説明

ラッチ回路及びデータの読み出し方法

【課題】不揮発であってデータ読み出し動作の信頼性の向上が図れるラッチ回路を提供する。
【解決手段】ラッチ回路は、インバーター回路110,120と、インバーター回路110の出力とインバーター回路120の入力とを接続するスイッチ162と、インバーター回路120の出力とインバーター回路110の入力とを接続するスイッチ164と、インバーター回路110の入力に一端が接続されかつインバーター回路110の出力に他端が接続された強誘電体キャパシター132と、インバーター回路120の入力に一端が接続されかつインバーター回路120の出力に他端が接続された強誘電体キャパシター134と、インバーター回路110の入力と強誘電体キャパシターの一端との間のノードに一端が接続されたキャパシター142と、インバーター回路120の入力と強誘電体キャパシター134の一端との間のノードに一端が接続されたキャパシター144とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は強誘電体キャパシターを用いたラッチ回路及びデータの読み出し方法に関し、特に、不揮発であってデータ読み出し動作の信頼性の向上が図れるラッチ回路及びデータの読み出し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
強誘電体キャパシターのヒステリシス特性を利用した不揮発な強誘電体ラッチ回路が知られている。例えば、特開2006−237776号公報には、データの読み出し及び書き込みのための複雑な制御回路を設けることなく、簡易な構成をもってデータの読み出し及び書き込みを行うことができる強誘電体ラッチ回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−237776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、強誘電体ラッチ回路においては、データの読み出し動作において、強誘電体ラッチ回路の強誘電体キャパシターに電圧が印加されて、当該キャパシターから読み出された電位が互いに接続されたインバーター回路の各入力に読み出されるところ、強誘電体キャパシターに十分な電圧が印加される前にインバーター回路のラッチ動作が開始される場合があり、正確なデータが読み出されない可能性があった。特に、特開2006−237776号公報に開示されているような、データの読み出しとともに強誘電体キャパシターへの再書込みを自動的に行うような強誘電体ラッチ回路においては、強誘電体ラッチ回路から正確なデータが読み出されないばかりでなく、強誘電体ラッチ回路に記憶されていたデータとは異なるデータを誤って再書き込みしてしまうおそれが否定できず、さらなる改善が求められていた。
【0005】
よって、本発明の目的は、上記の課題を解決することができるラッチ回路及びデータの読み出し方法を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様にかかる強誘電体ラッチ回路は、第1のインバーター回路と、第2のインバーター回路と、前記第1のインバーター回路の出力と前記第2のインバーター回路の入力とを接続する第1のスイッチと、前記第2のインバーター回路の出力と前記第1のインバーター回路の入力とを接続する第2のスイッチと、前記第1のインバーター回路の入力に一端が接続されかつ前記第1のインバーター回路の出力に他端が接続された第1の強誘電体キャパシターと、前記第2のインバーター回路の入力に一端が接続されかつ前記第2のインバーター回路の出力に他端が接続された第2の強誘電体キャパシターと、前記第1のインバーター回路の入力と前記第1の強誘電体キャパシターの前記一端との間のノードに一端が接続された第1のキャパシターと、前記第2のインバーター回路の入力と前記第2の強誘電体キャパシターの前記一端との間のノードに一端が接続された第2のキャパシターとを含み、前記第1のキャパシターの他端及び前記第2のキャパシターの他端には、第1の電圧及び前記第1の電圧より低い電圧である第2の電圧の一方の電圧が供給され、前記第1の強誘電体キャパシターの前記他端及び前記第2の強誘電体キャパシターの前記他端には、前記第1の電圧及び前記第2の電圧の他方の電圧が供給され、前記第1及び第2のキャパシター又は前記第1及び第2の強誘電体キャパシターに供給される前記第1の電圧の電圧値に基づいて、前記第1及び前記第2のインバーター回路に前記第1の電圧及び前記第2の電圧のいずれかの電圧を供給するタイミングが制御される。
【0007】
上記ラッチ回路によれば、強誘電体キャパシターに記憶されているデータをインバーター回路の入力に所定の電位差が現われるようにして供給した後に、インバーター回路のラッチ動作が開始されるので、強誘電体キャパシターに記憶されているデータがインバーター回路の入力に読み出される前にラッチ動作が行われることがなく、データの読み出しを正確に行うことができる。また、一旦インバーター回路のラッチ動作が行われた後は、インバーター回路の入出力信号の反転により強誘電体キャパシターの分極状態もそれぞれ反転するため、強誘電体キャパシターにはラッチ回路にラッチされたデータが反転するたびにインバーター回路によって常に書き込みが行われることとなる。したがって、仮に強誘電体ラッチ回路の電源が突然オフしたとしても、強誘電体キャパシターに記憶されていたデータは破壊されることなく記憶され続け、次回の電源投入時においても、電源オフと同様のデータを維持することができる。よって、電源がオフしたとしてもデータが破壊されることはなく、かつ、データ読み出し動作の信頼性を向上させることができる。
【0008】
上記ラッチ回路において、前記第1のインバーター回路の出力と前記第1の強誘電体キャパシターの前記他端との間のノードに接続された第3のスイッチと、
前記第2のインバーター回路の出力と前記第2の強誘電体キャパシターの前記他端との間のノードに接続された第4のスイッチとをさらに含み、前記第1の強誘電体キャパシターの前記他端には、前記第3のスイッチを介して前記第1の電圧及び前記第2の電圧の他方の電圧が供給され、前記第2の強誘電体キャパシターの前記他端には、前記第4のスイッチを介して前記第1の電圧及び前記第2の電圧の他方の電圧が供給されていてもよい。
【0009】
これによれば、強誘電体キャパシターに対する電圧の供給の有無を容易かつ迅速に行うことができる。
【0010】
上記ラッチ回路において、前記第1及び第2のインバーターに供給される第1の電圧あるいは第2の電圧に基づいて、前記第1及び第2のスイッチをオンさせてもよい。
【0011】
これによれば、ラッチ回路のラッチ動作を容易に制御することができる。
【0012】
上記ラッチ回路において、前記第1及び第2のキャパシターは強誘電体キャパシターであってもよい。
【0013】
これによれば、ラッチ回路の小型化を図ることができる。
【0014】
本発明の一態様にかかる半導体記憶装置は、上記ラッチ回路と、ワード線と、前記ワード線の電圧に基づいてオン又はオフする第1及び第2のスイッチングトランジスターと、前記第1のスイッチングトランジスターを介して前記第1の強誘電体トランジスターの前記他端あるいは前記一端に接続された第1のビット線と、前記第2のスイッチングトランジスターを介して前記第2の強誘電体トランジスターの前記他端あるいは前記一端に接続された第2のビット線とを含む。
【0015】
上記半導体記憶装置によれば、上記ラッチ回路をメモリーセルとして有するので、突然の電源オフが発生しても、電源投入後に電源オフ直前の記憶データを保持できる不揮発な記憶装置を実現することができる。
【0016】
本発明の一態様に係るデータの読み出し方法は、第1のインバーター回路と、第2のインバーター回路と、前記第1のインバーター回路の出力と前記第2のインバーター回路の入力とを接続する第1のスイッチと、前記第2のインバーター回路の出力と前記第1のインバーター回路の入力とを接続する第2のスイッチと、前記第1のインバーター回路の入力に一端が接続されかつ前記第1のインバーター回路の出力に他端が接続された第1の強誘電体キャパシターと、前記第2のインバーター回路の入力に一端が接続されかつ前記第2のインバーター回路の出力に他端が接続された第2の強誘電体キャパシターと、前記第1のインバーター回路の入力と前記第1の強誘電体キャパシターの前記一端との間のノードに一端が接続された第1のキャパシターと、前記第2のインバーター回路の入力と前記第2の強誘電体キャパシターの前記一端との間のノードに一端が接続された第2のキャパシターとを含むラッチ回路において、前記第1及び第2の強誘電体キャパシターに記憶されたデータを読み出す方法であって、前記第1のキャパシターの他端及び前記第2のキャパシターの他端に、第1の電圧及び前記第1の電圧より低い電圧である第2の電圧の一方の電圧を供給し、前記第1の強誘電体キャパシターの前記他端及び前記第2の強誘電体キャパシターの前記他端に、前記第1の電圧及び第2の電圧の他方の電圧を供給するステップと、前記第1及び第2のキャパシター又は前記第1及び第2の強誘電体キャパシターに供給される前記第1の電圧の電圧値に基づいて、前記第1及び第2のインバーター回路に前記第1の電圧及び前記第2の電圧のいずれかの電圧を供給するタイミングを制御し、前記第1及び第2のスイッチをオンにすることにより前記第1のインバーター回路と前記第2のインバーター回路とを接続して、前記第1及び第2の強誘電体キャパシターから読み出されたデータを前記第1及び第2のインバーター回路によりラッチするステップとを含む。
【0017】
上記読み出し方法によれば、強誘電体キャパシターに記憶されているデータをインバーター回路の入出力に所定の電位差が現われるようにして供給した後に、インバーター回路のラッチ動作を開始するので、強誘電体キャパシターに記憶されているデータがインバーター回路の入出力に読み出される前にラッチ動作が行われることがなく、データの読み出しを正確に行うことができる。よって、データ読み出し動作の信頼性を向上させることができる。
【0018】
上記読み出し方法において、前記供給ステップは、第3のスイッチをオンして前記第1の強誘電体キャパシターの前記他端に前記第1の電圧及び第2の電圧の他方の電圧を供給する一方で、第4のスイッチをオンして前記第2の強誘電体キャパシターの前記他端に前記第1の電圧及び第2の電圧の他方の電圧を供給することを含み、前記ラッチするステップは、前記第3及び第4のスイッチをオフすることを含んでもよい。
【0019】
これによれば、強誘電体キャパシターに対する電圧の供給の有無を容易かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係るラッチ回路の構成を示す。
【図2】図1に示すラッチ回路の動作のタイミングチャートを示す。
【図3】本発明の他の実施形態に係るラッチ回路の構成を示す。
【図4】図3に示すラッチ回路の動作のタイミングチャートを示す。
【図5】本発明の一実施形態に係るラッチ回路の適用例を示す。
【図6】本発明の一実施形態に係るラッチ回路の他の適用例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、以下の図において同符号のものは同様の意味を表す。
(強誘電体ラッチ回路の構成について)
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るラッチ回路の構成について説明する。
【0022】
本実施形態に係るラッチ回路(以下、強誘電体ラッチ回路ともいう)100は、主な構成として、インバーター回路110,120、強誘電体キャパシター132,134、キャパシター142,144、n型MOSトランジスター152,154、トランスファーゲート162,164を含む。なお、本実施形態に係る強誘電体ラッチ回路100の構成についての説明は、後述する強誘電体ラッチ回路の動作についての説明を適宜参照することができる。
【0023】
図1に示すように、インバーター回路110はn型MOSトランジスター112及びp型MOSトランジスター114を有し、n型MOSトランジスター112のゲートとp型MOSトランジスター114のゲートとが接続されることにより、インバーター回路110の入力が構成され、またn型MOSトランジスター112のドレインとp型MOSトランジスター114のドレインとが接続されることにより、インバーター回路110の出力が構成される。なお、図1に示す例では、インバーター回路110の入力信号配線としてV4が表記され、またインバーター回路110の出力信号配線としてVS4が表記されている。
【0024】
他方、インバーター回路120はn型MOSトランジスター122及びp型MOSトランジスター124を有し、n型MOSトランジスター122のゲートとp型MOSトランジスター124のゲートとが接続されることにより、インバーター回路120の入力が構成され、またn型MOSトランジスター122のドレインとp型MOSトランジスター124のドレインとが接続されることにより、インバーター回路120の出力が構成される。なお、図1に示す例では、インバーター回路120の入力信号配線としてV4Dが表記され、またインバーター回路120の出力信号配線としてVS4Dが表記されている。
【0025】
また、インバーター回路110,120においては、n型MOSトランジスター112,122のソース同士が接続されるとともに当該ソース同士の間のノードには低電圧VSSが供給され、他方、p型MOSトランジスター114,124のソース同士が接続されるとともに当該ソース同士の間のノードには高電圧VCC2が供給されるようになっている。このようにインバーター回路110,120は、高電圧VCC2を高電源電圧とし、かつ、低電圧VSSを低電源電圧として動作するよう構成されている。なお、低電圧VSSは接地電位であってもよい。
【0026】
ここで、高電圧VCC,VCC2及び低電圧VSSは、強誘電体ラッチ回路を含む装置の外部電源を適用してもよいし、当該装置の内部電源を適用してもよいし、又は、外部電源や内部電源を昇圧又は降圧したものを適用してもよい。
【0027】
また、インバーター回路110の出力は、スイッチとして機能するトランスファーゲート162を介してインバーター回路120の入力に接続されている。具体的には、n型MOSトランジスター112のドレインとp型MOSトランジスター114のドレインとの間のノードは、トランスファーゲート162を介してn型MOSトランジスター122のゲートとp型MOSトランジスター124のゲートとの間のノードに接続されている。
【0028】
他方、インバーター回路120の出力は、スイッチとして機能するトランスファーゲート164を介してインバーター回路110の入力に接続されている。具体的には、n型MOSトランジスター122のドレインとp型MOSトランジスター124のドレインとの間のノードは、トランスファーゲート164を介してn型MOSトランジスター112のゲートとp型MOSトランジスター114のゲートとの間のノードに接続されている。
【0029】
トランスファーゲート162,164においては、n型MOSトランジスター側の各ゲートに高電圧VCC2が供給され、p型MOSトランジスター側の各ゲートに信号KPbが供給されるようになっている。すなわち、トランスファーゲート162,164は、高電圧VCC2及び信号KPbの各電圧値に基づいてオン又はオフ制御するよう構成されている。なお、トランスファーゲート162,164は強誘電体ラッチ回路100のラッチ動作を行うためのスイッチである。
【0030】
強誘電体キャパシター132は、強誘電体層、当該強誘電体層の一端に設けられた電極及び当該強誘電体層の他端に設けられた他の電極を有する。強誘電体キャパシター132の一端はインバーター回路110の入力、すなわちn型MOSトランジスター112のゲートとp型MOSトランジスター114のゲートとの間のノードに接続され、強誘電体キャパシター132の他端はインバーター回路110の出力、すなわちn型MOSトランジスター112のドレインとp型MOSトランジスター114のドレインとの間のノードに接続されている。すなわち、強誘電体キャパシター132は、インバーター回路110の入力及び出力の間において、当該インバーター回路110と並列に接続されている。
【0031】
他方、強誘電体キャパシター134は、強誘電体層、当該強誘電体層の一端に設けられた電極及び当該強誘電体層の他端に設けられた他の電極を有する。強誘電体キャパシター134の一端はインバーター回路120の入力、すなわちn型MOSトランジスター122のゲートとp型MOSトランジスター124のゲートとの間のノードに接続され、強誘電体キャパシター134の他端はインバーター回路120の出力、すなわちn型MOSトランジスター122のドレインとp型MOSトランジスター124のドレインとの間のノードに接続されている。すなわち、強誘電体キャパシター132は、インバーター回路120の入力及び出力の間において、当該インバーター回路120と並列に接続されている。
【0032】
このように強誘電体キャパシター132,134がインバーター回路110,120の入出力の間に接続されることにより、インバーター回路110,120の入出力間の電位差に基づいて強誘電体キャパシター132,134にそれぞれデータを書き込むことができる。また、インバーター回路110,120は、トランスファーゲート162,164がオンすることによりラッチ動作を行うと、インバーター回路110の入出力電圧とインバーター回路120の入出力電圧とが反転する。したがって、強誘電体キャパシター132,134に印加される電圧は、互いに絶対値が等しく、かつ、極性が反転する。こうして強誘電体キャパシター132,134には、互いに相補の分極状態を維持し、これにより互いに相補のデータを記憶する。
【0033】
キャパシター142,144は、それぞれ、誘電体層、当該誘電体層の一端に設けられた電極及び当該誘電体の他端に設けられた他の電極を有する。またキャパシター142,144の容量は等しい。キャパシター142の一端はインバーター回路110の入力と強誘電体キャパシター132の一端との間のノードに接続され、また、キャパシター144の一端はインバーター回路120の入力と強誘電体キャパシター134の一端との間のノードに接続されている。他方、キャパシター142,144の各他端は、高電圧VCCが供給されるようになっている。ここで、高電圧VCC及び高電圧VCC2は電源電圧を異なるタイミング又は異なる電圧値で供給することができる点において異なる一方、いずれも強誘電体ラッチ回路100を動作させるための高電源電圧である点において共通する。
【0034】
なお、図1の構成においては、キャパシター142,144は、誘電体層が常誘電体材料からなる常誘電体キャパシターであるが、変形例として、誘電体層が強誘電体材料からなる強誘電体キャパシターを適用してもよい。
【0035】
また、強誘電体キャパシター132の他端及び強誘電体キャパシター134の他端にはそれぞれ、低電圧VSSが供給される。具体的には、強誘電体キャパシター132の他端には、インバーター回路110の出力と強誘電体キャパシター132の他端との間のノードに接続された、スイッチとして機能するn型MOSトランジスター152を介して低電圧VSSが供給される。他方、強誘電体キャパシター134の他端には、インバーター回路120の出力と強誘電体キャパシター134の他端との間のノードに接続された、スイッチとして機能するn型MOSトランジスター154を介して低電圧VSSが供給される。また、n型MOSトランジスター152,154においては、各ソースに低電圧VSSが供給され、各ドレインが強誘電体キャパシター132,134の他端に接続されている。さらに、n型MOSトランジスター152,154の各ゲートには信号CTbが供給されるようになっており、n型MOSトランジスター152,154は信号CTbの電圧値に基づいてオン又はオフ制御するよう構成されている。
【0036】
本実施形態に係る強誘電体ラッチ回路100は、キャパシター142,144の他端に高電圧VCCが供給された後、インバーター回路110,120に高電圧VCC2が供給される。具体的には、高電圧VCCの電圧値が立ち上がり、それに伴い強誘電体キャパシター132,134に記憶されているデータ(すなわち強誘電体キャパシターの内部の分極状態)に対応する電荷が信号配線V4及び信号配線V4Dの間の電位差として読み出される。このとき強誘電体キャパシター132,134に記憶されているデータ(すなわち強誘電体キャパシターの内部の分極状態)は一旦破壊される。かかる読み出し動作が行われた後、インバーター回路110,120を動作させるための高電圧VCC2が供給される。さらに、図1に示す構成においては、インバーター回路110,120に供給される高電圧VCC2及び信号KPbの電圧値に基づいて、トランスファーゲート162,164をオンさせる。これにより、読み出されたデータはラッチ回路100にラッチされる。このとき、インバーター回路110の入出力は信号配線V4及び信号配線V4Dの電位に基づいて高電圧VCC2、あるいは低電圧VSSとなる。それに伴い強誘電体キャパシター132,134には高電圧VCC2と低電圧VSSの電位差によって再書込みが行われ、一旦破壊されていたデータが強誘電体キャパシター132,134に再度記憶される。
【0037】
本実施形態に係る強誘電体ラッチ回路100によれば、強誘電体キャパシター132,134に記憶されているデータをインバーター回路110,120の入力に所定の電位差が現われるようにして供給した後に、インバーター回路110,120のラッチ動作が開始されるので、強誘電体キャパシター132,134に記憶されているデータがインバーター回路110,120の入力に読み出される前にラッチ動作が行われることがなく、データの読み出しを正確に行うことができる。また、一旦インバーター回路110,120のラッチ動作が行われた後は、インバーター回路110,120の入出力信号の反転により強誘電体キャパシター132,134の分極状態もそれぞれ反転するため、強誘電体キャパシター132,134にはラッチ回路100にラッチされたデータが反転するたびにインバーター回路110,120によって常に書き込みが行われることとなる。したがって、仮に強誘電体ラッチ回路100の電源が突然オフしたとしても、強誘電体キャパシター132,134に記憶されていたデータは破壊されることなく記憶され続け、次回の電源投入時においても、電源オフと同様のデータを維持することができる。
【0038】
高電圧VCCの電圧値は高電圧VCC2の電圧値と同じであってもよいし、前者を後者よりも高く設定してもよい。高電圧VCCの電圧値を高くすることにより、強誘電体キャパシター132,134に印加される電圧を高くすることができるので、強誘電体キャパシター132,134の読み出し時において、インバーター回路110,120の入力に現われる電位差を大きくすることができる。
【0039】
また、図1のトランスファーゲート162,164の代わりに、スイッチとしてn型MOSトランジスターをそれぞれ適用してもよい。具体的には、当該n型MOSトランジスターのゲートに高電圧VCC2が供給され、高電圧VCC2の電圧値に基づいて当該n型MOSトランジスターのオン又はオフ制御するよう構成してもよい。またこの場合、高電圧VCC2の電圧値を、強誘電体ラッチ回路100に供給される電源電圧よりも、トランスファーゲート162,164の代わりに適用したn型MOSトランジスターのしきい値電圧以上高く設定してもよい。このような構成を採ることにより、強誘電体キャパシター132,134に対する書き込み電圧を高くすることができ、より正確にデータの読み出し及び再書き込みを行うことができる。
【0040】
また、図1のn型MOSトランジスター152,154の代わりに、強誘電体キャパシター132,134と低電圧VSSとの間にそれぞれキャパシターを設けてもよい。かかる構成と比して、図1のn型MOSトランジスター152,154を用いた構成においては、電圧が印加されるキャパシターの個数が3個から2個と少ない分、強誘電体キャパシター132,134に印加される電圧の比率を高くすることができるため、より正確にデータの読み出し及び再書き込みを行うことができる。
【0041】
以上のとおり、本実施形態に係る強誘電体ラッチ回路においては、電源がオフしたとしてもデータが破壊されることはなく、かつ、データ読み出し動作の信頼性を向上させることができる。
(強誘電体ラッチ回路の動作について)
次に、図1の回路構成を参照しつつ、図2のタイミングチャートを用いて、本発明の一実施形態に係る強誘電体ラッチ回路のデータ読み出し動作について説明する。図2のタイミングチャートにおいて各信号の波形はそれぞれ図1における同名の信号配線の電圧を表している。
【0042】
まず、高電圧VCC及び信号CTbが徐々に立ち上がる。信号CTbが立ち上がると、n型MOSトランジスター152,154がオンして、強誘電体キャパシター132,134の他端に低電圧VSSが供給される。これ以降、高電圧VCCがさらに立ち上がると、互いに直列接続されたキャパシター142及び強誘電体キャパシター132、並びに、キャパシター144及び強誘電体キャパシター134に電圧が印加される。このとき、信号V4には、VCC−VSS間の電位差をキャパシター142及び強誘電体キャパシター132の容量で分割した電圧が現われ、また信号V4Dには、VCC−VSS間の電位差をキャパシター144及び強誘電体キャパシター134の容量で分割した電圧が現われる。強誘電体キャパシター132,134の容量値は、強誘電体キャパシター132,134に記憶された分極値に応じた値となり、キャパシター142,144の容量値は互いに等しい一定値であるため、V4,V4D間には強誘電体キャパシター132,134に記憶された分極値に応じた電位差が生じる。これにより強誘電体キャパシター132,134に記憶されていたデータはV4,V4D間の電位差として読み出される。
【0043】
次に、信号CTbを立ち下げることでn型MOSトランジスター152,154をオフさせると、強誘電体キャパシター132,134の他端、及び、VS4,VS4Dは、低電圧VSSから切り離される。その後、高電圧VCC2を立ち上げて、インバーター回路110,120に電圧を供給するとともに、トランスファーゲート162,164のn型MOSトランジスター側のスイッチをオンさせる。こうして、インバーター回路110,120がラッチ動作を行い、強誘電体キャパシター132,134から読み出されたV4,V4D間の電位差を増幅してラッチする。
【0044】
このとき、インバーター回路110,120のVS4,VS4Dのどちらか(図2に示す例ではVS4D)が高電圧VCC2に充電されるが、トランスファーゲート162,164はn型MOSトランジスター側のスイッチしかオンしていないため、インバーター回路110,120の入力であるV4,V4Dは高電圧VCC2の電位に対してn型MOSトランジスターのしきい値分低い電位までしか上昇しない。その後、信号KPbを立ち下げることで、インバーター回路110,120の入力であるV4,V4Dを高電圧VCC2の電位まで上昇させる。
【0045】
なお、上記した例では高電圧VCC2の立ち上げ後に信号KPbを立ち下げる態様を説明したが、これとは別に、高電圧VCC2の立ち上げと略同時に信号KPbを立ち下げてもよい。すなわち、トランスファーゲート162,164のn型及びp型MOSトランジスターを両方略同時にオンしてもよい。
【0046】
以上の動作により、強誘電体キャパシター132,134にVCC2−VSS間の電位差が生じ、強誘電体キャパシター132,134の分極は、データが記憶されていた元の状態に復帰する。すなわち、強誘電体キャパシター132,134から読み出されたデータはインバーター回路110,120によって増幅及びラッチされ、それと同時に強誘電体キャパシター132,134に再書込みされる。
(他の実施形態について)
次に、図3〜図6を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。なお、なお、以下の説明においては、上記した強誘電体ラッチ回路100の構成及び動作と比して異なる点について説明し、省略する部分については矛盾がない限りにおいて、上記した強誘電体ラッチ回路100の構成及び動作についての内容を参照することができる。
【0047】
図3は本発明の他の実施形態に係る強誘電体ラッチ回路の構成を示し、図4は図3に示す強誘電体ラッチ回路の動作のタイミングチャートを示している。
【0048】
本実施形態に係る強誘電体ラッチ回路200においては、キャパシター242,244の他端に強誘電体ラッチ回路200を動作させるための低電圧VSSが供給され、強誘電体キャパシター232,234の他端に高電圧VCCが供給されており、高電圧VCCが供給された後に低電圧VSS2がインバーター回路210,220に供給される構成を有する。以下具体的に説明する。
【0049】
本実施形態に係る強誘電体ラッチ回路200は、主な構成として、インバーター回路210,220、強誘電体キャパシター232,234、キャパシター242,244、p型MOSトランジスター252,254、トランスファーゲート262,264を含む。なお、本実施形態に係る強誘電体ラッチ回路200の構成についての説明は、後述する強誘電体ラッチ回路の動作についての説明を適宜参照することができる。
【0050】
図3に示すように、インバーター回路210はn型MOSトランジスター212及びp型MOSトランジスター214を有し、n型MOSトランジスター212のゲートとp型MOSトランジスター214のゲートとが接続されることにより、インバーター回路210の入力が構成され、またn型MOSトランジスター212のドレインとp型MOSトランジスター214のドレインとが接続されることにより、インバーター回路210の出力が構成される。なお、図3に示す例では、インバーター回路210の入力信号配線としてV3が表記され、またインバーター回路210の出力信号配線としてVC3が表記されている。
【0051】
他方、インバーター回路220はn型MOSトランジスター222及びp型MOSトランジスター224を有し、n型MOSトランジスター222のゲートとp型MOSトランジスター224のゲートとが接続されることにより、インバーター回路220の入力が構成され、またn型MOSトランジスター222のドレインとp型MOSトランジスター224のドレインとが接続されることにより、インバーター回路220の出力が構成される。なお、図3に示す例では、インバーター回路220の入力信号配線としてV3Dが表記され、またインバーター回路220の出力信号配線としてVC3Dが表記されている。
【0052】
また、インバーター回路210,220においては、n型MOSトランジスター212,222のソース同士が接続されるとともに当該ソース同士の間のノードには低電圧VSS2が供給され、他方、p型MOSトランジスター214,224のソース同士が接続されるとともに当該ソース同士の間のノードには高電圧VCCが供給されるようになっている。このようにインバーター回路210,220は、高電圧VCCを高電源とし、かつ、低電圧VSS2を低電源として動作するよう構成されている。なお、低電圧VSS2は接地電位であってもよい。
【0053】
また、インバーター回路210の出力は、スイッチとして機能するトランスファーゲート262を介してインバーター回路220の入力に接続されている。具体的には、n型MOSトランジスター212のドレインとp型MOSトランジスター214のドレインとの間のノードは、トランスファーゲート262を介してn型MOSトランジスター222のゲートとp型MOSトランジスター224のゲートとの間のノードに接続されている。
【0054】
他方、インバーター回路220の出力は、スイッチとして機能するトランスファーゲート264を介してインバーター回路210の入力に接続されている。具体的には、n型MOSトランジスター222のドレインとp型MOSトランジスター224のドレインとの間のノードは、トランスファーゲート264を介してn型MOSトランジスター212のゲートとp型MOSトランジスター214のゲートとの間のノードに接続されている。
【0055】
トランスファーゲート262,264においては、n型MOSトランジスター側の各ゲートに信号KPが供給され、p型MOSトランジスター側の各ゲートに低電圧VSS2が供給されるようになっている。すなわち、トランスファーゲート262,264は、信号KP及び低電圧VSS2の各電圧値に基づいてオン又はオフ制御するよう構成されている。なお、トランスファーゲート262,264は強誘電体ラッチ回路200のラッチ動作を行うためのスイッチである。
【0056】
強誘電体キャパシター232は、強誘電体層、当該強誘電体層の一端に設けられた電極及び当該強誘電体層の他端に設けられた他の電極を有する。強誘電体キャパシター232の一端はインバーター回路210の入力、すなわちn型MOSトランジスター212のゲートとp型MOSトランジスター214のゲートとの間のノードに接続され、強誘電体キャパシター232の他端はインバーター回路210の出力、すなわちn型MOSトランジスター212のドレインとp型MOSトランジスター214のドレインとの間のノードに接続されている。すなわち、強誘電体キャパシター232は、インバーター回路210の入力及び出力の間において、当該インバーター回路210と並列に接続されている。
【0057】
他方、強誘電体キャパシター234は、強誘電体層、当該強誘電体層の一端に設けられた電極及び当該強誘電体層の他端に設けられた他の電極を有する。強誘電体キャパシター234の一端はインバーター回路220の入力、すなわちn型MOSトランジスター222のゲートとp型MOSトランジスター224のゲートとの間のノードに接続され、強誘電体キャパシター234の他端はインバーター回路220の出力、すなわちn型MOSトランジスター222のドレインとp型MOSトランジスター224のドレインとの間のノードに接続されている。すなわち、強誘電体キャパシター232は、インバーター回路220の入力及び出力の間において、当該インバーター回路220と並列に接続されている。
【0058】
このように強誘電体キャパシター232,234がインバーター回路210,220の入出力の間に接続されることにより、インバーター回路210,220の入出力間の電位差に基づいて強誘電体キャパシター232,234にそれぞれデータを書き込むことができる。また、インバーター回路210,220は、トランスファーゲート262,264がオンすることによりラッチ動作を行うと、インバーター回路210の入出力電圧とインバーター回路220の入出力電圧とが反転する。したがって、強誘電体キャパシター232,234に印加される電圧は、互いに絶対値が等しく、かつ、極性が反転する。こうして強誘電体キャパシター232,234には、互いに相補の分極状態を維持し、これにより互いに相補のデータを記憶する。
【0059】
キャパシター242,244は、それぞれ、誘電体層、当該誘電体層の一端に設けられた電極及び当該誘電体の他端に設けられた他の電極を有する。またキャパシター242,244の容量は等しい。キャパシター242の一端はインバーター回路210の入力と強誘電体キャパシター232の一端との間のノードに接続され、また、キャパシター244の一端はインバーター回路220の入力と強誘電体キャパシター234の一端との間のノードに接続されている。他方、キャパシター242,244の各他端は、低電圧VSSが供給されるようになっている。ここで、低電圧VSS及び低電圧VSS2は電源電圧を異なるタイミング又は異なる電圧値で供給することができる点において異なる一方、いずれも強誘電体ラッチ回路200を動作させるための低電源電圧である点において共通する。
【0060】
なお、図3の構成においては、キャパシター242,244は、誘電体層が強誘電体材料からなる強誘電体キャパシターであるが、変形例として、誘電体層が常誘電体材料からなる常誘電体キャパシターを適用してもよい。
【0061】
また、強誘電体キャパシター232の他端及び強誘電体キャパシター234の他端にはそれぞれ、高電圧VCCが供給される。具体的には、強誘電体キャパシター232の他端には、インバーター回路210の出力と強誘電体キャパシター232の他端との間のノードに接続された、スイッチとして機能するp型MOSトランジスター252を介して高電圧VCCが供給される。他方、強誘電体キャパシター234の他端には、インバーター回路220の出力と強誘電体キャパシター234の他端との間のノードに接続された、スイッチとして機能するp型MOSトランジスター254を介して高電圧VCCが供給される。また、p型MOSトランジスター252,254においては、各ソースに高電圧VCCが供給され、各ドレインが強誘電体キャパシター232,234の他端に接続されている。さらに、p型MOSトランジスター252,254の各ゲートには信号CTが供給されるようになっており、p型MOSトランジスター252,254は信号CTの電圧値に基づいてオン又はオフ制御するよう構成されている。
【0062】
本実施形態に係る強誘電体ラッチ回路200は、強誘電体キャパシター232,234の他端に高電圧VCCが供給された後、インバーター回路210,220に低電圧VSS2が供給される。具体的には、高電圧VCCの電圧値が立ち上がり、当該電圧が強誘電体キャパシター232,234の他端に印加することにより、強誘電体キャパシター232,234に記憶されているデータ(すなわち強誘電体キャパシターの内部の分極状態)に対応する電荷が信号配線V3及び信号配線V3Dの間の電位差として読み出される。このとき強誘電体キャパシター232,234に記憶されているデータ(すなわち強誘電体キャパシターの内部の分極状態)は一旦破壊される。かかる読み出し動作が行われた後、インバーター回路210,220を動作させるための低電圧VSS2が供給される。さらに、図3に示す構成においては、インバーター回路210,220に供給される低電圧VSS2及び信号KPの電圧値に基づいて、トランスファーゲート262,264をオンさせる。これにより、読み出されたデータはラッチ回路200にラッチされる。このとき、インバーター回路210の入出力は信号配線V3及び信号配線V3Dの電位に基づいて高電圧VCC、あるいは低電圧VSS2となる。それに伴い強誘電体キャパシター232,234には高電圧VCCと低電圧VSS2の電位差によって再書込みが行われ、一旦破壊されていたデータが強誘電体キャパシター232,234に再度記憶される。
【0063】
本実施形態に係る強誘電体ラッチ回路200によれば、強誘電体キャパシター232,234に記憶されているデータをインバーター回路210,220の入力に所定の電位差が現われるようにして供給した後に、インバーター回路210,220のラッチ動作が開始されるので、強誘電体キャパシター232,234に記憶されているデータがインバーター回路210,220の入力に読み出される前にラッチ動作が行われることがなく、データの読み出しを正確に行うことができる。また、インバーター回路210,220のラッチ動作が行われた後は、インバーター回路210,220の入出力信号の反転により強誘電体キャパシター232,234の分極状態もそれぞれ反転するため、強誘電体キャパシター232,234にはラッチ回路200にラッチされたデータが反転するたびにインバーター回路210,220によって常に書き込みが行われることとなる。したがって、仮に強誘電体ラッチ回路200の電源が突然オフしたとしても、強誘電体キャパシター232,234に記憶されていたデータは破壊されることなく記憶され続け、次回の電源投入時においても、電源オフと同様のデータを維持することができる。
【0064】
低電圧VSSの電圧値は低電圧VSS2の電圧値と同じであってもよいし、前者を後者よりも低く設定してもよい。低電圧VSSの電圧値を低くすることにより、強誘電体キャパシター232,234に印加される電圧を高くすることができるので、強誘電体キャパシター232,234の読み出し時において、インバーター回路210,220の入力に現われる電位差を大きくすることができる。
【0065】
また、図3のトランスファーゲート262,264の代わりに、スイッチとしてp型MOSトランジスターをそれぞれ適用してもよい。具体的には、当該p型MOSトランジスターのゲートに低電圧VSS2が供給され、低電圧VSS2の電圧値に基づいて当該p型MOSトランジスターのオン又はオフ制御するよう構成してもよい。またこの場合、低電圧VSS2の電圧値を、強誘電体ラッチ回路200に供給される電源電圧よりも、トランスファーゲート262,264の代わりに適用したp型MOSトランジスターのしきい値電圧以下に低く設定してもよい。このような構成を採ることにより、強誘電体キャパシター232,234に対する書き込み電圧を高くすることができ、より正確にデータの読み出し及び再書き込みを行うことができる。
【0066】
また、図3のp型MOSトランジスター252,254の代わりに、強誘電体キャパシター232,234と高電圧VCCとの間にそれぞれキャパシターを設けてもよい。かかる構成と比して、図3のp型MOSトランジスター252,254を用いた構成においては、電圧が印加されるキャパシターの個数が3個から2個と少ない分、強誘電体キャパシター232,234に印加される電圧の比率を高くすることができるため、より正確にデータの読み出し及び再書き込みを行うことができる。
【0067】
以上のとおり、本実施形態に係る強誘電体ラッチ回路においても、電源がオフしたとしてもデータが破壊されることはなく、かつ、データ読み出し動作の信頼性を向上させることができる。
【0068】
次に、図3の回路構成を参照しつつ、図4のタイミングチャートを用いて、本発明の一実施形態に係る強誘電体ラッチ回路のデータ読み出し動作について説明する。図4のタイミングチャートにおいて各信号の波形はそれぞれ図3における同名の信号配線の電圧を表している。
【0069】
まず、高電圧VCCを徐々に立ち上げるとともに信号CTを0Vに維持する。信号CTが0Vであると、p型MOSトランジスター252,254がオンして、強誘電体キャパシター232,234の他端に高電圧VCCが供給される。これ以降、高電圧VCCがさらに立ち上がると、互いに直列接続されたキャパシター242及び強誘電体キャパシター232、並びに、キャパシター244及び強誘電体キャパシター234に電圧が印加される。このとき、信号V3には、VCC−VSS間の電位差をキャパシター342及び強誘電体キャパシター332の容量で分割した電圧が現われ、また信号V3Dには、VCC−VSS間の電位差をキャパシター244及び強誘電体キャパシター234の容量で分割した電圧が現われる。強誘電体キャパシター232,234の容量値は、強誘電体キャパシター232,234に記憶された分極値に応じた値となり、キャパシター242,244の容量値は互いに等しい一定値であるため、V3,V3D間には強誘電体キャパシター232,234に記憶された分極値に応じた電位差が生じる。これにより強誘電体キャパシター232,234に記憶されていたデータはV3,V3D間の電位差として読み出される。
【0070】
次に、信号CTを立ち上げることでp型MOSトランジスター252,254をオフさせると、強誘電体キャパシター232,234の他端、及び、VC3,VC3Dは、高電圧VCCから切り離される。その後、低電圧VSS2を立ち下げて、インバーター回路210,220に電圧を供給するとともに、トランスファーゲート262,264のp型MOSトランジスター側のスイッチをオンさせる。こうして、インバーター回路210,220がラッチ動作を行い、強誘電体キャパシター232,234から読み出されたV3,V3D間の電位差を増幅してラッチする。
【0071】
このとき、インバーター回路210,220のVC3,VC3Dのどちらか(図4に示す例ではVC3D)が低電圧VSS2に放電されるが、トランスファーゲート262,264はp型MOSトランジスター側のスイッチしかオンしていないため、インバーター回路210,220の入力であるV3,V3Dは低電圧VSS2の電位に対してp型MOSトランジスターのしきい値分高い電位までしか下降しない。その後、信号KPを立ち上げることで、インバーター回路210,220の入力であるV3,V3Dを低電圧VSS2の電位まで下降させる。
【0072】
なお、上記した例では低電圧VSS2の立ち下げ後に信号KPを立ち上げる態様を説明したが、これとは別に、低電圧VSS2の立ち下げと略同時に信号KPを立ち上げてもよい。すなわち、トランスファーゲート262,264のn型及びp型MOSトランジスターを両方略同時にオンしてもよい。
【0073】
以上の動作により、強誘電体キャパシター232,234にVCC−VSS2間の電位差が生じ、強誘電体キャパシター232,234の分極は、データが記憶されていた元の状態に復帰する。すなわち、強誘電体キャパシター232,234から読み出されたデータはインバーター回路210,220によって増幅及びラッチされ、それと同時に強誘電体キャパシター232,234に再書込みされる。
【0074】
図5は本発明の一実施形態に係る強誘電体ラッチ回路の適用例を示したものである。図5の構成においては、強誘電体ラッチ回路102が半導体装置(ロジック回路)1000のラッチ回路として適用されている。
【0075】
ここで、図5に示す強誘電体ラッチ回路102は、高電圧VCCと高電圧VCC2とが入れ替わって表記されている点、またキャパシター142,144の代わりに、強誘電体キャパシターであるキャパシター143,245が適用されている点において、図1に示す強誘電体ラッチ回路100と異なる。
【0076】
半導体装置1000は、強誘電体ラッチ回路102のほか、強誘電体ラッチ回路102を他の周辺回路と接続するためのトランスファーゲート172,174を含む。トランスファーゲート172は、半導体装置1000の入力側の周辺回路からの信号N1を強誘電体ラッチ回路102に入力するためのスイッチであり、具体的には、強誘電体キャパシター132の他端とインバーター回路110の出力との間のノードと、信号N1との接続をオン又はオフ制御する。また、トランスファーゲート172のn型MOSトランジスター側のゲートに信号CLKが供給され、トランスファーゲート172のp型MOSトランジスター側のゲートに信号CLKbが供給される。他方、トランスファーゲート174は、強誘電体ラッチ回路102からの出力を半導体装置1000の出力側の周辺回路へ出力するためのスイッチであり、具体的には、強誘電体キャパシター134の他端とインバーター回路120の出力との間のノードと、信号N2との接続をオン又はオフ制御する。また、トランスファーゲート174のp型MOSトランジスター側のゲートに信号CLKが供給され、トランスファーゲート172のn型MOSトランジスター側のゲートに信号CLKbが供給される。なお、信号CLKbは信号CLKの波形が反転した波形を有する。すなわち、信号CLK及びCLKb、並びに、トランスファーゲート172,174により、強誘電体ラッチ回路102の入出力を排他的にオン又はオフ制御する。
【0077】
図5の構成においては、インバーター回路110,120に供給される高電圧VCCは、半導体装置1000の他の周辺回路(図示しない)の電源電圧が適用されている。具体的には、高電圧VCCは、当該周辺回路の電源電圧と共有されるタイミング及び電圧値が同じであってもよい。
【0078】
他方、強誘電体キャパシター132,134等に供給される高電圧VCC2は、高電圧VCCの電圧値よりも高く、また高電圧VCCの立ち上がりよりも早いタイミングで立ち上がるようにしてもよい。このような構成を採ることにより、強誘電体キャパシター132,134に印加される電圧を、強誘電体ラッチ回路102のインバーター回路110,120や半導体装置1000の周辺回路よりも早く立ち上げることができるので、強誘電体キャパシター132,134に記憶されているデータがインバーター回路110,120の入出力に読み出される前に、ラッチ動作が行われることがなく、また周辺回路の動作に起因して誤作動の影響を受けることもない。
【0079】
次に、図5に示される半導体装置1000のデータ読み出し動作について説明する。
【0080】
まず、強誘電体ラッチ回路102及び周辺回路の高電圧VCCの電位が0Vの状態で、高電圧VCC2を立ち上げ、強誘電体キャパシター132,134に記憶されているデータを読み出す。このとき、高電圧VCCの電位が0Vであり、周辺回路の一例であるクロック生成回路(図示しない)は信号CLK,CLKbを生成しないため、CLK=CLKb=0V、N1=N2=0Vとなっている。
【0081】
かかる状態において、高電圧VCC2及び信号CTbを立ち上げ、強誘電体ラッチ回路100の動作において説明したように(ただし高電圧VCC及びVCC2が入れ替わって適用される)、強誘電体キャパシター132,134に記憶されていたデータを信号配線V4,V4D間の電位差として読み出した後、高電圧VCCを立ち上げる。こうして強誘電体キャパシター132,134から読み出されたデータはインバーター回路110,120によって増幅及びラッチされ、それと同時に強誘電体キャパシター132,134に再書込みされる。
【0082】
高電圧VCCが立ち上がると、信号CLK,CLKbを生成するクロック生成回路にも電源電圧が供給され、例えば信号CLKが立ち下がるとともに信号CLKbが立ち上がり、これによりトランスファーゲート172がオフするとともにトランスファーゲート174がオンする。かかる状態において、強誘電体ラッチ回路102はラッチ動作を行う。
【0083】
このようにして、半導体装置1000は、信号N1から入力したデータを強誘電体ラッチ回路102によってラッチし、当該データを信号N2に転送する。そして、当該ラッチデータは同時に、強誘電体キャパシター132,134にも不揮発な分極値として書き込まれるため、突然の電源オフ時においても当該ラッチデータは保持され、次回の電源投入時に復活させることが出来る。
【0084】
以上のとおり、本実施形態に係る半導体装置においては、上記強誘電体ラッチ回路を有することにより、突然の電源オフが発生しても、電源投入後に電源オフ直前の動作を再開できる不揮発なロジック回路を実現することができる。
【0085】
なお、変形例として、図5の強誘電体ラッチ回路102に代えて、図3に示す強誘電体ラッチ回路200を適用して半導体装置を構成してもよい。この場合、図3の構成のうち低電圧VSSと低電圧VSS2とを入れ替えて適用してもよい。すなわち、強誘電体キャパシター232,234等に供給される低電圧VSS2を低電圧VSSの立ち下がりよりも早いタイミングで立ち下がるようにしてもよい。このような構成を採ることにより、強誘電体キャパシター232,234に印加される電圧を、強誘電体ラッチ回路200のインバーター回路210,220や半導体装置の周辺回路よりも早く立ち下げることができるので、強誘電体キャパシター232,234に記憶されているデータがインバーター回路210,220の入出力に読み出される前に、ラッチ動作が行われることがなく、また周辺回路の動作に起因して誤作動の影響を受けることもない。また、トランスファーゲート172は強誘電体キャパシター132の他端とインバーター回路110の出力との間のノードではなく、強誘電体キャパシター132の一端とインバーター回路110の入力との間のノードに接続し、トランスファーゲート174は強誘電体キャパシター134の他端とインバーター回路120の出力との間のノードではなく、強誘電体キャパシター134の一端とインバーター回路120の入力との間のノードに接続してもよい。かかる構成においてもトランスファーゲート172,174は強誘電体ラッチ回路102の入出力を排他的にオン又はオフ制御することができる。
【0086】
図6は本発明の一実施形態に係る強誘電体ラッチ回路の他の適用例を示したものである。図6の構成においては、強誘電体ラッチ回路104が半導体記憶装置1100の半導体メモリーセル(SRAM)として適用されている。半導体記憶装置1100は、各々がメモリーセルとして機能する複数の強誘電体ラッチ回路104をアレイ状に配列する構成を有する。
【0087】
ここで、図6に示す強誘電体ラッチ回路104は、キャパシター142,144の代わりに、強誘電体キャパシターであるキャパシター143,145が適用されている点、トランスファーゲート162,164の代わりに、スイッチとして機能するn型MOSトランジスター163,165が適用されている点において、図1に示す強誘電体ラッチ回路100と異なる。
【0088】
半導体記憶装置1100は、強誘電体ラッチ回路104のほか、複数のワード線WLと、当該ワード線の電圧に基づいてオン又はオフ制御するスイッチングトランジスター182,184と、スイッチングトランジスター182を介して強誘電体キャパシター132の他端に接続されたビット線BLと、スイッチングトランジスター184を介して強誘電体キャパシター134の他端に接続されたビット線BLbとを含む。スイッチングトランジスター182,184は、ゲートが共通のワード線WLに接続され、ソース又はドレインの一方がビット線BL又はBLbに接続され、他方が強誘電体キャパシター132又は134の他端に接続されている。
【0089】
強誘電体ラッチ回路104においては、トランスファーゲートの代わりにn型MOSトランジスター163,165を適用し、またキャパシター143,145を強誘電体キャパシターとして構成することにより、半導体記憶装置1100の小型化を図ることができる。かかる点は、強誘電体ラッチ回路104がアレイ状に多数配列されるような本適用例においては特に効果的である。また、図1に示す構成と比して、信号KPbが不要となるためその分さらなる小型化を図ることができる。
【0090】
なお、スイッチングトランジスター182,184がn型MOSトランジスターである場合、ワード線WLの選択電位は、高電圧VCC2にさらにスイッチングトランジスター182,184のしきい値以上を加えた電圧としてもよい。これにより、インバーター回路110,120の入力であるV4,V4Dの電圧は高電圧VCC2の電位まで上昇するため、強誘電体キャパシター132,134に対する書き込み電圧はVCC2−VSS間の電位差と等しくなる。
【0091】
半導体記憶装置1100においては、強誘電体キャパシター132,134から読み出されたデータを強誘電体ラッチ回路104にラッチした後は、当該強誘電体ラッチ回路104は通常のSRAMメモリーセルとして動作する。そして、当該メモリーセルに記憶されたデータは同時に、強誘電体キャパシター132,134にも不揮発な分極値として書き込まれる。よって、突然の電源オフ時においても当該メモリーセルのデータは保持され、次回の電源投入時に復活させることができる。
【0092】
以上のとおり、本実施形態に係る半導体記憶装置においては、上記強誘電体ラッチ回路をメモリーセルとして有することにより、突然の電源オフが発生しても、電源投入後に電源オフ直前の記憶データを保持できる不揮発なSRAMを実現することができる。
【0093】
なお、本実施形態においてはスイッチングトランジスター182を強誘電体キャパシター132の他端ではなく、強誘電体キャパシター132の一端に接続し、スイッチングトランジスター184は強誘電体キャパシター134の他端ではなく、強誘電体キャパシター134の一端に接続してもよい。かかる構成においても本実施例と全く同様に不揮発なSRAMを実現することができる。
【0094】
上記発明の実施形態を通じて説明された実施例や応用例は、用途に応じて適宜に組み合わせて、又は変更若しくは改良を加えて用いることができ、本発明は上述した実施形態の記載に限定されるものではない。そのような組み合わせ又は変更若しくは改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0095】
100,102,104,200・・・強誘電体ラッチ回路、110,120・・・インバーター回路、162,164・・・トランスファーゲート、132,134,232,234・・・強誘電体キャパシター、142〜145,242,244・・・キャパシター、152,154・・・n型MOSトランジスター、252,254・・・p型MOSトランジスター、WL・・・ワード線、BL,BLb・・・ビット線、182,184・・・スイッチングトランジスター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のインバーター回路と、
第2のインバーター回路と、
前記第1のインバーター回路の出力と前記第2のインバーター回路の入力とを接続する第1のスイッチと、
前記第2のインバーター回路の出力と前記第1のインバーター回路の入力とを接続する第2のスイッチと、
前記第1のインバーター回路の入力に一端が接続されかつ前記第1のインバーター回路の出力に他端が接続された第1の強誘電体キャパシターと、
前記第2のインバーター回路の入力に一端が接続されかつ前記第2のインバーター回路の出力に他端が接続された第2の強誘電体キャパシターと、
前記第1のインバーター回路の入力と前記第1の強誘電体キャパシターの前記一端との間のノードに一端が接続された第1のキャパシターと、
前記第2のインバーター回路の入力と前記第2の強誘電体キャパシターの前記一端との間のノードに一端が接続された第2のキャパシターと
を含み、
前記第1のキャパシターの他端及び前記第2のキャパシターの他端には、第1の電圧及び前記第1の電圧より低い電圧である第2の電圧の一方の電圧が供給され、
前記第1の強誘電体キャパシターの前記他端及び前記第2の強誘電体キャパシターの前記他端には、前記第1の電圧及び前記第2の電圧の他方の電圧が供給され、
前記第1及び第2のキャパシター又は前記第1及び第2の強誘電体キャパシターに供給される前記第1の電圧の電圧値に基づいて、前記第1及び前記第2のインバーター回路に前記第1の電圧及び前記第2の電圧のいずれかの電圧を供給するタイミングが制御される、ラッチ回路。
【請求項2】
前記第1のインバーター回路の出力と前記第1の強誘電体キャパシターの前記他端との間のノードに接続された第3のスイッチと、
前記第2のインバーター回路の出力と前記第2の強誘電体キャパシターの前記他端との間のノードに接続された第4のスイッチと
をさらに含み、
前記第1の強誘電体キャパシターの前記他端には、前記第3のスイッチを介して前記第1の電圧及び前記第2の電圧の他方の電圧が供給され、
前記第2の強誘電体キャパシターの前記他端には、前記第4のスイッチを介して前記第1の電圧及び前記第2の電圧の他方の電圧が供給される、請求項1記載のラッチ回路。
【請求項3】
前記第1及び第2のインバーターに供給される第1の電圧あるいは第2の電圧に基づいて、前記第1及び第2のスイッチをオンさせる、請求項1又は2記載のラッチ回路。
【請求項4】
前記第1及び第2のキャパシターは強誘電体キャパシターである、請求項1〜3のいずれかに記載のラッチ回路。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のラッチ回路と、
ワード線と、
前記ワード線の電圧に基づいてオン又はオフする第1及び第2のスイッチングトランジスターと、
前記第1のスイッチングトランジスターを介して前記第1の強誘電体トランジスターの前記他端あるいは前記一端に接続された第1のビット線と、
前記第2のスイッチングトランジスターを介して前記第2の強誘電体トランジスターの前記他端あるいは前記一端に接続された第2のビット線と
を含む、半導体記憶装置。
【請求項6】
第1のインバーター回路と、
第2のインバーター回路と、
前記第1のインバーター回路の出力と前記第2のインバーター回路の入力とを接続する第1のスイッチと、
前記第2のインバーター回路の出力と前記第1のインバーター回路の入力とを接続する第2のスイッチと、
前記第1のインバーター回路の入力に一端が接続されかつ前記第1のインバーター回路の出力に他端が接続された第1の強誘電体キャパシターと、
前記第2のインバーター回路の入力に一端が接続されかつ前記第2のインバーター回路の出力に他端が接続された第2の強誘電体キャパシターと、
前記第1のインバーター回路の入力と前記第1の強誘電体キャパシターの前記一端との間のノードに一端が接続された第1のキャパシターと、
前記第2のインバーター回路の入力と前記第2の強誘電体キャパシターの前記一端との間のノードに一端が接続された第2のキャパシターと
を含むラッチ回路において、前記第1及び第2の強誘電体キャパシターに記憶されたデータを読み出す方法であって、
前記第1のキャパシターの他端及び前記第2のキャパシターの他端に、第1の電圧及び前記第1の電圧より低い電圧である第2の電圧の一方の電圧を供給し、前記第1の強誘電体キャパシターの前記他端及び前記第2の強誘電体キャパシターの前記他端に、前記第1の電圧及び第2の電圧の他方の電圧を供給するステップと、
前記第1及び第2のキャパシター又は前記第1及び第2の強誘電体キャパシターに供給される前記第1の電圧の電圧値に基づいて、前記第1及び第2のインバーター回路に前記第1の電圧及び前記第2の電圧のいずれかの電圧を供給するタイミングを制御し、前記第1及び第2のスイッチをオンにすることにより前記第1のインバーター回路と前記第2のインバーター回路とを接続して、前記第1及び第2の強誘電体キャパシターから読み出されたデータを前記第1及び第2のインバーター回路によりラッチするステップと
を含む、読み出し方法。
【請求項7】
前記供給ステップは、第3のスイッチをオンして前記第1の強誘電体キャパシターの前記他端に前記第1の電圧及び第2の電圧の他方の電圧を供給する一方で、第4のスイッチをオンして前記第2の強誘電体キャパシターの前記他端に前記第1の電圧及び第2の電圧の他方の電圧を供給することを含み、
前記ラッチするステップは、前記第3及び第4のスイッチをオフすることを含む、請求項6記載の読み出し方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−192038(P2010−192038A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35350(P2009−35350)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】