説明

リモートコントロール機器及び情報通信システム

【課題】電気機器の遠隔操作を行ったことに関する情報を容易に取得可能とする。
【解決手段】制御部10は、制御コードを含む赤外線信号を赤外線通信部13から送信させた後、遠隔操作を行ったことに関する情報(「ユーザID」、遠隔操作対象の電気機器の「機器名」、「場所」、「操作内容」、遠隔操作を行ったタイミング<時刻>など)を管理装置Sに宛てて電話通信部11から発信(送信)させる。したがって、本実施形態のリモートコントロール機器(携帯端末1)によれば、何れかの電気機器Xiが遠隔操作されると、当該遠隔操作を行ったことに関する情報が自動的に発信されるので、電気機器Xiの遠隔操作を行ったことに関する情報が容易に取得できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモートコントロール機器及び情報通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のリモートコントロール機器として、特許文献1に記載されている機器制御システムの子機がある。この子機(リモートコントロール機器)は、ホームバスを介してエアコンやビデオテープレコーダなどの電気機器を制御する親機に対して、電気機器を遠隔操作するための無線信号を送信するものである。また、この子機は携帯電話機を兼ねており、携帯電話網を介して通話する機能を搭載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−251204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の従来例においては、子機を使って電気機器を遠隔操作することはできるが、その操作したことについての情報を活用することはできない。どの電気機器がいつ、どのように遠隔操作されたかといった情報(遠隔操作を行ったことに関する情報)は、リモートコントロール機器を使用する使用者に対して様々なサービスを提供する際に有益な生活情報となる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、電気機器の遠隔操作を行ったことに関する情報が容易に取得可能なリモートコントロール機器及び情報通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のリモートコントロール機器は、電気機器を遠隔操作する遠隔操作機能を有し、当該遠隔操作を行ったことに関する情報を無線通信機能により発信することを特徴とする。
【0007】
このリモートコントロール機器において、前記無線通信機能は、携帯電話網を通じて前記遠隔操作を行ったことに関する情報を発信する機能であることが好ましい。
【0008】
このリモートコントロール機器において、前記無線通信機能は、インターネットに接続されたアクセスポイントを介し、インターネット経由で前記遠隔操作を行ったことに関する情報を発信する機能であることが好ましい。
【0009】
このリモートコントロール機器において、個人認証機能を有し、当該個人認証機能によって認証された場合にのみ、前記遠隔操作機能又は無線通信機能の少なくとも何れか一方を有効とすることが好ましい。
【0010】
このリモートコントロール機器において、音声認識機能を有し、当該音声認識機能によって前記遠隔操作の対象となる電気機器及び操作内容を特定することが好ましい。
【0011】
このリモートコントロール機器において、画像を撮像する撮像機能と、当該撮像機能によって撮像される画像から前記電気機器を認識する画像認識機能とを有し、当該画像認識機能によって認識された前記電気機器を前記遠隔操作の対象とすることが好ましい。
【0012】
このリモートコントロール機器において、位置情報を取得するGPS機能と、自己の向きを検知する検知機能とを有し、前記GPS機能で取得する位置情報と前記検知機能で検知する検知情報に基づいて前記遠隔操作の対象となる電気機器を特定することが好ましい。
【0013】
このリモートコントロール機器において、画像を撮像する撮像機能と、当該撮像機能によって撮像される画像から前記電気機器の動作状態を認識する画像認識機能とを有し、当該画像認識機能によって認識された前記電気機器の動作状態を、前記遠隔操作を行ったことに関する情報として発信することが好ましい。
【0014】
このリモートコントロール機器において、音響認識機能を有し、当該音響認識機能によって前記電気機器の動作音を認識するとともに、当該音響認識機能によって認識された前記動作音から前記電気機器の動作状態を判別し、当該動作状態の判別結果を、前記遠隔操作を行ったことに関する情報として発信することが好ましい。
【0015】
また本発明の情報通信システムは、請求項1〜9の何れか1項に記載のリモートコントロール機器と、当該リモートコントロール機器との間で情報通信を行うことにより当該リモートコントロール機器から情報を取得する管理装置とを備え、前記リモートコントロール機器は、電気機器の遠隔操作に伴って、当該遠隔操作を行ったことに関する情報を前記無線通信機能により前記管理装置に送信することを特徴とする。
【0016】
この情報通信システムにおいて、前記電気機器で消費される消費電力を計測する電力計を備え、当該電力計で計測される消費電力の情報が前記管理装置に通知されることが好ましい。
【0017】
この情報通信システムにおいて、前記遠隔操作を行ったことに関する情報は、遠隔操作された電気機器の種類と遠隔操作されたタイミングの情報を含み、前記電力計は、消費電力の変化量と当該変化が生じたタイミングの情報を前記管理装置に通知してなり、前記管理装置は、前記リモートコントロール機器から受け取る前記情報のうちの遠隔操作された電気機器の種類及び遠隔操作されたタイミングと、前記電力計から受け取る前記消費電力の変化量及び当該変化が生じたタイミングとを対応させることにより、前記遠隔操作された電気機器の消費電力量を特定することが好ましい。
【0018】
この情報通信システムにおいて、前記リモートコントロール機器はマイクロホンを備え、当該マイクロホンで集音した音の情報を前記管理装置に送信し、前記管理装置は、前記音の情報から前記遠隔操作の対象となる電気機器及び操作内容を特定するとともに当該特定した情報を前記リモートコントロール機器に送信し、前記リモートコントロール機器は、前記管理装置から受信する前記情報によって前記遠隔操作の対象となる電気機器及び操作内容を特定することが好ましい。
【0019】
この情報通信システムにおいて、前記リモートコントロール機器は撮像装置を備え、当該撮像装置で撮像した画像の情報を前記管理装置に送信し、前記管理装置は、前記画像の情報から前記遠隔操作の対象となる電気機器及び操作内容を特定するとともに当該特定した情報を前記リモートコントロール機器に送信し、前記リモートコントロール機器は、前記管理装置から受信する前記情報によって前記遠隔操作の対象となる電気機器及び操作内容を特定することが好ましい。
【0020】
この情報通信システムにおいて、前記電気機器を制御する制御装置を備え、前記管理装置は、前記リモートコントロール機器から受信する前記情報に応じた制御指令を前記制御装置へ送信し、前記制御装置は、前記管理装置から受信する前記制御指令に応じて前記電気機器を制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明のリモートコントロール機器及び情報通信システムは、電気機器の遠隔操作を行ったことに関する情報が容易に取得できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(a)は本発明に係る情報通信システムの実施形態を示すシステム構成図、(bb)は本発明に係るリモートコントロール機器(携帯端末)を示すブロック図である。
【図2】同上のリモートコントロール機器に登録されているデータベースの説明図である。
【図3】本発明に係る情報通信システムの別の実施形態を示すシステム構成図である。
【図4】同上における電力制御装置のブロック図である。
【図5】(a)は同上における部屋情報リスト、(b)は機器情報リスト、(c)は部屋/機器対応リスト、(d)は電気機器のスペック表である。
【図6】同上の動作説明図である。
【図7】同上における使用履歴情報リストである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1(a)は本発明に係る情報通信システムの実施形態を示すシステム構成図、同図(b)は本発明に係るリモートコントロール機器の実施形態を示すブロック図である。但し、本実施形態では戸建て住宅H内に設置されている電気機器の制御を行う場合について例示しているが、これに限定する趣旨ではなく、集合住宅や事務所、商業施設などに設置されている電気機器を制御する場合であっても構わない。
【0024】
本実施形態の情報通信システムは、移動性、携帯性を有するリモートコントロール機器に相当する携帯端末1(但し、図示は1台のみ、また、宅内に複数台存在してもよい)と、ネットワークNWを介して携帯端末1と通信する管理装置Sとを備えている。携帯端末1は、例えばモバイルフォン、スマートフォンなどの携帯電話機や、PDA,wi−fi(登録商標)通信端末、ノートパソコンなどの情報通信端末である。携帯端末1は、住宅H内に設置されている電気機器(図示例では、照明器具X1、エアコンディショナ<エアコン>X2、テレビ受像機X3など)を遠隔操作する遠隔操作機能を有し、当該遠隔操作を行ったことに関する情報を無線通信機能により発信する。管理装置Sは、例えば管理用コンピューター、サーバなどであって、携帯端末1から発信される前記情報を受信し、受信した情報を当該携帯端末1の使用者と関連付けて管理する。そのために管理装置Sにおいては、携帯端末1の使用者に関する情報、例えば、氏名、住所、連絡先(電話番号)などの個人情報と、各使用者に割り当てられた固有の識別符号(ユーザID)とをデータベースに保存している。
【0025】
また、図1(a)に示すように住宅Hには通信機能を有する電力計WMが設置されている。この電力計WMは、住宅H内に設置されている電気機器Xiの消費電力を計測し、その計測値を電力会社のサーバ(図示せず)や管理装置Sに伝送するデータ伝送機能を有している。また、電力計WMに無線受信部(図示せず)を設けて、携帯端末1が発信する、遠隔操作を行ったことに関する情報を無線にて受信したときに、計測値を電力会社のサーバや管理装置Sに伝送するようにすることもできる。なお、このようなデータ伝送機能を有する電力計WMは一般にスマートメータと呼ばれているものである。
【0026】
管理装置Sは、ネットワーク通信機能を有する汎用のコンピュータシステムからなり、携帯端末1の使用者に関する情報と携帯端末1から送られてくる情報及び電力計WMから送られてくる情報とを対応付けてハードディスク装置などの記憶装置に記憶して管理している。なお、電力計WMからは、一定時間(例えば、数分間)毎の電力量と計測時刻などの情報が管理装置Sに通知される。
【0027】
携帯端末1は、図1(b)に示すように制御部10、電話通信部11、無線通信部12、赤外線通信部13、音声処理部14、表示部15、操作入力受付部16、撮像部17、記憶部18、位置情報取得部19を備えている。制御部10はCPU、ROMやRAMなどのメモリ、各部とのインタフェースなどを有し、メモリに格納されているプログラムを実行することで、後述する様々な機能を実現している。
【0028】
電話通信部11は、例えば、ITU(国際電気通信連合)によって定められたIMT-2000標準に準拠して、音声や映像を含む種々の情報(データ)を携帯電話網を介して送受信するものである。また無線通信部12は、例えば、IEEE(電気電子学会)によって定められたIEEE802.11規格に準拠してデータ通信を行うものである。赤外線通信部13は、赤外線を通信媒体としてデータ通信を行うものである。なお、電話通信部11および無線通信部12の無線通信技術については上述の方式に限定されない。例えば、GSM方式の携帯電話網を使ったデータ伝送技術(GPRS:General Packet Radio Service)、IEEE802.16a規格に準拠したデータ伝送通信(WiMAX(登録商標):Worldwide Interoperability for Microwave Access)、今後新しく開発されるデータ伝送技術を適用してもよい。
【0029】
音声処理部14は、マイクロホン14aから出力される音声信号をA/D変換及び符号化して制御部10に出力するとともに、制御部10から出力される音声情報を復号化し且つD/A変換してスピーカ14bに出力するものである。つまり、本実施形態の携帯端末1は電話通信部11と音声処理部14を備えることで携帯電話機の機能を実現している。
【0030】
また表示部15は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示デバイスと当該表示デバイスを駆動するドライブ回路とを有し(何れも図示せず)、制御部10から出力される画像や文字などの情報を表示するものである。操作入力受付部16は、例えば、機械式の押釦スイッチや表示部15の表示デバイスと一体に構成されたタッチパッドなどを有し、押釦スイッチやタッチパッドを使った使用者の操作入力を受け付けて制御部10に渡すものである。
【0031】
撮像部17は、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどの撮像素子と、撮像素子から出力される映像信号を信号処理して得られる映像データ(静止画像及び動画像のデータ)を制御部10に出力するものである。また記憶部18は、フラッシュメモリのように電気的に書換可能な不揮発性の半導体メモリ、着脱自在に装着されるメモリカードなどである。
【0032】
位置情報取得部19は、GPS(Global Positioning System)を利用して現在位置を測位するものであって、GPS衛星からの電波(GPS信号)を受信するアンテナ、RF回路、GPS信号を信号処理して現在位置を測位する信号処理回路、方位センサ等で構成されている。
【0033】
ここで、本実施形態の携帯端末1を用いて電気機器Xiを遠隔操作するに当たっては、遠隔操作の対象とする電気機器Xiの情報を予め携帯端末1に登録する。以下、この登録方法について説明する。
【0034】
図2は携帯端末1の記憶部18にデータベースとして記憶される登録内容の一覧表を示している。「ユーザID」は携帯端末1の使用者に割り当てられた識別符号である。「場所」は、それぞれの電気機器Xiが設置されている住宅H内の場所(例えば、リビングや子供部屋、寝室など)を示す情報である。「機器名」は使用者が付けた各電気機器Xiの名称である。「画像」は、後述するように携帯端末1の撮像部17で撮像した各電気機器Xiの画像のデータ(例えば、jpegフォーマットの静止画像データ)である。「操作内容」は各電気機器Xiにおける遠隔操作の内容に関する情報である。図2では「オン」、「オフ」、「調光」、「温度調節」、「チャンネル選択」などの各電気機器Xi毎の操作内容を文字で示しているが、それぞれの操作内容に対応した制御コードが登録されている。制御コードは、例えば、財団法人家電製品協会で規定されているリモートコントロール用の赤外線信号のフォーマットに準拠しており、各電気機器Xiの製造者や機器の種類などの情報(コード)と、オン・オフや調光率、設定温度、チャンネル番号などの制御内容に関する情報(コード)とが含まれている。
【0035】
次に、照明器具X1を例にして具体的な登録方法を説明する。まず、登録モードに移行するための操作入力が操作入力受付部16で受け付けられると、制御部10は登録モードに移行する。登録モードに移行した制御部10は、使用者に対して登録対象の電気機器を撮像するように指示するメッセージを表示部15に表示させるとともに撮像部17を起動する。このメッセージに従って使用者が登録対象の照明器具X1を撮像すると、制御部10は、撮像部17から出力される照明器具X1の静止画像データを記憶部18のデータベースにおける「画像」の項目に登録する。そして、制御部10は、登録対象の電気機器の「機器名」と「場所」を登録するように指示するメッセージを表示部15に表示させる。このメッセージに従い、使用者が操作入力受付部16の押釦スイッチやタッチパッドを操作して「照明」という「機器名」と、「リビング」という「場所」を入力すると、制御部10は、操作入力受付部16で受け付けた「照明」及び「リビング」の各文字データを記憶部18のデータベースにおける「機器名」及び「場所」の各項目にそれぞれ登録する。
【0036】
続いて、制御部10は、照明器具X1に付属している赤外線リモコンを用いて制御コードを登録するように指示するメッセージを表示部15に表示させる。ここで、電気機器Xiに付属している赤外線リモコンを用いて携帯端末1に制御コードを登録するには、当該赤外線リモコンから送信される赤外線信号を携帯端末1の赤外線通信部13に受信させればよい。すなわち、携帯端末1の制御部10では、赤外線通信部13で受信する赤外線信号のフォーマットを解析し、当該電気機器(照明器具X1)の各操作内容(オン、オフ、調光率など)に対応した制御コードを学習して記憶部18のデータベースにおける「操作内容」の各項目毎に対応付けて登録する。なお、様々な製造者及び種類毎の制御コードを携帯端末1の記憶部18に予め格納しておけば、製造者と種類を選択するだけで「操作内容」に対応した制御コードを制御部10で簡単に取得することができる。
【0037】
次に、本実施形態の携帯端末1を用いて電気機器(例えば、照明器具X1)を遠隔操作する方法について説明する。
【0038】
一つの方法は、制御部10に搭載した音声認識機能によって遠隔操作の対象となる電気機器及び操作内容を特定する方法である。まず、遠隔操作モードに移行するための操作入力が操作入力受付部16で受け付けられると、制御部10は遠隔操作モードに移行する。遠隔操作モードに移行した制御部10は、使用者に対して遠隔操作の対象とする電気機器の名称と遠隔操作の内容をマイクロホン14aに向かって発声するように指示するメッセージを表示部15に表示させる。このメッセージに従って使用者が、例えば「照明」及び「オン」と発声すると、制御部10は、マイクロホン14aで集音されて音声処理部14で音声処理された音声データに対して音声認識を行う。そして、制御部10は、音声認識機能によって認識した内容を記憶部18のデータベースにおける「機器名」と「操作内容」の項目と照合し、データベースに登録されている「照明」を「オン」するための制御コードを取得する。さらに制御部10は、取得した制御コードを含む赤外線信号を赤外線通信部13から送信させる。その結果、赤外線通信部13から送信された赤外線信号が照明器具X1で受信されて当該照明器具X1がオン(点灯)する。この方法によれば、手を使わなくても電気機器を遠隔操作することができて使い勝手がよい。
【0039】
別の方法は、制御部10に搭載した画像認識機能によって遠隔操作の対象となる電気機器を特定する方法である。遠隔操作モードにおいて、制御部10は、使用者に対して遠隔操作の対象とする電気機器を撮像部17で撮像するように指示するメッセージを表示部15に表示させる。このメッセージに従って使用者が遠隔操作の対象の照明器具X1を撮像すると、制御部10は、撮像部17から出力される照明器具X1の静止画像データに対して画像認識処理を行う。この画像認識処理は、記憶部18のデータベースの「画像」の項目に登録されている静止画像データから、予め各電気機器Xi毎のテンプレート画像を作成しておき、撮像部17から出力された静止画像データとテンプレート画像との一致・不一致を判定する、いわゆるテンプレートマッチングの処理である。画像認識処理についてはテンプレートマッチングに限らず、公知の画像解析アルゴリズムを利用した画像認識も可能である。制御部10は、画像認識機能によって遠隔操作の対象が照明器具X1であることを認識すると、記憶部18のデータベースから照明器具X1に対応する「機器名」と「場所」の項目(「照明」及び「リビング」)を取得して表示部15に表示させる。そして、使用者が押釦スイッチやタッチパッドを操作して照明器具X1に対する操作内容(例えば、「オン」)を入力すれば、当該操作入力が操作入力受付部16で受け付けられて制御部10に渡される。制御部10は、操作入力受付部16から受け取った操作入力に基づき、データベースに登録されている「照明」を「オン」するための制御コードを取得し、当該制御コードを含む赤外線信号を赤外線通信部13から送信させる。その結果、赤外線通信部13から送信された赤外線信号が照明器具X1で受信されて当該照明器具X1がオン(点灯)する。この方法によれば、画像認識した電気機器を遠隔操作することができる。
【0040】
更に別の方法は、位置情報取得部19で取得する位置情報を用いて遠隔操作の対象となる電気機器を特定する方法である。遠隔操作モードにおいて、制御部10は、使用者に対して遠隔操作の対象とする電気機器の方に携帯端末1の先端を向けるように指示するメッセージを表示部15に表示させる。このメッセージに従って使用者が携帯端末1の先端を遠隔操作の対象の照明器具X1に向けると、制御部10は、現在の携帯端末1の位置情報及び方位センサで検出される方位(携帯端末1の向き)とを位置情報取得部19から取得する。ここで、記憶部18のデータベースには各電気機器Xiの位置情報が予め登録されており、制御部10は、携帯端末1の位置及び向きの情報と各電気機器Xiの位置情報とに基づき、携帯端末1の先端が向けられている電気機器Xi(今の場合は照明器具X1)を特定する。制御部10は、遠隔操作の対象が照明器具X1であることを認識すると、記憶部18のデータベースから照明器具X1に対応する「機器名」と「場所」の項目(「照明」及び「リビング」)を取得して表示部15に表示させる。そして、使用者が押釦スイッチやタッチパッドを操作して照明器具X1に対する操作内容(例えば、「オン」)を入力すれば、当該操作入力が操作入力受付部16で受け付けられて制御部10に渡される。制御部10は、操作入力受付部16から受け取った操作入力に基づき、データベースに登録されている「照明」を「オン」するための制御コードを取得し、当該制御コードを含む赤外線信号を赤外線通信部13から送信させる。その結果、赤外線通信部13から送信された赤外線信号が照明器具X1で受信されて当該照明器具X1がオン(点灯)する。この方法によれば、携帯端末1(リモートコントロール機器)を電気機器に向けることで当該電気機器を容易に遠隔操作することができる。
【0041】
ここで、制御部10は、制御コードを含む赤外線信号を赤外線通信部13から送信させた後、遠隔操作を行ったことに関する情報(「ユーザID」、遠隔操作対象の電気機器の「機器名」、「場所」、「操作内容」、遠隔操作を行ったタイミング<時刻>など)を管理装置Sに宛てて電話通信部11から発信(送信)させる。電話通信部11から発信された情報は、ネットワーク(携帯電話網)NWを介して管理装置Sに伝送される。管理装置Sでは、受け取った情報をユーザIDと対応付けて記憶装置に記憶する。つまり、本実施形態では携帯電話機であるリモートコントロール機器(携帯機器1)を使って遠隔操作を行ったことに関する情報を発信することができる。なお、住宅H内若しくは住宅Hの近くにインターネットNWに接続されたアクセスポイント(無線LANのアクセスポイント)が存在している場合、制御部10は、管理装置S宛の情報を無線LAN信号として無線通信部12から発信させて、アクセスポイント経由でネットワーク(インターネット回線)NWを介して管理装置Sに伝送する。この場合、携帯端末1は携帯電話機であってもよいし、電話通信機能を持たない情報通信端末であってもよい。つまり、本実施形態では、無線LANに対応した無線端末であるリモートコントロール機器(携帯機器1)を使って遠隔操作を行ったことに関する情報を発信することもできる。
【0042】
このように本実施形態のリモートコントロール機器(携帯端末1)によれば、何れかの電気機器Xiが遠隔操作されると、当該遠隔操作を行ったことに関する情報が自動的に発信されるので、電気機器Xiの遠隔操作を行ったことに関する情報が容易に取得できるという利点がある。遠隔操作を行ったことに関する情報は、電気機器の遠隔操作が行われるたびに携帯端末1が発信してもよいし、電気機器の遠隔操作が行われるたびに発信するのではなく、携帯端末1の記憶部18に一旦蓄積しておき、予め決められた時刻に、前回情報を発信した以降に操作された情報をまとめて発信するようにしてもよい。電気機器Xiの遠隔操作を行うことにより、どの電気機器がいつ、どのように遠隔操作されたかといった情報(遠隔操作を行ったことに関する情報)は、使用者の行動様式など生活情報として、リモートコントロール機器を使用する使用者に対して様々なサービスの提供を行なうための基礎情報にできる。
【0043】
また管理装置Sにおいては、携帯端末1から受け取る情報のうちの遠隔操作された電気機器Xiの種類及び遠隔操作されたタイミング(時刻)と、電力計WMから受け取る電力量(消費電力)の変化量及び変化が生じたタイミング(時刻)とを対応させることにより、前記遠隔操作された電気機器Xiの消費電力量を特定する。上述の例であれば、管理装置Sでは、照明器具X1がオンされたときの前後における電力量の変化量を照明器具X1の消費電力とみなし、その消費電力の情報もユーザID及び電気機器Xiの種類と対応付けて記憶装置に記憶する。上述のように本実施形態の管理装置Sでは、電力計WMで計測される電力量によって宅内の電気機器Xiの消費電力の情報を取得して管理することができる。
【0044】
ところで、携帯端末1に個人認証機能を搭載し、個人認証機能によって認証された場合にのみ、遠隔操作機能又は無線通信機能の少なくとも何れか一方を有効とすることが好ましい。例えば、携帯端末1の使用者の声(声紋)を予め記憶部18に登録しておき、遠隔操作モードに移行する際に声紋認証によって本人確認(個人認証)を行えばよい。具体的には、制御部10が特定のキーワードを発声するように指示するメッセージを表示部15に表示させた後、マイクロホン14aで集音される音声データを分析して登録されている本人の声紋と一致するか否かを判定すればよい。また、個人認証の方法は声紋に限定されるものではなく、例えば、撮像部7で撮像する虹彩を利用する方法や、携帯端末1に搭載した小型のスキャナで取り込んだ指紋を利用する方法などであっても構わない。このように携帯端末1に個人認証機能を搭載すれば、電気機器が不用意に誤操作される可能性が減少するという利点がある。
【0045】
本発明に係るリモートコントロール機器は、上述した携帯端末1に限らず、宅内の部屋の壁等に固定設置した固定端末であってもよい。よって、本明細書の「携帯端末1」を全て「固定端末」と読み替えてもよい。
【0046】
上述のデータベースは、携帯端末1に保持するに限らず、管理装置Sに保持してもよい。この場合、携帯端末1の操作入力受付部16からの操作入力情報や、位置情報取得部19の位置情報・方位情報を、管理装置Sに発信して、管理装置Sではデータベースにて照合処理を行い、処理結果を携帯端末1に返信して、携帯端末1が所定の動作をする。
【0047】
上述の音声認識機能や画像認識機能に関する処理も、管理装置Sにて行なうようにしてもよい。この場合、携帯端末1のマイクロホン14aからの入力音や、撮像部17の撮像した画像を、管理装置Sに発信して、管理装置Sで上述の音声認識処理や画像認識処理を行い、処理結果を携帯端末1に返信して、携帯端末1が所定の動作をする。このようにすれば、携帯端末1の制御部10の処理負荷を軽減することができる。
【0048】
上述の音声認識機能(音響認識機能)を利用すれば、遠隔操作した電気機器Xiが正常に制御できたかを管理装置Sに発信することができる。上述の音声認識機能(音響認識機能)は、例えば高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)技術により入力音の特徴分析をすることができる。この場合、携帯端末1の遠隔操作を操作入力受付部16で検知した後、マイクロホン14aを起動して、マイクロホン14aの入力音の特徴分析をし、前記データベースとの照合を行なうことで、電気機器Xiの稼動音を特定できる。つまり遠隔操作の操作対象となっているエアコンX2など音を出す電気機器Xiが稼動したか否かが携帯端末1にて把握でき、遠隔操作を行ったことに関する情報とともに電気機器Xiの操作結果を管理装置Sに発信することができる。このようにすれば、電気機器Xiが実際に正しく(意図通りに)遠隔操作されたか否かを管理装置Sで管理することができる。
【0049】
上述の撮像部17を利用して、遠隔操作した電気機器が正常に制御できたかを管理装置Sに発信することができる。この場合、携帯端末1の遠隔操作を操作入力受付部16で検知した後、撮像部17を起動して、上述の撮像部17の撮像した画像の輝度を、制御部10にて検出して、輝度が所定値以上であれば照明器具X1が点灯している、輝度が所定値以下であれば照明器具X1が消灯していることがわかる。つまり遠隔操作の操作対象となっている照明器具X1が点灯または消灯したかが携帯端末1にて把握でき、遠隔操作を行ったことに関する情報とともに電気機器Xiの操作結果を管理装置Sに発信することができる。このようにすれば、電気機器Xiが実際に正しく(意図通りに)遠隔操作されたか否かを管理装置Sで管理することができる。
【0050】
上述の位置情報取得部19を利用して、携帯端末1の存在する部屋を特定することができる。この場合、前記データベースに、「場所」として部屋の位置情報を予め登録しておく。そして、位置情報取得部19にて携帯端末1の位置情報を取得し、当該位置情報を管理装置Sに発信して、管理装置Sではデータベースの部屋の位置情報と照合し、携帯端末1の存在する部屋の位置を特定することができる。管理装置Sは宅内の制御装置に制御指令信号を送信し、制御装置は、制御指令信号の内容に従い、携帯端末1の存在する部屋の電気機器を稼動させたり、携帯端末1の存在する部屋以外の部屋の電気機器を停止させる制御を行う。
【0051】
以下、上述したように管理装置Sからの制御指令信号に応じて宅内の電気機器Xiを制御する制御装置(電力制御装置3)を含む情報通信システムについて、図3〜図7を参照して説明する。
【0052】
このシステムは、図3に示すように住宅Hで使用される複数の電気機器X1〜X6と、これら複数の電気機器Xiの動作を制御する電力制御装置3と、リモートコントロール機器(携帯端末1)と、人感センサ4と、発電装置PSと、電力計(スマートメータ)WMと、管理装置Sとを有している。
【0053】
発電装置PSは、例えば、太陽電池並びに太陽光発電用のパワーコンディショナや、燃料電池及び燃料電池用のパワーコンディショナなどで構成され、電力制御装置3を介して宅内へ電気エネルギ(電力)を供給している。
【0054】
住宅Hには、リビング、客間、寝室、台所などの部屋があり、それぞれの部屋に電気機器Xiが設置されている。例えば、リビングにはエアコンX1とテレビ受像機X2と床暖房装置X3とが設置され、客間及び寝室にはエアコンX4,X5がそれぞれ設置され、台所には冷蔵庫X6が設置されている。但し、それぞれの部屋に設置される電気機器Xiは一例であって、電気機器Xiの種類や台数をこれらに限定する趣旨ではない。
【0055】
ここで、電気機器Xiには、電力制御装置3との間で制御信号を伝送するための情報伝送手段が搭載されている。このような情報伝送手段としては、例えば、ツイストペアケーブル(LANケーブル)を通信媒体とする有線LAN(100BASE-TXなど)や電力供給用の給電線(電源ケーブル)を通信媒体とする電力線搬送通信(PLC)、あるいは電波を通信媒体とする種々の無線通信(無線LANやブルートゥースなど)や赤外光又は可視光を通信媒体とする光通信などを利用した通信デバイス(LANコントローラやPLCモデムなど)があり、本実施形態では、それぞれの電気機器XiにLANコントローラが搭載されている。
【0056】
人感センサ4は焦電素子を用いて人体から放射される熱線を検知する焦電式の人感センサ、あるいは超音波マイクロホンを用いて移動体(人)に反射する超音波を受波する超音波ドップラ式の人感センサ、若しくは電波を放射し移動体(人)に反射する電波を受信する電波ドップラ式の人感センサと、上述した通信デバイス(LANコントローラ)とで構成され、人の検出結果を通信デバイスより電力制御装置3へ伝送する。
【0057】
電力制御装置3は、図4に示すように制御ブロック30と、半導体メモリや磁気ディスクなどの記憶媒体にデータを記憶する記憶部31と、電気機器Xi並びに人感センサ4、携帯端末1が有する通信デバイスとの間でデータ通信を行う宅内通信部32と、電話回線や光ファイバ回線若しくはCATV回線を介してインターネットNWに接続しインターネットNWを通して管理装置Sとデータ通信を行うネットワーク通信部33とを具備している。また、制御ブロック30は、宅内通信部32を通して電気機器Xi並びに人感センサ4と通信することで各電気機器Xiの状態(運転/停止や設定温度)並びに各部屋における人の滞在状況を常時監視する情報監視部30Aと、管理装置Sから送られてくる制御指令に応じた制御を実行する制御実行部30Bとを有している。但し、情報監視部30Aと制御実行部30Bとは、制御ブロック30を構成するCPUが記憶部31に記憶しているプログラムを実行することによって実現されるものである。なお、詳しい説明は省略するが、電力制御装置3の制御ブロック30では、宅内通信部32によるデータ通信を利用して発電装置PSに制御コマンドを送信し、発電装置PSにおける発電量の制御も行うことができる。
【0058】
ここで、通信デバイスを搭載する電気機器Xi並びに人感センサ4、宅内通信部32を具備する電力制御装置3並びに携帯端末1には、データ通信における固有のアドレス(例えば、プライベートIPアドレス)が割り当てられている。さらに、携帯端末1と電力制御装置3と管理装置Sには、ネットワーク通信部33によりインターネットNWを通してデータ通信するためのアドレス(グローバルIPアドレス)がそれぞれ割り当てられている。すなわち、電力制御装置3と電気機器Xi並びに人感センサ4、携帯端末1との間では、宛先アドレス及び送信元アドレスにプライベートIPアドレスを指定したパケットが伝送され、当該パケットによって種々の情報が送受される。同様に、携帯端末1及び電力制御装置3と管理装置Sとの間では、宛先アドレス及び送信元アドレスにグローバルIPアドレスを指定したパケットが伝送され、当該パケットによって種々の情報が送受される。
【0059】
ところで、管理装置Sでは、図5(a)に示すような宅内の部屋に関する情報のリスト(部屋情報リスト)を記憶している。すなわち、本実施形態における住宅Hの場合、部屋番号1のリビングは広さが6畳、部屋の形式(床の材質)がフローリング、部屋の設置位置が宅内の南側であり、部屋番号2の台所は広さが6畳、部屋の形式がフローリング、部屋の設置位置が宅内の南東側であり、部屋番号3の客間は広さが6畳、部屋の形式が和室(畳)、部屋の設置位置が宅内の北側である。尚、これらの情報(データ)は、住人が携帯端末1の操作入力受付部16を操作することで入力され、携帯端末1から管理装置Sへ伝送される。
【0060】
また管理装置Sは、電気機器Xiに関する情報のリスト(機器情報リスト)も記憶している。この機器情報リストでは、図5(b)に示すように電気機器Xiにそれぞれ固有の機器番号、機器名称が割り当てられ、各電気機器Xiの型番と現在の状態(稼働中又は停止中)が対応付けられている。電力制御装置3の制御ブロック30(情報監視部30A)は、宅内通信部32により定期的に全ての電気機器Xiに対して動作状態の確認を行って管理装置Sに通知する。そして、管理装置Sは電力制御装置3から通知される動作状態の確認結果によって、機器情報リストの「現在の状態」を更新している。なお、機器番号と機器名称と型番については、住人が携帯端末1の操作入力受付部16を操作することで入力され、携帯端末1から管理装置Sへ伝送されて機器情報リストに書き込まれる。
【0061】
さらに管理装置Sには、宅内の部屋とそれぞれの部屋に設置される電気機器Xi、さらに、消費電力量が上限値(後述する)を超えたときに各電気機器Xiに行わせる動作(ピークカット実運用動作)の対応関係を示す情報のリスト(部屋/機器対応リスト)が記憶されている。この部屋/機器対応リストでは、図5(c)に示すように部屋番号1のリビングに対してエアコンX1とTV受像機X2と床暖房装置X3が対応付けられ、部屋番号2の台所に対して冷蔵庫X6が対応付けられ、部屋番号3の客間に対してエアコンX4が対応付けられている。なお、これらの対応付けは住人が携帯端末1の操作入力受付部16を操作することで行われる。また、図5(c)に示すように各電気機器Xiのピークカット実運用動作として、エアコンX1並びに床暖房装置X3には各々「設定温度調整」が対応付けられ、エアコンX4には「OFF(停止)」が対応付けられているが、TV受像機X2と冷蔵庫X6については「操作対象外」、つまり、消費電力量が上限値を超えた場合でも動作状態が変更されないように対応付けられている。なお、管理装置Sには、図5(d)に示す電気機器のスペック(機器種別、型番、定格電力、ピークカットの際の基本動作など)に関する情報が一覧形式(スペック表と呼ぶ。)で記憶されており、当該スペック表の情報に基づいて、消費電力量が上限値を下回るように電気機器Xiの動作を制御するピークカット制御が行われる。ここで、部屋/機器対応リストにおけるピークカット実運用動作の内容は、原則としてスペック表のピークカット基本動作が適用されるが、住人が携帯端末1の操作入力受付部16を操作することで設定することも可能である。
【0062】
ここで、管理装置Sでは、部屋/機器対応リストに基づいて各部屋に設置されている電気機器Xiをグルーピングして、その部屋の快適感を損なわずに省電力化が図れる最適な電力制御内容を決定する。例えば、リビングに設置されている電気機器Xiのうちで暖房を行う電気機器(エアコンX1と床暖房装置X3)が同じグループにグルーピングされ、エアコンX1又は床暖房装置X3を単独で動作(運転)させる場合よりも早く且つ効率的に部屋(リビング)を暖めつつ省電力化を図るような電力制御が行われる。
【0063】
例えば、室温並びに床温が10℃の状況で暖房を開始する場合、管理装置Sが同じグループのエアコンX1と床暖房装置X3を連係して動作(運転)させる制御内容を選択して電力制御装置3に制御指令信号を送信し、電力制御装置3の制御実行部30Cが当該制御内容を実行すると、図6に実線イ,ロで示すように暖房時の快適な室温範囲(18℃〜23℃)並びに床温範囲(25℃〜32℃)まで暖めるのに要する時間は約20分で済む。一方、床暖房装置X3のみを動作(運転)させた場合、図6に破線ハ,ニで示すように暖房時の快適な室温範囲並びに床温範囲まで暖めるのにおよそ7倍の145分ほどを要してしまう。従って、床暖房装置X3を単独で動作(運転)するよりも、エアコンX1と床暖房装置X3を連係して動作(運転)することにより、暖房時の快適室温範囲に達するまでの時間が大幅に短縮されるので、快適室温範囲に達した後はエアコンX1や床暖房装置X3を間欠的に停止したり、あるいはエアコンX1や床暖房装置X3の設定温度を下げるなどの制御を行うことによって、早く且つ効率的に部屋(リビング)を暖めつつ省電力化を図ることができる。
【0064】
また、グルーピングにおいては冷蔵庫X6のように常時動作(運転)させ続ける必要がある電気機器を同じグループにグルーピングすることもある。さらに同じ部屋に設置されている電気機器Xiだけでなく、別の部屋に設置されている電気機器Xi、例えば、リビングと客間に設置されている2台のエアコンX1,X4をグルーピングし、これら2台のエアコンX1,X4を連係して動作(運転)させることで宅内全体の快適性を維持しつつ省電力化を図ることもできる。あるいは、照明器具などは日中に停止(消灯)しても差し支えないことが多いと考えられるので、日中は常に停止するように制御される電気機器Xiをグルーピングすることも可能である。なお、上述のような種々のグルーピングは、携帯端末1を用いて利用者(住人)が手動で行うことが可能である。
【0065】
ここで、管理装置Sでは、グルーピングの状態(同じグループに属する電気機器Xiの種類や台数など。以下同じ。)に応じて制御内容を変更している。例えば、冷房時(あるいは暖房時)において、ある部屋についてグルーピングされた電気機器Xiがエアコンのみであった場合、人の温冷感を基にした制御内容を選択し、帰宅直後には相対的に低い温度設定(暖房時は相対的に高い温度設定)でエアコンを動作(運転)させて徐々に設定温度を高く(暖房時は低く)するような制御を行う。あるいは、客間のエアコンX4が人感センサ42とグルーピングされた場合、上記温冷感に基づく制御内容に加えて、人感センサ42によって客間の人の存在が30分以上検出されなかったときには運転中のエアコンX4を停止するような制御を行う。但し、就寝前に寝室の温度を快適な温度に冷やしておきたいような場合には、携帯端末1を用いて人感センサ43で人の存在が30分以上検出されないときでもエアコン35を停止しないように設定することも可能である。この場合、戻し忘れ防止の機能の有効/無効についても同時に携帯端末1を用いて設定できるようにしておくことが望ましい。この戻し忘れ防止機能とは、人感センサ4で人の存在が30分以上検出されないときに電気機器Xi(例えば、エアコン)を停止するという基本の制御内容に対して、上述のように人感センサ4で人の存在が30分以上検出されないときでも電気機器Xiを停止しないという制御内容に変更された場合において、変更から所定期間(例えば、1日)が経過したときに管理装置Sが電力制御装置3を通じて変更前の基本の制御内容に自動的に復帰させる機能である。
【0066】
さらに、電気機器Xiとして同じ部屋にエアコンと電動ブラインド装置が設置されている場合、このエアコンと電動ブラインド装置をグルーピングし、晴天の日中にエアコンを冷房運転する際にエアコンと連係して電動ブラインド装置を制御し、窓から部屋に差し込む日光を遮るようにすれば、部屋の温度を効率的且つ早く下げることができる。また、晴天の日中にエアコンを暖房運転する際にエアコンと連係して電動ブラインド装置を制御し、窓から部屋に日光が差し込むようにすれば、部屋の温度を効率的且つ早く上げることができる。
【0067】
ところで、管理装置Sでは、携帯端末1から発信される情報(遠隔操作を行ったことに関する情報)や電力制御装置3から伝送される機器情報に基づいて、個々の電気機器Xiが使用された時間や頻度などの使用履歴情報を取得しており、当該使用履歴情報に基づいて電気機器Xiの制御内容を選択(変更)するようにしている。例えば、リビングに設置されているエアコンX1とTV受像機X2の使用履歴情報は、エアコンX1が運転開始(ON)又は停止(OFF)された時刻並びに運転開始時の設定温度や、TV受像機X2がON又はOFFされた時刻であって、それぞれエアコンX1並びにTV受像機X2の通信デバイスから電力制御装置3の宅内通信部32へ伝送され、さらに電力制御装置3から管理装置Sへ転送される。管理装置Sでは、電力制御装置3から転送された使用履歴情報を使用履歴情報リストに書き込む(図7参照)。
【0068】
図7の使用履歴情報によると、リビングに設置されているエアコンX1は毎朝6時頃に24℃の温度設定で運転開始されていることが判るが、このように起床時の設定温度を24℃というような低い値に設定している理由は起床時の部屋の温度(気温)が高く、暑いと感じていると考えられる。したがって、管理装置Sに指示された電力制御装置3が、例えば、この運転開始時刻の30分前(5時30分頃)に26℃の温度設定でエアコンX1の運転を開始しておけば、住人が起床したときには部屋の温度(気温)が下がっているために暑いと感じ難くなり、24℃で運転を開始して急速に冷房する場合と比較してエアコンX1の消費電力を低減し、省電力化を図ることができる。また、部屋の温度が26℃に達した後、管理装置Sに指示された電力制御装置3がエアコンX1の設定温度を徐々に高くして28℃まで上げてやれば、さらに省電力化を図ることができる。
【0069】
また、図7の使用履歴情報によると、リビングに設置されているエアコンX1は毎朝7時半頃に停止されていることが判るので、管理装置Sに指示された電力制御装置3が、例えば、この停止時刻の30分前(7時頃)にエアコンX1を停止あるいは設定温度を高くする制御を実行することにより、部屋に残る冷気だけで快適性を保つようにして省電力化を図ることを提案するメッセージを携帯端末1の表示部15に表示させ、この表示を見た住人によって携帯端末1の操作入力受付部16に前記提案を承諾する操作入力が受け付けられた場合に上述した制御内容を実行するようにしても構わない。なお、住人が承諾の操作入力を入力する際、エアコンX1の停止時刻や設定温度を携帯端末1の操作入力受付部16で受け付けて管理装置Sに発信し、管理装置Sが当該停止時刻や設定温度を変更すれば、より柔軟に対応することができる。
【0070】
ところで、制御ブロック30の情報監視部30Aは、宅内通信部32により定期的に全ての電気機器Xiに対して動作状態の確認を行っているので、各電気機器Xiの故障を検出して管理装置Sに知らせることができる。そして、電気機器Xiの故障が検出された場合、管理装置Sは当該故障した電気機器Xiが属するグループのグルーピングを解除する。例えば、既に説明したようにリビングに設置されているエアコンX1の故障が検出された場合、管理装置SはエアコンX1と床暖房装置X3のグルーピングを解除して床暖房装置X3のみを動作させる制御内容に変更する。さらに、故障したエアコンX1が新しいエアコンに交換された場合において、管理装置Sは、機器情報リストのエアコンX1に関する情報(型番)が携帯端末1を利用して更新されると、当該型番のエアコンに関する情報、例えば、出力や運転モードの種類(最大出力を抑える省電力モードの有無など)といった情報を取得する。そして、例えば、変更後のエアコンが変更前のエアコンよりも出力が大きい場合、管理装置Sではエアコンの立ち上がりからの運転時間を相対的に短くするように制御内容を変更する。
【0071】
また、冷房や暖房に対する快適感は住人の年齢や性質(暑がり、寒がりなど)と関連があり、例えば、暑がりでない住人には快適な温度設定であっても暑がりの住人には快適でない場合がある。そこで、上述のような環境に関する住人の情報(年齢や暑がり、寒がりといった性質)を管理装置Sに記憶しておき、それぞれの部屋に主として滞在する住人の情報に基づいた適切な温度設定、例えば、冷房時には暑がりの住人に合わせて設定温度を若干低くしたり、暖房時には寒がりの住人に合わせて設定温度を若干高くした制御内容を選択すればよい。ここで、使用履歴情報に基づき、例えば、エアコンの設定温度が頻繁に変更される場合や反対に設定温度が殆ど変更されない場合には、それぞれのエアコンの設定温度の変更頻度に基づいて当該エアコンが設置されている部屋に主に滞在している住人の暑がり、寒がりといった性質を制御ブロック30で自動的に判定することも可能である。なお、数時間(例えば、3時間)毎に主として滞在する住人を選択できるようにすれば、より柔軟な対応が可能である。
【0072】
ところで、電力計WM(スマートメータ)は、電力会社の電力系統ACから住宅Hへ供給される系統電力を計測するとともに電力会社との間でデータ通信を行う機能を有している。この電力計WMは、電力会社から受け取る制御コマンドに応じて宅内の電気機器Xiを直接制御することはなく、電力会社から受け取った制御コマンドを管理装置Sへ中継している。
【0073】
管理装置Sでは、電力計WMを中継して電力会社から受け取る制御コマンドに応じて、以下の(1)〜(3)のような制御内容の電力制御を行う。
【0074】
(1)消費電力量を減らすだけで済む場合
電力会社から受け取った制御コマンドがエアコンの冷房運転の設定温度を1℃上げるものであった場合、管理装置Sでは、エアコンX1,X4,X5の設定温度を1℃上げるのと同程度の消費電力量が削減可能な電気機器Xiを検索し、そのような電気機器Xiがあれば、エアコンX1,X4,X5の設定温度を1℃上げる代わりに、電力制御装置3により前記他の電気機器Xiを制御して住宅H全体の消費電力量を削減すれば、快適性を損なわずに済む。
【0075】
(2)強制的に制御コマンドの実行が必要な場合
電力会社から受け取った制御コマンドが強制的に消費電力量を下げるものであった場合、管理装置Sでは、停止不可のグループにグルーピングされている電気機器Xi(例えば、冷蔵庫X6)以外の電気機器Xiを制御して住宅H全体の消費電力量を削減する。但し、制御コマンドがエアコンの冷房運転の設定温度を1℃上げるものであった場合には、当該制御コマンドに従って管理装置Sは設定温度を1℃上げるようにエアコンX1,X4,X5を制御する。
【0076】
(3)電力会社との交渉で決定する場合
電力会社から受け取った制御コマンドが、当該住宅Hを含む地域全体での消費電力量の削減を要望するものであった場合、消費電力が削減可能な内容(例えば、冷房や照明、TV視聴など)と消費電力の削減量のシミュレーション結果を管理装置Sから電力計WMを介して電力会社のサーバに送信する。そして、電力会社のサーバでは管理装置Sから受け取った消費電力の削減量に基づいて当該地域全体での消費電力量の削減目標が達成可能か否かの判断結果を電力計WMを介して管理装置Sに返信する。管理装置Sでは、電力会社のサーバから受け取る判断結果に基づき、削減目標が達成可能であればシミュレーション通りに電力制御装置3を介して電気機器Xiを制御し、削減目標が達成不可能であれば再度シミュレーションを行ってその結果を電力計WMを介して電力会社のサーバに送信する。但し、電力計WMを介した通信の頻度を少なくするため、最初から複数通りのシミュレーションを行って管理装置Sから電力会社のサーバへ同時に複数通りシミュレーション結果を伝送するようにしても構わない。
【0077】
ところで、管理装置Sでは電力計WMからから受け取った消費電力の計測値を時刻とともに記憶している。したがって、管理装置Sから携帯端末1へ消費電力量の計測値を伝送し、携帯端末1の表示部15に任意の時刻(例えば、1年前の同日や昨日など)における消費電力量を表示することができる。さらに、携帯端末1の操作入力受付部16で消費電力量の上限値を設定する操作入力が受け付けられると、当該上限値のデータが携帯端末1から管理装置Sへ伝送される。そして、管理装置Sは、電力計WMの計測値と電気機器Xiの動作状態に基づいて消費電力量が前記上限値を超える虞があると判断すれば、消費電力量が上限値を超えないように制御内容を変更するとともに携帯端末1の表示部15に警告を表示させる。例えば、複数台のエアコンX1,X4,X5が冷房運転している状況において、エアコンX1の設定温度が住人によって低い値に変更された場合、管理装置Sは、他のエアコンX4,X5の設定温度を高い値に変更することで消費電力量の増大を抑制するような制御内容を選択する。このとき、人感センサ42,43で人の存在が検出されない部屋のエアコンX4,X5については人の存在が検出されている部屋のエアコンよりも設定温度を高くしたり、あるいは、運転中のエアコンX1,X4,X5をローテーションで強く運転するような制御内容を選択しても構わない。但し、消費電力量が上限値を超えないような制御を行う場合、冷蔵庫X6のように常時運転が必要な電気機器や、高齢者若しくは乳幼児が滞在している部屋のエアコンのように設定温度を変更したくない電気機器については、予めグルーピングしておくことで消費電力量抑制の制御対象から除外しておくことが望ましい。また、使用履歴情報に基づいて管理装置Sが使用頻度の低い電気機器(例えば、廊下や階段に設置されている照明器具など)を選出しておき、消費電力量が上限値を超える虞があるときにこれら使用頻度の低い電気機器を優先的に停止させるようにしても構わない。
【0078】
ところで、電気製品(特に、エアコン)の消費電力は、通常、新しい製品ほど少なくなる。そこで、最新機種のエアコンに関する情報(消費電力)を管理装置Sに所持しておき、エアコンX1,X4,X5の1日又は1ヶ月の使用履歴情報をインターネットNWを通して電力制御装置3から取得し、取得した使用履歴情報と最新機種のエアコンに関する情報に基づき、当該最新機種のエアコンを使用履歴情報に従って動作させたときの消費電力を管理装置Sでシミュレートする。そして、管理装置Sによるシュミレート結果(消費電力量)を携帯端末1の表示部15に表示させれば、省電力効果の大きい新機種のエアコンへの買い換えを住人に促すことができる。但し、シュミレート結果には消費電力量だけでなく電力料金などのコストに関する情報を含めても構わない。さらに、新機種のエアコンが購入可能なショッピングサイトのURLを管理装置Sから携帯端末1に伝送し、携帯端末1の制御部10に実装されているウェブブラウザで当該URLのウェブページを表示部15に表示させるようにしてもよい。
【0079】
ここで、管理装置Sでは多数の住宅から消費電力量の計測値を取得することができるので、同じ型番のエアコンの消費電力のデータを収集して統計値(平均値や分散、標準偏差など)を求めておき、何れかの住宅Hから取得した消費電力量の計測値が統計値に基づいて設定される正常範囲から外れるときに故障や使用方法の誤りなどの警告を当該住宅Hの携帯端末1へ伝送して表示部15に当該警告を表示させれば、このような状態(故障や誤った使用状態)の是正を促して省電力化を図ることができる。
【0080】
ところで、電気機器にはそれぞれの種類毎に標準的な耐用年数(寿命)があり、耐用年数を超えると故障率が急激に高くなるが、エアコンやTV受像機、冷蔵庫などの電気機器が突然故障すると日常生活に支障を来す虞があるので、耐用年数を超える前に寿命末期に達したことを住人に知らせることが望ましい。そのために本実施形態では、管理装置Sにおいて、個々の電気機器Xiが使用された時間や頻度などの使用履歴情報に基づいてそれぞれの電気機器Xiが寿命末期に達したか否かを判定するとともに、何れかの電気機器Xiが寿命末期に達したと判定したときに携帯端末1の表示部15に表示させて住人に報知するようにしている。ここで、冷蔵庫のように常時稼働している電気機器Xiの場合は稼働年数に基づいて寿命末期を判定し、エアコンやTV受像機のように常時稼働しない電気機器Xiの場合は累積稼働時間に基づいて寿命末期を判定すればよい。
【0081】
ここで、管理装置Sにて多数の住宅における電気機器Xiの故障発生の状況(故障したときの使用年数や累積稼働時間など)を収集するとともに住宅が存在する地域毎の統計値を演算し、例えば、海に近い地域の故障率が相対的に高いと判定すれば(一般に海の近くでは空気中に含まれる塩分による電気機器の故障が多い傾向にある。)、その地域のしきい値を低くすることが望ましい。
【0082】
上述のように携帯端末1(リモートコントロール機器)から発信される情報(電気機器Xiを遠隔操作したことに関する情報)に応じて、管理装置Sが電力制御装置3を通じて宅内の電気機器Xiを制御すれば、例えば、使用者の快適感を損なわずに宅内における電力消費の削減を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0083】
1 携帯端末(リモートコントロール機器)
X1 照明器具(電気機器)
X2 エアコン(電気機器)
X3 テレビ受像機(電気機器)
S 管理装置
NW ネットワーク
WM 電力計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器を遠隔操作する遠隔操作機能を有し、当該遠隔操作を行ったことに関する情報を無線通信機能により発信することを特徴とするリモートコントロール機器。
【請求項2】
前記無線通信機能は、携帯電話網を通じて前記遠隔操作を行ったことに関する情報を発信する機能であることを特徴とする請求項1記載のリモートコントロール機器。
【請求項3】
前記無線通信機能は、インターネットに接続されたアクセスポイントを介し、インターネット経由で前記遠隔操作を行ったことに関する情報を発信する機能であることを特徴とする請求項1又は2記載のリモートコントロール機器。
【請求項4】
個人認証機能を有し、当該個人認証機能によって認証された場合にのみ、前記遠隔操作機能又は無線通信機能の少なくとも何れか一方を有効とすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のリモートコントロール機器。
【請求項5】
音声認識機能を有し、当該音声認識機能によって前記遠隔操作の対象となる電気機器及び操作内容を特定することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のリモートコントロール機器。
【請求項6】
画像を撮像する撮像機能と、当該撮像機能によって撮像される画像から前記電気機器を認識する画像認識機能とを有し、当該画像認識機能によって認識された前記電気機器を前記遠隔操作の対象とすることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のリモートコントロール機器。
【請求項7】
位置情報を取得するGPS機能と、自己の向きを検知する検知機能とを有し、前記GPS機能で取得する位置情報と前記検知機能で検知する検知情報に基づいて前記遠隔操作の対象となる電気機器を特定することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のリモートコントロール機器。
【請求項8】
画像を撮像する撮像機能と、当該撮像機能によって撮像される画像から前記電気機器の動作状態を認識する画像認識機能とを有し、当該画像認識機能によって認識された前記電気機器の動作状態を、前記遠隔操作を行ったことに関する情報として発信することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のリモートコントロール機器。
【請求項9】
音響認識機能を有し、当該音響認識機能によって前記電気機器の動作音を認識するとともに、当該音響認識機能によって認識された前記動作音から前記電気機器の動作状態を判別し、当該動作状態の判別結果を、前記遠隔操作を行ったことに関する情報として発信することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のリモートコントロール機器。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項に記載のリモートコントロール機器と、当該リモートコントロール機器との間で情報通信を行うことにより当該リモートコントロール機器から情報を取得する管理装置とを備え、前記リモートコントロール機器は、電気機器の遠隔操作に伴って、当該遠隔操作を行ったことに関する情報を前記無線通信機能により前記管理装置に送信することを特徴とする情報通信システム。
【請求項11】
前記電気機器で消費される消費電力を計測する電力計を備え、当該電力計で計測される消費電力の情報が前記管理装置に通知されることを特徴とする請求項10記載の情報通信システム。
【請求項12】
前記遠隔操作を行ったことに関する情報は、遠隔操作された電気機器の種類と遠隔操作されたタイミングの情報を含み、前記電力計は、消費電力の変化量と当該変化が生じたタイミングの情報を前記管理装置に通知してなり、
前記管理装置は、前記リモートコントロール機器から受け取る前記情報のうちの遠隔操作された電気機器の種類及び遠隔操作されたタイミングと、前記電力計から受け取る前記消費電力の変化量及び当該変化が生じたタイミングとを対応させることにより、前記遠隔操作された電気機器の消費電力量を特定することを特徴とする請求項11記載の情報通信システム。
【請求項13】
前記リモートコントロール機器はマイクロホンを備え、当該マイクロホンで集音した音の情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記音の情報から前記遠隔操作の対象となる電気機器及び操作内容を特定するとともに当該特定した情報を前記リモートコントロール機器に送信し、
前記リモートコントロール機器は、前記管理装置から受信する前記情報によって前記遠隔操作の対象となる電気機器及び操作内容を特定することを特徴とする請求項10〜12の何れか1項に記載の情報通信システム。
【請求項14】
前記リモートコントロール機器は撮像装置を備え、当該撮像装置で撮像した画像の情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記画像の情報から前記遠隔操作の対象となる電気機器及び操作内容を特定するとともに当該特定した情報を前記リモートコントロール機器に送信し、
前記リモートコントロール機器は、前記管理装置から受信する前記情報によって前記遠隔操作の対象となる電気機器及び操作内容を特定することを特徴とする請求項10〜12の何れか1項に記載の情報通信システム。
【請求項15】
前記電気機器を制御する制御装置を備え、前記管理装置は、前記リモートコントロール機器から受信する前記情報に応じた制御指令を前記制御装置へ送信し、前記制御装置は、前記管理装置から受信する前記制御指令に応じて前記電気機器を制御することを特徴とする請求項10〜14の何れか1項に記載の情報通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−250027(P2011−250027A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119624(P2010−119624)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】