リモートコピー処理方法、プログラム及び装置
【課題】ホストをもたないコピー先に残ったセッション情報をコピー元に接続したホストからの指示で効率的に削除して強制的に開放したリモートコピーを迅速にやり直すことを可能とする。
【解決手段】 ホスト10からのコピー指示により、コピー元の第1RAID装置12のプライマリボリューム26の全体又は一部のデータをコピー先の第2RAID装置14のセカンダリボリューム28の同一位置に筐体間パス18により転送してコピーするセッションをセッション情報46−1,46−2に基づいて確立して実行する。ホスト10のコンピュータは、筐体間パス18が閉塞した際は、第1RAID装置12にセッションの強制停止を指示してセッション情報46−1を削除させ、閉塞した前記装置間パス18の開通時に強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、第1RAID装置12を経由した指示により第2RAID装置14に残留しているセッション情報46−2を削除させる。
【解決手段】 ホスト10からのコピー指示により、コピー元の第1RAID装置12のプライマリボリューム26の全体又は一部のデータをコピー先の第2RAID装置14のセカンダリボリューム28の同一位置に筐体間パス18により転送してコピーするセッションをセッション情報46−1,46−2に基づいて確立して実行する。ホスト10のコンピュータは、筐体間パス18が閉塞した際は、第1RAID装置12にセッションの強制停止を指示してセッション情報46−1を削除させ、閉塞した前記装置間パス18の開通時に強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、第1RAID装置12を経由した指示により第2RAID装置14に残留しているセッション情報46−2を削除させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホストに接続されたRAID装置のボリュームをコピー元とし、筐体間パスで接続された別のRAID装置のボリュームをコピー先とするセッションを確立して実行するリモートコピー処理方法、プログラム及び装置に関し、特に、コピー中に筐体間パスが閉塞してセッションを中止した後のパス開通時に同じセッションをホストからの指示で再度確立して実行するリモートコピー処理方法、プログラム及び措置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、距離の離れた別筐体に設置された2台のRAID装置の間で行うリモートコピーにあっては、図20に示すように、RAID装置200,202のそれぞれはホスト204,206に接続されており、例えばホスト204から発行されたコピー指示の開始コマンドとセッション情報によりRAID装置200,202間でコピーのセッションを確立してリモートコピーを実行している。
【0003】
このセッション確立によるリモートコピーは、コピー元として指定した第1RAID装置200のプライマリボリューム208の全体又は一部のデータをコピー先として指定した第2RAID装置202のセカンダリボリューム210の同一トラック位置に筐体間パス212により転送してコピーする。
【0004】
このようなリモートコピーを実行中に、RAID装置200,202間を結ぶ筐体間パス212に閉塞が起きた場合、ホスト204からの停止コマンドでセッションを強制的に開放する。この場合、コピー元のRAID装置200についてはセッションを開放することでセッション情報を削除できるが、コピー先のRAID装置202に解消したセッションのセッション情報が残ることになる。
【0005】
その後、筐体パス212が開通した場合、ホスト202から強制的に開放したセッションを開始コマンドとセッション情報を発行し、最初からリモートコピーをやり直すことになる。しかし、コピー先のRAID装置202には強制的に開放したセッションのセッション情報が残っているため、RAID装置200を経由して再び同じセッションを確立するために受けた開始コマンドとセッション情報がコマンドエラーとなり、セッションを再開できない。
【0006】
このような場合には、コピー先のRAID装置202に接続しているホスト206からの指示で残っているセッション情報を削除することにより、その後に強制的に解消したセッションをホスト204からの指示で確立してリモートコピーを最初からやり直すことができる。
【特許文献1】特開2002−297455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、オンラインバックアップシステムなどにあっては、図21のように、ホスト204に接続した業務用のRAID装置200にホストを持たないバックアップ用のRAID装置202を筐体間パス212により接続し、ホスト204から発行されたコピー指示の開始コマンドとセッション情報によりRAID装置200,202間でコピーのセッションを確立してリモートコピーを実行し、RAID装置202でバックアップ用のボリュームを生成するようにしている。
【0008】
しかしながら、コピー先のRAID装置202がホストに接続されていない場合、筐体間パス212に閉塞が起きてセッションが強制的に開放されると、ホストが接続されてないコピー先のRAID装置202に残っていてるセッション情報を削除できないという問題がある。
【0009】
この場合には、コピー先のRAID装置202に設けている保守用のパーソナルコンピュータ214からの操作で残っているセッション情報を削除することになり、人為的な操作を必要とすることから手間と時間がかかり、特にコピー先がコピー元から離れた遠隔地のバックアップセンター等に設置されている場合には、コピー元から担当者がコピー先に出向いてコピー先に残っているセッション情報を削除する作業が必要となり、強制的に開放したリモートコピーのセッションのやり直しに手間と時間かかる問題がある。
【0010】
本発明は、ホストをもたないコピー先に残ったセッション情報をコピー元に接続したホストからの指示で効率的に削除して強制的に開放したリモートコピーを迅速にやり直すことを可能とするリモートコピー処理方法、プログラム及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
図1は本発明の原理説明図である。本発明は、リモートコピー処理方法を提供する。
【0012】
即ち、本発明は、ホスト10に接続されたコピー元の第1RAID装置12と、第1RAID装置12に装置間パス(筐体間パス18)を介して接続されたコピー先の第2RAID装置14とを有し、ホスト10からのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した第1RAID装置12のプライマリボリューム26の全体又は一部のデータをコピー先として指定した第2RAID装置14のセカンダリボリューム28の同一位置に装置間パス(筐体間パス18)により転送してコピーするセッションをセッション情報に基づいて確立して実行するリモートコピー処理方法に於いて、
装置間パス(筐体間パス18)の閉塞を認識した際に、第1RAID装置12にセッションの強制停止を指示してセッション情報46−2を削除させるコピー元セッション開放ステップと、
閉塞した装置間パス18の開通時に強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、第1RAID装置12を経由した指示により第2RAID装置14に残留しているセッション情報46−2を削除させるコピー先セッション開放ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0013】
ここで、コピー先セッション開放ステップとして、
第1RAID装置を経由して第2RAID装置に筐体識別子の取得指示を発行し、第2RAID装置からセッションを確立した筐体間で通信が許可された筐体識別子を取得する筐体識別子取得ステップと、
筐体識別子取得ステップで取得した筐体識別子とセカンダリボリュームを指定したセッション情報の取得指示を第1RAID装置を経由して第2RAID装置に発行し、第2RAID装置からセッション情報を取得するセッション情報取得ステップと、
コピー先のセッション情報の削除指示とセッション情報取得ステップで取得した第2RAID装置のセッション情報を第1RAID装置を経由して第2RAID装置に発行し、第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるセッション情報削除ステップと、
を実行する。
【0014】
更に、筐体識別子取得ステップは、第2RAID装置の筐体識別子として該筐体識別子と対となるデータ長の短いエントリーナンバーを取得し、
セッション情報取得ステップは、エントリーナンバーとセカンダリボリュームを指定して第2RAID装置のセッション情報を取得する。
【0015】
本発明は、ホストのコンピュータで実行されるプログラムを提供する。本発明のプログラムは、ホストに接続された第1RAID装置と、第1RAID装置に装置間パスを介して接続された第2RAID装置とを有し、ホストからのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した第1RAID装置のプライマリボリュームの全体又は一部のデータをコピー先として指定した第2RAID装置のセカンダリボリュームの同一位置に装置間パスにより転送してコピーするホストのコンピュータに、
装置間パスの閉塞を認識した際に、第1RAID装置にセッションの強制停止を指示してセッション情報を削除させるコピー元セッション開放ステップと、
閉塞した装置間パスの開通時に強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、第1RAID装置を経由した指示により第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるコピー先セッション開放ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【0016】
本発明は、リモートコピー処理装置を提供する。即ち本発明は、ホストに接続された第1RAID装置と、第1RAID装置に装置間パスを介して接続された第2RAID装置とを有し、ホストからのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した第1RAID装置のプライマリボリュームの全体又は一部のデータをコピー先として指定した第2RAID装置のセカンダリボリュームの同一位置に装置間パスにより転送してコピーするセッションをセッション情報に基づいて確立して実行するリモートコピー処理装置に於いて、
ホストに、
装置間パスの閉塞を認識した際に、第1RAID装置にセッションの強制停止を指示してセッション情報を削除させるコピー元セッション開放部と、
閉塞した装置間パスの開通時に強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、第1RAID装置を経由した指示により第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるコピー先セッション開放部と、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
なお、本発明によるリモートコピー処理のプログラム及び装置の詳細は、本発明のリモートコピー処理方法と基本的に同じになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ホストを接続したコピー元のRAID装置からホストを接続していないコピー先のRAID装置の間でセッションを確立してリモートコピーの実行中に筐体間パスの閉塞でコピー元のRAID装置のセッションを強制終了してコピー先のRAID装置にセッション情報が残っても、筐体間パスが開通した際に、コピー元に接続しているホストからの指示でコピー先に残っているセッションをコマンド発行により削除することができ、コピー先の保守用パーソナルコンピュータの人為的操作を不要にし、コピー先がバックアップセンターのように遠隔地に存在していたとしても、ホストのエラーリカバリ処理として迅速にコピー先に残っているセッション情報を削除し、強制停止したセッションの再度の確立によりリモートコピーを再開できる。
【0019】
更に、リモートコピーを実現するためにホストが提供しているコマンドインタフェースによるセッション情報収集コマンド、停止コマンドのパラメータにコピー先のセッション情報の削除に必要なパラメータの指定を追加することで、既存のコマンド体系を利用して簡単に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図2は本発明によるリモートコピー処理のシステム機能構成のブロック図である。図2において、本発明のリモートコピー処理を実行するためのシステムは、ホスト10、コピー元となる第1RAID装置12、及びコピー先となる第2RAID装置14で構成される。
【0021】
コピー元となる第1RAID装置12は、ホスト10に対しホストパス16により接続されている。また第1RAID装置12と第2RAID装置14は筐体間パス18により接続されている。第1RAID装置12としては、メインフレーム系のホスト及びオープン系のホストのいずれか一方または両方を別々のパスで接続することができる。
【0022】
第1RAID装置12と第2RAID装置14を接続する筐体間パス18は、筐体間距離が短い場合は、ファイバーチャネルパスなどで接続し、遠隔地となる場合には、ホストパス16とコンバータを使用することでWANを介して接続したり、ATM回線などの専用回線で接続する。
【0023】
ホスト10はメインフレームの場合、基幹業務の業務処理を実行しており、この業務処理の機能に加え、本発明によるリモートコピーのためのコピー処理部20の機能が設けられる。第1RAID装置12及び第2RAID装置14それぞれには、ホスト10からの指示によりリモートコピーを実行するため、コピー制御部22,24の機能が設けられている。
【0024】
ホスト10のコピー処理部20にはリモートコピー指示部30が設けられ、リモートコピー指示部30の指示によるコマンドとセッション情報の発行により、第1RAID装置12と第2RAID装置14の間にセッションを確立し、第1RAID装置12をコピー元とし、第2RAID装置14をコピー先とするリモートコピーを実行するようにしている。
【0025】
ここで本発明におけるリモートコピーの基本的な処理を説明すると次のようになる。本発明によるリモートコピーはリモート等価性コピー(Remote Equivalent Copy)であり、コピー元として指定した第1RAID装置12のプライマリボリューム26の全体または部分のデータを、コピー先として指定した第2RAID装置14のセカンダリボリューム28の同じトラック位置(CCHH)に、筐体間パス18を経由したデータ転送によりコピーする機能である。
【0026】
このリモートコピーは、ホスト10のリモートコピー指示部30からの開始コマンドにより、筐体間パス18を介してプライマリボリューム26とセカンダリボリューム28のデータが等しくなるようにデータ転送を始めるが、既にセカンダリボリューム28へデータ転送したプライマリボリューム26のトラックデータがホスト10により更新された場合、改めて更新されたデータをセカンダリボリューム28に反映するためにデータ転送を行う。
【0027】
リモートコピーの継続中はプライマリボリューム26とセカンダリボリューム28を二重化状態で運用する。これを二重化ペアという。二重化ペアの設定中はホスト10から単一ボリュームとしてのアクセスを可能とする。ホストのリモートコピー指示部30からの停止コマンドを受けてリモートコピーを終了した際の二重化ペアの解消後は、2つの独立したボリュームとしてアクセスを可能とする。
【0028】
リモートコピーを停止または終了させるまではプライマリボリューム26とセカンダリボリューム28のデータの等価性を維持するが、コピー先にデータが届いたことを保証するのはリモートコピーを終了した時点である。
【0029】
ここでホスト10のリモートコピー指示部30からの開始コマンドにより第1RAID装置12と第2RAID装置14間で筐体間パス18を介してリモートコピーを開始する際には、開始コマンドと共にセッション情報46−1,46−2を転送し、このセッション情報46−1,46−2に基づいて第1RAID装置12と第2RAID装置14の間でリモートコピーのためのセッションを確立し、ホスト10から指定したプライマリボリューム26の全体または部分のデータをセカンダリボリューム28の同一トラック位置に、筐体間パス18のデータ転送を介してコピーすることになる。
【0030】
ホスト10のリモートコピー指示部30によるセッションの確立によるリモートコピーの実行中に、筐体間パス18の回線異常、即ち筐体間パス18の閉塞が発生すると、この筐体間パス18の閉塞をホスト10のリモートコピー指示部30が認識し、コピー元セッション開放部32を動作し、第1RAID装置12にセッションの強制停止を指示してセッション情報46−1を削除させる。
【0031】
コピー元セッション開放部32によるセッションの強制停止の指示は、筐体間パス18が正常であれば第2RAID装置14にも伝えられて有効に機能するが、筐体間パス18が閉塞している場合には、第2RAID装置14のセッションの強制停止は実行できず、第2RAID装置14に強制終了したセッションのセッション情報46−2が残ることになる。
【0032】
セッションを強制停止した後に筐体間パス18が正常に開通すると、強制中止したセッションを再度実行するため、リモートコピー指示部30は同じセッション情報を使用した開始コマンドの発行で第1RAID装置12と第2RAID装置の間にリモートコピーのセッションを確立させようとする。しかし、コピー先の第2RAID装置14には強制終了した前回のセッションのセッション情報46−2が残っているためコマンドエラーとなってしまう。
【0033】
このような場合に、ホスト10に設けたコピー先セッション開放部34が起動し、コピー先の第2RAID装置14に残っているセッション情報46−2を削除する。即ちコピー先セッション開放部34は、閉鎖した筐体間パス18の開通時に、強制終了したセッションと同じセッション情報を使用した開始コマンドを発行してセッションを起動するが、この開始コマンドに対し第2RAID装置14には前回のセッション情報46−2が残っているためにコマンドエラーとなった際に、第1RAID装置12を経由した指示により第2RAID装置14に残っているセッション情報46−2を削除させる。
【0034】
コピー先セッション開放部34による処理は、筐体識別子取得部36、セッション情報取得部38及びセッション情報削除部40の機能により実行される。このコピー先のセッション情報46−2の削除処理は次の手順となる。
【0035】
(1)筐体識別子取得部36が、第1RAID装置12を経由して第2RAID装置14に対し筐体識別子を取得するための指示コマンドを発行し、第2RAID装置14からセッションを確立した筐体間で通信が許可された筐体識別子を取得する。
【0036】
(2)セッション情報取得部38が、筐体識別子取得部36で取得したコピー先の筐体識別子、即ちリモート筐体識別子とセカンダリボリューム28を指定したセッション情報を取得するための指示コマンドを、第1RAID装置12を経由して第2RAID装置14に発行し、第2RAID装置14から残っているセッション情報46−2を取得する。
【0037】
(3)セッション情報削除部40が、コピー先となる第2RAID装置14のセッション情報の削除指示となるコマンドと、セッション情報取得部38で取得した第2RAID装置14に残っているセッション情報46−2を、第1RAID装置12を経由して第2RAID装置14に発行し、これによって第2RAID装置14に残留しているセッション情報46−2を削除させる。
【0038】
ホスト10のコピー先セッション開放部34により筐体間パス18の閉塞に起因して残っている第2RAID装置14のセッション情報46−2が削除できたならば、リモートコピー指示部30が中止したセッションを開始するための開始コマンドとセッション情報を再度発行し、この開始コマンドとセッション情報に基づき第1RAID装置12と第2RAID装置14は、リモートコピーのためのセッションを有効に確立し、筐体間パス18で中止したリモートコピー、即ちセッションの確立に基づき、ホスト10から指定されたプライマリボリューム26の全体または一部のデータを、筐体間パス18を介して第2RAID装置14のセカンダリボリューム28の同一トラック位置に転送して書き込む処理を実行し、中断したリモートコピーをリカバリすることができる。
【0039】
このように、リモートコピー中に筐体間パス18が閉塞して強制終了によりコピー先にセッション情報が残っても、筐体間パス18が開通した後のホスト10からの指示により、コピー先に残留しているセッション情報を簡単且つ容易に削除することができ、コピー先にホストが接続されていなくとも、コピー元に接続しているホストからの指示で簡単且つ容易にコピー先に残ったセッション情報を削除し、中止したリモートコピーのセッションをやり直すことができる。
【0040】
図3は図2のホスト10に用いられるコンピュータのハードウェア構成のブロック図である。図3のコンピュータにおいて、MPU100のバス102には、RAM104、ROM106、ハードディスクドライブ108、キーボード112,ディスプレイ116を接続した入出力デバイスコントローラ110、及びホストパス16を接続するネットワークアダプタ118が接続される。
【0041】
ハードディスクドライブ108にはホスト10のコピー処理を実行するプログラムをローディングしており、コンピュータの起動時にハードディスクドライブ108から読み出されてRAM104に展開し、MPU100により実行する。またハードディスクドライブ108にはホストが行う業務処理のためのプログラムもローディングされており、コンピュータ起動時に業務プログラムがRAM104に展開され、MPU100により実行され、ホストにおける業務処理が実行される。
【0042】
図4は図2の第1RAID装置のハードウェア構成のブロック図である。なお第2RAID装置14も同じハードウェア構成をとる。
【0043】
図4において、第1RAID装置12は、内部にCPU49を備えたチャネルアダプタ48−1,48−2、制御モジュール50−1〜50−n、バックグラウンドルータ52−1,52−2、RAIDによる冗長構成をとるハードディスクドライブなどのディスク装置54−1〜54−4、更にフロントルータ64−1,64−2を設けている。
【0044】
第1RAID装置12は最大構成で制御モジュールを例えば8台実装することができる。チャネルアダプタ48−1,48−2はCPU49を備え、メインフレーム系のホスト10を制御モジュール48−1に接続している。またチャネルアダプタ58−1,58−2は、UNIX(R)/IAサーバなどのオープン系のホストを接続するもので、本発明にあっては更に、チャネルアダプタ58−1に筐体間パス18を接続し、WANなどのネットワーク45を介して、コピー先の第2RAID装置14を接続している。
【0045】
制御モジュール50−1〜50−nには、制御モジュール50−1に代表して示すように、CPU55、通信部56、キャッシュメモリ60、デバイスインターフェース62−1,62−2が設けられている。CPU55は、第1RAID装置12におけるリソース処理、キャッシュ処理、RAID制御、更に本発明によるリモートコピーを含むコピー制御をプログラム制御により実行している。
【0046】
フロントルータ64−1,64−2は、制御モジュール50−1に対し他の制御モジュール50−2(図示せず)〜50−nを接続し、制御の多重化を図っている。またバックグラウンドルータ52−1,52−2に対しては制御モジュール50−1〜50−nがそれぞれ接続され、制御モジュール側のCPU55によるRAID制御に従ったデータ入出力処理を行っている。
【0047】
図5は図4の第1RAID装置の機能構成のブロック図である。図5において、制御モジュール50−1の機能は、図4の制御モジュール50−1に設けているCPU55のプログラム制御により実現され、リソース処理部66、キャッシュ処理部68、RAID制御部70及びコピー制御部22を構築している。
【0048】
コピー制御部22は図2に示したように、コピー元処理部42の機能が設けられており、このコピー元処理部が動作した際にはボリュームはコピー元となるプライマリボリューム26として使用されることになる。
【0049】
この図4及び図5に示すハードウェア構成及び機能構成を持つRAID装置としては、例えば富士通株式会社製のGR800あるいはETERNUS6000等のRAID装置を使用することができる。
【0050】
図6は図2のホスト10に設けたコマンドインタフェースで提供されるリモートコピーのためのコマンドリストの説明図である。図6において、コマンドリスト74には、物理情報取得コマンド76、セッションID取得コマンド78、開始コマンド80、停止コマンド82、セッション情報取得コマンド84、中断コマンド86、再開コマンド88及びリモート筐体識別子取得コマンド90が準備されている。
【0051】
物理情報取得コマンド76は筐体識別子及び物理デバイス番号を取得する。セッションID取得コマンド78はリモートコピー処理のセッションIDを取得する。開始コマンド80はリモートコピーを登録して実行する。開始コマンド80の実行にはセッション情報の転送が含まれる。
【0052】
停止コマンド82はリモートコピー処理を終了する。この停止コマンド82のパラメータとして設けているリモートフラグを「X’01’」を指定すると、コピー先となる相手筐体のみに残留したセッション情報を削除するコマンドとして使用することができる。
【0053】
セッション情報取得コマンド84はリモートコピーのセッション情報を取得する。中断コマンド86はリモートコピーを中断する。再開コマンド88は中断したリモートコピーを再開する。更にリモート筐体識別子取得コマンド90は、リモートコピーを起動する際に必要な筐体間で通信が許可されたリモートの筐体識別子(ボックスID)を取得する。
【0054】
図2に示したホスト10のコピー先セッション開放部34にあっては、筐体間パス18の閉塞でコピー先となる第2RAID装置14に残されたセッション情報46−2を削除する処理の際に、筐体識別子取得部36でリモート筐体識別子取得コマンド90を発行してリモート筐体識別子を取得する。
【0055】
続いてセッション情報取得部38で、セカンダリボリューム28と取得したリモート筐体識別子を指定したセッション情報取得コマンド84を発行して、コピー先のセッション情報46−2を取得する。
【0056】
続いてセッション情報削除部40が、リモートフラグを「X’01’」に指定した停止コマンド82の発行と、セッション情報取得部38で取得したコピー先のセッション情報を転送することにより、第2RAID装置14に残っているセッション情報46−2を削除することになる。
【0057】
また図4のコマンドリストにおいて、物理情報取得コマンド76、セッションID取得コマンド78、セッション情報取得コマンド84及びリモート筐体識別子取得コマンド90は、コマンド発行により発行先からデータを転送させることから、リード系のコマンドということができる。これに対し開始コマンド80、停止コマンド82、中断コマンド86及び再開コマンド88は、コマンド発行と同時にデータ転送を発行先に対し行うことから、ライト系のコマンドということができる。
【0058】
図7は本発明のリモートコピーで使用する開始コマンド80の説明図である。開始コマンド80はリモートコピーを開始するための登録及び実行を行うもので、次の機能を有する。
【0059】
(1)プライマリボリュームとセカンダリボリュームを2重化ペアとして認識して設定する(2重化ペアの設定)。
(2)2重化ペアの設定後、ホストから指定された領域のデータをプライマリボリュームからセカンダリボリュームへとコピーする(コピーの実施)。
(3)コピー完了後もプライマリボリュームとセカンダリボリュームの同期を取る(等価性維持)。
【0060】
このようなリモートコピーを開始させる開始コマンド80はバイト0〜15で構成されており、バイト0〜1がコマンドコード「X’01D0’」であり、開始コマンドであることを示している。バイト0はイニシャルコピースキップの指定であり、リモートコピーにあってはイニシャルコピースキップ指定として「X’00’」を指定することで、リモートコピーの登録・実行を行うことができる。
【0061】
図8は図7の開始コマンド80により転送されるセッション情報46の説明図である。セッション情報46には主なものとして
(1)X’08’以降のデータ長
(2)プライマリセッションIDとセカンダリセッションID
(3)「1」の設定でリモートコピーとするフラグ
(4)コピー処理間隔を指定する内部コピー間隔
(5)プライマリ側筐体識別子
(6)セカンダリ側筐体識別子
(7)ホストのアプリケーションのための任意の情報を設定するシステム定義
(8)コピー対象ボリュームのタイプを指定するコピー対象ボリュームタイプ
(9)コピー対象プライマリホストデバイス識別子
(10)コピー対象セカンダリホストデバイス識別子
(11)0で全ボリューム領域がコピー対象として指定され、1以上で域数が指定される指定領域数
(12)コピー開始トラック番号/コピー終了トラック番号による領域情報。なお、領域情報は指定領域数分だけ存在する。
【0062】
図9は本発明で使用するリモート筐体識別子取得コマンド90の説明図である。リモート筐体識別子取得コマンド90は、筐体間で通信が許可されたリモート(コピー先)の筐体識別子を取得して通知し、リモートの筐体識別子はリモートコピーを起動する際に必要となり、また図2に示したコピー先に残っているセッション情報を削除する際にも必要となる。このリモート筐体識別子取得コマンド90は、バイト0〜1のコマンドコード「X’02DF’」をもつ。
【0063】
図10は図9のリモート筐体識別子取得コマンド90で通知される有効筐体識別子情報95の説明図である。有効筐体識別子情報95は次の情報を含む。
(1)リモート筐体識別子数
(2)リモート筐体識別子
(3)エントリナンバー
(4)コピー先/コピー元フラグ
【0064】
ここで図2のホスト10に設けているコピー先セッション開放部34に設けた筐体識別子取得部36にあっては、図9のリモート筐体識別子取得コマンド90を発行してコピー先となる第2RAID装置14から筐体識別子を取得するため、図10の有効筐体識別子情報95の転送を受けることになる。
【0065】
このようにして取得した有効筐体識別子情報95につき本発明にあっては、リモート筐体識別子96を使用せず、このリモート筐体識別子96と対となるエントリ番号「fcu entry」を取得して、セッション情報取得コマンドを発行する際に使用する。
【0066】
これはリモート筐体識別子96が40バイトとデータ長が大きく、セッション情報取得コマンドの指定で転送するデータ量が大きくなることから、リモート筐体識別子96と対を成すデータ長の短いエントリ番号「fcu entry」を、その代わりに使用する。
【0067】
図11は本発明で使用するセッション情報取得コマンド84の説明図である。セッション情報取得コマンド84は、特定のセッションの詳細情報または特定のボリュームのセッション詳細情報を取得する。本発明にあっては、セッション情報取得コマンド84を使用して、図2に示したコピー先となる第2RAID装置14に残っているセッション情報46−2の詳細情報を取得する。
【0068】
このため、バイト4の情報タイプに「X’06’」を設定して特定ボリューム(メインフレーム・ロジカル・ユニットMLU)のリモートセッション情報詳細を指定する。またバイト5のエントリナンバー「fcu number」として、インフォメーションタイプが「X’06’」の場合、図9のリモート筐体識別子取得コマンド90により取得した図10の有効筐体識別情報95から得られたエントリ番号98の値、例えば「X’00’」を設定する。
【0069】
更にバイト6−7に情報タイプ「X’06’」の場合、コピー先となる相手筐体のボリューム番号、具体的にはメインフレーム論理ユニット番号「MLU number」を設定する。
【0070】
このような情報タイプ、エントリ番号及び相手筐体モジュール論理ユニット番号、即ちボリューム番号を指定したセッション情報取得コマンド84を、図2の第1RAID装置12を介して第2RAID装置14に発行することで、図12のセッション情報46の通知を受けることができる。
【0071】
図12のセッション情報46は次の内容を持つ。
(1)特定MUL、即ちコピー先ボリュームのリモートセッション詳細情報であることを示す情報タイプ「X’06’」
(2)オフセット「X’08’」以降のデータ長
(3)セッション詳細情報
【0072】
ここで、セッション情報46により通知されるセッション詳細情報はセッション詳細情報94−1〜94−31の最大32情報とすることができる。
【0073】
図13は図11のセッション情報取得コマンド84により通知される図12のセッション情報46の中のコピー先のセッション詳細情報の1つであるセッション詳細情報94−1を取り出して示している。
【0074】
このセッション詳細情報94−1は次の内容を持つ。
(1)エラー発生時に処理中であった領域の開始位置と終了位置を示すエラー領域情報
(2)コピー元筐体のセッション識別子を示すプライマリセッションID
(3)コピー先筐体で有効なセッションの識別子を示すセカンダリセッションID
(4)リモートコピーの動作モード
(5)リモートコピーの各処理フェーズ(アイドル、リザーブ中、正常動作中、エラー中断、中断)
(6)エラー発生時に、エラー種別を示すエラーコード
(7)経過時間
(8)段階表示で示す内部コピー間隔
(9)コピー対象の全トラック数
(10)コピー済みのトラック数
(11)「0」で中断コマンドによる中断状態
(12)「1」でイニシャルコピースキップ指定の開始コマンドで起動した直後の中断状態を示す動作モード
【0075】
これ以降のプライマリ側筐体識別子、セカンダリ筐体識別子、システム定義、コピー対象ボリュームタイプ、コピー対象プライマリホストデバイス識別子、コピー対象セカンダリホストデバイス識別子、領域指定数、領域情報は、図8の開始コマンド80のセッション情報46と同じになる。
【0076】
図14は本発明で使用する停止コマンド82の説明図である。停止コマンド82はプライマリボリュームとセカンダリボリュームに対するリモートコピー処理を終了する。このコピー終了処理は次の処理を行う。
【0077】
(1)セッションに関する情報を開放し二重化ペアの対応関係を解消する(二重化ペア解消)。
【0078】
(2)コピー処理中に二重化ペア解消が指示された場合は、その指示をエラーで返しコピー処理は終了せず、ペア設定状態を維持する。但しペア解消のための停止コマンドで強制終了パラメータ(強制停止フラグ=X‘01’)が指定されている場合は強制的なペア解消と処理終了を行う(コピー終了)。
【0079】
(3)コピー終了後はプライマリボリュームとセカンダリボリュームのペア関係は破棄され、セッション情報も削除される。
【0080】
このようなリモートコピー終了のための停止コマンド82にあっては、バイト0〜1にコマンドコード「X‘01Dd1」を設定し、バイト4に強制停止フラグを設けている。またバイト5にリモートフラグが設けられ「X’01‘」の指定でコピー先となる相手筐体のみに存在するセッション情報の強制削除となる削除指定85を行うことができる。
【0081】
図15は図14の停止コマンド82により、コピー先に転送するセッション情報46の説明図である。このセッション情報46は図11のセッション情報取得コマンド84で取得した図12のセッション情報46であり、セッション詳細情報としてはコピー先についてのセッション詳細情報94−1のみを設けており、セッション詳細情報94−1の内容は図13に示したとおりである。
【0082】
図16は本発明による筐体間パスの閉塞を伴うリモートコピー処理のタイムチャートである。図16において、ホスト10がステップS1でリモートコピーの開始コマンドとセッション情報を発行すると、これがコピー元の第1RAID装置12とコピー先の第2RAID装置14にそれぞれ転送され、第1RAID装置12はステップS101で自己のプライマリボリューム26に対し、コピー先のセカンダリボリューム28をペアとしてセッションを確立する。
【0083】
同時に第2RAID装置14はステップS201で自己のセカンダリボリューム28に対し、コピー元のプライマリボリューム26をペアとしてセッションを確立する。このようにしてリモートコピーのセッションが確立すると、第1RAID装置はステップS102でプライマリボリューム26のホスト指定領域を読み出して筐体間パス18により第2RAID装置14に転送し、第2RAID装置14はステップS202でセカンダリボリューム28の同一トラック位置に転送されたデータを書き込むリモートコピーを実行する。
【0084】
このようなリモートコピーの実行中に筐体間パス18に閉塞が起きたとすると、ホスト10、第1RAID装置12及び第2RAID装置14はステップS2、S103、S203のそれぞれで筐体間パス閉塞を判別する。ステップS2で筐体間パス閉塞を判別したホスト10はステップS3で強制停止コマンドをコピー元の第1RAID装置12に発行する。
【0085】
これを受けて第1RAID装置12はステップS104でセッション開放し、セッション情報46−1を削除する。しかしながら、筐体間パス18が閉塞しているため、ホスト10からの強制停止コマンドはコピー先の第2RAID装置14には伝えられず、第2RAID装置14は筐体間パス閉塞に伴ってステップS204でセッションを中断してホルト状態となる。
【0086】
その後、筐体間パス18が再び開通したとすると、ホスト10、第1RAID装置12、第2RAID装置14はステップS4,S105,S205のそれぞれで筐体間パス18の開通を判別する。筐体間パス18の開通を判別したホスト10はステップS5で強制停止したセッションの開始コマンドを第1RAID装置12及び第2RAID装置14に発行する。しかしながら、第2RAID装置14には筐体間パス18の閉塞前に実行したリモートコピーのセッション情報が残留しているため、ステップS206で開始コマンドに対しエラー応答を返す。
【0087】
第2RAID装置14からのエラー応答を受けたホスト10はステップS6で、コピー先に残っているセッション情報46−2を削除するための処理を開始する。まずステップS6でコピー先筐体識別子の取得コマンドを発行し、第2RAID装置14はステップS207でコピー先の筐体識別子の応答する。続いてステップS7でコピー先の筐体識別子及びセカンダリボリューム28を指定したコピー先セッション情報取得コマンドを発行し、これにより第2RAID装置14はステップS208でコピー先のセッション情報を応答する。
【0088】
続いてホスト10はステップS8でコピー先のセッション情報46−2の削除を指定した停止コマンドを発行するとともに、取得したコピー先のセッション情報を転送する。この停止コマンドとセッション情報を受けてコピー先の第2RAID装置14はステップS209で残っているセッション情報46−2を削除し、ステップS210で削除の正常終了をホスト10に応答する。
【0089】
セッション情報削除の正常終了の応答を受けてホスト10は、ステップS9で強制終了したセッションの開始コマンドを再び発行し、これにより第1RAID装置12と第2RAID装置14はステップS106,S211のそれぞれでセッションを確立し、ステップS107,S212でステップS102,202の場合と同様、プライマリボリューム26のホストによる指定領域のデータを読み出して筐体間パス18により転送し、セカンダリボリューム28の同一トラック位置に書き込むリモートコピーを実行することになる。
【0090】
図17は図2のホスト10によるリモートコピー処理のフローチャートである。図17において、ステップS1で開始コマンドとセッション情報を発行してリモートコピーを指示する。続いてステップS2で筐体間パスの閉塞の有無をチェックしており、閉塞を判別するとステップS3で強制停止コマンドを発行する。
【0091】
続いてステップS4で筐体間パスの開通の有無をチェックしており、開通を判別するとステップS5で強制停止したセッションの開始コマンドを発行する。これに対しステップS6でコピー先からコマンドのエラー応答があるとステップS7に進み、コピー先の筐体識別子取得コマンドを発行する。
【0092】
ステップS8でコピー先から筐体識別子を取得すると、ステップS9でコピー先の筐体識別子とセカンダリボリュームを指定したセッション情報の取得コマンドを発行する。これに対しステップS10でコピー先からセッション情報を取得するとステップS11でコピー先のセッション情報を削除を指定した停止コマンドと取得したコピー先セッション情報を発行する。
【0093】
そしてステップS12でコピー先からコピー先セッション情報削除通知を受けると一連の作業を中止しステップS13で停止指示があるまでステップS1からの処理を繰り返す。
【0094】
図18は図2の第1RAID装置12によるコピー元処理のフローチャートである。図18において、ステップS1でホスト10からの開始コマンドの受領を判別するとステップS2に進み、開始コマンドに伴って通知されたセッション情報に基づき、コピー先との間にセッションを確立してリモートコピーを実行する。
【0095】
リモートコピーの実行中にあってはステップS3で筐体間パス18の閉塞の有無をチェックしており、閉塞がなければステップS4でホストからの停止コマンドの受領の有無をチェックしている。ホストから停止コマンドの受領があればステップS5で停止コマンドによりセッションを開放し、コピー元とコピー先に等価性を維持したボリュームを確立することとなる。
【0096】
一方、リモートコピー中にステップS3で筐体間パスの閉塞が判別されるとステップS6に進み、ホスト10からの強制停止コマンドによりセッションを開放して自筐体のセッション情報を削除し、ステップS7で筐体間パスの開通を待つ。筐体間パスの開通を判別するとステップS8に進み、ホスト10からの開始コマンドによりコピー先にセッションを起動するが、コピー先からコマンド失敗を受ければ、ステップS10に進む。
【0097】
ステップS9でコマンド成功の場合にはステップS2に戻りコピー先との間にセッションを確立してリモートコピーを再開することとなる。ステップS9でコピー先からのコマンド失敗を受信してホストに通知した後は、ステップS10でホスト10からの筐体識別子取得コマンドによるコピー先のエントリー番号「fcu number」を取得してホスト10に通知する。
【0098】
続いてステップS11でホストからのセッション情報取得コマンドによるコピー先のセッション情報を取得してホスト10に通知する。更にステップS12でホスト10からのセッション情報削除用の停止コマンドをセッション情報とともにコピー先に転送し、ステップS13でコピー先のセッション情報削除結果を受信してホスト10に通知する。
【0099】
このステップS10〜S13の処理はホストとコピー先の第2RAID装置14との間のコマンド及び転送データの中継的な処理となる。そしてステップS14で停止指示があるまでステップS1からの処理を繰り返す。
【0100】
図19は図2の第2RAID装置14におけるコピー先処理のフローチャートである。図19において、ステップS1でコピー元から開始コマンドとセッション情報を取得すると、ステップS2でコピー元との間にセッションを確立してリモートコピーを実行する。続いてステップS3で筐体間パスの閉塞の有無をチェックしており、閉塞を判別するとステップS4でセッション中断によりホルト状態とする。
【0101】
続いてステップS5で筐体間パスの開通をチェックしており、開通を判別するとステップS6でコピー元からの中断セッションと同じセッションの開始コマンドを判別し、ステップS7に進みセッション情報が残っていることからコマンドエラーとなりエラー応答を返す。
【0102】
続いてステップS8からコピー元から筐体識別子取得コマンドを受けると、ステップS9でセッション情報の筐体識別子を応答する。次にステップS10でコピー元からセッション情報取得コマンドを受けるとステップS11で中断したセッション、すなわち残留しているセッション情報を応答する。
【0103】
さらにステップS12でコピー元からセッション情報の削除を指定した停止コマンドをセッション情報とともに受けると、ステップS13で中断セッションのセッション情報を削除して正常終了を応答する。そしてステップS14で停止指示があるまでステップS1からの処理を繰り返すこととなる。
【0104】
更に、本発明は図2のホスト10で実行されるリモートコピーの処理のためのプログラムを提供するものであり、このプログラムは図17のフローチャートに従った内容を有し、図6に示したコマンドリストに示されるホストのコマンドインタフェースで提供されるコマンドを使用してリモートコピー、特に本発明にあってはリモートコピー中の筐体間パスの閉塞で、コピー先に残ったセッション情報をコピー元に対するホストからの指示で削除するコピー先セッション情報削除処理を実行することができる。
【0105】
尚、上記の実施形態はコピー元の第1RAID装置12にホスト10からコマンドを投入してコピー先のRAID装置14のセッション情報を削除する操作を例にとるものであったが、ホスト10からの指示により、逆に第2RAID装置14をコピー元、第1RAID装置12をコピー先としてセッションを確立してリモートコピーすることもできる。
【0106】
即ち、第1RAID12がコピー先処理部とセカンダリボリュームを持ち、第2RAID装置14がコピー元処理部とプライマリボリュームを持ち、ホスト10が第1RAID装置12のみに接続する形態であっても良い。
【0107】
また本発明は、コピー元の第1RAID装置12にコマンドを投入してコピー先の第2RAID装置14に対する設定や操作を実行する手法であれば、同様にして処理することができる。
【0108】
このようなコピー元の第1RAID装置にホスト10からコマンドを投入して筐体間パス18で接続したコピー先の第2RAID装置14に処理を実行させる手法としては、例えば次のようなものがある。
【0109】
(1)コピー先の第2RAID装置14上でのローカルコピーセッションの設定及び操作。
(2)コピー先の第2RAID装置14に接続されている他のRAID装置へのリモートコピーセッションの設定及び操作。
(3)コピー先の第2RAID装置14上ですでに設定されているセッション情報の取り出し。
(4)コピー先の第2RAID装置14上ですでに設定されているセッションにセッションを連結させてセカンダリボリューム28をプライマリとして更に別のセカンダリボリュームにコピーを送るカスケードコピーセッションの設定及び操作。
(5)コピー先の第2RAID装置14に対するコピー操作以外の必要な設定及び操作。
【0110】
このような(1)〜(5)の設定及び操作は、すでにホスト10で使用している例えば図6に示したコマンドリスト74に設けている各種コマンドの設定及び転送データを設定及び操作に適合した形に変形することで簡単にコピー先の第2RAID装置14における必要な設定及び操作を実現することができる。
【0111】
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【0112】
ここで本発明の特徴を列挙する次の付記のようになる。
(付記)
(付記1)
ホストに接続された第1RAID装置と、前記第1RAID装置に装置間パスを介して接続された第2RAID装置とを有し、前記ホストからのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した前記第1RAID装置のプライマリボリュームの全体又は一部のデータをコピー先として指定した前記第2RAID装置のセカンダリボリュームの同一位置に前記装置間パスにより転送してコピーするリモートコピー処理方法に於いて、
前記ホストは、
前記装置間パスの閉塞を認識した際に、前記第1RAID装置にセッションの強制停止を指示してセッション情報を削除させるコピー元セッション開放ステップと、
閉塞した前記装置間パスの開通時に前記強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、前記第1RAID装置を経由した指示により前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるコピー先セッション開放ステップと、
を備えたことを特徴とするリモートコピー処理方法。(1)
【0113】
(付記2)
付記1記載のリモートコピー処理方法に於いて、前記コピー先セッション開放ステップは、
前記第1RAID装置を経由して第2RAID装置に筐体識別子の取得指示を発行し、前記第2RAID装置からセッションを確立した筐体間で通信が許可された筐体識別子を取得する筐体識別子取得ステップと、
前記筐体識別子取得ステップで取得した筐体識別子と前記セカンダリボリュームを指定したセッション情報の取得指示を前記第1RAID装置を経由して前記第2RAID装置に発行し、前記第2RAID装置からセッション情報を取得するセッション情報取得ステップと、
コピー先のセッション情報の削除指示と前記セッション情報取得ステップで取得した前記第2RAID装置のセッション情報を前記第1RAID装置を経由して前記第2RAID装置に発行し、前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるセッション情報削除ステップと、
を備えたことを特徴とするリモートコピー処理方法。(2)
【0114】
(付記3)
付記2記載のリモートコピー処理方法に於いて、
前記筐体識別子取得ステップは、前記第2RAID装置の筐体識別子として該筐体識別子と対となるデータ長の短いエントリーナンバーを取得し、
前記セッション情報取得ステップは、前記エントリーナンバーと前記セカンダリボリュームを指定して前記第2RAID装置のセッション情報を取得することを特徴とするリモートコピー処理方法。(3)
【0115】
(付記4)
ホストに接続された第1RAID装置と、前記第1RAID装置に装置間パスを介して接続された第2RAID装置とを有し、前記ホストからのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した前記第1RAID装置のプライマリボリュームの全体又は一部のデータをコピー先として指定した前記第2RAID装置のセカンダリボリュームの同一位置に前記装置間パスにより転送してコピーするホストのコンピュータに、
前記装置間パスの閉塞を認識した際に、前記第1RAID装置にセッションの強制停止を指示してセッション情報を削除させるコピー元セッション開放ステップと、
閉塞した前記装置間パスの開通時に前記強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、前記第1RAID装置を経由した指示により前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるコピー先セッション開放ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。(4)
【0116】
(付記5)
付記4記載のプログラムに於いて、前記コピー先セッション開放ステップは、
前記第1RAID装置を経由して第2RAID装置に筐体識別子の取得指示を発行し、前記第2RAID装置からセッションを確立した筐体間で通信が許可された筐体識別子を取得する筐体識別子取得ステップと、
前記筐体識別子取得ステップで取得した筐体識別子と前記セカンダリボリュームを指定したセッション情報の取得指示を前記第1RAID装置を経由して前記第2RAID装置に発行し、前記第2RAID装置からセッション情報を取得するセッション情報取得ステップと、
コピー先のセッション情報の削除指示と前記セッション情報取得ステップで取得した前記第2RAID装置のセッション情報を前記第1RAID装置を経由して前記第2RAID装置に発行し、前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるセッション情報削除ステップと、
をホストのコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【0117】
(付記6)
付記5記載のプログラムに於いて、
前記筐体識別子取得ステップは、前記第2RAID装置の筐体識別子として該筐体識別子と対となるデータ長の短いエントリーナンバーを取得し、
前記セッション情報取得ステップは、前記エントリーナンバーと前記セカンダリボリュームを指定して前記第2RAID装置のセッション情報を取得することをホストのコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【0118】
(付記7)
ホストに接続された第1RAID装置と、前記第1RAID装置に装置間パスを介して接続された第2RAID装置とを有し、前記ホストからのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した前記第1RAID装置のプライマリボリュームの全体又は一部のデータをコピー先として指定した前記第2RAID装置のセカンダリボリュームの同一位置に前記装置間パスにより転送してコピーするリモートコピー処理装置に於いて、
前記装置間パスの閉塞を認識した際に、前記第1RAID装置にセッションの強制停止を指示してセッション情報を削除させるコピー元セッション開放部と、
閉塞した前記装置間パスの開通時に前記強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、前記第1RAID装置を経由した指示により前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるコピー先セッション開放部と、
を備えたことを特徴とする。(5)
【0119】
(付記8)
付記7記載のリモートコピー処理装置に於いて、前記コピー元セッション開放処理部は、
前記第1RAID装置を経由して第2RAID装置に筐体識別子の取得指示を発行し、前記第2RAID装置からセッションを確立した筐体間で通信が許可された筐体識別子を取得する筐体識別子取得部と、
前記筐体識別子取得ステップで取得した筐体識別子と前記セカンダリボリュームを指定したセッション情報の取得指示を前記第1RAID装置を経由して前記第2RAID装置に発行し、前記第2RAID装置からセッション情報を取得するセッション情報取得部と、
コピー先のセッション情報の削除指示と前記セッション情報取得ステップで取得した前記第2RAID装置のセッション情報を前記第1RAID装置を経由して前記第2RAID装置に発行し、前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるセッション情報削除部と、
を備えたことを特徴とするリモートコピー処理装置。
【0120】
(付記9)
付記8記載のリモートコピー処理装置に於いて、
前記筐体識別子取得部は、前記第2RAID装置の筐体識別子として該筐体識別子と対となるデータ長の短いエントリーナンバーを取得し、
前記セッション情報取得部は、前記エントリーナンバーと前記セカンダリボリュームを指定して前記第2RAID装置のセッション情報を取得することを特徴とするリモートコピー処理装置。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の原理説明図
【図2】本発明によるリモートコピー処理のシステム機能構成のブロック図
【図3】図1のホストのハードウェア構成のブロック図
【図4】図2のRAID装置のハードウェア構成のブロック図
【図5】図3のRAID装置の機能構成のブロック図
【図6】本発明のホストのコマンドインタフェースで提供されるコマンドリストの説明図
【図7】本発明で使用する開始コマンドの説明図
【図8】図7の開始コマンドにより転送されるセッション情報の説明図
【図9】本発明で使用するリモート筐体識別子取得コマンドの説明図
【図10】図9のリモート筐体識別子取得コマンドで取得されるリモートの有効筐体識別子情報の説明図
【図11】本発明で使用するセッション情報取得コマンドの説明図
【図12】図11のセッション情報取得コマンドでコピー先から取得されるセッション情報の説明図
【図13】図12におけるセッション詳細情報の説明図
【図14】本発明で使用する停止コマンドの説明図
【図15】図14の停止コマンドによりコピー先に転送するセッション情報の説明図
【図16】本発明による筐体間パスの閉塞を伴うリモートコピー処理のタイムチャート
【図17】図2のホストによるリモートコピー処理のフローチャート
【図18】図2の第1RAID装置によるコピー元処理のフローチャート
【図19】図2の第2RAID装置によるコピー先処理のフローチャート
【図20】コピー元RAID装置とコピー先RAID装置がそれぞれホストに接続されている場合の従来のリモートコピー処理の説明図
【図21】コピー元RAID装置がホストに接続されコピー先RAID装置がホストに接続されていない場合の従来のリモートコピー処理の説明図
【符号の説明】
【0122】
10:ホスト
12:第1RAID装置(コピー元RAID装置)
14:第2RAID装置(コピー先RAID装置)
16:ホストパス
18:筐体間パス
20:コピー処理部
22,24:コピー制御部
26:プライマリボリューム
28:セカンダリボリューム
30:リモートコピー指示部
32:コピー元セッション開放部
34:コピー先セッション開放部
36:筐体識別子取得部
38:セッション情報取得部
40:セッション情報削除部
42:コピー元処理部
44:コピー先処理部
45:ネットワーク
46,46−1,46−2:セッション情報
48−1,48−2,58,58−1,58−2:チャネルアダプタ
49,55:CPU
50−1,50−n:制御モジュール
52−1,52−2:バックグラウンドルータ
54−1〜54−4:ディスク装置
56:通信部
60:キャッシュメモリ
62−1,62−2:デバイスインタフェース
64−1,64−2:フロントルータ
66:リソース処理部
68:キャッシュ制御部
70:RAID制御部
74:コマンドリスト
76:物理情報取得コマンド
78:セッションID取得コマンド
80:開始コマンド
82:停止コマンド
84:セッション情報取得コマンド
85:削除指定
86:中断コマンド
88:再開コマンド
90:リモート筐体識別子取得コマンド
92:登録・実行指定
94−1,94−31:セッション詳細情報
95:有効筐体識別子情報
96:リモート筐体識別子
98:エントリーナンバー
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホストに接続されたRAID装置のボリュームをコピー元とし、筐体間パスで接続された別のRAID装置のボリュームをコピー先とするセッションを確立して実行するリモートコピー処理方法、プログラム及び装置に関し、特に、コピー中に筐体間パスが閉塞してセッションを中止した後のパス開通時に同じセッションをホストからの指示で再度確立して実行するリモートコピー処理方法、プログラム及び措置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、距離の離れた別筐体に設置された2台のRAID装置の間で行うリモートコピーにあっては、図20に示すように、RAID装置200,202のそれぞれはホスト204,206に接続されており、例えばホスト204から発行されたコピー指示の開始コマンドとセッション情報によりRAID装置200,202間でコピーのセッションを確立してリモートコピーを実行している。
【0003】
このセッション確立によるリモートコピーは、コピー元として指定した第1RAID装置200のプライマリボリューム208の全体又は一部のデータをコピー先として指定した第2RAID装置202のセカンダリボリューム210の同一トラック位置に筐体間パス212により転送してコピーする。
【0004】
このようなリモートコピーを実行中に、RAID装置200,202間を結ぶ筐体間パス212に閉塞が起きた場合、ホスト204からの停止コマンドでセッションを強制的に開放する。この場合、コピー元のRAID装置200についてはセッションを開放することでセッション情報を削除できるが、コピー先のRAID装置202に解消したセッションのセッション情報が残ることになる。
【0005】
その後、筐体パス212が開通した場合、ホスト202から強制的に開放したセッションを開始コマンドとセッション情報を発行し、最初からリモートコピーをやり直すことになる。しかし、コピー先のRAID装置202には強制的に開放したセッションのセッション情報が残っているため、RAID装置200を経由して再び同じセッションを確立するために受けた開始コマンドとセッション情報がコマンドエラーとなり、セッションを再開できない。
【0006】
このような場合には、コピー先のRAID装置202に接続しているホスト206からの指示で残っているセッション情報を削除することにより、その後に強制的に解消したセッションをホスト204からの指示で確立してリモートコピーを最初からやり直すことができる。
【特許文献1】特開2002−297455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、オンラインバックアップシステムなどにあっては、図21のように、ホスト204に接続した業務用のRAID装置200にホストを持たないバックアップ用のRAID装置202を筐体間パス212により接続し、ホスト204から発行されたコピー指示の開始コマンドとセッション情報によりRAID装置200,202間でコピーのセッションを確立してリモートコピーを実行し、RAID装置202でバックアップ用のボリュームを生成するようにしている。
【0008】
しかしながら、コピー先のRAID装置202がホストに接続されていない場合、筐体間パス212に閉塞が起きてセッションが強制的に開放されると、ホストが接続されてないコピー先のRAID装置202に残っていてるセッション情報を削除できないという問題がある。
【0009】
この場合には、コピー先のRAID装置202に設けている保守用のパーソナルコンピュータ214からの操作で残っているセッション情報を削除することになり、人為的な操作を必要とすることから手間と時間がかかり、特にコピー先がコピー元から離れた遠隔地のバックアップセンター等に設置されている場合には、コピー元から担当者がコピー先に出向いてコピー先に残っているセッション情報を削除する作業が必要となり、強制的に開放したリモートコピーのセッションのやり直しに手間と時間かかる問題がある。
【0010】
本発明は、ホストをもたないコピー先に残ったセッション情報をコピー元に接続したホストからの指示で効率的に削除して強制的に開放したリモートコピーを迅速にやり直すことを可能とするリモートコピー処理方法、プログラム及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
図1は本発明の原理説明図である。本発明は、リモートコピー処理方法を提供する。
【0012】
即ち、本発明は、ホスト10に接続されたコピー元の第1RAID装置12と、第1RAID装置12に装置間パス(筐体間パス18)を介して接続されたコピー先の第2RAID装置14とを有し、ホスト10からのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した第1RAID装置12のプライマリボリューム26の全体又は一部のデータをコピー先として指定した第2RAID装置14のセカンダリボリューム28の同一位置に装置間パス(筐体間パス18)により転送してコピーするセッションをセッション情報に基づいて確立して実行するリモートコピー処理方法に於いて、
装置間パス(筐体間パス18)の閉塞を認識した際に、第1RAID装置12にセッションの強制停止を指示してセッション情報46−2を削除させるコピー元セッション開放ステップと、
閉塞した装置間パス18の開通時に強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、第1RAID装置12を経由した指示により第2RAID装置14に残留しているセッション情報46−2を削除させるコピー先セッション開放ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0013】
ここで、コピー先セッション開放ステップとして、
第1RAID装置を経由して第2RAID装置に筐体識別子の取得指示を発行し、第2RAID装置からセッションを確立した筐体間で通信が許可された筐体識別子を取得する筐体識別子取得ステップと、
筐体識別子取得ステップで取得した筐体識別子とセカンダリボリュームを指定したセッション情報の取得指示を第1RAID装置を経由して第2RAID装置に発行し、第2RAID装置からセッション情報を取得するセッション情報取得ステップと、
コピー先のセッション情報の削除指示とセッション情報取得ステップで取得した第2RAID装置のセッション情報を第1RAID装置を経由して第2RAID装置に発行し、第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるセッション情報削除ステップと、
を実行する。
【0014】
更に、筐体識別子取得ステップは、第2RAID装置の筐体識別子として該筐体識別子と対となるデータ長の短いエントリーナンバーを取得し、
セッション情報取得ステップは、エントリーナンバーとセカンダリボリュームを指定して第2RAID装置のセッション情報を取得する。
【0015】
本発明は、ホストのコンピュータで実行されるプログラムを提供する。本発明のプログラムは、ホストに接続された第1RAID装置と、第1RAID装置に装置間パスを介して接続された第2RAID装置とを有し、ホストからのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した第1RAID装置のプライマリボリュームの全体又は一部のデータをコピー先として指定した第2RAID装置のセカンダリボリュームの同一位置に装置間パスにより転送してコピーするホストのコンピュータに、
装置間パスの閉塞を認識した際に、第1RAID装置にセッションの強制停止を指示してセッション情報を削除させるコピー元セッション開放ステップと、
閉塞した装置間パスの開通時に強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、第1RAID装置を経由した指示により第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるコピー先セッション開放ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【0016】
本発明は、リモートコピー処理装置を提供する。即ち本発明は、ホストに接続された第1RAID装置と、第1RAID装置に装置間パスを介して接続された第2RAID装置とを有し、ホストからのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した第1RAID装置のプライマリボリュームの全体又は一部のデータをコピー先として指定した第2RAID装置のセカンダリボリュームの同一位置に装置間パスにより転送してコピーするセッションをセッション情報に基づいて確立して実行するリモートコピー処理装置に於いて、
ホストに、
装置間パスの閉塞を認識した際に、第1RAID装置にセッションの強制停止を指示してセッション情報を削除させるコピー元セッション開放部と、
閉塞した装置間パスの開通時に強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、第1RAID装置を経由した指示により第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるコピー先セッション開放部と、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
なお、本発明によるリモートコピー処理のプログラム及び装置の詳細は、本発明のリモートコピー処理方法と基本的に同じになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ホストを接続したコピー元のRAID装置からホストを接続していないコピー先のRAID装置の間でセッションを確立してリモートコピーの実行中に筐体間パスの閉塞でコピー元のRAID装置のセッションを強制終了してコピー先のRAID装置にセッション情報が残っても、筐体間パスが開通した際に、コピー元に接続しているホストからの指示でコピー先に残っているセッションをコマンド発行により削除することができ、コピー先の保守用パーソナルコンピュータの人為的操作を不要にし、コピー先がバックアップセンターのように遠隔地に存在していたとしても、ホストのエラーリカバリ処理として迅速にコピー先に残っているセッション情報を削除し、強制停止したセッションの再度の確立によりリモートコピーを再開できる。
【0019】
更に、リモートコピーを実現するためにホストが提供しているコマンドインタフェースによるセッション情報収集コマンド、停止コマンドのパラメータにコピー先のセッション情報の削除に必要なパラメータの指定を追加することで、既存のコマンド体系を利用して簡単に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図2は本発明によるリモートコピー処理のシステム機能構成のブロック図である。図2において、本発明のリモートコピー処理を実行するためのシステムは、ホスト10、コピー元となる第1RAID装置12、及びコピー先となる第2RAID装置14で構成される。
【0021】
コピー元となる第1RAID装置12は、ホスト10に対しホストパス16により接続されている。また第1RAID装置12と第2RAID装置14は筐体間パス18により接続されている。第1RAID装置12としては、メインフレーム系のホスト及びオープン系のホストのいずれか一方または両方を別々のパスで接続することができる。
【0022】
第1RAID装置12と第2RAID装置14を接続する筐体間パス18は、筐体間距離が短い場合は、ファイバーチャネルパスなどで接続し、遠隔地となる場合には、ホストパス16とコンバータを使用することでWANを介して接続したり、ATM回線などの専用回線で接続する。
【0023】
ホスト10はメインフレームの場合、基幹業務の業務処理を実行しており、この業務処理の機能に加え、本発明によるリモートコピーのためのコピー処理部20の機能が設けられる。第1RAID装置12及び第2RAID装置14それぞれには、ホスト10からの指示によりリモートコピーを実行するため、コピー制御部22,24の機能が設けられている。
【0024】
ホスト10のコピー処理部20にはリモートコピー指示部30が設けられ、リモートコピー指示部30の指示によるコマンドとセッション情報の発行により、第1RAID装置12と第2RAID装置14の間にセッションを確立し、第1RAID装置12をコピー元とし、第2RAID装置14をコピー先とするリモートコピーを実行するようにしている。
【0025】
ここで本発明におけるリモートコピーの基本的な処理を説明すると次のようになる。本発明によるリモートコピーはリモート等価性コピー(Remote Equivalent Copy)であり、コピー元として指定した第1RAID装置12のプライマリボリューム26の全体または部分のデータを、コピー先として指定した第2RAID装置14のセカンダリボリューム28の同じトラック位置(CCHH)に、筐体間パス18を経由したデータ転送によりコピーする機能である。
【0026】
このリモートコピーは、ホスト10のリモートコピー指示部30からの開始コマンドにより、筐体間パス18を介してプライマリボリューム26とセカンダリボリューム28のデータが等しくなるようにデータ転送を始めるが、既にセカンダリボリューム28へデータ転送したプライマリボリューム26のトラックデータがホスト10により更新された場合、改めて更新されたデータをセカンダリボリューム28に反映するためにデータ転送を行う。
【0027】
リモートコピーの継続中はプライマリボリューム26とセカンダリボリューム28を二重化状態で運用する。これを二重化ペアという。二重化ペアの設定中はホスト10から単一ボリュームとしてのアクセスを可能とする。ホストのリモートコピー指示部30からの停止コマンドを受けてリモートコピーを終了した際の二重化ペアの解消後は、2つの独立したボリュームとしてアクセスを可能とする。
【0028】
リモートコピーを停止または終了させるまではプライマリボリューム26とセカンダリボリューム28のデータの等価性を維持するが、コピー先にデータが届いたことを保証するのはリモートコピーを終了した時点である。
【0029】
ここでホスト10のリモートコピー指示部30からの開始コマンドにより第1RAID装置12と第2RAID装置14間で筐体間パス18を介してリモートコピーを開始する際には、開始コマンドと共にセッション情報46−1,46−2を転送し、このセッション情報46−1,46−2に基づいて第1RAID装置12と第2RAID装置14の間でリモートコピーのためのセッションを確立し、ホスト10から指定したプライマリボリューム26の全体または部分のデータをセカンダリボリューム28の同一トラック位置に、筐体間パス18のデータ転送を介してコピーすることになる。
【0030】
ホスト10のリモートコピー指示部30によるセッションの確立によるリモートコピーの実行中に、筐体間パス18の回線異常、即ち筐体間パス18の閉塞が発生すると、この筐体間パス18の閉塞をホスト10のリモートコピー指示部30が認識し、コピー元セッション開放部32を動作し、第1RAID装置12にセッションの強制停止を指示してセッション情報46−1を削除させる。
【0031】
コピー元セッション開放部32によるセッションの強制停止の指示は、筐体間パス18が正常であれば第2RAID装置14にも伝えられて有効に機能するが、筐体間パス18が閉塞している場合には、第2RAID装置14のセッションの強制停止は実行できず、第2RAID装置14に強制終了したセッションのセッション情報46−2が残ることになる。
【0032】
セッションを強制停止した後に筐体間パス18が正常に開通すると、強制中止したセッションを再度実行するため、リモートコピー指示部30は同じセッション情報を使用した開始コマンドの発行で第1RAID装置12と第2RAID装置の間にリモートコピーのセッションを確立させようとする。しかし、コピー先の第2RAID装置14には強制終了した前回のセッションのセッション情報46−2が残っているためコマンドエラーとなってしまう。
【0033】
このような場合に、ホスト10に設けたコピー先セッション開放部34が起動し、コピー先の第2RAID装置14に残っているセッション情報46−2を削除する。即ちコピー先セッション開放部34は、閉鎖した筐体間パス18の開通時に、強制終了したセッションと同じセッション情報を使用した開始コマンドを発行してセッションを起動するが、この開始コマンドに対し第2RAID装置14には前回のセッション情報46−2が残っているためにコマンドエラーとなった際に、第1RAID装置12を経由した指示により第2RAID装置14に残っているセッション情報46−2を削除させる。
【0034】
コピー先セッション開放部34による処理は、筐体識別子取得部36、セッション情報取得部38及びセッション情報削除部40の機能により実行される。このコピー先のセッション情報46−2の削除処理は次の手順となる。
【0035】
(1)筐体識別子取得部36が、第1RAID装置12を経由して第2RAID装置14に対し筐体識別子を取得するための指示コマンドを発行し、第2RAID装置14からセッションを確立した筐体間で通信が許可された筐体識別子を取得する。
【0036】
(2)セッション情報取得部38が、筐体識別子取得部36で取得したコピー先の筐体識別子、即ちリモート筐体識別子とセカンダリボリューム28を指定したセッション情報を取得するための指示コマンドを、第1RAID装置12を経由して第2RAID装置14に発行し、第2RAID装置14から残っているセッション情報46−2を取得する。
【0037】
(3)セッション情報削除部40が、コピー先となる第2RAID装置14のセッション情報の削除指示となるコマンドと、セッション情報取得部38で取得した第2RAID装置14に残っているセッション情報46−2を、第1RAID装置12を経由して第2RAID装置14に発行し、これによって第2RAID装置14に残留しているセッション情報46−2を削除させる。
【0038】
ホスト10のコピー先セッション開放部34により筐体間パス18の閉塞に起因して残っている第2RAID装置14のセッション情報46−2が削除できたならば、リモートコピー指示部30が中止したセッションを開始するための開始コマンドとセッション情報を再度発行し、この開始コマンドとセッション情報に基づき第1RAID装置12と第2RAID装置14は、リモートコピーのためのセッションを有効に確立し、筐体間パス18で中止したリモートコピー、即ちセッションの確立に基づき、ホスト10から指定されたプライマリボリューム26の全体または一部のデータを、筐体間パス18を介して第2RAID装置14のセカンダリボリューム28の同一トラック位置に転送して書き込む処理を実行し、中断したリモートコピーをリカバリすることができる。
【0039】
このように、リモートコピー中に筐体間パス18が閉塞して強制終了によりコピー先にセッション情報が残っても、筐体間パス18が開通した後のホスト10からの指示により、コピー先に残留しているセッション情報を簡単且つ容易に削除することができ、コピー先にホストが接続されていなくとも、コピー元に接続しているホストからの指示で簡単且つ容易にコピー先に残ったセッション情報を削除し、中止したリモートコピーのセッションをやり直すことができる。
【0040】
図3は図2のホスト10に用いられるコンピュータのハードウェア構成のブロック図である。図3のコンピュータにおいて、MPU100のバス102には、RAM104、ROM106、ハードディスクドライブ108、キーボード112,ディスプレイ116を接続した入出力デバイスコントローラ110、及びホストパス16を接続するネットワークアダプタ118が接続される。
【0041】
ハードディスクドライブ108にはホスト10のコピー処理を実行するプログラムをローディングしており、コンピュータの起動時にハードディスクドライブ108から読み出されてRAM104に展開し、MPU100により実行する。またハードディスクドライブ108にはホストが行う業務処理のためのプログラムもローディングされており、コンピュータ起動時に業務プログラムがRAM104に展開され、MPU100により実行され、ホストにおける業務処理が実行される。
【0042】
図4は図2の第1RAID装置のハードウェア構成のブロック図である。なお第2RAID装置14も同じハードウェア構成をとる。
【0043】
図4において、第1RAID装置12は、内部にCPU49を備えたチャネルアダプタ48−1,48−2、制御モジュール50−1〜50−n、バックグラウンドルータ52−1,52−2、RAIDによる冗長構成をとるハードディスクドライブなどのディスク装置54−1〜54−4、更にフロントルータ64−1,64−2を設けている。
【0044】
第1RAID装置12は最大構成で制御モジュールを例えば8台実装することができる。チャネルアダプタ48−1,48−2はCPU49を備え、メインフレーム系のホスト10を制御モジュール48−1に接続している。またチャネルアダプタ58−1,58−2は、UNIX(R)/IAサーバなどのオープン系のホストを接続するもので、本発明にあっては更に、チャネルアダプタ58−1に筐体間パス18を接続し、WANなどのネットワーク45を介して、コピー先の第2RAID装置14を接続している。
【0045】
制御モジュール50−1〜50−nには、制御モジュール50−1に代表して示すように、CPU55、通信部56、キャッシュメモリ60、デバイスインターフェース62−1,62−2が設けられている。CPU55は、第1RAID装置12におけるリソース処理、キャッシュ処理、RAID制御、更に本発明によるリモートコピーを含むコピー制御をプログラム制御により実行している。
【0046】
フロントルータ64−1,64−2は、制御モジュール50−1に対し他の制御モジュール50−2(図示せず)〜50−nを接続し、制御の多重化を図っている。またバックグラウンドルータ52−1,52−2に対しては制御モジュール50−1〜50−nがそれぞれ接続され、制御モジュール側のCPU55によるRAID制御に従ったデータ入出力処理を行っている。
【0047】
図5は図4の第1RAID装置の機能構成のブロック図である。図5において、制御モジュール50−1の機能は、図4の制御モジュール50−1に設けているCPU55のプログラム制御により実現され、リソース処理部66、キャッシュ処理部68、RAID制御部70及びコピー制御部22を構築している。
【0048】
コピー制御部22は図2に示したように、コピー元処理部42の機能が設けられており、このコピー元処理部が動作した際にはボリュームはコピー元となるプライマリボリューム26として使用されることになる。
【0049】
この図4及び図5に示すハードウェア構成及び機能構成を持つRAID装置としては、例えば富士通株式会社製のGR800あるいはETERNUS6000等のRAID装置を使用することができる。
【0050】
図6は図2のホスト10に設けたコマンドインタフェースで提供されるリモートコピーのためのコマンドリストの説明図である。図6において、コマンドリスト74には、物理情報取得コマンド76、セッションID取得コマンド78、開始コマンド80、停止コマンド82、セッション情報取得コマンド84、中断コマンド86、再開コマンド88及びリモート筐体識別子取得コマンド90が準備されている。
【0051】
物理情報取得コマンド76は筐体識別子及び物理デバイス番号を取得する。セッションID取得コマンド78はリモートコピー処理のセッションIDを取得する。開始コマンド80はリモートコピーを登録して実行する。開始コマンド80の実行にはセッション情報の転送が含まれる。
【0052】
停止コマンド82はリモートコピー処理を終了する。この停止コマンド82のパラメータとして設けているリモートフラグを「X’01’」を指定すると、コピー先となる相手筐体のみに残留したセッション情報を削除するコマンドとして使用することができる。
【0053】
セッション情報取得コマンド84はリモートコピーのセッション情報を取得する。中断コマンド86はリモートコピーを中断する。再開コマンド88は中断したリモートコピーを再開する。更にリモート筐体識別子取得コマンド90は、リモートコピーを起動する際に必要な筐体間で通信が許可されたリモートの筐体識別子(ボックスID)を取得する。
【0054】
図2に示したホスト10のコピー先セッション開放部34にあっては、筐体間パス18の閉塞でコピー先となる第2RAID装置14に残されたセッション情報46−2を削除する処理の際に、筐体識別子取得部36でリモート筐体識別子取得コマンド90を発行してリモート筐体識別子を取得する。
【0055】
続いてセッション情報取得部38で、セカンダリボリューム28と取得したリモート筐体識別子を指定したセッション情報取得コマンド84を発行して、コピー先のセッション情報46−2を取得する。
【0056】
続いてセッション情報削除部40が、リモートフラグを「X’01’」に指定した停止コマンド82の発行と、セッション情報取得部38で取得したコピー先のセッション情報を転送することにより、第2RAID装置14に残っているセッション情報46−2を削除することになる。
【0057】
また図4のコマンドリストにおいて、物理情報取得コマンド76、セッションID取得コマンド78、セッション情報取得コマンド84及びリモート筐体識別子取得コマンド90は、コマンド発行により発行先からデータを転送させることから、リード系のコマンドということができる。これに対し開始コマンド80、停止コマンド82、中断コマンド86及び再開コマンド88は、コマンド発行と同時にデータ転送を発行先に対し行うことから、ライト系のコマンドということができる。
【0058】
図7は本発明のリモートコピーで使用する開始コマンド80の説明図である。開始コマンド80はリモートコピーを開始するための登録及び実行を行うもので、次の機能を有する。
【0059】
(1)プライマリボリュームとセカンダリボリュームを2重化ペアとして認識して設定する(2重化ペアの設定)。
(2)2重化ペアの設定後、ホストから指定された領域のデータをプライマリボリュームからセカンダリボリュームへとコピーする(コピーの実施)。
(3)コピー完了後もプライマリボリュームとセカンダリボリュームの同期を取る(等価性維持)。
【0060】
このようなリモートコピーを開始させる開始コマンド80はバイト0〜15で構成されており、バイト0〜1がコマンドコード「X’01D0’」であり、開始コマンドであることを示している。バイト0はイニシャルコピースキップの指定であり、リモートコピーにあってはイニシャルコピースキップ指定として「X’00’」を指定することで、リモートコピーの登録・実行を行うことができる。
【0061】
図8は図7の開始コマンド80により転送されるセッション情報46の説明図である。セッション情報46には主なものとして
(1)X’08’以降のデータ長
(2)プライマリセッションIDとセカンダリセッションID
(3)「1」の設定でリモートコピーとするフラグ
(4)コピー処理間隔を指定する内部コピー間隔
(5)プライマリ側筐体識別子
(6)セカンダリ側筐体識別子
(7)ホストのアプリケーションのための任意の情報を設定するシステム定義
(8)コピー対象ボリュームのタイプを指定するコピー対象ボリュームタイプ
(9)コピー対象プライマリホストデバイス識別子
(10)コピー対象セカンダリホストデバイス識別子
(11)0で全ボリューム領域がコピー対象として指定され、1以上で域数が指定される指定領域数
(12)コピー開始トラック番号/コピー終了トラック番号による領域情報。なお、領域情報は指定領域数分だけ存在する。
【0062】
図9は本発明で使用するリモート筐体識別子取得コマンド90の説明図である。リモート筐体識別子取得コマンド90は、筐体間で通信が許可されたリモート(コピー先)の筐体識別子を取得して通知し、リモートの筐体識別子はリモートコピーを起動する際に必要となり、また図2に示したコピー先に残っているセッション情報を削除する際にも必要となる。このリモート筐体識別子取得コマンド90は、バイト0〜1のコマンドコード「X’02DF’」をもつ。
【0063】
図10は図9のリモート筐体識別子取得コマンド90で通知される有効筐体識別子情報95の説明図である。有効筐体識別子情報95は次の情報を含む。
(1)リモート筐体識別子数
(2)リモート筐体識別子
(3)エントリナンバー
(4)コピー先/コピー元フラグ
【0064】
ここで図2のホスト10に設けているコピー先セッション開放部34に設けた筐体識別子取得部36にあっては、図9のリモート筐体識別子取得コマンド90を発行してコピー先となる第2RAID装置14から筐体識別子を取得するため、図10の有効筐体識別子情報95の転送を受けることになる。
【0065】
このようにして取得した有効筐体識別子情報95につき本発明にあっては、リモート筐体識別子96を使用せず、このリモート筐体識別子96と対となるエントリ番号「fcu entry」を取得して、セッション情報取得コマンドを発行する際に使用する。
【0066】
これはリモート筐体識別子96が40バイトとデータ長が大きく、セッション情報取得コマンドの指定で転送するデータ量が大きくなることから、リモート筐体識別子96と対を成すデータ長の短いエントリ番号「fcu entry」を、その代わりに使用する。
【0067】
図11は本発明で使用するセッション情報取得コマンド84の説明図である。セッション情報取得コマンド84は、特定のセッションの詳細情報または特定のボリュームのセッション詳細情報を取得する。本発明にあっては、セッション情報取得コマンド84を使用して、図2に示したコピー先となる第2RAID装置14に残っているセッション情報46−2の詳細情報を取得する。
【0068】
このため、バイト4の情報タイプに「X’06’」を設定して特定ボリューム(メインフレーム・ロジカル・ユニットMLU)のリモートセッション情報詳細を指定する。またバイト5のエントリナンバー「fcu number」として、インフォメーションタイプが「X’06’」の場合、図9のリモート筐体識別子取得コマンド90により取得した図10の有効筐体識別情報95から得られたエントリ番号98の値、例えば「X’00’」を設定する。
【0069】
更にバイト6−7に情報タイプ「X’06’」の場合、コピー先となる相手筐体のボリューム番号、具体的にはメインフレーム論理ユニット番号「MLU number」を設定する。
【0070】
このような情報タイプ、エントリ番号及び相手筐体モジュール論理ユニット番号、即ちボリューム番号を指定したセッション情報取得コマンド84を、図2の第1RAID装置12を介して第2RAID装置14に発行することで、図12のセッション情報46の通知を受けることができる。
【0071】
図12のセッション情報46は次の内容を持つ。
(1)特定MUL、即ちコピー先ボリュームのリモートセッション詳細情報であることを示す情報タイプ「X’06’」
(2)オフセット「X’08’」以降のデータ長
(3)セッション詳細情報
【0072】
ここで、セッション情報46により通知されるセッション詳細情報はセッション詳細情報94−1〜94−31の最大32情報とすることができる。
【0073】
図13は図11のセッション情報取得コマンド84により通知される図12のセッション情報46の中のコピー先のセッション詳細情報の1つであるセッション詳細情報94−1を取り出して示している。
【0074】
このセッション詳細情報94−1は次の内容を持つ。
(1)エラー発生時に処理中であった領域の開始位置と終了位置を示すエラー領域情報
(2)コピー元筐体のセッション識別子を示すプライマリセッションID
(3)コピー先筐体で有効なセッションの識別子を示すセカンダリセッションID
(4)リモートコピーの動作モード
(5)リモートコピーの各処理フェーズ(アイドル、リザーブ中、正常動作中、エラー中断、中断)
(6)エラー発生時に、エラー種別を示すエラーコード
(7)経過時間
(8)段階表示で示す内部コピー間隔
(9)コピー対象の全トラック数
(10)コピー済みのトラック数
(11)「0」で中断コマンドによる中断状態
(12)「1」でイニシャルコピースキップ指定の開始コマンドで起動した直後の中断状態を示す動作モード
【0075】
これ以降のプライマリ側筐体識別子、セカンダリ筐体識別子、システム定義、コピー対象ボリュームタイプ、コピー対象プライマリホストデバイス識別子、コピー対象セカンダリホストデバイス識別子、領域指定数、領域情報は、図8の開始コマンド80のセッション情報46と同じになる。
【0076】
図14は本発明で使用する停止コマンド82の説明図である。停止コマンド82はプライマリボリュームとセカンダリボリュームに対するリモートコピー処理を終了する。このコピー終了処理は次の処理を行う。
【0077】
(1)セッションに関する情報を開放し二重化ペアの対応関係を解消する(二重化ペア解消)。
【0078】
(2)コピー処理中に二重化ペア解消が指示された場合は、その指示をエラーで返しコピー処理は終了せず、ペア設定状態を維持する。但しペア解消のための停止コマンドで強制終了パラメータ(強制停止フラグ=X‘01’)が指定されている場合は強制的なペア解消と処理終了を行う(コピー終了)。
【0079】
(3)コピー終了後はプライマリボリュームとセカンダリボリュームのペア関係は破棄され、セッション情報も削除される。
【0080】
このようなリモートコピー終了のための停止コマンド82にあっては、バイト0〜1にコマンドコード「X‘01Dd1」を設定し、バイト4に強制停止フラグを設けている。またバイト5にリモートフラグが設けられ「X’01‘」の指定でコピー先となる相手筐体のみに存在するセッション情報の強制削除となる削除指定85を行うことができる。
【0081】
図15は図14の停止コマンド82により、コピー先に転送するセッション情報46の説明図である。このセッション情報46は図11のセッション情報取得コマンド84で取得した図12のセッション情報46であり、セッション詳細情報としてはコピー先についてのセッション詳細情報94−1のみを設けており、セッション詳細情報94−1の内容は図13に示したとおりである。
【0082】
図16は本発明による筐体間パスの閉塞を伴うリモートコピー処理のタイムチャートである。図16において、ホスト10がステップS1でリモートコピーの開始コマンドとセッション情報を発行すると、これがコピー元の第1RAID装置12とコピー先の第2RAID装置14にそれぞれ転送され、第1RAID装置12はステップS101で自己のプライマリボリューム26に対し、コピー先のセカンダリボリューム28をペアとしてセッションを確立する。
【0083】
同時に第2RAID装置14はステップS201で自己のセカンダリボリューム28に対し、コピー元のプライマリボリューム26をペアとしてセッションを確立する。このようにしてリモートコピーのセッションが確立すると、第1RAID装置はステップS102でプライマリボリューム26のホスト指定領域を読み出して筐体間パス18により第2RAID装置14に転送し、第2RAID装置14はステップS202でセカンダリボリューム28の同一トラック位置に転送されたデータを書き込むリモートコピーを実行する。
【0084】
このようなリモートコピーの実行中に筐体間パス18に閉塞が起きたとすると、ホスト10、第1RAID装置12及び第2RAID装置14はステップS2、S103、S203のそれぞれで筐体間パス閉塞を判別する。ステップS2で筐体間パス閉塞を判別したホスト10はステップS3で強制停止コマンドをコピー元の第1RAID装置12に発行する。
【0085】
これを受けて第1RAID装置12はステップS104でセッション開放し、セッション情報46−1を削除する。しかしながら、筐体間パス18が閉塞しているため、ホスト10からの強制停止コマンドはコピー先の第2RAID装置14には伝えられず、第2RAID装置14は筐体間パス閉塞に伴ってステップS204でセッションを中断してホルト状態となる。
【0086】
その後、筐体間パス18が再び開通したとすると、ホスト10、第1RAID装置12、第2RAID装置14はステップS4,S105,S205のそれぞれで筐体間パス18の開通を判別する。筐体間パス18の開通を判別したホスト10はステップS5で強制停止したセッションの開始コマンドを第1RAID装置12及び第2RAID装置14に発行する。しかしながら、第2RAID装置14には筐体間パス18の閉塞前に実行したリモートコピーのセッション情報が残留しているため、ステップS206で開始コマンドに対しエラー応答を返す。
【0087】
第2RAID装置14からのエラー応答を受けたホスト10はステップS6で、コピー先に残っているセッション情報46−2を削除するための処理を開始する。まずステップS6でコピー先筐体識別子の取得コマンドを発行し、第2RAID装置14はステップS207でコピー先の筐体識別子の応答する。続いてステップS7でコピー先の筐体識別子及びセカンダリボリューム28を指定したコピー先セッション情報取得コマンドを発行し、これにより第2RAID装置14はステップS208でコピー先のセッション情報を応答する。
【0088】
続いてホスト10はステップS8でコピー先のセッション情報46−2の削除を指定した停止コマンドを発行するとともに、取得したコピー先のセッション情報を転送する。この停止コマンドとセッション情報を受けてコピー先の第2RAID装置14はステップS209で残っているセッション情報46−2を削除し、ステップS210で削除の正常終了をホスト10に応答する。
【0089】
セッション情報削除の正常終了の応答を受けてホスト10は、ステップS9で強制終了したセッションの開始コマンドを再び発行し、これにより第1RAID装置12と第2RAID装置14はステップS106,S211のそれぞれでセッションを確立し、ステップS107,S212でステップS102,202の場合と同様、プライマリボリューム26のホストによる指定領域のデータを読み出して筐体間パス18により転送し、セカンダリボリューム28の同一トラック位置に書き込むリモートコピーを実行することになる。
【0090】
図17は図2のホスト10によるリモートコピー処理のフローチャートである。図17において、ステップS1で開始コマンドとセッション情報を発行してリモートコピーを指示する。続いてステップS2で筐体間パスの閉塞の有無をチェックしており、閉塞を判別するとステップS3で強制停止コマンドを発行する。
【0091】
続いてステップS4で筐体間パスの開通の有無をチェックしており、開通を判別するとステップS5で強制停止したセッションの開始コマンドを発行する。これに対しステップS6でコピー先からコマンドのエラー応答があるとステップS7に進み、コピー先の筐体識別子取得コマンドを発行する。
【0092】
ステップS8でコピー先から筐体識別子を取得すると、ステップS9でコピー先の筐体識別子とセカンダリボリュームを指定したセッション情報の取得コマンドを発行する。これに対しステップS10でコピー先からセッション情報を取得するとステップS11でコピー先のセッション情報を削除を指定した停止コマンドと取得したコピー先セッション情報を発行する。
【0093】
そしてステップS12でコピー先からコピー先セッション情報削除通知を受けると一連の作業を中止しステップS13で停止指示があるまでステップS1からの処理を繰り返す。
【0094】
図18は図2の第1RAID装置12によるコピー元処理のフローチャートである。図18において、ステップS1でホスト10からの開始コマンドの受領を判別するとステップS2に進み、開始コマンドに伴って通知されたセッション情報に基づき、コピー先との間にセッションを確立してリモートコピーを実行する。
【0095】
リモートコピーの実行中にあってはステップS3で筐体間パス18の閉塞の有無をチェックしており、閉塞がなければステップS4でホストからの停止コマンドの受領の有無をチェックしている。ホストから停止コマンドの受領があればステップS5で停止コマンドによりセッションを開放し、コピー元とコピー先に等価性を維持したボリュームを確立することとなる。
【0096】
一方、リモートコピー中にステップS3で筐体間パスの閉塞が判別されるとステップS6に進み、ホスト10からの強制停止コマンドによりセッションを開放して自筐体のセッション情報を削除し、ステップS7で筐体間パスの開通を待つ。筐体間パスの開通を判別するとステップS8に進み、ホスト10からの開始コマンドによりコピー先にセッションを起動するが、コピー先からコマンド失敗を受ければ、ステップS10に進む。
【0097】
ステップS9でコマンド成功の場合にはステップS2に戻りコピー先との間にセッションを確立してリモートコピーを再開することとなる。ステップS9でコピー先からのコマンド失敗を受信してホストに通知した後は、ステップS10でホスト10からの筐体識別子取得コマンドによるコピー先のエントリー番号「fcu number」を取得してホスト10に通知する。
【0098】
続いてステップS11でホストからのセッション情報取得コマンドによるコピー先のセッション情報を取得してホスト10に通知する。更にステップS12でホスト10からのセッション情報削除用の停止コマンドをセッション情報とともにコピー先に転送し、ステップS13でコピー先のセッション情報削除結果を受信してホスト10に通知する。
【0099】
このステップS10〜S13の処理はホストとコピー先の第2RAID装置14との間のコマンド及び転送データの中継的な処理となる。そしてステップS14で停止指示があるまでステップS1からの処理を繰り返す。
【0100】
図19は図2の第2RAID装置14におけるコピー先処理のフローチャートである。図19において、ステップS1でコピー元から開始コマンドとセッション情報を取得すると、ステップS2でコピー元との間にセッションを確立してリモートコピーを実行する。続いてステップS3で筐体間パスの閉塞の有無をチェックしており、閉塞を判別するとステップS4でセッション中断によりホルト状態とする。
【0101】
続いてステップS5で筐体間パスの開通をチェックしており、開通を判別するとステップS6でコピー元からの中断セッションと同じセッションの開始コマンドを判別し、ステップS7に進みセッション情報が残っていることからコマンドエラーとなりエラー応答を返す。
【0102】
続いてステップS8からコピー元から筐体識別子取得コマンドを受けると、ステップS9でセッション情報の筐体識別子を応答する。次にステップS10でコピー元からセッション情報取得コマンドを受けるとステップS11で中断したセッション、すなわち残留しているセッション情報を応答する。
【0103】
さらにステップS12でコピー元からセッション情報の削除を指定した停止コマンドをセッション情報とともに受けると、ステップS13で中断セッションのセッション情報を削除して正常終了を応答する。そしてステップS14で停止指示があるまでステップS1からの処理を繰り返すこととなる。
【0104】
更に、本発明は図2のホスト10で実行されるリモートコピーの処理のためのプログラムを提供するものであり、このプログラムは図17のフローチャートに従った内容を有し、図6に示したコマンドリストに示されるホストのコマンドインタフェースで提供されるコマンドを使用してリモートコピー、特に本発明にあってはリモートコピー中の筐体間パスの閉塞で、コピー先に残ったセッション情報をコピー元に対するホストからの指示で削除するコピー先セッション情報削除処理を実行することができる。
【0105】
尚、上記の実施形態はコピー元の第1RAID装置12にホスト10からコマンドを投入してコピー先のRAID装置14のセッション情報を削除する操作を例にとるものであったが、ホスト10からの指示により、逆に第2RAID装置14をコピー元、第1RAID装置12をコピー先としてセッションを確立してリモートコピーすることもできる。
【0106】
即ち、第1RAID12がコピー先処理部とセカンダリボリュームを持ち、第2RAID装置14がコピー元処理部とプライマリボリュームを持ち、ホスト10が第1RAID装置12のみに接続する形態であっても良い。
【0107】
また本発明は、コピー元の第1RAID装置12にコマンドを投入してコピー先の第2RAID装置14に対する設定や操作を実行する手法であれば、同様にして処理することができる。
【0108】
このようなコピー元の第1RAID装置にホスト10からコマンドを投入して筐体間パス18で接続したコピー先の第2RAID装置14に処理を実行させる手法としては、例えば次のようなものがある。
【0109】
(1)コピー先の第2RAID装置14上でのローカルコピーセッションの設定及び操作。
(2)コピー先の第2RAID装置14に接続されている他のRAID装置へのリモートコピーセッションの設定及び操作。
(3)コピー先の第2RAID装置14上ですでに設定されているセッション情報の取り出し。
(4)コピー先の第2RAID装置14上ですでに設定されているセッションにセッションを連結させてセカンダリボリューム28をプライマリとして更に別のセカンダリボリュームにコピーを送るカスケードコピーセッションの設定及び操作。
(5)コピー先の第2RAID装置14に対するコピー操作以外の必要な設定及び操作。
【0110】
このような(1)〜(5)の設定及び操作は、すでにホスト10で使用している例えば図6に示したコマンドリスト74に設けている各種コマンドの設定及び転送データを設定及び操作に適合した形に変形することで簡単にコピー先の第2RAID装置14における必要な設定及び操作を実現することができる。
【0111】
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【0112】
ここで本発明の特徴を列挙する次の付記のようになる。
(付記)
(付記1)
ホストに接続された第1RAID装置と、前記第1RAID装置に装置間パスを介して接続された第2RAID装置とを有し、前記ホストからのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した前記第1RAID装置のプライマリボリュームの全体又は一部のデータをコピー先として指定した前記第2RAID装置のセカンダリボリュームの同一位置に前記装置間パスにより転送してコピーするリモートコピー処理方法に於いて、
前記ホストは、
前記装置間パスの閉塞を認識した際に、前記第1RAID装置にセッションの強制停止を指示してセッション情報を削除させるコピー元セッション開放ステップと、
閉塞した前記装置間パスの開通時に前記強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、前記第1RAID装置を経由した指示により前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるコピー先セッション開放ステップと、
を備えたことを特徴とするリモートコピー処理方法。(1)
【0113】
(付記2)
付記1記載のリモートコピー処理方法に於いて、前記コピー先セッション開放ステップは、
前記第1RAID装置を経由して第2RAID装置に筐体識別子の取得指示を発行し、前記第2RAID装置からセッションを確立した筐体間で通信が許可された筐体識別子を取得する筐体識別子取得ステップと、
前記筐体識別子取得ステップで取得した筐体識別子と前記セカンダリボリュームを指定したセッション情報の取得指示を前記第1RAID装置を経由して前記第2RAID装置に発行し、前記第2RAID装置からセッション情報を取得するセッション情報取得ステップと、
コピー先のセッション情報の削除指示と前記セッション情報取得ステップで取得した前記第2RAID装置のセッション情報を前記第1RAID装置を経由して前記第2RAID装置に発行し、前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるセッション情報削除ステップと、
を備えたことを特徴とするリモートコピー処理方法。(2)
【0114】
(付記3)
付記2記載のリモートコピー処理方法に於いて、
前記筐体識別子取得ステップは、前記第2RAID装置の筐体識別子として該筐体識別子と対となるデータ長の短いエントリーナンバーを取得し、
前記セッション情報取得ステップは、前記エントリーナンバーと前記セカンダリボリュームを指定して前記第2RAID装置のセッション情報を取得することを特徴とするリモートコピー処理方法。(3)
【0115】
(付記4)
ホストに接続された第1RAID装置と、前記第1RAID装置に装置間パスを介して接続された第2RAID装置とを有し、前記ホストからのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した前記第1RAID装置のプライマリボリュームの全体又は一部のデータをコピー先として指定した前記第2RAID装置のセカンダリボリュームの同一位置に前記装置間パスにより転送してコピーするホストのコンピュータに、
前記装置間パスの閉塞を認識した際に、前記第1RAID装置にセッションの強制停止を指示してセッション情報を削除させるコピー元セッション開放ステップと、
閉塞した前記装置間パスの開通時に前記強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、前記第1RAID装置を経由した指示により前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるコピー先セッション開放ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。(4)
【0116】
(付記5)
付記4記載のプログラムに於いて、前記コピー先セッション開放ステップは、
前記第1RAID装置を経由して第2RAID装置に筐体識別子の取得指示を発行し、前記第2RAID装置からセッションを確立した筐体間で通信が許可された筐体識別子を取得する筐体識別子取得ステップと、
前記筐体識別子取得ステップで取得した筐体識別子と前記セカンダリボリュームを指定したセッション情報の取得指示を前記第1RAID装置を経由して前記第2RAID装置に発行し、前記第2RAID装置からセッション情報を取得するセッション情報取得ステップと、
コピー先のセッション情報の削除指示と前記セッション情報取得ステップで取得した前記第2RAID装置のセッション情報を前記第1RAID装置を経由して前記第2RAID装置に発行し、前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるセッション情報削除ステップと、
をホストのコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【0117】
(付記6)
付記5記載のプログラムに於いて、
前記筐体識別子取得ステップは、前記第2RAID装置の筐体識別子として該筐体識別子と対となるデータ長の短いエントリーナンバーを取得し、
前記セッション情報取得ステップは、前記エントリーナンバーと前記セカンダリボリュームを指定して前記第2RAID装置のセッション情報を取得することをホストのコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【0118】
(付記7)
ホストに接続された第1RAID装置と、前記第1RAID装置に装置間パスを介して接続された第2RAID装置とを有し、前記ホストからのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した前記第1RAID装置のプライマリボリュームの全体又は一部のデータをコピー先として指定した前記第2RAID装置のセカンダリボリュームの同一位置に前記装置間パスにより転送してコピーするリモートコピー処理装置に於いて、
前記装置間パスの閉塞を認識した際に、前記第1RAID装置にセッションの強制停止を指示してセッション情報を削除させるコピー元セッション開放部と、
閉塞した前記装置間パスの開通時に前記強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、前記第1RAID装置を経由した指示により前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるコピー先セッション開放部と、
を備えたことを特徴とする。(5)
【0119】
(付記8)
付記7記載のリモートコピー処理装置に於いて、前記コピー元セッション開放処理部は、
前記第1RAID装置を経由して第2RAID装置に筐体識別子の取得指示を発行し、前記第2RAID装置からセッションを確立した筐体間で通信が許可された筐体識別子を取得する筐体識別子取得部と、
前記筐体識別子取得ステップで取得した筐体識別子と前記セカンダリボリュームを指定したセッション情報の取得指示を前記第1RAID装置を経由して前記第2RAID装置に発行し、前記第2RAID装置からセッション情報を取得するセッション情報取得部と、
コピー先のセッション情報の削除指示と前記セッション情報取得ステップで取得した前記第2RAID装置のセッション情報を前記第1RAID装置を経由して前記第2RAID装置に発行し、前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるセッション情報削除部と、
を備えたことを特徴とするリモートコピー処理装置。
【0120】
(付記9)
付記8記載のリモートコピー処理装置に於いて、
前記筐体識別子取得部は、前記第2RAID装置の筐体識別子として該筐体識別子と対となるデータ長の短いエントリーナンバーを取得し、
前記セッション情報取得部は、前記エントリーナンバーと前記セカンダリボリュームを指定して前記第2RAID装置のセッション情報を取得することを特徴とするリモートコピー処理装置。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の原理説明図
【図2】本発明によるリモートコピー処理のシステム機能構成のブロック図
【図3】図1のホストのハードウェア構成のブロック図
【図4】図2のRAID装置のハードウェア構成のブロック図
【図5】図3のRAID装置の機能構成のブロック図
【図6】本発明のホストのコマンドインタフェースで提供されるコマンドリストの説明図
【図7】本発明で使用する開始コマンドの説明図
【図8】図7の開始コマンドにより転送されるセッション情報の説明図
【図9】本発明で使用するリモート筐体識別子取得コマンドの説明図
【図10】図9のリモート筐体識別子取得コマンドで取得されるリモートの有効筐体識別子情報の説明図
【図11】本発明で使用するセッション情報取得コマンドの説明図
【図12】図11のセッション情報取得コマンドでコピー先から取得されるセッション情報の説明図
【図13】図12におけるセッション詳細情報の説明図
【図14】本発明で使用する停止コマンドの説明図
【図15】図14の停止コマンドによりコピー先に転送するセッション情報の説明図
【図16】本発明による筐体間パスの閉塞を伴うリモートコピー処理のタイムチャート
【図17】図2のホストによるリモートコピー処理のフローチャート
【図18】図2の第1RAID装置によるコピー元処理のフローチャート
【図19】図2の第2RAID装置によるコピー先処理のフローチャート
【図20】コピー元RAID装置とコピー先RAID装置がそれぞれホストに接続されている場合の従来のリモートコピー処理の説明図
【図21】コピー元RAID装置がホストに接続されコピー先RAID装置がホストに接続されていない場合の従来のリモートコピー処理の説明図
【符号の説明】
【0122】
10:ホスト
12:第1RAID装置(コピー元RAID装置)
14:第2RAID装置(コピー先RAID装置)
16:ホストパス
18:筐体間パス
20:コピー処理部
22,24:コピー制御部
26:プライマリボリューム
28:セカンダリボリューム
30:リモートコピー指示部
32:コピー元セッション開放部
34:コピー先セッション開放部
36:筐体識別子取得部
38:セッション情報取得部
40:セッション情報削除部
42:コピー元処理部
44:コピー先処理部
45:ネットワーク
46,46−1,46−2:セッション情報
48−1,48−2,58,58−1,58−2:チャネルアダプタ
49,55:CPU
50−1,50−n:制御モジュール
52−1,52−2:バックグラウンドルータ
54−1〜54−4:ディスク装置
56:通信部
60:キャッシュメモリ
62−1,62−2:デバイスインタフェース
64−1,64−2:フロントルータ
66:リソース処理部
68:キャッシュ制御部
70:RAID制御部
74:コマンドリスト
76:物理情報取得コマンド
78:セッションID取得コマンド
80:開始コマンド
82:停止コマンド
84:セッション情報取得コマンド
85:削除指定
86:中断コマンド
88:再開コマンド
90:リモート筐体識別子取得コマンド
92:登録・実行指定
94−1,94−31:セッション詳細情報
95:有効筐体識別子情報
96:リモート筐体識別子
98:エントリーナンバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストに接続された第1RAID装置と、前記第1RAID装置に装置間パスを介して接続された第2RAID装置とを有し、前記ホストからのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した前記第1RAID装置のプライマリボリュームの全体又は一部のデータをコピー先として指定した記第2RAID装置のセカンダリボリュームの同一位置に前記装置間パスにより転送してコピーするリモートコピー処理方法に於いて、
前記ホストは、
前記装置間パスの閉塞を認識した際に、前記第1RAID装置にセッションの強制停止を指示してセッション情報を削除させるコピー元セッション開放ステップと、
閉塞した前記装置間パスの開通時に前記強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、前記第1RAID装置を経由した指示により前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるコピー先セッション開放ステップと、
を備えたことを特徴とするリモートコピー処理方法。
【請求項2】
請求項1記載のリモートコピー処理方法に於いて、前記コピー先セッション開放ステップは、
前記第1RAID装置を経由して第2RAID装置に筐体識別子の取得指示を発行し、前記第2RAID装置からセッションを確立した筐体間で通信が許可された筐体識別子を取得する筐体識別子取得ステップと、
前記筐体識別子取得ステップで取得した筐体識別子と前記セカンダリボリュームを指定したセッション情報の取得指示を前記第1RAID装置を経由して前記第2RAID装置に発行し、前記第2RAID装置からセッション情報を取得するセッション情報取得ステップと、
コピー先のセッション情報の削除指示と前記セッション情報取得ステップで取得した前記第2RAID装置のセッション情報を前記第1RAID装置を経由して前記第2RAID装置に発行し、前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるセッション情報削除ステップと、
を備えたことを特徴とするリモートコピー処理方法。
【請求項3】
請求項2記載のリモートコピー処理方法に於いて、
前記筐体識別子取得ステップは、前記第2RAID装置の筐体識別子として該筐体識別子と対となるデータ長の短いエントリーナンバーを取得し、
前記セッション情報取得ステップは、前記エントリーナンバーと前記セカンダリボリュームを指定して前記第2RAID装置のセッション情報を取得することを特徴とするリモートコピー処理方法。
【請求項4】
ホストに接続された第1RAID装置と、前記第1RAID装置に装置間パスを介して接続された第2RAID装置とを有し、前記ホストからのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した前記第1RAID装置のプライマリボリュームの全体又は一部のデータをコピー先として指定した前記第2RAID装置のセカンダリボリュームの同一位置に前記装置間パスにより転送してコピーするホストのコンピュータに、
前記装置間パスの閉塞を認識した際に、前記第1RAID装置にセッションの強制停止を指示してセッション情報を削除させるコピー元セッション開放ステップと、
閉塞した前記装置間パスの開通時に前記強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、前記第1RAID装置を経由した指示により前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるコピー先セッション開放ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
ホストに接続された第1RAID装置と、前記第1RAID装置に装置間パスを介して接続された第2RAID装置とを有し、前記ホストからのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した前記第1RAID装置のプライマリボリュームの全体又は一部のデータをコピー先として指定した前記第2RAID装置のセカンダリボリュームの同一位置に前記装置間パスにより転送してコピーするリモートコピー処理装置に於いて、
前記装置間パスの閉塞を認識した際に、前記第1RAID装置にセッションの強制停止を指示してセッション情報を削除させるコピー元セッション開放部と、
閉塞した前記装置間パスの開通時に前記強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、前記第1RAID装置を経由した指示により前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるコピー先セッション開放部と、
を備えたことを特徴とするリモートコピー処理装置。
【請求項1】
ホストに接続された第1RAID装置と、前記第1RAID装置に装置間パスを介して接続された第2RAID装置とを有し、前記ホストからのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した前記第1RAID装置のプライマリボリュームの全体又は一部のデータをコピー先として指定した記第2RAID装置のセカンダリボリュームの同一位置に前記装置間パスにより転送してコピーするリモートコピー処理方法に於いて、
前記ホストは、
前記装置間パスの閉塞を認識した際に、前記第1RAID装置にセッションの強制停止を指示してセッション情報を削除させるコピー元セッション開放ステップと、
閉塞した前記装置間パスの開通時に前記強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、前記第1RAID装置を経由した指示により前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるコピー先セッション開放ステップと、
を備えたことを特徴とするリモートコピー処理方法。
【請求項2】
請求項1記載のリモートコピー処理方法に於いて、前記コピー先セッション開放ステップは、
前記第1RAID装置を経由して第2RAID装置に筐体識別子の取得指示を発行し、前記第2RAID装置からセッションを確立した筐体間で通信が許可された筐体識別子を取得する筐体識別子取得ステップと、
前記筐体識別子取得ステップで取得した筐体識別子と前記セカンダリボリュームを指定したセッション情報の取得指示を前記第1RAID装置を経由して前記第2RAID装置に発行し、前記第2RAID装置からセッション情報を取得するセッション情報取得ステップと、
コピー先のセッション情報の削除指示と前記セッション情報取得ステップで取得した前記第2RAID装置のセッション情報を前記第1RAID装置を経由して前記第2RAID装置に発行し、前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるセッション情報削除ステップと、
を備えたことを特徴とするリモートコピー処理方法。
【請求項3】
請求項2記載のリモートコピー処理方法に於いて、
前記筐体識別子取得ステップは、前記第2RAID装置の筐体識別子として該筐体識別子と対となるデータ長の短いエントリーナンバーを取得し、
前記セッション情報取得ステップは、前記エントリーナンバーと前記セカンダリボリュームを指定して前記第2RAID装置のセッション情報を取得することを特徴とするリモートコピー処理方法。
【請求項4】
ホストに接続された第1RAID装置と、前記第1RAID装置に装置間パスを介して接続された第2RAID装置とを有し、前記ホストからのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した前記第1RAID装置のプライマリボリュームの全体又は一部のデータをコピー先として指定した前記第2RAID装置のセカンダリボリュームの同一位置に前記装置間パスにより転送してコピーするホストのコンピュータに、
前記装置間パスの閉塞を認識した際に、前記第1RAID装置にセッションの強制停止を指示してセッション情報を削除させるコピー元セッション開放ステップと、
閉塞した前記装置間パスの開通時に前記強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、前記第1RAID装置を経由した指示により前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるコピー先セッション開放ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
ホストに接続された第1RAID装置と、前記第1RAID装置に装置間パスを介して接続された第2RAID装置とを有し、前記ホストからのコピー指示によりセッション情報に基づいてセッションを確立し、コピー元として指定した前記第1RAID装置のプライマリボリュームの全体又は一部のデータをコピー先として指定した前記第2RAID装置のセカンダリボリュームの同一位置に前記装置間パスにより転送してコピーするリモートコピー処理装置に於いて、
前記装置間パスの閉塞を認識した際に、前記第1RAID装置にセッションの強制停止を指示してセッション情報を削除させるコピー元セッション開放部と、
閉塞した前記装置間パスの開通時に前記強制終了したセッションを起動してエラーとなった際に、前記第1RAID装置を経由した指示により前記第2RAID装置に残留しているセッション情報を削除させるコピー先セッション開放部と、
を備えたことを特徴とするリモートコピー処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2006−309506(P2006−309506A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−131312(P2005−131312)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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