説明

リソグラフィ装置及び汚染物を除去する方法

【課題】リソグラフィ装置の表面を効果的に洗浄できるシステム及び方法を提供する。
【解決手段】リソグラフィ装置は、洗浄する表面に洗浄流体を提供する流体供給システムを含む。洗浄流体は、25〜98.99重量%の水と、1種又は数種のグリコールエーテル、エステル、アルコール及びケトンから選択される1〜74.99重量%の溶媒と、0.01〜5重量%の界面活性剤とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、リソグラフィ装置とリソグラフィ装置内の汚染物を除去する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが与えられる互いに近接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所定の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所定の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
【0003】
[0003] 例えば水などの比較的高い屈折率を有する液体にリソグラフィ投影装置内の基板を浸漬させて投影システムの最終要素と基板との間の空間を充填することが提案されている。ある実施形態では、液体は蒸留水であるが、その他の液体も使用することができる。液体に関して本発明のある実施形態について説明する。しかし、別の流体、特に湿潤流体、非圧縮性流体、及び/又は空気より屈折率が大きい流体、望ましくは水より屈折率が大きい流体が適している。ガスを除く流体が特に望ましい。このポイントは、液体内の方が露光放射の波長が短いためより小さいフィーチャの結像が可能であるということである。(また、液体の効果はシステムの実効開口数(NA)と焦点深度を増加させることである。)固体微粒子(例えば、石英)を内部に懸濁させた水、又はナノ微粒子(最大10nmの寸法の微粒子)の懸濁液を含むその他の液浸液も提案されている。懸濁微粒子は、それを懸濁させる液体と屈折率が類似していても、類似していなくても又は同じであってもよい。適している他の液体は、芳香族炭化水素、フッ化炭化水素などの炭化水素及び/又は水溶液等である。
【0004】
[0004] 基板又は基板及び基板テーブルを液体の浴槽に浸すこと(例えば米国特許US4,509,852号参照)は、スキャン露光中に加速すべき大きい塊の液体があることでもある。これには、追加のモータ又はさらに強力なモータが必要であり、液体中の乱流が望ましくない予測不能な効果を引き起こすことがある。
【0005】
[0005] 液浸装置内では、液浸液は、流体ハンドリングシステム又は装置によってハンドリングされる。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは液浸流体を供給でき、従って、流体供給システムである。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは流体を閉じ込めることができ、従って、流体閉じ込めシステムである。閉じ込められた流体が液体の場合、流体閉じ込めシステムは液体閉じ込め構造を有する。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは流体へのバリアを提供でき、従って、バリア部材である。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは流体(ガスなどの)のフローを生成又は使用して、例えば、非接触ガスシールとして液体を閉じ込めるといった液体ハンドリングを助けることができる。ある実施形態では、液浸液は、液浸流体として使用されてもよい。その場合、流体ハンドリングシステムは液体ハンドリングである。提案されている構成の1つは、液体供給システムが液体閉じ込めシステムを使用して、基板の局所領域に、及び投影システムの最終要素と基板の間にのみ液体を提供する(基板は通常、投影システムの最終要素より大きい表面積を有する)。これを配置構成するために提案されている1つの方法が、PCT特許出願公開WO99/49504号で開示されている。図2及び図3に図示されているように、液体が少なくとも1つの入口によって基板上に、好ましくは最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給される。液体は、投影システムの下を通過した後に少なくとも1つの出口によって除去される。つまり、基板が−X方向にて要素の下でスキャンされると、液体が要素の+X側にて供給され、−X側にて取り上げられる。図2は、液体が入口を介して供給され、低圧源に接続された出口によって要素の他方側で取り上げられる構成を概略的に示したものである。図2の図では、液体が最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給されるが、こうである必要はない。最終要素の周囲に配置された入口及び出口の様々な方向及び数が可能であり、一例が図3に図示され、ここでは各側に出口を持つ4組の入口が、最終要素の周囲の規則的パターンで設けられる。液体フローの方向は、図2及び図3の矢印で示されていることに留意されたい。
【0006】
[0006] 局所液体供給システムがある液浸リソグラフィのさらなる解決法が、図4に図示されている。液体が、投影システムPSのいずれかの側にある2つの溝入口によって供給され、入口の半径方向外側に配置された複数の別個の出口によって除去される。入口及び出口は投影される投影ビームが通る穴が中心にある板に配置することができる。液体は、投影システムPSの一方側にある1つの溝入口によって供給され、投影システムPSの他方側にある複数の別個の出口によって除去されて、投影システムPSと基板Wの間に液体の薄膜の流れを引き起こす。どの組み合わせの入口と出口を使用するかの選択は、基板Wの動作方向によって決定することができる(他の組み合わせの入口及び出口は動作しない)。液体フロー及び基板Wの方向は、図4の矢印で示されていることに留意されたい。
【0007】
[0007] 提案されている別の構成は、投影システムの最終要素と基板テーブルの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在する液体閉じ込め部材を液体供給システムに設ける。このような構成が図5に図示されている。液体閉じ込め部材は、投影システムに対してXY面では実質的に静止しているが、Z方向(光軸の方向)には多少の相対運動があってよい。液体閉じ込め構造と基板の表面の間にシールが形成される。実施形態では、シールは液体閉じ込め構造と基板の表面の間に形成され、ガスシールなどの非接触シールとすることができる。このようなシステムが、米国特許出願公開US2004−0207824号に開示され、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0008】
[0008] それぞれが参照により全体が本明細書に組み込まれる欧州特許出願公開EP1420300号及び米国特許出願公開第2004−0136494号では、ツイン又はデュアルステージ液浸リソグラフィ装置の概念が開示されている。このような装置は、基板を支持する2つのテーブルを備える。第1の位置にあるテーブルで、液浸液がない状態でレベリング測定を実行し、液浸液が存在する第2の位置にあるテーブルで、露光を実行する。あるいは、装置は、1つのテーブルのみを有する。
【0009】
[0009] PCT特許出願公開WO2005/064405号は、液浸液が閉じ込められないオールウェット構成を開示している。このようなシステムでは、実質的に基板の上面全体が液体で覆われる。これは、基板の上面全体が実質的に同じ状態に曝露しているので有利なことがある。これは、基板の温度制御及び処理にとって利点を有する。WO2005/064405号では、液体供給システムが投影システムの最終要素と基板の間のギャップに液体を提供する。その液体は、基板の残りの部分の上に漏れることができる。基板テーブルの縁部にあるバリアは、液体が逃げるのを防止し、したがって制御された方法で基板テーブルの上面からこれを除去することができる。このようなシステムは、基板の温度制御及び処理を改良するが、それでも液浸液の蒸発が生じることがある。その問題の軽減に役立つ1つの方法が、米国特許出願公開US2006/119809号に記載されている。全ての位置で基板Wを覆い、液浸液を自身と基板及び/又は基板を保持する基板テーブルの上面との間に延在させるように構成された部材が提供される。
【0010】
[0010] リソグラフィマシンで遭遇する可能性のある1つの問題は、システム内及び基板表面の汚染微粒子の発生である。システム内に微粒子があることで、例えば、微粒子が投影システムと露光中の基板との間にある場合、露光工程で障害が発生することがある。汚染は、例えば、流体封じ込めシステムの性能に有害な影響を及ぼすことがある。従って、汚染微粒子の存在を低減させることが望ましい。それ故、リソグラフィマシン内の洗浄システムが望ましい。洗浄流体によっては、レンズ及びその他の光学コーティングと不適合であるため、洗浄には問題がある。
【0011】
[0011] 従来、リソグラフィ装置内の表面の洗浄は、超純水(UPW)、TLDR−A0001などの洗剤、又は過酸化水素などの物質を用いて行われてきた。しかし、これらの薬剤は必ずしも所望の程度まで効果的に洗浄するとは限らない。本発明の実施形態は、リソグラフィ装置の表面を効果的に洗浄できる洗浄流体を提供する。
【発明の概要】
【0012】
[0012] リソグラフィ装置内の表面を洗浄するシステムを提供することが望ましい。
【0013】
[0013] 本発明のある態様によれば、洗浄する表面に洗浄流体を提供するように構成された流体供給システムを備えるリソグラフィ装置が提供される。洗浄流体は、25〜98.99重量%の水と、1種又は数種のグリコールエーテル、エステル、アルコール及びケトンから選択される1〜74.99重量%の溶媒と、0.01〜5重量%の界面活性剤とを含む。
【0014】
[0014] 本発明のある態様によれば、リソグラフィ装置内の表面を洗浄する方法が提供される。この方法は、洗浄する表面に洗浄流体を供給するステップを含む。洗浄流体は、25〜98.99重量%の水と、1種又は数種のグリコールエーテル、エステル、アルコール及びケトンから選択される1〜74.99重量%の溶媒と、0.01〜5重量%の界面活性剤とを含む。
【0015】
[0015] 本発明のある態様によれば、リソグラフィ装置を洗浄する洗浄流体の使用法が提供される。
【0016】
[0016] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の図面を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】[0017]本発明のある実施形態によるリソグラフィ装置を示す図である。
【図2】[0018]リソグラフィ投影装置で使用する液体供給システムとしての流体ハンドリング構造を示す図である。
【図3】[0018]リソグラフィ投影装置で使用する液体供給システムとしての流体ハンドリング構造を示す図である。
【図4】[0019]リソグラフィ投影装置で使用する別の液体供給システムを示す図である。
【図5】[0020]本発明のある実施形態で液体供給システムとして使用することができるバリア部材の断面図である。
【図6】[0021]本発明のある実施形態で使用することができる別のバリア部材の断面図である。
【図7】[0022]液浸フード内のストリーム挙動を模倣するための実験構成を示す図である。
【図8A】[0023]さまざまな溶媒内に24時間液浸した後の軟質ポリウレタン(PUR)チューブの重量変化を示すグラフである。
【図8B】[0024]さまざまな溶媒内に24時間液浸した後のバイトンOリングの重量変化を示すグラフである。
【図9A】[0025]さまざまな溶媒にさらされた軟質ポリウレタンの経時的な吸収及び脱着を示す図である。
【図9B】[0026]さまざまな溶媒にさらされたバイトンの経時的な吸収及び脱着を示す図である。
【図10】[0027]洗浄流体にさらされその後すすぎ処理されたPFA及びFluranチューブのTOCレベルを示す図である。
【図11】[0028]各種レンズコーティングの以下のSEM顕微鏡写真を示す図である。実験開始時のポリウレタンベースのコーティング(上段左)、UPWにさらしたポリウレタンベースのコーティング(中段左)、DEGBEにさらしたポリウレタンベースのコーティング(下段左)、実験開始時のSiOコーティング(上段右)、UPWにさらしたSiOコーティング(中段右)、DEGBEにさらしたSiOコーティング(下段右)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0029] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
[0030]− 放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
[0031]− パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
[0032]− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
[0033]− パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
【0019】
[0036] 照明システムは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組み合わせなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
【0020】
[0037] 支持構造MTはパターニングデバイスを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
【0021】
[0038] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特別な機能層に相当する。
【0022】
[0039] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
【0023】
[0040] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なされる。
【0024】
[0041] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
【0025】
[0042] リソグラフィ装置は2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
【0026】
[0043] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
【0027】
[0044] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するアジャスタAMを備えていてもよい。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調整し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
【0028】
[0045] 放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターンが与えられる。放射ビームBはパターニングデバイスMAを通り抜けて、投影システムPSを通過し、これは、基板Wのターゲット部分C上にビームを集束する。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば放射ビームBの経路において様々なターゲット部分Cに位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサ(図1には明示されていない)を使用して、例えばマスクライブラリから機械的に検索した後に、又はスキャン中に、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般的に、支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアラインメントマークM1、M2及び基板アラインメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アラインメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に配置してもよい(スクライブラインアラインメントマークとして知られる)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアラインメントマークをダイ間に配置してもよい。
【0029】
[0046] 図示のリソグラフィ装置は以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
【0030】
[0047] ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
【0031】
[0048] スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する(つまり単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分Cの(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分Cの(スキャン方向における)高さが決まる。
【0032】
[0049] 別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
【0033】
[0050] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
【0034】
[0051] 投影システムPSの最終要素と基板との間に液体を提供する装置は、いわゆる局所液浸システムである。このシステムでは、液体が基板の局所領域にのみ提供される液体ハンドリングシステム(図1にIHで表される)が使用される。液体によって充填される空間は、基板の上面より平面視で小さく、液体によって充填される領域は、その領域の下を基板Wが移動している間、投影システムPSに対して実質的に静止している、図2〜図5には、4つの異なるタイプの局所化された液体供給システムが示されている。図2〜図4に開示する液体供給システムについては上に説明した。
【0035】
[0052] 図5は、バリア部材12を備えた局所液体供給システムの概略図を示す。バリア部材は、投影システムの最終要素と基板テーブルWT又は基板Wとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在する。(以下の説明で、基板Wの表面という表現は、明示的に断りのない限り、追加的に又は代替的に、基板テーブルの表面も指すことに留意されたい。)バリア部材12は投影システムに対してXY平面で実質的に静止しているが、Z方向(光軸方向)には相対的に多少動くことができる。ある実施形態では、バリア部材と基板Wの表面との間には封止が形成される。封止は流体封止などの非接触封止でよく、望ましくはガスシールである。
【0036】
[0053] バリア部材12は、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間11内に少なくとも部分的に液体を封じ込める。液体が基板Wの表面と投影システムPSの最終要素との間の空間内に閉じ込められるように、基板Wへの非接触封止16を投影システムのイメージフィールドの周囲に形成できる。空間は、投影システムPSの最終要素の下方に位置し、それを取り囲むバリア部材12によって少なくとも部分的に形成される。液体は、投影システムの下方の空間、さらに液体入口13を通してバリア部材12内に流し込まれる。液体は、液体出口13によって除去できる。バリア部材12は、投影システムの最終要素から上に少し延在させることができる。液体のバッファが提供されるように液面は最終要素より上に上昇する。ある実施形態では、バリア部材12は、上端で投影システム又はその最終要素の形状にぴったりと一致する例えば円形の内周を有する。底部で、内周はイメージフィールドの形状、例えば矩形にぴったりと一致するが、これはそうでなくてもよい。
【0037】
[0054] ある実施形態では、液体は、使用時にバリア部材12の底部と基板Wの表面との間に形成されるガスシール16によって空間11内に封じ込められる。ガスシールは、ガス、例えば、空気又は合成空気によって形成されるが、ある実施形態では、N又はその他の不活性ガスによって形成される。ガスシール内のガスは入口15を介してバリア部材12と基板Wとの間の空隙に加圧下で提供される。ガスは、出口14を介して取り出される。液体を内側に閉じ込める高速のガスフロー16が存在するように、ガス入口15上の過剰圧力、出口14上の真空レベル及び空隙の幾何構造が配置される。バリア部材12と基板Wとの間の液体上のガスの力で液体は空間11内に封じ込められる。入口/出口は、空間11を取り囲む環状の溝であってもよい。環状の溝は、連続的又は不連続的であってよい。ガスフロー16の流れは、液体を空間11内に封じ込める効果がある。そのようなシステムが米国特許出願公開第US2004−0207824号に開示されている。
【0038】
[0055] その他の構成も可能であり、以下の説明から明らかになるように、本発明の実施形態は、液体供給システムとして任意のタイプの局所液体供給システムを使用することができる。
【0039】
[0056] 1つ又は複数の局所液体供給システムは、液体供給システムの一部と基板Wとの間を封止する。封止は、液体供給システムの一部と基板Wとの間の液体のメニスカスによって画定できる。液体供給システムの一部と基板Wとの相対的な動きによって封止、例えばメニスカスが破壊され、液体の漏れが生じることがある。高いスキャン速度で問題はより顕著になり得る。増大したスキャン速度はスループットの向上の故に望ましい。
【0040】
[0057] 図6は、液体供給システムの一部であるバリア部材12を示す。バリア部材12は、バリア部材(封止部材と呼ばれることもある)が、例えば、全体として実質的に環状になるように、投影システムPSの最終要素の周囲(例えば、円周)を囲んで延在する。投影システムPSは円形でなくてもよく、バリア部材12の外縁も円形でなくてもよく、従って、バリア部材はリング状である必要はない。投影ビームが投影システムPSの最終要素から外に出るための開口を有している限り、バリアは他の形状であってもよい。開口は中央にあってもよい。従って、露光の間、投影ビームは、バリア部材の開口内に封じ込められた液体を通過して基板Wに達することができる。バリア部材12は、例えば、実質的に矩形であってもよく、バリア部材12の高さの位置の投影システムPSの最終要素と必ずしも同じ形状でなくてもよい。
【0041】
[0058] バリア部材12の機能は、投影ビームが液体を通過できるように、投影システムPSと基板Wとの間の空間に液体を少なくとも部分的に保持するか又は封じ込めることである。液体の液面は、バリア部材12があることだけで封じ込められている。空間内の液面は、液体がバリア部材12の上面からあふれないように維持されている。
【0042】
[0059] 液浸液は、バリア部材12によって空間11に提供される(従って、バリア部材は流体ハンドリング構造と考えられる)。液浸液の通路又は流路は、バリア部材12を通過する。流路の一部は、チャンバ26によって構成される。チャンバ26は、2つの側壁28、22を有する。液体は、第1の側壁28を通過してチャンバ26に流れ込み、次に第2の側壁22を通過して空間11に流れ込む。複数の出口20が液体を空間11に提供する。液体は、板28、22の貫通穴29、20を通過して空間11に侵入する。貫通穴20、29の場所は任意でよい。
【0043】
[0060] バリア部材12の底部と基板Wとの間に封止が提供される(この機能はバリア部材が流体ハンドリング構造でもあることを示す)。図6で、封止デバイスは無接触シールを提供するように構成され、いくつかのコンポーネントからできている。投影システムPSの光軸から半径方向外方に、空間内に(投影ビームの経路には達しないが)延在する(オプションの)フロー板50が提供され、出口20を出て空間を通過する液浸液の実質的に平行の流れを維持するのを助ける。フロー制御板は、バリア部材12の光軸の投影システムPS及び/又は基板Wに対する方向の動きへの抵抗を低減させる貫通穴55を有する。フロー制御板は、投影システムのPS及び/又は基板Wに対するバリア部材12の光軸の方向の動きへの抵抗を低減させる貫通穴を備える。
【0044】
[0061] バリア部材12の底面のフロー制御板50から半径方向外方に入口180がある。入口180は、基板へ向かう方向に液体を提供できる。結像の間、これは、基板Wと基板テーブルWTとの間の空隙を液体で充填することで液浸液内の気泡の形成を防止する役に立つ。
【0045】
[0062] 入口180から半径方向外方に、バリア部材12ならびに基板W及び/又は基板テーブルWTとの間から液体を抽出する抽出器アセンブリ70がある。抽出器70は、以下に詳述するが、バリア部材12と基板Wとの間に形成された非接触封止の一部を形成する。抽出器は、単相又は2相抽出器として動作できる。
【0046】
[0063] 抽出器アセンブリ70から半径方向外方に凹部80がある。凹部は、入口82を通して大気に接続されている。凹部は、出口84を通して低圧力源に接続されている。入口82は、出口84に対して半径方向外方に位置していてよい。凹部80から半径方向外方にガスナイフ90がある。抽出器、凹部及びガスナイフの一構成が、米国特許出願公開第US2006/0158627号に詳細に開示されている。しかし、この文書では抽出器アセンブリの構成は異なる。
【0047】
[0064] 抽出器アセンブリ70は、米国特許出願公開第US2006−0038968号に開示された抽出器アセンブリのような液体除去デバイス又は抽出器又は入口を備える。その内容は、参照により全体を本明細書に組み込むものとする。任意のタイプの液体抽出器を使用することができる。ある実施形態では、液体除去デバイス70は、単一液相の液体抽出を可能にするためにガスから液体を分離するための多孔質の材料110で覆われた入口を備える。多孔質の材料110の下流にあるチャンバ120は、わずかに圧力がかかった状態に保たれ、液体で満たされている。チャンバ120内の加圧は、多孔質の材料の穴に形成されたメニスカスによって周囲ガスが液体除去デバイス70のチャンバ120内に引き込まれることが防止される程度の大きさである。しかし、多孔質の表面110が液体に接触すると、フローを制限するメニスカスは存在せず、液体は液体除去デバイス100のチャンバ120内に自由に流入できる。多孔質の表面110は、バリア部材12に沿って(また空間の周囲に)半径方向に内方に延在する。多孔質の表面110を通る抽出速度は、多孔質の材料110のうちどの程度が液体によって覆われているかによって変わる。
【0048】
[0065] 多孔質の材料110は、各々が例えば5〜50μmの範囲の直径dholeなどの幅のような寸法を備えた多数の小さい孔を有する。多孔質の材料は、液体を除去する表面、例えば、基板Wの表面上の50〜300μmの範囲の高さに維持できる。ある実施形態では、多孔質の材料110は、少なくともわずかに親液体性であり、すなわち、水などの液浸液に対して90°未満、望ましくは85°未満、又は望ましくは80°未満の接触角を有する。
【0049】
[0066] ガスが液体除去デバイス内に引き込まれることを防止することは常に可能ではないかもしれないが、多孔質の材料110は、振動を引き起こす可能性がある大量の不均一なフローを防止する。電気鋳造、フォトエッチング、及び/又はレーザカッティングで形成されるマイクロふるいを多孔質の材料110として使用することができる。適したふるいは、オランダ、EerbeekのStork Veco B.V.製である。孔のサイズが使用時に受ける差圧をメニスカスに与えるのに適している限り、その他の多孔質の板又は多孔質の材料の中実のブロックも使用することができる。
【0050】
[0067] 基板Wのスキャン中(その間、基板はバリア部材12と投影システムPSの下で移動する)、基板Wとバリア部材12との間に延在するメニスカス115は、移動する基板によって印加される抗力によって光軸に向かって、又は光軸と逆方向に引かれる。その結果、液体が失われ、液体は蒸発し、基板は冷却され、その結果、上記の収縮及びオーバレイエラーが発生する。液滴とレジストの光化学との相互作用によって液体の汚れが追加的に又は代替的に残されることがある。
【0051】
[0068] 図6には具体的には示されていないが、液体供給システムは、液面の変動を処理する構成を有する。これは、投影システムPSとバリア部材12との間に滞留する液体が処理され、こぼれないためである。そのような液体の滞留は、下記のバリア部材12と投影システムPSとの間の相対的な動きの最中に発生することがある。この液体を処理する1つの方法は、極めて大きいために、バリア部材12と投影システムPSとの間の相対的な動きの間にバリア部材12の周辺部(例えば、周縁)でほとんど圧力勾配がないようなバリア部材12を提供することである。代替又は追加の構成では、例えば、抽出器70のような単相抽出器などの抽出器を用いてバリア部材12の最上部から液体を除去することができる。代替又は追加のフィーチャは、疎液性又は疎水性コーティングである。このコーティングは、開口を取り囲むバリア部材12の最上部の周囲及び/又は投影システムPSの最終光学要素の周囲にバンドを形成することがある。コーティングは、投影システムの光軸の半径方向外側であってよい。疎液性又は疎水性コーティングは、液浸液を空間内に保持するのを助ける。
【0052】
[0069] 例えば、各々が基板を搬送する2つの基板テーブル又はステージが提供された装置では、投影システムの下の基板テーブルの投影システムの下の別の基板テーブルとの交換は困難である。これは、液体供給システムからの液体がテーブルの交換の前に除去されると、投影システムの最終要素上に乾燥汚染が発生することがあるからである。この問題の提案されている考えられる解決策は、基板テーブルの交換中に投影システムの下に配置可能なダミー基板などのシャッター部材を提供することである。こうして、液体供給システムは、基板の交換中に稼働状態を保ち、乾燥汚染も形成されない。そのようなダミー基板は、例えば、欧州特許出願公開第EP−1,420,299号に記載されている。別の形態のシャッター部材では、第2の基板テーブルが第1の基板テーブルに近付けられる。2つの基板テーブルは、投影システムの下で同時に移動する。2つの基板テーブル間の空隙が小さい(又は少なくともその下にドレンを有する)場合、液体の損失は最小限になるはずである。場合によっては、基板テーブルWTは、橋の形態のように回転可能又は引き込み式の突起によって上面が延在する。橋は、シャッター部材と考えられる。そのような構成が米国特許出願公開第US2007−0216881号に記載されている。このシャッター部材の形態の変形例では、第2のテーブルは、第2の基板テーブルではなく、その表面が基板交換時にシャッター部材として機能する。そのようなテーブルは測定に使用することができ、測定テーブルと呼ぶことができる。第1又は第2の基板テーブルは、基板が例えば露光に利用可能になると、投影システムの下に戻される。投影システムPSを例えば基板テーブル上の基板の交換中に液体と接触させておくために、シャッター部材を、追加的に又は代替的に、単一の基板テーブル装置で使用することができることを理解されたい。
【0053】
[0070] 図5及び図6に示すような液体ハンドリングシステムの課題は、液浸システム、特にバリア部材12の下の液浸システムは、汚染される可能性があるということである。その結果、多孔質の部材110の表面に対する液浸液の表面接触角の変化(増加)及び/又は多孔質の部材110の孔の閉塞が起こることがある。多孔質の部材の性質が親水性から疎水性へ変化する結果、抽出器70の性能の低下が起こることがある。例えば、普段よりも大量のガスが抽出されることがある。抽出器70の性能が低下すると、液体が空間11から漏れて基板表面に残ることがある。これは望ましくない。追加的に又は代替的に、基板Wの上面又は基板テーブルWTの上面に汚染物が残ることがある。そのような汚染物は液浸液に混入するので、これはやはり望ましくない。以下に、このタイプの汚染物を洗浄するいくつかの方法について説明する。
【0054】
[0071] 微粒子汚染物は、主としてフォトレジスト及び/又はトップコート材料を含むが、その他の材料があってもよい。
【0055】
[0072] 液浸フード又は液体閉じ込めシステム又は液体供給システム内で単相抽出器を使用する方法の別の例は、例えば、欧州特許出願公開EP1,628,163号又は米国特許出願公開US2006−0158627号に記載されている。大半の用途では、多孔質の部材は液体供給システムの下側にあり、基板Wが投影システムPSの下を移動できる最大速度は多孔質の部材110からの液体の除去の効率によって少なくとも一部が決定される。
【0056】
[0073] 単相抽出器は、液体とガスの両方が抽出される(例えば、50%ガス、50%液体)2相モードでも使用することができる。単相抽出器という用語は、本明細書では1つの相を抽出する抽出器というだけでなく、より一般的に、ガス及び/又は液体が抽出される多孔質の部材を含む抽出器として解釈されることを企図している。ある実施形態では、開口に多孔質の部材を被せることなく、2相抽出を実行することができる。ある実施形態では、ガスナイフ(すなわち、ガス供給リング33)はなくてもよい。
【0057】
[0074] 上記の単相抽出器は、基板の上面の局所領域にのみ液体を供給する液体供給システムで使用することができる。さらに、そのような抽出器は、別のタイプの液浸装置でも使用することができる。抽出器は、水以外の液浸液に使用することができる。抽出器は、いわゆる「リーキーシール」(“leaky seal”)液体供給システムで使用することができる。そのような液体供給システムでは、液体は投影システムの最終要素と基板との間の空間に提供される。その液体は、その空間から半径方向外方に漏れることが可能である。例えば、場合によっては、液浸フード、流体閉じ込めシステム又は液体供給システムが使用され、それらは、基板又は基板テーブルの上面との間にシールを形成しない。液浸液は、「リーキーシール」装置においては、基板の半径方向外方にのみ取り出すことができる。単相抽出器に関するコメントは、例えば、多孔質の部材を有さない抽出器のような他の種類の抽出器に適用されてもよい。そのような抽出器は、液体とガスの両方を抽出するための2相抽出器として使用されてもよい。
【0058】
[0075] リソグラフィ装置内では、1つ又は複数の表面、例えば、液浸フード及び/又は基板テーブルWTの表面などの液浸空間の表面の汚染物は除去しないと、時間の経過とともに堆積することがある。そのような汚染物は、トップコート微粒子の薄片及び/又はレジストの薄片からなる。薄片は、一般にフッ化ポリメタクリル酸メチル樹脂などの置換アクリルポリマーを含む。存在する汚染物を除去するために、洗浄流体を表面に供給できる。
【0059】
[0076] ある実施形態では、リソグラフィ装置は液浸タイプのリソグラフィ装置である。ある実施形態では、流体供給システムは洗浄流体供給システムである。
【0060】
[0077] 本発明の実施形態は、洗浄する表面に洗浄流体を提供するように構成された流体供給システムを備えるリソグラフィ装置に関する。本発明のある実施形態による洗浄流体は、25〜98.99重量%の水と、1種又は数種のグリコールエーテル、エステル、アルコール及びケトンから選択される1〜74.99重量%の溶媒と、0.01〜5重量%の界面活性剤とを含む。
【0061】
[0078] ある実施形態では、洗浄流体内に、水は、25〜98.99重量%、例えば、50〜85重量%又は65〜80重量%、例えば、約75%の量だけ存在する。ある実施形態では、水は清浄であり、例えば、水は超純水である。
【0062】
[0079] ある実施形態では、洗浄流体内に、溶媒は、1〜74.99重量%、例えば、15〜50重量%又は20〜35重量%、例えば、約25重量%の量で存在する。溶媒は、除去する汚染物と合理的に一致するように選択しなければならない。これは、例えば、ハンセンの理論(例えば、Hansen Solubility Parameters, Charles M. Hansen, 2nd edition, CRC Press, ISBN 0-8493-7248を参照)を用いて決定できる。通常、溶媒は、ハンセン理論を用いて、少なくとも50%の一致を示す(すなわち、溶媒はハンセンの溶解度パラメータの球の中心付近に位置する)。また、使用する溶媒は、一般に水と完全に混合できる。ある実施形態では、溶媒は、水への10重量%を超える溶解度を有する。ある実施形態では、溶媒は、38℃を超える、例えば、70℃を超える、又は93℃を超える引火点を有する。
【0063】
[0080] 洗浄流体で使用するグリコールエーテルは、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(TPGME)、プロピレングリコールエチルエーテル(PGEE)、プロピレングリコールノルマルプロピルエーテル(PGPE)、ジプロピレングリコールノルマルプロピルエーテル(DPGPE)、プロピレングリコールノルマルブチルエーテル(PGBE)、ジプロピレングリコールノルマルブチルエーテル(DPGBE)、トリプロピレングリコールノルマルブチルエーテル(TPGBE)及びプロピレングリコールターシャリブチルエーテル(PGTBE)などのプロピレングリコールエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル(DEGME)、ジエチレングリコールエチルエーテル(DEGEE)、ジエチレングリコプロピルエーテル(DEGPE)、エチレングリコールブチルエーテル(EGBE)及びジエチレングリコールブチルエーテル(DEGBE)などのエチレングリコールエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)及びジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(DPGMEA)などのプロピレングリコールエーテルアセテート、及びエチレングリコールブチルエーテルアセテート(EGBEA)及びジエチレングリコールブチルエーテルアセテート(DEGEA)などのエチレングリコールエーテルアセテートを含むことができる。ある実施形態では、グリコールエーテルは、DEGBE、DEGPE、PGME及びDPGMEから選択できる。ある実施形態では、グリコールエーテルはDEGBEである。
【0064】
[0081] 洗浄流体で使用するエステルは、エステル機能性を有する化合物を含むことができる。適した化合物は、メチルラクテート、エチルラクテート、プロピルラクテート、ブチルラクテート、ガンマブチロラクテート、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、t−ブチルアセテート及びガンマブチロールアセテートを含む。ある実施形態では、エステルはジベーシックエステルである。ある実施形態では、エステルは、エチルラクテート又はブチロラクテートである。
【0065】
[0082] 洗浄流体で使用するケトンは、シクロヘキサノン又はジアセトンアルコールを含むことができる。
【0066】
[0083] 洗浄流体で使用するアルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのプロパノール、t−ブチルアルコール、4−メチル−2ペンタノール及びシクロヘキサノールを含むことができる。一般に、洗浄流体内にアルコールが存在する場合、アルコールは、1〜30重量%の量だけ使用することができる。
【0067】
[0084] ある実施形態では、溶媒は、1種又は数種のグリコールエーテル又はエステルから選択される。一実施形態では、溶媒は、1種又は数種のグリコールエーテルから選択される。
【0068】
[0085] ある実施形態では、溶媒は、DEGBE又は乳酸エチルから選択される。ある実施形態では、溶媒は、DEGBEである。
【0069】
[0086] ある実施形態では、溶媒は、ハズマットインデクスの定義1又は2に準拠する。
【0070】
[0087] ある実施形態では、溶媒は、カルシノゲンのカリフォルニア州リストには記載されていない(State of California Environmental Protection Agency, Office of Environmental Health Hazard Assessment Safe Drinking Water and Toxic Enforcement Act of 1986 Chemicals known to the State to cause Cancer or Reproductive Toxicity、例えば、www.oehha.ca.gov/prop65/prop65_list/files/060107LST.pdf.のサイトにある2007年6月1日付けリストを参照)。
【0071】
[0088] ある実施形態では、溶媒は、半導体工業の安全性に関するUS National Fire Protection Association (NFPA)の要求事項に準拠する。NFPAのレーティングは、通常MSDSシートで報告される。
【0072】
[0089] ある実施形態では、溶媒は、オゾン破壊のカリフォルニア州リストに準拠する。
【0073】
[0090] ある実施形態では、界面活性剤は、0.01〜5重量%、例えば、0.01〜2重量%又は0.1〜0.5重量%、例えば、約0.3重量%の量で存在する。
【0074】
[0091] ある実施形態では、界面活性剤は、疎水性の界面活性剤である。疎水性の界面活性剤は、一般に疎水性の汚染物を除去するのに使用される。非イオン系界面活性剤の疎水性PEO基の割合は、疎水性を決定できる。疎水性は、界面活性剤の親水性−親油性バランス(HLB)を測定することで定量化できる。HLBが低い界面活性剤は、より疎水性で、水滴油中型エマルジョンを形成する傾向がある。HLBが高い界面活性剤は、より親水性で、油滴水中型エマルジョンを形成する傾向がある。例えば、F68のHLB値は24より大きいが、L61のHLB値は1〜7である。従って、L61は、F68よりもより疎水性の界面活性剤である。界面活性剤のHLB値は、界面活性剤の特性の分析によって決定される。共通の界面活性剤のHLB値は、医薬賦形剤ハンドブック第3版(Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Edition)などの適した文献に掲載されている。
【0075】
[0092] ある実施形態では、界面活性剤は、24より低い、望ましくは10より低いHLB値を有する。
【0076】
[0093] ある実施形態では、界面活性剤は、優れた湿潤性を有する。界面活性剤の湿潤性は、標準の湿潤試験、例えばEN1772によって決定できる。ある実施形態では、湿潤性が優れた界面活性剤は、EN1772試験で100秒より少ない、例えば、80秒より少ない値を有する。
【0077】
[0094] ある実施形態では、界面活性剤は、優れたすすぎ性を有する。界面活性剤のすすぎ性は、例えば、すすぎ水の出口での残存TOC(総有機炭素)レベルを測定することで決定できる。ある実施形態では、すすぎ牲が優れた界面活性剤では、本発明の実施形態に従って使用する時のすすぎ水1ml当たりの有機化合物の含有率が5ppb以下、望ましくは1ppb以下で、及び/又は50nm以上の寸法を有する微粒子の含有率が2微粒子以下である。そのような有機化合物の含有率及び/又は粒子の含有率は、例えば、超純粋ですすぎを30分実行したときのすすぎ工程の最後に測定される。
【0078】
[0095] ある実施形態では、界面活性剤は、低い発泡性を有する。界面活性剤の発泡は、例えば、ロスマイルス試験[ASTM D1173]によって決定できる。ある実施形態では、発泡性が低い界面活性剤は、ロスマイルス試験で泡の高さの値が36.5cm未満、例えば、15cm未満又は5cm未満である。
【0079】
[0096] ある実施形態では、「界面活性剤」(“surfactant”)という用語は、界面活性剤の混合物を指す。ある実施形態では、界面活性剤の混合物は、界面活性剤が適した湿潤性、すすぎ性、及び発泡特性を有するように使用される。
【0080】
[0097] ある実施形態では、界面活性剤は、1種又は数種の非イオン、陽イオン又は陰イオン界面活性剤から選択される。ある実施形態では、界面活性剤は、1種又は数種の非イオン界面活性剤から選択される。ある実施形態では、界面活性剤は、分子量が1000〜3000の酸化エチレン/酸化プロピレンブロック共重合体の非イオン界面活性剤を含む。そのような適した界面活性剤は、BASF製のPluronic(登録商標)L61である。ある実施形態では、界面活性剤は、Air Products製のEnvirogen(登録商標)AD01などの消泡湿潤剤を含む。
【0081】
[0098] ある実施形態では、界面活性剤は、Pluronic(登録商標)L61とEnvirogen(登録商標)AD01との混合物、例えば、Pluronic(登録商標)L61が0.2重量%、Envirogen(登録商標)AD01が0.1重量%の混合物を含む。
【0082】
[0099] ある実施形態では、洗浄流体は、pH調整化学物質をさらに含む。pH調整は(実行する場合)、洗浄流体のpHが7〜10、例えば、8〜10又は9〜10に確実になるように使用される。適したpH調整化学物質は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は燐酸緩衝液などの非有機塩基を含んでいてもよい。溶液のpHを増やしていくと、汚染物と表面との間の接着力が低下し、その結果、洗浄がより効率的になる。しかし、リソグラフィ装置の部品、例えばレンズを損傷する可能性があるため、10を超えてpHを増やすことは一般に回避すべきである。
【0083】
[00100] ある実施形態では、洗浄流体は、化合物を含む窒素を含まない。ある実施形態では、洗浄流体は、アンモニア及びアミンを含まない。これらの化合物は、揮発アルカリ性で、フォトレジストの処理に悪影響を及ぼすことがある。
【0084】
[00101] ある実施形態では、洗浄流体は、25〜98.99重量%の水と、1種又は数種のグリコールエーテル、エステル、アルコール及びケトンから選択される1〜74.99重量%の溶媒と、0.01〜5%の界面活性剤と、任意選択として、pH調整化学物質とからなる。そのような実施形態では、そのような洗浄流体のpHは通常7〜10である。
【0085】
[00102] ある実施形態では、洗浄流体は、65〜80重量%の水と、1種又は数種のグリコールエーテル、エステル、アルコール及びケトンから選択される20〜35重量%の溶媒と、0.01〜5%の界面活性剤と、任意選択として、pH調整化学物質とからなる。
【0086】
[00103] ある実施形態では、洗浄流体は、74.7重量%の水と、25重量%のDEGBEと、0.2重量%のPluronic(登録商標)L61と、0.1重量%のEnvirogen(登録商標)AD01とからなる。
【0087】
[00104] ある実施形態では、洗浄流体は、84.9重量%の水と、15重量%のエチルラクテートと、0.1重量%のPluronic(登録商標)L61とからなる。
【0088】
[00105] 一般に、界面活性剤は、表面から汚染物を除去することで洗浄作用を及ぼす。界面活性剤は、普通、親水性の部分と疎水性の部分を含む。親水性の部分が水に向かって延在するのに対して、疎水性の部分は、有機微粒子及び/又は表面に固着することができる。界面活性剤は、疎水性の表面の湿潤を支援する、表面電荷を変化させて微粒子と表面との間に斥力を生成する、微粒子と表面との間を移動する(次に立体障害が微粒子を表面から押し出してワンデルワールス及び静電力を生成する)、及び/又は懸濁した汚染微粒子を封入し、有効に微粒子が再堆積しないようにする、以上の方法の1つ又は複数の方法で洗浄を支持することができる。
【0089】
[00106] 溶媒は、一般に、汚染物を主として化学的溶解によって除去すると考えられる。しかし、純溶媒は、リソグラフィ装置に損傷を与えるように作用するため、その使用は不利である。本発明のある態様では、洗浄流体がリソグラフィ装置に許容できないレベルの損傷を与えないことが望ましい。通常、本発明の実施形態の洗浄流体は、装置に最小の損傷しか与えない。そのようなリソグラフィ装置で使用することができ、特に溶媒による損傷を受けやすい材料は、液浸液(通常は超純水)用の可撓ホースとして使用することができる軟質ポリウレタンホースとバイトンOリングである。しかし、これらの材料は、すべてのリソグラフィ装置で使用されているわけではない。リソグラフィ装置がポリウレタン又はバイトン(フッ化ポリマー)を含む場合、そのような材料を損傷する作用がない溶媒を選択することが有利であろう。当業者であれば、特に洗浄流体の構成要素による損傷を受けやすい材料の存否に基づいて適した洗浄流体を選択できるだろう。例えば、溶媒は、そのような材料を損傷しないように選択される。通常の使用では、洗浄流体は、洗浄流体が接触する材料の10%未満の重量変化、例えば、5%未満の重量変化又は1%未満の重量変化をもたらす。ある実施形態では、損傷を受けやすい材料が洗浄流体内に浸漬される24時間、又は12時間又は6時間実行される液浸試験で、通常、浸漬された材料の10%未満の重量変化、例えば、5%未満の液浸材料の重量変化が観察される。そのような材料の損傷は、また目視検査又は機能特性の変化を測定することで評価できる。また、洗浄流体は、レンズのコーティングに最小限の損傷だけを与えるものでなければならない。通常、疎水性のコーティングがレンズを通る光路の外側のレンズ要素上にある。コーティングは、レンズの水/空気の界面の正確な接触角を提供するために施される。そのようなコーティングの例は、プラズマ工程によって塗布される(テフロン(登録商標)と同様に作用する)SiOコーティングとポリウレタンベースのコーティングである。本発明の洗浄流体は、通常、そのような材料に最小限の損傷しか与えない。例えば、コーティング/レンズの接触角は、洗浄流体の使用によって、通常、10%未満、例えば、5%未満変化する。
【0090】
[00107] ある実施形態では、リソグラフィ装置内にバイトンがある場合、洗浄流体内にPGMEAが存在するならば通常2%未満の量のPGMEAが存在する。そのような実施形態では、PGMEAは、通常、洗浄流体で使用されない。
【0091】
[00108] ある実施形態では、リソグラフィ装置内にバイトンがある場合、洗浄流体内にブチルラクトンが存在するならば通常10%未満の量のブチルラクトンが存在する。そのような実施形態では、ブチルラクトンは、通常、洗浄流体で使用されない。
【0092】
[00109] ある実施形態では、リソグラフィ装置内にポリウレタンがある場合、洗浄流体内にPGMEAが存在するならば通常20%未満の量のPGMEAが存在する。そのような実施形態では、PGMEAは、通常、洗浄流体で使用されない。
【0093】
[00110] ある実施形態では、レンズコーティングがポリウレタン様のコーティングの場合、洗浄流体内にDGMEAが存在するならば通常15%未満の量のDGMEA、より典型的には、5%未満の量のDGMEAが存在する。そのような実施形態では、DGMEAは、通常、洗浄流体で使用されない。
【0094】
[00111] 本発明の洗浄流体は、水、溶媒、界面活性剤、及び任意選択として、pH調整剤の混合物からなり、効果的な汚染物除去特性を示す。本発明の実施形態のある態様では、洗浄流体は、リソグラフィ装置に最小限の損傷しか与えない。
【0095】
[00112] 洗浄流体は、洗浄流体を表面上で流すことによって洗浄する表面に供給できる。洗浄流体のフローは、任意の所望の期間継続できるが、例えば最大30分間、例えば最大5分間、最大10分間、又は最大15分間で洗浄効果を得るには十分であろう。追加的に又は代替的に、洗浄流体を表面に供給してある期間(例えば、最大15分間、10分間又は5分間)保持してから流すか又は排出することができる。この工程は、1回又は複数回繰り返すことができる。
【0096】
[00113] 洗浄の後に、表面は一般に超純水ですすがれる。すすぎは、例えば、半時間、例えば、最大15分間の期間実行することができる。すすぎは、洗浄流体をくまなく除去することを意図している。すすぎの後、システム内の汚染物のレベルは、有機化合物の含有率が5ppb以下、望ましくは1ppb以下、及び/又は50nm以上の寸法を有する微粒子の含有率が、液浸液1ml当たり2微粒子以下、望ましくは液浸液1ml当たり0.5微粒子以下である。
【0097】
[00114] 洗浄工程は、一般にインラインで実行され、装置の稼働に最小限の混乱しか与えない。全洗浄工程は、わずか1時間の最大システム停止時間で完了する。従って、洗浄は、比較的頻繁に、例えば、各バッチの終了時に、又は週に1回、又は代替的に洗浄が望まれるたびに実行することができる。頻繁な洗浄は、汚染物のレベルを常に低いレベルに保つことができるという利点を有する。所望であれば、本明細書に記載する洗浄工程を、機械的噴霧又はメガソニック洗浄技術などのオフラインの1つ又は複数のそれほど頻繁ではない洗浄工程と組み合わせて実行することができる。しかし、本明細書に記載する洗浄工程及び/又は洗浄液の使用の潜在的な利点は、そのようなオフライン洗浄方法を実行する頻度が低減でき、又はそのようなオフライン技術を完全に解消できるという点である。
【0098】
[00115] ある実施形態では、全洗浄工程は、室温、例えば、25℃前後で実行される。
【0099】
[00116] 本発明の洗浄流体は、洗浄するリソグラフィ装置を損傷しないことが望ましい。しかし、いかなる損傷も発生させないため、リソグラフィ装置の特定の部品を洗浄流体から隔離することができる。これは、例えば、2008年7月25日出願の米国特許出願第61/129,871号に記載された方法を用いて実行することができる。
【0100】
[00117] ある実施形態では、損傷を防ぐため、リソグラフィ装置の特定の部品は洗浄流体から隔離されている。
【0101】
実施例
洗浄試験
[00118] 液浸フード(IH)の洗浄手順の間、洗浄流体は、ダンパ材料の表面を通ってSPE(単相抽出)材料を通過する。液浸フードのその他の部品に洗浄流体は届かない。この挙動を模倣するために、フローを表面に平行に向けるか又はSPE材料シートを通過させることができるフローセルが設計された。実験構成を図7に示す。
【0102】
[00119] 2つの代表的な汚染物は、トップコート(JSR Micro製のTCX041)及びレジスト(TOK製のTARF6239)である。レジスト及びトップコート材料は、電子噴霧方法を用いてサンプルに噴霧された。サンプルは、次に、フローセル内でさまざまな洗剤/溶媒の混合物を用いて洗浄された。その結果を以下の表に示す。
【表1】

【0103】
[00120] 上の表から、以下の結論が引き出された。
・水を用いた対照実験では微粒子の除去は見られなかった。
・トップコート洗浄実験では、洗浄後の透明な残留物が測定された。洗浄効率(除去物質)は、残留物を補正して計算された。
・TARFモデルの汚染物では、残留物はわずかであった。補正は計算されなかった。
・基準洗剤TOK TLDR001は、30分の暴露時間後にトップコート(TCX041)で50〜75%のPRE(微粒子除去効率)を示した。TARF6239のPREは、SSが39%、LPSが44%であった。これらの材料の差は決定精度の範囲内であった。これは、洗浄力の影響が基板の影響より優勢であることを示す。従って、LPSに対する限定された数の試験が望ましい。
・その他の市販の洗剤混合物は、TLDR A001と比較して向上していない。
【表2】

【0104】
[00121] 上の表から、以下の結論が引き出された。
・最良のPREが50%UPWを含む溶液に50%DEGBEを入れて30分間暴露した結果得られた。PREは、ダンパ材料とSPE材料共に、トップコート(TCX041)及びレジスト(TarF6239)で100%であった。残留物は観察されなかった。
・より低い濃度25%でDEGBEも試験した。最良の結果の界面活性剤混合物は、0.2%のPluronic界面活性剤と、0.1%のEnvirogem AD01とを含む。
・TarF6239の低いPREのために、溶媒GBLは望ましかった。
・エチルラクテート(EL)では、比較的大量の残留物が見つかった。これは溶媒が原因と考えられ、pHを7〜10に増やすことで除去できた。
結論として、以下の洗浄混合物は、(潜在的に)最良の溶媒洗浄結果を示す。1)DEGBE25%0.2%L61+AD01及び2)15%エチルラクテート+0.1%L61。洗浄混合物は、より高いpHとより高い洗浄力を備えた界面活性剤混合物を用いて改良できる。
【0105】
[00122] 洗浄及びすすぎシーケンスを調整して残留物を低減させる/解消することができる。洗浄及びすすぎシーケンスで除去できないほどこびりついた残留物は、装置の動作に悪影響を与えないこともある。
【0106】
損傷試験
[00123] 本発明の洗浄流体の場合、流体によってリソグラフィ装置に加えられる損傷を制限することが望ましい。そのような装置で使用することができる最も損傷しやすい2つの材料は、軟質ポリウレタン(PUR)ホース、及び例えばOリングの製造に用いるフルオロエラストマーであるバイトンである。さまざまな濃度の溶媒を用いてこれらの材料について24時間液浸試験を実行した。一般に、洗浄のための接触時間は約30分である。それ故、24時間液浸試験は、ワーストケースシナリオを表す。
【0107】
[00124] 結果を図8A及び図8Bに示す。
【0108】
[00125] これらの実験から、以下の結論が可能である。
・24時間液浸試験での損傷を受けやすい材料が使用するにはあまりにもアグレッシブである場合、10%を超える重量増加を示した溶媒(混合物)。DMSOでは、希釈した濃度でもこれが観察された。
・4−メチル−2−ペンタノールのような比較的弱い溶媒は、10%に近い重量変化を示した。一般に他の高濃度溶媒(4−メチル−2−ペンタノールより高濃度)は、水を添加せずに使用することができないと考えられる。それ故、洗浄流体内の適当な水の濃度が決定された。
【0109】
[00126] 軟質PURチューブ及びバイトンに関し、24時間吸収及び脱着曲線も決定された。その結果を図9A及び図9Bに示す。さらに、洗浄流体の接触時間は、一般に約30分であるため、24時間曲線はワーストケースシナリオを表す。
【0110】
[00127] レンズ下部のTOCレベルでは、レンズの上流の材料が重要である。暴露領域と脱着速度(毎時mg/cm)の組合せを用いて洗浄後の実際のppbレベル(脱着のみに起因する)の予想をすることができる。これを以下の表に示す。
【表3】

【0111】
[00128] これらの結果から、以下の結論が出た。
・材料の吸収がこの方法の使用された検出限度を下回るため(重量変化<0.001%/時)、PFAチューブの影響は予想できなかった。しかし、供給ラインは、一般にPFAチューブを25メート以上(約2500cm)含む。従って、低い脱着速度でもTOCレベルに影響がある。
・バイトンは、供給ライン内の損傷を受けやすい(脱着値が比較的大きい)材料であるが、表面領域が制限され(<1cm)、従って、TOCレベルにとって重要性が低い。
・Fluranホースは中間脱着速度を示す。これは、TOCレベルの重要な決定因子である。
・PURチューブは、一般に液浸フードの出口に装着されているため、レンズ下のUPWには影響しない。排水のTOCレベルには影響する。普通、排水のTOCレベルの要件は、重要度が低いが、排水の廃棄の地方法令によって変わる。
【0112】
脱着による洗浄後のTOCレベルの測定
[00129] すすぎ実験で、25mのPFAと1mのFluranチューブが以下の洗浄流体にさらされた。0.2%のL61と、0.1%のAD01とを含む25%のDEGBE。30分間の暴露の後で、チューブは空にされ、Sievers ppt TOCモニタに接続された。
【0113】
[00130] 試験の検出限度を高めるため、UPWフローは、0.2l/mという低い値に抑えられていた。こうして、少量の脱着した有機物が存在し、より高い濃度が予想される。標準の条件下では、UPW供給ラインの流速は、約1.5リットル/分である。チューブ長は、実際の値(PFAが25m)になるように選択され、Fluranでは延長され(0.2mでなく1m)、検出限度は高くなった。
【0114】
[00131] 全測定TOCレベルは、1.5リットル/分の流速とチューブの実際の長さに合わせて補正された。その結果を図10に示す。
【0115】
[00132] この結果から、以下の結論が引き出される。
・基準混合物の濃度は、30分後のTOCレベルが7〜10ppbであることを示す(PFAホースの場合)。
・PFA試験ホースの完全なすすぎ(TOC<1ppb)には、約3時間かかる。
・25%のDEGBE混合物は、30分のすすぎ後に2〜3ppbのレベルを示す。
・すすぎで<1ppbのレベルに達するのに1.5時間かかる。この値は、TOK TLDR A001基準混合物と比較して優れている。
・Fluranホース(0.25時間後に、<1ppb)は、洗浄後のTOCレベルに限定的な影響を与える。
【0116】
[00133] 実際の条件下の全TOCレベルも、リンス工程に大幅な影響を与える以下に述べる因子に依存する。
・供給ライン、ILCC及びIHの3次元設計の影響:Oリング、弁など。
・洗浄流体(表面張力が小さい)と表面張力が大きいUPWとの間の湿潤表面領域の差。
・供給ラインを空にする可能性(ウェットトウドライサイクル(wet to dry cycle))。これは、化学物質のすすぎの効率を高める。
【0117】
チューブの機械的損傷の測定
[00134] Fluran(入力側)及び軟質PURホース(出力側)の機械的特性が溶媒の吸収によって変化するか否かを決定するために、液浸試験を実行した。1時間及び24時間の液浸の後、チューブの重量増加とせん断弾性係数が測定された。試験の結果を下記の表に示す。
【表4】

【0118】
[00135] せん断弾性係数G’と弾性係数Eとの関係が以下の式で与えられる(G−係数の変化は、E−係数の変化に直接正比例することを意味する)。
【数1】

【0119】
[00136] 上の表から以下の結論となった。
・Fluran G−係数の変化は、24時間のワーストケースで10%未満である。
・バイトンG−係数の変化は、24時間のワーストケースで30%である。
短い暴露(30分)だとごく小さい変化しか生じないと予想される。
【0120】
レンズコーティングの試験
[00137] 化学式SiOのポリウレタン様のコーティングとシリコーン様のコーティングのコーティングを有する試験サンプルが25%DEGBE混合物洗浄流体内に24時間又はUPW内に24時間浸漬された。サンプルは、光学顕微鏡検査法及びSEMを用いて評価され、未浸漬状態のサンプルと比較された。
【0121】
[00138] 以下の側面シールコーティングサンプルが試験された。
・石英上のポリウレタン様の側面シールコーティング。
・石英上のシリコーン様の/Taコーティング。
撮影されたSEM画像を図11に示す。
【0122】
[00139] ポリウレタン様のコーティングサンプルは、薄い曇ったコーティングで部分的に覆われていた。サンプル上のいくつかの場所は、ひび割れたTiOの下塗りと厚さが均等でない粘着性の(コーティング)材料とを示した。
【0123】
[00140] SEMの写真は、コーティングの粘着性の大きな変化を示した。コーティングの一部ははがれ始めている。以下の結論が得られた。
・DEGBEを用いた24時間液浸試験の後、コーティングの劣化が示された。しかし、この試験はワーストケースシナリオである。また、劣化は、一部は試験したサンプルの品質による可能性がある。
【0124】
[00141] シリコーンコート材料は、均質にコーティングされた直径が25mmの石英基板の片側から構成された。コーティングの構造の変化は、SEMの液浸の前後にSEMを測定することで検出された。
・DEGBE溶液のシリコーンコートに与える影響は検出されなかった。従って、24時間DEGBE試験は省略された。
【0125】
[00142] ある態様では、洗浄する表面に洗浄流体を提供するように構成された流体供給システムを備えるリソグラフィ装置であって、洗浄流体が25〜98.99重量%の水と、1種又は数種のグリコールエーテル、エステル、アルコール及びケトンから選択される1〜74.99重量%の溶媒と、0.01〜5重量%の界面活性剤とを含む、リソグラフィ装置が提供される。任意選択として、界面活性剤は、疎水性の界面活性剤である。任意選択として、洗浄流体中に水は、50〜85重量%の量で存在する。任意選択として、洗浄流体中に水は、65〜80重量%の量で存在する。任意選択として、洗浄流体中に溶媒は、15〜50重量%の量で存在する。任意選択として、洗浄流体中に溶媒は、20〜35重量%の量で存在する。任意選択として、溶媒は、1種又は数種のグリコールエーテル又はエステルから選択される。任意選択として、溶媒は、DEGBEである。任意選択として、界面活性剤は、0.01〜2重量%の量で存在する。任意選択として、界面活性剤は、1種又は数種の非イオン界面活性剤から選択される。任意選択として、界面活性剤は、分子量が1000〜3000の酸化エチレン/酸化プロピレンブロック共重合体を含む非イオン界面活性剤を含む。任意選択として、洗浄流体は、65〜79.99重量%の水と、1種又は数種のグリコールエーテル、エステル、アルコール及びケトンから選択される20〜34.99重量%の溶媒と、0.01〜5重量%の界面活性剤と、任意選択として、pH調整化学物質とを含む。任意選択として、洗浄流体は、pH調整化学物質をさらに含む。任意選択として、洗浄流体のpHは7〜10である。任意選択として、洗浄流体のpHは8〜10である。任意選択として、洗浄流体のpHは9〜10である。任意選択として、洗浄流体は、基本的に74.7重量%の水と、25重量%のDEGBEと、0.2重量%のPluronic(登録商標)L61と、0.1重量%のEnvirogem(登録商標)AD01とからなる。任意選択として、洗浄流体は、基本的に84.9重量%の水と、15重量%のエチルラクテートと、0.1重量%のPluronic(登録商標)L61とからなる。任意選択として、リソグラフィ装置は、液浸タイプのリソグラフィ装置である。任意選択として、流体供給システムは、洗浄流体供給システムである。
【0126】
[00143] ある態様では、リソグラフィ装置内の表面を洗浄する方法であって、洗浄する表面に洗浄流体を供給するステップを含み、洗浄流体が25〜98.99重量%の水と、1種又は数種のグリコールエーテル、エステル、アルコール及びケトンから選択される1〜74.99重量%の溶媒と、0.01〜5重量%の界面活性剤とを含む、方法が提供される。任意選択として、洗浄流体は上記の通りである。
【0127】
[00144] ある態様では、リソグラフィ装置を洗浄する上記の洗浄流体の使用法が提供される。
【0128】
[00145] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0129】
[00146] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明はその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、文脈によっては、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内の微細構成(topography)が基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスの微細構成は、基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを印加することでレジストは硬化する。パターニングデバイスは、レジストから取り除かれ、レジストが硬化すると内部にパターンが残される。
【0130】
[00147] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線光(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
【0131】
[00148] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電気光学部品を含む様々なタイプの光学部品のいずれか一つ、又はその組合せを指すことができる。
【0132】
[00149] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。
【0133】
[00150] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を改修できることが当業者には明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄する表面に洗浄流体を提供する流体供給システムを備えるリソグラフィ装置であって、洗浄流体が、
25〜98.99重量%の水と、
1種又は数種のグリコールエーテル、エステル、アルコール及びケトンから選択される1〜74.99重量%の溶媒と、
0.01〜5重量%の界面活性剤とを含む、リソグラフィ装置。
【請求項2】
前記界面活性剤が、疎水性の界面活性剤である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記洗浄流体内に前記水が50〜85重量%又は65〜80重量%の量で存在する請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記洗浄流体内に前記溶媒が15〜50重量%又は20〜35重量%の量で存在する、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記溶媒が1種又は数種のグリコールエーテル又はエステルから選択される、あるいは前記溶媒がDEGBEである、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記界面活性剤が、0.01〜2重量%の量で存在する、請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記界面活性剤が、1種又は数種の非イオン界面活性剤から選択される、請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記界面活性剤が、分子量が1000〜3000の酸化エチレン/酸化プロピレンブロック共重合体を含む非イオン界面活性剤を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記洗浄流体が、
65〜79.99重量%の水と、
1種又は数種のグリコールエーテル、エステル、アルコール及びケトンから選択される20〜34.99重量%の溶媒と、
0.01〜5重量%の界面活性剤と、任意選択として、
pH調整化学物質とを含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記洗浄流体が、pH調整化学物質をさらに含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記洗浄流体のpHが、7〜10又は8〜10又は9〜10である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記洗浄流体が、基本的に、
74.7重量%の水と、
25重量%のDEGBEと、
0.2重量%のPluronicL61と、
0.1重量%のEnvirogemAD01とからなる、請求項1から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記洗浄流体が、基本的に、
84.9重量%の水と、
15重量%のエチルラクテートと、
0.1重量%のPluronicL61とからなる、請求項1から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記リソグラフィ装置が、液浸タイプのリソグラフィ装置である、請求項1から13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記流体供給システムが、洗浄流体供給システムである、請求項1から14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
リソグラフィ装置内の表面を洗浄する方法であって、洗浄する表面に洗浄流体を供給するステップを含み、前記洗浄流体が、
25〜98.99重量%の水と、
1種又は数種のグリコールエーテル、エステル、アルコール及びケトンから選択される1〜74.99重量%の溶媒と、
0.01〜5重量%の界面活性剤とを含む、方法。
【請求項17】
前記洗浄流体が、請求項2から13のいずれか1項に記載されている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項1から13のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置を洗浄する洗浄流体の使用法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−103530(P2010−103530A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−236994(P2009−236994)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】