求項2】
ハイドロキシアパタイトが、ユビキノンに対して、1重量%以上含有されていることを特徴とする請求項1に記載のユビキノン含有組成物。
【請求項3】
ユビキノンが、コエンザイムQ10であることを特徴とする請求項1又は2に記載のユビキノン含有組成物。
【請求項4】
ハイドロキシアパタイトが、低結晶性又は非晶質のハイドロキシアパタイトであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のユビキノン含有組成物。
【請求項5】
粉末状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のユビキノン含有組成物。
【請求項6】
ユビキノン粉末とハイドロキシアパタイト粉末とを用いて製造したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のユビキノン含有組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のユビキノン含有組成物を含むことを特徴とする医薬品。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載のユビキノン含有組成物を含むことを特徴とする食品。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれかに記載のユビキノン含有組成物を含むことを特徴とする化粧品。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれかに記載のユビキノン含有組成物を含むことを特徴とする歯磨剤。
【請求項11】
ハイドロキシアパタイトを有効成分とすることを特徴とするユビキノン安定化剤。
【請求項12】
粉末状であることを特徴とする請求項11に記載のユビキノン安定化剤。
【請求項13】
コエンザイムQ10の安定化を図ることを特徴とする請求項11又は12に記載のユビキノン安定化剤。

【公開番号】特開2007−161640(P2007−161640A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−359589(P2005−359589)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(000130776)株式会社サンギ (17)
【Fターム(参考)】