説明

レチノイドと過酸化ベンゾイルとを含む組成物

本発明は、生理学的に許容可能な媒体中に、少なくとも1種のレチノイド、分散された過酸化ベンゾイル、および少なくとも2つのカテゴリーの化合物類を含むゲル化システムを含む組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理学的に許容可能な媒体中に、少なくとも1種のレチノイド、分散した過酸化ベンゾイル、および少なくとも2つの特定のカテゴリーの化合物類を含むゲル化システムを含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかのクラスの活性成分の使用は、特に皮膚科学的疾患の治療のためにしばしば使用されている治療上のツールである。
特に、皮膚炎の治療において、コルチコステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン、ミコナゾール、またはベタメタゾンバレレートなど)、抗ヒスタミン剤(例えば、ミゾラスチン)、および/または角質溶解剤(例えば、サリチル酸)を使用することが周知である。さまざまな抗真菌剤(例えば、アリルアミン誘導体、トリアゾールなど)、抗細菌剤または抗微生物剤(例えば、抗生物質、キノロン、およびイミダゾールなど)も、皮膚科学的疾患の治療において従来組み合わされている。過酸化物、ビタミンD、およびレチノイドも、皮膚または粘膜と関連する各種の病変、特にざ瘡の局所的治療を目的として記載されている。
いくつかの局所的治療の組み合わせ(抗生物質、レチノイド、過酸化物、および亜鉛)も、活性成分の効力を増大させ、その毒性を低下させるために皮膚科学において使用されている(Cunliffe W.J., J. Dermatol. Treat., 2000, 11 (suppl. 2), pp. 513-514)。
各種の皮膚科学製品の複数回の適用は、患者にとってかなり煩わしく制限的なものであろう。
したがって、皮膚科学的病変に有効であり、良好な化粧品の使用性を与える安定な組成物を用い、かつ、単一回での適用と患者にとって快適な使用性とを可能にする、新規な治療法を得るための探求の価値が理解されるであろう。
【0003】
しかし、このような組成物の製剤化には、いくつかの問題が課される。
【0004】
第一に、過酸化ベンゾイルの有効性は、それが皮膚と接触して置かれた時のその分解と関連している。実際に、所望の効果をもたらすのは、この分解の際に生ずるフリーラジカルの酸化特性である。したがって、過酸化ベンゾイルの最適な有効性を維持するためには、使用前、即ち貯蔵の間の分解を防止することが重要である。
【0005】
しかし、過酸化ベンゾイルは不安定な化合物であり、このことがこれを最終製品に製剤化することを困難にする。
【0006】
過酸化ベンゾイルの溶解性および安定性が、エタノール、プロピレングリコール、および、ポリエチレングリコール400(PEG400)と水との各種の混合物において、Chellquistらによって研究された(Chellquist E.M.およびGorman W.G., Pharm. Res., 1992, Vol 9: 1341-1346)。過酸化ベンゾイルは、特にPEG400およびエタノール中に溶解性であることが分かった。
【0007】
この文献には更に、過酸化ベンゾイルの安定性が、製剤の化学的組成および貯蔵温度によって著しく影響されることが記載されている。過酸化ベンゾイルは非常に反応性であり、そのパーオキシド結合の不安定性に起因して、溶液中、低温で分解する。したがって、著者らは、溶液中の過酸化ベンゾイルが、溶媒のタイプとその濃度に依存して、研究された全ての溶媒において多かれ少なかれ迅速に分解すると述べている。
【0008】
過酸化ベンゾイルの分解時間は、PEG400(0.5mg/g)、エタノール、およびプロピレングリコール中で、それぞれ40℃にて1.4日間、29日間、および53日間である。このような分解は、販売を企図した製品の調製を可能にしない。
【0009】
さらに、過酸化ベンゾイルは、水およびプロピレングリコール中、懸濁状態(即ち分散形態)に置かれた場合には、90日間これらの溶媒中で貯蔵された後でも分解されず、より安定であることが知られている。こうして、溶液中において過酸化ベンゾイルが急速に不安定である問題を制限するために、分散形態で過酸化ベンゾイルを製剤化することが有利であることが分かっている。
【0010】
過酸化ベンゾイルとレチノイドとの両者を含む組成物の調製において克服すべき別の困難は、ほとんどのレチノイドが、自然酸化、可視光、および紫外光に特に感受性であること、ならびに、過酸化ベンゾイルが強力な酸化剤であるため、同一製剤中のこれらの化合物の化学的適合性により、物理的および化学的な安定性の観点から多くの問題が課されることである。
【0011】
2種のレチノイドの安定性の研究が、2つの市販の製品〔一方はレチノイド(トレチノインまたはアダパレン)を含む製品、他方は過酸化ベンゾイルに基づく製品〕を組み合わせることによって実施された(B. Martinら、Br. J. Dermatol. (1998) 139, (suupl.52), 8-11)。過酸化ベンゾイルに基づく製剤が存在すると、酸化感受性レチノイドの非常に迅速な分解が引き起こされる。すなわち、トレチノインの50%が2時間で分解し、95%が24時間で分解するとことが算出されている。レチノイドがアダパレンである組成物では、アダパレンの分解は24時間に亘り測定されなかった。
【0012】
この研究により、過酸化ベンゾイルが分解されて、徐々に最初の製品中に安息香酸を放出することによって、経時的に酸化感受性レチノイドを分解することが確認されている。一方、接触状態に置かれた二つの組成物の物理的安定性についての指標、または同じ組成物中に二つの活性成分を組み合わせることによって最終的に得られるであろう治療活性についての指標は得られていない。
【0013】
過酸化ベンゾイルの存在がゲルのタイプの組成物を化学的および物理的に不安定化することが一般的に知られていたことを考慮すると、安定なゲルのタイプの組成物を得るためにこれらの2つの活性剤を組み合わせることを促す要因は全く存在しなかった。しかし、過酸化ベンゾイルの非常に急速な分解およびレチノイドの化学分解は、それがこれらを含有する組成物の有効性を損なう以上、所望されないことは明らかである。
【0014】
さらに、最終製品、特に製薬組成物または化粧品組成物である場合の最終製品は、それぞれその製薬学的品質または化粧品の品質を保証することを可能にする的確な物理化学的基準を、その貯蔵期間を通じて維持しなければならない。これらの基準の中でも、流動学的特性が維持されることが必要である。これらは適用の際の組成物の挙動およびきめを規定するだけでなく、活性成分の放出特性[1998 SFSTP Commission Report]および活性成分が分散形態で組成物中に存在する場合の製品の均質性も規定する。
【0015】
特に、ゲルの形態の過酸化ベンゾイルおよびレチノイドの製剤は、それが皮膚にべたつき感を残すことを特に回避するため、局所的治療、例えばざ瘡の局所的治療などに有利である。
【0016】
組成物がゲルの形態である場合に、特に過酸化ベンゾイルを含む組成物を調製するために克服すべき別の困難は、過酸化ベンゾイルの分解の際に放出される安息香酸によってゲル化剤が不安定化されることである。実際に、過酸化ベンゾイルを含むこれらの組成物を製剤化するために最も一般的に使用される増粘剤は、アクリル酸ポリマー(カーボマー)である。しかし、水性ゲルタイプの組成物におけるカーボマーの使用は、過酸化ベンゾイルの化学的安定性の観点、および流動学的安定性の観点で、良好な結果を与えない。Bollingerによって記載されているように(Bollinger, Journal of Pharmaceutical Science, 1977, vol 5)、使用するカーボマー中和剤に依存して、5から20%の過酸化ベンゾイルが40℃で2ヶ月の期間の終期に失なわれることが観測されている。さらに、安息香酸の放出により、カーボマーの解重合が引き起こされ、粘度の減少がもたらされ、相分離が生ずるであろう。
過酸化ベンゾイルゲルのこの不安定性は、その有効性および化粧品品質を損なう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Cunliffe W.J., J. Dermatol. Treat., 2000, 11 (suppl2), pp. 513-514
【非特許文献2】Chellquist E.M.およびGorman W.G., Pharm. Res., 1992, Vol 9: 1341-1346
【非特許文献3】B. Martinら、Br. J. Dermatol. (1998) 139, (suupl.52), 8-11
【非特許文献4】Bollinger, Journal of Pharmaceutical Science, 1977, vol 5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、過酸化ベンゾイルとレチノイドとを含む物理的に安定なゲル化組成物を提供する必要性は未だ存在する。しかし、当業者に提案された一連の治療法の中には、同じ組成物中に過酸化ベンゾイルとレチノイドとを組み合わせることを当業者に奨励するものは全くなかった。
【課題を解決するための手段】
【0019】
しかし、出願人は、驚くべきことに、この要求を満たす組成物であって、分散した、遊離のまたはカプセル化された過酸化ベンゾイル、少なくとも1種のレチノイド、および少なくとも2つのカテゴリーの化合物類を含むゲル化システムを含む組成物を実現した。この組成物は、良好な物理的安定性を有し、換言すると長期にわたって周囲温度(20℃〜30℃)にて粘度の低下がなく、2つの活性剤(過酸化ベンゾイルおよびレチノイド)の化学的安定性が良好に維持される。特に、活性剤の分解が全くないことが、長期にわたっておよび/または周囲温度で観測された。
【発明を実施するための形態】
【0020】
したがって、本発明は、組成物、特に医薬組成物であって、生理学的に許容可能な媒体中に、
− 少なくとも1種のレチノイド;
− 過酸化ベンゾイル;および
− 少なくとも2つのカテゴリーの化合物類を含むゲル化システム
を含み、
前記カテゴリーの化合物類が、シリケート、セルロースゲル化剤、およびポリサッカライドガムから選択され、
ここで、少なくとも2種のゲル化剤が、アルミニウム/マグネシウムシリケート、キサンタンガム、およびヒドロキシプロピルセルロースから選択される場合には、前記ゲル化システムが、前記2種のゲル化剤のみからなるか、あるいは前記3種の化合物類とは異なるゲル化剤を少なくとも1種含むことを条件とする組成物に関する。
【0021】
用語「ゲル化システム」は、特に、過酸化ベンゾイルによる安息香酸の放出に起因するpH変化の影響下においても、懸濁液中でレチノイドおよび過酸化ベンゾイルを維持するために十分な粘度を組成物に与えるゲル化化合物の組合せを意味する。
【0022】
用語「生理学的に許容可能な媒体」は、皮膚、粘膜、および/または外皮に適合する媒体を意味する。
【0023】
本発明の組成物は、好ましくは、水性ゲルの形態であり、この水性ゲルは、特に標的とする病変に適合する。
【0024】
ゲルは、少なくとも1つの相を含むシステム(一般に1相または2相を含むシステム)であり、コロイド溶液が凝固して3次元ネットワークを形成することに起因して、熱力学的に安定である。より詳細には、水性ゲルは、水性相中に、コロイド状懸濁物から形成される弾性の塊を含む組成物に相当する。
【0025】
より詳細には、ゲル化システムは、少なくとも2つのカテゴリーの化合物類(本来明確に異なる化合物類)を含み、このカテゴリーの化合物類は、シリケート、セルロースゲル化剤、およびポリサッカライドガムから選択される。
【0026】
用語「シリケート」は、特に、粘土誘導体、より特に、マグネシウムシリケートおよびアルミニウムシリケートを意味する。このシリケートは、一般に、結晶性格子を有する粘土鉱物から得られる。この粘土鉱物は、製品の純度および有効性の最適化のために、水中で溶解および精製される。これらの化合物類は、特にR. T. Vanderbiltから、VEEGUM(登録商標)の名称で販売されている〔例えば、VEEGUM(登録商標)HVまたはVEEGUM(登録商標)K〕。
【0027】
シリケートの量は、広範囲に変化させることができ、特に、所望する粘度および他のゲル化剤および/または組成物中に存在する薬剤次第である。およその量として、シリケートは、本発明の組成物中に、組成物の総重量に対して0.1重量%〜10重量%の濃度、好ましくは0.1重量%〜5重量%の範囲の濃度で存在していてよい。有利には、この量は、組成物の総重量に対して0.5重量%〜2重量%、より好ましくは0.8重量%〜1.8重量%、例えば、1重量%であってよい。
【0028】
用語「セルロースゲル化剤」は、セルロースに由来する水溶性ポリマーを意味する。これらのポリマーは、水溶液中に溶解した後に、粘調な溶液から生じる水溶性エーテル(半合成セルロース)を形成する。セルロースポリマーの中でも、特に、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびヒドロキシメチルセルロースが挙げられる。好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースを用いる。これらの化合物類は、特に、Dow ChemicalからMETHOCEL(登録商標)の名称〔例えば、METHOCEL (登録商標)E4M〕、またはHerculesからNATROSOL(登録商標)の名称の下で販売されている〔例えば、NATROSOL(登録商標)250 HHX〕。
【0029】
セルロースゲル化剤の量は、広範囲に変化させることができ、特に、所望する粘度および他のゲル化剤および/または組成物中に存在する薬剤次第である。およその量として、セルロースゲル化剤は、本発明の組成物中に、組成物の総重量に対して0.1重量%〜10重量%の濃度、好ましくは0.1重量%〜5重量%の範囲の濃度で存在していてよい。有利には、この量は、組成物の総重量に対して0.5重量%〜2重量%、例えば、0.5重量%、1重量%、1.5重量%、または2重量%であってよい。
【0030】
ポリサッカライドガムは、特定の植物からの浸出から得られるいくつかの高分子量ポリサッカライドの複雑な混合物である。種々のタイプのポリサッカライドガムの中で、非限定的な例として、アラビアガム、トラガカントガム、およびキサンタンガム、ならびに、CP KelcoからXANTURAL(登録商標)の名称で販売されているもの〔例えば、XANTURAL(登録商標)180〕を挙げることができる。
【0031】
ポリサッカライドガムの量は、広範囲に変化させることができ、特に、所望する粘度および他のゲル化剤および/または組成物中に存在する薬剤次第である。およその量として、ポリサッカライドガムは、本発明の組成物中に、組成物の総重量に対して0.01重量%〜5重量%の濃度、好ましくは0.05重量%〜2重量%の範囲の濃度で存在していてよい。有利には、この量は、組成物の総重量に対して0.1重量%〜0.8重量%、例えば、0.1重量%、0.2重量%、または0.5重量%であってよい。
【0032】
ゲル化システムは、2つのカテゴリーの化合物類または3つのカテゴリーの化合物類を含んでいてよく、このカテゴリーの化合物類は、シリケート、セルロースゲル化剤、およびポリサッカライドガムから選択される。
【0033】
特定の態様では、2つのカテゴリーの化合物類を含むゲル化システムは、上述した条件を考慮して、少なくとも1種のセルロースゲル化剤(特に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロース)を、シリケートまたはキサンタンガムと組み合わせて含む。
【0034】
特定の態様では、2つのカテゴリーの化合物類を含むゲル化システムは、上述した条件を考慮して、少なくとも1種のシリケートを、ポリサッカライドガムと組み合わせて含む。
【0035】
特定の態様では、2つのカテゴリーの化合物類を含むゲル化システムは、上述した条件を考慮して、少なくとも1種のポリサッカライドガムをセルロースゲル化剤(特に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロース)と組み合わせて含む。
【0036】
ゲル化システムは、上述した条件を考慮して、少なくとも1種のシリケート、少なくとも1種のセルロースゲル化剤、および少なくとも1種のポリサッカライドガムを含んでいてもよい。3つのカテゴリーの化合物類を含むゲル化システムの中では、上述した条件を考慮して、特に、ポリサッカライドガムと、シリケートと、セルロースゲル化剤との組み合わせを挙げることができる。
【0037】
本発明の変形では、本発明の組成物は、追加的に、ポリアクリルアミドの混合物(例えば、SeppicからSIMULGEL(登録商標)の名称の下で販売されているアクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80混合物など)、ポリアクリルアミド/C13〜C14イソパラフィン/ラウレス-7混合物(例えば、SeppicからSEPIGEL 305)の名称の下で販売されているもの)、疎水性鎖に連結されたアクリル酸ポリマーのファミリー[例えば、ACULYN 44の名称の下で販売されているPEG-150/デシル/SMDIコポリマー〔構成成分として、少なくとも、150〜180モルのエチレンオキシドを有するポリエチレングリコール、デシルアルコール、およびメチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)(SMDI)を含む重縮合物〕を、プロピレングリコール(39%)および水(26%)の混合物中に35重量%など]、修飾されたでんぷんのファミリー(例えば、STRUCTURE SOLANACEの名称で販売されている修飾されたジャガイモでんぷんまたはこれらの混合物など)から特に選択されるさらなるゲル化剤を含んでいてよい。
【0038】
本発明の組成物は、少なくとも1種のレチノイドを含む。用語「レチノイド」は、RARおよび/またはRXRレセプターに結合する任意の化合物を意味する。
【0039】
好ましくは、レチノイドは、特許出願EP 0 199 636に記載されたものと同様のベンゾナフタレン型レチノイドのファミリーから選択される化合物である。特に:
6-(3-メチルフェニル)-2-ナフトエ酸およびそのメチルエステル;
6-(4-tert-ブチルフェニル)-2-ナフトエ酸およびそのメチルエステル;
6-(3-tert-ブチルフェニル)-2-ナフトエ酸およびそのメチルエステル;
6-(3,4-ジメトキシフェニル)-2-ナフトエ酸およびそのメチルエステル;
6-(p-(1-アダマンチルチオ)フェニル)-2-ナフトエ酸およびそのメチルエステル;
6-(3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル)-2-ナフトエ酸(アダパレン)およびそのメチルエステル;
6-[3-(1-アダマンチル)-4-tert-ブチルジメチルシロキシフェニル)-2-ナフトエ酸のメチルエステル;
6-[3-(1-アダマンチル)-4-ヒドロキシフェニル)-2-ナフトエ酸のメチルエステル;
6-[3-(1-アダマンチル)-4-ヒドロキシフェニル)-2-ナフトエ酸;
6-[3-(1-アダマンチル)-4-デシルオキシフェニル)-2-ナフトエ酸のメチルエステル;
6-[3-(1-アダマンチル)-4-デシルオキシフェニル) -2-ナフトエ酸;
6-[3-(1-アダマンチル)-4-ヘキシルオキシフェニル)-2-ナフトエ酸のメチルエステル;
6-[3-(1-アダマンチル)-4-ヘキシルオキシフェニル)-2-ナフトエ酸;
6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル)-4-アセトキシ-1-メチル-2-ナフトエ酸のメチルエステル;
6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル)-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-ナフトエ酸;
6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル)-4-ヒドロキシ-1-メチル-2-ナフトエ酸のメチルエステル;
6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル) -1-メチル-2-ナフトエ酸のメチルエステル;
6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル)- 1-メチル-2-ナフトエ酸;
6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル)-2-ナフタレンメタノール;
6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル)-2-ナフトエ酸のエチルアミド;
6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル)-2-ナフトエ酸のモルホリド;
6-[3-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)-2-ナフトエ酸のメチルエステル;
6-[3-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)-2-ナフトエ酸;
6-[3-(1,1-ジメチルデシル)-4-メトキシフェニル)-2-ナフトエ酸のメチルエステル;
6-[3-(1,1-ジメチルデシル)-4-メトキシフェニル)-2-ナフトエ酸
である。
【0040】
特に、アダパレンおよびその塩が好ましい。
【0041】
用語「アダパレンの塩」は、医薬品として許容可能な塩基〔特に、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水性アンモニア等)または有機塩基(例えば、リシン、アルギニン、またはN-メチルグルカミン等)〕で形成された塩を意味する。用語「アダパレンの塩」は、脂肪族アミン(例えば、ジオクチルアミンおよびステアリルアミン等)で形成された塩も意味する。
【0042】
他のレチノイドは、以下の特許または特許出願に記載されているレチノイドから選択することができる:US 4,666,941、US 4,581,380、EP 0 210 929、EP 0 232 199、EP 0 260 162、EP 0 292 348、EP 0 325 540、EP 0 359 621、EP 0 409 728、EP 0 409 740、EP 0 552 282、EP 0 584 191、EP 0 514 264、EP 0 514 269、EP 0 661 260、EP 0 661 258、EP 0 658 553、EP 0 679 628、EP 0 679 631、EP 0 679 630、EP 0 708 100、 EP 0 709 382、EP 0 722 928、EP 0 728 739、EP 0 732 328、EP 0 740 937、EP 0 776 885、EP 0 776 881、EP 0 823 903、EP 0 832 057、EP 0 832 081、 EP 0 816 352、EP 0 826 657、EP 0 874 626、EP 0 934 295、EP 0 915 823、EP 0 882 033、EP 0 850 909、EP 0 879 814、EP 0 952 974、EP 0 905 118、EP 0 947 496、WO98/56783、WO99/10322、WO99/50239、WO 99/65872。
【0043】
言うまでもなく、本発明の組成物中の2つの活性剤(過酸化ベンゾイルおよびレチノイド)の量は、選択した組合せ次第であり、したがって 特に、問題となるレチノイドおよび所望する治療の質次第である。
【0044】
好ましいレチノイド濃度は、組成物の総重量に対して0.0001重量%〜20重量%である。
【0045】
過酸化ベンゾイルは、遊離の形態で、あるいは、任意の多孔性の支持体上または支持体中に吸収された形態というカプセル化された形態で、用いることもできる。これは、多孔性の微小球からなるポリマーシステム中にカプセル化された過酸化ベンゾイル(例えば、Cardinal HealthcareからMICROSPONGES P009A Benzoyl peroxideの名称で市販されているマイクロスポンジなど)であっても良い。
【0046】
およその量として、本発明に係る組成物は、有利には、組成物の総重量に対して、0.0001重量%〜20重量%の過酸化ベンゾイルおよび0.0001重量%〜20重量%のレチノイド、好ましくは組成物の総重量に対して0.025重量%〜10重量%の過酸化ベンゾイルおよび0.001重量%〜10重量%のレチノイドを含む。
【0047】
例えば、ざ瘡を治療するための組成物において、過酸化ベンゾイルは、好ましくは、組成物の総重量に対して2重量%〜10重量%、より好ましくは2.5重量%〜5重量%の範囲の濃度で使用する。レチノイドは、このタイプの組成物中では、組成物の総重量に対して、一般的に0.05重量%〜1重量%の範囲の濃度で使用する。
【0048】
有利には、レチノイドおよび過酸化ベンゾイルの粒径は、粒子数の少なくとも80%、好ましくは粒子数の少なくとも90%が、25μm未満の直径を有し、粒子数の少なくとも99%が、100μm未満の直径を有するような粒径である。
【0049】
本発明によれば、過酸化ベンゾイルおよびレチノイドを含むゲルは、有利には、少なくとも水を含み、浸透促進剤および/または湿潤性液体界面活性剤を含んでも良い。
【0050】
本発明の組成物は、1種以上の浸透促進剤を、組成物の総重量に対して、好ましくは0.01重量%〜20重量%の範囲、より好ましくは2重量%〜6重量%の範囲の濃度で含んでよい。好ましくは2重量%、4重量%、および5重量%の量で含む。
【0051】
浸透促進剤は、一般的に、使用するパーセンテージで活性剤を溶解すべきではなく、過酸化ベンゾイルを損傷する発熱反応を引き起こすべきではなく、活性剤の満足な分散を補助すべきであり、消泡特性を有すべきである。好ましく使用される浸透促進剤としては、これらだけに限定されないが、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールジペラルゴネート、ラウログリコール、およびエトキシジグリコールなどの化合物が挙げられる。特に好ましい浸透促進剤はプロピレングリコールである。
【0052】
有利には、本発明の組成物は、1種以上の湿潤性液体界面活性剤を、好ましくは0.01重量%〜10重量%の範囲、より好ましくは0.1重量%〜2重量%の範囲の濃度で含む。湿潤力は、液体が表面に広がる傾向である。湿潤性液体界面活性剤は、好ましくは、7から12のHLB(親水性-新油性バランス)値を有する界面活性剤、または非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン化コポリマータイプおよび/またはポリオキシプロピレン化コポリマータイプなど)である。湿潤性液体界面活性剤は、本発明の組成物に、それらを加熱する必要なしに容易に取り込むことができる液体であるべきであり、本発明を制限するものではないが、とりわけ、低温製造法を可能にするものである。
好ましく使用される湿潤剤として、これらだけに限定されないが、ポロキサマーファミリーの化合物、とりわけポロキサマー124および/またはポロキサマー182を挙げることができる。
【0053】
特に好ましい湿潤性液体界面活性剤は、ポロキサマー124である。
【0054】
本組成物は、化粧品業界または製薬業界で通常使用される任意の添加剤、例えば金属イオン封鎖剤、抗酸化剤、サンスクリーン剤、防腐剤、フィラー、電解質、湿潤剤、着色料、一般的な無機または有機の酸または塩基、香料、エッセンシャルオイル、化粧品活性剤、保湿剤、ビタミン、必須脂肪酸、スフィンゴリピド、自己日焼け化合物(例えば、DHA)、および皮膚のための鎮静剤および保護剤(例えば、アラントインなど)をさらに含むことができる。
【0055】
言うまでもなく、当業者は、本発明に係る組成物の有利な特性が、悪影響を受けないかまたは実質的に悪影響を受けないように注意を払って、これらの更なる化合物および/またはその量を選択するであろう。
【0056】
これらの添加剤は、組成物中に、組成物の総重量に対して0.001重量%〜20重量%の量で存在して良い。
【0057】
金属イオン封鎖剤の例として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその誘導体またはその塩、ジヒドロキシエチルグリシン、クエン酸、ならびに酒石酸、またはこれらの混合物が挙げられる。防腐剤の例として、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、ジアゾリジニルウレア、およびパラベン、またはこれらの混合物が挙げられる。湿潤剤の例として、グリセロールおよびソルビトールが挙げられる。
【0058】
特に、本発明は、皮膚、外皮、または粘膜への局所適用のための水性ゲルの形態の製薬または化粧品組成物であって、皮膚、外皮、または粘膜への局所適用に適合可能な生理学的に許容可能な媒体中に、
− 20〜90%の水;
− 0〜10%、好ましくは0〜2%、特に0〜0.5%の湿潤性液体界面活性剤;
− 0〜20%、好ましくは0〜10%、特に2〜5%の浸透促進剤;
− 0.0001〜20%、好ましくは0.025〜10%の過酸化ベンゾイル;
− 0.0001〜20%、好ましくは0.001〜10%のレチノイド;および
− 0.11〜25%の上述したゲル化システム
を含む(重量パーセンテージで表す)活性相を含むことを特徴とする組成物に関する。
【0059】
本発明の組成物の水性相は、水、フローラルウォーター(例えば、コンーンフラワー水)、または天然水もしくは天然のミネラルウォーター(例えば、Vittelからの水、Vichy basinからの水、Uriageからの水、la Roche Posayからの水、la Bourbouleからの水、Enghien-les-Bainsからの水、Saint Gervais-les-Bainsからの水、Neris-les-Bainsからの水、Allervard-les-Bainsからの水、Digneからの水、Maizeiresからの水、Neyrac-les-Bainsからの水、Lons-le-Saunierからの水、Bonnesからの水、Rochefortからの水、Saint Christauからの水、Furnadesからの水、および、Tercis-les-Bainsからの水、Aveneからの水、またはAix les Bainsからの水など)である。
【0060】
前記水性相は、組成物の総重量に対して10重量%〜90重量%の量で存在していてよく、好ましくは20重量%〜85重量%の量で存在していてよい。
【0061】
本発明の好ましい組成物は、水中に、
− 2.5%の過酸化ベンゾイル;
− 0.1%のアダパレン;
− 0.1%のEDTA二ナトリウム;
− 2%〜4%のグリセロール;
− 2%〜6%(好ましくは、2%、4%、または5%)のプロピレングリコール;
− 0%〜0.05%のドキュセートナトリウム;
− 2%〜4%の上述したゲル化システム;および
− 0.2%〜0.5%のポロキサマー124
を含む。
【0062】
本発明の特に好ましい組成物は、水中に、
アダパレン 0.1%
過酸化ベンゾイル BPOが2.5%となる適量
プロピレングリコール 4%
ポロキサマー124 0.1%
アルミニウム/マグネシウムシリケート 2%
ヒドロキシエチルセルロース 1.5%
キサンタンガム 0.5%
グリセロール 2%
ドキュセートナトリウム 0.05%
を含む。
【0063】
本発明の組成物を調製するための方法は、当業者に任意に採用され得る従来の方法である。
【0064】
本発明の別の主題は、医薬品としての前述の組成物である。
【0065】
本発明は、化粧品および皮膚科学における前述した組成物の使用にも関する。
【0066】
過酸化ベンゾイルの角質溶解活性、殺菌活性、および抗炎症活性のため、ならびに細胞分化および増殖の分野におけるレチノイドの顕著な活性のため、本発明の組成物は、以下の治療分野において特に好適である:
1)分化および増殖に関連する角化障害に伴う皮膚科学的疾患の治療、特に尋常性座瘡、面皰性座瘡または多形性座瘡、酒さ性座瘡、結節嚢腫性座瘡、集簇性座瘡、老人性座瘡または二次的座瘡(例えば日光性座瘡)、薬物性座瘡または職業性座瘡、および化膿性汗腺炎の治療;
2)その他のタイプの角化障害、特に魚鱗癬、魚鱗癬様の状態、ダリエー病、掌蹠角皮症、白斑症および白斑症様の状態ならびに皮膚のまたは粘膜(口腔)の苔癬の治療;
3)炎症および/または免疫アレルギー性要素を有する角化障害に伴う他の皮膚科学的疾患、および、特に、皮膚、粘膜、または爪の乾癬のいずれであるかにかかわらず全ての形態の乾癬、ならびに、乾癬性リューマチ、または皮膚アトピー(例えば湿疹または呼吸性アトピーなど)、または歯内肥大の治療;本化合物は、毛包炎のような角化障害を示さない特定の炎症性疾患において使用することもできる;
4)良性であるかまたは悪性であるかにかかわらず、およびウイルス起源であるか否かにかかわらず、全ての皮膚または表皮の増殖、例えば、尋常性ゆうぜい、扁平ゆうぜい、伝染性軟属腫、およびゆうぜい状表皮異形成、葉状口腔乳頭腫症、および紫外線によって引き起こされ得る増殖、特に、化学線によって誘導される増殖、特に角化症の治療;
5)光誘導性の老化であるかまたは加齢性の老化であるかにかかわらず、皮膚の老化の修復または解消、色素沈着の軽減、または光誘導性もしくは加齢性の老化に伴ういずれかの病理の軽減;
6)創傷治癒障害または皮膚潰瘍の予防的なまたは治癒的な治療、皮膚萎縮線条の予防または修復、または創傷治癒の促進;
7)脂腺機能障害、例えば脂漏過剰性座瘡、単純性脂漏の治療;
8)真菌由来の何らかの皮膚疾患、例えば足白癬および癜風の治療;
9)免疫学的要素を有する皮膚科学疾患の治療;
10)UV線への曝露に起因する皮膚疾患の治療;および
11)毛髪の小胞の周辺組織の炎症または感染に伴う皮膚科学的疾患、特に、微生物コロニー形成または感染に起因する疾患、特に、膿痂疹、脂漏性皮膚炎、毛包炎、または毛瘡、または細菌性もしくは真菌性の病原体が関与する何らかの他の疾患の治療。
【0067】
本発明に係る組成物は、尋常性ざ瘡の予防的および/または治癒的な方法での治療に特に適している。
【0068】
本発明の主題は、細胞分化および/または増殖疾患および/または角化障害と関連する皮膚科学疾患の予防または治療のための製薬調製物の製造、より特に、尋常性ざ瘡を予防および/または治療するための製薬調製物の製造にも関する。
【0069】
本発明に係る組成物はさらに、身体および毛髪の衛生への適用が見出される。
【0070】
本発明に係る組成物は、特に、化粧品分野における適用、特に、ざ瘡傾向の皮膚の治療のための、毛髪の再生のための、毛髪の損失の予防のための、皮膚または毛髪のべたついた外観を解消するための、日光の有害な作用からの保護における、または生理学的に脂っぽい皮膚の治療における、あるいは光誘導性または加齢性の老化の予防および/または解消のための適用が見出される。
【0071】
以下の実施例は、本発明の例証を可能にするものであるが、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0072】
[実施例1]:ゲル化剤2種の組合せ
a)シリケート/トラガカントガム
【0073】
【表1】

【0074】
b)キサンタンガム/セルロース(ヒドロキシエチルセルロース)
【0075】
【表2】

【0076】
c)セルロース/シリケート
【0077】
【表3】

【0078】
[実施例2]:ゲル化剤3種の組合せ
a)シリケート/セルロース/キサンタンガム
【0079】
【表4】

【0080】
[T0における規格]
巨視的外観:白く、なめらかであり、光沢のある製品。
微視的外観:両方の活性剤が良好に分散している。
【0081】
[物理的安定性]
【0082】
【表5】

【0083】
[化学的安定性]
アダパレン:HPLCにおける内部較正法による活性の分析。
開始時(T0)に、組成物のアダパレンの濃度が100%であるとみなす。T0と比較してアダパレンの濃度を%で測定した。
【0084】
【表6】

【0085】
過酸化ベンゾイル:HPLCにおける内部較正法による活性の分析。
開始時(T0)に、組成物の過酸化ベンゾイルの濃度が100%であるとみなす。T0と比較して過酸化ベンゾイルの濃度を%で測定した。
【0086】
【表7】

【0087】
b)シリケート/セルロース/キサンタンガム
【0088】
【表8】

【0089】
c)シリケート/セルロース/アラビアガム
【0090】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的に許容可能な媒体中に、
− 少なくとも1種のレチノイド;
− 過酸化ベンゾイル;および
− 少なくとも2つのカテゴリーの化合物類を含むゲル化システム
を含み、
前記カテゴリーの化合物類が、シリケート、セルロースゲル化剤、およびポリサッカライドガムから選択され、
ここで、少なくとも2種のゲル化剤が、アルミニウム/マグネシウムシリケート、キサンタンガム、およびヒドロキシプロピルセルロースから選択される場合には、前記ゲル化システムが、前記2種のゲル化剤のみからなるか、あるいは前記3種の化合物類とは異なるゲル化剤を少なくとも1種含むことを条件とする、組成物。
【請求項2】
前記シリケートが、マグネシウムシリケートおよびアルミニウムシリケートであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
シリケートの量が、前記組成物の総重量に対して0.1重量%〜10重量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記セルロースゲル化剤が、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、およびヒドロキシプロピルセルロースであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
セルロースゲル化剤の量が、前記組成物の総重量に対して0.1重量%〜10重量%であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
ポリサッカライドガムの量が、前記組成物の総重量に対して0.01重量%〜5重量%であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記ゲル化システムが、少なくとも1種のセルロースゲル化剤をシリケートと組み合わせて含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ゲル化システムが、少なくとも1種のシリケートをポリサッカライドガムと組み合わせて含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記ゲル化システムが、少なくとも1種のポリサッカライドガムをセルロースゲル化剤と組み合わせて含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記ゲル化システムが、少なくとも1種のシリケート、少なくとも1種のセルロースゲル化剤、および少なくとも1種のポリサッカライドガムを含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
0.0001重量%〜20重量%のレチノイドを含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記レチノイドがアダパレンであることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
0.0001重量%〜20重量%の過酸化ベンゾイルを含むことを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記過酸化ベンゾイルが、カプセル化されているかあるいは遊離していることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
浸透促進剤を含むことを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記浸透促進剤がプロピレングリコールであることを特徴とする、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
湿潤性液体界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記湿潤性液体界面活性剤がポロキサマーであることを特徴とする、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
− 2.5%の過酸化ベンゾイル;
− 0.1%のアダパレン;
− 0.1%のEDTA二ナトリウム;
− 2%〜4%のグリセロール;
− 2%〜6%のプロピレングリコール;
− 0%〜0.05%のドキュセートナトリウム;
− 2%〜4%のゲル化システム;および
− 0.2%〜0.5%のポロキサマー124;
を水中に含むことを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
アダパレン 0.1%
過酸化ベンゾイル BPOが2.5%となる適量
プロピレングリコール 4%
ポロキサマー124 0.1%
アルミニウム/マグネシウムシリケート 2%
ヒドロキシエチルセルロース 1.5%
キサンタンガム 0.5%
グリセロール 2%
ドキュセートナトリウム 0.05%
を水中に含むことを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
医薬品としての、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
細胞分化および/または増殖疾患および/または角化障害と関連する皮膚科学疾患の予防および/または治療のための製薬調製物の製造のための、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項23】
尋常性ざ瘡の予防および/または治療のための製薬調製物の製造のための、請求項22に記載の組成物の使用。
【請求項24】
ざ瘡傾向の皮膚の治療のための、毛髪の再生のための、毛髪の損失の予防のための、皮膚または毛髪のべたついた外観を解消するための、日光の有害な作用からの保護における、または生理学的に脂っぽい皮膚の治療における、あるいは光誘導性または加齢性の老化の予防および/または解消のための、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物の美容的使用。

【公表番号】特表2009−542773(P2009−542773A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518885(P2009−518885)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057091
【国際公開番号】WO2008/006848
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)
【Fターム(参考)】