説明

ユーザーの移動に適応可能な交通情報

交通情報サービスのユーザーにユーザーの移動に適応できる交通情報を提供するシステム、方法及びコンピューター可読媒体が記述される。出発位置及び出発時間などのユーザーの始点の情報が識別される。ユーザーの始点の情報を識別する際、複数の距離区分終点におけるユーザーの予定到着時間が決定される。ユーザーの移動に適応できる交通情報が出力される。交通情報は移動時間、交通流、交通イベントに関係してもよい。ユーザーは、パソコン、携帯ナビゲーションシステム、電話などのような複数の通信装置によって交通情報を受け取ってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーの移動に適応可能な交通情報の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
交通情報サービスは、ユーザーが現在の移動状況に基づいて移動の決定を行うことを可能にする。 例えば、交通情報サービスは、表示された各々の道路区分についての最も最近に識別された交通状況を表す色分けされた道路区分を備えた地図を表示することができる。交通情報サービスは、最近の移動状況に基づく推定される移動時間をユーザーに提供することもできるし、交通事故、工事などの最新の交通イベントをユーザーに提供することもできる。そのようなサービスはユーザーに最も最近の利用可能な交通情報を提供することができるが、予測的な交通情報を提供することはない。
【0003】
今日、予測的な交通情報が望まれる結果として、より高度な交通情報サービスが交通予測を組込むように発展している。交通予測は、特定の将来の事例に関係する交通情報をユーザーに提供する。しかし、既存の予測的な交通情報サービスは、特定の時間に基づいて交通を単に予測するにすぎない。例えば、午前8:00の予測的な交通情報を要求するユーザーは、すべての道路区分について、午前8:00において予期される交通状況を表示する地図を受け取る。
【0004】
しかし、時間内の1枚のスナップ写真についての静的な予測情報は、全移動経路に対して有効でないかもしれず、従って、ユーザーが情報に基づく移動決定を下すのを妨げ得る。例えば、ユーザーは時刻Aにおいて予測された交通を決定するために、出発に先立って、予測的な交通情報サービスを利用するかもしれない。ユーザーが移動を開始する際、時刻Aにおいて、出発地から目的地まで、経路の開始についての予測的な情報は正確かもしれない。しかし、経路の残りはユーザーの移動時間により無効になり得る(例えば、時刻Bにおいて、ユーザーは、時刻Aにおいて正常な交通の流れを有しているとして表示された、ボトルネックとなったハイウェイに近づくかもしれない)。適応できない移動情報の結果、ユーザーは、時刻Aにおいてハイウェイについて予測された正常な交通流に基づいて移動経路を計画することはできるが、ユーザーがハイウェイに接近した時刻Bにおいては、交通はもはや動いていなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存の予測的な交通情報サービスでは、ユーザーの移動に適合し全経路に対して有効である予測的な交通情報をユーザーが受け取るために、ユーザーは、経路に沿った多数の位置に到着する時刻を推定して、識別された位置に関係し推定された到着時刻に対応する交通情報を検索しなければならない。そのような推定は間違いを起こしやすく、ユーザーに不正確な情報をもたらし得る。さらに、多数の位置について到着時刻を推定すること及び対応する交通情報を検索することは、退屈であるし時間を浪費するものである。従って、交通情報サービスのユーザーは、簡単に得られる正確な交通情報を提供されない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この概要は、詳細な説明においてさらに以下に述べられる概念の選択を単純化された形式で紹介するために提供される。この概要は、特許請求された主題の主な特徴や不可欠な特徴を特定するようには意図されず、特許請求された主題の範囲の決定における助けとして使用されることも意図されない。
【0007】
以下に述べられた実施例は、交通情報サービスのユーザーに、当該ユーザーの移動に適応できる交通情報を提供することに関する。出発地及び出発時間などのユーザーの始点の情報が識別される。ユーザーの始点の情報を識別すると、複数の距離区分の終点における予定到着時間が決定される。ユーザーの移動に適応できる交通情報が出力される。交通情報は、移動時間、交通流、交通イベントなどに関係してもよい。ユーザーは、パソコン、携帯ナビゲーションシステム、電話などのような複数の通信装置によって交通情報を受け取ってもよい。
【0008】
実施例は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例の実施に際して使用される計算機システム環境のブロック図である。
【図2】実施例の実施に際して使用されるネットワーキング環境のブロック図である。
【図3】実施例による、ユーザーの移動に従って交通情報を適応させるための例示的なシステムを説明する図である。
【図4】実施例による、交通情報サービスのユーザーに交通情報を提供する例示的な方法を説明するフロー図である。
【図5】実施例による例示的なデータ貯蔵部を説明する表である。
【図6】実施例による交通情報の例示的な表示である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここに記載された主題は、法的要件を満たすために特定性をもって提示されている。しかし、ここでの記載は、本発明の範囲を制限するようには意図されない。そのようなものではなく、特許請求された主題が、他の現在又は将来の技術とともに、異なるステップ又は本明細書に記載のステップに類似するステップの組み合わせを含むように、他の方法で具体化されてもよい。さらに、用語「ステップ」及び/又は「ブロック」は、使用される方法の異なる要素を暗示するように本明細書において使用されてもよいが、これら用語は、個々のステップの順序が明示的に記述されない限り、本明細書において開示された様々なステップ間の如何なる特定の順序も示唆するようには解釈されるべきでない。
【0011】
本発明の実施例は、ユーザーに交通情報を提供するための技術を提供する。一般に、本明細書に記載された実施例は、ユーザーの移動時間に適応できる交通情報をユーザーに提供するためのシステム、方法及びコンピューター可読媒体に関係する。
【0012】
従って、1つの例では、実施例は、ある距離区分及び次の距離区分についての推定される移動完了時間を計算するのに適応する交通情報システムに関連する。交通情報システムは、距離区分を識別するように構成された第1の識別コンポーネント;距離区分を開始する開始時間を識別するように構成された第2の識別コンポーネント;距離区分を完了する推定された終了時間を決定するように構成された第1の決定コンポーネントであって、距離区分を完了する終了時間の推定は、距離区分を開始する開始時間において存在する交通情報を利用することを含む、第1の決定コンポーネント;次の距離区分を識別するように構成された第3の識別コンポーネントであって、当該次の距離区分は、上記距離区分の終点において開始し、当該距離区分を完了する推定された終了時間に等しい次の距離区分を開始する開始時間を有する、第3の識別コンポーネント;及び、上記次の距離区分を完了する推定された終了時間を決定するように構成された第2の決定コンポーネントであって、次の距離区分を完了する終了時間の推定は、当該次の距離区分を開始する開始時間において存在する交通情報を利用することを含む、第2の決定コンポーネントを含む。
【0013】
別の例では、実施例は、第1及び第2の距離区分についての移動完了の推定時間を計算する方法に関連する。当該方法は、第1の距離区分を識別するステップ;第1の距離区分を開始する出発時間を識別するステップ;第1の距離区分を完了する推定された終了時間を決定するステップであって、第1の距離区分を完了する終了時間の推定は第1の距離区分に関係する第1の距離区分を開始する出発時間において存在する交通情報を利用することを含む、決定するステップ;第1の距離区分の終点において開始し、第1の距離区分を完了する推定された終了時間と等しい第2の距離区分を開始する出発時間を有する、第2の距離区分を識別するステップ;及び、第2の距離区分を完了する推定された終了時間を決定するステップであって、当該第2の距離区分を完了する終了時間の推定は、第2の距離区分に関係する第2の距離区分を開始する出発時間において存在する交通情報を利用することを含む、決定するステップとを含む。
【0014】
さらに別の実施例では、実施例は、コンピューター実行可能命令を具体化した1つ以上のコンピューター可読媒体に関する。1つ以上のコンピューター可読媒体は、距離区分を識別するステップ;距離区分を開始する出発時間を識別するステップ;距離区分を完了する推定された終了時間を決定するステップであって、距離区分を完了する終了時間の推定は、距離区分を開始する出発時間に関連し当該距離区分の交通に関連する交通情報を有するデータベースにアクセスすることを含む、決定するステップ;次の距離区分を識別するステップであって、当該次の距離区分は、上記距離区分の終点において開始し、当該距離区分を完了する推定された終了時間に等しい開始のための出発時間を有する、識別するステップ;及び、次の距離区分を完了する推定された終了時間を決定するステップであって、次の距離区分を完了する終了時間の推定は、次の距離区分を開始する出発時間において存在し次の距離区分の交通に関連する交通情報を有するデータベースにアクセスすることを含む、決定するステップを含む。
【0015】
実施例の概観について概説したが、実施例の実施に使用するのに適している例示的な動作環境が以下に述べられる。
初めに図1を参照すると、本発明を実施するための例示的な動作環境が示され、計算装置100として一般に指定されている。計算装置100は適切なコンピューター環境の例に過ぎず、本発明の使用又は機能の範囲に関して如何なる制限も示唆するようには意図されない。また、計算装置100は、説明されるコンポーネントのうちの如何なる1つ又は組み合わせに関連する如何なる依存性や要件を有するものとしても解釈されるべきでない。1つの実施例では、計算装置100はパソコンである。しかし、他の実施例では、計算装置100は、携帯電話、ディジタル電話、携帯情報端末(「PDA」)、携帯ナビゲーションシステム又はコンピューター命令を実行することができる他の装置であってもよい。
【0016】
実施例は、コンピューター又は個人用携帯情報端末、携帯ナビゲーションシステムもしくは他のハンドヘルド装置のような他の機械によって実行されるプログラムモジュールのようなコンピューター実行可能命令を含む計算機コード又は機械使用可能な命令の一般的な状況において述べられてもよい。一般に、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含むプログラムモジュールは、特定のタスクを実行し又は特定の抽象データ型を実施するコードを参照する。実施例は、ハンドヘルド装置、家電、汎用計算機、より専門的な計算装置などを含む様々なシステム構成において実施されてもよい。実施例はまた、通信網によってリンクされる遠隔処理デバイスによってタスクが行なわれる分散コンピューティング環境の中で実施されてもよい。
【0017】
続けて図1を参照すると、計算装置100は、直接又は間接的に次のデバイスを結合するバス110を含んでいる:メモリー112、1以上のプロセッサ114、1以上の表示コンポーネント116、入出力ポート118、入出力コンポーネント120及び実例となる電源122。バス110は、1以上のバス(アドレスバス、データバス又はその組合せなど)であってもよいものを表す。図1の様々なブロックは明瞭さのために線で示されているが、実際には、様々なコンポーネントを表現する線はそれほど明確なものではなく、例えていうと、線はより正確には灰色で不明瞭である。例えば、ディスプレイ装置のような表示コンポーネントをI/Oコンポーネントと考えてもよいかもしれない。さらに、プロセッサはメモリーを有している。我々は、そのようなものが技術の性質であることを認識し、図1の図は、本発明の1つ以上の実施例に関して使用することができる例示的な計算装置の単なる説明であることをここで繰り返しておく。「ワークステーション」、「サーバー」、「ラップトップ」、「ハンドヘルド装置」などのようなカテゴリは、すべてが図1の範囲内にあると考えられ、「計算装置」に言及するものであるので、区別されない。
【0018】
計算装置100は、通常、様々なコンピューター可読媒体を含んでいる。制限ではなく例として、コンピューター可読媒体は、ランダムアクセスメモリー(RAM)、読み取り専用メモリー(ROM)、電子的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュ・メモリーもしくは他のメモリー技術、CDROM、ディジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)又は他の光学媒体もしくはホログラフィー媒体、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、搬送波、又は所望の情報を符号化し計算装置100によってアクセスするために使用することができる他の媒体を含んでもよい。
【0019】
メモリー112は、コンピューター記憶媒体を揮発性及び/又は不揮発性メモリーの形で含んでいる。メモリーは、取り外し可能、取り外し不能又はその組合せである。例示的なハードウェア装置は、固体メモリー、ハードドライブ、光ディスクドライブなどを含んでいる。計算装置100は、メモリー112又はI/Oコンポーネント120のような様々なエンティティからデータを読む1つ以上のプロセッサを含んでいる。表示コンポーネント116は、ユーザー又は他の装置にデータ表示を提示する。例示的な表示コンポーネントは、ディスプレイ装置、スピーカー、印刷コンポーネント、振動コンポーネントなどを含んでいる。
【0020】
I/Oポート118は、計算装置100がI/Oコンポーネント120を含む他のデバイスに論理的に結合されることを可能にし、I/Oコンポーネント120のうちのいくつかは組み込まれてもよい。例となるコンポーネントは、マイクロホン、ジョイスティック、ゲーム・パッド、衛星放送アンテナ、スキャナー、プリンター、ワイヤレス装置などを含んでいる。
【0021】
図2は、実施例の実施で使用されるネットワーキング・アーキテクチャのブロック図を説明する。数字200によって一般に参照されるネットワーキング・アーキテクチャは、ネットワーク206を介して通信するクライアント計算装置202、サーバー204及びデータベース208を含む。ネットワーキング・アーキテクチャ200が1つの適切なネットワーキング環境の例にずぎず、実施例の使用及び機能の範囲に関して如何なる制限も示唆するようには意図されないことは、当業者に理解されるであろう。ネットワーキング・アーキテクチャ200は、ここで説明されるコンポーネントのうち任意の単一のコンポーネント又はその組合せに関連する如何なる依存性又は要件も有するものとして解釈されるべきでない。
【0022】
クライアント計算装置202は、図1を参照して上述された装置100のような任意の種類の計算装置である。制限ではなくほんの一例として、クライアント計算装置202は、パソコン、デスクトップコンピューター、ラップトップ・コンピューター、ハンドヘルド装置、携帯電話、ディジタル電話、PDA、携帯ナビゲーションシステムなどであってもよい。実施例はそのような計算装置上の実施に制限されず、様々な異なる種類の計算装置のうちのいずれにおいて実施されてもよいことに留意すべきである。
【0023】
ネットワーク206は、如何なるコンピューターネットワーク又はその組合せを含んでもよい。ネットワーク206として動作するように構成できるコンピューターネットワークの例は、ワイヤレス・ネットワーク、地上通信線、ケーブル回線、光ファイバー線、LAN、WANなどを含み、これらに制限されない。しかし、ネットワーク206は個別のコンピューターユニットを結合する接続に制限されない。そうではなく、ネットワーク206は、サーバー又は計算装置の間でデータを転送するサブシステムを含んでもよい。例えば、ネットワーク206は、ポイント・ツー・ポイント接続、タン内部システムイーサネット(登録商標)、バックプレーン・バス、電気的なバス、ニューラル・ネット又は他の内部システムを含んでもよい。ネットワーク206がLANネットワーキング環境を含む実施例では、コンポーネントはネットワークインターフェース又はアダプタを介してLANに接続される。ネットワーク206がWANネットワーキング環境を含む実施例では、コンポーネントは、モデム又はWANを介して通信を確立するための他の手段を使用して通信する。ネットワーク206がMANネットワーキング環境を含む実施例では、コンポーネントは、ワイヤレス・インターフェース又は光ファイバ接続を使用して、MANに接続される。そのようなネットワーキング環境は、オフィス、企業規模のコンピューターネットワーク、イントラネット及びインターネットにおいて通常のものである。示されたネットワーク接続が例示的なものであり、コンピューター間の通信リンクを確立するための他の手段が使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0024】
サーバー204は、ここに記述された方法を行なうように構成可能な任意の種類のアプリケーションサーバー、データベースサーバー又はファイルサーバーを含んでもよい。さらに、サーバー204は、専用サーバー又は共有サーバーであってもよい。サーバー204として動作するように構成可能であるサーバーの一例は、ワシントン州レドモンドに本社を置くマイクロソフト(登録商標)株式会社によって開発されたSQLサーバー2005などのサーバー・ソフトウェアを実行する構造化クエリー言語(SQL)サーバーである。
【0025】
サーバー204のコンポーネント(明瞭さのために示されていない)は、演算処理装置、内部システムメモリー、及び、情報(例えば、ファイル及びファイルに関連付けられたメタデータ)を格納するための1つ以上のデータベースを含む様々なシステムコンポーネントを結合するための適切なシステム・バスを含み、これらに制限されない。各サーバーは、通常、様々なコンピューター可読媒体を含むか又はそれらにアクセスする。制限ではなく例として、コンピューター可読媒体は、コンピューター記憶媒体及び通信媒体を含んでもよい。一般に、通信媒体は、各サーバーがネットワーク206によってデータを交換することを可能にする。より具体的には、通信媒体は、コンピューター可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータを、搬送波又は他の搬送機構のような変調データ信号で具体化し、如何なる情報配信媒体をも含み得る。ここで使用されるように、用語「変調データ信号」は、信号中に情報を符号化するような方法で設定又は変更された1つ以上の属性を有する信号を指す。制限ではなく例として、通信媒体は、有線ネットワークもしくは直接的な有線接続などの有線の媒体、及び、音響、RF、赤外線及び他のワイヤレスの媒体などのワイヤレスの媒体を含む。上記のもののうちのいずれかの組合せもまた、コンピューター可読媒体の範囲内に含まれていてもよい。
【0026】
ネットワーキング・アーキテクチャ200が単に例示的であることは当業者に理解されるであろう。サーバー204は単一のボックスとして説明されているが、当業者であれば、サーバー204が拡張可能であることを理解するであろう。例えば、サーバー204は、実際には通信する100のサーバーを含んでいるかもしれない。さらに、データベース208は、サーバー204もしくはクライアント計算装置202内に含まれてもよいし、又はコンピューター記憶媒体として含まれていてもよい。単一ユニットの描写は、明確性のためのものであり、実施例の範囲を如何なる形式でも制限するものではない。
【0027】
動作において、ユーザーは、グラフィカル・ユーザー・インターフェースによってクライアント計算装置202とインタラクトする。1つの実施例では、グラフィカル・ユーザー・インターフェースは、サーバー204上で実行する地図サービスにアクセスするためにウェブ・ブラウザーを利用する。例示的な地図サービスは、マイクロソフト・ウィンドウズ・ライブ(登録商標)及びTraffic.com(登録商標)を含む。代替的な実施例では、グラフィカル・ユーザー・インターフェースは、クライアント計算装置202上で実行するアプリケーションを介して地図サービスにアクセスする。例えば、地図サービスは、マイクロソフト(登録商標)・ストリート及び移動2007のようなアプリケーションに組み入れられてもよい。
【0028】
実施例において、地図サービスは、クライアント計算装置202とサーバー204との間の相互運用可能なマシン同士の通信をサポートするように構成されたウェブ・サービスである。代替的な実施例では、地図サービスは、データベース208にアクセスするように構成可能なアプリケーション・プログラミング・インターフェース(「API」)を含んでいる。そのようなAPIの例は、アクティブ・データ・オブジェクト(「ADO」)、リモート・データ・オブジェクト(「RDO」)などを含み、これらに制限されない。
【0029】
図3は、1人以上のユーザーに適応できる予測的な交通情報の提供のための例示的なシステムを説明する。ユーザーは、識別された時間及び位置の近くの個別の通勤者又は集められた複数の通勤者であってもよい。例えば、ユーザーは、2007年1月28日の午前8:15ごろに出口22のそばを運転する複数の通勤者とすることができる。
【0030】
図3に示されるように、例示的なコンピューター・システム300は、識別コンポーネント302、決定コンポーネント312、計算コンポーネント318及び出力コンポーネント320を含む。コンピューター・システム300は、サーバー204、クライアント計算装置202又はその組合せにおいて存在してもよい。
【0031】
識別コンポーネント302は、適用可能で望まれる場合、ユーザーの予定出発時間及びユーザーの予定出発位置を含む始点の情報並びに目的地情報を識別する。1つの実施例では、識別コンポーネント302は、時間コンポーネント304、出発コンポーネント306、目的地コンポーネント308、及び所望出力コンポーネント310を含む。時間コンポーネント304、出発コンポーネント306、目的地コンポーネント308及び所望出力コンポーネント310が図3において4つの別個のコンポーネントとして示されるが、当業者であれば、これらコンポーネントが拡張可能であり、実際には単一のコンポーネント又は複数のコンポーネントへと組み合わせられてもよいことを理解するであろう。
【0032】
時間コンポーネント304は、ユーザーの予定出発時間を識別する。ユーザーの予定出発時間は、ユーザーの入力、デフォルトの量(default measure)、ユーザーのアクセス履歴又は例えば車両の点火開始時間を識別するように構成された装置などの他の出発時間識別機構に基づいて識別されてもよい。ユーザーの入力に基づいた予定出発時間は、ユーザー又はキーボードもしくは音声を介した入力によって選択された時間を含んでもよい。デフォルトの量に基づいた予定出発時間は、現在時刻、ユーザーが交通情報システムにアクセスする時間又は交通情報もしくは最初のシステム・アクセスについてのユーザーの要求に続く特定の時間(例えば、交通情報システムにログインした後5分)を含んでもよい。交通情報もしくは最初のシステム・アクセスについてのユーザーの要求に続く特定の時間は、ユーザー入力、システム・プロバイダーの入力又はアルゴリズムに基づいてもよい。ユーザーのアクセス履歴に基づいた予定出発時間は、最も最近のシステム・アクセス、又は、例えば、ユーザーのログイン時間、ユーザーのログオフ時間、ユーザーの現在位置及びユーザーの目的地などのユーザーの詳細を含むように構成されたアルゴリズムによって決定されてもよい。
【0033】
出発コンポーネント306はユーザーの予期される出発位置を識別する。ユーザーの予期される出発位置は、ユーザーの入力、デフォルトの量、ユーザーのアクセス履歴、IPアドレス等のネットワークインフラ又は例えばユーザーの位置又は車両の位置を識別するように構成された装置(例えば、携帯ナビゲーションシステム)等の他の出発時間識別機構に基づいて識別することができる。時間コンポーネント304と同様に、ユーザーの入力に基づく予期される出発位置は、(ドロップダウン・メニューを使用したり地図上で位置を選択したりするなどして)ユーザーによって選択された位置や、キーボードもしくは音声を介したアドレス、座標、交差点などに関係する入力により選択された位置を含んでもよい。デフォルトの量に基づいた予期される出発位置は、家の位置、オフィスの位置、車両の位置又はユーザーの位置等の交通情報システムを利用する装置のデフォルトの位置を含んでもよい。ユーザーのアクセス履歴に基づいた予期される出発位置は、最も最近のシステム・アクセス位置、又は、例えばユーザーの現在の位置及びユーザーの目的地を等のユーザーの詳細を含むように構成されたアルゴリズムによって決定されてもよい。
【0034】
目的地コンポーネント308は、ユーザーの予期される目的位置を識別する。例えば、予期される目的位置は、ユーザーが移動を終えることを望む最終地である。ユーザーの予期される目的位置は、ユーザーの入力、デフォルトの量又はユーザーのアクセス履歴に基づいて識別されてもよい。ユーザーの入力に基づく予期される目的位置は、(ドロップダウン・メニューを使用したり地図上で位置を選択したりするなどして)ユーザーによって選択された目的位置や、キーボードもしくは音声を介したアドレス、座標、交差点などに関係する入力によって選択された目的位置を含んでもよい。デフォルトの量に基づいた予期される目的位置は、ユーザーの仕事用のアドレス、家のアドレス又は他のよく行く場所のデフォルトの位置を含んでもよい。ユーザーのアクセス履歴に基づいた予期される目的位置は、最も最近識別された目的地又はアルゴリズムによって決定されてもよい。
【0035】
所望出力コンポーネント310は、1つ以上の所望の出力を識別する。所望の出力は、交通流、交通イベント、移動時間又はその組合せに関係する出力を含んでもよい。交通流に関係する出力は、交通がどの程度早く動いているかに言及するものであり、制限速度、通勤者の速度、天候、交通イベント、履歴データなどに少なくとも部分的に基づいてもよい。交通イベントに関係する出力は、交通事故、工事、地域社会活動、履歴上の出来事などに基づいてもよい。ユーザーの移動時間に関係する情報も出力されてもよい。移動時間は、ある距離区分から別の距離区分まで移動するためにユーザーが要する予測される時間、複数の距離区分を移動するためにユーザーが要する予測される時間、又は全行程を移動するためにユーザーが要する予測される時間である。交通流、交通イベント又は移動時間に関係する所望の出力は、さらに、1つ以上の距離区分、1つ以上の道、大都市圏、国などに関係してもよい。距離区分は、道路距離もしくは半径方向距離(radial distance)、所定の道路、所定の道路区分などのような所定の距離であってもよい。1つの実施例では、交通流、交通イベント及び移動時間に関係するすべての情報が望ましい。
【0036】
所望の出力は、ユーザーによって選択もしくは入力されてもよいし、又は、ユーザーの要望に基づいた初期値であってもよい。代替的に、所望の出力は、サービス・プロバイダーによって選択もしくは入力してもよいし、又は、サービス・プロバイダーに基づいた初期値であってもよい。いくつかの実施例では、所望出力コンポーネント310は必要ではない。
【0037】
決定コンポーネント312は、1つ以上の経路を決定し、関連する距離区分を決定するコンポーネントである。1つの実施例では、決定コンポーネント312は、経路コンポーネント314及び距離区分コンポーネント316を含む。経路コンポーネント314及び距離区分コンポーネント316は図3において2つの別個のコンポーネントとして説明されているが、当業者であればこれらのコンポーネントが拡張可能であって実際には単一のコンポーネント又は複数のコンポーネントへ組み合わせられてもよいことを理解するであろう。
【0038】
経路コンポーネント314は1つ以上の経路を決定する。経路は1つ以上の距離区分を含んでいる。距離区分は、道路距離もしくは半径方向距離、所定の道路、所定の道路区分などの所定の距離であってもよい。いくつかの例では、1つ以上の経路が、識別された出発位置及び識別された目的位置に基づいて、又は、識別された出発位置及び1つ以上の特定の距離区分もしくは1つ以上の特定の道に関係する識別された所望の出力に基づいて決定されてもよい。最短距離経路、最短時間経路、ユーザーにとって好ましい経路などの複数の経路が、個々の特定の目的位置、距離区分又は道路について存在するかもしれない。又は、所定の数(例えば1つ)の経路が個々の特定の目的位置、距離区分又は道路について存在するように、ユーザー又はサービス・プロバイダーの設定初期値が存在してもよい。
【0039】
他の例では、1つ以上の経路が、識別された出発位置及び大都市圏などに関係する識別された所望の出力に基づいて決定されてもよい。そのような場合には、目的位置を識別する必要はなく、すべての主要な道路又はすべての距離区分さえにも関係する交通情報が表示されてもよい。交通情報は周辺に関連して所望されるが、システムは、ユーザーの移動に適応できる交通情報をユーザーに提供するために複数の経路を決定する。
【0040】
1つの実施例では、経路は、各距離区分への最短距離又は各距離区分への最短時間に基づいて決定されてもよい。例えば、図6を参照して、ユーザーの元の位置がポイントOであると仮定する。大都市圏に関連する交通情報の提供のために経路を決定するために、システムは、ユーザーが距離区分Aの終点に到着するために距離区分Aを移動すると仮定してもよい。距離区分Aの終点において、システムは、さらに、ユーザーが距離区分Bの終点に到着するために距離区分Bを移動するのであって、同じポイントに到達するために距離区分D、E及びFを移動するのではないことを仮定する。距離区分Bの終点において、システムは、ユーザーが距離区分Cの終点に到達するために距離区分Cを移動するのであって、同じポイントに到達するために距離区分B、D、E、F及びCを移動するのではないことを仮定する。同様に、距離区分Bの終点において、システムは、さらに、ユーザーが距離区分Fの終点に到達するために距離区分Fを移動するのであって、同じポイントに到達するために距離区分B、D及びEを移動するのではないことを仮定する。従って、システムは、1つの経路が距離区分A、B及びCを含み、別の経路が距離区分A、B及びFを含むことを決定する。
【0041】
距離区分コンポーネント316は、経路についての関連する距離区分を決定する。関連する距離区分の決定は、分析された距離区分の数を低減することにより交通情報システムの効率を増加することができる。関連する距離区分は、所望出力コンポーネント310によって識別された所望の出力、目的位置コンポーネント308によって識別された目的位置又はその組合せに基づいて決定することができる。
【0042】
予期された交通流情報が所望の出力である実施例では、関連する距離区分は、例えば、減速された運転速度、交通イベント、天候等により交通流の変更が引き起こされた交通情報又は距離区分をユーザーが所望する距離区分を含んでもよい。そのような場合、関連する距離区分は、指定又は変更された距離区分に到着するために移動され得る所定の経路上の少なくとも1つの距離区分を含んでもよい。又は、関連する距離区分は、全区域に関係する交通流情報が望まれる場合における周辺の距離区分をすべて含んでもよい。
【0043】
交通イベント情報が所望の出力である実施例では、関連する距離区分は、例えば交通事故、工事、地域社会活動などの既知の予期された交通イベントによって影響を受ける距離区分を含んでもよい。そのような場合、関連する距離区分は、既知の又は予期された交通イベントによって影響を受ける距離区分に到着するために移動し得る所定の経路上の少なくとも1つの距離区分を含んでもよい。又は、関連する距離区分は、全区域に関係する交通イベント情報が望まれる場合における周辺の距離区分をすべて含んでもよい。
【0044】
移動時間が所望の出力である実施例では、関連する距離区分は、目的地に到達するためにユーザーが移動し得る選択された数の経路上の任意の距離区分、又は、目的地に到達するためにユーザーが移動し得る最短距離経路、最短時間経路等の特定の経路上の任意の距離区分を含んでもよい。又は、関連する距離区分は、区域内のすべての距離区分についての移動時間が望まれる場合における周辺の距離区分をすべて含んでもよい。
【0045】
計算コンポーネント318は、複数の関連する距離区分終点についての予定到着時間を計算する。道路等の区域は、区分(すなわち、距離区分)に分割されて、より正確な交通情報出力を提供してもよい。前に述べたように、距離区分は、道路距離もしくは半径方向距離、道路、道路区分又はそれらの組合せのような所定の距離であってもよい。距離区分終点は、距離区分の終点に達するときにユーザーが到着する位置である。
【0046】
各距離区分終点にユーザーが到着する予定時間を計算するために多数の方法を利用できる。1つの実施例では、地理的参照システムを使用して、距離区分終点への予定到着時間を計算してもよい。当業者であれば、この方法が、出発位置又は他の位置から道路区分終点までの半径方向距離及び仮定される名目上の移動速度を組み込むことを理解するであろう。別の実施例では、経路指定エンジンが、ユーザーの経路に基づいて距離区分終点にユーザーが到着すると予想される最も早い時間を計算するために使用されてもよい。地理的参照システムの実施例又は経路指定エンジンの実施例のいずれかにおいて、各距離区分終点へのユーザーの予定到着時間は、予期される移動時間を有するデータベースから情報を検索することにより少なくとも部分的に決定されてもよい。
【0047】
より高度且つより正確な実施例では、交通流及び交通イベントのような交通状況は、距離区分終点へのユーザーの予定到着時間を計算するために利用されてもよい。そのような場合、予期された始点の情報を識別する際、距離区分終点の予定到着時間を計算するために、関心のある距離区分上の予定移動時間と同様に前の距離区分終点の予定到着時間も決定される。従って、距離区分終点の予定到着時間の計算は、出発位置に最も近い距離区分から始まり、予定移動時間における距離区分の移動状況に依存する。説明のため、図5を参照し、区分1が、例えば家などの出発位置に最も近い距離区分であり、ユーザーは8:00に家を出発したと仮定する。ユーザーは、6分間距離区分1上を進み、8:06に距離区分1の終点に到着すると予想される。ユーザーは8:06に距離区分1の終点に到着すると予想されるので、ユーザーは8:06に距離区分2を開始するとも予想される。ユーザーは距離区分2を7分間移動し、したがって8:13に距離区分2の終点に到着すると予想される。8:31に距離区分5の終点に位置する目的地にユーザーが到着するまで、この手順は継続する。
【0048】
高度な実施例に関して、例えば交通流、交通イベント及び履歴上の交通情報などの多数の要因が、特定の時間における特定の距離区分上でのユーザーの予定移動時間を決定することに含まれ得る。交通流は、通勤者が道路区分上を運転する速度を含んでもよく、制限速度、道路の種類、天候状況、特別区域(例えば、通学路)及び交通イベントを含んでもよい。交通イベントは、とりわけ、交通事故、道路工事、スポーツイベントなどの地域イベントなどを含んでいる。1つの実施例では、特定の時間における特定の距離区分上のユーザーの予定移動時間は、予期される交通状況を有するデータベースから交通状況情報を検索することにより決定されてもよい。
【0049】
ユーザーは、指定された目的地への経路又は指定された距離区分もしくは道路への経路と関係する交通状況又は移動時間の情報を要求する。そのような場合、目的地は目的地コンポーネント308において識別することができ、コンピューター・システムは、上述の3つの方法(すなわち、地理的な参照システム、経路指定エンジン、又は予測される交通状況)のうちの1つを利用して、各経路上での各距離区分の終点へのユーザーの予定到着時間を計算する。交通流や交通イベントのような交通情報は、前の距離区分終点についての予定到着時間に基づいて各距離区分に関係して出力することができる。さらに、各距離区分終点についての到着時間は、ユーザーの移動に適応できる予定移動時間を達成するために合計することができる。1つ以上の移動時間が経路の数に依存して計算され得る。
【0050】
代替的に、ユーザーは、大都市圏又は他の周辺に関係する交通情報を要求する。そのような場合、目的位置を識別する必要はなく、すべてのハイウェイ又はすべての距離区分にまで関係する交通情報が表示されてもよい。区分経路終点における到着時間を計算するために、システムは、経路コンポーネント314において決定される複数の経路に依存する。コンピューター・システムは、上述の3つの方法(すなわち、地理的な参照システム、経路指定エンジン、又は予測される交通状況)のうちの1つを利用して、所定の経路上の各距離区分終点へのユーザーの予定到着時間を計算する。例えば図6を参照して、ユーザーの初めの位置がポイントOであり、大都市圏に関係する情報が所望の出力であると仮定する。システムは、距離区分Aの終点への予定到着時間を計算する。 距離区分Aの終点における予定到着時間に基づいて、距離区分B及びDについての交通情報がその時間に準じて出力される。距離区分Bの終点における予定到着時間に基づいて、距離区分C及びFについての交通情報が計算された時間に準じて出力される。例えば、距離区分Bの終点における予定到着時間に基づいて、区分Cについての交通流が、当該区分の第1の部分について時速25−45マイルとして表示され、距離区分Cの最終部分について時速0−25マイルへと変化する。
【0051】
大都市圏についての交通流及び交通イベント情報の表示に加えて、たとえ目的地が指定されなくても、各距離区分の終点における計算された予定到着時間に基づいて、移動時間も表示されてもよい。1つの例では、地図が距離区分終点においてシンボルを表示してもよく、ユーザーの出発位置から距離区分終点までの移動時間が表示されるように、ユーザーは当該シンボルを選択してもよい。
【0052】
出力コンポーネント320は、交通流、交通イベント、移動時間又はその組合せに関係する交通情報を出力する。サーバー上に存在する出力コンポーネント320は、クライアント計算装置100のようなクライアント計算装置に対して交通情報を出力する。クライアント・コンピューター上に存在する出力コンポーネント320は、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)を介して交通情報をユーザーに対して出力する。出力コンポーネント316は、所望出力コンポーネント310によって識別された所望の出力に準じて、出力する交通情報を決定してもよい。
【0053】
出力コンポーネント316による交通情報出力は、特定の交通情報を修正、表示又は削除することに帰着し得る。例えば、交通イベントに関して、交通事故の重大性はその事故の予測される進展に基づいて調整されてもよい(例えば、取り除かれつつある事故は、ユーザーが到着する時刻までに完全に除去されるかもしれず、従って、評価を下げたり取り除いたりしてもよい。他方、それがユーザーが到着すると予想される時までに関連することになる場合(例えば、予定された道路整備)、その新しい出来事が表示されてもよい。
【0054】
交通流に関係する交通情報が出力されてもよい。交通流は、制限速度、通勤者の速度、天候、交通イベント及び履歴データに少なくとも部分的に基づいてもよい。交通流は、様々な方法でグラフィカルに表わされてもよい。例えば、交通流は、異なる交通流を示すために単に異なる道路区分の色を利用することにより、地図上でグラフィカルに描かれてもよい。様々な道路区分の色は、例えば、分類された速度又は速度の低下を示すために使用されてもよい(例えば、赤い道路区分は動いていない交通又は時速0〜25マイルの速度で移動する交通を示し、黄色の道路区分は低下した速度で移動する交通又は時速25〜45マイルの速度で移動する交通を示し、緑の道路区分は自由に流れる交通又は時速45マイルを超える速度で移動する交通を示す)。又は、交通流は、実線、破線又は点線等の異なる表示フォーマットを使用することにより、地図上でグラフィカルに描かれてもよい。図6は、グラフィカルに描かれた交通流の表示を提供する。交通流は、値、テキスト又はシンボル表現によって記述されてもよい。例えば、(1〜10の尺度での)10という値、「極めて優れている」という言葉又は4つの星は、交通が時速45マイルを超える速度で自由に流れたり移動したりしていることを表してもよい。当業者であれば、様々な交通流の状況を区別するために、様々な異なるグラフィック表現、数値表現、テキスト表現又はシンボル表現を使用できることを理解するであろう。交通流がグラフィカルに、定量的に、テキスト的に又はシンボル的に描かれようと、交通流は、1つ以上の特定の距離区分、特定の道路、特定の経路、大都市圏の道路及び国の道路に関連し得る。
【0055】
別の実施例では、交通イベントが出力されてもよい。交通イベントは、交通事故、工事、地域社会活動及び履歴上の出来事を含んでもよい。交通イベントもまた、当該交通イベントの近くの地図表示上に配置されたアイコンなどのグラフィカルな描写によって出力されてもよい。図6は、グラフィカルに描かれた交通イベントの表示を提供する。交通のイベントもまた、数値表現及びテキスト表現によって記述されてもよい。例えば、(1〜10の尺度での)5という値又は「工事」という言葉は、道路区分上の工事が交通を遅らせていることを表してもよい。更に、例えば重大性のレベル、位置、記述、開始時間及び推定される終了時間の交通イベントに関係する詳細もまた出力されてもよい。当業者であれば、様々な交通イベントを区別するために、様々な異なるグラフィック表現、数値表現及びテキスト表現が使用されてもよいことを理解するであろう。交通イベントがグラフィカルに、定量的に又はテキスト的にに描かれようと、交通の詳細の出力は、1つ以上の特定の距離区分、特定の道路、特定の経路、大都市圏の道路及び国の道路等に関連し得る。
【0056】
さらに別の実施例では、ユーザーの計算された移動時間が出力されてもよい。移動時間は、ある距離区分から別の距離区分まで移動するためにユーザーがとる予測される時間、複数の距離区分を移動するためにユーザーがとる予測される時間、又は全行程を移動するためにユーザーがとる予測される時間である。移動時間もまた、グラフィカルな描写、値、テキストなどによって出力されてもよい。例えば、5という値、「5分」という言葉又は2つの星は、およそ5分の移動時間又は比較的短い移動時間を表わしてもよい。当業者であれば、様々な移動時間を区別するために様々な異なるグラフィック表現、数値表現又はテキスト表現が使用されてもよいことを理解するであろう。
【0057】
1つの例では、ユーザーの移動時間を出力するために目的地コンポーネント308によって目的地が識別されてもよい。各道路区分終点についての到着時間は、ユーザーの移動に適応できる予定移動時間を達成するために合計されてもよい。1つ以上の到着時間が、経路の数に依存して計算されてもよい。他の実施例では、目的地コンポーネント308によって目的地を識別する必要はない。そのような場合、目的地が識別されないので、道路区分終点への到着時間の計算は、目的地が存在しない場合に交通流情報を出力するために道路区分終点における到着時間を計算するために使用できる方法に類似した方法で行なわれてもよい。1つの例では、地図は道路区分終点又は選択された道路区分終点においてシンボルを表示してもよく、ユーザーの出発位置から道路区分終点までの移動時間が表示されるように、ユーザーはシンボルを選択してもよい。
【0058】
図4は、ユーザーの移動時間に適応できる交通情報を提供する例示的な方法400を説明する。最初に、ブロック402において、ユーザーの出発時刻が識別される。ユーザーの予定出発時間は、ユーザーの入力、デフォルトの量、ユーザーのアクセス履歴又は他の出発時間識別手段に基づいて識別される。ブロック404において、ユーザーの出発位置が識別される。ユーザーの予定される出発位置は、ユーザーの入力、デフォルトの量、ユーザーのアクセス履歴又は他の出発時間機構に基づいて識別される。目的位置はブロック406で識別される。当業者であれば、いくつかの実施例においては目的位置を識別する必要がないことを理解するであろう。
【0059】
ブロック408において、所望の出力が識別される。所望の出力は、交通流、交通イベント、移動時間又はその組合せに関係する出力を含み得る。所望の出力は、ユーザー又はサービス・プロバイダーによって入力又は選択されてもよい。ブロック410において経路が決定される。目的位置が識別される実施例又は1つ以上の特定の距離区分もしくは道路に関係する移動時間、交通流又は交通イベントが所望の出力である実施例においては、経路は、所定の終点に到達するために、最短距離、最短時間、ユーザーによって指定された好ましい経路等に基づいてもよい。目的位置が識別されず、所望の出力が大都市圏に関係する実施例では、例えば、経路はアルゴリズムによって決定されてもよい。アルゴリズムは、最短距離又は最短時間の計算を含むように構成されてもよい。
【0060】
関連する距離区分はブロック412で決定される。関連する距離区分は、所望の出力コンポーネント310によって識別された所望の出力、目的位置コンポーネント308によって識別された目的位置又はその組合せに基づいて決定されてもよい。関連する距離区分は、ユーザーにとって関心のある1つ以上の距離区分又は道路、ユーザーにとって関心のある1つ以上の距離区分又は道路への経路上に位置する距離区分、目的位置が識別される経路上の道路区分又は周辺のすべての距離区分を含み得る。
【0061】
ブロック414において、出発位置に最も近い関連する距離区分が決定される。ブロック414で識別された距離区分の終点についての予定到着時間は、ブロック416で計算される。ブロック418では、距離区分終点についての予定到着時間及び任意の関連する交通流又は交通イベントが格納される。例えば図5を参照すると、距離区分1は、出発位置に最も近い距離区分であり、予定される完了時間は8:06であり、交通流は正常であり、当該区分について何ら出来事はない。
【0062】
経路の次の距離区分がブロック422で決定され、前の距離区分終点についての完了時間を利用して、それぞれの距離区分終点についての予定到着時間が、ブロック424で計算される。ブロック426において、距離区分終点についての予定到着時間及び任意の関連する交通流又は交通イベントが格納される。
【0063】
ブロック420において、経路上に距離区分がさらに存在するか否かが決定される。さらに距離区分がある場合、距離区分が所定の経路上にこれ以上存在しなくなるまで、ブロック422〜426が繰り返される。さらなる距離区分が所定の経路に存在しないことが決定されると、ブロック428において、関連する道路区分を有する他の経路が存在するか否かが決定される。そうである場合、関連する道路区分を有する他の経路が存在しなくなるまで、ブロック412〜428が繰り返される。関連する道路区分を有する他の経路がブロック428において存在しない場合、所望の出力交通情報がブロック430において出力される。1つの実施例では、ブロック430において、交通情報がユーザーに提供される。
【0064】
説明のため、図4及び図5を参照すると、ユーザーは午前8:00に出発位置Oで開始し、距離区分5の終点の目的位置を入力する。ブロック408において、ユーザーは、交通イベント、交通流、及び出発位置Oから距離区分5の終点の目的位置への最短距離経路に関係する移動時間を含むように所望の出力を選択する。ブロック410において、経路1、2、3、4、5が決定され、関連する距離区分1、2、3、4及び5がブロック412において決定される。ブロック414において、出発位置に最も接近して位置した距離区分が区分1であることが決定される。区分1についての交通流が正常な交通流を有していると決定され、区分1は交通イベントを有していない。距離区分終点1についての計算された推定到着時間は、区分1の予定された交通状況に基づいて午前8:06である。到着時刻、交通流及び交通イベントを含む交通情報が、ブロック418において格納される。ブロック422において、次の距離区分2が識別される。ブロック424において、区分1の完了時間である8:06における区分2についての交通情報を利用して、距離区分終点2についての予定到着時間が工事による低速な交通流のため午前8:13であることが決定される。交通情報がブロック426において格納される。ブロック420において、経路1、2、3、4及び5においてさらなる距離区分があることが再び決定され、ブロック422において、次の距離区分3が識別される。ブロック424において、8:13における距離区分3について交通情報を利用して、距離区分終点3についての予定到着時間が8:20であること、及び、交通イベントはなく到着時刻8:20において距離区分3について交通流が正常であることが決定される。交通情報がブロック426において格納される。ブロック420において、経路1、2、3、4、5にさらなる距離区分があることが再び決定され、ブロック422において次の距離区分4が識別される。ブロック424において、8:20における区分4についての交通情報を利用して、距離区分終点4についての予定到着時間が午前8:26であること、及び、交通事故のために区分4の交通の流れが到着時刻8:26で遮断されることが決定される。交通情報がブロック426において格納される。ブロック420において、経路1、2、3,4,5にさらなる距離区分があることが再び決定され、ブロック422において次の距離区分5が識別される。ブロック424において、8:26における区分5についての交通情報を利用して、距離区分終点5についての予定到着時間が8:31であること、及び、距離区分5の交通の流れが正常であって到着時刻8:31において交通イベントがないことが決定される。交通情報はブロック426において格納される。
【0065】
ブロック420において、ブロック412において決定された経路上にさらなる関連する距離区分がないことが決定される。ブロック428において、出発位置Oから区分5の終点における目的位置へ移動するために利用できるさらなる経路がないことがさらに決定される。交通の流れ、交通イベント及び移動時間に関係する所望の交通情報がブロック430において出力される。
【0066】
実施例は、ここでは特別の実施例に関して記述されており、あらゆる点で、制限的なものではなく実例となるよう意図されている。本発明がその範囲から逸脱することなく関連するような代替的な実施例は当業者にとって明らかであろう。
【0067】
上述の記載から、本発明が、明らかな他の利点及び当該システム及び方法に固有の他の利点とともに上述のすべての目的を達成するのに適したものであることが理解されよう。特定の特徴及びサブコンビネーションは有用であり、他の特徴及びサブコンビネーションに関係なく使用できることが理解されよう。これは本発明により予期されるものであり、請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも距離区分及び次の距離区分についての推定される移動完了時間を計算するように構成された交通情報システムであって、
距離区分を識別するように構成された第1の識別コンポーネントと、
前記距離区分を開始する開始時間を識別するように構成された第2の識別コンポーネントと、
前記距離区分の完了のための推定される終了時間を決定するように構成された第1の決定コンポーネントであって、前記距離区分の完了のための終了時間の推定は、前記距離区分を開始する前記開始時間において存在する交通情報を利用することを含む、第1の決定コンポーネントと、
次の距離区分を識別するように構成された第3の識別コンポーネントであって、前記次の距離区分は、前記距離区分の終点において始まり、前記距離区分の完了のための前記推定された終了時間と等しい前記次の距離区分を開始する開始時間を有する、第3の識別コンポーネントと、
前記次の距離区分の完了のための推定される終了時間を決定するように構成された第2の決定コンポーネントであって、前記次の距離区分の完了のための終了時間の推定は、前記次の距離区分を開始する前記開始時間において存在する交通情報を利用することを含む、第2の決定コンポーネントと
を具備する交通情報システム。
【請求項2】
前記距離区分を開始する前記開始時間において存在する交通情報を検索するために交通情報のデータベースにアクセスする請求項1に記載の交通情報システム。
【請求項3】
前記交通情報は、交通の流れ、交通イベント、移動時間、移動距離又はそれらの組合せを含む請求項1に記載の交通情報システム。
【請求項4】
前記距離区分及び前記次の距離区分は、所定の距離、所定の道路、所定の道路区分又はそれらの組合せを含む請求項1に記載の交通情報システム。
【請求項5】
前記所定の距離は、所定の道路距離又は所定の半径方向距離を含む請求項4に記載の交通情報システム。
【請求項6】
前記交通情報は、地理的な参照システム、少なくとも1つの予定される交通状況、経路指定エンジン又はそれらの組合せに基づく請求項1に記載の交通情報システム。
【請求項7】
前記距離区分を開始する出発位置を識別するように構成された第4の識別コンポーネントをさらに具備する請求項1に記載の交通情報システム。
【請求項8】
前記距離区分を開始する出発時間は、交通情報サービスのユーザー又は交通情報サービス・プロバイダーによって入力又は選択される請求項1に記載の交通情報システム。
【請求項9】
移動完了の推定される時間は、経路上のすべての距離区分について計算される請求項1に記載の交通情報システム。
【請求項10】
交通情報サービスのユーザーに対して交通情報を出力するように構成された出力コンポーネントをさらに具備する請求項1に記載の交通情報システム。
【請求項11】
第1及び第2の距離区分についての移動完了の推定される時間を計算する方法であって、
第1の距離区分を識別するステップと、
前記第1の距離区分を開始する出発時間を識別するステップと、
前記第1の距離区分を完了する推定される終了時間を決定するステップであって、前記第1の距離区分を完了する前記終了時間の推定は、前記第1の距離区分に関係する前記第1の距離区分を開始する出発時間において存在するの交通情報を利用することを含む、ステップと、
第2の距離区分を識別するステップであって、前記第2の距離区分は、前記第1の距離区分の終点において開始し、前記第1の距離区分を完了する前記推定される終了時間と等しい前記第2の距離区分を開始する出発時刻を有する、ステップと、
前記第2の距離区分を完了する推定される終了時間を決定するステップであって、前記第2の距離区分を完了する前記終了時間の推定は、前記第2の距離区分に関係する前記第2の距離区分を開始する出発時刻において存在する交通情報を利用することを含む、ステップと
を具備する方法。
【請求項12】
前記第1の距離区分に関係する前記第2の距離区分を開始する出発時刻において存在する交通情報を検索するために交通情報のデータベースにアクセスするステップをさらに具備する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記交通情報は、交通の流れ、交通イベント、移動時間、移動距離又はそれらの組合せを含む請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の距離区分及び前記第2の距離区分は、所定の距離、所定の道路、所定の道路区分又はそれらの組合せを含む請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記所定の距離は、所定の道路距離又は所定の半径方向距離を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記交通情報は、地理的な参照システム、少なくとも1つの予定される交通状況、経路指定エンジン又はそれらの組合せに基づく請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の距離区分を開始する出発位置を識別するステップをさらに具備する請求項11に記載の方法。
【請求項18】
距離区分及び次の距離区分についての移動完了の推定される時間の計算のためのコンピューター実行可能命令を有する1つ以上のコンピューター可読媒体であって、
距離区分を識別するステップと、
前記距離区分を開始する出発時間を識別するステップと、
前記距離区分を完了する推定される終了時間を決定するステップであって、前記距離区分を完了する前記終了時間の推定は、前記距離区分を開始する出発時間及び前記距離区分の交通に関連する交通情報を有するデータベースにアクセスすることを含む、ステップと、
次の距離区分を識別するステップであって、前記次の距離区分は、前記距離区分の終点から開始し、前記距離区分を完了する前記推定される終了時間に等しい前記次の距離区分を開始する出発時間を有する、ステップと、
前記次の距離区分を完了する推定される終了時間を決定するステップであって、前記次の距離区分を完了する終了時間の推定は、前記次の距離区分を開始する出発時間において存在し前記次の距離区分の交通に関連する交通情報を有するデータベースにアクセスすることを含む、ステップと
を具備する1つ以上のコンピューター可読媒体。
【請求項19】
前記距離区分を開始する出発位置を識別するステップをさらに含む請求項18に記載の1つ以上のコンピューター可読媒体。
【請求項20】
移動完了の前記推定される時間は、経路上のすべての距離区分について計算される請求項18に記載の1つ以上のコンピューター可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−520454(P2010−520454A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551761(P2009−551761)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/051503
【国際公開番号】WO2008/106250
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】