説明

リソグラフィ装置およびデバイス製造方法

【課題】EUVリソグラフィ装置のスループットを向上し、リソグラフィ装置の所有コストを減らすこと。
【解決手段】リソグラフィ装置は、放射ビームを調整するように構成された照明システムと、パターニングデバイスを保持するように構成されたパターンサポートであって、パターニングデバイスが放射ビームをパターニングし、パターン付き放射ビームを形成するように構成される、パターンサポートと、基板を保持するように構成された基板ホルダであって、基板ホルダは基板と接触する支持表面を含む、基板ホルダと、基板上にパターン付き放射ビームを投影するように構成された投影システムと、洗浄ユニットを含む洗浄システムであって、洗浄ユニットは基板ホルダの支持表面上にラジカルを発生させ、そこから汚染を除去するように構成される、洗浄システムを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、リソグラフィ装置およびデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。その場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、または1つ以上のダイを含む)に転写することができる。通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。公知のリソグラフィ装置としては、ターゲット部分上にパターン全体を一度に露光することにより各ターゲット部分を照射するステッパ、および放射ビームによってある特定の方向(「スキャン」方向)にパターンをスキャンすると同時に、この方向に平行または逆平行に基板をスキャンすることにより各ターゲット部分を照射するスキャナが含まれる。パターンを基板上にインプリントすることにより、パターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
【0003】
[0003] フォトリソグラフィは、ICおよび他のデバイスおよび/または構造の製造における重要なステップの1つとして広く認識されている。現在、同様の精度、速度、および経済的な生産性で所望のパターンアーキテクチャを提供する代替技術はないようである。しかしながら、フォトリソグラフィを使用して作られるフィーチャの寸法が小さくなるにつれて、フォトリソグラフィは小型ICまたは他のデバイスおよび/または構造を非常に大量に製造可能にするには、最も重大な、最もでないにしても重大な障害(critical gating factors)の1つに
なりつつある。
【0004】
[0004] パターン印刷の限界の理論的推定値は、式(1)に示される解像度についてのレイリー(Rayleigh)基準によって与えられることができる。
CD=k×λ/NAPS (1)
【0005】
ここで、λは、使用される放射の波長であり、NAPSは、パターンを印刷するのに使用される投影システムの開口数であり、kは、プロセス依存調節係数であり、レイリー定数とも呼ばれ、CDは、印刷されたフィーチャのフィーチャサイズ(またはクリティカルディメンション)である。
【0006】
[0005] 式(1)から判断すると、フィーチャの最小印刷可能サイズの縮小が、3つの方法:露光波長λを短くすることによって、開口数NAPSを増加させることによって、または、kの値を減少させることによって、達成することができる、と言える。
【0007】
[0006] 露光波長を顕著に短くするため、そしてそれにより、最小印刷可能ピッチを縮小するために、極端紫外線(EUV)放射源を使用することが提案されてきている。従来の紫外線源が、約193nmより大きい放射波長を出力するように構成されているのとは対照的に、EUV放射源は約13nmの放射波長を出力するように構成されている。したがって、EUV放射源は極小フィーチャ印刷を達成するための重要なステップを構成し得る。このような放射は、極端紫外線または軟X線と称され、可能な放射源には、例えば、レーザー生成プラズマ源、放電プラズマ源、または電子蓄積リングからのシンクロトロン放射が挙げられる。
【0008】
[0007] EUVリソグラフィ装置のスループットを向上し、リソグラフィ装置の所有コストを減らすことが望ましい。多数の要因がEUVシステムのスループットに影響し得る。
【発明の概要】
【0009】
[0008] EUVリソグラフィ装置内の汚染を除去することが望ましい。汚染の除去によりリソグラフィ装置の有用性が向上する。
【0010】
[0009] 本発明の一態様において、放射ビームを調整するように構成された照明システムと、パターニングデバイスを保持するように構成されたパターンサポートであって、パターニングデバイスは放射ビームをパターニングし、パターン付き放射ビームを形成するように構成される、パターンサポートと、基板を保持するように構成された基板ホルダであって、基板ホルダは基板と接触する支持表面を含む、基板ホルダと、パターン付き放射ビームを基板上に投影するように構成された投影システムと、洗浄ユニットを含む洗浄システムであって、洗浄ユニットは基板ホルダの支持表面上にラジカルを発生させ、そこから汚染を除去するように構成される、洗浄システムと、を含むリソグラフィ装置が提供される。
【0011】
[0010] 本発明の一態様において、放射ビームを調整することと、放射ビームをパターニングしてパターン付き放射ビームを形成することと、基板ホルダの支持表面により支持される基板上にパターン付き放射ビームを投影することと、基板ホルダの支持表面上にラジカルを発生させてそこから汚染を除去することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
[0011] 本発明のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の概略図を参照して以下に説明する。これらの図面において同じ参照符号は対応する部分を示す。
【図1】[0012] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。
【図2a】[0013] 図2aは、本発明の一実施形態による基板テーブルを概略的に示す。
【図2b】[0013] 図2bは、本発明の一実施形態による基板テーブルを概略的に示す。
【図3】[0014] 図3は、本発明の一実施形態による、図1のリソグラフィ装置の露光領域およびメトロロジ領域を概略的に示す。
【図4】[0015] 図4は、本発明の一実施形態による洗浄ユニットを概略的に示す。
【図5】[0016] 図5は、本発明の一実施形態による洗浄ユニットを概略的に示す。
【図6】[0017] 図6は、本発明の一実施形態による洗浄ユニットを概略的に示す。
【図7】[0018] 図7は、本発明の一実施形態による洗浄ユニットを概略的に示す。
【詳細な説明】
【0013】
[0019] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置1を概略的に示している。このリソグラフィ装置1は、放射を発生するように構成された放射源SO、および放射源SOから受けた放射から放射ビームB(例えばEUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILを備える。放射源SOは独立したユニットとして設けられてよい。サポートまたはパターンサポート(例えばマスクテーブル)MTが、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、かつ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置付けるように構成された第1位置決めデバイスPMに連結されている。基板テーブルまたは基板サポート(例えばウェーハテーブル)WTが、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、かつ特定のパラメータに従って基板を正確に位置付けるように構成された第2位置決めデバイスPWに連結されている。投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSが、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成されている。
【0014】
[0020] リソグラフィ装置1は、リソグラフィ装置の様々な要素を囲む真空壁ENも含む。真空壁ENは、例えば、照明システムIL、投影システムPS、およびリソグラフィ装置1の他の要素を含む様々なチャンバ(図1では図示せず)を囲んでよい。放射源SOがリソグラフィ装置1の一部である場合、真空壁ENは、放射源SOを含むチャンバも囲んでよい。これらチャンバは、放射源SOにより出力された放射ビームの吸収を防ぎ、かつ様々な光エレメントの汚染を防ぐために選択されたガスで充填され得る。ガスは、リソグラフィ装置1の構造に基づいて選択され得る。例えば、一実施において、リソグラフィ装置1は極端紫外線(EUV)リソグラフィシステムであり、真空壁ENの様々なチャンバは、真空状態となるよう排気され、また、水素分子(H)の小さなバックグラウンド圧力を有してよい。別の実施において、真空壁の様々なチャンバは、窒素のバックグラウンド圧力を有してよい。本発明の他の実施形態において、追加のガスも使用してよいことは理解されよう。
【0015】
[0021] 照明システムとしては、放射を誘導し、整形し、または制御するために、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せ等の様々なタイプの光コンポーネントを含むことができる。
【0016】
[0022] サポートまたはパターンサポートは、パターニングデバイスの配向、リソグラフィ装置の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否か等の他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスを保持する。サポートは、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポートは、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポートは、パターニングデバイスを、例えば、投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。本明細書において使用される「レチクル」または「マスク」という用語はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語と同義であると考えるとよい。
【0017】
[0023] 本明細書において使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。なお、留意すべき点として、放射ビームに付与されたパターンは、例えば、そのパターンが位相シフトフィーチャまたはいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分内の所望のパターンに正確に一致しない場合もある。通常、放射ビームに付与されたパターンは、集積回路等のターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定機能層に対応することになる。
【0018】
[0024] パターニングデバイスは、透過型であっても、反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レゼンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフト等のマスク型、ならびに様々なハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付ける。
【0019】
[0025] 本明細書において使用される「投影システム」という用語は、使われている露光放射にとって、あるいは液浸液の使用または真空の使用といった他の要因にとって適切な、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型、および静電型光学系、またはそれらのあらゆる組合せを含むあらゆる型の投影システムを包含していると広く解釈されるべきである。本明細書において使用される「投影レンズ」という用語はすべて、より一般的な「投影システム」という用語と同義であると考えるとよい。
【0020】
[0026] 本明細書に示されているとおり、リソグラフィ装置1は、反射型のもの(例えば、反射型マスクを採用しているもの)である。また、リソグラフィ装置は、透過型のもの(例えば、透過型マスクを採用しているもの)であってもよい。
【0021】
[0027] リソグラフィ装置1は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルは並行して使うことができ、または予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
【0022】
[0028] また、リソグラフィ装置1は、投影システムと基板との間の空間を満たすように、比較的高い屈折率を有する液体(例えば水)によって基板の少なくとも一部を覆うことができるタイプのものであってもよい。また、リソグラフィ装置内の別の空間、例えば、マスクと投影システムとの間に液浸液を加えてもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるための技術においてよく知られている。本明細書において使用される「液浸」という用語は、基板のような構造物を液体内に沈めなければならないという意味ではなく、単に、例えば、露光中、投影システムと基板との間に液体があるということを意味するものである。
【0023】
[0029] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射を受ける。例えば、放射源がエキシマレーザである場合、放射源とリソグラフィ装置は、別個の構成要素であってもよい。そのような場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射は、放射源SOからイルミネータILへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを使って送られる。その他の場合においては、例えば、放射源が水銀ランプである場合、放射源は、リソグラフィ装置の一体部分とすることもできる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要ならばビームデリバリシステムとともに、放射システムと呼んでもよい。
【0024】
[0030] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するように構成された調節デバイスを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。更に、イルミネータILは、インテグレータおよびコンデンサ(図1では図示せず)といった様々な他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使って放射ビームを調整すれば、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布をもたせることができる。
【0025】
[0031] 放射ビームBは、サポート(例えばマスクテーブルMT)上に保持されているパターニングデバイス(例えばマスクMA)上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイスMAにより反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上に投影する。第2位置決めデバイスPWおよび位置センサIF2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使って、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置付けるように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1位置決めデバイスPMおよび別の位置センサIF1(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使い、例えば、マスクライブラリから機械的に取り出した後またはスキャン中に、パターニングデバイスMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置付けることもできる。通常、サポートMTの移動は、第1位置決めデバイスPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を使って達成することができる。同様に、基板テーブルWTの移動も、第2位置決めデバイスPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使って達成することができる。ステッパの場合は、スキャナとは対照的に、マスクテーブルMTは、ショートストロークアクチュエータのみに連結されてもよく、または固定されてもよい。パターニングデバイスMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2と、基板アライメントマークP1、P2とを使って、位置合わせされてもよい。例示では基板アライメントマークが専用ターゲット部分を占めているが、基板アライメントマークをターゲット部分とターゲット部分との間の空間内に置くこともできる(これらは、スクライブラインアライメントマークとして公知である)。同様に、複数のダイがパターニングデバイスMA上に設けられている場合、マスクアライメントマークは、ダイとダイの間に置かれてもよい。
【0026】
[0032] 例示の装置は、以下に説明するモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
【0027】
[0033] ステップモードにおいては、サポートMTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、Xおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。ステップモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光時に結像されるターゲット部分Cのサイズが限定される。
【0028】
[0034] スキャンモードにおいては、サポートMTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。サポートMTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。スキャンモードにおいては、露光フィールドの最大サイズよって、単一動的露光時のターゲット部分の幅(非スキャン方向)が限定される一方、スキャン動作の長さによって、ターゲット部分の高さ(スキャン方向)が決まる。
【0029】
[0035] 別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、サポートMTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、更にプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0030】
[0036] 上述の使用モードの組合せおよび/もしくはバリエーション、または完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
【0031】
[0037] 図2aは、本発明の一実施形態による、図1の基板テーブルWTの断面を概略的に示す。基板テーブルWTは、以下ミラーブロックMBとも称するメインブロック、および基板ホルダWHを含む。基板ホルダWHは、メインブロック、すなわちミラーブロックMB上に位置付けされ、基板Wを支持する複数の突出部200を含む。ミラーブロックMBは、その1つ以上の側面上に配置された1つ以上のミラーおよび/または格子を含んでよい。1つ以上のミラーおよび/または格子は、干渉計および/またはエンコーダシステムと協働し、基板ホルダWHの位置を制御するように構成されている。突出部200の先端にラフネス(例えばナノラフネス)が与えられ、基板Wが基板ホルダWH上に付着するのを防ぐ。基板Wと接触する突出部200の先端は、支持表面210を集合的に画定しており、それは図2a中の破線で概略的に示されている。基板Wが基板テーブルWTの支持表面210上にロードされる場合、例えば、突出部200間に画定された空間に真空を与えることにより、基板Wを支持表面210に対して吸い付けることができる。あるいは、基板Wは、例えば静電気力を使用して、基板ホルダWH上にクランプされてもよい。これらの方法を使用することで、基板Wは、支持表面210により定められる形をとる。特に、基板Wの形は、全て同一面内に置かれた突出部200の接触表面により定められる。
【0032】
[0038] 図2bを参照すると、1つ以上の汚染粒子220が支持表面210と基板Wの裏面との間に存在する場合、基板Wの形は、支持表面210の形によってだけでなく、汚染粒子220によっても左右される。図2bは、x方向に沿った様々な位置における基板ホルダの断面を示す。図2bが示すように、汚染粒子220は基板の容認できない変形を引き起こし、これは、基板頂面上へのパターニングデバイスにおけるパターンの結像中のフォーカスエラーおよびオーバーレイエラーをもたらし得る。これらのエラーにより、製造された基板が不合格品として廃棄され、そしてそれにより、リソグラフィ装置1のスループットを下げてしまいうる。これにより、リソグラフィ装置1の全体の運用コストが増加してしまいうる。
【0033】
[0039] 基板テーブルWT上に存在し得る汚染粒子を減少させるために、リソグラフィ装置1は、汚染粒子を除去するように構成された洗浄システムを含んでよい。図3は、本発明の一実施形態による洗浄システム300の略図を示す。洗浄システム300は、基板テーブルWTを洗浄するように構成された洗浄ユニット310を含む。洗浄システム300は、リソグラフィ装置1のメトロロジ領域中に位置付けされ得るその場(in situ)システムである。洗浄ユニット310を使用して、基板テーブルWTからの基板のアンローディングと基板テーブルWT上への別の基板のローディングとの間に、基板テーブルWTを洗浄してよい。
【0034】
[0040] 図3に示すように、洗浄ユニット310は、フレーム330に取り付けられ、リソグラフィ装置1のメトロロジ領域中に位置付けされる。一実施形態において、フレーム330は、メトロロジ要素(例えば干渉計および/またはエンコーダシステム)を支持するように構成されたメトロロジフレームである。メトロロジ領域340は、複数の測定(例えば基板アライメント、露光されたパターンのキャラクタライゼーション)が基板Wに対して行われ得るリソグラフィ装置1内の領域である。実際には、基板テーブルWTは、露光領域350からメトロロジ領域340へ、およびその逆へも移動可能である。リソグラフィ装置1は、並行して使用され得る複数の基板テーブルWTも含むことができる。例えば、第1基板テーブル上で測定または洗浄を行う一方で、1つ以上の他のテーブルが露光に使用されていてもよい。
【0035】
[0041] 洗浄システム300は、フレーム330に対して洗浄ユニット310を移動するまたは駆動するように構成された駆動ユニット320も含む。駆動ユニット320は、垂直z方向(つまり、基板テーブルの上面に対して実質的に垂直な方向)および/または水平x方向に沿って洗浄ユニット310を移動させるように構成され得る。本構成において、洗浄処置中に、洗浄ユニット310が基板ホルダWHの支持表面210に近接した位置へと下げられ、次に、基板テーブルWTは、支持表面全体が確実に洗浄されるように、洗浄ユニット310に対して移動させられる。1つ以上の突出部200上に存在し得る汚染は、洗浄ユニット310によって実質的に除去されることになる。あるいは、本発明の別の実施形態において、基板テーブルWTは、洗浄処置中に固定され、洗浄ユニット310が基板テーブルWTの全面(つまりx方向およびy方向)に亘って移動させられてもよい。洗浄動作は、自動化することができ、また、リソグラフィ装置1を開かず行われるので、ダウンタイムを相当に下げ、リソグラフィ装置1のスループットを相当に増加させることができる。
【0036】
[0042] 図4を参照すると、当該図は、本発明の一実施形態による洗浄ユニット310の略図を示す。洗浄ユニット310は、基板ホルダWHの上面または支持表面210から有機汚染物質を選択的にエッチング除去する中性ラジカル(例えば水素)を含むプラズマを生成するように構成されている。通常、有機汚染は、基板ホルダWHの全汚染の約90から95%に相当する。この有機汚染は、コーティングプロセス中に残ったフォトレジスト粒子から通常生じる。図4の実施形態によるプラズマ洗浄は、基板ホルダWHの全体の汚染を、容認できるレベルまで大幅に減少させ得る。
【0037】
[0043] 洗浄ユニット310は、ガス供給源(図4では図示せず)に連結した第1インレット410および真空ユニット(図4では図示せず)に連結したアウトレット420を有するハウジングまたはフード400を含む。ガス供給源および真空ユニットは、リソグラフィ装置1の一部であっても、または、リソグラフィ装置の外部に配置されてもよい。洗浄ユニット310は、フード400のハウジング内に配置されて、RF電源440に連結したRF電極430またはプラズマジェネレータも含む。動作中、ガス流、例えば水素分子が、ハウジングまたはフード400に供給され、プラズマ450がRF電極430によりハウジング内で発生される。反応性の高い水素ラジカルH・が、プラズマ450により生成される。これらの中性ラジカルは、基板ホルダWHの表面210上に存在し得る汚染物質、例えば有機汚染物質と反応する。そして、これらの汚染物質は表面210から脱着し、続けて真空ユニットにより取り出される。
【0038】
[0044] 有機汚染物質の除去は、プラズマ中に含まれる荷電粒子によっても達成され得る。これら荷電粒子は、表面210に衝突するように、電極と基板ホルダWHとの間の電場により加速させられる。
【0039】
[0045] 実際には、ハウジングまたはフード400は、基板ホルダWHの表面210に近接して置かれる。シール460が、リソグラフィ装置1の構造によって、ハウジングまたはフード400の間に設けられても、設けられなくてもよい。例えば、リソグラフィ装置1がEUVリソグラフィ装置の場合、水素雰囲気が、真空壁ENによって囲まれかつ洗浄ユニット310の外部の空間内(または、少なくとも真空壁ENによって囲まれたいくつかのチャンバ内)に維持され得る。この構造では、ハウジングまたはフード400と、基板ホルダWHの表面210との間にシールは必要ない。しかし、真空状態、またはプラズマを発生させるため使用されたガスと異なるガスの雰囲気を維持することが望ましい場合、ハウジングまたはフード400と、基板ホルダWHの表面210との間にシール460が設けられてよい。
【0040】
[0046] 図4の実施形態で、ラジカル、例えば水素ラジカルを使用すると、突出部の機械的侵食が制限されるために、洗浄石とは対照的に、突出部200へ損傷を与える可能性を相当に減少させ得る。通常、基板Wと基板ホルダWHとの間に十分なラフネスを維持するために、洗浄プロセスは、突出部200の侵食をできる限り制限することが望ましい。ラフネスが減少すると、基板Wは基板ホルダWHに付着し、基板ホルダWHから基板Wを取り外すためにより強力な力が必要になり得る。このより強力な力は、基板Wを潜在的に破砕、および/または破壊し得る。
【0041】
[0047] 追加のガス、例えば酸素を本発明の別の実施形態において使用してよいことが理解されよう。このガスは、基板ホルダWH上に存在し得る汚染粒子と反応するラジカルを生成する適性があることにより選択される。複数のインレットおよび/またはアウトレットを、本発明の別の実施形態において使用してもよいことも理解されよう。例えば、一実施形態では、複数のアウトレットおよびインレットが、ハウジングまたはフード400の周囲に配置されてよい。インレットおよびアウトレットの位置、形、およびサイズも、形成されるプラズマに依存して本発明の他の実施形態において異なってよい。更に、電極430を介して、ガスをハウジングまたはフード400内部に導入することも可能である。この構成において、電極はシャワーヘッドとして機能する。
【0042】
[0048] 更に、洗浄ユニット310は、図4の実施形態におけるRF電極およびRF放射源を有するプラズマジェネレータを含む一方で、プラズマ450は、洗浄ユニット310中で異なる方法で生成され得ることが理解されよう。例えば、DC電圧を用いてガス放電およびプラズマ450を生成してよい。別の実施形態において、RFコイルを使用してプラズマ450を生成してよい。RFコイルは、ハウジングまたはフード400内部のプラズマ450が形成される領域周辺に位置付けされ得る。
【0043】
[0049] 図4の実施形態では、洗浄ユニット310は、基板ホルダWHの局所領域でプラズマを生成するように構成されている。この実施形態において、基板テーブルWTおよび洗浄ユニット310は、互いに移動させられ(例えば、基板テーブルWT、洗浄ユニット310、または両方が移動させられ)、基板ホルダWHの実質的に全領域をプラズマ450に確実にさらすようにし得る。しかし、基板ホルダWHの実質的に全領域に亘ってプラズマ450を生成するように、洗浄ユニット310を必要な大きさにすることも可能である。この代替実施形態において、基板ホルダWHの全表面を実質的に覆うように、ハウジングまたはフード400の大きさが調整され得る。
【0044】
[0050] 図5を参照すると、当該図は本発明の一実施形態による洗浄ユニット500を示す。洗浄ユニット500は、例えば、ハウジングまたはフード510周辺で水素分子雰囲気が維持されるEUVシステムにおいて、例えば洗浄システム300および基板テーブルWTが置かれている領域で、使用されるよう構成されている。図4の実施形態と同様に、洗浄ユニット500は、真空ユニット(図5では図示せず)に連結したアウトレット520を有するハウジングまたはフード510を含む。洗浄ユニット510は、フード500のハウジング内に収容されて、RF電源540に連結したRF電極530も含む。
【0045】
[0051] ハウジングまたはフード510は、ハウジング510の外部と内部との間にガス連通を可能にするよう構成された複数の開口560を含むメッシュ材料により形成される。この構成では、真空壁ENにより囲まれた空間内部、つまりハウジング510の外部に維持される水素雰囲気は、洗浄ユニット500への水素供給源または水素源として機能するように構成されている。したがって、動作中、ハウジング510の外部に存在するガス、例えば水素分子Hは、開口560を通過し、そしてプラズマ550が、RF電極530によってハウジング内で発生される。ハウジング510を介したガス連通は、図5に矢印により概略的に表されている。反応性の高い水素ラジカルH・が、プラズマ550により生成され、例えば有機汚染物質である、基板ホルダWHの表面210上に存在し得る汚染物質と反応する。そして、これらの汚染物質は表面210から脱着し、続けて真空ユニットによって取り出される。有機汚染物質の除去は、プラズマ中に含まれる荷電粒子によっても達成させ得ると理解されよう。これら荷電粒子は、表面210に衝突するように、電極と基板ホルダWHとの間の電場により加速させられる。本発明の別の実施形態において、追加のガス、例えば酸素も使用してよいことは理解されよう。
【0046】
[0052] 真空壁ENによって囲まれた空間中に存在する水素分子の雰囲気圧力は、約1mbar(例えば、約0.1mbarと10mbarの間の範囲)であり得る。この圧力は、表面210を洗浄するのに必要なだけの中性ラジカルを提供するのに十分であり得る。あるいは、プラズマ形成を促進し、ハウジング510内のラジカル量を増加させるために、洗浄ユニット500が置かれている領域で水素分子の雰囲気圧力を局所的に増加させることも可能である。例えば、一実施形態において、水素分子の圧力は、露光領域350よりもメトロロジ領域340において高いレベルに保たれ得る。
【0047】
[0053] メッシュ材料における開口560の数およびサイズは、変化し得ることが理解されよう。例えば、一実施形態において、開口のサイズは、約0.1mmと10mmの間の範囲である。あるいは、メッシュ材料を使用する代わりに、ハウジング510は、ハウジング510の外部と内部との間でガス連通を可能にする1つ以上の開口を有する金属(例えばステンレス鋼)から作られた囲いで形成されてもよい。
【0048】
[0054] 図6は、本発明の一実施形態による洗浄ユニット600を示す。この洗浄ユニットは、チューブ610、およびプラズマジェネレータ620を含む。プラズマジェネレータ620は、チューブ610の領域640でプラズマ630を生成するように構成されている。プラズマジェネレータ620は、例えば、チューブ610に沿って置かれたRFコイル、または、マイクロ波もしくはRFキャビティを含み得る。プラズマ630を発生させるように構成された他のシステムも、本発明の他の実施形態において使用してよい。あるいは、ラジカルは、連続モードまたはバーストモードのDC放電において生成され得る。水素分子、または酸素等他のガスの流れ650が、チューブ610を通って流れるように提供される。水素は、プラズマ630を流れ、それにより中性水素ラジカルの流れが作り出される。プラズマ630中で、中性およびイオン化された活性粒子が生成される。イオン化された粒子は、チューブ610の壁、または、例えばチューブ開口部に設けられ得るファラデー(Faraday)グリッド660に衝突することにより中性になり得る。中性ラジカルは、ビーム670としてチューブ610を出る。中性ラジカルは、基板ホルダ210の表面210に存在し得る有機汚染物質と反応する。中性ラジカルによって脱着させられた汚染粒子は、真空ユニット(図6では図示せず)のアウトレット680により排出させられ得る。
【0049】
[0055] 図7は、図6に示される装置の変形を示す。この場合、洗浄ユニット700は、例えばグローワイヤ等の高温要素710でラジカルを発生させるように構成されている。加熱要素710は、効率的な熱解離のために、例えば約1500℃から約1900℃の温度であり得る。この装置および方法は、水素ガスの流れ650から水素ラジカルのビーム720を発生させるのに特に有用である。
【0050】
[0056] 複数のアウトレット680が、洗浄ユニット600、700内に設けられ、脱着された粒子を排出し得ることが理解されよう。あるいは、または、更に、排出ハウジングまたはフードが、リソグラフィ装置の残りの部分へのガス流を最小限にするために、チューブ610に取り付けられ得る。シールが、真空排気フードまたはハウジングと、基板ホルダWHの表面210との間に設けられ得る。
【0051】
[0057] 一実施形態において、基板ホルダWHの表面210の洗浄は、中性ラジカルによる洗浄と、研磨洗浄とを組み合わせて無機粒子を除去し得る。研磨洗浄は、洗浄石により行われ得る。洗浄石は、メトロロジ領域340に置かれた独立した洗浄ブロック内に配置され得る。洗浄石は、セラミック材料を含んでよく、導電性を持ち得る。例えば、セラミック材料は、アルミナまたはチタン酸化物、および添加物として金属を含んでよい。洗浄石は、グラウンド電位に電気的に連結され、洗浄動作中に静電荷が蓄積することを防ぎ得る。この様な静電荷の蓄積は、表面210と洗浄石との間で静電気引力を引き起こし得る。
【0052】
[0058] 再び図3を参照すると、洗浄システム300は、基板ホルダWHの表面上の汚染粒子を検出する汚染検出ユニット360も含み得る。汚染検出ユニット360および基板テーブルWTは、互いに移動させられ、基板ホルダWHの表面210全体がスキャンされ、潜在的な汚染粒子が検出され得る。洗浄ユニット310および汚染検出ユニット360は、コントローラ370によって動作可能に制御され得る。汚染検出ユニット360によって提供される汚染測定値に基づいて、コントローラ370は、洗浄ユニット310に命令して、基板ホルダWHの表面210の特定の領域または位置を洗浄させる。例えば、コントローラは、基板テーブルWT、洗浄ユニット310、またはその両方に命令して、互いに移動するようにさせ、洗浄ユニット310が、汚染粒子が検出された領域に近接して位置付けされるようにする。このようにして、洗浄時間を実質的に減少させることが可能である。あるいは、基板ホルダWHの表面全体を洗浄することも可能である。
【0053】
[0059] 汚染検出ユニット360には、放射源を含むレベルセンサ、レンズシステム、およびディテクタ(図3では図示せず)が設けられ得る。レベルセンサは、基板ホルダWHの支持表面210にその裏側が接して保持される基板Wの表面の表面形状を検出するために使用され得る。レベルセンサが使用される場合、放射源は基板Wの表面上に向けられる放射ビームを生成する。そして、放射ビームは、基板Wの表面で反射され、その後ディテクタに向けられる。ディテクタは、基板Wの頂面の表面形状の変形を示す、ビーム方向の変化を測定するように構成されている。このような変形は、基板が特定の位置で厚くなることによって、または基板Wの裏側と支持表面210との間に存在する汚染物質によって引き起こされ得る。少なくとも2つの基板の表面形状をデータ記憶ユニットに格納し、これらの表面形状を比較することによって、同様の位置において繰り返し生じる表面形状の変形が検出され得る。これは、この位置における支持表面210の汚染を示し得る。レベルセンサは、フォーカス検出システムであってよい。
【0054】
[0060] 上記記載は、リソグラフィ装置内の単一の下流ラジカル源のみを明記しているが、必要な全洗浄時間を、リソグラフィ装置1内に2つ以上の下流ラジカル源を設けることによって減少し得ることは理解されよう。
【0055】
[0061] プログラミングを含むコンピュータシステムのソフトウエア機能は、実行コードを含み、上記洗浄プロセスを実施するために使用され得る。ソフトウエアコードは、汎用コンピュータによって実行可能であり得る。動作中、コードおよび場合により関連するデータ記録は、汎用コンピュータプラットフォーム内に格納され得る。しかし、他の場合、ソフトウエアは、他の記憶場所に格納され得る、および/または適切な汎用コンピュータシステム内にロードするために搬送され得る。したがって、上述した実施形態は、少なくとも1つの機械可読媒体が有する1つ以上のコードモジュールの形態の1つ以上のソフトウエアまたはコンピュータ製品が関連する。コンピュータシステムのプロセッサによりこれらのコードを実行することで、プラットフォームが、本明細書で説明および例示された実施形態において実行される方法で実質的に機能を実施することを可能にする。
【0056】
[0062] 本明細書で使用される場合、コンピュータまたは機械「読取可能媒体」等の用語は、プロセッサに実行のための命令を与えることに関与するあらゆる媒体を指す。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含むが、これらに限定されない多くの形態を取ってよい。不揮発性媒体は、例えば、上述のように動作するあらゆるコンピュータにおける任意の記憶デバイス等の光ディスクまたは磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、コンピュータシステムのメインメモリ等のダイナミックメモリを含む。物理的な伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含み、コンピュータシステム内のバスを構成するワイヤを含んでいる。搬送波伝送媒体は、電気もしくは電磁信号、または無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信中に発生される音波もしくは光波等の音波もしくは光波の形態を取ることができる。したがって、コンピュータ読取可能媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD−ROM、DVD、あらゆる他の光媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有するあらゆる他の物理媒体などあまり一般的に使用されない媒体、RAM、PROM、およびEPROM、FLASH−EPROM、あらゆる他のメモリチップまたはカートリッジ、搬送波輸送データまたは命令、搬送波等を送るケーブルまたはリンク、またはコンピュータがプログラミングコードおよび/またはデータを読み取り、または送ることができるあらゆる他の媒体を含む。コンピュータ読取可能媒体のこれら形態の多くは、実行のためにプロセッサに1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを搬送することを含み得る。
【0057】
[0063] 本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、上述以外の態様で実施できることが明らかである。当該記載は、本発明を限定することを意図していない。
【0058】
[0064] 本明細書で、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。そのような代替用途においては、本明細書で使用される「ウェーハ」または「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」または「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよいことが当業者には理解されるだろう。本明細書に記載される基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、および/またはインスペクションツールにより処理され得る。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツールおよびその他の基板プロセシングツールに適用し得る。更に基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよく、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。
【0059】
[0065] リソグラフィ装置は、投影システムの最終要素と基板との間の空間を満たすように、例えば水といった比較的高い屈折率を有する液体に基板の表面を浸漬するタイプのものであってもよい。液浸液は、例えば、パターニングデバイスと投影システムの第1要素との間といったリソグラフィ装置の他の空間に加えてもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるための技術においてよく知られている。
【0060】
[0066] 本明細書で使用される「放射」および「ビーム」という用語は、紫外線(UV)(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm、または126nmの波長、またはおよそこれらの値の波長を有する)、および極端紫外線(EUV)(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)、ならびにイオンビームや電子ビーム等の微粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射を包含している。
【0061】
[0067] 「レンズ」という用語は、文脈によっては、屈折、反射、磁気、電磁気、および静電型光コンポーネントを含む様々なタイプの光コンポーネントのいずれか1つまたはこれらの組合せを指すことができる。
【0062】
[0068] 以上、本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、上述以外の態様で実施できることが明らかである。例えば、本発明は、上記に開示した方法を表す1つ以上の機械可読命令のシーケンスを含むコンピュータプログラムの形態、またはこのようなコンピュータプログラムが記憶されたデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスクまたは光ディスク)の形態であってもよい。
【0063】
[0069] 上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射ビームを調整するように構成された照明システムと、
パターニングデバイスを保持するように構成されたパターンサポートであって、前記パターニングデバイスは前記放射ビームをパターニングし、パターン付き放射ビームを形成するよう構成される、パターンサポートと、
基板を保持するように構成され、前記基板と接触する支持表面を含む基板ホルダと、
前記パターン付き放射ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
洗浄ユニットを含み、前記基板ホルダの前記支持表面上にラジカルを発生させ、そこから汚染を除去するように構成される洗浄システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
【請求項2】
前記放射ビームは極端紫外線範囲内の波長を有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ラジカルは水素ラジカルである、
請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記洗浄ユニットは、
水素供給源に連通しているインレットおよび真空ユニットに連通しているアウトレットを含むハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記ハウジング内で水素プラズマを生成して前記ラジカルを発生させるように構成されたプラズマジェネレータと、
を含む、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記プラズマジェネレータはRF電極、DC放電電極、またはRFコイルを含む、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ハウジングは、使用する際に、前記基板ホルダに近接して位置付けられ、前記支持表面の少なくとも一部上に前記ラジカルを発生させる、
請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記支持表面により画定された全領域を実質的に覆うように構成される、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
使用する際に、前記基板ホルダおよび前記洗浄ユニットは互いに移動可能である、
先行する請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記洗浄ユニットは、前記支持表面に実質的に垂直な方向に沿って移動可能である、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記洗浄システムは、前記支持表面上の汚染を検出するように構成された汚染検出システム、前記汚染検出システムおよび前記洗浄ユニットに連通したコントローラを更に含み、
前記コントローラは、前記汚染検出システムの検出結果に基づいて、前記洗浄ユニット、前記基板ホルダ、またはその両方の位置を制御するように構成される、
先行する請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記洗浄システムは、水素雰囲気が維持されている前記装置内の領域に置かれ、
前記洗浄ユニットは、
複数の開口と、真空ユニットに連通したアウトレットとを含むハウジングであって、前記複数の開口は前記水素雰囲気と前記ハウジングの内部との間の連通を可能にする、ハウジングと、
前記ハウジングの前記内部に配置され、水素プラズマを生成して前記ラジカルを発生させるように構成されたプラズマジェネレータであって、前記水素雰囲気が前記プラズマジェネレータ用の水素供給源として機能するように構成される、プラズマジェネレータと、
を含む、
先行する請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記ハウジングはメッシュ材料で作られている、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記洗浄ユニットは水素の流れ内に置かれた高温要素を含み、
前記高温要素は前記ラジカルを生成する熱解離を引き起こすのに十分な温度である、
先行する請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
放射ビームを調整することと、
前記放射ビームをパターニングしてパターン付き放射ビームを形成することと、
基板ホルダの支持表面により支持される基板上に前記パターン付き放射ビームを投影することと、
前記基板ホルダの前記支持表面上にラジカルを発生させそこから汚染を除去することと、
を含むデバイス製造方法。
【請求項15】
前記放射ビームは極端紫外線範囲内の波長を有する、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ラジカルは水素ラジカルである、
請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記ラジカルを発生させることは、
ハウジングの内部に水素を供給することと、
前記ハウジング内に水素プラズマを生成して前記ラジカルを発生させることと、
を含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記水素を供給することは、前記基板ホルダが置かれる領域において水素雰囲気を維持することを含み、
前記水素雰囲気は水素供給源として機能して前記ハウジング内で前記プラズマを生成するように構成される、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ハウジングはメッシュ材料で作られている、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記水素は前記基板ホルダが置かれている領域の外部に置かれた水素源から供給される、
請求項17から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記プラズマは、RF電極、DC放電電極、またはRFコイルにより生成される、
請求項17から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記支持表面の少なくとも一部上に前記ラジカルを発生させるために、前記ハウジング、前記基板ホルダ、または両方を移動して前記ハウジングを前記基板ホルダに近接して位置付けること、を更に含む、
請求項17から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記ハウジングは、前記支持表面により画定された全領域を実質的に覆うように構成される、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記支持表面の汚染を検出することと、前記検出に基づいて、前記支持表面の少なくとも一部上に前記ラジカルを発生させるために、前記洗浄ユニット、前記基板ホルダ、またはその両方の位置を制御して前記ハウジングを前記基板ホルダに近接して位置付けることと、を更に含む、
請求項17から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記発生させることは、高温要素内に水素の流れを提供することを含み、
前記高温要素は前記ラジカルを生成する熱解離を引き起こすのに十分な温度である、
請求項14から24のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−534946(P2010−534946A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518550(P2010−518550)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【国際出願番号】PCT/EP2008/006145
【国際公開番号】WO2009/015838
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】