リップ溝形鋼およびその連結金具
【課題】本発明の第1の目的は、従来よりも剛性の高い新規なリップ溝形鋼を提供することであり、また、その第2の目的はこのような新規なリップ溝形鋼に好適な連結金具を提供することである。
【解決手段】本発明のリップ溝形鋼10は、少なくともリップ壁14と後背壁16とに長手方向に延伸する断面V字形の折れ部18を有することを特徴とする。
また、本発明の連結金具20は、リップ壁14の表面上で折れ部18と係止する係止部27を持つ支持金具21と、リップ壁14の裏面側で折れ部18の側面18bと当接する当接部32を有する締め金具22とからなり、リップ壁14を挟持するようにリップ溝形鋼10に着脱自在に固定される。
【解決手段】本発明のリップ溝形鋼10は、少なくともリップ壁14と後背壁16とに長手方向に延伸する断面V字形の折れ部18を有することを特徴とする。
また、本発明の連結金具20は、リップ壁14の表面上で折れ部18と係止する係止部27を持つ支持金具21と、リップ壁14の裏面側で折れ部18の側面18bと当接する当接部32を有する締め金具22とからなり、リップ壁14を挟持するようにリップ溝形鋼10に着脱自在に固定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リップ溝形鋼とそれに用いる連結金具とに関する。
【背景技術】
【0002】
図10に示すように、従来のリップ溝形鋼100は矩形の鋼管の幅広の一方の側面に長手方向に沿って延びるリップ溝102が形成されてその断面がC字形状をしており、比較的剛性が高く軽量であることや加工しやすく組み立てが容易であること、などの利点を生かして一般住宅などのスチールハウスや鋼製建築物などの構造部材、例えば、屋根や壁の下地部材として多用されている。しかし、昨今の建築物に対する耐震性向上や、コストダウン要求のためにさらに剛性が高くかつ軽量なリップ溝形鋼の開発が望まれている。
【0003】
ところで、例えば一般住宅などの縦横胴縁は、このリップ溝形鋼を縦横に配置してリップ溝形鋼同士を溶接接合することで構築されていた。しかし、溶接熱による歪みの発生や溶接部の塗装を必要とする、あるいは溶接作業に熟練を要するなどといった問題があり、連結金具によるリップ溝形鋼同士の連結構造が用いられるようになった。
【0004】
従来のリップ溝形鋼同士を連結する連結金具の例としては、図11及び12に示すような、連結金具110が知られている(特許文献1参照)。この連結金具110は、L字状に屈曲したL字形金具120の一方の屈曲片122をリップ溝形鋼100のリップ104上に重ねるとともに、リップ104の裏面側にU字形の締め金具130を当ててリップ104を挟み込み、この状態でボルト140及びナット150にて上下から締め付けて固定するものである。そしてL字形金具120の他方の側の屈曲片124にはボルト穴126が穿設されており、図示しないボルトにて他方のリップ溝形鋼に固定することができるようになっている。しかし、このような連結金具では、L字金具120が締結ボルト140を軸に回転したり、長手方向にずれたりすることがあり必ずしも満足できるものではなかった。
【特許文献1】特許第3207818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その第1の目的は、従来よりも剛性の高い新規なリップ溝形鋼を提供することであり、また、その第2の目的はこのような新規なリップ溝形鋼に好適な連結金具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のリップ溝形鋼は、リップ溝を隔てて対向するリップ壁とこのリップ壁に垂直に連なる側壁とこの側壁に垂直に連なる後背壁とからなる断面がC字形のリップ溝形鋼であって、少なくともリップ壁と後背壁とに長手方向に延伸する折れ部を有することを特徴とする。
【0007】
本発明のリップ溝形鋼はリップ壁と後背壁とに長手方向に延伸する折れ部を有しているので、折れ部を有さない従来のリップ溝形鋼に比べて高い剛性を発揮することができる。従って、折れ部以外の他の断面寸法が同じであれば、部材の長さをより長くすることができる。例えば、スチールハウスの横胴縁として使用した場合には従来よりもそのスパンを拡げることができ、主要部材を減少させることができる。また、厚さを低減するなど従来のリップ溝形鋼より軽量化しても従来のリップ溝形鋼と同等の剛性を発揮することができる。
【0008】
本発明のリップ溝形鋼において、折れ部は断面V字形のV溝であり、このV溝はリップ壁と後背壁の対向面側に突出していることが望ましい。V溝は形成が容易であるとともに、リップ溝形鋼の長手方向における撓みを減少するのに有効である。また、V溝をリップ壁と後背壁の対向面側に突出して設けることで、リップ壁と後背壁の表面側に連結金具を介して他のリップ溝形鋼やその他の部材と安定的に連結することができる。
【0009】
また、本発明のリップ溝形鋼において、リップ壁に形成された折れ部と後背壁に形成された折れ部とは側壁の幅を2分する中心線を対称軸として線対称の位置にあることが望ましい。リップ壁に形成された折れ部と後背壁に形成された折れ部とが側壁の幅を2分する中心線を対称軸として線対称の位置にあることで、後述する連結金具を後背壁側とリップ壁側とで共通して用いることができる。
【0010】
本発明のリップ溝形鋼の連結金具は、リップ溝を隔てて対向するリップ壁とこのリップ壁に垂直に連なる側壁とこの側壁に垂直に連なる後背壁とからなる断面がC字形のリップ溝形鋼で、少なくともリップ壁と後背壁とに長手方向に延伸する折れ部を有するリップ溝形鋼に着脱自在に固定される連結金具であって、リップ壁の表面上に配置され少なくとも一つの折れ部に係止する係止部を有するとともにボルトを挿通する挿通穴を有する支持金具と、リップ壁の裏面側に配置され折れ部の裏面側に当接する当接部を有するとともにボルトを挿通する挿通穴を有する締め金具とからなり、支持金具と締め金具とでリップ壁を挟持し、挿通穴にボルトを挿通してナットを螺合するとでこの支持金具と締め金具とを緊締することを特徴とする金具である。
【0011】
本発明のリップ溝形鋼の連結金具は、リップ溝形鋼の表面側では支持金具の係止部が折れ部と係合し、裏面側では締め金具の当接部が折れ部の裏面側に当接するので、連結金具をリップ溝形鋼の任意の位置に強固に固定することができる。
【0012】
本発明のリップ溝形鋼の連結金具において、支持金具はリップ壁の上面に当接する当接面が互いに直交するL字形金具であることが好ましい。L字形金具を用いることで、リップ溝形鋼同士、あるいはリップ溝形鋼と他の部材とを容易に垂直に連結することができる。
【0013】
また、本発明のリップ溝形鋼の連結金具において、締め金具はその締め金具のボルト穴近傍にナットを係止する一対の係止部を裏面側に突出して形成していることが望ましい。この係止部に所定のナットを係止してから締め金具をリップ壁の裏面側に配置して表面側からボルトを挿通してナットと螺合することにより支持金具と締め金具との緊締を表面側からの作業のみで実施することができる。
【0014】
また、本発明のリップ溝形鋼の連結金具において、支持金具は対向するリップ壁の折れ部に係合しリップ溝を所定の幅に保持する当て板であってもよい。
このような当て板と締め金具とによってリップ溝幅を高精度で保持することができ、リップ溝形鋼の撓みや捻りといった変形が抑制されるので構造物の組立精度が向上できるとともに、組立作業性を向上することができる。
【0015】
なお、本発明のリップ溝形鋼と連結金具とを用いた縦横胴縁などの構造物は、ボルトとナットによる締結構造であるので、組立・解体が容易である。従って、組立作業に熟練を要しないうえに、特に、仮設構造物などでは使用後に容易に解体してリップ溝形鋼と連結金具とを他の構築物に再利用することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお各実施の形態について共通の箇所には共通の符号を付して対応させることにより重複する説明を省略する。
【0017】
(第1の実施形態:リップ溝形鋼)
図1は本発明のリップ溝形鋼の断面形状の一例を示し、図2にはその斜視図を示す。本発明のリップ溝形鋼10は、図1に示すようにリップ溝12を隔てて対向するリップ壁14とこのリップ壁14に垂直に連なる側壁15とこの側壁15に垂直に連なる後背壁16とからなり、少なくともリップ壁14と後背壁16とに長手方向に延伸する折れ部18を有している。本実施の形態においては、折れ部18は形成が容易で撓みに強い断面V字形のV溝であり、このV溝18はリップ壁14と後背壁16の各々の対向面側に突出して形成されている。そして、このV溝18は、側壁15の幅W1を2分する中心線Lを対称軸としてリップ壁14と後背壁16との線対称の位置に形成されている。
【0018】
このようなV溝18が形成されていることで、本発明のリップ溝形鋼10は、図10に示すV溝がない従来のリップ溝形鋼100に比べて高い剛性を発揮することができる。従って、リップ溝形鋼10をスチールハウスなどの建築物の横胴縁に適用した場合には、従来のリップ溝形鋼100に比べてスパンを拡げることができる。このため、建築用の主要部材を削減してコストダウンすることができる。また、C形断面の断面形状が従来品と同一寸法であれば板厚を薄くして軽量化することも可能である。
【0019】
また、後述する幅止め金具をリップ溝の長手方向の所望の位置に容易に取り付けることができるので、内部応力によるリップ溝幅W2の拡大を抑制することができ、リップ溝形鋼10の座屈強度を向上することができる。
【0020】
本発明のリップ溝形鋼は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更してもよい。例えば、本実施の形態においては折れ部18の断面形状をV溝としたが、折れ部の形状や大きさなどには特に制限はなく、U溝、コの字溝などとしてもよい。また、実施形態では折れ部18の本数を各リップ部で1本ずつとしたが複数本としてもよい。V溝の数を増やすことで撓みやひねりなどを抑制してリップ溝形鋼10の取り付け精度をさらに向上することができる。
【0021】
(第2の実施形態:連結金具)
図3から図6は本発明の連結金具に関する実施の形態に係わり、図3は、連結金具の正面図、図4は連結金具の側面断面図、図5はL字形金具の斜視図を、また、図6は締め金具の斜視図を示す。
【0022】
本実施の形態の連結金具20は、支持金具であるL字形金具21と、締め金具22とから構成され、ボルト23およびナット24とでリップ溝形鋼10に着脱自在に固定される。L字形金具21は、図4および図5に示すように、長方形の鋼板をL字状に曲折して互いに直交する当接部25を形成したもので、各当接部25の略中央部にはボルト穴26が穿設されている。また、各当接部25の両縁部27は、リップ溝形鋼10との当接方向、すなわち、L字状に曲折した方向とは反対の方向にリップ壁14のV溝面18a(図3)に係合するように折り曲げ成形されている。なお、図5ではL字形金具21の曲折部には補強部28が三角錐状に打ち出し形成されている。
【0023】
締め金具22は、矩形の鋼板をチャンネル状に曲折して底部31と起立部32とを形成したもので、底部31の略中央部にはボルト穴33が穿設されている。また、起立部32の両側辺34は、リップ壁14の裏面側に突出したV溝18の側面18b(図3)に当接するように面取りされており、起立部32が締め金具22の当接部となっている。また、底部31のボルト穴33の両側方の裏面にボルト穴33を中心にした一対の切り起こし片35(図3)が突出形成されている。この一対の切り起こし片35がボルト23と螺合するナット24を締め金具22に一体的に係止する係止部となっている。
【0024】
次に、以上のような構成をもつ連結金具20の作用について説明する。
【0025】
まず、締め金具22の裏面側に切り起こし片35を介してナット24を一体的に係止する。この状態で締め金具22をリップ溝形鋼10の長手方向の所定の位置へリップ溝12から挿入してリップ壁14の裏面側に配置する。
【0026】
配置された締め金具22の起立部32は図3に示すように略台形であり、上記のように両斜辺(側辺)34がV溝18の傾斜面18bに当接することにより締め金具22の幅方向の位置を精度よく位置決めすることができる。
【0027】
次に、リップ壁14の上面にボルト穴26の中心線と前記のように配置された締め金具22のボルト穴33の中心線とが一致するようにL字形金具21の一方の当接部25を配置する。この時、当接部25の両縁部27がリップ壁14に形成されているV溝18の傾斜面18aと係合するように配置する。
【0028】
続いてこのように配置されたL字形金具21の当接部25と、締め金具22とによりリップ壁14を挟持して、挿通穴26と33とにボルト23を挿通しナット24で締結する。この結果L字形金具21の当接部25の両縁部27が各リップ壁14に形成されているV溝18の傾斜面18aに沿ってリップ溝12の幅W2(図1)を狭める方向に係止されるとともに、締め金具22の起立部32が対応するV溝18の裏面側傾斜面18bに沿ってリップ溝12の幅W2を広げる方向に当接するので、リップ壁14はL字形金具22の当接部25と締め金具22とによって強固に挟持されるとともに、リップ溝幅W2を高精度で保持することができる。このため、リップ溝形鋼の撓みや捻りといった変形が抑制されるので取り付け精度が向上し作業性が向上するとともに、精度の高い構造物とすることができる。
【0029】
そして、L字形金具21の他方の当接部25’(図3)に図示しない他のリップ溝形鋼もしくは他の部材を締結することでリップ溝形鋼同士又はリップ溝形鋼と他の部材とを直交するように連結することができる。
【0030】
本実施の形態では、連結金具を構成する締め金具22をリップ溝形鋼10のリップ壁開口部(リップ溝)12を介してリップ壁14の裏面側に挿入できるように構成するとともに、締め金具22の底部31の裏面側に切り起こし片35を形成してナット24を保持させるようになっている。従って裏面側に手を回して締め金具やナットなどを配置する煩雑さが生じない。
【0031】
(第3の実施形態:幅止め金具)
上記の第2の実施形態は、主にリップ溝形鋼同士、又はリップ溝形鋼と他の鉄骨とを垂直に突き合わせて連結する連結金具として好適なL字形金具を用いたものである。しかし、上記の連結金具のL字形金具を以下に説明するような当て板に代えてリップ溝を隔てて対向するリップ壁同士を連結する幅止め金具とすることでリップ溝形鋼10の剛性をさらに高めることができる。
【0032】
上記のように本発明の第3の実施形態は幅止め金具である。図8は幅止め金具40を説明する正面概要図である。幅止め金具40は、前記連結金具20においてリップ溝形鋼10のリップ壁14上に配置する支持金具をL字形金具21に代えて図7に示す当て板41とした以外は上記の連結金具20と同様の構成である。すなわち、幅止め金具40は、当て板41と締め金具22とからなり、ボルト23およびナット24とでリップ溝形鋼10に着脱自在に固定される。
【0033】
当て板41はそのほぼ中央部にボルト23を挿通する挿通穴42が穿設されており、当て板41の両縁部43はL字形金具21の当接部25と同様に、リップ溝形鋼10のV溝面18a(図8)に係止するように曲折されている。なお、当て板41には両縁部43とは反対方向に補強部44が打ち出し形成されている。
【0034】
幅止め金具40において、締め金具22は上記の連結金具20の場合と共通であり、幅止め金具40は当て板41と締め金具22とでリップ壁14を挟持し、リップ溝形鋼10のリップ溝12の幅W2を精度よく強固に固定することができる。このためリップ溝形鋼10の剛性をさらに高くすることができる。その結果、構造部材としてのリップ溝形鋼10の撓みや捻れなどの発生をより小さいレベルに抑制し、寸法精度の高い構造物を構築することができる。
【0035】
例えば、耐震性を向上するために、リップ溝形鋼のリップ溝の適宜の部位に複数個の幅止め金具40を配置することで、地震により発生する集中荷重を軽減してリップ溝形鋼が座屈することを回避できる。
【0036】
本発明の連結金具は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更してもよい。例えば、第2の実施形態ではL字形金具と締め金具とを用いてリップ壁側でリップ溝形鋼を垂直に突き合わせるようにしたが、リップ溝形鋼の後背壁16にボルト穴を穿設してその後背面にL字形金具21’を配置して締め金具を用いることなくボルトとナットとで締結してもよい。
【0037】
図9はリップ壁14側に連結金具21を取り付け、後背壁16にL字形金具21’を取り付けたリップ溝形鋼10を端面側から見た図である。L字形金具21’は後背壁16に一本のボルトで締結されているが、係止部27でV溝18と係合するので回転などの位置ズレを生じることなく所望の部位に確実に固定することができる。図9に示すような構造は、例えば、一般住宅などのサイデングやサッシ周りの下地構造などに採用して好適である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明のリップ溝形鋼はスチールハウスや鋼構造物などの構造部材として好適に用いることができ、本発明の連結金具はリップ溝形鋼同士や、またはリップ溝形鋼を他の部材とを連結するための鉄骨材の連結機構として好適である。特に、一般住宅やスチールハウスなどの胴縁母屋の下地部材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明のリップ溝形鋼の一例を示す断面概要図である。
【図2】図1の断面を有するリップ溝形鋼の斜視図である。
【図3】第2の実施形態の連結金具の構成概要を説明する正面図である。
【図4】図3のX−X断面図である。
【図5】第2の実施形態のL字金具の概要を示す斜視図である。
【図6】第2の実施形態の締め金具の概要を示す斜視図である。
【図7】第3の実施形態における当て金の平面図である。
【図8】第3の実施形態の幅止め金具の構成概要を説明する正面図である。
【図9】2個の連結金具を対向して装着したリップ溝形鋼を説明する連結部の説明図である。
【図10】従来のリップ溝形鋼の一例を示す断面概要図である。
【図11】従来の連結金具を説明する正面概要図である。
【図12】図11のZ−Z断面概要図である。
【符号の説明】
【0040】
10:リップ溝形鋼 12:リップ溝(開口部) 14:リップ壁 16:後背壁 18:折れ部(V溝) 20:連結金具 21:L字形金具 22:締め金具 23:ボルト 24:ナット 25:当接部 26:挿通穴 27、43:係止部 31:底部 32:起立部
【技術分野】
【0001】
本発明は、リップ溝形鋼とそれに用いる連結金具とに関する。
【背景技術】
【0002】
図10に示すように、従来のリップ溝形鋼100は矩形の鋼管の幅広の一方の側面に長手方向に沿って延びるリップ溝102が形成されてその断面がC字形状をしており、比較的剛性が高く軽量であることや加工しやすく組み立てが容易であること、などの利点を生かして一般住宅などのスチールハウスや鋼製建築物などの構造部材、例えば、屋根や壁の下地部材として多用されている。しかし、昨今の建築物に対する耐震性向上や、コストダウン要求のためにさらに剛性が高くかつ軽量なリップ溝形鋼の開発が望まれている。
【0003】
ところで、例えば一般住宅などの縦横胴縁は、このリップ溝形鋼を縦横に配置してリップ溝形鋼同士を溶接接合することで構築されていた。しかし、溶接熱による歪みの発生や溶接部の塗装を必要とする、あるいは溶接作業に熟練を要するなどといった問題があり、連結金具によるリップ溝形鋼同士の連結構造が用いられるようになった。
【0004】
従来のリップ溝形鋼同士を連結する連結金具の例としては、図11及び12に示すような、連結金具110が知られている(特許文献1参照)。この連結金具110は、L字状に屈曲したL字形金具120の一方の屈曲片122をリップ溝形鋼100のリップ104上に重ねるとともに、リップ104の裏面側にU字形の締め金具130を当ててリップ104を挟み込み、この状態でボルト140及びナット150にて上下から締め付けて固定するものである。そしてL字形金具120の他方の側の屈曲片124にはボルト穴126が穿設されており、図示しないボルトにて他方のリップ溝形鋼に固定することができるようになっている。しかし、このような連結金具では、L字金具120が締結ボルト140を軸に回転したり、長手方向にずれたりすることがあり必ずしも満足できるものではなかった。
【特許文献1】特許第3207818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その第1の目的は、従来よりも剛性の高い新規なリップ溝形鋼を提供することであり、また、その第2の目的はこのような新規なリップ溝形鋼に好適な連結金具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のリップ溝形鋼は、リップ溝を隔てて対向するリップ壁とこのリップ壁に垂直に連なる側壁とこの側壁に垂直に連なる後背壁とからなる断面がC字形のリップ溝形鋼であって、少なくともリップ壁と後背壁とに長手方向に延伸する折れ部を有することを特徴とする。
【0007】
本発明のリップ溝形鋼はリップ壁と後背壁とに長手方向に延伸する折れ部を有しているので、折れ部を有さない従来のリップ溝形鋼に比べて高い剛性を発揮することができる。従って、折れ部以外の他の断面寸法が同じであれば、部材の長さをより長くすることができる。例えば、スチールハウスの横胴縁として使用した場合には従来よりもそのスパンを拡げることができ、主要部材を減少させることができる。また、厚さを低減するなど従来のリップ溝形鋼より軽量化しても従来のリップ溝形鋼と同等の剛性を発揮することができる。
【0008】
本発明のリップ溝形鋼において、折れ部は断面V字形のV溝であり、このV溝はリップ壁と後背壁の対向面側に突出していることが望ましい。V溝は形成が容易であるとともに、リップ溝形鋼の長手方向における撓みを減少するのに有効である。また、V溝をリップ壁と後背壁の対向面側に突出して設けることで、リップ壁と後背壁の表面側に連結金具を介して他のリップ溝形鋼やその他の部材と安定的に連結することができる。
【0009】
また、本発明のリップ溝形鋼において、リップ壁に形成された折れ部と後背壁に形成された折れ部とは側壁の幅を2分する中心線を対称軸として線対称の位置にあることが望ましい。リップ壁に形成された折れ部と後背壁に形成された折れ部とが側壁の幅を2分する中心線を対称軸として線対称の位置にあることで、後述する連結金具を後背壁側とリップ壁側とで共通して用いることができる。
【0010】
本発明のリップ溝形鋼の連結金具は、リップ溝を隔てて対向するリップ壁とこのリップ壁に垂直に連なる側壁とこの側壁に垂直に連なる後背壁とからなる断面がC字形のリップ溝形鋼で、少なくともリップ壁と後背壁とに長手方向に延伸する折れ部を有するリップ溝形鋼に着脱自在に固定される連結金具であって、リップ壁の表面上に配置され少なくとも一つの折れ部に係止する係止部を有するとともにボルトを挿通する挿通穴を有する支持金具と、リップ壁の裏面側に配置され折れ部の裏面側に当接する当接部を有するとともにボルトを挿通する挿通穴を有する締め金具とからなり、支持金具と締め金具とでリップ壁を挟持し、挿通穴にボルトを挿通してナットを螺合するとでこの支持金具と締め金具とを緊締することを特徴とする金具である。
【0011】
本発明のリップ溝形鋼の連結金具は、リップ溝形鋼の表面側では支持金具の係止部が折れ部と係合し、裏面側では締め金具の当接部が折れ部の裏面側に当接するので、連結金具をリップ溝形鋼の任意の位置に強固に固定することができる。
【0012】
本発明のリップ溝形鋼の連結金具において、支持金具はリップ壁の上面に当接する当接面が互いに直交するL字形金具であることが好ましい。L字形金具を用いることで、リップ溝形鋼同士、あるいはリップ溝形鋼と他の部材とを容易に垂直に連結することができる。
【0013】
また、本発明のリップ溝形鋼の連結金具において、締め金具はその締め金具のボルト穴近傍にナットを係止する一対の係止部を裏面側に突出して形成していることが望ましい。この係止部に所定のナットを係止してから締め金具をリップ壁の裏面側に配置して表面側からボルトを挿通してナットと螺合することにより支持金具と締め金具との緊締を表面側からの作業のみで実施することができる。
【0014】
また、本発明のリップ溝形鋼の連結金具において、支持金具は対向するリップ壁の折れ部に係合しリップ溝を所定の幅に保持する当て板であってもよい。
このような当て板と締め金具とによってリップ溝幅を高精度で保持することができ、リップ溝形鋼の撓みや捻りといった変形が抑制されるので構造物の組立精度が向上できるとともに、組立作業性を向上することができる。
【0015】
なお、本発明のリップ溝形鋼と連結金具とを用いた縦横胴縁などの構造物は、ボルトとナットによる締結構造であるので、組立・解体が容易である。従って、組立作業に熟練を要しないうえに、特に、仮設構造物などでは使用後に容易に解体してリップ溝形鋼と連結金具とを他の構築物に再利用することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお各実施の形態について共通の箇所には共通の符号を付して対応させることにより重複する説明を省略する。
【0017】
(第1の実施形態:リップ溝形鋼)
図1は本発明のリップ溝形鋼の断面形状の一例を示し、図2にはその斜視図を示す。本発明のリップ溝形鋼10は、図1に示すようにリップ溝12を隔てて対向するリップ壁14とこのリップ壁14に垂直に連なる側壁15とこの側壁15に垂直に連なる後背壁16とからなり、少なくともリップ壁14と後背壁16とに長手方向に延伸する折れ部18を有している。本実施の形態においては、折れ部18は形成が容易で撓みに強い断面V字形のV溝であり、このV溝18はリップ壁14と後背壁16の各々の対向面側に突出して形成されている。そして、このV溝18は、側壁15の幅W1を2分する中心線Lを対称軸としてリップ壁14と後背壁16との線対称の位置に形成されている。
【0018】
このようなV溝18が形成されていることで、本発明のリップ溝形鋼10は、図10に示すV溝がない従来のリップ溝形鋼100に比べて高い剛性を発揮することができる。従って、リップ溝形鋼10をスチールハウスなどの建築物の横胴縁に適用した場合には、従来のリップ溝形鋼100に比べてスパンを拡げることができる。このため、建築用の主要部材を削減してコストダウンすることができる。また、C形断面の断面形状が従来品と同一寸法であれば板厚を薄くして軽量化することも可能である。
【0019】
また、後述する幅止め金具をリップ溝の長手方向の所望の位置に容易に取り付けることができるので、内部応力によるリップ溝幅W2の拡大を抑制することができ、リップ溝形鋼10の座屈強度を向上することができる。
【0020】
本発明のリップ溝形鋼は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更してもよい。例えば、本実施の形態においては折れ部18の断面形状をV溝としたが、折れ部の形状や大きさなどには特に制限はなく、U溝、コの字溝などとしてもよい。また、実施形態では折れ部18の本数を各リップ部で1本ずつとしたが複数本としてもよい。V溝の数を増やすことで撓みやひねりなどを抑制してリップ溝形鋼10の取り付け精度をさらに向上することができる。
【0021】
(第2の実施形態:連結金具)
図3から図6は本発明の連結金具に関する実施の形態に係わり、図3は、連結金具の正面図、図4は連結金具の側面断面図、図5はL字形金具の斜視図を、また、図6は締め金具の斜視図を示す。
【0022】
本実施の形態の連結金具20は、支持金具であるL字形金具21と、締め金具22とから構成され、ボルト23およびナット24とでリップ溝形鋼10に着脱自在に固定される。L字形金具21は、図4および図5に示すように、長方形の鋼板をL字状に曲折して互いに直交する当接部25を形成したもので、各当接部25の略中央部にはボルト穴26が穿設されている。また、各当接部25の両縁部27は、リップ溝形鋼10との当接方向、すなわち、L字状に曲折した方向とは反対の方向にリップ壁14のV溝面18a(図3)に係合するように折り曲げ成形されている。なお、図5ではL字形金具21の曲折部には補強部28が三角錐状に打ち出し形成されている。
【0023】
締め金具22は、矩形の鋼板をチャンネル状に曲折して底部31と起立部32とを形成したもので、底部31の略中央部にはボルト穴33が穿設されている。また、起立部32の両側辺34は、リップ壁14の裏面側に突出したV溝18の側面18b(図3)に当接するように面取りされており、起立部32が締め金具22の当接部となっている。また、底部31のボルト穴33の両側方の裏面にボルト穴33を中心にした一対の切り起こし片35(図3)が突出形成されている。この一対の切り起こし片35がボルト23と螺合するナット24を締め金具22に一体的に係止する係止部となっている。
【0024】
次に、以上のような構成をもつ連結金具20の作用について説明する。
【0025】
まず、締め金具22の裏面側に切り起こし片35を介してナット24を一体的に係止する。この状態で締め金具22をリップ溝形鋼10の長手方向の所定の位置へリップ溝12から挿入してリップ壁14の裏面側に配置する。
【0026】
配置された締め金具22の起立部32は図3に示すように略台形であり、上記のように両斜辺(側辺)34がV溝18の傾斜面18bに当接することにより締め金具22の幅方向の位置を精度よく位置決めすることができる。
【0027】
次に、リップ壁14の上面にボルト穴26の中心線と前記のように配置された締め金具22のボルト穴33の中心線とが一致するようにL字形金具21の一方の当接部25を配置する。この時、当接部25の両縁部27がリップ壁14に形成されているV溝18の傾斜面18aと係合するように配置する。
【0028】
続いてこのように配置されたL字形金具21の当接部25と、締め金具22とによりリップ壁14を挟持して、挿通穴26と33とにボルト23を挿通しナット24で締結する。この結果L字形金具21の当接部25の両縁部27が各リップ壁14に形成されているV溝18の傾斜面18aに沿ってリップ溝12の幅W2(図1)を狭める方向に係止されるとともに、締め金具22の起立部32が対応するV溝18の裏面側傾斜面18bに沿ってリップ溝12の幅W2を広げる方向に当接するので、リップ壁14はL字形金具22の当接部25と締め金具22とによって強固に挟持されるとともに、リップ溝幅W2を高精度で保持することができる。このため、リップ溝形鋼の撓みや捻りといった変形が抑制されるので取り付け精度が向上し作業性が向上するとともに、精度の高い構造物とすることができる。
【0029】
そして、L字形金具21の他方の当接部25’(図3)に図示しない他のリップ溝形鋼もしくは他の部材を締結することでリップ溝形鋼同士又はリップ溝形鋼と他の部材とを直交するように連結することができる。
【0030】
本実施の形態では、連結金具を構成する締め金具22をリップ溝形鋼10のリップ壁開口部(リップ溝)12を介してリップ壁14の裏面側に挿入できるように構成するとともに、締め金具22の底部31の裏面側に切り起こし片35を形成してナット24を保持させるようになっている。従って裏面側に手を回して締め金具やナットなどを配置する煩雑さが生じない。
【0031】
(第3の実施形態:幅止め金具)
上記の第2の実施形態は、主にリップ溝形鋼同士、又はリップ溝形鋼と他の鉄骨とを垂直に突き合わせて連結する連結金具として好適なL字形金具を用いたものである。しかし、上記の連結金具のL字形金具を以下に説明するような当て板に代えてリップ溝を隔てて対向するリップ壁同士を連結する幅止め金具とすることでリップ溝形鋼10の剛性をさらに高めることができる。
【0032】
上記のように本発明の第3の実施形態は幅止め金具である。図8は幅止め金具40を説明する正面概要図である。幅止め金具40は、前記連結金具20においてリップ溝形鋼10のリップ壁14上に配置する支持金具をL字形金具21に代えて図7に示す当て板41とした以外は上記の連結金具20と同様の構成である。すなわち、幅止め金具40は、当て板41と締め金具22とからなり、ボルト23およびナット24とでリップ溝形鋼10に着脱自在に固定される。
【0033】
当て板41はそのほぼ中央部にボルト23を挿通する挿通穴42が穿設されており、当て板41の両縁部43はL字形金具21の当接部25と同様に、リップ溝形鋼10のV溝面18a(図8)に係止するように曲折されている。なお、当て板41には両縁部43とは反対方向に補強部44が打ち出し形成されている。
【0034】
幅止め金具40において、締め金具22は上記の連結金具20の場合と共通であり、幅止め金具40は当て板41と締め金具22とでリップ壁14を挟持し、リップ溝形鋼10のリップ溝12の幅W2を精度よく強固に固定することができる。このためリップ溝形鋼10の剛性をさらに高くすることができる。その結果、構造部材としてのリップ溝形鋼10の撓みや捻れなどの発生をより小さいレベルに抑制し、寸法精度の高い構造物を構築することができる。
【0035】
例えば、耐震性を向上するために、リップ溝形鋼のリップ溝の適宜の部位に複数個の幅止め金具40を配置することで、地震により発生する集中荷重を軽減してリップ溝形鋼が座屈することを回避できる。
【0036】
本発明の連結金具は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更してもよい。例えば、第2の実施形態ではL字形金具と締め金具とを用いてリップ壁側でリップ溝形鋼を垂直に突き合わせるようにしたが、リップ溝形鋼の後背壁16にボルト穴を穿設してその後背面にL字形金具21’を配置して締め金具を用いることなくボルトとナットとで締結してもよい。
【0037】
図9はリップ壁14側に連結金具21を取り付け、後背壁16にL字形金具21’を取り付けたリップ溝形鋼10を端面側から見た図である。L字形金具21’は後背壁16に一本のボルトで締結されているが、係止部27でV溝18と係合するので回転などの位置ズレを生じることなく所望の部位に確実に固定することができる。図9に示すような構造は、例えば、一般住宅などのサイデングやサッシ周りの下地構造などに採用して好適である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明のリップ溝形鋼はスチールハウスや鋼構造物などの構造部材として好適に用いることができ、本発明の連結金具はリップ溝形鋼同士や、またはリップ溝形鋼を他の部材とを連結するための鉄骨材の連結機構として好適である。特に、一般住宅やスチールハウスなどの胴縁母屋の下地部材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明のリップ溝形鋼の一例を示す断面概要図である。
【図2】図1の断面を有するリップ溝形鋼の斜視図である。
【図3】第2の実施形態の連結金具の構成概要を説明する正面図である。
【図4】図3のX−X断面図である。
【図5】第2の実施形態のL字金具の概要を示す斜視図である。
【図6】第2の実施形態の締め金具の概要を示す斜視図である。
【図7】第3の実施形態における当て金の平面図である。
【図8】第3の実施形態の幅止め金具の構成概要を説明する正面図である。
【図9】2個の連結金具を対向して装着したリップ溝形鋼を説明する連結部の説明図である。
【図10】従来のリップ溝形鋼の一例を示す断面概要図である。
【図11】従来の連結金具を説明する正面概要図である。
【図12】図11のZ−Z断面概要図である。
【符号の説明】
【0040】
10:リップ溝形鋼 12:リップ溝(開口部) 14:リップ壁 16:後背壁 18:折れ部(V溝) 20:連結金具 21:L字形金具 22:締め金具 23:ボルト 24:ナット 25:当接部 26:挿通穴 27、43:係止部 31:底部 32:起立部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リップ溝を隔てて対向するリップ壁と該リップ壁に垂直に連なる側壁と該側壁に垂直に連なる後背壁とからなる断面がC字形のリップ溝形鋼であって、
少なくとも前記リップ壁と前記後背壁とに長手方向に延伸する折れ部を有することを特徴とするリップ溝形鋼。
【請求項2】
前記折れ部は断面V字形のV溝である請求項1に記載のリップ溝形鋼。
【請求項3】
前記V溝は前記リップ壁と前記後背壁の対向面側に突出している請求項2に記載のリップ溝形鋼。
【請求項4】
前記リップ壁に形成された折れ部と前記後背壁に形成された折れ部とは前記側壁の幅を2分する中心線を対称軸として線対称の位置にある請求項1〜3のいずれかに記載のリップ溝形鋼。
【請求項5】
リップ溝を隔てて対向するリップ壁と該リップ壁に垂直に連なる側壁と該側壁に垂直に連なる後背壁とからなる断面がC字形のリップ溝形鋼で、少なくとも前記リップ壁と前記後背壁とに前記リップ溝形鋼の長手方向に延伸する折れ部を有するリップ溝形鋼に着脱自在に固定される連結金具であって、
前記リップ壁の表面上に配置され少なくとも一つの前記折れ部に係止する係止部を有するとともにボルトを挿通する挿通穴を有する支持金具と、
前記リップ壁の裏面側に配置され前記折れ部の裏面側に当接する当接部を有するとともに前記ボルトを挿通する挿通穴を有する締め金具と、
からなり、
前記支持金具と前記締め金具とで前記リップ壁を挟持し、前記挿通穴にボルトを挿通してナットを螺合するとで前記支持金具と前記締め金具とを緊締することを特徴とするリップ溝形鋼の連結金具。
【請求項6】
前記支持金具は前記リップ壁の上面に当接する当接面が互いに直交するL字形金具である請求項5に記載のリップ溝形鋼の連結金具。
【請求項7】
前記締め金具は該締め金具のボルト穴近傍に前記ナットを係止する一対の係止部を裏面側に突出して形成した請求項5に記載のリップ溝形鋼の連結金具。
【請求項8】
前記支持金具は対向する前記リップ壁の前記折れ部に係合し前記リップ溝を所定の幅に保持する当て板である請求項5に記載のリップ溝形鋼の連結金具。
【請求項1】
リップ溝を隔てて対向するリップ壁と該リップ壁に垂直に連なる側壁と該側壁に垂直に連なる後背壁とからなる断面がC字形のリップ溝形鋼であって、
少なくとも前記リップ壁と前記後背壁とに長手方向に延伸する折れ部を有することを特徴とするリップ溝形鋼。
【請求項2】
前記折れ部は断面V字形のV溝である請求項1に記載のリップ溝形鋼。
【請求項3】
前記V溝は前記リップ壁と前記後背壁の対向面側に突出している請求項2に記載のリップ溝形鋼。
【請求項4】
前記リップ壁に形成された折れ部と前記後背壁に形成された折れ部とは前記側壁の幅を2分する中心線を対称軸として線対称の位置にある請求項1〜3のいずれかに記載のリップ溝形鋼。
【請求項5】
リップ溝を隔てて対向するリップ壁と該リップ壁に垂直に連なる側壁と該側壁に垂直に連なる後背壁とからなる断面がC字形のリップ溝形鋼で、少なくとも前記リップ壁と前記後背壁とに前記リップ溝形鋼の長手方向に延伸する折れ部を有するリップ溝形鋼に着脱自在に固定される連結金具であって、
前記リップ壁の表面上に配置され少なくとも一つの前記折れ部に係止する係止部を有するとともにボルトを挿通する挿通穴を有する支持金具と、
前記リップ壁の裏面側に配置され前記折れ部の裏面側に当接する当接部を有するとともに前記ボルトを挿通する挿通穴を有する締め金具と、
からなり、
前記支持金具と前記締め金具とで前記リップ壁を挟持し、前記挿通穴にボルトを挿通してナットを螺合するとで前記支持金具と前記締め金具とを緊締することを特徴とするリップ溝形鋼の連結金具。
【請求項6】
前記支持金具は前記リップ壁の上面に当接する当接面が互いに直交するL字形金具である請求項5に記載のリップ溝形鋼の連結金具。
【請求項7】
前記締め金具は該締め金具のボルト穴近傍に前記ナットを係止する一対の係止部を裏面側に突出して形成した請求項5に記載のリップ溝形鋼の連結金具。
【請求項8】
前記支持金具は対向する前記リップ壁の前記折れ部に係合し前記リップ溝を所定の幅に保持する当て板である請求項5に記載のリップ溝形鋼の連結金具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−63836(P2007−63836A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−250661(P2005−250661)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【特許番号】特許第3811177号(P3811177)
【特許公報発行日】平成18年8月16日(2006.8.16)
【出願人】(596084394)有限会社タガミ鉄工 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【特許番号】特許第3811177号(P3811177)
【特許公報発行日】平成18年8月16日(2006.8.16)
【出願人】(596084394)有限会社タガミ鉄工 (1)
【Fターム(参考)】
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