説明

ライン式充填機

【課題】 液状物質を容器に充填する充填機において、各種容器の充填が迅速に対応でき、充填のズルの構成がシンプルで洗浄が容易であり、液体物質を効率良く充填することができるライン式充填機を提供する。
【解決手段】 充填液タンクから充填ノズル4の間をフレキシブルなチューブで接続し、複数の充填ノズル4の間隔を容器10の大きさに対応し設定するリンク機構からなる格子スライド12と、はめ込み接合の部品からなり、解体、組み立てが容易な充填ノズル4と、ラインコンベアの前後に充填用コンベアを付設し、充填用コンベアを交互に作動させることで、充填効率を高めるコンベア部5とから構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は酒、醤油、清涼飲料水などの比較的粘度の低い液状食品、液状薬品などの液状物質を容器に充填するライン式充填機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液状食品、液状薬品などの液状物質を、自動的に容器に充填する装置として、ライン式充填機およびロータリー式充填機が広く使用されている。一般にライン式充填機は、充填処理能力はそれほど大きくはないが、装置はシンプルな構成である。また、ロータリー式充填機は、高速で、充填処理能力が大きい特徴を持っているが、装置は複雑な構成になっている。
【0003】
本発明で対象にしたライン式充填機は、複数の充填ノズルを直列に配置し、同数の容器をコンベアで充填ノズルの下部に搬送し、充填ノズルで液状物質をそれぞれの容器に充填している。充填が終わると、充填された容器をコンベアで搬出すると同時に、空の容器を再び充填ノズルの下部に搬入する方法である。ライン式充填機の場合、処理能力は容器の容量に左右されるが、通常1000本〜3000本/時間程度である。この方式は、充填操作が間欠的に行われるため、充填処理の速度が遅いなどの欠点があるが、装置構造が簡単でコストが安いことや、容器サイズや形状の変更に対応しやすいなどの利点を持っている。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
なお、ロータリー式充填機は、複数の充填ノズルを回転させ、その下部へコンベアで連続的に空の容器を搬入し、液状物質を充填し搬出する方法である。この方法は機械構造が複雑であるが、連続運転であるため単品種を高速で処理できるなどの特徴を持っている。(例えば、特許文献2参照)
【特許文献1】特開平5−254651号公報
【特許文献2】特開2003−072890号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
充填機の充填ノズルは、液状食品などの液状物質を取り扱う場合、衛生の面で定期的に分解し洗浄しなければならない。特に、多品種の食品あるいは多品種の容器を取り扱う場合は、分解、洗浄等の回数が多くなり、作業時間、作業者の確保が必要になる。当然、この間の運転は停止することになるため充填効率も低下する。そこで、分解が容易でしかも洗浄が簡単な充填ノズルの構造が要求される。
【0006】
通常のライン式充填機は、様々な充填ノズルが用いられているが、大部分はロータリー式で使われているものと同じ充填ノズルが採用されている。この充填ノズルは高速処理の信頼性を高めるために、精密部品やパッキンなどの摺動部品を用いた比較的複雑な構造になっており、分解洗浄には手間がかかりコストも高い。
【0007】
また、酒、醤油、清涼飲料水などの液状食品は、多品種であることが多く、これらを充填する容器も、大きさの異なる多くの種類のものが利用されている。ところが、従来のライン式充填機は、充填ノズルが一定間隔で固定されている場合が多く、容器の搬送時には各充填ノズルの間隔に合わせ、所定の位置に容器を並べている。また、形状の異なる容器を所定の位置に設置するために、複雑な搬送機構が採用されている。そこで、充填する液状物質の種類、あるいは容器の種類が多い場合は、これらの状況に迅速に対応し、スムーズに充填処理ができる充填機が望まれる。
【0008】
ライン式充填機は、液状物質を間欠的に容器に充填する方法である。そのため、容器を搬送し、充填ノズルの下部へ容器を設置するまでの間は、充填作業が中断されるため、充填作業の効率が低下する。そこで、充填操作は極力連続操作に近づけ作業効率を高めることが求められる。また、当然であるが、充填機はシンプルで経済的な構成が要求される。
【0009】
本発明は、液体の種類の異なる容器への充填が迅速に実施でき、構造が簡単で、分解、洗浄が容易な充填のズルを備えたライン式充填機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、充填液タンクと、複数の充填ノズルとを接続するフレキシブルなチューブと、液状物質の流量を調整する流量調整機構および充填ノズルの設定位置の微調整機構を備えた充填ノズルと、複数の充填ノズルの間隔、垂直位置および水平位置を、容器の大きさに合わせ設定する機構と、容器を搬送するコンベアと、から構成されることを特徴とするライン式充填機である。
【0011】
本発明の充填ノズルのノズル部は、液状物質を供給するメインパイプと、メインパイプの先端に設置され、液状物質を容器内に供給するためのノズルチップと、メインパイプの外管であるセンサパイプと、センサパイプにはめ込まれ、ノズルチップを容器の口に導くガイドコーンと、メインパイプおよびセンサパイプを固定するノズルコネクタと、からなり、それぞれの部品がはめ込み式の接合方式で構成されていることを特徴とするライン式充填機である。
【0012】
また、本発明は、センサパイプの上部にカラーを設置し、カラーとガイドコーン間でセンサパイプの外周にコイルスプリングを設置し、センサパイプにはめ込まれたガイドコーン内に、マニホールドおよび容器口パッキンをはめ込み、ガイドコーンの側壁に排気孔を設置し、液状物の充填時に排出される容器内のガスを、センサパイプ、マニホールドおよび容器口パッキンとの隙間から排気孔に導き、充填タンクに排出する構造とすることを特徴とするライン式充填機である。本発明の充填ノズルのノズルチップおよびセンサパイプの外周を親水性がある酸化チタンで被覆する構成にしたことを特徴とするライン式充填機である。
【0013】
また、本発明における充填ノズルの流量調整機構は、チューブをチューブローラとカムで締め付け、チューブの流路面積を変化させ、液状物質の流量を調整する機構と、ガスが供給されているセンサパイプの先端の、容器内の液状物質との接触によるセンサパイプ内のガスの背圧上昇を、背圧センサで検知し、液状物質の流れを停止させる機構と、チューブの締め付け位置をチューブの上部へ移動させ、チューブおよびメインパイプ内の圧力を低減し、ノズルチップ内の液を吸い上げる液だれ防止機構と、から構成されることを特徴とするライン式充填機である。
【0014】
また、本発明は、充填ノズルで容器に液状物質を充填し、容器内に液状物質が80%から90%充填された状態で、チューブローラとカムでチューブを締め付け、流量を制限し、容器内の液状物質の界面を安定化させ、背圧センサでの検知精度を高める構成にしたことを特徴とするライン式充填機である。
【0015】
また、本発明の充填ノズルの間隔は、リンク機構からなる格子スライドに充填ノズルを設置し、容器の大きさに合わせ格子スライドを伸縮して設定し、充填ノズルの高さを、容器の高さに合わせ、昇降駆動ユニットで設定し、充填ノズルの水平位置を、容器の水平位置に合わせ、水平駆動ユニットで設定することを特徴とするライン式充填機である。
【0016】
また、本発明における充填ノズルの設定位置の微調整機構は、充填ノズルの上部に位置決めジョイントを設置し、格子スライドに接続されたピッチ決めジョイントを、位置決めジョイントに設置された2個のスプリングで挟み込み懸架するバネ機構で保持し、充填ノズルと容器の口の位置とのずれを、スプリングで吸収する構成にしたことを特徴とするライン式充填機である。
【0017】
本発明のコンベアは、ラインコンベアの両側に設置された前列コンベアおよび後列コンベアと、前列コンベアおよび後列コンベアの両側に設置された外部ガイドプレートおよび内部ガイドプレートと、容器の大きさに合わせ、外部ガイドプレートおよび内部ガイドプレートのガイド幅を調整するガイド幅調整機構と、ラインコンベアから送られる容器を前列コンベアおよび後列コンベアに分配する容器分配機構と、から構成されることを特徴とするライン式充填機である。
【0018】
また、本発明の容器分配機構は、二枚の内部ガードプレートの先端に、それぞれピンチ機構で接続された二枚の支持プレートと、該支持プレートとスライドする機構で取り付けられ、先端がピンチ機構で接続された二枚の可動プレートと、支持プレート上に設置され、伸縮するシリンダの先端が可動プレートに接続された2基のプレート可動用エアシリンダと、からなり、2基のプレート可動用エアシリンダを交互に稼動させ、可動プレートを前後に移動させて、ラインコンベアで搬入された容器を、前列コンベアおよび後列コンベアに分配する構成であることを特徴とするライン式充填機である。
【0019】
また、本発明は、ラインコンベアから送られる容器を、容器分配機構で前列コンベアあるいは後列コンベアに分配し、容器の位置に合わせて充填ノズルを移動し、充填ノズルで液状物質を容器に充填し、充填後は前列コンベアあるいは後列コンベアを駆動して容器を搬出しており、容器の搬入、充填、搬出を前列コンベアおよび後列コンベアと、充填ノズルを用いて交互に液状物質を容器に充填することを特徴とするライン式充填機である。
【0020】
さらに、本発明は、ラインコンベアで送られる容器を入口ストッパで停止させ、充填準備ができた時点で入口ストッパを開き、容器の数をセンサで確認後、入口ストッパを閉じ、搬入された容器の先端位置を容器先端位置決めストッパで設定し、最終位置にある容器をセンサで確認し、前期容器に液状物質の充填後、容器先端位置決めストッパを開き、容器を搬出すると同時に容器の数をセンサで確認することを特徴とするライン式充填機である。
【発明の効果】
【0021】
本発明は手動あるいは自動で充填ノズルを移動させ、容器の大きさに合わせ、充填ノズルの位置決めを行っている。そのため、充填ノズルの位置に合わせ個々の容器の設置位置を決めることなく、容器を連続的に搬入することができる。
【0022】
本発明の充填ノズルは非常に部品点数の少ない構成である。特にノズル部の部品は、はめ込み接合であるため、分解に工具を必要とせず、分解・洗浄・組立作業を大幅に省力化できる構造となっている。さらに、充填液の流路は、充填液タンクからチューブとメインパイプを通り、メインパイプ先端のノズルチップまでである。この間、パッキンなどの部品を必要としないシンプルな構造であり、流路間に液溜まりがなく、液状物質の汚染などを最小限に抑えることができる。
【0023】
またノズルチップの液出口の角度を、容器の形状に合わせ、容器の内壁に沿わせて静かに充填する方法を採用しており、液を充填したときに発生する泡を最小限に抑える構造になっている。この時、液面が安定するため、充填完了時の液面検出が容易である。また、攪拌を嫌う液状物質の充填にも容易に対応することができる。さらに、液面検出用のガスに窒素ガスなどの不活性ガスを使用することで、充填完了時における容器内のヘッドスペースを、不活性ガスで置換することも可能であり、食品などの保存性の向上が期待できる。
【0024】
さらに、本発明ではラインコンベアの両サイドに、前列コンベアと後列コンベアを設置している。そのため、充填ノズルの下部への容器の搬入操作と容器への充填操作を、前列コンベアと後列コンベアを用いて交互に行うことができ、連続運転に近い充填処理の速度を確保することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は本発明によるライン式充填機の正面図である。ライン式充填機1の中央より左は、容器10の上部に充填ノズル4が設置され待機している状態を示す。中央より右は、充填ノズル4が降下し、充填ノズル4のガイドコーン33が容器10の口に設置され、ノズルの先端が容器10に挿入されている状態を示す。
【0026】
図2は本発明によるライン式充填機の平面図である。ライン式充填機1の中央より左は、前列コンベア101上に充填ノズル4を設置した状態を示す。中央より右は、水平駆動ユニット7で充填ノズル4を後列コンベア102上に移動させ設置した時の状態を示す。なお、充填ノズル4の設置本数は、任意に選定することができるが、図1および図2は充填ノズル4が8本設置されたライン式充填機1を例にとり示している。
【0027】
図3は本発明によるライン式充填機の側面図である。(a)は前列コンベア101上の容器10に液状物質を充填するために、前列コンベア101の上に充填ノズル4が待機している状態を示す図である。(b)は後列コンベア102上の容器10に、充填ノズル4で液状物質を充填している状態を示す図である。なお、図3に充填液タンク2、充填液タンク2から充填ノズル4間に接続されたチューブ3およびタンク昇降装置8を図示しているが、煩雑になるため、図1および図2では、これらの図示を省略している。
【0028】
本発明によるライン式充填機1は、充填液タンク2、充填ノズル4、充填ノズル4の間隔を設定するリンク機構からなる格子スライド12、充填ノズル4の高さを設定するフレーム13上の昇降駆動ユニット6、充填ノズル4の前後の位置を設定する水平駆動ユニット7、およびコンベア部5から構成されている。また、コンベア5は容器10を搬送するラインコンベア100、充填するために容器を設置する前列コンベア101および後列コンベア102から構成されている。ラインコンベア100で搬入された容器10は前列コンベア101および後列コンベア102に交互に振り分けられる構造になっている。
【0029】
本発明によるライン式充填機1の基本的な操作手順を、容器10に液状食品を充填する場合を例に取り説明する。
【0030】
最初に、液状食品を充填液タンク2に充填する。その後、リンク機構からなる格子スライド12で充填ノズル4の間隔を変え、さらに昇降駆動ユニット6を稼働させ充填ノズル4高さを変えて、容器10の間隔と高さに合わせ充填ノズル4を設置する。さらに、水平駆動ユニット7を用いて、充填ノズル4を前後に移動し、前列コンベア101の容器の上部に設置する。
【0031】
次に、ラインコンベア100から、可動プレートを用いて8個の容器10を前列コンベア101に移動させ、予め設定された各充填ノズル4の下部に設置する。その後、充填ノズル4を昇降駆動ユニット6で下降させ、充填ノズル4の先端を容器10の口に挿入する。この時、後述するがスプリングを用いた位置決めジョイントで充填ノズル4の位置を微調整し、充填ノズル4の先端が正確に容器10の口に合わせる。なお、充填ノズル4の位置に合わせ、タンク昇降装置8を用いて充填液タンク2を昇降させる。
【0032】
充填液タンク2に充填されている液状食品は、チューブ3を通り充填ノズル4から容器10に供給される。液状食品の流量の調整は、チューブ3をローラで押さえ流路面積を変えるピンチバルブ機構で行っている。充填が終わると、充填ノズル4を上昇させ、充填された容器10は前列コンベア101でラインコンベア100に移動され、ラインコンベア100で搬出される。
【0033】
液状食品を前列コンベア101上の容器10に充填している間に、ラインコンベア100から、可動プレートを用いて後列コンベア102に容器10を移動させ、後列コンベア102上に設置する。前列コンベア101上の容器10の充填が終了した時に、充填ノズル4を後列コンベア102上に移動させ、後列コンベア102上の容器10に液状食品を充填する。同様の操作を繰り返し行うことで充填操作が継続される。なお当然ではあるが、後列コンベア102を省略し、前列コンベア101だけで充填操作を行うことも可能である。
【0034】
次に、充填ノズル4を容器10の大きさに合わせて設定するリンク機構について具体的に説明する。各充填ノズル4は、左右に移動できる状態でガイドレール11上に設置されている。また、充填ノズル4は、リンク機構を構成する格子スライド12と連結されている。この格子スライド12は、格子幅が自由に変化できる複数の格子から構成されており、一箇所の格子の幅を変えることにより、他の格子の幅も同時に、しかも同じ間隔で変わるリンク機構を取っている。
【0035】
そのため、格子スライド12の中央位置にある格子の幅を変えると、他の複数の格子の幅も同時に変化する。複数の充填ノズル4は格子スライド12に接続されており、格子幅を変化させると、等間隔で充填ノズル4が左右にスライドするため、充填ノズル4を所定の間隔で設置することができる。この方法により、充填ノズル4の間隔を容器10の大きさに合わせ設定することができる。
【0036】
充填ノズル4の左右へのスライドは、格子スライド12の中央に取り付けられているピッチ調整ダイヤル15を回し、格子幅を伸縮させることで行っている。またピッチ調整ダイヤル15の下に設置したカウンタ16を読み取ることで、容器10の種類に対応し調整位置を管理することができる。これらの操作は手動あるいは自動により行われる。
【0037】
また、充填ノズル4の高さは、フレーム13上に設置された昇降駆動ユニット6を用いて、充填ノズル4が取り付けられているガイドレール11を昇降させることにより、容器10の高さに合わせ設定される。充填ノズル4の間隔および高さが、容器10の大きさに合わせて設定された時点で、水平駆動機14を稼働させ、水平駆動ユニット7により充填ノズル4を容器10の上部に設置する。
【0038】
その後、昇降駆動ユニット6により、充填ノズル4を降下させ、充填ノズル4のガイドコーン33を容器10の口に設置し、充填ノズル4の先端を容器10に挿入する。この状態で、充填ノズル4より液状食品を容器10に充填する。液状食品の充填が終わった時点で、昇降駆動ユニット6を稼働させ、充填ノズル4を上部へ移動させる。液状食品が充填された容器10は、その後コンベアで搬出される。
【0039】
次に、充填ノズル4の構造について具体的に説明する。図4は本発明による充填ノズルの構造図である。図5は本発明による充填ノズルのノズル部の部品図である。図6は本発明の充填ノズルの先端に取り付けられたノズルチップの構造図である。
【0040】
充填ノズル4は、ノズル部30と流量調整部37からなり構成されている。ノズル部30はメインパイプ31、センサパイプ32、ガイドコーン33、ノズルチップ34、ノズルコネクタ35から構成されている。流量調整部37は流量制御用エアシリンダ38、チューブローラ40、カム42、ホルダ46、ベース47、ガイドブロック45から構成されている。また、ガイドブロック45はガイドレール11上に左右に移動できる状態で設置されている。また、ベース47の上部に充填ノズル4の位置を微調整する位置決めジョイント48が設置されている。
【0041】
液状食品は、充填液タンク2から重力によりチューブ3を通り、詳細は後述するが流量調整部37を経て、チューブ3の下部に接続されたメインパイプ31に入る。その後、液状食品は、先端のノズルチップ34に開けられた4個所の液出口71から、容器10に注がれる。ノズルコネクタ35のガス入口36には、少量のガスが供給されており、このガスはメインパイプ31とセンサパイプ32の間隙を通り、ノズルチップ34の4個所のスリット部70から容器10に供給されている。
【0042】
ガス入口36にガスが流れている状態で、容器10に液が充填され、ノズルチップ34が液面に接すると、スリット部70が液で塞がれ、供給されているガスの背圧が上昇する。この背圧を図示していないがガスの流路に設置されている背圧センサで検出する。この検出信号により、液状食品の供給を停止させ、容器10内への定量充填を可能にしている。
【0043】
液状物質の中でノズルチップ34の周辺で液滴を生成しやすいものがあり、この液滴がノズルチップ34のスリット部70を閉塞させることがある。そこで、ノズルチップ34およびセンサパイプ32の外周を親水性がある酸化チタンで被覆し、液状物質を部材になじませることで、スリット部70の閉塞による背圧上昇の誤動作を防止することができる。
【0044】
さらに、本発明の充填ノズル4のノズル部30は、分解、組立が容易であり、そのため、ノズル部30の洗浄時間を大幅に短縮できる特徴を持っており、次に具体的に説明する。充填ノズル4のノズル部30を解体するには、充填ノズル4のホルダ46を支持しながらセンサパイプ32を回して、真下に引き抜き取り外す。次に、センサパイプ32からガイドコーン33とノズルチップ34を取り外す。
【0045】
さらに、メインパイプ31をセンサパイプ32から引き抜く。また、ホルダ46からノズルコネクタ35を手前に引き抜き取り外す。最後にチューブ3をメインパイプ31から引き抜いて、充填液タンク2に接続された配管などを分解すれば、全ての部品が分解されるため、容易に洗浄することができる。
【0046】
組立は、最初にノズルコネクタ35の下部より、メインパイプ31をノズルコネクタ35に挿入する。この時、リング51によりメインパイプ31の挿入位置が決まる。次にセンサパイプ32にガイドコーン33を上部より挿入し、メインパイプ31の外周にセンサパイプ32を入れる。この時、喫水管52によりセンサパイプ32の挿入位置が決まる。次に、センサパイプ32の上端をノズルコネクタ35下部に挿入する。その後、センサパイプ32の先端にノズルチップ34を挿入し、ノズル部30の組み立てが完了する。
【0047】
ノズル部30の組立が終了した段階で、ノズルコネクタ35部をホルダ46に手前から差し込み本体に取り付ける。その後、充填液タンク2側の配管などを組立てた後、充填液タンク2からのチューブ3をメインパイプ31に接続することで全ての組立が完了する。
充填ノズル4において洗浄が必要な部品は、前述したように少なく、しかも部品がはめ込み接合であるため、容易に解体、組立ができる特徴をもっている。また、ノズルコネクタ35、ガイドコーン33およびノズルチップ34は樹脂製であり、弾性と耐久性があることから、信頼性の高いはめ込み接合ができる。
【0048】
次に、流量を調整するピンチバルブ機構について図4を用いて説明する。ピンチバルブ機構は、液状食品が流れるチューブ3をチューブローラ40とカム42で締め付け、チューブ3の開口面積を変えることで流量を調整する方法である。チューブローラ40の両端には、外径が大きいガイドローラ41がチューブローラ40と同軸で取り付けられており、チューブ3の両側に配置され、チューブ3の左右への逃げを防止している。またガイドローラ41はベース47上を回転し、チューブローラ40はチューブ3の上を回転しながら上昇することで、安定にチューブ3を締め付ける構造になっている。
【0049】
チューブローラ40は流量制御用エアシリンダ38で押し上げられる構造になっており、チューブローラ40の高さは、チューブ3の径とカム42のチューブ3に接するテーパの角度によって最適値が決められる。なお、カム42の上部にはチューブ通し穴50があり、チューブ3の位置を正確に保持することができる。
【0050】
図7は本発明の流量調整部のピンチバルブ機構による流量調整方法の説明図である。図7の(a)はチューブ3が全開した状態であり、(b)はチューブ3をチューブローラ40とカム42で一部絞った状態を示している。また、(c)はチューブ3が全閉した状態を示している。
【0051】
液状食品の充填を開始する時は、(a)に示すように流量制御用エアシリンダ38でチューブローラ40を下げ、チューブ3の流路を全開にして、液状食品が流れる状態にする。その後、予め設定されたタイマ等の手段により、容器10の所定容量の80〜90%を容器10に充填する。
【0052】
この時点で、(b)に示すように流量制御用エアシリンダ38を作動させて、チューブ3を一部絞り状態とし、液状食品の供給流量を低減させる。液状食品の流量を低減し、容器10内へ液状食品を静かに供給することで、液の発泡を抑えて液面を安定させ、背圧センサによる正確な液面検出を可能にしている。
【0053】
なお、カム42はボックス44内に取り付けられており、カム位置調整ネジ43によって、絞り状態時の開度が調整でき、最適な流量に設定できる。さらに、各充填ノズル4の流量をほぼ同一にして、充填完了のタイミングを概略合わせている。
【0054】
次に、液状食品の容器10への供給量が所定量に達すると、容器10内の液面が、ガスを供給しているノズルチップ34のスリット部70に接触するためガスの背圧が上昇する。この背圧の検出信号により、(c)に示すように流量制御用エアシリンダ38を作動させ、チューブ3を全閉状態とし液状食品の流れを停止させる。
【0055】
さらに、流量制御用エアシリンダ38の上昇作動を継続すると、チューブローラ40が上昇し、チューブ3の全閉位置が上昇する。そのため、絞り部から下部のチューブ3およびメインパイプ31内の圧力が負圧となる。その結果、チューブ3およびメインパイプ31内に残った液が引き上げられ、ノズル先端部からの液垂れが防止される。さらに液面検出用のガスに、窒素ガスなどの不活性ガスを使用することができる。充填完了時のヘッドスペースを、不活性ガスで置換することにより、食品などの保存性の向上が期待できる。
【0056】
次に密閉式の充填ノズルについて説明する。加熱した液状食品や揮発成分を含む液状食品を充填する場合、気化する成分が、液状食品の芳香あるいは味わい成分であることが多く、この場合、外部への放出を防止する必要がある。
【0057】
図4で示す充填ノズル4では、ノズルチップ34の先端を容器10内に挿入する際、容器10の口を密封していないため、充填ノズル4と容器10の口の隙間から、容器10内の空気が外部に排気される。このとき気化した成分が空気に同伴され、気化成分が失われる。また、気化成分が排出される時に、ガイドコーン33で冷却され、結露して液垂れが起こり、設備を汚すことになる。そのため、気化成分を外部へ放出しない構造が必要になる。
【0058】
図8は本発明による充填ノズルの密閉式ノズルの構造図である。図9は本発明のマニホールドの構造図である。密閉式のノズル部30は、図4で示した充填ノズル4のノズル部30を、密封する方式にしたものである。密閉式のノズル部30は、メインパイプ31、センサパイプ32、ガイドコーン33、容器口パッキン84、マニホールド83、排気孔82、コイルスプリング81、コイルスプリング81を挿入するカラー80から構成される。
【0059】
容器10に液状食品を充填するため、充填ノズル4を下降させると、ガイドコーン33内の容器口パッキン84が、容器10の口に接触し押し上げられる。逆に、コイルスプリング81により、ガイドコーン33内の容器口パッキン84が、容器10の口に押し付けられる。容器口パッキン84が容器10の口押し付けられことで、容器は密閉される。その後、容器10内に液状食品が充填される。容器10内の空気の排気は、ガイドコーン33内に装着されたマニホールド83から、ガイドコーン33とセンサパイプ32の隙間を通り、排気孔82に導かれ、図示していないが、チューブを用いて充填液タンク2内に戻される。なお、ガイドコーン33の上部に取り付けられたOリング85でガイドコーン33内部と外部がシールされている。
【0060】
図9に示すマニホールド83は、ガイドコーン33と容器口パッキン84の間に設置されている。ガイドコーン33内の容器口パッキン84が、容器10の口に接触して押し上げられると、マニホールド83内部の4個の突起86は、センサパイプ32に接して滑りながら上昇する。突起86より下部の穴径は喫水管52が通る大きさであり、ガイドコーン33内の容器口パッキン84が、容器10の口に接触して押し上げられると、センサパイプ32と喫水管52の外径差により、マニホールド83部に隙間ができる。この隙間部分が排気通路となり、容器10内の空気と気化成分はこの排気通路を通り、排気孔82にぬける構造になっている。
【0061】
次に、充填ノズル4の位置決めを正確に行うための位置決めジョイントの機構について説明する。図10は本発明による充填ノズル4の位置決めジョイントの構造図である。位置決めジョイント48は、充填ノズル4の先端のノズルチップ34を、容器10内に正確に設置させるために設けられた微調整用の位置決め機構である。この位置決めジョイント48は充填ノズル4のベース47の上部に設置されており、ピッチ決めジョイント49を介して格子スライド12に接続されている。
【0062】
具体的には、ピッチ決めジョイント49の片端が格子スライド12に接続され、他の片端が2個のスプリング72に挟まれた状態で、位置決めジョイント48に懸架されている。すなわち、ピッチ決めジョイント49は、スプリング72である程度拘束されているが、左右に可動できる状態で位置決めジョイント48に取り付けられている。
【0063】
前述したが、容器10が充填ノズル4の下部に搬送された時点で、充填ノズル4が下降し、ノズル部30のノズルチップ34が容器10の口に挿入される。この時、正確にノズルチップ34を容器10に挿入する必要がある。そのため、位置決めジョイント48にピッチ決めジョイント49をスプリング72で懸架する構造を取ることで、容器10の寸法の誤差などによるノズル部30の芯ずれを吸収している。
【0064】
すなわち、ガイドコーン33が容器10の口と接触する部分は円錐状に広がっており、芯ずれが起きると、ガイドコーン33の広がり部の一個所に容器10の口の先端が接触する。この接触位置がノズル部30の中心位置からずれている場合、ガイドコーン33の広がり部に容器10との接触により接触部に力が働く。
【0065】
この力は、充填ノズル4を中心位置へ修正させる方向に働くことになる。さらに、この力は充填ノズル4に伝わり、位置決めジョイント48にバネ機構で懸架されているピッチ決めジョイント49を動かす。そのため、充填ノズル4の位置が修正され、ノズルチップ34が容器10の口に正確に設置されることになる。
【0066】
次に、本発明によるコンベアを用いて、容器10を充填ノズル4の下部へ設置する方法について説明する。
【0067】
ライン式充填機1の動きが間欠的であるため、充填ノズル4の下部へ容器10を搬入し、液状食品を充填し、充填が完了してから次の容器10を搬入するまでの間は、充填操作が行われず、この間にタイムラグが発生する。タイムラグはノズルの昇降時にも発生するが、この時間は短く、容器10を移動するために必要とする時間が問題になる。容器10の移動時間は容器10の設置数が増えるに従って増大する。
【0068】
そのため、一連の容器10に液状食品を充填している間に、別のコンベアに次の容器10を並べ、充填の準備をしておく方法が望ましい。具体的にはラインコンベア100を中央に配置して、両側に間欠駆動するコンベアを組み込み、搬送、充填を交互に行う方式を採用している。
【0069】
図11は本発明のコンベア部の平面図である。図12は本発明のコンベア部の側面図である。図12の(a)はコンベア部全体の側面図である。(b)はラインコンベア上部の位置に取り付けられた内部ガイドプレート、可動プレート等の側面図である。コンベア部5は容器10を搬送するラインコンベア100、前列コンベア101、後列コンベア102、および外部ガイドプレート104、内部ガイドプレート105から構成されている。
【0070】
また、容器10の大きさに合わせ、外部ガイドプレート104と内部ガイドプレート105の間隔を調整するために、ネジ構造からなるガイド幅調整機構110が取り付けられている。ガイド幅の調整は、ガイド幅調整機構110に取り付けられたガイド幅カウンタ111の表示値で確認し実施する。これにより左右の内部ガイドプレート105を動かし、外部ガイドプレート104と内部ガイドプレート105間のガイド幅を、容器10の大きさに合わせ調整する。なお、外部ガイドプレート104はブラケット113で取り付けられている。
【0071】
ラインコンベア100で送られてきた空の容器10を、さらに、前列コンベア101と後列コンベア102へ振り分けるための容器分配機構103が内部ガイドプレート105の先端に設置されている。容器分配機構103は、二枚の支持プレート106、二枚の可動プレート107および二基のプレート可動用エアシリンダ108から構成されている。
【0072】
可動プレート107は、前後に可動できる構造で、支持プレート106に取り付けられている。支持プレート106は、内部ガイドプレート105の先端にヒンジ機構で接続されている。また、支持プレート106には、プレート可動用エアシリンダ108が設置されている。プレート可動用エアシリンダ108のシリンダを伸縮させると、可動プレート107が前後に動く機構になっている。また、二枚の可動プレート107の先端は、ヒンジ機構で接続されている。
【0073】
一方の支持プレート106に設置された、プレート可動用エアシリンダ108のシリンダを伸ばし、他のプレート可動用エアシリンダ108のシリンダを縮めることにより、可動プレート107の先端が前後に可動する。この操作により、ラインコンベアで搬入された容器10の流路を、前列コンベア101と後列コンベア102に振り分けている。
【0074】
次に容器の搬送方法について説明する。ラインコンベア100で搬送されてきた空の容器10は、エアシリンダから構成される入口ストッパ109で一旦停止させられる。次に、容器分配機構103を作動させ、前列コンベア101の流路を確保する。
【0075】
その後、入口ストッパ109を開け、ラインコンベア100と前列駆動機114で前列コンベア101を稼働し、8本の空の容器10を充填ノズル4の下部へ移動させる。この時、入口ストッパ109の出口でセンサを用いて容器10の本数を確認し、8本の空の容器10が通過した時点で、入口ストッパ109を閉じる。
【0076】
前列コンベア101で送られてきた容器10は、容器先端位置決めストッパ112で最前列の容器10の位置が認識され、前列コンベア101を所定の位置に停止させる。容器先端位置決めストッパ112はスライドできる構造になっており、容器10の大きさに合わせ、容器先端位置決めストッパ112の設定位置を予め決める。この時の容器10の先端位置は、容器先端位置決めストッパ112に取り付けられた容器先端位置決めカウンタ116の表示値で確認する。なお、安全性を確保するため、充填前に8個の容器10が設置されたことを再確認するため、最後列の容器10の存在をセンサで検知する。
【0077】
その後、充填ノズル4を容器10に設置し充填を開始する。充填が終わると、昇降駆動ユニット6を用いて充填ノズル4を上げ、水平駆動ユニット7を用いて後列コンベア102に移動させる。また、容器先端位置決めストッパ112を開け、前列コンベア101を動かすことで、充填された容器10をラインコンベア100に送り搬出する。この時、容器先端位置決めストッパ112の出口でセンサを用いて、容器10の本数を確認し8本の容器10が通過した時点で、入口ストッパ109を開け容器10を搬入する。
【0078】
容器10に液状食品を充填している間に、プレート可動用エアシリンダ108を動かし、ラインコンベア100から空の容器10の流路を前列コンベア101から後列コンベア102へ変更する。同時に後列起動機115で後列コンベア102を起動する。その後、入口ストッパ109を開け、8本の空の容器10をラインコンベア100から後列コンベア102に送り、充填ノズル4の下部へ移動させる。
【0079】
最前列の容器10の位置決めは、容器先端位置決めストッパ112で行い、同時に後列コンベア102を停止させる。容器先端位置決めストッパ112は、エアシリンダを用いており、前列コンベア101のストッパと後列コンベア102のストッパを兼用させている。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明によるライン式充填機の正面図である。
【図2】本発明によるライン式充填機の平面図である。
【図3】本発明によるライン式充填機の側面図である。
【図4】本発明による充填ノズルの構造図である。
【図5】本発明による充填ノズルのノズル部の部品図である。
【図6】本発明の充填ノズルの先端に取り付けられたノズルチップの構造図である。
【図7】本発明の流量調整部のピンチバルブ機構による流量調整方法の説明図である。
【図8】本発明による充填ノズルの密閉式ノズル部の構造図である。
【図9】本発明のマニホールドの構造図である。
【図10】本発明による充填ノズルの位置決めジョイントの構造図である。
【図11】本発明のコンベア部の平面図である。
【図12】本発明のコンベア部の側面図である。
【符号の説明】
【0081】
1 ライン式充填機
2 充填液タンク
3 チューブ
4 充填ノズル
5 コンベア部
6 昇降駆動ユニット
7 水平駆動ユニット
8 タンク昇降装置
10 容器
11 ガイドレール
12 格子スライド
13 フレーム
14 水平駆動機
15 ピッチ調整ダイヤル
16 カウンタ
30 ノズル部
31 メインパイプ
32 センサパイプ
33 ガイドコーン
34 ノズルチップ
35 ノズルコネクタ
36 ガス入口
37 流量調整部
38 流量制御用エアシリンダ
39 駆動エア入口
40 チューブローラ
41 ガイドローラ
42 カム
43 カム位置調整ネジ
44 ボックス
45 ガイドブロック
46 ホルダ
47 ベース
48 位置決めジョイント
49 ピッチ決めジョイント
50 チューブ通し穴
51 リング
52 喫水管
70 スリット部
71 液出口
72 スプリング
80 カラー
81 コイルスプリング
82 排気口
83 マニホールド
84 容器口パッキン
85 Oリング
86 突起
100 ラインコンベア
101 前列コンベア
102 後列コンベア
103 容器分配機構
104 外部ガイドプレート
105 内部ガイドプレート
106 支持プレート
107 可動プレート
108 プレート可動用エアシリンダ
109 入口ストッパ
110 ガイド幅調整機構
111 ガイド幅カウンタ
112 容器先端位置決めストッパ
113 ブラケット
114 前列駆動機
115 後列駆動機
116 容器先端位置決めカウンタ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状物質を容器に充填する充填機において、充填液タンクと複数の充填ノズルとを接続するフレキシブルなチューブと、前記液状物質の流量を調整する流量調整機構および前記充填ノズルの設定位置の微調整機構を備えた前記充填ノズルと、複数の前記充填ノズルの間隔、垂直位置および水平位置を、前記容器の大きさに合わせ設定する機構と、前記容器を搬送するコンベアと、から構成されることを特徴とするライン式充填機。
【請求項2】
前記充填ノズルのノズル部は、前記液状物質を供給するメインパイプと、前記メインパイプの先端に設置され、前記液状物質を前記容器内に供給するためのノズルチップと、前記メインパイプの外管であるセンサパイプと、前記センサパイプにはめ込まれ、ノズルチップを前記容器の口に導くガイドコーンと、前記メインパイプおよび前記センサパイプを固定するノズルコネクタと、からなり、各部品がはめ込み式の接合方式で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のライン式充填機。
【請求項3】
前記センサパイプの上部にカラーを設置し、前記カラーと前記ガイドコーン間で前記センサパイプの外周にコイルスプリングを設置し、前記センサパイプにはめ込まれた前記ガイドコーン内に、マニホールドおよび容器口パッキンをはめ込み、前記ガイドコーンの側壁に排気孔を設置し、前記液状物質の充填時に排出される前記容器内のガスを、前記センサパイプと前記マニホールドおよび前記容器口パッキンとの隙間から前記排気孔に導き、充填タンクに排出する構造とすることを特徴とする請求項2に記載のライン式充填機。
【請求項4】
前記ノズルチップおよび前記センサパイプの外周を親水性がある酸化チタンで被覆する構成にしたことを特徴とする請求項2に記載のライン式充填機。
【請求項5】
前記充填ノズルの前記流量調整機構は、前記チューブをチューブローラとカムで締め付け、前記チューブ内の流路面積を変化させ、液状物質の流量を調整する機構と、ガスが供給されている前記センサパイプの先端の前記容器内の前記液状物質との接触による前記センサパイプ内のガスの背圧上昇を、背圧センサで検知し、前記液状物質の流れを停止させる機構と、前記チューブの締め付け位置を前記チューブの上部へ移動させ、前記チューブおよび前記メインパイプ内の圧力を低減し、前記ノズルチップ内の液を吸い上げる液だれ防止機構と、から構成されることを特徴とする請求項1に記載のライン式充填機。
【請求項6】
前記充填ノズルで前記容器に前記液状物質を充填し、前記容器内に前記液状物質が80%から90%充填された状態で、前記流量調整機構の前記チューブローラと前記カムで前記チューブを締め付け、流量を制限し、前記容器内の液状物質の界面を安定化させ、背圧センサでの検知精度を高めた構成にしたことを特徴とする請求項2および請求項5に記載のライン式充填機。
【請求項7】
前記充填ノズルの間隔は、リンク機構からなる格子スライドに前記充填ノズルを設置し、前記容器の大きさに合わせ前記格子スライドを伸縮して設定し、前記充填ノズルの高さを、前記容器の高さに合わせ、昇降駆動ユニットで設定し、前記充填ノズルの水平位置を、前記容器の水平位置に合わせ、水平駆動ユニットで設定することを特徴とする請求項1に記載のライン式充填機。
【請求項8】
前記充填ノズルの設定位置の前記微調整機構は、前記充填ノズルの上部に位置決めジョイントを設置し、前記格子スライドに接続されたピッチ決めジョイントを、前記位置決めジョイントに設置された2個のスプリングで挟み込み懸架するバネ機構で構成し、前記充填ノズルと前記容器の口の位置とのずれを、前記スプリングで吸収する構成にしたことを特徴とする請求項1に記載のライン式充填機。
【請求項9】
前記コンベアは、ラインコンベアの両側に設置された前列コンベアおよび後列コンベアと、前記前列コンベアおよび前記後列コンベアの両側に設置された外部ガイドプレートおよび内部ガイドプレートと、前記容器の大きさに合わせ、前記外部ガイドプレートおよび前記内部ガイドプレートのガイド幅を調整するガイド幅調整機構と、前記ラインコンベアから送られる前記容器を前記前列コンベアおよび前記後列コンベアに分配する容器分配機構と、から構成されることを特徴とする請求項1に記載のライン式充填機。
【請求項10】
前記容器分配機構は、二枚の前記内部ガードプレートの先端に、それぞれピンチ機構で接続された二枚の支持プレートと、前記支持プレートとスライドする機構で取り付けられ、先端がピンチ機構で接続された二枚の可動プレートと、支持プレートに設置され、伸縮するシリンダの先端が前記可動プレートに接続された2基のプレート可動用エアシリンダと、からなり、2基の前記プレート可動用エアシリンダを交互に稼動させ、前記可動プレートを前後に移動させて、前記ラインコンベアで搬入された前記容器を、前記前列コンベアおよび前記後列コンベアに分配する構成であることを特徴とする請求項9に記載のライン式充填機。
【請求項11】
前記ラインコンベアから送られる前記容器を、前記容器分配機構で前記前列コンベアあるいは前記後列コンベアに分配し、前記容器の位置に合わせて前記充填ノズルを移動し、前記充填ノズルで前記液状物質を前記容器に充填し、充填後に前記前列コンベアあるいは前記後列コンベアを駆動し、前記容器を搬出する構成で、前記前列コンベアおよび前記後列コンベアを交互に作動させ、前記容器の搬入、充填、搬出を交互に行う構成であることを特徴とする請求項9および請求項10に記載のライン式充填機。
【請求項12】
前記ラインコンベアで送られる前記容器を、入口ストッパで停止させ、充填準備ができた時点で前記入口ストッパを開き、前記容器の数をセンサで確認後、前記入口ストッパを閉じ、搬入された前記容器の先端位置を容器先端位置決めストッパで設定し、最後列位置にある前記容器をセンサで確認し、前期容器に前記液状物質の充填後、前記容器先端位置決めストッパを開き、前記容器を搬出する構成であることを特徴とする請求項9から請求項11に記載のライン式充填機。


















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−199299(P2006−199299A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−9828(P2005−9828)
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(305002165)
【Fターム(参考)】