説明

リポカリンタンパク質

本発明は本明細書でINSP181と称されるヒトのタンパク質がリポカリンであるという発見によるものである。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:66又は配列番号:70に示すアミノ酸配列を含む、又は前記アミノ酸配列から成るポリペプチド;
(ii)リポカリンである、又は(i)記載のポリペプチドの1つ以上と共通の抗原決定基を有する、(i)のポリペプチドの断片;又は
(iii)(i)又は(ii)記載のポリペプチドの機能的等価物。
【請求項2】
請求項1(ii)記載の断片であるポリペプチドであって、配列番号:18のアミノ酸25−174、アミノ酸26−180、アミノ酸33−166、若しくはアミノ酸41−189、又は配列番号:24のアミノ酸25−206を含む、又は前記から成り、かつリポカリンであることを特徴とする、前記ポリペプチド。
【請求項3】
請求項1(iii)記載の機能的等価物であるポリペプチドであって、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:66又は配列番号:70に示すアミノ酸配列と相同であり、かつリポカリンであることを特徴とする、前記ポリペプチド。
【請求項4】
請求項1又は2記載の断片又は機能的等価物であるポリペプチドであって、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、若しくは配列番号:66に示すアミノ酸配列、又はその活性な断片と80%を超える配列同一性、好ましくは85%、90%、95%、98%、98.5%、99%又は99.5%を超える配列同一性を有するポリペプチド。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項記載の機能的等価物であるポリペプチドであって、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:66又は配列番号:70に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドと有意な構造的相同性を示す、前記ポリペプチド。
【請求項6】
請求項1(i)記載のポリペプチドと共通の抗原決定基を有する請求項1又は4記載の断片であるポリペプチドであって、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:66又は配列番号:70に示すアミノ酸配列の7つ以上のアミノ酸残基から成る前記ポリペプチド。
【請求項7】
アミノ酸置換N92T及び/又はG114Sを含む、請求項1から6のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項8】
配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:56、配列番号:58又は配列番号:60に示された配列を有する、請求項6記載のポリペプチド。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項記載のポリペプチドを含む融合タンパク質。
【請求項10】
ヒスチジンタグを含む、請求項1から9のいずれか1項記載のポリペプチド。
【請求項11】
請求項10記載のポリペプチドであって、前記ポリペプチドの配列が配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:68又は配列番号:72に示された配列である、前記ポリペプチド。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項記載のポリペプチドをコードする精製核酸分子。
【請求項13】
配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71若しくは配列番号:72に示す核酸配列を含む、又は前記配列から成る、又はその重複等価物若しくは断片である、請求項12記載の精製核酸分子。
【請求項14】
請求項12又は13記載の核酸分子と高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする精製核酸分子。
【請求項15】
請求項12から14のいずれか1項記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項16】
請求項15記載のベクターで形質転換した宿主細胞。
【請求項17】
請求項1から11のいずれか1項記載のポリペプチドと特異的に結合し、好ましくはその活性を調節するリガンド。
【請求項18】
抗体である、請求項17記載のリガンド。
【請求項19】
請求項1から11のいずれか1項記載のポリペプチドの発現レベル又は活性を増加若しくは減少させる化合物。
【請求項20】
請求項1から9のいずれか1項記載のポリペプチドの生物学的作用のいずれも誘導することなく前記ポリペプチドと結合する、請求項19記載の化合物。
【請求項21】
天然又は改変された基質、リガンド、酵素、レセプター又は構造的若しくは機能的模倣物である、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
疾患の治療又は診断に使用される、請求項1から9のいずれか1項記載のポリペプチド、請求項12から14のいずれか1項記載の核酸分子、請求項15記載のベクター、請求項17記載の宿主細胞、請求項18若しくは19記載のリガンド、又は請求項20から21のいずれか1項記載の化合物。
【請求項23】
患者からの組織において請求項1から11のいずれか1項記載のポリペプチドをコードする天然の遺伝子の発現レベルを評価すること、または、請求項1から11のいずれか1項記載のポリペプチドの活性を評価すること、および、前記発現レベルまたは活性をコントロールレベルと比較することを含み、前記コントロールレベルと相違するレベルを疾患の指標とする、患者の疾患を診断する方法。
【請求項24】
in vitroで実施される、請求項23記載の方法。
【請求項25】
以下の工程を含む、請求項23又は24記載の方法:
(a)請求項17又は18記載のリガンドを生物学的サンプルとリガンド-ポリペプチド複合体の形成に適した条件下で接触させる工程;及び
(b)前記複合体を検出する工程。
【請求項26】
(a)患者の組織サンプルと核酸プローブとを、請求項12から14のいずれか1項記載の核酸分子と前記プローブとの間でハイブリッド複合体を形成させることができるストリンジェントな条件下で接触させる工程;
(b)コントロールサンプルと前記プローブとを、工程(a)で使用した条件と同じ条件下で接触させる工程;及び
前記サンプル中のハイブリッド複合体の存在を検出する工程を含み、
コントロールサンプルのハイブリッド複合体のレベルと異なるハイブリッド複合体のレベルが患者サンプルで検出されることを疾患の指標とする、請求項23または24記載の方法。
【請求項27】
(a)患者の組織の核酸サンプルと核酸プライマーとを、請求項12から15のいずれか1項記載の核酸分子と前記プライマーとの間でハイブリッド複合体を形成させることができるストリンジェントな条件下で接触させること;
(b)コントロールサンプルと前記プライマーとを、工程(a)で使用した条件と同じ条件下で接触させること;及び、
(c)前記サンプル核酸を増幅させること;
(d)患者及びコントロールサンプルの両方から増幅された核酸のレベルを検出すること、を含み、
コントロールサンプルで増幅された核酸のレベルと有意に異なる増幅核酸レベルが患者サンプルで検出されることを疾患の指標とする、請求項24又は25記載の方法。
【請求項28】
以下の工程を含む、請求項23又は24記載の方法:
(a)疾患について検査される患者から組織サンプルを入手する工程;
(b)前記組織サンプルから、請求項12から14のいずれか1項記載の核酸分子を単離する工程;
(c)疾患に付随する変異の存在を前記疾患の指標として前記核酸分子で検出することにより、疾患について患者を診断する工程。
【請求項29】
さらに核酸分子を増幅させて増幅生成物を形成する工程及び前記増幅生成物中に変異の有無を検出する工程を含む、請求項28記載の方法。
【請求項30】
患者における変異の有無が、核酸分子を前記核酸分子とハイブリダイズする核酸プローブとストリンジェントな条件下で接触させて、疾患に付随する変異に対応するいずれかの部分において前記核酸プローブ中に非ハイブリダイズ部分を有するハイブリッド二本鎖分子を形成させること;および、前記プローブ鎖の非ハイブリダイズ部分の有無を疾患付随変異の有無の指標として検出することを含む、請求項28又は29記載の方法。
【請求項31】
前記疾患が、視覚異常(例えば夜盲症)、免疫系の異常(例えば自己免疫疾患)、炎症性異常、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)、直腸炎、細胞増殖性異常、癌(例えば乳癌、皮膚T-細胞リンパ腫、扁平上皮癌及び/又は基底細胞癌)、微生物感染(例えばウイルス、細菌及び菌類感染)、気腫、皮膚疾患(たとえばTh1皮膚疾患、例えば乾癬又は角質増殖性皮膚病;Th2皮膚疾患、例えばアトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、例えばニッケル又は金に対する接触アレルギー、皮膚T-細胞リンパ腫、アトピー性湿疹、急性湿疹及び/又は慢性湿疹)、生殖異常(例えば生殖能低下、特に男性の生殖能低下)、腎機能不全、心筋梗塞、関節炎、多発性硬化症、肉眼的乳房嚢胞病、神経系発生の調節、1型糖尿病、橋本病、グレーヴズ病(甲状腺炎)、慢性関節リウマチ、増殖性糸球体半月形成性糸球体腎炎、後部ブドウ膜炎、創傷治癒、及び/又はサルコイドーシス、紅色ひこう疹及び/又は汗孔角化症、アレルギー(例えばアレルギー性鼻炎、喘息、扁平紅色苔癬、慢性副鼻腔炎)、セザリー症候群、光線性角化症、C型肝炎、潰瘍性大腸炎、膜性糸球体腎炎及び/又はウイルス感染を含む(ただしこれらに限定されない)、請求項21から30のいずれか1項記載の方法。
【請求項32】
請求項1から11のいずれか1項記載のポリペプチドのリポカリンとしての使用。
【請求項33】
請求項1から11のいずれか1項記載のポリペプチド、請求項12から14のいずれか1項記載の核酸分子、請求項15記載のベクター、請求項16記載の宿主細胞、請求項17若しくは18記載のリガンド、又は請求項19から21のいずれか1項記載の化合物、を含む医薬組成物。
【請求項34】
請求項1から11のいずれか1項記載のポリペプチド、請求項12から14のいずれか1項記載の核酸分子、を含むワクチン組成物。
【請求項35】
視覚異常(例えば夜盲症)、免疫系の異常(例えば自己免疫疾患)、炎症性異常、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)、直腸炎、細胞増殖性異常、癌(例えば乳癌、皮膚T-細胞リンパ腫、扁平上皮癌及び/又は基底細胞癌)、微生物感染(例えばウイルス、細菌及び菌類感染)、気腫、皮膚疾患(たとえばTh1皮膚疾患、例えば乾癬又は角質増殖性皮膚病;Th2皮膚疾患、例えばアトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、例えばニッケル又は金に対する接触アレルギー、皮膚T-細胞リンパ腫、アトピー性湿疹、急性湿疹及び/又は慢性湿疹)、生殖異常(例えば生殖能低下、特に男性の生殖能低下)、腎機能不全、心筋梗塞、関節炎、多発性硬化症、肉眼的乳房嚢胞病、神経系発生の調節、1型糖尿病、橋本病、グレーヴズ病(甲状腺炎)、慢性関節リウマチ、増殖性糸球体半月形成性糸球体腎炎、後部ブドウ膜炎、創傷治癒、及び/又はサルコイドーシス、紅色ひこう疹及び/又は汗孔角化症、アレルギー(例えばアレルギー性鼻炎、喘息、扁平紅色苔癬、慢性副鼻腔炎)、セザリー症候群、光線性角化症、C型肝炎、潰瘍性大腸炎、膜性糸球体腎炎及び/又はウイルス感染を含む(ただしこれらに限定されない)疾患の治療用医薬の製造に使用される、請求項1から11のいずれか1項記載のポリペプチド、請求項12から14のいずれか1項記載の核酸分子、請求項14記載のベクター、請求項16記載の宿主細胞、請求項17若しくは18記載のリガンド、請求項19から21のいずれか1項記載の化合物、又は請求項27記載の医薬組成物。
【請求項36】
請求項1から11のいずれか1項記載のポリペプチド、請求項12から14のいずれか1項記載の核酸分子、請求項14記載のベクター、請求項16記載の宿主細胞、請求項17若しくは18記載のリガンド、請求項19から21のいずれか1項記載の化合物、又は請求項27記載の医薬組成物。
【請求項37】
健常な者における天然の遺伝子の発現又はポリペプチドの活性と比較した場合に症状を有する患者において前記遺伝子の発現又はポリペプチドの活性が低い疾患について、前記患者に投与されるポリペプチド、核酸分子、ベクター、宿主細胞、リガンド、化合物又は組成物がアゴニストである、請求項35記載の方法。
【請求項38】
健常な者における天然の遺伝子の発現又はポリペプチドの活性と比較した場合に症状を有する患者において前記遺伝子の発現又はポリペプチドの活性が高い疾患について、前記患者に投与されるポリペプチド、核酸分子、ベクター、宿主細胞、リガンド、化合物又は組成物がアンタゴニストである、請求項35記載の方法。
【請求項39】
患者由来の組織で請求項1から11のいずれか1項記載のポリペプチドの発現レベル若しくは活性、又は請求項12から14のいずれか1項記載の核酸分子の発現レベルを一定期間モニターすることを含み、前記一定期間にわたる前記発現レベル若しくは活性のコントロールレベルへ向かう変化を疾患の緩解の指標とする、患者の疾患の治療処置をモニターする方法。
【請求項40】
疾患の治療及び/又は診断に有効な化合物を同定する方法であって、請求項1から11のいずれか1項記載のポリペプチド又は請求項12から14のいずれか1項記載の核酸分子を、前記ポリペプチド又は核酸分子に対して結合アフィニティーを有すると考えられる1以上の化合物と接触させる工程、及び前記核酸分子又はポリペプチドと特異的に結合する化合物を選択する工程を含む、前記方法。
【請求項41】
以下を含む疾患の診断に有用なキット:
ストリンジェントな条件下で請求項12から14のいずれか1項記載の核酸分子とハイブリダイズする核酸プローブを含む第一の容器;
前記核酸分子を増幅させるために有用なプライマーを含む第二の容器;及び
疾患の診断を容易にするために、前記プローブ及びプライマーを使用するための指示書。
【請求項42】
ハイブリダイズしないRNAを消化するための試薬を含む第三の容器をさらに含む、請求項41記載のキット。
【請求項43】
核酸分子のアレイを含むキットであって、前記核酸分子の少なくとも1つが請求項12から14のいずれか1項記載の核酸分子である、前記キット。
【請求項44】
請求項1から11のいずれか1項記載のポリペプチドと結合する1以上の抗体、及び、前記抗体と前記ポリペプチドとの間の結合反応の検出に有用な試薬を含むキット。
【請求項45】
請求項1から11のいずれか1項記載のポリペプチドをより高いレベル若しくはより低いレベルで発現するか、又は発現しないように形質転換された、非ヒトトランスジェニック若しくは非ヒトノックアウト動物。
【請求項46】
請求項45記載の非ヒトトランスジェニック動物を候補化合物と接触させ、前記動物の疾患に対する前記化合物の影響を決定することを含む、疾患の治療に有効な化合物をスクリーニングする方法。
【請求項47】
リポカリン関連疾患の治療又は予防を目的とする候補薬剤のスクリーニングのための標的としてのINSP181ポリペプチドの使用。
【請求項48】
以下の工程を含む、生物学的に活性な化合物を選択する方法:
(a)候補化合物とINSP181ポリペプチドを発現する組換え宿主細胞とを接触させる工程;
(b)前記細胞の表面で前記INSP181ポリペプチドと結合する、及び/又は、INSP181ポリペプチドの活性を調節する化合物を選択する工程。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11−1】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図11】
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【図15】
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【公表番号】特表2008−536483(P2008−536483A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500259(P2008−500259)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【国際出願番号】PCT/GB2006/000820
【国際公開番号】WO2006/095164
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(504238862)アレス トレイディング ソシエテ アノニム (24)
【Fターム(参考)】